JP4414519B2 - 樹脂の製造設備および製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、ポリカーボネート等の製造方法に関し、詳しくはポリカーボネート等の着色、架橋、ゲル発生等の滞留劣化を引き起こさない、異物含有量が極めて少ない樹脂を製造する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は耐衝撃性等の機械的物性や透明性に優れており、種々の用途に広く用いられている。ポリカーボネート樹脂の製造方法としてはジヒドロキシ化合物とホスゲンとを直接反応させる界面法、あるいはジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを加熱減圧下においてエステル交換反応させる溶融法などが知られている。
【0003】
ポリカーボネートの製造は、通常噛み合い型2軸ルーダーを用いて処理することも行われているが、特に、ポリカーボネートを噛み合い型2軸ルーダーに供給して脱揮処理や添加物の混練処理を行う場合、この処理の過程でポリカーボネートの着色、架橋、ゲル発生等が生じるとともに、ポリカーボネート中の異物含有量も増加し、製品品質に多大な影響を及ぼすことが解っており、本願発明者等の検討によれば、特にこの問題は耐熱性を向上させる目的で燐系化合物を添加剤として使用した場合や、これに加えて脂肪酸エステル類を離型性を向上させる目的で添加剤として使用した場合に顕著となることが明らかとなった。
【0004】
同様に本願発明者等の検討の結果、水を脱揮助剤として用いる方法でポリカーボネートの脱揮を実施した場合も、上記問題が顕著となる傾向が認められた。
【0005】
特に近年、DVD、MO、CDRなどの高密度、高精度が必要な光学用途において使用されるポリカーボネートでは、着色の問題やゲルの問題は直接的に最終製品のブロックエラーレートなどの光学特性および引張り、曲げ、靭性などの機械特性に影響を及ぼすため、このような問題は深刻である。
【0006】
また、このような問題は、着色、架橋、異物、ゲル発生の起こりやすい他の樹脂についても共通したものとして存在している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明の目的は、一般樹脂、特にポリカーボネートの製造方法に関し、なかんずく溶融重合法で得られるポリカーボネートに適した、着色、架橋、ゲル発生等の滞留劣化を引き起こさない、異物含有量が極めて少ない樹脂を製造する製造方設備および製造方法を提供することにある。
なお、以下においては、特に本願発明の効果が著しいポリカーボネートについて記述するが、本願発明は、着色、架橋、異物、ゲル発生の起こりやすい他の樹脂についても適用できるものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明者がこれらの着色、架橋、異物、ゲル発生の起こりやすい樹脂について研究した結果、これらの問題は、噛み合い型2軸ルーダーに代表される横型筒状真空樹脂処理装置に付設される真空吸引配管の壁面に生じた樹脂の分解物等の付着物が、横型筒状真空樹脂処理装置内に逆流することによって生じることを見出し、これを防止するには、真空吸引配管を含むベント部を特定の配置構造とすることが極めて有効であることを見出し、本願発明に到達したものである。
【0009】
すなわち、本願発明は次の通りである。
1. 横型筒状真空樹脂処理装置の側面に開口を有し、かつ、開口に接続される真空吸引配管の少なくとも下部がその開口に対し下がり勾配を有することを特徴とする樹脂の製造装置。
【0010】
2. 下がり勾配が水平面となす角度が5〜45゜の間にあることを特徴とする上記1記載の製造設備。
【0011】
3. 横型筒状真空樹脂処理装置の側面に設けられた開口について、当該処理装置の軸方向に直交する断面内において、当該処理装置の中心と開口部最低位置を結ぶ線と、当該処理装置の中心を通る水平線との成す角度が水平より上方にあってかつ0〜85°の間にあり、さらに当該処理装置の中心と開口部最高位置を結ぶ線と、当該処理装置の中心を通る水平線との成す角度が水平より上方にあってかつ5〜90°の間にあるような位置に設置されることを特徴とする上記1又は2に記載の製造設備。
【0012】
4. 横型筒状真空樹脂処理装置の側面に有する開口部において、外部から回転翼の回転を観察した場合に、下から上に回転翼が回転するように回転軸の回転方向を選択することを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の製造設備。
【0013】
5. 真空吸引配管に付着した処理樹脂の溶融粘度が5000Pa・s以下となる温度に真空吸引配管の一部または全部を加熱することを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の製造設備。
【0014】
6. 横型筒状真空樹脂処理装置がエクストルーダーであることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の製造設備。
【0015】
7. 横型筒状真空樹脂処理装置が噛み合い型2軸ルーダーであることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の製造設備。
【0016】
8. 横型筒状真空樹脂処理装置でなされる処理が樹脂に含まれる揮発物を除去する処理および/または添加剤を添加混合する処理であることを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の製造設備。
【0017】
9. 樹脂がポリカーボネートであることを特徴とする上記8に記載の製造設備。
【0018】
10. 添加剤が燐系化合物であることを特徴とする上記8または9に記載の製造設備。
【0019】
11. 添加剤が脂肪酸エステルであることを特徴とする上記8または9に記載の製造設備。
【0020】
12. 揮発物を除去する処理が、水を樹脂に添加混練した後、減圧に吸引することからなる処理であることを特徴とする上記8または9に記載の製造設備。
【0021】
13. 上記1〜12に記載の製造設備を使用することを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
【0022】
14. 溶融状態の芳香族ポリカーボネートに対し0.1〜20重量%の水を200℃〜350℃の温度と0.3MPa以上の圧力で添加混練した後、ベント部圧力が1.013×105Pa(760mmHg)以下となるよう吸引することにより揮発物を除去することを特徴とする上記13に記載の製造方法。
【0023】
15. 芳香族ポリカーボネートが芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族炭酸ジエステルとを溶融重合せしめたポリカーボネートを一旦固化させることなく、ルーダーに供給したものであることを特徴とする上記13または14に記載の製造方法。
【0024】
ここで、「横型筒状真空樹脂処理装置」とはポリマーの重合度調節、末端封鎖等の各種添加剤等の添加後の揮発物除去等のために樹脂を真空吸引下に曝す処理をするための横型筒状の装置であり、噛み合い型2軸ルーダーを例示することができる。
【0025】
「下がり勾配」は付着物の逆流を防止するためのものであり、水平面となす角度が5〜45゜であることが望ましく、15〜45゜であることが更に望ましい。なお、この「下がり勾配」は、真空吸引配管の下部について言えば、後述する図6のαを意味する。
【0026】
横型筒状真空樹脂処理装置の側面に設けられた開口について、当該処理装置の軸方向に直交する断面内において、当該処理装置の中心と開口部最低位置を結ぶ線と、当該処理装置の中心を通る水平線との成す角度が水平より上方にあってかつ0〜85°の間にあり、さらに当該処理装置の中心と開口部最高位置を結ぶ線と、当該処理装置の中心を通る水平線との成す角度が水平より上方にあってかつ5〜90°の間にあるような位置に設置されることが望ましい。この前者の角度は、具体例としては、後述する図6のβ、後者の角度は後述する図6のγで表わされる。
【0027】
さらに横型筒状真空樹脂処理装置の側面に有する開口部において、外部から回転翼の回転を観察した場合に、下から上に回転翼が回転するように回転軸の回転方向を選択することが好ましい。この様にする事により、逆の回転方向を選択した場合に比べ、開口部に流れ込む樹脂の量を減少させ、ひいてはベントアップと呼ばれる開口部が樹脂で閉塞される状態を防止する事が出来るため好ましい。
【0028】
また本発明では、開口部において樹脂の回転軸への巻き込みを良くする目的で、開口部にアンダーカットを設けることが望ましい。ここで、アンダーカットとは図6の番号10に示すようにスクリューとシリンダー壁の間のクリアランスが通常よりも大きくなった部分の事を言い、開口部近傍において自由表面を形成したスクリュー上の樹脂が再びシリンダー内に噛み込まれる事を容易にする働きを行う。この為、アンダーカットを付設する位置はスクリューの回転方向によって異なり、下から上に回転翼が回転する場合は開口部の上部にアンダーカットを設ける事が好ましい。また、アンダーカットの軸方向の幅は樹脂の流れ方向の下流側を開口の幅よりも広くする事が好ましい。この様にする事により、開口部に流れ込む樹脂の量を減少させ、ひいてはベントアップと呼ばれる開口部が樹脂で閉塞される状態を防止する事が出来る。
【0029】
真空吸引配管に付着した処理樹脂の溶融粘度が5000Pa・s以下となる温度に真空吸引配管を加熱することが望ましいのは、このような粘度に保つと付着物の流動性が増し、系外への付着物の除去が容易になることが見出されたためである。具体的には[η]が0.5のポリカーボネートの場合250゜C程度に保つことでそのような状態が実現できる。なお、あまり温度を上げすぎると架橋反応、分解反応が促進され、かえって付着物の流動性が低下する場合もある。ポリカーボネートの場合には分子量によっても異なるが、一般には200゜C〜350゜Cの間の温度が望ましい。
【0030】
本願発明を噛み合い型2軸ルーダーを使用する芳香族ポリカーボネートの処理について例示すると、本願発明の上記目的および利点は、芳香族ポリカーボネートをベント部を有する噛み合い型2軸ルーダーに供給し、芳香族ポリカーボネートに含まれる揮発物を除去する処理および/または添加剤を添加混合する処理を行うに際して、噛み合い型2軸ルーダーの側面に開口を有し、かつ、開口に接続される真空吸引配管の少なくとも下部がその開口に対し下がり勾配を有することを特徴とする樹脂の製造装置を採用すること等によって達成される。
【0031】
以下図1〜図6に基づいて説明する。
図1は従来の配置構造のベント部を有する噛み合い型2軸ルーダーにおける、当該ベント部の、2軸ルーダーの軸方向に直交する方向の断面を表わしたものである。
【0032】
図2は図1の断面について、各部分を別々に表わしたものである。
【0033】
図3は本願発明に係る配置構造のベント部を有する噛み合い型2軸ルーダーにおける、当該ベント部の、2軸ルーダーの軸方向に直交する方向の断面である。
【0034】
図4は図3の断面について、各部分を別々に表わしたものである。
【0035】
図6は本願発明に係る配置構造のベント部を有する噛み合い型2軸ルーダーにおける、当該ベント部の、2軸ルーダーの軸方向に直交する方向の断面図の拡大図の一例である。
【0036】
図5は図6の部分をバレルから側面開口部を見る方向に見た図である。
【0037】
図2に示すごとく、一般に使用されているルーダーのベント部はバレル1上部に接続部品3を取り付け、これに真空排気ライン4を接続した構造を有する。
【0038】
ルーダーの真空吸引処理においては、ポリマーに含まれる揮発成分と共にポリマーの一部が飛散し、接続部品3の内壁や真空排気ライン4に付着するが、この付着物が熱履歴を受け、着色、ゲル、不溶物生成などの熱劣化を引き起こし、この熱劣化物がルーダー内に入り込むことにより重大な品質低下を引き起こしていた。
【0039】
このため、真空排気ライン4は接続部品3に対し下がり勾配を付け、真空排気ライン4に付着するポリマーやオリゴマーや他の揮発物質をルーダー内に戻さないようにすると共に、接続部品3の真空排気ライン4取り付け部直下の内面に溝5を設け、接続部品3内面に付着したポリマーなどを真空排気ライン側4に導き、ルーダー内に戻さない工夫を施したものが使用されている。
【0040】
しかしながら、たとえば脱揮助剤を使用する脱揮処理においては飛散ポリマー量が増大するため、溝5を乗り越えて熱劣化物がルーダー内に戻るようになり、品質低下を引き起こす場合があることが見出された。
【0041】
また、ルーダーにおいて添加剤を添加する場合には、使用する添加剤によっては、添加剤の混練後の真空吸引処理において飛散物が激しい熱劣化を生ずる場合があり、接続部品3全体が熱劣化物で覆われ、熱劣化物がルーダー内に戻ることを防ぐことができず、品質低下を引き起こす場合があることが見出された。
【0042】
本願発明によれば、噛み合い型2軸ルーダーのバレル6の側面に開口7を設け、かつ、開口に接続される接続部品8および真空排気ライン9の下部8’、9’がルーダー開口に対し下がり勾配を有する構造となるため、飛散物がルーダー内に戻ることを完全に防止することが可能となり、品質が大幅に向上する。なお、図3の開口7は図4の様に左横側に大きな開口部を有するバレル6と接続部品8とを組み合わせることによって構成されているが、本願発明は、この開口7が他の方法によって構成される場合をも含み、接続部品8を欠き、真空ライン9が直接バレル6と接続されるものも含むことは言うまでもない。
【0043】
上記1.において「真空吸引配管の少なくとも下部」とは、この具体例における接続部品8および真空排気ライン9の下部8’、9’を意味する。「下部」と規定したのは、上部は必ずしも下がり勾配となっていなくても良く、図4に示すようにほぼ水平となっていても良いことを意味する。ただし、上部が上がり勾配になっていると付着物が横型筒状真空樹脂処理装置側に逆流することになるので好ましくない。
【0044】
なお、図6において、本願発明に係る「下がり勾配」は図中のαを意味し、横型筒状真空樹脂処理装置の側面に設けられた開口について、当該処理装置の軸方向に直交する断面内において、当該処理装置の中心と開口部最低位置を結ぶ線と、当該処理装置の中心を通る水平線との成す角度は図中ののβ、当該処理装置の中心と開口部最高位置を結ぶ線と、当該処理装置の中心を通る水平線との成す角度は図中のγを意味する。
【0045】
上記5.における「真空吸引配管」には、この具体例における接続部品8および真空排気ライン9が含まれる。上記5.において「真空吸引配管の一部または全部」と規定したのは、例えば開口7の近くのみを当該条件に合うように加熱すれば充分な場合があるからである。ただし、系外に排出される場所に至るまでを実質的にこの条件に保つほうが、一般的に望ましい。
【0046】
また、図5および図6における斜線部10は本願明細書に言うアンダーカットを施した部分である。図6の斜線の部分は削り取られていることを意味する。
【0047】
本願発明はベント部に付着する飛散物が激しい熱劣化を起こす、特定の添加剤混練後の真空吸引処理に使用すると特に有用である。
【0048】
このような特定の添加剤としてはポリカーボネートの耐熱性を向上させる目的などで使用される燐系化合物がある。
【0049】
燐系化合物を更に具体的に述べると、燐酸、亜燐酸、燐酸エステル化合物、亜燐酸エステル化合物、ホスフィン酸化合物がある。
【0050】
燐酸エステル化合物としては例えば、燐酸トリメチル、燐酸ジメチル、燐酸メチルを挙げることができる。
【0051】
亜燐酸エステル化合物としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(ミックスド、モノ、ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを挙げることができる。
【0052】
ホスフィン酸化合物としては、例えば、4,4'−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)を挙げることができる。
【0053】
また、本願発明の実施に好適な添加剤としては上記の燐系化合物と離型性向上等の目的に使用される脂肪酸エステルの組み合わせがある。
【0054】
このような脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールのモノステアレート、ジステアレート、トリステアレート、テトラステアレートを挙げることができる。
【0055】
更に本願発明は、上記の添加剤に他の目的の添加剤を組み合わせた系あるいはそれらを独立に使用する系においても好ましく実施することができる。
【0056】
このような添加剤としては、例えば、エポキシ化合物、紫外線吸収剤、着色剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、滑剤、有機充填剤、無機充填剤、上記以外の安定剤や離型剤等をあげることができる。
【0057】
本願発明に用いられる紫外線吸収剤としては、一般的な紫外線吸収剤が用いられ、例えば、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等を挙げることができる。
【0058】
また上記以外の耐熱安定剤としては、例えば、フェノール系安定剤、有機チオエーテル系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤等を挙げることができる。
【0059】
また上記以外の離型剤としては一般的に知られた離型剤を用いることができ、例えば、パラフィン類などの炭化水素系離型剤、ステアリン酸等の脂肪酸系離型剤、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド系離型剤、ステアリルアルコール、ペンタエリスリトール等のアルコール系離型剤、シリコーンオイル等のシリコーン系離型剤等を挙げることができる。
【0060】
着色剤としては有機系や無機系の顔料や染料を使用することができる。
【0061】
添加剤の添加混練は、マテリアルシール部の介在および/または非介在下で、混練部とベント部とからなる単位処理ゾーンを備えた2軸ルーダーを使用する。単位処理ゾーンの数は、1つでもよいが複数個所有してもよい。
【0062】
混練部において添加剤は直接またはマスターペレットまたは適当な溶剤に溶解または分散させて溶融状態のポリカーボネートに添加、混練される。また混練部はベント部の上流に設置される。
【0063】
ベント部は、真空ポンプ等によって減圧され、常圧または減圧に維持される。
【0064】
ここでポリカーボネートと添加剤の混練は、温度200〜350℃、好ましくは240〜320℃で混練時間0.1秒間以上の条件で行うのがよい。温度が200℃未満であるとポリカーボネートと添加剤の混練が困難であり、一方350℃を越えるとポリカーボネート樹脂が熱分解を起こすため好ましくない。
【0065】
ベント部では真空ポンプ等により減圧処理し、揮発性不純物を系外に除去する。減圧処理条件としては、ベント部圧力が1.013×105Pa(760mmHg)以下、好ましくは6.667×104Pa(500mmHg)以下となる圧力で0.1秒間以上行う。ベント部圧力が1.013×105Pa(760mmHg)を越えると添加した溶媒ならびに揮発性不純物を系外に除去できないため好ましくない。
【0066】
本願発明において、添加剤の添加混練に溶媒を用いても良く、このような溶媒としては、水、飽和脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素が挙げられる。
【0067】
本願発明の今一つの好ましい態様は脱揮助剤を用いた脱揮処理である。
脱揮助剤の添加混練は、マテリアルシール部の介在下で、混練部とベント部とからなる単位処理ゾーンを備えた2軸ルーダーを使用することが好ましい。単位処理ゾーンの数は、1つでもよいが複数個所有してもよい。
【0068】
混練部において脱揮助剤は溶融状態のポリカーボネートに添加、混練される。また混練部はベント部の上流に設置される。
ベント部は、真空ポンプ等によって減圧され、常圧または減圧に維持される。
【0069】
ここでポリカーボネートと脱揮助剤の混練は、温度200〜350℃、好ましくは240〜320℃、圧力0.3MPa以上、好ましくは1.0MPa以上の条件で行う。温度が200℃未満であるとポリカーボネートと脱揮助剤の混練が困難であり、一方350℃を越えるとポリカーボネート樹脂が熱分解を起こすため好ましくない。
【0070】
ポリカーボネートを脱揮助剤の存在下で混練させる時間は、混練部でのポリカーボネートの平均滞留時間で規定でき、複数の単位処理ゾーンを有する押出機の場合はその総和として表されるものであるが、0.1〜100秒が好ましい。脱揮助剤の存在下で混練させる時間がこれより短い場合は、不純物除去効果が低下するため好ましくない。またこれより長い場合は、脱揮助剤に水を使用した場合、ポリカーボネートが加水分解を起こし、分子量が低下してしまうため好ましくなく、脱揮助剤に水以外の物質を使用した場合、品質的には特に問題は生じないものの生産量が低下するため好ましくない。
【0071】
脱揮助剤はポリカーボネート100重量部に対し0.1〜20重量部の割合で添加されることが多い。脱揮助剤の添加量が0.1重量部未満であると、揮発性不純物の除去が不十分であり、一方20重量部を越えると助剤添加量の割には不純物除去効果が上昇しないため、経済的に不利となる。
【0072】
複数の単位処理ゾーンを有する場合は、各々のゾーンにおける脱揮助剤の添加量を上記範囲にすることが好ましい。
【0073】
ベント部では真空ポンプ等により減圧処理し、溶媒ならびに揮発性不純物を系外に除去する。減圧処理条件としては、ベント部圧力が1.013×105Pa(760mmHg)以下、好ましくは6.667×104Pa(500mmHg)以下となる圧力で0.1秒間以上行う。ベント部圧力が1.013×105Pa(760mmHg)を越えると添加した脱揮助剤ならびに揮発性不純物を系外に除去できないため好ましくない。
【0074】
本願発明において、用いられる脱揮助剤としては、水、窒素、前述の飽和脂肪族炭化水素、前述の芳香族炭化水素が挙げられ、その中でも水がコスト的に有利であり特に好ましく用いられる。
【0075】
本願発明では、上記に示す特定の真空処理構造を有する2軸ルーダーを用いて添加剤の混合や脱揮処理を行うことで着色、架橋、異物、ゲル等の滞留劣化物の混入を防止し、着色、異物含有量等が極めて少ないポリカーボネートを製造することができるわけであるが、噛み合い型2軸ルーダーに供給される芳香族ポリカーボネートとしては様々な方法により得られたものを用いることができ、例えば、塩化メチレン等の溶剤中で、公知の酸受容体、分子量調整剤の存在下、2価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体との反応によって製造されるもの、芳香族ジオール化合物と炭酸エステルとを塩基性窒素化合物とアルカリ金属化合物とよりなるエステル交換触媒等のエステル交換触媒等の存在下、溶融重縮合させて製造されるものがあり、特に後者においては重合器から溶融状態のポリカーボネートが得られるため、一旦冷却固化させることなく、直接ルーダーに供給することが可能であり、大きな効果が得られるため好ましい。
【0076】
溶融重縮合に使用される芳香族ジオール化合物としては、具体的にはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキサイド、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)オキサイド、p,p’−ジヒドロキシジフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、レゾルシノール、ハイドロキノン、1,4−ジヒドロキシ−2,5−ジクロロベンゼン、1,4−ジヒドロキシ−3−メチルベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられるが、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
【0077】
炭酸ジエステルとしては、具体的にはジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどが用いられる。これらのうち特にジフェニルカーボネートが好ましい。
【0078】
さらに、本願発明のポリカーボネートには必要に応じて、脂肪族ジオールとして、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,10−デカンジオール等を、ジカルボン酸類として、例えば、コハク酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、シクロヘキサンカルボン酸、テレフルタ酸等;オキシ酸類例えば、乳酸、P−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等を含有していても良い。
【0079】
触媒として使用されるアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属化合物についても得られるポリカーボネートの色相を低下させるものでなければ特に制限はなく種々の公知のものを使用することができる。
【0080】
触媒としてのアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物は、当該触媒中のアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属化合物が芳香族ジオール化合物1モル当り1×10-8〜5×10-5当量となる割合いで好ましく使用される。より好ましい割合は同じ基準に対し5×10-7〜1×10-5当量となる割合である。
【0081】
アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属化合物の使用量が上記1×10-8〜5×10-5当量の範囲内であると芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの重縮合反応活性を維持できるとともに、得られるポリカーボネートの色相等の品質に悪影響を起こさない。また触媒として使用するアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属化合物の使用量が上記範囲内であれば、これらの化合物の活性を触媒失活剤で低下もしくは失活させることができ、色相、耐熱性、耐加水分解性等の品質に優れたポリカーボネートを得ることができる。
【0082】
アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属化合物の使用量が上記1×10-8〜5×10-5当量の範囲を逸脱すると得られるポリカーボネートの品質が低下する傾向にある。
【0083】
本願発明においては触媒として上記アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属化合物とともに、所望により他の塩基性化合物を用いることができる。
【0084】
上記塩基性化合物としては、例えば高温で易分解性あるいは揮発性の含窒素化合物等が好ましく使用される。
【0085】
上記含窒素塩基性化合物は、含窒素塩基性化合物中の塩基性窒素原子が芳香族ジオール化合物1モル当り1×10-5〜5×10-3当量となる割合で用いるのが好ましい。より好ましい割合は同じ基準に対し2×10-5〜5×10-4当量となる割合である。特に好ましい割合は同じ基準に対し5×10-5〜5×10-4当量となる割合である。
【0086】
なお、本願明細書において、仕込み芳香族ジオール化合物(芳香族ジヒドロキシ化合物ともいう)に対するアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素塩基性化合物の割合いを、「芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し金属または塩基性窒素としてW(数値)当量のZ(化合物名)量」として表現したが、これは、例えば、Zがナトリウムフェノキシドや2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンモノナトリウム塩のようにナトリウム原子が一つであり、またはトリエチルアミンのように塩基性窒素が一つであれば、Zの量がWモルに相当する量であることを意味し、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジナトリウム塩のように二つであれば、W/2モルに相当する量であることを意味する。
【0087】
触媒として用いられるアルカリ金属化合物としては、例えばアルカリ金属の水酸化物、炭酸水素化物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、ステアリン酸塩、水素化ホウ素塩、安息香酸塩、リン酸水素化物、ビスフェノール、フェノールの塩等が挙げられる。
【0088】
具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸カリウム、シアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン酸水素ジナトリウム、リン酸水素ジカリウム、リン酸水素ジリチウム、ビスフェノールAのジナトリウム塩、ジカリウム塩、ジリチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙げられる。
【0089】
触媒として用いられるアルカリ土類金属化合物としては、例えばアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸水素化物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、ステアリン酸塩、安息香酸塩、ビスフェノール、フェノールの塩等が挙げられる。
【0090】
具体例としては、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸ストロンチウム、硝酸カルシウム、硝酸バリウム、硝酸ストロンチウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸ストロンチウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸バリウム、亜硫酸ストロンチウム、シアン酸カルシウム、シアン酸バリウム、シアン酸ストロンチウム、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸バリウム、チオシアン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸ストロンチウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素バリウム、水素化ホウ素ストロンチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸バリウム、安息香酸ストロンチウム、ビスフェノールAのカルシウム塩、バリウム塩、ストロンチウム塩、フェノールのカルシウム塩、バリウム塩、ストロンチウム塩などが挙げられる。
【0091】
本願発明においては所望により、触媒のアルカリ金属化合物として、(a)周期律表第14族の元素のアート錯体のアルカリ金属塩または(b)周期律表第14族の元素のオキソ酸のアルカリ金属塩を用いることができる。ここで周期律表第14族の元素とは、ケイ素、ゲルマニウム、スズのことをいう。
【0092】
(a)周期率表第14族元素のアート錯体のアルカリ金属塩としては、特開平7−268091号公報に記載のものをいうが、具体的には、ゲルマニウム(Ge)の化合物;NaGe(OMe)5、NaGe(OEt)3、NaGe(OPr)5、NaGe(OBu)5、NaGe(OPh)5、LiGe(OMe)5、LiGe(OBu)5、LiGe(OPh)5を挙げることができる。
【0093】
スズ(Sn)の化合物としては、NaSn(OMe)3、NaSn(OMe)2(OEt)、NaSn(OPr)3、NaSn(O−n−C6H13)3、NaSn(OMe)5、NaSn(OEt)5、NaSn(OBu)5、NaSn(O−n−C12H25)5、NaSn(OEt)、NaSn(OPh)5、NaSnBu2(OMe)3を挙げることができる。
【0094】
また(b)周期律表第14族元素のオキソ酸のアルカリ金属塩としては、例えばケイ酸(silicic acid)のアルカリ金属塩、スズ酸(stanic acid)のアルカリ金属塩、ゲルマニウム(II)酸(germanous acid)のアルカリ金属塩、ゲルマニウム(IV)酸(germanicacid )のアルカリ金属塩を好ましいものとして挙げることができる。
【0095】
ケイ酸のアルカリ金属塩は、例えばモノケイ酸(monosilicic acid)またはその縮合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その例としては、オルトケイ酸モノナトリウム、オルトケイ酸ジナトリウム、オルトケイ酸トリナトリウム、オルトケイ酸テトラナトリウムを挙げることができる。
【0096】
スズ酸のアルカリ金属塩は、例えばモノスズ酸(monostanic acid)またはその縮合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その例としてはモノスズ酸ジナトリウム塩(Na2SnO3・xCH2O、x=0〜5)、モノスズ酸テトラナトリウム塩(Na4SnO4)を挙げることができる。
【0097】
ゲルマニウム(II)酸(germanous acid)のアルカリ金属塩は、例えばモノゲルマニウム酸またはその縮合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その例としてはゲルマニウム酸モノナトリウム塩(NaHGeO2)を挙げることができる。
【0098】
ゲルマニウム(IV)酸(germanic acid)のアルカリ金属塩は、例えばモノゲルマニウム(IV)酸またはその縮合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その例としてはオルトゲルマニウム酸モノリチウム酸(LiH3GeO4)オルトゲルマニウム酸ジナトリウム塩、オルトゲルマニウム酸テトラナトリウム塩、ジゲルマニウム酸ジナトリウム塩(Na2Ge2O5)、テトラゲルマニウム酸ジナトリウム塩(Na2Ge4O9)、ペンタゲルマニウム酸ジナトリウム塩(Na2Ge5O11)を挙げることができる。
【0099】
また、触媒としての含窒素塩基性化合物としては、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(Bu4NOH)、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(φ−CH2(Me)3NOH)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルキル、アリール、アルキルアリール基などを有するアンモニウムヒドロオキシド類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ヘキサデシルジメチルアミンなどの3級アミン類、あるいはテトラメチルアンモニウムボロハイドライド(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)などの塩基性塩を挙げることができる。
【0100】
本願発明の重縮合反応には、上記触媒と一緒に、必要により、周期律表第14族元素のオキソ酸および同元素の酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の助触媒を共存させることができる。
【0101】
これら助触媒を特定の割合で用いることにより、末端の封鎖反応、重縮合反応速度を損なうことなく、重縮合反応中に生成し易い分岐反応や、成形加工時における装置内での異物の生成、やけといった好ましくない副反応をより効果的に抑制することができる。
【0102】
本願発明において、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとをエステル交換反応させる温度および圧力は特に制限が無く、反応が開始し、かつ、反応で生成したモノヒドロキシ化合物が反応系外に速やかに除去される温度および圧力であれば如何なる条件でも良いが、150℃〜200℃の温度および4.0×103Pa(30mmHg)〜1.333×104Pa(100mmHg)の圧力で反応を開始した後、反応の進行に伴うポリカーボネートの分子量の増大に従って反応温度を高め、反応圧力を低下させ、最終的には270〜350℃の温度および1.333×102Pa(1mmHg)以下の圧力で反応を実施することが一般的である。
【0103】
更に詳しくは、ポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)が1000〜2000までの領域では150〜220℃の温度および4.0×103Pa(30mmHg)〜1.333×104Pa(100mmHg)の圧力で反応を実施し、Mvが4000〜6000の領域では200〜250℃、1.333×103Pa(10mmHg)〜1.333×104Pa(100mmHg)で反応を実施し、Mvが10000を超える領域では250〜300℃、1.333×102Pa(1mmHg)以下で反応を実施することが好ましい。尚、使用する圧力の単位は特に記述しない限り全て絶対圧である。
【0104】
本願発明において、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとをエステル交換せしめポリカーボネートを製造するために使用される設備およびプロセスに特に制限はなく、従来知られている設備やプロセスが使用できる。回分式で実施する場合は、通常2基の反応器を直列に設置し、前者に精留塔を設置した撹拌槽を使用し、後者に精留塔を設置しない撹拌槽を使用し、異なる条件で反応を実施する。この場合、両者をバルブを備えた配管で接続し、必要に応じて反応液を移送するためのポンプを備えた設備を用い外気に触れることなく前者の反応物を後者に移送し、後者で所望の重合度まで反応を実施することが好ましい。
【0105】
連続式で実施する場合は通常2基以上の反応器を直列に設置し、隣接する反応器をバルブを備えた配管で接続し、必要に応じて反応液を移送するためのポンプを備えた設備を用い、各々の反応器を異なる条件に維持しつつ最初の反応器に原料と触媒を連続的に供給し、最後の反応器から所望の重合度のポリカーボネートを連続的に抜き出すことにより実施される。
【0106】
芳香族ジヒドロキシ化合物に対する炭酸ジエステルのモル比は精留塔の能力や反応器におけるモノマーの反応率や、得ようとするポリカーボネートのOH末端基量によって変化するが通常0.8〜1.5好ましくは0.95〜1.1更に好ましくは1.0〜1.05が使用される。
【0107】
これらの設備に使用される機器の材質は特に制限はないが、鉄の含有量の多い材質は避けるべきであり、通常ニッケル、ステンレススチール等が好ましくが使用される。
【0108】
本願発明においては、上記のようにして得られた芳香族ポリカーボネートをベント部を有する噛み合い型2軸ルーダーに供給し、芳香族ポリカーボネートに含まれる揮発物を除去する処理および/または添加剤を添加混合する処理を行うに際して、噛み合い型2軸ルーダーの側面に開口を有し、かつ、開口に接続される真空吸引配管の少なくとも下部がその開口に対し下がり勾配を有することを特徴とする樹脂の製造装置を採用すること等によって、ベント部で発生した滞留劣化物がポリカーボネートに混入することを防止し、着色、架橋、ゲル成分が少なく、その他の異物含有量も極めて少ないポリカーボネートを製造することができる。
【0109】
本願発明においては、上記の如き溶融重合で得られたポリカーボネートに触媒失活剤を添加混練し重合触媒の活性をなくすことで、さらに熱安定性、色相安定性、耐加水分解性に優れたポリカーボネート樹脂を製造することができる。
【0110】
このような触媒失活剤としては特開平8−59975号公報記載のような公知の触媒失活剤が有効に使用されるが、この中でもスルホン酸のアンモニウム塩、スルホン酸のホスホニウム塩、スルホン酸のエステルが好ましく、特に、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、パラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩が好ましい。
【0111】
触媒失活剤の添加量は、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物より選ばれた前記主重縮合触媒1モルあたり0.5〜50当量の割合で、好ましくは0.5〜10当量の割合で、更に好ましくは0.8〜5当量の割合で使用する。ここで触媒失活剤の当量は失活剤1分子中に存在する、触媒金属の1価当りと反応し得る反応部位の数でモル数を除したものを表わし、失活剤1分子中に該反応部位が1ケ存在する場合には1モルは1当量に等しくなり、該反応部位が2ケ存在する場合には1モルは2当量に等しくなる。上記触媒失活剤添加量は通常、ポリカーボネートに対し0.01〜500ppmの割合で使用することに相当する。
【0112】
失活剤の添加混練は、マテリアルシール部の介在および/または非介在下で、混練部とベント部からなる単位処理ゾーンを備えた2軸ルーダーを使用することが好ましい。単位処理ゾーンの数は、1つでもよいが複数個所有してもよい。
【0113】
混練部において失活剤は直接またはマスターペレットまたは適当な溶剤に溶解または分散させて溶融状態のポリカーボネートに添加、混練される。混練部はベント部の上流に設置される。
【0114】
ベント部は、真空ポンプ等によって減圧され、常圧または減圧に維持される。
【0115】
ここでポリカーボネートと失活剤の混練は、温度200〜350℃、好ましくは240〜320℃、圧力0.3MPa以上、好ましくは1.0MPa以上で混練時間0.1秒間以上の条件で行う。温度が200℃未満であるとポリカーボネートと失活剤の混練が困難であり、一方350℃を越えるとポリカーボネート樹脂が熱分解を起こすため好ましくない。
【0116】
失活剤を溶液で添加した場合、その溶媒が脱揮助剤の働きをし、揮発性不純物除去効果が上昇するため好ましい。
【0117】
ベント部では真空ポンプ等により減圧処理し、溶媒ならびに揮発性不純物を系外に除去する。減圧処理条件としては、ベント部圧力が1.013×105Pa(760mmHg)以下、好ましくは6.667×104Pa(500mmHg)以下となる圧力で0.1秒間以上行う。ベント部圧力が1.013×105Pa(760mmHg)を越えると添加した溶媒ならびに揮発性不純物を系外に除去できないため好ましくない。
【0118】
本願発明において、失活剤添加混練に用いられる溶媒としては、水、飽和脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素が用いられ、その中でも水が特に好ましく用いられる。
【0119】
なお、上記説明は芳香族ポリカーボネートについてしたものであるが、本願発明は他の着色、架橋、異物、ゲル発生等の問題を引き起こす可能性のある樹脂についても適用することができる。一般に使用されている熱可塑性樹脂特にポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、PPSなどは着色、架橋、異物、ゲル発生等の問題を引き起こし易いので効果が大きい。ただし、芳香族ポリカーボネートはそのなかでも特に着色、架橋、異物、ゲル発生等の問題に対して敏感であり、本願発明に係る装置および方法の有用性は特に大きい。
【0120】
【実施例】
以下に、本願発明の実施例を示す。なお、この実施例は本願発明を例示するためのものであり、本願発明はこの実施例によって制限されるものではない。
実施例中の%および部は特に断らない限り重量%または重量部である。また、以下の実施例において得られたポリカーボネートの物性は以下のようにして測定した。
【0121】
[固有粘度および粘度平均分子量]
0.7g/dlの塩化メチレン溶液をウベローデ粘度計を用い固有粘度を測定し、次式により粘度平均分子量を求めた。
[η]=1.23×10-4M0.83
【0122】
[溶融粘度]
B型粘度計を用いて測定温度(T℃)における剪断速度1(1/sec)のときの粘度を測定した。
【0123】
[異物量]
ポリカーボネート100gを1リットルの塩化メチレンに溶解し、この溶液を30μmの孔径を有するフィルターで濾過し、フィルター上に残留した異物の個数を顕微鏡下でカウントした。この方法では、ゲルのほかに、炭化物、結晶化物等の他の異物も含めて評価される。
【0124】
[色相b値]
日本電色工業製の色差計で測定した。
【0125】
[実施例1]
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1モルに対し、ジフェニルカーボネ−トを1.02モルの割合で、撹拌機を備えた溶融槽に仕込み、窒素置換後溶解した。
【0126】
次いで、該溶融混合液を精留塔を備え、内温220℃、内圧を1.333×104Pa(100mmHg)に維持した竪型撹拌槽に連続的に供給すると共に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1モルに対し、5×10-7当量のナトリウムフェノキシドと1×10-4当量のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドとを連続的に加え、生成するフェノールを精留塔より除去して反応を行った。得られた反応物をギヤポンプを用いて連続的に抜きだした。
【0127】
ついで該プレポリマーを内温を250℃、内圧を1.333×103Pa(10mmHg)に維持した竪型撹拌槽に連続的に供給した。生成するフェノールを精留塔より除去して反応を行った。得られた反応物をギヤポンプを用いて連続的に抜きだした。
【0128】
次いで該プレポリマーを内温を270℃、内圧を1.333×102Pa(1mmHg)に保った横型1軸反応容器に、連続的に供給した。発生するフェノールを系外に除去しつつさらに重合させることにより粘度平均分子量15300のポリカーボネートを連続的に得た。このポリカーボネート中の異物含有量はゲルを主体として、最大で38個であった。さらに色相b値は最大0.1であった。
【0129】
次いで該ポリカーボネートを、噛み合い型2軸ルーダーに連続的に供給した。該2軸ルーダーにおいては、失活剤としてドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を圧力1.5MPa、20秒間、280℃の条件で添加混練し重合触媒の活性をなくした後、ベント部にて圧力2.0×103Pa(15mmHg)、20秒間脱揮する処理、次いで100重量部のポリカーボネートに対し1重量部の水を圧力1.5MPa、20秒間、280℃の条件で添加混練した後、次のベント部にて圧力2.0×103Pa(15mmHg)、20秒間脱揮する処理、次いで添加剤としてグリセリンモノステアレートを0.5MPa、15秒間、280℃の条件で添加混練した後、次のベント部にて圧力6.667×102Pa(5mmHg)、20秒間脱揮する処理を行いつつ安定化されたポリカーボネートを連続的に得た。ここで各添加混練部直後のベント部は図3〜6の断面図の配置構造を有するものであった。なお、α、β、γの関係は図3、4ではなく、図6に従うものであり、図6のαが35°、βが5°、γが60°の値であった。また、ルーダーの回転方向は上記4.に該当する方向であった。真空吸引配管(図4の接続部品8と真空吸引ライン9に該当)は250゜Cに加熱されていた。真空配管中の付着物を採取してこの温度における溶融粘度を測定したところ5Pa・sであった。
【0130】
次いで溶融状態にあるポリカーボネートは2軸ルーダー後のギヤポンプを介してダイスより押し出し、ペレタイザーによりペレット化し最終製品ポリカーボネートを得た。
【0131】
90日間の運転期間中、ポリカーボネート最終製品中の異物含有量は最大で40個であり、ゲルを主体とするものであった。さらに色相b値は最大0.1であった。
【0132】
[実施例2]
添加剤がトリスノニルフェニルホスファイトであること以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートを得た。
90日間の運転期間中、ポリカーボネート最終製品中の異物含有量はゲルを主体として最大で39個であった。さらに色相b値は最大0.2であった。
【0133】
[実施例3]
添加剤がトリメチルホスファイトであること以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートを得た。
90日間の運転期間中、ポリカーボネート最終製品中の異物含有量はゲルを主体として最大で40個であった。さらに色相b値は最大0.1であった。
【0134】
[実施例4]
添加剤がトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトであること以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートを得た。
90日間の運転期間中、ポリカーボネート最終製品中の異物含有量はゲルを主体として最大で40個であった。さらに色相b値は最大0.2であった。
【0135】
[実施例5]
添加剤が4,4'−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)であること以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートを得た。
90日間の運転期間中、ポリカーボネート最終製品中の異物含有量はゲルを主体として最大で40個であった。さらに色相b値は最大0.2であった。
【0136】
[比較例1]
2軸ルーダーにおける各添加混練部直後に、図3〜6の断面図の配置構造を有するベント部に代えて、図1、2の断面図の配置構造を有するベント部を設置する以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートを得た。
40日間の運転期間中、ポリカーボネート最終製品中の異物含有量はゲル、結晶化物を含み最大で100個以上であった。さらに色相b値は最大1.0であった。
【0137】
[比較例2]
添加剤がトリスノニルフェニルホスファイトであること以外は比較例1と同様にしてポリカーボネートを得た。
40日間の運転期間中、ポリカーボネート最終製品中の異物含有量はゲル、結晶化物、炭化物を含み最大で100個以上であった。さらに色相b値は最大1.1であった。
【0138】
[比較例3]
添加剤がトリメチルホスファイトであること以外は比較例1と同様にしてポリカーボネートを得た。
40日間の運転期間中、ポリカーボネート最終製品中の異物含有量はゲル、結晶化物、炭化物を含み最大で100個以上であった。さらに色相b値は最大1.2であった。
【0139】
[比較例4]
添加剤がトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトであること以外は比較例1と同様にしてポリカーボネートを得た。
40日間の運転期間中、ポリカーボネート最終製品中の異物含有量はゲル、結晶化物、炭化物を含み最大で100個以上であった。さらに色相b値は最大1.1であった。
【0140】
【発明の効果】
本願発明によれば、一般樹脂、特にポリカーボネート、なかんずく溶融重合法で得られるポリカーボネートに適した、着色、架橋、異物、ゲル発生を引き起こしにくい、異物含有量が極めて少ない樹脂を製造する製造設備および製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の配置構造のベント部を有する噛み合い型2軸ルーダーにおける、当該ベント部の、2軸ルーダーの軸方向に直交する方向の断面を示す。
【図2】図1の断面について、各部分を別々に表わしたものである。
【図3】本願発明に係る配置構造のベント部を有する噛み合い型2軸ルーダーにおける、当該ベント部の、2軸ルーダーの軸方向に直交する方向の断面を示す。
【図4】図3の断面について、各部分を別々に表わしたものである。
【図5】図6の部分をバレルから側面開口部を見る方向に見た図である。
【図6】本願発明に係る配置構造のベント部を有する噛み合い型2軸ルーダーにおける、当該ベント部の、2軸ルーダーの軸方向に直交する方向の断面図の拡大図の一例である。
【符号の説明】
1 バレル
2 バレル開口部
3 接続部品
4 真空排気ライン
5 溝
6 バレル
7 側面開口
8 接続部品
8’接続部品下部
9 真空排気ライン
9’真空排気ライン下部
10 アンダーカット部分
Claims (14)
- 横型筒状真空樹脂処理装置の側面に開口を有し、開口に接続される真空吸引配管の少なくとも下部がその開口に対し下がり勾配を有し、開口部にアンダーカットを有し、かつ開口部において、外部から回転翼の回転を観察した場合に、下から上に回転翼が回転するように回転軸の回転方向を選択することを特徴とする熱可塑性樹脂の製造装置。
- 下がり勾配が水平面となす角度が5〜45゜の間にあることを特徴とする請求項1記載の製造装置。
- 横型筒状真空樹脂処理装置の側面に設けられた開口について、当該処理装置の軸方向に直交する断面内において、当該処理装置の中心と開口部最低位置を結ぶ線と、当該処理装置の中心を通る水平線との成す角度が水平より上方にあってかつ0〜85°の間にあり、さらに当該処理装置の中心と開口部最高位置を結ぶ線と、当該処理装置の中心を通る水平線との成す角度が水平より上方にあってかつ5〜90°の間にあるような位置に設置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造装置。
- 真空吸引配管に付着した処理樹脂の溶融粘度が5000Pa・s以下となる温度に真空吸引配管の一部または全部を加熱することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造装置。
- 横型筒状真空樹脂処理装置がエクストルーダーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製造装置。
- 横型筒状真空樹脂処理装置が噛み合い型2軸ルーダーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造装置。
- 横型筒状真空樹脂処理装置でなされる処理が樹脂に含まれる揮発物を除去する処理および/または添加剤を添加混合する処理であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の製造装置。
- 熱可塑性樹脂がポリカーボネートであることを特徴とする請求項7に記載の製造装置。
- 添加剤が燐系化合物であることを特徴とする請求項7または8に記載の製造装置。
- 添加剤が脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項7または8に記載の製造装置。
- 揮発物を除去する処理が、水を樹脂に添加混練した後、減圧に吸引することからなる処理であることを特徴とする請求項7または8に記載の製造装置。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の製造装置を使用することを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
- 溶融状態の芳香族ポリカーボネートに対し0.1〜20重量%の水を200℃〜350℃の温度と0.3MPa以上の圧力で添加混練した後、ベント部圧力が1.013×105Pa(760mmHg)以下となるよう吸引することにより揮発物を除去することを特徴とする請求項12に記載の製造方法。
- 芳香族ポリカーボネートが芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族炭酸ジエステルとを溶融重合せしめたポリカーボネートを一旦固化させることなく、ルーダーに供給したものであることを特徴とする請求項12または13に記載の製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26177799A JP4414519B2 (ja) | 1999-09-16 | 1999-09-16 | 樹脂の製造設備および製造方法 |
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