JP2003012691A - トリヨードフェニル基及びステロイド残基を有する化合物 - Google Patents

トリヨードフェニル基及びステロイド残基を有する化合物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線造影剤のためのリポソームの構成脂質と
して有用なヨード化合物を提供する。 【解決手段】 ステロイド残基と2ないし6個のトリヨ
ードフェニル基とを含む、例えば下記一般式(I)(I
3Ar1及びI3Ar2はトリヨードフェニル基を示し;S
teはステロイド残基を示し、L1は1〜30個の炭素
原子を含む三価の連結基を示す)で表される化合物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステロイド残基と
2ないし6個のトリヨードフェニル基とを含む化合物に
関する。この化合物はリポソームの構成脂質として利用
することができ、このリポソームはX線造影剤およびシ
ンチグラフィー造影剤として用いることができる。
【0002】
【従来の技術】ヨード化合物を用いたX線造影、例えば
X線血管造影の分野では、水溶性のヨード造影剤を投与
することにより血液の流れを造影し、その流れが滞って
いる箇所をみつける技術がある。しかしこの方法は、ヨ
ード造影剤は血流中にあって血管内部の血流の変化を検
出する方法であり、ヨード造影剤が病巣細胞にある場合
に比べて正常組織との区別がつけにくいために、通常狭
窄が50%以上進んだ病巣しか検出することができず、
虚血性疾患の発作が発症する前に病巣を検出することは
困難である。
【0003】これとは別に、疎水性ヨード造影剤若しく
は親水性造影剤を製剤化し、目的とする疾患部位に選択
的に集積させる試みが報告されている(国際公開WO95/19
186、同WO95/21631、同WO89/00812、英国特許第867650
号、国際公開WO96/00089、同WO94/19025、同WO96/4061
5、同WO95/2295、同 WO98/41239、同WO98/23297、同WO9
9/02193、同 WO97/06132、米国特許第4192859号明細
書、同4567034号明細書、同4925649号明細書、 Pharm.
Res., 6(12), 1011 (1989), Pharm. Res., 16(3), 420
(1999), J. Pharm. Sci., 72(8), 898 (1983), Invest.
Radiol., 18(3), 275(1983))。例えばPharm. Res., 6
(12), 1011 (1989)には、疎水性化合物であるCholester
yl Iopanoateの油滴分散液を注射することにより、該
ヨード化合物が実験動物の動脈硬化部位に集積すること
が開示されている。また、Pharm. Res.,16(3), 420 (19
99)には、Cholesteryl IopanoateをアセチルLDLに取
り込ませて投与することによって該ヨード化合物が実験
動物の動脈硬化部位に集積することが開示されている。
【0004】また、J. Pharm. Sci. 72(8), 898 (1983)
には、Cholesteryl Iopanoateの油滴分散液を注射する
ことによる肝臓や脾臓のX線造影の例が開示されてい
る。米国特許第4567034号明細書には、diatrizoic acid
のエステル体をリポソームに封入し、肝臓や脾臓の選
択的造影を行う方法が報告されている。国際公開WO96/2
8414、同WO96/00089には血管プールやリンパ系をイメー
ジ化するための造影剤が開示されている。しかしなが
ら、これらの造影剤及び造影方法は、血管疾患を選択的
に造影する目的のためには効率及び選択性ともに十分で
はなく、X線照射により血管疾患を画像化した例も報告
されていない。
【0005】国際公開WO01/93918においては、疎水性、
かつ加水分解抵抗性の放射性ヨード造影剤をマイクロエ
マルジョン製剤化、もしくはアセチルLDLに取り込ま
せて実験動物に投与して、動脈硬化巣部位を放射性造影
する例が開示されている。また、リポソーム製剤に関す
る記載もあるが、その構成組成および造影に関する例は
なんら開示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するため
の手段】本発明の課題は、病巣を選択的に造影すること
ができるリポソームを用いたX線造影剤に適した化合物
を提供することにある。本発明者らは上記の課題を解決
すべく研究を行った結果、ステロイド残基と2個以上の
トリヨードフェニル基とを有する化合物が、X線造影剤
のためのリポソームの構成脂質として優れた性質を有し
ていることを見出した。さらに、この化合物を含み、ホ
スファチジルコリン及びホスファチジルセリンを膜構成
成分として含むリポソームがX線造影による血管疾患の
病巣の選択的造影に適していることを見出した。本発明
は上記の知見を基にして完成されたものである。
【0007】すなわち、本発明は、ステロイド残基と2
ないし6個のトリヨードフェニル基とを含む化合物を提
供するものである。この発明の好ましい態様によれば、
2個のトリヨードフェニル基を含む上記化合物が提供さ
れる。さらに好ましい態様によれば、下記一般式
(I):
【化3】 (式中、I3Ar1及びI3Ar2はそれぞれ独立にトリヨ
ードフェニル基を示し;Steはステロイド残基を示
し、L1は1〜30個の炭素原子を含む三価の連結基を
示す)で表される上記の化合物、及び三価の連結基L1
が下記一般式(II):
【化4】 (式中、L2、L3、及びL4はそれぞれ独立に1〜27
個の炭素原子を含む二価の連結基を示し、ただしL2
3、及びL4に含まれる総炭素原子数は1〜27個であ
る)で表される上記の化合物が提供される。
【0008】別の観点からは、上記の化合物を膜構成成
分として含むリポソームが本発明により提供される。こ
の発明の好ましい態様によれば、ホスファチジルコリン
及びホスファチジルセリンからなる群から選ばれる脂質
を膜構成成分として含む上記リポソームが提供される。
また、リポソームの製造のための上記化合物の使用も本
発明により提供される。
【0009】また、本発明により、上記のリポソームを
含むX線造影剤が提供される。この発明の好ましい態様
によれば、血管疾患の造影に用いる上記のX線造影剤;
泡沫化マクロファージの影響で異常増殖した血管平滑筋
細胞の造影に用いる上記のX線造影剤;マクロファージ
が局在化する組織又は疾患部位の造影に用いる上記のX
線造影剤;マクロファージが局在化する組織が肝臓、脾
臓、肺胞、リンパ節、リンパ管、及び腎臓上皮からなる
群から選ばれる上記のX線造影剤;及びマクロファージ
が局在化する疾患部位が腫瘍、炎症部位、及び感染部位
からなる群から選ばれる上記のX線造影剤が提供され
る。
【0010】また、上記X線造影剤の製造のための上記
の化合物又はその塩の使用;X線造影法であって、上記
の化合物を膜構成成分として含むリポソームをヒトを含
む哺乳類動物に投与した後にX線を照射する工程を含む
方法;血管疾患の病巣の造影方法であって、上記の化合
物を膜構成成分として含むリポソームをヒトを含む哺乳
類動物に投与した後にX線を照射する工程を含む方法が
本発明により提供される。
【0011】さらに、少なくとも1つのヨード原子が放
射性同位体である上記の化合物又はその塩を膜構成成分
として含むリポソーム、及び該リポソームを含むシンチ
グラフィー造影剤が本発明により提供される。この発明
の好ましい態様によれば、泡沫化マクロファージの影響
で異常増殖した血管平滑筋細胞の造影に用いる上記のシ
ンチグラフィー造影剤;マクロファージが局在化する組
織又は疾患部位の造影に用いる上記のシンチグラフィー
造影剤;造影対象の組織が血管、肝臓、脾臓、肺胞、リ
ンパ節、リンパ管、及び腎臓上皮からなる群から選ばれ
る上記のシンチグラフィー造影剤;腫瘍、動脈硬化巣、
炎症部位、及び感染部位からなる群から選ばれる疾患部
位の造影に用いる上記のシンチグラフィー造影剤が提供
される。
【0012】また、上記シンチグラフィー造影剤の製造
のための上記の化合物又はその塩の使用;シンチグラフ
ィー造影法であって、上記の化合物を膜構成成分として
含むリポソームをヒトを含む哺乳類動物に投与した後に
該リポソームが発生する放射線を検出する工程を含む方
法;血管疾患の病巣の造影方法であって、上記の化合物
を膜構成成分として含むリポソームをヒトを含む哺乳類
動物に投与した後に該リポソームが発生する放射線を検
出する工程を含む方法が本発明により提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】本明細書において「ステロイド残
基」とはステロイド化合物(シクロペンタノヒドロフェ
ナントレイン骨格を有する化合物)の残基を意味する。
ステロイド残基は、一価の残基であってもよいが、二価
以上の残基であってもよい。本明細書においてステロイ
ド残基という場合には、置換又は無置換のステロイド残
基のいずれであってもよい。また、ステロイド残基は任
意の個数の二重結合を有していてもよい。ステロイド残
基は一般に1個以上の不斉炭素を有するが、不斉炭素の
配置はそれぞれ独立にR又はS配置のいずれか、あるい
は両者の混合物であってもよい。
【0014】上記ステロイド残基を構成するステロイド
化合物の例としては、コレステロール、コレスタノー
ル、コール酸、デヒドロコール酸、アンドロステロン、
ディジトキシゲニン、ディゴキシゲニン、リトコール
酸、スティグマスタノール、テトラヒドロコルチソン、
ブファリン、5α−アンドロスタン−3β、17β−ジ
オール、デヒドロエピアンドロステロン、5−アンドロ
ステン−3β、17β−ジオール、プレグネノロン、5
−コレステン−3β、20α−ジオール、スチグマステ
ロン、β−シトステロール、5−コレステン−3β−オ
ル−7−オン、カンペステロール、22−ヒドロキシコ
レステロール、17α−アセトキシプレグネノロン、ヂ
オスゲニン、メチルアンドロステンジオール、5−アン
ドロステン−3β−オル−17β−カルボン酸、17α
−ヒドロキシプレグネノロン、21−アセトキシプレグ
レノロン、16β−メチル−16α、17α−エポキシ
プレグネノロン、フコステロール、ソラソジン、5−プ
レグネン−6−メチル−3β、17−ジオール−20−
オン、6−メチルプレグネノロン、21−ヒドロキシプ
レグネノロン、5−プレグネン−3β、20α−ジオー
ル、19−ヨードコレステロール、16α−メチルプレ
グネノロン、5−アンドロステン−3β、17β−ジオ
ール−17−ベンゾエート、5−アンドロステン−3
β、16α−ジオール−17−オン、3β、11β、1
7α、21−テトラヒドロプレグ−5−ネン−20−オ
ン、5−プレグネン−3β、16α−ジオール−20−
オン、5−コレステン酸−3β−オルメチルエステル、
デスモステロール、5−コレステン−3β−オル−22
−オン、プレグ−5−ネン−3β、17α、20α−ト
リオール、19−ヒドロキシコレステロール、ソラニジ
ン、25−ヒドロキシコレステロール、7β−ヒドロキ
シコレステロール、19−ヒドロキシプレグネノロン、
17α−ヒドロキシ−16β−メチルプレグネノロン、
16,17−エポキシ−21−アセトキシプレグネノロ
ン、5−プレグネン−6、16α−ジメチル−3β−オ
ル−20−オン、5−コレステン酸−3β−オル、アン
ドロスト−5−ネン−3β、16β、17β−トリオー
ル、5−コレステン−3β、22−ジオール、プレグ−
5−ネン−3β、17α、20β−トリオール、21−
ヒドロキシプレグネノロン−21−サルフェートカリウ
ム塩、5−プレグネン−3β−オル−20−オン−16
α−カルボニトリル、16α、17α、エポキシプレグ
ネノロン等を挙げることができるが、これらに限定され
るものではない。ステロイド残基としては、環構造中に
1以上の二重結合を含むステロイド残基か、コレスタナ
ール基が好ましく、なかでもコレステロール基がより好
ましい。
【0015】本明細書において、ある官能基について
「置換又は無置換」又は「置換基を有していてもよい」
という場合には、その官能基が1又は2以上の置換基を
有する場合があることを示しているが、結合する置換基
の個数、置換位置、及び種類は特に限定されない。ある
官能基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは
同一でも異なっていてもよい。本明細書において、ある
官能基が置換基を有する場合、置換基の例としては、ハ
ロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロ
アルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル
基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、ア
リール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニ
トロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキ
シ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオ
キシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基
(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボ
ニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリー
ルオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ
基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカ
プト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チ
オ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリ
ールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル
基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ
環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、
ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル
基が挙げられる。
【0016】ステロイド残基に置換可能な置換基の種類
は特に限定されないが、例えば、炭素数1〜15の脂肪
族基(アルキル基、アルキニル基、アルケニル基)、ア
リール基、ヘテロ環基、アミノ基、アミド基、カルバモ
イル基、シアノ基、水酸基、アルコキシ基、アルコキシ
カルボニル基、カルボニル基、カルボキシル基等があげ
られるが、これらに限定されるものではなく、また、こ
れら置換基はさらに置換基を有していてもよい。
【0017】トリヨードフェニル基おける3個のヨウ素
原子の置換位置は特に規定されないが、「2,4,6
位」、「3,4、5位」、又は「2,3,5位」が好ま
しく、より好ましくは、「2,4,6位」、「2,3,
5位」であり、「2,4,6位」置換が最も好ましい。
トリヨードフェニル基はさらに置換基を有していてもよ
い。該トリヨードフェニル基が置換基を有する場合、そ
の好ましい置換基の例としては、アルキル基、シアノ
基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、アシル
アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アシル基、
アルコキシカルボニル基、カルバモイル基が挙げられ、
なかでもヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基が好
ましい。また、無置換の場合も好ましい。
【0018】上記の一般式(I)で表される化合物にお
いて、「Ste」で表される基は上記ステロイド残基と
同義であり、「I3Ar1」で表される基及び「I3
2」で表される基は、上記トリヨードフェニル基と同
義である。
【0019】L1で表される三価の連結基は炭素原子数
1〜30個を含む。該連結基は飽和の基であってもよい
が、不飽和結合を含んでいてもよい。また、ヘテロ原子
(本明細書においてヘテロ原子という場合には、窒素原
子、酸素原子、硫黄原子などの炭素原子以外の任意の原
子を意味する)を1個又は2個以上含んでいてもよく、
ヘテロ原子を含む官能基を部分構造として含んでいても
よい。連結基中に含まれる不飽和部分又はヘテロ原子を
含む官能基としては、例えば、アルケニル基(シクロア
ルケニル、ビシクロアルケニルを含む)、アルキニル
基、アリール基、ヘテロ環基、エステル基(カルボン酸
エステル、炭酸エステル、スルホン酸エステル、スルフ
ィン酸エステルを含む)、アミド基(カルボン酸アミ
ド、ウレタン、スルホン酸アミド、スルフィン酸アミド
を含む)、エーテル基、チオエーテル基、シリルオキシ
基、ヘテロ環オキシ基、アミノ基(アニリノ基を含
む)、イミド基、シリル基などがあげられる。上記の官
能基はさらに置換基を有していてもよく、これらの官能
基はL1中に複数個存在してもよい。複数個の存在する
場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
【0020】L1で表される三価の連結基の部分構造と
して、好ましくはアルケニル基、アルキニル基、アリー
ル基、ヘテロ環基、エステル基、アミド基、エーテル
基、ウレタン基、又はアミノ基であり、さらに好ましく
は、アルケニル基、エステル基、アミド基、又はエーテ
ル基である。また、L1で表される三価の連結基が不飽
和炭化水素である場合も好ましい。L1に含まれる炭素
原子数は1〜25が好ましく、1〜15が最も好まし
い。L1は置換基を有していてもよい。置換基として
は、例えば、アルキル基、シアノ基、ヒドロキシル基、
ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アミノ基、
アシルアミノ基、アシル基、カルバモイル基が好まし
く、アルキル基が最も好ましい。また、L1が無置換の
場合も好ましい。
【0021】上記の一般式(I)で表される化合物のよ
り好ましい態様としては、L1が上記一般式(II)で表
わされる場合が挙げられる。一般式(II)において、L
2、L3、及びL4は、それぞれ独立に1〜27個の炭素
原子を含む二価の連結基を示す。L2、L3、及びL4
飽和又は不飽和のいずれであってもよく、ヘテロ原子を
含む官能基を部分構造として含んでいてもよい。その例
は、L1について説明したものと同様である。L2
3、及びL4に含まれる総炭素原子数は1〜27個であ
り、1〜22個が好ましく、1〜15個が最も好まし
い。
【0022】本発明の化合物は1以上の不斉炭素を有し
ており、不斉炭素に基づく光学活性体又はジアステレオ
異性体などの立体異性体が存在する。純粋な形態の任意
の立体異性体、任意の立体異性体の混合物、ラセミ体な
どは、いずれも本発明の範囲に包含される。また、本発
明の化合物はオレフィン性の二重結合を有する場合があ
るが、その配置はE又はZのいずれであってもよく、両
者の混合物として存在していてもよい。本発明の化合物
は互変異性体として存在する場合もあるが、任意の互変
異性体、またはそれらの混合物は本発明の範囲に包含さ
れる。さらに、本発明の化合物は置換基の種類によって
は塩を形成する場合があり、遊離形態の化合物又は塩の
形態の化合物が水和物又は溶媒和物を形成する場合もあ
るが、このような物質も本発明の範囲に包含される。
【0023】以下、本発明の化合物の好ましい例を示す
が、本発明の化合物はこれらの例に限定されることはな
い。
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】以下に本発明の化合物の一般的な合成法に
ついて説明するが、本発明の化合物の合成法はこれらに
限定されるものではない。本発明の化合物において用い
られるトリヨードフェニル基に関する合成原料として
は、通常市販されているものを使用してもよく、あるい
は用途に応じて適宜合成してもよい。市販品としては、
例えば2,4,6-トリヨードフェノールや安息香酸誘導体
(例えば、3-amino-2,4,6-triiodobenzoic acid, acetr
izoic acid, iodipamide, diatrizoic acid,histodenz,
5-amino-2,4,6-triiodoisophthalic acid, 2,3,5-trii
odobenzoicacid, tetraiodo-2-sulfobenzoic acid)、
ヨードパン酸(iopanoic acid)、iophenoxic acidなど
を用いることができる。合成により入手する場合には、
例えばRichard C. Larock著、Comprehensive organic t
ransformations(VCH) に記載の方法により、芳香環上
にヨード原子を導入し、原料として用いることができ
る。
【0030】上記のトリヨードフェニル誘導体は、通
常、部分構造として水酸基やアミノ基、カルボキシル基
を含有するため、これらの官能基と二価以上のカルボン
酸、アルコール、アミン、又はその複合体等を、エステ
ル連結/アミド連結を介して縮合し、ビストリヨードフ
ェニルの部分構造として用いることもできる。二価以上
のカルボン酸、アルコール、又はアミンは、次の工程で
さらに他の化合物と連結できるように、さらに保護また
は無保護の水酸基、アミノ基、カルボキシル基、又はカ
ルボニル基等を有していることが好ましい。この場合の
保護基としては、例えば、T. W. Green & P. G. M. Wut
s著、Protecting groups in organic synthesis(John
Wiley & sonc, inc.)に記載のものを用いることができ
る。二価カルボン酸としては、例えば4-oxo-heptanedio
ic acid, 4-benzyloxy-heptanedioicacid, 3-oxo-penta
nedioic acid等を挙げることができ、二価以上のアルコ
ールとしては、例えばdihydroxyacetone, 3-oxo-pentan
ediol, 1-benzyloxy-2,3-propanediol, 2-benzyloxy-1,
3-propanediol等を挙げることができ、二価アミンとし
ては、例えば1,5-diamino-3-hydroxypentane, diaminoa
cetone等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0031】上記のエステル連結/アミド連結を介した
縮合反応としては、例えばRichard C.Larock著、Compre
hensive organic transformations(VCH)に記載の方法
を用いることができる。得られたこれらのヨードベンゼ
ン化合物は、保護基の脱保護/カルボニル基の還元等に
よって生じた官能基を用いて、同様の反応を行うことに
より、さらに多くのトリヨードフェニル基を有する合成
中間体を得ることが可能である。これらの中間体はステ
ロイド残基を有する合成中間体と、例えば、Richard C.
Larock著、Comprehensive organic transformations
(VCH)に記載の方法でエステル連結、アミド連結等を
介して結合することによって本発明の化合物を合成でき
る。
【0032】本発明の化合物はリポソームの膜構成成分
として用いることができる。本発明の化合物を用いてリ
ポソームを調製する場合、本発明の化合物の使用量は、
膜構成成分の全質量に対して10から90質量%程度、
好ましくは10から80質量%、さらに好ましくは20
から80質量%である。本発明の化合物は膜構成成分と
して1種類を用いてもよいが、2種類以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0033】リポソームの他の膜構成成分としては、リ
ポソームの製造に通常用いられている脂質化合物をいず
れも用いることが可能である。例えば、Biochim. Bioph
ys. Acta 150(4), 44 (1982)、Adv. in Lipid. Res. 16
(1) 1 (1978)、"RESEARCH IN LIPOSOMES"(P.Machy, L.
Leserman著、John Libbey EUROTEXT社)、「リポソー
ム」(野島、砂本、井上編、南江堂)等に記載されてい
る。脂質化合物としてはリン脂質が好ましく、特に好ま
しいのはホスファチルジルコリン(PC)類である。ホスフ
ァチジルコリン類の好ましい例としては、eggPC、ジミ
リストリルPC(DMPC)、ジパルミトイルPC(DPPC)、ジ
ステアロイルPC(DSPC)、ジオレイルPC(DOPC)等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】本発明の好ましい態様では、リポソームの
膜構成成分として、ホスファチジルコリンとホスファチ
ジルセリン(PS)を組み合わせて用いることができる。ホ
スファチジルセリンとしては、ホスファチジルコリンの
好ましい例として挙げたリン脂質と同様の脂質部位を有
する化合物が挙げられる。ホスファチジルコリンとホス
ファチジルセリンを組み合わせて用いる場合、PCとPSの
好ましい使用モル比はPC:PS=90:10から10:9
0の間であり、さらに好ましくは、30:70から7
0:30の間である。
【0035】本発明のリポソームの別の好ましい態様に
よると、膜構成成分として、ホスファチジルコリンとホ
スファチジルセリンを含み、さらにリン酸ジアルキルエ
ステルを含むリポソームが挙げられる。リン酸ジアルキ
ルエステルのジアルキルエステルを構成する2個のアル
キル基は同一であることが好ましく、それぞれのアルキ
ル基の炭素数は6以上であり、10以上が好ましく、1
2以上がさらに好ましい。好ましいリン酸ジアルキルエ
ステルの例としては、ジラウリルフォスフェート、ジミ
リスチルフォスフェート、ジセチルフォスフェート等が
挙げられるが、これに限定されることはない。この態様
において、ホスファチジルコリン及びホスファチジルセ
リンの合計質量に対するリン酸ジアルキルエステルの好
ましい使用量は1から50質量%までであり、好ましく
は1から30質量%であり、さらに好ましくは1から2
0質量%である。
【0036】ホスファチジルコリン、ホスファチジルセ
リン、リン酸ジアルキルエステル、及び本発明の化合物
を膜構成成分として含むリポソームにおいて、上記成分
の好ましい質量比はPC:PS:リン酸ジアルキルエス
テル:本発明の化合物が5〜40質量%:5〜40質量
%:1〜10質量%:15〜80質量%の間で選択する
ことができる。
【0037】本発明のリポソームの構成成分は上記4者
に限定されず、他の成分を加えることができる。その例
としては、コレステロール、コレステロールエステル、
スフィンゴミエリン、FEBS Lett. 223, 42 (1987); Pro
c. Natl. Acad. Sci., USA, 85, 6949 (1988)等に記載
のモノシアルガングリオシドGM1誘導体、Chem. Lett.,
2145 (1989); Biochim. Biophys. Acta, 1148, 77 (199
2)等に記載のグルクロン酸誘導体、Biochim. Biophys.
Acta, 1029, 91 (1990); FEBS Lett., 268, 235(1990)
等に記載のポリエチレングリコール誘導体が挙げられる
が、これに限られるものではない。
【0038】本発明のリポソームは、当該分野で公知の
いかなる方法でもっても作成できる。作成法の例として
は、先に挙げたリポソームの総説成書類の他、Ann. Re
v. Biophys. Bioeng., 9, 467 (1980) 、"Liopsomes"
(M.J.Ostro編、MARCELL DEKKER,INC.)等に記載されて
いる。具体例としては、超音波処理法、エタノール注入
法、フレンチプレス法、エーテル注入法、コール酸法、
カルシウム融合法、凍結融解法、逆相蒸発法等が挙げら
れるが、これに限られるものではない。本発明のリポソ
ームのサイズは、上記の方法で作成できるサイズのいず
れであっても構わないが、通常は平均が400 nm以下であ
り、200 nm以下が好ましい。リポソームの構造は特に限
定されず、ユニラメラ又はマルチラメラなどのいずれの
形態でもよい。また、リポソームの内部に適宜の薬物や
他の造影剤の1種又は2種以上を配合することも可能で
ある。
【0039】本発明のリポソームを造影剤として用いる
場合には、好ましくは非経口的に投与することができ、
より好ましくは静脈内投与することができる。例えば、
注射剤や点滴剤などの形態の製剤を凍結乾燥形態の粉末
状組成物として提供し、用時に水又は他の適当な媒体
(例えば生理食塩水、ブドウ糖輸液、緩衝液など)に溶
解ないし再懸濁して用いることができる。本発明のリポ
ソームを造影剤として用いる場合、投与量はリポソーム
のヨード含有量が従来のヨード造影剤のヨード含有量と
同程度になるように適宜決定することが可能である。
【0040】いかなる特定の理論に拘泥するわけではな
いが、動脈硬化、もしくはPTCA後の再狭窄等の血管疾患
においては、血管の中膜を形成する血管平滑筋細胞が異
常増殖をおこすと同時に内膜に遊走し、血流路を狭くす
ることが知られている。正常の血管平滑筋細胞が異常増
殖を始めるトリガーはまだ完全に明らかにされていない
が、マクロファージの内膜への遊走と泡沫化が重要な要
因であることが知られており、その後に血管平滑細胞が
フェノタイプ変換(収縮型から合成型)をおこすことが
報告されている。
【0041】本発明のリポソームを用いると、泡沫化マ
クロファージの影響で異常増殖した血管平滑筋に対して
疎水性ヨード化合物を選択的に取りこませることができ
る。その結果、公知技術であるサスペンジョン又はオイ
ルエマルジョンを用いる場合と比べて、より多くのヨー
ド化合物を血管平滑筋細胞に集積させることが可能であ
る。この結果、本発明のリポソ-ムを用いると、病巣と
非疾患部位の血管平滑筋細胞との間でコントラストの高
いX線造影が可能である。従って、本発明の造影剤は、
特に血管疾患の造影に好適に使用でき、例えば、動脈硬
化巣やPTCA後の再狭窄等の造影を行うことができる。
【0042】また、例えばJ. Biol. Chem., 265, 5226
(1990)に記載されているように、リン脂質よりなるリポ
ソーム、特にホスファチジルコリンとホスファチジルセ
リンから形成されるリポソームが、スカベンジャーレセ
プターを介してマクロファージに集積しやすいことが知
られている。従って本発明のリポソームを使用すること
により、本発明のヨード化合物をマクロファージが局在
化している組織又は疾患部位に集積させることができ
る。本発明のリポソームを用いると、公知技術であるサ
スペンジョン又はオイルエマルジョンを用いる場合に比
べて、より多くのヨード化合物をマクロファージに集積
させることが可能である。
【0043】マクロファージの局在化が認められ、本発
明の方法で好適に造影可能な組織としては、例えば、血
管、肝臓、肺胞、リンパ節、リンパ管、腎臓上皮を挙げ
ることができる。また、ある種の疾患においては、疾患
部位にはマクロファージが集積していることが知られて
いる。こうした疾患としては、腫瘍、動脈硬化、炎症、
感染等を挙げることができる。従って、本発明のリポソ
ームを用いることにより、これらの疾患部位を特定する
ことができる。特に、アテローム性動脈硬化病変の初期
過程において、スカベンジャーレセプターを介して変性
LDLを大量に取り込んだ泡沫化マクロファージが集積し
ていることが知られており(Am. J. Pathol., 103, 181
(1981)、Annu. Rev. Biochem., 52, 223(1983))、この
マクロファージに本発明のリポソームを集積化させてX
線造影をすることにより、他の手段では困難な動脈硬化
初期病変の位置を特定することが可能である。
【0044】本発明のリポソームを用いた造影方法は特
に限定されない。例えば、通常のX線造影剤を用いた造
影方法と同様にしてX線を照射することにより造影を行
うことができる。また、ヨードの放射線同位体を含む本
発明の化合物を用いてリポソームを形成し、該リポソー
ムをシンチグラフィー用造影剤として用いることによ
り、核医学的方法による造影を行うことも可能である。
ヨードの放射性同位体は特に限定されないが、好ましい
例としては122I、123I、125Iおよび131Iが挙げられ、特
に好ましい例としては123Iおよび125Iを挙げることがで
きる。放射性ラベル化合物の合成は、対応する非ラベル
化合物を合成した後に、Appl.Radiat. Isot., 37(8), 9
07 (1986)等に記載されている既知の方法で実施するこ
とができる。疎水性化合物がトリヨードベンゼン誘導体
である場合、同一ベンゼン環上の3個のヨード原子のう
ち少なくとも1個が放射線同位体化されていることが好
ましい。好ましくは2個以上が放射線同位体化されてい
ることであり、最も好ましいのは3個が同一の放射線同
位体でラベル化されていることである。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。なお、下記の実施例中の化合物番号は上記
に示した化合物例の番号に対応している。また、実施例
中の化合物の構造はNMRスペクトルにより確認した。
【0046】化合物I−1 コレステロール15.1gと6.12gのピリジンを6
0mlのクロロホルムに加え、さらに5.0mlの4−
ブロモ酪酸クロリドを滴下した。0℃で2時間、さらに
室温で20時間攪拌した後、クロロホルムと1規定塩酸
水溶液を加えて抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィーにて精製し、中間体I−1−Aを1
7.4g(収率65%)得た。
【0047】上記中間体I−1−A 8.00gとビス
(2−ヒドロキシエチル)アミン4.08gを30ml
のジメチルホルムアミドに溶解し、さらに3.17gの
炭酸カリウムと触媒量のよう化ナトリウムを加えた。6
5℃で6時間攪拌した後、クロロホルムと水を加えて2
度抽出し、得られた有機層を水で洗浄した。さらに、硫
酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した後、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーにて精製した。中間体I−1
−Bを5.60g(収率67%)得た。
【0048】上記中間体I−1−B 0.41gとα−
エチル−3−アミノ−2,4,6−トリヨードハイドロ
ケイヒ酸0.82gを20mlのジクロロメタンに加
え、さらに20mgのジメチルアミノピリジンと0.3
1gの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド塩酸塩を加えた。室温で2日間攪拌
した後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにて精製し、無色アモルファス状結晶0.74g
を得た(収率61%)。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ;8.09
(2H,s),5.36(1H,bd),4.86(4
H,s),4.53−4.68(1H,m),4.00
−4.17(4H,m),3.38(2H,dd),
3.26(2H,dd),2.70−2.81(2H,
m),2.62(4H,bs),2.47(2H,
t),2.25−2.35(4H,m),0.60−
2.10(m)
【0049】化合物I−2 上記中間体I−1−Bと3−アミノ−2,4,6−トリ
ヨードハイドロケイヒ酸(合成:J. Med. Chem., 1995,
38, 639記載)を用い、上記I−1と同様の方法で合成
した。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ;8.08
(2H,s),5.47(1H,bd),4.84(4
H,s),4.55−4.68(1H,m),4.22
(4H,t),3.36−3.47(4H,m),2.
83(4H,t),2.61(2H,t),2.50−
2.61(4H,m),2.39(2H,t),2.3
0(2H,d),0.60−2.10(m)
【0050】化合物I−4 5−オキソアゼライン酸1.01gと2,4,6−トリ
ヨードフェノール4.88gを50mlのジクロロメタ
ンに加え、さらに0.16gのジメチルアミノピリジン
と2.42gの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド塩酸塩を加えた。室温で2日
間攪拌した後、浮遊物を濾別し、溶媒を留去した。得ら
れた残渣に、テトラヒドロフラン26ml、ベンゼン7
ml、水2mlを加え0℃に冷やして、水素化ホウ素ナ
トリウム0.43gを加えた。0℃で攪拌した後、クロ
ロホルムと飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて2度抽
出し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにて精製し、中間体I−4−A を0.89g(収率
16%)得た。
【0051】上記中間体I−4−A 0.54gとコハ
ク酸水素コレステロール0.24gを20mlのジクロ
ロメタンに加え、さらに5mgのジメチルアミノピリジ
ンと0.15gの1−エチル−3−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)カルボジイミド塩酸塩を加えた。室温で攪
拌した後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにて精製し、無色アモルファス状結晶0.12
g(収率15%)を得た。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ;8.07
(4H,s),5.36(1H,d),4.98−5.
08(1H,m),4.55−4.70(1H,m),
2.57−2.75(8H,m),2.31(2H,
d),0.60−2.10(m)
【0052】化合物II−1 α−エチル−3−アミノ−2,4,6−トリヨードハイ
ドロケイヒ酸50.7gとジヒドロキシアセトン4.0
1gを300mlのジクロロメタンに加え、さらに1.
08gのジメチルアミノピリジンと20.7gの1−エ
チル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド塩酸塩を加えた。室温で2日間攪拌した後、ジクロ
ロメタンと1規定塩酸水溶液を加えて2度抽出し、得ら
れた有機層を水洗した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去して、中間体II−1−A 51.3g(収
率96%)を得た。
【0053】上記中間体II−1−A 50.1gにテ
トラヒドロフラン210ml、ベンゼン58ml、水1
7mlを加え0℃に冷やして、水素化ホウ素ナトリウム
2.47gを加えた。0℃で3時間攪拌した後に飽和塩
化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。さらに
クロロホルムを加えて2度抽出し、得られた有機層を飽
和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて精製し、中間体II−1−B を27.3g(収率
54%)得た。
【0054】上記中間体II−1−B 1.00gとク
ロロ蟻酸コレステロール0.75gを10mlのジクロ
ロメタンに加え、さらに27mgのジメチルアミノピリ
ジンと0.17mlのピリジンを加えた。室温で攪拌し
た後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにて精製した。無色結晶を0.74g(収率55
%)得た。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ;8.06
(2H,s),5.39(1H,bs),5.00−
5.09(1H,m),4.84(4H,s),4.4
0−4.55(1H,m),4.22−4.38(2
H,m),4.05−4.20(2H,m),3.39
(2H,dd),3.28(2H,dd),2.71−
2.84(2H,m),2.39(2H,bs),0.
60−2.10(m)
【0055】化合物II−2 (S)−(+)−2、2−ジメチル−1,3−ジオキソ
ラン−4−メタノール2.81gとフマル酸水素コレス
テロール10.2gを30mlのジクロロメタンに加
え、さらに0.26gのジメチルアミノピリジンと4.
85gの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド塩酸塩を加えた。室温で2日間攪拌
した後、溶媒を留去して、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにて精製した。中間体II−2−A 7.76
g(収率62%)を得た。上記中間体II−2−Aを用
い、Arch. Pharm. (Weinheim), 1995, 328, 271記載の
方法に準拠してアセトニド基の脱保護を行い、中間体I
I−2−Bを得た。
【0056】上記中間体II−2−B 0.41gとα
−エチル−3−アミノ−2,4,6−トリヨードハイド
ロケイヒ酸0.83gを20mlのジクロロメタンに加
え、さらに19mgのジメチルアミノピリジンと0.3
4gの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド塩酸塩を加えた。室温で2日間攪拌
した後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにて精製し、無色アモルファス状結晶を0.73
g(収率60%)得た。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ;8.10
(2H,s),5.39(1H,d),5.21−5.
31(1H,m),4.88(4H,m),4.55−
4.70(1H,m),4.02−4.42(4H,
m),3.25−3.45(4H,m),2.72−
2.88(2H,m),2.64(4H,bs),2.
34(2H,d),0.60−2.10(m)
【0057】化合物II−3 3−アミノ−2,4,6−トリヨードハイドロケイヒ酸
を用いて、化合物II−2と同様の方法で合成した。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ;8.06
(2H,s),5.31−5.41(2H,m),4.
81(4H,s),4.52−4.69(1H,m),
4.45(1H,dd),4.41(1H,dd),
4.28(1H,dd),4.23(1H,dd),
3.35−3.43(4H,m),2.60−2.70
(24H,m),2.51−2.60(4H,m),
2.30(2H,d),0.60−2.10(m)
【0058】化合物II−4 (R)−(−)−2、2−ジメチル−1,3−ジオキソ
ラン−4−メタノールを用いて、化合物II−2と同様
の方法で合成した。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ;8.10
(2H,s),5.39(1H,d),5.21−5.
31(1H,m),4.88(4H,m),4.55−
4.70(1H,m),4.02−4.42(4H,
m),3.25−3.45(4H,m),2.72−
2.88(2H,m),2.64(4H,bs),2.
34(2H,d),0.60−2.10(m)
【0059】化合物II−5 3−アミノ−2,4,6−トリヨードハイドロケイヒ酸
を用いて、化合物II−4と同様の方法で合成した。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ;8.06
(2H,s),5.31−5.41(2H,m),4.
81(4H,s),4.52−4.69(1H,m),
4.45(1H,dd),4.41(1H,dd),
4.28(1H,dd),4.23(1H,dd),
3.35−3.43(4H,m),2.60−2.70
(24H,m),2.51−2.60(4H,m),
2.30(2H,d),0.60−2.10(m)
【0060】化合物II−6 5−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)
ペンタン酸(J. Med. Chem., 1995, 38, 639記載)を用
い、上記中間体II−1−Bと同様の方法で中間体II
−6−Bを合成した。上記中間体II−6−Bとフマル
酸水素コレステロールを用い、化合物I−4と同様の方
法で合成した。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ;8.04
(2H,s),5.27−5.36(2H,m),4.
79(4H,bs),4.55−4.70(1H,
m),4.32(2H,dd),4.19(2H,d
d),2.98−3.08(4H,m),2.55−
2.65(4H,m),2.43(4H,t),2.3
0(2H,d),0.60−2.10(m)
【0061】化合物II−7 7−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)
ヘプタン酸(J. Med. Chem., 1995, 38, 639記載)を用
い、上記II−6と同様の方法で合成した。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ;8.02
(2H,s),5.25−5.41(2H,m),4.
80(4H,bs),4.55−4.70(1H,
m),4.32(2H,dd),4.18(2H,d
d),2.96−3.10(4H,m),2.58−
2.70(4H,m),2.38−2.47(6H,
m),0.60−2.10(m)
【0062】化合物II−8 3−アミノ−2,4,6−トリヨードハイドロケイヒ酸
を用い、上記II−6と同様の方法で合成した。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ;8.05
(2H,s),5.30−5.40(2H,m),4.
82(4H,bs),4.52−4.67(1H,
m),4.40(2H,dd),4.28(2H,d
d),3.33−3.42(4H,m),2.60−
2.70(4H,m),2.50−2.60(4H,
m),2.29(2H,d),0.60−2.10
(m)
【0063】化合物II−9 4−(2−グリセリル)酪酸(3−オキソ−4−コレス
テ−17β−リル)エステル[Arch. Pharm. (Weinhei
m), 1995, 328, 271記載の方法に準拠して合成]とα−
エチル−3−アミノ−2,4,6−トリヨードハイドロ
ケイヒ酸を用いて、上記II−2と同様の方法で合成し
た。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ;8.10
(2H,s),5.39(1H,d),4.88(4
H,bs),4.55−4.70(1H,m),3.9
5−4.28(4H,m),3.24−3.60(7
H,m),2.75−2.88(2H,m),2.29
−2.41(4H,m),0.60−2.10(m)
【0064】化合物II−10 3−アミノ−2,4,6−トリヨードハイドロケイヒ酸
を用いて、上記II−9と同様の方法で合成した。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ;8.07
(2H,s),5.37(1H,d),4.35(4
H,bs),4.53−4.69(1H,m),4.3
0(2H,dd),4.22(2H,dd),3.80
(1H,quin),3.67(2H,t),3.38
−3.46(4H,m),2.54−2.64(4H,
m),2.43(2H,t),2.29(2H,d),
0.60−2.10(m)
【0065】化合物II−11 上記中間体II−1−Bとフマル酸水素コレステロール
(J. Am. Chem. Soc., 1996, 118, 5351記載)を用い、
上記I−4と同様の方法で合成した。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ;8.10
(2H,s),6.90(1H,d),6.82(1
H,d),5.42(1H,d),5.27−5.37
(1H,m),4,89(4H,bs),4.69−
4.82(1H,m),4.10−4.42(4H,
m),3.40(2H,dd),3.29(2H,d
d),2.74−2.90(2H,m),2.39(2
H,d),0.60−2.10(m)
【0066】化合物II−12 上記中間体II−1−Bとコハク酸水素コレステロール
を用い、上記I−4と同様の方法で合成した。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ;8.10
(2H,s),5.38(1H,d),5.22(1
H,quin),4.87(4H,bs),4.55−
4.70(1H,m),4.26−4.39(2H,
m),4.08−4.21(2H,m),3.40(2
H,dd),3.30(2H,dd),2.74−2.
88(2H,m),2.53(4H,s),2.33
(2H,d),0.60−2.10(m)
【0067】試験例:血管平滑筋細胞におけるヨード原
子の取り込み量 下記に示した割合でジ・パルミトイル PC(フナコシ
社製、No.1201-41-0225)、ジ・パルミトイル PS(フ
ナコシ社製、No.1201-42-0237)をJ. Med. Chem., 25(1
2), 1500 (1982)記載の方法で、既存化合物であるChole
sterol Iopanoate(以下、C.I.と記載)又は本発明の化
合物とそれぞれナス型フラスコ内でクロロホルムに溶解
して均一溶液とした後、溶媒を減圧で留去してフラスコ
底面に薄膜を形成した。この薄膜を真空で乾燥後、0.9%
生理食塩水(光製薬社製、No.512)を適当量加え、超音
波照射(Branson社製、No.3542プローブ型発振器、0.1
mW)を氷冷下5分実施することにより、均一なリポソー
ム分散液を得た。得られた分散液の粒径をWBCアナライ
ザー(日本光電社製、A-1042)で測定した結果、粒子径
は40から65 nmであった。この方法により調製した下記
リポソーム製剤を特願2001-018573号明細書に記載の血
管平滑筋細胞とマクロファージとの混合培養系に添加
し、37℃で5%CO2下に24時間培養した後、血管平滑筋細
胞に取り込まれた疎水性ヨード造影剤を定量しヨード原
子の量に変換した。結果を下記の表1に示す。本発明の
化合物(II−8、II−12)は、既存化合物である
Cholesterol Iopanoateに比べて効率よくヨード原子を
血管平滑筋細胞内に取り込ませることができた。
【0068】
【表1】
【0069】試験例2:ラット動脈硬化巣のX線撮影 Invest. radiol. 18, 275 (1985)の方法に従い、ラット
大動脈に動脈硬化巣を形成させた。動脈硬化巣を形成し
たラットに上記の試験例1で調製した化合物II−12
を含むリポソームを化合物II−12に換算したMTD
量である200 mg/kgを頚静脈より慎重に投与した。投与1
0分後、X線撮影により明瞭な動脈硬化巣の造影写真が
得られた。その結果を図1から図3に示す。
【0070】
【発明の効果】本発明の化合物は、X線造影剤及びシン
チグラフィー造影剤のためのリポソームの構成脂質とし
て優れた性質を有しており、この化合物を含むリポソー
ムを用いてX線造影することにより血管疾患の病巣を選
択的に造影できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のリポソームを投与する直前のラット
をX線撮影した写真である。
【図2】 本発明のリポソームを投与した直後のラット
をX線撮影した写真である。
【図3】 本発明のリポソームの投与10分後のラットの
動脈硬化巣をX線撮影により造影した写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相川 和広 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4C085 HH03 HH05 JJ05 KA29 KB18 KB39 KB60 KB65 LL01 LL03 LL18 4C091 AA01 BB06 CC01 DD01 EE05 FF01 GG01 HH01 JJ03 KK01 LL01 MM03 NN01 PA05 PB05 QQ01 SS07

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステロイド残基と2ないし6個のトリヨ
    ードフェニル基とを含む化合物。
  2. 【請求項2】 2個のトリヨードフェニル基を含む請求
    項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 下記一般式(I): 【化1】 (式中、I3Ar1及びI3Ar2はそれぞれ独立にトリヨ
    ードフェニル基を示し;Steはステロイド残基を示
    し、L1は1〜30個の炭素原子を含む三価の連結基を
    示す)で表される請求項1に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 三価の連結基L1が下記一般式(II): 【化2】 (式中、L2、L3、及びL4はそれぞれ独立に1〜27
    個の炭素原子を含む二価の連結基を示し、ただしL2
    3、及びL4に含まれる総炭素原子数は1〜27個であ
    る)で表される請求項3に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の化合物を膜構成成分として含むリポソーム。
  6. 【請求項6】 ホスファチジルコリン及びホスファチジ
    ルセリンからなる群から選ばれる脂質を膜構成成分とし
    て含む請求項5に記載のリポソーム。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載のリポソームを含
    むX線造影剤。
  8. 【請求項8】 血管疾患の造影に用いるための請求項7
    に記載のX線造影剤。
  9. 【請求項9】 泡沫化マクロファージの影響で異常増殖
    した血管平滑筋細胞の造影に用いる請求項7に記載のX
    線造影剤。
  10. 【請求項10】 マクロファージが局在化する組織又は
    疾患部位の造影に用いる請求項7に記載のX線造影剤。
  11. 【請求項11】 マクロファージが局在化する組織が肝
    臓、脾臓、肺胞、リンパ節、リンパ管、及び腎臓上皮か
    らなる群から選ばれる請求項10に記載のX線造影剤。
  12. 【請求項12】 マクロファージが局在化する疾患部位
    が腫瘍、炎症部位、及び感染部位からなる群から選ばれ
    る請求項10に記載のX線造影剤。
  13. 【請求項13】 少なくとも1つのヨード原子が放射性
    同位体である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
    化合物又はその塩を膜構成成分として含むリポソーム。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載のリポソームを含む
    シンチグラフィー造影剤。
  15. 【請求項15】 泡沫化マクロファージの影響で異常増
    殖した血管平滑筋細胞の造影に用いる請求項14に記載
    のシンチグラフィー造影剤。
  16. 【請求項16】 マクロファージが局在化する組織又は
    疾患部位の造影に用いる請求項14に記載のシンチグラ
    フィー造影剤。
  17. 【請求項17】 造影対象の組織が血管、肝臓、脾臓、
    肺胞、リンパ節、リンパ管、及び腎臓上皮からなる群か
    ら選ばれる請求項14に記載のシンチグラフィー造影
    剤。
  18. 【請求項18】 腫瘍、動脈硬化巣、炎症部位、及び感
    染部位からなる群から選ばれる疾患部位の造影に用いる
    請求項14に記載のシンチグラフィー造影剤。
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