JP2003011824A - 踏切障害物検知装置 - Google Patents

踏切障害物検知装置

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JP2003011824A JP2001199778A JP2001199778A JP2003011824A JP 2003011824 A JP2003011824 A JP 2003011824A JP 2001199778 A JP2001199778 A JP 2001199778A JP 2001199778 A JP2001199778 A JP 2001199778A JP 2003011824 A JP2003011824 A JP 2003011824A
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    • B61RAILWAYS
    • B61LGUIDING RAILWAY TRAFFIC; ENSURING THE SAFETY OF RAILWAY TRAFFIC
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    • B61L29/24Means for warning road traffic that a gate is closed or closing, or that rail traffic is approaching, e.g. for visible or audible warning
    • B61L29/28Means for warning road traffic that a gate is closed or closing, or that rail traffic is approaching, e.g. for visible or audible warning electrically operated
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  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 配線やコンジット配管を新設することなく、
対象物体の大きさや動きを判定することによって、踏切
内の障害物を確実に検知できるようにする。 【解決手段】 遮断棹7,8が降り始めると距離センサ3が
踏切内の検知エリアの範囲で左右に回転し、レーザ光を
放射して踏切内の障害物をサーチする。反射板4からの
反射光によって、距離センサ3は回転方位のズレや送受
信性能のチェックを行う。距離センサ3のレーザ光が方
位を移動したとき通行者9の方位情報及び距離情報を収
集し、踏切器具箱1内の情報処理部に記憶された方位情
報及び距離情報と比較して、通行者9は障害物であると
判定する。さらに、レーザ光は方位を移動して自動車10
の複数の部分の方位情報と距離情報を収集する。踏切器
具箱1内の情報処理部は、複数の方位情報及び距離情報
から測定形状をトレースし、記憶されている形状から対
象物体が自動車10であると判断し障害物と判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、踏切などを横断す
る物体を検知する踏切障害物検知装置に関し、特に、空
中を伝搬する信号の反射波に基づいて、検知された物体
が障害物であるか否かを検知する踏切障害物検知装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような踏切障害物検知装置と
しては、光学式やループコイル式のものが知られてい
る。光学式踏切障害物検知装置は、踏切を挟んで投光器
と受光器を配置し、物体が遮光すると障害物として検知
するものである。図5は、従来の光学式踏切障害物検知
装置を説明するための踏切概要図である。同図におい
て、踏切の四隅に投光器21,22,受光器23,24
が設置され、遮断棹が降りると、各投受光器21,2
2,23,24の間でレーザ光が送受信される。そし
て、踏切内の自動車などが一定時間に亘ってレーザ光の
光軸を遮断すると、障害物として検知して、特殊信号発
光機25,26より上り下りの列車に対して停止信号が
送信される。また、ループコイル式踏切障害物検知装置
は、踏切内に電磁誘導コイルを敷設しておき、電磁誘導
コイルの近くの金属体の有無によってコイルのインピー
ダンスが変化することにより、共振周波数が変化する現
象を利用して障害物として検知するものである。図6
は、従来のループコイル式踏切障害物検知装置を説明す
るための踏切概要図である。同図において、踏切内の地
下に埋め込んだループコイル31上に自動車などの金属
体が存在すると、共振周波数が変化し、障害物として検
知して特殊信号発光器24、25により列車に対して停
止信号を送信する。
【0003】このような光学式あるいはループコイル式
の踏切障害物検知装置にあっては、例えば、上記のよう
な障害物が存在すると判断される状態が、例えば6秒以
上継続した場合に、「障害物あり」として特殊信号発光
機より列車に対して停止信号を送信するようにして、必
要以上に踏切障害物検知装置が作動しないよう設定され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の光学式踏切障害物検知装置は、投光器と受光器の間
の光軸は線状であり、また、ループコイル式踏切障害物
検知装置は電磁誘導コイルの設置場所が部分的であり、
何れの場合も踏切内全体の障害物を検知することはでき
ない。例えば、光学式踏切障害物検知装置は、細い光軸
を遮断するものは全て障害物として検知し、ループコイ
ル式踏切障害物検知装置は、ループコイル上の金属で発
振周波数を所定値以上に変化させるものは全て障害物と
して検知してしまう。また、光学式踏切障害物検知装置
の光軸を遮蔽しない位置にある踏切内の物体や、ループ
コイル式踏切障害物検知装置で検知できない非金属など
の物体は障害物として検知することができない。つま
り、踏切内の物体の大きさや形状や位置などを判別する
ことができないので、踏切で作業をしている人や工事用
のバケツなどを障害物として誤検知してしまうことがあ
るし、逆に、真の障害物を検知できないこともある。そ
こで、踏切内全体で障害物を漏れなく検知するようにす
ると、投受光器や電磁誘導コイルを多数設置する必要が
あり、結果的に、装置の設置価格や工事費が高騰してし
まう。さらに、上記従来の踏切障害物検知装置では、複
数の投受光機や複数のループコイルを接続するための配
管・配線工事、特に、道路や線路をくぐってこのような
工事を行うのに多額の費用がかかるという問題がある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、配線やコンジット配管を新
設するような新たな工事を最小限とし、かつ、対象物の
大きさや動きを判定することによって、踏切内の障害物
を確実に検知できるような踏切障害物検知装置を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の踏切障害物検知装置は、踏切内の対象の
状態に基づいて、その対象が踏切内の障害物であるか否
かの判定を行う踏切障害物検知装置において、空中を伝
搬する信号を対象に放射し、反射信号に基づいてその対
象の方位情報と距離情報とを収集することにより、その
対象が踏切内の障害物であるか否かを判定することを特
徴とする。つまり、本発明の踏切障害物検知装置によれ
ば、回転駆動する距離センサなどによる動的且つ連続的
な情報検出方法を採用している。これにより、距離セン
サの回転方位と反射対象までの距離測定の情報を組合わ
せることによって、踏切内全体の障害物を正確且つ確実
に検知することができる。
【0007】本発明における踏切障害物検知装置の具体
的な構成は、自在に回転して空中へ信号を放射し、反射
信号に基づいて対象の方位情報とその方位情報に対応す
る対象の距離情報とを検知する対象位置検知手段と、予
め記憶されている方位情報毎の対象の距離情報と、対象
位置検知手段が反射信号に基づいて検知した所定の方位
の距離情報とを比較し、対象位置検知手段の検知した対
象が踏切内の障害物であるか否かを判定する情報処理手
段とを備えることを特徴とする。このような構成にすれ
ば、対象位置検知手段や情報処理手段を既設の踏切器具
箱の上や内部に設置することができる。したがって、既
設の踏切器具箱の電源などを利用することができるの
で、配管やケーブル敷設工事を行う必要がなくなり、あ
まり費用をかけることなく踏切障害物検知装置を設置す
ることができる。
【0008】また、本発明の踏切障害物検知装置は、前
記発明において、対象位置検知手段は、一つの対象につ
いて複数の方位情報と距離情報とを収集し、情報処理手
段は、予め記憶されている対象の形状情報と、対象位置
検知手段から取得した複数の方位情報並びに距離情報と
を比較し、検知された対象が踏切内の障害物であるか否
かを判定することを特徴とする。つまり、本発明の踏切
障害物検知装置によれば、踏切内で検知した対象の大き
さや形状を検知するので、踏切内を飛んでいる紙切れな
どを誤検知する虞はなくなる。これによって、安全を確
保しながら、必要以上に踏切障害物検知装置が作動しな
いようにしている。また、個々の踏切の事情により、障
害物であるか否かを判定するための基準となる形状を変
更することができる。
【0009】また、本発明の踏切障害物検知装置は、前
記発明において、対象位置検知手段は、同一方位におい
て複数回に亘って方位情報と距離情報とを収集し、情報
処理手段は、対象位置検知手段から取得した同一方位に
おける複数回の方位情報と距離情報とに基づいて、対象
位置検知手段の検知した対象が踏切内の障害物であるか
否かを判定することを特徴とする。つまり、本発明の踏
切障害物検知装置によれば、同じ方位の距離情報を、1
秒に1回とか2秒に1回毎に、数回にわたって収集してい
る。これによって、通行人や自動車が、どの程度の速度
で踏切内を移動中であるかを判定することができる。し
たがって、安全な時間内に、充分に踏切の外まで渡りき
れる通行人や自動車を障害物として誤検知する虞はなく
なる。
【0010】また、本発明の踏切障害物検知装置は、前
記発明において、対象位置検知手段が放射した信号をそ
の対象位置検知手段へ反射させる反射手段を備え、対象
位置検知手段は、反射手段からの反射信号に基づいて方
位と距離の更正を行うことを特徴とする。つまり、本発
明の踏切障害物検知装置によれば、距離センサの設置隅
と対になる踏切外の三隅に反射手段を設けることによっ
て、距離センサの回転方位と送受信性能を定期的にチェ
ックすることができるので、システム全体の故障診断を
行うことができ、もって、信頼性の高い踏切障害物検知
装置を実現することができる。
【0011】また、本発明の踏切障害物検知装置は、前
記発明において、反射手段は、対象位置検知手段が信号
を放射するエリア内に複数箇所設置されていることを特
徴とする。つまり、反射手段を多く設置すれば回転方位
のズレを頻繁に修正することができるのでさらに検出精
度が上がる。しかし、踏切における反射手段の設置可能
な位置は現実的には最大3箇所である。踏切内を自動車
や人が通行することを考慮すると、1〜2箇所の反射手
段は通行する対象によって遮られることもあるので、反
射板は3箇所設置することが理想的である。
【0012】また、本発明の踏切障害物検知装置は、前
記発明において、対象位置検知手段が放射する信号は、
レーザ光線またはミリ波電磁波の何れかであることを特
徴とする。つまり、レーザ光線またはミリ波電磁波は悪
天候時においても透過力が優れているので、距離検出手
段としては最適である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明にお
ける踏切障害物検知装置の実施の形態を詳細に説明す
る。図1は、本発明における踏切障害物検知装置の構成
及び動作を示す概念図である。図1において、踏切外の
一方の隅には踏切器具箱1が設置され、その踏切器具箱
1の近傍には、固定されたケーブル2に接続された距離
センサ3が設けられいる。この距離センサ3は、回転し
ながらレーザ光などの信号を放射し、検出対象となる物
体からの信号の反射によって対象物体までの距離(位
置)を連続的に検知できるようになっている。また、距
離センサ3と対象となる踏切外の3箇所の隅には、それ
ぞれ、反射板4,5,6が設置されている。これらの反
射板4,5,6は、雨や雪や霧やその他の汚れなどによ
る劣悪な環境条件でも、距離センサへ安定した信号を反
射することができるように、例えばアルミ板などにより
構成されている。また、踏切を通過する道路の両側に
は、一般の踏切と同様に遮断棹7,8が設置されてい
る。
【0014】距離センサ3の例としては、レーザ光やミ
リ波を用いたレーダ、電波測距儀などがある。レーザ光
を用いたレーダであるレーザ距離センサは、物体に投射
したレーザの反射光の移動位置を三角測量方式によって
測定している。例えば、光源に半導体レーザを用い、測
定対象物から反射してきたレーザ光をレンズによって結
像させ、そのスポット像の位置を検出することによって
距離(位置)を測定している。このような三角測量方式
による距離検出法は一般に広く知られている。また、ミ
リ波レーダは、マイクロ波のうち波長が数mm前後の短
いミリ波を用いたレーダであり、雨天や霧などの悪天候
でもよく透過して減衰特性が少ないので、屋外の距離測
定などに好適である。
【0015】踏切障害物検知装置の構成についてさらに
詳しく説明する。図1では、距離センサ3やケーブル2
や踏切器具箱1が模式的に描かれているが、踏切障害物
検知装置としてはそれ以外のものも含めて構成されてい
る。図2は、踏切障害物検知装置の構成要素を示すブロ
ック図である。踏切障害物検知装置の構成要素は、距離
センサ3と、この距離センサ3を自在に回転させ、回転
方位を詳細に検出できる回転盤11と、回転方位と対象
物体までの距離の情報を情報処理部13へ伝送する伝送
リンク12と、伝送リンク12から受信した情報を処理
して、測定した対象物体が障害物であるか否かを判定す
る情報処理部13とによって構成されている。尚、踏切
器具箱2の上に回転盤11が回転自在に載置され、踏切
器具箱1の中に伝送リンク12や情報処理部13が置か
れている。また、図1に示す距離センサ3と踏切器具箱
1を接続するケーブル2は、図2では省略してある。
【0016】回転盤11は、距離センサ3を乗せて回転
し、距離センサ3の照射方位(つまり、回転方位)を検出
できる角度センサ、例えばロータリエンコーダを備えて
いる。伝送リンク12は、回転する距離センサ3が検出
した物体までの距離情報と、回転盤11からの方位(角
度)情報とを情報処理部13に伝送する。つまり、伝送
リンク12は、常時回転駆動している回転盤11からの
信号を受信しているので、非接触で信号の受け渡しがで
きるインタフェースが望ましい。また、距離センサとし
てレーザ距離センサを用いた場合、光源自身を回転させ
る方式のみならず、光源から入射した光線を反射するミ
ラーを機械的に回転させる方式であってもよい。
【0017】また、情報処理部13は、列車の接近を検
出した後、踏切の遮断棹7,8が閉じる動作や警報の鳴
動が開始される迄の間、あるいは、遮断棹7,8が降り
た後所定時間経過する迄の間などにおける適当なタイミ
ングで動作を開始し、距離センサ3から反射物体の方位
情報と距離情報を取得して、これらの情報から反射物体
が既存の設置物であるか障害物であるかの判別を行う。
つまり、情報処理部13には、予め、正常時における回
転方位とその方位に対応する対象物体の距離情報とが記
憶されている。そして、記憶されている回転方位毎の距
離情報と、実際に測定した回転方位毎の距離情報とを比
較して、対象物体が障害物であるか否かの判定を行って
いる。情報処理部13に予め記憶しておく回転方位毎の
距離情報は、回転盤11の角度分解能に併せたデジタル
的な角度データでよいが、1°とか2°と云った細かい
角度毎のデータではなく、実状に即した程度の10°と
か15°程度の大まかな角度データであっても構わな
い。情報処理部13は、既設の踏切警報条件に基づい
て、障害物検知の開始や終了を行い、障害物を検知した
ときは図示しない特殊信号発光器にその旨の信号を送信
し、特殊信号発光器より列車に対して停止信号を送信す
る。尚、情報処理部13は、踏切の三隅の反射板4,
5,6からの反射信号に基づいて、距離センサ3の回転
方位と送受信性能のチェック及び更正を行っている。
【0018】すなわち、本発明における踏切障害物検知
装置の重要な構成要素は、物体位置検知手段を構成する
距離センサ3及び回転盤11と、情報処理手段を構成す
る情報処理部13である。このような構成要素によっ
て、物体位置検知手段が、自在に回転して信号を放射
し、反射信号に基づいて物体の方位情報とその方位情報
に対応する物体の距離情報とを検知し、情報処理手段
が、予め記憶されている方位情報毎の物体の距離情報
と、物体位置検知手段から取得した所定の方位の距離情
報とを比較して、検知された物体が障害物であるか否か
を判定することができる。さらに、必要により反射手段
を構成する反射板4,5,6を設置し、これらの反射板
4,5,6からの反射信号に基づいて、距離センサ3の
回転方位と送受信性能のチェック及び更正を行うように
することもできる。
【0019】次に、図1及び図2を用いて本発明の踏切
障害物検知装置の動作を具体的に説明する。遮断棹7,
8が降り始めたとき、距離センサ3が回転を開始して、
回転方位とその方位での物体の位置(距離)を連続的に
検出する。連続的に物体の位置を検出する方式として
は、例えば、FM−CW (周波数変調連続波)方式を用い
る。FM−CW方式は、回転しながら一定繰り返しの鋸
歯状の搬送波を周波数変調しながら放射する。そして、
反射物体からの反射波と送信波との位相ずれによって生
じるビート周波数を測定し、測定位置から反射物体まで
の距離に換算する。一方、距離センサ3からの情報を処
理する情報処理部13は、踏切の形状(つまり、方位毎
の検知範囲距離)を予め記憶しているため、距離センサ
3が検出した方位毎の反射物体の距離から、その反射物
体が既存の設置物であるか踏切内の障害物であるかの判
別を行っている。
【0020】図1において、遮断棹7,8の降りている
踏切内には通行者9と自動車10が入っている。このと
き、距離センサ3が、例えば反時計方向に回転している
と、放射された光軸は反時計方向に移動する。ここで、
距離センサ3が、通行者9によって反射された光軸に基
づいて距離情報を受信すると、そのときの光軸の方位情
報が回転盤12(図2)によって検出される。すると、
伝送リンク12が、受信した光軸の距離情報と方位情報
とを情報処理部13へ送信する。さらに、情報処理部1
3は、予め記憶されている該当方位の対象物体の距離情
報と、今受信した方位における距離情報とを比較する。
このとき、情報処理部13は、通行者9から反射された
光軸に基づく距離が、予め記憶されている距離より短い
と判定し、通行者9は踏切内の障害物であると仮判断す
る。しかし、この段階では、検知された障害物は極めて
小さなもの(例えば、紙切れ)であるかもしれないの
で、真の障害物であるかどうかは断定できない。そこ
で、障害物の大きさの判別が必要となってくる。
【0021】図3は、図1における距離センサの測定結
果に対応する障害物の形状や大きさの判別を示す図であ
る。したがって、図3を図1と対比しながら説明する。
前述のように通行者9を障害物と仮判断したのち、距離
センサ3は、さらに反時計方向への回転を続ける。する
と、距離センサ3は、通行者9の幅の分だけ通行者9か
らの反射波による距離情報を取得して情報処理部13へ
送信する。一方、回転盤11も通行者9の幅の分だけの
方位情報を情報処理部13へ送信する。この結果、情報
処理部13は、通行者9の幅の分だけ、予め記憶した距
離情報と検出した距離情報とを比較し、通行者9の方位
と通行者9までの距離から、図3に示すような、距離セ
ンサ3から通行者9までの距離と通行者9の幅L2とを
算出する。これによって、情報処理部13は、通行者9
を真の障害物と判定する。
【0022】さらに、距離センサ3が反時計方向へ回転
すると、距離センサ3は、自動車10の形状に沿って反
射波による距離情報を取得して情報処理部13へ送信す
る。一方、回転盤11も自動車10の形状に相当する方
位情報を情報処理部13へ送信する。この結果、情報処
理部13は、自動車10の形状に沿った方位と距離から
測定形状をトレースし、図3に示すような、自動車10
までの距離と自動車10の幅L1を算出する。このと
き、情報処理部13には、予め、大きさや形状や幅に対
応する障害物の種類を記憶させておく。これによって、
情報処理部13は、取得した幅や形状の情報から測定し
た対象物体は自動車10であると判断し、それを踏切内
の真の障害物と判定する。
【0023】このようにして、距離センサ3から対象物
までの絶対距離と回転方位から、対象物体までの距離と
形状をトレースすることにより、対象物体の形状や幅を
検出することができる。よって、人や自動車や自転車な
どの物体の種別を判定することができるので、踏切内を
飛んでいる小さな紙切れなどを障害物として誤検出する
虞はなくなる。さらに、対象物体の二次元的な凹凸の測
定から、対象物体の細かな種別の判別や、通行状態の判
別を行って適切な踏切対策に役立てることができる。
尚、距離センサ3は、踏切内の検知エリアを反時計方向
へ回転して反射板6の位置まで移動し終わったら、時計
方向へ回転して反射板4の位置まで回転する。このよう
にして、距離センサ3は検知エリアの範囲内で左右の回
転して踏切内の障害物の検知を行っている。
【0024】また、本発明の踏切障害物検知装置は、踏
切内を移動している物体を測定して、それが真の障害物
であるかどうかを判定することもできる。例えば、遮断
棹が下り始めたときに踏切内を通行者や自動車が移動し
ている場合、それが真の障害物であるあるか否かを判定
することもできる。つまり、距離センサ3が検出した距
離情報が時間的に継続されているか否かによって通行者
や自動車の移動速度を判断し、真の障害物であるか否か
を判定する。図1を用いて説明すると、自動車10が図
の上方へ移動しているとき、距離センサ3は、例えば、
毎秒3回転しているとすれば、一つの方位について1秒
毎に3回に亘って距離情報を検出することができる。こ
のとき、所定回数の(所定秒数継続して)距離検出値が
同じ値であれば、自動車10は停止しているものと見な
して障害物と判定する。一方、1回目の距離検出値は障
害物としての距離検出値を示したが、2回目、あるいは
3回目の距離検出値は正常な値を示した場合は、自動車
10は図の上方へ移動して踏切を渡りきったと判断し、
自動車10を障害物としては検出しない。
【0025】次に、図1における反射板4,5,6の役
目について説明する。反射板4,5,6は、図1に示す
ように、踏切の三隅に設置されている。そして、距離セ
ンサ3から放射される光が反射板4,5,6の何れかを
通過するたびに、距離センサ3は、その反射信号によっ
て回転方位のズレをチェックし必要に応じてズレの修正
を行っている。また反射信号によって、所定の回転角度
毎に距離センサ3の送受信性能が正常であるかどうかの
チェックを行い、踏切障害物検知装置全体の故障診断を
行っている。
【0026】また、これらの反射板4,5,6は、雨や
雪や霧などの見通しの悪い環境条件でも、距離センサ3
へ安定した信号が反射されるようにアルミ板などが用い
られている。つまり、反射板はアルミ板を取付た柱な
ど、パッシブな構成要素であるので電源やケーブルなど
を必要としない。したがって踏切器具箱1から反射板
4,5,6へのコンジット配管やケーブルの敷設は不用
となる。一方、図1に示すように、距離センサ3は既設
の踏切器具箱1の近傍に設置できるため、踏切器具箱1
に最短距離で接続して電源の供給を受けたり制御信号を
授受することができ、且つ、距離センサ3と踏切器具箱
1との間のケーブルなどの工事費も少なくて済む。この
ため、踏切障害物検知装置全体のケーブルなどの敷設工
事費は殆どかからない。
【0027】図1の例では反射板を3箇所設置したが、
反射板をさらに増やすことにより、回転方位のズレ修正
の頻度を高めて検出精度を高めることができる。なお、
踏切内を物体が通行することを考慮すると、1〜2箇所
の反射板は物体によって遮られることもあるので、反射
板は少なくとも3箇所に設置することが望ましい。これ
に対して、反射板を最小限の1箇所に設けようとする場
合、図1における反射板6の位置、すなわち、踏切にお
いて人や自動車の通行によって光線が遮断される虞のな
い位置に設けることが望ましい。
【0028】尚、本発明の踏切障害物検知装置は、反射
板を設けないで実現することもできる。つまり、距離セ
ンサの送受信性能がそれ程劣化せず、且つ回転盤の回転
方位のズレが殆どないものであれば、定期的に、反射板
を何れかの場所に仮設して、所定の点検周期毎に更正を
行うようにしてもよい。
【0029】図4は、回転式の距離センサを用いた踏切
障害物検知装置を設置した実施例の模式図である。この
図を用いて、踏切障害物検知装置の動作を順を追って説
明する。 (1)警報が鳴って遮断棹7,8が下り始めると、踏切
障害物検知装置14が動作を開始する。 (2)距離センサ3が、図のレーザ光a、b、c、ある
いはdを含む範囲で踏切内を水平回転し、レーザ光を放
射しながら踏切内の障害物をサーチする。 (3)レーザ光aの反射板6からの反射光によって、距
離センサ3は、回転方位のズレの修正や送受信性能のチ
ェックを行う。 (4)距離センサ3がレーザ光bに方位を移動したとき
に、通行者9の一部分の距離情報を収集する。 (5)踏切器具箱1内の情報処理部に記憶されている距
離情報に基づいて、通行者9の距離情報はその大きさが
極めて小さいので障害物ではないと判定する。つまり、
通行者9は、極めて短時間のうちに遮断棹8の外へ出ら
れるものと判断する。
【0030】(6)距離センサ3がレーザ光cに方位を
移動したときに、自動車10の一部の距離情報を収集す
る。 (7)距離センサ3がレーザ光dに方位を移動したとき
に、自動車10の別の一部の距離情報を収集する。 (8)踏切器具箱1内の情報処理部は、レーザ光cの距
離情報とレーザ光dの距離情報から測定形状をトレース
し、予め記憶されている形状から測定した対象物が自動
車10であると判断し踏切内の障害物と判定する。 (9)踏切器具箱1内の情報処理部は、図示しない特殊
信号発光器へ障害物が踏切内にある旨の信号を送信し、
特殊信号発光器より列車に対して停止信号を送信する。
【0031】以上述べた実施の形態は本発明を説明する
ための一例であり、本発明は、上記の実施の形態に限定
されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が
可能である。例えば、上記の実施の形態で述べた踏切障
害物検知装置は機械的な回転盤を用いているため、距離
センサの回転方位と送受信性能のチェツクが必要にな
り、三隅あるいは少なくとも一隅に反射板を設置しなけ
ればらない。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の踏切障害
物検知装置によれば、回転駆動する距離センサなどによ
る動的且つ連続的な情報検出方法を採用している。これ
により、距離センサの回転方位と反射物体までの距離測
定の情報を組合わせることによって、踏切内全体の障害
物を正確且つ確実に検知することができる。さらには、
距離センサの設置隅と対になる踏切外の三隅に反射板を
設けることによって、距離センサの回転方位と送受信性
能を定期的にチェックすることができるので、システム
全体の故障診断を行うことができ、もって、信頼性の高
い踏切障害物検知装置を提供することができる。このよ
うに、連続的に踏切内の物体からの反射光を検出できる
ため、車椅子や老人などの交通弱者が踏切内に閉じ込め
られた場合でも、その状態を確実に検知することができ
る。
【0033】さらには、本発明の踏切障害物検知装置
は、踏切内の障害物が何であるのを識別する機能を持っ
ているので、特殊信号発光器によって列車に停止信号を
送信する対象物をどの範囲にするかを現場の交通状態に
応じて適宜決めることができる。例えば、踏切内の障害
物によって特殊信号発光器が列車を止める対象に交通弱
者を含めるか、普通自動車より大型の自動車に限定する
かなどを、列車のダイヤや道路事情などによって容易に
切り分けすることができる。また、本発明の踏切障害物
検知装置は、距離センサなどを敷設する場合に既設の踏
切器具箱の電源など利用することができるので、ケーブ
ルなどの工事費を最小限に抑えることができる。さらに
は、反射板は電気的な配線を一切必要としないのでケー
ブル工事などの費用も発生しない。したがって本発明に
よって交通安全に多いに貢献し得る踏切障害物検知装置
を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における踏切障害物検知装置の構成及
び動作を示す概念図である。
【図2】 踏切障害物検知装置の構成要素を示すブロッ
ク図である。
【図3】 図1における距離センサの測定結果に対応す
る障害物の形状や大きさの判別を示す図である。
【図4】 回転式の距離センサを用いた踏切障害物検知
装置を設置した実施例の模式図である。
【図5】 従来の光学式踏切障害物検知装置を説明する
ための踏切概要図である。
【図6】 従来のループコイル式踏切障害物検知装置を
説明するための踏切概要図である。
【符号の説明】
1…踏切器具箱、2…ケーブル、3…距離センサ、4,
5,6…反射板、7,8…遮断棹、9…通行者、10…
自動車、11…回転盤、12…伝送リンク、13…情報
処理部、14…踏切障害物検知装置、21,22,2
3,24…投受光器、25,26…特殊信号発光機、3
1…ループコイル、

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 踏切内の対象の状態に基づいて、該物体
    が踏切内の障害物であるか否かの判定を行う踏切障害物
    検知装置において、 空中を伝搬する信号を前記物体に放射し、反射信号に基
    づいて該物体の方位情報と距離情報とを収集する送受信
    機と、前記物体が踏切内の障害物であるか否かを判定す
    る判定部とを有することを特徴とする踏切障害物検知装
    置。
  2. 【請求項2】 前記送受信機は、水平面に対して交差す
    る方向へ向けられた軸を中心に回転して信号を放射し、
    反射信号に基づいて対象の方位情報と該方位情報に対応
    する物体の距離情報とを検知する対象位置検知手段を有
    し、 前記判定部は、予め記憶されている方位情報毎の対象の
    距離情報と、前記対象位置検知手段が反射信号に基づい
    て検知した所定の方位の距離情報とを比較し、前記対象
    位置検知手段の検知した対象が踏切内の障害物であるか
    否かを判定する情報処理手段を有することを特徴とする
    請求項1に記載の踏切障害物検知装置。
  3. 【請求項3】 前記対象位置検知手段は、一つの対象に
    ついて複数の方位情報と距離情報とを収集し、 前記情報処理手段は、予め記憶されている対象の形状情
    報と、前記対象位置検知手段から取得した複数の方位情
    報並びに距離情報とを比較し、検知された対象が踏切内
    の障害物であるか否かを判定することを特徴とする請求
    項2に記載の踏切障害物検知装置。
  4. 【請求項4】 前記物体位置検知手段は、同一方位にお
    いて複数回に亘って方位情報と距離情報とを収集し、 前記情報処理手段は、前記物体位置検知手段から取得し
    た同一方位における複数回の方位情報と距離情報とに基
    づいて、前記物体位置検知手段の検知した対象が踏切内
    の障害物であるか否かを判定することを特徴とする請求
    項2に記載の踏切障害物検知装置。
  5. 【請求項5】 前記対象位置検知手段が放射した信号を
    該対象位置検知手段へ反射させる反射手段を備え、 前記対象位置検知手段は、前記反射手段からの反射信号
    と、該反射手段の位置と距離に関する既知のデータとに
    基づいて方位と距離の更正を行うことを特徴とする請求
    項2〜請求項4の何れかに記載の踏切障害物検知装置。
  6. 【請求項6】 前記反射手段は、前記対象位置検知手段
    の検知領域内の複数箇所に設置されていることを特徴と
    する請求項5に記載の踏切障害物検知装置。
  7. 【請求項7】 前記対象位置検知手段が放射する信号
    は、レーザ光線またはミリ波電磁波の何れかであること
    を特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の踏切
    障害物検知装置。
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