JP3443645B2 - ミリ波センサのデータ確信度判定方式 - Google Patents

ミリ波センサのデータ確信度判定方式

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JP3443645B2 JP2001061294A JP2001061294A JP3443645B2 JP 3443645 B2 JP3443645 B2 JP 3443645B2 JP 2001061294 A JP2001061294 A JP 2001061294A JP 2001061294 A JP2001061294 A JP 2001061294A JP 3443645 B2 JP3443645 B2 JP 3443645B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、道路上における車
両の種々の状態を検出して、道路の使用状態を管理する
ミリ波センサに関し、特に、道路上の対象物の検出結果
の信頼性を判定することのできるミリ波センサのデータ
確信度判定方式に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、道路上を観測するためにミリ
波センサが利用されており、このミリ波センサは図7に
示すように構成されている。すなわち、ミリ波センサ1
は道路の路肩に設けられた支柱などの高所に設置されて
おり、道路上を走行する車両に対してファン状(長円
状)のビームを所定の角度で走査(スキャニング)させ
ることにより走行する車両や障害物などを検出すること
ができる。そして、このミリ波センサ1はアンテナ2と
送受信装置3と駆動装置4とを有するレーダ部5と、A
/D変換装置6と車両検出装置7とを有する信号処理部
8とを備えている。また、9はネットワークで接続され
る上位コンピュータ装置で、この上位コンピュータ装置
9により全体制御及びミリ波センサ1により得られたデ
ータに対しての総合的な管理を行うことができる。この
ようなミリ波センサのレーダ方式としては高精度で安価
なFM−CW方式(Frequency-Modulated Continuous W
aves)が採用されている。 【0003】図8に示すように、このFM−CW方式は
送信波を三角波にて変調することで、所定の算出式によ
り速度と距離を同時に検出するものであり、一定振幅の
連続波(CW)でドップラシフトから速度計測を行い、
周波数変調(FM)をかけた送信波とその受信波の送受
の遅延時間から距離計測を行うものである(「改訂,レ
ーダ技術;電子情報通信学会」等に詳細は記載。)。こ
の図8では、faが変調周波数が増加するビート信号周波
数(アップビート)をfbが変調周波数が減少するビート
信号周波数(ダウンビート)、Δfが周波数変調幅、tは
送信波と受信波との時間差をそれぞれ示している。 【0004】また、従来では図9に示すようにミリ波セ
ンサ1自体の機械系統の故障や電気系統の故障は自己診
断機能により判定され、例えば温度過昇時等ではミリ波
センサの内部に設けられた冷却装置により異常処理の対
応が行われるようになっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
ミリ波センサ1の場合には以下のような問題がある。す
なわち、前述したようにミリ波センサ1の機械系統及び
電気系統の故障は自己診断機能により判定され、その修
復が行われるものであるが、このミリ波センサ1により
検出された道路上の車両や障害物についての検出データ
の信頼性(検出精度)については、特に明確に判断でき
るには至っていなかった。つまり、検出データの信頼性
は自己診断により判定できないため、ミリ波センサによ
る検出データにどのくらいの信頼性があるかを把握する
ことができないため、データを使った道路管理上の安全
性の面で問題がある。 【0006】そこでこの発明の目的は、前記のような従
来のミリ波センサのもつ問題点を解消し、ミリ波センサ
の故障判定を自己診断だけでなく、客観的に判断できる
うえ、道路上の対象物の検出結果の信頼性を判定するこ
とのできるミリ波センサのデータ確信度判定方式を提供
するにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、請求項1に記載の発明は送受信装置と駆
動装置とを有するレーダ部と、A/D変換装置と車両検
出装置とを有する信号処理部を備えた道路に設置するミ
リ波センサにおいて、前記信号処理部に道路構造物検出
装置と、データ確信度判定装置とを有し、前記道路構造
物検出装置は、ミリ波センサによる通常観測域内にある
1つ以上の構造物と、ミリ波センサに近接し、通常観測
域外の位置にある1つ以上の構造物とを、それぞれ基準
の反射体として検出し、前記データ確信度判定装置は、
前記道路構造物検出装置で検出した基準反射体のデータ
と、前記車両検出装置で検出した車両データ及び背景デ
ータのレベル変動から、車両検出装置で検出した車両デ
ータの確信度を判定するようになっていることを特徴と
する。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態について詳細に説明する。ここで、図1〜3は
本発明のミリ波センサ1aのデータ確信度判定方式に係
る装置全体を示す構成図であり(FM−CW方式)、図
1は本発明に係るミリ波センサが適用された状態を示す
道路の構成図を、図2はミリ波センサの全体構成を示す
説明図を、図3はミリ波センサの構成ブロック図をそれ
ぞれ示している。 【0009】そして、本発明の特徴は信号処理部8に道
路上に存在する構造物を検出する道路構造物検出装置10
とデータ確信度判定装置11との2つの装置を付加したこ
とにある。すなわち、ミリ波センサ1は道路の路肩に設
けられた支柱などの高所に設置されており、道路上を走
行する車両に対してファン状(長円状)のビームを所定
の角度で走査(スキャニング)させることによりミリ波
の送受信と信号処理により車両(対象物)の位置・速度
を得ることができる。すなわち、図3に示すように、こ
のミリ波センサ1aは送受信装置3と駆動装置4とを有
するレーダ部5と、A/D変換装置6と車両検出装置7
と路肩に設けられた複数の構造物を検出する道路構造物
検出装置10とデータ確信度判定装置11とを有する信号処
理部8とを備えており、このようなミリ波センサ1aの
レーダ方式としてはやはり高精度で安価なFM−CW方
式(Frequency-Modulated Continuous Waves)が採用さ
れている。また、本発明の場合ミリ波センサがアクティ
ブセンサである利点を生かし、計測領域内の計測対象物
以外の不要な反射波をアルゴリズムで不要背景として除
去していたノイズに着目し、路面や道路構造物からの受
信電力を常時計測し、そのレベル変動を観測することに
よって、データの確信度の判定を行うものである。具体
的には、複数の道路に存在する道路構造物(図1に示
す、複数の照明灯や中央分離帯にある複数の遮蔽物)か
ら安定した受信電力が確実に得られる観測点を抽出し、
この道路構造物の観測点からの反射波と路面からの反射
波との受信電力を常時計測して、この受信電力の変動の
評価を行うようにするものである。 【0010】以下、本発明の詳細を図1〜3及び図4の
フローチャートを参照して説明する。図1、2に示すよ
うに反射体14はミリ波センサ1aの通常観測区域内(図
1の点線部)にあり、この反射体14の反射強度を常時モ
ニタし観測することにより、天候やその他の外乱による
見にくさを判断し、データの確信度として出力してい
る。つまり、先ずミリ波センサにより反射体14の検出を
行い、この反射体14の検出レベル(受信レベル)が異常
であった場合には、次いで反射体15の検出を行う(予
め、反射体14の基準となる受信レベルを設定しておき、
この基準値と異なる場合に検出レベル異常と判断す
る。)。尚、反射体14,15の選定としては、本実施形態
に示したものではなく、ミリ波センサによる検出可能範
囲にある構造物(照明灯或は遮蔽物)であればいずれの
ものでもよいが、反射体14はミリ波センサ1aによる通
常観測域内にある構造物とし、反射体15は通常観測域外
のミリ波センサ1aに近接した位置にある構造物とす
る。 【0011】そして、反射体15の検出レベルが反射体14
と同様に異常と判定された場合には、ミリ波センサ1a
自体の故障であると判断する。一方、反射体15の検出レ
ベルが異常でないと判定された場合には、反射体14にお
いて異常と判断された検出レベルは「天候など」による
減衰によるものと判断され、さらに反射体15における距
離の検出と横位置の検出とが行われる。ここで、検出さ
れた反射体15の距離が異常と判断された場合にはレーダ
部5(図3)の故障とし、横位置が異常と判断された場
合には駆動装置4(図3)の故障と判定する(予め、反
射体15の基準となる距離及び横位置を確定しておき、こ
の基準値と異なる場合に距離及び横位置の故障と判定す
る。)。また、横位置が異常と判断されない場合にはタ
ーゲット数の異常減少を判定し、異常減少が検出された
際にはしきい値の自動変更が行われる。これは、反射波
の受信電力は降雨時などの路面がウエット状態ではミリ
波センサの波長と雨水滴の直径が同程度となるため、電
波吸収や散乱が発生し、反射波の受信電力が弱くなるた
めである。 【0012】ここで、しきい値の自動変更に関して図
5,6を参照して簡単に説明する。すなわち、ミリ波セ
ンサでは昼夜、悪天候問わず四輪車である車両を検出す
ることができる。そこで、データ確信度の意味合いは二
輪車検出の確信度とノイズ除去の対策を講じるためのノ
イズ分離しきい値の評価尺度となる。すなわち、二輪車
を考えた場合、この二輪車の車尾の検出はドライバを検
出しているようなものなので受信電力は車両より遥かに
小さい。そして、前述したように降雨時などの悪天候下
ではミリ波の波長と雨滴の直径が同程度となるため電波
が吸収や散乱が発生し、反射波の受信電力が小さくな
る。この結果、二輪車などでは検出精度が低下するため
本発明では、路面と道路構造物の観測点から図5(a)
(b)に示すように受信電力の変動をとらえるようにし
ている。つまり、図5(a)は路面ドライ時の、図5
(b)は路面ウエット時の反射波における受信電力の変
動を示す図であり、例えば、路面ウエット時にはしきい
値の自動変更を行い、受信レベルの基準値を下げる必要
がある。 【0013】また、データ確信度の評価は受信電力の度
合いから受信速度信号を検出対象物として抽出するスレ
ッショールドレベル以上で四輪車でない車両(二輪車)
が測定できるかを判定するものであり、この場合、図6
に示すデータ確信度の拡張性のテーブルに基いて行うこ
とができる。 【0014】再度、図4のフローチャートを参照して説
明する。図4に示すように、ターゲット数の異常減少を
判定し、また、この際、一定以下のしきい値に変更して
も反射体15の検出により検出異常が確認された時には、
レーダ部5(図3)の故障とする。尚、本発明の場合、
ミリ波センサによる検出情報の信頼性はもとより、自己
診断機能の補助及び路面の状態を検出でいきるため悪天
候の有無判定なども評価することも可能である。 【0015】 【発明の効果】この発明は、前記のようであって本発明
のミリ波センサのデータ確信度判定方式は、ミリ波セン
サの故障判定を自己診断だけでなく、反射体がミリ波セ
ンサにより正確に観測できるか否かで客観的に判断でき
るうえ、道路上の対象物の検出結果の信頼性を判定する
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係るミリ波センサが適用された状態を
示す道路の構成図である。 【図2】同ミリ波センサ及び反射体の位置関係を示す簡
略説明図である。 【図3】同ミリ波センサの全体構成を示すブロック図で
ある。 【図4】本発明における処理手順を示すフローチャート
である。 【図5】(a)は路面ドライ時の、(b)は路面ウエッ
ト時の反射波における受信電力の変動を示す図である。 【図6】データ確信度の拡張性を示す図表である。 【図7】従来のミリ波センサの全体構成を示すブロック
図である。 【図8】FM−CW方式の概略を示す説明図である。 【図9】従来のミリ波センサにおける処理手順を示すフ
ローチャートである。 【符号の説明】 1,1a ミリ波センサ 2 アンテナ 3 送受信装置 4 駆動装置 5 レーダ部 6 A/D変換装置 7 車両検出装置 8 信号処理部 9 上位コンピュータ装置 10 道路構造物検出装置 11 データ確信度判定装置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−213650(JP,A) 特開 平7−209410(JP,A) 特開2000−59141(JP,A) 特開2000−105276(JP,A) 特開2000−111644(JP,A) 特開2001−4742(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95 G08G 1/01

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 送受信装置と駆動装置とを有するレーダ
    部と、A/D変換装置と車両検出装置とを有する信号処
    理部とを備えた道路に設置するミリ波センサにおいて、
    前記信号処理部に道路構造物検出装置と、データ確信度
    判定装置とを有し、前記道路構造物検出装置は、ミリ波
    センサによる通常観測域内にある1つ以上の構造物と、
    ミリ波センサに近接し、通常観測域外の位置にある1つ
    以上の構造物とを、それぞれ基準の反射体として検出
    し、前記データ確信度判定装置は、前記道路構造物検出
    装置で検出した基準反射体のデータと、前記車両検出装
    置で検出した車両データ及び背景データのレベル変動か
    ら、車両検出装置で検出した車両データの確信度を判定
    するようになっていることを特徴とするミリ波センサの
    データ確信度判定方式。
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