JP2003010914A - リコイリングライン用センターバーマッシャーロール - Google Patents

リコイリングライン用センターバーマッシャーロール

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JP2003010914A
JP2003010914A JP2001191700A JP2001191700A JP2003010914A JP 2003010914 A JP2003010914 A JP 2003010914A JP 2001191700 A JP2001191700 A JP 2001191700A JP 2001191700 A JP2001191700 A JP 2001191700A JP 2003010914 A JP2003010914 A JP 2003010914A
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roll
solid solution
silicon carbide
center bar
solution particles
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JP2001191700A
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Shigeharu Matsubayashi
重治 松林
Tetsuo Nose
哲郎 野瀬
Hiroyuki Katsura
啓之 桂
Shinichi Yoshino
伸一 吉野
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、機械的安定性に優れ、長期耐久性
を有するリコイリングライン用センターバーマッシャー
ロールを提供することを目的とする。 【解決手段】 Ti-Zr-B固溶体粒子及び/又はTi-Hf-B固
溶体粒子を分散した炭化珪素を焼結した粒子分散炭化珪
素質焼結体を、摺動面の曲率半径Rが150mm以下の樽型形
状ロールに成形加工してなることを特徴とするリコイリ
ングライン用センターバーマッシャーロールである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切断後の2枚の鋼
板の端面を同時に平坦化するリコイリングライン用セン
ターバーマッシャーロールに関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼製造工程において、幅広鋼板から幅
狭鋼板を製造するリコイリングラインでは、鋼板の幅方
向の所定位置で長手方向に切断を行うが、その際に発生
する切断面のバリ、カエリを圧着して平坦にするために
用いるロールをリコイリングライン用センターバーマッ
シャーロールと呼んでいる。従来から、 鋼材(SUJ2)に
硬質クロムメッキと高周波焼き入れを施した上ロール
と、耐摩耗鋼を表面研磨し高周波焼き入れを施した下ロ
ールが使用され、切断された厚さ0.3〜1.2mmの鋼板の各
エッジ部を圧下して、平坦化している。なお、この時の
通板速度は100〜300m/分にも達することがある。各ロー
ルは、常に複数の円周線上に押し付け負荷が掛かり、上
下および左右に不規則な振動を受け続けるなど、その使
用環境は極めて厳しいものである。めっきや酸洗などに
より鋼板表面を仕上げてあるため、平坦な摺動面を有す
るロールでは、この不規則な振動により、鋼板端面に疵
を付けてしまうことが課題であった。このため、このロ
ールの材質としては、金属材では耐久性に劣り、1〜2ヶ
月に1回以上と交換頻度が高いため、硬度が高く、耐摩
耗性に優れ、破壊靭性値が高く、欠損が生じないセラミ
ックス材の適用が検討されている。
【0003】これまで、炭化珪素質焼結体は、大気雰囲
気下での高温強度や硬度には優れた特性を有するもの
の、破壊靭性、耐欠損性が劣り、実用的な材料とは言い
難かった。そこで、炭化珪素質焼結体の高靭性化を図る
ために、各種粒子、ウィスカーを分散させる粒子分散炭
化珪素質焼結体の研究開発が進められている。しかしな
がら、高硬度・耐摩耗性を維持できる材料系が殆ど無
く、実用化を阻害している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように実際のロー
ルの使用環境では、通板する際の鋼板のバリ高さ・切断
後の鋼板端面間の距離等の変動に伴う上下や左右の振動
に対する機械的耐久性、ハンドリング時の耐欠損性等の
機械的安定性、ロール中心方向へのヒビが進展しないこ
とによるカリバー摩耗面の研削除去後のリサイクル性に
も優れている必要があり、このような特性にも優れてい
る材質を有し、幅方向の切断時に生じる2枚の鋼板の盛
り上がり部を平坦化するリコイリングライン用センター
バーマッシャーロールの提供が望まれていた。
【0005】そこで、本発明は、上述の従来の問題点を
解決し、機械的安定性に優れ、長期耐久性を有するリコ
イリングライン用センターバーマッシャーロールを提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点を解決するために、セラミックス焼結体への分散粒子
を鋭意検討した結果、特定の分散粒子を用いた炭化珪素
質焼結体を特定形状に加工した場合に、鋼板を2分割す
る切断時に生じる2枚の鋼板の盛り上がり部を平坦化す
るリコイリングライン用センターバーマッシャーロール
として優れた特性が得られることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
【0007】即ち、本発明は、(1) Ti-Zr-B固溶体粒
子及び/又はTi-Hf-B固溶体粒子を分散した炭化珪素を焼
結した粒子分散炭化珪素質焼結体を、摺動面の曲率半径
Rが150mm以下の樽型形状ロールに成形加工してなること
を特徴とするリコイリングライン用センターバーマッシ
ャーロール、(2) 前記Ti-Zr-B固溶体粒子の組成が、T
i1-xZrxB2(0.02≦x≦0.25)である(1)記載のリコイリン
グライン用センターバーマッシャーロール、(3) 前記
Ti-Hf-B固溶体粒子の組成が、Ti1-xHfxB2(0.02≦x≦0.2
5)である(1)記載のリコイリングライン用センターバー
マッシャーロール、(4) 前記固溶体粒子の平均粒径が
1〜10μmである(1)記載のリコイリングライン用センタ
ーバーマッシャーロール、(5) 前記固溶体粒子の体積
分率が20〜70%である(1)記載のリコイリングライン用セ
ンターバーマッシャーロール、(6) 前記粒子分散炭化
珪素質焼結体の相対密度が99.5%以上である(1)記載のリ
コイリングライン用センターバーマッシャーロール、で
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明者等は、従来使用されていた鋼板幅を切断に
よって変更する際に生じる2枚の鋼板の盛り上がり部を
平坦化する金属製リコイリングライン用センターバーマ
ッシャーロールについて、その損耗状況を鋭意解析した
結果、鋼板が高速で通過する場合、硬度に劣る材料で
は、盛り上がり部に接触する表面層が容易に摩耗し、消
耗していくことを見い出した。また、摩耗部周囲には肌
荒れが数多く認められることも見い出した。これらの摩
耗と肌荒れは、鋼板の盛り上がり部を平坦化するロール
の材質が硬度が低い場合に特に顕著に認められた。した
がって、鋼板幅を切断によって変更する際に生じる2枚
の鋼板の盛り上がり部を平坦化するリコイリングライン
用センターバーマッシャーロールを長期間安定して使用
するためには、耐摩耗性と耐欠損性を同時に向上させる
ことが必要で、そのためには硬度が高く、高靭性な材質
を用いることが必要不可欠である。
【0009】そこで、これらの特性を同時に向上させる
ために、各種粒子分散セラミックス焼結体を作製し、そ
の特性を評価した結果、硬度が高くかつ耐欠損性に優れ
たセラミックス焼結体が優れた特性を有することを見い
出した。特に、特定の固溶体粒子を分散した炭化珪素を
焼結した粒子分散炭化珪素質焼結体を外周面の曲率半径
Rが150mm以下の樽型形状に成形加工したリコイリングラ
イン用センターバーマッシャーロールは、従来の金属製
リコイリングライン用センターバーマッシャーロールに
比べて、耐摩耗性を高めつつ、かつチッピングや割れ等
の耐欠損性を著しく改善できる。樽型形状は、圧下時に
小面積に集中でき高圧力化が容易で、めっき等の表面処
理後の鋼板仕上げ面を疵つけないため好適となる。圧下
時の平坦化効率と切断された両端面への疵付け割合のバ
ランスにより、曲率半径Rが150mm超では、平坦化と疵付
けのともに良好な結果が得られなかった。また、めっき
層のない酸洗後の鋼板などでは、切断後のバリやカエリ
の硬さが高いため、比較的高い圧力が必要となる場合に
も効果をもたらす。外周面の曲率半径Rが150mm以下の凸
形状は、ロールの横振れや切断後の2枚の鋼板距離の変
動に対しても鋼板に疵をつけず、効果的に端面を平坦化
することが可能である。平坦面を含む曲率半径Rが150mm
超の形状では、圧力や疵付けの点で相応しくない。一
方、曲率半径Rがロール幅の1/2より小さくなると、接
触面積が極めて小さくなり、平坦化が十分に行われなく
なる恐れがある。通板速度が100〜300m/分と高速であ
っても、同時に2枚の鋼板のバリやカエリを安定的に平
坦化することが可能な通板方向の接触面積を確保するた
めには、リコイリングライン用センターバーマッシャー
ロールの最大径は、100mm以上であることが望ましい。
ロール径の上限としては、セラミックス部材の製造の容
易性やロール自体のハンドリング性から、400mm以下が
適当である。
【0010】ところで、炭化珪素単体では、破壊靭性に
劣るため、炭化珪素に以下の基準で選ばれた粒子を分散
させることが有効である。炭化珪素とTi-Zr-B固溶体粒
子及び/又はTi-Hf-B固溶体粒子との熱膨張差やヤング率
の相違等により、分散したTi-Zr-B固溶体粒子及び/又は
Ti-Hf-B固溶体粒子の近傍に残留応力が発生し、焼結体
の破壊に際して破壊エネルギーを分散させる作用を有
し、靭性を著しく向上させ、かつ耐摩耗性も向上させる
作用もある。
【0011】このTi-Zr-B固溶体粒子及び/又はTi-Hf-B
固溶体粒子は、硬質かつ耐酸化性のあるhcp構造の高融
点化合物であり、焼結後に炭化珪素質焼結体中に分散粒
子として残留し、焼結体全体の硬度や破壊靭性値を向上
させる作用を有する。Ti-Zr-B固溶体粒子及び/又はTi-H
f-B固溶体粒子の組成は、それぞれTi1-xZrxB 2、Ti1-xHf
xB2で表され、xの範囲は0.02〜0.25が好ましく、より好
ましくは0.02〜0.05である。TiB2にZrB2やHfB2を固溶さ
せると、TiB2単体に比べ、硬度や破壊靭性値が上昇す
る。しかしながら、xが0.02より小さい場合には、Zr、H
fのTiB2への固溶効果が乏しくなり、十分な高硬度化が
図れない恐れがあり、一方、xが0.25を越える場合に
は、マトリックスの炭化珪素との熱膨張係数が掛け離れ
てしまうため、焼結時に緻密化し難くなり、相対密度の
低い焼結体となり易く、また破壊靭性も低下する恐れが
高くなる。
【0012】また、前記固溶体粒子の平均粒径は1〜10
μmであることが望ましい。より好ましくは3〜5μmであ
る。平均粒径が1μmより小さいと、靭性への寄与が得ら
れ難く、一方、10μmより大きいと、硬さや破壊靭性値
の低下を招く。前記Ti-Zr-B固溶体粒子及び/又はTi-Hf-
B固溶体粒子の体積分率は20〜70%であることが望まし
い。体積分率が20%より少ないと、硬さ、靭性の向上に
対する寄与が得られ難く、一方、70%を越えると、粒子
分散による残留応力が過大となり、破壊靭性の低下と共
に耐欠損性が低下する。
【0013】さらに、前記Ti-Zr-B固溶体粒子及び/又は
Ti-Hf-B固溶体粒子分散炭化珪素質焼結体の相対密度は
理論密度に対して99.5%以上であることが望ましい。相
対密度が99.5%未満では、粒子分散による焼結体への残
留応力の付与が不充分になり、破壊靭性の向上効果が見
られない。本発明の鋼板幅を切断によって変更する際に
生じる2枚の鋼板の盛り上がり部を平坦化するロールの
製造方法は、特に限定するものではなく、炭化珪素粉末
にTi-Zr-B固溶体粒子及び/又はTi-Hf-B固溶体粒子と必
要に応じて焼結助剤を所定量添加、混合した後、焼結し
たものを成形加工することにより製造できる。ここで、
Ti-Zr-B固溶体粒子及び/又はTi-Hf-B固溶体粒子は、複
合硼化物粒子として添加する以外に、例えばTiB2とZr
B2、ZrC、HfB2、HfCの所定量を炭化珪素に混合し、焼結
時の反応により複合硼化物を形成しても良い。また、炭
化珪素は共有結合性の強い物質であり、単独では焼結が
困難であることが多いため、緻密化するために焼結助剤
を添加することが望ましい。焼結助剤としては、炭化硼
素、金属硼素、カーボンブラックや有機質炭素等の各種
炭素材料、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、希土
類酸化物、等を用いることができる。焼結助剤の添加量
は、炭化珪素粉末の純度や粒径によって変動する必要が
あるが、炭化珪素100質量部に対し、炭化硼素が0.1〜2.
0質量部、炭素が0.5〜2.5質量部などが好ましい。
【0014】焼結方法としては、特に限定するものでは
なく、例えば無加圧焼結法、ガス圧焼結法、熱間静水圧
プレス焼結法、ホットプレス焼結法、等の各種焼結法を
用いることができ、さらにこれらの焼結法を複数組み合
せても良い。無加圧焼結法は、真空中又は不活性ガス流
通中で行なうと緻密な焼結体が得られ易い。また、厚肉
形状の鋼板幅を切断によって変更する際に生じる盛り上
がり部を平坦化するリコイリングライン用センターバー
マッシャーロールを製造する場合には、十分な緻密化を
図るために、無加圧焼結後に、さらに不活性ガス雰囲気
中での熱間静水圧プレス焼結を行うことが好ましい。焼
結条件としては、焼結温度が1850〜2200℃、保持時間が
3時間以上であることが望ましい。1850℃未満では、緻
密な焼結体が得られず、固溶体粒子近傍に残留応力を十
分に発生させることが困難となり、高靭性の焼結体とす
ることができない。一方、2200℃を越える高温では、マ
トリックスの炭化珪素が昇華、分解するため、焼結体が
得られない。また、保持時間が3時間未満では、焼結反
応による複合硼化物粒子生成が十分には起こらないた
め、焼結体の粒子分散の効果が得られない。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に説明す
る。 (実施例1〜5)炭化珪素(SiC)粉末(α型、純度98%、平均
粒径0.9μm)に、硼化チタン(TiB2)粉末(平均粒径4.5μ
m)、硼化ジルコニウム(ZrB2)粉末(平均粒径5μm)、炭化
ジルコニウム(ZrC)粉末(平均粒径3.5μm)、硼化ハフニ
ウム(HFB2)粉末(平均粒径6μm)、炭化ハフニウム(HfC)
粉末(平均粒径3.5μm)、炭化硼素(B4C)粉末(平均粒径0.
8μm)、及び炭素(C)粉末(平均粒径0.03μm)を、表1に示
す所定量(質量%)添加し、分散媒として精製水またはア
セトンを用い、炭化珪素セラミックスを内貼りしたボー
ルミルで48時間混練した。精製水またはアセトンの添加
量は、セラミックス全粉末原料100gに対し80gとした。
【0016】次いで、得られた混合粉末を成形後、焼結
した。成形条件としては、冷間静水圧による加圧150MPa
とし、φ200mm×長さ150mmを成形した。これを素地加工
し、最大径φ200mm(曲率半径R:210mm、凸面)×長さ130m
mの樽型形状の成形体を得た。焼結条件としては、Arガ
ス流通中にて、表1中に示す温度で16時間保持の無加圧
焼結後、同じく表1中に示す温度、高圧Arガス雰囲気中
にて8時間保持の熱間静水圧プレス(HIP)焼結を行った。
得られた焼結体から、最大径φ160mm(曲率半径R:130mm)
×長さ100mmの樽型形状を研削加工し(図2参照)、図1に
示す設備の上ロールとして組み込み、鋼板の通板中での
耐久試験に供した。
【0017】また、得られた焼結体から各種形状の試験
片を切り出し、機械的特性を評価した。硬さは、押込荷
重98Nにてビッカース硬さとして測定した。靭性につい
ては、JIS R1607のSEPB法により室温にて破壊靭性値KIC
を測定した。焼結体密度は、アルキメデス法により相対
密度として測定した。Ti-Zr-B、Ti-Hf-B固溶体の粒径お
よび体積分率は、焼結体の鏡面研磨面を撮影した光学顕
微鏡像(拡大率500倍)より30個以上の粒子径および撮影
面中の粒子面積分率として測定し、その平均値として表
した。また、X線回折法を用いて、混合前の原料粉末段
階でのTiB2、ZrC、ZrB2、HfC及びHfB2各粉末のX線回折
ピークをそれぞれ測定し、混合・成形し焼結後の焼結体
のX線回折ピークと照合し、TiB2中にZrもしくはHfが固
溶していることを確認した。
【0018】得られた各焼結体の諸特性を、Ti-Zr-B、T
i-Hf-B固溶体の粒径、体積分率、X値、焼結体密度と共
に、表2に示す。オンライン通板試験としては、常温大
気中、押付け荷重9.8N、板厚0.8mm、通板速度は100m/mi
nの条件にて行った。4ヶ月間の鋼板の通板後、センター
バーマッシャーロールに発生した摩耗痕跡の深さhを投
影型顕微鏡にて測定した。また、摩耗痕跡周囲の損傷有
無、チッピングの深さ、およびヒビ割れの深さを、蛍光
探傷法および断面研磨面の光学顕微鏡観察により評価し
た。
【0019】(比較例6〜12)比較例6〜8は、実施例1〜5
と同一原料を用い、同じく精製水またはアセトンで調製
したが、それぞれTiB2のみを添加した場合(比較例6)、Z
rB2のみを添加した場合(比較例7)、HfB2のみを添加した
場合(比較例8)の各比較例である。比較例9は、粒子分散
を行っていない炭化珪素焼結体である。これらを併せて
表1に示す。また、これら比較例の材料も、実施例1〜5
と同様の条件で通板試験を行い、その結果を表2に示し
た。比較例10は、従来の金属製ロールで、摩耗試験結果
のみ、表2に併記した。比較例11、12は、それぞれ実施
例1、2の焼結体と同組成・同焼成条件にて作製した摺動
部が平坦なロール(図3参照)である。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】表2に示すように、本発明の実施例1〜5に
よるものは、摩耗痕跡深さが20μm以下と非常に少な
く、かつ、摩耗痕跡周囲には、割れ・チッピングの欠損
が何れの場合も認められず、耐摩耗性、耐欠損性共に優
れるが、比較例6〜10の各リコイリングライン用センタ
ーバーマッシャーロールは、本発明の実施例に比べて、
使用不能になるまでの摩耗痕跡深さ150μm以上と大き
く、その上、ヒビ等の欠損も発生する場合があり、耐摩
耗性、耐欠損性が不充分であることが確認された。ま
た、比較例11、12は、本発明のセラミックス材質からな
り、平坦な摺動面を有するロール(図3参照)で、摩耗量
は40μm以上と高くなり、カリバー摩耗幅も樽型に比べ
大きく、鋼板端面の平坦化効率も十分とは言えず、6〜8
週間後に鋼板へ疵を付けることになり本発明の材質であ
っても樽型形状が好適であることが裏付けられた。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の固溶体粒子
を分散した炭化珪素質焼結体を成形加工してなるリコイ
リングライン用センターバーマッシャーロールは、硬度
や破壊靭性値に代表される機械的安定性に優れ、長期耐
久性を有する。本発明のリコイリングライン用センター
バーマッシャーロールを使用すれば、鉄鋼製造工程等に
おけるリコイリングライン用センターバーマッシャーロ
ールの長寿命化による資材費圧縮と安定操業による生産
性向上に伴う製造コスト低減に寄与すること大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】リコイリングライン用センターバーマッシャー
ロールの配置を示す図。
【図2】本発明の樽型ロールの模式図。
【図3】比較例11、12で用いた平坦な摺動面をもつロー
ルの模式図。
【符号の説明】
1…本発明のリコイリングライン用センターバーマッシ
ャーロール 2…リコイリングライン用センターバーマッシャーロー
ルの下支えロール 3…幅変更のための切断を行った後に通板中の2枚の鋼板 4…本発明の樽型形状を有するロールの曲率半径 5…比較例11、12で用いたロールの摺動面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桂 啓之 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 吉野 伸一 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 Fターム(参考) 4E026 EA03 EA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ti-Zr-B固溶体粒子及び/又はTi-Hf-B固
    溶体粒子を分散した炭化珪素を焼結した粒子分散炭化珪
    素質焼結体を、摺動面の曲率半径Rが150mm以下の樽型形
    状ロールに成形加工してなることを特徴とするリコイリ
    ングライン用センターバーマッシャーロール。
  2. 【請求項2】 前記Ti-Zr-B固溶体粒子の組成が、Ti1-x
    ZrxB2(0.02≦x≦0.25)である請求項1記載のリコイリン
    グライン用センターバーマッシャーロール。
  3. 【請求項3】 前記Ti-Hf-B固溶体粒子の組成が、Ti1-x
    HfxB2(0.02≦x≦0.25)である請求項1記載のリコイリン
    グライン用センターバーマッシャーロール。
  4. 【請求項4】 前記固溶体粒子の平均粒径が1〜10μmで
    ある請求項1記載のリコイリングライン用センターバー
    マッシャーロール。
  5. 【請求項5】 前記固溶体粒子の体積分率が20〜70%で
    ある請求項1記載のリコイリングライン用センターバー
    マッシャーロール。
  6. 【請求項6】 前記粒子分散炭化珪素質焼結体の相対密
    度が99.5%以上である請求項1記載のリコイリングライン
    用センターバーマッシャーロール。
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