JP2003010902A - H形鋼の粗圧延方法 - Google Patents

H形鋼の粗圧延方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェブ高あるいはフランジ幅の大きなH形鋼
を特別に大きな素材断面や設備を使用することなく効率
的かつ安価に製造する。 【解決手段】 孔型によりウェブ内法を拡幅圧延するH
形鋼の粗圧延方法において、少なくとも1つの拡幅孔型
の鉛直線に対する内側面の傾斜角度を当該孔型で圧延す
る前の被圧延材のフランジ傾斜角度よりも小さく形成
し、ウェブ内法拡幅圧延する。あるいは第1孔型でフラ
ンジ傾斜角度を拡大し、かつウェブ内法を拡幅した後、
フランジ傾斜角度よりも内側面の傾斜角度が小さい孔型
によりウェブ内法拡幅圧延を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、H形鋼の粗圧延方
法に関わり、特に800×300を越えるようなウェブ高ある
いはフランジ幅の大形H形鋼を特別に大きな素材断面や
設備を使用することなく効率的かつ安価に製造する圧延
方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延によるシニアサイズのH形鋼の
製造工程は、例えば図9に示すように、二重式粗圧延機
31(以下、「粗圧延機」と称する)、一対の上下水平
ロールと一対の左右竪ロールを有する第1粗ユニバーサ
ル圧延機32と、この第1粗ユニバーサル圧延機32に
近接して配設されたエッジャー圧延機33からなる第1
粗ユニバーサル圧延機群、さらに第2粗ユニバーサル圧
延機34とこの第2粗ユニバーサル圧延機34に近接し
て配設されたエッジャー圧延機35からなる第2粗ユニ
バーサル圧延機群、および仕上げユニバーサル圧延機3
6により構成された圧延装置列により圧延成形される。
【0003】H形鋼の素材としては、一般に連続鋳造で
製造されるスラブやビームブランクなどが用いられる。
スラブを素材とした場合、粗圧延機31には、図10の
ように、スラブ幅方向に圧下を行うエッジング孔型31
1〜313と、ウェブ厚の圧下を行う造形孔型314を
配置し、まず孔型の中央部に突起を有するエッジング孔
型311〜313により順次、スラブの短辺部を上下か
ら複数パスで圧下してフランジ幅を生成させてドッグボ
ーン鋼片37を成形する。この際、ウェブ内法Hiが製
品の内幅にほぼ等しいか多少小さくなるようなウェブ外
法Hoまで圧下される。また、このドッグボーン鋼片3
7のフランジ幅、すなわち、第3エッジング孔型313
の孔底幅Bは、造形孔型314とユニバーサル圧延機群
でのフランジの変形量を考慮して決定される。
【0004】次に、このドッグボーン鋼片37を90°な
いしは270°転回し、ウェブ厚の圧下とフランジ形状の
整形を行う。ここで、造形孔型314の内幅Wiと外幅
Woは、ドッグボーン鋼片37のウェブ内法Hiおよびウ
ェブ外法Hoとほぼ等しく構成されており、孔型フラン
ジ部深さdは製品のウェブ面からフランジ先端までの長
さ(以下、「フランジ脚長」と称する)にほぼ等しく構
成されている。この造形孔型314により複数パスで圧
下を行い、ウェブ厚twに対するフランジ厚tfの比tf
/twおよびフランジ脚長Lが製品の厚み比およびフラ
ンジ脚長にほぼ近い粗形鋼片38に成形する。
【0005】こうして得られた粗形鋼片38を第1およ
び第2粗ユニバーサル圧延機群において、粗ユニバーサ
ル圧延機でウェブとフランジの圧下率をほぼバランスさ
せた状態で厚み圧下を行うとともに、エッジャー圧延機
でフランジ幅圧下を行いフランジ幅と先端形状の整形を
行う。そしてほぼ製品寸法にまで整形された被圧延材に
対し、仕上げユニバーサル圧延機36でフランジをウェ
ブに対して直角にし、厚みを最終寸法に仕上げる。
【0006】このように、H形鋼の製品シリーズに応じ
て、H形鋼の主要な部位の概略寸法は、ほとんど粗圧延
機31で決定され、造形孔型での変形特性からドッグボ
ーン鋼片37の断面寸法もおのずとほぼ決まってしま
う。エッジング圧延で成形できるフランジ幅は、スラブ
幅方向の圧下量、すなわちスラブ幅とエッジング圧延終
了のウェブ外法の差でほぼ決まり、エッジング圧延で必
要なフランジ幅を成形できるようにスラブ幅が決定され
る。
【0007】近年、建築物の高層化、大スパン化に伴
い、これまでよりウェブ高やフランジ幅の大きなH形鋼
に対するニーズが高まっているが、このようなH形鋼を
製造するためには、前述の理由から一層大きなスラブ幅
が必要となる。また、製品寸法に対応した粗圧延機1の
各孔型の寸法が大きくなり、必要な孔型数を配置するた
めのロール胴長が大きくなる。
【0008】例えば、ウェブ高さ1000mm、フランジ幅40
0mmのH形鋼を、上記圧延方法で製造圧延するために
は、スラブ幅が1800mm以上、粗圧延機のロール胴長が33
00mm以上必要となり、現状の一般的な設備では、ロール
リフト量やロール胴長が制約となり、設備改造が必要と
なる。これに対して、分塊ミルを必要したり、粗圧延を
途中まで行った後、粗圧延機のロールを組み替え、再加
熱して製品まで圧延する、いわゆる2ヒート圧延も可能
であるが、生産性や燃料原単位の低下、ロール数の増加
によるコスト高やエネルギーロスが大きな問題となる。
このように、限られた素材断面とロール胴長と孔型数の
中でウェブ高やフランジ幅の大きいH形鋼を製造するこ
とが困難であった。
【0009】こうした課題に対し、特許2534223号公報
では、図11に示すようなウェブ部を相互に共用した3
つ以上の造形孔型でウェブ厚を圧下することなくウェブ
高さ拡大を行う圧延方法が提案されている。また、特開
2000-271601号公報では、1種類の粗圧延ロールで、広
範囲の大きさの大形H形鋼用粗形鋼片を造り分けるた
め、粗圧延素材あるいは連続鋳造ビームブランクを図1
2のようなフランジ相当部の一部分を共用した複数の孔
型を有するロールに挿通し、フランジ形状の調整とウェ
ブ厚の圧下を行った後、ウェブ高さの拡大あるいは、ウ
ェブ高さの縮小、フランジ幅の圧下のうち、少なくとも
一つを行う圧延方法が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者ら
が、実験でこれらのウェブ内法の拡幅圧延法について詳
細に調べたところ、被圧延材のウェブ内法よりも大きな
内幅の孔型に挿通してウェブ高さを拡幅する場合、一般
に、クロップ部のウェブ厚は定常部のそれに比べて小さ
いため圧下されにくく、図13のように、フランジ内側
先端側の斜線部39が先に孔型に噛み込む。ここで、被
圧延材が噛み込んだときの接触開始部39とロール中心
Oを結ぶ直線mとロール中心Oから垂直に下ろした直線
nに挟まれる中心角を噛み込み角ψ、噛み込み時の被圧
延材と孔型の接線角度をθ(被圧延材は接触すると局部
的に変形するため孔型の傾斜角度とほぼ等しいと見るこ
とができる。)とし、摩擦力の方向をロール周速方向と
一致すると仮定すると、被圧延材がロールにより押し戻
される力に打ち勝ちロールバイトに引き込まれるために
は、圧延方向の力の関係から次式が成り立つ。 μPcosθ・cosψ>Psinθ・sinψ ψ<tan-1(μ/tanθ) …(1) 実際、この角度を超えるような条件になると急激に噛み
込みが困難となることが判明した。
【0011】特公昭55-30921号公報や特許2534223号公
報、特開昭62-50002号公報に代表されるようなウェブ内
法が小さなビームブランクや粗圧材から複数の孔型でウ
ェブ内法を拡幅する従来の圧延方法は、従来一般的であ
るウェブ高さが900mm程度まででフランジ幅が300mm、す
なわちフランジ脚長が150mm未満のH形鋼を対象として
おり、その場合、フランジ先端付近から孔型のコーナー
部やその周辺部を接触させても、前述の噛み込み角が比
較的小さいために、材料がロールに噛み込まないという
問題が生じなかった。しかし、本発明で対象とするよう
なウェブ高さが800mmを越えて1200mm程度までと大き
く、フランジ幅が300mm、すなわちフランジ脚長が150mm
を越える広幅フランジのH形鋼の場合、フランジ先端付
近から材料が接触すると噛み込み角が圧延限界を越える
ため、1孔型あたりのウェブ内法拡幅量が大きくできな
い。また、フランジ先端付近から噛み込む場合には、フ
ランジ幅の減少が大きくなるために、本発明が対象とす
るフランジ幅が大きなH形鋼ではフランジ幅の確保が困
難となる。
【0012】特許2534223号公報に記載された技術で
は、ウェブ拡幅孔型形状に特段工夫がなく、ウェブ厚を
圧下することなく、単に被圧延材のウェブ内法よりも大
きな孔型に挿通してウェブ高さを拡幅するものであり、
大きなウェブ内法拡幅を行うとフランジ先端側からロー
ルが接触し始めて噛み込み角が大きくなり、噛み込みが
困難になるだけでなく、フランジ内面をスリ下げてコー
ナー部に折れ込み疵を発生させやすい。このために1孔
型あたりの拡幅量は小さく制限され孔型が多数必要とな
ったり、疵を発生させないためにウェブ厚を非常に小さ
くしてから拡幅する必要が生じて、材料のユニバーサル
圧延工程で延び長さが十分大きくできなかったり、圧延
工程ごとの圧延時間に大きなばらつきが生じて能率を低
下するなどの問題がある。また、同一ロールにより異な
るフランジ幅シリーズの製品を製造することについては
考慮されていない。
【0013】特開2000-271601号公報に記載された技術
では、同一ロールで複数の種類の工程をとるために、粗
圧延素材に対して配置されたウェブ内法拡幅用孔型は1
つであり、実施例ではウェブ内法拡幅量は100mm程度で
ある。そのため、大きなウェブ高の製品を製造するため
には、予め大きな断面のビームブランクやスラブを使用
する必要がある。この場合も、スラブを素材とすると粗
圧延機のロールリフト制約で分塊ミルが必要となった
り、ロール胴長制約で2ヒート圧延になるなどの問題が
ある。また、第1孔型でフランジ相当部の傾斜角度を、
フランジ長さ方向に対し20°以上にするのが好ましいと
しているが、これは第3孔型でウェブ高さを縮小した際
にフランジ傾斜角度が小さくなり、第4孔型でフランジ
幅圧下したときにフランジ厚の増加によって折れ込み等
の疵が発生するのを防止するためである。すなわち、ウ
ェブ内法拡幅圧延に関する条件については何も言及して
おらず、特段工夫がない。
【0014】本発明は、こうした従来技術の問題や製造
限界をブレークスルーし、現状使用できる限られたスラ
ブ幅やビームブランク断面および圧延設備の中で、効率
的かつ安価に大きな断面の製品を製造する粗圧延方法を
提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、孔
型によりウェブ内法を拡幅圧延するH形鋼の粗圧延方法
において、少なくとも1つの拡幅孔型の鉛直線に対する
内側面の傾斜角度を当該孔型で圧延する前の被圧延材の
フランジ傾斜角度よりも小さく形成し、ウェブ内法拡幅
圧延することを特徴とするH形鋼の粗圧延方法である。
【0016】また、本発明は、複数の孔型によりウェブ
内法を順次拡幅圧延するH形鋼の粗圧延方法において、
鉛直線に対する孔型内側面の傾斜角度を被圧延材のフラ
ンジ傾斜角度よりも大きく形成した第1孔型で圧延し、
フランジ傾斜角度を拡大し、かつウェブ内法を拡幅した
後、少なくとも1つの拡幅孔型の鉛直線に対する内側面
の傾斜角度を当該孔型で圧延する前の被圧延材のフラン
ジ傾斜角度よりも小さく形成し、ウェブ内法拡幅圧延す
ることを特徴とするH形鋼の粗圧延方法である。
【0017】さらに加えて大きなウェブ内法拡幅を行う
ために、ウェブ内法拡幅圧延における被圧延材のウェブ
周辺部からコーナー部にかけての領域あるいはウェブ中
央部に増肉部を設け、該増肉部を圧下しつつウェブ内法
拡幅圧延することを特徴とする。さらに、本発明は、粗
圧延機に配置したエッジング孔型と造形孔型により、ウ
ェブ内法が製品のウェブ内法よりも小さい粗形鋼片を造
形した後、拡幅孔型でウェブ内法を拡幅圧延するH形鋼
の粗圧延方法において、前記エッジング孔型を孔底中央
部に突起を有する形状として被圧延材のウェブ高さ方向
に圧下を行いフランジを生成し、造形孔型でウェブ周辺
部からコーナー部にかけての領域あるいはウェブ中央部
に増肉部を形成した後、ウェブ内法拡幅孔型で該増肉部
を圧下しつつウェブ内法拡幅圧延することを特徴とする
H形鋼の粗圧延方法である。
【0018】そして、同一ロールから異なるフランジ幅
シリーズや厚みサイズのH形鋼を製造するため、前記造
形孔型で圧延を終了するウェブ厚を製品のフランジ幅あ
るいはフランジ厚に応じて変更し、ウェブ内法拡幅孔型
でウェブ内法の拡大を行いつつ、ウェブ厚を圧下するこ
とを特徴とするH形鋼の粗圧延方法である。あるいは、
孔型のウェブ内法とフランジ部深さが異なる孔型を少な
くとも2つ以上配置し、フランジ幅の大きなサイズを圧
延する場合には、フランジ部深さの小さな孔型で圧延す
る際にウェブと孔型との間に隙間を設けてウェブ内法拡
幅圧延した後、フランジ部深さの大きな孔型でコーナー
部の未圧下部を圧下しつつウェブ内法拡幅圧延を行い、
フランジ幅の小さなサイズを圧延する場合には、フラン
ジ部深さの小さな孔型で圧延する際にウェブと孔型を接
触させてフランジ幅圧下とウェブ内法拡幅圧延した後、
フランジ部深さの大きな孔型でフランジ幅を圧下するこ
となくウェブ内法拡幅圧延を行うことを特徴とするH形
鋼の粗圧延方法である。そのために、1つあるいは複数
の拡幅孔型のフランジ部深さを、最終拡幅孔型のフラン
ジ部深さよりも小さくする。
【0019】
【発明の実施の形態】図1を用いて本発明について詳細
に説明する。図1は、製品のウェブ内法よりも小さいウ
ェブ内法の被圧延材を複数のウェブ内法拡幅孔型に挿通
して拡幅するにあたり、孔型の内幅Wが被圧延材のウェ
ブ内法H1よりもαだけ大きい孔型に通材して圧延する
場合の噛み込み状態を示している。この場合、垂直線に
対する孔型内側面の傾斜角度(以下、「孔型傾斜角度」
と称する)θを被圧延材のフランジ内面の傾斜角度(以
下、「フランジ傾斜角度」と称する)δよりも小さくす
ることにより、両者の傾斜角度がほぼ同じ場合の限界拡
幅量に比べてウェブ内法拡幅量が大きくても噛み込み角
が小さくなり、噛み込みが容易となる。しかも、コーナ
ー部付近の圧下量が他の部位に比べて大きくなるため
に、ウェブ高さ方向にメタルがスムーズに供給され、定
常部では予変形によりロールバイト入側でウェブ内法が
増加するため、フランジ内側の接触領域が幾何学的な関
係に比べて小さくなり、フランジ内側のスリ下げが生じ
にくい。また、フランジ幅引けや圧延負荷が小さくなる
効果もある。フランジ傾斜角度δを孔型傾斜角度θより
も5〜15°程度大きくすることが望ましいが、この前後
でも効果はある。
【0020】複数の孔型でウェブ内法拡幅を行う場合に
は、少なくとも1つ以上の拡幅孔型で上記圧延を実施す
れば効果がある。上記圧延を1つ以上の孔型で行う場合
も最終拡幅孔型を含むことが好ましい。最終拡幅孔型を
含むとしたのは、フランジ傾斜角度を小さくした後、再
び傾斜角度を大きくしたり、傾斜角度が小さいままで拡
幅する場合には、1孔型で拡幅できる拡幅量が小さくな
るからである。必要な拡幅量と孔型形状の関係は前述の
(1)式を考慮して決定すればよい。
【0021】2つの孔型でウェブ内法拡幅圧延を行う場
合の孔型配置と孔型形状を図2に示す。被圧延材のフラ
ンジ傾斜角度と各孔型の孔型傾斜角度の関係で2孔型ト
ータルの限界拡幅量を評価したところ、被圧延材6のフ
ランジ傾斜角度δが小さい場合、図2のように第1孔型
21の孔型傾斜角度θ1を被圧延材6のフランジ傾斜角
度δよりも大きくしてウェブ内法拡幅圧延をした後、第
1孔型21の孔型傾斜角度θ1よりも小さい孔型傾斜角
度θ2を有する第2孔型22で圧延した方が、第1孔型
での限界拡幅量は小さくなるものの、前述の噛み込み角
およびフランジ内側のスリ下げ疵発生の関係から、第2
孔型での限界拡幅量が飛躍的に増大して、2孔型トータ
ルでの拡幅量が大きくなることが明らかとなった。
【0022】なお、この第1孔型でのフランジ傾斜角度
の拡大は、被圧延材のフランジ傾斜角度が約20°より小
さい場合に特に有効であり、被圧延材のフランジ傾斜角
度が特に20°を越えるような場合には、第1孔型でも孔
型傾斜角度を被圧延材のフランジ傾斜角度よりも小さく
して、ウェブ内法拡幅圧延を行ってもよい。
【0023】図3には本発明による被圧延材6の断面形
状と、ウェブ内法拡幅圧延での噛み込み時の接触領域を
示している。通常、ウェブ内法拡幅圧延の段階ではウェ
ブクロップが形成されており、ウェブ内法拡幅量をフラ
ンジの噛み込み限界を超えて大きくするためには、図3
に網掛け8して示したようにウェブ周辺部からコーナー
部にかけての圧下がフランジ内側先端付近の接触(図中
の斜線部9)よりも先行して開始するように、被圧延材
6のウェブ・フランジ境界部のコーナーRを大きくする
か、さらにウェブ中央部付近から端部にかけて徐々に厚
みが大きくなるような増肉部7を設けて、ウェブ内法拡
幅の際に圧下を行う。一般に、噛み込み後の圧延限界角
は、噛み込み時の限界角よりも大きく、ウェブの圧下に
より被圧延材がロールバイト内に引き込まれると、フラ
ンジ内側の噛み込み限界角を大きくできる。増肉部7を
圧下することにより、予変形によってロールバイト入側
でウェブ内法が拡大してフランジ内側の噛み込み角が小
さくなる効果もある。コーナーRおよびウェブ周辺部か
らコーナー部にかけての増肉部7の適正量は、狙いとす
るウェブ内法拡幅量により決定すればよい。
【0024】また、図4のようにウェブ中央部に増肉部
10を設けたり、ウェブ全体にわたりウェブ厚を圧下し
ても同様の効果が得られる。ウェブ中央部に増肉部を設
けて、この部分を圧下しつつウェブ内法を拡幅する場合
には、定常部ではウェブ内法拡幅によりウェブ高さ方向
に引張り力を作用させた状態でウェブ圧下を行うため
に、ウェブ中央部のメタルがウェブ高さ方向に移動して
ウェブ内法の拡幅が容易となる効果もある。さらに、同
一ウェブ内法拡幅孔型において、多パス圧延を行うこと
により、第2パス以降でウェブ内法が孔型の内幅よりも
拡がり、次のウェブ内法拡幅孔型への噛み込みが容易に
なる。
【0025】複数のウェブ内法拡幅孔型において、孔型
のコーナーRを段階的に小さくするか、あるいはウェブ
周辺部からコーナーR部にかけての部分に対応する孔型
形状を段階的にフラットに近づけるか、あるいはその両
方を行うことにより、前述の増肉部をそれぞれのウェブ
内法拡幅孔型で段階的に圧下すれば、すべての拡幅圧延
で効果が得られ、トータルの拡幅量がさらに増大する。
【0026】スラブを素材とした場合の本発明を適用し
た圧延装置列の代表例を図5に示す。この場合、第1粗
圧延機1,第2粗圧延機2、粗ユニバーサル圧延機3と
エッジャー圧延機4および仕上げユニバーサル圧延機5
で構成されている。前述のウェブ内法拡幅圧延は第2粗
圧延機2で行う。それぞれの粗圧延機の孔型例を図6に
示す。第1粗圧延機1では、まず孔底中央部に突起11
a〜13aを有するエッジング孔型11〜13でスラブ
をその幅方向に圧下してフランジを生成し、ドッグボー
ン鋼片とする。その際、大形H形鋼に対応したフランジ
肉量を確保するために、ウェブ内法に相当する部分が製
品のウェブ内法よりも小さくなるまで圧延を行う。この
際、エッジング孔型12、13における突起の底部の幅
A2、A3が、スラブの厚みを超えない範囲で大きくす
るとフランジ生成効率が高くなる。次に、造形孔型14
でウェブ厚を圧下し粗形鋼片を造形するが、造形孔型1
4の内幅Wはドッグボーン鋼片のウェブ内法とほぼ同等
か少し大きい程度とし、ウェブ周辺部からコーナー部に
かけての部分15は、複数の円弧や直線で構成され、緩
やかに傾斜した形状とする。これらの効果によって、ウ
ェブ厚を圧下した際にフランジの肉引けが抑制され、十
分なフランジ肉量が確保できる。
【0027】続いて、第2粗圧延機2には前述の図2と
同様な2つのウェブ内法拡幅孔型を配置し、順次ウェブ
内法拡幅圧延を行う。ここで、粗形鋼片のフランジ傾斜
角度が小さい場合、第1粗圧延機1で造形した粗形鋼片
のフランジ傾斜角度よりも孔型傾斜角度θ1を大きくし
た第1拡幅孔型21で、増肉部を圧下しながらウェブ内
法拡幅圧延を行う。続いて、第2拡幅孔型22では孔型
傾斜角度θ2を第1拡幅孔型21よりも小さくしてウェ
ブ内法拡幅圧延を行うことにより、大きなウェブ内法拡
幅圧延を行うことができる。これにより比較的小さな断
面のスラブから1ヒートでウェブ高さやフランジ幅の大
きなH形鋼製品を製造可能となる。
【0028】また、第1粗圧延機1で圧延を終了するウ
ェブ厚を大きくすると、第2粗圧延機2でウェブ内法を
拡幅した際にフランジ肉引け量が大きくなり、孔型傾斜
角度の大きい第1拡幅孔型21で引き続きウェブ厚の圧
下を行うことによりフランジ肉引け量が増大する。逆
に、第1粗圧延機で圧延を終了するウェブ厚を小さくす
ると、粗形鋼片のフランジ肉量が相対的に多くなり、第
2粗圧延機でウェブ内法を拡幅した際にもフランジ肉引
け量が減少する。このように第1粗圧延機で圧延を終了
するウェブ厚を制御することにより、フランジ幅の異な
るシリーズや、フランジ厚とウェブ厚の比が広範なサイ
ズの大形H形鋼を同一ロールから製造することができ
る。
【0029】連続鋳造したビ−ムブランクや粗圧延した
粗形材を加熱して製造する場合には、図5の第2粗圧延
機を省略して、第1粗圧延機でウェブ内法拡幅圧延をす
る。もちろん、第1圧延機と第2粗圧延機の両方を使用
して、フランジ傾斜角度の拡大とウェブ内法の拡幅を繰
り返すことにより、さらに大きなウェブ内法の拡大がで
き、小さな素材からよりウェブ高さやフランジ幅の大き
なH形鋼製品を製造することが可能になる。
【0030】以上は、ウェブ内法拡幅孔型が2つまでの
例で説明したが、3つ以上にすればさらに効果があるこ
とはもちろんのことである。例えば、ロール胴長制約に
より、図7のようにウェブ部およびフランジ部を相互に
共用し、3つの孔型でウェブ内法拡幅圧延を行う場合に
も、ウェブ内法拡幅圧延の被圧延材にはウェブ周辺部か
らコーナー部にかけて増肉部を付与しておき、被圧延材
のフランジ傾斜角度よりも孔型傾斜角度を大きくした第
1孔型21で、増肉部を圧下しながらフランジ傾斜角度
の増大とウェブ拡幅圧延を行い、続いて第2孔型22と
第3孔型23で段階的に孔型傾斜角度を小さくしてウェ
ブ内法拡幅圧延を行うことにより、噛み込み性やフラン
ジ内側のスリ下げ疵の問題を発生することなく、1孔型
あたりの拡幅量を大きくして圧延することができる。
【0031】加えて、図8(a),(b)のように最終
孔型を除く一つあるいは複数の孔型、図8(a)では第
1孔型21のフランジ部深さD1、図8(b)では第2
孔型22のフランジ部深さD2を、それぞれ最終孔型の
フランジ深さD2,D3よりも小さくし、その孔型でウ
ェブ内法拡幅圧延を行う際のロール隙を調整することに
よりフランジ幅圧下量が制御でき、異なるフランジ幅シ
リーズのH形鋼が同一ロールにより製造できる。
【0032】具体的には、図8(a)の第1孔型および
図8(b)の第2孔型のフランジ部深さを同一ロールで
製造するフランジ幅シリーズのうち、最も小さいシリー
ズに対応させ、フランジ幅の小さいサイズではフランジ
幅を大きく圧下し、フランジ幅の大きなサイズではウェ
ブと孔型の間に隙間を設けてウェブ内法拡幅を行う。こ
の場合、最終孔型のフランジ部深さはフランジ幅の最も
大きい製品に対応させておき、フランジ幅の小さいサイ
ズを圧延する際には、フランジ幅を圧下することなく、
ウェブ内法拡幅圧延を行う。一方、フランジ幅の大きい
サイズを圧延する際にはフランジ部深さの小さな孔型で
未圧下となったコーナー部を圧下しつつウェブ内法拡幅
圧延を行う。また、フランジ幅の大きなサイズをウェブ
と孔型の間に隙間を設けてウェブ内法拡幅をする際に、
フランジ根元部の圧下境界部にスリ下げ疵を発生させな
いために、被圧延材のコーナー部に間隙に応じた高さを
有する傾斜部を前孔型で付与することが好ましい。
【0033】説明を省略したが、複数のウェブ内法拡幅
孔型でウェブ内法を段階的に拡幅圧延する際に、途中の
拡幅孔型で粗圧延を終了し、続いてユニバーサル圧延機
で圧延を行えば、ウェブ高の異なる大形H形鋼を同一ロ
ールにより製造できることは言うまでもない。また、ウ
ェブ内法が拡幅孔型の中間に当たるウェブ高シリーズを
製造する際には、そのシリーズの内法よりも大きい孔型
でウェブ内法拡幅圧延を行う際に、孔型胴部のロール隙
をウェブ厚に対して大きく設定してフランジ片幅の途中
まで拡幅圧延を行い、続くユニバーサル圧延機群で未圧
下のコーナー部の圧下を行う。これにより同一ロールで
多シリーズの製品を製造できる。
【0034】
【実施例】本発明の粗圧延方法によりウェブ高およびフ
ランジ幅の大きいH形鋼を製造する場合の実施例につい
て説明する。 <実施例1>1350幅×250厚スラブを素材として、図5
に示す圧延工程により900×400シリーズのH形鋼を製造
した。製品のウェブ内法は840mm前後である。第1粗圧
延機と第2粗圧延機の孔型配置は図6のとおりであり、
第2粗圧延機にはウェブ内法拡幅孔型を2つ配置した。
第1粗圧延機のエッジング孔型でウェブ高さ880mmまで
圧下し、内幅540mmの造形孔型でウェブ厚を80mmまで圧
下した。この際のフランジ傾斜角度は23°であった。造
形孔型のウェブ周辺部からコーナー部には、複数のアー
ルで構成される増肉部を設けた。この場合、第1孔型で
も孔型傾斜角度を被圧延材のフランジ傾斜角度よりも小
さくし、第1孔型は内幅W1=700mm、傾斜角度θ1=18°、
第2孔型は内幅W2=820mm、傾斜角度θ2=13°に設定し
た。それぞれの孔型では、最初のパスで前記増肉部を圧
下しつつウェブ内法拡幅圧延を行い、引き続き同一孔型
を使用して1〜3パスでウェブ厚を圧下した。次に、粗
ユニバーサル圧延工程でウェブ内法の若干の拡幅とフラ
ンジ角度および板厚の整形を行い、仕上げユニバーサル
圧延機で最終製品とした。この結果、噛み込み不良やス
リ下げ疵の発生、フランジ肉量の過不足などもなく良好
な製品が製造できた。
【0035】<実施例2>1500幅×300厚スラブを素材
として、1000×400シリーズのH形鋼を製造した。製品
のウェブ内法は940mm前後である。第1粗圧延機と第2
粗圧延機の孔型配置は図6のとおりである。第1粗圧延
機のエッジング孔型でウェブ高さ980mmまで圧下し、内
幅640mmの造形孔型でウェブ厚を80mmまで圧下した。造
形孔型のウェブ周辺部からコーナー部には、複数のアー
ルで構成される増肉部を設けた。この場合、第2粗圧延
機の第1孔型では傾斜角度を被圧延材のフランジ傾斜角
度よりも5°大きくしてウェブ内法を80mm拡幅し、第2
孔型では傾斜角度を第1孔型の傾斜角度よりも10°小さ
くしてウェブ内法を180mm拡幅した。その他は実施例1
と同様にして圧延を行い、噛み込み不良やスリ下げ疵の
発生、フランジ肉量の過不足などもなく良好な製品が製
造できた。また、第1粗圧延機の圧延終了のウェブ厚を
120mmとし、第2粗圧延機でウェブ内法の拡幅とウェブ
厚の圧下を行うことによりフランジ肉引け量が増大し、
同一ロールから1000×350シリーズのH形鋼が製造でき
た。さらに、第1拡幅孔型のフランジ部深さを第2拡幅
孔型のフランジ部深さに対して25mm小さくし、第1拡幅
孔型でフランジ幅を圧下することにより1000×300シリ
ーズが造形でき、同一ロールから1000×400シリーズの
造り分けも可能となった。
【0036】<実施例3>1500幅×300厚スラブを素材
として、1100×400シリーズのH形鋼を製造した。第2
粗圧延機には、図7のようにウェブ内法拡幅用孔型を3
つ配置し、第1孔型で被圧延材のフランジ傾斜角度を拡
大した後、第2、第3孔型で傾斜角度を小さくした。ま
た各孔型で前記増肉部を段階的に圧下しつつウェブ内法
拡幅圧延した。そして粗ユニバーサル圧延工程と仕上げ
ユニバーサル圧延機で最終製品にしたところ、良好な製
品が製造できた。なお、実施例1〜3で説明した製品を
連続鋳造製のビームブランクを素材として製造する場合
には、それぞれの第1粗圧延機で製造した粗形断面とほ
ぼ同じ寸法のビームブランクを準備すれば、第1粗圧延
工程を省略し、実施例の第2粗圧延工程におけるウェブ
内法拡幅圧延により容易に製造できる。一方、それぞれ
上記実施例と同一寸法のスラブを素材として従来のウェ
ブ内法拡幅圧延方法で製造した場合には、噛み込み性が
問題となり、1孔型あたりウェブ内法拡幅量は100mm程
度が限界となり、いずれも第2粗圧延機に配置できる拡
幅孔型数の制約で、必要なウェブ内法拡幅量が確保でき
ず製品が製造できなかった。このように、従来技術で
は、1孔型あたりのウェブ内法拡幅量が100mm程度であ
ったのに対し、本発明の技術では実施例にあるように最
大180mm程度の拡幅も可能となり、少ない孔型数で目標
とするウェブ内法の拡幅ができた。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、特別に大きな素材断面
や設備を使用することなく、ウェブ高さとフランジ幅が
大きなH形鋼を効率的かつ安価に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるH形鋼のウェブ内法拡幅圧延方法
の説明図である。
【図2】本発明における2つの孔型によるウェブ内法拡
幅圧延方法の説明図である。
【図3】本発明による増肉部の断面形状と噛み込み状態
の説明図である。
【図4】ウェブ中央部に増肉部を形成した被圧延材の概
略図である。
【図5】本発明の代表的な圧延装置列である。
【図6】本発明によるスラブを素材とした場合のH形鋼
の粗圧延方法についての説明図である。
【図7】ウェブ内法拡幅孔型を多数配置した粗圧延機の
孔型図である。
【図8】(a),(b)はフランジ幅の異なる製品を造
り分けるための粗圧延機の孔型図である。
【図9】従来の代表的な圧延装置列である。
【図10】従来のH形鋼の粗圧延方法についての説明図
である。
【図11】従来のウェブ内法拡幅圧延方法における粗圧
延機の孔型図である。
【図12】ウェブ高やフランジ幅の異なるH形鋼を造り
分ける粗圧延機の孔型図である。
【図13】ウェブ内法拡幅圧延におけるフランジ内側の
噛み込み状態の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 洋介 大阪府堺市築港八幡町1番地 新日本製鐵 株式会社堺製鐵所内 (72)発明者 片岡 直人 大阪府堺市築港八幡町1番地 新日本製鐵 株式会社堺製鐵所内 (72)発明者 箱崎 博則 大阪府堺市築港八幡町1番地 新日本製鐵 株式会社堺製鐵所内 (72)発明者 村松 恭行 大阪府堺市築港八幡町1番地 新日本製鐵 株式会社堺製鐵所内 Fターム(参考) 4E002 AB06 AC01 AC03 BA04 BB01 CA18 CB08 4E016 AA07 BA01 DA06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 孔型によりウェブ内法を拡幅圧延するH
    形鋼の粗圧延方法において、少なくとも1つの拡幅孔型
    の鉛直線に対する内側面の傾斜角度を当該孔型で圧延す
    る前の被圧延材のフランジ傾斜角度よりも小さく形成
    し、ウェブ内法拡幅圧延することを特徴とするH形鋼の
    粗圧延方法。
  2. 【請求項2】 複数の孔型によりウェブ内法を順次拡幅
    圧延するH形鋼の粗圧延方法において、鉛直線に対する
    孔型内側面の傾斜角度を被圧延材のフランジ傾斜角度よ
    りも大きく形成した第1孔型で圧延し、フランジ傾斜角
    度を拡大し、かつウェブ内法を拡幅した後、少なくとも
    1つの拡幅孔型の鉛直線に対する内側面の傾斜角度を当
    該孔型で圧延する前の被圧延材のフランジ傾斜角度より
    も小さく形成し、ウェブ内法拡幅圧延することを特徴と
    するH形鋼の粗圧延方法。
  3. 【請求項3】 孔型によりウェブ内法を拡幅圧延するH
    形鋼の粗圧延方法において、ウェブ内法拡幅圧延におけ
    る被圧延材のウェブ周辺部からコーナー部にかけての領
    域あるいはウェブ中央部に増肉部を設け、該増肉部を圧
    下しつつウェブ内法拡幅圧延することを特徴とするH形
    鋼の粗圧延方法。
  4. 【請求項4】 ウェブ内法拡幅圧延における被圧延材の
    ウェブ周辺部からコーナー部にかけての領域あるいはウ
    ェブ中央部に増肉部を設け、該増肉部を圧下しつつウェ
    ブ内法拡幅圧延することを特徴とする請求項1または2
    記載のH形鋼の粗圧延方法。
  5. 【請求項5】 粗圧延機に配置したエッジング孔型と造
    形孔型により、ウェブ内法が製品のウェブ内法よりも小
    さい粗形鋼片を造形した後、拡幅孔型でウェブ内法を拡
    幅圧延するH形鋼の粗圧延方法において、前記エッジン
    グ孔型を孔底中央部に突起を有する形状として被圧延材
    のウェブ高さ方向に圧下を行いフランジを生成し、造形
    孔型でウェブ周辺部からコーナー部にかけての領域ある
    いはウェブ中央部に増肉部を形成した後、ウェブ内法拡
    幅孔型で該増肉部を圧下しつつウェブ内法拡幅圧延する
    ことを特徴とするH形鋼の粗圧延方法。
  6. 【請求項6】 粗圧延機に配置したエッジング孔型と造
    形孔型により、ウェブ内法が製品のウェブ内法よりも小
    さい粗形鋼片を造形した後、拡幅孔型でウェブ内法を拡
    幅圧延するH形鋼の粗圧延方法において、前記エッジン
    グ孔型を孔底中央部に突起を有する形状として被圧延材
    のウェブ高さ方向に圧下を行いフランジを生成し、造形
    孔型でウェブ周辺部からコーナー部にかけての領域ある
    いはウェブ中央部に増肉部を形成した後、ウェブ内法拡
    幅孔型で該増肉部を圧下しつつウェブ内法拡幅圧延する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のH形鋼の粗圧
    延方法。
  7. 【請求項7】 前記造形孔型で圧延を終了するウェブ厚
    を製品のフランジ幅あるいはフランジ厚に応じて変更
    し、ウェブ内法拡幅孔型でウェブ内法の拡大を行いつ
    つ、ウェブ厚を圧下することを特徴とする請求項5また
    は6記載のH形鋼の粗圧延方法。
  8. 【請求項8】 複数の孔型によりウェブ内法を順次拡幅
    圧延するH形鋼の粗圧延方法において、孔型のウェブ内
    法とフランジ部深さが異なる孔型を少なくとも2つ以上
    配置し、フランジ幅の大きなサイズを圧延する場合に
    は、フランジ部深さの小さな孔型で圧延する際にウェブ
    と孔型との間に隙間を設けてウェブ内法拡幅圧延した
    後、フランジ部深さの大きな孔型でコーナー部の未圧下
    部を圧下しつつウェブ内法拡幅圧延を行い、フランジ幅
    の小さなサイズを圧延する場合には、フランジ部深さの
    小さな孔型で圧延する際にウェブと孔型を接触させてフ
    ランジ幅圧下とウェブ内法拡幅圧延した後、フランジ部
    深さの大きな孔型でフランジ幅を圧下することなくウェ
    ブ内法拡幅圧延を行うことを特徴とするH形鋼の粗圧延
    方法。
  9. 【請求項9】 孔型のウェブ内法とフランジ部深さが異
    なる孔型を少なくとも2つ以上配置し、フランジ幅の大
    きなサイズを圧延する場合には、フランジ部深さの小さ
    な孔型で圧延する際にウェブと孔型との間に隙間を設け
    てウェブ内法拡幅圧延した後、フランジ部深さの大きな
    孔型でコーナー部の未圧下部を圧下しつつウェブ内法拡
    幅圧延を行い、フランジ幅の小さなサイズを圧延する場
    合には、フランジ部深さの小さな孔型で圧延する際にウ
    ェブと孔型を接触させてフランジ幅圧下とウェブ内法拡
    幅圧延した後、フランジ部深さの大きな孔型でフランジ
    幅を圧下することなくウェブ内法拡幅圧延を行うことを
    特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のH形鋼
    の粗圧延方法。
  10. 【請求項10】 1つあるいは複数の拡幅孔型のフラン
    ジ部深さを、最終拡幅孔型のフランジ部深さよりも小さ
    くすることを特徴とする請求項8または9記載のH形鋼
    の粗圧延方法。
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