JP2003010861A - リン、ss含有水の凝集分離処理方法及び装置 - Google Patents

リン、ss含有水の凝集分離処理方法及び装置

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JP2003010861A
JP2003010861A JP2001198794A JP2001198794A JP2003010861A JP 2003010861 A JP2003010861 A JP 2003010861A JP 2001198794 A JP2001198794 A JP 2001198794A JP 2001198794 A JP2001198794 A JP 2001198794A JP 2003010861 A JP2003010861 A JP 2003010861A
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sludge
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Katsuyuki Kataoka
克之 片岡
Takayuki Kata
孝幸 加太
Toshihiro Tanaka
俊博 田中
Kazuaki Shimamura
和彰 島村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 利用価値の無い難脱水性凝集汚泥の発生を大
幅に減少でき、かつ世界的な枯渇資源であるリンを資源
として回収できる技術を提供する。 【解決手段】 リン、SS含有水に無機凝集剤を添加し
凝集分離して凝集分離汚泥と処理水を得る工程A、該凝
集分離汚泥に鉱酸を添加して該汚泥を溶解し金属イオン
を溶出させ、金属イオン含有酸性液を得る工程B、工程
Bの酸性液中の酸不溶性固体を固液分離し、酸不溶性固
体と酸性分離液とに分離し、該酸性分離液をリン除去材
と接触せしめリンを除去する工程C、該リンが除去され
た金属イオン含有酸性液を無機凝集剤の代わりにリン、
SS含有水に添加する工程D、工程Cでリンを吸着した
リン除去材からリンを脱離させリンを難溶性リン酸塩と
して回収する工程Eを含むリン、SS含有水の凝集分離
処理方法、及びその装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水、合流式下水
道雨天時越流水(CSO)、下水処理水、各種産業排
水、湖沼水、河川水など種々のリン、SSの両者を含有
する水(以下「リン、SS含有水」という)の新規な処
理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】リン、SS含有水からの従来の最も代表
的なリンの除去技術は、凝集沈殿法である。この技術
は、リン、SS含有水(以下「原水」ともいう)に硫酸
アルミニウム、PAC、塩化第2鉄、硫酸第2鉄、ポリ
硫酸第2鉄などの無機凝集剤を添加して攪拌し、凝集フ
ロックを形成させたのち凝集フロックを沈殿させ、浄化
処理水を得る技術であり、前記凝集フロックはその形成
の際にリンを取り込む作用をするため、原水中のリンが
減少する。この無機凝集剤を添加して凝集フロックを形
成させた後、凝集フロックを分離する凝集分離法は、簡
単な装置、操作でリンが効果的に除去できることが特徴
である。しかし、大量の難脱水性凝集分離汚泥が発生
し、その処理処分が非常に面倒であるという重大な欠点
がある。しかも、その処理処分では主として破棄処分が
考えられ、それからリンを回収することは考慮されてい
なかった。
【0003】最近、凝集攪拌槽に無機凝集剤、砂などの
比重が大きい微粒子(粒径20〜200ミクロン程
度)、高分子凝集剤の3者を添加して、砂を取り込んだ
沈降性が極めて大きなフロックを形成させ、超高速で沈
殿させる技術が開発されている。(例えば、微粒砂を利
用した超高速凝集沈殿装置:第37回下水道研究発表
会、p243〜245:平成12年)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この技術も高
速沈殿ができる効果は得られるものの、難脱水性凝集沈
殿汚泥が大量に発生する欠点、及びリン資源を回収でき
ない欠点は、何ら解決できなかった。本発明は、従来の
凝集分離法の上記問題点を解決し、利用価値の無い難脱
水性凝集分離汚泥の発生を大幅に減少でき、かつ世界的
な枯渇資源であるリンを資源として回収できる技術を提
供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の手段を
用いることによって、上記の課題を解決することができ
た。 (1)リン、SS含有水に無機凝集剤を添加し凝集分離
して凝集分離汚泥と処理水を得る工程A、該凝集分離汚
泥に鉱酸を添加して該汚泥を溶解し金属イオン含有酸性
液を得る工程B、該酸性液をリン除去材と接触せしめ、
金属イオン共存酸性条件でリンを除去する工程C、該リ
ンが除去された金属イオン含有酸性液を無機凝集剤の代
わりにリン、SS含有水に添加する工程D、工程Cのリ
ンを吸着したリン除去材からリンを脱離させ、脱離した
リンを難溶性リン酸塩として回収する工程E、及び工程
Bの金属イオン含有酸性液又は工程Cのリンが除去され
た金属イオン含有酸性液から酸不溶性固体を固液分離す
る工程Fを含むことを特徴とするリン、SS含有水の凝
集分離処理方法。 (2)前記工程Cにおける金属イオン含有酸性液からリ
ンを除去する際の該液のpHを、4以下に設定してリン
除去材と接触させることを特徴とする前記(1)記載の
凝集分離処理方法。 (3)前記工程Aに高分子凝集剤と微細固体粒子を添加
して、該固体粒子を取り込んだフロックを形成させたの
ち沈殿分離し、該固体粒子を分級回収した後の汚泥を前
記工程Bに供給し、鉱酸を添加することを特徴とする前
記(1)記載の凝集分離処理方法。
【0006】(4)リン、SS含有水に無機凝集剤を添
加して混合する攪拌槽と、攪拌槽の後段に設けたリン、
SS含有水中の凝集した懸濁質を汚泥として分離回収す
る凝集分離装置とを有する凝集分離処理装置において、
前記凝集分離装置からのリンを取り込んだ凝集分離汚泥
に鉱酸を添加して混合する溶解槽、前記溶解槽からの金
属イオン含有酸性液にリン除去材を添加した後に金属イ
オン含有酸性液とリン吸着リン除去材とに分離する固液
分離装置、前記リン吸着リン除去材にアルカリを添加し
てリンを脱着させて脱着リン含有アルカリ性液を生成さ
せるリン脱着装置、脱着リン含有アルカリ性液にCa又
はMgを添加するリン回収装置、前記固液分離装置から
の金属イオン含有酸性液を再生凝集剤としてリン、SS
含有水を凝集分離装置へ供給する経路中へ戻す返送系、
及び前記溶解槽の後に金属イオン含有酸性液から酸不溶
性固体を分離する固液分離装置、又は金属イオン含有酸
性液とリン吸着リン除去材とに分離した前記固液分離装
置よりの金属イオン含有酸性液から酸不溶性固体を分離
する固液分離装置を設けたことを特徴とするリン、SS
含有水の凝集分離装置。 (5)前記無機凝集剤添加後のリン、SS含有水の前記
攪拌槽への供給経路に接続した微細固体粒子供給管と高
分子凝集剤供給管、及び前記凝集分離装置からの凝集分
離汚泥の連通経路中の前記凝集分離汚泥から微細固体粒
子を分級する分級装置、前記分級装置からの回収微細固
体粒子を前記リン、SS含有水の供給経路へ戻す返送系
を設けたことを特徴とする前記(4)記載の凝集分離装
置。
【0007】
【発明の実施の形態】図1を参照して本発明の実施の形
態を詳しく説明する。図1は、本発明のリン、SS含有
水の凝集分離方法を示すブロック図である。図1に示す
ように、下水、CSO、下水生物処理水、富栄養化進行
湖沼水、河川水などのリン、SS含有水(原水)1にP
AC、硫酸アルミニウム、塩化第2鉄、硫酸第2鉄など
の無機凝集剤2を添加し、攪拌槽3中で混合攪拌し、リ
ンを取り込んだ凝集フロックを形成させ、凝集分離装置
4で凝集沈殿、凝集ろ過、凝集浮上などの手段で凝集分
離し、リンが凝集除去され浄化された処理水5を得る。
なお、処理の開始時には、無機凝集剤として新鮮な無機
凝集剤が添加される。また、この場合凝集分離装置4と
して沈殿槽が使用されたものとして説明する。
【0008】次に、リンを取り込んだ凝集沈殿汚泥6に
鉱酸(硫酸、塩酸、硝酸のいずれか)7を添加し、pH
を酸性にして、溶解槽8で混合攪拌して汚泥6中の金属
水酸化物などを溶解する。この結果、凝集沈殿汚泥6か
らアルミニウム、鉄などの金属イオンとリン酸イオンが
溶出する。無機凝集剤2にアルミニウム系凝集剤を使用
する場合は、鉱酸を添加した際のpHを4以下にして攪
拌すると、汚泥が溶解し(この時加温すると溶解速度が
向上する)、鉄系凝集剤を使用する場合はpHを2以下
にすると凝集汚泥が溶解し、アルミニウムイオンもしく
は鉄イオン及びリン酸イオンを含有する酸性液が得られ
る。
【0009】この工程では鉱酸7に溶解しない物質(原
水に含まれていた、SS分、粘土分、微生物細胞、プラ
ンクトン、藻類等)を固液分離工程9で固液分離した
後、前記のリン酸イオン、金属イオンなどを含有する酸
性液10を酸性条件でリン除去材13と接触させ所定時
間反応させると、リン酸イオンだけが吸着して除去され
る。前記の固液分離工程9はそこで行わなくもよく、酸
不溶物共存のままリン除去材と接触させ、リンを除去し
てから酸不溶物を固液分離するようにしてもよい。な
お、前記の固液分離工程9で固液分離された酸不溶性S
S11は、汚泥処理工程12に供給される。また、合流
式下水道雨天時越流水(CSO)を本発明で処理する場
合は、固液分離された酸不溶分を直接汚泥処理工程に供
給する必要はなく、終末下水処理場への下水管路に流
し、下水処理場に設置されている汚泥処理施設で処理す
ればよい。
【0010】この結果、該リン除去後にはアルミニウム
イオン又は鉄イオン含有酸性液が得られるので、これを
固液分離工程14後に、新鮮無機凝集剤の代替凝集剤
(再生凝集剤)15としてリン、SS含有水の凝集分離
工程に再利用することができる。したがって、新鮮な無
機凝集剤2の所要量がゼロ又は大幅(l/l0以下)に
減少できる。この結果、系外に排出して処分すべき汚泥
の量が大幅に減少する。ただし、再生凝集剤15を添加
する際に新鮮な無機凝集剤2の添加量をゼロにすると、
処理水質が悪化する場合があるので、工程Cの再生凝集
剤15を原水1に添加する場合でも、少量の新鮮無機凝
集剤2を添加できるようにしておくことが好ましい。
【0011】本発明では、前記の金属イオン含有酸性液
を再生凝集剤15として原水1に添加する前にそれから
酸不溶性固体(「酸不溶性物質」ともいう)(原水に含
まれている粘土分、有機性SS、プランクトン、藻類
等)、図面では酸不溶性SS11を除いておくことが好
ましい。なぜなら、この固液分離工程9を省略して長期
間運転すると、酸不溶性物質が凝集分離装置4に大量に
蓄積し、処理水5へのSS流出などのトラブルが起き、
凝集分離処理を破綻させるからである。そのためには、
金属イオン含有酸性液10とリン除去材13とを接触さ
せる前に固液分離工程9で固液分離させるか、或いは金
属イオン含有酸性液10をリン除去材13と接触させて
リンを吸着したリン除去材を分離した後に分離すること
ができる。リン除去材13との接触前の方がリン除去材
13の中に酸不溶性固体が混入する問題が起きにくいも
のと考えられる。なお、凝集分離汚泥を鉱酸7に溶解さ
せた液中の酸不溶性SS11の固液分離は、必ずしも常
時行う必要はなく、間欠的に行っても良い。つまり、系
内に酸不溶性固体がある限度以上に蓄積した場合に、例
えば固液分離工程9を運転すれば良い。
【0012】本発明におけるリン除去材13としては、
pH2〜4程度の金属イオンが存在できる酸性条件で
も、リン酸イオンを効果的に除去できるリン除去材13
を使用することが重要である。もしもpH4以上の条件
で、リンを吸着もしくは沈殿除去しようとすると、水酸
化アルミニウム、水酸化鉄が生成してしまい、原水1に
添加すべき金属イオン含有無機凝集剤15としての機能
を失ってしまうからである。本発明者らが、この制約条
件(かなりの酸性pHでリンを除去すること)に最も適
しているリン除去材13を種々検討した結果、最も好適
な物質は、鉄系リン除去材(例えば水和酸化鉄、水酸化
鉄、酸化鉄、塩化第2鉄、ポリ硫酸第2鉄)であること
を見出した。
【0013】本発明で用いるのに適したリン除去材13
としては、このほかに水和酸化ジルコニウム、水和酸化
ジルコニウム・活性炭複合体、ジルコニウムフェライ
ト、塩化チタン、水和酸化チタン、水和酸化チタン・活
性炭複合体、キレート樹脂系吸着材、パイライト系吸着
材、活性アルミナ、硫酸アルミニウム添着活性アルミナ
なども使用できる。しかしこれらは、リンを吸着後にア
ルカリ液でリンを脱着させるのが、水酸化鉄、水和酸化
鉄、酸化鉄系吸着材よりも難しいことから、本発明では
鉄系リン吸着材を使用することが好ましい。鉄系リン吸
着材は、上記リン吸着材の中で最も安価であることも実
用上好ましい。
【0014】本発明において、リン除去材13として鉄
系リン吸着材を使用する場合、鉄系リン吸着材と接触さ
せる液のpHは、3〜4の範囲がリン吸着量を大きくす
る点で好ましく、pHを2以下にするとリン吸着量がか
なり減少することが認められた。従って、原水1に添加
する無機凝集剤2としては、鉄系よりはアルミニウム系
無機凝集剤が適している。なぜなら、アルミニウム系凝
集剤の添加によって生成する水酸化アルミニウム、リン
酸アルミニウムフロックは、pH4以下にすると容易に
溶解するので、リン吸着材10との接触pH条件はpH
3.5程度にできるのに対し、鉄系無機凝集剤を使用す
ると、生成する水酸化鉄、リン酸鉄がpH3.5程度で
は溶解せず、pH2以下にする必要があるため、リン除
去に不利なpH条件になってしまうからである。
【0015】次に、リンを吸着したリン除去材(吸着
材)16からリンを脱着させるリン脱着工程17と、リ
ン資源を回収するリン回収工程18を説明する。リン脱
着工程17において、前記したリン除去材16は、アル
カリ性にするとリンを脱着する性質があるので、リンを
吸着した状態のリン除去材16を、アルカリ性液(Na
OH水溶液が適している)と接触させるとリンが脱着し
てくる。リン回収工程19において、脱着したリンを含
有するアルカリ性液に、Caイオン又はMgイオンを添
加すると、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リ
ン酸マグネシウムアンモニウムが容易に析出するので、
これを回収すれば良い。なお、リン酸マグネシウムアン
モニウムを析出するには、Mgイオンのほかにアンモニ
ウムイオンが必要である。これらの物質は肥料として利
用できる有用物質である。リン回収工程からの分離液2
0は、アルカリ性であるので、リン脱着のためのアルカ
リ材として再利用することによって、新鮮なNaOHの
添加量を削減できる。
【0016】次に図2を参照して砂、マグネタイト、ガ
ーネット、鉄粉などの比重が2以上の任意の微粒子を、
フロックの重り(バラスト)として利用する超高速凝集
沈殿法への、本発明の適用を説明する。リン、SS含有
水1に硫酸アルミニウム、PACなどの無機凝集剤2と
砂、ガーネット、マグネタイト、鉄粉などの粒径が20
〜200μm程度で、比重が大きい微細固体粒子、例え
ば微粒砂21、及び高分子凝集剤22を添加して攪拌す
ると、微粒砂21を錘物質として取り込んだ、沈降性が
非常に大きいフロックが形成される。このフロックを高
速度で沈降分離し、リン、SSが除去された処理水を得
る。前記微細固体粒子としては比重2以上が好適であ
り、具体例としては、以下、比重2.6の砂を用いた場
合を例に挙げて説明する。次に、上記したようにして生
じた砂を含有する凝集沈殿汚泥23を、サイクロン24
などの分級装置に供給し、微粒砂を分級して回収する。
回収微粒砂25はリン、SS含有水1に返送し再利用す
る。
【0017】砂が除去された汚泥(「砂除去汚泥」とい
う)26に、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸7を添加し、
溶解槽8で金属水酸化物など(この場合は水酸化アルミ
ニウム、リン酸アルミニウム)を溶解する。ここで得ら
れた金属イオン含有酸性液(原水中に含まれていた酸不
溶性SSが含有されている)を固液分離工程9で固液分
離し、酸不溶性SS11が除去された液をリン除去材
(吸着材又は沈殿材)13と接触させ、リンを吸着又は
沈殿除去する。次に、リンが除去された金属イオン含有
酸性液を再生凝集剤15として原水1に添加し、新鮮な
無機凝集剤2の代替に利用する。酸不溶性SS分11は
系外に排出し、脱水処理工程などの汚泥処理工程12で
脱水した後、処分する。その他の工程は、図1と同じで
ある。
【0018】以上の実施態様によって、リン、SS含有
水1を超高速度で凝集沈殿でき、新鮮な無機凝集剤2の
添加量を削減でき、リン資源も回収でき、汚泥発生量も
大幅に減少できる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこの実施例により何等制限されるもので
はない。
【0020】実施例1 下水の標準活性汚泥法処理水(リン1.2mg/リット
ル、SS13mg/リットル)を被処理水として、本発
明の試験を行った。運転開始後10日間は、新鮮な無機
凝集剤(硫酸アルミニウム)を添加し、そのあとは、図
1の工程の酸性液10をリン除去材と接触させた後固液
分離工程14で分離されたアルミニウムイオン含有酸性
液を、再生した無機凝集剤として再利用した。なお、固
液分離工程9としては沈殿分離を行った。試験条件、試
験方法を第1表に示す。第1表中、前記のアルミニウム
イオン含有酸性液は「酸性液」と表示されている。
【0021】
【表1】
【0022】以上の条件で1ヶ月運転し、その試験によ
り得た処理水のリンを分析した。運転開始後10日間の
新鮮な無機凝集剤2として硫酸ばんどをAlとして10
mg/リットル添加した場合には、処理水5のリン濃度
は0.065mg/リットルであった。これに対し、新
鮮な硫酸ばんど2の添加率をAlとして1mg/リット
ルに減少させ、本発明のAlイオン含有酸性液を再生凝
集剤15として再生して用いた場合には、処理水5のリ
ン濃度は0.084mg/リットルであった。また、凝
集沈殿汚泥の発生が、通常の凝集沈殿法の約1/5に減
少した。かつ、原水1のリンが肥料として価値のあるリ
ン酸カルシウム系化学物(ヒドロキシアパタイト)とし
て回収できた。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、下記に示す効果を生じ
る。 1)リン、SS含有水の凝集分離処理法において、難脱
水性で利用価値の無い凝集沈殿汚泥が大幅に減少する。 2)原水中の貴重なリン(リンは世界的な枯渇資源であ
る)を、有価資源として回収できる。 3)リン、SS含有水を超高速度で沈殿分離できるの
で、装置が極めてコンパクトになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリン、SS含有水の凝集分離処理方法
における一実施例のブロック図である。
【図2】本発明のバラスト添加超高速沈殿法への適用例
のブロック図である。
【符号の説明】
1 リン、SS含有水(原水) 2 無機凝集剤 3 攪拌槽 4 凝集分離装置 5 処理水 6 凝集沈殿汚泥 7 鉱酸 8 溶解槽 9 固液分離工程 10 酸性液 11 酸不溶性SS 12 汚泥処理工程 13 リン除去材 14 固液分離工程 15 再生凝集剤 16 リンを吸着したリン除去材 17 リン脱着工程 18 リン回収工程 20 分離液 21 微粒砂 22 高分子凝集剤 23 微粒砂含有凝集沈殿汚泥 24 サイクロン 25 回収微粒砂 26 砂除去汚泥
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 俊博 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 島村 和彰 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 4D015 BA15 BA21 BB05 BB12 CA14 CA18 DA04 DA05 DA12 DA13 DA16 DA31 DA37 DC06 EA32 EA33 EA35 FA03 FA28 4D024 AA04 AB12 BA13 BA14 DA03 DA08 DB03 DB12 4D059 AA06 AA19 BE31 BE49 BF12 BH05 CA28 DA32 DA33 DA70

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン、SS含有水に無機凝集剤を添加し
    凝集分離して凝集分離汚泥と処理水を得る工程A、該凝
    集分離汚泥に鉱酸を添加して該汚泥を溶解し金属イオン
    含有酸性液を得る工程B、該酸性液をリン除去材と接触
    せしめ、金属イオン共存酸性条件でリンを除去する工程
    C、該リンが除去された金属イオン含有酸性液を無機凝
    集剤の代わりにリン、SS含有水に添加する工程D、工
    程Cのリンを吸着したリン除去材からリンを脱離させ、
    脱離したリンを難溶性リン酸塩として回収する工程E、
    及び工程Bの金属イオン含有酸性液又は工程Cのリンが
    除去された金属イオン含有酸性液から酸不溶性固体を固
    液分離する工程Fを含むことを特徴とするリン、SS含
    有水の凝集分離処理方法。
  2. 【請求項2】 前記工程Cにおける金属イオン含有酸性
    液からリンを除去する際の該液のpHを、4以下に設定
    してリン除去材と接触させることを特徴とする請求項1
    記載の凝集分離処理方法。
  3. 【請求項3】 前記工程Aに高分子凝集剤と微細固体粒
    子を添加して、該固体粒子を取り込んだフロックを形成
    させたのち沈殿分離し、該固体粒子を分級回収した後の
    汚泥を前記工程Bに供給し、鉱酸を添加することを特徴
    とする請求項1記載の凝集分離処理方法。
  4. 【請求項4】 リン、SS含有水に無機凝集剤を添加し
    て混合する攪拌槽と、攪拌槽の後段に設けたリン、SS
    含有水中の凝集した懸濁質を汚泥として分離回収する凝
    集分離装置とを有する凝集分離処理装置において、前記
    凝集分離装置からのリンを取り込んだ凝集分離汚泥に鉱
    酸を添加して混合する溶解槽、前記溶解槽からの金属イ
    オン含有酸性液にリン除去材を添加した後に金属イオン
    含有酸性液とリン吸着リン除去材とに分離する固液分離
    装置、前記リン吸着リン除去材にアルカリを添加してリ
    ンを脱着させて脱着リン含有アルカリ性液を生成させる
    リン脱着装置、脱着リン含有アルカリ性液にCa又はM
    gを添加するリン回収装置、前記固液分離装置からの金
    属イオン含有酸性液を再生凝集剤としてリン、SS含有
    水を凝集分離装置へ供給する経路中へ戻す返送系、及び
    前記溶解槽の後に金属イオン含有酸性液から酸不溶性固
    体を分離する固液分離装置、又は金属イオン含有酸性液
    とリン吸着リン除去材とに分離した前記固液分離装置よ
    りの金属イオン含有酸性液から酸不溶性固体を分離する
    固液分離装置を設けたことを特徴とするリン、SS含有
    水の凝集分離装置。
  5. 【請求項5】 前記無機凝集剤添加後のリン、SS含有
    水の前記攪拌槽への供給経路に接続した微細固体粒子供
    給管と高分子凝集剤供給管、及び前記凝集分離装置から
    の凝集分離汚泥の連通経路中の前記凝集分離汚泥から微
    細固体粒子を分級する分級装置、前記分級装置からの回
    収微細固体粒子を前記リン、SS含有水の供給経路へ戻
    す返送系を設けたことを特徴とする請求項4記載の凝集
    分離装置。
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