JP2003010766A - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

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JP2003010766A
JP2003010766A JP2001201251A JP2001201251A JP2003010766A JP 2003010766 A JP2003010766 A JP 2003010766A JP 2001201251 A JP2001201251 A JP 2001201251A JP 2001201251 A JP2001201251 A JP 2001201251A JP 2003010766 A JP2003010766 A JP 2003010766A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一な薄い塗布膜を高速で、しかも、長期間
に亙って塗布することのできる塗布装置を提供する。 【解決手段】 コバルトを4〜20重量%と、クロムを
0.3〜3.0重量%および/またはバナジウムを0.
1〜3.0重量%と、残部が平均粒径が1μm以下とさ
れた炭化タングステンと不可避不純物とからなる超硬合
金から第2ドクターエッジ先端18及びスムーザーエッ
ジ31を形成した。そして、第2ドクターエッジ先端1
8の先端側の先端面18aと走行方向Aに沿った下流側
の背面18bの交差領域の角部18c、及び、スムーザ
ー30の先端側に設けられたスムーザーエッジ31の先
端側のスムーザー先端面31aと走行方向Aに沿った下
流側のスムーザー背面31bの交差領域の角部31c
に、0.01mm以下の面取りあるいは丸みを形成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行する可撓性帯
状支持体に、有機物ないしは無機物、もしくはこれらの
複合物からなるゲル状・液状の塗布液を、均一に、しか
も薄く塗布する塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、長尺なフィルムやシート等の可
撓性帯状支持体の表面に塗付液を薄く塗布して薄層を形
成する塗布装置として、例えば特公平6−77712号
公報(以下、第1の従来技術という)に示されるものが
ある。
【0003】第1の従来技術に示される塗布装置は、図
4に示すように塗布ヘッドを有し、この塗布ヘッドが第
1スロット1を形成するバックエッジ2及び第1ドクタ
ーエッジ3と、この第1ドクターエッジ3と共に第2ス
ロット4を形成する第2ドクターエッジ5とを備えた構
成とされている。
【0004】塗布ヘッドの内部には、第1スロット1,
第2スロット4に連通する断面略円形状をなすポケット
6a,6bが形成されている。そして、図示しない給液
手段から配管7a,7bを介して矢印方向B1,B2に
塗布液がそれぞれ送液され、ポケット6a,6bに液溜
めされ、該ポケット6a,6bから第1スロット1,第
2スロット4の各流出口に押し出され、矢印方向C1,
C2に吐出されるように構成されている。
【0005】可撓性帯状支持体8は、図示されぬ可撓性
帯状支持体8の送り手段によって、バックエッジ2側か
ら該バックエッジ2,第1ドクターエッジ3,第2ドク
ターエッジ5に向う矢印方向Aに走行するようになって
いる。
【0006】この可撓性帯状支持体8の走行時、図5に
示すように、ポケット6a内の第1の塗布液91が第1
スロット1から吐出され、可撓性帯状支持体8の片面に
塗布される。その後、可撓性帯状支持体8の走行方向の
下流側に位置し、かつポケット6b内から第2スロット
4の流出口に押し出された第2の塗布液92が、第1の
塗布液91の上に重ね塗りされる。このように、可撓性
帯状支持体8の走行時、各塗布液91,92が前後して
吐出され、可撓性帯状支持体8に二層の塗布液91,9
2が塗布される。
【0007】塗付液中には、無機物質からなる硬質分散
粒子や、樹脂や溶媒等の各種添加物が含まれており、摩
耗や腐食が著しいため、バックエッジ2,第1ドクター
エッジ3,第2ドクターエッジ5といったエッジは、高
い剛性、耐摩耗性、及び耐食性を有する超硬合金から形
成され、先端の形状精度や面精度を維持して、形成され
る薄層に対して均一な膜厚が得られる構成とされてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、可撓性帯状
支持体の走行方向に沿って最後に配置されるエッジ(以
後、明細書中、最終エッジということもある)からの塗
付液の離れ方が不安定で(例えば図5中Rで示された第
2ドクターエッジ5の後ろ側での塗付液の流れを参
照)、単位時間当たりの塗布量にむらが生じると、可撓
性帯状支持体に形成される薄層は、走行方向に不均一な
膜厚を有することになる。とりわけ膜厚を薄くして高速
に塗布する条件では、塗付液の流れを制御することが難
しいといった欠点を有していた。また、上述のように塗
布ヘッドの先端部分に超硬合金からなるエッジを設ける
構成とした場合でも、被膜構造の多層化の要求に伴っ
て、上述の如き複数のスリットを有する塗布ヘッドが使
用されるようになってきたこと、塗布される膜の薄層
化、高速塗布化、さらには、塗布面積の増大化によっ
て、剛性、耐摩耗性、耐腐食性ともまだ十分ではないの
が現状である。このため、エッジの先端の形状が変化
し、長期間に亙って膜厚精度の高い塗布を行うことがで
きないといった問題もあった。
【0009】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、均一な薄い塗布膜を高速で、しかも、長期
間に亙って塗布することのできる塗布装置を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、塗布ヘッド
の先端に設けられたエッジ、とりわけ、塗布ヘッドが複
数の塗付液を積層しながら塗布する複数のエッジを備え
る場合には、可撓性帯状支持体の走行方向に沿って最後
に配置されるエッジである最終エッジの先端、より具体
的には、例えばバックエッジ、ドクターエッジの二つの
エッジが可撓性帯状支持体の走行方向に沿って順番に配
置されている塗布ヘッドにおいては、ドクターエッジの
先端、また、例えばバックエッジ、第1ドクターエッ
ジ、第2ドクターエッジの三つのエッジが可撓性帯状支
持体の走行方向に沿って順番に配置されている塗布ヘッ
ドにおいては、第2ドクターエッジの先端の可撓性帯状
支持体を臨む側に先端面を形成する一方、走行方向に沿
った下流側に背面を形成し、これら先端面と背面との交
差領域の角部に0.01mm以下の面取りあるいは丸み
を形成して、この角部で塗布された塗付液を均一に均す
こと、さらに、走行方向に沿って下流側に塗布ヘッドか
ら離間されて配置されるスムーザーの先端側に設けられ
るスムーザーエッジの可撓性帯状支持体を臨む側にスム
ーザー先端面を形成する一方、走行方向に沿った下流側
にスムーザー背面を形成し、これらスムーザー先端面と
スムーザー背面との交差領域の角部に0.01mm以下
の面取りあるいは丸みを形成して、この角部で塗布され
た塗付液を均一に均すことにより、均一な厚さで塗付液
を塗布することができ、さらに、塗布ヘッドのエッジの
うち、少なくとも最終エッジの先端や、スムーザーエッ
ジの先端が炭化タングステンを主成分とする超硬合金製
とされ、炭化タングステンの粒子間に所定の成分を有す
る結合相金属が均一に配合されて硬度と靭性が高められ
ていること、また、炭化タングステンの粒子間の結合力
を高める高温熱処理の下で炭化タングステンの粒成長を
抑制する粒成長抑制剤が添加されていること、炭化タン
グステンの平均粒径が十分小さいことにより、最終エッ
ジやスムーザーエッジの耐摩耗性及び耐食性を高めて欠
けや摩耗及び腐食による先端部分の形状変化を低減し、
長期間に亙り膜厚を一定に保って塗付液を塗布すること
ができるという知見を得て本発明に至った。
【0011】すなわち、本発明は、一の方向に走行する
可撓性帯状支持体の上に塗布液を塗布する塗布ヘッドを
備え、前記塗布ヘッドは、前記可撓性帯状支持体の走行
方向に順次配置された少なくとも二つのエッジを有し、
互いに隣り合うエッジの間には、前記塗布液が前記可撓
性帯状支持体に向かって流通するスロットが各々形成さ
れるとともに、前記塗布ヘッドの先端で開口された流出
口から前記塗布液がそれぞれ流出して前記可撓性帯状支
持体に塗布されるよう構成された塗布装置であって、前
記走行方向に沿って最後に配置される最終エッジの前記
可撓性帯状支持体を臨む側に先端面が形成されるととも
に、前記最終エッジの前記走行方向に沿った下流側に背
面が形成され、前記先端面と前記背面の交差領域の角部
には、0.01mm以下の面取りあるいは丸みが形成さ
れていることを特徴とする。
【0012】また、本発明は、一の方向に走行する可撓
性帯状支持体の上に塗布液を塗布する塗布ヘッドを備
え、前記塗布ヘッドは、前記可撓性帯状支持体の走行方
向に順次配置された少なくとも二つのエッジを有し、互
いに隣り合うエッジの間には、前記塗布液が前記可撓性
帯状支持体に向かって流通するスロットが各々形成され
るとともに、前記塗布ヘッドの先端で開口された流出口
から前記塗布液がそれぞれ流出して前記可撓性帯状支持
体に塗布されるよう構成され、前記可撓性帯状支持体の
走行方向に沿って前記塗布ヘッドの下流側に前記塗布ヘ
ッドから離間されて配置されるとともに、先端側を前記
可撓性帯状支持体に当接させて前記可撓性帯状支持体に
塗布された前記塗付液を均すスムーザーを有してなる塗
布装置であって、前記塗布ヘッドの前記走行方向に沿っ
て最後に配置される最終エッジの前記可撓性帯状支持体
を臨む側に先端面が形成されるとともに、前記最終エッ
ジの前記走行方向に沿った下流側に背面が形成され、前
記スムーザーの先端側にはスムーザーエッジが設けら
れ、該スムーザーエッジの前記可撓性帯状支持体を臨む
側にスムーザー先端面が形成されるとともに、前記スム
ーザーエッジの前記走行方向に沿った下流側にスムーザ
ー背面が形成され、前記最終エッジの前記先端面と前記
背面の交差領域の角部、及び、前記スムーザー先端面と
前記スムーザー背面の交差領域の角部には、0.01m
m以下の面取りあるいは丸みが形成されていることを特
徴とする。
【0013】本発明においては、最終エッジの可撓性帯
状支持体に押し当てられる先端面が、0.01mm以下
の面取りあるいは丸みが形成された角部で背面によって
鋭利に終端させられるように構成されている。あるい
は、本発明においては、可撓性帯状支持体の上に塗布液
を塗布する塗布ヘッドの下流側に、可撓性帯状支持体に
塗布された塗付液を均すスムーザーが配置され、このス
ムーザーの先端側に設けられるスムーザーエッジの可撓
性帯状支持体に押し当てられるスムーザー先端面が、
0.01mm以下の面取りあるいは丸みが形成された角
部でスムーザー背面によって鋭利に終端させられるよう
に構成されている。このため、塗付液が背面の側に回り
込まず、鋭利に形成された角部で塗付液が均一に均され
ることによって可撓性帯状支持体上に均一な膜厚で塗付
液を塗布することができる。すなわち、可撓性帯状支持
体上に、例えば5μm以下の薄層を形成する場合には、
膜厚の偏差を10%以下に抑えることができる。
【0014】また、本発明の塗布装置では、前記エッジ
のうち、少なくとも前記最終エッジは、コバルトを4〜
20重量%と、クロムを0.3〜3.0重量%および/
またはバナジウムを0.1〜3.0重量%と、残部が平
均粒径が1μm以下とされた炭化タングステンと不可避
不純物とからなる超硬合金から形成されていることを特
徴とする。
【0015】また、本発明の塗布装置では、前記スムー
ザーエッジの先端は、コバルトを4〜20重量%と、ク
ロムを0.3〜3.0重量%および/またはバナジウム
を0.1〜3.0重量%と、残部が平均粒径が1μm以
下とされた炭化タングステンと不可避不純物とからなる
超硬合金から形成されていることを特徴とする。
【0016】また、本発明の塗布装置では、前記塗布ヘ
ッドの前記エッジのうち、少なくとも前記最終エッジの
先端と、前記スムーザーエッジの先端とは、コバルトを
4〜20重量%と、クロムを0.3〜3.0重量%およ
び/またはバナジウムを0.1〜3.0重量%と、残部
が平均粒径が1μm以下とされた炭化タングステンと不
可避不純物とからなる超硬合金から形成されていること
を特徴とする。
【0017】本発明においては、最終エッジやスムーザ
ーエッジを形成する超硬合金の硬質相が炭化タングステ
ンからなるため、少なくとも最終エッジの靭性及び強度
の向上を図ることができる。ここで、炭化タングステン
は立方晶構造化合物であることから、その平均粒径を1
μm以下として超硬合金の強度の低下を抑えることが好
ましく、さらに、炭化タングステンの粒径をできるだけ
均一なものとし、かつ、結合相中に均一に分散すること
がエッジの強度及び靭性を向上する上で望ましい。ま
た、エッジを形成する超硬合金の結合相を形成するコバ
ルトは、4重量%を下回るとエッジの靭性が失われ、2
0重量%を上回るとエッジの耐摩耗性劣化が著しくなる
ため、4〜20重量%とされていることが好ましい。ま
た、エッジの耐食性を高めるため、さらには、炭化タン
グステンの粒子間の結合力を高める高温熱処理の下で炭
化タングステンの粒成長を抑制するため、エッジを形成
する超硬合金がクロムとバナジウムの少なくとも一方も
しくは双方を含んでいることが好ましい。ここで、クロ
ムは、0.3重量%を下回ると耐食性が得られず、3.
0重量%を上回ると炭化クロムの有害な層が析出するた
め、0.3〜3.0重量%とされていることが好まし
く、また、バナジウムは、0.1重量%を下回ると耐食
性が得られず、3.0重量%を上回ると炭化バナジウム
の有害な層が析出するため、0.1〜3.0重量%とさ
れていることが好ましい。こうして、少なくとも最終エ
ッジの耐摩耗性及び耐食性を高めて欠けや摩耗及び腐食
による先端部分の形状変化を低減し、長期間に亙り均一
な厚さで塗付液を塗布することができる。
【0018】また、本発明の塗布装置では、超硬合金
は、硬さがロックウェル硬度のAスケールで90.0
(HRA)以上とされていることが好ましい。さらに、
超硬合金は、HIP処理が施されて生成されることが好
ましい。これにより、さらに長期間に亙り先端部分の形
状変化を低減し、均一な厚さで塗付液を塗布することが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明による塗布装置を図
面に基づき説明する。本発明の塗布装置は、一方向に走
行するフィルムやシート等の可撓性帯状支持体の表面に
塗付液を均一に塗布して薄層を形成する塗布装置に関す
るもので、その他の構成要素や用法に関して特に制限を
設けない。
【0020】図1ないし図3に、本発明に係る塗布装置
の一実施形態を示す。図において、塗布装置は、塗布ヘ
ッド10を有し、この塗布ヘッド10が第1スロット1
1を形成するバックエッジ13及び第1ドクターエッジ
14と、第1ドクターエッジ14と共に第2スロット1
2を形成する第2ドクターエッジ15(最終エッジ)と
を備えて構成されている。そして、図3に示すように、
可撓性帯状支持体19の走行方向に沿って塗布ヘッド1
1の下流側に塗布ヘッド11から離間されてスムーザー
30が配置されている。さらに、塗布装置は、可撓性帯
状支持体19を矢印方向Aに送る図示されぬ送り手段を
有している。
【0021】塗布ヘッド10を構成するバックエッジ1
3,第1,第2ドクターエッジ14,15は、可撓性帯
状支持体19の走行方向Aに沿い順次配置され、しかも
先端部には超硬合金からなるバックエッジ先端16、第
1ドクターエッジ先端17、第2ドクターエッジ先端1
8(最終エッジ)がそれぞれ装着されている。この第2
ドクターエッジ先端18の可撓性帯状支持体19を臨む
側には、走行方向Aに沿って下流側の部分が略平坦とさ
れた先端面18aが形成されるとともに、第2ドクター
エッジ先端18の走行方向Aに沿った下流側に平坦な背
面18bが形成されている。また、スムーザー30の先
端部には超硬合金からなるスムーザーエッジ31が装着
されている。このスムーザーエッジ31の可撓性帯状支
持体19を臨む側には、走行方向Aに沿って下流側の部
分が略平坦とされたスムーザー先端面31aが形成され
るとともに、スムーザーエッジ31の走行方向Aに沿っ
た下流側に平坦なスムーザー背面31bが形成されてい
る。そして、第2ドクターエッジ先端18の先端面18
aと背面18bの交差領域の角部18c、及び、スムー
ザー先端面31aとスムーザー背面31bの交差領域の
角部31cには、JIS B 0701に規定される面
取りあるいは丸みが0.003mm以上〜0.01mm
以下で形成されている。
【0022】ここで、バックエッジ先端16,第1,第
2ドクターエッジ先端17,18、及びスムーザーエッ
ジ31を形成する超硬合金は、コバルトを4〜20重量
%と、クロムを0.3〜3.0重量%および/またはバ
ナジウムを0.1〜3.0重量%と、残部が平均粒径が
1μm以下とされた炭化タングステンと不可避不純物と
から構成されている。なお、この超硬合金は、高温高圧
中で焼結を行うHIP(hot isostatic pressing)処理
が施されることによって生成され、硬さがロックウェル
硬度のAスケールで90.0(HRA)以上〜93.0
(HRA)以下とされている。
【0023】また、バックエッジ先端16の走行方向A
に沿った下流側先端の刃先16cは、JIS B 00
21に規定される線の真直度公差で0.5μm以上〜3
μm以下となるよう加工形成されている。すなわち、先
端面16a、もしくは、スロット側面16bに沿った方
向の平面に刃先16cをそれぞれ投影したときの二つの
平行な直線の間に挟まれた領域を公差域とし、先端面1
6a、スロット側面16bいずれの方向の平面に刃先1
6cを投影してもその公差域の幅が0.5μm以上〜3
μm以下となるよう形成されている。
【0024】塗布装置は、可撓性帯状支持体19の走行
時、図示しない給液手段によって塗布液20A,20B
が供給され、該塗布液20A,20Bがポケット21,
22及び第1スロット11,第2スロット12を流通す
ることにより、可撓性帯状支持体19の片面に塗布液2
0A,20Bが重ねて塗布されるように構成されてい
る。この場合の塗布液としては、本例では、積層セラミ
ックスコンデンサのグリーンシートに用いられる母材シ
ートを形成するためのものであり、例えば、誘電体セラ
ミックス粉の含有液、及びその組成を若干変えた誘電体
含有液等の二種類からなっている。
【0025】このような構成の塗布装置においては、可
撓性帯状支持体19が走行すると、給液手段によって塗
布液20A,20Bがそれぞれ供給され、該塗布液20
A,20Bがポケット21,22及び第1スロット1
1,第2スロット12を流通してそれぞれの流出口から
図中矢印C1,C2の方向に吐出され、可撓性帯状支持
体19の片面に塗布される。この場合、可撓性帯状支持
体19の片面上に塗布液20A,塗布液20Bが順次重
なった状態で塗布される。
【0026】このとき、第2ドクターエッジ先端18の
先端面18aが、0.01mm以下の面取りあるいは丸
みが形成された角部18cで鋭利に終端させられる構成
とされているため、塗付液20A,20Bが背面18b
の側に回り込まず、角部18cで塗付液20A,20B
が均一に均されることによって可撓性帯状支持体19上
に均一な膜厚で塗付液を塗布することができる。さら
に、可撓性帯状支持体19に塗布された塗付液20A,
20Bは、塗布ヘッド10の下流側に配置されたスムー
ザー30によってより均一に均される。すなわち、スム
ーザー30の先端に設けられたスムーザーエッジ31の
スムーザー先端面31aが、0.01mm以下の面取り
あるいは丸みが形成された角部31cで鋭利に終端させ
られる構成とされているため、塗付液20A,20Bが
スムーザー背面31bの側に回り込まず、角部31cで
塗付液20A,20Bが均一に均されることによって可
撓性帯状支持体19上に均一な膜厚で塗付液20A,2
0Bを塗布することができる。このようにして、可撓性
帯状支持体19上に、例えば5μm以下の薄層を形成す
る場合には、膜厚の偏差を10%以下に抑えることがで
きる。
【0027】ここで、バックエッジ先端16,第1,第
2ドクターエッジ先端17,18、及びスムーザーエッ
ジ31が、コバルトを4〜20重量%と、クロムを0.
3〜3.0重量%および/またはバナジウムを0.1〜
3.0重量%と、残部が平均粒径が1μm以下とされた
炭化タングステンと不可避不純物とからなる超硬合金か
ら形成されているので、エッジの変形が抑えられて可撓
性帯状支持体19の上に塗布液20A,塗布液20Bを
均一に塗布することができる。そして、バックエッジ先
端16,第1,第2ドクターエッジ先端17,18、及
びスムーザーエッジ31の耐摩耗性及び耐食性を高めて
欠けや摩耗及び腐食による先端部分の形状変化を低減
し、長期間に亙り均一な厚さで塗付液を塗布することが
できる。
【0028】このように、本実施形態によれば、可撓性
帯状支持体19に二つの塗布液20A,20Bを均一に
かつ安定した状態で塗布することができ、むらのない均
一な二層の薄膜層を確実に得ることができる。
【0029】なお、本実施形態において、塗布装置は、
スムーザーを有する構成とされ、塗布ヘッドの最終エッ
ジとスムーザーエッジの双方の可撓性帯状支持体の走行
方向下流側に鋭利な角部が設けられる構成とされたが、
いずれか一方に設けられていてもかまわない。また、本
実施形態において、塗布装置は、三つのエッジを有する
3ブロック型の塗布装置とされたが、バックエッジとド
クターエッジの二つのエッジからなる2ブロック型の塗
布装置において、ドクターエッジを上記第2ドクターエ
ッジと同様の構成としてもよい。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以下に記載されるような効果
を奏する。請求項1、請求項3に記載の発明によれば、
最終エッジやスムーザーエッジの走行方向に沿って下流
側の角部に、0.01mm以下の面取りあるいは丸みが
形成されているので、可撓性帯状支持体上に均一な膜厚
で塗付液を塗布することができる。
【0031】また、請求項2、請求項4に記載の発明に
よれば、最終エッジやスムーザーエッジの耐摩耗性及び
耐食性を高めて欠けや摩耗及び腐食による先端部分の形
状変化を低減し、長期間に亙り均一な厚さで塗付液を塗
布することができる。
【0032】また、請求項5に記載の発明によれば、さ
らに長期間に亙り先端部分の形状変化を低減し、均一な
厚さで塗付液を塗布することができる。
【0033】また、請求項6に記載の発明によれば、さ
らに長期間に亙り先端部分の形状変化を低減し、均一な
厚さで塗付液を塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による塗布装置の一実施形態を示す図
であって、塗布装置を構成する塗布ヘッドの斜視図であ
る。
【図2】 本発明による塗布装置の塗布ヘッドの部分を
拡大して示す図であって、塗布ヘッドと可撓性帯状支持
体との関係を示す説明図である。
【図3】 本発明による塗布装置の塗布ヘッドとスムー
ザーの位置関係を示す図である。
【図4】 従来の塗布装置を示す概略図である。
【図5】 従来の塗布装置における問題点を示す説明図
である。
【符号の説明】
11…第1スロット 12…第2スロット 13…バックエッジ 14…第1ドクターエッジ 15…第2ドクターエッジ(最終エッジ) 16…バックエッジ先端 17…第1ドクターエッジ先端 18…第2ドクターエッジ先端(最終エッジ) 18a…先端面 18b…背面 18c…角部 19…可撓性帯状支持体 20A,20B…塗布液 30…スムーザー 31…スムーザーエッジ 31a…スムーザー先端面 31b…スムーザー背面 31c…角部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 努 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 株式会社リョウテック耐摩工具工場 内 Fターム(参考) 4F041 AA12 AB01 BA05 BA12 BA13 BA14 BA17 CA02 CA12 5D112 CC08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一の方向に走行する可撓性帯状支持体の
    上に塗布液を塗布する塗布ヘッドを備え、前記塗布ヘッ
    ドは、前記可撓性帯状支持体の走行方向に順次配置され
    た少なくとも二つのエッジを有し、互いに隣り合うエッ
    ジの間には、前記塗布液が前記可撓性帯状支持体に向か
    って流通するスロットが各々形成されるとともに、前記
    塗布ヘッドの先端で開口された流出口から前記塗布液が
    それぞれ流出して前記可撓性帯状支持体に塗布されるよ
    う構成された塗布装置であって、 前記走行方向に沿って最後に配置される最終エッジの前
    記可撓性帯状支持体を臨む側に先端面が形成されるとと
    もに、前記最終エッジの前記走行方向に沿った下流側に
    背面が形成され、前記先端面と前記背面の交差領域の角
    部には、0.01mm以下の面取りあるいは丸みが形成
    されていることを特徴とする塗布装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の塗布装置において、 前記エッジのうち、少なくとも前記最終エッジの先端
    は、コバルトを4〜20重量%と、クロムを0.3〜
    3.0重量%および/またはバナジウムを0.1〜3.
    0重量%と、残部が平均粒径が1μm以下とされた炭化
    タングステンと不可避不純物とからなる超硬合金から形
    成されていることを特徴とする塗布装置。
  3. 【請求項3】 一の方向に走行する可撓性帯状支持体の
    上に塗布液を塗布する塗布ヘッドを備え、前記塗布ヘッ
    ドは、前記可撓性帯状支持体の走行方向に順次配置され
    た少なくとも二つのエッジを有し、互いに隣り合うエッ
    ジの間には、前記塗布液が前記可撓性帯状支持体に向か
    って流通するスロットが各々形成されるとともに、前記
    塗布ヘッドの先端で開口された流出口から前記塗布液が
    それぞれ流出して前記可撓性帯状支持体に塗布されるよ
    う構成され、 前記可撓性帯状支持体の走行方向に沿って前記塗布ヘッ
    ドの下流側に前記塗布ヘッドから離間されて配置される
    とともに、先端側を前記可撓性帯状支持体に当接させて
    前記可撓性帯状支持体に塗布された前記塗付液を均すス
    ムーザーを有してなる塗布装置であって、 前記塗布ヘッドの前記走行方向に沿って最後に配置され
    る最終エッジの前記可撓性帯状支持体を臨む側に先端面
    が形成されるとともに、前記最終エッジの前記走行方向
    に沿った下流側に背面が形成され、 前記スムーザーの先端側にはスムーザーエッジが設けら
    れ、該スムーザーエッジの前記可撓性帯状支持体を臨む
    側にスムーザー先端面が形成されるとともに、前記スム
    ーザーエッジの前記走行方向に沿った下流側にスムーザ
    ー背面が形成され、 前記最終エッジの前記先端面と前記背面の交差領域の角
    部、及び、前記スムーザー先端面と前記スムーザー背面
    の交差領域の角部には、0.01mm以下の面取りある
    いは丸みが形成されていることを特徴とする塗布装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の塗布装置において、 前記塗布ヘッドの前記エッジのうち、少なくとも前記最
    終エッジの先端と、前記スムーザーエッジの先端とは、
    コバルトを4〜20重量%と、クロムを0.3〜3.0
    重量%および/またはバナジウムを0.1〜3.0重量
    %と、残部が平均粒径が1μm以下とされた炭化タング
    ステンと不可避不純物とからなる超硬合金から形成され
    ていることを特徴とする塗布装置。
  5. 【請求項5】 請求項2、請求項4のいずれかに記載の
    塗布装置において、 前記超硬合金は、硬さがロックウェル硬度のAスケール
    で90.0(HRA)以上とされていることを特徴とす
    る塗布装置。
  6. 【請求項6】 請求項2、請求項4のいずれかに記載の
    塗布装置において、 前記超硬合金は、HIP処理が施されてなることを特徴
    とする塗布装置。
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WO2018168234A1 (ja) 2017-03-14 2018-09-20 日産自動車株式会社 ダイヘッド装置、塗布方法および積層体形成装置
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