JP4348871B2 - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4348871B2
JP4348871B2 JP2001052714A JP2001052714A JP4348871B2 JP 4348871 B2 JP4348871 B2 JP 4348871B2 JP 2001052714 A JP2001052714 A JP 2001052714A JP 2001052714 A JP2001052714 A JP 2001052714A JP 4348871 B2 JP4348871 B2 JP 4348871B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
edge
tip
support
flexible belt
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001052714A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002254007A (ja
Inventor
努 福田
謙二 茂木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2001052714A priority Critical patent/JP4348871B2/ja
Publication of JP2002254007A publication Critical patent/JP2002254007A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4348871B2 publication Critical patent/JP4348871B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行する可撓性帯状支持体に、有機物ないしは無機物、もしくはこれらの複合物からなるゲル状・液状の塗布液を、均一に、しかも薄く塗布する塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、長尺なフィルムやシート等の可撓性帯状支持体の表面に塗付液を薄く塗布して薄層を形成する塗布装置として、例えば特公平6−77712号公報(以下、第1の従来技術という)に示されるものがある。
【0003】
第1の従来技術に示される塗布装置は、図3に示すように塗布ヘッドを有し、この塗布ヘッドが第1スロット1を形成するバックエッジ2及び第1ドクターエッジ3と、この第1ドクターエッジ3と共に第2スロット4を形成する第2ドクターエッジ5とを備えた構成とされている。
バックエッジ2、第1ドクターエッジ3、及び第2ドクターエッジ5の可撓性帯状支持体8に臨む側には、各々、可撓性帯状支持体8に圧接せしめられる先端面21,31,51が形成され、さらに、隣接するバックエッジ2と第1ドクターエッジ3の互いに向き合う側には、第1スロット1を構成する離間された平らな側面22,32が、また、第1ドクターエッジ3と第2ドクターエッジ5の互いに向き合う側には、第2スロット4を構成する離間された平らな側面34,52がそれぞれ形成されている。そして、先端面21と側面22とが交差する稜線がバックエッジ2の刃先23とされ、先端面31と側面32とが交差する稜線が第1ドクターエッジ3の第1の刃先33とされ、先端面31と側面34とが交差する稜線が第1ドクターエッジ3の第2の刃先35とされ、先端面51と側面52とが交差する稜線が第2ドクターエッジ5の刃先53とされている。
【0004】
塗布ヘッドの内部には、第1スロット1,第2スロット4に連通する断面略円形状をなすポケット6a,6bが形成されている。そして、図示しない給液手段から配管7a,7bを介して矢印方向B1,B2に塗布液がそれぞれ送液され、ポケット6a,6bに液溜めされ、該ポケット6a,6bから第1スロット1,第2スロット4の各流出口に押し出され、矢印方向C1,C2に吐出されるように構成されている。
【0005】
可撓性帯状支持体8は、図示されぬ可撓性帯状支持体8の送り手段によって、バックエッジ2側からバックエッジ2,第1ドクターエッジ3,第2ドクターエッジ5に向う矢印方向Aに走行するようになっている。
【0006】
この可撓性帯状支持体8の走行時、図4に示すように、ポケット6a内の第1の塗布液91が第1スロット1から吐出され、可撓性帯状支持体8の片面に塗布される。その後、可撓性帯状支持体8の走行方向の下流側に位置し、かつポケット6b内から第2スロット4の流出口に押し出された第2の塗布液92が、第1の塗布液91の上に重ね塗りされる。このように、可撓性帯状支持体8の走行時、各塗布液91,92が前後して吐出され、可撓性帯状支持体8に二層の塗布液91,92が塗布される。
このとき、バックエッジ2,第1ドクターエッジ3,第2ドクターエッジ5のそれぞれの刃先23,33,35,53が第1スロット1と第2スロット4の流出口の形状をそれぞれ精度良く画成して、塗付液91,92の流量と可撓性帯状支持体8に塗布される膜厚とが設定されるようになっている。
また、塗付液中には、無機物質からなる硬質分散粒子や、樹脂や溶媒等の各種添加物が含まれており、摩耗や腐食が著しいため、バックエッジ2,第1ドクターエッジ3,第2ドクターエッジ5といったエッジは、特許第304815号公報(以下、第2の従来技術という)に開示されているように、高い剛性、耐摩耗性、及び耐食性を有する超硬合金から形成され、先端の形状精度や面精度を維持して、形成される薄層に対して均一な膜厚が得られる構成とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように塗布ヘッドの先端部分に超硬合金からなるエッジを設けてその強度と靭性を増すとともに、スロットから常に一定の流量で塗付液が吐出されるような構成にした場合でも、被膜構造の多層化の要求に伴って上述の如き複数のスリットを有する塗布ヘッドが使用されるようになってきていることに加え、塗布される膜の薄層化、高速塗布化、さらには、塗布面積の増大化によって、剛性、耐摩耗性、耐腐食性とも十分ではなくなってきている。
その一つとして、塗布される膜の薄層化への移行に伴い、エッジの刃先の歪みによって発生する塗付液の厚さの不均一さが、形成される層全体の厚さに対して無視できなくなってきているという問題があった。刃先の歪みは、エッジの先端の加工精度にもよるが、これに加えて、エッジの先端の剛性にも依存する。すなわち、エッジの先端は、走行する可撓性帯状支持体から受ける応力、換言すれば塗付液が可撓性帯状支持体に塗布されて引き伸ばされる際の粘弾性応力、可撓性帯状支持体に塗布ヘッドが押し付けられることによって受ける可撓性帯状支持体の張力、塗付液を吐出する際の塗付液からの圧力等の様々な力を受ける。ところが、例えば、塗付液を薄く、そして速く塗布したり、塗布面積を拡大するために可撓性帯状支持体の幅寸法を広げ、エッジの先端も長くすると、これらによってエッジの先端に加わる力も増し、この力にエッジの先端の剛性が抗しきれず、刃先の真直度が低下して均一な膜厚が得られないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、可撓性帯状支持体に均一な厚さで塗付液を塗布し、薄層を形成することのできる塗布装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、可撓性帯状支持体の走行方向に沿って複数のエッジが順番に配置されている塗布ヘッドにおいて、可撓性帯状支持体側に形成されたエッジの先端面のうねりと、隣り合うエッジとの間でスロットを構成するよう該エッジに形成された平らな側面のうねりとをそれぞれ低減し、先端面と側面とが交差してなる刃先の真直度を向上させることにより、可撓性帯状支持体に塗布される塗付液の厚さを幅方向に沿って均一にできること、このとき、エッジの先端が十分なヤング率を有することにより、塗布中にエッジの先端が受ける力に抗して刃先の真直度を保つことができ、均一な厚さで塗付液を塗布することができること、そして、エッジの少なくとも先端が炭化タングステンを主成分とする超硬合金製から形成され、この超硬合金は、炭化タングステンの粒子間に所定の成分を有する結合相金属が均一に配合されて硬度と靭性が高められていること、また、炭化タングステンの粒子間の結合力を高める高温熱処理の下で炭化タングステンの粒成長を抑制する粒成長抑制剤が添加されていること、炭化タングステンの平均粒径が十分小さいことによって十分なヤング率を有することができるという知見を得て本発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明は、一の方向に走行する可撓性帯状支持体の上に塗布液を塗布する塗布ヘッドを備え、前記塗布ヘッドが、前記可撓性帯状支持体の走行方向に順次配置された少なくとも二つのエッジを有し、前記エッジは、前記可撓性帯状支持体に臨む側に各々先端面を有し、隣接する二つのエッジの互いに向き合う側にそれぞれ平らな側面が設けられるとともに、これらの間が離間されて、前記塗布液が前記可撓性帯状支持体に向かって流通するスロットが形成され、前記エッジの先端で開口される前記スロットの流出口から前記塗布液が流出して前記可撓性帯状支持体に塗布されるよう構成された塗布装置であって、前記エッジの前記側面と前記先端面とが交差してなる稜線が前記エッジの刃先とされるとともに、前記刃先の真直度が3μm以下とされ、かつ、前記エッジの先端のヤング率が500GPa以上〜700GPa以下とされていることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、刃先の真直度が3μmとなるような加工精度でエッジの先端が加工される。そして、これにより、スロットの流出口から流出される塗付液の流量がエッジの長手方向、すなわち、可撓性帯状支持体の幅方向に沿って場所によらず一定となり、可撓性帯状支持体上に形成される薄層の膜厚を幅方向に沿って均一にすることができる。すなわち、可撓性帯状支持体上に、例えば4μm以下の薄層を形成する場合には、可撓性帯状支持体の幅方向に沿って膜厚の偏差を10%以下に抑えることができる。
エッジの刃先は、エッジの先端面とエッジの側面とが交差してなる稜線上に形成されている。したがって、エッジの刃先の歪みは、それぞれの面が互いに他方の面によって切断され、それぞれの面上のうねりが交差稜線上に現れることによって形成されたものである。例えば、仮に一方の面が理想的な平面で、他方の面にうねりがあるとすると、刃先の歪みは、平らな一方の面による他方の面の断面の稜線の歪みである。それぞれの面にうねりがある場合は、刃先の歪みは、それぞれの面のうねりが重なり合って大きくなるか、もしくは、逆に打ち消し合って小さくなる。しかしながら、刃先の真直度は、概ねそれぞれの面を互いに他方の面に沿った方向の平面で切断したときの稜線の歪みによって評価することができる。そこで、ここでいう刃先の真直度とは、JIS B 0021に規定される線の真直度公差であるとする。そして、エッジの先端面、もしくは、エッジの側面に沿った方向の平面に刃先を投影したときの二つの平行な直線の間に挟まれた領域を公差域とする。刃先の真直度が3μm以下ということは、エッジの先端面、エッジの側面、いずれの方向の平面に刃先を投影してもその公差域が3μmを上回らないということである。このことが実現されるためには、エッジの先端面、及び、エッジの側面のいずれの面においても、交差稜線付近で少なくともうねりが3μm以下でなければならない。なお、塗布ヘッドに設けられるエッジのうち、可撓性帯状支持体の走行方向に沿って二番目以降に配置されるドクターエッジと呼ばれるエッジは、先端面が可撓性帯状支持体の走行方向に沿って湾曲した曲面から形成されていてもよい。この場合、エッジの先端面の方向とは、エッジの側面との交差稜線で先端面に接する接平面の方向とする。
また、エッジの先端が十分なヤング率を有することで、エッジの先端の剛性を保つことができ、塗布中にエッジの先端に加わる様々な力に抗して刃先の真直度の低下が最小限に抑えられ、均一な厚さで塗付液を塗布することができる。
このようにして、刃先の真直度を高めることで、可撓性帯状支持体に均一な厚さで塗付液を塗布し、薄層を形成することができる。
【0012】
また、本発明の塗布装置では、前記エッジの少なくとも先端は、コバルトを4〜20重量%と、クロムを0.3〜3.0重量%および/またはバナジウムを0.1〜3.0重量%と、残部が平均粒径が1μm以下とされた炭化タングステンと不可避不純物とからなる超硬合金から形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明においては、エッジの先端を形成する超硬合金の硬質相が炭化タングステンからなるため、エッジの先端の靭性及び強度の向上を図ることができる。ここで、炭化タングステンは立方晶構造化合物であることから、その平均粒径を1μm以下として超硬合金の強度の低下を抑えることが好ましく、さらに、炭化タングステンの粒径をできるだけ均一なものとし、かつ、結合相中に均一に分散することがエッジの先端の強度及び靭性を向上する上で望ましい。
また、エッジの先端を形成する超硬合金の結合相を形成するコバルトは、4重量%を下回るとエッジの靭性が失われ、20重量%を上回るとエッジの耐摩耗性劣化が著しくなるため、4〜20重量%とされていることが好ましい。
また、エッジの先端の耐食性を高めるため、さらには、炭化タングステンの粒子間の結合力を高める高温熱処理の下で炭化タングステンの粒成長を抑制するため、エッジの先端を形成する超硬合金がクロムとバナジウムの少なくとも一方もしくは双方を含んでいることが好ましい。ここで、クロムは、0.3重量%を下回ると耐食性が得られず、3.0重量%を上回ると炭化クロムの有害な層が析出するため、0.3〜3.0重量%とされていることが好ましく、また、バナジウムは、0.1重量%を下回ると耐食性が得られず、3.0重量%を上回ると炭化バナジウムの有害な層が析出するため、0.1〜3.0重量%とされていることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による塗布装置を図面に基づき説明する。本発明の塗布装置は、一方向に走行するフィルムやシート等の可撓性帯状支持体の表面に塗付液を均一に塗布して薄層を形成する塗布装置に関するもので、その他の構成要素や用法に関して特に制限を設けない。
【0015】
図1及び図2に、本発明に係る塗布装置の一実施形態を示す。図において、塗布装置は、塗布ヘッド10を有し、この塗布ヘッド10が第1スロット11(スロット)を形成するバックエッジ13(エッジ)及び第1ドクターエッジ14(エッジ)と、第1ドクターエッジ14と共に第2スロット12(スロット)を形成する第2ドクターエッジ15(エッジ)とを備えて構成されている。さらに、可撓性帯状支持体19を矢印方向Aに送る図示されぬ送り手段を有している。
【0016】
これらバックエッジ13,第1,第2ドクターエッジ14,15は、可撓性帯状支持体19の走行方向Aに沿い順次配置されており、それぞれ鉄系合金からなるバックエッジ本体13a,第1,第2ドクターエッジ本体14a,15a(エッジ本体)と、これらバックエッジ本体13a,第1,第2ドクターエッジ本体14a,15aの可撓性帯状支持体19の側の先端部分にそれぞれ取り付けられ、可撓性帯状支持体19に圧接せしめられる超硬合金からなるバックエッジ先端16(エッジ先端)、第1ドクターエッジ先端17(エッジ先端)、第2ドクターエッジ先端18(エッジ先端)とから構成されている。
ここで、バックエッジ本体13a,第1,第2ドクターエッジ本体14a,15aは、JISの規定による炭素鋼S45Cとされ、また、バックエッジ先端16,第1,第2ドクターエッジ先端17,18を形成する超硬合金は、コバルトを4〜20重量%と、クロムを0.3〜3.0重量%および/またはバナジウムを0.1〜3.0重量%と、残部が平均粒径が1μm以下とされた炭化タングステンと不可避不純物とから構成されている。そして、この超硬合金のヤング率が500GPa以上〜700GPa以下とされている。
【0017】
バックエッジ先端16の可撓性帯状支持体19に臨む側には、平らな先端面16aが形成され、また、バックエッジ先端16の隣に配置された第1ドクターエッジ先端17に臨む側には、平らなスロット側面16b(側面)が設けられている。一方、第1ドクターエッジ先端17のドクターエッジ先端16bに臨む側は、平らなスロット側面17b(側面)とされ、これらスロット側面16bとスロット側面17bとの間が離間され、第1スロット11が形成されている。そして、先端面16aとスロット側面16bとが交差してなる稜線がバックエッジ先端16の刃先16cとされている。
また、第1ドクターエッジ先端17の可撓性帯状支持体19に臨む側には、可撓性帯状支持体19に沿って湾曲する先端面17aが形成され、この先端面17aとスロット側面17bとが交差してなる稜線が第1ドクターエッジ先端17の第1の刃先17cとされている。さらに、第1ドクターエッジ先端17の第2ドクターエッジ先端18に臨む側には、平らなスロット側面17d(側面)が設けられ、このスロット側面17dと先端面17aとが交差してなる稜線が第1ドクターエッジ先端17の第2の刃先17eとされている。
また、第2ドクターエッジ先端18の可撓性帯状支持体19に臨む側には、可撓性帯状支持体19に沿って湾曲する先端面18aが形成され、また、第1ドクターエッジ先端17に臨む側には、平らなスロット側面18b(側面)が設けられている。先端面18aとスロット側面18bとが交差してなる稜線が第2ドクターエッジ先端18の刃先18cとされている。
これらの刃先16c,17c,17e,18cはそれぞれJIS B 0021に規定される線の真直度公差で0.5μm以上〜3μm以下となるよう加工形成されている。すなわち、先端面16a,17a,18a、もしくは、スロット側面16b,17b,17d,18bに沿った方向の平面に刃先16c,17c,17e,18cをそれぞれ投影したときの二つの平行な直線の間に挟まれた領域を公差域とし、先端面16a,17a,18a、スロット側面16b,17b,17d,18b、いずれの方向の平面に刃先16c,17c,17e,18cを投影してもその公差域の幅が0.5μm以上〜3μm以下となるよう形成されている。なお、湾曲した第1ドクターエッジ先端17の先端面17aと第2ドクターエッジ先端18の先端面18aに沿った方向とは、これらの面に刃先17c,17e,18cで接する接平面の方向とする。
【0018】
塗布装置は、可撓性帯状支持体19の走行時、図示しない給液手段によって塗布液20A,20Bが供給され、該塗布液20A,20Bがポケット21,22及び第1スロット11,第2スロット12を流通し、それぞれの流出口から図中矢印C1,C2の方向へ吐出することにより、可撓性帯状支持体19の片面に塗布液20A,20Bが重ねて塗布されるように構成されている。
この場合の塗布液としては、本例では、積層セラミックスコンデンサのグリーンシートに用いられる母材シートを形成するためのものであり、例えば、誘電体セラミックス粉の含有液、及びその組成を若干変えた誘電体含有液等の二種類からなっている。
【0019】
このような構成の塗布装置においては、可撓性帯状支持体19が走行すると、給液手段によって塗布液20A,20Bがそれぞれ供給され、該塗布液20A,20Bがポケット21,22及び第1スロット11,第2スロット12を流通してそれぞれの流出口から図中C1,C2で示される方向に吐出され、可撓性帯状支持体19の片面に塗布される。この場合、可撓性帯状支持体19の片面上に塗布液20A,塗布液20Bが順次重なった状態で塗布される。
【0020】
この塗布時、刃先16c,17c,17e,18cの真直度が0.5μm以上〜3μm以下とされ、3μm以下の値とされているので、第1,第2スロット11,12の流出口から流出される塗付液20A,20Bの流量がバックエッジ先端16、第1,第2ドクターエッジ先端17,18の長手方向、すなわち、可撓性帯状支持体19の幅方向に沿って場所によらず一定となり、可撓性帯状支持体19上に形成される薄層の膜厚を幅方向に沿って均一にすることができる。すなわち、可撓性帯状支持体19上に、例えば4μm以下の薄層を形成する場合には、可撓性帯状支持体の幅方向に沿って膜厚の偏差を10%以下に抑えることができる。
【0021】
また、バックエッジ先端16、第1,第2ドクターエッジ先端17,18を形成する超硬合金のヤング率が500GPa以上〜700GPa以下とされることによって、バックエッジ先端16、第1,第2ドクターエッジ先端17,18は、走行する可撓性帯状支持体19から受ける応力、換言すれば塗付液20A,20Bが可撓性帯状支持体19に塗布されて引き伸ばされる際の粘弾性応力、可撓性帯状支持体19に塗布ヘッド10が押し付けられることによって受ける可撓性帯状支持体19の張力、塗付液20A,20Bを吐出する際の塗付液20A,20Bからの圧力等の様々な力に抗する十分な剛性を有するものとされ、塗布中においても刃先16c,17c,17e,18cの真直度を3μm以下に保つことができ、均一な厚さで塗付液20A,20Bを塗布することができる。
【0022】
また、バックエッジ先端16、第1,第2ドクターエッジ先端17,18を形成する超硬合金が、コバルトを4〜20重量%と、クロムを0.3〜3.0重量%および/またはバナジウムを0.1〜3.0重量%と、残部が平均粒径が1μm以下とされた炭化タングステンと不可避不純物とから形成されるているので、バックエッジ先端16、第1,第2ドクターエッジ先端17,18の靭性、耐摩耗性、及び耐食性を向上することができ、刃先16c,17c,17e,18cの真直度を保って均一な厚さで塗付液20A,20Bを塗布することができる。
【0023】
このように、本実施形態によれば、バックエッジ先端16の破損や変形が抑えられて可撓性帯状支持体19上への二つの塗布液20A,20Bの塗布条件を一定に保つことができ、これらの塗付液20A,20Bを均一にかつ安定した状態で塗布することができ、むらのない均一な二層の薄膜層を確実に得ることができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、エッジの先端面とエッジの側面とが交差してなる稜線に形成されたエッジの刃先の真直度が3μm以下とされ、かつ、エッジの先端のヤング率が500GPa以上〜700GPaとされているので、塗布中においても刃先の真直度を保って可撓性帯状支持体に均一な厚さで塗付液を塗布し、薄層を形成することができる。
【0025】
また、請求項2に記載の発明によれば、エッジの少なくとも先端は、コバルトを4〜20重量%と、クロムを0.3〜3.0重量%および/またはバナジウムを0.1〜3.0重量%と、残部が平均粒径が1μm以下とされた炭化タングステンと不可避不純物とからなる超硬合金から形成されているので、エッジの先端の靭性、耐摩耗性、及び耐食性を向上することができ、刃先の真直度を保って均一な厚さで塗付液を塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による塗布装置の一実施形態を示す塗布ヘッドの斜視図である。
【図2】 本発明の要部を示す拡大説明図である。
【図3】 従来の塗布装置を示す斜視図である。
【図4】 従来の塗布装置の要部を示す拡大説明図である。
【符号の説明】
11…第1スロット(スロット)
12…第2スロット(スロット)
13…バックエッジ(エッジ)
14…第1ドクターエッジ(エッジ)
15…第2ドクターエッジ(エッジ)
13a…バックエッジ本体(エッジ本体)
14a…第1ドクターエッジ本体(エッジ本体)
15a…第2ドクターエッジ本体(エッジ本体)
16…バックエッジ先端(エッジ先端)
17…第1ドクターエッジ先端(エッジ先端)
18…第2ドクターエッジ先端(エッジ先端)
16a,17a,18a…先端面
16b,17b,17d,18b…スロット側面(側面)
16c,17c,17e,18c…刃先
19…可撓性帯状支持体
20A,20B…塗布液

Claims (2)

  1. 一の方向に走行する可撓性帯状支持体の上に塗布液を塗布する塗布ヘッドを備え、前記塗布ヘッドが、前記可撓性帯状支持体の走行方向に順次配置された少なくとも二つのエッジを有し、前記エッジは、前記可撓性帯状支持体に臨む側に各々先端面を有し、隣接する二つのエッジの互いに向き合う側にそれぞれ平らな側面が設けられるとともに、これらの間が離間されて、前記塗布液が前記可撓性帯状支持体に向かって流通するスロットが形成され、前記エッジの先端で開口される前記スロットの流出口から前記塗布液が流出して前記可撓性帯状支持体に塗布されるよう構成された塗布装置であって、
    前記エッジの前記側面と前記先端面とが交差してなる稜線が前記エッジの刃先とされるとともに、前記刃先の真直度が3μm以下とされ、かつ、前記エッジの先端のヤング率が500GPa以上〜700GPa以下とされていることを特徴とする塗布装置。
  2. 請求項1に記載の塗布装置において、前記エッジの少なくとも先端は、コバルトを4〜20重量%と、クロムを0.3〜3.0重量%および/またはバナジウムを0.1〜3.0重量%と、残部が平均粒径が1μm以下とされた炭化タングステンと不可避不純物とからなる超硬合金から形成されていることを特徴とする塗布装置。
JP2001052714A 2001-02-27 2001-02-27 塗布装置 Expired - Lifetime JP4348871B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001052714A JP4348871B2 (ja) 2001-02-27 2001-02-27 塗布装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001052714A JP4348871B2 (ja) 2001-02-27 2001-02-27 塗布装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002254007A JP2002254007A (ja) 2002-09-10
JP4348871B2 true JP4348871B2 (ja) 2009-10-21

Family

ID=18913305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001052714A Expired - Lifetime JP4348871B2 (ja) 2001-02-27 2001-02-27 塗布装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4348871B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015025563A1 (ja) * 2013-08-20 2015-02-26 コニカミノルタ株式会社 ダイコーター、塗布装置、塗布方法および電磁波遮蔽フィルムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002254007A (ja) 2002-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102162090B (zh) 一种带涂层体
KR101779232B1 (ko) 기재 상에 불균일 코팅을 생성하기 위한 장치
JPWO2005068117A1 (ja) スローアウェイチップ
JP2007506560A (ja) バリを除去するための工具
SE509201C2 (sv) Aluminiumoxidbelagt verktyg
JP4348871B2 (ja) 塗布装置
JP4348870B2 (ja) 塗布装置
JP4352639B2 (ja) 塗布装置
JP2010005508A (ja) スロットコートガン
US6746537B2 (en) Coating apparatus
JP5235343B2 (ja) 接着剤塗布ノズルおよび接着剤塗布装置
JP2002066421A (ja) 塗布装置
KR20080039988A (ko) 도포 헤드
US5178497A (en) Electrodeposited reamer tool
JP2002248401A (ja) 塗布装置
JP2002248403A (ja) 塗布装置
JP2002248402A (ja) 塗布装置
US7597607B2 (en) Magnetic recording tape edge processing
JP4103596B2 (ja) 塗布工具および塗布装置
JP4103598B2 (ja) 塗布工具および塗布装置
JPH11207230A (ja) 塗布装置及び塗布方法
JPH02265674A (ja) 塗布装置
JP4103599B2 (ja) 塗布工具および塗布装置
JP2003181355A (ja) 塗工剤供給ノズル
JP6788234B2 (ja) ダイコータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090407

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090630

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090713

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4348871

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120731

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130731

Year of fee payment: 4

EXPY Cancellation because of completion of term