JP2003008027A - 薄膜トランジスタアレイおよびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

薄膜トランジスタアレイおよびそれを用いた液晶表示装置

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JP2003008027A
JP2003008027A JP2001194085A JP2001194085A JP2003008027A JP 2003008027 A JP2003008027 A JP 2003008027A JP 2001194085 A JP2001194085 A JP 2001194085A JP 2001194085 A JP2001194085 A JP 2001194085A JP 2003008027 A JP2003008027 A JP 2003008027A
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thin film
film transistor
insulating film
gate electrode
transistor array
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JP2001194085A
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English (en)
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Mamoru Furuta
守 古田
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多結晶シリコン薄膜トランジスタは高移動度
の特徴を活かし周辺駆動回路を内蔵可能であるが、反面
プロセス温度が高く走査配線材料にアルミニウム系材料
を使用することが困難であり大画面表示での信号遅延に
よる表示品位低下が課題。 【解決手段】 多結晶シリコン薄膜トランジスタアレイ
において、前記ゲート電極および走査信号配線はAlを
主成分とする材料から形成されており、かつ前記ゲート
絶縁膜と接触する全面および前記層間絶縁膜と接触する
面の少なくとも一部を高融点金属材料であるTi、M
o、Cr、Ta、Ni、Wあるいはそれらを少なくとも
主成分とする合金材料から形成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多結晶シリコン薄
膜トランジスタ(以下TFTと略す)の製造方法に関す
るものであり、特に液晶表示装置及びOLED表示装置
等に応用可能な技術である。
【0002】
【従来の技術】従来の多結晶シリコン薄膜トランジスタ
の製造方法に関してはいくつかの手法が提案されてい
る。
【0003】図4に従来例として多結晶シリコンを活性
層に用いたnチャネル薄膜トランジスタの製造方法の一
例を説明する。
【0004】図4(a)に示したように酸化シリコンコ
ートした透光性基板:11(高耐熱ガラス基板)上に非
晶質シリコン薄膜をプラズマ気相成長法(PCVD法)
により形成し、窒素雰囲気中で450℃の熱処理を行い
非晶質シリコン薄膜中の水素濃度を低減する。その後エ
キシマレーザー照射により非晶質シリコン薄膜を結晶化
し活性層となる多結晶シリコン薄膜:13を形成する。
前記多結晶シリコン薄膜を島状に加工し、ゲート絶縁
膜:14となる酸化シリコン薄膜を100nm形成す
る。前記酸化シリコン薄膜上に高融点金属であるMo−
W合金からなるゲート電極:15を300nm形成す
る。ゲート電極膜厚は300nmで配線抵抗は0.7Ω
/□である。ゲート電極形成後、ゲート電極をマスクと
してイオン注入法にて第一の不純物注入を行い、低濃度
不純物注入領域(n−領域):13bを形成する。第一
の不純物注入は燐(P)イオンを、加速電圧80KV、
ドーズ量3×1013/cm2にて注入した。第一の不純
物注入後、図4(b)に示したようにフォトレジスト:
25にて薄膜トランジスタのnチャネルLDD領域上に
フォトレジストを用いた注入マスクを形成したのち、n
チャネル薄膜トランジスタのソースおよびドレイン領域
形成のため燐イオンを高濃度に注入し(n+領域):1
3cを形成する。燐(P)イオンは加速電圧80KV、
ドーズ量1×1015/cm2にて注入した。燐イオン注
入後フォトレジストマスクを除去し、注入した不純物の
活性化処理をおこなう。活性化処理は400℃、2時間
行った。活性化処理後、図4(c)に示したように層間
絶縁膜:16を500nm形成する。層間絶縁膜形成
後、コンタクトホールを開口したのちソース・ドレイン
電極:21、22を形成する。ソースおよびドレイン電
極形成後、窒化シリコン薄膜からなる保護絶縁膜を形成
する。最後に水素雰囲気にて400℃、2時間の熱処理
を行い窒化シリコン薄膜中の水素を多結晶シリコン膜中
へ拡散させ膜中の結晶欠陥を補償する(水素化)ことに
より薄膜トランジスタが完成する。(図4(d))
【0005】
【発明が解決しようとする課題】非晶質シリコン薄膜ト
ランジスタをスイッチング素子に用いた液晶表示装置用
アクティブマトリックスアレイにおいては大画面表示化
の市場要望が強く、対角28インチサイズを超える商品
が市場に提供されつつある。画面サイズの増大はゲート
配線抵抗増大による信号遅延が表示品位に大きな影響を
及ぼすため、大画面表示用アクティブマトリックスアレ
イは配線抵抗の低いAl、又はその合金をゲート配線材
料として用いるのが一般的である。しかしながら一般的
によく知られているようにAl、又はその合金は耐熱温
度が低く配線形成後のプロセス温度の制約が強い。
【0006】多結晶シリコン薄膜トランジスタはその大
きな移動度の特徴を活かし駆動回路を同一基板上に形成
できるため、液晶表示装置の製造コストを低減する手法
の一つとして注目される技術である。しかしながら多結
晶シリコン薄膜トランジスタは非晶質シリコン薄膜トラ
ンジスタ作製プロセスに対し約100℃程度プロセス温
度が高いためゲート配線にAl、又はその合金を用いた
場合はヒロックの形成やそれによるゲート、ソース配線
間ショート等の課題がある。多結晶シリコン薄膜トラン
ジスタのゲート配線材料としてAl、又はその合金を用
いる場合は表面を陽極酸化し保護膜を形成したりあるい
は高融点金属材料Mo、W、Ta、Cr等を用いるのが
一般的である。しかしながらAl、もしくはその合金表
面を陽極酸化する場合にはその作製プロセスが非常に複
雑となり、また高融点金属材料を用いる場合にはその配
線抵抗(信号遅延)に起因する表示課題が大画面表示パ
ネル作成時の大きな課題となる。
【0007】本発明では、かかる事情に鑑み、多結晶シ
リコン薄膜トランジスタを用い、かつ大画面化が容易な
低抵抗ゲート配線形成手法を提供することを目的とす
る。
【0008】また、本発明は請求項1又は請求項2のい
ずれかに記載の薄膜トランジスタアレイと、OLED層
(オーガニック・ライティング・エミッション・ダイオ
ード層)をとを有することを特徴とするOLED表示装
置である。
【0009】また、本発明は請求項3から請求項7のい
ずれかに記載の薄膜トランジスタアレイの製造方法と、
薄膜トランジスタアレイにOLED層(オーガニック・
ライティング・エミッション・ダイオード層)を設ける
OLED層の製造工程とからなるOLED表示装置の製
造方法である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述する課題を解決する
ため本発明は、透光性基板上に活性層となる多結晶シリ
コン薄膜を有し、前記多結晶シリコン薄膜上にゲート絶
縁膜を有し、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を有し、
前記ゲート電極上に層間絶縁膜を有し、前記層間絶縁膜
上にソースおよびドレイン配線を少なくとも有する多結
晶シリコン薄膜トランジスタにおいて、前記ゲート電極
はAlを主成分とする材料から形成されており、かつ前
記ゲート絶縁膜と接触する全面および前記層間絶縁膜と
接触する面の少なくとも一部を高融点金属材料であるT
i、Mo、Cr、Ta、Ni、W又はそれらを少なくと
も主成分とする合金材料から形成する。
【0011】また本発明の製造方法として、透光性基板
上に活性層となる多結晶シリコン薄膜を形成する工程を
有し、前記多結晶シリコン薄膜上にゲート絶縁膜を形成
する工程を有し、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形
成する工程を有し、前記ゲート電極をマスクに前記多結
晶シリコン薄膜の少なくとも一部に自己整合にて不純物
を導入する工程を有し、前記不純物注入後層間絶縁膜を
形成する工程を少なくとも有する多結晶シリコン薄膜ト
ランジスタの製造方法において、前記ゲート電極はAl
を主成分とする材料から形成されており、かつ前記ゲー
ト絶縁膜と接触する全面および前記層間絶縁膜と接触す
る面の少なくとも一部を高融点金属材料であるTi、M
o、Cr、Ta、Ni、W又はそれらを少なくとも主成
分とする合金材料から形成されていることを特徴とす
る。
【0012】さらに前記不純物を導入する工程としては
イオン化した不純物を加速して注入する手法を用い、前
記ゲート電極形成時に用いたフォトレジストを除去する
ことなく前記イオン化した不純物を加速して注入するこ
とを特徴とする。
【0013】また前記層間絶縁膜の形成手法としてプラ
ズマ気相成長法を用い、前記層間絶縁膜は異なる少なく
とも2種類以上の基板温度T1,T2を用いて形成され
ており、前記層間絶縁膜のゲート電極と接する領域を形
成する時の基板温度T1をそれ以外の領域を形成する時
の基板温度T2より低く設定することを特徴とする。ま
た前記層間絶縁膜の形成手法としてプラズマ気相成長法
を用い、前記層間絶縁膜は異なる少なくとも2種類以上
の放電電力P1,P2を用いて形成されており、前記層
間絶縁膜のゲート電極と接する領域を形成する時の放電
電力P1をそれ以外の領域を形成する時の放電電力P2
より低く設定することを特徴とする。
【0014】前記層間絶縁膜の形成後にパルスレーザー
照射により前記多結晶シリコン薄膜の少なくとも一部に
導入した不純物を活性化する工程を有することを特徴と
する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。 (実施の形態1)まず、本発明の実施の形態1につい
て、図面を参照して説明する。
【0016】図1は本発明の製造方法を用いたLDD構
造を有するnチャネル薄膜トランジスタの工程断面図の
一例である。まず、図1に示したように酸化シリコンを
表面コートしたガラス基板11上に非晶質シリコン薄膜
をプラズマCVD法により50nmの膜厚で形成する。
非晶質シリコンを窒素中にて450℃、60分の熱処理
を行い膜中の水素濃度を低減した後、エキシマレーザー
照射にて非晶質シリコン薄膜を結晶化し多結晶シリコン
薄膜13を形成する。多結晶シリコン薄膜を薄膜トラン
ジスタの形状に加工し、ゲート絶縁膜14である酸化シ
リコンを100nm形成する。ゲート絶縁膜の形成には
プラズマCVD法を用い、テトラエトキシオキシシラン
(TEOS)と酸素の混合ガスを流量比1:50、基板
温度300℃、真空度170Pa,放電電力1.5W/
cm2にて形成した。酸化シリコン上にゲート電極15
を形成する。ゲート電極は酸化シリコンと接するように
チタン(Ti)15aを100nm、チタン上にアルミ
ニウム15bを180nm、アルミニウム上にチタン
(Ti)15cを80nm形成した計360nmの3層
構成にて形成した。これにより配線抵抗は0.2Ω/□
と従来例で示したMo−W合金使用時に比較してゲート
配線抵抗を1/3以下に低減できた。ゲート電極の加工
にはリアクティブイオンエッチング法を用い、塩素(C
l)と三塩化ホウ素(BCl3)の混合ガスを流量比
1:2、真空度3Pa,放電電力0.5W/cm2にて
加工した。
【0017】前記リアクティブイオンエッチング法にて
一括でゲート配線材料(3層構成)をゲート電極の形状
に加工した後イオンドーピング法にて燐を加速電圧70
KV、注入ドーズ量3×1013/cm2注入する。イオ
ンドーピング法は水素ガスに5%濃度のPH3を混合し
たガスを高周波放電にてプラズマ分解し、生成したイオ
ンを質量分離工程なく薄膜トランジスタに注入してい
る。本実施例では低濃度(LDD)不純物注入時にはゲ
ート電極をマスクに自己整合にて不純物を注入してい
る。このときマスクとなるゲート電極にも不純物イオン
や水素イオンが注入されるためゲート電極の構成材料で
あるAlにイオンダメージが形成される。Alにイオン
ダメージが形成されると以降の熱工程でより低温でヒロ
ックが形成されるようになるため、不純物注入時にはゲ
ート電極加工時に用いたフォトレジストを残した状態で
注入しゲート電極へ不純物イオンが注入されることを極
力防止することが望ましい。第一の不純物注入後、図1
(b)に示したようにフォトレジスト:25にて薄膜ト
ランジスタのLDD領域上にフォトレジストを用いた注
入マスクを形成したのち、第二の不純物注入を行い薄膜
トランジスタのソース及びドレイン領域となる高濃度不
純物注入領域(n+領域):13cを形成する。第二の
不純物注入として燐(P)イオンを加速電圧70KV、
ドーズ量1×10 15/cm2にて注入した。第二の不純
物注入後フォトレジストマスクを除去し、図1(c)に
示したように層間絶縁膜:16を350nm形成した。
本実施例の層間絶縁膜にはプラズマCVD法にて形成し
た酸化シリコンを用いた。酸化シリコンはテトラエトキ
シオキシシラン(TEOS)と酸素の混合ガスを流量比
1:15、真空度100Pa、放電電力 1W/cm2
にて形成した。層間絶縁膜の成膜には2種類の基板温度
を用いており、ゲート電極と接する成膜初期16a(2
00nm)は基板温度280℃で成膜を行い、残りの1
6b(150nm)は基板温度350℃で成膜を行っ
た。このように2段階の基板温度で成膜を行う目的は、
ゲート配線材料の側面のAlをヒロックの発生しない温
度で成膜した酸化シリコンで被覆した後、成膜温度を増
大させることでゲート電極側面のAlのヒロック発生を
防止しつつ層間絶縁膜の膜質を維持し層間ショート等の
不良が発生を防止することにある。本実施例では成膜温
度のみを2段階に設定したが、第一の層間絶縁膜を形成
する場合の放電電力を低電力化することでプラズマダメ
ージを低減でき層間絶縁膜成膜時のゲート配線材料側面
のAlヒロック発生防止効果はより向上する。具体的に
は成膜初期16aの200nmの放電電力を0.8W/
cm2に設定し残り16b(150nm)の放電電力を
1W/cm2に設定することでより効果を高めることが
できた。
【0018】層間絶縁膜形成後注入した不純物の活性化
を目的に、400℃、1時間の活性化を行った。通常の
Al配線では400℃での熱処理を行うと多くのヒロッ
クが形成されるが、本実施例で示した3層構成のゲート
配線では下層チタンが熱処理によるゲート絶縁膜からの
水分拡散によるAlヒロックの発生を防止し、上層チタ
ンは層間絶縁膜との熱反応によるAlヒロックの形成を
抑える働きをし、さらに側面に関してはヒロックの形成
されない低温で形成された層間絶縁膜でカバーされてい
るため400℃程度のアニールを行ってもヒロックの発
生は観察されず、Al配線材料を用いつつプロセス温度
を大幅に引き上げることが可能となった。
【0019】本実施例では活性化処理に熱アニールを用
いたがエキシマレーザー等を用いたレーザー活性化を行
っても同等の効果が得られる。エキシマレーザー活性化
を行う場合ゲート電極にAlを用いる場合、レーザー照
射による熱で表面ヒロックが形成されるという課題が存
在するため従来例中に記載したようにAlの表面を陽極
酸化し保護膜を形成する必要がある。本発明の薄膜トラ
ンジスタはレーザー活性化を行う場合ゲート電極表面は
Ti薄膜にて保護されているため、Al表面を陽極酸化
する等の特別な手段を用いなくともレーザー活性化処理
時のヒロック発生を防止できる。
【0020】不純物の活性化処理後、図1(c)に示す
ようにドライエッチングにてコンタクトホールを開口し
た。ドライエッチングは四弗化炭素(CF4)と三弗化
炭素(CHF3)の混合ガスを用い真空度13.3Pa
(100mTorr)、放電電力2W/cm2でエッチ
ングした。コンタクトホール開口後、チタン(Ti)を
100nm、チタン上にアルミニウムを180nm、ア
ルミニウム上にチタン(Ti)を80nm形成した計3
60nmの3層構成にてソース・ドレイン電極:21、
22形成した。本発明にてゲート配線電極にAlを主構
成材料とする3層配線を用いることが可能になったこと
で、低抵抗が要求されるソース配線の材料、膜構成、膜
厚をゲート配線材料と同一に設定することが可能となっ
た。これにより成膜装置ならびにエッチング装置の共用
化が図れ大幅に生産性を向上させることが可能となっ
た。
【0021】ソースおよびドレイン電極形成後、図1
(d)に示すようにプラズマCVD法にて窒化シリコン
薄膜(400nm)からなる保護絶縁膜23を形成し、
水素雰囲気にて350℃1時間の熱処理を行い薄膜トラ
ンジスタが完成する。
【0022】(実施の形態2)次に、本発明の実施の形
態2を図面を参照して説明する。
【0023】図2は本発明の製造方法を用いたpチャネ
ル薄膜トランジスタの工程断面図の一例である。基本的
な作製工程は実施の形態1に記載したものと同等である
ため重複する製造条件に関しては記載しない。
【0024】まず、図2(a)に示したように酸化シリ
コンを表面コートしたガラス基板11上に非晶質シリコ
ン薄膜をプラズマCVD法により50nmの膜厚で形成
する。非晶質シリコンを窒素中にて450℃、60分の
熱処理を行い膜中の水素濃度を低減した後、エキシマレ
ーザー照射にて非晶質シリコン薄膜を結晶化し多結晶シ
リコン薄膜13を形成する。多結晶シリコン薄膜を薄膜
トランジスタの形状に加工し、ゲート絶縁膜14である
酸化シリコンを100nm形成する。酸化シリコン上に
ゲート電極15を形成する。ゲート電極は酸化シリコン
と接するようにチタン(Ti)15aを100nm、チ
タン上にアルミニウム15bを180nm、アルミニウ
ム上にチタン(Ti)15cを80nm形成した計36
0nmの3層構成にて形成した。ゲート電極の加工には
リアクティブイオンエッチング法を用い、一括でゲート
配線材料(3層構成)をゲート電極の形状に加工した。
ゲート電極加工後、加工時に用いたフォトレジストマス
ク25を残した状態でイオンドーピング法にてホウ素を
加速電圧70KV、注入ドーズ量1×1015/cm 2
入する。イオンドーピング法は水素ガスに20%濃度の
26を混合したガスを高周波放電にてプラズマ分解
し、生成したイオンを質量分離工程なく薄膜トランジス
タに注入する。第一の実施例ではゲート電極をマスクに
自己整合にて不純物を注入するのはLDD領域形成の低
濃度注入(第一の実施例ではドーズ量3×1013/cm
2注入)に対して、第二の実施例で示したpチャネル薄
膜トランジスタのソースおよびドレイン領域形成を目的
とした注入では2桁近くドーズ量が増大しゲート電極あ
るいは走査配線へのイオンダメージも大きくなる。この
ためゲート電極加工時に用いたフォトレジストを残した
状態でホウ素イオンを注入することで、ゲート電極の構
成材料であるAlにイオンダメージが形成されることを
防止する効果がより増大する。
【0025】ホウ素イオン注入後、図2(b)に示した
ように層間絶縁膜:16を400nm形成した。本実施
例の層間絶縁膜にはプラズマCVD法にて形成した酸化
シリコンを用いた。酸化シリコンはテトラエトキシオキ
シシラン(TEOS)と酸素の混合ガスを用いて成膜し
ており、第一の実施例に記載したものと同様ゲート電極
と接する成膜初期(200nm)16aは基板温度28
0℃で成膜を行い、残りの16b(150nm)は基板
温度350℃で成膜を行った。本実施例では成膜温度の
みを2段階に設定したが、第一の層間絶縁膜を形成する
場合の放電電力を低電力化することでプラズマダメージ
を低減でき層間絶縁膜成膜時のゲート配線材料側面のA
lヒロック発生防止効果がより向上する点も第一の実施
例と同様である。層間絶縁膜形成後注入した不純物の活
性化を目的に、400℃、1時間の活性化を行った。
【0026】不純物の活性化処理後、ドライエッチング
にてコンタクトホールを開口した。ドライエッチングは
四弗化炭素(CF4)と三弗化炭素(CHF3)の混合ガ
スを用い真空度13.3Pa(100mTorr)、放
電電力2W/cm2でエッチングした。コンタクトホー
ル開口後、チタン(Ti)を100nm、チタン上にア
ルミニウムを180nm、アルミニウム上にチタン(T
i)を80nm形成した計360nmの3層構成にてソ
ース・ドレイン電極:21、22形成した。ソースおよ
びドレイン電極形成後、プラズマCVD法にて窒化シリ
コン薄膜(400nm)からなる保護絶縁膜23を形成
し、水素雰囲気にて350℃1時間の熱処理を行い薄膜
トランジスタが完成する。(図2(c)) (実施の形態3)次に、本発明の実施の形態3を図面を
参照して説明する。
【0027】図3は実施の形態1および2で記載したア
クティブマトリックスアレイを用いて作製した液晶表示
装置の構成断面図の一例で、画素部を拡大表示したもの
である。透光性基板11上に形成したアクティブマトリ
ックスアレイ基板と対向基板43の間に配向膜46を介
して液晶47が保持されており薄膜トランジスタをスイ
ッチング素子として画素電極17を駆動して液晶を充電
し画像表示を行っている。本発明の液晶表示装置は薄膜
トランジスタを直列に接続したものを画素駆動用に用い
ている。走査電極配線および補助容量配線は実施例に記
載したようにチタン(Ti)を100nm、チタン上に
アルミニウムを180nm、アルミニウム上にチタン
(Ti)を80nm形成した計360nmの3層構成で
形成し配線抵抗を大幅に低減している。これにより本発
明の薄膜トランジスタを画素電極のスイッチング素子に
用いた液晶表示装置のクロストークが大幅に改善し表示
品位が良好で大画面化が可能な液晶表示装置を実現でき
た。なお、本発明の薄膜トランジスタアレイにOLED
層を付加することにより、OLED表示装置が得られ
る。ちなみにOLEDは、オーガニック・ライティング
・エミッション・ダイオードの略語である。
【0028】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明の薄膜トランジスタアレイを用いることで非
晶質シリコン薄膜トランジスタに比較して作製プロセス
温度が高い多結晶シリコン薄膜トランジスタアレイにお
いて低抵抗であるアルミニウムを主構成材料とするゲー
ト電極および走査信号配線を形成することが可能となっ
た。これにより従来多結晶シリコン薄膜トランジスタの
ゲート電極および走査信号配線に一般的に用いられてい
た高融点金属材料に比較してその配線抵抗を1/3以下
に低減することが可能となった。これにより本発明を用
いて作製した液晶表示装置及びOLED表示装置においては
大面積表示を行った場合の配線遅延による表示品位課題
を解決することができた。これにより多結晶シリコン薄
膜トランジスタを用いた大画面、高精細表示デバイスの
実現という有効な効果を得ることができ、産業的価値が
大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)から(d)は本発明の薄膜トランジスタ
の製造方法の第一の実施例における断面工程図
【図2】(a)から(c)は本発明の薄膜トランジスタ
の製造方法の第二の実施例における断面工程図
【図3】本発明の液晶表示装置の断面図
【図4】(a)から(d)は従来の薄膜トランジスタの
作製工程断面図断面図
【符号の説明】
11 ガラス基板 13 多結晶シリコン 13b 低濃度不純物注入領域(LDD領域) 13c 高濃度不純物注入領域(ソース及びドレイン領
域) 14 酸化シリコン薄膜(ゲート絶縁膜) 15 ゲート電極 15a チタン 15b アルミニウム 15c チタン 16 層間絶縁膜(酸化シリコン:条件1) 16b 層間絶縁膜(酸化シリコン:条件2) 18 画素電極 21,22 ソース及びドレイン電極 23 保護絶縁膜(窒化シリコン) 25 フォトレジスト 26 平坦化膜 41 ブラックマトリックス 42 偏光板 43 対向基板 44 カラーフィルター 45 透明導電層 46 配向膜 47 液晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/35 H01L 21/265 604M H01L 21/265 604 21/28 301L 21/28 301 21/285 301R 21/285 301 H05B 33/14 A 29/43 H01L 29/78 617L H05B 33/14 619A 29/62 G Fターム(参考) 2H092 JA25 JA29 JA35 JA37 JA47 KA04 KA12 MA05 MA07 MA14 MA15 MA16 MA18 MA19 MA20 MA28 MA35 MA37 3K007 AB17 AB18 CA01 EB00 FA01 FA03 4M104 AA09 BB05 BB13 BB14 BB16 BB17 BB18 CC05 EE05 EE12 FF13 GG09 HH03 HH16 5C094 AA02 AA21 AA43 BA03 BA29 BA43 CA19 CA24 DA14 DA15 DB01 DB04 EA04 EA07 EB02 ED03 ED14 FB12 FB14 FB15 5F110 AA03 BB01 CC02 DD02 DD13 EE02 EE03 EE04 EE11 EE15 FF02 FF30 GG02 GG13 GG25 GG45 HJ01 HJ04 HJ12 HJ18 HJ23 HL02 HL03 HL04 HL12 HM15 NN03 NN23 NN24 NN35 PP03 PP35 QQ04 QQ11 QQ24

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性基板上に活性層となる多結晶シリ
    コン薄膜を有し、前記多結晶シリコン薄膜上にゲート絶
    縁膜を有し、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を有し、
    前記ゲート電極上に層間絶縁膜を有し、前記層間絶縁膜
    上にソースおよびドレイン電極ならびにデータ信号配線
    を少なくとも有する多結晶シリコン薄膜トランジスタア
    レイにおいて、前記ゲート電極および走査信号配線はA
    lを主成分とする材料から形成されており、かつ前記ゲ
    ート絶縁膜と接触する全面および前記層間絶縁膜と接触
    する面の少なくとも一部を高融点金属材料であるTi、
    又はMo、又はCr、又はTa、又はNi、又はW、又
    はTi、Mo、Cr、Ta、Ni、W、のいずれかを主
    成分とする合金材料から形成されていることを特徴とす
    る薄膜トランジスタアレイ。
  2. 【請求項2】 前記ゲート電極および走査信号配線と前
    記ソースおよびドレイン配線ならびにデータ信号配線と
    を同一材料構成および同一膜厚で形成することを特徴と
    する請求項1記載の薄膜トランジスタアレイ。
  3. 【請求項3】 透光性基板上に活性層となる多結晶シリ
    コン薄膜を形成する工程を有し、前記多結晶シリコン薄
    膜上にゲート絶縁膜を形成する工程を有し、前記ゲート
    絶縁膜上にゲート電極および走査信号配線を形成する工
    程を有し、前記ゲート電極をマスクに前記多結晶シリコ
    ン薄膜の少なくとも一部に自己整合にて不純物を導入す
    る工程を有し、前記不純物注入後層間絶縁膜を形成する
    工程を少なくとも有する多結晶シリコン薄膜トランジス
    タの製造方法において、前記ゲート電極および走査信号
    配線はAlを主成分とする材料から形成されており、か
    つ前記ゲート絶縁膜と接触する全面および前記層間絶縁
    膜と接触する面の少なくとも一部を高融点金属材料であ
    るTi、又はMo、又はCr、又はTa、又はNi、又
    はW、又はTi、Mo、Cr、Ta、Ni、W、のいず
    れかを主成分とする合金材料から形成されていることを
    特徴とする薄膜トランジスタアレイの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記不純物を導入する工程としてイオン
    化した不純物を加速して注入する手法を用い、前記ゲー
    ト電極および走査信号配線形成時に用いたフォトレジス
    トを除去することなく前記イオン化した不純物を加速し
    て注入することを特徴とする請求項3記載の薄膜トラン
    ジスタアレイの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記層間絶縁膜の形成手法としてプラズ
    マ気相成長法を用い、前記層間絶縁膜は異なる少なくと
    も2種類以上の基板温度T1,T2を用いて形成されて
    おり、前記層間絶縁膜のゲート電極および走査信号配線
    と接する領域を形成する時の基板温度T1をそれ以外の
    領域を形成する時の基板温度T2より低く設定すること
    を特徴とする請求項3又は請求項4のいずれかに記載の
    薄膜トランジスタアレイの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記層間絶縁膜の形成手法としてプラズ
    マ気相成長法を用い、前記層間絶縁膜は異なる少なくと
    も2種類以上の放電電力P1,P2を用いて形成されて
    おり、前記層間絶縁膜のゲート電極および走査信号配線
    と接する領域を形成する時の放電電力P1をそれ以外の
    領域を形成する時の放電電力P2より低く設定すること
    を特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の
    薄膜トランジスタアレイの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記層間絶縁膜の形成後にパルスレーザ
    ー照射により前記多結晶シリコン薄膜の少なくとも一部
    に導入した不純物を活性化する工程を有することを特徴
    とする請求項3から請求項6のいずれかに記載の薄膜ト
    ランジスタアレイの製造方法。
  8. 【請求項8】 多結晶シリコン薄膜を活性層とした薄膜
    トランジスタを少なくとも表示電極駆動用の薄膜トラン
    ジスタに用いた液晶表示装置において、前記薄膜トラン
    ジスタのゲート電極および薄膜トランジスタアレイの走
    査信号配線の少なくとも一部が請求項1又は請求項2の
    いずれかに記載の薄膜トランジスタアレイを有すること
    を特徴とする液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 多結晶シリコン薄膜を活性層とした薄膜
    トランジスタを少なくとも表示電極駆動用の薄膜トラン
    ジスタに用いた液晶表示装置において、前記薄膜トラン
    ジスタのゲート電極および薄膜トランジスタアレイの走
    査信号配線の少なくとも一部が請求項3から請求項7の
    いずれかに記載の薄膜トランジスタアレイの製造方法を
    用いて作製される薄膜トランジスタアレイを有すること
    を特徴とする液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 請求項1又は請求項2のいずれかに記
    載の薄膜トランジスタアレイと、OLED層(オーガニ
    ック・ライティング・エミッション・ダイオード層)を
    とを有することを特徴とするOLED表示装置。
  11. 【請求項11】 請求項3から請求項7のいずれかに記
    載の薄膜トランジスタアレイの製造方法と、薄膜トラン
    ジスタアレイにOLED層(オーガニック・ライティン
    グ・エミッション・ダイオード層)を設けるOLED層
    の製造工程とからなるOLED表示装置の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7160768B2 (en) 2003-07-10 2007-01-09 Seiko Epson Corporation Method of manufacturing electronic device and method of manufacturing semiconductor device
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CN1746755B (zh) * 2004-09-09 2010-08-11 乐金显示有限公司 液晶显示器件及其制造方法
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