JP3362026B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
は絶縁性の表面を有する物体全体を指し、特に断らない
かぎり、ガラス等の絶縁材料のみならず、半導体や金属
等の材料上に絶縁物層を形成したものも意味する)上に
薄膜状の絶縁ゲイト型半導体装置(薄膜トランジスタ、
TFTともいう)が形成された集積回路およびそれを形
成する方法に関する。本発明による半導体集積回路は、
液晶ディスプレー等のアクティブマトリクス回路および
その周辺駆動回路やイメージセンサー等の駆動回路、あ
るいはSOI集積回路や従来の半導体集積回路(マイク
ロプロセッサーやマイクロコントローラ、マイクロコン
ピュータ、あるいは半導体メモリー等)に使用されるも
のである。
液晶表示装置やイメージセンサー等の回路をガラス基板
上に形成する場合において、薄膜トランジスタ(TF
T)を集積化して利用する構成が広く知られている。こ
の場合には、通常、最初にゲイト電極を含む1層目の配
線を形成し、その後、層間絶縁物を形成した後、2層目
の配線を形成する方法が一般的であり、必要に応じて
は、さらに3層目、4層目の配線を形成することもあっ
た。
ジスタの集積回路における最大の問題点はゲイト電極の
延長上の配線(ゲイト配線)と、2層目の配線の交差す
る部分(乗り越え部)における2層目の配線の断線(段
切れ、ともいう)であった。これは、ゲイト電極・配線
上の層間絶縁物をステップカバレージよく形成し、さら
に、平坦化することが困難なためであった。図4には従
来のTFT集積回路でよく見られた断線不良の様子を示
したものである。基板上にTFT領域401とゲイト配
線402が設けられており、これらを覆って、層間絶縁
物403が形成されている。しかしながら、ゲイト配線
402のエッジが急峻であると、層間絶縁物403がゲ
イト配線を十分に被覆することができない。そして、こ
のような状態において、2層目の配線404、405を
形成した場合には、ゲイト配線の乗り越え部406にお
いて、2層目配線が図に示すように断線(段切れ)して
しまう。
の配線の厚みを増すことが必要であった。例えば、ゲイ
ト配線の2倍程度の厚さにすることが望まれた。しか
し、このことは、集積回路の凹凸がさらに増加すること
を意味し、その上にさらに配線を重ねることが必要な場
合には、2層目配線の厚みによる断線も考慮しなければ
ならなかった。また、液晶ディスプレーのように集積回
路の凹凸が好まれない回路を形成する場合には、2層目
配線の厚みを増すことによる対処は実質的に不可能であ
った。集積回路においては、段切れが1か所でも存在す
ると、全体が不良となってしまうため、段切れをいかに
減らすかが重要な課題であった。本発明は、このような
段切れ不良を減らす方法を提供し、よって集積回路の歩
留りを上げることを課題とする。
ト電極・配線を形成後、少なくとも上面、好ましくは側
面にも、プラズマCVD法やスパッタ法によって、窒化
珪素膜を形成し、さらに、ゲイト電極・配線の側面に異
方性エッチングによって概略三角形状の絶縁物(サイド
ウォール)を形成したのち、層間絶縁物を堆積し、さら
に、2層目の配線を形成することを特徴とする。窒化珪
素は、サイドウォールを構成する材料である酸化珪素を
ドライエッチング法によってエッチングする条件では、
エッチングレートが小さく、エッチングストッパーとし
て使用することが可能である。
なものである。まず、島状の半導体層を形成する。さら
に、その上にゲイト絶縁膜となる被膜を形成する。さら
に、ゲイト電極・配線を形成する。その後、プラズマC
VD法によって窒化珪素を100〜2000Å、好まし
くは、200〜1000Åの膜厚に成膜する。ここで、
他のCVD法、または、スパッタ法等によって成膜して
もかまわない。ここまでが第1の段階である。
る。この被膜形成においては被覆性が重要であり、ま
た、ゲイト電極・配線の高さの1/3〜2倍の厚さが好
適である。この目的には、プラズマCVD法や減圧CV
D法、大気圧CVD法等の化学的気相成長(CVD)法
が好ましい。そして、このように形成された絶縁物を異
方性エッチングによって基板に対して概略垂直な方向に
優先的にエッチングする。エッチングの終了は、窒化珪
素表面であり、その下のゲイト電極・ゲイト絶縁膜がエ
ッチングされることはない。その結果、ゲイト電極・配
線の側面のごとき、段差部では、もともと該絶縁物被膜
が厚いので、概略三角形城の絶縁物(サイドウォール)
が取り残される。ここまでが第2の段階である。
Tのソース/ドレインの一方もしくが双方にコンタクト
ホールを形成し、2層目の配線を形成する。ここまでが
第3の段階である。上記、第2の段階でサイドウォール
を形成した後、引続き、ドライエッチングで窒化珪素膜
をエッチングしてもかまわない。このエッチングはエン
ドポイントモニター等で観測しながらおこなうと、なお
好ましい。この窒化珪素膜のエッチング工程では、エッ
チングがモニターを用いて、制御性良くおこなわれ、か
つ、エッチングされる窒化珪素膜の厚さは100〜20
00Åであるので、オーバーエッチがあるとしても、そ
の深さは、ゲイト電極・ゲイト絶縁膜の厚さに比べて非
常に小さく、実質的に、ゲイト電極・ゲイト絶縁膜に影
響を与えることは皆無である。
同一材料であり、かつ、窒化珪素でない場合に有効であ
る。すなわち、窒化珪素膜をエッチングしてから層間絶
縁物を形成すると、コンタクトホールを形成する際にエ
ッチングを1段階でおこなうことができる。以上の各段
階において、TFTのソース/ドレイン等を形成するた
めにドーピングをおこなうにはさまざまなバリエーショ
ンが考えられる。例えば、基板上にNチャネル型TFT
のみを形成する場合には、第1段階と第2段階の間に、
比較的、高濃度のN型不純物をゲイト電極をマスクとし
て半導体層に自己整合的に導入すればよい。
合においても、低濃度ドレイン(LDD)を有するTF
T(LDD型TFT)を形成する場合には、第1段階と
第2段階の間に、比較的低濃度の不純物を半導体層に導
入したのち、第2段階と第3段階の間に、より高濃度の
N型不純物をゲイト電極およびサイドウォールをマスク
として自己整合的に半導体層に導入すればよい。この場
合には、LDDの幅はサイドウォールの幅と概略同一で
ある。基板上にPチャネル型TFTのみを形成する場合
も上記と同様にすればよい。
合には、第2段階と第3段階の間に高濃度不純物をゲイ
ト電極およびサイドウォールをマスクとして自己整合的
に半導体層に導入すればよい。この場合には、オフセッ
トの幅はサイドウォールの幅と概略同一であり、このよ
うな構造のTFTにおいて、チャネル形成領域となる実
質的に真性の領域の幅は、ゲイト電極の幅に、その両側
面のサイドウォールの幅を加えたものと概略、等しい。
基板上にNチャネル型TFTとPチャネル型TFTを混
在させた、いわゆる相補型回路(CMOS回路)を形成
することも上記の方法を使用して同様におこなえる。N
チャネル型TFTおよびPチャネル型TFTともに通常
のTFTで構成する場合、もしくは、共にLDD型TF
Tで構成するには不純物の導入は、上記に示したNチャ
ネル型もしくはPチャネル型のTFTの一方のみを基板
上に形成する方法における不純物の導入を、N型不純物
とP型不純物についてそれぞれおこなえばよい。
ャネル型TFTはLDD型とし、その必要がないPチャ
ネル型TFTは通常のTFTとする場合には、不純物導
入の工程はやや特殊なものとなる。その場合には、第1
段階と第2段階の間に、比較的低濃度のN型不純物を半
導体層に導入する。これを第1の不純物導入とする。こ
の際には、Pチャネル型TFTの半導体層にもN型不純
物を導入してもよい。さらに、Nチャネル型TFTの半
導体層をマスクして、Pチャネル型TFTの半導体層に
のみ高濃度のP型不純物を導入する。これを第2の不純
物導入とする。この不純物導入によって、仮に先のN型
不純物の導入によって、Pチャネル型TFTの半導体層
にN型不純物が存在したとしても、より高濃度のPチャ
ネル型不純物が導入された結果、半導体の導電型はP型
である。当然、第1の不純物導入において導入される不
純物濃度に比較すると、第2の不純物導入のそれはより
大きく、好ましくは、1〜3桁大きい。
レインを形成するために比較的、高濃度のN型不純物
を、第2段階と第3段階の間に導入する。これを第3の
不純物導入とする。この場合には、Pチャネル型TFT
にN型不純物が導入されないように、マスクして不純物
導入をおこなってもよいし、特にマスクをおこなわなく
てもよい。しかし、後者の場合には導入するN型不純物
の濃度は、第2の不純物導入で導入されたP型不純物の
濃度よりも小さいことが必要であり、好ましくは、第2
の不純物導入のP型不純物の濃度の1/10〜2/3で
ある。この結果、Pチャネル型TFTの領域にもN型不
純物が導入されるが、不純物濃度はその前に導入された
P型不純物の濃度よりも小さいために、P型は維持され
る。
てゲイト配線の乗り越え部分における層間絶縁物の段差
被覆性が向上し、第2配線の段切れを減らすことができ
る。また、上記に示したように、サイドウォールを利用
することにより、LDD構造、オフセット領域を得るこ
とも可能である。本発明においては、窒化珪素膜の存在
は重要である。上記の第2段階において、サイドウォー
ルを形成するために異方性エッチングをおこなう。しか
しながら、絶縁表面上においてはプラズマを制御するこ
とが難しく、基板内でのエッチングのばらつきは避けら
れないものであった。
線の高さの1/3〜2倍もあり、ばらつきの影響は非常
に大きくなってしまう。もし、ゲイト電極の上面に窒化
珪素膜が形成されていない場合には、同じ基板内であっ
ても、サイドウォールのエッチング工程において、場所
によってはゲイト電極・ゲイト絶縁膜が激しくエッチン
グされてしまうこともある。サイドウォールのエッチン
グの際に窒化珪素被膜が存在すれば、そこで、エッチン
グはストップし、ゲイト電極、ゲイト絶縁膜は保護され
る。なお、この後で窒化珪素膜をドライエッチング法に
よって除去する際には、そのエッチング深さは、サイド
ウォールのエッチング深さより格段に小さく、ゲイト電
極・ゲイト絶縁膜がオーバーエッチされることはあって
も、甚大な影響をもたらすことはない。以下に実施例を
示し、より詳細に本発明を説明する。
基板(コーニング7059、300mm×400mmも
しくは100mm×100mm)101上に下地酸化膜
102として厚さ1000〜5000Å、例えば、20
00Åの酸化珪素膜を形成した。この酸化膜の形成方法
としては、酸素雰囲気中でのスパッタ法を使用した。し
かし、より量産性を高めるには、TEOSをプラズマC
VD法で分解・堆積して形成してもよい。また、このよ
うに形成した酸化珪素膜を400〜650℃でアニール
してもよい。
によってアモルファス状のシリコン膜を300〜500
0Å、好ましくは400〜1000Å、例えば、500
Å堆積し、これを、550〜600℃の還元雰囲気に8
〜24時間放置して、結晶化せしめた。その際には、ニ
ッケル等の結晶化を助長する金属元素を微量添加して結
晶化を促進せしめてもよい。また、この工程は、レーザ
ー照射によっておこなってもよい。そして、このように
して結晶化させたシリコン膜をエッチングして島状領域
103を形成した。さらに、この上にゲイト絶縁膜とし
て、プラズマCVD法によって厚さ700〜1500
Å、例えば、1200Åの酸化珪素膜104を形成し
た。
ば、5000Åのアルミニウム膜をスパッタ法によって
形成して、これをエッチングし、ゲイト電極105およ
びゲイト配線106を形成した。アルミニウム膜には適
切な量のシリコン、銅、スカンジウム等を含有せしめる
と次に窒化珪素膜を形成する際にヒロックが発生するの
を抑制することができる。例えば、スカンジウムを添加
する場合には、0.1〜0.3wt%程度添加すればよ
い。(図1(A)) その後、NH3 /SiH4 /H2 混合ガスを用いたプラ
ズマCVD法によって窒化珪素107を100〜200
0Å、好ましくは、200〜1000Å、例えば、50
0Åの膜厚に成膜した。ここで、他のCVD法、また
は、スパッタ法等によって成膜してもかまわないが、ゲ
イト電極におけるステップカバレージが良いことが望ま
しい。
状シリコン膜103に、ゲイト電極部をマスクとして自
己整合的に不純物(ここでは燐)を注入し、図1(B)
に示すように低濃度不純物領域(LDD)108を形成
した。ドーズ量は1×1013〜5×1014原子/c
m2 、加速電圧は10〜90kV、例えば、、ドーズ量
を5×1013原子/cm2 、加速電圧は80kVとし
た。(図1(B)) そして、プラズマCVD法によって、酸化珪素膜109
を堆積した。ここでは、原料ガスにTEOSと酸素、も
しくはモノシランと亜酸化窒素を用いた。酸化珪素膜1
09の厚さはゲイト電極・配線の高さによって最適な値
が異なる。例えば、本実施例のごとく、ゲイト電極・配
線の高さが窒化珪素膜も含めて約5000Åの場合に
は、その1/3〜2倍の2000Å〜1.2μmが好ま
しい。ここでは、6000Åとした。この成膜工程にお
いては、平坦部での膜厚の均一性とともに、ステップカ
バレージが良好であることも要求される。その結果、ゲ
イト電極・配線の側面部の酸化珪素膜の厚さは、図1
(C)に点線で示す分だけ厚くなっている。(図1
(C))
エッチングをおこなうことによって、この酸化珪素膜1
09のエッチングをおこなった。このエッチングは窒化
珪素膜107までエッチングが達した時点で終了した。
窒化珪素膜は、RIE法による異方性ドライエッチング
ではエッチングされにくいため、ゲイト絶縁膜104の
までエッチングされることはない。以上の工程によっ
て、ゲイト電極・配線の側面には概略三角形状の絶縁物
(サイドウォール)110、111が残った。(図1
(D)) その後、再び、イオンドーピング法によって、燐を導入
した。この場合のドーズ量は、図1(B)の工程のドー
ズ量より1〜3桁多いことが好ましい。本実施例では、
最初の燐のドーピングのドーズ量の40倍の2×1015
原子/cm2 とした。加速電圧は80kVとした。この
結果、高濃度の燐が導入された領域(ソース/ドレイ
ン)113が形成され、また、サイドウォールの下部に
は低濃度領域(LDD)112が残された。(図1
(E))
248nm、パルス幅20nsec)を照射して、ドー
ピングされた不純物の活性化をおこなった。レーザーの
エネルギー密度は200〜400mJ/cm2 、好まし
くは250〜300mJ/cm2 が適当であった。本実
施例では、ゲイト電極としてアルミニウムを用いたが、
ゲイト電極は窒化珪素膜107で被覆されているため、
レーザー照射によって影響を受けることはなかった。な
お、レーザー照射に代えて、いわゆるラピッド・サーマ
ル・アニール(RTA)もしくはラピッド・サーマル・
プロセス(RTP)も用いることができる。最後に、全
面に層間絶縁物114として、CVD法によって酸化珪
素膜を厚さ5000Å形成した。そして、TFTのソー
ス/ドレインにコンタクトホールを形成し、2層目のア
ルミニウム配線・電極115、116を形成した。アル
ミニウム配線の厚さはゲイト電極・配線とほぼ同じ、4
000〜6000Åとした。
Dを有するTFTが完成された。不純物領域の活性化の
ために、さらに200〜400℃で水素アニールをおこ
なってもよい。2層目配線116はゲイト配線106を
乗り越える部分での段差が、サイドウォール111の存
在によって緩やかになっているため、2層目の配線の厚
さがゲイト電極・配線とほぼ同じであるにも関わらず、
段切れはほとんど観察されなかった。(図1(F))
明人の検討の結果、ゲイト電極・配線の厚さをx
〔Å〕、2層目配線の厚さをy〔Å〕とした場合に、 y≧x−1000〔Å〕 であれば、顕著な断線はなかった。yの値は小さければ
小さいほど好ましく、特に液晶ディスプレーのアクティ
ブマトリクス回路のように基板表面の凹凸の少ないこと
が要求される回路の場合には、 x−1000〔Å〕≦y≦x+1000〔Å〕 が適当であることがわかった。
施例は同一基板上にアクティブマトクス回路とその駆動
回路が同時に作製される、いわゆる、モノリシック型ア
クティブマトリクス回路に関するものである。本実施例
では、アクティブアトリクス回路のスイッチング素子に
はPチャネル型TFTを、駆動回路にはNチャネル型T
FTとPチャネル型TFTによって構成される相補型回
路用いた。図2の左側には、駆動回路で用いられるNチ
ャネル型TFTの作製工程断面図を、また、同図の右側
には、駆動回路ならびにアクティブマトリクス回路に用
いられるPチャネル型TFTの作製工程断面図を示す。
アクティブマトリクス回路のスイッチング素子にPチャ
ネル型TFTを用いたのは、リーク電流(オフ電流とも
いう)が小さいためである。
上に実施例1と同様に下地酸化膜202、島状シリコン
半導体領域、ゲイト酸化膜として機能する酸化珪素膜2
03を形成し、アルミニウム膜(厚さ5000Å)によ
るゲイト電極204、205を形成した。その後、実施
例1と同様に窒化珪素膜206を、厚さ100〜200
0Å、例えば、1000Åに形成した。そして、ゲイト
電極部をマスクとしてイオンドーピング法によって燐の
注入をおこない、低濃度のN型不純物領域207、20
8を形成した。ドーズ量は1×1013原子/cm2 とし
た。さらに、KrFエキシマーレーザー(波長248n
m、パルス幅20nsec)を照射して、ドーピングさ
れた不純物の活性化をおこなった。レーザーのエネルギ
ー密度は200〜400mJ/cm2 、好ましくは25
0〜300mJ/cm2 が適当であった。(図2
(A))
トレジスト209でマスクし、この状態で、イオンドー
ピング法によって高濃度のホウ素のドーピングをおこな
った。ドーズ量は5×1015原子/cm2 、加速電圧は
65kVとした。この結果、先の燐のドーピングによっ
て、弱いN型となった不純物領域208は強いP型に反
転し、P型不純物領域210となった。その後、再び、
レーザー照射によって、不純物の活性化をおこなった。
(図2(B)) フォトレジストのマスク209を除去した後、プラズマ
CVD法によって厚さ4000〜8000Åの酸化珪素
膜211を堆積した。(図2(C))
グによって、ゲイト電極の側面に酸化珪素のサイドウォ
ール212、213を形成した。(図2(D)) その後、再び、イオンドーピング法によって、燐を導入
した。この場合のドーズ量は、図2(A)の工程のドー
ズ量より1〜3桁多く、かつ、図2(B)の工程のドー
ズ量の1/10〜2/3が好ましい。本実施例では、最
初の燐のドーピングのドーズ量の200倍の2×1015
原子/cm2 とした。これは図2(B)の工程のホウ素
のドーズ量の40%である。加速電圧は80kVとし
た。この結果、高濃度の燐が導入された領域(ソース/
ドレイン)214が形成され、また、サイドウォールの
下部には低濃度不純物領域(LDD)215が残され
た。
248nm、パルス幅20nsec)を照射して、ドー
ピングされた不純物の活性化をおこなった。レーザーの
エネルギー密度は200〜400mJ/cm2 、好まし
くは250〜300mJ/cm2 が適当であった。一
方、Pチャネル型TFTの領域(図の右側)にも燐がド
ーピングされたのであるが、先にドーピングされたホウ
素の濃度が燐の2.5倍であるのでP型のままであっ
た。Pチャネル型TFTのP型領域は見掛け上、サイド
ウォールの下の領域217とその外側(チャネル形成領
域の反対側)の領域216の2種類存在するように思え
るが、電気的特性の面からは両者には大した差が見られ
なかった。(図2(E))
層間絶縁物218として、CVD法によって酸化珪素膜
を厚さ3000Å形成し、TFTのソース/ドレインに
コンタクトホールを形成し、アルミニウム配線・電極2
19、220、221、222を形成した。以上の工程
によって、Nチャネル型TFTがLDD型である半導体
集積回路が完成された。図では示されていないが、ゲイ
ト配線を2層目の配線が乗り越える部分では、層間絶縁
物がさして厚くないにも関わらず、実施例1と同様に断
線はほとんど見られなかった。
DD構造とするのはホットキャリヤによる劣化を防止す
るためである。しかし、LDD領域はソース/ドレイン
に対して直列に挿入された寄生抵抗であるので、動作速
度が落ちてしまうという問題があった。したがって、モ
ビリティーが小さく、ホットキャリヤによる劣化の少な
いPチャネル型TFTでは、本実施例のようにLDDが
存在しないほうが望ましい。なお、本実施例では、ドー
ピング工程ごとにレーザー照射によるドーピング不純物
の活性化をおこなったが、全てのドーピング工程が終了
し、層間絶縁物を形成する直前に、一括しておこなって
もよい。
施例はサイドウォールを用いてオフセット領域を形成し
たTFTの作製に関する例である。まず、基板301上
に下地酸化膜302として厚さ1000〜5000Å、
例えば、2000Åの酸化珪素膜を形成した。この酸化
膜の形成方法としては、TEOSをプラズマCVD法で
分解・堆積して形成した。また、このように形成した酸
化珪素膜を400〜650℃でアニールしてもよい。
によってアモルファス状のシリコン膜を300〜500
0Å、好ましくは400〜1000Å、例えば、500
Å堆積し、これを、550〜600℃の還元雰囲気に8
〜24時間放置して、結晶化せしめた。その際には、ニ
ッケル等の結晶化を助長する金属元素を微量添加して結
晶化を促進せしめてもよい。また、この工程は、レーザ
ー照射によっておこなってもよい。そして、このように
して結晶化させたシリコン膜をエッチングして島状領域
303を形成した。さらに、この上にプラズマCVD法
によって厚さ700〜1500Å、例えば、1200Å
の酸化珪素膜304を形成した。その後、厚さ1000
Å〜3μm、例えば、5000Åの燐をドーピングされ
た多結晶シリコン膜を減圧CVD法によって形成して、
これをエッチングし、ゲイト電極305およびゲイト配
線306を形成した。(図3(A))
中のプラズマCVD法によって窒化珪素307を100
〜2000Å、好ましくは、200〜1000Åの膜厚
に成膜した。ここで、スパッタ法等によって成膜しても
かまわない。そして、プラズマCVD法によって、酸化
珪素膜308を堆積した。ここでは、原料ガスにTEO
Sと酸素、もしくはモノシランと亜酸化窒素を用いた。
酸化珪素膜110の厚さはゲイト電極・配線の高さによ
って最適な値が異なる。例えば、本実施例のごとく、ゲ
イト電極・配線の高さが窒化珪素膜も含めて約6000
Åの場合には、その1/3〜2倍の2000Å〜1.2
μmが好ましく、ここでは、6000Åとした。この成
膜工程においては、平坦部での膜厚の均一性をともに、
ステップカバレージが良好であることも要求される。
(図3(B))
エッチングをおこなうことによって、この酸化珪素膜3
08のエッチングをおこなった。このエッチングは窒化
珪素膜307までエッチングが達した時点で終了した。
窒化珪素膜は、RIE法による異方性ドライエッチング
ではエッチングされにくいため、ゲイト絶縁膜304ま
でエッチングされることはない。以上の工程によって、
ゲイト電極・配線の側面には概略三角形状の絶縁物(サ
イドウォール)309、310が残った。(図3
(C))
を導入した。この場合のドーズ量は1×1014〜5×1
017原子/cm2 、加速電圧は10〜90kV、例え
ば、2×1015原子/cm2 、加速電圧は80kVとし
た。この結果、燐が導入された領域(ソース/ドレイ
ン)311が形成さた。また、サイドウォールの下部に
は燐が導入されず、オフセット領域が形成された。(図
3(D)) さらに、KrFエキシマーレーザー(波長248nm、
パルス幅20nsec)を照射して、ドーピングされた
不純物の活性化をおこなった。レーザーのエネルギー密
度は200〜400mJ/cm2 、好ましくは250〜
300mJ/cm2 が適当であった。なお、レーザー照
射による代わりに、熱アニールによっておこなってもよ
い。
CVD法によって酸化珪素膜を厚さ5000Å形成し
た。そして、TFTのソース/ドレインにコンタクトホ
ールを形成し、2層目のアルミニウム配線・電極31
3、314を形成した。アルミニウム配線の厚さはゲイ
ト電極・配線とほぼ同じ、4000〜6000Åとし
た。以上の工程によって、Nチャネル型のオフセットを
有するTFTが完成された。不純物領域の活性化のため
に、さらに200〜400℃で水素アニールをおこなっ
てもよい。2層目配線314はゲイト配線306を乗り
越える部分での段差が、サイドウォール310の存在に
よって緩やかになっているため、2層目の配線の厚さが
ゲイト電極・配線とほぼ同じであるにも関わらず、段切
れはほとんど観察されなかった。(図3(D))
施例は同一基板上に、Nチャネル型のオフセットを有す
るTFTと、同じくNチャネル型のLDDを有するTF
Tを作製したものである。まず、基板501上に実施例
1と同様に下地酸化膜502、島状シリコン半導体領
域、ゲイト酸化膜として機能する酸化珪素膜503を形
成し、アルミニウム膜(厚さ5000Å)によるゲイト
電極504、505を形成した。その後、実施例1と同
様に窒化珪素506を、厚さ100〜2000Å、例え
ば、1000Åに形成した。(図5(A))
をフォトレジスト507でマスクし、この状態で、LD
Dを有するTFT側にゲイト電極部をマスクとして、イ
オンドーピング法によって燐の注入をおこない、低濃度
のN型不純物領域508を形成した。ドーズ量は、例え
ば、1×1013原子/cm2 とした。さらに、KrFエ
キシマーレーザー(波長248nm、パルス幅20ns
ec)を照射して、ドーピングされた不純物の活性化を
おこなった。レーザーのエネルギー密度は200〜40
0mJ/cm2 、好ましくは250〜300mJ/cm
2 が適当であった。(図5(B)) フォトレジストのマスク507を除去した後、プラズマ
CVD法によって厚さ4000〜8000Å、例えば、
6000Åの酸化珪素膜509を堆積した。(図5
(C))
グによって、酸化珪素膜509をエッチングし、ゲイト
電極の側面に酸化珪素のサイドウォール510、511
を形成した。(図5(D)) その後、再び、イオンドーピング法によって、燐を導入
した。この場合のドーズ量は、図5(B)の工程のドー
ズ量より1〜3桁多いことが好ましい。本実施例では、
最初の燐のドーピングのドーズ量の200倍の2×10
15原子/cm2とした。そして、加速電圧は80kVと
した。この結果、高濃度の燐が導入された領域(ソース
/ドレイン)512、513が形成された。また、図5
(B)の工程において、マスクで覆った方のTFTには
サイドウォールの下部にオフセット領域が、低濃度の燐
をドーピングした方のTFTにはサイドウォールの下部
には低濃度不純物領域(LDD)514が残された。
248nm、パルス幅20nsec)を照射して、ドー
ピングされた不純物の活性化をおこなった。レーザーの
エネルギー密度は200〜400mJ/cm2 、好まし
くは250〜300mJ/cm2 が適当であった。(図
5(E)) 最後に、図5(F)に示すように、全面に層間絶縁物5
15として、CVD法によって酸化珪素膜を厚さ300
0Å形成し、TFTのソース/ドレインにコンタクトホ
ールを形成し、アルミニウム配線・電極516、51
7、518、519を形成した。以上の工程によって、
同一基板上に、Nチャネル型のオフセットを有するTF
Tと、Nチャネル型のLDDを有するTFTとを持つ半
導体集積回路が作製された。
層目の配線が乗り越える部分では、層間絶縁物がさして
厚くないにも関わらず、実施例1と同様に断線はほとん
ど見られなかった。なお、本実施例では、ドーピング工
程ごとにレーザー照射によるドーピング不純物の活性化
をおこなったが、全てのドーピング工程が終了し、層間
絶縁物を形成する直前に、一括しておこなってもよい。
図5では、Nチャネル型TFTについてのみ記載した
が、図2と同様に、同じ基板上にNチャネル型TFTと
Pチャネル型TFTの両方を形成し、CMOS回路を構
成してもよい。例えば、周辺回路とアクティブマトリク
ス回路が同一基板上に形成されたモノリシック型アクテ
ィブマトリクス回路においては、周辺回路には、動作速
度の早いLDD型のNチャネル型TFTと通常のNMO
S型TFTを用いたCMOS回路を、また、リーク電流
が低いことを要求されるアクティブマトリクス回路にお
いては、Nチャネル型もしくはPチャネル型のオフセッ
ト型のTFTを用いればよい。特にPチャネル型のオフ
セット型TFTはリーク電流を減らす上で効果的であ
る。もちろん、周辺回路においては、Nチャネル型、P
チャネル型ともLDD型TFTとしてもよい。
ず、基板601上に下地酸化膜として厚さ1000〜5
000Å、例えば、2000Åの酸化珪素膜602を形
成した。さらに、実施例1と同様に厚さ500Åの島状
シリコン領域を形成した。さらに、この上にゲイト絶縁
膜として、プラズマCVD法によって厚さ700〜15
00Å、例えば、1200Åの酸化珪素膜603を形成
した。その後、厚さ5000Åのアルミニウム膜によっ
て、ゲイト電極604およびゲイト配線605を形成し
た。さらに、プラズマCVD法によって窒化珪素606
を100〜2000Å、好ましくは、200〜1000
Å、例えば、500Åの膜厚に成膜した。
状シリコン膜に、ゲイト電極部をマスクとして自己整合
的に不純物(ここでは燐)を注入し、図6(A)に示す
ように低濃度不純物領域(LDD)607を形成した。
ドーズ量は1×1013〜5×1014原子/cm2 、加速
電圧は10〜90kV、例えば、、ドーズ量を5×10
13原子/cm2 、加速電圧は80kVとした。(図6
(A)) そして、プラズマCVD法によって、酸化珪素膜608
を堆積した。厚さは6000Åとした。この成膜工程に
おいては、平坦部での膜厚の均一性とともに、ステップ
カバレージが良好であることも要求される。(図6
(B))
ングをおこなうことによって、この酸化珪素膜608の
エッチングをおこなった。この際、エッチングは窒化珪
素膜606に達するまでおこなってもよいが、好ましく
は、図6(C)に示すように、窒化珪素膜606に達す
る直前でエッチングをストップさせ、酸化珪素膜608
がわずかに残った状態にしておくとよい。以上の工程に
よって、ゲイト電極・配線の側面には概略三角形状の絶
縁物(サイドウォール)609、610が形成された。
(図6(C)) そして、CH4 、O2 によるドライエッチングをおこな
う。このドライエッチングでは、窒化珪素膜上にわずか
に残った酸化珪素膜と、窒化珪素膜がエッチングされ
た。このエッチングは、エンドポイントモニター(プラ
ズマモニター)によって測定できるため、ゲイト電極・
ゲイト絶縁膜に対しては、オーバーエッチは問題とはな
らない。(図6(D))
て、燐を導入した。この場合のドーズ量は、図6(A)
の工程のドーズ量より1〜3桁多いことが好ましい。本
実施例では、最初の燐のドーピングのドーズ量の40倍
の2×1015原子/cm2 とした。加速電圧は80kV
とした。この結果、高濃度の燐が導入された領域(ソー
ス/ドレイン)611が形成され、また、サイドウォー
ルの下部には低濃度領域(LDD)612が残された。
さらに、KrFエキシマーレーザー(波長248nm、
パルス幅20nsec)を照射して、ドーピングされた
不純物の活性化をおこなった。レーザーのエネルギー密
度は200〜400mJ/cm2 、好ましくは250〜
300mJ/cm2 が適当であった。(図6(E))
CVD法によって酸化珪素膜を厚さ5000Å形成し
た。そして、TFTのソース/ドレインにコンタクトホ
ールを形成し、2層目のアルミニウム配線・電極61
4、615を形成した。アルミニウム配線の厚さはゲイ
ト電極・配線とほぼ同じ、4000〜6000Åとし
た。以上の工程によって、Nチャネル型のLDDを有す
るTFTが完成された。不純物領域の活性化のために、
さらに200〜400℃で水素アニールをおこなっても
よい。実施例1同様、2層目配線613はゲイト配線6
05を乗り越える部分での段差が、サイドウォール61
0の存在によって緩やかになっているため、2層目の配
線の厚さがゲイト電極・配線とほぼ同じであるにも関わ
らず、段切れはほとんど観察されなかった。(図6
(F))
ングし、ゲイト絶縁膜603を露出させた。この結果、
コンタクトホールの形成をウェットエッチング法によっ
ておこなう場合に、1段階でおこなうことができた。な
お、図6(E)からも明らかなように、このような窒化
珪素膜のエッチングの結果、窒化珪素膜はゲイト電極6
04もしくはゲイト配線605とサイドウォール60
9、610の間、あるいは、サイドウォール609、6
10とゲイト絶縁膜603の間にのみ、残った。
実施例は実施例2と同様に同一基板上にLDD型のNチ
ャネル型TFTと通常のPチャネル型TFTを形成する
例である。図7の左側にはNチャネル型TFTの作製工
程断面図を、また、同図の右側にはPチャネル型TFT
の作製工程断面図を示す。まず、基板(コーニング70
59)701上に下地酸化膜702、島状シリコン半導
体領域、ゲイト酸化膜として機能する酸化珪素膜703
を形成し、その後、厚さ5000Åのアルミニウム膜に
よって、ゲイト電極704、705を形成した。
ト酸化膜をゲイト電極704をマスクとして選択的に除
去し、半導体層を露出せしめた。その後、プラズマCV
D法によって窒化珪素706を100〜2000Å、好
ましくは、200〜1000Å、例えば、400Åの膜
厚に成膜した。そして、ゲイト電極部をマスクとしてイ
オンドーピング法によって燐の注入をおこない、低濃度
のN型不純物領域707を形成した。ドーズ量は1×1
013原子/cm2 、加速電圧は20keVとした。この
ドーピング工程においては、加速電圧が低いため、ゲイ
ト酸化膜703で被覆されているPチャネル型TFTの
島状領域708には燐はドーピングされなかった。(図
7(A))
トレジスト709でマスクし、この状態で、イオンドー
ピング法によって高濃度のホウ素のドーピングをおこな
った。ドーズ量は5×1014原子/cm2 、加速電圧は
65kVとした。この結果、島状領域708にはP型不
純物領域710が形成された。(図7(B)) なお、本実施例では、低濃度の燐の全面ドーピングの後
に、高濃度のホウ素の部分選択ドーピングをおこなった
が、この工程は逆にしてもよい。フォトレジストのマス
ク709を除去した後、プラズマCVD法によって厚さ
4000〜8000Åの酸化珪素膜711を堆積した。
(図7(C))
グによって、ゲイト電極の側面に酸化珪素のサイドウォ
ール712、713を形成した。(図7(D)) その後、再び、イオンドーピング法によって、燐を導入
した。この場合のドーズ量は、図7(A)の工程のドー
ズ量より1〜3桁多くなることが好ましい。本実施例で
は、最初の燐のドーピングのドーズ量の200倍の2×
1015原子/cm2 とした。加速電圧は20kVとし
た。この結果、高濃度の燐が導入された領域(ソース/
ドレイン)714が形成され、また、サイドウォールの
下部には低濃度不純物領域(LDD)715が残され
た。一方、Pチャネル型領域においては、ゲイト酸化膜
が存在するため、燐イオンは注入されなかった。実施例
2では、Pチャネル型TFTでは燐もホウ素も高濃度に
注入されるため、そのドーズ量の大小には制約があった
が、本実施例では、ドーズ量に関する制約はない。ただ
し、加速電圧に関しては、上記のように、燐を低く、ホ
ウ素を高くすることが必要である。(図7(E))
ーザー(波長248nm、パルス幅20nsec)を照
射して、ドーピングされた不純物の活性化をおこなっ
た。レーザーのエネルギー密度は200〜400mJ/
cm2 、好ましくは250〜300mJ/cm2 が適当
であった。最後に、図7(F)に示すように、全面に層
間絶縁物716として、CVD法によって酸化珪素膜を
厚さ5000Å形成し、TFTのソース/ドレインにコ
ンタクトホールを形成し、アルミニウム配線・電極71
7、718、719、720を形成した。以上の工程に
よって、Nチャネル型TFTがLDD型である半導体集
積回路が完成された。
チャネル型TFTの部分のゲイト酸化膜を除去するため
に、フォトリソグラフィー工程およびエッチング工程が
1つ余分に必要である。しかしながら、実質的にPチャ
ネル型TFTにはN型不純物が導入されないので、N
型、P型各不純物のドーズ量を比較的、任意に変更でき
るというメリットもある。また、Pチャネル型TFTの
ゲイト酸化膜703の表面近傍に注入された燐は、後の
レーザー照射工程によって、燐ガラスを形成し、ナトリ
ウム等の可動イオンの侵入を防止するうえで効果があ
る。
実施例はアクティブマトリクス型液晶ディスプレーの作
製方法に関し、図8を用いて説明する。図8の左側のT
FT2つは、それぞれ、LDD型のNチャネル型TF
T、通常型のPチャネル型TFTであり、周辺回路等に
用いられる論理回路を示す。また、右側のTFTはアク
ティブマトリクスアレーに用いられるスイッチングトラ
ンジスタであり、オフセット型のPチャネル型TFTを
示す。まず、基板(コーニング7059)上に下地酸化
膜、島状シリコン半導体領域(周辺回路用の島状領域8
01、アクティブマトリクス回路用の島状領域80
2)、ゲイト酸化膜として機能する酸化珪素膜803を
形成し、さらに、アルミニウム膜(厚さ5000Å)の
ゲイト電極804、805(周辺回路用)、806(ア
クティブマトリクス回路用)を形成した。
リクス回路用のPチャネル型TFTの部分のゲイト酸化
膜をゲイト電極804、806をマスクとして選択的に
除去し、半導体層を露出せしめた。その後、プラズマC
VD法によって窒化珪素808を100〜2000Å、
好ましくは、200〜1000Å、例えば、600Åの
膜厚に成膜した。さらに、アクティブマトリクス回路領
域をフォトレジスト807でマスクした。そして、ゲイ
ト電極部をマスクとしてイオンドーピング法によってホ
ウ素の注入をおこない、高濃度のP型不純物領域809
を形成した。ドーズ量は1×10 15原子/cm2 、加速
電圧は20keVとした。このドーピング工程において
は、加速電圧が低いため、ゲイト酸化膜803で被覆さ
れているNチャネル型TFTの領域にはホウ素はドーピ
ングされなかった。(図8(A))
度の燐のドーピングをおこなった。ドーズ量は1×10
13原子/cm2 、加速電圧は80kVとした。この結
果、Nチャネル型TFTの領域には低濃度のN型不純物
領域810が形成された。(図8(B)) なお、図面では、フォトレジストのマスク807を除去
してドーピングしてあるが、フォトレジストをつけたま
まドーピングをおこなってもよい。燐の加速電圧は高い
ので、フォトレジストを残したままドーピングをおこな
うと、燐がアクティブマトリクス回路領域に注入されな
いので、理想的なオフセット型のPチャネル型TFTが
得られるが、ドーピングの結果、フォトレジストが炭化
し、その除去に手間取ることがある。
加速電圧が高いため、燐の濃度は島状半導体領域の下に
おいてピークを生じる。もっとも、完全に燐がドーピン
グされないという保証はなく、微量の燐が半導体領域に
形成される。しかし、この場合に燐がドーピングされた
としても、その濃度は僅かであり、また、P+ (ソー
ス)/N- /I(チャネル)/N- /P+ (ドレイン)
という構造であり、リーク電流を減らすことが必要とさ
れているアクティブマトリクス回路用のTFTとしては
うってつけである。その後、プラズマCVD法によって
厚さ4000〜8000Åの酸化珪素膜を堆積し、実施
例2と同様に異方性エッチングによって、ゲイト電極の
側面に酸化珪素のサイドウォール811、812、81
3を形成した。(図8(C))
て、ホウ素を導入した。この場合のドーズ量は、図8
(A)の工程のドーズ量と同程度となることが望まし
い。本実施例では、ドーズ量は1×1015原子/c
m2 、加速電圧は20keVとした。加速電圧が低いた
め、ゲイト酸化膜803の存在するNチャネル型TFT
の領域にはホウ素はドーピングされず、主として、周辺
回路およびアクティブマトリクス回路のPチャネル型T
FTのソース/ドレインにドーピングされた。この結
果、アクティブマトリクス回路のTFTのソース/ドレ
イン814が形成された。このTFTはゲイト電極とソ
ース/ドレインが離れたオフセット構造となっている。
(図8(D))
場合には、最初の燐のドーピング工程である、図8
(B)のドーズ量より1〜3桁多くなることが好まし
い。本実施例では、最初の燐のドーピングのドーズ量の
50倍の5×1014原子/cm2 とした。加速電圧は8
0kVとした。この結果、高濃度の燐が導入された領域
(ソース/ドレイン)815が形成され、また、サイド
ウォールの下部には低濃度不純物領域(LDD)816
が残された。一方、Pチャネル型TFT領域において
は、燐イオンの多くは下地膜に注入され、その導電型に
大きな影響を与えることはなかった。(図8(E)) ドーピング工程の後、KrFエキシマーレーザー(波長
248nm、パルス幅20nsec)を照射して、ドー
ピングされた不純物の活性化をおこなった。レーザーの
エネルギー密度は200〜400mJ/cm2 、好まし
くは250〜300mJ/cm2 が適当であった。
して、CVD法によって窒化珪素膜を厚さ5000Å形
成し、TFTのソース/ドレインにコンタクトホールを
形成し、アルミニウム配線・電極818、819、82
0、821を形成した。以上の工程によって、周辺回路
領域が形成された。(図8(F)) さらに、第2の層間絶縁物822として、CVD法によ
って酸化珪素膜を厚さ3000Å形成し、これをエッチ
ングして、コンタクトホールを形成し、アクティブマト
リクス回路のTFTに透明導電膜によって、画素電極8
23を形成した。このようにして、アクティブマトリク
ス型液晶ディスプレー基板を作製した。(図8(G))
における2層目配線の断線を削減することができるのは
上記の通りである。特に集積回路は多数の素子、配線か
ら構成されているのであるが、その中に1か所でも不良
があると、全体が使用不能になる可能性がある。本発明
によってこのような不良の数を大幅に削減できることは
集積回路の良品率を高める上で非常に大きな効果を有す
ることは言うまでもない。
をゲイト電極・配線と同じ程度、具体的には、ゲイト電
極・配線±1000〔Å〕とすることも可能である。こ
のことによる効果は大きく、これは、基板表面の凹凸の
少ないことの要求される液晶ディスプレーのアクティブ
マトリクス回路には好適である。その他、本発明を使用
することによって派生的に得られるメリットは「作用」
の項で述べたとおりである。このように本発明はTFT
集積回路の歩留りを向上させる上で著しく有益である。
す。
す。
す。
Claims (3)
- 【請求項1】絶縁表面上に形成されたNチャネル型TF
T及びPチャネル型TFTを有し、 前記Nチャネル型TFTは第1のソース領域、第1のド
レイン領域、及びLDD領域を有する第1の半導体膜
と、第1のゲイト電極と、前記第1の半導体膜と前記第
1のゲイト電極の間、ならびに前記第1のソース領域、
前記第1のドレイン領域及び前記LDD領域上に設けら
れた第1の酸化膜とを有し、 前記Pチャネル型TFTは第2のソース領域及び第2の
ドレイン領域を有する第2の半導体膜と、第2のゲイト
電極と、前記第2の半導体膜と前記第2のゲイト電極の
間、ならびに前記第2のソース領域及び前記第2のドレ
イン領域上に設けられた第2の酸化膜とを有し、 前記第1のソース領域、前記第1のドレイン領域及び前
記LDD領域上の前記第1の酸化膜の上面、前記第1の
ゲイト電極の上面、前記第2のソース領域及び前記第2
のドレイン領域上の前記第2の酸化膜の上面、ならびに
前記第2のゲイト電極の上面に接して形成された窒化珪
素膜を有し、 前記第1のゲイト電極の側面及び前記窒化珪素膜の上面
に接して形成された第1のサイドウォールを有し、 前記第2のゲイト電極の側面及び前記窒化珪素膜の上面
に接して形成された第2のサイドウォールを有し、 前記第2のサイドウォールの高さと前記第2のソース領
域上または前記第2のドレイン領域上の前記窒化珪素膜
の厚さとの和は、前記第2のゲイト電極の厚さと前記第
2のゲイト電極の上面の前記窒化珪素膜の厚さとの和に
等しいことを特徴とする半導体装置。 - 【請求項2】絶縁表面上に形成されたNチャネル型TF
T及びPチャネル型TFTを有し、 前記Nチャネル型TFTは第1のソース領域、第1のド
レイン領域、及びLDD領域を有する第1の半導体膜
と、第1のゲイト電極と、前記第1の半導体膜及び前記
第1のゲイト電極の間に設けられた第1の酸化膜とを有
し、 前記Pチャネル型TFTは第2のソース領域及び第2の
ドレイン領域を有する第2の半導体膜と、第2のゲイト
電極と、前記第2の半導体膜及び前記第2のゲイト電極
の間、ならびに前記第2のソース領域及び前記第2のド
レイン領域上に設けられた第2の酸化膜とを有し、 前記第1のソース領域、前記第1のドレイン領域及び前
記LDD領域の上面、前記第1のゲイト電極の上面、前
記第2のソース領域及び前記第2のドレイン領域上の前
記第2の酸化膜の上面、ならびに前記第2のゲイト電極
の上面に接して形成された窒化珪素膜を有し、 前記第1のゲイト電極の側面及び前記窒化珪素膜の上面
に接して形成された第1のサイドウォールを有し、 前記第2のゲイト電極の側面及び前記窒化珪素膜の上面
に接して形成された第2のサイドウォールを有し、 前記第1のサイドウォールの高さと前記LDD領域上の
前記窒化珪素膜の厚さとの和は、前記第1のゲイト電極
の厚さと前記第1のゲイト電極の上面の前記窒化珪素膜
の厚さと前記第1の酸化膜の厚さとの和に等しく、 前記第2のサイドウォールの高さと前記第2のソース領
域上又は前記第2のドレイン領域上の前記窒化珪素膜の
厚さとの和は、前記第2のゲイト電極の厚さと前記第2
のゲイト電極の上面の前記窒化珪素膜の厚さとの和に等
しいことを特徴とする半導体装置。 - 【請求項3】請求項1または請求項2において、 前記第1のゲイト電極の上面の前記窒化珪素膜の厚さ
は、前記第1のソース領域及び前記第1のドレイン領域
上の前記窒化珪素膜の厚さと等しく、 前記第2のゲイト電極の上面の前記窒化珪素膜の厚さは
前記第2のソース領域及び前記第2のドレイン領域上の
前記窒化珪素膜の厚さと等しいことを特徴とする半導体
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000201648A JP3362026B2 (ja) | 1994-05-26 | 2000-07-03 | 半導体装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP2000201648A JP3362026B2 (ja) | 1994-05-26 | 2000-07-03 | 半導体装置 |
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2000
- 2000-07-03 JP JP2000201648A patent/JP3362026B2/ja not_active Expired - Lifetime
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