JP2003289079A - 薄膜トランジスタ装置の製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ装置の製造方法

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JP2003289079A JP2002092358A JP2002092358A JP2003289079A JP 2003289079 A JP2003289079 A JP 2003289079A JP 2002092358 A JP2002092358 A JP 2002092358A JP 2002092358 A JP2002092358 A JP 2002092358A JP 2003289079 A JP2003289079 A JP 2003289079A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲート絶縁膜を薄膜化してもTFTの立ち上
がり特性が良好であり、S値のばらつきが少ない薄膜ト
ランジスタ装置の製造方法を提供する。 【解決手段】 基板20上にポリシリコン膜23を形成
する工程と、ポリシリコン膜23に水素をイオン化して
導入する工程と、ポリシリコン膜23の表面をオゾンで
酸化し、ポリシリコン膜23の表面にシリコン酸化膜2
5aを形成する工程と、シリコン酸化膜25aの上方に
ゲート電極を形成する工程と、ゲート電極をマスクとし
て、ポリシリコン膜23に不純物を導入して、一対の不
純物領域を形成する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜トランジスタ
を用いた液晶表示パネルやイメージセンサ等の薄膜トラ
ンジスタ装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜トランジスタ(Thin Film Transist
or:以下、TFTという)は、液晶表示パネル、イメー
ジセンサ及び有機EL表示パネルなどに使用されてい
る。
【0003】一般的なTFTは、絶縁性基板の上に形成
された半導体膜と、半導体膜上に形成されたゲート絶縁
膜と、ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極とにより
構成される。
【0004】図1は従来の薄膜トランジスタ装置の製造
方法を示す図である。
【0005】まず、ガラス基板(絶縁性基板)10の上
に、下地絶縁膜11としてシリコン酸化膜又はシリコン
窒化膜を形成する。この下地絶縁膜11の上にアモルフ
ァスシリコン膜を形成し、このアモルファスシリコン膜
にレーザを照射してポリシリコン膜12を形成する。そ
の後、ポリシリコン膜12を島状にパターニングする。
【0006】次に、下地絶縁膜11及びポリシリコン膜
12の上に、プラズマCVD装置を用いてシリコン酸化
膜を形成し、更にこの上に金属膜を形成する。
【0007】次に、金属膜の上に所定のパターンでレジ
スト膜を形成し、このレジスト膜をマスクとして金属膜
及びシリコン酸化膜をパターニングしてゲート電極14
及びゲート絶縁膜13を形成する。
【0008】次いで、レジスト膜を除去した後、ゲート
電極14をマスクとしてポリシリコン膜12にp型又は
n型不純物を注入して、一対の不純物領域(ソース/ド
レイン領域)12a、12bを形成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、TFTのより一
層の微細化が要求されており、それに伴ってゲート絶縁
膜の薄膜化が進んでいる。
【0010】しかし、上述した従来の方法では、ゲート
絶縁膜をある程度よりも薄く形成すると、TFTの立ち
上がり特性(以下、S値(Swing Factor)という)が劣
化するという問題点がある。
【0011】図2は、横軸にゲート絶縁膜の厚さをと
り、縦軸にS値をとって、ゲート絶縁膜の厚さとS値の
ばらつきとの関係を調べた結果を示す図である。この図
2に示すように、ゲート絶縁膜がある厚さ以上の場合
は、ゲート絶縁膜が薄いほどS値が小さくなり、S値の
ばらつきも小さくなる。すなわち、TFTの立ち上がり
特性が良い。しかし、ゲート絶縁膜をある厚さ(図2で
は、10nm)よりも薄くすると、S値が大きくなり、
S値のばらつきも大きくなる。本願発明者らは、このよ
うな現象をポリシリコン膜と絶縁膜との界面における界
面準位や固定電荷の影響と考えている。
【0012】ところで、ポリシリコン膜の上に絶縁膜を
形成する他の方法として、ポリシリコン膜のオゾン酸化
がある。これは、オゾンガス雰囲気中にガラス基板をお
き、ポリシリコン膜の表面をオゾンで酸化することで、
ポリシリコン膜の表面に絶縁膜を形成する方法である。
この方法によれば、ポリシリコン膜と絶縁膜との界面に
おける界面準位や固定電荷の影響がない良質な絶縁膜を
得ることができる。
【0013】しかしながら、ポリシリコン膜のオゾン酸
化では、約3時間の処理を行っても厚さが6nm程度し
か酸化膜が成長しないので、TFTのゲート絶縁膜に適
用することは難しい。
【0014】また、従来の薄膜トランジスタ装置の製造
方法には以下に示す問題点がある。すなわち、アモルフ
ァスシリコン膜にレーザを照射して形成したポリシリコ
ン膜の表面には不純物が付着している。これらの不純物
がゲート絶縁膜形成後もポリシリコン膜とゲート絶縁膜
との間に存在していると、トランジスタ特性劣化の原因
となる。
【0015】このため、従来はゲート絶縁膜を形成する
前に、HF系の薬剤を用いてポリシリコン膜の表面をウ
ェットエッチングし、ポリシリコン膜の表面に付着した
不純物を除去している。
【0016】しかし、HF系の薬剤を用いたウェットエ
ッチングでは、エッチング量の制御が難しく、エッチン
グ量が足りずにポリシリコン膜の表面に不純物が残存す
る場合がある。
【0017】以上から、本発明の目的は、ゲート絶縁膜
を薄膜化してもTFTの立ち上がり特性が良好であり、
S値のばらつきが少ない薄膜トランジスタ装置の製造方
法を提供することである。
【0018】また、本発明の他の目的は、半導体膜の表
面に付着した不純物を十分に除去することができて、特
性が良好な薄膜トランジスタ装置の製造方法を提供する
ことである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明に係わる
薄膜トランジスタ装置の製造方法は、基板上に半導体膜
を形成する工程と、前記半導体膜に水素をイオン化して
導入する工程と、前記半導体膜の表面をオゾンで酸化
し、前記半導体膜の表面に酸化膜を形成する工程と、前
記酸化膜の上方にゲート電極を形成する工程と、前記ゲ
ート電極をマスクとして、前記半導体膜に導電性不純物
を導入して、一対の不純物領域を形成する工程とを有す
ることを特徴とする。
【0020】本発明においては、まず、イオン化した水
素を半導体膜に導入し、半導体原子と水素原子の結合を
形成する。この結合は、水素原子が小さいため、半導体
膜の表面から比較的奥まで形成される。次に、半導体膜
の表面をオゾンで酸化すると、オゾンにより半導体膜の
表面近傍にある半導体原子と水素原子の結合が切れ、半
導体原子が酸素原子と結合する。このようにして、半導
体膜との界面において界面準位や固定電荷の影響のない
酸化膜を比較的厚く形成できる。
【0021】本願第2の発明に係わる薄膜トランジスタ
装置の製造方法は、基板上に半導体膜を形成する工程
と、前記半導体膜に水素をイオン化して導入する工程
と、前記半導体膜の表面を酸化性溶液で酸化させ、前記
半導体膜の表面に酸化膜を形成する工程と、前記酸化膜
の上方にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極
をマスクとして、前記半導体膜に導電性不純物を導入し
て、一対の不純物領域を形成する工程とを有することを
特徴とする。
【0022】本発明のおいては、本願第1の発明に係わ
る薄膜トランジスタ装置の製造方法と同様に、まず、イ
オン化した水素を半導体膜に導入し、半導体原子と水素
原子の結合を半導体膜の表面から比較的奥まで形成す
る。次に、半導体膜の表面を酸化性溶液で酸化すると、
酸化性溶液により半導体膜の表面近傍にある半導体原子
と水素原子の結合が切れ、半導体原子が酸素原子と結合
する。このようにして、半導体膜との界面において界面
準位や固定電荷の影響のない酸化膜を比較的厚く形成で
きる。
【0023】本願第3の発明に係わる薄膜トランジスタ
装置の製造方法は、基板上に半導体膜を形成する工程
と、前記半導体膜の表面をオゾンで酸化し、前記半導体
膜の表面に酸化膜を形成する工程と、前記酸化膜を除去
する工程と、前記半導体膜の上にゲート絶縁膜を形成す
る工程と、前記ゲート絶縁膜の上にゲート電極を形成す
る工程と、前記ゲート電極をマスクとし、前記半導体膜
に導電性不純物を導入して、一対の不純物領域を形成す
る工程とを有することを特徴とする。
【0024】本発明においては、まず、半導体膜の表面
をオゾンで酸化して、半導体膜の表面に酸化膜を形成す
る。このとき、半導体膜の表面近傍に存在する不純物が
酸化膜中に取り込まれる。次に、この酸化膜を除去す
る。これにより、半導体膜の表面近傍に存在していた不
純物を取り除くことができるので、半導体膜の表面は清
浄となる。次に、この半導体膜の上にゲート絶縁膜とし
て適した厚さのゲート絶縁膜を形成する。このようにし
て、半導体膜との界面に特性劣化の原因となる不純物の
ないゲート絶縁膜を形成できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照して説明する。
【0026】(第1の実施の形態)図3〜図6は本発明
の第1の実施の形態に係わる薄膜トランジスタ装置の製
造方法を工程順に示す断面図である。
【0027】まず、図3(a)に示すように、透明絶縁
性基板としてガラス基板20を用意する。このガラス基
板20の上に、シリコン酸化物(SiO2 )からなる下
地絶縁膜21をプラズマCVD法等により形成する。そ
の後、プラズマCVD法等により、下地絶縁膜21の上
にアモルファスシリコン膜22を約50nmの厚さに形
成する。
【0028】次に、図3(b)に示すように、エキシマ
レーザをガラス基板20の上側全体に照射してシリコン
を結晶化し、アモルファスシリコン膜22をポリシリコ
ン膜23に変化させる。なお、アモルファスシリコン膜
をポリシリコン膜に変化させる方法はこの限りではな
く、アニ−ル装置やランプ加熱装置によりアモルファス
シリコン膜を熱処理してアモルファスシリコン膜をポリ
シリコン膜に変化させてもよい。
【0029】その後、フォトレジストを使用し、ポリシ
リコン膜23の所定の領域(TFT形成領域)上にレジ
スト膜24を形成する。
【0030】次に、図3(c)に示すように、レジスト
膜24をマスクとしてポリシリコン膜23をドライエッ
チングする。その後、レジスト膜24をプラズマアッシ
ング等により除去する。
【0031】次に、図4(a)に示すように、イオン注
入装置を用い、加速電圧が約10kV、ドーズ量が約1
×1015cm-2の条件で、水素原子をポリシリコン膜2
3に導入する。水素原子は小さいので、ポリシリコン膜
23の表面から比較的深い部分まで進入し、シリコン原
子と水素原子とが結合(以下、Si−H結合という)す
る。
【0032】なお、イオン注入装置により水素原子をポ
リシリコン膜23に導入する方法に替えて、ポリシリコ
ン膜23の表面を水素プラズマに曝すことにより水素原
子をポリシリコン膜23に導入してもよい。
【0033】次に、図4(b)に示すように、例えば温
度が400℃の条件下のオゾンガス雰囲気中にガラス基
板20をおき、ポリシリコン膜23の表面をオゾン酸化
する。このとき、オゾンによりポリシリコン膜23の表
面近傍にあるSi−H結合が切れ、シリコン原子が酸素
原子と結合する。このようにして、ポリシリコン膜23
の表面に厚さが約12nmのシリコン酸化膜(Si
2 )25aが形成される。
【0034】次に、図4(c)に示すように、アニ−ル
装置により温度が例えば450℃の条件下で熱処理を施
し、ポリシリコン膜23の中にある水素原子を脱離させ
る。これは、ポリシリコン膜23中に多量の水素が存在
すると、TFT特性の制御マージンが低下するためであ
る。但し、オゾン酸化時にポリシリコン膜23中の水素
を十分に脱離することができれば、この工程を省略して
もよい。
【0035】なお、オゾン酸化時の温度を400℃以上
とすることにより、シリコン酸化膜25aの膜厚を厚く
できるとともに、ポリシリコン膜23中の水素の脱離を
促すという効果を得ることができる。このため、オゾン
酸化時の温度は400℃以上とすることが好ましい。但
し、オゾン酸化時の温度が600℃を超えると、ガラス
基板20が軟化するおそれがある。
【0036】次に、図5(a)に示すように、例えばス
パッタ法により、シリコン酸化膜25aの上にアルミニ
ウム膜等の金属膜を形成する。その後、フォトリソグラ
フィ法により金属膜をパターニングして、ゲート電極2
6を形成する。
【0037】次に、図5(b)に示すように、シリコン
酸化膜25aをパターニングして、所定の形状のゲート
絶縁膜25を形成する。
【0038】次に、図5(c)に示すように、イオン注
入装置を用い、ゲート電極26をマスクとして、加速電
圧が約10〜30kV、ドーズ量が約1×1013〜1×
10 15cm-2の条件で、n型又はp型の導電性不純物を
ポリシリコン膜23に導入して、ソース/ドレインとな
る高濃度不純物領域23a、23bを形成する。n型の
不純物領域を形成する場合にはPH3 ガスを用い、p型
の不純物領域を形成する場合にはB2 6 ガスを用い
る。このとき、高濃度不純物領域23a、23bとチャ
ネル領域との間に不純物濃度が低い、いわゆるLDD
(Ligthly Doped Drain )領域を形成してもよい。
【0039】次に、エキシマレーザをガラス基板20の
上側全体に照射して、ポリシリコン膜23に導入した導
電性不純物を活性化させる。
【0040】次に、図6(a)に示すように、CVD法
によりガラス基板20の上側全面に例えばシリコン酸化
物を堆積して層間絶縁膜27を形成する。
【0041】次に、図6(b)に示すように、フォトリ
ソグラフィ法により、層間絶縁膜27の表面から高濃度
不純物領域23a、23bに到達するコンタクトホール
28a、28bを形成する。
【0042】次に、図6(c)に示すように、ガラス基
板20の上側全面に金属膜を形成し、この金属膜をパタ
ーニングしてソース電極29a及びドレイン電極29b
を形成する。このようにして、薄膜トランジスタ装置が
完成する。
【0043】本実施の形態では、ポリシリコン膜23の
表面に水素を導入してから、ポリシリコン膜23の表面
をオゾン酸化して、シリコン酸化膜25aを形成してい
る。このため、ポリシリコン膜23との界面において界
面準位や固定電荷の影響がないシリコン酸化膜25aを
比較的厚く形成できる。
【0044】図7は、横軸に試料番号をとり、縦軸にシ
リコン酸化膜の厚さをとって、ポリシリコン膜のオゾン
酸化で得られるシリコン酸化膜の厚さを処理条件別に調
べた結果を示す図である。但し、試料1、4はオゾン酸
化時の温度が350℃、処理時間が30分であり、試料
2、5はオゾン酸化時の温度が350℃、処理時間が6
0分であり、試料3、6はオゾン酸化時の温度が350
℃、処理時間が120分である。また、試料1〜3は水
素ドーピングなしでオゾン酸化した試料であり、試料4
〜6は水素ドーピングしてからオゾン酸化した試料であ
る。
【0045】図7に示すように、ポリシリコン膜に水素
をドーピングしてからオゾン酸化した場合(試料4〜6
に該当)は、ポリシリコン膜に水素をドーピングしてい
ない場合(試料1〜3に該当)に比べて、ポリシリコン
膜の表面に厚い酸化膜を得られることが分かる。この例
ではオゾン酸化時の温度を350℃としているが、前述
の如くオゾン酸化時の温度を400℃以上とすることに
より、10nm以上のシリコン酸化膜を形成することが
できる。
【0046】また、図7より、オゾン酸化の時間を長く
すると厚い酸化膜を得られることが分かる。さらに、ポ
リシリコン膜の表面に導入した水素のドーズ量やガラス
基板温度によっても、得られる酸化膜の厚さは変わる。
【0047】また、オゾンガスは酸化対象物の面方位に
よらず均一な酸化レートで酸化対象物を酸化するので、
複数の面方位が混じっているポリシリコン膜の表面を均
等に酸化し、平坦な表面を持つシリコン酸化膜が形成さ
れる。
【0048】なお、TFTのしきい値電圧を調整する必
要があるときは、イオン注入装置を用いてポリシリコン
膜全体に微量のB(ボロン)又はP(リン)等の不純物
を導入する。このしきい値電圧調整用不純物導入工程
で、水素で希釈したB2 6 ガス又はPH3 ガスを用い
て、導電性不純物と同時に水素をポリシリコン膜に導入
してもよい。これにより、工程数を増加させることな
く、ポリシリコン膜の表面近傍に前述のようなSi−H
結合を形成できる。
【0049】また、ポリシリコン膜の表面を酸化すると
きに、上述のようにオゾンガス雰囲気中にガラス基板を
おくのではなく、酸化性溶液中にガラス基板を浸しても
よい。この場合、酸化性溶液として熱硝酸又はオゾン水
を用い、この溶液の中にガラス基板を浸す。このとき、
酸化性溶液とポリシリコン膜の表面との間で酸化反応が
行われ、ポリシリコン膜にゲート絶縁膜となる酸化膜を
形成する。
【0050】(第2の実施の形態)以下、本発明の第2
の実施の形態について説明する。本実施の形態は、ポリ
シリコン膜の表面をオゾン酸化して形成したシリコン酸
化膜がゲート絶縁膜として適した膜厚に達しない場合に
適用する。
【0051】図8〜図9は本発明の第2の実施の形態に
係わる薄膜トランジスタ装置の製造方法を工程順に示す
断面図である。
【0052】まず、図8(a)に示すように、透明絶縁
性基板としてガラス基板30を用意する。このガラス基
板30の上に、シリコン酸化物(SiO2 )からなる下
地絶縁膜31をプラズマCVD法等により形成する。そ
の後、下地絶縁膜31の上にプラズマCVD法等により
アモルファスシリコン膜32を約50nmの厚さに形成
する。
【0053】次に、図8(b)に示すように、エキシマ
レーザをガラス基板30の上側全体に照射してシリコン
を結晶化し、アモルファスシリコン膜32をポリシリコ
ン膜33に変化させる。なお、アモルファスシリコン膜
をポリシリコン膜に変化させる方法はこの限りではな
く、アニ−ル装置やランプ加熱装置により処理し変化さ
せてもよい。
【0054】その後、フォトレジストを使用し、ポリシ
リコン膜33の所定の領域(TFT形成領域)上にレジ
スト膜34を形成する。
【0055】次に、図8(c)に示すように、レジスト
膜34をマスクとしてポリシリコン膜33をドライエッ
チングする。その後、レジスト膜34をプラズマアッシ
ング等により除去する。
【0056】次に、図9(a)に示すように、イオン注
入装置を用い、加速電圧が約10kV、ドーズ量が約1
×1015cm-2の条件で、水素原子をポリシリコン膜3
3の表面に導入する。
【0057】次に、図9(b)に示すように、例えば温
度が400℃の条件下のオゾンガス雰囲気中にガラス基
板30をおき、ポリシリコン膜33の表面をオゾン酸化
して、第1の酸化膜(SiO2 )35aを形成する。
【0058】その後、図9(c)に示すように、プラズ
マCVD装置を用いて、第1の酸化膜35aの上に第2
の酸化膜(SiO2 )35bを形成する。このようにし
て、第1の酸化膜35aと第2の酸化膜35bとを積層
してなる酸化膜層をゲート絶縁膜として適した厚さにす
る。
【0059】なお、ポリシリコン膜の表面をオゾン酸化
して第1の酸化膜35aを形成する工程からプラズマC
VD装置を用いて第2の酸化膜35bを形成する工程ま
での間は、ガラス基板30を大気に曝さないように連続
したチャンバで行うことが必要である。その後の工程は
第1の実施の形態と同様であるので、ここでは説明を省
略する。
【0060】本実施の形態では、ポリシリコン膜33の
表面に水素を導入してからポリシリコン膜33の表面を
オゾン酸化して、第1の酸化膜35aを形成する。その
後、プラズマCVD装置により、第1の酸化膜35aの
上に第2の酸化膜35bを続けて形成する。このため、
ポリシリコン膜33との界面に界面準位や固定電荷の影
響がない酸化膜層を、TFTのゲート絶縁膜として適し
た厚さに形成できる。
【0061】図10、11は、本実施の形態で示したよ
うなポリシリコン膜のオゾン酸化とその後のプラズマC
VD法とで形成したゲート絶縁膜と、従来のようにプラ
ズマCVD法のみで形成したゲート絶縁膜とをそれぞれ
TFTに適用し、TFTの特性を調べた結果を示した図
である。
【0062】図10は、横軸にゲート電圧をとり、縦軸
にドレイン電流をとって、TFTの電流−電圧特性を調
べた結果を示した図である。図10に示すように、本実
施の形態で形成したゲート絶縁膜をTFTに適用した場
合は、プラズマCVD法のみで形成したゲート絶縁膜を
適用した場合に比べて、ドレイン電流のオフからオンへ
の立ち上がりが急峻になり、TFTの立ち上がり特性が
良いことが分かる。
【0063】図11は、横軸にゲートにかかる電界をと
り、縦軸にゲートリーク電流の電流密度をとって、ゲー
ト絶縁膜の耐性を調べた結果である。図11に示すよう
に、ゲートにかかる電界が約6×106 V/cmより大
きくなっても、本実施の形態で形成したゲート絶縁膜を
TFTに適用した場合は、プラズマCVD法のみで形成
したゲート絶縁膜を適用した場合に比べて、ゲートリー
ク電流が少なく抑えられ、ゲート絶縁膜の耐性が向上す
ることが分かる。
【0064】なお、第2の酸化膜は上述のシリコン酸化
物(SiO2 )に限定するものではなく、例えばタンタ
ルオキサイド(Ta2 5 )やアルミナ(Al2 3
などのようにシリコン酸化物(SiO2 )以外の酸化物
で形成してもよく、また、これらの酸化物を複数積層さ
せた構成にしてもよい。さらに、第2の酸化膜はプラズ
マCVD法以外の方法で形成してもよい。例えば、熱C
VD法により第2の酸化膜を形成することもできる。
【0065】(第3の実施の形態)以下、本発明の第3
の実施の形態について説明する。
【0066】図12〜図13は本発明の第3の実施の形
態に係わる薄膜トランジスタ装置の製造方法を工程順に
示す断面図である。
【0067】まず、図12(a)に示すように、透明絶
縁性基板としてガラス基板40を用意する。このガラス
基板40の上に、シリコン酸化物(SiO2 )からなる
下地絶縁膜41をプラズマCVD法等により形成する。
その後、下地絶縁膜41の上にプラズマCVD法等によ
りアモルファスシリコン膜42を約50nmの厚さに形
成する。
【0068】次に、図12(b)に示すように、エキシ
マレーザをガラス基板40の上側全体に照射してシリコ
ンを結晶化し、アモルファスシリコン膜42をポリシリ
コン膜43に変化させる。なお、アモルファスシリコン
膜をポリシリコン膜に変化させる方法はこの限りではな
く、アニ−ル装置やランプ加熱装置により処理し変化さ
せてもよい。
【0069】その後、フォトレジストを使用し、ポリシ
リコン膜43の所定の領域(TFT形成領域)上にレジ
スト膜44を形成する。
【0070】次に、図12(c)に示すように、レジス
ト膜44をマスクとしてポリシリコン膜43をドライエ
ッチングする。その後、レジスト膜44をプラズマアッ
シング等により除去する。
【0071】次に、図13(a)に示すように、例えば
温度が400℃の条件下のオゾンガス雰囲気中にガラス
基板40をおき、ポリシリコン膜43の表面をオゾン酸
化して、ポリシリコン膜43の表面にシリコン酸化膜4
5を形成する。このとき、ポリシリコン膜43の表面近
傍に存在する不純物がシリコン酸化膜45中に取り込ま
れる。
【0072】次に、図13(b)に示すように、HF系
の薬剤を用いてシリコン酸化膜45をウェットエッチン
グし、シリコン酸化膜45を除去する。このようにし
て、ポリシリコン膜43の表面近傍に存在していた不純
物を取り除くことができ、ポリシリコン膜43の表面は
清浄となる。
【0073】次に、図13(c)に示すように、プラズ
マCVD法等を用いて、ポリシリコン膜43の上にゲー
ト絶縁膜となる絶縁膜46を形成する。
【0074】なお、シリコン酸化膜45を除去する工程
からポリシリコン膜43の上に絶縁膜46を形成する工
程までの間は、ガラス基板40を大気に曝さないように
行うことが必要である。その後の工程は第1の実施の形
態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0075】本実施の形態では、ポリシリコン膜43の
表面をオゾン酸化するので、ポリシリコン膜43表面近
傍の不純物がシリコン酸化膜45に取り込まれる。その
後、このシリコン酸化膜45を除去してから、ポリシリ
コン膜43の上にプラズマCVD法等を用いて絶縁膜4
6を形成する。このため、ポリシリコン膜43との界面
において界面準位や固定電荷の影響がない絶縁膜46
を、ゲート絶縁膜として適した厚さで形成できる。
【0076】なお、絶縁膜46は単層のシリコン酸化物
(SiO2 )や例えばタンタルオキサイド(Ta
2 5 )やアルミナ(Al2 3 )などのようにシリコ
ン酸化物(SiO2 )以外の酸化物で形成してもよく、
また、これらの酸化物からなる酸化膜を複数積層させた
構成にしてもよい。さらに、絶縁膜46の形成方法はプ
ラズマCVD法に限定するものではなく、例えば熱CV
D法のように他の形成方法を用いてもよい。
【0077】なお、ポリシリコン膜43の表面をオゾン
酸化する前に、ポリシリコン膜43に水素を導入しても
よい。
【0078】(液晶表示パネル)図14は液晶表示パネ
ルの構成を示すブロック図である。但し、以下の例では
XGA(1024×768ピクセル)モードの液晶表示
パネルについて説明する。
【0079】この液晶表示パネルは、制御回路101、
データドライバ102、ゲートドライバ103及び表示
部104により構成されている。この液晶表示パネルに
は、コンピュータ等の外部装置(図示せず)から表示信
号RGB(R(赤)信号、G(緑)信号及びB(青)信
号)、水平同期信号Hsync及び垂直同期信号Vsync等の
信号が供給され、電源(図示せず)から高電VH 、低電
圧VL (及び接地電位Vgnd が供給される。
【0080】表示部104には、水平方向に3072
(1024×RGB)個、垂直方向に768個の画素
(サブピクセル)が配置されている。一つの画素は、n
型TFT105と、このn型TFT105のソース電極
に接続された表示セル106及び蓄積容量107とによ
り構成される。表示セル106は、一対の電極と、それ
らの電極間の液晶と、この一対の電極の上方及び下方に
それぞれ配置された偏光板とにより構成される。
【0081】また、表示部104には、垂直方向に延び
る3072本のデータバスライン108と、水平方向に
延びる768本のゲートバスライン109とが設けられ
ている。水平方向に並ぶ画素の各TFT105のゲート
電極は同一のゲートバスライン109に接続され、垂直
方向に並ぶ画素の各TFT105のドレイン電極は同一
のデータバスライン108に接続されている。
【0082】制御回路101は、水平同期信号Hsync及
び垂直同期信号Vsyncを入力し、1水平同期期間の開始
時にアクティブになるデータスタート信号DSI と、1水
平同期期間を一定の間隔に分割するデータクロックDCLK
と、1垂直同期期間の開始時にアクティブになるデータ
スタート信号GSI と、垂直同期期間を一定の間隔に分割
するデータクロックGCLKとを出力する。
【0083】データドライバ102は、1水平同期期間
内にデータクロックDCLKに同期したタイミングで、表示
部104の3072本のデータバスライン108にR信
号、G信号及びB信号を順番に出力する。
【0084】ゲートドライバ103は、1垂直同期期間
内にデータクロックGCLKに同期したタイミングで、表示
部104の768本のゲートバスライン109に走査信
号を順番に出力する。
【0085】表示部104のTFT105は、ゲートバ
スライン109に走査信号が供給されるとオンとなる。
このとき、データバスライン108に表示信号RGB
(R信号、G信号及びB信号のいずれか1つ)が供給さ
れると、表示セル106及び蓄積容量107に表示信号
RGBが書き込まれる。表示セル106では、書き込ま
れた表示信号RGBにより液晶分子の傾きが変化し、そ
の結果表示セル106の光透過率が変化する。各画素毎
に表示セル106の光透過率を制御することによって、
所望の画像が表示される。
【0086】この液晶表示パネルでは、前述の如く、画
素内のTFTはn型である。また、制御回路101、デ
ータドライバ102及びゲートドライバ103はp型T
FT及びn型TFTにより構成されている。
【0087】図15は、液晶表示パネルの表示部におけ
る断面図、図16は表示部におけるTFT基板の平面図
である。なお、実際には各画素毎に、図14に示す蓄積
容量107が形成されているが、ここではその図示及び
説明を省略する。
【0088】この液晶表示パネルは、図15の断面図に
示すように、相互に対向して配置されたTFT基板12
0及びCF基板150と、これらのTFT基板120及
びCF基板150の間に封入された液晶180とにより
構成されている。
【0089】TFT基板120は、ガラス基板(透明絶
縁性基板)121と、ガラス基板121上に形成された
データバスライン108、ゲートバスライン109、T
FT105及び画素電極129等により構成されてい
る。図16に示すように、ゲートバスライン109の一
部がTFT105のゲート電極となっており、TFTの
ソース電極127aは画素電極129に接続され、ドレ
イン電極127bはデータバスライン108に接続され
ている。また、画素電極129の上には配向膜131が
形成されている。
【0090】さらに、TFT基板120の表示部よりも
外側には、制御回路101、データドライバ102及び
ゲートバスドライバ103(駆動回路)を構成するn型
TFT、p型TFT及び配線等が形成されている。
【0091】一方、CF基板150は、ガラス基板(透
明絶縁性基板)151と、このガラス基板151上に形
成されたブラックマトリックス152、カラーフィルタ
153及びコモン電極154とにより構成されている。
ブラックマトリックス152は画素間の領域及びTFT
形成領域を覆うように形成されている。また、各画素毎
に、赤色、緑色及び青色のいずれか1色のカラーフィル
タ153が形成されている。本例では、カラーフィルタ
153の上にコモン電極が形成されており、このコモン
電極154の表面は配向膜155により覆われている。
【0092】これらのTFT基板120及びCF基板1
50は、配向膜131、155が形成された面を相互に
対向させて配置される。
【0093】図17はTFT105の形成部における平
面図、図18は図17のI −I 線による断面図である。
この図17、図18を参照して、TFT基板120の構
成を更に詳細に説明する。但し、図17、図18では配
向膜131の図示を省略している。
【0094】ガラス基板121の上には、下地絶縁膜1
22が形成されている。この下地絶縁膜122の所定の
領域上には、TFT105の動作層であるポリシリコン
膜123が形成されている。
【0095】このポリシリコン膜123にはTFT10
5のソース/ドレインである一対の不純物領域123
a、123bがチャネル領域を挟んで形成されている。
【0096】ポリシリコン膜123のチャネル領域上に
はゲート絶縁膜124が形成されており、このゲート絶
縁膜124の上にはゲート電極125(ゲートバスライ
ン109)が形成されている。
【0097】下地絶縁膜122及びゲート電極125
(ゲートバスライン109)の上には第1の層間絶縁膜
126が形成されている。この第1の層間絶縁膜126
の上にはソース電極127a、ドレイン電極127b及
びデータバスライン108が形成されている。ソース電
極127aは、第1の層間絶縁膜126に設けられたコ
ンタクトホール126aを介して不純物領域123aに
電気的に接続されている。
【0098】第1の層間絶縁膜126、ゲートバスライ
ン109、ソース電極127a及びドレイン電極127
bの上には第2の層間絶縁膜128が形成されており、
第2の層間絶縁膜128の上にはITO(Indium−Tin
Oxide )等の透明導電体からなる画素電極129が形成
されている。画素電極129は、第2の層間絶縁膜12
8に設けられたコンタクトホール128aを介してソー
ス電極127aに電気的に接続されている。
【0099】このように、液晶表示パネルには多くのT
FTが用いられている。これらのTFTを製造する際
に、上述の第1〜第3実施の形態で示した方法を適用す
ることにより、特性が良好なTFTを形成できる。
【0100】なお、本発明は液晶表示パネル以外の薄膜
トランジスタ装置、例えば、有機EL表示パネルやイメ
ージセンサ等に適用することもできる。
【0101】(付記1)基板上に半導体膜を形成する工
程と、前記半導体膜に水素をイオン化して導入する工程
と、前記半導体膜の表面をオゾンで酸化し、前記半導体
膜の表面に酸化膜を形成する工程と、前記酸化膜の上方
にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極をマス
クとして、前記半導体膜に導電性不純物を導入して、一
対の不純物領域を形成する工程とを有することを特徴と
する薄膜トランジスタ装置の製造方法。
【0102】(付記2)前記酸化膜の上に絶縁膜を形成
する工程を有し、該絶縁膜の上に前記ゲート電極を形成
することを特徴とする付記1に記載の薄膜トランジスタ
装置の製造方法。
【0103】(付記3)前記酸化膜は400℃乃至60
0℃の温度で形成することを特徴とする付記1に記載の
薄膜トランジスタ装置の製造方法。
【0104】(付記4)前記半導体膜に水素をイオン化
して導入する工程において、導電性不純物を含むガスを
水素ガスで希釈して用いることを特徴とする付記1又は
2に記載の薄膜トランジスタ装置の製造方法。
【0105】(付記5)前記ゲート絶縁膜を形成する工
程と前記ゲート電極を形成する工程との間に、前記半導
体膜から水素を脱離する工程を有することを特徴とする
付記1に記載の薄膜トランジスタ装置の製造方法。
【0106】(付記6)基板上に半導体膜を形成する工
程と、前記半導体膜に水素をイオン化して導入する工程
と、前記半導体膜の表面を酸化性溶液で酸化し、前記半
導体膜の表面に酸化膜を形成する工程と、前記酸化膜の
上方にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極を
マスクとして、前記半導体膜に導電性不純物を導入し
て、一対の不純物領域を形成する工程とを有することを
特徴とする薄膜トランジスタ装置の製造方法。
【0107】(付記7)前記半導体膜に水素をイオン化
して導入する工程において、導電性不純物を含むガスを
水素ガスで希釈して用いることを特徴とする付記6に記
載の薄膜トランジスタ装置の製造方法。
【0108】(付記8)基板上に半導体膜を形成する工
程と、前記半導体膜の表面をオゾンで酸化し、前記半導
体膜の表面に酸化膜を形成する工程と、前記酸化膜を除
去する工程と、前記半導体膜の上にゲート絶縁膜を形成
する工程と、前記ゲート絶縁膜の上にゲート電極を形成
する工程と、前記ゲート電極をマスクとし、前記半導体
膜に導電性不純物を導入して、一対の不純物領域を形成
する工程とを有することを特徴とする薄膜トランジスタ
装置の製造方法。
【0109】(付記9)前記酸化膜は400℃乃至60
0℃の温度で形成することを特徴とする付記8に記載の
薄膜トランジスタ装置の製造方法。
【0110】(付記10) 前記酸化膜はフッ酸系溶液
を用いて除去することを特徴とする付記8に記載の薄膜
トランジスタ装置の製造方法。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の薄膜トラ
ンジスタ装置の製造方法によれば、半導体膜の表面に水
素を導入した後、半導体膜の表面をオゾン酸化するの
で、半導体膜と酸化膜との界面において界面準位や固定
電荷の影響がない酸化膜を比較的厚く形成できる。この
結果、酸化膜を薄膜化してもTFTの立ち上がり特性が
良好で、S値がばらつきが少ない薄膜トランジスタを製
造することができる。
【0112】また、本発明の別の薄膜トランジスタ装置
の製造方法によれば、まず、半導体膜の表面をオゾン酸
化して、半導体膜の表面に酸化膜を形成する。このと
き、半導体膜の表面近傍に存在する不純物が酸化膜中に
取り込まれる。次に、この酸化膜を除去して、半導体膜
の上に絶縁膜を形成するので、半導体膜との界面におい
て界面準位や固定電荷の影響のないゲート絶縁膜を、ゲ
ート絶縁膜として適した厚さで形成できる。この結果、
半導体膜の半導体膜の表面近傍に存在する不純物を除去
することができて、特性が良好な薄膜トランジスタを製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の薄膜トランジスタ装置の製造方
法を示す図である。
【図2】図2は、ゲート絶縁膜とS値のばらつきとの関
係を調べた結果を示す図である。
【図3】図3(a)〜図3(c)は、第1の実施の形態
に係わる薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す断面図
(その1)である。
【図4】図4(a)〜図4(c)は、第1の実施の形態
に係わる薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す断面図
(その2)である。
【図5】図5(a)〜図5(c)は、第1の実施の形態
に係わる薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す断面図
(その3)である。
【図6】図6(a)〜図6(c)は、第1の実施の形態
に係わる薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す断面図
(その4)である。
【図7】図7は、ポリシリコン膜のオゾン酸化で得られ
るシリコン酸化膜の厚さを処理条件別に調べた結果を示
す図である。
【図8】図8(a)〜図8(c)は、第2の実施の形態
に係わる薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す断面図
(その1)である。
【図9】図9(a)〜図9(c)は、第2の実施の形態
に係わる薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す断面図
(その2)である。
【図10】図10は、TFTの電流−電圧特性を調べた
結果を示す図である。
【図11】図11は、ゲート絶縁膜の耐性を調べた結果
を示す図である。
【図12】図12(a)〜図12(c)は、第3の実施
の形態に係わる薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す
断面図(その1)である。
【図13】図13(a)〜図13(c)は、第3の実施
の形態に係わる薄膜トランジスタ装置の製造方法を示す
断面図(その2)である。
【図14】図14は、液晶表示パネルの構成を示すブロ
ック図である。
【図15】図15は、液晶表示パネルの表示部における
断面図である。
【図16】図16は、液晶表示パネルの表示部における
TFT基板の平面図である。
【図17】図17は、TFTの形成部における平面図で
ある。
【図18】図18は、図17のI−I線による断面図で
ある。
【符号の説明】
10、20、30、40、121、151…ガラス基
板、 11、21、31、41、122…下地絶縁膜、 12、23、33、43、123…ポリシリコン膜、 12a、12b、123a、123b…不純物領域、 13、25、124…ゲート絶縁膜、 14、26、125…ゲート電極、 22、32、42…アモルファスシリコン膜、 23a、23b…高濃度不純物領域、 24、34、44…レジスト膜、 25a、45…シリコン酸化膜、 27…層間絶縁膜、 28a、28b、126a、128a…コンタクトホー
ル、 29a、127a…ソース電極、 29b、127b…ドレイン電極、 35a…第1の酸化膜、 35b…第2の酸化膜、 46…絶縁膜、 101…制御回路、 102…データドライバ、 103…ゲートドライバ、 104…表示部、 105…TFT、 106…表示セル、 107…蓄積容量、 108…データバスライン、 109…ゲートバスライン、 120…TFT基板、 126…第1の層間絶縁膜、 128…第2の層間絶縁膜、 129…画素電極、 131、155…配向膜、 150…CF基板、 152…ブラックマトリックス、 153…カラーフィルタ、 154…コモン電極、 180…液晶。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 JA24 JA34 JA37 JA41 JA46 JB22 JB31 JB56 MA03 MA05 MA06 MA08 MA13 MA17 MA22 MA35 NA25 PA01 PA06 PA08 5F058 BC02 BE07 BF61 BF69 BJ04 5F110 AA01 BB02 CC02 DD02 DD13 EE03 EE44 FF01 FF02 FF09 FF22 FF25 FF30 FF35 FF36 GG02 GG13 GG25 GG32 GG45 HJ01 HJ04 HJ12 HJ23 HL07 HM15 NN03 NN23 NN35 NN72 PP02 PP03 QQ11 QQ25 QQ26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に半導体膜を形成する工程と、 前記半導体膜に水素をイオン化して導入する工程と、 前記半導体膜の表面をオゾンで酸化し、前記半導体膜の
    表面に酸化膜を形成する工程と、 前記酸化膜の上方にゲート電極を形成する工程と、 前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体膜に導電性
    不純物を導入して、一対の不純物領域を形成する工程と
    を有することを特徴とする薄膜トランジスタ装置の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記酸化膜の上に絶縁膜を形成する工程
    を有し、該絶縁膜の上に前記ゲート電極を形成すること
    を特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ装置の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記半導体膜に水素をイオン化して導入
    する工程において、導電性不純物を含むガスを水素ガス
    で希釈して用いることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の薄膜トランジスタ装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 基板上に半導体膜を形成する工程と、 前記半導体膜に水素をイオン化して導入する工程と、 前記半導体膜の表面を酸化性溶液で酸化させ、前記半導
    体膜の表面に酸化膜を形成する工程と、 前記酸化膜の上方にゲート電極を形成する工程と、 前記ゲート電極をマスクとして、前記半導体膜に導電性
    不純物を導入して、一対の不純物領域を形成する工程と
    を有することを特徴とする薄膜トランジスタ装置の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 基板上に半導体膜を形成する工程と、 前記半導体膜の表面をオゾンで酸化し、前記半導体膜の
    表面に酸化膜を形成する工程と、 前記酸化膜を除去する工程と、 前記半導体膜の上にゲート絶縁膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜の上にゲート電極を形成する工程と、 前記ゲート電極をマスクとし、前記半導体膜に導電性不
    純物を導入して、一対の不純物領域を形成する工程とを
    有することを特徴とする薄膜トランジスタ装置の製造方
    法。
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