JP2003007542A - 磁芯及びそれを用いたインダクタンス部品 - Google Patents

磁芯及びそれを用いたインダクタンス部品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型インダクタンス部品の磁路の少なくとも
1箇所以上にギャップを有する磁気コアに、該ギャップ
両端から磁気バイアスを供給するために、該ギャップ近
傍に永久磁石を配してなる磁気バイアス用磁石を有する
磁気コアの小型化を可能とするために特に適した磁石を
用いた磁気コアを提供することにある。 【解決手段】 磁芯45は、磁路中の少なくとも1箇所
以上にギャップを有し、前記ギャップに永久磁石43を
挿入してなり、20kHzにおける交流透磁率が直流印
加磁界120Oeの条件で45以上で、かつ鉄損特性が
20kHz、最大磁束密度0.1Tの条件で100kW
/m以下である。インダクタンス部品は、この磁芯4
5に巻線を1ターン以上施してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョークコイルや
トランス等のインダクタンス部品の磁気コア(以下、単
に「コア」とも呼ぶ)に用いる磁気バイアス用の永久磁
石に関し、特に、磁気コア、したがって、インダクタン
ス部品の厚みを小さくすることを可能とする薄型の磁気
コアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えばスイッチング電源など
に用いられるチョークコイル及びトランスにおいては、
通常、交流は直流に重畳して印加される。したがって、
これらチョークコイルやトランスに用いる磁気コアは、
この直流重畳に対して磁気飽和しない透磁率特性(この
特性を「直流重畳特性」と呼ぶ)の良好なことが求めら
れている。
【0003】高周波用の磁気コアとしてはフェライト磁
気コアや圧粉磁気コアが使用されているが、フェライト
磁気コアは初透磁率が高く飽和磁束密度が小さく、圧粉
磁気コアは初透磁率が低く飽和磁束密度が高い、という
材料物性に由来した特徴がある。従って、圧粉磁気コア
はトロイダル形状で用いられることが多い。他方、フェ
ライト磁気コアの場合には、例えばE型コアの中足に磁
気空隙(磁気ギャップ)を形成して直流重畳により磁気
飽和することを避けることが行われている。
【0004】しかし、近年の電子機器の小型化要請に伴
う電子部品の小型化の要求により、磁気コアの磁気ギャ
ップも小さくせざるを得ず、直流重畳に対してより高い
透磁率の磁気コアが強く求められている。
【0005】この要求に対しては、一般に、飽和磁化の
高い磁気コアを選択する事、つまり高磁界で磁気飽和し
ない磁気コアの選択が必須とされている。しかし、飽和
磁化は材料の組成で必然的に決まるものであり、無限に
高く出来るものではない。
【0006】その解決手段として、磁気コアの磁路に設
けた磁気ギャップに永久磁石を配置し、直流重畳による
直流磁界を打ち消す事、すなわち、磁気コアに磁気バイ
アスを与えることが古くから提案されている。
【0007】この永久磁石を用いた磁気バイアス方法
は、直流重畳特性を向上させるには優れた方法である
が、一方で金属焼結磁石を用いると磁気コアのコアロス
の増大が著しく、またフェライト磁石を用いると重畳特
性が安定しないなどとても実用に耐え得るものではなか
った。
【0008】これらを解決する手段として、例えば特開
昭50−133453は、磁気バイアス用永久磁石とし
て保磁力の高い希土類磁石粉末とバインダーとを混合し
圧縮成形したボンド磁石を用いること、これにより、直
流重畳特性およびコアの温度上昇が改善されたことを開
示している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、電源に
対する電力変換効率向上の要求はますます厳しくなって
おり、チョークコイル用及びトランス用の磁気コアにつ
いても単にコア温度を測定するだけでは優劣が判断不能
なレベルとなっている。そのため、コアロス測定装置に
よる測定結果の判断が不可欠であり、実際本発明者等が
検討を行った結果、特開昭50―133453に示され
た抵抗率の値ではコアロス特性が劣化する事が明らかに
なった。
【0010】又、近年の電子機器の小型化に伴い、イン
ダクタンス部品の小型化がますます要求され、したがっ
て、磁気バイアス用磁石の薄型化も又要求されていると
ころである。
【0011】また近年、表面実装タイプのコイルが所望
されているが、表面実装のためにはコイルはリフローは
んだ処理に付される。このリフロー条件で、コイルの磁
気コアの特性が劣化しない事が望まれる。また、耐酸化
性の希土類磁石が必須である。
【0012】そこで、本発明の一技術的課題は、小型イ
ンダクタンス部品の磁路の少なくとも1箇所以上にギャ
ップを有する磁気コアに、該ギャップ両端から磁気バイ
アスを供給するために、該ギャップ近傍に永久磁石を配
してなる磁気バイアス用磁石を有する磁気コアの小型化
を可能とするために特に適した磁石を用いた磁気コアを
提供することにある。
【0013】また、本発明のもう一つの技術的課題は、
優れた直流重畳特性と、コアロス特性と、リフロー条件
でも特性に影響を受けず、耐酸化性を有する磁気コアを
容易かつ安価に提供する事にある。
【0014】また、本発明のさらにもう一つの技術的課
題は、磁路の少なくとも1箇所以上にギャップを有する
磁気コアに、該ギャップ両端から磁気バイアスを供給す
るために、該ギャップ近傍に永久磁石を配してなる磁気
バイアス用磁石を有する磁気コアにおいて、上記を考慮
して、優れた直流重畳特性とコアロス特性を有する磁気
コアを容易かつ安価に提供する事にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、磁路中
の少なくとも1箇所以上にギャップを有し、前記ギャッ
プに永久磁石を挿入してなり、20kHzにおける交流
透磁率が直流印加磁界120Oeの条件で45以上で、
かつ鉄損特性が20kHz、最大磁束密度0.1Tの条
件で100kW/m以下であることを特徴とする磁芯
が得られる。
【0016】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、初透磁率が100以上であることを特徴とする磁芯
が得られる。
【0017】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、Ni−Zn系フェライト又はMn−Znフェライト
からなり、前記磁石は、希土類磁石粉末とバインダーと
で構成されたボンド磁石であることを特徴とする磁芯が
得られる。
【0018】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記ボンド磁石は、前記希土類磁石粉末の平均粒径
が0μm以上〈0を含まず〉10μm以下であり、前記
バインダーの量を重量比で5〜30wt%含有するもの
であって、比抵抗が1Ω・cm以上でかつ固有保磁力が
5kOe以上であることを特徴とする磁芯が得られる。
【0019】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記永久磁石は、樹脂に磁石粉末が分散されてなる
ボンド磁石であり、0.1Ω・cm以上の比抵抗を有
し、該磁石粉末は、固有保磁力が5kOe以上、キュリ
ー点Tcが300℃以上、粉末粒径が150μm以下で
あることを特徴とする磁芯が得られる。
【0020】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記磁石粉末の平均粒径が2.0〜50μmである
ことを特徴とする磁芯が得られる。
【0021】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記樹脂含有量が体積比で10%以上であることを
特徴とする磁芯が得られる。
【0022】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記磁石粉末は、希土類磁石粉末であることを特徴
とする磁芯が得られる。
【0023】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、成形圧縮率が20%以上であることを特徴とする磁
芯が得られる。
【0024】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記ボンド磁石に使用する前記希土類磁石粉末にシ
ランカップリング材、チタンカップリング材を添加した
ことを特徴とする磁芯が得られる。
【0025】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記ボンド磁石は、その作製時に磁場配向されるこ
とにより異方性化されていることを特徴とする磁芯が得
られる。
【0026】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記磁石粉末は、表面活性剤でコーティングされて
いることを特徴とする磁芯が得られる。
【0027】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記永久磁石の中心線平均粗さが10μm以下であ
ることを特徴とする磁芯が得られる。
【0028】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記永久磁石は、比抵抗が1Ω・cm以上であるこ
とを特徴とする磁芯が得られる。
【0029】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記永久磁石は金型成形によって製造されたことを
特徴とする磁芯が得られる。
【0030】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記永久磁石は熱プレスによって製造されたことを
特徴とする磁芯が得られる。
【0031】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記永久磁石は、全体の厚みが500μm以下であ
ることを特徴とする磁芯が得られる。
【0032】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記永久磁石は、樹脂と磁石粉末との混合塗料から
ドクターブレード法、印刷法などの成膜法によって製造
されたことを特徴とする磁芯が得られる。
【0033】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記永久磁石は、表面のグロス(光沢度)が25%
以上であることを特徴とする磁芯が得られる。
【0034】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記樹脂は、ポリプロピレン樹脂、6−ナイロン樹
脂、12−ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、エポキシ樹脂から選択された少なくとも一種で
あることを特徴とする磁芯が得られる。
【0035】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記永久磁石は表面に耐熱温度120℃以上の樹脂
又は耐熱塗料を被覆していることを特徴とする磁芯が得
られる。
【0036】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記磁石粉末は、SmCo、NdFeB、SmFe
Nから選択された希土類磁石粉末であることを特徴とす
る磁芯が得られる。
【0037】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記磁石粉末は、固有保磁力が10KOe以上、キ
ュリー点が500℃以上、粉末平均粒径が2.5〜50
μmであることを特徴とする磁芯が得られる。
【0038】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記磁石粉末は、Sm−Co磁石であることを特徴
とする磁芯が得られる。
【0039】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記SmCo希土類磁石粉末は、Sm(Cobal
Fe0.15〜0.25Cu0.05〜0.06Zr
0.02 〜0.037.0〜8.5で表される合金粉
末であることを特徴とする磁芯が得られる。
【0040】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記樹脂含有量が体積比で30%以上であることを
特徴とする磁芯が得られる。
【0041】また、本発明によれば、前記磁芯におい
て、前記樹脂は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹
脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、
シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、芳香族ポリアミド樹
脂、液晶ポリマーから選択された少なくとも1種である
ことを特徴とする磁芯が得られる。
【0042】さらに、本発明によれば、前記したうちの
いずれか一つに記載の磁芯に少なくとも1ターン以上の
巻線が施されたことを特徴とするインダクタンス部品が
得られる。
【0043】
【発明の実施の形態】まず、本発明についてさらに、具
体的に説明する。
【0044】本発明の磁芯は、磁路中の少なくとも1箇
所以上にギャップを有し、該ギャップに永久磁石を挿入
してなり、20kHzにおける交流透磁率が直流印加磁
界120Oeの条件で45以上で、かつ鉄損特性が20
kHz、最大磁束密度0.1Tの条件で100kW/m
以下である。
【0045】上記の磁芯において、Ni−Zn系フェラ
イト又はMn―Zn系フェライトからなり、前記磁石
は、希土類磁石粉末とバインダーとで構成されたボンド
磁石であることが好ましい。
【0046】また、上記の磁芯において、前記ボンド磁
石は、前記希土類磁石粉末の平均粒径が0μm以上(0
を含まず)10μm以下であり、前記バインダーの量を
重量比で5〜30wt%含有するものであって、比抵抗
が1Ω・cm以上でかつ固有保磁力が5kOe以上であ
ることが好ましい。
【0047】また、本発明のインダクタンス部品は、上
記の磁芯に、少なくとも1ターン以上の巻線が施されて
なる。
【0048】これは、優れた直流重畳特性を得るのに必
要な磁石特性はエネルギー積よりもむしろ固有保磁力で
あり、従って、比抵抗の高い永久磁石を使用しても固有
保磁力が高ければ充分に高い直流電畳特性が得られるこ
とによる。
【0049】比抵抗が高く、しかも固有保磁力が高い磁
石は、一般的には希土類磁石粉末をバインダーとともに
混合して成形した希土類ボンド磁石で得られるが、保磁
力の高い磁石粉末であれば、どのような組成のものでも
良い。希土類磁石粉末の種類は、Sm−Co系、Nd‐
Fe―B系、Sm−Fe−N系のいずれでもよいが、粉
末の残留磁化の大きさによってバイアス磁界の大きさが
決まり、保磁力の値によって磁気特性の安定性が決まる
ので、磁芯の種類によって磁石粉末の種類を選択する必
要がある。
【0050】本発明においては、チョークコイル用及び
トランス用磁芯の材料として、コアロスの値が低いMn
−Zn系又はNi−Zn系フェライトを用い、その磁路
の少なくとも1箇所以上にギャップを設け、そのギャッ
プに希土類系ボンド磁石を挿入した磁芯である。
【0051】形状については、特に制限があるわけでは
なく、トロイダル磁芯、EE型磁芯、EI型磁芯等あら
ゆる形状の磁芯に本発明の適用が可能である。ギャップ
長に特に制限はないが、ギャップ長さが狭すぎると、直
流電畳特性が劣化し、またギャップ長が広すぎると透磁
率が低下しすぎるので、おのずから挿入するギャップ長
は決まってくる。
【0052】次に、ギャップに挿入される永久磁石に対
する要求特性は、固有保磁力については5kOe未満で
は、磁芯に印加される直流磁界によって磁化が消失する
ので、それ以上の保磁力が必要であり、また比抵抗は大
きいほど良いが、1Ω・cm以上であれば、コアロス劣
化の大きな要因にはならない。また、粉末の平均粒径が
実質的に10μmを超えるとコアロス特性が劣化するの
で、粉末の平均粒径は10μm以下であることが望まし
い。
【0053】それでは、本発明の具体例について説明す
る。
【0054】(第1の実施の形態)以下に、磁路の一部
にそれぞれ、Sm―Fe−Nボンド磁石、フェライト磁
石を挿入したMn−Zn系フェライト磁芯の直流重畳特
性を測定し、比較を行った例を示す。
【0055】実験に用いたフェライト磁芯は、Mn―Z
n系フェライト材で作製された磁路長7.5cm、実効
断面積0.74cmのEE型磁芯の中足に3.0mmの
ギャップ加工をしたものである。
【0056】ボンド磁石の作製には、Sm−Fe−N磁
石粉末(粉末平均粒径約3μm)と総重量の5wt%に
当たる量のバインダー(エボキシ樹脂)を混合した後、
無磁場中で金型成形を行った。以下に説明するフェライ
ト磁芯の中足断面形状で、かつ高さ3.0mmの形状に
加工した。
【0057】ボンド磁石とフェライト磁石を電磁石で磁
路方向に着磁後、そのギャップ部に挿入し、磁芯を作製
した。また、120ターンの巻線を施し、インダクタン
ス部品を作製した。これらの形状を図1(A)及び
(B)に示す。図1(A)及び(B)において、43
(斜線部)は磁石、45はフェライト磁芯、47は巻線
部である。挿入したSm−Fe−N系ボンド磁石は着磁
に周いた磁場の大きさを変化させることによって、表1
に示すような保磁力、残留磁束密度の試料を用意した。
フェライト磁石は、保磁力が3kOeのものを用いた。
【0058】
【表1】 各磁石を挿入した磁芯をHewlet Packerd
製4284A LCRメーターで交流磁場周波数100
kHz、重畏磁場0〜200Oeの条件で、直流重畳特
性を繰り返し測定した。この時の直流バイアス磁界の向
きは、挿入時に着磁した磁石の磁化の向きとは逆になる
ように重畳電流を印加した。その測定結果を図2〜図5
に示す。
【0059】図2より、保磁力が3kOeしかないフェ
ライト磁石を挿入した磁芯では、測定回数が進むにつ
れ、直流重畳特性が大きく劣化することがわかる。逆
に、図3〜図5より、保磁力の大きなSm−Fe−N系
ボンド磁石を挿入した磁芯は、繰り返しの測定において
も大きな変化は無く、非常に安定した特性を示すことが
わかる。
【0060】これらの結果より、フェライト磁石は、保
磁力が小さいために、磁石に印加される逆向きの磁界に
よって減磁、または磁化の反転が起こり、直流重畳特性
が劣化したものと推測できる。また、磁芯に挿入する磁
石は、保磁力が5kOe以上の希土類系ボンド磁石にお
いて優れた直流重畳特性を示すことがわかった。
【0061】(第2の実施の形態)以下に、磁路の一部
に磁石を挿入したMn−Zn系フェライト磁芯と磁石を
挿入していない同組成のMn−Zn系フェライト磁芯、
センダスト磁芯を用いて、直流重畳特性、コアロス測定
を行い、比較を行った例を示す。
【0062】実験に用いたフェライト磁芯は、第1の実
施の形態で用いられたものと同じくMn−Zn系フェラ
イト材で作製された磁路長7.5cm、実効断面積0.
74cmのEE型磁芯の中足に3.0mmのギャップ加
工されたものである。ボンド磁石を電磁石で磁路方向に
着磁後、そのギャップ部に挿入した。
【0063】センダスト磁芯については、粉末粒径が1
50μm以下のものを用い、それを総重量1.5wt%
のバインダー(シリコーン系樹脂)を混合したものを2
0ton/cmでプレスした後、700℃で2時間熱
処理したものを用いた。この形状を図3に示す。
【0064】磁石の作製には、Sm−Fe−N磁石粉末
(粉末平均粒径約3μm)と総重量の10wt%に当た
る量のバインダー(エポキシ樹脂)を混合した後、無磁
場中で金型成形を行った。以下に説明するフェライト磁
芯の中足断面形状で、かつ高さ3.0mmの形状に加工
した。なお、磁石特性は、φ10×t10のテストピー
スを別途作製し、直流BHトレーサーで測定した。その
結果、固有保磁力が12500Oe、残留磁束密度が4
000Gとわかった。この時の注意点としてボンド磁石
の磁化の向きは、交流透磁率測定における直流バイアス
磁界の向きとは逆になるように挿入する。
【0065】次に、Hewlet Packerd製4
284A LCRメーターで交流磁場周波数100kH
z、重畳磁場0〜200Oeの条件で、直流電畳特性を
測定した。その結果を図7に示す。
【0066】図7より、直流瓊畳磁界が100Oeの時
における透磁率で比較を行うと、センダスト磁芯では3
0未満であり、ギャップのみのMn‐Zn系フェライト
磁芯は30であったが、Sm−Fe−N磁石を挿入した
磁芯では45以上と、非常に優れた特性を示すことがわ
かった。
【0067】次に、岩崎通信機製のSY−8232交流
BHトレーサーで20kHz、0.1Tにおけるコァロ
ス特性を室温で測定した。その結果を表2に示す。
【0068】
【表2】 表2より、磁石を挿入した磁芯は、コアロスが24kW
/mであり、センダスト磁芯に比べ、5分の1である
ことがわかる。また、磁石を挿入していないフェライト
磁芯と比較しても、コアロスの上昇は比較的小さいこと
がわかる。
【0069】これらの結果より、ギャップに磁石を挿入
した磁芯は、直流重畳特性に優れ、しかもコアロス特性
の劣化が小さく優れていることがわかった。
【0070】(第3の実施の形態)平均粒径が5μmの
Sm−Co系磁石粉末に各々バインダーとしてエポキシ
樹脂の固形分比が総重量に対し、それぞれ2wt%、5
wt%、10wt%、20wt%、30wt%、40w
t%混合したものを用意し、それらを金型成形により7
×10mmで高さ3.0mmの形状のボンド磁石を作製
した。
【0071】上記の磁石を電磁石で磁路方向に着磁後、
第1の実施の形態で用いたMn−Zn系フェライト磁芯
のギャップ部に挿入し、岩崎通信機製のSY−8232
交流BHトレーサーで20kHz、0.1Tにおけるコ
アロス特性を室温で測定した。さらにHewlet P
ackerd製4284A LCRメーターで交流磁場
周波数100kHz、重畳磁場0〜200Oeの条件
で、直流重畳特性を測定した。これらの測定データを表
3に示す。
【0072】
【表3】 表3より、バインダー量の増加とともにコアロス値が減
少していき、バインダー量が2wt%の試料では、コア
ロスが200kW/m以上と非常に大きな値を示すこ
とがわかる。
【0073】これは、バインダー量が2wt%の試料で
は比抵抗が2.0×10−3Ω・cmと非常に小さいた
めに、渦電流損失が大きくなり、コアロス値が増加した
ものと推測される。
【0074】また、バインダー量が40wt%の試料で
は、直流重畳磁界が100Oeにおける透磁率が非常に
小さいことがわかる。これは、バインダー量が多いため
にボンド磁石の残留磁化の値が減少し、そのためバイア
ス磁界も小さくなり、直流重畳特性があまり向上しなか
ったものと推測される。
【0075】以上のことから、バインダー量が5wt%
以上、30wt%以下で、比抵抗が1Ω・cm以上のボ
ンド磁石を磁芯のギャップ部に挿入することにより優れ
た直流重畳特性が得られ、しかもコアロスの劣化も生じ
ない優れた磁芯が得られることがわかった。
【0076】(第4の実施の形態)Sm−Co系でエネ
ルギー積が約28MGOeの焼結磁石を粗粉砕後、標準
飾により最大粒径が−100μm、−50μm、−30
μmに分級を行った。さらに、粗粉砕後の粉末の一部を
有機溶媒中でボールミルにより微粉砕し、その粉末をサ
イクロンにより−10μm、−5μmの各最大粒径を有
する粉末を作製した。
【0077】次に、これらの作製した磁石粉末に各々バ
インダーとしてエポキシ樹脂を10wt%混合し、金型
成形により7×10mmで高さ0.5mmの形状のボン
ド磁石を作製した。ボンド磁石の特性は、第1の実施の
形態と同様に、テストピースを別途作製し測定した結
果、最大粉末粒径によらず全て5kOe以上の固有保磁
力を示した。また、比抵抗を測定した結果、全ての磁石
について1Ω・cm以上の値を示した。
【0078】次に、第1の実施の形態で用いたMn−Z
n系フェライト磁芯のギャップ部に作製したボンド磁石
を挿入した。次に、第1の実施の形態と全く同じ方法で
永久磁石を着磁後、20kHz、0.1mTのコアロス
を測定した。ここで、第1の実施の形態と全く同様に、
フェライト磁芯は同一のものを使用し、挿入する永久磁
石だけを交換してコアロスを測定した。その結果を表4
に示す。
【0079】
【表4】 表4に示す通り、磁石粉末の最大粒径が10μmをこえ
ると急激にコアロスが増大することがわかる。この結果
により、磁石粉末の粒径が10μm以上の時、更に優れ
たコアロス特性を示すことがわかった。
【0080】以上に説明したように、本発明の第1〜第
3の実施の形態によれば、優れた直流重畳特性とコアロ
ス特性を有し、かつ容易に製造でき、安価な磁芯を提供
することができた。
【0081】次にもう一つの本発明の磁芯について説明
する。本発明のもう一つの磁芯では、磁路の少なくとも
1箇所以上にギャップを有する磁気コアに、該ギャップ
両端から磁気バイアスを供給するために、このギャップ
近傍に永久磁石を配してなる磁気バイアス用磁石を有す
る磁気コアにおいて、前記磁気コアは圧粉磁心であり、
前記永久磁石が、15KOe以上の固有保磁力及び30
0℃以上のキュリー点を持つ粉末平均粒径が2.0〜5
0μmの希土類磁石粉末と樹脂とからなるボンド磁石で
ある。
【0082】前記磁気バイアス用磁石としてのボンド磁
石は、前記樹脂を体積比で10%以上含有し、比抵抗が
0.1Ω・cm以上であることが好ましい。
【0083】また、前記圧粉磁心の初透磁率が100以
上であることが好ましい。
【0084】更に,本発明では、前記の磁気バイアス用
磁石を有する磁気コアに、1ターン以上の巻線を少なく
とも1つ施してあるインダクタンス部品を得ることがで
きる。
【0085】なお、インダクタンス部品とは、コイル、
チョークコイル、トランス、その他一般に磁気コアと巻
き線とを必須とした部品を含むものとする。
【0086】圧粉磁心と希土類ボンド磁石を使用する事
によって直流重畳特性とコアロス特性に優れたコイル及
びトランス用磁心が製造可能となる。
【0087】本発明では、挿入する永久磁石と用いるコ
アとの組み合わせについて検討した結果、コアとしては
圧粉磁心(初透磁率が100以上であることが好まし
い)を用い、そのギャップに挿入する磁石としては、比
抵抗が0.1Ω・cm以上で固有保磁力が15kOe以
上の永久磁石を使用した時優れた直流重畳特性が得ら
れ、しかもコアロス特性の劣化が生じない磁芯を形成で
きる事を発見した。これは、優れた直流重畳特性を得る
のに必要な磁石特性はエネルギー積よりもむしろ固有保
磁力であり、従って比抵抗の高い永久磁石を使用しても
固有保磁力が高ければ充分に高い直流重畳特性が得られ
る事を見出したことによる。
【0088】比抵抗が高くしかも固有保磁力が高い磁石
は、一般的には希土類磁石粉末をバインダーとともに混
合して成形した希土類ボンド磁石で得られるが、保磁力
の高い磁石粉末であればどのような組成のものでも可能
である。希土類磁石粉末の種類はSmCo系、NdFe
B系、SmFeN系とあるが、使用時の熱減磁を考える
とTcが300℃以上、保磁力が5kOe以上の磁石が
必要である。樹脂としては熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹
脂も使用することが可能であり、これによって渦電流損
の増大が抑制されることが分かった。
【0089】圧粉磁心の形状については特に制限がある
わけではないが、一般的にはトロイダルコアであり、壷
型コアで用いられる事もある。これらコアの磁路の少な
くとも1箇所以上にギャップを設け、そのギャップに永
久磁石を挿入する。ギャップ長に特に制限はないがギャ
ップ長が狭すぎると直流重畳特性が劣化し、またギャッ
プ長が広すぎると透磁率が低下しすぎるので、おのずか
ら挿入するギャップ長は決まってくる。
【0090】また、ギャップを挿入する前の初透磁率の
値は重要であり、これが低すぎると磁石によるバイアス
が効かないので少なくとも100以上の初透磁率が必要
である。
【0091】次にギャップに挿入される永久磁石に対す
る要求特性は、固有保磁力については15kOe以下で
は磁心に印加される直流磁界によって保磁力が消失する
のでそれ以上の保磁力が必要であり、また比抵抗は大き
いほど良いが0.1Ω・cm以上であればコアロス特性
が高周波まで良好である。
【0092】磁石粉末の平均最大粒径が50μm以上に
なるとコアの比抵抗をいくら大きくしてもコアロス特性
が劣化するので、粉末の最大粒径は50μm以下である
事が望ましく、最小粒径が2.0μm以下になると粉末
と樹脂の混練時に粉末の酸化による磁化の減少が顕著に
なるため2.0μm以上の粒径が必要で有る。
【0093】また、コアロスを増大させないため樹脂の
量は少なくとも体積比で10%以上必要である。
【0094】以下、本発明の他の実施の形態について、
以下説明する。
【0095】(第5の実施の形態)SmCo17のイ
ンゴットを粉砕した粉末から通常の粉末冶金法で焼結体
を作成し、その焼結体に磁石化のための熱処理を施した
後微粉砕し、平均粒径が約3.5μm、4.5μm、
5.5μm、6.5μm、7.5μm、8.5μmおよ
び9.5μmの磁石粉末を用意した。これらの磁石粉末
に適当なカップリング処理を施した後、熱硬化性樹脂と
してエポキシ樹脂をそれぞれ40vol%混合し、金型
を使用して3(t/cm)の圧力を加えて成形する事
により各ボンド磁石を作製した。ここで、ボンド磁石
は、図8のトロイダル状の圧粉磁芯55と同じ断面形状
を持つ金型を用いて成形された。
【0096】一方、φ10×t10のテストピース(T
P)を別途作成して直流BHトレーサーで固有保磁力i
Hcを測定した。その結果を表1に示す。
【0097】圧粉磁心として、図8に示すようなトロイ
ダル形状のコア55を、Fe−Al−Si磁性合金(商
標:センダスト)粉末を用いて外径27mm、内径14
mm、厚さ7mmの寸法に成形した。このコアの初透磁
率は120であった。
【0098】このトロイダルコアに0.5mmのギャッ
プ加工をした。そのギャップ部に上記作成したボンド磁
石57を挿入配置し、電磁石でコア55の磁路方向に磁
石57を着磁後、図9に示す様にコイル59を巻き線
し、直流重畳特性を測定した。印加した直流は、直流磁
界にして150Oeであった。その測定を10回繰り返
した。その結果を表5に示す。比較としてギャップに磁
石を配置しなかったものの測定結果も表5に並べて示
す。
【0099】
【表5】 表5から、挿入される磁石の保磁力が15kOe以上の
ときは、繰り返し直流磁界を印加しても直流重畳特性の
劣化を生じないことがわかった。
【0100】(第6の実施の形態)磁石粉末として還元
拡散法で作成されたSmFe粉末を3μmに微粉砕後、
窒化処理する事で得られたSmFeN粉末を用意した。
次にこの粉末にZn粉末を3wt%混合した後、500
℃で2時間Ar中で熱処理した。その粉末特性をVSM
で測定した結果、保磁力が約20kOeであった。
【0101】次に、この磁石粉末に、熱可塑性の樹脂と
して6ナイロンを45vol%混合して、230℃で熱
混練したのち、同じ温度で厚さ0.2mmに熱プレスし
てシート状のボンド磁石を得た。
【0102】このボンド磁石のシートを10mm径の円
盤状に打抜き、厚さ10mmに重ねて、その磁石特性を
測定したところ、約18kOeの固有保磁力を示した。
また比抵抗を測定した結果、0.1Ω・cm以上の値を
示した。
【0103】一方、圧粉磁心についてはセンダスト粉末
の形状と粉末の充填率を変える事により初透磁率が、そ
れぞれ、75、100、150、200、および300
のトロイダル形状の圧粉磁心を第5の実施の形態と全く
同様に作成した。
【0104】つぎに、これら初透磁率の異なる圧粉磁心
のどの水準についても初透磁率が50〜60になるよう
にギャップ長を調整した。
【0105】次にそのギャップに、ボンド磁石を隙間が
開かないように挿入した。その為、磁石シートを重畳し
たり、必要に応じて研磨して挿入した。
【0106】次に直流重畳磁界150Oeにおける透磁
率μeを測定した結果を表6に示す。また、20KH
z、100mTのコアロス特性を示す。なお初透磁率7
5の圧粉磁心の直流重畳特性μeは16であり、コアロ
スは100であった。
【0107】
【表6】 表6に示す通り、圧粉磁心の初透磁率が100より小さ
くなると重畳特性の向上が見られ無くなることが分か
る。これは、圧粉磁心の初透磁率が小さすぎると磁石の
フラックスがショートパスしてコアを通らない事を示し
たものであり、コアの初透磁率は少なくとも100以上
必要な事を示している。
【0108】次のさらにもう一つの本発明について説明
する。
【0109】本発明の磁芯では、薄板磁石を用いてい
る。この薄板磁石は、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミ
ド樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイト樹
脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、芳香族系ポリア
ミド、液晶ポリマーから選択された一種類の樹脂に磁石
粉末が分散されてなり、該樹脂含有量が体積比で30%
以上で、全体の厚みが500μm以下である。ここで、
前記磁石粉末は、固有保磁力が10KOe以上、Tcが
500℃以上、粉末平均粒径が2.5〜50μmである
ことが好ましい。
【0110】また、本発明の1態様の薄板磁石において
は、前記磁石粉末は、希土類磁石粉末である。前記薄板
磁石において、表面のグロス(光沢度)が25%以上で
あることが好ましい。また、前記薄板磁石においては、
成形圧縮率が20%以上であることが好ましい。
【0111】本発明の1態様においては、前記磁石粉末
は、表面活性剤でコーティングされている。前記薄板磁
石において、比抵抗が0.1Ω・cm以上あることが好
ましい。
【0112】又、本発明の磁芯は、磁路の少なくとも1
箇所以上に磁気ギャップを有する磁気コアに、該ギャッ
プ両端から磁気バイアスを供給するために、該磁気ギャ
ップ近傍に永久磁石を配してなる磁気バイアス用磁石を
有する磁気コアにおいて、前記永久磁石が、前記した薄
板磁石であること磁気バイアス用磁石を有する磁芯であ
る。前記磁気ギャップは、約500μm以下のギャップ
長を有し、前記磁気バイアス用磁石は該ギャップ長以下
の厚みを有し、厚み方向に磁化されていることが好まし
い。
【0113】更に前記薄板磁石を磁気バイアス用磁石と
して備えた磁芯に、1ターン以上の巻線を少なくともひ
とつ施して、薄型で、直流重畳特性が良好で、コアロス
低いインダクタンス部品が得られる。
【0114】また、本発明は、磁気コアの磁気ギャップ
に挿入配置する磁気バイアス用の永久磁石として、50
0μm以下の厚みの薄板磁石の可能性について検討し
た。その結果、特定樹脂の含有量が体積比で30%以上
の薄板磁石の比抵抗が0.1Ω・cm以上で固有保磁力
が10kOe以上の薄板磁石を使用した時優れた直流重
畳特性が得られ、しかもコアロス特性の劣化が生じない
磁気コアを形成できる事を発見した。これは、優れた直
流重畳特性を得るのに必要な磁石特性は、エネルギー積
よりもむしろ固有保磁力であり、従って比抵抗の高い永
久磁石を使用しても固有保磁力が高ければ充分に高い直
流重畳特性が得られる事を見出したことによる。
【0115】比抵抗が高くしかも固有保磁力が高い磁石
は、一般的には希土類磁石粉末をバインダーとともに混
合して成形した希土類ボンド磁石で得られるが、保磁力
の高い磁石粉末であればどのような組成のものでも可能
である。希土類磁石粉末の種類はSmCo系、NdFe
B系、SmFeN系とあるが、リフロー等の使用時の熱
減磁を考えるとキュリー点Tcが500℃以上、固有保
磁力iHcが10KOe以上の磁石が必要である。
【0116】また、磁石粉末に表面活性材でコーティン
グすることにより成形体中での粉末の分散が良好となり
磁石の特性が向上するためさらに高特性の磁気コアが得
られる。
【0117】チョークコイル用及びトランス用磁気コア
としては軟磁気特性を有する材料であればなんでも有効
であるが、一般的にはMnZn系又はNiZn系フェラ
イト、圧粉磁気コア、珪素鋼板、アモルファス等が用い
られる。また、磁気コアの形状についても特に制限があ
るわけではなく、トロイダルコア、EEコア、EIコア
等あらゆる形状の磁気コアに本発明の適用が可能であ
る。これらコアの磁路の少なくとも1箇所以上にギャッ
プを設け、そのギャップに薄板磁石を挿入配置する。ギ
ャップ長に特に制限はないがギャップ長が狭すぎると直
流重畳特性が劣化し、またギャップ長が広すぎると透磁
率が低下しすぎるので、おのずから挿入するギャップ長
は決まってくる。磁気コア全体の寸法を小さくするため
に、ギャップ長を500μmに抑える。
【0118】次にギャップに挿入される薄板磁石に対す
る要求特性は、固有保磁力については10kOe以下で
は磁気コアに印加される直流重畳磁界によって保磁力が
消失するのでそれ以上の保磁力が必要であり、また比抵
抗は大きいほど良いが0.1Ω・cm以上であればコア
ロス劣化の大きな要因にはならない。また、粉末の平均
最大粒径が50μm以上になるとコアロス特性が劣化す
るので、粉末の最大粒径は50μm以下である事が望ま
しく、最小粒径が2.5μm以下になると粉末熱処理及
びリフロー時に粉末の酸化による磁化の減少が顕著にな
るため2.5μm以上の粒径が必要で有る。
【0119】以下、さらにもう一つの本発明の実施の形
態について説明する。
【0120】(第7の実施の形態)SmCo17磁石
粉末とポリイミド樹脂を熱混練機としてラボプラストミ
ルを用いて熱混練を行った。樹脂量としては15vol
%〜40vol%で変化させそれぞれ混練した。熱混練
で得たものを熱プレス機で0.5mmの薄板磁石の成形
を試みた。この結果、樹脂の添加量は30vol%以上
でないと成形できないことがわかった。また、本実施の
形態ではポリイミド樹脂薄板磁石の結果を示したが、こ
れ以外のエポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイト樹
脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、芳香族系ポリア
ミド、液晶ポリマーのそれぞれにおいても、同様の結果
が得られた。
【0121】(第8の実施の形態)各磁石粉末と各種樹
脂とを、それぞれ、下の表7に示す組成でラボプラスト
ミルを用いて熱混練を行った。ラボプラストミルの運転
時の設定温度は各樹脂の軟化点よりもそれぞれ5℃高い
温度とした。
【0122】
【表7】 ラボプラストミルで混練したものを、熱プレス機で無磁
場中で金型成形する事によりそれぞれ0.5mmの薄板
磁石を作製した。この薄板磁石を図1(A),(B)に
示すE型フェライトコア45中央磁脚と同一断面形状に
切断した。
【0123】次に、図1(A),(B)に示すように、
一般的なMnZn系フェライト材で作成された磁路長
7.5cm、実効断面積0.74cmのEEコアの中央
磁脚に0.5mmのギャップ加工をした。そのギャップ
部に上記作製した薄板磁石43を挿入配置して、磁気バ
イアス磁石43を有する磁気コアを作製した。同図にお
いて、43が薄板磁石、45がフェライトコアである。
次に、磁石43を、パルス着磁機でコア45の磁路方向
に着磁後、コア45にコイル47を巻き線し、HP製−
4284LCRメーターで、交流磁場周波数100kH
z、重畳磁場0〜200Oeの条件で、インダクタンス
Lを測定した。この測定後、270℃でリフロー炉で3
0分保持した後、インダクタンスLを再び測定し、この
繰り返しで5回測定した。この時の直流重畳による磁界
の向きが、磁気バイアス磁石の磁化の向きとは逆になる
ように直流重畳電流を印加する。得られたインダクタン
スLと、コア定数(コア寸法等)と巻線数から透磁率を
計算して、直流重畳特性を得た。各コアの5回の測定に
基づく直流重畳特性を図10〜図14に示す。
【0124】図14から、SmCo17磁石粉末をポ
リプロピレン樹脂に分散した薄板磁石を挿入配置したコ
アは2回目以降直流重畳特性が大きく劣化していること
がわかる。これは、リフローで薄板磁石が変形してしま
った為である。保磁力が4kOeしかないBaフェライ
トをポリイミド樹脂に分散した薄板磁石を挿入配置した
コアでは、図13に見られるように、測定回数がすすむ
につれ、直流重畳特性が大きく劣化することがわかる。
逆に、保磁力が10kOe以上の磁石粉末とポリイミド
あるいはエポキシ樹脂とを用いた薄板磁石を挿入配置し
たコアは、図10〜12に見られる通り、繰り返しの測
定においても大きな変化は無く、非常に安定した特性を
示すことが分かる。これらの結果よりBaフェライト薄
板磁石は保磁力が小さいために、薄板磁石に印加される
逆向きの磁界によって減磁、または磁化の反転が起こ
り、直流重畳特性が劣化したものと推測できる。また、
コアに挿入する薄板磁石は保磁力が10kOe以上の薄
板磁石において優れた直流重畳特性を示すことが分かっ
た。また、本実施の形態では示さなかったが、本実施の
形態以外の組み合わせでもポリフェニレンサルファイト
樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、芳香族系ポリ
アミド、液晶ポリマーから選択した樹脂で作製した薄板
磁石においても同様の効果が得られることを確認した。
【0125】(第9の実施の形態)ポリフェニレンサル
ファイト樹脂30vol%と、磁石粉末の粒径が1.0
μm、2.0μm、25μm、50μm、55μmのS
Co17磁石粉末とを、それぞれ、ラボプラストミ
ルを用いて熱混練を行った。ラボプラストミルで混練し
たものを、熱プレス機により無磁場中で金型成形する事
によりそれぞれ0.5mmの薄板磁石を作製した。次
に、第8の実施の形態と同様に、図1(A)及び(B)
に示すように、この薄板磁石43をE型フェライトコア
45の中央磁脚と同一断面形状に切断し、図1(A)及
び(B)に示すようなコアを作製した。次に、薄板磁石
43を、パルス着磁機でコア45の磁路方向に着磁後、
コア45にコイル47を巻き線し、岩崎通信機製のSY
−8232交流BHトレーサーで、300KHz、0.
1Tにおけるコアロス特性を室温で測定した。その測定
結果を表8に示す。表8より薄板磁石に用いる磁石の粉
末平均粒径が2.5〜50μmではコアロス特性が優れ
ていることがわかった。
【0126】
【表8】
【0127】(第10の実施の形態)SmCo17
石粉末60vol%とポリイミド樹脂40vol%とを
ラボプラストミルを用いてそれぞれ熱混練を行った。熱
混練で得たものを熱プレス機でプレス圧を変化させ0.
3mmの成形体を作製し、パルス着磁装置で4Tで着磁
を行い、薄板磁石を作製した。作製した薄板磁石のグロ
ス(光沢度)は、それぞれ15%〜33%でプレス圧が
高いほどグロスも高い値を示した。これらの成形体を1
cm×1cmに切断を行い、TOEI TDF−5 D
igitalFluxmeterでフラックスを測定し
た結果とグロスの測定結果を表9に並べて示す。
【0128】
【表9】 表9の結果から、グロスが25%以上の薄板磁石では磁
石特性が優れている。これは、作製した薄板磁石のグロ
スが25%以上では薄板磁石の充填率が90%以上とな
るためである。また、本実施の形態ではポリイミド樹脂
で実験を行った結果を示したが、これ以外のエポキシ樹
脂、ポリフェニレンサルファイト樹脂、シリコン樹脂、
ポリエステル樹脂、芳香族系ポリアミド、液晶ポリマー
から選択された一種類の樹脂でも同様の結果が得られ
た。
【0129】(第11の実施の形態)乾燥後の体積比が
SmCo17磁石粉末60vol%、ポリイミド樹脂
40vol%となるように、SmCo17磁石粉末と
新日本理化製リカコート(ポリイミド樹脂)に、溶剤と
してγ−ブチロラクトンを加えて、円心脱泡機で5分攪
拌後、3本ロールで混練を行ってペーストを作製した。
溶剤の配合比は、Sm Co17磁石粉末と新日本理化
製リカコートを合わせて70重量部に対してγ−ブチロ
ラクトンを10重量部とした。作製したペーストをドク
ターブレード法により500μmのグリーンシートを作
製し乾燥を行った。乾燥させたグリーンシートを1cm
×1cmに切断し、プレス圧を変化させ熱プレス機で熱
プレスを行い、作製した成形体をパルス着磁装置で4T
で着磁を行い、薄板磁石を作製した。比較として、熱プ
レスを行っていない成形体も着磁して薄板磁石にした。
また、今回は上記の配合比で作製したが、これ以外の成
分、配合比でも、グリーンシート作製可能なペーストが
得られるものであれば良い。また、混練のために三本ロ
ールミルを用いたが、これ以外にもホモジナイザーやサ
ンドミル等を用いても良い。作製した薄板磁石のグロス
(光沢度)は、それぞれ9%〜28%でプレス圧が高い
ほどグロスも高い値を示した。これらの薄板磁石のフラ
ックスをTOEI TDF−5 Digital Fl
uxmeterで測定した結果を表10に示す。また、
この時の薄板磁石の熱プレスによる圧縮率(=1−熱プ
レス後の厚さ/熱プレス前の厚さ)を測定した結果も並
べて示す。
【0130】
【表10】 以上の結果から、第10の実施の形態と同様に、グロス
が25%以上では良好な磁石特性が得られる。この理由
もグロス25%以上では薄板磁石の充填率が90%以上
となるためである。また、圧縮率についてみると圧縮率
20%以上で良好な磁石特性が得られることがわかっ
た。
【0131】本実施の形態ではポリイミド樹脂で上記組
成、配合比で実験を行った結果を示したが、これ以外の
これ以外のエポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイト
樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、芳香族系ポリ
アミド、液晶ポリマーから選択された一種類の樹脂及び
配合比、においても同様の結果が得られた。
【0132】(第12の実施の形態)SmCo17
石粉末と、界面活性剤としてリン酸ナトリウムを0.5
wt%とを混合した。同様にして、SmCo17磁石
粉末と、カルボキシメチルセルロースナトリウム0.5
wt%とを混合、SmCo17磁石粉末と珪酸ナトリ
ウムとを、それぞれ混合した。これら混合した粉末の、
それぞれ、65vol%と、ポリフェニルサルファイト
樹脂35vol%とをラボプラストミルを用いてそれぞ
れ熱混練を行った。ラボプラストミルで混練したものを
熱プレスにより0.5mmに成型し、第8の実施の形態
と同一の、図1(A)及び(B)に示すE型フェライト
コア45の中央磁脚と同一断面形状に切断し、EEコア
45の中央磁脚ギャップ部に上記作製した薄板磁石43
を挿入配置し、図1(A)及び(B)に示すコアを作製
した。次に、この薄板磁石43をパルス着磁機でコア4
5の磁路方向に着磁後、コア45にコイル47を巻き線
し、岩崎通信機製のSY−8232交流BHトレーサー
にて、300kHz、0.1Tにおけるコアロス特性を
室温で測定した。その測定結果を表11に示す。比較と
して、界面活性剤を用いずに、SmCo17磁石粉末
65vol%とポリフェニルサルファイト樹脂35vo
l%とをラボプラストミルで混練したものを熱プレスに
より0.5mmに成型し、上記と同じフェライトEEコ
アの中央磁脚の磁気ギャップ中に挿入配置し、これをパ
ルス着磁機でコアの磁路方向に着磁後に、コイルを巻き
線し、コアロスを測定した。その結果も表11に並べて
示す。
【0133】
【表11】 表11より界面活性剤を添加したものは良好なコアロス
特性を示している。これは、界面活性剤を添加すること
により、1次粒子の凝集を防止し、渦電流損を抑制した
ためである。本実施の形態ではリン酸塩を添加した結果
を示したがこれ以外の界面活性剤を添加しても同様に、
コアロス(鉄損)特性が良好である結果が得られた。
【0134】(第13の実施の形態)SmCo17
石粉末とポリイミド樹脂とをラボプラストミルで熱混練
した後、熱プレス機で無磁場中でプレス成形する事によ
り厚さ0.5mmの薄板磁石を作製した。ここでポリイ
ミド樹脂の樹脂量を調節する事により、比抵抗が各々
0.05、0.1、0.2、0.5、1.0Ω・cmの
薄板磁石を作成した。その後、第8の実施の形態と同様
に、図1(A)及び(B)のE型フェライトコア45の
中央磁脚と同一断面形状に加工した。次にこのMnZn
系フェライト材で作成された磁路長7.5cm、実効断
面積0.74cmのEEコア45の中央磁脚の磁気ギャ
ップに上記作成した薄板磁石43を挿入配置し、電磁石
で磁路方向に着磁後、コイル47巻き線し、岩崎通信機
製のSY−8232交流BHトレーサーで、300KH
z、0.1Tにおけるコアロス特性を室温で測定した。
ここで測定に使用したフェライトコアは同一のものであ
り、磁石だけを比抵抗の異なるものと交換して、コアロ
スを測定したその結果を表12に示す。
【0135】
【表12】 表12より比抵抗0.1Ω・cm以上の磁気コアでは良
好なコアロス特性を示していることがわかる。これは、
薄板磁石の比抵抗をあげることにより渦電流損失を抑制
できるためである。
【0136】(第14の実施の形態)各種磁石粉末と各
種樹脂とを各々表13に示す組成で、以下の記載した方
法で混練、成形、加工して厚さ0.5mmの試料を作製
した。ここでSmCo17系紛末とフェライト紛末は
焼結体の粉砕粉末であり、SmFe17N紛末は還元
拡散法で作製したSmFe17紛末を窒化処理した紛
末であり、各粉末は平均粒径で約5μmであった。芳香
族系ポリアミド樹脂(6Tナイロン)とポリプロピレン
樹脂はラボプラストミルを用いてAr中300℃(ポリ
アミド)、250℃(ポリプロピレン)で熱混練後、熱
プレス機で成形し試料を作成した。可溶性ポリイミド樹
脂は溶剤としてγ−ブチロラクトンを加えて遠心脱泡機
で5分間攪拌してペーストを作製後、ドクターブレード
法により出来あがりが500μmになるようにグリーン
シートを作製し、乾燥後、熱プレスによって試料を作製
した。エポキシ樹脂はビーカーで攪拌混合後金型成形し
適当なキュア条件により試料を作製した。これら試料の
比抵抗は全て0.1Ω・cm以上であった。
【0137】この薄板磁石を以下に説明するフェライト
コアの中芯断面形状に切断した。コアは一般的なMnZ
n系フェライト材で作成された磁路長5.9cm、実効
断面積0.74cmのEEコアであり中芯には0.5m
mのギャップ加工をした。そのギャップ部に上記作製し
た薄板磁石を挿入し、図1(A)及び(B)に示すよう
に配置した(43が薄板磁石、45がフェライトコア、
47は巻き線部)。
【0138】次にパルス着磁機で磁路方向に着磁後、H
ewlet Packard製HP−4284A LC
Rメーターで直流重畳特性を交流磁場周波数100KH
z、直流重畳磁場35 Oeの実効透磁率を測定した。
【0139】次にこれらコアを270℃のリフロー炉で
30分間保持した後、再び直流重畳特性を全く同じ条件
で測定した。
【0140】比較例として、ギャップに磁石を挿入しな
いものについても同様に測定し、これはリフロー前後で
特性の変化はなく、実効透磁率μeは70であった。
【0141】これらの結果を表13に、また結果の1例
として図7に試料とと比較例との直流重畳特性を示
す。また直流バイアス磁界の向きは、挿入時に着磁した
磁石の磁化の向きとは逆になるように重畳電流を印加す
るのはもちろんのことである。
【0142】なお、ポリプロピレン樹脂の薄板磁石を挿
入したコアは、磁石が著しく変形したため測定出来なか
った。
【0143】保磁力が4KOeしかないBaフェライト
の薄板磁石を挿入したコアではリフロー後、直流重畳特
性が大きく劣化することがわかる。またSmFe17
Nの薄板磁石を挿入したコアでもリフロー後、直流重畳
特性が大きく劣化することがわかる。逆に、保磁力が1
0kOe以上でTcが770℃と高いSmCo17
薄板磁石を挿入したコアは、特性の劣化が認められず、
非常に安定した特性を示すことが分かる。
【0144】これらの結果よりBaフェライト薄板磁石
は保磁力が小さいために、薄板磁石に印加される逆向き
の磁界によって減磁、または磁化の反転が起こり、直流
重畳特性が劣化したものと推測でき、またSmFeN磁
石は保磁力が高いもののTcが470℃と低いために熱
減磁が生じ、それに逆向きの磁界による減磁の相乗効果
により特性が劣化したと推測される。従って、コアに挿
入する薄板磁石は保磁力が10KOe以上でTcが50
0℃以上の薄板磁石において優れた直流重畳特性を示す
ことが分かった。
【0145】また、本実施の形態では示さなかったが、
本実施の形態以外の組み合わせでも、請求の範囲で示し
た樹脂で作製した薄板磁石においても同様の効果が得ら
れることを確認した。
【0146】
【表13】
【0147】(第15の実施の形態)第14の実施の形
態と全く同じSmCo17系磁石粉末(iHc=15
kOe)と可溶性ポリアミドイミド樹脂(東洋紡バイロ
マックス)を加圧ニーダーで混練後、プラネタリーミキ
サーで希釈混練したものを遠心脱泡機で5分間攪拌して
ペーストを作製した。ペーストはドクターブレード法に
より乾燥後の厚みが約500μmになるようにグリーン
シートを作製し、乾燥後、熱プレス、次に厚さ0.5m
mに加工し、薄板磁石試料とした。ここでポリアミドイ
ミド樹脂の樹脂量は、比抵抗が各々0.06、0.1、
0.2、0.5、1.0Ω・cmとなるように表14の
とおりに調製した。これらの薄板磁石を第7の実施の形
態と全く同じコアの中芯断面形状に切断し、測定試料と
した。
【0148】次に、第14の実施の形態と全く同じ0.
5mmのギャップ長を有するEEコアに上記作製した薄
板磁石を挿入し、パルス着磁機で磁石を着磁した。これ
らのコアについて、岩崎通信機製のSY−8232交流
BHトレーサーを用いて300KHz、0.1Tにおけ
るコアロス特性を室温で測定した。ここで測定に使用し
たフェライトコアは同一のものであり、比抵抗の異なる
磁石だけを交換、挿入し再びパルス着磁機で着磁後コア
ロス特性を測定した。
【0149】その結果を表14に示す。比較例として、
全く同じギャップ付のEEコアの、同じ測定条件でのコ
アロス特性は520(kW/m)であった。
【0150】表14から、比抵抗0.1Ω・cm以上の
磁気コアで良好なコアロス特性を示している。これは薄
板磁石の比抵抗をあげると渦電流損失を抑制できるため
と推測される。
【0151】
【表14】 以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、5
00μm以下の薄板磁石が得られ、この薄型磁石を磁気
バイアス磁石として使用することにより、小型で、高周
波における磁気コアの直流重畳特性が向上した且つリフ
ロー温度でも特性の劣化のない磁気コア及び、この磁気
コアを用いて、リフローにて特性の劣化の恐れなく表面
実装を可能としたインダクタンス素子を提供することが
できる。
【0152】(第16の実施の形態)Sm(Co
0.742Fe0.20Cu0.055
0.0297.7組成の焼結磁石(iHc=15K
Oe)から、粉砕時間を変えて平均粒径の異なるものを
用意し、次に径の異なるふるいを通じて最大粒径を調整
した。
【0153】乾燥後の体積比がSmCo17磁石粉末
60vo1%とポリイミド樹脂40vol%となるよう
に、SmCo17磁石粉末と新日本理化製リカコート
(ポリイミド樹脂)に溶剤としてγ−ブチロラクトンを
加えて円心脱泡機で5分攪拌してペーストを作製した。
溶剤の配合比は、SmCo17磁石粉末と新日本理化
製リカコートを合わせて70重量部に対してγ−ブチロ
ラクトンを10重量部とした。作製したペーストをドク
クーブレード法により500μmのグリーンシートを作
製し乾燥、熱プレスを行った。これをフェライトコアの
中芯形状に切断後、パルス着磁装置を使用して4Tで着
磁を行い、薄板磁石を作製した。これらの薄板磁石のフ
ラックスをTOEI TDF−5 Digital F
luxmeter で測定した結果を表15に示す。さ
らに第14の実施の形態と同様にフェライトコアにはさ
んで直流重畳特性を測定し、次にバイアス量を測定し
た。バイアス量は透磁率と重畳磁界の大きさの積で求め
た。
【0154】
【表15】 平均粒径が2.1μmの試料はフラックスが低下して
おり、バイアス量が小さい。これは作製工程中で磁石粉
末の酸化が進行しているためと考えられる。また平均粒
径が大きい試料は、粉末充填率が低いためフラックス
が低く、また磁石の表面粗さが粗いため、コアとの密着
性が悪くパーミアンス係数が低下するため、バイアス量
が低下していると考えられる。また、粒径が小さいもの
でも、プレス圧が充分でなく表面粗さの大きい試料
は、粉末の充填率が低いためフラックスが低下してお
り、バイアス量が小さい。また粗大粒が混ざっている試
料は表面粗さが粗いため、バイアス量が低下している
と考えられる。
【0155】これらの結果より、磁性粉の平均粒径が2
5μm以上で、かつ最大粒径が50μmであり、中心線
平均粗さが10μm以下の薄板磁石を挿入したとき、薄
板磁石を挿入したときに、優れた直流重畳特性を示すこ
とがわかった。
【0156】(第17の実施の形態)SmCo17
でZr量が0.01at%で組成がSm(Co0.78
Fe 0.11Cu0.10Zr0.018.2の俗に
第2世代SmCo17磁石と呼はれる組成のインゴッ
トを粗粉砕後に熱処理した磁石紛末と、Zr量が0.0
29at%で組成がSm(Co0.0742Fe
0.20Cu0.055Zr 0.0298.2の俗に
第3世代SmCo17磁石と呼ばれる組成のインゴツ
ドを粗粉砕後に熱処理した磁石粉末を用いた。上記第2
世代SmCo17磁石粉末は800℃で1.5Hrの
時効熱処理を行い、第3世代SmCo17磁石は80
0℃で10Hrの時効熱処理を行った。これによってV
SMで測定された磁石粉末の保磁力は、第2世代が8K
Oeで第3世代が20KOeであった。これらの粗粉砕
粉末を、有機溶媒中でボールミルにより平均粒径5.2
μmに微粉砕し、さらに目開き45μmの篩を通し、磁
石粉末を得た。次にこれら作製した磁石粉末にそれぞれ
バインダーとしてエポキシ樹脂を35vo1%混合し、
第14の実施の形態と全く同しEEコアの中芯形状と厚
み0.5mmのボンド磁石を金型成形により作成した。
ここで磁石特注はφ10*t10のテストピースを別途
作成し、直流BHトレーサーで測定した。
【0157】保磁力は粗粉砕粉末とほぼ同様の値であっ
た。次にこれら磁石を第14の実施の形態と全く同じE
Eコアに挿入後、パルス着磁、巻き線後、LCRメータ
で40Oe直流重畳時の100KHzにおける実効透磁
率を測定した。次に、これらコアをリフロー炉の条件で
ある270℃の恒混槽で1Hr保持した後、上記と同様
に直流重畳特性を測定した。その結果も表16に示す。
【0158】
【表16】 表16より保磁力の高い第3世代SmCo17磁石粉
末を使用した場合、リフロー後も良好な直流重畳特性が
得られることがわかった。なお、Smと遷移金属の比で
保磁力のピークを有することが知られているが、この最
適値の組成比は合金に含有される酸素量によって変動す
ることが知られており、焼結体は7.0〜8.0でイン
ゴットは8.0〜8.5の間で変動することを確認して
いる。以上より組成が第3世代であるSm(C
bal.Fe0.15−0.25Cu
.05−0.06Zr0.02−0.03
7.0−8.5でリフロー条件でも直流重畳特性が良好
であることがわかった。
【0159】(第18の実施の形態)第16の実施の形
態の試料で作製した、組成がSm(Co0.742
.20Cu0.055Zr0.0297.7で粒
径が平均で5μm、最大粒径で45μmの磁石紛末を用
いた。その磁石粉末の表面に、Zn、無機ガラス(Zn
O−B−PbO)軟化点400℃、及びZn後更
に無機ガラス(ZnO−B−PbO)を夫々被覆
した薄板磁石を第2の実施の形態の試料と全く同様の
方法で作製し、それを挿入したMn−Zn系フェライト
コアの直流重畳特性は第16の実施の形態と全く同様に
測定後バイアス量を求め、コアロス特性は第2の実施の
形態と全く同様の方法で測定し、比較を行った結果を表
17に示す。
【0160】ここでZnは磁石粉末と混合後、500
℃,Ar雰囲気下で2時間熱処理を施した。ZnO−B
−PbOは熱処理温度が450℃以外は全く同じ
方法で熱処理した。一方、複合層を形成するためには始
めにZnと磁石粉末とを混合し500℃で熱処理し、こ
こで一旦炉から取り出してこの粉末とZnO−B
−PbO粉末を混合後、450℃で熱処理する。これら
紛末は総体積の45vol%に当たる量のバインター
(エポキシ樹脂)を混合した後、無磁場中で金型成形を
行った。成形体は第15の実施の形態と全く同じフェラ
イトコアの中芯断面形状でかつ高さ0.5mmでありコ
アに挿入後約10Tのパルス磁場で着磁して、第14の
実施の形態と同じ方法で直流重畳特性と第15の実施の
形態と同じ方法でコアロス特性とを測定した。次にこれ
らコアを270℃の恒温糟で30分間保持した後、同様
に直流重畳特性、コアロス特性を測定した。比較例とし
て被覆していない粉末でも全く同じ方法で成形体を作成
後、特性を測定した結果も表17に示す。
【0161】未被覆のものは熱処理により大きく直流重
畳特性、コアロス特性が劣化するが、Zn、無機ガラ
ス、及びその複合体を被覆したものは未被覆のものに比
へ、熱処理における劣化率は非常に小さいことが分か
る。これは被覆により磁石粉末の酸化が抑制されたため
と推測できる。
【0162】また被覆材を10vo1%以上混合したも
のについては実効透磁挙が低く、磁石によるバイアス磁
界の大きさが他のものに比へ非常に小さくなっているこ
とが分かる。これは被覆材の量が増大したために、磁石
粉末の割合が減少したため、もしくは磁石粉末と被覆材
が反応し磁化の大きさが減少したためと考えられる。従
って被覆する量は0.1〜10wt%の範囲で非常に優
れた特性を示すことが分かった。
【0163】
【表17】
【0164】(第19の実施の形態)第16の実施の形
態の試料のSmCo17磁石粉末を用い、バインダ
ーとしてエポキシ樹脂を50vo1%混合した後、2T
の磁場中で中足上下方向に金型成形し異方性の磁石を作
製した。また、比較例として無磁場中で金型成形したも
のも同様に作製した。次にこれらの各ボンド磁石を第1
5の実施の形態と同様にMnZn系フェライト材に挿入
し、パルス着磁、巻き線を施し、LCRメーターで直流
重畳特性を測定し、コア定数と巻線数から透磁率を計算
した。その結果を下記表18に示す。
【0165】また、測定が終わった試料をリフローの条
件である270℃の恒温糟で1m保持し常温まで冷却し
上記と同様にLCRメーターで直流重畳特注を測定し
た。その結果も下記表18に示す。
【0166】下記表18よりリフロー前後とも無磁場磁
石に比べ良好な結果が得られることがわかった。
【0167】
【表18】
【0168】(第20の実施の形態)第16の実施の形
態の試料のSmCo17磁石粉末を用い、バインダ
ーとしてエポキシ樹脂を50vo1%混合した後、無磁
場中で金型成形し0.5mm厚の磁石を作製したところ
までは第19の実施の形態と全く同じである。次に第1
4の実施の形態と同様にMnZn系フェライト材に挿入
し着磁を行った。このときの磁場を1T、2T、25
T、3T、5T、10Tで着磁を行った。1T、2T、
25Tは、電磁石で着磁し、3T、5T、10Tはパル
ス着磁機で着磁した。その後、LCRメーターで直流重
畳物性を測定し、コア定数と巻線数から透磁率を計算し
た。その結果から第16の実施の形態で求めた方法でバ
イアス量を求めその結果を図3に示す。
【0169】図3より25T以上でないと良好な重畳特
性が得られないことがわかった。
【0170】(第21の実施の形態)図17及び図18
を参照すると、使用するコア65は、MnZn系フェラ
イト材で作成され磁路長2.46、実効断面積0.39
4cmのEE型磁芯を形成する。図18のように、E
型コア65に、モールドコイル(樹脂封止された巻線
(巻回数4ターン))67を組み込んだ後、さらにE型
コア65の中脚断面積と同形状に加工された、厚み0.
16mmの薄板磁石69を、コアキャップ部に配置し
て、もう片側のコア65により挾みこんでインダクタン
ス部品として機能するものである。
【0171】薄型磁石69の着磁方向は、モールドコイ
ルが作る磁界と逆向きに着磁されているものとする。
【0172】薄型磁石を適用した場合の直流重畳インダ
クタンス特性と、比較として薄型磁石を適用しない場合
の直流重畳インダクタンス特性を測定し、結果を図19
の73(前者)と71(後者)に示す。
【0173】またリフロー炉(ピーク温度270℃)に
通した後、上記同様直流重畳インダクタンス特性を測定
し、その結果、リフロー前の結果と同様である事を確認
した。
【0174】(第22の実施の形態)図20及び図21
を参照すると、使用するコアは第21の実施の形態同
様、MnZn系フェライト材で作成され磁路長2.46
cm、実効断面積0.394cmの磁芯を形成するが、
EI型磁芯を形成してインダクタンス部品として機能す
る。組立て工程も第21の実施の形態と同様てあるが、
片側のフェライトコア77の形状は、I型である。
【0175】薄型磁石を適用した直流重畳インダクタン
ス特性、及びリフロー炉に通した後の直流重畳インダク
タンス特性は、第21の実施の形態と変化はない。
【0176】(第23の実施の形態)図22及び図23
を参照すると、本発明の第23の実施の形態による薄板
磁石を適用したインダクタンス部品に使用するコア87
はMnZn系フェライト材で作成され磁路長0.02
m、実効断面積5×10−6cmのUU型磁芯を形成す
る。図23のように、ボビン89にコイル91を巻回
し、一対のU型コア87を組み込む際、U型コア87の
断面積(接合部)と同形状に加工された、厚み0.2m
mの薄板磁石93を、コアギャップ部に配置する。これ
により、透磁率4×10−3H/mのインダクタンス部
品として機能するものである。
【0177】薄型磁石93の着磁方向は、コイルが作る
磁界と逆向きに着磁されているものとする。
【0178】薄型磁石を適用した薯合の直流重畳インダ
クタンス特性と、比較として薄型磁石を適用しない場合
の直流重畳インダクタンス特性を測定し、結果を図24
の97(前者)と95(後者)に示す。
【0179】上記直流重畳インダクタンス特性の結果
は、一般に磁芯を形成するコアの使用磁束密度(△B)
の拡大を示していることと等価であり(図25により補
足,図25の99は従来のインダクタンス部品に対する
コアの使用領域を示し、図25の101は本発明による
薄板磁石を適用したインダクタンス部品のコアの使用領
域を示す。これらの図は、前記直流重畳インダクタンス
特性の結果95と99と97と101の各々対応する)
インダクタンス部品の一般的な理論式は次の数1式によ
り表わされる。
【0180】
【数1】 この数1式より、前記使用磁束密度(△B)拡大の効果
は、巻回数Nと磁芯の実効断面積Aeの逆数に比例し、
前者はインダクタンス部品の巻回数を減らすことで銅損
失低減の効果とインダクタンス部品の小型化をもたら
し、後者は、磁芯を形成するコアの小型化に寄与して、
前記巻回数低減による小型化と併せて、インダクタンス
部品の小型化に大きく寄与することが明らかである。ト
ランスにおいては一次及び二次コイル巻回数を低減でき
るため、その効果は絶大である。
【0181】さらに出力電力に関する式を数2式に示す
が、この式から使用磁束密度(△B)拡大効果は、出力
電力拡大の効果にも作用していることが言える。
【0182】
【数2】 また、インダクタンス部品の信頼性に関し、リフロー炉
(ピーク温度270℃)に通した後、上記同様直流重畳
インダクタンス特性を測定し、その結果、リフロー前の
結果と同様である事を確認した。
【0183】(第24の実施の形態)図26及び図27
を参照すると、本発明の第24の実施の形態による薄板
磁石を適用したインダクタンス部品において、使用する
コアは第23の実施の形態と同様、MnZn系フェライ
ト材で作成され磁路長0.02m、実効断面積5×10
−6の磁芯を形成するが、UI型磁芯を形成してイ
ンダクタンス部品として機能する。図27のように、ボ
ビン109にコイル111を巻回し、I型コア107を
ボビンに組み込んだ後、U型コア105の断面積(接合
部)と同形状に加工された、厚み0.1mmの薄板磁石
113を、コイルを巻回したボビンの両翼部(I型コア
107がボビンからはみ出す部分)に各1枚(両翼で2
枚)づつ配置して、U型コア105を組み込んで完成す
る。
【0184】薄型磁石を適用した直流重畳インダクタン
ス特性、及びリフー炉投入後の直流重畳インダクタンス
特性は、第23の実施の形態と変化はない。
【0185】(第25の実施の形態)図28及び図29
を参照すると、本発明の第25の実施の形態による薄板
磁石を適用したインダクタンス部品においては、使用す
る4本のI型コア117は珪素鋼で作成され、磁路長
0.2m、実効断面積1×10−4の口の字型磁芯
を形成する。図28のように、絶縁紙121を備えた2
つのコイル119に、各1本ずつI型コア117を挿入
し、口の字の磁路を形成するように、もう2本のI型コ
ア117を組む。その接合部に本発明による薄板磁石1
23を配置して、透磁率2×10−2H/mの口の字型
の磁路を形成してインダクタンス部品として機能する。
【0186】薄型磁石123の着磁方向は、コイルが作
る磁界と逆向きに着磁されているものとする。
【0187】薄型磁石を適用した場合の直流重畳インダ
クタンス特性と、比較として薄型磁石を適用しない場合
の直流重畳インダクタンス特性を測定し、結果を図30
の127(前者)と125(後者)に示す。
【0188】上記直流重畳インダクタンス特性の結果
は、一般に磁芯を形成するコアの使用磁束密度(△B)
の拡大を示していることと等価であり(図31により補
足,図31の129は従来のインダクタンス部品に対す
るコアの使用領域を示し、図31の131は本発明によ
る薄板磁石を適用したインダクタンス部品のコアの使用
領域を示す。これらの図は、前記直流重畳インダクタン
ス特性の結果125と129、127と131の各々対
応する)、インダクタンス部品の一般的な理論式は次式
数3式により表わされ、
【数3】 この数3式より前記使用磁束密度(△B)拡大の効果
は、巻回数Nと磁芯の実効断面積Aeの逆数に比例し、
前者はインダクタンス部品の巻回数を減らすことで銅損
失低減の効果とインダクタンス部品の小型化をもたら
し、後者は、磁芯を形成するコアの小型化に寄与して、
前記巻回数低減による小型化と併せて、インダクタンス
部品の小型化に大きく寄与することが明らかである。ト
ランスにおいては一次及び二次コイル巻回数を低減でき
るため、その効果は絶大である。
【0189】さらに出力電力に関する式を数4式に示す
が、この式から使用磁束密度(△B)拡大効果は、出力
電力拡大の効果にも作用していることが言える。
【0190】
【数4】 またインダクタンス部品の信頼性に関し、リフロー炉
(ピーク温度270℃)に通した後、上記同様直流重畳
インダクタンス特性を測定し、その結果、リフロー前の
結果と同様である事を確認した。
【0191】(第26の実施の形態)図32及び図33
を参照すると、本発明の第26の実施の形態によるイン
ダクタンス部品は、凹状のくぼみを有する口の字型コア
135とI型コア132、コイル139が巻線されたボ
ビン141及び薄板磁石143で構成される。図33の
ように、薄板磁石145は、口の字型コア135の凹状
くぼみ部、すなわち口の字型コア135とI型コア13
7の接合部に配置される。
【0192】ここで使用の口の字型コア135及びI型
コア137は、MnZn系フェライト材で、磁路長6.
0cm、実効断面積0.1cmの日の字型磁芯を形成
する。
【0193】また、薄板磁石143は、厚み0.25m
m、断面積0.1cmであって、コイルが作る磁界と
逆向きに着磁されているものとする。
【0194】コイル139は18ターン巻回されてお
り、本インダクタンス部品の直流重畳インダクタンス特
性と、比較として薄型磁石を適用しない場合の直流重畳
インダクタンス特性を測定し、結果を図34の147
(前者)と145(後者)に示す。
【0195】またリフロー炉(ピーク温度270℃)に
通した後、上記同様直流重畳インダクタンス特性を測定
し、その結果、リフロー前の結果と同様である事を確認
した。
【0196】(第27の実施の形態)図35及び図36
を参照すると、本発明の第27の実施の形態による薄板
磁石を適用したインダクタンス部品においては、凸状コ
ア153にコイル157が巻線され凸状コア153の凸
部上面に、この凸部上面と同形状(0.07mm)で、
厚み120μmの薄板磁石159を配置して、円筒状の
キャップコア155を被せて構成されているものであ
る。
【0197】ここで使用の凸状コア153及び円筒状の
キャップコア155は、NiZn系フェライト材で、磁
路長1.85cm、実効断面積0.07cmの磁芯を
形成する。
【0198】また薄板磁石159は、コイルが作る磁界
と逆向きに着磁されているものとする。
【0199】コイル157は15ターン巻回されてお
り、本インダクタンス部品の直流重畳インダクタンス特
性と、比較として薄型磁石を適用しない場合の直流重畳
インダクタンス特性を測定し、結果を図37の165
(前者)と163(後者)に示す。
【0200】またリフロー炉(ピーク温度270℃)に
通した後、上記同様直流重畳インダクタンス特性を測定
し、その結果、リフロー前の結果と同様である事を確認
した。
【0201】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
小型インダクタンス部品の磁路の少なくとも1箇所以上
にギャップを有する磁気コアに、該ギャップ両端から磁
気バイアスを供給するために、該ギャップ近傍に永久磁
石を配してなる磁気バイアス用磁石を有する磁気コアの
小型化を可能とするために特に適した磁石を用いた磁気
コアを提供することができる。
【0202】また、本発明によれば、優れた直流重畳特
性と、コアロス特性と、リフロー条件でも特性に影響を
受けず、耐酸化性を有する磁気コアを容易かつ安価に提
供する事ができる。
【0203】また、本発明によれば、磁路の少なくとも
1箇所以上にギャップを有する磁気コアに、該ギャップ
両端から磁気バイアスを供給するために、該ギャップ近
傍に永久磁石を配してなる磁気バイアス用磁石を有する
磁気コアにおいて、上記を考慮して、優れた直流重畳特
性とコアロス特性を有する磁気コアを容易かつ安価に提
供する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は第1〜第3の実施の形態におけるEE
型Mn−Zn系フェライト磁芯の概略斜視図である。
(B)は(A)におけるインダクタンス部品の正面図で
ある。
【図2】第1の実施の形態において、保磁力が3kOe
のフェライト磁石をMn−zn系フヱライト磁芯のギャ
ッブ部に挿入し、直流掌畳測定を繰り返し行った結果を
示すグラフである。
【図3】第1の実施の形態において、保磁力が5kOe
のSm−Fe−Nボンド磁石をMn−Zn系フェライト
磁芯のギャップ部に挿入し、直流重畳測定を繰り返し行
った結果を示すグラフである。
【図4】第1の実施の形態において、保磁力が11kO
eのSm−Fe−Nボンド磁石をMn−Zn系フェライ
ト磁芯のギャップ部に挿入し、直流重畳測定を繰り返し
行った結果を示すグラフである。
【図5】第1の実施の形態において、保磁力が15kO
eのSm−Fe−Nボンド磁石をMn−Zn系フェライ
ト磁芯のギャップ部に挿入し、直流重畳測定を繰り返し
行った結果を示すグラフである。
【図6】第2の実施の形態におけるトロイダル形状のセ
ンダスト磁芯の斜視図である。
【図7】第2の実施の形態において、磁石を挿入してな
いMn−Zn系フェライト磁芯、Sm−Fe−Nボンド
磁石を挿入したMn−Zn系フェライト磁芯、センダス
ト磁芯について直流重畳特性を比較したグラフである。
【図8】本発明の1実施の形態によるチョークコイルに
用いるトロイダルコアを示す斜視図である。
【図9】図8のトロイダルコアに巻線を施したチョーク
コイルを示す斜視図である。
【図10】第8の実施の形態におけるSmCo17
石とポリイミド樹脂からなる薄板磁石の直流重畳特性の
測定データである。
【図11】第8の実施の形態におけるSmCo17
石とエポキシ樹脂からなる薄板磁石の直流重畳特性の測
定データである。
【図12】第8の実施の形態におけるSmCo17
磁石とポリイミド樹脂からなる薄板磁石の直流重畳特性
の測定データである。
【図13】第8の実施の形態におけるBaフェライト磁
石とポリイミド樹脂からなる薄板磁石の直流重畳特性の
測定データである。
【図14】第8の実施の形態におけるSmCo17
石とポリプロピレン樹脂からなる薄板磁石の直流重畳特
性の測定データである。
【図15】第14の実施の形態における試料2および4
からなる薄板磁石を用いた場合と、薄板磁石を用いない
場合について、リフロー前後における直流重畳特性の測
定データを示す図である。
【図16】第20の実施の形態におけるSmCo17
磁石−エポキシ樹脂薄板磁石の着磁磁界と直流重畳特性
を示す図である。
【図17】本発明の第21の実施の形態による薄板磁石
を適用したインダクタンス部品を示す外観斜視図であ
る。
【図18】図17のインダクタンス部品の分解組立斜視
図である。
【図19】図17のインダクタンス部品の直流重畳イン
ダクタンス特性を示す図である。
【図20】本発明の第22の実施の形態による薄板磁石
を適用したインダクタンス部品を示す外観斜視図であ
る。
【図21】図20のインダクタンス部品の分解組立斜視
図である。
【図22】図22は本発明の第23の実施の形態による
薄板磁石を適用したインダクタンス部品を示す外観斜視
図である。
【図23】図22のインダクタンス部品の分解組立斜視
図である。
【図24】図22のインダクタンス部品の直流重畳イン
ダクタンス特性を示す図である。
【図25】(A)は図22のインダクタンス部品の使用
領域の説明に供せられる図である。(B)は従来のイン
ダクタンス部品の使用領域の説明に供せられる図であ
る。
【図26】本発明の第24の実施の形態による薄板磁石
を適用したインダクタンス部品の実施形態を示す外観斜
視図である。
【図27】図26のインダクタンス部品の分解組立斜視
図である。
【図28】本発明の第25の実施の形態による薄板磁石
を適用したインダクタンス部品を示す外観斜視図であ
る。
【図29】図28のインダクタンス部品の分解組立斜視
図である。
【図30】図28のインダクタンス部品の直流重畳イン
ダクタンス特性を示す図である。
【図31】(A)は従来のインダクタンス部品の使用領
域の説明に供せられる図である。(B)は図28のイン
ダクタンス部品の使用領域の説明に供せられる図であ
る。
【図32】本発明の第26の実施の形態による薄板磁石
を適用したインダクタンス部品を示す外観斜視図であ
る。
【図33】図32のインダクタンス部品の磁路を形成す
るコアと薄板磁石の構成斜視図である。
【図34】図32のインダクタンス部品の直流重畳イン
ダクタンス特性を示す図である。
【図35】本発明の第27の実施の形態による薄板磁石
を適用したインダクタンス部品を示す断面図である。
【図36】図35のインダクタンス部品の磁路を形成す
るコアと薄板磁石の構成を示す斜視図である。
【図37】図35のインダクタンス部品の直流重畳イン
ダクタンス特性を示す図である。
【符号の説明】
43 磁石 45 フェライト磁芯(コア) 47 巻線部(コイル) 55 圧粉磁芯(コア) 57 磁石 59 コイル 65 コア 67 樹脂封止された巻線67 69 薄型磁石 87 コア 89 ボビン 91 コイル 93 薄板磁石 105 U型コア 107 I型コア 111 コイル 113 薄板磁石 117 I型コア 121 絶縁紙 119 コイル 123 薄板磁石 135 口の字型コア 137 I型コア 139 コイル 141 ボビン 143 薄板磁石 153 凸状コア 157 コイル 159 薄板磁石 155 キャップコア
フロントページの続き (72)発明者 保志 晴輝 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (72)発明者 磯谷 桂太 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (72)発明者 安保 多美子 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (72)発明者 伊藤 透 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 Fターム(参考) 5E040 AA03 BB03 CA01 NN01 NN18 5E070 AA11 BA08 BA15 BB01

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁路中の少なくとも1箇所以上にギャッ
    プを有し、前記ギャップに永久磁石を挿入してなり、2
    0kHzにおける交流透磁率が直流印加磁界120Oe
    の条件で45以上で、かつ鉄損特性が20kHz、最大
    磁束密度0.1Tの条件で100kW/m以下である
    ことを特徴とする磁芯。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁芯において、初透磁率
    が100以上であることを特徴とする磁芯。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の磁芯において、Ni−Z
    n系フェライト又はMn−Znフェライトからなり、前
    記磁石は、希土類磁石粉末とバインダーとで構成された
    ボンド磁石であることを特徴とする磁芯。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の磁芯において、前記ボン
    ド磁石は、前記希土類磁石粉末の平均粒径が0μm以上
    〈0を含まず〉10μm以下であり、前記バインダーの
    量を重量比で5〜30wt%含有するものであって、比
    抵抗が1Ω・cm以上でかつ固有保磁力が5kOe以上
    であることを特徴とする磁芯。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の磁芯において、前記永久
    磁石は、樹脂に磁石粉末が分散されてなるボンド磁石で
    あり、0.1Ω・cm以上の比抵抗を有し、該磁石粉末
    は、固有保磁力が5kOe以上、キュリー点Tcが30
    0℃以上、粉末粒径が150μm以下であることを特徴
    とする磁芯。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の磁芯において、前記磁
    石粉末の平均粒径が2.0〜50μmであることを特徴
    とする磁芯。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の磁芯において、前記樹
    脂含有量が体積比で10%以上であることを特徴とする
    磁芯。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の磁芯において、前記磁
    石粉末は、希土類磁石粉末であることを特徴とする磁
    芯。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の磁芯において、成形圧
    縮率が20%以上であることを特徴とする磁芯。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載の磁芯において、前記
    ボンド磁石に使用する前記希土類磁石粉末にシランカッ
    プリング材、チタンカップリング材を添加したことを特
    徴とする磁芯。
  11. 【請求項11】 請求項6に記載の磁芯において、前記
    ボンド磁石は、その作製時に磁場配向されることにより
    異方性化されていることを特徴とする磁芯。
  12. 【請求項12】 請求項6に記載の磁芯において、前記
    磁石粉末は、表面活性剤でコーティングされていること
    を特徴とする磁芯。
  13. 【請求項13】 請求項6に記載の磁芯において、前記
    永久磁石の中心線平均粗さが10μm以下であることを
    特徴とする磁芯。
  14. 【請求項14】 請求項6に記載の磁芯において、前記
    永久磁石は、比抵抗が1Ω・cm以上であることを特徴
    とする磁芯。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の磁芯において、前
    記永久磁石は金型成形によって製造されたことを特徴と
    する磁芯。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の磁芯において、前
    記永久磁石は熱プレスによって製造されたことを特徴と
    する磁芯。
  17. 【請求項17】 請求項6に記載の磁芯において、前記
    永久磁石は、全体の厚みが500μm以下であることを
    特徴とする磁芯。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の磁芯において、前
    記永久磁石は、樹脂と磁石粉末との混合塗料からドクタ
    ーブレード法、印刷法などの成膜法によって製造された
    ことを特徴とする磁芯。
  19. 【請求項19】 請求項17に記載の磁芯において、前
    記永久磁石は、表面のグロス(光沢度)が25%以上で
    あることを特徴とする磁芯。
  20. 【請求項20】 請求項6に記載の磁芯において、前記
    樹脂は、ポリプロピレン樹脂、6−ナイロン樹脂、12
    −ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、
    エポキシ樹脂から選択された少なくとも一種であること
    を特徴とする磁芯。
  21. 【請求項21】 請求項6に記載の磁芯において、前記
    永久磁石は表面に耐熱温度120℃以上の樹脂又は耐熱
    塗料を被覆していることを特徴とする磁芯。
  22. 【請求項22】 請求項6に記載の磁芯において、前記
    磁石粉末は、SmCo、NdFeB、SmFeNから選
    択された希土類磁石粉末であることを特徴とする磁芯。
  23. 【請求項23】 請求項6に記載の磁芯において、前記
    磁石粉末は、固有保磁力が10KOe以上、キュリー点
    が500℃以上、粉末平均粒径が2.5〜50μmであ
    ることを特徴とする磁芯。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の磁芯において、前
    記磁石粉末は、Sm−Co磁石であることを特徴とする
    磁芯。
  25. 【請求項25】 請求項23に記載の磁芯において、前
    記SmCo希土類磁石粉末は、Sm(CobalFe
    0.15〜0.25Cu0.05〜0.06Zr
    0.02〜0.037.0〜8.5で表される合金粉
    末であることを特徴とする磁芯。
  26. 【請求項26】 請求項23に記載の磁芯において、前
    記樹脂含有量が体積比で30%以上であることを特徴と
    する磁芯。
  27. 【請求項27】 請求項23に記載の磁芯において、前
    記樹脂は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エ
    ポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、シリコ
    ン樹脂、ポリエステル樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、液
    晶ポリマーから選択された少なくとも1種であることを
    特徴とする磁芯。
  28. 【請求項28】 請求項1から27のうちのいずれか一
    つに記載の磁芯に少なくとも1ターン以上の巻線が施さ
    れたことを特徴とするインダクタンス部品。
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