JP2002164221A - 磁気バイアス用磁石を有する磁気コア及びそれを用いたインダクタンス部品 - Google Patents

磁気バイアス用磁石を有する磁気コア及びそれを用いたインダクタンス部品

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JP2002164221A
JP2002164221A JP2000360600A JP2000360600A JP2002164221A JP 2002164221 A JP2002164221 A JP 2002164221A JP 2000360600 A JP2000360600 A JP 2000360600A JP 2000360600 A JP2000360600 A JP 2000360600A JP 2002164221 A JP2002164221 A JP 2002164221A
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Teruhiko Fujiwara
照彦 藤原
Masayoshi Ishii
政義 石井
Haruki Hoshi
晴輝 保志
Keita Isotani
桂太 磯谷
Toru Ito
透 伊藤
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Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた直流重畳特性と優れたコアロス特性と
を有する磁気コアを容易かつ安価に提供すること。 【解決手段】 インダクタンス部品の磁気コアの磁気バ
イアスを与えるための永久磁石を、5KOe以上の固有
保磁力及び300℃以上のキュリー点を持ち粉末平均粒
径が2.0〜50μmである希土類磁石粉末と、軟化点
若しくは熱変形温度が120℃以上300℃以下である
熱可塑性樹脂とからなるボンド磁石で構成する。熱可塑
性樹脂は、体積比で40%以上含有し、ボンド磁石の比
抵抗が2Ωcm以上であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、スイッチ
ング電源などに用いられるチョークコイルやトランス等
のインダクタンス部品の磁気コア(以下、単に「コア」
とも呼ぶ)に関するものであり、特に、磁気バイアス用
磁石を備えた磁気コアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】チョークコイル及びトランスに供給され
る電圧は、交流成分が直流成分に重畳されたものと捉え
ることができる。この点を考慮し、チョークコイルやト
ランスに用いる磁気コアには、直流成分の正側又は負側
への偏りにも幅広く対応できること、すなわち、上記し
た直流重畳に対して磁気飽和しない透磁率特性(この特
性を「直流重畳特性」と呼ぶ)の良好なことが要求され
ている。
【0003】高周波用の磁気コアとしては、一般に、フ
ェライト磁気コアや圧粉磁気コアが使用されている。こ
れらフェライト磁気コア及び圧粉磁気コアは、それぞれ
に、材料物性に起因した特徴を有しており、また、その
特徴に応じて、主たる用いられ方にも差異が見られる。
例えば、圧粉磁気コアは、初透磁率が低く飽和磁束密度
が高いという特徴を有し、トロイダル形状で用いられる
ことが多い。一方、フェライト磁気コアは、初透磁率が
高く飽和磁束密度が小さいという特徴を有することか
ら、その使用にあたっては、例えばE型コアの中脚に磁
気空隙(磁気ギャップ)を形成して直流重畳により磁気
飽和することを避けることが行われている。
【0004】しかし、近年の電子機器の小型化要請に伴
う電子部品の小型化の要求により、磁気コアの磁気ギャ
ップも小さくせざるを得ない。その一方で、直流重畳に
対してより高い透磁率の磁気コアが強く求められてい
る。
【0005】これらの要求に対しては、一般に、飽和磁
化の高い磁気コアを選択すること、つまり高磁界で磁気
飽和しない磁気コアの選択が必須とされている。しか
し、飽和磁化は材料の組成で必然的に決まるものであ
り、無限に高く出来るものではない。
【0006】その解決手段として、磁気コアの磁路に設
けた磁気ギャップに永久磁石を配置し、直流重畳による
直流磁界を打ち消すこと、すなわち、磁気コアに磁気バ
イアスを与えることが古くから提案されている。
【0007】この永久磁石を用いた磁気バイアス方法
は、直流重畳特性を向上させるには優れた方法である
が、一方で金属焼結磁石を用いると磁気コアのコアロス
の増大が著しく、またフェライト磁石を用いると重畳特
性が安定しないなど、とても実用に耐え得るものではな
かった。
【0008】これらを解決する手段として、例えば特開
昭50−133453は、磁気バイアス用永久磁石とし
て保磁力の高い希土類磁石粉末とバインダーとを混合し
圧縮成形したボンド磁石を用いること、これにより直流
重畳特性およびコアの温度上昇が改善されたことを開示
している。
【0009】しかし、近年における電源に対する電力変
換効率向上の要求はますます厳しくなっており、チョー
クコイル用及びトランス用の磁気コアについても単にコ
ア温度を測定するだけでは優劣が判断不能なレベルとな
っている。そのため、コアロス測定装置による測定結果
の判断が不可欠であり、実際、本発明者等が検討を行っ
た結果、特開昭50―133453に示された抵抗率の
値ではコアロス特性が劣化することが明らかになった。
【0010】また、近年の部品の小型化要請に伴うスイ
ッチング周波数の高周波化が進んでいることにより、特
に高周波でもコアロスの増加しない直流重畳特性に優れ
た磁気コアが所望されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を考慮し、磁路の少なくとも1箇所以上にギャップを
有する磁気コアであって、該ギャップ両端から磁気バイ
アスを供給するために前記ギャップに磁気バイアス用磁
石を有する磁気コアにおいて、優れた直流重畳特性及び
コアロス特性を有する磁気コアを容易かつ安価に提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは、上
述した課題を解決するためにギャップに挿入する永久磁
石について検討した結果、優れた直流重畳特性を得るの
に必要な磁石特性がエネルギー積よりもむしろ固有保磁
力であり、従って比抵抗の高い永久磁石を使用しても固
有保磁力が高ければ充分に高い直流重畳特性が得られる
ということを見出した。更に、検討を重ねた結果、本発
明の発明者らは、磁石の比抵抗が2Ω・cm以上であり
且つ固有保磁力が5KOe以上である永久磁石を使用し
たとき、優れた直流重畳特性が得られ、しかもコアロス
特性の劣化が生じない磁気コアを形成できることを発見
した。
【0013】ここで、比抵抗が高くしかも固有保磁力が
高い磁石は、希土類磁石粉末をバインダーとともに混合
して成形した希土類ボンド磁石で得られるが、保磁力の
高い磁石粉末であれば他組成のものでも可能である。希
土類磁石粉末の種類はSmCo系、NdFeB系、Sm
FeN系とあり、用途に応じて種々選択可能である。樹
脂としては熱可塑性樹脂を使用することが必要であり、
これによって渦電流損の増大が抑制されることが分かっ
た。
【0014】より具体的には、本発明によれば、上述し
た課題を解決するための手段として、磁路の少なくとも
1箇所以上にギャップを有する磁気コアであって、該ギ
ャップ両端から磁気バイアスを供給するために前記ギャ
ップに磁気バイアス用磁石を有する磁気コアにおいて、
前記磁気バイアス用磁石は、5KOe以上の固有保磁力
及び300℃以上のキュリー点を持ち粉末平均粒径が
2.0〜50μmである希土類磁石粉末と、軟化点若し
くは熱変形温度が120℃以上300℃以下である熱可
塑性樹脂とからなるボンド磁石であることを特徴とする
磁気バイアス用磁石を有する磁気コアが得られる。
【0015】ここで、例えば、前記ボンド磁石は、前記
熱可塑性樹脂を体積比で40%以上含有し、比抵抗が2
Ωcm以上であることが好ましい。
【0016】また、前記ボンド磁石は、例えば、成形後
に、1回以上、当該ボンド磁石を構成する熱可塑性樹脂
の軟化点若しくは熱変形温度よりも高い温度で熱処理
し、その後、前記ギャップに挿入されることが望まし
い。
【0017】更に、本発明によれば、前記した本発明に
よる磁気バイアス用磁石を有する磁気コアに、1ターン
以上の巻線を少なくとも1つ施すことによって、小型で
直流重畳特成の良好なインダクタンス部品が得られる。
【0018】なお、インダクタンス部品とは、コイル、
チョークコイル、トランス、その他一般に磁気コアと巻
き線とを必須とした部品を含むものとする。
【0019】チョークコイル用及びトランス用の磁気コ
アとしては軟磁気特性を有する材料であれば如何なる材
料であっても有効であり、例えば、MnZn系又はNi
Zn系フェライト、圧粉磁心、珪素鋼板、アモルファス
等を用いることができる。また、磁気コアの形状につい
ても特に制限があるわけではなく、トロイダルコア、E
Eコア、EIコア等あらゆる形状の磁気コアに本発明の
適用が可能である。すなわち、これらコアの磁路の少な
くとも1箇所以上にギャップを設け、そのギャップに永
久磁石を挿入する。ここで、ギャップ長に特に制限はな
いがギャップ長が狭すぎると直流重畳特性が劣化し、ま
たギャップ長が広すぎると透磁率が低下しすぎるので、
必然的に挿入するギャップ長は決まってくる。また、ギ
ャップに挿入される永久磁石に対する要求特性は、固有
保磁力については5KOe以下では磁気コアに印可され
る直流磁界によって保磁力が消失するのでそれ以上の保
磁力が必要であり、また比抵抗は大きいほど良いが2Ω
・cm以上であればコアロス劣化の大きな要因にはなら
ない。更に、粉末の平均最大粒径が50μm以上になる
とコアの比抵抗をいかに大きくしようともコアロス特性
が劣化するので、粉末の最大粒径は50μm以下である
ことが望ましく、最小粒径が2.0μm以下になると粉
末と樹脂の混練時に粉末の酸化による磁化の減少が顕著
になるため2.0μm以上の粒径が必要である。また、
樹脂の軟化温度または熱変形温度を規定した理由は、1
20℃以下であるとトランスの常用温度での保証が出来
ないためであり、300℃以上であると粉末と樹脂との
混練時に磁石粉末が酸化され磁気特性が悪化するためで
ある。また、コアロスを増大させないため樹脂の量は少
なくとも体積比で40%以上必要である。
【0020】なお、ボンド磁石を作成した後に、樹脂の
熱処理をすることにより、作成時に構成されていた2次
粒子が1次粒子に拡散される効果のため、更にコアロス
が低下する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態とし
て、図面等を参照し、具体的な磁気コア及びその作成に
ついて説明する。
【0022】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態による磁気コアは、図1に示されるように、ギャ
ップを有し、且つ、SmCo17系磁石粉末と融点が
120℃以上300℃以下の熱可塑性樹脂とからなるボ
ンド磁石を磁気バイアス用磁石としてギャップに挿入し
てなるものである。また、本発明の第1の実施の形態に
よるインダクタンス部品は、図2に示されるように、図
1に示される磁気コアに対してコイルを巻回してなるも
のである。
【0023】以下、融点が120℃以上300℃以下の
熱可塑性樹脂として、高密度ポリエチレン(HDP
E)、ポリプロピレン(PP)、6ナイロン、6.6ナ
イロン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)を例示
し、本実施の形態による磁気バイアス用磁石及び磁気コ
ア並びにその製造方法について説明する。ここで、高密
度ポリエチレン(HDPE)の融点は約130℃であ
り、ポリプロピレン(PP)の融点は約170℃であ
る。また、6ナイロンの融点は約215℃であり、6.
6ナイロンの融点は約260℃であり、ポリフェニレン
スルフィド(PPS)の融点は約290℃である。
【0024】なお、以下においては、本発明による効果
を検証するために、熱可塑性樹脂として、融点が約80
℃の低密度ポリエチレン(LDPE)及び約330℃の
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を用いたボン
ド磁石の作製等についても、併せて説明してある。
【0025】まず、ボンド磁石を作製するために、磁石
粉末としてSmCo17系磁石合金のインゴットを粉
砕し、一般的な粉末冶金法で作成した焼結体を平均で
5.0μmに微粉砕したものを用意した。その粉末特性
をVSMで測定した結果は、保磁力が約9KOeであっ
た。
【0026】その磁石粉末に適当なカップリング処理を
した後、それぞれ、熱可塑性樹脂としてLDPE、HD
PE、PP、6ナイロン、6.6ナイロン、PPS、及
びPEEKを、2軸式の熱混練機でそれぞれの融点の1
0℃〜50℃直上である最適条件で混練した。ここで、
各熱可塑性樹脂は、体積比で50vol%含有させた。
【0027】次に、混練物を熱プレス機で、混練温度と
同じ成形温度の下、圧力0.05t/cmで、高さ
1.5mmのシートに無磁場中で成形し、ボンド磁石を
作成した。これらシートの比抵抗は、全て2Ωcm以上
の値を示した。この成形体は後で説明するフェライトコ
アの中芯断面形状に加工した。
【0028】ここで、磁石特性を調べるために、作成し
たシートを張り合わせることにより、φ10*t10の
テストピースを別途作成し、そのテストピースを直流B
Hトレーサーで測定することとした。その結果、熱可塑
性樹脂としてPEEKを用いたボンド磁石以外の全ての
ボンド磁石について約9KOeの固有保磁力が得られて
いることが分かった。
【0029】次に、一般的なMnZn系フェライト材で
作成された磁路長7.5cm、実効断面積0.74cm
のEEコアの中脚に1.5mmのギャップ加工をし
た。
【0030】次いで、上記作成したボンド磁石を着磁磁
場4Tでパルス着磁し、その後、着磁したボンド磁石を
そのギャップ部に挿入した。なお、ボンド磁石をフェラ
イトコアのギャップに挿入する前に、後の処理との比較
のため、ガウスメーターでボンド磁石の表面磁束を測定
しておいた(後述する表1における“表面磁束”参
照)。
【0031】次に、岩崎通信機製のSY−8232交流
BHトレーサーで300KHz、0.1Tにおけるコア
ロス特性を室温で測定した。ここで、測定に使用したフ
ェライトコアは、全ての熱可塑性樹脂について同一のも
のである。すなわち、一の熱可塑性樹脂を用いて作製し
たボンド磁石をフェライトコアのギャップに挿入してコ
アロス測定を行った後、そのボンド磁石と他の樹脂を用
いて作製したボンド磁石と交換し、更にコアロスの測定
を行うということを、全てのボンド磁石について、繰り
返し行った。その結果を「熱処理前」として表1に示
す。次に、それら磁石をトランスの常用温度である12
0℃の恒温槽で正味1,000時間保持し、「熱処理
前」の場合と同様にして、表面磁束とコアロスを測定し
た。その結果を「熱処理後」として表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1より、300℃を超える融点を有する
PEEKについては、表面磁束の悪化が認められた。こ
れは、混練温度が高いために、混練中に粉末と大気また
は樹脂とが反応したことによるものと思われる。また、
120℃以下の融点を有するLDPEについては、熱処
理後の表面磁束及びコアロスの悪化が顕著であることが
分かった。これは熱処理中に樹脂の劣化が進むため、せ
っかく樹脂で被覆された粉末が再び大気と接触するため
と考えられる。従って、樹脂の融点は120℃以上で3
00℃以下である必要がある。
【0034】次に、直流磁界を80Oe重畳した時のイ
ンダクタンスをLCRメーターで測定し、コア定数と巻
線数から透磁率を計算した。その結果は、樹脂の融点が
300℃以下のボンド磁石を挿入したコアは50以上の
値を示した。一方、比較材としてボンド磁石を挿入しな
いもの(すなわち、ギャップのみ)、バインダー用樹脂
の融点が300℃以上のボンド磁石はコアは透磁率が1
5と著しく低い値を示した。以上の結果より、バインダ
ー用樹脂の融点は120℃以上300℃以下で、比抵抗
が2Ω・cm以上の永久磁石をコアのギャップに挿入す
る時、直流重畳特性に優れ、しかも、コアロス特性劣化
の小さい優れた磁心が得られることが分かった。
【0035】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態による磁気コアは、ギャップを有し、且つ、Sm
FeN磁石粉末と融点が120℃以上300℃以下の熱
可塑性樹脂とからなるボンド磁石を磁気バイアス用磁石
としてギャップに挿入してなるものである。なお、本実
施の形態においては、熱可塑性樹脂として、HDPEを
用いた。
【0036】まず、ボンド磁石を作製するために、磁石
粉末として還元拡散法で作成されたSmFe粉末を3μ
mに微粉砕後、窒化処理することで得られたSmFeN
粉末を用意した。その粉末特性をVSMで測定した結果
は、保磁力が約10KOeであった。
【0037】続いて、熱可塑性樹脂として120℃の融
点を有するHDPEを、SmFeN粉末に対して、それ
ぞれ、体積比で25,30,45,55,70,75v
ol%混合した。そして、それらを、上述した第1の実
施の形態と同様にして、各々150℃で熱混練した後、
150℃で厚さ1.5mmに熱プレスした。ここで、H
DPEを25vol%含有するように混合したものにつ
いては、熱混練が不能であったことから、その後の検討
は行わなかった。
【0038】ボンド磁石の特性測定は、上述した第1の
実施の形態と同様に、別途作製されたテストピースを対
象として行った。その結果、混合した樹脂の量によらず
全ての磁石について約8KOeの固有保磁力が得られ
た。また、比抵抗を測定した結果、全ての磁石について
2Ω・cm以上の値が得られた。
【0039】次に、第1の実施の形態と全く同様にボン
ド磁石を着磁して、着磁したボンド磁石をフェライトE
Eコアの中脚に設けたギャップに挿入し、直流重畳特性
を測定した。なお、本実施の形態においても、ボンド磁
石をフェライトコアに挿入する前に、ガウスメータにて
ボンド磁石の表面磁束を測定しておいた。
【0040】更に、上述した第1の実施の形態と同様の
方法にて、200℃の恒温槽に実質的に30分間保持
し、再度表面磁束と直流重畳特性を測定した。それらの
結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2に示す通り、熱可塑性樹脂の量が40
vol%以上であるときにコアロスに優れた磁気コアが
得られ、また、樹脂混合量が70vol%以下であると
きに、直流重畳特性に優れた磁気コアが得られることが
分かった。すなわち、直流重畳特性とコアロスに優れた
磁気コアを得るためには、熱可塑性樹脂の量が40vo
l%以上70vol%以下であることが必要とされるこ
とが分かる。更に、性能を上げるためには、表2から明
らかなように、樹脂混合量を45vol%以上55vo
l%以下とすれば良い。
【0043】(第3の実施の形態)第2の実施の形態で
作成された樹脂量45vol%のSmFeNボンド磁石
を使用して、ボンド磁石の熱処理温度と、当該ボンド磁
石をEE型のフェライトコアの中脚に挟んだときのコア
ロス及び比抵抗との関係を調査した。なお、フェライト
コアは、上述した第1及び第2の実施の形態におけるも
のと同じである。
【0044】ボンド磁石の熱処理温度を、100℃,1
25℃,150℃,175℃,200℃,225℃とし
て、その後着磁し、熱処理温度とコアに挿入したときの
直流重畳特性、コアロスとの関係を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】表3に示す通り、HDPEの軟化点である
130℃よりも高い温度で熱処理することにより、直流
重畳特性を悪化させること無くコアロス特性を改善でき
ることが分かった。ただし、HDPEの場合は225℃
で磁石の変形が見られ、熱処理温度の上限は200℃以
下と推定される。
【0047】
【発明の効果】以上に説明したように、120℃〜30
0℃の融点または熱変形温度を有する熱可塑性樹脂を4
0vol%〜70vol%含有するようにして希土類磁
石粉末と混合し、ボンド磁石を作成することにより、比
抵抗が2Ω・cm以上で固有保磁力が5KOe以上の永
久磁石が得られ、それを磁気コアのギャップ部に挿入す
ることにより優れた直流重畳特性が得られしかもコアロ
ス特性の劣化も生じない磁気コアが得られる。更にボン
ド磁石を樹脂の軟化温度以上で熱処理することにより、
コアロス特性を改善することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による磁気コアを示す斜視
図である。
【図2】図1に示される磁気コアを用いたチョークコイ
ルを示す断面図である。
【符号の説明】
1 磁気バイアス用磁石(ボンド磁石) 2 フェライトコア 3 コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保志 晴輝 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (72)発明者 磯谷 桂太 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (72)発明者 伊藤 透 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 Fターム(参考) 5E040 AA03 AA06 BB03 CA01 HB11 HB14 HB17 NN12 NN18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁路の少なくとも1箇所以上にギャップ
    を有する磁気コアであって、該ギャップ両端から磁気バ
    イアスを供給するために前記ギャップに磁気バイアス用
    磁石を有する磁気コアにおいて、 前記磁気バイアス用磁石は、5KOe以上の固有保磁力
    及び300℃以上のキュリー点を持ち粉末平均粒径が
    2.0〜50μmである希土類磁石粉末と、軟化点若し
    くは熱変形温度が120℃以上300℃以下である熱可
    塑性樹脂とからなるボンド磁石であることを特徴とする
    磁気バイアス用磁石を有する磁気コア。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気バイアス用磁石を
    有する磁気コアにおいて、前記ボンド磁石は、前記熱可
    塑性樹脂を体積比で40%以上含有し、比抵抗が2Ωc
    m以上であることを特徴とする磁気バイアス用磁石を有
    する磁気コア。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の磁気バイアス用
    磁石を有する磁気コアにおいて、前記ボンド磁石は、成
    形後に、1回以上、当該ボンド磁石を構成する熱可塑性
    樹脂の軟化点若しくは熱変形温度よりも高い温度で熱処
    理し、その後、前記ギャップに挿入されている、ことを
    特徴とする磁気バイアス用磁石を有する磁気コア。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気
    バイアス用磁石を有する磁気コアに、1ターン以上の巻
    線を少なくとも1つ施してあることを特徴とするインダ
    クタンス部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013080949A (ja) * 2012-12-14 2013-05-02 Hitachi Metals Ltd リアクトルおよびパワーコンディショナ装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013080949A (ja) * 2012-12-14 2013-05-02 Hitachi Metals Ltd リアクトルおよびパワーコンディショナ装置

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