JP2003005234A - 偏波無依存型波長変換素子 - Google Patents

偏波無依存型波長変換素子

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JP2003005234A
JP2003005234A JP2001185995A JP2001185995A JP2003005234A JP 2003005234 A JP2003005234 A JP 2003005234A JP 2001185995 A JP2001185995 A JP 2001185995A JP 2001185995 A JP2001185995 A JP 2001185995A JP 2003005234 A JP2003005234 A JP 2003005234A
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polarization
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wavelength
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nonlinear optical
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JP2001185995A
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Shiro Shichijo
司朗 七条
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、2つの導波路を位置合わせす
る必要も無く一つの結晶素子を用いて位置合わせが簡単
でかつ偏波無依存の波長変換素子を提供することであ
る。 【構成】非線形光学材料の分極方向がコヒーレンス長の
周期で交互に反転して疑似位相整合を満たす光通信用の
波長変換素子であって、非線形定数テンソルdijの対角
項と非対角項を同時に利用することにより信号光の偏光
方向にかかわらず一定の波長変換効率を実現することを
特徴とする波長変換素子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力光の波長を別
の波長を持つ光に変換できる波長変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバを用いた通信分野では、大容
量で高速なデータ伝送が要求される。特に波長多重(W
DM)や光時分割多重(OTDM)は光ファイバの伝送
容量を格段に増加できる点で有望視されており、複数の
キャリア波長を精度良く制御するための波長制御技術や
あるキャリア波長を別のキャリア波長に変換する波長変
換技術が重要になる。
【0003】たとえば既設の光通信ネットワークでは、
光ファイバの損失が少ない1.3μm帯をキャリア波長
とした単一波長の光伝送が主流であり、一般には都市内
の電話通信網を置換する目的で敷設されている。一方、
都市間を結ぶ幹線系の光通信ネットワークでは、波長多
重伝送に好適な1.5μm帯をキャリア波長とした波長
多重の光伝送が主流である。
【0004】両者の光通信ネットワークを接続する場
合、キャリア波長が互いに異なるため、一方のネットワ
ークに流れる光信号をいったん電気信号に変換し、他方
のネットワークに適合するキャリア波長を用いた光信号
に変換する必要がある。すると、光通信の性能が電気信
号処理の能力によって制限されてしまう。
【0005】そこで、一方のネットワークのキャリア波
長を他方のネットワークのキャリア波長に直接に変換で
きれば、電気信号処理が介在しなくなり、光通信の高い
性能を有効に維持できる。そのため、キャリア波長を変
換するための光ミキシング技術が不可欠となる。
【0006】こうした波長変換では、非線形光学効果に
よる差周波発生(DFG)方式、半導体アンプ(SOA)
を用いたものや光ファイバの非線形性を利用した4光波
ミキシングを利用したものなど各種方式が研究されてい
るがそれぞれ一長一短があり決定的な方法ままだないの
が現状である。非線形光学結晶を用いた差周波発生によ
る方式は、変換スピードが速く高速にも対応できる、変
換の波長帯域が広く広い波長領域を一括変換できる、波
長間隔が短くなっても4光波ミキシングによるサテライ
トの発生等が原理的にないなど多くの利点を有してい
る。一方短所としては変換能率の偏波依存性が大きいこ
とが問題である。光通信でファイバを通過してきた光の
偏光方向は時間とともに一定でなく温度、振動等の外乱
の影響により時間変化することはよく知られている。こ
のため偏波方向が変動しても一定の波長変換効率となる
様にする必要がある。
【0007】関連する先行技術として、特開平10−2
13826号、特開2000−10130号などがあ
る。特開2000−10130において開示されている
構成を図9に示す。導波路構造を持つPPLN(periodi
cally-poled lithium niobate:周期分極ネオブ酸リチ
ウム)素子を用いた差周波発生による光ミキシングにつ
いて記載されている。図9において偏波無依存波長変換
装置は2つのLiNbO3 QPM波長変換素子51,52から
なり、第一のQPM波長変換素子51と第二のQPM波長変換
素子52とが直交するように直列は位置された構成とな
っている。上記LiNbO3 QPM波長変換素子は非線型LNz
カット基板21、22とQPMグレーテイング23,24
とチタン熱拡散によるTi拡散導波路25、26とから構
成されている。またLN QPM波長変換素子51には合波
器27が配置されQPM波長変換素子52にはバンドパス
フィルタ28が設置されている。
【0008】合波器27は波長λpのポンプ光(例えλ
p=0.77μm)と波長λsの信号光(例えばλs=
1.55μm)とを合波してQPM波長変換素子51に入
射される。QPM波長変換素子51,52ではTM偏波成分
とTE偏波成分の光に対して全部導波するが非線型定数と
位相整合条件が大きく異なるためTMモードのみ波長変換
として機能し偏波依存性を持っている。そこで第一のQP
M波長変換素子51とほぼ同様の長さの第二の波長変換
素子52を第一のQPM波長変換素子51と直交するよう
に光伝播方向で直列に配置させる。この場合、Ti拡散導
波路25,26の伝播損失や2つのテ゛ハ゛イスの結合損失が
無視できるとすれば、第一、第二のQPM波長変換素子の
長さは概略同じ長さに設定する。光から見ると元の偏波
方向によらず半分の距離をTEモードで残り半分の距離を
TMモードで伝播することになる。その結果光の偏波無依
存で波長変換を達成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開20
00−10130で開示された2つの直交した導波路で
偏波無依存化する方法では2つの導波路を直交させて保
持固定し温度制御することは困難である。光導波路の幅
は通常数μmであるため位置合わせ精度としてサブμm
の精度が必要である。このようにサブミクロンオーダで
位置合わせを行い2つの導波路を直交させて保持固定す
ることはおおきな労力、精密な保持機構を要するといっ
た問題点があった。
【0010】本発明の目的は、このような状況にかんが
み、2つの導波路を位置合わせする必要も無く一つの結
晶素子を用いて位置合わせが簡単でかつ偏波無依存の波
長変換素子を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、非線形光学材
料の分極方向がコヒーレンス長の周期で交互に反転して
疑似位相整合を満たす光通信用の波長変換素子であっ
て、非線形定数テンソルdijの対角項と非対角項を同時
に利用することにより信号光の偏光方向にかかわらず一
定の波長変換効率を実現することを特徴とする波長変換
素子である。
【0012】ここで非線形光学材料基板に非線形光学定
数テンソルの対角項に対して擬似位相整合が達成できる
第一の周期で分極反転を施した第一の領域を有しかつ非
線形光学定数の非対角項に対して擬似位相整合が達成で
きる第二の周期で分極反転を施した第二の領域を有して
いることが好ましい。
【0013】この場合前記第一の領域の長さと第二の領
域の長さが、それそれの領域での変換効率が等しくなる
ように調整されていることが好ましい。また本発明は、
非線形光学材料基板に非線形光学定数テンソルの対角項
と非対角項に対して同時に擬似位相整合が達成できる周
期で分極反転を施したことが好ましい。この場合、非線
形光学定数テンソルの対角項と非対角項を用いた波長変
換の変換効率が等しくなるように温度調整されているこ
とが好ましい。
【0014】これら本発明において、前記非線形光学基
板がネオブ酸リチウム、またはネオブ酸カリウムである
ことが好ましい。また本発明の前記非線形光学基板は導
波路構造を備えたことが好ましい。
【0015】本発明に従えば、非線形定数テンソルdij
の対角項と非対角項を同時に利用することによって、変
換効率の偏光方向依存性を回避できるため、安定した波
長変換を実現できる。これは特に光通信用に用いられる
キャリア波長を波長変換するのに好適である。
【0016】本発明に従えば、式(4)または式(5)
の関係が成立する差周波発生に適用することによって、
室温動作でも変換効率の高い波長変換を実現できるた
め、光通信分野における光ミキシングに好適となる。
【0017】
【発明の実施の形態】波長変換素子1は、非線形光学材
料の分極方向をコヒーレンス長の周期で交互に反転した
QPM(Quasiphase Matching:疑似位相整合)素子で
構成される。波長変換素子1は分極方向がx方向(紙面
に平行かつ光軸に垂直)と平行になるように配置され、
波長変換素子2は分極方向がy方向(紙面に垂直かつ光
軸に垂直)と平行になるように配置され、両者は光軸に
沿って直列的に配置される非線型分極波をPx,Py,Pzとし
基本波の電場強度をEx,Ey,Ezとするとこれらの間には非
線形定数dijを介して次式のような関係になる。
【0018】
【式1】
【0019】ここでテンソル成分dijは18個の要素で
表現でき、結晶の対象性によりこれらの要素のうちいく
つかは0もしくは重複している。対角項はd11、d2
2、d33の3つのみである。それ以外を非対角項と呼
んでいる。i、jの表記のしかたとして次の取り決めが
ある。i方向の偏光の光を入射してj軸方向の分極波を
生じる非線形定数がdであるという意味である。jの
1、2、3、4、5、6、はそれぞれx軸とx軸、y軸
とy軸、z軸とz軸、y軸とz軸、z軸とx軸、x軸と
y軸方向の偏光を入射するという意味である。iは発生
する高調波偏光方向で1,2,3はそれぞれx、y、z
軸方向の偏光に対応する。つまりd33はz軸偏光のフ
ォトン2個からz軸偏光の高調波を発生するという意味
である。またd31はx軸方向のフォトン2個からz軸
偏光の高調波を発生するという意味である。
【0020】波長変換を行うには上記のように所定の結
晶軸方向に、光の偏光方向をそろえれば波長変換を実現
できるというわけではない。次に示すようにさらに位相
整合条件を満足させる必要がある。
【0021】たとえば差周波発生を行って1.5μm帯
光ファイバ通信で波長変換を行う場合を例にとって説明
する。波長λsはCバンド(1.53〜1.56μ
m)、波長λLはLバンド(1.56〜1.61μ
m)、波長λpはCバンドとLバンドの中央である1.
56μmの半分の波長0.78μmに設定され、ポンプ
光の波長λp、信号光の波長λs、出力光の波長λL
は、式(1)の関係が成立する。
【0022】 1/λL = 1/λp − 1/λs …(1) (1)式はエネルギー保存則を意味している。また運動
量保存則としては n(λL)/λL = n(λp)/λp −n(λs)/λs ・・・(2) (2)式は位相整合条件とも呼ばれ式を満足した時に光
は有効に変換される。ここでn(λ)は波長λでの屈折
率を表す。通常この式を満足させるために、結晶の角度
分散または温度分散を利用するのが一般的である。ここ
で非線形光学結晶として一軸性結晶であるネオブ酸リチ
ウム結晶LNを例にとって説明する。ネオブ酸リチウム結
晶は3mmの対称性をもつため利用できるd定数テンソ
ルは 0 0 0 0 d15 -d22 -d22 d22 0 d15 0 0 d31 d31 d33 0 0 0 でありネオブ酸リチウムの定数はd33=−27、d3
1=−4.7、d22=3.2pm/Vである。ここで
z軸は分極軸とする。例としてd31を利用した場合を
図1にしたがって説明する。i成分は3であるので波長
の短いポンプ光(波長λp)の偏光方向(非線形分極波
に相当)はz(c)軸方向にとる。j成分は1であるの
で入射する信号光(波長λS)と変換される差周波変換
光(波長λL)の偏光方向はいずれもx(a)軸方向とな
る。したがって光の進行する軸はθ=90°、φ=90
°方向がもっとも効率的に望ましい。なぜならばポンプ
光の偏光はz(c)軸、信号光、変換光の偏光はx(a)
軸と完全に一致させることができるからである。
【0023】次にd33を用いた波長変換の場合を図2
にしたがって説明する。d33はi成分は3であるので
波長の短いポンプ光の偏光方向(非線形分極波に相当)
はz(c)軸方向にとる。j成分も3であるので入射す
る信号光と変換される差周波変換光の偏光方向はいずれ
もz(c)軸方向となる。光の進行する軸はb−c面内
にとりうる。したがってθ=90°、φ=90方向にと
るとd31を利用するための方位と両立せしめることが
できる。しかしながらバルクの結晶においてはd31、
d33を同時に位相整合条件(2)を満足させることは
できない。この場合周期分極反転構造(周期Λ)を導入
することにより位相整合条件を満たすことが可能とな
る。分極反転の作成法は例えば応用物理学会学術講演会
予行集3p^ZB-6(1997.10)「LiNbO3導波路を
用いた議事位相整合素子の作製と評価」などに記載され
ている。このような場合を擬似位相整合(QPM:Quas i-P
hase Matching)と呼んでいる。この場合分極反転周期
をΛとすると位相整合条件は n(λL)/λL = n(λp)/λp −n(λs)/λs± 1/Λ ・・・・(3) (3)式中の右辺第3項は±の両方をとりうることが重
要である。グレーテイングもしくは周期分極反転構造の
逆格子ベクトルにはプラスマイナスの符号がないので±
両方をとりうる自由度が存在する。d33を利用した場
合の周期分極反転導入による位相整合について説明す
る。周期分極反転導入による位相整合条件(3)は nc(λL)/λL = nc(λp)/λp −nc(λs)/λs― 1/Λ1 ・・・・(4) となる。ncはc軸偏光の屈折率を意味する。 図3に
示すようにy軸(b軸)伝播としb軸に沿って(4)式
を満足する周期Λ1の周期分極反転構造を導入する。こ
の場合ポンプ光として波長λpでc軸偏波の光を、信号
光として波長λsでc軸偏波を入射すれば波長λLの変
換光がc軸偏波で発生する。
【0024】次にd31を利用し、周期分極反転導入に
よる位相整合について説明する。周期分極反転導入によ
る位相整合条件(3)は na(λL)/λL = nc(λp)/λp −na(λs)/λs+ 1/Λ2 ・・ ・・(5) 図4に示すようにy軸(b軸)伝播としb軸に沿って
(5)式を満足する周期Λ2の周期分極反転構造を導入
することにより位相整合を達成可能である。この場合ポ
ンプ光として波長λpでc軸偏波の光を、信号光として
波長λsでa軸偏波を入射すれば波長λLの変換光がa軸
偏波で発生する。図3,4で分かるようにポンプ光の偏
光方向は同一方向であるので(4)(5)を満足する周
期分極反転Λ1、Λ2を形成すれば同時に位相整合条件
を満足できる。実際の分極反転周期Λ2分極反転周期Λ
1が現実的なものか正確に見積もる必要が有る。
【0025】図5にc(z軸)カット、b(Y軸)伝播時
でのd33、d31の位相整合に必要な分極反転周期Λ
1、Λ2の温度依存性を図中でそれぞれA,Bで示してい
る。動作温度を室温100℃と仮定した場合のΛ1=1
8.96μm、Λ2=26.56μmとなり実現可能な
周期で達成できる事がわかった。したがって一つの結晶
中に周期Λ1の分極反転領域(長さL1)と周期Λ2の分
極反転領域(長さL2)を同時に作りこむことにより、
同じポンプ光を用いてd33、とd31によりa軸偏
波、c軸偏波のどちらの信号光が入射してきても変換光
λLに変換することが可能となる。d31、d32など
のようにd33とdijのiの番号が同じ場合、同じポン
プ光を用いて周期分極反転構造を導入することにより、
直交した偏光の信号光に対しても位相整合を達成できる
可能性が生じることを見出した。
【0026】実際光ファイバを通ってくる信号光の偏波
方向は時間とともに変動し一定していない。このため入
射する信号光の偏光方向はa軸、c軸の偏光の成分が時
間変動する。d33、d31の大きさは一般的には等し
くないため(変換効率はdの二乗に比例する)、信号光
の偏光方向が変動しても変換光の変換効率に変動が生じ
ないようにするためにはそれぞれの領域の長さL1、L2
を調整して変換効率が等しくなるようにすることにより
変動を極小化することが可能である。非線型光学結晶と
してネオブ酸カリウムを使用した場合の例を示す。ネオ
ブ酸カリウムはmm2の対称性を持つ2軸性の光学結晶
であり、利用できるd定数テンソルは 0 0 0 0 d15 0 0 0 0 d24 0 0 d31 d32 d33 0 0 0 d31=18、d32=20、d15=13、d33=22、 d24=14pm/V である。 Pz=d31 Ex Ex +d32 Ey Ey +d33 Ez Ez となりd31とd33の組み合わせ、d32とd33の
組み合わせで同じ分極波Pzを発生できる。d31とd3
2の組み合わせはz伝播、z軸方向の分極波となるため
実際には使用できない。ここではd31とd33を同時
に使用した実施形態を示す。b軸伝播を仮定し、ポンプ
光として0.78μmの光を、信号光として波長1.5
54μmの光を入射して波長λL=1.566μmの光を
差周波発生により発生させる場合の分極反転周期の温度
依存性を図6に示す。図6中の記号A、Bはd33を利用
した場合の分極反転周期Λ1、d31を利用する場合の
分極反転周期Λ2の温度依存性をそれぞれ示している。
動作温度を室温25℃と仮定した場合のΛ1=18.8
4μm(C点)、Λ2=14.32μm(D点)となる事
が分かった。
【0027】また使用温度169度近傍でAとBの線が交
差する点Eが存在することも可能である。つまりE点の周
期Λ=17.53μmに分極反転周期を作り込めば16
9℃に試料温度をセットすればd31とd33両方とも
同時に位相整合させることが可能となることを意味して
いる。この点を利用すれば同一の領域を用いてTE,TM両
偏波方向の信号光に対して波長変換を行えるため結晶長
を短くできる。
【0028】
【発明の実施形態】図7は第一の実施形態である。非線
型光学結晶としてネオブ酸リチウム(LN)を用いてい
る。厚み0.5mmのzカットーY分極反転結晶12上
に周期的180度分極反転を電界印加法により作製す
る。入射面はb軸面とし、入射面13、出射面14は光
学研磨を行い1.55μmに対して無反射となる光学多
層膜をコーテイングしている。分極反転結晶12はd3
1を利用してTE偏波の信号光の波長変換を行う領域10
と、d33を用いてTM偏光の信号光を波長変換する領域
11との2つの領域からなる構成となっている。
【0029】ポンプ光は波長λp=0.78μmの単一
モード半導体レーザ21を用い、図面縦方向の偏光(TM
偏波)の光で出射される。ポンプ光は集光レンズ31を
通して光軸2を通り、ダイクロイックミラー25で90
度反射され、分極反転結晶12に入射する。ポンプ光は
結晶中央にビームウエストを結ぶように集光レンズ31
の位置を調整する。ファイバ20から出射された波長λ
s=1.545μmの信号光は集光レンズ30を通過し
た後、ダイクロイックミラー25を全透過して光軸1を
通って、分極反転結晶12に入射される。ポンプ光の光
軸1は信号光の光軸2と共軸となるように調整される。
【0030】領域11はd33を利用し周期Λ1=1
8.96μmの分極反転周期、領域10はd31を利用
する領域で周期Λ2=25.56μmの分極反転周期と
なっている。ネオブ酸リチウムは室温では不純物等によ
る吸収励起による内部電界発生による光損傷を生じる。
この光損傷効果を低減化するために使用温度は100℃
以上で動作させることが望ましい。分極反転結晶12は
温度制御素子22の上に乗せて100℃にセットする。
ネオブ酸リチウムの場合d33とd31は約5倍値が異
なるため効率は25倍も異なるしたがって同じ効率を得
るためにはL1はL2の25倍程度にとることが重要とな
る。このような配置構造をとることにより差周波発生に
おいて、入射する信号光(λS=1.554μm)の偏
光状態に依存せず一定の波長変換効率で変換光(λL=
1.566μm)を得ることができる。ネオブ酸リチウ
ムに関してバルクで使用した例を説明したが、チタンや
Znを拡散して導波路化した場合は、変換効率がさらに向
上し本発明も同様に有効に作用することは言うまでもな
い。
【0031】図8は第二の実施形態としてネオブ酸カリ
ウム(KN)結晶を用いた例で、第一の実施形態は重複す
るため結晶作成法のみに限定して説明する。厚み方向
(厚み1mm)がc面、伝播方向がb軸方向となるよう
にKN結晶板を切り出す。入射面、出射面となる±b面
(40,41)は光入出力面となるため光学研磨を行
い、1.55μmの波長に対して無反射コートなるコー
テイングを施す。結晶はd33を利用する領域11とd
31を利用する領域10とからなっている。+c面上に
長さL1、周期Λ1=18.84μm、長さL2、周期Λ
2=14.32μmを持った櫛形上電極46を反対面は
一面電極45を装着する。+c面がプラスとなるような
にパルス状電界を印加することにより(500V/mm)1
80°分極反転を生じる電極パターンに沿った周期分極
反転構造を生じさせることができる。
【0032】ネオブ酸カリウム結晶の場合、d33=2
2、d31=18pm/Vとほぼ同等の値を有するた
め、領域11と領域10の長さの比は1:1.5程度に
すれば良い。具体的にはL1=1cm、L2=1.5cm
とする。領域11と領域10の変換効率のわずかな違い
は結晶の温度を精密にコントロールすることにより変換
効率が等しくなるよう調整することができる。またネオ
ブ酸カリウム結晶はネオブ酸リチウム結晶と比較して光
損傷による不安定化がないため、室温でも安定動作させ
ることが可能となる。
【0033】実施形態1で説明した温度制御素子の上に
セットすることによりこのような配置構造をとることに
より差周波発生において、入射する信号光の偏光状態に
依存せず一定の効率で波長変換を行うことができる。こ
のため光ファイバー通信において時間とともに信号光の
偏光状態が変動しても安定した、波長変換を行うことが
可能となり、光通信ネットワークに必要な広帯域、一括
波長変換素子(例えば、CバンドとLバンドの一括波長変
換)を実現することが可能となる。以上、 非線形光学
材料としてネオブ酸リチウム、ネオブ酸カリウム結晶に
ついて説明したが、他材料、例えばLiTaO3(略称
LT)、KTiOPO4(略称KTP)などにも適応で
きることはいうまでもない。
【0034】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、周
期分極反転構造による疑似位相整合を満たす波長変換素
子において非線形光学材料として周期分極反転構造が2
つの周期Λ1とΛ2をもった領域を作ることにより、非
線型光学定数の対角項と非対角項を用いた波長変換が同
時にたっせいすることを可能にし、入射信号光の偏光方
向の変化による変換効率の変動を押さえることが可能な
偏光無依存の波長変換素子を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テンソル成分d31を利用する場合を説明する
図。
【図2】テンソル成分d33を用する場合を説明する図。
【図3】本発明において周期構造の場合を説明する図。
【図4】本発明において周期構造の場合を説明する図。
【図5】分極反転周期Λ1、Λ2の温度依存性を示す
図。
【図6】分極反転周期Λ1、Λ2の温度依存性を示す
図。
【図7】本発明の第一の実施形態を示す図。
【図8】第二の実施形態の主要部を説明する図。
【図9】従来技術を説明する図。
【符号の説明】
1 光軸 2 ポンプ光光軸 10 周期分極反転領域1 11 周期分極反転領域2 12 分極反転結晶 13 入射面 14 出射面 20 光ファイバ 21 ポンプ光光源 22 ペルチエ素子 25 ダイクロイックミラー 30、31 集光レンズ 45 一面電極 46 櫛形電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非線形光学材料の分極方向がコヒーレン
    ス長の周期で交互に反転して疑似位相整合を満たす光通
    信用の波長変換素子であって、非線形定数テンソルdij
    の対角項と非対角項を同時に利用することにより信号光
    の偏光方向にかかわらず一定の波長変換効率を実現する
    ことを特徴とする波長変換素子。
  2. 【請求項2】非線形光学材料基板に非線形光学定数テン
    ソルの対角項に対して擬似位相整合が達成できる第一の
    周期で分極反転を施した第一の領域を有しかつ非線形光
    学定数の非対角項に対して擬似位相整合が達成できる第
    二の周期で分極反転を施した第二の領域を有しているこ
    とを特徴とする請求項1の波長変換素子。
  3. 【請求項3】前記第一の領域の長さと第二の領域の長さ
    が、それそれの領域での変換効率が等しくなるように調
    整されたことを特徴とする請求項2の波長選択素子。
  4. 【請求項4】非線形光学材料基板に非線形光学定数テン
    ソルの対角項と非対角項に対して同時に擬似位相整合が
    達成できる周期で分極反転を施したことを特徴とする請
    求項1の波長変換素子。
  5. 【請求項5】非線形光学定数テンソルの対角項と非対角
    項を用いた波長変換の変換効率が等しくなるように温度
    調整されたことを特徴とする請求項4の波長選択素子。
  6. 【請求項6】 前記非線形光学基板がネオブ酸リチウ
    ム、またはネオブ酸カリウムであることを特徴とする請
    求項1から5のいずれかに記載の波長変換素子。
  7. 【請求項7】 前記非線形光学基板に導波路構造を持っ
    たことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の
    波長変換素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016051104A (ja) * 2014-09-01 2016-04-11 株式会社Screenホールディングス 光機能デバイス、光変調器および露光装置
JP2017146386A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 株式会社島津製作所 波長変換光学装置及びレーザ装置

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