JP3272250B2 - 波長変換装置 - Google Patents
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- G02F1/00—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
- G02F1/35—Non-linear optics
- G02F1/353—Frequency conversion, i.e. wherein a light beam is generated with frequency components different from those of the incident light beams
- G02F1/3534—Three-wave interaction, e.g. sum-difference frequency generation
Description
信システム等において用いられる波長変換装置に関し、
特に入射光の周波数の差の周波数の光を発生する波長変
換装置に関する。
length division multiplexing:WDM)ネットワーク
において、波長多重/分離を行う例えば光交換装置等の
キーデバイスとして波長変換素子を利用するものが知ら
れている。従来、この種の波長変換として、半導体光増
幅器を用いるもの、四光波混合を利用するもの、過飽和
吸収領域を備えた半導体レーザを利用するもの等が提案
されていた。
を構築する上で求められる、高効率、高速、広帯域、低
ノイズ、偏波無依存という条件をクリヤーできない。
利用して2次の非線形光学効果の一種である疑似位相整
合(Quasi-Phase matching:QPM)による差周波発生
(difference frequency generation :DFG)を使う
ことを考えた。
(特願平6-175265)、あるいは論文 [1]C.Q.Xu, et.al., Applied Physics Letter 63,1
170(1993) [2]徐長青, 他 信学技報OCS95−3,P.17(19
95) 等において、このような波長変換を用いた波長変換装置
を開示している。
はLiNbO3 に周期的分極反転構造が形成され、ここ
を基本波光が伝播するように光導波路が形成されている
ものである。この様な波長変換素子では、例えば光差周
波発生(DFG)により波長が1.53μmの光から
1.55μmの光へと光交換を実現している。ここで提
案されている方式によれば、超高速、高帯域(140n
m以上)、低ノイズ(量子雑音以内)、多チャンネル間
の交換が可能、高変換効率(4mWのポンプ光を使って
−30dB)という特性が得られている。偏波無依存に
ついての課題が残されているが、DFGによる波長変換
技術を光通信システムに取り込むことの有効性が示され
た。
に開示されている。
ics Letter 68,2609(1996) この文献に示されている波長変換素子では、GaAs基
板を用い、結晶の直接接着法でもう一つのGaAs基板
を面方位が反対の方向となるようにはりつけ、フォトリ
ソグラフィーにより周期的にGaAs結晶を取り除いて
作成したグレーティング(乃至周期構造)上に有機金属
気相成長法で周期的分極反転構造を形成している。これ
は、両方位を反対の方向に形成することで分極の方向も
反対の方向となるので、面方位が逆方向になるように2
枚のGaAs結晶基板を直接接着法を応用して接着し
て、更にフォトリソグラフィー、エッチング、再成長を
経て形成できた素子である。この素子を用いて、超高
速、高帯域、低ノイズ、多チャンネル間の交換が可能、
高変換効率という特性に加えて、用いられる光の偏光方
向の依存性もない波長変換素子を形成することに成功し
ている。
案も光通信システムにおいて交換機能の部分に波長変換
技術(光差周波発生技術)を導入しようとするものであ
る。このように光差周波発生技術を導入することにより
既に説明してきたように、電子素子では実現できない超
高速、高帯域、低ノイズ、多チャンネル間の交換が可
能、高変換効率という利点が生ずる。
効果を利用する波長変換について従来例を引用して説明
する。
いて]2次の非線形光学効果を利用した波長変換技術に
は光第2高調波発生(SHG)、光和周波発生(SF
G)、DFGがある。このうちで光導波路を使う素子が
使われた例として代表的な例に以下の文献に開示された
ものがある。
sics Letter 58,1227(1991) [5]F.Laurell,et.al., Applied Physics Letter 6
2,1872(1993) 文献[4]には、光導波路を用いて、チェレンコフ放射
スキームにより位相整合を実現し、SHG、SFGによ
り波長変換を行った例が報告されている。この例では半
導体レーザの波長の不安定性はチェレンコフ放射角の変
化で吸収できるので位相整合は常に実現できる。そのか
わり、変換された光の放射方向は常に変化することにな
る。また、変換光が通常のレンズでは集光できない光で
あり、実用的な技術ではない。
同様に光導波路を用いて波長変換を実現している。ただ
し、文献[4]の例とは異なり疑似位相整合により位相
整合を実現しているので、変換光の放射方向が変化する
ことはないが、光導波路の位置合わせ等の応用上の困難
がある。また、疑似位相整合で位相整合を実現するには
周期的な分極反転構造を結晶内に形成しなければなら
ず、これを形成するのが技術的に難しい。
素子もそのままでは実用的な光通信システムに用いるこ
とはできない。上述の光交換装置にDFGを利用する波
長変換を適用するには、まず、変換光が通常のレンズで
集光できることが重要である。しかし、文献[3]の例
ではこの点が解決できない。通常のレンズで集光するこ
とができないと、変換光を光ファイバ等に入射させるこ
とができないため実用上使用することができない。ま
た、この文献[3]の例では非線形光学結晶に周期的な
分極反転構造等を形成しなければならないため、コスト
が増加する。さらに、光導波路を利用するため、数μm
程度以下の位置合わせ精度を必要とし、装置を構成する
上で障害となり、コストを増やす一因にもなる。
結晶内に形成しなければならず、さらに、変換効率を高
めるため光導波路を必要とするため構造が複雑化する。
されたものであり、構造を複雑化せずに高効率な差周波
発生を実現することができる波長変換装置を提供するこ
とを目的とする。
波長λ3のポンプ光とから差周波光である波長λ1(1
/λ1=1/λ3−1/λ2である。)のアイドラー光
を生成する波長変換装置において、円錐対称軸を持ち、
この円錐対称軸に平行に入射する前記シグナル光及び前
記ポンプ光をベッセル光束として集光する円錐状レンズ
と、前記円錐状レンズによりベッセル光束として集光さ
れた前記シグナル光と前記ポンプ光の周波数の差の周波
数を有するアイドラー光を発生する非線形光学素子とを
有し、前記非線形光学素子が1軸性又は2軸性の異方性
結晶であり、前記円錐状レンズの円錐対称軸に直交する
方向であって、前記非線形光学素子に固有の方向をZ方
向とし、Z方向は、非線形光学定数が最大となる偏光方
向であり、前記シグナル光、前記ポンプ光、及び前記ア
イドラー光がいずれも前記非線形光学素子の光学主軸に
対してZ方向に偏光しており、前記アイドラー光に対す
る前記非線形光学素子の屈折率をn(λ1)とし、前記
シグナル光に対する前記非線形光学素子の屈折率をn
(λ2)とし、前記ポンプ光に対する前記非線形光学素
子の屈折率をn(λ3)とし、前記シグナル光の前記非
線形光学素子内における進行方向の前記円錐対称軸に対
する角度をθ2とし、前記ポンプ光の前記非線形光学素
子内における進行方向の前記円錐対称軸に対する角度を
θ3としたときに、次式の位相整合条件
構成を示すブロック図である。同図中に示すように、こ
の波長変換装置は、波長の異なる2つの入射光(シグナ
ル光、ポンプ光)の周波数の差の周波数を有する光(ア
イドラー光)を発生する非線型光学結晶1と、入射され
た2つの光を集光して非線型光学結晶1に入射させるア
キシコンレンズ2と、各々異なった方向から供給される
入射光を合成するための半透鏡3とを備えている。
光(シグナル光とポンプ光)を後述のベッセル光束(光
軸に垂直な方向の光強度分布がベッセル分布となってい
る光束)の形で入射させて、これらの差周波(Differen
ce Frequency:DF)光であるアイドラー光を得るよう
になっている。この非線型光学素子1は、後述するDF
Gのための位相整合条件を満たすように設計されてい
る。
ンズであり、入射光束を集光させて、ベッセル光束を形
成する。アキシコンレンズ2に入射される光束は一般に
ガウシアン光束(光軸に垂直な方向の光強度分布がガウ
ス分布となっている光束)となっている。
ズ等の光学部品でベッセル光束を作り出すと通常以下の
式で示されるガウス関数とベッセル関数の積の形で書か
れる光束になる。通常は非回折光束としてこのような光
束が使われる。
定義を行っておく。光波の波数をkj で表す。すなわ
ち、光の波長をλi として、ki =(2π/λi )n
(λi )でありi=1をアイドラー光、i=2をシグナ
ル光、i=3をポンプ光に対応させる。n(λi )は非
線形光学結晶の屈折率を意味し、波長の関数として与え
られたものである。
ンプ光の入射パワーで決まる定数、σ2 、σ3 はガウス
光束の形状を決めている定数である。θ2 、θ3はそれ
ぞれ図1に表されている角度である。そうすると差周波
光として発生するアイドラー光(変換光ともいう)の振
幅は、
数、ε0 、μ0 はそれぞれ真空中の誘電率、透磁率、l
は非線形光学結晶長である。また、ω1 はアイドラー光
の周波数で、真空中の光速をcとして、ω1 =(2πc
/λ1 )n(λ1 )である、従って(3)式は、
されていれば、すなわち、
ラー光の強度は、
ン光束を用いた場合、この強度はどのようになるかを説
明する。入射パワーはどちらの光も等しく、シグナル光
のパワーをP2 ポンプ光のパワーをP3 とすると、規格
化定数ξ2 、ξ3 はベッセル光束の場合は、それぞれ、
関係にある。
母の積分値より大きい。このため、
を用いた場合のアイドラー光の強度I'1(0)は、
換光であるアイドラー光の強度がガウス光束を用いた場
合より大きくなる。従って本発明の目的である、高効率
なDFGがベッセル光束を用いることで実現することに
なる。
ついて説明する。(4)式の位相不整合が0である条件
は、
率の波長依存性n(λ)は、例えばKTP(LiTiO
PO4 )について次式に示すような実験式が与えられて
いる。
(λ)が求められる。具体的には、このような実験式を
実際に用いる結晶について求める。
屈折率楕円体の主軸方向にとり、位相整合条件を満たす
シグナル光、ポンプ光、アイドラー光の伝播方向がxy
平面上でx軸からθの角をなし、z軸とφの角をなすも
のとする。これらの光の方向余弦は、
ー光に対する屈折率を、それぞれns 、np 、ni であ
るとすると、これらは次式(屈折率楕円体)で与えられ
る。
y、z成分(主軸成分)であることを示している。ま
た、nx,p、ny,p、nx,p はそれぞれポンプ光波長の
x、y、z偏向成分に対する屈折率であり、nx,s、n
x,iはそれぞれシグナル光、アイドラー光波長のx偏向
成分に対する屈折率である。
式からnp 、ns 、ni を求め、これらをそれぞれn
(λ)、n(λ)、n(λ)として上述の(13)式に
代入し、(13)式を満たすθ、φを求める。このよう
にして、非線型光学結晶1に対するシグナル光及びポン
プ光を入射させる方向θ、φを求める。
次式のようになる。
できる。ここで、解が2つ存在するのは、複屈折を意味
している。
ー保存則
ル光およびポンプ光の波長を選べばよいことがわかる。
ように、ポンプ光とシグナル光とを同時に非線形光学結
晶に入射させなければならない。
合、ポンプ光とシグナル光という通常は波長が2倍程度
違う光をレンズで集光して光導波路に入射させる必要が
ある。しかしながら、レンズの焦点距離は波長に依存す
るのでこれらの光を共に同一の光導波路の入射端面に集
光することは原理的に無理である。すなわち、ポンプ光
とシグナル光を同時に光導波路に効率よく入射させるこ
とは原理的に困難なことである。
述したように位相整合条件を満たしていればよく、波長
変換素子(図1中の非線型光学素子1)に光導波路を必
要としていないので、このような問題が生ずることがな
い。上述の(15)式で表される位相整合条件はシグナ
ル光、ポンプ光、アイドラー光の偏彼方向を適切に選択
すれば満たされることは、ガウス光束を用いた波長変換
の場合と同様である。ただし、余弦関数cosの項があ
るのでそれだけ整合条件にゆとりがあり、ガウス光束で
は実現できなかった波長の光の変換も可能になる。換言
するとより大きな非線形光学定数を利用できる可能性、
すなわち、上述の(3)式中のdeff にガウス光束では
利用できなかった大きな値を持つ成分を利用できる可能
性がある。波長変換装置(素子)における変換効率はd
eff の二乗に比例するため、def f の値を大きくするこ
とにより変換効率をさらに向上させることができる。
図1に示す第1の実施形態と同様に構成されている。こ
の第2の実施形態の波長変換装置は、波長変換装置の変
換効率をより高めるために非線型光学結晶1等に特徴を
有する。
が1軸性又は2軸性の異方性結晶から構成されており、
シグナル光、ポンプ光、アイドラー光のいずれもこの非
線形光学結品の光学主軸に対してZ方向に偏光してお
り、上述した位相整合条件が上記偏光に対して満たされ
た状態で、上記アキシコンレンズによりベッセル光束が
形成されるようになっている。
X、Y、Zを全て大文字で表し、光の伝播方向を示す座
標をzと小文字で表す。
て
位相整合条件、すなわち上述の(13)式を満たすよう
に設定されている。このようなベッセル光束はアキシコ
ンレンズによって形成することができる。
2 、ξ3 はそれぞれシグナル光、ポンプ光の入射パワー
で決まる定数、上述の(13)式中のn(λ)は波長λ
の関数として表した非線形光学結晶の屈折率、λ1 はア
イドラー光の波長である。
光の波長の間にはエネルギー保存の条件から、上述の
(14)式の関係がある。
または2軸性の異方性結晶であって、ポンプ光、シグナ
ル光、アイドラー光のいずれもこの非線形光学結晶の光
学主軸に対してZ方向に偏光しており、位相整合条件が
これらの偏光に対してみたされるようにアキシコンレン
ズ2の底角が設定されている。
を満たすように設定されている。
コンレンズを構成しているガラスの屈折率である。
線形光学定数deff について説明する。一般に非線形光
学定数のテンソル成分djm(j=1、2、3、m=1、
2、3、4、5、6でありdijk を縮約したものであ
る。ここでj=1、2、3の1、2、3の意味はそれぞ
れX、Y、Zに対応する.当業者にとってこのような表
記法は周知である。)のうち最大のものはd33である。
て、d33を有効に使えれば変換効率が高くできることに
なる。これはKTPに限らずニオブ酸リチウム(LiN
bO3 )やタンタル酸リチウム(LiTaO3 )等でも
同様である。
に関係する部分は、
するには、シグナル光、ポンプ光、アイドラー光の全て
がZ方向偏光成分を使えばよいことになる。この場合、 deff=d33 (21) である。
ラー光の全てがZ方向偏光成分となるようにするために
は、位相整合条件を与える(15)式において屈折率波
長分散を与える関数n(λ)についてすべてZ方向偏光
成分に対するものを使えばよいことになる。
は、位相整合条件を与える(15)式で
満足するようにシグナル光、ポンプ光、アイドラー光の
波長を決めることはできない。すなわち、(13)式を
満たす解が存在しないので、ガウス光束を用いたのでは
上述のようにd33を有効に使ったDFGは実現しない。
2 という新たなる自由度が加わるので、(14)式を満
たす解が存在する可能性がある.このような解が存在す
ると、d33を有効に使ったDFGが実現し、従来のガウ
ス光束を用いたのでは実現しなかった高効率変換を実現
できることになる.以下でこのような解の存在を検討す
る。
性結晶であって、シグナル光、ポンプ光、アイドラー光
のいずれもこの非線形光学結晶の光学主軸に対してZ方
向に偏光しており、位相整合条件が上記偏光に対して満
たされるようにベッセル光束が生成できるように上述の
アキシコンレンズ2が形成されているとする。この場
合、上記ベッセル光束は、シグナル光に対して上述の
(16)式、ポンプ光に対して(17)式で表される光
束であって、θ2、θ3がDFGの位相整合条件を満たす
ように上述の(13)式及び(14)式で表されるよう
に設定されていれば、アイドラー光の強度I1 は上述の
(5)式で与えられることを既に説明した。
れシグナル光、ポンプ光の入射パワーで決まる定数、n
(λ)は波長λの関数として表した非線形光学結晶の屈
折率、λ1 はアイドラー光の波長である。
ー光に対する非線形光学結晶の屈折率n(λ2 )、n
(λ3 )、n(λl )を全て非線形光学結晶の光学主軸
に対するZ方向の偏光に対するものを取ることにする。
上述の(13−2)式に対応するこの光の方向余弦は、
(γx ,γy ,γz )=(1,0,0)であるため、こ
れを上述の(13−4)式に代入すると、 np =nz,p 又はnp =ny,p (22−2) となる。同様にy軸方向に伝播する光を考えると、この
光の方向余弦が(γx ,γy ,γz )=(0,1,0)
であるため、これを上述の(13−4)式に代入する
と、 np =nz,p 又はnp =nx,p (22−3) となる。いずれにしてもnp =nz,p とすることができ
る。
折率楕円体の方程式を γx(np -2−ny、p -2)(np -2−nz、p -2) + γy(np -2−nx,p -2) ×(np -2−nz、p -2) + γz(np -2−nx、p -2)(np -2−ny、p -2) =0 (22−4) と変形し、γx=1,γy=0,γz=0 を代入すると γx(np -2−ny、p -2)(np -2−nz、p -2)=0 (22−5) であるため、np=ny、p又はnp=nz、pとなることが明
らかである。(γx ,γy ,γz )=(0,1,0)の
ときも同様である。
進む光を入射光とすれば、目的(変換効率の向上)を果
たすことができる。以上の説明は、ポンプ光のみならず
信号光、アイドラー光についても同様に成立することは
明らかである。
たり、図2を用いて角度について定義する。この図2の
ように角度を定義すると、アキシコンレンズを用いてベ
ッセル光束を形成するとすると図2に示すようにように
アキシコンレンズに入射する平面波光束の光線が進むの
で、
でθ2、θ3を消去すると上述の(18)式及び(19)
式となる。
4)式を連立させてθ2、θ3について解けば、この実施
形態の目的、すなわち、波長変換の高効率化が達成され
る。ここに、N(λ)はアキシコンレンズの材料のガラ
スの屈折率分散である。
TPでは、屈折率の波長分散は、
屈折率分散N(λ)をHOYA(商標)ガラスのN5と
いうガラス材料を用いることを仮定して以下の(26)
式で与えられるとする。N5ガラスはモールド処理に適
した材質であるのでアキシコンレンズを作るには都合の
良いものである。
2 )をl.55μm、ポンプ光の波長(λ3 )を0.7
7μmとした場合を示す。この場合は、上述の(14)
式からアイドラー光の波長(λ1 )は1.53μmとな
る。図3に、シグナル光の波長が1.3μmから1.6
μmの間である場合について位相整合条件が満足される
角度について示した。この図に示すような角度を満たす
ように光学系(アキシコンレンズ等)を設計すれば、実
効的な非線形光学定数deff として、d33を有効に使っ
た差周波数発生(DFG)、すなわち波長変換効率を向
上させたことになる。
分は他の成分より大きいのでこの対角成分を実効的な非
線形光学定数deff として利用できれば、光学軸上(r
=0)でのアイドラー光の強度は上述の(6)式で表さ
れる。従って、この第2の実施形態に係る波長変換装置
では、変換効率をさらに向上させ、より大きな変換光
(アイドラー光)を得ることができる。
しても発生するアイドラー光は上述の(3)式で与えら
れる。この式の主要部分を書き出すと
ている。また、
に次式
55μm、ポンプ光の波長(λ3 )を0.77μmとし
た場合を示す.図3からわかるように、θ2 =13.2
°、θ3 =13.5°程度であることがわかるから、
(30)式からr=0.56μm程度となり、光ファイ
バーにそのまま挿入できる程度の細い光束になっている
ことがわかる。
長変換装置によれば、高効率の差周波発生が実現でき、
さらに発生するアイドラー光(変換光)を分に細い平行
光とすることができる。従って、光ファイバー等の光導
波路との結合が容易となり、当該波長変換装置の応用が
容易となる。
明した波長変換素子は、例えば図4に示すような構成の
光スイッチ装置において、分離された各々の光の波長を
変換する波長変換部として用いることができる。
には、異なる波長間のスイッチングが必要となる。例え
ば、波長λ1の光で形成されているチャンネルが混雑し
ている場合、図4に示すようなスイッチ構成により、空
いているチャンネル(波長λ2で構成される)にスイッ
チングできれば、一時待機等の手段を講ずることなく、
そのまま問題なく通話(交信)できることになる。
岐素子11と波長選択素子51とによって、波長λ1の
光を分離選択し、波長変換素子に導く。次に、波長変換
素子によって、波長λ2の光に変換して、更に波長選択
素子52によって波長λ2の光だけを取り出し、それを
合波素子12を通して送り出す。この様な構成が実現す
れば、送信の相手先のチャンネルが何らかの理由で使用
できない状態となっていても、一時待機等の手段を講ず
ることなくスムーズな交信が可能となり、通信効率を高
めることができる。波長変換素子としては、本発明の波
長変換装置を利用したシステムが考えられる。いずれに
しても、変換効率が高く、低雑音、高速動作可能等の性
質を持つことが必須である。
て説明したが、変換光を得るためには入射光の和周波数
発生(SFG)によることも可能である。この場合は、
ポンプ光としての半導体レーザの発振波長を1.55μ
m近傍に設定し、これに関係して位相整合条件を変更す
ればよい。またDFG、SFG以外にも光パラメトリッ
ク発振・増幅等が2次の非線形光学効果として、本発明
の変換光を得るために利用可能であり、また3次以上の
高次の非線形光学効果を利用することも原理的に可能
で、特に四光波混合による波長変換にも利用できる、も
ちろんこれらの異なる光学効果を利用する際には、上述
の波長変換装置の細部に適宜、変更することができる。
波数発生装置を光交換システムに適用する場合について
説明したが、本発明の適用対象は光の波長変換を行う装
置であれば特に限定されない。
によりベッセル光束として集光したシグナル光とポンプ
光を非線形光学素子に入射させることにより、周期的構
造や光導波路を非線形光学素子内に形成せずとも十分に
効率の高い差周波数発生を行うことができる。
の異方性結晶から構成し、シグナル光、ポンプ光及びア
イドラー光の偏向方向をいずれも非線形光学素子の光学
主軸に対してZ方向とし、非線型光学素子が、シグナル
光、ポンプ光及びアイドラー光に対して位相整合条件が
満たされた状態でシグナル光、ポンプ光をベッセル光束
として集光させることにより、波長変換効率をさらに向
上させることができる。
の構成を示すブロック図である。
の動作を説明するための図である。
る。
の構成例を示すブロック図である。
鏡
Claims (1)
- 【請求項1】 波長λ2のシグナル光と波長λ3のポン
プ光とから差周波光である波長λ1(1/λ1=1/λ
3−1/λ2である。)のアイドラー光を生成する波長
変換装置において、 円錐対称軸を持ち、この円錐対称軸に平行に入射する前
記シグナル光及び前記ポンプ光をベッセル光束として集
光する円錐状レンズと、 前記円錐状レンズによりベッセル光束として集光された
前記シグナル光と前記ポンプ光の周波数の差の周波数を
有するアイドラー光を発生する非線形光学素子と を有し、 前記非線形光学素子が1軸性又は2軸性の異方性結晶で
あり、 前記円錐状レンズの円錐対称軸に直交する方向であっ
て、前記非線形光学素子に固有の方向をZ方向とし、Z方向は、非線形光学定数が最大となる偏光方向であ
り、 前記シグナル光、前記ポンプ光、及び前記アイドラー光
がいずれも前記非線形光学素子の光学主軸に対してZ方
向に偏光しており、 前記アイドラー光に対する前記非線形光学素子の屈折率
をn(λ1)とし、 前記シグナル光に対する前記非線形光学素子の屈折率を
n(λ2)とし、 前記ポンプ光に対する前記非線形光学素子の屈折率をn
(λ3)とし、 前記シグナル光の前記非線形光学素子内における進行方
向の前記円錐対称軸に対する角度をθ2とし、 前記ポンプ光の前記非線形光学素子内における進行方向
の前記円錐対称軸に対する角度をθ3としたときに、 次式の位相整合条件 【数1】 を満たすように構成したことを特徴とする波長変換装
置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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