JP2003004771A - ホ−ル素子を備えた電流検出装置 - Google Patents

ホ−ル素子を備えた電流検出装置

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JP2003004771A JP2001182246A JP2001182246A JP2003004771A JP 2003004771 A JP2003004771 A JP 2003004771A JP 2001182246 A JP2001182246 A JP 2001182246A JP 2001182246 A JP2001182246 A JP 2001182246A JP 2003004771 A JP2003004771 A JP 2003004771A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホール素子を使用して大電流を容易且つ正確
に検出することが困難であった。 【解決手段】 U字状電流通過形成用導体4と樹脂成形
体5とから成る第1の部品1を設ける。ホール素子を含
む半導体チップ20が固着された金属製支持板21とリ
ード端子22〜25と樹脂成形体30とから成る第2の
部品2を設ける。第1及び第2の部品1,2を接着して
電流検出装置とする。金属製支持板21は、半導体チッ
プ20の機械的支持機能の他にシールド機能を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、電気回路の電流を検出
又は測定するためのホ−ル素子即ちホ−ル効果素子を備
えた電流検出又は測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ホ−ル素子は、ここに印加される磁界に
正比例した電圧即ちホ−ル電圧を発生する。従って、ホ
−ル素子を電流通路に沿って配置すると、電流通路を流
れる電流に比例して発生する磁界がホ−ル素子に作用
し、ホ−ル素子から電流に比例した電圧を得ることがで
きる。電流通路の電流の検出感度を高めるためには、電
流通路をホ−ル素子に出来る限り接近させた方が良い。
この目的のために、本件出願人は特開2000-174357号に
おいて、ホ−ル素子を含む半導体基体の上面に絶縁膜を
介して被検出電流が流れる導体層を設けた電流検出装置
を提案した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構造の
半導体装置において、導体層に10A程度の電流を流す
ことはできるが、これよりも大きな電流(例えば100
〜600A程度)を流すことは困難である。また、電流
検出装置の耐ノイズ性が要求されている。
【0004】そこで、本発明の目的は、比較的大きな電
流を高精度に検出することができるホ−ル素子を備えた
電流検出装置を提供することにある。また、本発明の別
な目的は、比較的大きな電流を耐ノイズ性を有して検出
することができるホ−ル素子を備えた電流検出装置を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、上記
目的を達成するための本発明は、電気回路の電流を検出
するための装置であって、ホ−ル素子と、前記ホ−ル素
子を支持する金属製支持板と、前記ホ−ル素子を外部に
接続するための複数のリ−ド端子と、被検出電流を流す
ためのものであって、ここに流れる電流に基づいて発生
する磁界が前記支持板に支持された前記ホ−ル素子に作
用することができるように配置された電流通路形成用導
体と、前記ホ−ル素子と前記支持板と前記複数のリ−ド
端子と前記電流通路形成用導体とを一体化するように配
置され、且つ前記電流通路形成用導体と前記ホ−ル素子
及び前記支持板との間を電気的に絶縁するように配置さ
れた絶縁性包囲体とを備えていることを特徴とする電流
検出装置に係わるものである。なお、本発明において、
電流の検出とは、電流の有無の検出又は電流量の検出即
ち測定を意味する。
【0006】なお、請求項2に示すように、電流通路形
成用導体は平面的に見て、U字状電流通路を形成するも
のであることが望ましい。また、請求項3に示すよう
に、電流通路を狭めるための補助溝を形成することが望
ましい。また、請求項4に示すように、電流通路形成用
導体と支持板との間にホ−ル素子を配置することが望ま
しい。また、請求項5に示すように、支持板の電流通路
形成用導体に対向しない主面にホ−ル素子を配置するこ
ともできる。また、請求項6に示すように、電流通路形
成用導体を被覆する第1の樹脂成形体と、ホ−ル素子と
支持板と複数のリ−ド端子とを被覆する第2の樹脂成形
体とを独立に形成し、これらを接着することが望まし
い。また、請求項7に示すように、少なくとも接着層の
一部に沿って絶縁シ−トを設けることが望ましい。ま
た、請求項8に示すように、第1の樹脂成形体に、第2
の樹脂成形体の位置決め部分を設けることが望ましい。
また、請求項9に示すように、U字状電流通路形成用導
体の中間部分の両主面に樹脂成形体を設けることが望ま
しい。また、請求項10に示すように、ホ−ル素子形成
用半導体基体に増幅器を形成することが望ましい。ま
た、請求項11に示すように、電流検出の感度を高める
ためにホ−ル素子を第1及び第2の電流検出部即ち第1
及び第2のホ−ル素子の組み合せで構成することができ
る。また、請求項12及び13に示すように、前記電流
通路形成用導体は平面的に見て前記絶縁性包囲体から外
側に導出された対の導出部を有し、前記複数のリ−ド端
子は平面的に見て前記絶縁性包囲体から外側に導出され
た導出部を有し、平面的に見て、前記電流通路形成用導
体の前記対の導出部が前記複数のリ−ド端子の前記導出
部に重ならないように配置されていることが望ましい。
また、請求項14に示すように電流形成用導体を第1及
び第2の電流通路形成用導体の組み合せで構成すること
ができる。
【0007】
【発明の効果】各請求項の発明によれば次の効果が得ら
れる。 (1) ホール素子を金属製支持板で支持するので、金
属製支持板が、ホール素子の機械的支持機能を有する他
に、電界シールド又は静電シールド又は電磁シールドと
して機能し、ホール素子に作用する恐れのある不要電界
ノイズ又は不要電磁ノイズを防ぐことができる。 (2) ホール素子が支持板に支持されているので、ホ
ール素子に対するリード端子の接続等をホール素子の破
損を防止して容易に行うことができる。 (3) 被検出又は測定電流が流れる電流通路形成用導
体が、絶縁性包囲体によってホール素子に一体化されて
いるので、ホール素子と電流通路形成用導体との位置関
係を予め高精度に設定することができ、大電流の検出を
高精度に行うことができる。 (4) ホール素子と支持板とリード端子と電流通路形
成用導体とが一体化されているので、電流検出装置の電
気回路に対する接続及び配置が容易になる。また、請求
項2の発明によれば、導体に溝によってU字状の電流通
路が形成されており、平面的に見てこのU字状電流通路
の中にホール素子の主動作領域が配置されているので、
ホール素子に対して作用する磁束の数が多くなり、電流
の検出感度が高くなる。また、請求項3の発明によれ
ば、導体に補助溝を設けて電流通路を狭めているので、
放熱性及び機械的強度を高めるために導体を比較的幅広
に形成したにも拘らず、電流を集中的に流すことがで
き、ホール素子に対して有効に作用する磁束を増大させ
ることができる。また、請求項4の発明によれば、支持
板と電流通路形成用導体との間にホール素子が配置され
ているので、支持板がホール素子のシールド層として有
効に機能する。また、請求項5の発明によれば、電流通
路形成用導体とホール素子との間に金属製支持板が配置
されているので、金属製支持板によって電流通路形成用
導体からの静電ノイズを低減することができる。また、
請求項6の発明によれば、電流通路形成用導体のための
第1の樹脂成形体と、ホール素子のための第2の樹脂成
形体との組み合せで絶縁性包囲体を構成するので、支持
板及びリード端子を電流通路形成用導体によって制限さ
れずに形成することが可能になり、コストの低減を図る
ことができる。また、それぞれを別の製造工程で正確且
つ能率的に形成することができる。また、請求項7の発
明によれば、絶縁シートを挟むことにより、電流通路形
成用導体とホール素子の絶縁耐圧を向上できる。また、
請求項8の発明によれば、第1及び第2の樹脂成形体の
組み合せであるにも拘らず、両者の位置関係を正確に設
定することができる。また、請求項9の発明によれば、
電流通路形成用導体に溝が設けられているにも拘らず、
樹脂成形体を設けたので、機械的に安定した電流通路を
提供することができる。また、請求項10の発明によれ
ば、電流検出装置の小型化を達成することができる。ま
た、請求項11の発明によれば、電流検出感度の向上を
図ることができる。また、請求項12及び13の発明に
よれば、電流通路形成用導体の対の導出部と複数のリ−
ド端子の導出部とが平面的に見て重ならないように配置
されているので、上記導出部相互間の沿面距離を大きく
することが可能になり、比較的大きな電流を高い信頼性
を有して検出することが可能になる。また、請求項14
の発明によれば、漏れ電流の検出又は電流バランスの検
出を容易に行うことが可能になる。
【0008】
【実施形態】次に、図1〜図21を参照して本発明の実
施形態を説明する。
【0009】
【第1の実施形態】図1〜図11に示す第1の実施形態
の電流検出装置は、図4に示す第1の部品1と第2の部
品2とを図2に示すように接着層3で相互に結合したも
のから成り、例えば電気自動車における電流検出に使用
することができるものである。
【0010】第1の部品1は、被測定電流即ち被検出電
流を流すための電流通路形成用導体4と、絶縁物包囲体
の一部としての第1の樹脂成形体5とから成る。
【0011】電流通路形成用導体4は、例えば100A
〜600程度の電流を流すことができる比較的厚い銅板
にニッケルメッキ層を設けた金属板をプレス加工したも
のであり、平面的に見て図7に示すように全体としてU
字状に形成され、溝6を介して並置された第1及び第2
の部分7、8と、第1及び第2の部分7、8の一方の端
を相互に連結するように配置された第3の部分9とを有
している。帯状に延びている第1及び第2の部分7、8
は、図7で破線で区画して示すように第1及び第2の端
子部分7a、8aと、これ等よりも幅が狭い中間部分7
b、8bと、第1及び第2のホール素子隣接部分7c、
8cとを有する。第1及び第2の端子部分7a、7bに
は、この導体4を電気回路に直列に接続するための貫通
孔10a、10bが設けられている。従って、第1及び
第2の端子部分7a、7bは電気回路導体(図示せず)
に対してビスで固定される。導体4の第1及び第2のホ
ール素子隣接部分7c、8cには、この外周縁から内側
に向うように切り込み溝11a、11b、11c、11
dが形成されている。この溝11a〜11dは電流通路
を溝6寄りに狭める働き、及び樹脂成形体5との噛み合
いを強めて結合強度を向上させる働きを有する。第3の
部分9にも、切り込み溝11e、11fが形成されてい
る。この溝11e、11fも電流通路を溝6寄りに狭ま
る働きを有する。また、第3の部分9には樹脂成形体5
との噛み合いを強めて結合強度を向上させるために2つ
の貫通孔12a、12bが設けられている。
【0012】第1の樹脂成形体5は、導体4の機械的安
定性の向上及び電気的絶縁及び第2の部品2の位置決め
のために設けられている。更に詳細には、導体4の第1
及び第2の中間部分7a、7bの大部分と第1及び第2
のホール素子隣接部分7c、8c及び第3の部分9の一
方の主面(下面)を覆い且つ溝6、11a、11b、1
1c、11d、11e、11f及び貫通孔12a、12
bに充填された第1の樹脂部分5aと、第1及び第2の
中間部分7b、8bの他方の主面の大部分を覆う第2の
樹脂部分5bとを有する。第2の樹脂部分5bは図2及
び図4から明らかなように導体4の上面から突出し、第
2の部品2即ちホールICの位置決め及び機械的支持体
として機能し、更に、導体4の第1及び第2の部分7、
8の機械的安定性向上に寄与している。第1の樹脂部分
5aは導体4を支持すると共に電気的に絶縁する働きを
有する。なお、第1の樹脂部分5aの導体4の下面側に
おける厚みは放熱性を良くするために第2の樹脂部分5
bの導体4の上面側における厚みよりも薄く形成されて
いる。また、第1及び第2の樹脂部分5a、5bは周知
のトランスファモールド法によって一体に形成されてい
る。
【0013】第2の部品2はホールIC即ちホール素子
を含む半導体装置であって、ホール素子を含む半導体チ
ップ20と、金属製支持板21と、この支持板21に連
結された外部リード端子22と、支持板21に連結され
ていない外部リード端子23、24、25と、内部接続
ワイヤ26、27、28、29と、樹脂封止体即ち第2
の樹脂成形体30とから成る。
【0014】半導体チップ20は金属支持板21に固着
されている。例えばAl線から成る内部接続ワイヤ2
6、27、28、29は、半導体チップ20と支持板2
1、外部リード端子23、24、25との間を電気的に
接続している。絶縁性包囲体の一部としての第2の樹脂
成形体30は半導体チップ20、支持板21、外部リー
ド端子22、23、24、25の一部、内部接続ワイヤ
26、27、28、29を覆うように周知のトランスフ
ァモールド法によって形成されている。このホールIC
側の樹脂成形体30は、図4に示すように電流通路形成
体としての第1の部品1の導体4の平坦な露出主面31
上に配置される主面32と、第2の樹脂部分5bの位置
決め用段差面33に対向させる側面34とを有する。第
1の部品1側の主面31と第2の部品2側の主面32と
の間及び第1の部品1側の段差面33と第2の部品2側
の側面34とは図2に示すように接着材から成る接着層
3によって互いに固着される。従って、電流検出装置の
組立が終了した後には、第1及び第2の部品1、2及び
これ等の樹脂成形体5、30が一体化され、実質的に単
一の電気部品となる。接着層3で一体化された第1の部
品1の第1の樹脂成形体5と第2の部品2の第2の樹脂
成形体30との組み合せから成る絶縁性包囲体100
は、図1のように平面的に見て四角形に形成されてい
る。平面的に見て、電流通路形成用導体4の上記包囲体
100又は第1の樹脂成形体5から外側への導出部は、
複数の外部リ−ド端子22〜25の上記包囲体100又
は第1の樹脂成形体5から外側への導出部に重ならない
ように配置されている。更に、詳細には、第1及び第2
の樹脂成形体5、30の組み合わせから成る包囲体10
0は互いに対向する第1及び第2の主面101、102
bと第1、第2、第3及び第4の側面103、104、
105、106とを有する6面体体即ち直方体である。
電流通路成形用導体4の上記導出部は、第3の側面10
5から導出され、外部リ−ド端子22〜25の上記導出
部は第3の側面103から導出されている。
【0015】半導体チップ20は、図9に概略的に示す
底面図から明らかなように周知のホール素子35と、増
幅器36と、制御電流供給回路37と、第1、第2、第
3及び第4の端子38、39、40、41とを有し、平
面的に見て四角形に形成されている。
【0016】ホール素子35、増幅器36及び制御電流
供給回路37は化合物半導体(例えばガリウム砒素)か
ら成る同一の半導体基体42の中に周知の方法で形成さ
れている。半導体チップ20の形成方法及び構成は周知
であるので、図10及び図11には本発明に係わる電流
通路形成用の第1の部品1と直接に関係するホール素子
35のみが示され、増幅器36及び制御電流供給回路3
7の図示は省略されている。
【0017】平面的に見て四角形の半導体基体42の中
には、ホール素子35を形成するためにn型の第1、第
2、第3、第4及び第5の半導体領域43、44、4
5、46、47と、p型の第6、第7及び第8の半導体
領域48、49、50が形成されている。n型の第5の
半導体領域47は半導体基体42の大部分を占めるp型
の第8の半導体領域50の中に島状に形成され、図10
に示すように平面的に見て十字状のパターンを有する。
n型の第1及び第2の半導体領域43、44はn型の第
5の半導体領域47の不純物濃度よりも高い不純物濃度
を有するn+型半導体領域であって、図10に示すよう
にY軸方向において互いに離間して対向配置され且つ第
5の半導体領域47の中に島状に形成されている。この
第1及び第2の半導体領域43、44には図9に示すよ
うに第1及び第2の電極51、52がオーミック接触し
ている。第1及び第2の電極51、52は制御電流供給
回路37に接続されているので、第5の半導体領域47
に第1の半導体領域43から第2の半導体領域44に向
って周知の制御電流Ic が流れる。従って、第1及び第
2の半導体領域43、44を制御電流供給用半導体領域
と呼ぶこともできる。なお、第1及び第2の電極51、
52は周知の制御電流供給回路37を介して直流電源接
続用の第3及び第4の端子40、41に接続されてい
る。
【0018】n型の第3及び第4の半導体領域45、4
6は、n型の第5の半導体領域47の不純物濃度よりも
高い不純物濃度を有するn+ 型半導体領域であって、第
5の半導体領域47のY軸方向の中央部分の両端の近く
に配置されている。この第3及び第4の半導体領域4
5、46の一部は第5の半導体領域47に隣接し、残部
はp型半導体から成る第6及び第7の半導体領域48、
49に隣接している。X軸方向において互いに対向して
いる第3及び第4の半導体領域45、46には図9及び
図11に示すように第3及び第4の電極53、54がオ
ーミック接触している。従って、第3及び第4の半導体
領域45、46をホール電圧検出用半導体領域と呼ぶこ
ともできる。p型の第6及び第7の半導体領域48、4
9はn+ 型の第3及び第4の半導体領域45、46の第
5の半導体領域47に対する接触面積を制限するもので
ある。
【0019】第1及び第2の半導体領域43、44間に
制御電流Ic が流れ、この制御電流Ic に対して直交す
るように磁界を印加すると、第3及び第4の半導体領域
45、46間に周知のホール効果の原理に従って磁束密
度に比例したホール電圧が得られる。従って、ホール素
子35のホール電圧を発生させるための主動作領域は、
第5の半導体領域47における第1及び第2の半導体領
域43、44の相互間及び第3及び第4の半導体領域4
5、46の相互間である。しかし、概略的には第5の半
導体領域47の全体をホール素子の主動作領域と呼ぶこ
とができる。ホール電圧検出用の第3及び第4の電極5
3、54は、図9に示すように周知の増幅器36を介し
て第1及び第2の端子38、39に接続されている。
【0020】半導体基体42の一方の主面には例えばシ
リコン酸化膜から成る絶縁膜55が設けられ、他方の主
面には例えばアルミニウムから成る金属層56が設けら
れている。絶縁膜55は多層配線構造とするために第1
及び第2の絶縁膜55a、55bの積層体から成る。第
1及び第2の電極51、52は第1及び第2の絶縁膜5
5a、55bの開口を介して第1及び第2の半導体領域
43、44に接続され、第3及び第4の電極53、54
は第1の絶縁膜55aの開口を介して第3及び第4の半
導体領域45、46に接続されている。半導体基体42
の他方の主面の金属層56は導電性又は絶縁性の接合材
57によって支持板21に固着されている。
【0021】支持板21は、図8から明らかなように、
この主面に垂直な方向から見て即ち平面的に見て全体的
に四角形のパターンに形成されており、半導体チップ2
0よりも大きな面積を有する。支持板21と第1〜第4
の外部リード端子22〜25とはリードフレームに基づ
いて形成されており、互いに同一厚み且つ同一の材料の
例えば銅板にニッケルメッキした金属板から成る。支持
板21及びリード端子22〜25は、電流通路形成用導
体4よりも薄く形成されている。支持板21はワイヤ2
6によって半導体チップ20の第1の端子38に接続さ
れている。この支持板21に連結された外部リード端子
22は一般にはグランドに接続される。半導体チップ2
0の第2、第3及び第4の端子39、40、41は、ワ
イヤ27、28、29によって外部リード端子23、2
4、25に接続されている。
【0022】支持板21に固着された半導体チップ20
は、図1から明らかなように平面的に見てその大部分が
電流通路形成用導体4の溝6の内側になるように配置さ
れている。更に詳細には、図1及び図5で破線で示すよ
うに少なくともホール素子35の主動作領域が平面的に
見て溝6の内側になるように半導体チップ20が配置さ
れている。
【0023】図1の電流検出装置によって電流を検出す
る時には、被検出電流が流れている電気回路に導体4の
第1及び第2の端子部7a、7bを接続し、U字状電流
通路を形成する導体4に電流を流す。電流通路形成用導
体4は平面的に見てホール素子35の主動作領域となる
第5の半導体領域47の3方向に近接しているので、電
流通路形成用導体4に電流が流れると、アンペアの右ネ
ジの法則に従って図11で破線で示す向きの磁界Hが発
生し、3方向からホ−ル素子35に磁界即ち磁束が作用
する。この磁界Hの向きは第5の半導体領域47の制御
電流Ic の向きに垂直であるので、第3及び第4の半導
体領域45、46間即ち第3及び第4の電極53、54
間にホール電圧が発生する。このホール電圧は磁界Hの
強さ即ち磁束密度に比例し、磁界Hの強さは被検出電流
に比例するので、ホール電圧によって被検出電流を検出
することができる。
【0024】本実施形態の電流検出装置は次の効果を有
する。 (1) 金属製支持板21と電流通路形成用導体4との
間に半導体チップ20が配置されているので、金属製支
持板21が半導体チップ20の電界及び電磁シールド層
として機能し、外部からの不要電界ノイズ及び不要電磁
ノイズを低減することができる。 (2) ホール素子35と一体的に電流通路形成用導体
4を設けたので、ホール素子35に接近させて例えば1
00A〜60のような大電流を流すことが可能になり、
且つ両者の位置関係を予め高精度に設定することがで
き、大電流の検出を高精度に行うことができる。 (3) 導体4の溝6によってU字状の電流通路が形成
されており、平面的に見てこのU字状電流通路の中にホ
ール素子35の主動作領域となる第5の半導体領域47
が配置されているので、第5の半導体領域47に対して
作用する磁束の数が多くなり、電流の検出感度が高くな
る。 (4) 導体4に補助溝11a〜11dを設けて電流通
路を狭めているので、放熱性及び機械的強度を向上させ
るために導体4を比較的幅広に形成したにも拘らず、電
流を集中的に流すことができ、ホール素子35に対して
有効に作用する磁束を増大させることができる。 (5) ホール素子35を含む第2の部品2と大電流が
流れる電流通路形成用の第1の部品1との組み合せで電
流検出装置を構成するので、支持板21及び外部リード
端子22〜25を電流通路形成用導体4よりも薄くする
ことが可能になり、ホールIC即ち第2の部品2を低コ
スト且つ容易に形成することができる。また、第1及び
第2の部品1、2を別の製造工程で正確且つ能率的に形
成することができる。 (6) 第1及び第2の部品1、2の組み合せであるに
も拘らず、第1の部品1に位置決め用段差面33が設け
られているので、両者の位置関係を正確に設定すること
ができる。 (7) 電流通路形成用導体4に溝6が設けられている
にも拘らず、トランスファモールド法で樹脂成形体5を
設けたので、機械的に安定した電流通路を提供すること
ができる。 (8) 電流通路形成用導体4とホ−ル素子35とが一
体化されているので、電気回路に対する接続及び配置が
容易になる。 (9) 電流通路形成用導体4は絶縁性包囲体100の
第3の側面105から導出され、外部リ−ド端子22〜
25は第3の側面105と反対側の第1の側面103か
ら導出され、平面的に見て2つの導出部は重ならないの
で、電流通路形成用導体4と外部リ−ド端子22〜25
との沿面距離を大きくすることができる。この結果、電
流通路形成用導体4の導出部と外部リ−ド端子22〜2
5の導出部との間の耐圧が向上し、電流検出装置の信頼
性を向上させることができる。また、比較的大きな電流
を流すことができる電流過電流形成用導体4の外部回路
への接続を外部リ−ド端子22〜25に妨害せずに容易
且つ確実に行うことできる。
【0025】
【第2の実施形態】次に、図12〜図15を参照して第
2の実施形態の電流検出装置を説明する。但し、図12
〜図15において図1〜図11と共通する部分には同一
の符号を付してその説明を省略する。また、図12〜図
15の説明において、図1〜図11も参照する。
【0026】図12〜図15に示す第2の実施形態の電
流検出装置は、図13及び図15に概略的に示すように
電流検出のためのホ−ル効果装置が第1及び第2のホー
ル素子35、35′即ち第1及び第2の電流検出部の組
合せによって構成されている。なお、第1及び第2の電
流検出部としての第1及び第2のホール素子35、3
5′は同一構造であるので、互いに共通する部分には同
一の符号を付し、第2のホール素子35′の各部の符号
にダッシュを付して両者を区別する。
【0027】図12に示す電流通路形成用導体4aは、
第1及び第2のホール素子35、35′の主動作領域で
ある第5の半導体領域47、47′に隣接するS字状電
流通路形成するために、第1及び第2の溝6,6′と複
数の補助溝60とを有する。第1及び第2の溝6,6’
は互いに逆の方向から切り込まれている。電流通路形成
用導体4aの第1及び第2の端子部分61,62は、図
7の第1及び第2の端子部分7a、7bと同様に被検出
電流が流れる電気回路に接続される。第1及び第2のホ
ール素子35、35’の主動作領域としての第5の半導
体領域47,47’は平面的に見て第1及び第2の溝
6,6’の内側に配置されている。第1及び第2のホー
ル素子35,35’を含む半導体チップ20’は図14
に示すように金属支持板21に固着されている。半導体
チップ20’、支持板21、外部リード端子22,2
3,24,25、電流通過形成用導体4aは、図12及
び図14に示すように1つの樹脂成形体63によって互
いに一体になるように封止されている。なお、この樹脂
成形体63を第1の実施形態の第1及び第2の樹脂成形
体5、30のように分けて形成することができる。絶縁
性包囲体としての樹脂成形体63は、第1の実施形態の
包囲体100と同様に互いに対向する第1及び第2の主
面とこれ等の間の第1、第2、第3及び第4の側面63
a、63b、63c、63dとを有する。外部リ−ド端
子22〜25は、第1の実施形態と同様に第1の側面6
3aから導出された導出部を有する。電流通路形成用導
体4aの第1及び第2の端子部分61、62は樹脂成形
体63からの第1及び第2の導出部であって、第1の端
子部分61は第3の側面63cから導出され、第2の端
子部分62は第1の側面63aから導出されている。第
2の端子部分62は、外部リ−ド端子22〜25と同一
の第1の側面63aから導出されているが、平面的に見
て外部リ−ド端子22〜25に重なっていない。
【0028】電流通路形成用導体に流れる電流に基づい
て生じる磁界Hの向きは第1及び第2のホール素子3
5、35′に対して図14で破線で示すように互いに逆
になる。第1及び第2のホール素子35、35′に周知
の制御電流Ic を流すために第1のホール素子35の第
1及び第2の電極51、52と第2のホール素子35′
の第1及び第2の電極51′、52′とが図15の周知
の制御電流供給回路37aに接続されている。第1及び
第2のホール素子35、35′の出力電圧を合成して被
検出電流に対応する電圧を得るための出力回路36a
は、第1、第2及び第3の差動増幅器71、72、73
から成る。第1の差動増幅器71の正入力端子は第1の
ホール素子35の第3の電極53に接続され、この負入
力端子は第1のホール素子35の第4の電極54に接続
されている。第2の差動増幅器72の正入力端子は第2
のホール素子35′の第3の電極53′に接続され、こ
の負入力端子は第2のホール素子35′の第4の電極5
4′に接続されている。従って、第1の差動増幅器71
から得られる第1のホール電圧Vh1と第2の差動増幅器
72から得られる第2のホール電圧−Vh2は互いに逆の
極性を有する。第3の差動増幅器73の正入力端子は第
1の差動増幅器71に接続され、この負入力端子は第2
の差動増幅器72に接続されている。従って、第3の差
動増幅器73からはVh1−(−Vh2)=Vh1+Vh2の出
力が得られる。即ち、演算手段としての第3の差動増幅
器73からは、第1の差動増幅器71の出力Vh1の絶対
値と第2の差動増幅器72の出力−Vh2の絶対値との和
が得られる。なお、第2の差動増幅器72の出力段に反
転回路を設け、第3の差動増幅器73の代りに加算器を
設けることによってVh1+Vh2を示す出力を得ることも
できる。
【0029】第1及び第2のホール素子35、35′
は、図14に示すように共通の半導体基体42aに形成
されている。勿論、第1及び第2のホール素子35、3
5′を個別の半導体基体に形成することもできる。
【0030】第2の実施形態は第1の実施形態と同一の
効果を有する他に次の効果も有する。 (1) 第1及び第2の電流検出部即ち第1及び第2の
ホール素子35、35′の出力の絶対値の加算値が得ら
れるので、電流検出感度が大きくなる。 (2) 電流通路形成用導体4aの中間部分を第1及び
第2のホール素子35、35′で共用しているので、ス
ペースの増大が抑えられている。 (3) 第1及び第2のホール素子35、35′を並置
し、この合成出力を得る構成であり、且つ第1及び第2
のホール素子35、35′に対する磁界Hの方向が逆に
なるので、不要な外部磁界(ノイズ)が第1及び第2の
ホール素子35、35′に加わった場合にこれ等の相殺
が生じ、外部磁界の影響の少ない電流検出を行うことが
できる。即ち不要外部磁界に基づくホール電圧をV0 と
すると、第1の差動増幅器71の出力はVh1+V0 、第
2の差動増幅器72の出力は−Vh2+V0 となり、第3
の差動増幅器73の出力はVh1+V0 −(−Vh2+V0
)=Vh1+Vh2となり、不要外部磁界の影響の少ない
出力を得ることができ、電流Is の検出精度が向上す
る。
【0031】
【第3の実施形態】次に、図16を参照して第3の実施
形態の電流検出装置を説明する。但し、図16において
図1と実質的に同一の部分には同一の符号を付してその
説明を省略する。図16の電流検出装置は、図1の第1
の部品1を変形した第1の部品1aを設け、この他は図
1と同一に構成したものである。図16の第1の部品1
aは、図1の電流通路形成用導体4を少し変形した電流
通路形成用導体4bと少し変形した第1の樹脂成形体
5’を有し、この他は図1と実質的に同一に形成されて
いる。即ち、図16では、電流通路形成用導体4bの第
1及び第2の端子部分7a、8aが図1に比べて左側及
び右側に延びている。また、電流通路形成用導体4bの
第1及び第2の端子部分7a、8aの間のU字状溝6を
含む部分が第1の樹脂成形体5’で被覆されている。従
って、電流通路形成用導体4bの第1の端子部分7aを
含む一方の導出部が絶縁性包囲体100a又は第1の樹
脂成形体5’の第2の側面104から導出され、第2の
端子部分8aを含む他方の導出部が絶縁性包囲体100
a又は第1の樹脂成形体5’の第4の側面106から導
出されている。第2の部品2の外部リ−ド端子22〜2
5は図1と同様に包囲体100aの第1の側面103か
ら導出されている。この結果、平面的に見て電流通路形
成用導体4bの導出部と外部リ−ド端子22〜25の導
出部との重なり合いが生じていない。なお、絶縁性包囲
体100aは、第1及び第2の樹脂成形体5’、30と
これ等の接着層とから成る。
【0032】図16の第3の実施形態は、図1の第1の
実施形態と同一の効果(1)〜(9)を有する他に次の
効果も有する。 (1) 第1の端子部分7aと第2の端子部分8aとが
互いに離間しているので、外部回路に対する第1及び第
2の端子部分7a、8aの取り付け作業が容易になる。 (2) 第1及び第2の端子部分7a、8aの間が第1
の樹脂成形体5’で被覆されているので、第1及び第2
の端子部分7a、8aの短絡を防止することができる。
【0033】
【第4の実施形態】図17に示す第4の実施形態の変形
された電流通路形成用導体4cは、図7の溝6と同様に
機能するJ字状溝6aを有する。図17においては、平
面的に見て点線で示すようにホール素子38がJ字状溝
6aで囲まれた部分80に配置される。J字状溝6aに
囲まれた部分80は電界又は電磁シールドとして機能
し、且つ放熱体としても機能する。図17の電流通路形
成用導体4cを使用した電流検出装置は、第1の実施形
態と同一の効果を有する他に、シールド性向上及び放熱
性向上の効果を有する。
【0034】
【第5の実施形態】図18及び図19は第5の実施形態
の電流検出装置を、図2及び図3と同様に示すものであ
る。図18及び図19の第5の実施形態の電流検出装置
は、第1の実施形態と同一に形成された第1の部品1と
第2の部品2との間に配置された絶縁シ−ト200を有
する。絶縁シ−ト200は接着層3と第2の部品2の樹
脂成形体30との間に配置され、樹脂成形体30に固着
されていると共に接着層3にも固着されている。この絶
縁シ−ト200は、第2の樹脂成形体30よりも絶縁性
の高い材料から成り、半導体チップ20と電流通路形成
用導体4との間の絶縁耐圧の向上に寄与する。なお、絶
縁シ−ト200と第2の樹脂成形体30との間にも接着
層を設けることができる。また、絶縁シ−ト200を半
導体チップ20と導体4との間及びこの近傍を含む部分
のみに配置することができる。
【0035】第5の実施形態は、第1の実施形態と同一
の効果を有し、且つ絶縁シート200による半導体チッ
プ20と電流通路形成用導体4との間の絶縁耐圧の向上
効果を有する。
【0036】
【第6の実施形態】図20及び図21は、第6の実施形
態の電流検出装置を図2及び図3の第1の実施形態の電
流検出装置と同様に示すものである。図20及び図21
の電流検出装置は、図2及び図3の第2の部品2を少し
変形した第2の部品2aを設け、この他は図2及び図3
と同一に形成したものである。
【0037】図20及び図21の第2の部品2aは、ホ
ール素子を含む半導体チップ20の位置を変えた他は、
第1の実施形態の第2の部品2と同一に形成されてい
る。図20及び図21では、ホール素子を含む半導体チ
ップ20が金属製支持板21の上面即ち電流通路形成用
導体4に対向していない主面上に配置されている。換言
すれば、ホール素子を含む半導体チップ20と電流通路
形成用導体4との間に金属製支持板21が配置されてい
る。従って、図20及び図21の金属製支持板21は、
半導体チップ20の静電シールドとして機能する。第6
の実施形態は第1の実施形態と同一の機能も有する。
【0038】
【第7の実施形態】図22に示す第7の実施形態の電流
検出装置は、第1の実施形態の第1の部品1及び第2の
部品2を変形した第1の部品1b及び第2の部品2bを
設け、この他は第1の実施形態と同一に形成したもので
ある。図24の第1の部品1bは漏れ電流の検出に好適
な構造とするために、第1の実施形態のU字状電流通路
形成用導体4の代りに直線状に延びる第1及び第2の電
流通路形成用導体111,112を設け、これらを第1
の樹脂成形体113によって一体化し、この他は第1の
実施形態の第1の部品1と実質的に同一に形成したもの
である。第1及び第2の電流通路形成用導体111、1
12は図1の溝6に相当する隙間6’を有して平行に配
置され、ホール素子35は平面的に見て隙間6’の中に
配置されている。第1及び第2の電流通路形成用導体1
11、112を相互に又は外部回路に接続するために第
1及び第2の端子部分7a、8aの他に第3及び第4の
端子部分7c、8cが設けられ、これ等が第1の樹脂成
形体113から突出している。第3及び第4の端子部分
7c、8cには接続用の貫通孔10c、10dが形成さ
れている。第1の樹脂成形体113は図1の第1の樹脂
成形体5に相当するものであって図1の第1及び第2の
位置決め部分5a、5bと同一の機能を有する第1及び
第2の位置決め部分114,115を有している。図2
2に示す第1及び第2の位置決め部分114,115に
対する第2の部品2bの装着は第1の実施形態と同様に
なされ、第2の部品2bは図示されていない接着層によ
って第1の部品1bに第1の実施形態と同様に固着され
ている。図22の第2の部品2bは外部リード端子22
〜25の導出方向を変えた他は第1の実施形態と同一に
形成されている。即ち、図22では平面的に見て第1の
樹脂成形体113の第2の側面104‘から外部リード
端子22、23が導出され、第4の側面104‘、10
6’から外部リード端子24、25が導出されている。
第1及び第2の電流通路形成用導体111、112の第
1及び第2の端子部分7a、8aは第3の側面105’
から導出され、第3及び第4の端子部分7c、8cは第
1の側面101’から導出されている。
【0039】図22の電流検出装置を漏れ電流検出装置
として使用する時には、第1の電流通路形成用導体11
1を対の電源ラインの一方即ち往路に直列に接続し、第
2の電流通路形成用導体112を対の電源ラインの他方
即ち復路に直列に接続する。また、第1及び第2の電流
通路形成用導体111,112における電流Ia、Ib
の流れる方向を図22において矢印で示すように同一方
向とする。電気回路において漏れ電流がなければ、往路
の電流Iaと復路の電流Ibとは同一である。ホール素
子35における電流Ia、Ibに基づく磁束の向きは互
いに逆であるので、IaとIbとが等しい時にはホール
電圧は発生しない。しかし、漏れ電流が有ると電流Ia
とIbとが不一致になるので、この差に対応した磁束が
ホール素子35に作用し、漏れ電流に比例したホール電
圧が発生する。
【0040】図22の電流検出器は電流バランス検出器
としても使用することができる。第1及び第2の被測定
電流Ia、Ibを第1及び第2の電流通路形成用導体1
11,112に流すと、この差に比例したホール電圧が
得られる。なお、図22の第3及び第4の端子部分7
c、8cを相互に接続し、第1の実施形態と同様にU字
状電流通路を形成し、第1の実施形態と同様に使用する
ことができる。第7の実施形態の電流検出装置は、第1
の実施形態と同様に金属製支持板21を有するので、第
1の実施形態と同一の効果も有する。
【0041】
【変形例】本発明は上述の実施形態に限定されるもので
なく、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 図20及び図21においてホール素子を含む半
導体チップ20の上方に磁性体から成る集磁板を配置す
ることができる。 (2) 第1、第3〜第6の実施形態において電流検出
装置を第1の部品1と第2の部品2又は2aとに分割し
て形成せずに、第1及び第2の樹脂成形体5、30を共
通の1つの樹脂成形体(封止体)とすることができる。 (3) 半導体基体42、42a’をシリコン等の別の
半導体で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の電流検出装置を示す平面図で
ある。
【図2】図1の第1の実施形態の電流検出装置のA−A
線の一部を示す断面図である。
【図3】図1のB−B線を示す断面図である。
【図4】図1の電流検出装置を第1及び第2の部品に分
解して図2と同様に示す断面図である。
【図5】図1の第1の部品の平面図である。
【図6】図1の第2の部品を示す平面図である。
【図7】図5の第1の部品の電流通路形成用導体を示す
断面図である。
【図8】図6の第2の部品を樹脂成形体を省いて示す平
面図である。
【図9】図8の半導体チップの底面図である。
【図10】図9の半導体基体のホール素子部分を示す平
面図である。
【図11】図9のC−C線の一部を示す断面図である。
【図12】第2の実施形態の電流検出装置の一部を示す
平面図である。
【図13】第2の実施形態のS字状電流通路と第1及び
第2のホール素子とを示す平面図である。
【図14】第2の実施形態の電流検出装置の一部を図1
3のD−D線に相当する部分で示す断面図である。
【図15】第2の実施形態の電流検出装置を示す電気回
路図である。
【図16】第3の実施形態の電流検出装置を示す平面図
である。
【図17】第4の実施形態の電流通路形成用導体を示す
平面図である。
【図18】第5の実施形態の電流検出装置を図2と同様
に示す断面図である。
【図19】図18の電流検出装置を図3と同様に示す断
面図である。
【図20】第6の実施形態の電流検出装置を図2と同様
に示す断面図である。
【図21】図20の電流検出装置を図3と同様に示す断
面図である。
【図22】第7の実施形態の電流検出装置を図1と同様
に示す平面図である。
【符号の説明】
1、2 第1及び第2の部品 4 電流通路形成用導体 5、30 樹脂成形体 20 半導体チップ 21 支持板 22〜25 外部リード端子 35 ホール素子

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気回路の電流を検出又は測定するため
    の装置であって、ホ−ル素子と、前記ホ−ル素子を支持
    する金属製支持板と、前記ホ−ル素子を外部に接続する
    ための複数のリ−ド端子と、被検出電流を流すためのも
    のであって、ここに流れる電流に基づいて発生する磁界
    が前記支持板に支持された前記ホ−ル素子に作用するこ
    とができるように配置された電流通路形成用導体と、 前記ホ−ル素子と前記支持板と前記複数のリ−ド端子と
    前記電流通路形成用導体とを一体化するように配置さ
    れ、且つ前記電流通路形成用導体と前記ホ−ル素子及び
    前記支持板との間を電気的に絶縁するように配置された
    絶縁性包囲体とを備えていることを特徴とする電流検出
    装置。
  2. 【請求項2】 前記電流通路形成用導体は、溝を介して
    並置されている第1及び第2の部分と前記第1及び第2
    の部分を連結する第3の部分とを有し、全体としてU字
    状電流通路を形成する板状体であり、前記ホ−ル素子の
    主動作領域が平面的に見て前記溝の内側に配置されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の電流検出装置。
  3. 【請求項3】 前記電流通路形成用導体は、その外周縁
    から内側に向かって切り込まれた電流通路を狭めるため
    の溝を有していることを特徴とする請求項2記載の電流
    検出装置。
  4. 【請求項4】 前記支持板は前記電流通路形成用導体の
    一部に対向するように配置され、且つ前記ホ−ル素子は
    前記支持板の前記電流通路形成用導体に対向する側の主
    面に配置されていることを特徴とする請求項1又は2又
    は3記載の電流検出装置。
  5. 【請求項5】 前記支持板は前記電流通路形成用導体の
    一部に対向するように配置され、且つ前記ホ−ル素子
    は、前記支持板の前記電流通路形成用導体に対向する側
    と反対側の主面に配置されていることを特徴とする請求
    項1又は2又は3記載に電流検出装置。
  6. 【請求項6】 前記絶縁性包囲体は、前記電流通路形成
    用導体の一部を被覆している第1の樹脂成形体と、前記
    ホ−ル素子と前記支持板と前記複数のリ−ド端子とを一
    体化している第2の樹脂成形体と、前記第1及び第2の
    樹脂成形体を相互に接着する接着層とから成ることを特
    徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電流検出装
    置。
  7. 【請求項7】 少なくとも前記接着層の一部に沿って絶
    縁シ−トが配置されていることを特徴とする請求項6記
    載の電流検出装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の樹脂成形体は前記第2の樹脂
    成形体を位置決めするための部分を有していることを特
    徴とする請求項6又は7記載の電流検出装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の樹脂成形体は、U字状電流通
    路形成用導体の中間部分においては、前記導体の両主面
    及び前記溝の中に配置され、前記導体の前記中間部分よ
    りも前記第3の部分側の部分においては前記導体の一方
    の主面を露出させるように配置されていることを特徴と
    する請求項6記載の電流検出装置。
  10. 【請求項10】 前記ホ−ル素子は半導体基体に形成さ
    れており、更に、前記半導体基体に前記ホ−ル素子の出
    力電圧を増幅する増幅器が形成されていることを特徴と
    する請求項1乃至9のいずれかに記載の電流検出装置。
  11. 【請求項11】 前記ホ−ル素子は第1の電流検出部と
    第2の電流検出部との組み合せから成り、前記第1の電
    流検出部の出力と前記第2の電流検出部の出力との合成
    信号を出力するものであることを特徴とする請求項1記
    載の電流検出装置。
  12. 【請求項12】 前記電流通路形成用導体は平面的に見
    て前記絶縁性包囲体から外側に導出された複数の導出部
    を有し、前記複数のリ−ド端子は平面的に見て前記絶縁
    性包囲体から外側に導出された導出部を有し、平面的に
    見て、前記電流通路形成用導体の前記導出部が前記複数
    のリ−ド端子の前記導出部に重ならないように配置され
    ていることを特徴とする請求項1記載の電流検出装置。
  13. 【請求項13】 前記包囲体は互いに対向する第1及び
    第2の主面と第1及び第2の主面間の第1、第2、第3
    及び第4の側面とを有し、前記リード端子の導出部は前
    記第1の側面から導出され、前記電流通路形成用導体の
    一方の導出部は前記第2の側面から導出され、前記電流
    通路形成用導体の他方の導出部は前記第4の側面から導
    出されていることを特徴とする請求項12記載の電流検
    出装置。
  14. 【請求項14】 前記電流通路形成用導体は、第1及び
    第2の電流通路用導体(111、112)から成り、第1及び
    第2の電流通路形成用導体(111、112)はここに流れる
    電流に基づく磁界を前記ホ−ル素子に作用させることが
    できるように配置されていることを特徴とする請求項1
    に記載の電流検出装置。
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