JP2003004034A - ロールユニット - Google Patents

ロールユニット

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JP2003004034A
JP2003004034A JP2001189433A JP2001189433A JP2003004034A JP 2003004034 A JP2003004034 A JP 2003004034A JP 2001189433 A JP2001189433 A JP 2001189433A JP 2001189433 A JP2001189433 A JP 2001189433A JP 2003004034 A JP2003004034 A JP 2003004034A
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roller
axial direction
roll
raceway
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JP2001189433A
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Shinya Matsuda
晋也 松田
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ロールユニットにおいて、シャフトとロールと
を分離するときにころ軸受がばらけないようにし、ころ
軸受の再利用を可能とする。 【解決手段】シャフト3の外周にころ軸受5を介してロ
ール4を装着したロールユニット2であって、ころ軸受
5に備える内輪7の周面に2列のころ9群を軸方向に位
置決めして配置する軌道溝が設けられ、ころ軸受5に備
える外輪8の周面において2列のころ9群の間に周溝8
aが設けられ、この周溝8aに対して内輪7およびころ
9群の軸方向両方への動きを規制するための止め輪10
が装着されている。止め輪10は、周溝8aに対して係
合する環状突起11と、軸方向両方へ張り出して外輪8
の周面に対して当接する環状張り出し部12,13とを
有する断面凸字形状とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば連続鋳造設
備でのワークガイドに用いられるロールユニットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造設備におけるワークガイド構造
を図10に示す。図中、1はH型鋼材などのワーク、2
はワーク1をガイドするためのロールユニットである。
【0003】ロールユニット2は、図11に示すよう
に、シャフト3と、ロール4と、2つの複列ころ軸受
5,5と、2つのシールリング6,6とを備えている。
【0004】通常、上記ロールユニット2のロール4
は、定期的に取り外して、外周面を研磨する必要があ
る。ロール4の取り外しは、ロール4を固定してシャフ
ト3を軸方向一方へ押すことにより行う。このとき、複
列ころ軸受5,5を非分離にできれば、この複列ころ軸
受5を再利用可能となるので、好ましい。
【0005】上記複列ころ軸受5は、単一の内輪7と、
単一の外輪8と、複数のころ9とを備えた構成である。
但し、内輪7の外周面に軸方向に隣り合う2列の軌道溝
を設けるとともに、外輪8の内周面における軸方向中央
の周溝8aに対して側面視ほぼ「C」形でかつ断面ほぼ
「I」形の止め輪10を係合させた構造にすることによ
り、内・外輪7,8を軸方向にずらしても、外輪8に係
合させた止め輪10と、内輪7の片方の軌道溝内に配置
するころ9群の端面とを当接させることによって、内・
外輪7,8が非分離となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例では、ロー
ル4を研磨するために、ロール4とシャフト3とを分離
するときに、次のような不具合が発生することがある。
【0007】まず、上記ロール4を研磨する時期には、
それ相応の運転時間が経過しているために、冷却水など
によってロール4の内周面などに錆が発生していたり、
負荷荷重によって変形が発生していたりしている。
【0008】このことが原因で、ロール4の取り外し時
に、シャフト3に対して過大なアキシャル荷重を付与し
なければならなくなるために、内輪7の一方軌道溝内の
ころ9群からロール4側に固定されている外輪8の止め
輪10に対して過大なアキシャル荷重が作用することに
なり、結果的に、止め輪10がせん断力によって折れ曲
がることがあって複列ころ軸受5がばらけやすくなる。
【0009】このように複列ころ軸受5がばらけてしま
うと、複列ころ軸受5に異常がなくても廃却されるの
で、連続鋳造設備を保有する業者は、新しい複列ころ軸
受5を取り付けなければならなくなるなど、無駄なラン
ニングコストがかかってしまう。
【0010】このような事情に鑑み、本発明では、ロー
ルユニットにおいて、シャフトとロールとを分離すると
きにころ軸受がばらけないようにし、ころ軸受の再利用
を可能とすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明第1のロールユニ
ットは、請求項1に示すように、シャフトの外周にころ
軸受を介してロールを装着した構成であって、前記ころ
軸受に備える一方軌道輪の周面に2列のころ群を軸方向
に位置決めして配置する軌道溝が設けられ、前記ころ軸
受に備える他方軌道輪の周面において前記2列のころ群
の間に周溝が設けられ、この周溝に対して前記一方軌道
輪およびころ群の軸方向両方への動きを規制するための
止め輪が装着されており、前記止め輪が、前記周溝に対
して係合する環状突起と、軸方向両方へ張り出して前記
他方軌道輪の周面に対して当接する環状張り出し部とを
有して、断面凸形とされている。
【0012】この場合、ころ軸受のばらけ防止用の止め
輪について、ロールとシャフトとを分離するときにかか
るアキシャル荷重を、内輪または外輪に負担させやすく
するような形状にしている。これにより、前記アキシャ
ル荷重が、止め輪と内輪または外輪とに対して分散され
るので、止め輪が破損しにくくなり、ころ軸受を非分離
のままロールとシャフトとを分離できるようになる。
【0013】本発明第2のロールユニットは、請求項2
に示すように、シャフトの外周にころ軸受を介してロー
ルを装着した構成であって、前記ころ軸受に備える一方
軌道輪の周面に1列または2列のころ群を軸方向に位置
決めして配置する軌道溝が設けられ、前記ころ軸受に備
える他方軌道輪の周面において前記ころ群の軸方向外側
にそれぞれ周溝が設けられており、この周溝に対して前
記一方軌道輪およびころ群の軸方向両方への動きを規制
するための止め輪がそれぞれ装着されており、前記両止
め輪が、それぞれ、前記周溝に対して係合する環状突起
と、軸方向一方へ張り出して前記他方軌道輪の周面に対
して当接する環状張り出し部とを有して、断面「L」形
とされている。
【0014】この場合、上記請求項1に比べて止め輪の
数が多くなるものの、止め輪の形状を上記請求項1のも
のに比べて単純にできる点で優れている。さらに、ころ
を2列とする場合であっても、従来例のようにころ間に
止め輪取付用のスペースを確保する必要がなくなるか
ら、ころ全体の長さを大きくすることが可能になり、軸
受負荷容量を大きくできるようになる。
【0015】本発明第3のロールユニットは、請求項3
に示すように、シャフトの外周にころ軸受を介してロー
ルを装着した構成であって、前記ころ軸受に備える一方
軌道輪の周面に1列または2列のころ群の軌道溝が設け
られ、前記ころ軸受に備える他方軌道輪の周面において
前記ころ群の軸方向一側に、前記一方軌道輪およびころ
群の軸方向一方への動きを規制するための径方向に沿う
鍔部が、また、前記他方軌道輪の周面において前記ころ
群の軸方向他側に、前記一方軌道輪およびころ群の軸方
向他方への動きを規制する止め輪が装着される周溝がそ
れぞれ設けられており、前記止め輪が、側面視ほぼ
「C」形でかつ断面ほぼ「I」形とされるものであり、
前記周溝に対して係合する幅に設定されている。
【0016】この場合、ロールとシャフトとを分離する
ときにシャフトに付与するアキシャル荷重を軌道輪の鍔
部で受けさせるようにころ軸受を組み込んでおけば、止
め輪についてアキシャル荷重によるせん断力が加わらず
に済むので、それを従来例と同様のC形止め輪としても
破損することがなくなる。
【0017】本発明第4のロールユニットは、請求項4
に示すように、シャフトの外周にころ軸受を介してロー
ルを装着した構成であって、前記ころ軸受が、周面に1
列または2列のころ群の軌道溝を有する内輪または外輪
のいずれか一方と、前記軌道溝に軸方向に位置決めされ
た状態で配置される複数のころと、ころ群を円周ほぼ等
間隔に配置した状態で非分離に保持する保持器とを備え
る構成である。
【0018】この場合、ころ軸受について軸方向で分離
させないために、保持器を利用しており、上記請求項1
から3のような止め輪を用いずに済む。さらに、内・外
輪のいずれか一方を省略できるから、その分、ころの径
を大きくすることが可能になって、ころ軸受の負荷容量
を大きくできる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の詳細を図面に示す実施形
態に基づいて説明する。
【0020】図1および図2に本発明の実施形態1を示
しており、請求項1に対応している。ここでは、ロール
ユニットとして、従来例で引用した図10に示すような
連続鋳造設備のワークガイドに用いる例を挙げている。
図1は、ロールユニットを軸方向に沿って断面にした
図、図2は、ロールの取り外し過程を示す図である。こ
れらの図において従来例で引用した図11と同じ部分に
同じ符号を付してある。
【0021】図示例のロールユニット2は、シャフト3
と、ロール4と、2つの複列ころ軸受5,5と、2つの
シールリング6,6とを備えている。また、複列ころ軸
受5は、単一の内輪7と、単一の外輪8と、複数のころ
9とを備えた構成であり、内輪7の外周面に軸方向に隣
り合う2列の軌道溝を設けるとともに、外輪8の内周面
における軸方向中央の周溝8aに対して止め輪10が装
着されている。
【0022】この実施形態1において従来例と異なる点
は、上記複列ころ軸受5を非分離とするための止め輪1
0の断面形状である。
【0023】この実施形態1での止め輪10は、側面視
ほぼC形でかつ断面が凸形に形成されている。この止め
輪10において、径方向外向きに突出している環状突起
11は、外輪8の軸方向中央の周溝8aに対して係合さ
れており、止め輪10において軸方向両側に張り出して
いる環状張り出し部12,13は、外輪8の内周面に対
してそれぞれ当接されるようになっている。
【0024】このような複列ころ軸受5を備えるロール
ユニット2では、ロール4を取り外すにあたって、ロー
ル4を固定してシャフト3に対して図2の矢印方向から
アキシャル荷重を付与すると、一方の複列ころ軸受5に
おける一方列のころ9群の端面が、止め輪10における
一方の環状張り出し部12の端面に対して当接し、それ
と同時に、他方の環状張り出し部13の外周面が外輪8
の内周面に対して押し付けられる。このとき、外輪8が
ロール4の輪状隆起部4aにより軸方向一方に位置決め
されているから、結果的に、ロール4側に複列ころ軸受
5,5が非分離状態で保持されたまま、シャフト3のみ
が押し出されることになる。この過程では、シャフト3
に付与するアキシャル荷重が、止め輪10だけでなく、
この止め輪10を介して外輪8およびロール4に分散さ
れることになるので、止め輪10が従来例のように折れ
曲がらずに済む。
【0025】以上説明したように、ロール4とシャフト
3とを分離するとき、ロール4に対して上記複列ころ軸
受5,5が非分離状態で保持されたままシャフト3のみ
を押し出すことができるので、この複列ころ軸受5を再
利用可能となり、ランニングコストの低減に貢献できる
ようになる。
【0026】図3から図5に本発明の実施形態2を示し
ており、請求項2に対応している。図3は、ロールユニ
ットを軸方向に沿って断面にした図、図4は、ロールの
取り外し過程を示す図、図5は、止め輪にかかる力を説
明するための模式図である。
【0027】この実施形態2において上記実施形態1と
異なる構成は、止め輪10の形状とその取り付け場所で
ある。つまり、この実施形態2では、断面ほぼL字形の
止め輪10を複列ころ軸受5の外輪8の軸方向両端に係
合させるようにしている。また、複列ころ軸受5につい
て、内輪7の軌道溝を単一とし、この単一の軌道溝内に
ころ9群を2列にして配置している。
【0028】この2つの止め輪10,10の取り付けに
ついては、径方向外向きに突出している環状突起11,
11を外輪8の内周面の両端に設けられる周溝8aに対
してそれぞれ係合させて、軸方向一側へ張り出している
環状張り出し部12,12を、外輪8の外側にそれぞれ
配置させた状態で外輪8の内周面に対して当接させるよ
うにしている。
【0029】この実施形態2では、ロール4を取り外す
にあたって、ロール4を固定してシャフト3に対して矢
印方向からアキシャル荷重を付与すると、シャフト3と
一緒に内輪7およびころ9群が軸方向に変位され、それ
に伴い変位方向下流側のころ9群の端面が、奥側の止め
輪10に当接し、これと同時に、この止め輪10の環状
張り出し部12の外周面が外輪8の内周面に対して押し
付けられる。このとき、外輪8がロール4の輪状隆起部
4aにより軸方向一方に位置決めされているから、結果
的に、ロール4側に複列ころ軸受5が分離されずに保持
された状態でシャフト3のみが押し出されることにな
る。この過程では、シャフト3に付与するアキシャル荷
重が、止め輪10だけでなく、この止め輪10を介して
外輪8およびロール4に分散されることになるので、止
め輪10が従来例のように折れ曲がることがなくなる。
したがって、上記実施形態1と同様に、ロール4とシャ
フト3とを分離するときの優位性が確保される。
【0030】ところで、この実施形態2の場合、内輪7
に単一の軌道溝を形成した構造であって、止め輪10
を、外輪8において、内輪7の軌道溝の軸方向両端に設
けられる鍔部に対応する領域に配置させているから、下
記するようなメリットがある。
【0031】つまり、まず、複列ころ軸受5の軸方向幅
を上記実施形態1と同じにする場合には軸方向長さ寸法
の大きなころ9を使用できるから、軸受負荷容量を上記
実施形態1よりも増加できて、寿命向上に貢献できる点
で有利となり、逆に、ころ9の軸方向長さを上記実施形
態1と同じにする場合には複列ころ軸受5の軸方向幅を
上記実施形態1よりも小さくできる点で有利となる。ま
た、この実施形態2のロールユニット2では、止め輪1
0が軸方向左右で対称な形状であるから、ロール4に対
して複列転がり軸受5,5を取り付けるときの方向性を
無くすことができるなど、作業性を向上できる点で優れ
ている。
【0032】なお、上記実施形態2の止め輪10の耐荷
重性が、従来例の止め輪10に比べて高くなる理由につ
いて、図5を用いて説明する。
【0033】図5において、(a)が従来例の止め輪で
あり、(b)が実施形態2の止め輪である。これら両方
の止め輪10に対してアキシャル荷重Fをかけたときに
発生するせん断力τ1,τ2、曲げ応力σm1,σm2なら
びに最大主応力σmax1,σmax2は、次のとおりに
なる。
【0034】まず、従来例では、 τ1=F/A σm1=F・m1/Z σmax1=σm1/2+{(σm1/2)2+τ1 21/2 なお、上記式において、Aは断面積、Zは断面係数であ
り、断面積Aおよび断面係数Zはアキシャル荷重Fを止
め輪10の円周1/3で負荷すると仮定している。
【0035】A=t・1/3・πD Z=t2・πD/18 また、実施形態2では、 τ2=F/A´ σm2=F・m2/Z´ σmax2=σm2/2+{(σm2/2)2+τ2 21/2 なお、上記式において、A´は断面積、Z´は断面係数
であり、断面積A´および断面係数Z´はアキシャル荷
重Fを止め輪10の円周1/3で負荷すると仮定してい
る。
【0036】A´=t1・1/3・πD Z´=t2 2・πD/18 このような関係において、実施形態2の止め輪10で
は、図5(b)の「a」部にて曲げモーメントを拘束し
ている分、仮にt=t1,m1=m2としたとき、従来例
に対して、せん断力は同一であるが、曲げ応力が減少
し、その分、最大主応力が減少し、許容荷重が高くな
る。ちなみに、実施形態2の止め輪10では、従来例の
止め輪10よりも、強度が2.2倍〜2.6倍になる。
このことは、上記実施形態1に示す止め輪10も同様で
ある。
【0037】図6は本発明の実施形態3に係るロールユ
ニットの軸方向に沿う断面図である。
【0038】この実施形態3は、上記実施形態2に示し
た複列ころ軸受5の代わりに、ころ9群が1列の単列こ
ろ軸受5Aを用いており、それのころ9について、上記
実施形態2に示した2列のころ9群を合わせた長さに設
定している。
【0039】この場合、軸受負荷容量が大幅に高くなる
から、寿命向上に大きく貢献できるようになる。しか
も、上記実施形態2と同様に、ロール4の取り外し時に
おける優位性も兼ね備える。
【0040】図7は本発明の実施形態4に係るロールユ
ニットの軸方向に沿う断面図である。この実施形態4は
請求項3に対応している。
【0041】この実施形態4では、2つの複列ころ軸受
5について、その外輪8の一方軸端に径方向内向きの鍔
部8bを設け、外輪8の他方軸端に設けた周溝8aに対
して従来例と同一形状の止め輪10を係合させた構造と
し、これら2つの複列ころ軸受5,5の組み込み形態を
工夫している。
【0042】具体的に、複列ころ軸受5,5の各外輪
8,8の鍔部8b,8bを、いずれも図7の右側に配置
させるようにする。この場合、ロール4を固定してシャ
フト3に対して図中の矢印方向のアキシャル荷重を付与
すると、アキシャル荷重が内輪7、ころ9群を介して外
輪8の鍔部8bで受けられ、複列ころ軸受5の全体がロ
ール4の輪状隆起部4aに受け止められる。これによ
り、複列ころ軸受5を非分離のままロール4側に保持さ
せた状態で、何も破損することなく、ロール4とシャフ
ト3とを分離できるようになる。
【0043】図8は本発明の実施形態5に係るロールユ
ニットの軸方向に沿う断面図である。この実施形態5
は、請求項4に対応している。
【0044】この実施形態5では、複列ころ軸受5,5
について、内輪7と、複数のころ9と、保持器15とを
備えた構造であり、ロール4を外輪として利用すること
により外輪を用いないようにしている。
【0045】上記保持器15は、円筒部15aの軸方向
両端に、櫛歯状態の突片15bを設けることにより、各
突片15bの間に径方向と軸方向一方とに開放するころ
9保持用のポケット15cを設けた構造であり、周知の
冠形保持器を背中合わせに結合したような構造になって
いる。この各突片15bの側壁つまりポケット15cの
内壁は、ころ9の周面に対応する円弧形状に形成されて
いる。これにより、保持器15のポケット15c内にこ
ろ9を非分離に保持できるようになっており、内輪7
と、ころ9と、保持器15とが非分離な構造になる。
【0046】この場合、ロール4とシャフト3とを分離
するときに、シャフト3に対してどちらからアキシャル
荷重を付与しても、このアキシャル荷重を内輪7、ころ
9群および保持器15を介してロール4の輪状隆起部4
aで受けさせることができるので、複列ころ軸受5を非
分離のままロール4に保持させた状態で、何も破損する
ことなく、ロール4とシャフト3を分離できるようにな
る。
【0047】図9は本発明の実施形態6に係るロールユ
ニットの軸方向に沿う断面図である。この実施形態6は
請求項4に対応している。
【0048】この実施形態6では、複列ころ軸受5,5
について、外輪8と、複数のころ9と、保持器15とを
備えた構造であり、シャフト3を内輪として利用するこ
とにより内輪を用いないようにしている。
【0049】上記保持器15は、基本的に上記実施形態
5で示したものと同一であり、円筒部15aの軸方向両
端に、櫛歯状態の突片15bを設けることにより、各突
片15bの間に径方向と軸方向一方とに開放するころ9
保持用のポケット15cを設けた構造である。この各突
片15bの側壁つまりポケット15cの内壁は、ころ9
の周面に対応する円弧形状に形成されている。これによ
り、保持器15のポケット15c内にころ9を非分離に
保持できるようになっており、内輪7と、ころ9と、保
持器15とが非分離な構造になる。
【0050】この場合、ロール4とシャフト3とを分離
するときに、シャフト3に対してどちらからアキシャル
荷重を付与しても、このアキシャル荷重をころ9群およ
び保持器15および外輪8を介してロール4の輪状隆起
部4aで受けさせることができるので、複列ころ軸受5
を非分離のままロール4に保持させた状態で、何も破損
することなく、ロール4とシャフト3とを分離できるよ
うになる。
【0051】なお、上記各実施形態のロールユニット
は、連続鋳造設備におけるワークガイドとする場合で例
示しているが、その他、いろいろな用途に対応する構成
とすることができる。
【0052】また、上記各実施形態では、複列転がり軸
受5,5の内輪に軌道溝を設けて、外輪に止め輪10を
装着する例を挙げているが、外輪に軌道溝を設けて、内
輪に止め輪10を装着することもできる。
【0053】
【発明の効果】請求項1から4の発明では、ロールとシ
ャフトとを分離するとき、複列ころ軸受を非分離にでき
るようになるので、この複列ころ軸受を再利用すること
が可能となり、ランニングコストの低減に貢献できるよ
うになる。
【0054】特に、請求項2の発明では、上記請求項1
に比べて止め輪の数が多くなるものの、止め輪の形状を
上記請求項1のものに比べて単純にできる点で優れてい
る。
【0055】また、請求項3の発明では、上記請求項2
における片側の止め輪の代わりに、軌道輪に一体に形成
する鍔部としているから、ロールとシャフトとを分離す
るときにシャフトに付与するアキシャル荷重を軌道輪の
鍔部で受けさせるようにころ軸受を組み込んでおけば、
止め輪についてアキシャル荷重によるせん断力が加わら
ずに済むので、それを従来例と同様のC形止め輪として
も破損することがなくなる。
【0056】また、請求項4の発明では、ころ軸受につ
いて軸方向で分離させないために、保持器を利用してお
り、上記請求項1から3のような止め輪を用いずに済
む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るロールユニットの軸
方向に沿う断面図
【図2】図1のロールの取り外し過程を示す図
【図3】本発明の実施形態2に係るロールユニットの軸
方向に沿う断面図
【図4】図2のロールの取り外し過程を示す図
【図5】図3の止め輪にかかる力を説明するための模式
【図6】本発明の実施形態3に係るロールユニットの軸
方向に沿う断面図
【図7】本発明の実施形態4に係るロールユニットの軸
方向に沿う断面図
【図8】本発明の実施形態5に係るロールユニットの軸
方向に沿う断面図
【図9】本発明の実施形態6に係るロールユニットの軸
方向に沿う断面図
【図10】従来の連続鋳造設備におけるワークガイド構
造を示す図
【図11】図10のロールユニットの軸方向に沿う断面
【符号の説明】
2 ロールユニット 3 シャフト 4 ロール 5 複列ころ軸受 7 複列ころ軸受の内輪 8 複列ころ軸受の外輪 8a 外輪の周溝 9 複列ころ軸受のころ 10 止め輪 11 止め輪の環状突起 12,13 止め輪の環状張り出し部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 43/06 F16C 43/06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シャフトの外周にころ軸受を介してロール
    を装着した構成のロールユニットであって、 前記ころ軸受に備える一方軌道輪の周面に2列のころ群
    を軸方向に位置決めして配置する軌道溝が設けられ、前
    記ころ軸受に備える他方軌道輪の周面において前記2列
    のころ群の間に周溝が設けられ、この周溝に対して前記
    一方軌道輪およびころ群の軸方向両方への動きを規制す
    るための止め輪が装着されており、 前記止め輪が、前記周溝に対して係合する環状突起と、
    軸方向両方へ張り出して前記他方軌道輪の周面に対して
    当接する環状張り出し部とを有して、断面凸形とされて
    いることを特徴とするロールユニット。
  2. 【請求項2】シャフトの外周にころ軸受を介してロール
    を装着した構成のロールユニットであって、 前記ころ軸受に備える一方軌道輪の周面に1列または2
    列のころ群を軸方向に位置決めして配置する軌道溝が設
    けられ、前記ころ軸受に備える他方軌道輪の周面におい
    て前記ころ群の軸方向外側にそれぞれ周溝が設けられて
    おり、この周溝に対して前記一方軌道輪およびころ群の
    軸方向両方への動きを規制するための止め輪がそれぞれ
    装着されており、 前記両止め輪が、それぞれ、前記周溝に対して係合する
    環状突起と、軸方向一方へ張り出して前記他方軌道輪の
    周面に対して当接する環状張り出し部とを有して、断面
    「L」形とされていることを特徴とするロールユニッ
    ト。
  3. 【請求項3】シャフトの外周にころ軸受を介してロール
    を装着した構成のロールユニットであって、 前記ころ軸受に備える一方軌道輪の周面に1列または2
    列のころ群の軌道溝が設けられ、前記ころ軸受に備える
    他方軌道輪の周面において前記ころ群の軸方向一側に、
    前記一方軌道輪およびころ群の軸方向一方への動きを規
    制するための径方向に沿う鍔部が、また、前記他方軌道
    輪の周面において前記ころ群の軸方向他側に、前記一方
    軌道輪およびころ群の軸方向他方への動きを規制する止
    め輪が装着される周溝がそれぞれ設けられており、 前記止め輪が、側面視ほぼ「C」形でかつ断面ほぼ
    「I」形とされるものであり、前記周溝に対して係合す
    る幅に設定されていることを特徴とするロールユニッ
    ト。
  4. 【請求項4】シャフトの外周にころ軸受を介してロール
    を装着した構成のロールユニットであって、 前記ころ軸受が、周面に1列または2列のころ群の軌道
    溝を有する内輪または外輪のいずれか一方と、前記軌道
    溝に軸方向に位置決めされた状態で配置される複数のこ
    ろと、ころ群を円周ほぼ等間隔に配置した状態で非分離
    に保持する保持器とを備える構成であることを特徴とす
    るロールユニット。
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