JP2003004032A - 動圧軸受装置及びこれを備えたモータ - Google Patents

動圧軸受装置及びこれを備えたモータ

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JP2003004032A
JP2003004032A JP2001190598A JP2001190598A JP2003004032A JP 2003004032 A JP2003004032 A JP 2003004032A JP 2001190598 A JP2001190598 A JP 2001190598A JP 2001190598 A JP2001190598 A JP 2001190598A JP 2003004032 A JP2003004032 A JP 2003004032A
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dynamic pressure
pressure bearing
bearing device
shaft portion
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Yoshiki Okayama
佳樹 岡山
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Nidec Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定軸或いは回転軸の一端部に張出部材が固
定されることによって一端部の外径が拡大してしまうと
いうことを防止した動圧軸受装置を提供する。 【解決手段】 固定部及び回転部のうち、軸部を有する
軸体を一方に有し、スリーブ部を有するスリーブ体を他
方に有して、スリーブ部が潤滑流体を介して軸部に嵌合
し、軸体とスリーブ体のうち一方が他方を回転自在に支
持する構成であって、軸体は、軸部の一端部に、その軸
部から径方向外方に張り出した張出部材が固定されてな
り、少なくとも軸部の一端部の外周面にラジアル動圧軸
受部が形成されてなる構成において、軸部は、一端部の
軸方向端面に開口する嵌合穴を有し、張出部材は、軸部
の一端部の外径を拡大しないように嵌合穴に嵌合しうる
嵌合突部を備え、嵌合突部と嵌合穴の内周面とが係合す
ることにより、軸部の一端部に、張出部材が固定されて
いる構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動圧軸受装置、特
に、軸部から径方向外方に張り出した張出部材が軸部の
一端部に固定されてなる軸体を備えた動圧軸受装置、及
びその動圧軸受装置を備えたモータに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、固定軸に回転スリーブ体が潤
滑油を介して嵌合し、固定軸が回転スリーブ体を回転自
在に支持する動圧軸受装置、或いは逆に、回転軸に固定
スリーブ体が潤滑油を介して嵌合し、固定スリーブ体が
回転軸を回転自在に支持する動圧軸受装置が知られてい
る。動圧軸受装置は、固定軸の外周面と回転スリーブ体
の内周面との間でラジアル方向の荷重を支持するラジア
ル動圧軸受部と、固定軸と回転スリーブ体とでスラスト
方向に対向する部位にてスラスト方向の荷重を支持する
スラスト動圧軸受部とから構成される(回転軸と固定ス
リーブ体についても同じ)。このような動圧軸受装置
は、情報記録媒体であるディスク駆動のためのスピンド
ルモータ等の各種モータや、その他種々の機械器具に用
いられている。
【0003】このような動圧軸受装置においては、固定
軸或いは回転軸の一端部に、スリーブ体側に設けたスラ
スト部と相対してスラスト軸受部を構成するスラスト板
や、回転スリーブ体或いは回転軸が固定軸或いは固定ス
リーブ体における所定位置から軸方向に大きくずれたり
離脱したりすることを防ぐための抜け止め部材等が必要
な場合がある。即ちこれらは、固定軸或いは回転軸の外
径より径方向外方に張り出した張出部材として設けられ
る。
【0004】図9は、固定軸の一端部に前記張出部材が
固定された従来の構成を模式的に示す縦断面図である。
同図に示すように、ここでは軸部aの一端部の軸方向に
は雌ねじ穴bが開口しており、これはその一端部を含む
内側面部分に雌ねじ部cを有している。一方、略円板状
の張出部材であるスラスト板dの一平面より、軸方向に
雄ねじ体eが突設しており、その外側面に雄ねじ部fを
有している。
【0005】そして、雌ねじ部cに雄ねじ部fが螺合さ
れることにより、スラスト板dが軸部aの一端部に固定
されている。軸部aの外周面は、図示しない回転スリー
ブ体が微小間隔をあけてラジアル方向に対向しており、
ラジアル動圧軸受部を構成している。スラスト板dの軸
部aから露出する一平面は、図示しない回転スリーブ体
が微小間隔をあけてスラスト方向に対向しており、スラ
スト動圧軸受部を構成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような構成では、ネジの推力がネジ山の斜面に作用し
て、軸部の一端部を径方向外方に拡大する力を発生させ
るので、軸部aにおける前記一端部付近は、径方向外方
に膨出して外径が拡大することがある。外径が拡大する
と、固定軸の一端部と回転スリーブ体との、ラジアル動
圧軸受部の径方向間隔が縮小して初期の寸法が変動し、
動圧軸受装置としての機能に支障が生じる恐れがあっ
た。同じ問題は、回転軸と固定スリーブ体との場合にお
いても発生する恐れがある。
【0007】本発明は、このような問題点に鑑み、固定
軸或いは回転軸の一端部に張出部材が固定されることに
よってその固定軸或いは回転軸の一端部の外径が拡大し
てしまうということを防止した動圧軸受装置、及びその
動圧軸受装置を備えたモータを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、固定部及び回転部のうち、軸部を有す
る軸体を一方に有し、スリーブ部を有するスリーブ体を
他方に有して、前記スリーブ部が潤滑流体を介して前記
軸部に嵌合し、前記軸体と前記スリーブ体のうち一方が
他方を回転自在に支持する動圧軸受装置であって、前記
軸体は、前記軸部の一端部に、その軸部から径方向外方
に張り出した張出部材が固定されてなり、少なくとも前
記軸部の一端部の外周面にラジアル動圧軸受部が形成さ
れてなる動圧軸受装置において、前記軸部は、前記一端
部の軸方向端面に開口する嵌合穴を有し、前記張出部材
は、前記軸部の一端部の外径を拡大しないように前記嵌
合穴に嵌合しうる嵌合突部を備え、前記嵌合突部と前記
嵌合穴の内周面とが係合することにより、前記軸部の一
端部に、前記張出部材が固定されていることを特徴とす
る。
【0009】また、前記張出部材は弾性材料よりなるこ
とを特徴とする。さらに、前記弾性材料は樹脂材料であ
ることを特徴とする。
【0010】また、前記張出部材の嵌合突部に、軸方向
に切り込まれたスリットを有することを特徴とする。そ
して、前記張出部材の嵌合突部先端に係合部を有し、前
記嵌合穴の奥に被係合部を有することを特徴とする。
【0011】また、前記張出部材と前記軸部の軸方向端
面との間に弾性部材が介在することを特徴とする。ま
た、前記張出部材がスラスト動圧軸受部を形成すること
を特徴とする。
【0012】そして、前記いずれかに記載の動圧軸受装
置を備えたモータの構成とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の動圧軸受装置及び
これを備えたモータの実施の形態について、図面を参照
しながら説明する。なお、以下の実施の形態におけるモ
ータは、ハードディスク等の記録媒体を搭載して回転駆
動するためのスピンドルモータを想定して例示してい
る。
【0014】図1は、本発明が適用されるスピンドルモ
ータの縦断面図であり、スリーブ体10が固定され、軸
体12が回転軸体として回転するものを示している。こ
こでは軸部12aに張出部材12bが固定された軸体1
2を備えている。同図において、図示しない記録媒体駆
動装置の筐体に取り付けられるブラケット14の支持筒
部14aには、スリーブ体10が内嵌固定されるととも
に、ステータ16が外嵌固定されている。
【0015】また、ロータハブ18の中央部に下向きに
突設された軸部12aが、スリーブ体10における略円
筒内周面形状のスリーブ部10aに潤滑油を介して嵌合
し、スリーブ部10a及び軸部12aの少なくとも一方
に動圧発生溝が形成されたスリーブ部10aの内周面と
軸部12aの外周面とが動圧軸受装置のラジアル動圧軸
受部を構成している。そして、張出部材12bは軸部1
2aの下端部に固定されて、軸部12aの外径より径方
向外方に張り出しており、軸部12aから露出し動圧発
生溝が形成された環状上面と、スリーブ体10の下端凹
部10bの環状下面が、潤滑油を介し軸方向に相対し
て、動圧軸受装置のスラスト動圧軸受部を構成してい
る。
【0016】また、張出部材12bの外径はスリーブ体
10の内径よりも大きいため、軸部12aがスリーブ部
10aにおける所定位置から軸方向に大きくずれること
や、軸部12aがスリーブ部10aから離脱することを
防止する抜け止めとしての機能も兼ねている。ラジアル
動圧軸受部とスラスト動圧軸受部とは、それぞれの間隙
が連通していて、潤滑油が互いに流動可能で、両軸受部
で発生する動圧が互いにバランスして所望の軸受特性が
得られる。
【0017】さらに、ロータハブ18の外周壁には、円
筒状のロータマグネット20が内嵌され、ステータ16
と径方向に相対し、ロータマグネット20とステータ1
6との磁気的相互作用により駆動トルクが発生する。張
出部材12bは、後述するが、軸部12aの下端部に対
し、その下端部の外径が拡大しないように固定されてい
るので、軸部12aの下端部とスリーブ部10aとの径
方向間隙が縮小して動圧軸受装置としての機能に支障が
生じるといったことが防止される。
【0018】図2は、本発明が適用される他のスピンド
ルモータの縦断面図であり、図1の場合と同じく、スリ
ーブ体10が固定され、軸体12が回転軸体として回転
し、軸部12aに張出部材12bが固定された軸体12
を備えているが、張出部材12bが図1の場合とは異な
りスラスト動圧軸受部を構成していない。同図におい
て、図示しない記録媒体駆動装置の筐体に取り付けられ
るブラケット14の支持筒部14aには、スリーブ体1
0が内嵌固定されるとともに、ステータ16が外嵌固定
されている。
【0019】また、ロータハブ18の中央部に下向きに
突設された軸部12aが、スリーブ体10における略円
筒内周面形状のスリーブ部10aに潤滑油を介して嵌合
し、スリーブ部10a及び軸部12aの少なくとも一方
に動圧発生溝が形成されたスリーブ部10aの内周面と
軸部12aの外周面とが動圧軸受装置のラジアル動圧軸
受部を構成している。
【0020】そして、スリーブ体10の上端部であって
動圧発生溝が形成された環状上面10cとその上側に相
対するロータハブ18の環状下面18aが、潤滑油を介
し軸方向に相対して、動圧軸受装置のスラスト動圧軸受
部を構成している。ラジアル動圧軸受部とスラスト動圧
軸受部とは、それぞれの間隙が連通していて、潤滑油が
互いに流動可能で、両軸受部で発生する動圧が互いにバ
ランスして所望の軸受特性が得られる。
【0021】さらに、張出部材12bは、図1の場合と
同様に、軸部12aの下端部に固定されて、軸部12a
の外径より径方向外方に張り出しているが、軸部12a
から露出する環状上面に動圧発生溝は形成されていな
い。よって、この張出部材12bは、抜け止めとしての
機能はあるが、スラスト動圧軸受部を構成するものでは
ない。また、ロータハブ18の外周壁には、円筒状のロ
ータマグネット20が内嵌され、ステータ16と径方向
に相対し、ロータマグネット20とステータ16との磁
気的相互作用により駆動トルクが発生する。
【0022】張出部材12bは、後述するが、軸部12
aの下端部に対し、その下端部付近の外径が拡大しない
ように固定されているので、軸部12aの下端部とスリ
ーブ部10aとの径方向間隙が縮小して動圧軸受装置と
しての機能に支障が生じるといったことが防止される。
【0023】図3は、本発明が適用される他のスピンド
ルモータの縦断面図であり、軸体12が固定され、スリ
ーブ体10が回転スリーブ体として回転し、軸部12a
に張出部材12bが固定された軸体12を備えている。
同図において、図示しない記録媒体駆動装置の筐体に取
り付けられるブラケット14の支持筒部14aには、ス
テータ16が外嵌固定されている。
【0024】また、ブラケット14の中央部に上向きに
突設された軸部12aが、ロータハブ18の中央部に下
向きに突設されたスリーブ体10における略円筒内周面
形状のスリーブ部10aに潤滑油を介して嵌合し、スリ
ーブ部10a及び軸部12aの少なくとも一方に動圧発
生溝が形成されたスリーブ部10aの内周面と軸部12
aの外周面とが動圧軸受装置のラジアル動圧軸受部を構
成している。
【0025】そして、張出部材12bは、軸部12aの
上端部に固定され、軸部12aの外径より径方向外方に
張り出しており、軸部12aから露出し動圧発生溝が形
成された環状下面と、スリーブ体10の上端凹部10b
の環状上面が、潤滑油を介し軸方向に相対して、動圧軸
受装置のスラスト動圧軸受部を構成している。ラジアル
動圧軸受部とスラスト動圧軸受部とは、それぞれの間隙
が連通していて、潤滑油が互いに流動可能で、両軸受部
で発生する動圧が互いにバランスして所望の軸受特性が
得られる。
【0026】さらに、ロータハブ18の外周壁には、円
筒状のロータマグネット20が内嵌され、ステータ16
と径方向に相対し、ロータマグネット20とステータ1
6との磁気的相互作用により駆動トルクが発生する。張
出部材12bは、後述するが、軸部12aの上端部に対
し、その上端部の外径が拡大しないように固定されてい
るので、軸部12aの上端部とスリーブ部10aとの径
方向間隙が縮小して動圧軸受装置としての機能に支障が
生じるといったことが防止される。
【0027】図4は、本発明が適用される他のスピンド
ルモータの縦断面図であり、図3の場合と同じく、軸体
12が固定され、スリーブ体10が回転スリーブ体とし
て回転し、軸部12aに張出部材12bが固定された軸
体12を備えているが、張出部材12bが図3の場合と
は異なりスラスト動圧軸受部を構成していない。同図に
おいて、図示しない記録媒体駆動装置の筐体に取り付け
られるブラケット14の外周側支持部14bには、ステ
ータ16が内嵌固定されている。
【0028】また、ブラケット14の中央部に上向きに
突設された軸部12aが、ロータハブ18の中央側にロ
ータハブ18と一体的に形成されたスリーブ体10にお
ける略円筒内周面形状のスリーブ部10aに潤滑油を介
して嵌合し、スリーブ部10a及び軸部12aの少なく
とも一方に動圧発生溝が形成されたスリーブ部10aの
内周面と軸部12aの外周面とが動圧軸受装置のラジア
ル動圧軸受部を構成している。
【0029】そして、スリーブ体10の下端部であって
動圧発生溝が形成された環状下面10dとその下側に相
対するブラケット14の環状上面14cが、潤滑油を介
し軸方向に相対して、動圧軸受装置のスラスト動圧軸受
部を構成している。ラジアル動圧軸受部とスラスト動圧
軸受部とは、それぞれの間隙が連通していて、潤滑油が
互いに流動可能で、両軸受部で発生する動圧が互いにバ
ランスして所望の軸受特性が得られる。
【0030】さらに、張出部材12bは、図3の場合と
同様に、軸部12aの上端部に固定され、軸部12aの
外径より径方向外方に張り出しているが、軸部12aか
ら露出する環状下面に動圧発生溝は形成されていない。
よって、この張出部材12bは、抜け止めとしての機能
はあるが、スラスト動圧軸受部を構成するものではな
い。また、ロータハブ18の外周部には、円筒状のロー
タマグネット20が外嵌され、ステータ16と径方向に
相対し、ロータマグネット20とステータ16との磁気
的相互作用により駆動トルクが発生する。
【0031】張出部材12bは、後述するが、軸部12
aの上端部に対し、その上端部の外径が拡大しないよう
に固定されているので、軸部12aの上端部とスリーブ
部10aとの径方向間隙が縮小して動圧軸受装置として
の機能に支障が生じるといったことが防止される。少な
くとも軸部12aの一端部の外周面にラジアル動圧軸受
部が形成されてなるものである。
【0032】上記各スピンドルモータの動圧軸受装置に
おける軸体12は、何れも、金属材料からなり、軸部1
2aの一端部に、軸部12aから径方向外方に張り出し
た張出部材12bが、前記一端部の軸部12aの外径が
拡大しないように固定されてなるものである。また、潤
滑流体は、油以外に空気であっても良いし、油と空気の
併用であっても良い。以下に、各張出部材12bの固定
構造について詳述する。なお、各張出部材12bは、軸
体12における固定位置、或いは、その作用が種々異な
るが、固定構造は実質的に同じである。
【0033】図5は、本発明の動圧軸受装置における軸
体の一実施形態を示す要部縦断面図、図7は、図5の要
部を更に拡大したものである。図8は、張出部材12a
の外観斜視図である。図6は、張出部材12bを軸部1
2aに取り付ける途中の様子を示す縦断面図である。図
5に示すように、軸体12における軸部12aは、左端
部の軸方向端面に開口する軸方向嵌合穴12cを有す
る。軸方向嵌合穴12cにおける軸方向中間部付近より
左方(軸部の開口側)は小内径部12c1、右方(軸部
奥側)は大内径部12c2となっている。小内径部12
c1と大内径部12c2との境目には、リング状を成す
段差部12dが設けられている。この段差部12dが下
記係合部に対する被係合部となっている。
【0034】一方、張出部材12bは、樹脂材料にて射
出成形されてなり、軸部12aよりも外径が大きい略円
板状の頭部12b1と、これの一平面中央部より垂直に
円柱状に突出する嵌合突部12b2が一体的に設けられ
ている。嵌合突部12b2先端部には、これより径方向
外方に張り出した係合部12b3を有している。この係
合部12b3は、嵌合突部12b2の外周面に対して略
垂直に拡がる一端sと、この外周部より中心軸Xに向か
って直線的に縮径するテーパ面tとを備えた構成となっ
ている。テーパ面tは、曲線的に縮径していても良い。
【0035】嵌合突部12b2の外径D0は、小内径部
12c1の内径D2と同一か若しくはそれ以下である。
係合部12b3の最大外径D1は、その内径D2よりも
大で且つ大内径部12c2よりも小である。嵌合突部1
2b2の長さH1(頭部12b1の一平面から係合部1
2b3の一端sまでの長さ)は、軸部12aの小内径部
12c1の長さH2(段差部12dから軸部12aの軸
方向端面までの長さ)より、幾分大きく設定されてい
る。
【0036】さらに、嵌合突部12b2には、根元部付
近から先端部にかけて中心軸Xを含み径方向に貫通する
スリット12b4が設けられている。これにより、嵌合
突部12b2及び係合部12b3は弾性的に縮径し、径
方向の剛性を弱くすることができる。スリット12b4
の大きさは、図6に示すように、縮径時に係合部12b
3の外径D1が小内径部12c1の内径D2と同程度に
なるように設定されている。
【0037】このような張出部材12bが、軸部12a
に対して、この係合部12b3の一端sが段差部12d
に係合し、また、嵌合突部12b2の根元部に、Oリン
グ或いは皿バネ等のリング状の弾性部材11をはめ込
み、これを張出部材12bの頭部12b1と軸部12a
の左端部との間に収縮するように挟み込んで固定されて
いる。弾性部材11の大きさは、張出部材12aの固定
時における収縮時の肉厚RがH1−H2となるように設
定されている。
【0038】張出部材12bの取付は、弾性部材11を
はめ込んだ嵌合突部12b2を軸部12aの軸方向嵌合
穴12cの軸部奥側に向けて挿入すると、係合部12b
3のテーパ面tが軸方向嵌合穴12cの開口周縁に当接
し、更に押し込むと図6に示すように嵌合突部12b2
が撓んで縮径する。嵌合突部12b2は、縮径したまま
係合部12b3の外周縁が小内径部12c1に摺動しな
がら段差部12dの手前に達すると、弾性部材11が、
その頭部12b1と軸部12aとで挟まれ、弾性部材1
1の弾性力に抗して更に強く押し込むことで、係合部1
2b3が大内径部12c2に達して嵌合突部12b2に
作用する押圧力が解除され係合部12b3が段差部12
dを係合し、張出部材12bの取付が完了する。
【0039】このような張出部材12bは、図1〜4の
各スピンドルモータに共通して次のような特徴がある。
嵌合突部12b2は、取付時及び取付完了後ともに軸部
12aの小内径部12c1の内周面を過大に押圧しない
ので軸部12aの一端部の外径は拡大せず、ラジアル動
圧軸受部の機能に支障が生じない。係合部12b3は、
段差部12dに係合すると、張出部材12bは軸体12
に対して隔離する方向(図5の左方)の力が作用しても
その係合構造が解除されない限り外れない。この係合構
造は、張出部材12bの取付完了後に係合部12b3を
縮径させることは不可能であるので実質的には外れな
い。
【0040】スリット12b4によって嵌合突部12b
2が容易に縮径するため、張出部材12bは、軸部12
aへの取付時に係合部12b3が小内径部12c1に過
大な押圧力を作用させることなく段差部12dに係合さ
せることができる。係合部12b3のテーパ面tは、張
出部材12bを軸部12aに固定する時に最初に嵌合穴
12cの開口周縁に当接して摺動しながら嵌合突部12
b2を収縮させ円滑に段差部12dまで案内させること
ができる。さらに、弾性部材11は、軸部12aと張出
部材12bとの間に一定の軸方向の力(予圧)を常時加
えるため、長さH1及びH2等の寸法のバラツキや公差
が比較的大きい場合でも張出部材12bを強固に固定す
ることができる。
【0041】また、弾性部材11は、軸体12に軸方向
に過大な衝撃が作用した時にダンパーとして機能し、動
圧軸受装置の軸受面の異常接触を回避させることができ
る。また、張出部材12bは、樹脂材料による射出成形
にて形成できるので、従来の螺着に比べて部材の加工コ
ストを低減することができるとともに、軸方向に押し込
むだけで取り付けることができ極めて作業性が良好であ
る。また、張出部材12bが樹脂材料であると、頭部1
2b1がスリーブ体10に接触したときに摩擦係数が低
いので接触に伴う摩耗を抑えることができる。
【0042】特に、上記のように、張出部材12bは軸
部12aの一端部の外径が拡大しないと、軸部12aの
一端部の外周面に形成されるラジアル動圧軸受部の微小
間隙が一定に保たれるので軸受特性を悪化させないが、
このことは図1及び図3のスピンドルモータのように張
出部材12bがスラスト動圧軸受部を形成する構成にお
いても有利に作用する。
【0043】即ち、この場合、スラスト動圧軸受部とラ
ジアル動圧軸受部とは潤滑油が相互作用して所望の軸受
特性を実現しているため、図1及び図3に対応する従来
構造においては、張出部材であるスラスト板を軸体に取
り付けることでラジアル動圧軸受部の軸受特性の悪化に
伴い、過剰に潤滑油がスラスト動圧軸受部へ流動する等
して動圧のバランスが崩れて全体としての軸受特性を低
下させることがあるが、本発明に対応する図1及び図3
の構造ではラジアル動圧軸受部だけでなくスラスト動圧
軸受部へも影響することがない。
【0044】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、これに限定されるものではない。例えば、張出部
材12bのスリット12b4は、径方向に貫通するもの
のみであったが、別の径方向に貫通するスリットを加え
るようにしても良いし、或いは、スリットではなく別の
形状で一部を削除しても良く、或いは剛性の低い材料を
選択し全くスリット等が無いものでも良く、要は軸方向
嵌合穴12cに対して過大な押圧力が作用しないように
剛性を低下させるように作用するものであれば良い。
【0045】また、弾性部材11は、省略して部品点数
を削減することもできるが、この場合、嵌合突部12b
2の長さH1と小内径部12c1の長さH2の寸法と張
出部材12bの軸方向の伸縮率をより精度良く設定する
必要がある。
【0046】また、張出部材12bは、樹脂材料に限定
されるものではなく、例えば金属材料でも軸部12aの
一端部の外径が拡大しないように固定できれば適用可能
である。また、頭部12b1を金属材料にして嵌合突部
12b2を樹脂材料にするといった異種材料の組み合わ
せであっても良い。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
固定軸或いは回転軸の一端部に張出部材を係合構造にて
固定されることによってその固定軸或いは回転軸の一端
部の外径が拡大してしまうということを防止した動圧軸
受装置、及びその動圧軸受装置を備えたモータを提供す
ることができる。また、張出部材は固定軸或いは回転軸
に強固に固定されながら、取付の作業性が簡単で且つ、
固定に伴う加工コストも安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラスト板を有する軸体回転型のスピンドルモ
ータの断面図。
【図2】抜け止め用部材を有する軸体回転型のスピンド
ルモータの断面図。
【図3】スラスト板を有する軸体固定型のスピンドルモ
ータの断面図。
【図4】抜け止め用部材を有する軸体固定型のスピンド
ルモータの断面図。
【図5】本発明の動圧軸受装置における軸体の一実施形
態を示す要部縦断面図。
【図6】軸部に張出部材を取り付ける途中の様子を示す
縦断面図。
【図7】図5における係合部近辺を示したA部の拡大
図。
【図8】実施形態における張出部材の外観斜視図。
【図9】固定軸の一端部に張出部材が固定された従来の
構成を模式的に示す縦断面図。
【符号の説明】
10 スリーブ体 10a スリーブ部 10b 凹部 10c 環状上面 10d 環状下面 11 弾性部材 12 軸体 12a 軸部 12b 張出部材 12b1 頭部 12b2 嵌合突部 12b3 係合部 12b4 スリット 12c 軸方向嵌合穴 12c1 小内径部 12c2 大内径部 12d 段差部 14 ブラケット 14a 支持筒部 14b 外周側支持部 14c 環状上面 16 ステータ 18 ロータハブ 18a 環状下面 20 ロータマグネット X 中心軸
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 21/22 H02K 21/22 M Fターム(参考) 3J011 AA01 BA06 DA02 KA02 KA03 3J017 AA01 CA01 DA01 HA01 5H605 BB05 CC04 CC05 CC10 EA09 EA16 EA30 EB05 EB06 EB09 EB18 EB38 5H607 BB01 BB14 BB17 BB25 CC01 GG02 GG09 GG12 5H621 GA01 HH02 JK08 JK17 JK19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部及び回転部のうち、軸部を有する
    軸体を一方に有し、スリーブ部を有するスリーブ体を他
    方に有して、 前記スリーブ部が潤滑流体を介して前記軸部に嵌合し、
    前記軸体と前記スリーブ体のうち一方が他方を回転自在
    に支持する動圧軸受装置であって、 前記軸体は、前記軸部の一端部に、その軸部から径方向
    外方に張り出した張出部材が固定されてなり、少なくと
    も前記軸部の一端部の外周面にラジアル動圧軸受部が形
    成されてなる動圧軸受装置において、 前記軸部は、前記一端部の軸方向端面に開口する嵌合穴
    を有し、 前記張出部材は、前記軸部の一端部の外径を拡大しない
    ように前記嵌合穴に嵌合しうる嵌合突部を備え、 前記嵌合突部と前記嵌合穴の内周面とが係合することに
    より、前記軸部の一端部に、前記張出部材が固定されて
    いることを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記張出部材は弾性材料よりなることを
    特徴とする請求項1に記載の動圧軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記弾性材料は樹脂材料であることを特
    徴とする請求項2に記載の動圧軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記張出部材の嵌合突部に、軸方向に切
    り込まれたスリットを有することを特徴とする請求項1
    〜請求項3のいずれかに記載の動圧軸受装置。
  5. 【請求項5】 前記張出部材の嵌合突部先端に係合部を
    有し、前記嵌合穴の奥に被係合部を有することを特徴と
    する請求項1〜請求項4のいずれかに記載の動圧軸受装
    置。
  6. 【請求項6】 前記張出部材と前記軸部の軸方向端面と
    の間に弾性部材が介在することを特徴とする請求項1〜
    請求項5のいずれかに記載の動圧軸受装置。
  7. 【請求項7】 前記張出部材がスラスト動圧軸受部を形
    成することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか
    に記載の動圧軸受装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
    動圧軸受装置を備えたことを特徴とするモータ。
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