JP2003003198A - 洗浄剤組成物 - Google Patents
洗浄剤組成物Info
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- JP2003003198A JP2003003198A JP2001184135A JP2001184135A JP2003003198A JP 2003003198 A JP2003003198 A JP 2003003198A JP 2001184135 A JP2001184135 A JP 2001184135A JP 2001184135 A JP2001184135 A JP 2001184135A JP 2003003198 A JP2003003198 A JP 2003003198A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の界面活性剤や溶剤を含む洗剤と同等も
しくはそれ以上の洗浄力を有し、特に液性が弱アルカリ
で取扱性に優れ、また高溶解性で保存性に優れた、主た
る洗浄作用がアルカリにより得られる洗浄剤組成物を提
供する。 【解決手段】 主たる洗浄作用がアルカリにより得られ
る洗浄剤組成物であって、ナトリウムおよびカリウムの
無機塩を主成分として含有し、水溶液としたときに、炭
酸イオン、重炭酸イオン、ナトリウムイオン、およびカ
リウムイオンを含んでいる洗浄剤組成物である。
しくはそれ以上の洗浄力を有し、特に液性が弱アルカリ
で取扱性に優れ、また高溶解性で保存性に優れた、主た
る洗浄作用がアルカリにより得られる洗浄剤組成物を提
供する。 【解決手段】 主たる洗浄作用がアルカリにより得られ
る洗浄剤組成物であって、ナトリウムおよびカリウムの
無機塩を主成分として含有し、水溶液としたときに、炭
酸イオン、重炭酸イオン、ナトリウムイオン、およびカ
リウムイオンを含んでいる洗浄剤組成物である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に限定はされな
いが、脱脂洗浄、食器洗浄、住居洗浄、車体洗浄等の諸
用途に適した洗浄剤組成物に関する。
いが、脱脂洗浄、食器洗浄、住居洗浄、車体洗浄等の諸
用途に適した洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】たとえ
ば金属表面に付着した油性汚れ除去のための洗浄方法と
しては、従来より塩素系・フッ素系溶剤や水酸化ナトリ
ウム等のアルカリ剤単独または界面活性剤の併用による
洗浄が知られている。
ば金属表面に付着した油性汚れ除去のための洗浄方法と
しては、従来より塩素系・フッ素系溶剤や水酸化ナトリ
ウム等のアルカリ剤単独または界面活性剤の併用による
洗浄が知られている。
【0003】しかしながら、塩素系・フッ素系溶剤は、
地球環境の保全の面からも好ましくないことはもちろ
ん、作業者の健康への影響や引火などへの注意が必要で
あるなど、いわゆる洗浄剤の取扱性に問題があった。
地球環境の保全の面からも好ましくないことはもちろ
ん、作業者の健康への影響や引火などへの注意が必要で
あるなど、いわゆる洗浄剤の取扱性に問題があった。
【0004】また、アルカリ剤による洗浄方法では、液
性が強アルカリ性となるため洗浄剤の取り扱いに注意が
必要となるほか、アルカリ洗浄後に酸による中和処理が
必要であるなど作業性にも問題があった。また、洗浄効
果を高めるために界面活性剤を併用することが多いの
で、排水処理の面でも問題があった。
性が強アルカリ性となるため洗浄剤の取り扱いに注意が
必要となるほか、アルカリ洗浄後に酸による中和処理が
必要であるなど作業性にも問題があった。また、洗浄効
果を高めるために界面活性剤を併用することが多いの
で、排水処理の面でも問題があった。
【0005】
【発明の概要】本発明は、こうした課題を解決するため
になされたものであり、人体への安全性や環境負荷低減
の観点から疑問がある界面活性剤や溶剤を使用すること
のない、または界面活性剤の使用量を大幅に削減した洗
浄剤組成物であって、従来の界面活性剤や溶剤を含む洗
剤と同等もしくはそれ以上の洗浄力を有し、特に液性が
弱アルカリ性で取扱性に優れ、また高溶解性で保存性に
優れた、主たる洗浄作用がアルカリにより得られる洗浄
剤組成物を提供することを目的とする。
になされたものであり、人体への安全性や環境負荷低減
の観点から疑問がある界面活性剤や溶剤を使用すること
のない、または界面活性剤の使用量を大幅に削減した洗
浄剤組成物であって、従来の界面活性剤や溶剤を含む洗
剤と同等もしくはそれ以上の洗浄力を有し、特に液性が
弱アルカリ性で取扱性に優れ、また高溶解性で保存性に
優れた、主たる洗浄作用がアルカリにより得られる洗浄
剤組成物を提供することを目的とする。
【0006】洗浄剤組成物
(1)第1の特徴(洗浄性と溶解性のバランス)
本発明によれば、主たる洗浄作用がアルカリにより得ら
れる洗浄剤組成物であって、ナトリウムおよびカリウム
の無機塩を主成分として含有し、水溶液としたときに、
炭酸イオン、重炭酸イオン、ナトリウムイオン、および
カリウムイオンを含んでいる洗浄剤組成物が提供され
る。
れる洗浄剤組成物であって、ナトリウムおよびカリウム
の無機塩を主成分として含有し、水溶液としたときに、
炭酸イオン、重炭酸イオン、ナトリウムイオン、および
カリウムイオンを含んでいる洗浄剤組成物が提供され
る。
【0007】ナトリウム塩は洗浄力に優れ比較的安価で
あるが、カリウム塩に比べて溶解性が劣るので、高濃度
で使用することが困難である。また、溶解度は温度に相
関するので、低温環境で保存または使用するとナトリウ
ム塩が析出してしまう。さらに、低濃度で使用した場合
でも、乾燥後に白い粉の洗浄跡が残るといった問題もあ
る。これに対して、カリウム塩は溶解性に優れ、高濃度
で使用することができ、また低温環境で保存および使用
が可能であり、さらに洗浄後に白い粉の洗浄跡が残ると
いった問題も生じない。ただし、ナトリウム塩に比べて
洗浄性に劣り、しかも高価である。また、カリウム塩は
潮解性があり、粒状または粉末状の洗浄剤とした場合、
吸湿性が強く保管上の問題がある。
あるが、カリウム塩に比べて溶解性が劣るので、高濃度
で使用することが困難である。また、溶解度は温度に相
関するので、低温環境で保存または使用するとナトリウ
ム塩が析出してしまう。さらに、低濃度で使用した場合
でも、乾燥後に白い粉の洗浄跡が残るといった問題もあ
る。これに対して、カリウム塩は溶解性に優れ、高濃度
で使用することができ、また低温環境で保存および使用
が可能であり、さらに洗浄後に白い粉の洗浄跡が残ると
いった問題も生じない。ただし、ナトリウム塩に比べて
洗浄性に劣り、しかも高価である。また、カリウム塩は
潮解性があり、粒状または粉末状の洗浄剤とした場合、
吸湿性が強く保管上の問題がある。
【0008】そこで、本発明者らは、こうしたナトリウ
ム塩およびカリウム塩がもつ性質に着目し、ナトリウム
およびカリウムの無機塩を主成分とする洗浄剤につい
て、ナトリウムおよびカリウムの含有モル比による洗浄
率の変化を調べたところ、図1および図2に示す結果を
得、最適混合比により洗浄性および溶解性のバランスが
向上することを見出した。同図において、横軸はナトリ
ウムに対するカリウムの混合率をモル%で表したもの
で、K=0モル%とはカリウムが含まれていないことを
意味し、逆にK=100モル%とはナトリウムが含まれ
ていないことを意味する。なお、図1は、水温20℃、
31リットルの水に後述する表1に示す量の炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水
素カリウムを、pH=10.15±0.05に入るよう
に調製し、それぞれ生成された洗浄剤を用いて汚染布を
洗濯したときの洗浄率を示すものである。同様に、図2
は、水温20℃、31リットルの水に後述する表2に示
す量の炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリ
ウムおよび炭酸水素カリウムを、pH=10.50±
0.05に入るように調製し、それぞれ生成された洗浄
剤を用いて汚染布を洗濯したときの洗浄率を示すもので
ある。
ム塩およびカリウム塩がもつ性質に着目し、ナトリウム
およびカリウムの無機塩を主成分とする洗浄剤につい
て、ナトリウムおよびカリウムの含有モル比による洗浄
率の変化を調べたところ、図1および図2に示す結果を
得、最適混合比により洗浄性および溶解性のバランスが
向上することを見出した。同図において、横軸はナトリ
ウムに対するカリウムの混合率をモル%で表したもの
で、K=0モル%とはカリウムが含まれていないことを
意味し、逆にK=100モル%とはナトリウムが含まれ
ていないことを意味する。なお、図1は、水温20℃、
31リットルの水に後述する表1に示す量の炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水
素カリウムを、pH=10.15±0.05に入るよう
に調製し、それぞれ生成された洗浄剤を用いて汚染布を
洗濯したときの洗浄率を示すものである。同様に、図2
は、水温20℃、31リットルの水に後述する表2に示
す量の炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリ
ウムおよび炭酸水素カリウムを、pH=10.50±
0.05に入るように調製し、それぞれ生成された洗浄
剤を用いて汚染布を洗濯したときの洗浄率を示すもので
ある。
【0009】この結果から、カリウムの含有モル%
(K)が、0<K≦40モル%、特に好ましくは20モ
ル%≦K≦40モル%であるとき、洗浄率が最も良いこ
とが理解される。これは、カリウムは、ナトリウムに比
べて溶解性に優れる一方で洗浄性に劣るので、ナトリウ
ムとカリウムとの混合率が洗浄率に影響するからと考え
られる。すなわち、洗浄剤を水溶液としたときの濃度は
できるだけ高い方が保管の都合上有利であることから、
カリウムの構成比を高くすることが好ましい一方で、実
用的な保管温度範囲において、洗浄剤成分の析出がない
範囲でナトリウムの構成比を高く設定することが、洗浄
力およびコストの観点から好ましい。したがって、ナト
リウムイオンとカリウムイオンとの含有モル比を1:4
〜7:3とすることで、洗浄力が高く、しかも保存性
(換言すれば低温使用性)に優れた洗浄剤組成物を提供
することができる。
(K)が、0<K≦40モル%、特に好ましくは20モ
ル%≦K≦40モル%であるとき、洗浄率が最も良いこ
とが理解される。これは、カリウムは、ナトリウムに比
べて溶解性に優れる一方で洗浄性に劣るので、ナトリウ
ムとカリウムとの混合率が洗浄率に影響するからと考え
られる。すなわち、洗浄剤を水溶液としたときの濃度は
できるだけ高い方が保管の都合上有利であることから、
カリウムの構成比を高くすることが好ましい一方で、実
用的な保管温度範囲において、洗浄剤成分の析出がない
範囲でナトリウムの構成比を高く設定することが、洗浄
力およびコストの観点から好ましい。したがって、ナト
リウムイオンとカリウムイオンとの含有モル比を1:4
〜7:3とすることで、洗浄力が高く、しかも保存性
(換言すれば低温使用性)に優れた洗浄剤組成物を提供
することができる。
【0010】(2)第2の特徴(洗浄性と液性)
上記発明において、無機塩は、pH緩衝作用塩とアルカ
リ性塩とを主成分として含有することがより好ましい。
すなわち、本発明に係る無機塩では、pH緩衝作用塩と
アルカリ性塩とを主成分として含有する旨を規定してい
る。
リ性塩とを主成分として含有することがより好ましい。
すなわち、本発明に係る無機塩では、pH緩衝作用塩と
アルカリ性塩とを主成分として含有する旨を規定してい
る。
【0011】こうした規定をおいた趣旨について説明す
ると、一般に、pHの高い(アルカリ側)方がその乳化
分散作用に起因してより高い洗浄力を得ることができ
る。ところが、弱アルカリ性範囲を逸脱するような高い
pH値を呈する洗浄剤水溶液を用いた場合、腐食等、披
洗浄物に対するリスクが高くなるばかりでなく、強アル
カリ性に起因した皮膚障害や排水処理の必要性などの弊
害を招来することにもなりかねない。ここで、アルカリ
性塩をpH緩衝作用塩と組み合わせることなく使用した
場合において、充分な洗浄力の確保を企図してその使用
濃度を高めていくと、このときの洗浄剤水溶液の液性が
弱アルカリ性範囲を逸脱して強アルカリ性となることが
起こりえる。
ると、一般に、pHの高い(アルカリ側)方がその乳化
分散作用に起因してより高い洗浄力を得ることができ
る。ところが、弱アルカリ性範囲を逸脱するような高い
pH値を呈する洗浄剤水溶液を用いた場合、腐食等、披
洗浄物に対するリスクが高くなるばかりでなく、強アル
カリ性に起因した皮膚障害や排水処理の必要性などの弊
害を招来することにもなりかねない。ここで、アルカリ
性塩をpH緩衝作用塩と組み合わせることなく使用した
場合において、充分な洗浄力の確保を企図してその使用
濃度を高めていくと、このときの洗浄剤水溶液の液性が
弱アルカリ性範囲を逸脱して強アルカリ性となることが
起こりえる。
【0012】そこで、本発明に係る無機塩では、pH緩
衝作用塩とアルカリ性塩とを主成分として含有する旨を
規定している。こうした構成を採用すると、pH緩衝作
用塩はアルカリ性塩の濃度増加に伴うアルカリ化の促進
を抑制するように作用し、このとき、pH緩衝作用塩と
アルカリ塩との構成比を適宜調整することにより、狙っ
た洗浄剤水溶液の液性範囲と、狙った洗浄力に対応する
使用濃度と、の両パラメータを、最適な範囲に収束する
ように設定することができる。さらに、洗浄剤水溶液中
にたとえば酸性を呈する汚れが混入したとしても、この
ときpH緩衝作用塩は洗浄剤水溶液の酸性化の促進を抑
制するように作用する結果、洗浄剤水溶液を洗浄に最適
な液性範囲に維持することができるといった相乗的な効
果を期することもできる。
衝作用塩とアルカリ性塩とを主成分として含有する旨を
規定している。こうした構成を採用すると、pH緩衝作
用塩はアルカリ性塩の濃度増加に伴うアルカリ化の促進
を抑制するように作用し、このとき、pH緩衝作用塩と
アルカリ塩との構成比を適宜調整することにより、狙っ
た洗浄剤水溶液の液性範囲と、狙った洗浄力に対応する
使用濃度と、の両パラメータを、最適な範囲に収束する
ように設定することができる。さらに、洗浄剤水溶液中
にたとえば酸性を呈する汚れが混入したとしても、この
ときpH緩衝作用塩は洗浄剤水溶液の酸性化の促進を抑
制するように作用する結果、洗浄剤水溶液を洗浄に最適
な液性範囲に維持することができるといった相乗的な効
果を期することもできる。
【0013】すなわち、pH緩衝作用塩とアルカリ性塩
とを主成分とした無機塩を採用することで、pHを必要
以上に高めることなく、必要なアルカリ度を確保できる
ということである。 こうした重要な役割を担うpH緩
衝作用塩としては、たとえば、重炭酸塩、しゅう酸塩、
フタル酸塩、ほう酸塩、りん酸塩などを挙げることがで
きる。また、pH緩衝作用塩とアルカリ塩とを主成分と
する無機塩としては、たとえば、炭酸ナトリウム、炭酸
水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、メ
タケイ酸ナトリウム、二しゅう酸三水素カリウム、フタ
ル酸水素カリウム、四ほう酸二ナトリウム、りん酸水素
二ナトリウム、りん酸二水素カリウムなどを挙げること
ができる。
とを主成分とした無機塩を採用することで、pHを必要
以上に高めることなく、必要なアルカリ度を確保できる
ということである。 こうした重要な役割を担うpH緩
衝作用塩としては、たとえば、重炭酸塩、しゅう酸塩、
フタル酸塩、ほう酸塩、りん酸塩などを挙げることがで
きる。また、pH緩衝作用塩とアルカリ塩とを主成分と
する無機塩としては、たとえば、炭酸ナトリウム、炭酸
水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、メ
タケイ酸ナトリウム、二しゅう酸三水素カリウム、フタ
ル酸水素カリウム、四ほう酸二ナトリウム、りん酸水素
二ナトリウム、りん酸二水素カリウムなどを挙げること
ができる。
【0014】(3)第3の特徴(非界面活性剤系洗浄
剤、非有機溶剤系洗浄剤) 上記発明において、前記無機塩は、重炭酸塩と、炭酸塩
と、を主成分として含有し、前記無機塩の総量が洗浄剤
組成物成分総量の90重量%以上であることがより好ま
しい。
剤、非有機溶剤系洗浄剤) 上記発明において、前記無機塩は、重炭酸塩と、炭酸塩
と、を主成分として含有し、前記無機塩の総量が洗浄剤
組成物成分総量の90重量%以上であることがより好ま
しい。
【0015】ここで、洗浄剤水溶液の液性に注目したと
き、上述したように、重炭酸塩の役割はpH緩衝作用で
ある一方、炭酸塩の役割は洗浄剤水溶液が呈する液性の
アルカリ化促進である。すなわち、重炭酸塩と、炭酸塩
と、の配合比率は、狙った洗浄剤水溶液の液性範囲と、
狙った洗浄力に対応する使用濃度と、の両パラメータを
考慮しつつ、適宜の比率を選択することができる。 し
かも、無機塩の総量が洗浄剤組成物成分総量の91重量
%以上であることがさらに好ましく、以下同様に、同9
2重量%以上、同93重量%以上、同94重量%以上、
同95重量%以上、同96重量%以上、同97重量%以
上、同98重量%以上、同99重量%以上の順序で、洗
浄剤組成物中における無機塩の配合量が多いほど好まし
い。主剤としての洗浄能力向上に寄与するとともに、環
境汚染物質の添加量をできるだけ低減する趣旨からであ
る。
き、上述したように、重炭酸塩の役割はpH緩衝作用で
ある一方、炭酸塩の役割は洗浄剤水溶液が呈する液性の
アルカリ化促進である。すなわち、重炭酸塩と、炭酸塩
と、の配合比率は、狙った洗浄剤水溶液の液性範囲と、
狙った洗浄力に対応する使用濃度と、の両パラメータを
考慮しつつ、適宜の比率を選択することができる。 し
かも、無機塩の総量が洗浄剤組成物成分総量の91重量
%以上であることがさらに好ましく、以下同様に、同9
2重量%以上、同93重量%以上、同94重量%以上、
同95重量%以上、同96重量%以上、同97重量%以
上、同98重量%以上、同99重量%以上の順序で、洗
浄剤組成物中における無機塩の配合量が多いほど好まし
い。主剤としての洗浄能力向上に寄与するとともに、環
境汚染物質の添加量をできるだけ低減する趣旨からであ
る。
【0016】また、上記発明において、前記重炭酸塩の
含有モル数と、前記炭酸塩の含有モル数と、の構成比
は、洗浄剤水溶液の液性が強アルカリ性に傾くことに起
因した、たとえば被洗浄物たるアルミニウム、マグネシ
ウム合金、亜鉛メッキ鋼板などの金属の腐食・損傷、皮
膚障害や排水処理の必要性などの弊害を未然に回避する
ことを狙って、洗浄剤水溶液の液性を弱アルカリ性範囲
であるpH9〜11に収束させ得る適宜の構成比を採用
することが好ましい。
含有モル数と、前記炭酸塩の含有モル数と、の構成比
は、洗浄剤水溶液の液性が強アルカリ性に傾くことに起
因した、たとえば被洗浄物たるアルミニウム、マグネシ
ウム合金、亜鉛メッキ鋼板などの金属の腐食・損傷、皮
膚障害や排水処理の必要性などの弊害を未然に回避する
ことを狙って、洗浄剤水溶液の液性を弱アルカリ性範囲
であるpH9〜11に収束させ得る適宜の構成比を採用
することが好ましい。
【0017】なお、本発明では、本洗浄剤組成物を水に
溶解して洗浄剤水溶液としたときの標準的な使用濃度と
して、0.025〜0.5重量%の範囲を想定してい
る。このうち、たとえば0.5重量%の洗浄剤水溶液
は、原液もしくは適宜の希釈を施すことで部分洗い用の
液体洗浄剤として用いることができる。
溶解して洗浄剤水溶液としたときの標準的な使用濃度と
して、0.025〜0.5重量%の範囲を想定してい
る。このうち、たとえば0.5重量%の洗浄剤水溶液
は、原液もしくは適宜の希釈を施すことで部分洗い用の
液体洗浄剤として用いることができる。
【0018】他の添加剤
上記発明において、必要に応じて、ケイ酸塩、水溶性高
分子物質、脂肪酸系界面活性剤、軟水化剤、酵素及び還
元剤、溶解性向上剤、殺菌剤、消泡剤、香料などを含ん
でも良い。
分子物質、脂肪酸系界面活性剤、軟水化剤、酵素及び還
元剤、溶解性向上剤、殺菌剤、消泡剤、香料などを含ん
でも良い。
【0019】(1)ケイ酸塩は、助剤として添加する
と、アルミニウムやマグネシウムなどの軽金属を被洗浄
物としたときに、アルカリによる腐食を防止することが
できる。これは、ケイ酸塩により金属表面にコロイド膜
が形成され、これがアルカリによる腐食を防止するから
である。ケイ酸塩としてはメタケイ酸ナトリウムを例示
することができる。なお、アルカリによる腐食防止の観
点からケイ酸塩を添加する場合、その配合比率は洗浄液
の使用濃度において、保護コロイド生成に必要なケイ酸
塩濃度を考慮して適宜設計すればよい。 (2)水溶性高分子物質は、増粘作用及び/又は表面張
力低下作用を有し、具体的には、少なくとも、ポリビニ
ルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルメチルセルロース、ポリアクリル酸ナト
リウム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロ
リドンの何れかを含むことがより好ましい。
と、アルミニウムやマグネシウムなどの軽金属を被洗浄
物としたときに、アルカリによる腐食を防止することが
できる。これは、ケイ酸塩により金属表面にコロイド膜
が形成され、これがアルカリによる腐食を防止するから
である。ケイ酸塩としてはメタケイ酸ナトリウムを例示
することができる。なお、アルカリによる腐食防止の観
点からケイ酸塩を添加する場合、その配合比率は洗浄液
の使用濃度において、保護コロイド生成に必要なケイ酸
塩濃度を考慮して適宜設計すればよい。 (2)水溶性高分子物質は、増粘作用及び/又は表面張
力低下作用を有し、具体的には、少なくとも、ポリビニ
ルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルメチルセルロース、ポリアクリル酸ナト
リウム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロ
リドンの何れかを含むことがより好ましい。
【0020】このうち、ポリビニルアルコールとして
は、ケン化度が低く、粘度が低いものが、溶解性の観点
からより好ましい。また、メチルセルロースとしても、
粘度が低いものが、溶解性の観点からより好ましい。
は、ケン化度が低く、粘度が低いものが、溶解性の観点
からより好ましい。また、メチルセルロースとしても、
粘度が低いものが、溶解性の観点からより好ましい。
【0021】こうした水溶性高分子物質は、特にポリア
クリル酸ナトリウムやカルボキシメチルセルロースなど
は増粘作用を有するので、液体洗浄剤として洗浄作業に
供したときに被洗浄物によく馴染み物体表面への定着性
が良くなって、洗浄剤成分がすぐに流れ落ちたりするこ
となく作業性が向上する。また、洗浄剤の粘度が高い方
が触感があるため、たとえば本洗浄剤を身体用特に手洗
いなどに用いた場合には、濯ぎによる洗浄剤の除去程度
を触感により確認することもできる。
クリル酸ナトリウムやカルボキシメチルセルロースなど
は増粘作用を有するので、液体洗浄剤として洗浄作業に
供したときに被洗浄物によく馴染み物体表面への定着性
が良くなって、洗浄剤成分がすぐに流れ落ちたりするこ
となく作業性が向上する。また、洗浄剤の粘度が高い方
が触感があるため、たとえば本洗浄剤を身体用特に手洗
いなどに用いた場合には、濯ぎによる洗浄剤の除去程度
を触感により確認することもできる。
【0022】また、表面張力低下作用を有する水溶性高
分子物質を加えることで、汚れ粒子に対する可溶化力、
分散力が向上し、洗浄性能を向上させることができる。
さらにこの成分については、浸透力を向上させて洗浄性
能をさらに向上させる意味から、界面活性剤を用いるこ
ともできる。ただし、界面活性剤としては、食品添加物
としても認められている、グリセリン脂肪酸エステル、
プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの脂肪酸系の界
面活性剤を採用することが、人体への安全性の観点から
望ましい。またこの場合、主たる洗浄力は無機塩の組み
合わせにより得られているので、界面活性剤の使用濃度
は臨界ミセル濃度CMC以下とすることが、人体への安
全性や環境負荷低減等の観点から好ましい。
分子物質を加えることで、汚れ粒子に対する可溶化力、
分散力が向上し、洗浄性能を向上させることができる。
さらにこの成分については、浸透力を向上させて洗浄性
能をさらに向上させる意味から、界面活性剤を用いるこ
ともできる。ただし、界面活性剤としては、食品添加物
としても認められている、グリセリン脂肪酸エステル、
プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの脂肪酸系の界
面活性剤を採用することが、人体への安全性の観点から
望ましい。またこの場合、主たる洗浄力は無機塩の組み
合わせにより得られているので、界面活性剤の使用濃度
は臨界ミセル濃度CMC以下とすることが、人体への安
全性や環境負荷低減等の観点から好ましい。
【0023】ここで、高分子物質の乳化ないし懸濁力に
言及すると、低分子または中分子物質では臨界ミセル濃
度CMC以下では充分な乳化ないし懸濁力を発揮し得な
いのに対し、高分子物質では臨界ミセル濃度CMC以下
でも、さらに言えば低濃度であっても、ある程度の乳化
ないし懸濁力が認められることがわかっている。すなわ
ち、高分子物質では、極端に言えば一分子の存在下でも
乳化ないし懸濁が行われるが、これは、高分子物質の側
鎖にあるたとえば長鎖アルキル基が、多数集合して低分
子または中分子物質におけるミセルに似た形態をとり、
この中に汚れ固体粒子が包み込まれるものと考えられ
る。
言及すると、低分子または中分子物質では臨界ミセル濃
度CMC以下では充分な乳化ないし懸濁力を発揮し得な
いのに対し、高分子物質では臨界ミセル濃度CMC以下
でも、さらに言えば低濃度であっても、ある程度の乳化
ないし懸濁力が認められることがわかっている。すなわ
ち、高分子物質では、極端に言えば一分子の存在下でも
乳化ないし懸濁が行われるが、これは、高分子物質の側
鎖にあるたとえば長鎖アルキル基が、多数集合して低分
子または中分子物質におけるミセルに似た形態をとり、
この中に汚れ固体粒子が包み込まれるものと考えられ
る。
【0024】(3)軟水化剤としては、クエン酸ナトリ
ウム、グルコン酸ナトリウムなどのクエン酸塩、グルコ
ン酸塩などを挙げることができ、水溶液とする際の水の
硬度が高い場合には有用である。これは、洗浄力阻害成
分である多価陽イオンを無効化し、洗浄力を高めること
ができるからである。軟水化剤としてはその他、EDT
Aやリン酸塩等をその用途に応じて選択することができ
る。
ウム、グルコン酸ナトリウムなどのクエン酸塩、グルコ
ン酸塩などを挙げることができ、水溶液とする際の水の
硬度が高い場合には有用である。これは、洗浄力阻害成
分である多価陽イオンを無効化し、洗浄力を高めること
ができるからである。軟水化剤としてはその他、EDT
Aやリン酸塩等をその用途に応じて選択することができ
る。
【0025】(4)酵素としては、タンパク質分解酵
素、脂肪分解酵素、セルロース分解酵素、デンプン分解
酵素などを例示することができる。こうした酵素は、洗
浄剤組成物に対して、1重量%以上、2重量%以下の割
合で添加されていることがより好ましい。
素、脂肪分解酵素、セルロース分解酵素、デンプン分解
酵素などを例示することができる。こうした酵素は、洗
浄剤組成物に対して、1重量%以上、2重量%以下の割
合で添加されていることがより好ましい。
【0026】還元剤としては、亜硫酸ナトリウム、チオ
硫酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウムなどを例示
することができ、特に酵素と併用することが好ましい。
酵素は水道水等に含まれる残留塩素でも影響を受けて失
活するが、還元剤は水道水に含まれる塩素成分を還元す
るので、還元剤を併用することで酵素の失活を防止する
ことができる。この意味から、還元剤は塩素成分をほと
んど含まない井戸水を使用する場合には不要である。こ
の還元剤は、水道水中の残留塩素濃度により最適値が異
なるが、洗浄剤組成物に対して、1重量%〜10重量%
の割合で添加されていることが好ましい。
硫酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウムなどを例示
することができ、特に酵素と併用することが好ましい。
酵素は水道水等に含まれる残留塩素でも影響を受けて失
活するが、還元剤は水道水に含まれる塩素成分を還元す
るので、還元剤を併用することで酵素の失活を防止する
ことができる。この意味から、還元剤は塩素成分をほと
んど含まない井戸水を使用する場合には不要である。こ
の還元剤は、水道水中の残留塩素濃度により最適値が異
なるが、洗浄剤組成物に対して、1重量%〜10重量%
の割合で添加されていることが好ましい。
【0027】(5)殺菌剤は、被洗浄物の殺菌の他、有
機物を含む洗浄剤組成物の腐敗やカビを防ぐ効果を目的
として配合され、塩化ベンザルコニウムやパラベン、プ
ロピレングリコールなどのなかからその使用目的に応じ
て適宜選択することができる。人体への安全性を考慮す
ると、柑橘類果実の種子から抽出した抽出液を添加する
ことが望ましい。ここで、柑橘類果実とは、学術名をシ
トラスパラデシとする、グレープフルーツであり、抽出
液自体は高粘性であるため、添加する際には水で希釈す
るとともに、天然のグリセリン、プロピレングリコール
などの分散剤を用いることが好ましい。シトラパラデシ
の種子の抽出液は、細菌や微生物の殺菌、抗菌等の制菌
効果があるため、本発明の洗浄剤組成物に制菌添加剤と
して添加すると、被洗浄物の制菌効果が期待できる。
機物を含む洗浄剤組成物の腐敗やカビを防ぐ効果を目的
として配合され、塩化ベンザルコニウムやパラベン、プ
ロピレングリコールなどのなかからその使用目的に応じ
て適宜選択することができる。人体への安全性を考慮す
ると、柑橘類果実の種子から抽出した抽出液を添加する
ことが望ましい。ここで、柑橘類果実とは、学術名をシ
トラスパラデシとする、グレープフルーツであり、抽出
液自体は高粘性であるため、添加する際には水で希釈す
るとともに、天然のグリセリン、プロピレングリコール
などの分散剤を用いることが好ましい。シトラパラデシ
の種子の抽出液は、細菌や微生物の殺菌、抗菌等の制菌
効果があるため、本発明の洗浄剤組成物に制菌添加剤と
して添加すると、被洗浄物の制菌効果が期待できる。
【0028】(6)アルコール及び/または多価アルコ
ールの重縮合物は、有機汚れの可溶化、分散力を高める
ために配合され、アルコールとしてはエチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、
エチレングリコール、重縮合物としてはポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコールなどを用いること
が好ましい。
ールの重縮合物は、有機汚れの可溶化、分散力を高める
ために配合され、アルコールとしてはエチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、
エチレングリコール、重縮合物としてはポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコールなどを用いること
が好ましい。
【0029】
【発明の作用及び効果】主たる洗浄作用がアルカリによ
り得られる洗浄剤組成物であって、ナトリウムおよびカ
リウムの無機塩を主成分として含有し、水溶液としたと
きに、炭酸イオン、重炭酸イオン、ナトリウムイオン、
およびカリウムイオンを含んでいる洗浄剤を水で溶解す
ると、希釈水に含まれるカルシウムイオンやマグネシウ
ムイオンなどの硬度成分が炭酸塩となり、洗浄力の阻害
成分を無効化することで洗浄力を向上させることができ
る。これと同時に、炭酸塩の発生ないし凝集の過程で生
じるコロイド状の炭酸カルシウムが洗浄液中の汚れ粒子
を吸着し、洗浄性能を向上させることができる。これに
より、人体への安全性や環境負荷低減の観点から疑問が
ある界面活性剤や溶剤を使用することのない、または界
面活性剤の使用量を大幅に削減した洗浄剤組成物であっ
て、界面活性剤や溶剤等を含む洗剤と同等もしくはそれ
以上の洗浄力を有する洗浄剤組成物を提供することがで
きる。
り得られる洗浄剤組成物であって、ナトリウムおよびカ
リウムの無機塩を主成分として含有し、水溶液としたと
きに、炭酸イオン、重炭酸イオン、ナトリウムイオン、
およびカリウムイオンを含んでいる洗浄剤を水で溶解す
ると、希釈水に含まれるカルシウムイオンやマグネシウ
ムイオンなどの硬度成分が炭酸塩となり、洗浄力の阻害
成分を無効化することで洗浄力を向上させることができ
る。これと同時に、炭酸塩の発生ないし凝集の過程で生
じるコロイド状の炭酸カルシウムが洗浄液中の汚れ粒子
を吸着し、洗浄性能を向上させることができる。これに
より、人体への安全性や環境負荷低減の観点から疑問が
ある界面活性剤や溶剤を使用することのない、または界
面活性剤の使用量を大幅に削減した洗浄剤組成物であっ
て、界面活性剤や溶剤等を含む洗剤と同等もしくはそれ
以上の洗浄力を有する洗浄剤組成物を提供することがで
きる。
【0030】本発明の洗浄剤は、アルカリ性塩にpH緩
衝作用のある弱酸のアルカリ金属塩を混合しているの
で、pHを弱アルカリ性(好ましくはpH=9〜11)
の範囲に抑えながら、濃度(アルカリ度)を高めること
ができる。これにより、強アルカリを用いた洗浄剤と同
等の脱脂洗浄力を発揮することができ、その結果、取扱
上の安全性が高く、洗浄後の酸による中和処理も必要と
されない。
衝作用のある弱酸のアルカリ金属塩を混合しているの
で、pHを弱アルカリ性(好ましくはpH=9〜11)
の範囲に抑えながら、濃度(アルカリ度)を高めること
ができる。これにより、強アルカリを用いた洗浄剤と同
等の脱脂洗浄力を発揮することができ、その結果、取扱
上の安全性が高く、洗浄後の酸による中和処理も必要と
されない。
【0031】また、pH緩衝作用のある塩を最適に選定
して混合することにより、希釈率(すなわち濃度)によ
らず、洗浄液のpH変化を非常に小さくすることがで
き、用途に応じた濃度調整もpHを気にすることなく行
うことができる。
して混合することにより、希釈率(すなわち濃度)によ
らず、洗浄液のpH変化を非常に小さくすることがで
き、用途に応じた濃度調整もpHを気にすることなく行
うことができる。
【0032】さらに、ナトリウムイオンとカリウムイオ
ンとの含有モル比を1:4〜7:3とすることで、洗浄
力が高く、しかも保存性(換言すれば低温使用性)に優
れた洗浄剤を提供することができる。
ンとの含有モル比を1:4〜7:3とすることで、洗浄
力が高く、しかも保存性(換言すれば低温使用性)に優
れた洗浄剤を提供することができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の洗浄剤組成物を従来の洗浄剤
組成物と比較した具体例を説明する。ただし、以下の具
体的数値は本発明の洗浄剤組成物を限定するものではな
い。汚染布を用いた洗浄力試験 実施例1 水道水31リットルに、炭酸ナトリウム23g(0.1
9モル)、炭酸カリウム3.3g(0.02モル)、炭
酸水素ナトリウム9g(0.11モル)、炭酸水素カリ
ウム1.1g(0.01モル)の重量配合比率となる洗
浄剤組成物を溶かし込み、pHが10.18、ECが1
61.5mS/mの洗浄剤水溶液を得た。
組成物と比較した具体例を説明する。ただし、以下の具
体的数値は本発明の洗浄剤組成物を限定するものではな
い。汚染布を用いた洗浄力試験 実施例1 水道水31リットルに、炭酸ナトリウム23g(0.1
9モル)、炭酸カリウム3.3g(0.02モル)、炭
酸水素ナトリウム9g(0.11モル)、炭酸水素カリ
ウム1.1g(0.01モル)の重量配合比率となる洗
浄剤組成物を溶かし込み、pHが10.18、ECが1
61.5mS/mの洗浄剤水溶液を得た。
【0034】洗濯機は、(株)東芝社製の全自動洗濯機
(AW−C60VP、6kgタイプ、水位設定31リッ
トル、負荷2kgのタオル)を用い、水温20℃の水道
水(藤沢市市水道、pH7.5、EC19mS/m)で
洗いを12分、すすぎを1回、脱水を5分実施した。
(AW−C60VP、6kgタイプ、水位設定31リッ
トル、負荷2kgのタオル)を用い、水温20℃の水道
水(藤沢市市水道、pH7.5、EC19mS/m)で
洗いを12分、すすぎを1回、脱水を5分実施した。
【0035】この洗濯機に、「人工皮脂」が付着した人
工汚染布(Scientific Services S/D inc. USA製、綿と
混紡の2種)3枚及び鉱物油とカーボンブラックが付着
した汚染布(EMPA101)、オリーブ油とカーボン
ブラックが付着した汚染布(EMPA106)、血液が
付着した汚染布(EMPA111)、タンパク質である
カカオが付着した汚染布(EMPA112)、赤ワイン
が付着した汚染布(EMPA114)、血液とミルクと
カーボンブラックが付着した汚染布(EMPA116)
を各3枚を入れて洗濯した。各汚染布の洗濯前後の洗浄
率を表1および図1に示す。なお、「洗浄率」は下記の
式により算出した。
工汚染布(Scientific Services S/D inc. USA製、綿と
混紡の2種)3枚及び鉱物油とカーボンブラックが付着
した汚染布(EMPA101)、オリーブ油とカーボン
ブラックが付着した汚染布(EMPA106)、血液が
付着した汚染布(EMPA111)、タンパク質である
カカオが付着した汚染布(EMPA112)、赤ワイン
が付着した汚染布(EMPA114)、血液とミルクと
カーボンブラックが付着した汚染布(EMPA116)
を各3枚を入れて洗濯した。各汚染布の洗濯前後の洗浄
率を表1および図1に示す。なお、「洗浄率」は下記の
式により算出した。
【0036】洗浄率%=(洗濯後汚染布の白度−洗濯前
汚染布の白度)÷(未汚染生地の白度−洗濯前汚染布の
白度)×100 ここで、「白度」は白度計(ミノルタ、CR−14、Wh
iteness Index ColorReader)により、3枚の汚染布そ
れぞれの相互に異なる表裏10点の測定値を平均した。
汚染布の白度)÷(未汚染生地の白度−洗濯前汚染布の
白度)×100 ここで、「白度」は白度計(ミノルタ、CR−14、Wh
iteness Index ColorReader)により、3枚の汚染布そ
れぞれの相互に異なる表裏10点の測定値を平均した。
【0037】実施例2
水道水31リットルに、炭酸ナトリウム21g(0.1
7モル)、炭酸カリウム5.5g(0.04モル)、炭
酸水素ナトリウム8g(0.10モル)、炭酸水素カリ
ウム2.2g(0.02モル)の重量配合比率となる洗
浄剤組成物を溶かし込み、pHが10.18、ECが1
68mS/mの洗浄剤水溶液を得た。この洗浄剤水溶液
を用いて実施例1と同様にして汚染布の洗浄率を測定し
た。結果を表1および図1に示す。
7モル)、炭酸カリウム5.5g(0.04モル)、炭
酸水素ナトリウム8g(0.10モル)、炭酸水素カリ
ウム2.2g(0.02モル)の重量配合比率となる洗
浄剤組成物を溶かし込み、pHが10.18、ECが1
68mS/mの洗浄剤水溶液を得た。この洗浄剤水溶液
を用いて実施例1と同様にして汚染布の洗浄率を測定し
た。結果を表1および図1に示す。
【0038】実施例3
水道水31リットルに、炭酸ナトリウム18.2g
(0.15モル)、炭酸カリウム8.58g(0.06
モル)、炭酸水素ナトリウム7g(0.08モル)、炭
酸水素カリウム3.3g(0.04モル)の重量配合比
率となる洗浄剤組成物を溶かし込み、pHが10.1
9、ECが169.1mS/mの洗浄剤水溶液を得た。
この洗浄剤水溶液を用いて実施例1と同様にして汚染布
の洗浄率を測定した。結果を表1および図1に示す。
(0.15モル)、炭酸カリウム8.58g(0.06
モル)、炭酸水素ナトリウム7g(0.08モル)、炭
酸水素カリウム3.3g(0.04モル)の重量配合比
率となる洗浄剤組成物を溶かし込み、pHが10.1
9、ECが169.1mS/mの洗浄剤水溶液を得た。
この洗浄剤水溶液を用いて実施例1と同様にして汚染布
の洗浄率を測定した。結果を表1および図1に示す。
【0039】実施例4
水道水31リットルに、炭酸ナトリウム16g(0.1
3モル)、炭酸カリウム11g(0.08モル)、炭酸
水素ナトリウム6g(0.07モル)、炭酸水素カリウ
ム4.4g(0.05モル)の重量配合比率となる洗浄
剤組成物を溶かし込み、pHが10.19、ECが17
7.7mS/mの洗浄剤水溶液を得た。この洗浄剤水溶
液を用いて実施例1と同様にして汚染布の洗浄率を測定
した。結果を表1および図1に示す。
3モル)、炭酸カリウム11g(0.08モル)、炭酸
水素ナトリウム6g(0.07モル)、炭酸水素カリウ
ム4.4g(0.05モル)の重量配合比率となる洗浄
剤組成物を溶かし込み、pHが10.19、ECが17
7.7mS/mの洗浄剤水溶液を得た。この洗浄剤水溶
液を用いて実施例1と同様にして汚染布の洗浄率を測定
した。結果を表1および図1に示す。
【0040】参考例1
実施例1乃至4の参考例として、水道水31リットル
に、炭酸ナトリウム26g(0.21モル)、炭酸水素
ナトリウム10g(0.12モル)の重量配合比率とな
る洗浄剤組成物を溶かし込み、pHが10.18、EC
が162.5mS/mの洗浄剤水溶液を得た。この洗浄
剤水溶液を用いて実施例1と同様にして汚染布の洗浄率
を測定した。結果を表1および図1に示す。
に、炭酸ナトリウム26g(0.21モル)、炭酸水素
ナトリウム10g(0.12モル)の重量配合比率とな
る洗浄剤組成物を溶かし込み、pHが10.18、EC
が162.5mS/mの洗浄剤水溶液を得た。この洗浄
剤水溶液を用いて実施例1と同様にして汚染布の洗浄率
を測定した。結果を表1および図1に示す。
【0041】参考例2
実施例1乃至4の参考例として、水道水31リットル
に、炭酸ナトリウム13g(0.10モル)、炭酸カリ
ウム14.3g(0.10モル)、炭酸水素ナトリウム
5g(0.06モル)、炭酸水素カリウム5.5g
(0.06モル)の重量配合比率となる洗浄剤組成物を
溶かし込み、pHが10.14、ECが165.2mS
/mの洗浄剤水溶液を得た。この洗浄剤水溶液を用いて
実施例1と同様にして汚染布の洗浄率を測定した。結果
を表1および図1に示す。
に、炭酸ナトリウム13g(0.10モル)、炭酸カリ
ウム14.3g(0.10モル)、炭酸水素ナトリウム
5g(0.06モル)、炭酸水素カリウム5.5g
(0.06モル)の重量配合比率となる洗浄剤組成物を
溶かし込み、pHが10.14、ECが165.2mS
/mの洗浄剤水溶液を得た。この洗浄剤水溶液を用いて
実施例1と同様にして汚染布の洗浄率を測定した。結果
を表1および図1に示す。
【0042】参考例3
実施例1乃至4の参考例として、水道水31リットル
に、炭酸ナトリウム7.8g(0.06モル)、炭酸カ
リウム20.02g(0.14モル)、炭酸水素ナトリ
ウム3g(0.04モル)、炭酸水素カリウム7.7g
(0.08モル)の重量配合比率となる洗浄剤組成物を
溶かし込み、pHが10.13、ECが175.4mS
/mの洗浄剤水溶液を得た。この洗浄剤水溶液を用いて
実施例1と同様にして汚染布の洗浄率を測定した。結果
を表1および図1に示す。
に、炭酸ナトリウム7.8g(0.06モル)、炭酸カ
リウム20.02g(0.14モル)、炭酸水素ナトリ
ウム3g(0.04モル)、炭酸水素カリウム7.7g
(0.08モル)の重量配合比率となる洗浄剤組成物を
溶かし込み、pHが10.13、ECが175.4mS
/mの洗浄剤水溶液を得た。この洗浄剤水溶液を用いて
実施例1と同様にして汚染布の洗浄率を測定した。結果
を表1および図1に示す。
【0043】参考例4
実施例1乃至4の参考例として、水道水31リットル
に、炭酸カリウム28.6g(0.21モル)、炭酸水
素カリウム11g(0.12モル)の重量配合比率とな
る洗浄剤組成物を溶かし込み、pHが10.16、EC
が171.5mS/mの洗浄剤水溶液を得た。この洗浄
剤水溶液を用いて実施例1と同様にして汚染布の洗浄率
を測定した。結果を表1および図1に示す。
に、炭酸カリウム28.6g(0.21モル)、炭酸水
素カリウム11g(0.12モル)の重量配合比率とな
る洗浄剤組成物を溶かし込み、pHが10.16、EC
が171.5mS/mの洗浄剤水溶液を得た。この洗浄
剤水溶液を用いて実施例1と同様にして汚染布の洗浄率
を測定した。結果を表1および図1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】実施例5〜8、および参考例5〜8
実施例1〜4ではpHを10.15±0.05としたの
に対し、以下の実施例5〜8ではpHを10.5±0.
05に調整した。すなわち、水道水31リットルに、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウムを表2に示す通りの重量配合比率となる
ように洗浄剤組成物を溶かし込み、pHおよびECが同
表に示す値を呈する洗浄剤水溶液を得た。この洗浄剤水
溶液を用いて実施例1と同様にして汚染布の洗浄率を測
定した。結果を表2および図2に示す。
に対し、以下の実施例5〜8ではpHを10.5±0.
05に調整した。すなわち、水道水31リットルに、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウムを表2に示す通りの重量配合比率となる
ように洗浄剤組成物を溶かし込み、pHおよびECが同
表に示す値を呈する洗浄剤水溶液を得た。この洗浄剤水
溶液を用いて実施例1と同様にして汚染布の洗浄率を測
定した。結果を表2および図2に示す。
【0046】一方、実施例5〜8の参考例として、水道
水31リットルに、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムを表2に示す通り
の重量配合比率となるように洗浄剤組成物を溶かし込
み、pHおよびECが同表に示す値を呈する洗浄剤水溶
液を得た。この洗浄剤水溶液を用いて実施例1と同様に
して汚染布の洗浄率を測定した。結果を表2および図2
に示す。
水31リットルに、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムを表2に示す通り
の重量配合比率となるように洗浄剤組成物を溶かし込
み、pHおよびECが同表に示す値を呈する洗浄剤水溶
液を得た。この洗浄剤水溶液を用いて実施例1と同様に
して汚染布の洗浄率を測定した。結果を表2および図2
に示す。
【0047】
【表2】
【0048】考察
実施例1〜4の洗浄率と参考例5〜8の洗浄率を比べて
も明らかなように、本実施例に係るナトリウムイオンと
カリウムイオンとの含有モル比が1:4〜7:3の範囲
内にある洗浄剤組成物を水に溶かし込んだ洗浄剤水溶液
は、この範囲内にない洗浄剤水溶液に比べて高い洗浄性
能を発揮することが確認された。
も明らかなように、本実施例に係るナトリウムイオンと
カリウムイオンとの含有モル比が1:4〜7:3の範囲
内にある洗浄剤組成物を水に溶かし込んだ洗浄剤水溶液
は、この範囲内にない洗浄剤水溶液に比べて高い洗浄性
能を発揮することが確認された。
【0049】脱脂洗浄試験
次に脱脂洗浄効果を確認した。実施例9
厚さ1mm、100mm×100mmの大きさのSUS
304ステンレス板に機械加工油を薄く塗布した検体を
用意する。次に、1リットルの精製水に、炭酸ナトリウ
ム0.94g(0.008モル)、炭酸カリウム0.9
4g(0.007モル)、炭酸水素ナトリウム0.31
g(0.004モル)、炭酸水素カリウム0.31g
(0.003モル)の重量配合比率となる洗浄剤組成物
を加えて溶解した洗浄剤水溶液(pH=10.5)を用
意する。なお、ここで例示した0.25重量%洗浄剤水
溶液は、本発明に係る洗浄剤水溶液の使用時における標
準濃度である。そして、検体における機械加工油の塗布
部を、上記の洗浄剤水溶液を含ませた刷毛を用いて洗浄
した。この洗浄後の塗布部の光沢感を目視で確認し、光
沢感があるものを「○」、光沢感がないものを「×」と
評価した。結果を表3に示す。
304ステンレス板に機械加工油を薄く塗布した検体を
用意する。次に、1リットルの精製水に、炭酸ナトリウ
ム0.94g(0.008モル)、炭酸カリウム0.9
4g(0.007モル)、炭酸水素ナトリウム0.31
g(0.004モル)、炭酸水素カリウム0.31g
(0.003モル)の重量配合比率となる洗浄剤組成物
を加えて溶解した洗浄剤水溶液(pH=10.5)を用
意する。なお、ここで例示した0.25重量%洗浄剤水
溶液は、本発明に係る洗浄剤水溶液の使用時における標
準濃度である。そして、検体における機械加工油の塗布
部を、上記の洗浄剤水溶液を含ませた刷毛を用いて洗浄
した。この洗浄後の塗布部の光沢感を目視で確認し、光
沢感があるものを「○」、光沢感がないものを「×」と
評価した。結果を表3に示す。
【0050】比較例1
実施例9の比較例として、シンナー(有機溶剤)を用い
て、実施例9と同様の手順で洗浄を行い、洗浄後の光沢
感を目視で確認した。結果を表3に示す。
て、実施例9と同様の手順で洗浄を行い、洗浄後の光沢
感を目視で確認した。結果を表3に示す。
【0051】比較例2
シンナーに代えて水酸化ナトリウムの0.1%水溶液
(pH=12)を用いた以外は比較例1と同様の手順で
試験を行った。結果を表3に示す。
(pH=12)を用いた以外は比較例1と同様の手順で
試験を行った。結果を表3に示す。
【0052】比較例3
シンナーに代えて水酸化ナトリウムの0.001%水溶
液(pH=10.5)を用いた以外は比較例1と同様の
手順で試験を行った。結果を表3に示す。
液(pH=10.5)を用いた以外は比較例1と同様の
手順で試験を行った。結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】考察
シンナー及び強アルカリ性の水酸化ナトリウムを用いる
と機械加工油を良好に脱脂洗浄することができるが、p
H10.5程度の弱アルカリ性の水酸化ナトリウムでは
脱脂性能に劣る。しかしながら、実施例8の洗浄剤で
は、pH10.5程度の弱アルカリ性であるにも拘わら
ず、シンナーや強アルカリ性水酸化ナトリウムと同等の
脱脂性能を発揮する。
と機械加工油を良好に脱脂洗浄することができるが、p
H10.5程度の弱アルカリ性の水酸化ナトリウムでは
脱脂性能に劣る。しかしながら、実施例8の洗浄剤で
は、pH10.5程度の弱アルカリ性であるにも拘わら
ず、シンナーや強アルカリ性水酸化ナトリウムと同等の
脱脂性能を発揮する。
【0055】実施例10
300mlのガラスビーカーに食用油(ごま油)1gを
入れ、これを底面に均一に広げたのち、このビーカーに
実施例9にて得られた0.25重量%洗浄剤水溶液を3
00ml入れて5分間放置した。その後、メッシュ状の
アクリル束子でビーカーをこすり洗い、水道水で濯ぎを
行ったのち、濯ぎ後の水のはじき具合および油残りを目
視で確認し、水のはじき具合が良く油残りがないものを
「○」、そうでないものを「×」と評価した。結果を表
4に示す。
入れ、これを底面に均一に広げたのち、このビーカーに
実施例9にて得られた0.25重量%洗浄剤水溶液を3
00ml入れて5分間放置した。その後、メッシュ状の
アクリル束子でビーカーをこすり洗い、水道水で濯ぎを
行ったのち、濯ぎ後の水のはじき具合および油残りを目
視で確認し、水のはじき具合が良く油残りがないものを
「○」、そうでないものを「×」と評価した。結果を表
4に示す。
【0056】比較例4
実施例10の比較例として、市販の合成洗剤を用いて同
様の試験を行った。その結果を表4に示す。
様の試験を行った。その結果を表4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】考察
実施例10も比較例4も目視で確認した限りでは差はな
かったが、比較例4で洗浄した方のビーカーを触ったと
ころ、ややヌルヌルした感触があり、洗浄剤の残留が確
認された。
かったが、比較例4で洗浄した方のビーカーを触ったと
ころ、ややヌルヌルした感触があり、洗浄剤の残留が確
認された。
【0059】溶解度試験(洗浄後の粉残り) 実施例11
洗浄後の粉残りを確認するために、炭酸ナトリウム:炭
酸カリウム:炭酸水素ナトリウム:炭酸水素カリウム=
37.5:37.5:12.5:12.5の重量配合比
率となる洗浄剤組成物を、適量の精製水に溶かして、2
5重量%、0.25重量%、0.025重量%の濃度の
洗浄液をそれぞれ得た。各洗浄液をガラス板に薄く塗り
広げ、乾燥させたのち、ガラス板表面に残留する白い粉
の状態を目視にて確認した。ガラス板表面に残留物が全
くないものを「○」、やや残留物(白い粉)が観察され
たものを「△」、明らかに残留物(白い粉)が観察され
たものを「×」と評価した。結果を表5に示す。
酸カリウム:炭酸水素ナトリウム:炭酸水素カリウム=
37.5:37.5:12.5:12.5の重量配合比
率となる洗浄剤組成物を、適量の精製水に溶かして、2
5重量%、0.25重量%、0.025重量%の濃度の
洗浄液をそれぞれ得た。各洗浄液をガラス板に薄く塗り
広げ、乾燥させたのち、ガラス板表面に残留する白い粉
の状態を目視にて確認した。ガラス板表面に残留物が全
くないものを「○」、やや残留物(白い粉)が観察され
たものを「△」、明らかに残留物(白い粉)が観察され
たものを「×」と評価した。結果を表5に示す。
【0060】比較例5
実施例11の比較例として、参考例5にて得られた洗浄
組成物を精製水(イオン交換水)に溶かして、25重量
%、0.25重量%、0.025重量%の濃度の洗浄液
を得、実施例11と同様の試験を行った。結果を表5に
示す。
組成物を精製水(イオン交換水)に溶かして、25重量
%、0.25重量%、0.025重量%の濃度の洗浄液
を得、実施例11と同様の試験を行った。結果を表5に
示す。
【0061】
【表5】
【0062】考察
ナトリウムイオン100%の比較例5では、0.025
重量%の濃度でも白い粉の残留が確認されたが、実施例
11の洗浄剤では、最大濃度である25重量%にしたと
きのみ若干確認された以外は、白い粉の残留は確認され
なかった。
重量%の濃度でも白い粉の残留が確認されたが、実施例
11の洗浄剤では、最大濃度である25重量%にしたと
きのみ若干確認された以外は、白い粉の残留は確認され
なかった。
【0063】防食試験 実施例12
金属製被洗浄物に対する防食効果を確認するために、炭
酸ナトリウム23モル%、重炭酸ナトリウム28モル
%、炭酸カリウム46モル%、メタケイ酸ナトリウム3
モル%のモル配合比率となる洗浄剤組成物を精製水に溶
かし込み、pHが10.3の0.25重量%の濃度の洗
浄液を得た。この洗浄液を300mlのビーカーに入
れ、アルミニウム製試験片(厚さ1mm、15L型材、
長さ120mm)の約85%が浸漬するように液中に入
れた。これを1時間、60時間、120時間放置し、ア
ルミニウム基材の表面に生じる腐食状態(表面が黒色に
変化する)を目視にて観察した。結果を表6に示す。
酸ナトリウム23モル%、重炭酸ナトリウム28モル
%、炭酸カリウム46モル%、メタケイ酸ナトリウム3
モル%のモル配合比率となる洗浄剤組成物を精製水に溶
かし込み、pHが10.3の0.25重量%の濃度の洗
浄液を得た。この洗浄液を300mlのビーカーに入
れ、アルミニウム製試験片(厚さ1mm、15L型材、
長さ120mm)の約85%が浸漬するように液中に入
れた。これを1時間、60時間、120時間放置し、ア
ルミニウム基材の表面に生じる腐食状態(表面が黒色に
変化する)を目視にて観察した。結果を表6に示す。
【0064】比較例6
実施例12の比較例として、炭酸ナトリウム31モル
%、重炭酸ナトリウム23モル%、炭酸カリウム46モ
ル%のモル配合比率となる洗浄剤組成物(メタケイ酸ナ
トリウム0モル%)を精製水に溶かし込み、pHが1
0.6の0.25重量%の濃度の洗浄液を得、実施例1
2と同様の試験を行った。結果を表6に示す。
%、重炭酸ナトリウム23モル%、炭酸カリウム46モ
ル%のモル配合比率となる洗浄剤組成物(メタケイ酸ナ
トリウム0モル%)を精製水に溶かし込み、pHが1
0.6の0.25重量%の濃度の洗浄液を得、実施例1
2と同様の試験を行った。結果を表6に示す。
【0065】
【表6】
【0066】考察
ケイ酸塩を含まない比較例6の洗浄剤では1時間経過後
には既に腐食の進行が観察されたが、ケイ酸塩を含む実
施例12の洗浄剤では1週間経過後でも腐食の進行は全
く確認されなかった。
には既に腐食の進行が観察されたが、ケイ酸塩を含む実
施例12の洗浄剤では1週間経過後でも腐食の進行は全
く確認されなかった。
【0067】pH緩衝試験 実施例13
洗浄液濃度を変えたときのpH変化を確認するために、
炭酸ナトリウム37.5モル%、重炭酸ナトリウム1
2.5モル%、炭酸カリウム37.5モル%、炭酸水素
カリウム12.5モル%のモル配合比率となる洗浄剤組
成物を用い、この洗浄剤組成物10gを23℃の精製水
に溶かして、10重量%、1重量%、0.1重量%、
0.01重量%の濃度の洗浄液を得た。それぞれのpH
を測定した結果を表7に示す。
炭酸ナトリウム37.5モル%、重炭酸ナトリウム1
2.5モル%、炭酸カリウム37.5モル%、炭酸水素
カリウム12.5モル%のモル配合比率となる洗浄剤組
成物を用い、この洗浄剤組成物10gを23℃の精製水
に溶かして、10重量%、1重量%、0.1重量%、
0.01重量%の濃度の洗浄液を得た。それぞれのpH
を測定した結果を表7に示す。
【0068】比較例7
実施例13の比較例として、炭酸ナトリウムを23℃の
精製水に溶かして、10重量%、1重量%、0.1重量
%、0.01重量%の濃度の洗浄液を得た。それぞれの
pHを測定した結果を表7に示す。
精製水に溶かして、10重量%、1重量%、0.1重量
%、0.01重量%の濃度の洗浄液を得た。それぞれの
pHを測定した結果を表7に示す。
【0069】
【表7】
【0070】考察
比較例7の洗浄液のpHは水溶液濃度に大きく依存する
が、実施例13の洗浄剤水溶液のpHは水溶液濃度を変
えてもほとんど変化しない。
が、実施例13の洗浄剤水溶液のpHは水溶液濃度を変
えてもほとんど変化しない。
【0071】溶解性
本例の洗浄剤組成物を構成する炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸水素カリウム及び炭酸水素カリウムそれぞ
れの温度別溶解度を確認した。この結果を表8に示す
が、カリウム塩はナトリウム塩に比べてモル比で約3倍
の溶解度を示し、また温度が低温となってもこの特性を
維持する。
リウム、炭酸水素カリウム及び炭酸水素カリウムそれぞ
れの温度別溶解度を確認した。この結果を表8に示す
が、カリウム塩はナトリウム塩に比べてモル比で約3倍
の溶解度を示し、また温度が低温となってもこの特性を
維持する。
【0072】
【表8】
【0073】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【0074】具体的には、たとえば、本発明に係る洗浄
剤組成物が溶かし込まれる被希釈水としては、水道水、
精製水、純水など、様々な種類の水を用いることができ
るが、被希釈水として苛性ソーダ水など、何らかの薬剤
が溶かし込まれた水を除外する趣旨ではないことを付言
しておく。
剤組成物が溶かし込まれる被希釈水としては、水道水、
精製水、純水など、様々な種類の水を用いることができ
るが、被希釈水として苛性ソーダ水など、何らかの薬剤
が溶かし込まれた水を除外する趣旨ではないことを付言
しておく。
【0075】最後に、本実施例中、ナトリウムイオンと
カリウムイオンとの含有モル比を1:4〜7:3とする
ことで、洗浄力が高く、しかも保存性に優れた洗浄剤組
成物を提供し得る旨を主張しているところ、本発明は、
ナトリウムおよびカリウムの無機塩を主成分として含有
し、水溶液としたときに、炭酸イオン、重炭酸イオン、
ナトリウムイオン、およびカリウムイオンを含んでいる
洗浄剤組成物全般をその技術的範囲の射程に捕らえてい
るのであって、上述したモル比に拘泥する趣旨ではない
ことを明らかにしておく。
カリウムイオンとの含有モル比を1:4〜7:3とする
ことで、洗浄力が高く、しかも保存性に優れた洗浄剤組
成物を提供し得る旨を主張しているところ、本発明は、
ナトリウムおよびカリウムの無機塩を主成分として含有
し、水溶液としたときに、炭酸イオン、重炭酸イオン、
ナトリウムイオン、およびカリウムイオンを含んでいる
洗浄剤組成物全般をその技術的範囲の射程に捕らえてい
るのであって、上述したモル比に拘泥する趣旨ではない
ことを明らかにしておく。
【図1】本発明に係るカリウムの混合率と洗浄率との関
係を示すグラフである。
係を示すグラフである。
【図2】本発明に係るカリウムの混合率と洗浄率との関
係を示すグラフである。
係を示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C11D 3/386 C11D 3/386
3/48 3/48
7/14 7/14
7/22 7/22
7/40 7/40
Fターム(参考) 4H003 DA05 DA11 DA14 DA19 EA15
EA16 EB04 EB28 EB30 EB33
EB42 FA03 FA28 FA29 FA30
FA34 FA47
Claims (15)
- 【請求項1】 主たる洗浄作用がアルカリにより得られ
る洗浄剤組成物であって、ナトリウムおよびカリウムの
無機塩を主成分として含有し、水溶液としたときに、炭
酸イオン、重炭酸イオン、ナトリウムイオン、およびカ
リウムイオンを含んでいる洗浄剤組成物。 - 【請求項2】 前記無機塩は、pH緩衝作用塩とアルカ
リ性塩とを主成分として含有する請求項1記載の洗浄剤
組成物。 - 【請求項3】 前記無機塩は、重炭酸塩と、炭酸塩と、
を主成分として含有し、前記無機塩の総量が洗浄剤成分
総量の90重量%以上である請求項1又は2記載の洗浄
剤組成物。 - 【請求項4】 前記無機塩を1%水溶液としたときのp
Hが9〜11である請求項1〜3記載の洗浄剤組成物。 - 【請求項5】 水溶液としたときに、ナトリウムイオン
とカリウムイオンとの含有モル比が1:4〜7:3であ
る請求項1〜4の何れかに記載の洗浄剤組成物。 - 【請求項6】 添加剤としてケイ酸塩を含む請求項1〜
5の何れかに記載の洗浄剤組成物。 - 【請求項7】 添加剤として水溶性高分子物質を含む請
求項1〜6の何れかに記載の洗浄剤組成物。 - 【請求項8】 前記水溶性高分子物質は、増粘作用及び
/又は表面張力低下作用を有する請求項7記載の洗浄剤
組成物。 - 【請求項9】 前記水溶性高分子物質は、少なくとも、
ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリビ
ニルピロリドンの何れかを含む請求項7又は8記載の洗
浄剤組成物。 - 【請求項10】 添加剤として脂肪酸系界面活性剤を含
む請求項1〜9の何れかに記載の洗浄剤組成物。 - 【請求項11】 添加剤として軟水化剤を含む請求項1
〜10の何れかに記載の洗浄剤組成物。 - 【請求項12】 添加剤として酵素を含む一方で、必要
に応じて還元剤を含む請求項1〜11の何れかに記載の
洗浄剤組成物。 - 【請求項13】 添加剤として殺菌剤を含む請求項1〜
12の何れかに記載の洗浄剤組成物。 - 【請求項14】 添加剤としてアルコール及び/または
多価アルコールの重縮合物を含む請求項1〜13の何れ
かに記載の洗浄剤組成物。 - 【請求項15】請求項1〜14の何れかに記載の洗浄剤
組成物を水溶液とした液体洗浄剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001184135A JP2003003198A (ja) | 2001-06-18 | 2001-06-18 | 洗浄剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001184135A JP2003003198A (ja) | 2001-06-18 | 2001-06-18 | 洗浄剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003003198A true JP2003003198A (ja) | 2003-01-08 |
Family
ID=19023956
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001184135A Pending JP2003003198A (ja) | 2001-06-18 | 2001-06-18 | 洗浄剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003003198A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010121038A (ja) * | 2008-11-19 | 2010-06-03 | Asahi Glass Co Ltd | 酸性付着物除去剤および酸性付着物の除去方法 |
JP2013122032A (ja) * | 2011-12-12 | 2013-06-20 | Ishihara Chem Co Ltd | 硬表面洗浄剤組成物 |
-
2001
- 2001-06-18 JP JP2001184135A patent/JP2003003198A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010121038A (ja) * | 2008-11-19 | 2010-06-03 | Asahi Glass Co Ltd | 酸性付着物除去剤および酸性付着物の除去方法 |
JP2013122032A (ja) * | 2011-12-12 | 2013-06-20 | Ishihara Chem Co Ltd | 硬表面洗浄剤組成物 |
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