JP2003003002A - ポリエステル系樹脂発泡粒子及びその成形体 - Google Patents

ポリエステル系樹脂発泡粒子及びその成形体

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JP2003003002A
JP2003003002A JP2001189531A JP2001189531A JP2003003002A JP 2003003002 A JP2003003002 A JP 2003003002A JP 2001189531 A JP2001189531 A JP 2001189531A JP 2001189531 A JP2001189531 A JP 2001189531A JP 2003003002 A JP2003003002 A JP 2003003002A
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resin
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Mitsuru Shinohara
篠原  充
Tomoo Tokiwa
知生 常盤
Masakazu Sakaguchi
正和 坂口
Toshio Tokoro
寿男 所
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JSP Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性が良好なポリエステル系樹脂発泡粒子
を提供する。 【解決手段】 ジオール成分とジカルボン酸成分を含有
し、該ジカルボン酸成分単位として、テレフタル酸成分
単位と、アジピン酸成分単位及び/又はコハク酸成分単
位とを含む融点が90〜150℃であるポリエステル共
重合体を基材樹脂とした見掛け密度が0.02〜0.6
g/cm3のポリエステル系樹脂発泡粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性、耐加水
分解性に優れるとともに、圧縮、引張等の機械的物性に
おいて優れた特性を有するポリエステル系樹脂発泡粒子
及びその成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等の樹脂からなる発泡粒子成形体は包装用緩衝
材、農産箱、魚箱、自動車部材、建築材料、土木材料等
幅広く使用されている。しかしながら、これらの発泡粒
子成形体は使用後、自然環境下で放置された場合に微生
物により殆ど分解されないためごみ散乱による環境破壊
の問題を引き起こす虞がある。このために、近年、自然
環境中で分解処理される生分解性プラスチックからなる
発泡粒子成形体が求められている。
【0003】そこで、本出願人による特開2000−1
09595号公報には、圧縮物性が良好な生分解性を有
するポリエステル系樹脂発泡粒子成形体が記載されてい
る。しかし、該公報における生分解性発泡粒子成形体
は、汎用のポリエチレン樹脂発泡粒子成形体と比べる
と、発泡体の引張伸びが更に低く、弾性率も高く柔軟性
において十分なものではなく、緩衝性包装材としては改
善の余地を残すものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、柔軟
性が良好なポリエステル系樹脂発泡粒子を提供するとと
もに、該発泡粒子を成形してなる引張伸び性に優れ、柔
軟性が良好な発泡粒子成形体を提供することをその課題
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成
するに至った。即ち、本発明によれば、以下に示すポリ
エステル系樹脂発泡粒子及びその成形体が提供される。 (1)ジオール成分とジカルボン酸成分を含有し、該ジ
カルボン酸成分単位として、テレフタル酸成分単位と、
アジピン酸成分単位及び/又はコハク酸成分単位とを含
む融点が90〜150℃であるポリエステル共重合体を
基材樹脂とした見掛け密度が0.02〜0.6g/cm
3のポリエステル系樹脂発泡粒子。 (2)ジオール成分とジカルボン酸成分を含有し、該ジ
カルボン酸成分単位として、テレフタル酸成分単位と、
アジピン酸成分単位及び/又はコハク酸成分単位とを含
む融点が90〜150℃であるポリエステル共重合体を
基材樹脂とした密度が0.012〜0.4g/cm3
ゲル分率が10〜90重量%のポリエステル系樹脂発泡
粒子成形体。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル系樹脂発泡
粒子(以下、単に発泡粒子とも言う)は、生分解性を有
するポリエステル系樹脂を基材樹脂として作製された樹
脂粒子を発泡させることにより製造される。本発明のポ
リエステル系樹脂発泡粒子は、主たるジカルボン酸成分
単位として、(i)テレフタル酸成分単位と、(ii)ア
ジピン酸成分単位及び/又はコハク酸成分単位とを含む
ポリエステル共重合体を基材樹脂とする。
【0007】本発明で用いる上記ポリエステル共重合体
は、ジカルボン酸成分とジオール成分とを重縮合させる
方法やポリエステル単独重合体及び/又はポリエステル
系共重合体のエステル交換反応等により製造される。本
発明で用いるポリエステル共重合体のジカルボン酸成分
とジオール成分について詳述すると、ジカルボン酸成分
としてはジカルボン酸あるいはその反応性誘導体を使用
できる。該反応性誘導体には、ジメチルエステル、ジエ
チルエステルなどの炭素数1〜4のアルキルエステル誘
導体、ジアンモニウム塩などの塩、ジクロリドなどの酸
ハロゲン化物などを挙げることができる。これらのジカ
ルボン酸の反応性誘導体は、ジカルボン酸と同様の反応
性を示すものである。
【0008】上記ポリエステル共重合体において、その
主たるジカルボン酸成分単位は、(i)テレフタル酸成
分単位と、(ii)アジピン酸成分単位及び/又はコハク
酸成分単位であり、そのモル比は20:80〜50:5
0が好ましく、更に、より低密度のものが得られ、生分
解性に優れるものとなる点で、30:70〜45:55
が一層好ましい。該モル比が20:80〜50:50の
もの以外では、目的とする物性又は生分解性のものが得
られない虞がある。なお、上記主たるジカルボン酸成分
単位が(i)テレフタル酸成分単位と、(ii)アジピン
酸成分単位及び/又はコハク酸成分単位であるという意
味は、(i)テレフタル酸成分単位と、(ii)アジピン
酸成分単位及び/又はコハク酸成分単位の他に、(ii
i)他のジカルボン酸成分単位を30mol%以下、好
ましくは20mol%以下で含有していてもよいことを
意味する。
【0009】他のジカルボン酸成分単位としては、フタ
ル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン
酸、3,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−ナフ
タレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン
酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等
の如き芳香族ジカルボン酸あるいはその無水物、あるい
はその反応性誘導体から誘導される成分単位、またはグ
ルタール酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカンジオン酸等の如き脂肪族ジカルボ
ン酸あるいはその無水物、あるいはその反応性誘導体か
ら誘導される成分単位、または1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、
デカリンジカルボン酸類、テトラリンジカルボン酸類等
の如き脂環族ジカルボン酸あるいはその無水物、あるい
はその反応性誘導体から誘導される成分単位を挙げるこ
とができる。
【0010】一方、ジオール成分単位としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、トリメチレング
リコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジ
オール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール等の如き脂肪族ジオー
ルから誘導される成分単位、または1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,6−シクロヘキサンジオール等の如き脂環族ジ
オールから誘導される成分単位、またはビスフェノール
A等の如き芳香族ジオールから誘導される成分単位を挙
げることができ、中でも、エチレングリコール、1,2
−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,
2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールから誘導
される成分単位が好ましい。特に、主たるジオール成分
単位は、ブタンジオール成分単位であることが好まし
い。なお、上記主たるジオール成分単位がブタンジオー
ル成分単位であるという意味は、ブタンジオール成分単
位の他に、他のジオール成分単位を30mol%以下、
好ましくは20mol%以下で含有していてもよいと言
うことを意味する。
【0011】また、本発明で用いる基材樹脂には、前記
ポリマーを連結剤を介して高分子量化したものや、複数
のポリマーをブレンドしたもの、炭酸ジエステル共重合
物等も包含される。前記連結剤としては、2,4−トリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート等のジイソシアネート;ジフェニルカーボ
ネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニ
ル)カーボネート、m−クレジルカーボネート等のアリ
ールカーボネート等が挙げられる。
【0012】また、前記のポリエステル共重合体は、例
えば、少量の安息香酸、ベンゾイル安息香酸、ベンジル
オキシ安息香酸、メトキシポリエチレングリコール等の
如き単官能化合物から誘導される成分単位によって分子
末端を封止されていてもよい。また、トリメリット酸、
ピロメリット酸、トリメシン酸、グリセリン、ペンタエ
リスリトール等の如き多官能化合物から誘導される成分
単位を少量含んでいてもよい。さらに、本発明で用いる
ポリエステル共重合体は、各種変性体であることができ
る。このような変性体としては、従来公知のもの、例え
ば、特表平10−508640号、特表平10−508
645号、特表平10−508647号、特表平10−
512006号、特表平11−500761号、特表平
11−511767号、特表平11−500762号、
特表平11−500157号、特表2000−5043
55号等の各公報に記載の変性体を挙げることができ
る。
【0013】本発明で用いる基材樹脂としては、上記ポ
リエステル共重合体を単独で用いるだけでなく、このも
のには他の熱可塑性樹脂を混合することができる。混合
できる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、
ポリα−メチルスチレン、スチレン無水マレイン酸コポ
リマー、ポリフェニレンオキサイドとポリスチレンとの
ブレンド又はグラフトポリマー、アクリロニトリル−ス
チレンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレンターポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマ
ー、ハイインパクトスチレンなどのスチレン系重合体;
ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、
エチレン又はプロピレンと塩化ビニルのコポリマーなど
の塩化ビニル系重合体;ポリアミド系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン−
ブテンランダムコポリマー、エチレン−ブテンブロック
コポリマー、エチレン−プロピレンブロックコポリマ
ー、エチレン−プロピレンランダムコポリマー、エチレ
ン−プロピレン−ブテンランダムターポリマー、ホモポ
リプロホピレンなどのポリプロピレン系樹脂、低密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエ
チレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−
メチルメタクリレートコポリマー、エチレン−メタクリ
ル酸コポリマーの分子間を金属イオンで架橋したアイオ
ノマー系樹脂などのポリエチレン系樹脂やポリブテン−
1、ポリペンテン、エチレン−アクリル酸−無水マレイ
ン酸ターポリマーなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート及びその共重合体などのポリエス
テル系樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコー
ル、変成デンプン等の生分解性樹脂などが挙げられる。
上記熱可塑性樹脂は単独又は2種以上を混合して用いる
ことができる。この場合、上記熱可塑性樹脂は発泡体を
構成する樹脂に対して40重量%未満の割合、更に30
重量%以下、特に15重量%以下の割合で混合されるこ
とが好ましい。
【0014】本発明の発泡粒子を好ましく製造するに
は、先ず、樹脂粒子を作る。この粒子の製造方法自体
は、従来公知の方法で作ることができ、例えば、基材樹
脂を押出機で溶融混練した後、ストランド状に押出し、
冷却後、適宜の長さに切断するか又はストランドを適宜
長さに切断後冷却することによって得ることができる。
樹脂粒子の1個当りの平均重量は、0.05〜10m
g、好ましくは1〜8mg、更に好ましくは1〜4mg
にするのがよい。粒子重量が前記範囲より小さくなる
と、その樹脂粒子の製造が困難になる。一方、粒子重量
が前期範囲より大きくなると、得られる発泡粒子の表層
部と内部との機械的物性、熱的特性の差が大きくなり発
泡粒子自体の緩衝性、該粒子の成形時の成形性に劣るも
のとなる虞がある。本明細書において樹脂粒子1個当り
の平均重量は500個以上の樹脂粒子群の重量を測定
し、次に該粒子群を構成している樹脂粒子の個数を数
え、該重量を該個数にて割り算することにより求まる値
とする。
【0015】尚、基材樹脂を押出機で溶融混練しストラ
ンド状に押出す工程において、基材樹脂が吸湿性を有す
るものの場合、基材樹脂を予め乾燥させておくことが好
ましい。発泡用の樹脂粒子に発泡粒子の気泡の均一性に
悪影響を及ぼす気泡が混入したり、押出機で溶融混練す
る場合に基材樹脂の物性低下が起こりメルトフローレイ
ト(MFR)が極端に大きくなってしまう恐れがある。
また、押出温度条件についても基材樹脂のMFRが極端
に大きくならないように条件を設定する。
【0016】前記基材樹脂は、例えば、黒、灰色、茶
色、青色、緑色等の着色顔料又は染料を添加して着色し
たものであってもよい。着色した基材樹脂より得られた
着色樹脂粒子を用いれば、着色された発泡粒子及び成形
体を得ることができる。着色剤としては、有機系、無機
系の顔料、染料などが挙げられる。このような、顔料及
び染料としては、従来公知の各種のものを用いることが
できる。また、基材樹脂には、気泡調整剤として、例え
ばタルク、炭酸カルシウム、ホウ砂、ほう酸亜鉛、水酸
化アルミニウム等の無機物をあらかじめ添加することが
できる。基材樹脂に着色顔料、染料又は無機物等の添加
剤を添加する場合は、添加剤をそのまま基材樹脂に練り
込むこともできるが、通常は分散性等を考慮して添加剤
のマスターバッチを作り、それと基材樹脂とを混練する
ことが好ましい。着色顔料又は染料の添加量は着色の色
によっても異なるが、通常基材樹脂100重量部に対し
て0.001〜5重量部とするのが好ましい。無機物を
基材樹脂に添加することにより、発泡倍率の向上効果を
得ることができる。尚、製品使用後に廃棄されることを
想定すると、顔料及び気泡調整剤等の添加剤の高濃度添
加は好ましくない。
【0017】本発明では、前記樹脂粒子は、該樹脂粒子
を発泡させることにより発泡粒子とし該発泡粒子を成形
型に充填し加熱成形するための熱成形材料として使用す
る場合には、ゲル化させることが好ましい。樹脂粒子の
ゲル化の指標としては、発泡粒子のゲル分率を採用する
ことができ、そのゲル分率は5重量%以上、好ましくは
10〜90重量%、更に好ましくは25〜80重量%に
調整される。
【0018】この場合の樹脂粒子のゲル化処理は、密閉
容器内で樹脂粒子を分散媒とともに分散させ、架橋剤、
必要に応じて架橋助剤を添加して加熱することにより実
施することができる。分散媒としては、樹脂粒子を溶解
させないものであればどのようなものでもよい。このよ
うなものとしては、例えば、水、エチレングリコール、
メタノール、エタノール等が挙げられるが、通常は水が
使用される。樹脂粒子を分散媒に分散せしめて加熱する
に際し、その樹脂粒子相互の融着を防止するために融着
防止剤を用いることが好ましい。この融着防止剤として
は、分散媒に溶解せず、加熱によって溶融しないもので
あれば無機系、有機系を問わずに使用可能であるが、一
般には無機系のものが好ましい。無機系の融着防止剤と
しては、リン酸三カルシウム、カオリン、タルク、マイ
カ、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウ
ム等の粉体が好適である。また、分散助剤として、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリ
ウム等のアニオン系界面活性剤を好適に使用することが
できる。上記融着防止剤としては、平均粒径0.001
〜100μm、特に0.001〜30μmのものが好ま
しい。融着防止剤の分散媒中への添加量は樹脂粒子10
0重量部に対し、通常は0.01〜10重量部が好まし
い。また、分散助剤は樹脂粒子100重量部に対し、通
常0.001〜5重量部を分散媒中に添加することが好
ましい。
【0019】前記架橋剤としては、従来公知の有機過酸
化物、例えば、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイ
ルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジア
シルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキ
シル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパー
オキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、
t−ブチルパーオキシイソブチレート等のパーオキシエ
ステル等のいずれのものも使用できる。本発明の場合、
特に、1時間の半減期を与える温度が基材樹脂の〔融点
−30℃〕〜〔融点+10℃〕のものの使用が好まし
い。分解温度が余りにも高い有機過酸化物を用いると、
水中で樹脂粒子を加熱する場合に、その加熱温度が高く
なり、また加熱時間も長くなるため、基材樹脂が加水分
解する恐れがあるので好ましくない。
【0020】尚、本明細書において、融点はJIS K
7121(1987)に基づいて測定する。基材樹脂の
融点は、示差走査熱量測定によって得られる第2回目の
DSC曲線から得られる、ピーク頂点の温度である。本
発明で言う基材樹脂の示差走査熱量測定によって得られ
る第2回目のDSC曲線とは、基材樹脂1〜5mgを、
示差走査熱量計によって10℃/分の昇温速度で220
℃まで昇温し(ここで、得られるDSC曲線を第1回目
のDSC曲線という。)、次いで、220℃から10℃
/分の降温速度で30℃まで降温する。その後、再度1
0℃/分の昇温速度で220℃まで昇温して得られるD
SC曲線を第2回目のDSC曲線をいう。また、本発明
において該基材樹脂にピーク頂点の温度が2つ以上現れ
る場合には、ピーク面積の最も広いピークのピーク頂点
の温度を融点とする。
【0021】本発明では、前記有機過酸化物の使用と関
連して、架橋助剤として、分子内に少なくとも1個の不
飽和結合を有する化合物を用いるのが好ましい。この場
合の不飽和結合には、2重結合の他、3重結合を有する
ものが包含される。このような架橋助剤としては、アク
リル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアク
リル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル等のメタクリル酸エステル;スチレン等の不飽和結
合を1個有するもの、ジビニルベンゼン等のジビニル化
合物;エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレ
ングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリ
レート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、
エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等
のアクリレート系又はメタクリレート系の化合物;トリ
アリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の
シアヌール酸又はイソシアヌール酸のアリルエステル;
トリメリット酸トリアリルエステル、トリメシン酸トリ
アリルエステル、ピロメリット酸トリアリルエステル、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸トリアリルエステル、
シュウ酸ジアリル、コハク酸ジアリル、アジピン酸ジア
リル等のカルボン酸のアリルエステル;N−フェニルマ
レイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド等
のマレイミド系化合物;1,2−ポリブタジエン等の2
重結合を有するポリマー;フタル酸ジプロバギル、イソ
フタル酸ジプロバギル、トリメシン酸トリプロバギル、
イタコン酸ジプロバギル、マレイン酸ジプロバギル等の
2個以上の3重結合を有する化合物等が挙げられる。本
発明においては、有機過酸化物と、ジビニル化合物、ア
クリル酸、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エス
テルとの組合わせ、殊にベンゾイルパーオキサイドと、
ジビニルベンゼンまたはメタクリル酸メチルとの組合わ
せが好ましい。
【0022】架橋剤として用いる有機過酸化物の使用割
合は、樹脂粒子100重量部当り、0.01〜10重量
部、好ましくは0.1〜5重量部の割合である。また、
架橋助剤として用いる不飽和化合物の使用割合は、樹脂
粒子100重量部当り、0.001〜10重量部、好ま
しくは0.01〜2重量部の割合である。分散媒中で架
橋剤の存在下で樹脂粒子を加熱しゲル化させる場合、そ
の加熱温度は、樹脂粒子の基材樹脂の種類により異なり
一義的に決めることは困難であるが、一般的には、その
基材樹脂の融点よりも60℃程度低い温度以上の温度で
ある。例えば、基材樹脂が1,4−ブタンジオール成分
とアジピン酸成分とテレフタル酸成分とからなるポリエ
ステル樹脂(融点:116℃)の場合、その加熱温度
は、50〜140℃、である。前記樹脂粒子は、前記分
散媒中における架橋剤の存在下での加熱により、ゲル化
される。但し、加熱条件下での長時間保持は基材樹脂の
加水分解を進行させ、またゲルの発現性、樹脂物性を悪
くすることから、ゲル化処理時間としては3時間未満に
することが好ましい。
【0023】また、本発明においては、樹脂粒子をゲル
化させるために加熱温度未満の温度にて有機過酸化物等
の含浸工程を採用することが好ましい。その含浸温度
は、基材樹脂の種類により異なり一義的に決めることは
困難であるが、有機過酸化物の20時間の半減期を与え
る温度から5時間の半減期を与える温度の範囲から選択
されることが好ましい。含浸時間は、樹脂粒子の粒子重
量によっても異なってくるが、10〜120分、好まし
くは10〜60分である。含浸工程においても、長時間
保持は含浸性が向上する反面、基材樹脂の加水分解が進
行する恐れがあるため好ましくない。また、含浸時間が
短い場合、得られる発泡粒子内部のゲル分率が低くなっ
てしまう虞がある。ゲル化樹脂粒子は、例えば、樹脂粒
子が1,4−ブタンジオール成分とアジピン酸成分とテ
レフタル酸成分とからなるポリエステル樹脂(融点:1
16℃)、有機過酸化物が過酸化ベンゾイルの場合、そ
の含浸温度は65〜85℃、好ましくは70〜80℃、
また含浸時間は10〜120分、好ましくは10〜60
分とすることにより得ることができる。また、樹脂粒子
を密閉容器内で、架橋剤、必要に応じて架橋助剤と反応
させる場合、密閉容器内の酸素濃度を低くすることが好
ましい。好ましい酸素濃度としては5体積%以下、さら
に好ましくは1体積%以下である。酸素濃度を低くする
方法としては、無機ガス、例えば窒素ガス、アルゴンガ
ス、水蒸気等でパージする方法等が挙げられるが、その
他どのような方法でも採用できる。また、使用する分散
媒として、溶存酸素濃度が9.5mg/l以下、更に
8.5mg/l以下のものとすることが好ましい。
【0024】前記においては、樹脂粒子を有機過酸化物
を用いてゲル化する方法について示したが、このゲル化
処理は、有機過酸化物を用いるものに限らず、他の公知
の方法、例えば、電子線架橋法、シラン架橋法、ジイソ
シアネート架橋法等を用いて樹脂粒子製造後又は発泡粒
子製造後等、適当なタイミングでゲル化処理を組み込み
行うことにより最終的にゲル化発泡粒子とすることがで
きる。
【0025】本発明においては樹脂粒子を発泡させるこ
とにより発泡粒子を得る。この場合の樹脂粒子の発泡方
法としては、その樹脂粒子を密閉容器内において発泡剤
の存在下で前記したものと同様の分散媒に分散させると
ともに、その内容物を加熱して樹脂粒子を軟化させて、
発泡剤を含浸させた軟化樹脂粒子とし、次いで容器の一
端を開放し、容器内圧力を発泡剤の蒸気圧以上の圧力に
保持しながら粒子と分散媒とを同時に容器内よりも低圧
の雰囲気(通常は大気圧下)に放出して発泡させる発泡
方法を好ましく採用することができる。また、他の方法
として、樹脂粒子に密閉容器内で発泡剤を含浸させて発
泡性粒子を得た後、これを密閉容器から取出し、その樹
脂粒子を加熱軟化させて発泡させる方法、あらかじめ分
解型発泡剤を樹脂粒子中に練り込んでおきその樹脂粒子
を発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させる方法等を
用いることもできるが、目標とする密度が小さなものに
なるに従って、独立気泡率の高い発泡粒子を得ることが
難しくなる。
【0026】本発明において、上記過酸化物によるゲル
化処理工程を採用する場合、ゲル化と発泡を連続的に一
連の工程で行うことが好ましい。製造サイクルが短縮さ
れることにより生産性が向上するとともに、基材樹脂の
加水分解が抑制されるといった効果がある。この場合、
架橋剤、必要に応じて前記架橋助剤を添加し、前記ゲル
化処理を終了させた後、発泡剤を添加して発泡剤を樹脂
粒子に含浸させて発泡させる方法、又は、架橋剤等を添
加すると同時に発泡剤も添加し、それらを樹脂粒子に含
浸させてゲル化処理を終了させた後に発泡させる方法等
の方法が採用できる。
【0027】上記発泡粒子を得るに際して用いられる発
泡剤としては、従来公知のもの、例えば、プロパン、ブ
タン、ヘキサン、シクロブタン、シクロヘキサン、トリ
クロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン、クロロ
フロロメタン、トリフロロメタン、1,1,1,2−テ
トラフロロエタン、1−クロロ−1,1−ジフロロエタ
ン、1,1−ジフロロエタン、1−クロロ−1,2,
2,2−テトラフロロエタン等の有機系の物理発泡剤
や、窒素、二酸化炭素、アルゴン、空気等の無機系の物
理発泡剤が用いられるが、なかでもオゾン層の破壊がな
く且つ安価な無機系の物理発泡剤が好ましく、特に窒
素、二酸化炭素、空気が好ましい。
【0028】前記発泡方法において、その発泡剤は密閉
容器内が5〜100kgf/cm2Gの圧力範囲になる
ように樹脂粒子を充填した密閉容器内に圧入すればよ
い。これらの発泡剤の使用量は、所望する発泡粒子の見
かけ密度と発泡温度との関係から適宜選定される。ま
た、その際の樹脂粒子の加熱温度は、発泡剤をその粒子
内に含浸させるのに適した温度であればよく、その樹脂
粒子の〔融点−25℃〕〜〔融点+30℃〕の温度が採
用される。発泡剤を含浸している樹脂粒子を密閉容器か
ら低圧域に放出する際の温度、すなわち発泡温度は、通
常、基材樹脂の融点±30℃、好ましくは〔融点−30
℃〕〜〔融点+20℃〕である。
【0029】本発明における発泡粒子は、見かけ密度が
0.02〜0.6g/cm3、好ましくは0.025〜
0.4g/cm3である。密度が前記範囲より大きい場
合は、発泡粒子の密度のばらつきが大きくなり易く、型
内にて加熱成形する際の発泡粒子の膨張性、融着性のば
らつきに繋がり得られる発泡粒子成形体の物性低下の虞
がある。一方、前記範囲より小さい場合、発泡倍率が比
較的高いために、加熱膨張時に十分な膜強度が維持でき
なくなる虞れがある。
【0030】本明細書において発泡粒子の見かけ密度
は、23℃のエタノールの入ったメスシリンダーを用意
し、該メスシリンダーに相対湿度50%、23℃、1a
tmの条件にて2日放置した500個以上の発泡粒子
(発泡粒子群の重量W1)を金網などを使用して沈め
て、エタノール水位上昇分より読みとられる発泡粒子群
の容積V1(cm3)にてメスシリンダーに入れた発泡
粒子群の重量W1(g)を割り算することにより求める
(W1/V1)。
【0031】本発明では、ゲル分率が5重量%以上のも
の、更に、ゲル分率が10〜90重量%のもの、特に、
ゲル分率が25〜80重量%である発泡粒子を用いるこ
とが優れた寸法安定性、成形性の点で好ましい。本明細
書において発泡粒子のゲル分率は、試料として約1gの
発泡粒子(樹脂粒子を測定する場合は樹脂粒子を、発泡
粒子成形体を測定する場合は発泡粒子成形体を試料とす
る)を精秤して重量(W3)を求める。次に、150m
lのフラスコに精秤した重量(W3)の試料と100m
lのクロロホルムを入れ、大気圧下で10時間、62℃
で加熱還流した後、得られた加熱処理物を充分に熱い状
態のうちに(50℃以上の状態)200メッシュの金網
をろ材として吸引濾過する。得られた金網上のろ過処理
物を80℃のオーブン中で30〜40トールの減圧条件
下にて8時間放置することにより完全に乾燥させる。得
られた乾燥物の重量W4を測定する。そして、この重量
W4の重量W3に対する重量百分率((W4/W3)×
100)重量%をゲル分率とする。
【0032】なお、前記においては、加熱成形用材料と
しての発泡粒子の好ましい製造方法を具体例で示した
が、特に発泡粒子をそのまま緩衝材用途として用いる場
合、ゲル化処理を行わなくても、発泡条件を制御するこ
とで、本発明の発泡粒子が得られる。また、本発明の発
泡粒子は押出発泡により得られるストランド発泡体を切
断すること等によっても製造することができる。本発明
の発泡粒子は、平均気泡数が、5〜600個/mm2
更に5〜300個/mm2、特に5〜100個/mm2
あることが好ましい。該気泡数がこれらの範囲ならば、
得られる発泡粒子成形体の寸法安定性においてより優れ
たものとなる。本明細書において発泡粒子の平均気泡数
の測定は、発泡粒子を略2分割し、その一方の断面を観
察して、全気泡数を数え、全気泡数を気泡数を数えた該
発泡粒子の断面積にて割る(全気泡数/発泡粒子断面
積)ことにより単位面積当りの気泡数を算出し、同様の
操作を任意に選んだ30個の発泡粒子について行いその
算術平均値を発泡粒子の平均気泡数とする。発泡粒子の
平均気泡数の調整方法としては、気泡調整剤の添加、更
にその種類、量により的確に調整することができる。更
に、本発明における発泡粒子の平均気泡径は、50〜6
00μmであり、好ましくは100〜400μmであ
る。該気泡径が前期範囲より小さいと、加熱成形時にお
いて膜強度が弱すぎるために破泡等が生じ、養生回復性
の悪い成形体となる。また、該気泡径が前期範囲より大
きいと加熱成形時において膜強度が強すぎるために、十
分な膨張が生じず、表面平滑性の劣った成形体となって
しまう。本明細書において発泡粒子の平均気泡径は、発
泡粒子を略二分割し、その一方の発泡粒子断面に存在す
る全ての気泡の最大径を求め、この操作を10個以上の
発泡粒子について行い、求められた該最大径の算術平均
値をもって平均気泡径とする。
【0033】本発明の発泡粒子は、その見かけ密度が
0.02〜0.6g/cm3のものである。該発泡粒子
において、見かけ密度が0.10g/cm3以下の発泡
粒子を製造する場合、まず見かけ密度0.11〜0.6
g/cm3、好ましくは0.11〜0.3g/cm3の前
述の方法により発泡させた発泡粒子を得た後、二段発泡
等の多段発泡を行う方法が独立気泡率が高い発泡粒子が
得られる観点から好ましい。本発明における多段発泡方
法では、見かけ密度が0.11〜0.6g/cm3、好
ましくは0.11〜0.3g/cm3の発泡粒子をひと
まず製造し、該発泡粒子の内部に空気、窒素、二酸化炭
素等の無機ガスあるいはブタン、プロパン、ペンタン等
の脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の物理発泡剤
として使用されるガスを圧入し、発泡粒子の気泡内の内
圧を高める。発泡粒子の内圧は0.2〜6kg/cm2
とすることが好ましい。次に容器内で水蒸気等の加熱媒
体により加熱することによりさらに該発泡粒子を膨張発
泡させる。この多段発泡において、中でも安価な空気、
二酸化炭素等の無機ガスが内圧付与用ガスとして好適に
用いられる。この方法により発泡粒子は見かけ密度0.
02〜0.1g/cm3、好ましくは0.025〜0.
1g/cm3に発泡される。
【0034】尚、発泡粒子の内圧は下記(1)式により
求めた。
【数1】 発泡粒子の内圧(kgf/cm2)= [増加気体量(g)×R×T(°K)×Y(kgf/(cm2・atm))]/ [発泡粒子の内圧付与に使用した気体の分子量(g/モル)× 発泡粒子内の気体体積(L)] …(1)
【0035】(1)式中の増加気体量(g)は次のよう
に求める。内圧を付与した発泡粒子を500個以上取り
出して60秒以内に相対湿度50%、23℃の大気圧下
の恒温室に移動し、その恒温室内の秤に乗せ、該発泡粒
子を取り出して120秒後の重量を読み取る。このとき
の重量をQ(g)とする。次に、該発泡粒子を相対湿度
50%、23℃の大気圧下の同恒温室内にて240時間
放置する。発泡粒子内の高い圧力の気体は時間の経過と
ともに気泡膜を透過して外部に抜け出すため発泡粒子の
重量はそれに伴って減少し、240時間後では平衡に達
しているため実質的にその重量は安定している。上記2
40時間後の該発泡粒子の重量を同恒温室内にて測定
し、このときの重量をS(g)とする。上記のいずれの
重量も0.0001gの位まで読み取るものとする。こ
の測定で得られたQ(g)とS(g)の差を(1)式中
の増加気体量(g)とする。
【0036】また(1)式において、Tは絶対温度を意
味し、23℃の雰囲気が採用されいるので、ここでは2
96(°K)の定数である。Rは気体定数であり、ここ
では0.082(atm・L/(°K・モル))の定数
である。Yは、圧力をatm単位からkgf/cm2
位に換算するための係数であり、ここでは1.0332
(kgf/(cm2・atm))が採用される。発泡粒
子の内圧付与に使用した気体の分子量は、気体として空
気を用いた場合、空気の分子量28.9(g/モル)が
採用される。尚、発泡粒子内の気体体積は下記(2)式
より求めた値である。
【0037】
【数2】 発泡粒子内の気体体積(L)= {発泡粒子の重量(g)/発泡粒子基材樹脂の密度(g/cm3)}× {(発泡粒子基材樹脂の密度(g/cm3)/ 発泡粒子の見掛け密度(g/cm3))−1}×10−3 …(2) 尚、(2)式中の発泡粒子の重量(g)は上記したS
(g)であり、また発泡粒子の見掛け密度は、前記発泡
粒子の見掛け密度が採用される。
【0038】内圧を付与せしめた発泡粒子を加熱するに
際し、用いる加熱媒体としては通常水蒸気が使用される
が、圧縮空気と水蒸気を混合し温度を調整した加熱媒体
により加熱することもできる。このような混合媒体を使
用することにより、発泡粒子の気泡膜の溶融を防ぐこと
ができ、多段発泡による独立気泡率の低下を防止できる
といった効果がある。また、上記多段発泡方法において
内圧を付与せしめた発泡粒子を容器内に導入した後、加
熱媒体を導入することにより、発泡粒子の発泡倍率は向
上するが、特に容器内を減圧した後、加熱媒体を導入す
ることにより、より優れた倍率向上効果が得られる。多
段発泡を行う場合の加熱媒体の温度は、基材樹脂の〔融
点−30℃〕〜〔融点−5℃〕、好ましくは〔融点−2
5℃〕〜〔融点−10℃〕である。この値よりも高い温
度では、発泡粒子の独立気泡率が低下する虞がある。上
記温度の加熱媒体を得るためには、水蒸気と空気との混
合加熱媒体を用いて両者の混合比を調節することが最も
有利な方法である。
【0039】本発明の発泡粒子を用いて発泡粒子成形体
を製造するには、該発泡粒子を金型に入れ加熱する方法
や該発泡粒子を上下の無端ベルト間に充填して加熱する
方法などが挙げられる。この加熱により発泡粒子は相互
に融着し一体となった発泡粒子成形体を与える。また、
発泡粒子成形時の加熱手段としては、通常、スチーム加
熱が用いられ、その加熱温度は、発泡粒子表面が溶融す
る温度であればよい。また、型内に充填する発泡粒子に
多段発泡を行う際の発泡粒子の前処理と同様にして予め
空気等の無機ガス等により、内圧を付与しておくと発泡
粒子の成形性、回復性が向上する。該内圧は通常0.1
〜2.5kgf/cm2の範囲内で付与する。
【0040】本発明による発泡粒子成形体の形状は特に
制約されず、その形状は、例えば、容器状、板状、筒体
状、柱状、シート状、ブロック状等の各種の形状である
ことができる。また、該発泡粒子成形体の密度は0.0
12〜0.4g/cm3のものであり、寸法安定性、表
面平滑性において優れたものである。本明細書において
発泡粒子成形体の密度(g/cm3)は、23℃、1a
tmの条件にて2日間放置した発泡粒子成形体におい
て、成形体の外形寸法から求められる体積VM(c
3)にて成形体重量WM(g)を割り算する(WM/
VM)ことにより求められる値である。
【0041】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0042】実施例1、2 ビーエーエスエフ社製のポリブチレンテレフタレートア
ジペート『Ecoflex FBX7011』(テレフ
タル酸成分単位とアジピン酸成分単位とのモル比が4
2:58、融点116℃、MFR(190℃、荷重2
1.18N)4.8g/10min)と気泡調整剤とし
てのタルクとを押出機にて溶融混練した後、ストランド
状に押出し、次いでこのストランドを切断して、直径約
1.5mm、長さ約1.6mm、1個当り平均重量が3
mgの樹脂粒子を得た。また、タルクは、含有量が10
00ppmとなるようにドライブレンドで添加した。次
に、この樹脂粒子100重量部、水300重量部、酸化
アルミニウム0.5重量部、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム0.004重量部、ナイパーFF(過酸化
ベンゾイル純度50%品:日本油脂(株)製)1.5重
量部、メタクリル酸メチル(MMA)(試薬:関東化学
(株)製)0.1重量部を5リットルのオートクレーブ
に仕込み、窒素ガスを5分間導入しオートクレーブ内の
酸素を除去した。そして、撹拌しながら75℃まで昇温
し同温度で20分間保持した後、次いで表1に示す温度
まで加熱し、炭酸ガスをオートクレーブ圧力が40kg
f/cm2Gとなるまで注入し、同温度で表1に示す時
間保持した後、その後、オートクレーブの一端を開放し
て、オートクレーブに窒素ガスを導入してオートクレー
ブ内圧力を維持しながら内容物を大気圧下に放出してゲ
ル化樹脂粒子を発泡させ発泡粒子を得た。次いで、得ら
れた発泡粒子を、密閉容器内に充填し、空気により加圧
し表2に示す内部圧力を付与した後、200×250×
50mmの金型に充填し、表2に示す温度のスチームで
加熱し成形した。得られた成形体は大気圧下40℃で2
4時間養生した。得られた発泡粒子成形体の密度及び引
張伸び等を評価し、その結果を表2に示す。これらの実
施例、下記比較例1においてゲル化樹脂粒子、発泡粒
子、二段発泡後の発泡粒子とその成形体のゲル分率はほ
とんど同じであった。
【0043】実施例3 ビーエーエスエフ社製のポリブチレンテレフタレートア
ジペート『Ecoflex FBX7011』(テレフ
タル酸成分単位とアジピン酸成分単位とのモル比が4
2:58)と気泡調整剤としてのタルクとを押出機にて
溶融混練した後、ストランド状に押出し、次いでこのス
トランドを切断して、直径約1.5mm、長さ約1.6
mm、1個当り平均重量が3mgの樹脂粒子を得た。ま
た、タルクは、含有量が1000ppmとなるようにド
ライブレンドで添加した。次に、この樹脂粒子100重
量部、水300重量部、酸化アルミニウム0.5重量
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.004
重量部を5リットルのオートクレーブに仕込み、撹拌し
ながら105℃まで昇温し、105℃に到達した時点で
炭酸ガスをオートクレーブ圧力が40kgf/cm2
となるまで注入し、同温度で20分間保持した後、オー
トクレーブの一端を開放して、オートクレーブに窒素ガ
スを導入してオートクレーブ内圧力を維持しながら内容
物を大気圧下に放出して樹脂粒子を発泡させた。得られ
た発泡粒子は、柔軟性に優れ、良好な機械的物性を有す
るものであった。
【0044】比較例1 1,4−ブタンジオールとコハク酸を主成分とする脂肪
族ポリエステル樹脂(ビオノーレ#1001)(昭和高
分子(株)製、融点112℃、MFR(190℃、荷重
21.18N)1.5g/10min、密度1.26g
/cm3)と、気泡調整剤としてのタルクと、フタロシ
アニングリーン系顔料とを押出機にて溶融混練した後、
ストランド状に押出し、次いでこのストランドを切断し
て、直径約1.5mm、長さ約1.6mm、1個当り平
均重量が3mgの樹脂粒子を得た。なお、フタロシアニ
ングリーン系顔料は、添加量が20ppmとなるように
マスターバッチで添加した。また、タルクは、含有量が
1000ppmとなるようにマスターバッチで添加し
た。次に、この樹脂粒子100重量部、水300重量
部、酸化アルミニウム0.5重量部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.004重量部、ナイパーFF
(過酸化ベンゾイル純度50%品:日本油脂(株)製)
1.5重量部、メタクリル酸メチル(MMA)(試薬:
関東化学(株)製)0.1重量部を5リットルのオート
クレーブに仕込み、窒素ガスを5分間導入しオートクレ
ーブ内の酸素を除去した。そして、撹拌しながら75℃
まで昇温し同温度で20分間保持した後、次いで105
℃まで加熱し、炭酸ガスをオートクレーブ圧力が30k
gf/cm2Gとなるまで注入し、同温度で45分間保
持した後、その後、表1に示す温度(95℃)まで内容
物を冷却し、同温度で5分間保持した後、オートクレー
ブの一端を開放して、オートクレーブに窒素ガスを導入
してオートクレーブ内圧力を維持しながら内容物を大気
圧下に放出してゲル化樹脂粒子を発泡させ発泡粒子を得
た。次いで、得られた発泡粒子を、密閉容器内に充填
し、空気により加圧し表2に示す内部圧力を付与した
後、200×250×50mmの金型に充填し、表2に
示す温度のスチームで加熱し成形した。得られた成形体
は大気圧下40℃で24時間養生した。得られた発泡粒
子成形体の密度及び引張伸び等を評価し、その結果を表
2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】表2における発泡粒子成形体の5%圧縮強
度は、JIS Z0234−1976に準拠し、長さ5
0mm、幅50mm、厚さ25mmの試験片を該成形体
の長さ方向と幅方向とが一致するように切り出し、該試
験片を厚み方向に10mm/分の試験速度で圧縮し、図
1に示すようなS−S曲線(応力−歪曲線)を得る。得
られた該曲線より5%圧縮時の応力を読み取り5%圧縮
強度を求めた。また、表2における発泡粒子成形体の引
張伸びは、JIS K6767−1976 A法に準拠
し、ダンベル状1号(形状の厚み10mm)の試験片
(尚、試験片は表皮なしのものとする)を作成し、引張
速度500mm/分にて引張試験を行ない破断時の伸び
を求めた。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、生分解性、耐加水分解
性に優れると共に、柔軟性が良好なポリエステル系樹脂
発泡粒子が提供され、良好な機械的物性を有する為、ば
ら状緩衝材として高い緩衝性を示すものである。また、
網製(好ましくは天然繊維製の網)の袋等に充填するこ
とにより、適当な空隙を有する形状変更の自由度の大き
な発泡体粒子集合体とすることもでき、該集合体は緩衝
材、吸音材、生分解性人工土壌等で優れた性能を発揮で
きる。また、該発泡粒子を接着剤により結合し、発泡粒
子成形体とすることもできる。さらに、該発泡粒子を加
熱成形してなる発泡粒子成形体は、引張等の機械的物性
において優れ、柔軟性及び緩衝性において従来の生分解
性樹脂発泡粒子成形体では達成することのできなかった
優れた特性を有するものであり、家電包装材、クッショ
ン材その他各種用途の材料として極めて有用である。本
発明の発泡粒子又はその成形体は緩衝材、包装資材、各
種容器等として好適に使用されると共に、生分解性を有
しているためその後の廃棄処分が容易となる等その産業
的意義は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1で得られた発泡粒子成形
体の圧縮試験における応力−歪曲線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂口 正和 栃木県鹿沼市さつき町10−3 株式会社ジ ェイエスピー鹿沼研究所内 (72)発明者 所 寿男 栃木県鹿沼市さつき町10−3 株式会社ジ ェイエスピー鹿沼研究所内 Fターム(参考) 4F074 AA73A BA31 BA32 BA33 BA35 BA36 BA40 BA42 BA45 BA53 BB01 BC11 CA24 CC04X CC04Y CC06X

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジオール成分とジカルボン酸成分を含有
    し、該ジカルボン酸成分単位として、テレフタル酸成分
    単位と、アジピン酸成分単位及び/又はコハク酸成分単
    位とを含む融点が90〜150℃であるポリエステル共
    重合体を基材樹脂とした見掛け密度が0.02〜0.6
    g/cm3のポリエステル系樹脂発泡粒子。
  2. 【請求項2】 ジオール成分単位としてブタンジオール
    成分単位を含む請求項1記載のポリエステル系樹脂発泡
    粒子。
  3. 【請求項3】 ゲル分率が10〜90重量%である請求
    項1又は2に記載のポリエステル系樹脂発泡粒子。
  4. 【請求項4】 ジオール成分とジカルボン酸成分を含有
    し、該ジカルボン酸成分単位として、テレフタル酸成分
    単位と、アジピン酸成分単位及び/又はコハク酸成分単
    位とを含む融点が90〜150℃であるポリエステル共
    重合体を基材樹脂とした密度が0.012〜0.4g/
    cm3、ゲル分率が10〜90重量%のポリエステル系
    樹脂発泡粒子成形体。
  5. 【請求項5】 ジオール成分単位としてブタンジオール
    成分単位を含む請求項4記載のポリエステル系樹脂発泡
    粒子成形体。
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