JP2003002922A - 環状オレフィン系重合体およびその製造方法 - Google Patents

環状オレフィン系重合体およびその製造方法

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JP2003002922A
JP2003002922A JP2001183660A JP2001183660A JP2003002922A JP 2003002922 A JP2003002922 A JP 2003002922A JP 2001183660 A JP2001183660 A JP 2001183660A JP 2001183660 A JP2001183660 A JP 2001183660A JP 2003002922 A JP2003002922 A JP 2003002922A
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cyclic olefin
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spiro
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Noboru Oshima
昇 大嶋
Mitsutaka Kaizu
充孝 海津
Takashi Imamura
孝 今村
Toshihito Hayashi
俊仁 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 付加重合の手段が容易で、優れた接着性、透
明性、耐熱性、低吸水性を有する接着剤、コーティング
材、電子部品、光学材料に好適な環状オレフィン系重合
体を提供すること。 【解決手段】 スピロ型酸無水物基を有する環状オレフ
ィン系の構造単位(a)とそれ以外の環状オレフィン系
の構造単位(b)を含み、重合体中の構造単位(a)の
割合が0.2〜20モル%であり、数平均分子量が1
0,000〜1,000,000である、スピロ型酸無
水物基を有する環状オレフィン系重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピロ型の酸無水
物基を含む環状オレフィン系単量体を用いて付加型重合
で得られるスピロ型の酸無水物基を含む環状オレフィン
系重合体に関するもので、接着性、透明性、耐熱性、吸
水性に優れ、接着剤、コーティング材、光学材料、電子
部品材料に好適である。また、本発明は、この環状オレ
フィン系重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】付加重合による酸無水物基を含む環状オ
レフィン系重合体のための単量体として、国際公開WO
96/37526公報の請求項[31]および特表平1
1−505877号公報のP−57に、5−ノルボルネ
ン−2,3−ジカルボン酸無水物が代表として記載され
ている。しかし、重合体生成の具体例などの記載はな
い。このような、ノルボルネン構造の2,3位で環状構
造を形成する酸無水物単量体は、結晶性で炭化水素溶媒
への溶解性が低く、炭化水素溶媒での重合上の取り扱い
が困難である一方、極性溶媒では溶解しても、溶媒が水
分を含みやすく、この単量体は加水分解を受けやすく、
生成するカルボン酸は重合を阻害することが多い。国際
公開WO00/53657公報において、炭化水素溶媒
で重合が可能なスピロ型の酸無水物を含む5−ノルボル
ネン−2−スピロ−無水コハク酸を用いる環状オレフィ
ン系重合体の付加型の重合方法が提案されている。この
重合体は主として、フォトレジスト用の重合体として有
用で、特定のニッケルアレーン錯体による単独触媒を多
く用いる、比較的低分子量の重合体であって、極性基を
多く含み、吸水性は大きいものである。少量の酸無水物
基を含む環状オレフィン系重合体は、特表平11−50
5876号公報、特開平6−100744号公報、特開
平11−286537号公報など、主として、無水マレ
イン酸で代表される不飽和基含有カルボン酸無水物をラ
ジカル発生剤の存在下で環状オレフィン系重合体にグラ
フト化する方法により得られる。しかし、このような環
状オレフィン系重合体へのグラフト化によるカルボン酸
無水物基付与の変性体はグラフト効率が必ずしも十分で
なく、環状オレフィン系重合体に未反応の不飽和基含有
のカルボン酸無水物が含まれることが多く、十分、接着
性の効果を発揮していない。また、未反応のカルボン酸
無水物は刺激臭があり、作業上も、問題になることが多
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、付加重合の
手段が容易で、優れた接着性、透明性、耐熱性、低吸水
性を有する接着剤、コーティング材、電子部品、光学材
料に好適な環状オレフィン系重合体を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記式(1)
で表されるスピロ型酸無水物基を有す構造単位(a)と
下記式(2)で表される構造単位(b)を含み、重合体
中の構造単位(a)の割合が0.2〜20モル%であ
り、数平均分子量が10,000〜1,000,000
の環状オレフィン系重合体に関する。
【0005】
【化5】
【0006】[式(1)中、A1,A2はそれぞれ水素原
子、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基置
換アルキル基、シクロアルキル基、アリール基から選ば
れた置換基を示す。nは0から2の整数を示す。]
【0007】
【化6】
【0008】[式(2)中、B1,B2,B3,B4はそれ
ぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜15のアルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基もし
くはハロゲン化炭化水素基、または、B1とB3またはB
1とB2で形成される、環状アルキレン基、、環状アルケ
ニレン基、もしくはアルキリデン基を示す。mは0〜2
の整数を示す。]本発明の環状オレフィン系重合体に
は、上記構造単位(a)および(b)以外に下記式
(3)で表される構造単位(c)を含んでいてもよい。 −(CH2−CR12)− ………(3) [式(3)中、R1,R2はそれぞれ独立に水素原子、ト
リアルキルシリル基、フェニル基、アルキル化フェニル
基、またはハロゲン化フェニル基を示す。]また、本発
明の環状オレフィン系重合体は、重合体中の構造単位
(a)の割合が1.0〜15モル%、重合体の数平均分
子量が30,000〜500,000であることが好ま
しい。次に、本発明は、下記式(4)で表されるスピロ
型酸無水物基を有する環状オレフィン系モノマーと、下
記式(5)で表される環状オレフィン系モノマーと、さ
らに必要に応じて、下記式(6)で表されるオレフィン
系モノマーとを、炭化水素溶媒、またはハロゲン化炭化
水素溶媒を用い、ニッケルおよびコバルトから選ばれた
遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物を含む触媒成
分を用いて重合することを特徴とする環状オレフィン系
重合体の製造方法に関する。
【0009】
【化7】
【0010】[式(4)中、A1,A2、nは、式(1)
と同じ。]
【0011】
【化8】
【0012】[式(5)中、B1,B2,B3,B4、m
は、式(2)と同じ。] CH2=CR12 ………(6) [式(6)中、R1,R2は、式(3)と同じ。]
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、スピロ型の酸無水物を
含む環状オレフィン系モノマー(ノルボルネン系単量
体)を比較的少量を用い、触媒合成などの煩雑さがない
多成分系触媒による炭化水素またはハロゲン化炭化水素
溶媒中での付加重合で得られる、高分子量で、一定範囲
の割合でスピロ型酸無水物基を含む環状オレフィン系重
合体であり、優れた接着性、透明性、耐熱性、低吸水性
を有する材料である。
【0014】本発明において、これらスピロ型酸無水物
基を含む環状オレフィン系重合体中の繰り返し単位
(a)の割合は、0.2〜20モル%、好ましくは1.
0〜15モル%、さらに好ましくは2〜10モル%であ
る。その含有量が0.2モル%未満であると、接着性、
密着性が低下し、一方、20モル%を超えると、重合体
の吸水性が大きくなり、材料として、寸法安定性が劣
る。
【0015】本発明のスピロ型酸無水物基を含む環状オ
レフィン系重合体は、上記式(4)で表される「特定の
環状オレフィン(1)」と、上記式(5)で表される
「特定の環状オレフィン(2)」との付加共重合、ある
いは「特定の環状オレフィン(1)」と「特定の環状オ
レフィン(2)」と上記式(6)で表される「特定のα
−オレフィン(3)」との付加共重合することにより形
成される。
【0016】このような「特定の環状オレフィン
(1)」の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−5−エン−2−スピロ−無水コハク酸、3−メチ
ル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−ス
ピロ−無水コハク酸、3−エチル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−無水コハク酸、3
−プロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン
−2−スピロ−無水コハク酸、テトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−スピロ−
無水コハク酸、4−メチル−テトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]ドデカ−8−エン−3−スピロ−
無水コハク酸、などを挙げることができ、1種または2
種以上組み合わせて用いることができる。
【0017】「特定の環状オレフィン(2)」の具体例
としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−プロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5−ペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−デシル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ドデシル−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−6
−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−6−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デ
カ−3−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ
−3,7−ジエン、テトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−テト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−
エン、8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−エテニル−ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、などを挙げることができ
る。これらの中から1種単独または2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
【0018】なお、上記式(5)に示すジシクロペンダ
ジエンは、共重合の後、生成共重合体を水素化すること
により、構造単位(b)を形成することができる。
【0019】また、上記式(5)の化合物の中で、置換
基B1,B2,B3,B4が、水素原子、炭素数1〜15の
炭化水素基である、または、B1とB3が相互で形成され
る環状アルキレン、環状アルケニレンあるいはB1とB2
が相互で形成されるアルキリデンである、すなわち、炭
化水素で構成される環状オレフィン化合物が、重合活
性、生成する重合体の炭化水素溶媒への溶解性、低吸水
性などの点で好ましい。
【0020】繰り返し単位(b)の全繰り返し単位中の
割合は、80〜99.8モル%、好ましくは85〜99
モル%、さらに好ましくは90〜98モル%であるが、
繰り返し単位(b)の種類により、機能が異なり、その
含有量も異なる。
【0021】上記式(6)で表される「特定のα−オレ
フィン(3)」の具体例としては、エチレン、トリメチ
ルシリルエチレン、トリエチルシリルエチレン、トリク
ロロシリルエチレン、ジメチルクロロシリルエチレン、
メチルジクロロシリルエチレン、スチレン、p−メチル
スチレン、o−メチルスチレンなどが挙げられるがエチ
レン、スチレン、p−メチルスチレンが好ましい。これ
らの中から、1種単独または2種以上組み合わせて用い
ることができる。
【0022】これら「特定のα−オレフィン(3)」を
用いて形成される繰り返し単位(c)の全繰り返し単位
中の割合は、0〜70モル%で、好ましくは0〜50モ
ル%、さらに好ましくは0〜30モル%である。
【0023】本発明のスピロ型酸無水物基を含む環状オ
レフィン系重合体は、o−ジクロロベンゼンを溶媒とす
るゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定され
るポリスチレン換算の数平均分子量が10,000〜
1,000,000、重量平均分子量が40,000〜
1,500,000、好ましくは数平均分子量が30,
000〜500,000、重量平均分子量が70,00
0〜700,000である。数平均分子量が10,00
0未満、重量平均分子量が40,000未満では、薄
膜、フィルム、シートなどの成形品としての破壊強度が
不十分となることが多い。一方、数平均分子量が1,0
00,000、重量平均分子量が1,500,000を
超えると、フィルム、シートの成形加工性が低下した
り、キャスト成形時、溶液粘度が高くなり、扱い難くな
ることが多い。
【0024】本発明のスピロ型酸無水物基を含む環状オ
レフィン系重合体のガラス転移温度は、好ましくは12
0〜400℃、さらに好ましくは180〜390℃、特
に好ましくは210〜380℃である。ガラス転移温度
が120℃未満では、光学材料の成形・加工時の熱負荷
により変形することがあり、好ましくない。一方、ガラ
ス転移温度が400℃を超えると、結晶性が現れ、透明
性の高い重合体が得にくい。
【0025】本発明のスピロ型酸無水物基を有する環状
オレフィン系重合体の構造は、赤外吸収スペクトルによ
って、C=Oによる1,850、1,790cm-1の吸
収、−C(O)−O−C(O)−による1,220、903
cm-1などによる酸無水物基の吸収、1,474、1,
450cm-1のノルボルネン由来の環状オレフィンの吸
収などにより確認でき、酸無水物基を含む構造単位の割
合は赤外線吸収スペクトルの1,790cm-1の特性吸
収を用いた検量線から求めることができる。また、核磁
気共鳴スペクトル(1H−NMR)により、1.0〜
3.0ppmのノルボルネンに由来する構造を確認するこ
とができる。
【0026】本発明のスピロ型酸無水物基を含む環状オ
レフィン系重合体は、含有する酸無水物基とアミノ基、
ヒドロキシ基、エポキシ基を含有する化合物、あるいは
水と反応することにより、変性された環状オレフィン系
重合体とすることができる。
【0027】スピロ型酸無水物基を含有する環状オレフ
ィン系重合体は、上記官能基を有する化合物と反応せる
ことにより、以下のような重合体となる。 1)第1級のアルキルアミン、シクロアルキルアミン、
芳香族アミンなどの化合物と反応させることにより、イ
ミド基を含有する重合体となる。 2)アミンとトリアルコキシシラン基を有する化合物と
反応させることにより、トリアルコキシシラン基とイミ
ド基を有する重合体となる。 3)ジアミン化合物と反応させることにより、酸無水物
基に対して当量以上であれば、アミノ基とイミド基を有
する重合体となり、当量以下であると架橋重合体とな
る。 4)アルコール化合物、エポキシ化合物も同様で、反応
させることにより、カルボキシル基とエステル基を有す
る重合体となったり、架橋重合体になったりする。 5)水と反応させることにより、ジカルボン酸を有する
重合体となる。
【0028】本発明のスピロ型酸無水物基を含む環状オ
レフィン系重合体、すなわち、「特定の環状オレフィン
(1)」と「特定の環状オレフィン(2)」、または、
「特定の環状オレフィン(1)」と「特定の環状オレフ
ィン(2)」と「特定のオレフィン(3)」を含む単量
体から形成されるスピロ型酸無水物基を含む環状オレフ
ィン系重合体は、以下の製造方法で得ることができる。
【0029】触媒成分としては、以下の1)、2)およ
び3)に挙げる多成分系からなる。 1)遷移金属化合物 ニッケルまたはコバルトの有機カルボン酸塩、有機亜リ
ン酸塩、有機リン酸塩、有機スルフォン酸塩、β−ジケ
トン化合物などから選ばれた化合物またはニッケルまた
はコバルトの有機カルボン酸塩と六フッ化アンチモン
酸、四フッ化硼素酸、トリフロロ酢酸、六フッ化アセト
ンなどの超強酸変性化合物、ニッケルの1,5−シクロ
オクタジエン錯体、[(η3−クロチル)Ni(COD)][B
((CF3)2C6H4)4]、ニッケルのシクロドデカトリエン錯
体、ニッケルのノルボルナジエン錯体などのジエンまた
はトリエンが配位した錯体、ニッケルまたはコバルトの
ビス(トリアリールホスフィン)ジハロゲン錯体、
[(η3−クロチル)Ni(COD)][B((CF3)2C6H4)4]、B
is[N−(3−tert−butylsalicylidene)phenylaminat
o]Ni、Ni[PhC(O)CHPPh2](Ph)(PPh3)、Ni(O
C(O)(C6H4)PPh2)(H)(PCy3)、Ni[OC(O)(C6H4)PP
h2](H)(PPh3)、Ni(COD)2とPPh3=CHC(O)Phの反応
物、[(ArN=CHC6H3(O)(Anth)](Ph)(PPh3)Ni(ここ
で、Ph:phenyl,Cy:cyclohexyl,COD:1,5−cy
clooctadiene,Ar:2,6−(Pr)2C6H3,Pr:isopropy
l,Anth:9-anthracene)、などの2または3座配位子
をもつ錯体 2)有機アルミニウム化合物 メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、ブチルアル
モキサン、トリアルキルアルミニウムが部分混合された
メチルアルモキサン、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジイ
ソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウム
クロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エ
チルアルミニウムジクロライドなどの有機アルミニウム
化合物 3)さらに重合活性向上のため添加できる化合物として 1,5−シクロオクタジエン、1,5,9−シクロドデ
カトリエンなどの非共役ジエン化合物。三フッ化ホウ素
のエーテル、アミン、フェノールなどの錯体、トリ(ペ
ンタフロロフェニル)ボラン、トリ(3,5−ジ−トリフ
ロロメチルフェニル)ボラントリ(ペンタフロロフェニ
ル)アルミニウムなどのルイス酸化合物。トリフェニル
カルベニウムテトラキス(ペンタフロロフェニル)ボレ
ート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ジ
−トリフロロメチル−フェニルボレート、トリブチルア
ンモニウムテトラキス(ペンタフロロフェニル)ボレー
ト、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタ
フロロフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニ
ウムテトラキス(ペンタフロロフェニル)ボレートなど
のイオン性ホウ素化合物。
【0030】これら触媒成分は、以下の範囲の使用量で
用いられる。すなわち、ニッケルまたはコバルト化合物
は単量体1モルに対して、0.02〜10ミリモル原
子、有機アルミニウム化合物はニッケルまたはコバルト
1モル原子に対し、1〜5,000モル、また非共役ジ
エン、ルイス酸、イオン性ホウ素化合物はニッケルまた
はコバルト1モル原子に対して、0.2〜100モルで
ある。
【0031】本発明の環状オレフィン系重合体は、上記
1)、2)および必要に応じ、3)から選ばれた成分か
らなるの触媒を用い、必要に応じて、水素、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの分
子量調節剤を用い、シクロヘキサン、シクロペンタン、
メチルシクロペンタンなどの脂環式炭化水素溶媒、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、
トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレンなどの芳香
族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエ
チレン、1,1−ジクロロエチレン、テトラクロロエチ
レン、クロロベンゼン、ジクロロべンゼンなどのハロゲ
ン化炭化水素溶媒などから1種または2種以上選ばれた
溶媒を単量体100重量に対し、100〜2,000重
量部を用いて、−20〜100℃の範囲の温度で、重合
することにより得られる。
【0032】得られた重合体溶液に酸化防止剤を添加
し、脱水された貧溶剤に入れ、重合体を凝固し、さらに
乾燥して重合体を回収するか、または酸化防止剤を添加
した重合体溶液から溶媒を蒸発して、重合体を回収す
る。
【0033】本発明の環状オレフィン系重合体へ添加す
る酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェノール、4,4’−チオビス−(6−t−ブ
チル−3−メチル−フェニル)、1、1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−メチレ
ンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、テ
トラキス[メチレン−3−3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオン酸ステアレート、2,5−ジ−t−ブチルヒ
ドロキノン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)]プロピオネート、などのフェノール系酸化防止
剤、ハイドロキノン系酸化防止剤、さらに、ビス−
(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニルホスファイト、テトラキス(2,
4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)4,4'−
ビフェニレンジホスホナイト、3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエス
テル、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタ
エリスリトール−ジ−ホスファイト、トリス(4−メト
キシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノ
ニルフェニル)ホスファイト、などのリン系2次酸化防
止剤、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、
2−メルカプトベンズイミダゾールなどのイオウ系2次
酸化防止剤、などが挙げられ、これらから選ばれた化合
物を添加することができる。
【0034】本発明の重合体は、公知の環状オレフィン
系の開環重合体の水素化物、付加重合体(例えば、特開
昭61−29260号公報、特開昭60−16870号
公報、特開昭60−26024号公報、特開平2−51
511号公報、特開平1−132625号公報、特開平
1−132626号公報、特開平4−202404号公
報、特開平4−63807号公報、特開平8−1989
19号公報、特表平9−508649号公報、特表平1
1−505880号公報、特開昭61−292601号
公報など)とブレンドして、優れた耐熱性、透明性、低
複屈折性、接着性・密着性を有する組成物を得ることが
できる。
【0035】さらに、本発明の重合体は、接着性、密着
性、耐熱性に優れるため、エポキシ重合体、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキシド、液晶ポ
リエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレ
ンスルフィド、ポリビニリデンクロライド、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・ビニル
アルコール共重合体、ポリビニルアルコールなど多くの
樹脂とブレンドしたり、多層化して、シート、フィルム
の形で用いることができる。
【0036】上記の重合体組成物において、本発明の重
合体と他の重合体とのブレンド割合は使用目的により適
宜選択されるが、本発明の重合体の割合は5〜95重量
%、好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは2
0〜80重量%である。
【0037】本発明のスピロ型酸無水物基を含む環状オ
レフィン系重合体、その官能基変性体、およびブレンド
体は、押し出し機により直接フィルム、シート、および
薄膜にすることができるが、炭化水素溶媒、ハロゲン化
炭化水素溶媒、エステル溶媒、ラクトン溶媒、エーテル
溶媒、エーテルなどから選ばれた1種または2種以上選
ばれた溶媒に溶解し、キャスティングおよび溶媒を蒸発
除去して、フィルム、シートおよび薄膜にすることがで
きる。さらに、他の方法として、これらいずれかの溶媒
に膨潤して、押し出し機を用いて溶媒を除去しながら、
フィルム、シートおよび薄膜にすることができる。
【0038】本発明の重合体および酸無水物基を変性し
た重合体は、優れた光学透明性、耐熱性、接着性・密着
性、低吸水性を有するので、液晶表示素子基盤、導光
板、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、液晶バック
ライト、液晶パネル、透明導電性フィルム、コートフィ
ルムをはじめ、光ファイバー、レンズ、光ディスクなど
の光学材料や電子部品の絶縁層材料、接着剤さらに医療
機器、容器などに用いられる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制
限を受けるものではない。なお、分子量、ガラス転移温
度、全光線透過率、吸水率、密着性は、下記の方法で測
定した。 (1)数平均分子量、重量平均分子量 ウオ−ターズ(WATERS)社製150C型ゲルパーミエション
クロマトグラフィー装置(GPC)で東ソー(株)製Hタ
イプ−カラムを用い、o−ジクロロベンゼンを溶媒とし
て、120℃で測定した。得られた分子量は標準ポリス
チレン換算値である。 (2)ガラス転移温度(Tg) ガラス転移温度は、動的粘弾性で測定される。すなわ
ち、Tanδ(貯蔵弾性率E’と損失弾性率E”との比
Tanδ=E”/E’)の温度分散のピーク温度をT
gとした。動的粘弾性の測定は、レオバイブロンDDV
−01FP(オリエンテック社製)を用い、測定周波数
10がHz、昇温速度が4℃/分、加振モードが単一波
形、加振振幅が2.5μmの条件で行い、Tanδのピ
ーク温度を測定した。 (3)全光線透過率 ASTM−D1003に準拠し、厚さが100μmのフ
ィルムにして、全光線透過率を測定した。 (4)吸水率 重合体フィルムを23℃の水中に24時間浸漬させた
後、浸漬前後の重量変化により、吸水率を測定した。 (5)密着性 10cm×10cmの試験片にアルミニウムを蒸着し、
この蒸着膜に対して、カッターにより、1mm×1mm
の碁盤目が10個×10個形成されるように切り込みを
入れ、セロハンテープによる剥離試験を行い、25ブロ
ック中における剥離したブロックの数で評価した。
【0040】実施例1 ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ
−無水コハク酸は、Macromol.Chem.Phys.195,1147-
1164(1994)に従って合成した。ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−無水コハク酸とビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの共重合体は、
以下のようにして得た。すなわち、100mlのガラス
製耐圧ビンに窒素雰囲気下で、脱水したトルエン56m
l、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−ス
ピロ−無水コハク酸5mmol.(0.89g)、ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン95mmol.
(8.93g)、分子量調節剤として、1−ヘキセン1
mmol.、1.5−シクロオクタジエン0.04mm
ol.を仕込んだ。耐圧ビンの口をゴムパッキン付き穴
あき王冠でキャップしてシールした。予め、六フッ化ア
ンチモン酸で変性したオクタン酸ニッケル[HSbF6
/Ni=1(モル比)で−30℃で反応させたもの]を
0.04mmol.三フッ化ホウ素エチルエーテル錯体
0.36mmol.、トリエチルアルミニウム0.40
mmol.の順に触媒成分を仕込み、30℃、3時間重
合を行った。重合体への転化率は98%であった。重合
体溶液を脱水された塩化メチレン300ml中に注ぎ、
重合体を凝固した。この重合体をトルエンに溶解し、再
び塩化メチレン中に注ぎ、再沈精製した。重合体を80
℃、17時間、減圧下で乾燥した。この重合体をトルエ
ン15重量%の溶液にし、さらにキャスティングして厚
さ100μmのフィルムを作製した。このフィルムを用
いて分析、物性測定を行った。この重合体の数平均分子
量は158,000、重量平均分子量は276,000
であった。ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−
2−スピロ−無水コハク酸に由来する構造単位の割合
は、4.5モル%であった。構造単位の割合は、ポリ
(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)と無水イ
タコン酸のブレンド体を作製し、酸無水物基のカルボニ
ルの吸収1,790cm-1を検量線とする方法により求
めた。その他の結果を表1に示す。また、実施例1で得
られた重合体のIRチャートを図1に、1H−NMRス
ペクトルを図2に示す。
【0041】実施例2 実施例1にて、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン95mmol.の代わりに、ビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン90mmol.、3−メチル−テトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−8−エ
ン5mmol.を用いる以外、実施例1と同様に行っ
た。重合体への転化率は87%であった。ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−無水コ
ハク酸に由来する構造単位の割合は4.5モル%であ
り、3−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]ドデカ−8−エンに由来する構造単位の割合は
4.0モル%であった。重合体の数平均分子量は13
4,000,重量平均分子量は243,000であっ
た。その他の評価結果を表1に示す。
【0042】実施例3 実施例1において、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エンの代わりに、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エンを用いる以外、実施例1と同様に
行った。重合体中のビシクロ[2.2.1]ヘプト−5
−エン−2−スピロ−無水コハク酸に由来する構造単位
の割合は、4.3モル%であった。重合体の数平均分子
量は89,000、重量平均分子量は146,000で
あった。その他の評価結果を表1に示す。
【0043】実施例4 実施例1おいて、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン95mmol.の代わりに、ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン65mmol.、スチレン30m
molを用いて、実施例1と同様に行った。重合体への
転化率は、78%であった。重合体の数平均分子量は5
8,000、重量平均分子量は87,000であった。
重合体中のスチレンに由来する構造単位は23モル%、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ
−無水コハク酸に由来する構造単位の割合は4.1モル
%であった。その他の結果を表1に示す。
【0044】実施例5 オクタン酸ニッケル0.04mmol.、トリフェニル
カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート0.12mmol.、トリエチルアルミニウム
0.4mmol.を用いる以外、実施例1と同様に行っ
た。重合体への転化率は、80%であった。ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−スピロ−無水コ
ハク酸に由来する構造単位の割合は、赤外スペクトルに
おける1,790cm-1の環状酸無水物基吸収から4.
5モル%であった。重合体の数平均分子量は175,0
00、重量平均分子量246,000であった。
【0045】実施例6 実施例1の重合体10gをo−ジクロロベンゼン溶媒1
00gに溶解し、アニリン35mmol.と120℃、
3時間反応させた。重合体溶液をイソプロパノール中に
入れ、凝固し、その後、乾燥した。赤外分析で1,71
5cm-1、1,770cm-1にイミド基の吸収が見られ
た。
【0046】実施例7 実施例1の重合体10gをメタノール3重量%のトルエ
ン溶液100gに溶かし、90℃、3時間反応させた。
重合体溶液をイソプロパノール中に入れ、凝固し、その
後、乾燥した。赤外分析で1,740cm-1と1,72
5cm-1にそれぞれカルボン酸エステルの吸収とカルボ
ン酸の吸収が見られた。
【0047】実施例8 幅10mm、長さ100mm、厚さ50μmのシクロブ
タン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物と
2,6−ビスアミノメチル[2.2.1.]ヘプタンと
の縮合反応で得られた、脂環式ポリイミドフィルムの2
枚のそれぞれ片端部10mmの部分に、実施例1の重合
体30重量%のトルエン溶液を厚さ3μmに塗布した。
次に、タックはあるが流動性がなくなる程度まで溶媒を
蒸発させた後、2枚のフィルムの重合体塗布面どうしを
重ね合わせ、ローラーで圧着した。次に、この圧着した
フィルムを200℃、2時間乾燥した。この後、この一
方のフィルムを固定してT字剥離試験を実施した。その
結果、界面剥離でなく、重合体の構造破壊が起こり、極
めて接着性が良いことが判明した。
【0048】比較例1 実施例1において、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5
−エン−2−スピロ−無水コハク酸を用いない以外、実
施例1と同様に行った。生成する重合体であるポリ(ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)の数平均分子
量は179,000、重量平均分子量は303,000
であった。
【0049】比較例2 比較例1の重合体10gを窒素雰囲気下でo−ジクロロ
ベンゼン200mlに溶かし、7.6gの無水マレイン
酸と0.2gのベンゾイルパーオキシドを添加した。1
40℃で19時間、重合体へのグラフト反応を行った。
重合体溶液を塩化メチレン1,000mlに注ぎ、凝固
した。さらに、重合体を、o−ジクロロベンゼンに溶解
し、塩化メチレンで再沈凝固して、精製した。多少、黄
色味がかった重合体を乾燥後、酸無水物基の分析を赤外
分光法によるカルボニルに基づく吸収を使用した検量線
法で定量した。グラフト重合体中の無水スクシン酸の含
量は、4.3モル%であった。評価結果を表1に示す。
【0050】比較例3 ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン70mmo
l.とビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−
スピロ−無水コハク酸30mmol.とを100mlの
クロロベンゼン溶媒に添加し、さらに(トルエン)Ni(C6F
5)2触媒を0.1ミリモル添加して、30℃で3時間、
重合を行った。重合体への転化率は、58%であった。
実施例1と同様にして、凝固・乾燥した共重合体を用い
て、共重合体含量15重量%のクロロベンゼン溶液を作
製した。この溶液から約100μmのキャストフィルム
を作製し、分析、および表1の物性を測定した。共重体
中のビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−ス
ピロ−無水コハク酸に由来する構造単位の割合は、26
モル%であった。なお、数平均分子量は214,00
0,重量平均分子量は362,000であった。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、付加重合の手段が容易
で、優れた接着性、透明性、耐熱性、低吸水性を有する
接着剤、コーティング材、電子部品、光学材料に好適な
環状オレフィン系重合体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた重合体のIRチャートであ
る。
【図2】実施例1で得られた重合体の1H−NMRスペ
クトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今村 孝 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 林 俊仁 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4J100 AA02R AB02R AB03R AP16R AR09P AR09Q AR11P AR11Q AR21P AU21P BA11Q BA77R BB01R BC53Q CA04 CA05 DA01 JA01 JA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表されるスピロ型酸無水
    物基を有する構造単位(a)と下記式(2)で表される
    構造単位(b)を含み、重合体中の構造単位(a)の割
    合が0.2〜20モル%であり、数平均分子量が10,
    000〜1,000,000である環状オレフィン系重
    合体。 【化1】 [式(1)中、A1,A2はそれぞれ水素原子、炭素数1
    〜10のアルキル基、シクロアルキル基置換アルキル
    基、シクロアルキル基、アリール基から選ばれた置換基
    を示す。nは0から2の整数を示す。] 【化2】 [式(2)中、B1,B2,B3,B4はそれぞれ独立し
    て、水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、アルケニ
    ル基、シクロアルキル基、アリール基もしくはハロゲン
    化炭化水素基、または、B1とB3またはB1とB2で形成
    される、環状アルキレン基、、環状アルケニレン基、も
    しくはアルキリデン基を示す。mは0〜2の整数を示
    す。]
  2. 【請求項2】 上記構造単位(a)および(b)以外に
    下記式(3)で表される構造単位(c)を含む請求項1
    記載の環状オレフィン系重合体。 −(CH2−CR12)− ………(3) [式(3)中、R1,R2はそれぞれ独立に水素原子、ト
    リアルキルシリル基、フェニル基、アルキル化フェニル
    基、またはハロゲン化フェニル基を示す。]
  3. 【請求項3】 重合体中の構造単位(a)の割合が1.
    0〜15モル%、重合体の数平均分子量が30,000
    〜500,000である請求項1または2記載の環状オ
    レフィン系重合体。
  4. 【請求項4】 下記式(4)で表されるスピロ型酸無水
    物基を有する環状オレフィン系モノマーと、下記式
    (5)で表される環状オレフィン系モノマーと、さらに
    必要に応じて、下記式(6)で表されるオレフィン系モ
    ノマーとを、炭化水素溶媒、またはハロゲン化炭化水素
    溶媒を用い、ニッケルおよびコバルトから選ばれた遷移
    金属化合物と有機アルミニウム化合物を含む触媒成分を
    用いて重合することを特徴とする請求項1〜3記載いず
    れか1項記載の環状オレフィン系重合体の製造方法。 【化3】 [式(4)中、A1,A2、nは、式(1)と同じ。] 【化4】 [式(5)中、B1,B2,B3,B4、mは、式(2)と
    同じ。] CH2=CR12 ………(6) [式(6)中、R1,R2は、式(3)と同じ。]
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