JP2003002841A - ペプチド含有製剤 - Google Patents
ペプチド含有製剤Info
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- JP2003002841A JP2003002841A JP2002117129A JP2002117129A JP2003002841A JP 2003002841 A JP2003002841 A JP 2003002841A JP 2002117129 A JP2002117129 A JP 2002117129A JP 2002117129 A JP2002117129 A JP 2002117129A JP 2003002841 A JP2003002841 A JP 2003002841A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 癌転移抑制活性を有し、あらゆる癌の治療ま
たは予防に有用であり、胎盤機能調節作用を有し、絨毛
癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代
謝異常、脂質代謝異常または分娩異常の治療または予防
に有用であり、薬効を得るための高投与量が不要であ
り、副作用の軽減が達成でき、連日投与が不要であり、
患者の不便性や苦痛も軽減されるメタスチン含有製剤を
提供する。 【解決手段】 メタスチンもしくはその誘導体またはそ
の塩を含有する徐放性製剤。
たは予防に有用であり、胎盤機能調節作用を有し、絨毛
癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代
謝異常、脂質代謝異常または分娩異常の治療または予防
に有用であり、薬効を得るための高投与量が不要であ
り、副作用の軽減が達成でき、連日投与が不要であり、
患者の不便性や苦痛も軽減されるメタスチン含有製剤を
提供する。 【解決手段】 メタスチンもしくはその誘導体またはそ
の塩を含有する徐放性製剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタスチン(meta
stin)〔KiSS-1遺伝子にコードされるペプチド:以下、
KiSS-1ペプチドと称することがある〕もしくはその誘導
体またはその塩を含有する製剤に関する。
stin)〔KiSS-1遺伝子にコードされるペプチド:以下、
KiSS-1ペプチドと称することがある〕もしくはその誘導
体またはその塩を含有する製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】KiSS-1ペプチドは、ガン転移抑制遺伝子
KiSS-1(Genomics、54巻、145頁-148頁、1998年)にコ
ードされるタンパク質のC端部分ペプチドである。KiSS
-1遺伝子は、ヒト6番染色体をC8161メラノーマに移入
すると転移能が低下することから、6番染色体を移入し
て得た低転移株と親株からサブトラクティブハイブリダ
イザーション法(Subtractive Hybridization Techniqu
e)により取得され、KiSS-1遺伝子をC8161メラノーマに
トランスフェクションするとその発現量に応じて転移能
が低下することが見出されている(J. Natl. Cancer In
st.、88巻、1731頁-1737頁、1996年)。また、KiSS-1遺
伝子のトランスフェクションによりヒト乳ガン細胞MDA-
MB-435の転移能も低下することが報告されている(Canc
er Research、57巻、2384頁-2387頁、1997年)。
KiSS-1(Genomics、54巻、145頁-148頁、1998年)にコ
ードされるタンパク質のC端部分ペプチドである。KiSS
-1遺伝子は、ヒト6番染色体をC8161メラノーマに移入
すると転移能が低下することから、6番染色体を移入し
て得た低転移株と親株からサブトラクティブハイブリダ
イザーション法(Subtractive Hybridization Techniqu
e)により取得され、KiSS-1遺伝子をC8161メラノーマに
トランスフェクションするとその発現量に応じて転移能
が低下することが見出されている(J. Natl. Cancer In
st.、88巻、1731頁-1737頁、1996年)。また、KiSS-1遺
伝子のトランスフェクションによりヒト乳ガン細胞MDA-
MB-435の転移能も低下することが報告されている(Canc
er Research、57巻、2384頁-2387頁、1997年)。
【0003】KiSS-1遺伝子産物から切り出されて生成す
るペプチド、メタスチンには、その遺伝子がガン転移抑
制遺伝子であることから、ガン転移抑制活性を有するこ
とが期待される。メタスチンはin vitroでは、メタスチ
ンのヒト型受容体であるhOT7T175を発現させたCHO細胞
の走化性と浸潤を阻害し、in vivoではhOT7T175を発現
させたB16−BL6悪性黒色細胞腫の肺への転移性を弱める
(Nature, 411巻, 613頁, 2001年等)。さらに、本遺伝
子が胎盤に多量に発現されていること(J. Natl.Cancer
Inst.、88巻、1731頁-1737頁、1996年)や該ペプチド
のヒト型受容体であるhOT7T175が、胎盤に多量に、膵臓
にも比較的高く発現(例、Nature 411巻,613頁-617
頁、2001年等)していることより、該ペプチドが胎盤で
重要な機能を担っている、または膵臓においても本ペプ
チドは何らかの生理機能を発揮しているものと期待され
る。
るペプチド、メタスチンには、その遺伝子がガン転移抑
制遺伝子であることから、ガン転移抑制活性を有するこ
とが期待される。メタスチンはin vitroでは、メタスチ
ンのヒト型受容体であるhOT7T175を発現させたCHO細胞
の走化性と浸潤を阻害し、in vivoではhOT7T175を発現
させたB16−BL6悪性黒色細胞腫の肺への転移性を弱める
(Nature, 411巻, 613頁, 2001年等)。さらに、本遺伝
子が胎盤に多量に発現されていること(J. Natl.Cancer
Inst.、88巻、1731頁-1737頁、1996年)や該ペプチド
のヒト型受容体であるhOT7T175が、胎盤に多量に、膵臓
にも比較的高く発現(例、Nature 411巻,613頁-617
頁、2001年等)していることより、該ペプチドが胎盤で
重要な機能を担っている、または膵臓においても本ペプ
チドは何らかの生理機能を発揮しているものと期待され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】生理活性ポリペプチド
は一般的に生体内での半減期が短いために、メタスチン
もしくはその誘導体またはその塩についても、充分な薬
理効果を得るためには高投与量で長期間投与することが
必要となる。しかしながら、例えばメタスチンもしくは
その誘導体またはその塩の水溶液を皮下投与する場合に
は、副作用の発現や、治療又は予防のための実際の投与
において患者の不便性や苦痛が懸念される。従って、こ
れらの問題を解決できるメタスチンもしくはその誘導体
またはその塩を含有する有用な製剤の開発が望まれてい
る。
は一般的に生体内での半減期が短いために、メタスチン
もしくはその誘導体またはその塩についても、充分な薬
理効果を得るためには高投与量で長期間投与することが
必要となる。しかしながら、例えばメタスチンもしくは
その誘導体またはその塩の水溶液を皮下投与する場合に
は、副作用の発現や、治療又は予防のための実際の投与
において患者の不便性や苦痛が懸念される。従って、こ
れらの問題を解決できるメタスチンもしくはその誘導体
またはその塩を含有する有用な製剤の開発が望まれてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、メタスチン、その誘
導体またはその塩を徐放性製剤として投与すると、高転
移性ガン細胞に作用して転移を抑制するほか、長期間に
わたりメタスチンもしくはその誘導体またはその塩が徐
放され、したがって薬効を得るために高投与量を必要と
しないので、副作用の軽減が達成でき、かつ連日投与す
ることがないため患者の不便性や苦痛も軽減される等の
臨床上の医薬として優れた性質を本発明の製剤が有して
いることを見出し、本発明を完成するに至った。
題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、メタスチン、その誘
導体またはその塩を徐放性製剤として投与すると、高転
移性ガン細胞に作用して転移を抑制するほか、長期間に
わたりメタスチンもしくはその誘導体またはその塩が徐
放され、したがって薬効を得るために高投与量を必要と
しないので、副作用の軽減が達成でき、かつ連日投与す
ることがないため患者の不便性や苦痛も軽減される等の
臨床上の医薬として優れた性質を本発明の製剤が有して
いることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、(1)メタスチンもしく
はその誘導体またはその塩を含有する徐放性製剤、
(2)メタスチンを含有する上記(1)記載の徐放性製
剤、(3)メタスチンまたはその誘導体が、配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列のN末端から47ないし5
4番目のアミノ酸配列を含有し、かつ8ないし54個の
アミノ酸残基からなるペプチドもしくはその誘導体であ
る上記(1)記載の徐放性製剤、(4)ペプチドが、配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列におけるN末端か
ら47ないし54番目のアミノ酸配列をC末端に有する
ペプチドである上記(3)記載の徐放性製剤、(5)ペ
プチドが、8ないし15個のアミノ酸残基からなるペプ
チドである上記(3)または(4)記載の徐放性製剤、
(6)ペプチドが、配列番号:2、配列番号:3、配列
番号:4または配列番号:5で表わされるアミノ酸配列
からなるペプチドである上記(3)記載の徐放性製剤。
(7)メタスチンもしくはその誘導体またはその塩及び
キャリアーを含有する上記(1)記載の徐放性製剤、
(8)キャリアーがポリマーである上記(7)記載の徐
放性製剤、(9)ポリマーが生体内分解性ポリマーであ
る上記(8)記載の徐放性製剤、(10)生体内分解性
ポリマーが脂肪族ポリエステルである上記(9)記載の
徐放性製剤、(11)脂肪族ポリエステルが乳酸/グリ
コール酸重合体である上記(10)記載の徐放性製剤、
(12)乳酸/グリコール酸重合体の乳酸/グリコール
酸組成比が約100/0ないし約40/60である上記
(11)記載の徐放性製剤、(13)乳酸/グリコール
酸重合体の重量平均分子量が約3,000ないし約80,
000である上記(11)記載の徐放性製剤、(14)
ポリマーが生体内非分解性ポリマーである上記(8)記
載の徐放性製剤、(15)生体内非分解性ポリマーがポ
リグリセリン脂肪酸エステルである上記(14)記載の
徐放性製剤、(16)癌の治療又は予防剤である上記
(1)記載の徐放性製剤、(17)胎盤機能改善剤であ
る上記(1)記載の徐放性製剤、(18)非経口投与剤
である上記(1)記載の徐放性製剤、(19)皮下投与
剤である上記(1)記載の徐放性製剤、(20)筋肉内
投与剤である上記(1)記載の徐放性製剤、(21)腹
腔内投与剤である上記(1)記載の徐放性製剤、(2
2)徐放性製剤を製造するためのメタスチンもしくはそ
の誘導体またはその塩の使用、(23)哺乳動物に対し
て上記(1)記載の徐放性製剤の有効量を投与すること
を特徴とする癌の治療又は予防方法等に関する。
はその誘導体またはその塩を含有する徐放性製剤、
(2)メタスチンを含有する上記(1)記載の徐放性製
剤、(3)メタスチンまたはその誘導体が、配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列のN末端から47ないし5
4番目のアミノ酸配列を含有し、かつ8ないし54個の
アミノ酸残基からなるペプチドもしくはその誘導体であ
る上記(1)記載の徐放性製剤、(4)ペプチドが、配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列におけるN末端か
ら47ないし54番目のアミノ酸配列をC末端に有する
ペプチドである上記(3)記載の徐放性製剤、(5)ペ
プチドが、8ないし15個のアミノ酸残基からなるペプ
チドである上記(3)または(4)記載の徐放性製剤、
(6)ペプチドが、配列番号:2、配列番号:3、配列
番号:4または配列番号:5で表わされるアミノ酸配列
からなるペプチドである上記(3)記載の徐放性製剤。
(7)メタスチンもしくはその誘導体またはその塩及び
キャリアーを含有する上記(1)記載の徐放性製剤、
(8)キャリアーがポリマーである上記(7)記載の徐
放性製剤、(9)ポリマーが生体内分解性ポリマーであ
る上記(8)記載の徐放性製剤、(10)生体内分解性
ポリマーが脂肪族ポリエステルである上記(9)記載の
徐放性製剤、(11)脂肪族ポリエステルが乳酸/グリ
コール酸重合体である上記(10)記載の徐放性製剤、
(12)乳酸/グリコール酸重合体の乳酸/グリコール
酸組成比が約100/0ないし約40/60である上記
(11)記載の徐放性製剤、(13)乳酸/グリコール
酸重合体の重量平均分子量が約3,000ないし約80,
000である上記(11)記載の徐放性製剤、(14)
ポリマーが生体内非分解性ポリマーである上記(8)記
載の徐放性製剤、(15)生体内非分解性ポリマーがポ
リグリセリン脂肪酸エステルである上記(14)記載の
徐放性製剤、(16)癌の治療又は予防剤である上記
(1)記載の徐放性製剤、(17)胎盤機能改善剤であ
る上記(1)記載の徐放性製剤、(18)非経口投与剤
である上記(1)記載の徐放性製剤、(19)皮下投与
剤である上記(1)記載の徐放性製剤、(20)筋肉内
投与剤である上記(1)記載の徐放性製剤、(21)腹
腔内投与剤である上記(1)記載の徐放性製剤、(2
2)徐放性製剤を製造するためのメタスチンもしくはそ
の誘導体またはその塩の使用、(23)哺乳動物に対し
て上記(1)記載の徐放性製剤の有効量を投与すること
を特徴とする癌の治療又は予防方法等に関する。
【0007】さらに本発明は、(24)ペプチドが、配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列のN末端から47
ないし54番目のアミノ酸配列をC末端に有し、かつ8
ないし54個のアミノ酸残基からなるペプチドである上
記(4)記載の徐放性製剤、(25)ペプチドが、配列
番号:2、配列番号:3、配列番号:4または配列番
号:5で表されるアミノ酸配列からなるペプチドである
上記(3)記載の徐放性製剤、(26)マイクロカプセ
ル剤である上記(1)記載の徐放性製剤、(27)経口
投与剤である上記(1)記載の徐放性製剤、(28)注
射剤または点滴剤である上記(1)記載の徐放性製剤、
(29)キャリアーがタンパク質、ポリサッカライド、
リポソーム及び/又は無機物である上記(7)記載の徐
放性製剤、(30)メタスチンもしくはその誘導体また
はその塩の使用量が、キャリアーに対して約0.01な
いし約50%(w/w)である上記(7)記載の徐放性
製剤、(31)メタスチンもしくはその誘導体またはそ
の塩の使用量が、キャリアーに対して約0.1ないし約
50%(w/w)である上記(7)記載の徐放性製剤、
(32)メタスチンもしくはその誘導体またはその塩の
使用量が、キャリアーに対して約0.1ないし約30%
(w/w)である上記(7)記載の徐放性製剤、(3
3)乳酸/グリコール酸重合体の乳酸/グリコール酸組
成比が約100/0ないし約50/50である上記(1
1)記載の徐放性製剤、(34)乳酸/グリコール酸重
合体の乳酸/グリコール酸組成比が約75/25ないし
約50/50である上記(11)記載の徐放性製剤、
(35)乳酸/グリコール酸重合体の重量平均分子量が
約5,000ないし約25,000である上記(11)記
載の徐放性製剤、(36)乳酸/グリコール酸重合体の
重量平均分子量が約7,000ないし約20,000であ
る上記(11)記載の徐放性製剤、(37)メタスチン
もしくはその誘導体またはその塩の使用量が、乳酸/グ
リコール酸重合体に対して約0.1ないし約50%(w
/w)である上記(11)記載の徐放性製剤、(38)
さらに多価金属化合物を含有する上記(11)記載の徐
放性製剤、(39)多価金属化合物が酸化亜鉛である上
記(38)記載の徐放性製剤、(40)酸化亜鉛の使用
量が、乳酸/グリコール酸重合体100重量部に対して
約0.01ないし約100重量部である上記(39)記
載の徐放性製剤、(41)メタスチンもしくはその誘導
体またはその塩、及びその他の任意の医薬活性物質を含
有する上記(1)記載の徐放性製剤、(42)その他の
任意の医薬活性物質が抗癌剤である上記(41)記載の
徐放性製剤、(43)哺乳動物に対して上記(1)記載
の徐放性製剤の有効量を投与することを特徴とする癌の
転移を抑制する方法、(44)哺乳動物に対して上記
(1)記載の徐放性製剤の有効量を投与することを特徴
とする胎盤機能不全が関与する疾患の治療又は予防方
法、(45)哺乳動物に対して上記(1)記載の徐放性
製剤の有効量を投与することを特徴とする膵臓機能不全
が関与する疾患の治療又は予防方法、(46)任意の医
薬を併用する、上記(43)〜(45)のいずれかに記
載の治療又は予防方法等も提供する。
列番号:1で表わされるアミノ酸配列のN末端から47
ないし54番目のアミノ酸配列をC末端に有し、かつ8
ないし54個のアミノ酸残基からなるペプチドである上
記(4)記載の徐放性製剤、(25)ペプチドが、配列
番号:2、配列番号:3、配列番号:4または配列番
号:5で表されるアミノ酸配列からなるペプチドである
上記(3)記載の徐放性製剤、(26)マイクロカプセ
ル剤である上記(1)記載の徐放性製剤、(27)経口
投与剤である上記(1)記載の徐放性製剤、(28)注
射剤または点滴剤である上記(1)記載の徐放性製剤、
(29)キャリアーがタンパク質、ポリサッカライド、
リポソーム及び/又は無機物である上記(7)記載の徐
放性製剤、(30)メタスチンもしくはその誘導体また
はその塩の使用量が、キャリアーに対して約0.01な
いし約50%(w/w)である上記(7)記載の徐放性
製剤、(31)メタスチンもしくはその誘導体またはそ
の塩の使用量が、キャリアーに対して約0.1ないし約
50%(w/w)である上記(7)記載の徐放性製剤、
(32)メタスチンもしくはその誘導体またはその塩の
使用量が、キャリアーに対して約0.1ないし約30%
(w/w)である上記(7)記載の徐放性製剤、(3
3)乳酸/グリコール酸重合体の乳酸/グリコール酸組
成比が約100/0ないし約50/50である上記(1
1)記載の徐放性製剤、(34)乳酸/グリコール酸重
合体の乳酸/グリコール酸組成比が約75/25ないし
約50/50である上記(11)記載の徐放性製剤、
(35)乳酸/グリコール酸重合体の重量平均分子量が
約5,000ないし約25,000である上記(11)記
載の徐放性製剤、(36)乳酸/グリコール酸重合体の
重量平均分子量が約7,000ないし約20,000であ
る上記(11)記載の徐放性製剤、(37)メタスチン
もしくはその誘導体またはその塩の使用量が、乳酸/グ
リコール酸重合体に対して約0.1ないし約50%(w
/w)である上記(11)記載の徐放性製剤、(38)
さらに多価金属化合物を含有する上記(11)記載の徐
放性製剤、(39)多価金属化合物が酸化亜鉛である上
記(38)記載の徐放性製剤、(40)酸化亜鉛の使用
量が、乳酸/グリコール酸重合体100重量部に対して
約0.01ないし約100重量部である上記(39)記
載の徐放性製剤、(41)メタスチンもしくはその誘導
体またはその塩、及びその他の任意の医薬活性物質を含
有する上記(1)記載の徐放性製剤、(42)その他の
任意の医薬活性物質が抗癌剤である上記(41)記載の
徐放性製剤、(43)哺乳動物に対して上記(1)記載
の徐放性製剤の有効量を投与することを特徴とする癌の
転移を抑制する方法、(44)哺乳動物に対して上記
(1)記載の徐放性製剤の有効量を投与することを特徴
とする胎盤機能不全が関与する疾患の治療又は予防方
法、(45)哺乳動物に対して上記(1)記載の徐放性
製剤の有効量を投与することを特徴とする膵臓機能不全
が関与する疾患の治療又は予防方法、(46)任意の医
薬を併用する、上記(43)〜(45)のいずれかに記
載の治療又は予防方法等も提供する。
【0008】本発明で用いられる「メタスチン」は、配
列番号:1で表されるアミノ酸配列におけるN末端から
1番目ないし54番目のアミノ酸の連続した54個全て
のアミノ酸残基を有し、かつC末端がアミド(−CON
H2)であるペプチドを意味する。本発明で用いられる
「メタスチンの誘導体」は、メタスチンの生理活性(例
えば、メタスチンとその受容体(例えば、WO00/24890な
どに記載のhOT7T175など)の結合活性、メタスチンによ
って引き起こされる受容体発現細胞の細胞刺激活性な
ど)と実質的に同等の活性を有し、配列番号:1で表さ
れるアミノ酸配列におけるN末端から47番目ないし5
4番目の連続した8個全てのアミノ酸残基(配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列において、N末端から47
ないし54番目のアミノ酸配列)を含有するペプチドま
たはその誘導体を意味する。そのC末端は、アミド(−
CONH2)であってもよく、また、カルボキシル基
(−COOH)、カルボキシレート基(COO-)及び
エステル(−COOR)の何れであってもよいが、C末
端のカルボキシル基がアミド化されたアミド体であるこ
とが好ましい。また、メタスチンの誘導体は、メタスチ
ンの生理活性と実質的に同等の活性を有し、かつ、配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列において、N末端か
ら47ないし54番目のアミノ酸配列(8個の必須アミ
ノ酸残基)を有するものであれば、その長さは特に限定
されないが、8ないし54個のアミノ酸残基(好ましく
は、8ないし15個のアミノ酸残基)からなるペプチド
もしくはその誘導体が好ましく用いられる。すなわち、
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、N末
端から47ないし54番目のアミノ酸配列を含有し、か
つ8ないし54個のアミノ酸残基からなるペプチドもし
くはその誘導体が好ましく、なかでも、配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列において、N末端から47ない
し54番目のアミノ酸配列を含有し、かつ8ないし15
個のアミノ酸残基からなるペプチドもしくはその誘導体
が好ましい。また、前記したメタスチンの誘導体におい
て、8個の必須アミノ酸残基(配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列において、N末端から47ないし54番
目のアミノ酸配列)の配置は、該メタスチンの誘導体が
メタスチンの生理活性と実質的に同等の活性を有するの
であれば、何れの部位に配置されていてもよいが、該8
個の必須アミノ酸残基はC末端に配置されるのが望まし
い。すなわち、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
において、N末端から47ないし54番目のアミノ酸配
列をC末端に有し、8ないし54個のアミノ酸残基から
なるペプチドもしくはその誘導体が好ましく、なかで
も、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、
N末端から47ないし54番目のアミノ酸配列をC末端
に有し、8ないし15個のアミノ酸残基からなるペプチ
ドもしくはその誘導体が好ましい。
列番号:1で表されるアミノ酸配列におけるN末端から
1番目ないし54番目のアミノ酸の連続した54個全て
のアミノ酸残基を有し、かつC末端がアミド(−CON
H2)であるペプチドを意味する。本発明で用いられる
「メタスチンの誘導体」は、メタスチンの生理活性(例
えば、メタスチンとその受容体(例えば、WO00/24890な
どに記載のhOT7T175など)の結合活性、メタスチンによ
って引き起こされる受容体発現細胞の細胞刺激活性な
ど)と実質的に同等の活性を有し、配列番号:1で表さ
れるアミノ酸配列におけるN末端から47番目ないし5
4番目の連続した8個全てのアミノ酸残基(配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列において、N末端から47
ないし54番目のアミノ酸配列)を含有するペプチドま
たはその誘導体を意味する。そのC末端は、アミド(−
CONH2)であってもよく、また、カルボキシル基
(−COOH)、カルボキシレート基(COO-)及び
エステル(−COOR)の何れであってもよいが、C末
端のカルボキシル基がアミド化されたアミド体であるこ
とが好ましい。また、メタスチンの誘導体は、メタスチ
ンの生理活性と実質的に同等の活性を有し、かつ、配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列において、N末端か
ら47ないし54番目のアミノ酸配列(8個の必須アミ
ノ酸残基)を有するものであれば、その長さは特に限定
されないが、8ないし54個のアミノ酸残基(好ましく
は、8ないし15個のアミノ酸残基)からなるペプチド
もしくはその誘導体が好ましく用いられる。すなわち、
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、N末
端から47ないし54番目のアミノ酸配列を含有し、か
つ8ないし54個のアミノ酸残基からなるペプチドもし
くはその誘導体が好ましく、なかでも、配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列において、N末端から47ない
し54番目のアミノ酸配列を含有し、かつ8ないし15
個のアミノ酸残基からなるペプチドもしくはその誘導体
が好ましい。また、前記したメタスチンの誘導体におい
て、8個の必須アミノ酸残基(配列番号:1で表わされ
るアミノ酸配列において、N末端から47ないし54番
目のアミノ酸配列)の配置は、該メタスチンの誘導体が
メタスチンの生理活性と実質的に同等の活性を有するの
であれば、何れの部位に配置されていてもよいが、該8
個の必須アミノ酸残基はC末端に配置されるのが望まし
い。すなわち、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列
において、N末端から47ないし54番目のアミノ酸配
列をC末端に有し、8ないし54個のアミノ酸残基から
なるペプチドもしくはその誘導体が好ましく、なかで
も、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、
N末端から47ないし54番目のアミノ酸配列をC末端
に有し、8ないし15個のアミノ酸残基からなるペプチ
ドもしくはその誘導体が好ましい。
【0009】本発明で用いられる「ペプチドの誘導体」
は、特定のアミノ酸配列で示されるペプチドのC末端
が、アミド(−CONH2)、カルボキシル基(−CO
OH)、カルボキシレート基(COO-)及びエステル
(−COOR)の何れかに変換されたものを包含する。
例えば、特定のアミノ酸配列で示されるペプチドのC末
端がアミド(−CONH2)である場合には、ペプチド
の誘導体とは、C末端がカルボキシル基(−COO
H)、カルボキシレート基(COO-)及びエステル
(−COOR)の何れかに変換されたカルボキシル体、
カルボキシレート体及びエステル体をそれぞれ包含し、
特定のアミノ酸配列で示されるペプチドのC末端がカル
ボキシル基(−COOH)である場合には、ペプチドの
誘導体とは、C末端が、アミド(−CONH2)、カル
ボキシレート基(COO-)及びエステル(−COO
R)の何れかに変換されたアミド体、カルボキシレート
体及びエステル体をそれぞれ包含する。ペプチドもしく
はその誘導体としては、例えばC末端がアミド(−CO
NH2)であるアミド体が好ましく用いられる。上記メ
タスチンもしくはその誘導体は、例えば発酵生産物、合
成化合物、合成ペプチドなどの何れであってもよく、ま
た、天然由来のものでもよく、遺伝子工学的手法によっ
て製造された組み換え型ペプチドでもよい。天然由来の
メタスチンもしくはその誘導体としては、例えばヒト、
サル、マントヒヒ、チンパンジー、ブタ、ウシ、ヒツ
ジ、ウマ、マウス、ラットなどのあらゆる哺乳動物由来
のメタスチンもしくはその誘導体が用いられ、中でもヒ
ト由来のものが好ましい。本発明の製剤をヒトに適用す
る場合は、とりわけヒト由来のメタスチンもしくはその
誘導体を用いるのが好ましい。
は、特定のアミノ酸配列で示されるペプチドのC末端
が、アミド(−CONH2)、カルボキシル基(−CO
OH)、カルボキシレート基(COO-)及びエステル
(−COOR)の何れかに変換されたものを包含する。
例えば、特定のアミノ酸配列で示されるペプチドのC末
端がアミド(−CONH2)である場合には、ペプチド
の誘導体とは、C末端がカルボキシル基(−COO
H)、カルボキシレート基(COO-)及びエステル
(−COOR)の何れかに変換されたカルボキシル体、
カルボキシレート体及びエステル体をそれぞれ包含し、
特定のアミノ酸配列で示されるペプチドのC末端がカル
ボキシル基(−COOH)である場合には、ペプチドの
誘導体とは、C末端が、アミド(−CONH2)、カル
ボキシレート基(COO-)及びエステル(−COO
R)の何れかに変換されたアミド体、カルボキシレート
体及びエステル体をそれぞれ包含する。ペプチドもしく
はその誘導体としては、例えばC末端がアミド(−CO
NH2)であるアミド体が好ましく用いられる。上記メ
タスチンもしくはその誘導体は、例えば発酵生産物、合
成化合物、合成ペプチドなどの何れであってもよく、ま
た、天然由来のものでもよく、遺伝子工学的手法によっ
て製造された組み換え型ペプチドでもよい。天然由来の
メタスチンもしくはその誘導体としては、例えばヒト、
サル、マントヒヒ、チンパンジー、ブタ、ウシ、ヒツ
ジ、ウマ、マウス、ラットなどのあらゆる哺乳動物由来
のメタスチンもしくはその誘導体が用いられ、中でもヒ
ト由来のものが好ましい。本発明の製剤をヒトに適用す
る場合は、とりわけヒト由来のメタスチンもしくはその
誘導体を用いるのが好ましい。
【0010】本発明に用いられるメタスチンもしくはそ
の誘導体として好ましくは、例えば、配列番号:1で表
されるアミノ酸配列において、N末端から47ないし5
4番目のアミノ酸配列をC末端に有し、かつ8ないし1
5個のアミノ酸配列からなるペプチドなどがあげられ
る。さらに好ましくは、配列番号:2、配列番号:3、
配列番号:4または配列番号:5で表されるアミノ酸配
列からなるペプチド(特にこれらのアミド体)などがあ
げられる。 あるいは、WO 01/75104に記載
の配列番号:1、配列番号:2または配列番号:3で表
されるアミノ酸配列を含有するマウスまたはラット由来
のペプチド(Kiss-1遺伝子産物)を用いてもよい。
の誘導体として好ましくは、例えば、配列番号:1で表
されるアミノ酸配列において、N末端から47ないし5
4番目のアミノ酸配列をC末端に有し、かつ8ないし1
5個のアミノ酸配列からなるペプチドなどがあげられ
る。さらに好ましくは、配列番号:2、配列番号:3、
配列番号:4または配列番号:5で表されるアミノ酸配
列からなるペプチド(特にこれらのアミド体)などがあ
げられる。 あるいは、WO 01/75104に記載
の配列番号:1、配列番号:2または配列番号:3で表
されるアミノ酸配列を含有するマウスまたはラット由来
のペプチド(Kiss-1遺伝子産物)を用いてもよい。
【0011】また、メタスチンもしくはその誘導体のC
末端は通常アミド(−CONH2)であるが、エステル
(−COOR)あるいはカルボキシル基(−COOH)
またはカルボキシレート基(COO-)であってもよ
い。中でもC末端のカルボキシル基がアミド化されたア
ミド体であるものが特に好ましい。ここでエステルにお
けるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1-6アル
キル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなど
のC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナ
フチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベンジル、フ
ェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基もしくはα
−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2アルキル
基などのC7-14アラルキル基などのほか、経口用エステ
ルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用
いられる。
末端は通常アミド(−CONH2)であるが、エステル
(−COOR)あるいはカルボキシル基(−COOH)
またはカルボキシレート基(COO-)であってもよ
い。中でもC末端のカルボキシル基がアミド化されたア
ミド体であるものが特に好ましい。ここでエステルにお
けるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1-6アル
キル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなど
のC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナ
フチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベンジル、フ
ェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基もしくはα
−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2アルキル
基などのC7-14アラルキル基などのほか、経口用エステ
ルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用
いられる。
【0012】さらに、本発明で用いられるメタスチンも
しくはその誘導体には、メチオニン残基などのN末端の
アミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチルなど
のC 2-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)で保
護されているもの、N端側が生体内で切断され生成した
グルタミル基がピログルタミン酸化したもの、分子内の
アミノ酸の側鎖上の置換基(例えば、−OH、−SH、
−COOH、アミノ基、イミダゾール基、インドール
基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホル
ミル基、アセチルなどのC2-6アルカノイル基などのC
1-6アシル基など)で保護されているもの、あるいは糖
鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドな
ども含まれる。糖タンパク質である場合、糖鎖として
は、例えばD−マンノース、D−ガラクトース、L−フ
ルクトース等の中性糖、D−グルコサミン、D−ガラク
トサミン等のアミノ糖、及びシアル酸等が挙げられる。
しくはその誘導体には、メチオニン残基などのN末端の
アミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチルなど
のC 2-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)で保
護されているもの、N端側が生体内で切断され生成した
グルタミル基がピログルタミン酸化したもの、分子内の
アミノ酸の側鎖上の置換基(例えば、−OH、−SH、
−COOH、アミノ基、イミダゾール基、インドール
基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホル
ミル基、アセチルなどのC2-6アルカノイル基などのC
1-6アシル基など)で保護されているもの、あるいは糖
鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドな
ども含まれる。糖タンパク質である場合、糖鎖として
は、例えばD−マンノース、D−ガラクトース、L−フ
ルクトース等の中性糖、D−グルコサミン、D−ガラク
トサミン等のアミノ糖、及びシアル酸等が挙げられる。
【0013】メタスチンもしくはその誘導体は塩を形成
していてもよく、メタスチンもしくはその誘導体の塩と
しては、とりわけ薬理学的に許容される塩が好ましい。
この様な塩としては、例えば無機酸(例えば塩酸、りん
酸、臭化水素酸、硫酸等)との塩、有機酸(例えば酢
酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハ
ク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、
メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等)との塩、無
機塩基との塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等のア
ルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアル
カリ土類金属塩;アルミニウム塩、アンモニウム塩
等)、有機塩基との塩(例えばトリメチルアミン、トリ
エチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシ
クロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジア
ミン等)等が用いられる。
していてもよく、メタスチンもしくはその誘導体の塩と
しては、とりわけ薬理学的に許容される塩が好ましい。
この様な塩としては、例えば無機酸(例えば塩酸、りん
酸、臭化水素酸、硫酸等)との塩、有機酸(例えば酢
酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハ
ク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、
メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等)との塩、無
機塩基との塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等のア
ルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアル
カリ土類金属塩;アルミニウム塩、アンモニウム塩
等)、有機塩基との塩(例えばトリメチルアミン、トリ
エチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシ
クロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジア
ミン等)等が用いられる。
【0014】本発明に用いられるメタスチンもしくはそ
の誘導体は、公知の方法(例えば、WO 00/24890、J.Che
m.Soc.,Perkin Trans. 1巻, 1748頁, 2001年)等に記載
の方法など)あるいはそれに準じる方法に従って製造す
ることができ、例えば公知のペプチドの合成法に従っ
て、あるいは公知のペプチド又は前駆体を適当なペプチ
ダーゼで切断することによって製造することができる。
ペプチドの合成方法は、例えば固相合成法、液相合成法
の何れでもよい。即ち、目的とするペプチドは、そのペ
プチド又は前駆体を構成し得る部分ペプチドもしくはア
ミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有す
る場合は保護基を脱離することにより製造することがで
きる。公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば
以下の[1]ないし[5]に記載された方法が挙げられる。 [1] M. Bodanszky 及び M. A. Ondetti,ペプチド シ
ンセシス(Peptide Synthesis),Interscience Publis
hers, New York (1966年) [2] Schroeder 及び Luebke,ザ ペプチド(The Pepti
de),Academic Press,New York(1965年) [3] 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、丸善
(株)(1975年) [4] 矢島治明及び榊原俊平、生化学実験講座1、ペプ
チド又は前駆体の化学IV、205、(1977年) [5] 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド
合成 広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば溶媒抽出・蒸留・
カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー・
再結晶等を組み合わせて目的とするペプチド又は前駆体
を精製単離することができる。上記方法で得られるペプ
チド又は前駆体は遊離体である場合は、公知の方法によ
って適当な塩に変換することができるし、逆に塩で得ら
れた場合は、公知の方法によって遊離体に変換すること
ができる。
の誘導体は、公知の方法(例えば、WO 00/24890、J.Che
m.Soc.,Perkin Trans. 1巻, 1748頁, 2001年)等に記載
の方法など)あるいはそれに準じる方法に従って製造す
ることができ、例えば公知のペプチドの合成法に従っ
て、あるいは公知のペプチド又は前駆体を適当なペプチ
ダーゼで切断することによって製造することができる。
ペプチドの合成方法は、例えば固相合成法、液相合成法
の何れでもよい。即ち、目的とするペプチドは、そのペ
プチド又は前駆体を構成し得る部分ペプチドもしくはア
ミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有す
る場合は保護基を脱離することにより製造することがで
きる。公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば
以下の[1]ないし[5]に記載された方法が挙げられる。 [1] M. Bodanszky 及び M. A. Ondetti,ペプチド シ
ンセシス(Peptide Synthesis),Interscience Publis
hers, New York (1966年) [2] Schroeder 及び Luebke,ザ ペプチド(The Pepti
de),Academic Press,New York(1965年) [3] 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、丸善
(株)(1975年) [4] 矢島治明及び榊原俊平、生化学実験講座1、ペプ
チド又は前駆体の化学IV、205、(1977年) [5] 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド
合成 広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば溶媒抽出・蒸留・
カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー・
再結晶等を組み合わせて目的とするペプチド又は前駆体
を精製単離することができる。上記方法で得られるペプ
チド又は前駆体は遊離体である場合は、公知の方法によ
って適当な塩に変換することができるし、逆に塩で得ら
れた場合は、公知の方法によって遊離体に変換すること
ができる。
【0015】本発明のメタスチンもしくはその誘導体ま
たはその塩を含有する徐放性製剤は、キャリアー(担体
または基剤)を含有しているのが好ましい。キャリアー
としては、例えば、タンパク質、ポリサッカライド、ポ
リマー(生体内分解性ポリマー、生体内非分解性ポリマ
ー)、リポソーム、無機物等が挙げられる。タンパク質
としては、例えばコラーゲン、ゼラチン、フィブリン、
血清アルブミン等が挙げられる。ポリサッカライドとし
ては、例えばデンプン、ヒアルロン酸、キトサン、キチ
ン、アルギン酸塩、アガロース、デキストラン、セルロ
ース誘導体等が挙げられる。生体内分解性ポリマーとし
ては、例えば脂肪族ポリエステル、ポリフォスファゼ
ン、ポリオルソエステル等が挙げられる。生体内非分解
性ポリマーとしては、例えばポリグリセリン脂肪酸エス
テル、シリコン、エチルビニルアセテート共重合体、ポ
リヒドロキシエチルメチルメタアクリレート、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
リポソームとしては、通常のリポソームに加えて例えば
ポリエチレングリコール(PEG)修飾リポソーム、糖
修飾リポソーム等が挙げられる。無機物としては、例え
ばハイドロキシアパタイト、トリカルシウムフォスフェ
イト、カルシウムカルボネート、カルシウムサルフェイ
ト等が挙げられる。
たはその塩を含有する徐放性製剤は、キャリアー(担体
または基剤)を含有しているのが好ましい。キャリアー
としては、例えば、タンパク質、ポリサッカライド、ポ
リマー(生体内分解性ポリマー、生体内非分解性ポリマ
ー)、リポソーム、無機物等が挙げられる。タンパク質
としては、例えばコラーゲン、ゼラチン、フィブリン、
血清アルブミン等が挙げられる。ポリサッカライドとし
ては、例えばデンプン、ヒアルロン酸、キトサン、キチ
ン、アルギン酸塩、アガロース、デキストラン、セルロ
ース誘導体等が挙げられる。生体内分解性ポリマーとし
ては、例えば脂肪族ポリエステル、ポリフォスファゼ
ン、ポリオルソエステル等が挙げられる。生体内非分解
性ポリマーとしては、例えばポリグリセリン脂肪酸エス
テル、シリコン、エチルビニルアセテート共重合体、ポ
リヒドロキシエチルメチルメタアクリレート、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
リポソームとしては、通常のリポソームに加えて例えば
ポリエチレングリコール(PEG)修飾リポソーム、糖
修飾リポソーム等が挙げられる。無機物としては、例え
ばハイドロキシアパタイト、トリカルシウムフォスフェ
イト、カルシウムカルボネート、カルシウムサルフェイ
ト等が挙げられる。
【0016】本発明の徐放性製剤に用いるキャリアーと
しては、例えばポリマー(例えば生体内分解性ポリマ
ー、生体内非分解性ポリマー等)等が好ましく、特に生
体内分解性ポリマーとしては、例えば脂肪族ポリエステ
ル等、生体内非分解性ポリマーとしては、例えばポリグ
リセリン脂肪酸エステル等が好ましい。脂肪族ポリエス
テルとしては、例えば乳酸/グリコール酸重合体等が用
いられる。乳酸/グリコール酸重合体の組成比(乳酸/
グリコール酸;L/G比)(モル%)は約100/0な
いし約40/60が好ましく、更に好ましくは約100
/0ないし約50/50であり、特に好ましくは約75
/25ないし約50/50である。乳酸/グリコール酸
重合体の重量平均分子量は約3,000ないし約80,0
00が好ましく、更に好ましくは約5,000ないし約
25,000であり、特に好ましくは約7,000ないし
約20,000である。乳酸/グリコール酸重合体の分
散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、好ましくは
約1.2ないし約4.0、更に好ましくは約1.5ないし
約3.5である。
しては、例えばポリマー(例えば生体内分解性ポリマ
ー、生体内非分解性ポリマー等)等が好ましく、特に生
体内分解性ポリマーとしては、例えば脂肪族ポリエステ
ル等、生体内非分解性ポリマーとしては、例えばポリグ
リセリン脂肪酸エステル等が好ましい。脂肪族ポリエス
テルとしては、例えば乳酸/グリコール酸重合体等が用
いられる。乳酸/グリコール酸重合体の組成比(乳酸/
グリコール酸;L/G比)(モル%)は約100/0な
いし約40/60が好ましく、更に好ましくは約100
/0ないし約50/50であり、特に好ましくは約75
/25ないし約50/50である。乳酸/グリコール酸
重合体の重量平均分子量は約3,000ないし約80,0
00が好ましく、更に好ましくは約5,000ないし約
25,000であり、特に好ましくは約7,000ないし
約20,000である。乳酸/グリコール酸重合体の分
散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、好ましくは
約1.2ないし約4.0、更に好ましくは約1.5ないし
約3.5である。
【0017】ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、
例えばテトラグリセロールモノパルミテート(TGM
P)、テトラグリセロールジパルミテート(TGD
P)、テトラグリセロールトリパルミテート(TGT
P)、テトラグリセロールヘキサパルミテート(TGH
P)、テトラグリセロールモノステアレート(TGM
S)、テトラグリセロールジステアレート(TGD
S)、テトラグリセロールトリステアレート(TGT
S)、テトラグリセロールヘキサステアレート(TGH
S)、ヘキサグリセロールペンタステアレート(HGP
S)、テトラグリセロールヘキサパルミテート(TGH
P)等が挙げられ、これらを単独であるいは混合して用
いることができる。
例えばテトラグリセロールモノパルミテート(TGM
P)、テトラグリセロールジパルミテート(TGD
P)、テトラグリセロールトリパルミテート(TGT
P)、テトラグリセロールヘキサパルミテート(TGH
P)、テトラグリセロールモノステアレート(TGM
S)、テトラグリセロールジステアレート(TGD
S)、テトラグリセロールトリステアレート(TGT
S)、テトラグリセロールヘキサステアレート(TGH
S)、ヘキサグリセロールペンタステアレート(HGP
S)、テトラグリセロールヘキサパルミテート(TGH
P)等が挙げられ、これらを単独であるいは混合して用
いることができる。
【0018】本発明の徐放性製剤は、公知の方法にした
がって製造される。本発明の徐放性製剤は、具体的に
は、メタスチンもしくはその誘導体またはその塩と、徐
放性製剤の製造時に通常用いられるキャリアー(例えば
前記キャリアー)とを混合し、必要に応じて成形するこ
とによって製造される。該キャリアーは、例えばメタス
チンもしくはその誘導体またはその塩の使用量が、キャ
リアーに対して約0.01ないし約50%(w/w)、 好
ましくは約0.1ないし約30%(w/w)となるよう
に使用される。以下に本発明の徐放性製剤として、例え
ば(A)生体内非分解性ポリマーであるポリグリセリン
脂肪酸エステルをキャリアーとして用いた「メタスチン
もしくはその誘導体またはその塩を含有する徐放性製
剤」〔以下、KiSS-1ペプチド含有徐放性製剤と称するこ
とがある〕、及び(B)生体内分解性ポリマーである乳
酸/グリコール酸重合体をキャリアーとして用いたKiSS
-1ペプチド含有徐放性製剤の製造法について例示する。 (A)ポリグリセリン脂肪酸エステルをキャリアーとし
て用いたKiSS-1ペプチド含有徐放性製剤 ポリグリセリン脂肪酸エステルを加温・融解し、メタス
チンもしくはその誘導体またはその塩の粉末を添加し、
攪拌等により均等に分散させる。その後冷却し、円盤
状、フィルム状、棒状等に成形する。このようにして所
定量のメタスチンもしくはその誘導体またはその塩を含
有するポリグリセリン脂肪酸エステルの徐放性製剤を得
ることができる。加温温度は約50ないし約100℃、
冷却温度は約0ないし約40℃である。メタスチンもし
くはその誘導体またはその塩の使用量は、メタスチンも
しくはその誘導体またはその塩の種類、所望の薬理効果
及び効果の持続期間等により異なるが、ポリグリセリン
脂肪酸エステルに対して約0.01ないし約50%(w/
w) 、好ましくは約0.1ないし約30%(w/w)で
ある。
がって製造される。本発明の徐放性製剤は、具体的に
は、メタスチンもしくはその誘導体またはその塩と、徐
放性製剤の製造時に通常用いられるキャリアー(例えば
前記キャリアー)とを混合し、必要に応じて成形するこ
とによって製造される。該キャリアーは、例えばメタス
チンもしくはその誘導体またはその塩の使用量が、キャ
リアーに対して約0.01ないし約50%(w/w)、 好
ましくは約0.1ないし約30%(w/w)となるよう
に使用される。以下に本発明の徐放性製剤として、例え
ば(A)生体内非分解性ポリマーであるポリグリセリン
脂肪酸エステルをキャリアーとして用いた「メタスチン
もしくはその誘導体またはその塩を含有する徐放性製
剤」〔以下、KiSS-1ペプチド含有徐放性製剤と称するこ
とがある〕、及び(B)生体内分解性ポリマーである乳
酸/グリコール酸重合体をキャリアーとして用いたKiSS
-1ペプチド含有徐放性製剤の製造法について例示する。 (A)ポリグリセリン脂肪酸エステルをキャリアーとし
て用いたKiSS-1ペプチド含有徐放性製剤 ポリグリセリン脂肪酸エステルを加温・融解し、メタス
チンもしくはその誘導体またはその塩の粉末を添加し、
攪拌等により均等に分散させる。その後冷却し、円盤
状、フィルム状、棒状等に成形する。このようにして所
定量のメタスチンもしくはその誘導体またはその塩を含
有するポリグリセリン脂肪酸エステルの徐放性製剤を得
ることができる。加温温度は約50ないし約100℃、
冷却温度は約0ないし約40℃である。メタスチンもし
くはその誘導体またはその塩の使用量は、メタスチンも
しくはその誘導体またはその塩の種類、所望の薬理効果
及び効果の持続期間等により異なるが、ポリグリセリン
脂肪酸エステルに対して約0.01ないし約50%(w/
w) 、好ましくは約0.1ないし約30%(w/w)で
ある。
【0019】(B)乳酸/グリコール酸重合体をキャリ
アーとして用いたKiSS-1ペプチド含有徐放性製剤 (B−1)棒状成形物等の製造法について詳述する。 (B−1−a)乳酸/グリコール酸重合体を有機溶媒
(好ましくはジクロルメタン等)で溶解し、メタスチン
もしくはその誘導体またはその塩の水溶液を添加後乳化
する。これを真空乾燥し、メタスチンもしくはその誘導
体またはその塩が均等に分散した乳酸/グリコール酸重
合体の粉末を得る。これを加温し、冷却することによ
り、円盤状、フィルム状、棒状(ロッド状)等に成形す
る。このようにして所定量のメタスチンもしくはその誘
導体またはその塩を含有する乳酸/グリコール酸重合体
の徐放性製剤を得ることができる。加温温度は約50な
いし約100℃、冷却温度は約0ないし約40℃であ
る。メタスチンもしくはその誘導体またはその塩の使用
量は、メタスチンもしくはその誘導体またはその塩の種
類、所望の薬理効果及び効果の持続期間等により異なる
が、乳酸/グリコール酸重合体に対して約0.01ない
し約50%(w/w)、好ましくは約0.1ないし約3
0%(w/w)、特に好ましくは約1ないし約20%(w
/w)である。
アーとして用いたKiSS-1ペプチド含有徐放性製剤 (B−1)棒状成形物等の製造法について詳述する。 (B−1−a)乳酸/グリコール酸重合体を有機溶媒
(好ましくはジクロルメタン等)で溶解し、メタスチン
もしくはその誘導体またはその塩の水溶液を添加後乳化
する。これを真空乾燥し、メタスチンもしくはその誘導
体またはその塩が均等に分散した乳酸/グリコール酸重
合体の粉末を得る。これを加温し、冷却することによ
り、円盤状、フィルム状、棒状(ロッド状)等に成形す
る。このようにして所定量のメタスチンもしくはその誘
導体またはその塩を含有する乳酸/グリコール酸重合体
の徐放性製剤を得ることができる。加温温度は約50な
いし約100℃、冷却温度は約0ないし約40℃であ
る。メタスチンもしくはその誘導体またはその塩の使用
量は、メタスチンもしくはその誘導体またはその塩の種
類、所望の薬理効果及び効果の持続期間等により異なる
が、乳酸/グリコール酸重合体に対して約0.01ない
し約50%(w/w)、好ましくは約0.1ないし約3
0%(w/w)、特に好ましくは約1ないし約20%(w
/w)である。
【0020】(B−1−b)乳酸/グリコール酸重合体
を有機溶媒(好ましくはジクロルメタン等)で溶解し、
メタスチンもしくはその誘導体またはその塩の粉末を添
加後、均一に分散させる。得られる分散系を真空乾燥
し、メタスチンもしくはその誘導体またはその塩が均等
に分散した乳酸/グリコール酸重合体の粉末を得る。こ
れを加温し、冷却することにより、円盤状、フィルム
状、棒状(ロッド状)等に成形する。このようにして所
定量のメタスチンもしくはその誘導体またはその塩を含
有する乳酸/グリコール酸重合体の徐放性製剤を得るこ
とができる。加温温度、冷却温度、およびメタスチンも
しくはその誘導体またはその塩の使用量は、前記と同様
である。
を有機溶媒(好ましくはジクロルメタン等)で溶解し、
メタスチンもしくはその誘導体またはその塩の粉末を添
加後、均一に分散させる。得られる分散系を真空乾燥
し、メタスチンもしくはその誘導体またはその塩が均等
に分散した乳酸/グリコール酸重合体の粉末を得る。こ
れを加温し、冷却することにより、円盤状、フィルム
状、棒状(ロッド状)等に成形する。このようにして所
定量のメタスチンもしくはその誘導体またはその塩を含
有する乳酸/グリコール酸重合体の徐放性製剤を得るこ
とができる。加温温度、冷却温度、およびメタスチンも
しくはその誘導体またはその塩の使用量は、前記と同様
である。
【0021】(B−2)マイクロカプセル(マイクロス
フェアとも称する)の製造法について詳述する。W/O
/Wエマルション及びO/Wエマルションは、それぞれ
(i)メタスチンもしくはその誘導体またはその塩の水
溶液、分散液又は懸濁液を内水相とし、乳酸/グリコー
ル酸重合体の有機溶媒溶液を油相とするW/Oエマルシ
ョンを得るか、又は(ii)メタスチンもしくはその誘導
体またはその塩を乳酸/グリコール酸重合体の有機溶媒
溶液に溶解あるいは懸濁して油相を得、この(i)又は
(ii)を水(外水相)に添加し、分散、乳化することに
よって製造される。上記(i)、即ち、メタスチンもし
くはその誘導体またはその塩の水溶液、分散液又は懸濁
液を内水相とし、乳酸/グリコール酸重合体の有機溶媒
溶液を油相とするW/Oエマルションは、以下のように
して製造される。まず、メタスチンもしくはその誘導体
またはその塩を水に溶解、分散又は懸濁し、内水相を製
造する。メタスチンもしくはその誘導体またはその塩の
水溶液、分散液又は懸濁液中の濃度は、例えば0.00
1ないし90%(w/w)、好ましくは0.01ないし
80%(w/w)である。上記メタスチンもしくはその
誘導体またはその塩の使用量は、メタスチンもしくはそ
の誘導体またはその塩の種類、所望の薬理効果及び効果
の持続期間等により異なるが、乳酸/グリコール酸重合
体に対して、約0.01ないし約50%(w/w)、好
ましくは約0.1ないし約30%(w/w)、特に好ま
しくは約1ないし約20%(w/w)である。
フェアとも称する)の製造法について詳述する。W/O
/Wエマルション及びO/Wエマルションは、それぞれ
(i)メタスチンもしくはその誘導体またはその塩の水
溶液、分散液又は懸濁液を内水相とし、乳酸/グリコー
ル酸重合体の有機溶媒溶液を油相とするW/Oエマルシ
ョンを得るか、又は(ii)メタスチンもしくはその誘導
体またはその塩を乳酸/グリコール酸重合体の有機溶媒
溶液に溶解あるいは懸濁して油相を得、この(i)又は
(ii)を水(外水相)に添加し、分散、乳化することに
よって製造される。上記(i)、即ち、メタスチンもし
くはその誘導体またはその塩の水溶液、分散液又は懸濁
液を内水相とし、乳酸/グリコール酸重合体の有機溶媒
溶液を油相とするW/Oエマルションは、以下のように
して製造される。まず、メタスチンもしくはその誘導体
またはその塩を水に溶解、分散又は懸濁し、内水相を製
造する。メタスチンもしくはその誘導体またはその塩の
水溶液、分散液又は懸濁液中の濃度は、例えば0.00
1ないし90%(w/w)、好ましくは0.01ないし
80%(w/w)である。上記メタスチンもしくはその
誘導体またはその塩の使用量は、メタスチンもしくはそ
の誘導体またはその塩の種類、所望の薬理効果及び効果
の持続期間等により異なるが、乳酸/グリコール酸重合
体に対して、約0.01ないし約50%(w/w)、好
ましくは約0.1ないし約30%(w/w)、特に好ま
しくは約1ないし約20%(w/w)である。
【0022】必要であれば、メタスチンもしくはその誘
導体またはその塩のマイクロカプセルへの取り込みを上
げるために、内水相にゼラチン、寒天、アルギン酸ナト
リウム、ポリビニルアルコールあるいは塩基性アミノ酸
(例えばアルギニン、ヒスチジン、リジン等)等の薬物
保持物質(例えば、賦形剤、助剤など)を加えてもよ
い。該薬物保持物質の添加量は、メタスチンもしくはそ
の誘導体またはその塩に対し、通常約0.01ないし約
10重量倍である。内水相は、一旦凍結乾燥して粉末状
態とした後、適当な濃度となるように水を添加して溶解
して用いてもよい。
導体またはその塩のマイクロカプセルへの取り込みを上
げるために、内水相にゼラチン、寒天、アルギン酸ナト
リウム、ポリビニルアルコールあるいは塩基性アミノ酸
(例えばアルギニン、ヒスチジン、リジン等)等の薬物
保持物質(例えば、賦形剤、助剤など)を加えてもよ
い。該薬物保持物質の添加量は、メタスチンもしくはそ
の誘導体またはその塩に対し、通常約0.01ないし約
10重量倍である。内水相は、一旦凍結乾燥して粉末状
態とした後、適当な濃度となるように水を添加して溶解
して用いてもよい。
【0023】別に、乳酸/グリコール酸重合体を有機溶
媒に溶解し、油相を製造する。前記有機溶媒としては、
ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン、クロロホ
ルム、クロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素
等)、脂肪酸エステル(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル
等)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トルエン、キ
シレン等)が挙げられ、中でもジクロロメタンが好まし
い。有機溶媒中の乳酸/グリコール酸重合体の濃度は、
該乳酸/グリコール酸重合体の種類、分子量、有機溶媒
の種類により異なるが、[乳酸/グリコール酸重合体の
重量/(有機溶媒の重量+乳酸/グリコール酸重合体の
重量)](×100%)は、通常約0.01ないし約9
0%(w/w)、好ましくは約0.01ないし約70%
(w/w)である。未溶解物がないように溶解するのが
よい。このようにして得られる乳酸/グリコール酸重合
体の有機溶媒溶液(油相)に、上記したメタスチンもし
くはその誘導体またはその塩の水溶液、分散液又は懸濁
液(内水相)を添加し、ホモミキサー等で分散、乳化
し、W/Oエマルションを製造する。
媒に溶解し、油相を製造する。前記有機溶媒としては、
ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン、クロロホ
ルム、クロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素
等)、脂肪酸エステル(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル
等)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トルエン、キ
シレン等)が挙げられ、中でもジクロロメタンが好まし
い。有機溶媒中の乳酸/グリコール酸重合体の濃度は、
該乳酸/グリコール酸重合体の種類、分子量、有機溶媒
の種類により異なるが、[乳酸/グリコール酸重合体の
重量/(有機溶媒の重量+乳酸/グリコール酸重合体の
重量)](×100%)は、通常約0.01ないし約9
0%(w/w)、好ましくは約0.01ないし約70%
(w/w)である。未溶解物がないように溶解するのが
よい。このようにして得られる乳酸/グリコール酸重合
体の有機溶媒溶液(油相)に、上記したメタスチンもし
くはその誘導体またはその塩の水溶液、分散液又は懸濁
液(内水相)を添加し、ホモミキサー等で分散、乳化
し、W/Oエマルションを製造する。
【0024】一方、上記(ii)、即ち、メタスチンもし
くはその誘導体またはその塩を乳酸/グリコール酸重合
体の有機溶媒溶液に溶解あるいは懸濁して得られる油相
は、以下のようにして製造される。まず、乳酸/グリコ
ール酸重合体の有機溶媒溶液を製造する。該有機溶媒と
しては、上記W/Oエマルションを製造する際に用いた
有機溶媒と同様のものが用いられる。有機溶媒溶液中の
乳酸/グリコール酸重合体の濃度は、該乳酸/グリコー
ル酸重合体の分子量、有機溶媒の種類によって異なる
が、[乳酸/グリコール酸重合体の重量/(有機溶媒の
重量+乳酸/グリコール酸重合体の重量)](×100
%)は、通常約0.01ないし約70%(w/w)、好
ましくは約1ないし約60%(w/w)である。次に、
メタスチンもしくはその誘導体またはその塩を乳酸/グ
リコール酸重合体の有機溶媒溶液に溶解あるいは懸濁し
て油相を製造する。メタスチンもしくはその誘導体また
はその塩の使用量は、該メタスチンもしくはその誘導体
またはその塩の乳酸/グリコール酸重合体に対する割合
が上記W/Oエマルション(i)を製造する場合と同様
になるように選択すればよい。
くはその誘導体またはその塩を乳酸/グリコール酸重合
体の有機溶媒溶液に溶解あるいは懸濁して得られる油相
は、以下のようにして製造される。まず、乳酸/グリコ
ール酸重合体の有機溶媒溶液を製造する。該有機溶媒と
しては、上記W/Oエマルションを製造する際に用いた
有機溶媒と同様のものが用いられる。有機溶媒溶液中の
乳酸/グリコール酸重合体の濃度は、該乳酸/グリコー
ル酸重合体の分子量、有機溶媒の種類によって異なる
が、[乳酸/グリコール酸重合体の重量/(有機溶媒の
重量+乳酸/グリコール酸重合体の重量)](×100
%)は、通常約0.01ないし約70%(w/w)、好
ましくは約1ないし約60%(w/w)である。次に、
メタスチンもしくはその誘導体またはその塩を乳酸/グ
リコール酸重合体の有機溶媒溶液に溶解あるいは懸濁し
て油相を製造する。メタスチンもしくはその誘導体また
はその塩の使用量は、該メタスチンもしくはその誘導体
またはその塩の乳酸/グリコール酸重合体に対する割合
が上記W/Oエマルション(i)を製造する場合と同様
になるように選択すればよい。
【0025】ついで上記した(i)W/Oエマルション
又は(ii)油相を、外水相に添加し、ホモミキサー等を
用いて分散、乳化し、それぞれW/O/Wエマルション
又はO/Wエマルションを製造する。外水相の使用量
は、通常上記(i)又は(ii)の約1ないし約10,0
00容量倍、好ましくは約10ないし約5,000容量
倍、特に好ましくは約50ないし約1,000容量倍で
ある。外水相中には、通常乳化剤を添加する。該乳化剤
としては、一般的に安定なW/O/Wエマルション又は
O/Wエマルションを形成し得るものであればよく、例
えばアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポ
リオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロー
ス、レシチン、ゼラチン、ヒアルロン酸等が挙げられる
が、中でもポリビニルアルコールが好ましい。外水相中
の乳化剤の濃度は、通常約0.001ないし約20%
(w/w)、好ましくは約0.01ないし約10%(w
/w)、特に好ましくは約0.05ないし約5%(w/
w)である。このようにして得られるW/O/Wエマル
ション又はO/Wエマルション(以下、これらを単にエ
マルションと略記する場合がある)を水中乾燥法に付す
ことにより、これらエマルションに含まれる有機溶媒を
除去してマイクロカプセルを製造することができる。
又は(ii)油相を、外水相に添加し、ホモミキサー等を
用いて分散、乳化し、それぞれW/O/Wエマルション
又はO/Wエマルションを製造する。外水相の使用量
は、通常上記(i)又は(ii)の約1ないし約10,0
00容量倍、好ましくは約10ないし約5,000容量
倍、特に好ましくは約50ないし約1,000容量倍で
ある。外水相中には、通常乳化剤を添加する。該乳化剤
としては、一般的に安定なW/O/Wエマルション又は
O/Wエマルションを形成し得るものであればよく、例
えばアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポ
リオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロー
ス、レシチン、ゼラチン、ヒアルロン酸等が挙げられる
が、中でもポリビニルアルコールが好ましい。外水相中
の乳化剤の濃度は、通常約0.001ないし約20%
(w/w)、好ましくは約0.01ないし約10%(w
/w)、特に好ましくは約0.05ないし約5%(w/
w)である。このようにして得られるW/O/Wエマル
ション又はO/Wエマルション(以下、これらを単にエ
マルションと略記する場合がある)を水中乾燥法に付す
ことにより、これらエマルションに含まれる有機溶媒を
除去してマイクロカプセルを製造することができる。
【0026】このようにして得られるマイクロカプセル
は、遠心分離あるいは篩等で回収し、所望により、マイ
クロカプセル同士の凝集を防止するため糖あるいは糖ア
ルコール、無機塩等、好ましくはマンニトール、ソルビ
トール等の凝集防止剤を添加した後、凍結乾燥に付す。
マイクロカプセルと凝集防止剤の混合割合(重量比)
は、約50:1ないし約1:1、好ましくは約20:1
ないし約1:1、更に好ましくは約10:1ないし約
5:1である。凝集防止剤の添加方法は、マイクロカプ
セルと凝集防止剤とが均一に混合される方法であれば特
に限定されないが、例えば凝集防止剤の水溶液にマイク
ロカプセルを分散する方法等が挙げられる。メタスチン
もしくはその誘導体またはその塩の徐放性マイクロカプ
セルの製造法においては、水中乾燥法によりマイクロカ
プセル化するのが好適である場合が多い。このようにし
て得られたマイクロカプセルは、必要があれば減圧下加
温乾燥しマイクロカプセル中の水分及び溶媒の除去をよ
り完全に行う。
は、遠心分離あるいは篩等で回収し、所望により、マイ
クロカプセル同士の凝集を防止するため糖あるいは糖ア
ルコール、無機塩等、好ましくはマンニトール、ソルビ
トール等の凝集防止剤を添加した後、凍結乾燥に付す。
マイクロカプセルと凝集防止剤の混合割合(重量比)
は、約50:1ないし約1:1、好ましくは約20:1
ないし約1:1、更に好ましくは約10:1ないし約
5:1である。凝集防止剤の添加方法は、マイクロカプ
セルと凝集防止剤とが均一に混合される方法であれば特
に限定されないが、例えば凝集防止剤の水溶液にマイク
ロカプセルを分散する方法等が挙げられる。メタスチン
もしくはその誘導体またはその塩の徐放性マイクロカプ
セルの製造法においては、水中乾燥法によりマイクロカ
プセル化するのが好適である場合が多い。このようにし
て得られたマイクロカプセルは、必要があれば減圧下加
温乾燥しマイクロカプセル中の水分及び溶媒の除去をよ
り完全に行う。
【0027】また、前記したW/O/Wエマルション又
はO/Wエマルションを用いる方法の他に、メタスチン
もしくはその誘導体またはその塩の粉末(S相)を、乳
酸/グリコール酸重合体を溶解した有機溶媒液(O相)
に分散させた、S/O型分散液から溶媒を除去すること
による方法(例えばS/O/W法など)により製造する
こともできる。本法は、まず乳酸/グリコール酸重合体
を有機溶媒に溶解し、この有機溶媒液中にメタスチンも
しくはその誘導体またはその塩の粉末(S相)を添加し
分散させる。この際、メタスチンもしくはその誘導体ま
たはその塩と乳酸/グリコール酸重合体との混合割合
(重量比)は、例えば約1:10,000ないし約1:
1、好ましくは約1:1,000ないし約2:5、更に
好ましくは約1:100ないし約1:3である。また、
メタスチンもしくはその誘導体またはその塩の粉末を有
機溶媒液中に均一に分散させるため、外部物理的エネル
ギーを加えることが好ましい。その方法としては例えば
超音波照射、タービン型撹拌器、ホモジナイザー等が用
いられる。
はO/Wエマルションを用いる方法の他に、メタスチン
もしくはその誘導体またはその塩の粉末(S相)を、乳
酸/グリコール酸重合体を溶解した有機溶媒液(O相)
に分散させた、S/O型分散液から溶媒を除去すること
による方法(例えばS/O/W法など)により製造する
こともできる。本法は、まず乳酸/グリコール酸重合体
を有機溶媒に溶解し、この有機溶媒液中にメタスチンも
しくはその誘導体またはその塩の粉末(S相)を添加し
分散させる。この際、メタスチンもしくはその誘導体ま
たはその塩と乳酸/グリコール酸重合体との混合割合
(重量比)は、例えば約1:10,000ないし約1:
1、好ましくは約1:1,000ないし約2:5、更に
好ましくは約1:100ないし約1:3である。また、
メタスチンもしくはその誘導体またはその塩の粉末を有
機溶媒液中に均一に分散させるため、外部物理的エネル
ギーを加えることが好ましい。その方法としては例えば
超音波照射、タービン型撹拌器、ホモジナイザー等が用
いられる。
【0028】次いでこのようにして調製された有機溶媒
分散液(S/O型分散液)を、更に水性溶媒(W相)中
に添加して、上記と同様の外部物理的エネルギー、例え
ば超音波照射、タービン型撹拌器、あるいはホモジナイ
ザー等によりS/O/W型エマルションを形成させる。
以後、油相溶媒を蒸発させマイクロカプセルを製造す
る。この際の水相体積は、一般的には油相体積の約1倍
ないし約10,000倍から選ばれる。更に好ましくは
約10倍ないし約5,000倍、特に好ましくは約50
倍ないし約1,000倍から選ばれる。上記外水相中に
は、乳化剤を加えてもよい。該乳化剤としては、一般的
に安定なS/O/Wエマルションを形成できるものであ
れば何れでもよい。乳化剤としては、例えばアニオン性
界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレ
ンヒマシ油誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロース、レシチン、
ゼラチン、ヒアルロン酸等が挙げられる。これらは適宜
組み合わせて使用してもよい。外水相中の乳化剤の濃度
は、好ましくは約0.001%ないし約20%(w/
w)である。更に好ましくは約0.01%ないし約10
%(w/w)、特に好ましくは約0.05%ないし約5
%(w/w)である。
分散液(S/O型分散液)を、更に水性溶媒(W相)中
に添加して、上記と同様の外部物理的エネルギー、例え
ば超音波照射、タービン型撹拌器、あるいはホモジナイ
ザー等によりS/O/W型エマルションを形成させる。
以後、油相溶媒を蒸発させマイクロカプセルを製造す
る。この際の水相体積は、一般的には油相体積の約1倍
ないし約10,000倍から選ばれる。更に好ましくは
約10倍ないし約5,000倍、特に好ましくは約50
倍ないし約1,000倍から選ばれる。上記外水相中に
は、乳化剤を加えてもよい。該乳化剤としては、一般的
に安定なS/O/Wエマルションを形成できるものであ
れば何れでもよい。乳化剤としては、例えばアニオン性
界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレ
ンヒマシ油誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロース、レシチン、
ゼラチン、ヒアルロン酸等が挙げられる。これらは適宜
組み合わせて使用してもよい。外水相中の乳化剤の濃度
は、好ましくは約0.001%ないし約20%(w/
w)である。更に好ましくは約0.01%ないし約10
%(w/w)、特に好ましくは約0.05%ないし約5
%(w/w)である。
【0029】このようにして得られたマイクロカプセル
は、遠心分離あるいは濾過操作により分取した後、マイ
クロカプセルの表面に付着している乳化剤等を蒸留水に
よる洗浄で除去し、再び蒸留水等に分散して凍結乾燥す
る。その後必要であれば、加温してマイクロカプセル中
の水分及び有機溶媒を更に除去する。減圧下に加温して
もよい。加温条件としては、用いた乳酸/グリコール酸
重合体のガラス転移温度以上で、マイクロカプセルの各
粒子が互いに付着しない程度の温度で加熱乾燥する。好
ましくは、乳酸/グリコール酸重合体のガラス転移温度
からガラス転移温度より約30℃高い温度の範囲で加熱
乾燥する。ここでガラス転移温度とは、示差走査熱量計
を用い、加温速度毎分10ないし20℃で昇温した際に
得られる中間点を云う。このようにして得られるマイク
ロカプセルは、粒子同士の凝集を防ぐために凝集防止剤
を加えてもよい。該凝集防止剤としては、例えばマンニ
トール、ラクトース、ブドウ糖、デンプン類(例えばコ
ーンスターチ等)、ヒアルロン酸あるいはこのアルカリ
金属塩等の水溶性多糖、グリシン、フィブリン、コラー
ゲン等のタンパク質、塩化ナトリウム、リン酸水素ナト
リウム等の無機塩類等が適宜用いられる。
は、遠心分離あるいは濾過操作により分取した後、マイ
クロカプセルの表面に付着している乳化剤等を蒸留水に
よる洗浄で除去し、再び蒸留水等に分散して凍結乾燥す
る。その後必要であれば、加温してマイクロカプセル中
の水分及び有機溶媒を更に除去する。減圧下に加温して
もよい。加温条件としては、用いた乳酸/グリコール酸
重合体のガラス転移温度以上で、マイクロカプセルの各
粒子が互いに付着しない程度の温度で加熱乾燥する。好
ましくは、乳酸/グリコール酸重合体のガラス転移温度
からガラス転移温度より約30℃高い温度の範囲で加熱
乾燥する。ここでガラス転移温度とは、示差走査熱量計
を用い、加温速度毎分10ないし20℃で昇温した際に
得られる中間点を云う。このようにして得られるマイク
ロカプセルは、粒子同士の凝集を防ぐために凝集防止剤
を加えてもよい。該凝集防止剤としては、例えばマンニ
トール、ラクトース、ブドウ糖、デンプン類(例えばコ
ーンスターチ等)、ヒアルロン酸あるいはこのアルカリ
金属塩等の水溶性多糖、グリシン、フィブリン、コラー
ゲン等のタンパク質、塩化ナトリウム、リン酸水素ナト
リウム等の無機塩類等が適宜用いられる。
【0030】また、マイクロカプセルは、前記(B−1
−a)の場合と同様に、加温後、冷却することにより、
円盤状、フィルム状、棒状(ロッド状)等に成形するこ
ともできる。
−a)の場合と同様に、加温後、冷却することにより、
円盤状、フィルム状、棒状(ロッド状)等に成形するこ
ともできる。
【0031】前記した各種製造法において、有機溶媒に
乳酸/グリコール酸重合体を溶解する際に、該有機溶媒
に酸化亜鉛などの多価金属化合物を添加してもよい。酸
化亜鉛の使用量は、乳酸/グリコール酸重合体100重
量部に対し、例えば約0.01ないし約100重量部、
好ましくは約0.1ないし約20重量部である。また、
酸化亜鉛の粒子径は、通常約0.001ないし約10μ
m、好ましくは約0.005ないし約1μmである。こ
のように、酸化亜鉛などの多価金属化合物を使用して得
られる徐放性製剤は、「薬物取り込み率が高い」、「長
期にわたって持続的に薬物を放出できる」等の優れた性
質を有する。
乳酸/グリコール酸重合体を溶解する際に、該有機溶媒
に酸化亜鉛などの多価金属化合物を添加してもよい。酸
化亜鉛の使用量は、乳酸/グリコール酸重合体100重
量部に対し、例えば約0.01ないし約100重量部、
好ましくは約0.1ないし約20重量部である。また、
酸化亜鉛の粒子径は、通常約0.001ないし約10μ
m、好ましくは約0.005ないし約1μmである。こ
のように、酸化亜鉛などの多価金属化合物を使用して得
られる徐放性製剤は、「薬物取り込み率が高い」、「長
期にわたって持続的に薬物を放出できる」等の優れた性
質を有する。
【0032】本発明の徐放性製剤を製造する際に、メタ
スチンもしくはその誘導体またはその塩を、揮発性の塩
類例えば酢酸アンモニウムの水溶液に溶解し、凍結乾燥
して用いてもよい。このように酢酸アンモニウムで処理
して得られるメタスチンもしくはその誘導体またはその
塩の凍結乾燥品は、粒子径が小さく、優れた操作性を有
するので、徐放性製剤を製造する際に有利である。
スチンもしくはその誘導体またはその塩を、揮発性の塩
類例えば酢酸アンモニウムの水溶液に溶解し、凍結乾燥
して用いてもよい。このように酢酸アンモニウムで処理
して得られるメタスチンもしくはその誘導体またはその
塩の凍結乾燥品は、粒子径が小さく、優れた操作性を有
するので、徐放性製剤を製造する際に有利である。
【0033】こうして得られる本発明の徐放性製剤は、
そのままあるいは所望により製剤学的に許容される添加
剤(例えば、安定化剤、保存剤、無痛化剤等)を用いて
種々の剤形に製造して投与することができる。このよう
な製剤としては、例えば非経口剤(例えば注射剤、埋め
込み剤、坐剤等)、経口剤(例えばカプセル剤、錠剤、
顆粒剤、散剤等の固形製剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤
等の液剤等)等が挙げられる。製剤学的に許容される添
加剤としての安定剤としては、例えばヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコール等、保存剤としては、例え
ばベンジルアルコール、フェノール等、無痛化剤として
は、例えば塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン等が
挙げられる。本発明の製剤におけるメタスチンもしくは
その誘導体またはその塩の含有量は、製剤全体に対して
通常約0.01ないし約100%(w/w)の範囲から
適宜選択することができる。
そのままあるいは所望により製剤学的に許容される添加
剤(例えば、安定化剤、保存剤、無痛化剤等)を用いて
種々の剤形に製造して投与することができる。このよう
な製剤としては、例えば非経口剤(例えば注射剤、埋め
込み剤、坐剤等)、経口剤(例えばカプセル剤、錠剤、
顆粒剤、散剤等の固形製剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤
等の液剤等)等が挙げられる。製剤学的に許容される添
加剤としての安定剤としては、例えばヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコール等、保存剤としては、例え
ばベンジルアルコール、フェノール等、無痛化剤として
は、例えば塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン等が
挙げられる。本発明の製剤におけるメタスチンもしくは
その誘導体またはその塩の含有量は、製剤全体に対して
通常約0.01ないし約100%(w/w)の範囲から
適宜選択することができる。
【0034】本発明の徐放性製剤は、メタスチンもしく
はその誘導体またはその塩を、水性溶剤(例、蒸留水、
生理的食塩水、リンゲル液等)または油性溶剤(例、オ
リーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油等の植物油;プロ
ピレングリコール等)に溶解、懸濁または乳化した後、
市販の徐放性製剤用容器[例、デュロス(商品名、アル
ザ社製)]に封入することによっても製造される。
はその誘導体またはその塩を、水性溶剤(例、蒸留水、
生理的食塩水、リンゲル液等)または油性溶剤(例、オ
リーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油等の植物油;プロ
ピレングリコール等)に溶解、懸濁または乳化した後、
市販の徐放性製剤用容器[例、デュロス(商品名、アル
ザ社製)]に封入することによっても製造される。
【0035】本発明の徐放性製剤は、例えばマイクロカ
プセルとして、あるいはマイクロカプセルを原料物質と
して種々の剤形に製剤化してなる製剤として、非経口剤
(例、筋肉内、腹腔内、皮下、臓器等への注射剤または
埋め込み剤、鼻腔、直腸、子宮等への経粘膜剤等)、経
口剤(例、カプセル剤(例、硬カプセル剤、軟カプセル
剤等)、顆粒剤、散剤等の固形製剤、懸濁剤等の液剤
等)等として投与することができる。本発明の製剤は特
に注射用であることが好ましい。例えば、徐放性製剤が
マイクロカプセルである場合、マイクロカプセルを分散
剤(例、Tween80、HCO-60等の界面活性剤、カルボキシ
メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン
酸等の多糖類等)、保存剤(例、メチルパラベン、プロ
ピルパラベン等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、マ
ンニトール、ソルビトール、ブドウ糖等)等と共に水性
懸濁剤とすることにより実用的な徐放性注射剤が得られ
る。また、ゴマ油、コーン油等の植物油あるいはこれに
レシチン等のリン脂質を混合したもの、あるいは中鎖脂
肪酸トリグリセリド(例、ミグリオール812)と共に分
散して油性懸濁剤として実際に使用できる徐放性注射剤
とする。
プセルとして、あるいはマイクロカプセルを原料物質と
して種々の剤形に製剤化してなる製剤として、非経口剤
(例、筋肉内、腹腔内、皮下、臓器等への注射剤または
埋め込み剤、鼻腔、直腸、子宮等への経粘膜剤等)、経
口剤(例、カプセル剤(例、硬カプセル剤、軟カプセル
剤等)、顆粒剤、散剤等の固形製剤、懸濁剤等の液剤
等)等として投与することができる。本発明の製剤は特
に注射用であることが好ましい。例えば、徐放性製剤が
マイクロカプセルである場合、マイクロカプセルを分散
剤(例、Tween80、HCO-60等の界面活性剤、カルボキシ
メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン
酸等の多糖類等)、保存剤(例、メチルパラベン、プロ
ピルパラベン等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、マ
ンニトール、ソルビトール、ブドウ糖等)等と共に水性
懸濁剤とすることにより実用的な徐放性注射剤が得られ
る。また、ゴマ油、コーン油等の植物油あるいはこれに
レシチン等のリン脂質を混合したもの、あるいは中鎖脂
肪酸トリグリセリド(例、ミグリオール812)と共に分
散して油性懸濁剤として実際に使用できる徐放性注射剤
とする。
【0036】徐放性製剤が例えばマイクロカプセルであ
る場合、マイクロカプセルの粒子径は、懸濁注射剤とし
て使用するためには、その分散度、通針性を満足する範
囲であればよく、例えば平均粒子径として約0.1ないし
約300μmの範囲が挙げられる。平均粒子径は、好ましく
は約1ないし約150μm、特に好ましくは約2ないし約10
0μmの範囲である。上記のマイクロカプセルを無菌処理
するには、製造全工程を無菌にする方法、ガンマ線で滅
菌する方法、防腐剤を添加する方法などが挙げられる
が、特に限定されない。
る場合、マイクロカプセルの粒子径は、懸濁注射剤とし
て使用するためには、その分散度、通針性を満足する範
囲であればよく、例えば平均粒子径として約0.1ないし
約300μmの範囲が挙げられる。平均粒子径は、好ましく
は約1ないし約150μm、特に好ましくは約2ないし約10
0μmの範囲である。上記のマイクロカプセルを無菌処理
するには、製造全工程を無菌にする方法、ガンマ線で滅
菌する方法、防腐剤を添加する方法などが挙げられる
が、特に限定されない。
【0037】本発明の製剤は安全で低毒性であるので、
例えば、ヒトや哺乳動物(例えばサル、マントヒヒ、チ
ンパンジー、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、イヌ、ネコ、
マウス、ラット等)に対して投与することができる。本
発明の製剤は、メタスチンの生理活性が関与する全ての
疾患の治療または予防に用いることができる。特に、本
発明の製剤は、癌転移抑制活性を有するため、あらゆる
癌(例えば、肺癌、胃癌、肝癌、膵癌、大腸癌、直腸
癌、結腸癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮頚癌、乳癌、腎
癌、膀胱癌、脳腫瘍等)の治療または予防に有効に用い
ることができる。さらに、本発明の製剤は、膵臓機能調
節作用を有するため、種々の膵臓疾患(例えば、急性ま
たは慢性膵炎、膵癌等)の治療または予防にも有効に用
いることができる。また、本発明の製剤は、胎盤機能調
節作用を有するため、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流
産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または
分娩異常の治療または予防に有効に用いることができ
る。本発明の製剤の投与量は、有効成分であるメタスチ
ンもしくはその誘導体またはその塩の種類と含有量、剤
形、放出の持続期間、投与対象、投与ルート、投与目
的、対象疾患、症状等に応じて適宜選択することができ
るが、所望の持続期間中に当該有効成分が医薬上有効な
濃度で体内に維持される量であればよい。例えば成人の
癌患者(体重約60kg)の治療において、例えば約1
ヶ月型徐放性注射剤として投与する場合、1回あたり、
メタスチンもしくはその誘導体またはその塩として例え
ば約0.1ないし約100mg/kg体重、好ましくは
約1ないし50mg/kg体重の範囲の量を用いる。投
与回数は、1週間に1回、2週間に1回、1ヵ月に1
回、2ヵ月に1回、6ヵ月に1回等、KiSS-1ペプチドの
種類と含量、剤形、放出の持続期間、対象疾病、対象動
物等によって適宜選ぶことができる。好ましくは1週間
ないし2ヵ月型徐放性製剤、さらに好ましくは1週間な
いし1ヵ月型徐放性製剤が挙げられる。
例えば、ヒトや哺乳動物(例えばサル、マントヒヒ、チ
ンパンジー、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、イヌ、ネコ、
マウス、ラット等)に対して投与することができる。本
発明の製剤は、メタスチンの生理活性が関与する全ての
疾患の治療または予防に用いることができる。特に、本
発明の製剤は、癌転移抑制活性を有するため、あらゆる
癌(例えば、肺癌、胃癌、肝癌、膵癌、大腸癌、直腸
癌、結腸癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮頚癌、乳癌、腎
癌、膀胱癌、脳腫瘍等)の治療または予防に有効に用い
ることができる。さらに、本発明の製剤は、膵臓機能調
節作用を有するため、種々の膵臓疾患(例えば、急性ま
たは慢性膵炎、膵癌等)の治療または予防にも有効に用
いることができる。また、本発明の製剤は、胎盤機能調
節作用を有するため、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流
産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または
分娩異常の治療または予防に有効に用いることができ
る。本発明の製剤の投与量は、有効成分であるメタスチ
ンもしくはその誘導体またはその塩の種類と含有量、剤
形、放出の持続期間、投与対象、投与ルート、投与目
的、対象疾患、症状等に応じて適宜選択することができ
るが、所望の持続期間中に当該有効成分が医薬上有効な
濃度で体内に維持される量であればよい。例えば成人の
癌患者(体重約60kg)の治療において、例えば約1
ヶ月型徐放性注射剤として投与する場合、1回あたり、
メタスチンもしくはその誘導体またはその塩として例え
ば約0.1ないし約100mg/kg体重、好ましくは
約1ないし50mg/kg体重の範囲の量を用いる。投
与回数は、1週間に1回、2週間に1回、1ヵ月に1
回、2ヵ月に1回、6ヵ月に1回等、KiSS-1ペプチドの
種類と含量、剤形、放出の持続期間、対象疾病、対象動
物等によって適宜選ぶことができる。好ましくは1週間
ないし2ヵ月型徐放性製剤、さらに好ましくは1週間な
いし1ヵ月型徐放性製剤が挙げられる。
【0038】また、本発明の製剤は、メタスチンもしく
はその誘導体またはその塩が医薬上有効である種々の疾
患のためのその他の医薬、特に癌治療のための化学療法
剤、ホルモン療法剤、免疫療法剤等の薬剤(以下、併用
薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。
この際、本発明の製剤及び併用薬剤の投与時期は限定さ
れず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよい
し、時間差をおいて投与してもよい。併用薬剤の投与量
は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択す
ることができる。また、本発明の製剤と併用薬剤の配合
比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合
わせ等に応じて適宜選択することができる。
はその誘導体またはその塩が医薬上有効である種々の疾
患のためのその他の医薬、特に癌治療のための化学療法
剤、ホルモン療法剤、免疫療法剤等の薬剤(以下、併用
薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。
この際、本発明の製剤及び併用薬剤の投与時期は限定さ
れず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよい
し、時間差をおいて投与してもよい。併用薬剤の投与量
は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択す
ることができる。また、本発明の製剤と併用薬剤の配合
比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合
わせ等に応じて適宜選択することができる。
【0039】化学療法剤としては、例えばアルキル化剤
(例えばサイクロフォスファミド、イフォスファミド、
ニムスチン、ラニムスチン、カルボコン等)、代謝拮抗
剤(例えばメソトレキセート、5−フルオロウラシル、
テガフール、カルモフール、UFT、ドキシフルリジン、
シタラビン、エノシタビン、メルカプトプリン、メルカ
プトプリンリボシド、チオグアニン等)、抗癌性抗生物
質(例えばマイトマイシン、アドリアマイシン、ダウノ
ルビシン、エピルビシン、ピラルビシン、イダルビシ
ン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、アクチノマイシ
ン等)、植物由来抗癌剤(例えばビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、エトポシド、カンプトテシ
ン、イリノテカン等)、シスプラチン、カルボプラチ
ン、ネダプラチン、パクリタキセル、ドセタキセル、エ
ストラムスチン等が挙げられる。ホルモン療法剤として
は、例えば副腎皮質ホルモン薬(例えばプレドニゾロ
ン、プレドニゾン、デキサメタゾン、酢酸コルチゾン
等)、エストロゲン薬(例えばエストラジオール、エチ
ニルエストラジオール、ホスフェストロール、クロロト
リアニセン等)、抗エストロゲン薬(例えばエピチオス
タノール、メピチオスタン、タモキシフェン、クロミフ
ェン等)、黄体ホルモン薬(例えばカプロン酸ヒドロキ
シプロゲステロン、ジドロゲステロン、メドロキシプロ
ゲステロン、ノルエチステロン、ノルエチンドロン
等)、LHRH誘導体(例えば酢酸リュープロレリン等)等
が挙げられる。免疫療法剤としては、例えば微生物又は
細菌成分(例えばムラミルジペプチド誘導体、ピシバニ
ール等)、免疫増強活性のある多糖類(例えばレンチナ
ン、シゾフィラン、クレスチン等)、遺伝子工学的手法
で得られるサイトカイン(例えばインターフェロン、イ
ンターロイキン2(IL-2)、インターロイキン12(IL-
12)、腫瘍壊死因子(TNF)等)、コロニー刺激因子(例
えば顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポエチン等)等
が挙げられる。
(例えばサイクロフォスファミド、イフォスファミド、
ニムスチン、ラニムスチン、カルボコン等)、代謝拮抗
剤(例えばメソトレキセート、5−フルオロウラシル、
テガフール、カルモフール、UFT、ドキシフルリジン、
シタラビン、エノシタビン、メルカプトプリン、メルカ
プトプリンリボシド、チオグアニン等)、抗癌性抗生物
質(例えばマイトマイシン、アドリアマイシン、ダウノ
ルビシン、エピルビシン、ピラルビシン、イダルビシ
ン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、アクチノマイシ
ン等)、植物由来抗癌剤(例えばビンクリスチン、ビン
ブラスチン、ビンデシン、エトポシド、カンプトテシ
ン、イリノテカン等)、シスプラチン、カルボプラチ
ン、ネダプラチン、パクリタキセル、ドセタキセル、エ
ストラムスチン等が挙げられる。ホルモン療法剤として
は、例えば副腎皮質ホルモン薬(例えばプレドニゾロ
ン、プレドニゾン、デキサメタゾン、酢酸コルチゾン
等)、エストロゲン薬(例えばエストラジオール、エチ
ニルエストラジオール、ホスフェストロール、クロロト
リアニセン等)、抗エストロゲン薬(例えばエピチオス
タノール、メピチオスタン、タモキシフェン、クロミフ
ェン等)、黄体ホルモン薬(例えばカプロン酸ヒドロキ
シプロゲステロン、ジドロゲステロン、メドロキシプロ
ゲステロン、ノルエチステロン、ノルエチンドロン
等)、LHRH誘導体(例えば酢酸リュープロレリン等)等
が挙げられる。免疫療法剤としては、例えば微生物又は
細菌成分(例えばムラミルジペプチド誘導体、ピシバニ
ール等)、免疫増強活性のある多糖類(例えばレンチナ
ン、シゾフィラン、クレスチン等)、遺伝子工学的手法
で得られるサイトカイン(例えばインターフェロン、イ
ンターロイキン2(IL-2)、インターロイキン12(IL-
12)、腫瘍壊死因子(TNF)等)、コロニー刺激因子(例
えば顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポエチン等)等
が挙げられる。
【0040】更に、動物モデルや臨床で悪液質改善作用
が認められている薬剤、即ち、シクロオキシゲナーゼ阻
害剤(例えばインドメタシン等)〔キャンサー・リサー
チ(Cancer Reseach)、第49巻、5935ないし59
39頁、1989年〕、プロゲステロン誘導体(例えば
メゲステロールアセテート)〔ジャーナル・オブ・クリ
ニカル・オンコロジー(Journal of Clinical Oncolog
y)、第12巻、213ないし225頁、1994
年〕、糖質ステロイド(例えばデキサメサゾン等)、メ
トクロプラミド系薬剤、テトラヒドロカンナビノール系
薬剤(文献は何れも上記と同様)、脂肪代謝改善剤(例
えばエイコサペンタエン酸等)〔ブリティシュ・ジャー
ナル・オブ・キャンサー(British Journal of Cance
r)、第68巻、314ないし318頁、1993
年〕、成長ホルモン、IGF−1、あるいは悪液質を誘
導する因子であるTNF−α、LIF、IL−6、オン
コスタチンMに対する抗体等も本発明製剤と併用するこ
とができる。その他、胎盤や膵臓の疾患の治療又は予防
に用いられる一般的な薬剤も併用薬剤として用いられ
る。その様な薬剤の例としては、臨床上通常用いられる
抗炎症剤、解熱鎮痛剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、ホルモ
ン剤等が挙げられる。
が認められている薬剤、即ち、シクロオキシゲナーゼ阻
害剤(例えばインドメタシン等)〔キャンサー・リサー
チ(Cancer Reseach)、第49巻、5935ないし59
39頁、1989年〕、プロゲステロン誘導体(例えば
メゲステロールアセテート)〔ジャーナル・オブ・クリ
ニカル・オンコロジー(Journal of Clinical Oncolog
y)、第12巻、213ないし225頁、1994
年〕、糖質ステロイド(例えばデキサメサゾン等)、メ
トクロプラミド系薬剤、テトラヒドロカンナビノール系
薬剤(文献は何れも上記と同様)、脂肪代謝改善剤(例
えばエイコサペンタエン酸等)〔ブリティシュ・ジャー
ナル・オブ・キャンサー(British Journal of Cance
r)、第68巻、314ないし318頁、1993
年〕、成長ホルモン、IGF−1、あるいは悪液質を誘
導する因子であるTNF−α、LIF、IL−6、オン
コスタチンMに対する抗体等も本発明製剤と併用するこ
とができる。その他、胎盤や膵臓の疾患の治療又は予防
に用いられる一般的な薬剤も併用薬剤として用いられ
る。その様な薬剤の例としては、臨床上通常用いられる
抗炎症剤、解熱鎮痛剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、ホルモ
ン剤等が挙げられる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を実施例及び実験
例を示して更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれ
らに限定されるものではない。本明細書および図面にお
いて、塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、IU
PAC IUB Commision on Bioch
emical Nomenclatureによる略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン
例を示して更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれ
らに限定されるものではない。本明細書および図面にお
いて、塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、IU
PAC IUB Commision on Bioch
emical Nomenclatureによる略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン
【0042】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕ヒト由来KiSS-1ペプチドのアミノ酸配
列を示す。 〔配列番号:2〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
の第40番目から第54番目の部分アミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:3〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
の第45番目から第54番目の部分アミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:4〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
の第46番目から第54番目の部分アミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:5〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
の第47番目から第54番目の部分アミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:6〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕配列番号:2で表されるアミノ酸配列
をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕配列番号:3で表されるアミノ酸配列
をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:9〕配列番号:4で表されるアミノ酸配列
をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:10〕配列番号:5で表されるアミノ酸配
列をコードするDNAの塩基配列を示す。
配列を示す。 〔配列番号:1〕ヒト由来KiSS-1ペプチドのアミノ酸配
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の第40番目から第54番目の部分アミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:3〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
の第45番目から第54番目の部分アミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:4〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
の第46番目から第54番目の部分アミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:5〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
の第47番目から第54番目の部分アミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:6〕配列番号:1で表されるアミノ酸配列
をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕配列番号:2で表されるアミノ酸配列
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をコードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:10〕配列番号:5で表されるアミノ酸配
列をコードするDNAの塩基配列を示す。
【0043】
【実施例】実施例1
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール=50
/50,ポリスチレン換算平均分子量=12,000,
粘度=0.145dl/g)1.9gをジクロロメタン3.
0mlに溶解した。この有機溶媒液に配列番号:1で表さ
れるヒト由来KiSS-1ペプチド(メタスチン(1−5
4))の凍結乾燥粉末100mgを添加し、ポリトロン
(キネマチカ社)を用いて微粒化する。このS/O分散
液を0.1%ポリビニルアルコール水溶液800mlに添
加し、ホモミキサーを用いて撹拌・乳化する。室温で3
時間撹拌してジクロロメタンを揮散させた後、遠心分離
(約2,000rpm)することによりマイクロカプセルを
分取する。次いで蒸留水400mlを用いて2回洗浄後、
D−マンニトール0.2gを添加し凍結乾燥する。更に
残留溶媒除去のため、46℃で3日間真空乾燥して徐放
性メタスチン(1−54)含有マイクロカプセルを得
る。
/50,ポリスチレン換算平均分子量=12,000,
粘度=0.145dl/g)1.9gをジクロロメタン3.
0mlに溶解した。この有機溶媒液に配列番号:1で表さ
れるヒト由来KiSS-1ペプチド(メタスチン(1−5
4))の凍結乾燥粉末100mgを添加し、ポリトロン
(キネマチカ社)を用いて微粒化する。このS/O分散
液を0.1%ポリビニルアルコール水溶液800mlに添
加し、ホモミキサーを用いて撹拌・乳化する。室温で3
時間撹拌してジクロロメタンを揮散させた後、遠心分離
(約2,000rpm)することによりマイクロカプセルを
分取する。次いで蒸留水400mlを用いて2回洗浄後、
D−マンニトール0.2gを添加し凍結乾燥する。更に
残留溶媒除去のため、46℃で3日間真空乾燥して徐放
性メタスチン(1−54)含有マイクロカプセルを得
る。
【0044】実施例2
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール=50
/50,ポリスチレン換算平均分子量=12,000,
粘度=0.145dl/g)1.89gと酸化亜鉛10mgと
をジクロロメタン3.0mlに溶解した。この有機溶媒液
に配列番号:1で表されるヒト由来KiSS-1ペプチド(メ
タスチン(1−54))の凍結乾燥粉末100mgを添加
し、ポリトロン(キネマチカ社)を用いて微粒化した。
このS/O分散液を0.1%ポリビニルアルコール水溶
液800mlに添加し、ホモミキサーを用いて撹拌・乳化
した。室温で3時間撹拌してジクロロメタンを揮散させ
た後、遠心分離(約2,000rpm)することによりマイ
クロカプセルを分取した。次いで蒸留水400mlを用い
て2回洗浄後、D−マンニトール0.2gを添加し凍結
乾燥した。更に残留溶媒除去のため、46℃で3日間真
空乾燥して徐放性メタスチン(1−54)含有マイクロ
カプセルを得た。
/50,ポリスチレン換算平均分子量=12,000,
粘度=0.145dl/g)1.89gと酸化亜鉛10mgと
をジクロロメタン3.0mlに溶解した。この有機溶媒液
に配列番号:1で表されるヒト由来KiSS-1ペプチド(メ
タスチン(1−54))の凍結乾燥粉末100mgを添加
し、ポリトロン(キネマチカ社)を用いて微粒化した。
このS/O分散液を0.1%ポリビニルアルコール水溶
液800mlに添加し、ホモミキサーを用いて撹拌・乳化
した。室温で3時間撹拌してジクロロメタンを揮散させ
た後、遠心分離(約2,000rpm)することによりマイ
クロカプセルを分取した。次いで蒸留水400mlを用い
て2回洗浄後、D−マンニトール0.2gを添加し凍結
乾燥した。更に残留溶媒除去のため、46℃で3日間真
空乾燥して徐放性メタスチン(1−54)含有マイクロ
カプセルを得た。
【0045】実施例3
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール=65
/35,粘度=0.160dl/g)1.69gと酸化亜鉛
10mgとをジクロロメタン2.7mlに溶解する。この有
機溶媒液に配列番号:1で表されるヒト由来KiSS-1ペプ
チド(メタスチン(1−54))の凍結乾燥粉末300
mgを添加し、ポリトロン(キネマチカ社)を用いて微粒
化する。このS/O分散液を0.1%ポリビニルアルコ
ール水溶液800mlに添加し、ホモミキサーを用いて撹
拌・乳化する。室温で3時間撹拌してジクロロメタンを
揮散させた後、遠心分離(約2,000rpm)することに
よりマイクロカプセルを分取する。次いで蒸留水400
mlを用いて2回洗浄後、D−マンニトール0.2gを添
加し凍結乾燥する。更に残留溶媒除去のため、46℃で
3日間真空乾燥して徐放性メタスチン(1−54)含有
マイクロカプセルを得る。
/35,粘度=0.160dl/g)1.69gと酸化亜鉛
10mgとをジクロロメタン2.7mlに溶解する。この有
機溶媒液に配列番号:1で表されるヒト由来KiSS-1ペプ
チド(メタスチン(1−54))の凍結乾燥粉末300
mgを添加し、ポリトロン(キネマチカ社)を用いて微粒
化する。このS/O分散液を0.1%ポリビニルアルコ
ール水溶液800mlに添加し、ホモミキサーを用いて撹
拌・乳化する。室温で3時間撹拌してジクロロメタンを
揮散させた後、遠心分離(約2,000rpm)することに
よりマイクロカプセルを分取する。次いで蒸留水400
mlを用いて2回洗浄後、D−マンニトール0.2gを添
加し凍結乾燥する。更に残留溶媒除去のため、46℃で
3日間真空乾燥して徐放性メタスチン(1−54)含有
マイクロカプセルを得る。
【0046】実施例4
ポリグリセリン脂肪酸エステルの1つであるヘキサグリ
セロールペンタステアレート(HexaGlycerol PentaStea
rate, HGPS)1560mgを70℃で加熱融解後、配列番
号:1で表されるヒト由来KiSS-1ペプチド(メタスチン
(1−54))の凍結乾燥粉末40mgを添加し、攪拌混
合後、内径2.0mmの移植針に吸引し、室温にて冷却固
化する。固化したメタスチン(1−54)含有HGPSを取
り出すため移植針を66℃で1ないし3分間加熱し押し
出し成形する。得られた円柱のペレットを長さ10mmに
切断し、長径2.0mm、長さ10mmの徐放性メタスチン
(1−54)含有HGPS製剤を得る。
セロールペンタステアレート(HexaGlycerol PentaStea
rate, HGPS)1560mgを70℃で加熱融解後、配列番
号:1で表されるヒト由来KiSS-1ペプチド(メタスチン
(1−54))の凍結乾燥粉末40mgを添加し、攪拌混
合後、内径2.0mmの移植針に吸引し、室温にて冷却固
化する。固化したメタスチン(1−54)含有HGPSを取
り出すため移植針を66℃で1ないし3分間加熱し押し
出し成形する。得られた円柱のペレットを長さ10mmに
切断し、長径2.0mm、長さ10mmの徐放性メタスチン
(1−54)含有HGPS製剤を得る。
【0047】実施例5
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール=65
/35,粘度=0.160dl/g)1.69gと酸化亜鉛
10mgとをジクロロメタン2.7mlに溶解する。この有
機溶媒液に配列番号:3で表されるヒト由来KiSS-1ペプ
チド(メタスチン(45−54))の凍結乾燥粉末30
0mgを添加し、ポリトロン(キネマチカ社)を用いて微
粒化する。このS/O分散液を0.1%ポリビニルアル
コール水溶液800mlに添加し、ホモミキサーを用いて
撹拌・乳化する。室温で3時間撹拌してジクロロメタン
を揮散させた後、遠心分離(約2,000rpm)すること
によりマイクロカプセルを分取する。次いで蒸留水40
0mlを用いて2回洗浄後、D−マンニトール0.2gを
添加し凍結乾燥する。更に残留溶媒除去のため、46℃
で3日間真空乾燥して徐放性メタスチン(45−54)
含有マイクロカプセルを得る。
/35,粘度=0.160dl/g)1.69gと酸化亜鉛
10mgとをジクロロメタン2.7mlに溶解する。この有
機溶媒液に配列番号:3で表されるヒト由来KiSS-1ペプ
チド(メタスチン(45−54))の凍結乾燥粉末30
0mgを添加し、ポリトロン(キネマチカ社)を用いて微
粒化する。このS/O分散液を0.1%ポリビニルアル
コール水溶液800mlに添加し、ホモミキサーを用いて
撹拌・乳化する。室温で3時間撹拌してジクロロメタン
を揮散させた後、遠心分離(約2,000rpm)すること
によりマイクロカプセルを分取する。次いで蒸留水40
0mlを用いて2回洗浄後、D−マンニトール0.2gを
添加し凍結乾燥する。更に残留溶媒除去のため、46℃
で3日間真空乾燥して徐放性メタスチン(45−54)
含有マイクロカプセルを得る。
【0048】実施例6
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール=65
/35,粘度=0.160dl/g)1.69gと酸化亜鉛
10mgとをジクロロメタン2.7mlに溶解する。この有
機溶媒液に250mg/ml濃度の配列番号:3で表される
ヒト由来KiSS-1ペプチド(メタスチン(45−54))
の水溶液を1.2ml添加し、ポリトロン(キネマチカ
社)を用いて微粒化する。このW/O乳化液を0.1%
ポリビニルアルコール水溶液800mlに添加し、ホモミ
キサーを用いて撹拌・乳化する。室温で3時間撹拌して
ジクロロメタンを揮散させた後、遠心分離(約2,00
0rpm)することによりマイクロカプセルを分取する。
次いで蒸留水400mlを用いて2回洗浄後、D−マンニ
トール0.2gを添加し凍結乾燥する。更に残留溶媒除
去のため、46℃で3日間真空乾燥して徐放性メタスチ
ン(45−54)含有マイクロカプセルを得る。
/35,粘度=0.160dl/g)1.69gと酸化亜鉛
10mgとをジクロロメタン2.7mlに溶解する。この有
機溶媒液に250mg/ml濃度の配列番号:3で表される
ヒト由来KiSS-1ペプチド(メタスチン(45−54))
の水溶液を1.2ml添加し、ポリトロン(キネマチカ
社)を用いて微粒化する。このW/O乳化液を0.1%
ポリビニルアルコール水溶液800mlに添加し、ホモミ
キサーを用いて撹拌・乳化する。室温で3時間撹拌して
ジクロロメタンを揮散させた後、遠心分離(約2,00
0rpm)することによりマイクロカプセルを分取する。
次いで蒸留水400mlを用いて2回洗浄後、D−マンニ
トール0.2gを添加し凍結乾燥する。更に残留溶媒除
去のため、46℃で3日間真空乾燥して徐放性メタスチ
ン(45−54)含有マイクロカプセルを得る。
【0049】実施例7
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール=65
/35,粘度=0.160dl/g)1.69gと酸化亜鉛
10mgとをジクロロメタン2.7mlに溶解する。この有
機溶媒液に配列番号:2で表されるヒト由来KiSS-1ペプ
チド(メタスチン(40−54))の凍結乾燥粉末30
0mgを添加し、ポリトロン(キネマチカ社)を用いて微
粒化する。このS/O分散液を0.1%ポリビニルアル
コール水溶液800mlに添加し、ホモミキサーを用いて
撹拌・乳化する。室温で3時間撹拌してジクロロメタン
を揮散させた後、遠心分離(約2,000rpm)すること
によりマイクロカプセルを分取する。次いで蒸留水40
0mlを用いて2回洗浄後、D−マンニトール0.2gを
添加し凍結乾燥する。更に残留溶媒除去のため、46℃
で3日間真空乾燥して徐放性メタスチン(40−54)
含有マイクロカプセルを得る。
/35,粘度=0.160dl/g)1.69gと酸化亜鉛
10mgとをジクロロメタン2.7mlに溶解する。この有
機溶媒液に配列番号:2で表されるヒト由来KiSS-1ペプ
チド(メタスチン(40−54))の凍結乾燥粉末30
0mgを添加し、ポリトロン(キネマチカ社)を用いて微
粒化する。このS/O分散液を0.1%ポリビニルアル
コール水溶液800mlに添加し、ホモミキサーを用いて
撹拌・乳化する。室温で3時間撹拌してジクロロメタン
を揮散させた後、遠心分離(約2,000rpm)すること
によりマイクロカプセルを分取する。次いで蒸留水40
0mlを用いて2回洗浄後、D−マンニトール0.2gを
添加し凍結乾燥する。更に残留溶媒除去のため、46℃
で3日間真空乾燥して徐放性メタスチン(40−54)
含有マイクロカプセルを得る。
【0050】実施例8
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール=65
/35,粘度=0.160dl/g)1.69gと酸化亜鉛
10mgとをジクロロメタン2.7mlに溶解した。この有
機溶媒液に250mg/ml濃度の配列番号:2で表される
ヒト由来KiSS-1ペプチド(メタスチン(40−54))
の水溶液を1.2ml添加し、ポリトロン(キネマチカ
社)を用いて微粒化する。このW/O乳化液を0.1%
ポリビニルアルコール水溶液800mlに添加し、ホモミ
キサーを用いて撹拌・乳化する。室温で3時間撹拌して
ジクロロメタンを揮散させた後、遠心分離(約2,00
0rpm)することによりマイクロカプセルを分取する。
次いで蒸留水400mlを用いて2回洗浄後、D−マンニ
トール0.2gを添加し凍結乾燥する。更に残留溶媒除
去のため、46℃で3日間真空乾燥して徐放性メタスチ
ン(40−54)含有マイクロカプセルを得る。
/35,粘度=0.160dl/g)1.69gと酸化亜鉛
10mgとをジクロロメタン2.7mlに溶解した。この有
機溶媒液に250mg/ml濃度の配列番号:2で表される
ヒト由来KiSS-1ペプチド(メタスチン(40−54))
の水溶液を1.2ml添加し、ポリトロン(キネマチカ
社)を用いて微粒化する。このW/O乳化液を0.1%
ポリビニルアルコール水溶液800mlに添加し、ホモミ
キサーを用いて撹拌・乳化する。室温で3時間撹拌して
ジクロロメタンを揮散させた後、遠心分離(約2,00
0rpm)することによりマイクロカプセルを分取する。
次いで蒸留水400mlを用いて2回洗浄後、D−マンニ
トール0.2gを添加し凍結乾燥する。更に残留溶媒除
去のため、46℃で3日間真空乾燥して徐放性メタスチ
ン(40−54)含有マイクロカプセルを得る。
【0051】実施例9
乳酸-グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール=50
/50,ポリスチレン換算平均分子量=12,000,
粘度=0.145dl/g)1.97gと酸化亜鉛10mgと
をジクロロメタン2.7mlに溶解した。この有機溶媒液
に配列番号:1で表されるヒト由来KiSS-1ペプチド(メ
タスチン(1-54))の凍結乾燥粉末20mgを添加
し、ポリトロン(キネマチカ社)を用いて微粒化した。
このS/O分散液を0.1%ポリビニルアルコール水溶
液800mlに添加し、ホモミキサーを用いて撹拌・乳化
した。室温で3時間撹拌してジクロロメタンを揮散させ
た後、遠心分離(約2,000rpm)することによりマイ
クロカプセルを分取した。次いで蒸留水400mlを用い
て2回洗浄後、D-マンニトール0.2gを添加し凍結乾
燥した。更に残留溶媒除去のため、46℃で3日間真空
乾燥して徐放性メタスチン(1-54)含有マイクロカ
プセルを得た。
/50,ポリスチレン換算平均分子量=12,000,
粘度=0.145dl/g)1.97gと酸化亜鉛10mgと
をジクロロメタン2.7mlに溶解した。この有機溶媒液
に配列番号:1で表されるヒト由来KiSS-1ペプチド(メ
タスチン(1-54))の凍結乾燥粉末20mgを添加
し、ポリトロン(キネマチカ社)を用いて微粒化した。
このS/O分散液を0.1%ポリビニルアルコール水溶
液800mlに添加し、ホモミキサーを用いて撹拌・乳化
した。室温で3時間撹拌してジクロロメタンを揮散させ
た後、遠心分離(約2,000rpm)することによりマイ
クロカプセルを分取した。次いで蒸留水400mlを用い
て2回洗浄後、D-マンニトール0.2gを添加し凍結乾
燥した。更に残留溶媒除去のため、46℃で3日間真空
乾燥して徐放性メタスチン(1-54)含有マイクロカ
プセルを得た。
【0052】実施例10
乳酸-グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール=50
/50,ポリスチレン換算平均分子量=12,000,
粘度=0.145dl/g)2.148gと酸化亜鉛12mg
とをジクロロメタン3.3mlに溶解した。この有機溶媒
液に配列番号:1で表されるヒト由来KiSS-1ペプチド
(メタスチン(1−54))の凍結乾燥粉末240mgを
添加し、ポリトロン(キネマチカ社)を用いて微粒化し
た。このS/O分散液を0.1%ポリビニルアルコール
水溶液800mlに添加し、ホモミキサーを用いて撹拌・
乳化した。室温で3時間撹拌してジクロロメタンを揮散
させた後、遠心分離(約2,000rpm)することにより
マイクロカプセルを分取した。次いで蒸留水400mlを
用いて2回洗浄後、D−マンニトール0.24gを添加
し凍結乾燥した。更に残留溶媒除去のため、46℃で3
日間真空乾燥して徐放性メタスチン(1−54)含有マ
イクロカプセルを得た。
/50,ポリスチレン換算平均分子量=12,000,
粘度=0.145dl/g)2.148gと酸化亜鉛12mg
とをジクロロメタン3.3mlに溶解した。この有機溶媒
液に配列番号:1で表されるヒト由来KiSS-1ペプチド
(メタスチン(1−54))の凍結乾燥粉末240mgを
添加し、ポリトロン(キネマチカ社)を用いて微粒化し
た。このS/O分散液を0.1%ポリビニルアルコール
水溶液800mlに添加し、ホモミキサーを用いて撹拌・
乳化した。室温で3時間撹拌してジクロロメタンを揮散
させた後、遠心分離(約2,000rpm)することにより
マイクロカプセルを分取した。次いで蒸留水400mlを
用いて2回洗浄後、D−マンニトール0.24gを添加
し凍結乾燥した。更に残留溶媒除去のため、46℃で3
日間真空乾燥して徐放性メタスチン(1−54)含有マ
イクロカプセルを得た。
【0053】実施例11
乳酸-グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール=50
/50,ポリスチレン換算平均分子量=12,000,
粘度=0.145dl/g)2.16gをジクロロメタン
3.3mlに溶解した。この有機溶媒液に配列番号:1で
表されるヒト由来KiSS-1ペプチド(メタスチン(1−5
4))の凍結乾燥粉末240mgを添加し、ポリトロン
(キネマチカ社)を用いて微粒化した。このS/O分散
液を0.1%ポリビニルアルコール水溶液800mlに添
加し、ホモミキサーを用いて撹拌・乳化した。室温で3
時間撹拌してジクロロメタンを揮散させた後、遠心分離
(約2,000rpm)することによりマイクロカプセルを
分取した。次いで蒸留水400mlを用いて2回洗浄後、
D−マンニトール0.24gを添加し凍結乾燥した。更
に残留溶媒除去のため、46℃で3日間真空乾燥して徐
放性メタスチン(1−54)含有マイクロカプセルを得
た。
/50,ポリスチレン換算平均分子量=12,000,
粘度=0.145dl/g)2.16gをジクロロメタン
3.3mlに溶解した。この有機溶媒液に配列番号:1で
表されるヒト由来KiSS-1ペプチド(メタスチン(1−5
4))の凍結乾燥粉末240mgを添加し、ポリトロン
(キネマチカ社)を用いて微粒化した。このS/O分散
液を0.1%ポリビニルアルコール水溶液800mlに添
加し、ホモミキサーを用いて撹拌・乳化した。室温で3
時間撹拌してジクロロメタンを揮散させた後、遠心分離
(約2,000rpm)することによりマイクロカプセルを
分取した。次いで蒸留水400mlを用いて2回洗浄後、
D−マンニトール0.24gを添加し凍結乾燥した。更
に残留溶媒除去のため、46℃で3日間真空乾燥して徐
放性メタスチン(1−54)含有マイクロカプセルを得
た。
【0054】実験例1
実施例10で調製した徐放性メタスチン(1−54)含
有マイクロカプセルをラット皮下にメタスチン(1−5
4)量として6mg相当量を投与し、血中メタスチン(1
−54)濃度の経時変化を2週間にわたり測定した。結
果を図1に示す。図1で示されるように血中メタスチン
(1−54)濃度は2週間にわたり検出された。これよ
り本発明の徐放性製剤が優れた徐放性を有することは明
らかである。
有マイクロカプセルをラット皮下にメタスチン(1−5
4)量として6mg相当量を投与し、血中メタスチン(1
−54)濃度の経時変化を2週間にわたり測定した。結
果を図1に示す。図1で示されるように血中メタスチン
(1−54)濃度は2週間にわたり検出された。これよ
り本発明の徐放性製剤が優れた徐放性を有することは明
らかである。
【0055】実験例2
(1)hOT7T175発現B16マウスメラノーマ細胞の作製
hOT7T175のcDNA(WO 00/24890に記載の配列番号:6)
を、優性選択マーカーとしてneorを有するpAKKO-neo哺
乳動物細胞発現プラスミドに定法を用いて連結し、hOT7
T175発現コンストラクトを得た。Effectene(QIAGEN
社)トランスフェクション試薬を用いて、該hOT7T175発
現コンストラクトをB16細胞に導入した。該B16細胞を最
終濃度1.2 mg/ml のG418含有RPMI 1640選択培地中で選
択培養し、形成されてきたコロニーをクローニングリン
グを用いて単離し、17クローンのG418耐性B16/h175細胞
株を単離した。該遺伝子導入B16/h175細胞株17クローン
について、最終濃度1.2 mg/ml のG418含有RPMI 1640選
択培地を用いてT25フラスコ中にて培養し、RNeasy(QIAG
EN)を用いて総RNAを抽出した。それぞれのクローンから
抽出した1μgのRNAを鋳型として用いて、SuperScript
II(Gibco BRL)によってcDNA合成を実施した。hOT7T175
に対するTaqManプライマー、TaqManプローブセットを用
いてTaqMan PCRを実施し、cl.4をはじめとする数株の受
容体発現株を選別した。選別した5クローン(cl.4、cl.1
7、cl.19、cl.2、cl.20)について、メタスチンおよびメ
タスチン(45−54)に対する応答性を、FLIPRを用
いた細胞内Ca2+濃度変化の検出により検討した。その結
果、TaqMan PCRによって高発現量を検出した(ca. 1000
-7000 copies/ng total RNA)細胞株3クローン(cl.4、
cl.17、cl.19)について、それぞれ最終濃度10-6 Mのメ
タスチンまたは10-8 Mのメタスチン(45−54)に応
答することを確認した。以降の転移実験ではcl.4(B16-B
L6/h175)を用いることにした。
を、優性選択マーカーとしてneorを有するpAKKO-neo哺
乳動物細胞発現プラスミドに定法を用いて連結し、hOT7
T175発現コンストラクトを得た。Effectene(QIAGEN
社)トランスフェクション試薬を用いて、該hOT7T175発
現コンストラクトをB16細胞に導入した。該B16細胞を最
終濃度1.2 mg/ml のG418含有RPMI 1640選択培地中で選
択培養し、形成されてきたコロニーをクローニングリン
グを用いて単離し、17クローンのG418耐性B16/h175細胞
株を単離した。該遺伝子導入B16/h175細胞株17クローン
について、最終濃度1.2 mg/ml のG418含有RPMI 1640選
択培地を用いてT25フラスコ中にて培養し、RNeasy(QIAG
EN)を用いて総RNAを抽出した。それぞれのクローンから
抽出した1μgのRNAを鋳型として用いて、SuperScript
II(Gibco BRL)によってcDNA合成を実施した。hOT7T175
に対するTaqManプライマー、TaqManプローブセットを用
いてTaqMan PCRを実施し、cl.4をはじめとする数株の受
容体発現株を選別した。選別した5クローン(cl.4、cl.1
7、cl.19、cl.2、cl.20)について、メタスチンおよびメ
タスチン(45−54)に対する応答性を、FLIPRを用
いた細胞内Ca2+濃度変化の検出により検討した。その結
果、TaqMan PCRによって高発現量を検出した(ca. 1000
-7000 copies/ng total RNA)細胞株3クローン(cl.4、
cl.17、cl.19)について、それぞれ最終濃度10-6 Mのメ
タスチンまたは10-8 Mのメタスチン(45−54)に応
答することを確認した。以降の転移実験ではcl.4(B16-B
L6/h175)を用いることにした。
【0056】(2)hOT7T175発現B16マウスメラノーマ
細胞(B16-BL6/h175)を用いた自然転移モデルでのメタス
チンの癌転移抑制作用の検討 メタスチンの癌転移抑制作用について、まず自然転移モ
デルを用いて検討した。上記(1)で作製したB16-BL6/
h175細胞および空のベクターのみを発現させたB16-BL6/
mock細胞を、3 x 105 cells/20μl/mouseの割合で、C57
BL/6(6週齢、雌、日本チャールズリバー)マウスの右
前足(forefoot pad)に皮下投与した。細胞投与18日後
にケタミン麻酔下で蒸留水(大塚蒸留水)に溶解した1
mMのメタスチン、およびvehicleとしての蒸留水を100μ
lづつ充填したAlzet浸透圧ポンプ(0.25 μl/hour, 14
days release, Model 1002,Alza社)をマウス背部の皮
下に埋め込み、メタスチンの持続投与を開始した。細胞
投与21日後に、エーテル麻酔下でマウスに形成した腫瘍
を切除し、傷口をイソジン液で消毒後縫合した。細胞投
与35日後に、マウスの腹部大動脈より脱血して肺を摘
出した。摘出した肺は、1.4%ピクリン酸1水和物、4.8%
中性ホルマリンおよび4.4%酢酸水溶液(Bouin液)中に
て4℃、16時間固定後、肺に形成した癌転移結節数を実
態顕微鏡下で計数した。結果を表1に示す。
細胞(B16-BL6/h175)を用いた自然転移モデルでのメタス
チンの癌転移抑制作用の検討 メタスチンの癌転移抑制作用について、まず自然転移モ
デルを用いて検討した。上記(1)で作製したB16-BL6/
h175細胞および空のベクターのみを発現させたB16-BL6/
mock細胞を、3 x 105 cells/20μl/mouseの割合で、C57
BL/6(6週齢、雌、日本チャールズリバー)マウスの右
前足(forefoot pad)に皮下投与した。細胞投与18日後
にケタミン麻酔下で蒸留水(大塚蒸留水)に溶解した1
mMのメタスチン、およびvehicleとしての蒸留水を100μ
lづつ充填したAlzet浸透圧ポンプ(0.25 μl/hour, 14
days release, Model 1002,Alza社)をマウス背部の皮
下に埋め込み、メタスチンの持続投与を開始した。細胞
投与21日後に、エーテル麻酔下でマウスに形成した腫瘍
を切除し、傷口をイソジン液で消毒後縫合した。細胞投
与35日後に、マウスの腹部大動脈より脱血して肺を摘
出した。摘出した肺は、1.4%ピクリン酸1水和物、4.8%
中性ホルマリンおよび4.4%酢酸水溶液(Bouin液)中に
て4℃、16時間固定後、肺に形成した癌転移結節数を実
態顕微鏡下で計数した。結果を表1に示す。
【表1】
メタスチン投与群では、vehicle投与群に比較して有意
な肺への転移結節数の低下が認められた。
な肺への転移結節数の低下が認められた。
【0057】
【発明の効果】メタスチンもしくはその誘導体またはそ
の塩は、徐放性製剤化することによって、より有効に薬
理効果を発揮する。メタスチンもしくはその誘導体また
はその塩を含有する本発明の徐放性製剤は、メタスチン
の生理活性障害を原因とする全ての疾患の治療または予
防に有用である。特に本発明の製剤は、癌転移抑制活性
を有するため、あらゆる癌の治療または予防に有用であ
る。また、本発明の製剤は、胎盤機能調節作用を有する
ため、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育
不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩異常の治療
または予防に有用である。更に、本発明の製剤は、膵臓
機能調節作用を有するため、膵臓疾患の治療または予防
にも有用である。
の塩は、徐放性製剤化することによって、より有効に薬
理効果を発揮する。メタスチンもしくはその誘導体また
はその塩を含有する本発明の徐放性製剤は、メタスチン
の生理活性障害を原因とする全ての疾患の治療または予
防に有用である。特に本発明の製剤は、癌転移抑制活性
を有するため、あらゆる癌の治療または予防に有用であ
る。また、本発明の製剤は、胎盤機能調節作用を有する
ため、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育
不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩異常の治療
または予防に有用である。更に、本発明の製剤は、膵臓
機能調節作用を有するため、膵臓疾患の治療または予防
にも有用である。
【0058】
【配列表】
[SEQUENCE LISTING]
<110> Takeda Chemical Industries, Ltd.
<120> Peptide-containing Pharmaceutical Composition
<130> P02-0052
<150> JP 2001-123299
<151> 2001-04-20
<160> 10
<210> 1
<211> 54
<212> PRT
<213> Human
<400> 1
Gly Thr Ser Leu Ser Pro Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln
1 5 10 15
Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly
20 25 30
Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn
35 40 45
Ser Phe Gly Leu Arg Phe
50
<210> 2
<211> 15
<212> PRT
<213> Human
<400> 2
Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser Phe Gly Leu Arg Phe
1 5 10 15
<210> 3
<211> 10
<212> PRT
<213> Human
<400> 3
Tyr Asn Trp Asn Ser Phe Gly Leu Arg Phe
1 5 10
<210> 4
<211> 9
<212> PRT
<213> Human
<400> 4
Asn Trp Asn Ser Phe Gly Leu Arg Phe
1 5
<210> 5
<211> 8
<212> PRT
<213> Human
<400> 5
Trp Asn Ser Phe Gly Leu Arg Phe
1 5
<210> 6
<211> 162
<212> DNA
<213> Human
<400> 6
gggacctcgc tgtccccgcc ccccgagagc tccgggagcc gccagcagcc gggcctgtcc 60
gccccccaca gccgccagat ccccgcaccc cagggcgcgg tgctggtgca gcgggagaag 120
gacctgccga actacaactg gaactccttc ggcctgcgct tc 162
<210> 7
<211> 45
<212> DNA
<213> Human
<400> 7
aaggacctgc cgaactacaa ctggaactcc ttcggcctgc gcttc 45
<210> 8
<211> 30
<212> DNA
<213> Human
<400> 8
tacaactgga actccttcgg cctgcgcttc 30
<210> 9
<211> 27
<212> DNA
<213> Human
<400> 9
aactggaact ccttcggcct gcgcttc 27
<210> 10
<211> 24
<212> DNA
<213> Human
<400> 10
tggaactcct tcggcctgcg cttc 24
【図1】ラットにおける徐放性メタスチン(1-54)
含有マイクロカプセルの皮下投与後の血中メタスチン
(1-54)濃度(pmol/ml)の経時変化を示すグラフで
ある。
含有マイクロカプセルの皮下投与後の血中メタスチン
(1-54)濃度(pmol/ml)の経時変化を示すグラフで
ある。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61P 15/00 A61P 35/00
35/00 35/04
35/04 A61K 37/02
(72)発明者 大町 佳宏
大阪府大阪市淀川区十三東5丁目4番14号
ヴァンヴェール淀川206号
(72)発明者 山田 隆央
大阪府松原市一津屋4丁目3番26号
Fターム(参考) 4C076 AA51 AA61 BB15 BB16 BB21
CC27 DD38 EE01 EE03 EE06
EE23 EE24 EE48 FF02 FF31
FF67
4C084 AA02 AA03 AA07 BA01 BA08
BA17 BA18 BA20 CA18 CA53
DA27 MA05 MA36 MA38 MA55
MA56 MA66 NA06 NA12 NA14
ZB26 ZC41
Claims (23)
- 【請求項1】 メタスチンもしくはその誘導体またはそ
の塩を含有する徐放性製剤。 - 【請求項2】 メタスチンを含有する請求項1記載の徐
放性製剤。 - 【請求項3】 メタスチンまたはその誘導体が、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列のN末端から47ない
し54番目のアミノ酸配列を含有し、かつ8ないし54
個のアミノ酸残基からなるペプチドもしくはその誘導体
である請求項1記載の徐放性製剤。 - 【請求項4】 ペプチドが、配列番号:1で表わされる
アミノ酸配列におけるN末端から47ないし54番目の
アミノ酸配列をC末端に有するペプチドである請求項3
記載の徐放性製剤。 - 【請求項5】 ペプチドが、8ないし15個のアミノ酸
残基からなるペプチドである請求項3または4記載の徐
放性製剤。 - 【請求項6】 ペプチドが、配列番号:2、配列番号:
3、配列番号:4または配列番号:5で表わされるアミ
ノ酸配列からなるペプチドである請求項3記載の徐放性
製剤。 - 【請求項7】 メタスチンもしくはその誘導体またはそ
の塩及びキャリアーを含有する請求項1記載の徐放性製
剤。 - 【請求項8】 キャリアーがポリマーである請求項7記
載の徐放性製剤。 - 【請求項9】 ポリマーが生体内分解性ポリマーである
請求項8記載の徐放性製剤。 - 【請求項10】 生体内分解性ポリマーが脂肪族ポリエ
ステルである請求項9記載の徐放性製剤。 - 【請求項11】 脂肪族ポリエステルが乳酸/グリコー
ル酸重合体である請求項10記載の徐放性製剤。 - 【請求項12】 乳酸/グリコール酸重合体の乳酸/グ
リコール酸組成比が約100/0ないし約40/60で
ある請求項11記載の徐放性製剤。 - 【請求項13】 乳酸/グリコール酸重合体の重量平均
分子量が約3,000ないし約80,000である請求項
11記載の徐放性製剤。 - 【請求項14】 ポリマーが生体内非分解性ポリマーで
ある請求項8記載の徐放性製剤。 - 【請求項15】 生体内非分解性ポリマーがポリグリセ
リン脂肪酸エステルである請求項14記載の徐放性製
剤。 - 【請求項16】 癌の治療又は予防剤である請求項1記
載の徐放性製剤。 - 【請求項17】 胎盤機能改善剤である請求項1記載の
徐放性製剤。 - 【請求項18】 非経口投与剤である請求項1記載の徐
放性製剤。 - 【請求項19】 皮下投与剤である請求項1記載の徐放
性製剤。 - 【請求項20】 筋肉内投与剤である請求項1記載の徐
放性製剤。 - 【請求項21】 腹腔内投与剤である請求項1記載の徐
放性製剤。 - 【請求項22】 徐放性製剤を製造するためのメタスチ
ンもしくはその誘導体またはその塩の使用。 - 【請求項23】 哺乳動物に対して請求項1記載の徐放
性製剤の有効量を投与することを特徴とする癌の治療又
は予防方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002117129A JP2003002841A (ja) | 2001-04-20 | 2002-04-19 | ペプチド含有製剤 |
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JP2001123299 | 2001-04-20 | ||
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=26613947
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002117129A Withdrawn JP2003002841A (ja) | 2001-04-20 | 2002-04-19 | ペプチド含有製剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003002841A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005097237A (ja) * | 2003-03-12 | 2005-04-14 | Takeda Chem Ind Ltd | 性腺機能改善剤 |
WO2009131191A1 (ja) * | 2008-04-24 | 2009-10-29 | 武田薬品工業株式会社 | メタスチン誘導体およびその用途 |
WO2011078394A3 (en) * | 2009-12-22 | 2012-03-15 | Takeda Pharmaceutical Company Limited | Sustained-release formulation |
CN103025343A (zh) * | 2010-06-25 | 2013-04-03 | 武田药品工业株式会社 | 缓释制剂 |
US11427615B2 (en) | 2017-07-05 | 2022-08-30 | Xdcexplorer (Shanghai) Co., Ltd. | Peptide compound and application thereof, and composition containing peptide compound |
-
2002
- 2002-04-19 JP JP2002117129A patent/JP2003002841A/ja not_active Withdrawn
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN102665690A (zh) * | 2009-12-22 | 2012-09-12 | 武田药品工业株式会社 | 缓释制剂 |
EA020865B1 (ru) * | 2009-12-22 | 2015-02-27 | Такеда Фармасьютикал Компани Лимитед | Композиция с замедленным высвобождением |
CN103025343A (zh) * | 2010-06-25 | 2013-04-03 | 武田药品工业株式会社 | 缓释制剂 |
US11427615B2 (en) | 2017-07-05 | 2022-08-30 | Xdcexplorer (Shanghai) Co., Ltd. | Peptide compound and application thereof, and composition containing peptide compound |
US11807660B2 (en) | 2017-07-05 | 2023-11-07 | Xdcexplorer (Shanghai) Co., Ltd. | Peptide compound and application thereof, and composition containing peptide compound |
US11981753B2 (en) | 2017-07-05 | 2024-05-14 | Shangpharma Innovation Inc. | Peptide compound and application thereof, and composition containing peptide compound |
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---|---|---|---|
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