JP2003001936A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2003001936A
JP2003001936A JP2001187270A JP2001187270A JP2003001936A JP 2003001936 A JP2003001936 A JP 2003001936A JP 2001187270 A JP2001187270 A JP 2001187270A JP 2001187270 A JP2001187270 A JP 2001187270A JP 2003001936 A JP2003001936 A JP 2003001936A
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Application number
JP2001187270A
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English (en)
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Kunihiko Oga
邦彦 大賀
Takayuki Hayashi
孝行 林
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射画像の階調再現性、特に低濃度の階調再
現性の高い感熱記録材料を提供し、さらに、画像の鮮鋭
度が高く、画像保存性に優れる感熱記録材料を提供する
こと。 【解決手段】 透明支持体上に、電子供与性染料前駆体
と前記電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化
合物とを含有する感熱発色層と、全光線透過率が30%
以下の光反射層と、を前記透明支持体側からこの順に有
する感熱記録材料であって、前記感熱発色層のヘイズ値
が60%以下であることを特徴とする感熱記録材料であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱記録材料に関
し、特に、印画方向と観視方向とが異なり、透明支持体
を用いた医療画像用またはSEMなどの顕微鏡の出力用
等に用いられる感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録方法は、(1)現像が不要であ
る、(2)支持体が紙の場合は紙質が一般紙に近い、
(3)取扱が容易である、(4)発色濃度が高い、
(5)記録装置が簡単で安価である、(6)記録時の騒
音が無い等の利点があるためファクシミリやプリンター
の分野、POS等のラベルの分野等にその用途が拡大し
ている。
【0003】このような背景のもとで、近年においては
多色化に対応するため、或いは画像をオーバーヘッドプ
ロジェクター(OHP)で投影したり、医療画像用に用
いる場合には直接シャーカステン上で観察する等のため
に、サーマルヘッドで直接記録することのできる透明な
感熱記録材料も開発されている。このような感熱記録材
料としては特開昭63−265682号公報に記載の、
高分子フィルム等の透明支持体上に、実質的に無色の発
色成分と、該発色成分と反応して発色する実質的に無色
の発色成分とを、結着剤中に微粒子状態で分散、また
は、発色成分の一方をマイクロカプセルに内包させると
共に他方を乳化分散した塗布液を塗布・乾燥した感熱記
録層を設けた透明感熱記録材料などが挙げられる。
【0004】また、特開平1−285832号公報に
は、支持体の一方の面の最外層の発色単位層上に不透明
な保護層を積層した感熱記録材料が提案されている。該
感熱記録材料は不透明な保護層を有し、記録画像を片面
から反射画像として観視できる構造を有する。上記感熱
記録材料によると画像の鮮明度を改善することができ
る。
【0005】また、上記透明支持体を医療画像やSEM
の出力用に用いる場合には、低濃度部の階調再現性が重
要である。さらに最近では、例えば、特開昭63−45
084号公報や特開昭63−265682号公報には、
無色または淡色の電子供与性染料前駆体を含有するマイ
クロカプセル、および,水に難溶または不溶の有機溶剤
に溶解した電子受容性化合物を乳化分散した乳化分散物
からなる塗布液を塗布乾燥した透明な感熱記録材料も開
発されている。しかしながら、このような透明感熱記録
材料は生保存性や発色部分の経時変化が大きいという問
題があり、さらに電子受容性化合物を乳化分散すると製
造時のかぶりが大きいといった問題もある。かかる電子
受容性化合物を乳化分散した場合、かぶりの発生を抑制
するためには感熱発色層の感度を低下させる方法がある
が、かぶりの発生を充分に抑制するためにはある程度以
上感度を低下させなければならず実用的ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、反射
画像の階調再現性、特に低濃度部の階調再現性が高い感
熱記録材料を提供することにあり、さらに、画像の鮮鋭
度が高く、画像保存性に優れる感熱記録材料を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】<1> 透明支持体上
に、電子供与性染料前駆体と前記電子供与性染料前駆体
を発色させる電子受容性化合物とを含有する感熱発色層
と、全光線透過率が30%以下の光反射層と、を前記透
明支持体側からこの順に有する感熱記録材料であって、
前記感熱発色層のヘイズ値が60%以下であることを特
徴とする感熱記録材料である。
【0008】<2>前記電子受容性化合物は、下記一般
式(1)で表される化合物であることを特徴とする<1
>の感熱記録材料である。
【0009】
【化2】
【0010】<3> 前記電子受容性化合物の分散粒子
径が、0.7μm以下であることを特徴とする<1>ま
たは<2>の感熱記録材料である。
【0011】<4> 前記透明支持体上に、前記感熱発
色層と、前記光反射層と、保護層と、を前記透明支持体
側からこの順に有することを特徴とする<1>〜<3>
の感熱記録材料である。
【0012】<5> 前記電子供与性染料前駆体は、マ
イクロカプセルに内包されていることを特徴とする<1
>〜<4>の感熱記録材料である。
【0013】<6> 前記マイクロカプセルは、ウレタ
ンまたはウレア結合を有する高分子壁膜を有することを
特徴とする<5>の感熱記録材料である。
【0014】
【発明の実施の形態】≪感熱記録材料≫本発明の感熱記
録材料は、透明支持体上に、電子供与性染料前駆体と前
記電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化合物
とを含有する感熱発色層と、全光線透過率が30%以下
の光反射層と、をこの順に有する感熱記録材料であっ
て、上記感熱発色層のヘイズ値が60%以下であること
を特徴とする。
【0015】本発明の感熱記録材料は、上記感熱発色層
および光反射層が設けられている側から画像を記録す
る。具体的には、感熱記録材料の上記光反射層表面また
は上記保護層を設けた場合には該保護層表面(以下、こ
れらを「記録面」という場合がある。)にサーマルヘッ
ドを接触させ、該サーマルヘッドから選択的に熱を供給
して画像を記録する。本発明の感熱記録材料は、観察者
が透明支持体を介して感熱発色層に記録された画像を観
視する構成を有する。即ち、本発明の感熱記録材料は、
観察者が画像を観視する観視方向とサーマルヘッドによ
る画像の記録方向(熱を供給する方向)とが異なるもの
であり、観察者は本発明の感熱記録材料に記録された画
像を、透明支持体の光反射層が設けられていない側(以
下「観視面側」という場合がある。)から反射画像とし
て観視することとなる。
【0016】本発明の感熱記録材料の記録面に記録され
た画像、即ち、記録面側から観視される画像と、観視面
側から観視される画像とは鏡像関係にある。このため、
本発明の感熱記録材料の記録面に対しては、所望の画像
と鏡像関係にある画像を記録するのが好ましい。これに
より、観察者が本発明の感熱記録材料に記録された画像
を観視面側から観視した場合に、所望の画像を観視する
ことができる。
【0017】本発明の感熱記録材料は、上記感熱発色層
のヘイズ値が60%以下であるため観視面から見て好ま
しい透明性を有し、反射画像の階調再現性、特に低濃度
部における階調再現性が高い。また、本発明は全光線透
過率が30%以下の光反射層を有するため、記録画像に
高い鮮鋭性を付与することができる。
【0018】上記感熱発色層の透明性の指標であるヘイ
ズ値は、公知のヘイズメータ、例えば、ヘイズメータ
(スガ試験機(株)製)等で測定することができる。本
発明におけるヘイズ値とは、拡散透過率を全光線透過率
で徐したものを百分率(%)で表した値(拡散透過率÷
全光線透過率×100)である。ヘイズ値が小さい程、
透明性が優れている。また、感熱発色層の透明性を評価
するには、透明支持体上に、感熱発色層を形成し、その
ヘイズ値を測定すればよい。上記感熱発色層のヘイズ値
が60%を超えると、透明性が不充分となり、低濃度部
の階調再現性が低くなる。上記感熱発色層のヘイズ値を
60%以下にするためには、分散状態で使用する添加剤
等の微粒子の50%体積平均粒子径を1.0μm以下、
好ましくは0.6μm以下とすると共に、含有させるバ
インダーの量を全固形分質量に対して10〜40質量%
とする方法、電子供与性染料前駆体または電子受容性化
合物のいずれか一方を後述するマイクロカプセルに内包
させると共に、他方の成分を分散物状態で塗布・乾燥す
る方法、感熱発色層に含有させる成分として、屈折率が
なるべく近いものを使用する方法等を用いて行うことが
できる。
【0019】また、本発明の感熱記録材料は、上記電子
受容性化合物として下記一般式(1)で表される化合物
を用いるのが好ましい。
【0020】
【化3】
【0021】本発明の感熱記録材料は、電子受容性化合
物として上記一般式(1)で表される化合物(以下「本
発明における電子受容性化合物」という場合がある。)
を用いることで、記録画像の熱や光に対する保存性を向
上させることができ、さらに、製造時における地肌部カ
ブリを抑制することができる。
【0022】まず、本発明の感熱記録材料の層構成につ
いて説明する。本発明の感熱記録材料は少なくとも、透
明支持体上に、電子供与性染料前駆体と電子受容性化合
物とを含有する感熱発色層と、上記光反射層とを積層し
た構造であり、さらに、記録時のサーマルヘッド走行性
や耐溶剤等を向上させるため、上記光反射層表面に保護
層を設けるのが好ましい。
【0023】本発明の感熱記録材料には、上記透明支持
体の観視側に、紫外線による画像の褪色等を防止するた
めにUVフィルター層を設けるのが好ましく、さらに、
画像を見やすくするためや筆記性などを付与するために
マット層を設けるのが好ましい。
【0024】<感熱発色層>本発明の感熱記録材料は、
少なくとも1層の電子供与性染料前駆体と該電子供与性
染料前駆体を発色させる電子受容性化合物とを含有する
感熱発色層を有する。
【0025】(電子供与性染料前駆体)本発明で使用す
る電子供与性染料前駆体は、実質的に無色のものであれ
ば特に限定されるものではなく、エレクトロンを供与し
て、或いは酸等のプロトンを受容して発色する性質を有
するものであって、ラクトン、ラクタム、サルトン、ス
ピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有し、電
子受容性化合物と接触してこれらの部分骨格が開環若し
くは開裂する、略無色の化合物が用いられる。
【0026】このような電子供与性染料前駆体として
は、トリフェニルメタンフタリド系化合物、インドリル
フタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジ
ン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラ
クタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリア
ゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化
合物等を挙げることができる。フタリド系化合物の具体
例は、米国再発行特許第23,024号、米国特許第
3,491,111号、同第3,491,112号、同
第3,491,116号および同第3,509,174
号等に、フルオラン系化合物は、米国特許第3,62
4,107号、同第3,627,787号、同第3,6
41,011号、同第3,462,828号、同第3,
681,390号、同第3,920,510号、同第
3,959,571号等に、スピロピラン系化合物は米
国特許第3,971,808号、フルオレン系の化合物
は特開昭63−94878号公報等に、その他ピリジン
系およびピラジン系化合物は米国特許第3,775,4
24号、同第3,853,869号、同第4,246,
318号等に各記載されている。
【0027】これらの化合物の中でも、特に、黒発色
の、2−アリールアミノ−3─H、ハロゲン、アルキル
またはアルコキシ−6−置換アミノフルオランが好まし
い。具体的には、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノフルオラン、
2−p−クロロアニリノ−3−メチル−6−ジブチルア
ミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジオ
クチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−
6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−
ドデシルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メトキ
シ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−クロロア
ニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−N−エチル−sec−ブチルアミノ
フルオラン;
【0028】2−p−クロロアニリノ−3−エチル−6
−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−
o−クロロアニリノ−6−p−ブチルアニリノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−ペンタデシル−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−アニリノ−3−エチル−6−ジブ
チルアミノフルオラン、2−o−トルイジノ−3−メチ
ル−6−ジイソプロピルアミノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−N−イソブチル−N−エチルアミ
ノフルオラン;
【0029】2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチ
ル−N−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2
−アニリノ−3−クロロ−6−N−エチル−N−イソア
ミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−N−メチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N
−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−プロポキシ
プロピルアミノフルオラン等が挙げられる。
【0030】その他の具体例としては、例えば、トリア
リールメタン系化合物として、3,3−ビス(p−ジメ
チルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリ
ド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,
3ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p
−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインド
ール−3−イル)フタリド等;ジフェニルメタン系化合
物として、4,4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒド
リンベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオー
ラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオ
ーラミン等;
【0031】キサンテン系化合物として、ローダミン−
B−アニリノラクタム、ローダミン−(p−ニトリノ)
ラクタム等;チアジン系化合物としては、ベンゾイルロ
イコメチレンブルー、p−ニトロベンジルロイコメチレ
ンブルー等;スピロ系化合物としては3−メチル−スピ
ロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピ
ラン3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3
−ベンジルスピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフ
ト−(3−メトキシ−ベンゾ)−スピロピラン、3−プ
ロピル−スピロ−ジベンゾピラン等を挙げることができ
る。これらの発色剤は2種以上併用しても良い。
【0032】(電子受容性化合物)上記感熱発色層は、
これらの電子供与性染料前駆体に対する電子受容性化合
物として下記一般式(1)で表わされる化合物(本発明
における電子受容性化合物)を少なくとも1種用いるの
が好ましい。
【0033】
【化4】
【0034】上記一般式(1)で表される化合物(本発
明における電子受容性化合物)の具体例としては、1,
3−ビス[2’−(p−ヒドロキシフェニル)−2’−
プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2’−(p−ヒド
ロキシフェニル)−2’−プロピル]ベンゼンなどが好
適に挙げられる。本発明における電子受容性化合物は単
独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0035】また、本発明の効果を損なわない範囲で本
発明における電子受容性化合物と他の公知の電子受容性
化合物とを併用してもよい。該他の公知の電子受容性化
合物としては、フェノール性化合物、有機酸若しくはそ
の金属塩、オキシ安息香酸エステル等の酸性物質が挙げ
られる。
【0036】上記フェノール性化合物としては、例えば
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン
(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4’−ヒドロキ
シフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキ
シ−3’,5’ジクロロフェニル)プロパン;
【0037】1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)オクタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)−2−メチル−ペンタン;
【0038】1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)−2−エチル−ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒ
ドロキシフェニル)ドデカン、1,4−ビス(p−ヒド
ロキシフェニルクミル)ベンゼン、1,3−ビス(p−
ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−アリル−4−
ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(p−ヒドロキ
シフェニル)酢酸ベンジルエステル等のビスフェノール
類;p−フェニルフェノール、3,5ジフェニルフェノ
ール、クミルフェノール、4−ヒドロキシ−4’−イソ
プロポキシ−ジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−
4’−フェノキシ−ジフェニルスルフォン等のフェノー
ル類が挙げられる。
【0039】上記有機酸若しくはその金属塩およびオキ
シ安息香酸エステルの具体例としては、3,5−ジ(α
−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ(ter−
ブチル)サリチル酸、3−α−α−ジメチルベンジルサ
リチル酸、4−(β−p−メトキシフェノキシエトキ
シ)サリチル酸、5−オクタデシルサリチル酸、5−α
−(p−α−メチルベンジルフェニル)エチルサリチル
酸、3−α−メチルベンジル−5−ter−オクチルサ
リチル酸、5−テトラデシルサリチル酸、4−ヘキシル
オキシサリチル酸、4−シクロヘキシルオキシサリチル
酸、4−デシルオキシサリチル酸、4−ドデシルオキシ
サリチル酸、4−ペンタデシルオキシサリチル酸、4−
オクタデシルオキシサリチル酸等のサリチル酸誘導体、
およびこれらの亜鉛、アルミニウム、カルシウム、銅、
鉛等の多価金属塩(これらの中でも特に、亜鉛およびア
ルミニウムの金属塩が好ましい);
【0040】p−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシルエス
テル、β−レゾルシン酸−(2−フェノキキシエチル)
エステル等のオキシ安息香酸エステル類等を挙げること
ができる。その他の具体例は特開昭61−291183
号公報等に記載されている。これらの化合物はさらに2
種以上を併用してもよい。
【0041】上記他の公知の電子受容性化合物を本発明
における電子受容性化合物と併用する場合には、全電子
受容性化合物の総量に対する、本発明における電子受容
性化合物の含有量は、40モル%以上が好ましく、60
モル%以上がさらに好ましい。
【0042】上記感熱発色層のヘイズ値を60%以下と
するためには、本発明における電子受容性化合物を分散
状態で使用するのが好ましい。本発明の電子受容性化合
物を分散状態で使用すると、乳化状態で用いた場合に比
してかぶりの発生を抑制し、かつ、感度を高く維持する
ことができる。また、上記感熱発色層のヘイズ値を60
%以下とするためには、電子受容性化合物の分散粒子径
を0.7μm以下とするのが好ましく、0.6μm以下
とするのがさらに好ましい。上記分散粒子径が0.7μ
mを超えると感熱発色層の透明性が低下する場合があ
る。また、上記分散粒子径の下限としては、0.3μm
が好ましい。上記分散粒子径が0.3μmより小さいと
分散安定性が低下し、分散時間が長くなり、地肌かぶり
等の問題を起こす場合がある。ここで、「電子受容性化
合物の分散粒子径」とは、分散状態にある電子受容性化
合物の体積平均粒子径を意味する。電子受容性化合物を
分散する方法としては、ボールミル、サンドミル、横型
サンドミル、アトライター、コロイダミル等が挙げられ
る。
【0043】本発明においては、感熱発色層のヘイズ値
を60%以下とするため、電子受容性化合物は水に難溶
性または不溶性の有機溶剤に溶解せしめた後、これを、
水溶性高分子を保護コロイドとして含有すると共に、必
要に応じて界面活性剤を含有する水相と混合し、乳化分
散した分散物の形で使用することもできる。
【0044】この場合に使用される有機溶剤は、高沸点
オイルの中から適宜選択することができるが、熱感度を
高める上からは、補助溶剤として後述するような沸点が
150℃以下の水に難溶または不溶の有機溶剤を使用す
ることが好ましい。好ましい高沸点オイルとしては、エ
ステル類の他、ジメチルナフタレン、ジエチルナフタレ
ン、ジイソプロピルナフタレン、ジメチルビフェニル、
ジエチルビフェニル、ジイソプロピルビフェニル、ジイ
ソブチルビフェニル、1−メチル−1−ジメチルフェニ
ル−1−フェニルメタン、1−エチル−1−ジメチルフ
ェニル−1−フェニルメタン、1−プロピル−1−ジメ
チルフェニル−1−フェニルメタン、トリアリルメタン
(例えば、トリトルイルメタン、トルイルジフェニルメ
タン)、ターフェニル化合物(例えば、ターフェニ
ル)、アルキル化合物、アルキル化ジフェニルエーテル
(例えば、プロピルジフェニルエーテル)、水添ターフ
ェニル(例えば、ヘキサヒドロターフェニル)、ジフェ
ニルエーテル等が挙げられる。
【0045】これらの中でも、特に、エステル類を使用
することが乳化分散物の乳化安定性の観点から好まし
い。エステル類としては、燐酸エステル類、フタル酸エ
ステル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、安息香酸エ
ステル、アビエチン酸エステル、アジピン酸ジオクチ
ル、コハク酸イソデシル、アゼライン酸ジオクチル、シ
ュウ酸エステル、、マロン酸ジエチル、マレイン酸エス
テル、クエン酸トリブチル、ソルビン酸エステル、セバ
シン酸エステル、エチレングリコールエステル類、トリ
アセチン、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル、炭酸エチレ
ン、炭酸プロピレン、ホウ酸エステル等が挙げられる。
【0046】これらのエステル類の具体例は、例えば、
特開平4−371887号公報に記載されている。特
に、燐酸トリクレジルを単独または混合して使用した場
合には、顕色剤の乳化分散安定性が良好であるので好ま
しい。上記のオイル同志、または他のオイルとの併用も
可能である。本発明においては、上記の有機溶剤に、更
に低沸点の溶解助剤として補助溶剤を加えることもでき
る。このような補助溶剤として、例えば酢酸エチル、酢
酸イソプロピル、酢酸ブチルおよびメチレンクロライド
等を特に好ましいものとして挙げることができる。
【0047】これらの成分を含有する油相と混合する水
相に、保護コロイドとして含有せしめる水溶性高分子
は、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性
高分子の中から適宜選択することができるが、ポリビニ
ルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体等が好まし
い。また、水相に含有せしめる界面活性剤は、アニオン
性またはノニオン性の界面活性剤の中から、上記保護コ
ロイドと作用して沈澱や凝集を起こさないものを適宜選
択して使用することができる。好ましい界面活性剤とし
ては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキ
ル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウ
ム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることがで
きる。
【0048】本発明における乳化分散物は、上記成分を
含有した油相および保護コロイド、ならびに、必要に応
じて更に界面活性剤を含有する水相を、高速撹拌、超音
波分散等、通常の微粒子乳化に用いられる手段を使用し
て混合分散せしめることにより、容易に得ることができ
る。また、油相の水相に対する比(油相質量/水相質
量)は、0.02〜0.6であることが好ましく、特に
0.1〜0.4であることが好ましい。0.02以下で
は水相が多すぎて希薄となり十分な発色性が得られず、
0.6以上では逆に液の粘度が高くなり、取り扱いの不
便さや塗液安定性の低下をもたらす。
【0049】(マイクロカプセル)本発明において上記
電子供与性染料前駆体は、感熱発色層のヘイズ値を60
%以下とするためには、常温で電子受容性化合物との接
触を防止するといった感熱発色層の生保存性の観点(カ
ブリ防止)や、希望の熱エネルギーで発色させるという
発色感度の制御の観点等から、マイクロカプセルに内包
させて用いることが好ましい。
【0050】本発明で使用することのできるマイクロカ
プセルの製造には、界面重合法、内部重合法、外部重合
法の何れの方法をも採用することができるが、特に、電
子供与性染料前駆体を含有した芯物質を、水溶性高分子
を溶解した水溶液中で乳化した後、その油滴の周囲に高
分子物質の壁を形成させるという界面重合法を採用する
ことが好ましい。高分子物質を形成するリアクタント
は、油滴の内部および/または油滴の外部に添加され
る。
【0051】高分子物質の具体例としては、ポリウレタ
ン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカー
ボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹
脂、ポリスチレン、スチレンメタクリレート共重合体、
スチレン−アクリレート共重合体等が挙げられる。好ま
しい高分子物質はポリウレタン、ポリウレア、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネートであり、特に好ま
しくはポリウレタンおよびポリウレアである。即ち、上
記マイクロカプセルは、ウレタンまたはウレア結合を有
する高分子膜壁を有するのが好ましい。なお、高分子物
質は2種以上併用することもできる。
【0052】上記水溶性高分子の具体例としては、ゼラ
チン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等
が挙げられる。マイクロカプセル複合壁の製造方法の詳
細については、例えば特開昭58─66948号公報に
記載されている。電子供与性染料前駆体をマイクロカプ
セル化する場合には、電子供与性染料前駆体を有機溶剤
に溶解させて使用することが好ましい。
【0053】このような有機溶剤としては、酢酸エチ
ル、酢酸メチル、四塩化炭素、クロロホルム、メタノー
ル、エタノール、n−ブタノール、ジオキサン、アセト
ン、ベンゼン等の低沸点溶剤、燐酸エステル、フタル酸
エステル等のカルボン酸エステル、脂肪酸アミド、アル
キル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化パ
ラフィン、アルキルナフタレン、ジアリールエタン等の
高沸点溶媒が挙げられる。このような有機溶剤について
は、特開平4−19778号公報に詳細に記載さてい
る。また、特開平4−101885号公報に記載されて
いる、実質的に有機溶剤を内包していないマイクロカプ
セルも使用できる。
【0054】また、本発明で使用するマイクロカプセル
壁には、必要に応じて金属含有染料、ニグロシン等の電
荷調節剤その他の添加剤を加えることもできる。これら
の添加剤は壁形成前または形成時等任意の時点で添加す
ることができる。また、マイクロカプセル壁表面の帯電
を調整するために、ビニルモノマー等を添加してモノマ
ーをグラフト重合させても良い。
【0055】電子供与性染料前駆体を内包させるマイク
ロカプセルには、更に、加熱時にマイクロカプセル壁を
膨潤させるための固体増感剤を添加することもできる。
固体増感剤は、マイクロカプセル壁として用いるポリマ
ーの可塑剤と言われるものの中から、融点が50℃以
上、好ましくは120℃以下で常温では固体であるもの
を選択して用いることができる。例えば、壁材がポリウ
レア、ポリウレタンから成る場合には、ヒドロキシ化合
物、カルバミン酸エステル化合物、芳香族アルコキシ化
合物、有機スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合
物、アリールアミド化合物等が好適に用いられる。
【0056】本発明においては、発色助剤を用いること
も可能である。本発明で用いることのできる発色助剤と
は、加熱印字時の発色濃度を高くする、若しくは最低発
色温度を低くする物質であり、電子供与性染料前駆体の
融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点を低下させる作
用により、電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物と
が反応し易い状況を作るためのものである。
【0057】上記マイクロカプセルの体積平均粒径とし
ては、感熱発色層のヘイズ値を60%以下にする観点か
ら、1.5μm以下が好ましく、0.3〜0.8μmが
さらに好ましい。
【0058】(バインダー)上記感熱発色層に用いるこ
とができるバインダーは実質的に透明なものであれば適
宜選定して用いることができる。具体的には、感熱発色
層液を安全かつ均一に塗布すると共に、塗膜の強度を保
持する点から、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、澱粉類、カルボキシ変性ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリスチレンおよ
びその共重合体、ポリエステルおよびその共重合体、ポ
リエチレンおよびその共重合体、エポキシ樹脂、アクリ
レートおよびメタアクリレート系樹脂およびその共重合
体、ポリウレタン樹脂並びにポリアミド樹脂等が挙げら
れ、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロー
スが好ましい。上記感熱発色層のヘイズ値を60%以下
に調整するために上記バインダーの含有量は感熱発色層
の全固形分質量に対して10〜40質量%とするのが好
ましく、20〜30質量%とするのが好ましい。
【0059】以上の成分を攪拌・混合して調製した感熱
発色層用塗液を支持体上に塗布するに際しては、公知の
水系または有機溶剤系の塗液を用いる塗布手段が用いら
れる。また、上記電子供与性染料前駆体の塗設量として
は、飽和濃度、熱記録感度を高くする点で、0.5〜
2.0g/m2が好ましく、0.8〜1.2g/m2がさ
らに好ましい。これに対する感熱発色層中の上記電子受
容性化合物の含有量としては、熱記録感度の点で、上記
電子供与性染料前駆体100モル%に対して50〜50
0モル%が好ましく、100〜300モル%がさらに好
ましい。
【0060】また、感熱発色層には、必要に応じて、更
に、顔料、金属石鹸、ワックス、帯電防止剤、紫外線吸
収剤、界面活性剤、消泡剤、導電剤、蛍光塗料等を添加
しても良い。顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、リトポン、ロウ石、カオリン、シリカ、非晶質シ
リカ、水酸化アルミニウムなどが用いられる。
【0061】金属石鹸としては、高級脂肪酸金属塩が用
いられ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸アルミニウムなどが用いられる。ワックス
としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリン
ワックス、カルナバワックス、メチロールステアロアミ
ド、ポリエチレンワックス、ポリスチレンワックス、脂
肪酸アミド系ワックスなどが、単独あるいは混合して用
いられる。
【0062】界面活性剤としては、アニオン性、ノニオ
ン性若しくは両性界面活性剤等を使用できるが、好まし
くは、スルホコハク酸系のアルカリ金属塩、およびフッ
素含有界面活性剤が用いられる。
【0063】(他の発色成分)本発明の感熱記録材料は
感熱発色層を2層以上設けてもよい。この場合、本発明
における電子受容性化合物等を含有する感熱発色層(以
下「本発明における感熱発色層」という場合がある。)
以外の層は、発色成分として電子供与性染料前駆対と電
子受容性化合物との組合せのほかに、実質的に無色の発
色成分の組合せであれば本発明の効果を損なわない範囲
で適宜選定することができる。実質的に無色の発色成分
の組合わせとしては、下記(a)〜(l)の組合せを挙
げることができる。
【0064】(a)光分解性ジアゾ化合物とカプラーと
の組合せ、(b)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀等の有機
金属塩と、プロトカテキン酸、スピロインダン、ハイド
ロキノン等の還元剤と、の組合せ、(c)ステアリン酸
第二鉄、ミリスチン酸第第二鉄等の長鎖脂肪族塩と、没
食子酸、サリチル酸アンモニウム等のフェノール類と、
の組合せ、
【0065】(d)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸
等の有機酸とニッケル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、
銀等の重金属との有機酸重金属塩と、硫化カルシウム、
硫化ストロンチウム、硫化カリウム等のアルカリ土類金
属硫化物と、の組合せ、または上記有機酸重金属塩とs
−ジフェニルカルバジド、ジフェニルカルバゾン等の有
機キレート剤との組合せ、(e)硫化銀、硫化鉛、硫化
水銀、硫化ナトリウム等の(重)金属硫化物とNa−テ
トラチオネート、チオ硫酸ナトリウム、チオ尿素等の硫
黄化合物との組合せ、(f)ステアリン酸第二鉄等の脂
肪族第二鉄塩と、3,4ジヒドロキシテトラフェニルメ
タン等の芳香族ポリヒドロキシ化合物と、の組合せ、
(g)シュウ酸銀、シュウ酸水銀等の有機金属塩と、ポ
リヒドロキシアルコール、グリセリン、グリコール等の
有機ポリヒドロキシ化合物と、の組合せ、
【0066】(h)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第
二鉄等の脂肪族第二鉄塩と、チオセシルカルバミドやイ
ソチオセシルカルバミド誘導体と、の組合せ、(i)カ
プロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛等の有機酸鉛
塩と、エチレンチオ尿素、N−ドデシルチオ尿素等のチ
オ尿素誘導体と、の組合せ、(j)ステアリン酸第二
鉄、ステアリン酸銅等の高級脂肪酸重金属塩と、ジアル
キルジチオカルバミン酸亜鉛と、の組合せ、(k)オキ
サジン染料を形成するレゾルシンとニトロソ化合物との
組合せ、およびその他の組合せ、(l)ホルマザン化合
物と、還元剤および/または金属塩と、の組合せ、など
が挙げられる。
【0067】これらの組合せの中でも、(a)光分解性
ジアゾ化合物とカプラーとの組合せを使用することが好
ましい。
【0068】上記発色成分として、ジアゾ化合物とカプ
ラーとの組合せ、および、有機金属塩と還元剤との組合
せを用いた場合について説明する。
【0069】本発明で使用することのできるジアゾ化合
物は、実質的に無色で、後述するカプラーと呼ばれるカ
ップリング成分と反応して所望の色相に発色するもので
あって、反応前に特定の波長の光を受けると分解し、も
はやカプラーが作用しても発色能力を持たなくなる光分
解性ジアゾ化合物である。この発色系における色相は、
ジアゾ化合物とカプラーとが反応して生成したジアゾ色
素により主に決定される。従って、良く知られているよ
うに、ジアゾ化合物の化学構造を変えるか、カプラーの
化学構造を変えれば容易に発色色相を変えることがで
き、組み合わせ次第で略任意の発色色相を得ることがで
きる。
【0070】本発明における光分解性のジアゾ化合物と
は主に芳香族ジアゾ化合物を指し、更に具体的には、芳
香族ジアゾニウム塩、ジアゾスルホネート化合物、ジア
ゾアミノ化合物等の化合物を指す。これらのジアゾ化合
物の詳細は、例えば特開平2−136286号に記載さ
れている。本発明に用いられるジアゾ化合物(ジアゾニ
ウム塩)とカップリングして色素を形成するカプラー
は、例えば、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド
の他、レゾルシンを初めとし特開昭62−146678
号に記載されているものを挙げることができる。これら
のカプラーを2種以上併用することによって任意の色調
の画像を得ることができる。
【0071】これらのジアゾ化合物とカプラーとのカッ
プリング反応は塩基性雰囲気下で起こり易い為、層内に
塩基性物質を添加することが好ましい。塩基性物質とし
ては、水に不溶または難溶性の塩基性物質や加熱によっ
てアルカリを発生する物質が用いられる。このような塩
基性物質としては、例えば、無機または有機アンモニウ
ム塩類、有機アミン類、アミド類、尿素やチオ尿素およ
びその誘導体等の尿素類、チアゾール類、ピロール類、
ピリジン類、ピペラジン類、グアニジン類、インドール
類、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール
類、モルフォリン類、ピペリジン類、アミジン類、フォ
リムアジン類、ピリジン類等の含窒素化合物が挙げられ
る。これらの化合物の具体例は特開昭61−29118
3号に記載されている。塩基性物質は2種以上併用して
もよい。
【0072】次に、発色成分として、有機金属塩と還元
剤との組合せを用いた場合について説明する。本発明で
使用することができる有機金属塩は、実質的に無色また
は淡色で、加熱することにより還元剤と接触して発色す
るものであれば特に限定されるものではない。
【0073】このような有機金属塩としては、ラウリン
酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸
銀、アラキン酸銀、ベヘン酸銀等の長鎖脂肪族カルボン
酸銀塩、ベンゾトリアゾールの銀塩、ベンズイミダゾー
ルの銀塩、カルバゾールの銀塩、フタラジノン銀塩等の
イミノ基を有する有機化合物の銀塩、s−アルキルチオ
グリコレート等の硫黄含有化合物の銀塩、安息香酸銀、
フタル酸銀等の芳香族カルボン酸の銀塩、エタンスルホ
ン酸銀等のスルホン酸の銀塩、o−トルエンスルフィン
酸銀等のスルフィン酸の銀塩、フェニルリン酸銀等のリ
ン酸の銀塩、バルビツール酸銀、サッカリン酸銀、サリ
チルアスドキシムの銀塩、およびこれらの化合物の混合
物等が挙げられる。これらの中でも、長鎖脂肪族カルボ
ン酸銀塩が好ましく、特にべヘン酸銀が好ましい。尚、
ベヘン酸銀はベヘン酸と併用してもよい。
【0074】有機金属塩に対する好ましい還元剤として
は、モノ、ビス、トリスまたはテトラキスフェノール
類、モノまたはビスナフトール類、ジまたはポリヒドロ
キシナフタレン類、ジまたはポリヒドロキシベンゼン
類、ヒドロキシモノエーテル類、アスコルビン酸類、3
−ピラゾリドン類、ピラゾリン類、ピラゾロン類、還元
性糖類、フェニレンジアミン類、ヒドロキシルアミン
類、レダクトン類、ヒドロオキサミン酸類、ヒドラジド
類、アミドオキシム類、N−ヒドロキシ尿素類等の他特
開昭53−1020号公報に記載されているものが挙げ
られる。これらの中でも、ポリフェノール類、スルホン
アミドフェノール類およびナフトール類等の芳香族有機
還元剤が特に好ましい。
【0075】このような有機金属塩および還元剤は、感
熱発色層の透明性および生保存性を良好とする観点か
ら、50%体積平均粒子径が1.0μm、好ましくは
0.6μm以下の微粒子とし、それぞれをアセトン等の
適当な溶剤に溶解したポリビニルブチラール等のバイン
ダー中に混合・分散した分散物の形で使用することが好
ましい。この場合の感熱発色層中のバインダーの量は、
固形分質量で30〜60質量%であることが好ましい。
【0076】<光反射層>本発明の感熱記録材料は、記
録画像の鮮鋭度を向上させる目的で全光線透過率が30
%以下の光反射層を有することを特徴とする。上記光反
射層の全光線透過率が30%を超えると、地肌部の透明
度が増し、記録画像の鮮鋭度が低下してしまう。上記光
反射層の全光線透過率を30%以下する方法としては、
後述する白色顔料等の含有量や光反射層の層厚を調整す
る方法が挙げられる。ここで上記光反射層の「全光線透
過率」とは、試料を透過した全光線透過光量の割合をい
い、数値が低くいほど不透明性が高いことを意味する。
上記全光線透過率の測定方法について説明する。上記全
光線透過率Dは、透明支持体上に感熱発色層まで設けた
段階(光反射層を設けていない段階)での全光線透過率
1と、前記感熱発色層上に光反射層を設けた段階での
全光線透過率d0とを測定することで算出できるが、d0
≫d1であるため、光反射層の全光線透過率D=d0−d
1はD=d0で代用できる。上記全光線透過率の測定装置
としては直読ヘーズコンピューター(スガ試験機(株)
製)などを好適に用いることができる。
【0077】本発明における光反射層は、主に白色顔料
と、バインダーとから構成される。好ましい白色顔料の
例としては、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、アルミ
ナ、合成シリカ、酸化チタン、硫酸バリウム、カオリ
ン、ケイ酸カルシウム、尿素樹脂等が挙げられ、特に酸
化チタンが好ましい。上記バインダーとしては、メチル
セルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール等が挙げ
られる。バインダー中の白色顔料の含有量としては、光
反射層の全光線透過率を30%以下にする観点から、5
0〜150質量%が好ましく、70〜150質量%以上
がさらに好ましい。上記白色顔料の含有量が50質量%
未満であると光反射層の全光線透過率を30%以上にす
るのが困難であり、上記含有量が150質量%を越える
と塗膜にヒビ割れを生じ、印画画質に悪影響を及ぼす場
合がある。
【0078】また、上記白色顔料の固体分散粒子径とし
ては、平滑性、隠ぺい性等の観点から0.2〜0.6μ
mが好ましく、0.25〜0.4μmがさらに好まし
い。また、上記光反射層の膜厚は2〜8μmが好まし
く、3〜5μmがさらに好ましい。上記膜厚が2μm未
満であると全光線透過率を30%以下とすることが困難
となり十分に光を反射できない場合がある。また、上記
膜厚が8μmを超えると、熱記録感度の低下やサンプル
のカールが問題となる場合がある。本発明における光反
射層用塗布液は、上記バインダーの溶液に白色顔料を混
合して得られるが、所望の目的に応じて、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス、
ポリエチレンワックス等の滑剤および分散剤、蛍光増白
剤、架橋剤、紫外線吸収剤、スルフォこはく酸系のアル
カリ金属塩、および、フッ素含有界面活性剤等の界面活
性剤等の各種助剤を更に適宜添加してもよい。
【0079】<保護層>本発明においては、耐スティッ
キング性や耐溶剤性を良好にするために光反射層上に保
護層を設けるのが好ましい。上記保護層は、主に顔料と
バインダーとから構成されるが、走行性を良好化する観
点から、上記顔料としては、体積平均粒子径D50が
0.7μm以下であると共に、粒子径分布D90/D1
0が4.5以下である顔料を用いるのが好ましい。D5
0が0.7μmを越えると感熱記録材料の透明性が悪く
なる場合があり、D90/D10が4.5以上となると
耐スティッキング性が悪くなる場合がある。
【0080】本発明で使用する顔料は、特に限定される
ものではなく、公知の有機或いは無機の顔料を使用する
ことができる。具体的には、炭酸カルシウム、酸化亜
鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、カオリン、タル
ク、ロウ石、合成珪酸塩、非晶質シリカ、尿素ホルマリ
ン樹脂粉末や表面処理した顔料等が挙げられるが、これ
らの中でも特に炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、
カオリン、シリカ、ステアリン酸処理水酸化アルミニウ
ムが好ましい。尚、このような顔料を上記の平均粒子径
の粒子とすることは、適当な保護コロイドや界面活性剤
を用い、ミル等の公知の湿式分散機を用いて容易に行う
ことができる。
【0081】本発明における保護層は、顔料を保持する
と共に透明性を良好とする観点から、バインダーとして
完全鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビ
ニルアルコール、シリカ変性ポリビニルアルコール等を
含有するものであることが好ましい。本発明における保
護層用塗布液(保護層液という)は、上記バインダーの
溶液に顔料を混合して得られるが、熱記録時のサーマル
ヘッドとのヘッドマッチィング性の向上や、耐スクラッ
チ性等の向上の目的に応じて、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム、パラフィンワックス、ポリエチレ
ンワックス等の滑剤および分散剤、蛍光増白剤、架橋
剤、紫外線吸収剤、スルフォこはく酸系のアルカリ金属
塩およびフッ素含有界面活性剤等の界面活性剤等の各種
助剤を更に適宜添加してもよい。
【0082】保護層液は、必要に応じて、ミキサー、デ
ィゾルバー、アトライター、サンドミル等の攪拌、混
合、分散装置によって充分混合分散された後に、感熱発
色層上に塗布される。保護層液を感熱発色層上に塗布す
るに際しては、上記感熱発色層液の場合と同様の塗布手
段が用いられる。
【0083】保護層の塗布量は、固形分質量で0.2〜
7g/m2であることが好ましく、特に1.0〜4.0
g/m2であることが好ましい。0.2g/m2未満では
耐スティッキングの悪化が生ずることがある。また、7
g/m2を越すと、記録感度が低下することがある。保
護層中のバインダーに対する顔料の質量比は、バインダ
ー100質量部に対して、顔料を100質量部〜30質
量部とすることが好ましい。100質量部以上とする
と、保護層の透明性が損なわれ、30質量部以下とする
と耐スティッキング性が悪くなる場合がある。
【0084】<透明支持体>本発明の感熱記録材料に
は、実質的に透明な透明支持体を使用する。ここで、実
質的に透明な透明支持体とは、ヘイズ値が40%以下の
ものをいう。上記透明支持体としては、例えばポリエチ
レンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の
ポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム等の
セルロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポ
リプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等のポリ
オレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビ
ニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアク
リル酸共重合体フィルム、ポリカーボネートフィルム等
の合成高分子フィルムが挙げられ、これらを単独或いは
貼り合わせて用いることができるが、特にポリエステル
フィルムに耐熱処理、帯電防止処理を施したものが好ま
しい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、上記透
明支持体として、紫外線吸収剤を含有するものを用いて
もよい。該紫外線吸収剤としては、公知の紫外線吸収剤
が挙げられる。上記透明支持体の厚みとしては25〜2
50μmのものが用いられ、特に50〜200μmのも
のが好ましい。
【0085】(下塗り層)本発明において、透明支持体
から感熱発色層等が剥がれることを防止するために、感
熱発色層、光反射層マット層や紫外線フィルター層を塗
布する前に、透明支持体上に下塗層を設けることが好ま
しい。下塗層の素材としては、アクリル酸エステル共重
合体、ポリ塩化ビニリデン、SBR、水性ポリエステル
等を用いることができる。下塗層の膜厚は0.05〜
0.5μmであることが好ましい。下塗層は、感熱発色
層がその上に塗布された時に、感熱発色層中に含まれる
水により膨潤して感熱発色層の画質を悪化させることが
あるので、硬膜剤を用いて硬化させることが望ましい。
【0086】上記硬膜剤としては、例えば、グルタルア
ルデヒド、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン
等のジアルデヒド類およびほう酸等の特開平2−141
279号公報に記載されるているものを挙げることがで
きる。これらの硬膜剤の添加量は、下塗層の質量に対し
て、0.20質量%から3.0質量%となる範囲で、塗
布方法や希望の硬化度に合わせて適切な添加量を選ぶこ
とができる。
【0087】<紫外線フィルター層>本発明において
は、紫外線による記録画像の褪色または変色を防止する
観点から、支持体の観視面側(感熱発色層と反対側)に
紫外線フィルター層を設けることが好ましい。紫外線フ
ィルター層は、公知の紫外線吸収剤を適宜選択して用
い、上記保護層の場合と同様にして設けることもできる
が、層の透明性を良好とする観点から、上記感熱発色層
の場合と同様に紫外線吸収剤をマイクロカプセル化して
使用することが好ましい。紫外線フィルター層は、後述
するマット層と透明支持体との間に設けるのが好まし
い。
【0088】<マット層>本発明の感熱記録材料には、
記録面からの反射光を防止して画像を見易くするため、
さらには水性ペンなどペン等に対する筆記性を付与する
ために感熱発色層と反対側(観視面側)の透明支持体上
に、平均粒子径が1〜20μm、好ましくは1〜10μ
mの微粒子を含有するマット層を設けてもよい。マット
層は、入射角が20°における光沢度が50%以下、特
に30%以下のものであることが好ましい。上記微粒子
は、感熱記録材料の透明性を良好とする観点から、屈折
率が1.45〜1.75のものであることが好ましい。
【0089】マット層に含有される微粒子としては、デ
ンプン微粒子、セルロースファイバー、ポリスチレン樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素ホルマリン
樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリメチル(メ
タ)アクリレート樹脂、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共
重合体樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等
の合成高分子の微粒子、炭酸カルシウム、酸化チタン、
カオリン、スメクタイト粘土、水酸化アルミニウム、シ
リカ、酸化亜鉛等の無機微粒子等を挙げることができ
る。これらの微粒子は2種以上併用しても良い。マット
層は、上記保護層に用いたバインダーに上記微粒子を混
合した塗布液を上記感熱層液の場合と同様にして支持体
上若しくは上記紫外線フィルター層上に塗布・乾燥する
ことによって設けられる。
【0090】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。ま
た、実施例中、「%」は、特に限定がない限り「質量
%」を意味する。
【0091】[実施例1] <電子供与性染料前駆体含有カプセル液の調製>電子供
与性染料前駆体として、2−アニリノ−3−メチル−6
−N−エチル−N−sec−ブチルアミノフルオラン
(日本曹達社製;商品名PSD184)6.3g、およ
び、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニ
ル)−4−アザフタリドタケネート(山田化学社製;商
品名Blue220)1.9gと、紫外線吸収剤とし
て、2−(5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール(Ciba−Geigy社製;商品
名チヌビンPS)5gと、壁材として、タケネートD1
10N(武田薬品製)12gとを、石油系オイルKMC
113(呉羽化学社製)20gおよび酢酸エチル12g
に溶解した。この溶液を10%のポリビニルアルコール
水溶液(クラレ社製;商品名PVA−205:鹸化度8
8%)75gに混合し、エースホモジナイサー(日本精
機社製)で、8000rpmで5分間乳化し、さらに水
60gとテトラエチレンペンタミン0.5gとを加え
て、50℃で3時間反応させてカプセルサイズ0.7μ
mの電子供与性染料前駆体内包カプセル液を調製した。
【0092】<電子受容性化合物分散液の調製>1、3
−ビス[2’−(p−ヒドロキシフェニル)−2’−プ
ロピル]ベンゼン(三井化学社製;商品名ビスフェノー
ルM)60gを、濃度25%のポリカルボン酸(花王
(株)社製;商品名デモールEP)7gおよび濃度5%
部分鹸化ポリビニルアルコール(クラレ社製;商品名P
VA−205)水溶液140g中に分散し、サンドミル
を用いて粉砕して、体積平均粒径0.6μmの電子受容
性化合物分散液を調製した。
【0093】<光反射層用顔料分散液の調製>酸化チタ
ン(石原産業社製;商品名R780−2)50gを、濃
度25%のポリカルボン酸(花王(株)社製;商品名デ
モールEP)0.6gおよび8%のポリビニルアルコー
ル水溶液(クラレ社製;商品名PVA−205:鹸化度
88%)70g中に分散し、サンドミルを用いて粉砕し
て体積平均粒径0.35μmの光反射層用顔料分散液を
調製した。
【0094】<保護層用顔料分散液の調製>水酸化アル
ミ(昭和電工社製;商品名ハイジライトH42)50g
およびステアリン酸Zn(堺化学社製;商品名SZ20
00)3gを、濃度40%ヘキサメタリン酸ナトリウム
水溶液2gおよび4%のポリビニルアルコール水溶液
(クラレ社製;商品名PVA−203:鹸化度88%)
70g中に分散し、サンドミルを用いて粉砕して体積平
均粒径0.6μmの保護層用顔料分散液を調製した。
【0095】<紫外線フィルター層用カプセル液の調製
>下記化合物(I)1.58g、下記化合物(II)6.
3g、下記化合物(III)5.2g、下記化合物(IV)
1.4gおよび下記化合物(V)7.3gを酢酸エチル
8.2gに溶解後、壁材としてタケネートD110N
(武田薬品製)0.9gとバーノックD750(大日本
インキ製)0.3gとを添加した。この溶液を15%の
ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製;商品名PV
A−205:鹸化度88%)120gおよび10%のド
デシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム8g中に混合
し、エースホモジナイザー(日本精機社製)で、150
00rpmで15分間乳化し、さらに水60gとテトラ
エチレンペンタミン0.15gとを加えて、40℃で3
時間反応させてカプセルサイズ0.25μmの紫外線フ
ィルター層用カプセル液を調製した。
【0096】
【化5】
【0097】<感熱発色層用塗布液の調製>上記電子供
与性染料前駆体含有カプセル液35g、上記電子受容性
化合物分散液15g、および、50%の蛍光増白剤(日
本化薬社製;商品名カヤホールS)0.1gを混合して
感熱発色層用塗布液を得た。
【0098】<光反射層用塗布液の調製>上記光反射層
用顔料分散液80gと、15%のポリビニルアルコール
水溶液(クラレ社製;商品名PVA−205:鹸化度8
8%)215gと、4%のホウ酸25gと、を混合して
光反射層用塗布液を得た。
【0099】<保護層用塗布液の調製>上記保護層用顔
料分散液115gと、50%の蛍光増白剤(日本化薬社
製;商品名カヤホールPAS)1.5gと、10%のポ
リビニルアルコール水溶液(クラレ社製;商品名PVA
−217:鹸化度88%)35gと、10%のドデシル
ベンゼンスルフォン酸ナトリウム4gと、2%の下記化
合物(VI)10gと、を混合して保護層用塗布液を得
た。
【0100】
【化6】
【0101】<紫外線フィルター層用塗布液の調製>水
42gと、シラノール変性ポリビニルアルコール(クラ
レ社製;商品名R2105)40gと、上記紫外線フィ
ルター層用カプセル液13.5gと、を混合した後、5
0%の下記化合物(VII)の水溶液17gと、20%の
コロイダルシリカ分散液(日産化学社製;商品名スノー
テックス0)65gと、を混合し、紫外線フィルター層
用塗布液を得た。
【0102】
【化7】
【0103】<マット層(バックコート層)用塗布液の
調製>水50gに体積平均粒子径が5μmのライススタ
ーチ(松谷化学社製)0.1gを加え、分散した後、2
%のスルフォン酸ジ(2−エチル)へキシル2.5g
と、2%の上記化合物(VI)1.5gと、20%のコロ
イダルシリカ分散液(日産化学社製;商品名スノーテッ
クス0)17gと、を混合してマット層用塗布液を得
た。
【0104】≪感熱記録材料の作製≫厚み75μmの透
明PET支持体の一方の面に、上記紫外線フィルター層
用塗布液、上記マット層用塗布液を、それぞれ固形分質
量で1.8g/m2および2.2g/m2となるように順
次塗布し、その後乾燥した。次いで反対側の面に、上記
感熱発色層用塗布液、上記光反射層用塗布液、上記保護
層用塗布液を、それぞれ固形分質量で9.8g/m2
4.0g/m2および2.0g/m2となるように順次塗
布し、乾燥して実施例1の感熱記録材料を得た。
【0105】[実施例2]実施例1の電子受容性化合物
分散液中の分散粒子径を「0.6μm」から「0.51
μm」に変更した以外は実施例1と同様にして実施例2
の感熱記録材料を作製した。
【0106】[実施例3]実施例1の電子受容性化合物
分散液に用いた「1、3−ビス[2’−(p−ヒドロキ
シフェニル)−2’−プロピル]ベンゼン」を、「1,
4−ビス[2’−(p−ヒドロキシフェニル)−2’−
プロピル]ベンゼン(三井化学社製;商品名ビスフェノ
ールΡ)」に変えた以外は実施例1と同様にして実施例
3の感熱記録材料を作製した。
【0107】[比較例1]実施例1の電子受容性化合物
分散液中の分散粒子径を「0.6μm」から「0.8μ
m」に変更した以外は実施例1と同様にして比較例1の
感熱記録材料を作製した。
【0108】[比較例2]実施例3の電子受容性化合物
分散液中の分散粒子径を「0.6μm」から「0.75
μm」に変更した以外は実施例1と同様にして比較例2
の感熱記録材料を作製した。
【0109】[比較例3]実施例1の電子受容性化合物
分散液に用いた「1、3−ビス[2’−(p−ヒドロキ
シフェニル)−2’−プロピル]ベンゼン」を、「4−
{[4−(1−メチルエトキシ)フェニル]スルフォニ
ル}フェノール(日本曹達社製:商品名D−8)」に変
えた以外は実施例1と同様にして比較例3の感熱記録材
料を作製した。
【0110】[比較例4]実施例1の電子受容性化合物
分散液に用いた「1、3−ビス[2’−(p−ヒドロキ
シフェニル)−2’−プロピル]ベンゼン」を、「2,
2’−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(三井
東圧社製;商品名ビスフェノールA)」に変えた以外は
実施例1と同様にして比較例4の感熱記録材料を作製し
た。
【0111】[比較例5]実施例1の光反射層用塗布液
の塗布量を、「4g/m2」から「2g/m2」に変えた
以外は実施例1と同様にして比較例5の感熱記録材料を
作製した。
【0112】[比較例6]実施例1の光反射層用顔料分
散液に用いた「酸化チタン」を、「水酸化アルミ(昭和
電工社製;商品名ハイジライトH42)」に変えた以外
は実施例1と同様にして比較例6の感熱記録材料を作製
した。
【0113】≪評価≫上記から得られた各感熱記録材料
について、下記の評価をおこなった。
【0114】<感熱発色層のヘイズ値>実施例1〜3お
よび比較例1〜6において、透明支持体上に感熱発色層
まで形成した時点で、該感熱発色層のヘイズ値をヘイズ
メータ(スガ試験機社製)を用いて測定した。結果を表
1に示す。
【0115】<光反射層の全光線透過率>実施例1〜3
および比較例1〜6において、透明支持体上に感熱発色
層、光反射層まで形成した時点で、全光線透過率をヘイ
ズメータ(スガ試験機社製)で測定した。結果を表1に
示す。
【0116】<発色性>サーマルプリンターTRT−8
(長野日本無線(株)社製)を用いて、サーマルヘッド
の印加熱エネルギーを変えながら、各感熱記録材料に画
像(ステップエッジ)を記録した。その後、記録画像の
発色濃度をマクベス社RD−918型濃度計にて測定し
た。結果を表1に示す。
【0117】
【表1】
【0118】<保存性>上記発色性の評価と同様にして
感熱記録材料に画像を記録し、画像記録後の感熱記録材
料を、40℃・相対湿度90%の条件下で7日間放置し
た後、地肌部の濃度を測定し、さらに、画像部の変色度
合いを目視で評価した。該評価において「○」は、変色
が認められなかったことを表わす。結果を表2に示す。
【0119】<耐光性>上記発色性の評価と同様にして
感熱記録材料に画像を記録し、画像記録後の感熱記録材
料を、蛍光灯(32000lx)下で7日間放置した
後、地肌部の濃度を測定し、さらに、画像部の変色度合
いを目視で評価した。該評価において「○」は、変色が
認められなかったことを表わす。結果を表2に示す。
【0120】<画像評価>サーマルイメージャーFTI
210(富士写真フイルム(株)社製)を使用し各感熱
記録材料に実画像を印画した。感熱記録材料に印画され
た画像を目視で観察し、下記の基準に従って評価した。
結果を表2に示す。 〔基準〕 ○:濃度が高く、階調再現性が良く綺麗な画像が得られ
た。 △:階調が硬く、透明性が低い白っぽい画像が得られ
た。 ×:濃度が低く、みすぼらしい画像が得られた。
【0121】
【表2】
【0122】表1および2に示した通り、本発明の感熱
記録材料は、階調再現性が良く、製造時の地肌かぶりが
少なく、また、発色濃度が高く、鮮鋭度の高い高級感の
ある綺麗な画像が得られた。さらに、画像部および地肌
部の保存性並びに耐光性に優れていることがわかった。
【0123】
【発明の効果】本発明によれば、反射画像の階調再現
性、特に低濃度の階調再現性の高い感熱記録材料を提供
することができ、さらに、画像の鮮鋭度が高く、画像保
存性に優れる感熱記録材料を提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に、電子供与性染料前駆体
    と前記電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化
    合物とを含有する感熱発色層と、全光線透過率が30%
    以下の光反射層と、を前記透明支持体側からこの順に有
    する感熱記録材料であって、前記感熱発色層のヘイズ値
    が60%以下であることを特徴とする感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 前記電子受容性化合物は、下記一般式
    (1)で表される化合物であることを特徴とする請求項
    1に記載の感熱記録材料。 【化1】
  3. 【請求項3】 前記電子受容性化合物の分散粒子径が、
    0.7μm以下であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 前記透明支持体上に、前記感熱発色層
    と、前記光反射層と、保護層と、を前記透明支持体側か
    らこの順に有することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の感熱記録材料。
  5. 【請求項5】 前記電子供与性染料前駆体は、マイクロ
    カプセルに内包されていることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の感熱記録材料。
  6. 【請求項6】 前記マイクロカプセルは、ウレタンまた
    はウレア結合を有する高分子壁膜を有することを特徴と
    する請求項5に記載の感熱記録材料。
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