JP2003001663A - 樹脂成形装置および樹脂成形方法 - Google Patents

樹脂成形装置および樹脂成形方法

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JP2003001663A JP2001190653A JP2001190653A JP2003001663A JP 2003001663 A JP2003001663 A JP 2003001663A JP 2001190653 A JP2001190653 A JP 2001190653A JP 2001190653 A JP2001190653 A JP 2001190653A JP 2003001663 A JP2003001663 A JP 2003001663A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂形成時に発生するひけの発生個所、程度
を調整する手段を有することによって、射出充填時に流
動分布や温度分布を有する場合においても、広域の転写
面を均質に転写できる樹脂成形装置および樹脂成形方法
を提供する。 【解決手段】 金型1にはスリット4a,4bが形成さ
れており、溶融樹脂がキャビティ2内への流入中、ある
いは流入中および流入後に、スリット4a,4bに接続
された各通気経路ごとに異なる圧力の圧縮気体をスリッ
ト4a,4bからキャビティ2内へ送入する。樹脂と金
型1との間の密着状態を局所的に解除することによっ
て、樹脂の固化収縮によって発生するひけの程度を各通
気経路に接続されたスリットごとに調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成形装置およ
び樹脂成形方法に関し、特に、広域で均質な転写を必要
とする成形品、あるいは、ある単位形状がアレイ状ある
いは面状に並ぶ成形品、ギヤのように単位形状(例え
ば、歯)が円周上に並ぶ成形品など、単位形状がどの部
分においても均質に転写されることが要求される成形品
や、歯車,プーリなどの動力駆動用成形品をはじめとす
る円筒形状を有する高精度なプラスチック成形品の製造
に有効である樹脂成形装置および樹脂成形方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、樹脂成形においては、肉厚部、
変肉部を有する成形品を高精度に成形することは困難で
あり、機能上精度が必要な部分や微細表面形状の転写が
必要な部分(以下、転写面という。)にもひけや収縮分
布による転写精度の不良現象が生じやすい。
【0003】例えば、動力駆動用部品の1つであるプラ
スチック歯車は、金属歯車と比較して自己潤滑性,低騒
音,軽量,耐腐食性,量産性等に優れているため、複写
機,プリンタ等の精密機械の動力伝達部に使用されてい
る。通常、これらのプラスチック歯車を射出成形で作製
する場合、外周面(歯面)および、内周面(軸受け部)
が転写面となるため、以下に説明するように複数のピン
ゲートより溶融樹脂を金型ディスク部に注入し、キャビ
ティ全体に樹脂を充填し、その後、固化工程を経て固化
して成形品を得る。
【0004】図4は、従来の通常のギヤ成形の例を説明
するための図で、成形されたギヤと該ギヤを成形する樹
脂成形装置の下側金型を上方からみた要部平面概略図で
ある。ここでは、ギヤピッチ円を点線で示している。一
般に用いられる複数のピンゲートによる射出成形方法に
おいては、形成されたギヤピッチ円は図4に実線で示し
たようになる。すなわち、ディスク部(ウェブ部)に充
填された溶融樹脂は、ゲート3を中心に放射状に広がり
キャビティ2の外周部(歯形形成部)に侵入する。その
結果、ゲート放射方向部Aと、ゲート間の放射方向部
(ウェルド部)Bで外周部への樹脂の流動分布が発生し、
これによって、A部とB部では樹脂温、収縮率が異なる
ため、成形品外周のギヤピッチ円は目的とした点線で示
されているような円形状ではなく、実線で示されるよう
なゲート位置に対応した花びら状の凹凸形状となる。こ
のままでは外周面を均一に転写した高精度な成形品を作
製することはできない。
【0005】また、通常は、リム部とディスク部の交わ
る部分がもっとも厚肉になるため、金型による樹脂の冷
却が一番遅くなる部分であり、樹脂部のなかで最後に冷
えて固まる。この際の収縮によって周囲の樹脂を肉厚中
心部に引き込むため、引張られた部分の表面形状が凹状
のくぼみ(ひけと呼ばれている)となる。通常のギヤ形
状においては、精度を要する外周の歯面にひけが発生し
やすく問題となっている。
【0006】そこで、特開平10−156861号公報
に記載のガス加圧射出成形方法では、転写精度の必要な
樹脂部分の裏側あるいは該裏側の近傍を、流体あるいは
気体の圧力によって、転写面側に押し付ける成形方法を
提案している。
【0007】しかしながら、前記特開平10−1568
61号公報に開示されている成形方法は、転写精度を必
要とする樹脂部分(転写面側)に対応する裏側(非転写
面)あるいは該裏側の近傍を、流体あるいは気体の圧力
によって、転写面側に押し付ける方法であるため、高圧
の流体源および当該流体源からの流体の圧力と導入タイ
ミングを制御する制御装置等の高価な設備を必要とする
とともに、流体として高圧ガスを使用する場合には、高
圧ガス使用の許可や装置の設置場所の許可等が必要とな
り、設備を導入するまでの制限事項が多く、利用性が悪
いという問題があった。
【0008】これに対し、本出願人が先に、金型のキャ
ビティ内に溶融樹脂を流入、固化し成形するに際して、
キャビティの転写面以外の任意の部分に開口して金型外
部とキャビティ内を連通する外気導入部(例えば、スリ
ット)を金型に形成し、金型のキャビティ内に、当該キ
ャビティ内に流入された溶融樹脂の流動方向に対して直
交する方向に段差部を形成し、外気導入部の樹脂に選択
的にひけを発生させることによって、特別で高価な装置
を用いることなく、かつ、低圧の成形条件で、転写させ
たい面(転写面)にひけが発生することを防止し、安価
かつ低消費エネルギーで、高精度な転写面を有する成形
品を製造することができるような耐久性の良好な樹脂成
形装置、および成形方法を提案している。
【0009】前記本出願人が先に提案した方法では、デ
ィスク部の任意の位置に円周状に外気導入部(歯面に対
しては、外周部の歯面の裏側が効果的)を設け、これに
よって外周面(転写面)以外のディスク部でのひけの発
生を誘起することによって、歯面の転写性を高めてい
る。
【0010】以上のように、前記本出願人が先に提案し
た方法では、ウェブ部に外気導入部などの開口部を設け
て金型と樹脂との密着性を解除してやることによって、
その部分の樹脂が歯面など他の部分より、肉厚中心に引
かれた際に、金型表面から離れやすく、ひけやすい状況
をつくっている。さらに、外部から圧縮気体を送入する
ことによって、よりひけやすい状況は加速されることに
なる。通常、金型内の冷却によって、樹脂残圧が低下
し、樹脂表面部での圧力がゼロになったときにひけの発
生が始まるが、外部から圧縮気体を送入することによっ
て、そのタイミングはより早まることになり、より樹脂
の温度が高く、弾性率が低い状態で金型面からはなれて
動くことになる。したがって、樹脂が動きやすく、ひけ
の程度も相対的に大きくなる。ひけの程度が大きくなる
と、転写させたい外周面の転写性はその程度に応じて向
上する(部分的にみると収縮率も変化する)。
【0011】しかし、円盤形状の周方向において複数ゲ
ートによる流動分布があり、周方向に温度分布や圧力分
布を生じるため、周方向に同条件で圧縮気体の導入など
のひけの発生のきっかけを与える場合には、そのひけの
発生の程度に分布を生じ、外周面への転写性向上の程度
(収縮率変化の程度)にも分布が生じるため、その結果
としての、外周面での真円度の低減には限界があり、そ
の条件の調整も難しくなる。
【0012】例えば、前記本出願人が先に提案した方法
を図4に示したギヤの成形に適応すれば、歯面以外の部
分をひけさせることによって確かに歯面転写性の改善効
果はみられるが、流動分布、あるいは温度分布の影響に
よって、ひけの発生度合いが異なり、ゲート放射方向部
Aと、ゲート間の放射方向部(ウェルド部)Bはひけの深
さが異なるため、A部とB部における歯面の転写性の差
を低減するには限界がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように、以上のよ
うな従来の方法においては、転写面の転写性の改善効果
があるものの、射出充填時に流動分布や温度分布を有す
る成形においては非転写面でひけの発生の仕方に分布が
生じやすいという欠点がある。ひけの発生の仕方に分布
が生じると、転写面での転写性向上の程度にも影響が生
じ、転写面全体で均質な転写が必要な成形品の場合に
は、均質性に問題を生じる。
【0014】本発明は、上述のような実情に鑑みてなさ
れたものであり、樹脂成形時に、各樹脂部分でのひけの
程度を個別、あるいはグループ別に調整できる手段を有
することによって、射出充填時に流動分布や温度分布を
有する場合においても、広域の転写面を均質に転写でき
るような樹脂成形装置および樹脂成形方法を提供するこ
とを目的としてなされたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、キャ
ビティの任意の部分に開口して金型外部と前記キャビテ
ィ内を連通する外気導入部が形成され、前記キャビティ
内に溶融樹脂を流入して固化させる樹脂成形装置におい
て、前記外気導入部は2つ以上形成され、各々独立した
通気経路を有し、該通気経路は個別に開閉可能であるこ
とを特徴としたものである。
【0016】請求項2の発明は、キャビティの任意の部
分に開口して金型外部と前記キャビティ内を連通する外
気導入部が形成され、前記キャビティ内に、当該キャビ
ティ内に流入される溶融樹脂の流動方向に対して直交す
る方向に段差部を有し、前記キャビティ内に溶融樹脂を
流入して固化させる樹脂成形装置において、前記外気導
入部は2つ以上形成され、各々独立した通気経路を有
し、該通気経路は個別に開閉可能であることを特徴とし
たものである。
【0017】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明において、前記2つ以上の外気導入部は、樹脂が先に
流れ込む部分と樹脂が後から流れ込む部分(ウェルド部
周辺など)のように樹脂の流動分布に対応した位置に形
成されていることを特徴としたものである。
【0018】請求項4の発明は、請求項1または2の発
明において、前記2つ以上の外気導入部は、樹脂が先に
流れ込む部分と樹脂が後から流れ込む部分(ウェルド部
周辺など)のように樹脂の流動分布に対応した位置に形
成され、前記2つ以上の外気導入部は、グループ別に独
立した通気経路を有し、該通気経路はグループ別に開閉
可能であることを特徴としたものである。
【0019】請求項5の発明は、請求項1または2の発
明において、前記2つ以上の外気導入部は、溶融樹脂の
充填後の温度分布に対応した位置に形成されていること
を特徴としたものである。
【0020】請求項6の発明は、請求項1または2の発
明において、前記2つ以上の外気導入部は、溶融樹脂の
充填後の温度分布に対応した位置に形成され、前記2つ
以上の外気導入部は、グループ別に独立した通気経路を
有し、該通気経路はグループ別に開閉可能であることを
特徴としたものである。
【0021】請求項7の発明は、請求項1乃至6の発明
において、前記溶融樹脂の前記キャビティ内への流入
後、あるいは流入中および流入後に、独立した前記通気
経路ごとに前記外気導入部を通して、前記キャビティ内
へ気体を強制的に送入する気体送入手段を有することを
特徴としたものである。
【0022】請求項8の発明は、請求項7の発明におい
て、前記気体送入手段が、前記溶融樹脂のキャビティ内
への流入後、あるいは流入中および流入後に、前記外気
導入部を通して前記キャビティ内に前記気体を送入する
際に、各通気経路に送る前記気体の圧力を個別に調節す
る手段を有することを特徴としたものである。
【0023】請求項9の発明は、請求項8の発明におい
て、前記外気導入部の近傍に樹脂温計測手段を複数有
し、独立した前記通気経路ごとに前記外気導入部を通し
て前記キャビティ内に前記樹脂温計測手段で計測した樹
脂温に応じた圧力の前記気体を送入するように制御する
制御手段を有することを特徴としたものである。
【0024】請求項10の発明は、請求項1乃至9の樹
脂成形装置を用いて、樹脂を成形することを特徴とした
ものである。
【0025】請求項11の発明は、請求項1乃至9の樹
脂成形装置を用いて、転写面がより均質になるように、
前記各通気経路の開閉タイミングや前記送入気体の圧力
を調整して樹脂を成形することを特徴としたものであ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を樹脂成
形装置の主要部を示す図1〜図3の実施例に基づいて説
明する。
【0027】(実施例1)図1は、本発明の実施例1に
よる樹脂成形装置の下側金型を上方からみた平面図で、
請求項1,2および請求項10に対応する図である。樹
脂形成装置の下側の金型1と図示しない上側の金型とで
歯車に対応したキャビティ2が形成され、下側の金型1
の歯車のディスク部に対応した位置に溶融樹脂の流入口
である複数のゲート3が形成されている。金型1には、
金型1外側とキャビティ2内を貫通しているスリットが
ゲート放射方向部Aに対応したスリット4a、および、
ゲート間の放射方向部(ウェルド部)Bに対応したスリッ
ト4bとして同一円周上に形成されている。なお、スリ
ット4a,4bは、各々独立した通気経路(図3に示
す)を有し、該通気経路は、制御装置によって個別に制
御されて開閉可能である。
【0028】なお、スリット4a,4bのクリアランス
は、キャビティ開口部で0.001〜0.03mm、好ま
しくは0.001〜0.02mmとなるように形成されて
いる。これによって、射出・充填時に樹脂が侵入してバ
リを形成することを防ぐことができる。
【0029】ゲート3からキャビティ2内に注入された
溶融樹脂は、各ゲート3から放射状に広がり、非転写面
付近で分流し、円周方向に流れを変えて流動し、最終的
に隣接ゲート間の中間部に当たるウェルド部へ到達し、
固化冷却される。この際、溶融樹脂がキャビティ2内へ
の流入中、あるいは流入中および流入後に、スリット4
a,4bからキャビティ2内へ圧縮気体を送入して、樹
脂と金型1との間の密着状態を局所的に解除することに
よって、金型1内で固化する際に樹脂の固化収縮による
ひけを密着状態が解除された部分をきっかけとして発生
させるが、このひけの発生の程度を各通気経路ごとに異
なる圧力の圧縮気体を送入することによってスリット4
a,4bごとに調整することが可能である。
【0030】このように、2つ以上のスリット等の外気
導入部が各々独立した通気経路を有し、個別に通気経路
の開閉が可能であるので、各非転写面のひけの発生の程
度を個別に調節することができる。ここで、さらに、キ
ャビティ2内に、溶融樹脂の流動方向に対して直交する
方向に段差部が形成されていると、非転写面にひけをよ
り確実に発生させることができる。これによって、射出
充填時に流動分布や温度分布を有する成形においても、
広域の転写面を均質に転写させることが可能となり、均
質で転写精度が高い成形品を得ることができる。
【0031】(実施例2)図2は、本発明の実施例2に
よる樹脂成形装置の下側金型を上方からみた平面図で、
請求項3〜請求項6に対応する図である。図中、図1と
同じ機能の構成要素は、図1に付した番号と同じ番号を
付してある。本実施例において、外気導入部は、樹脂が
先に流れ込む部分であるA部と、樹脂が後から流れ込む
部分(ウェルド部周辺など)であるB部ごとに同一円周
上の位置にそれぞれスリット4a,4bとして形成され
ている。スリット4a,4bはA部やB部のようにグル
ープ分けし、グループ別に独立した通気経路5a,5b
に接続され、通気経路5a,5bは、グループ別に制御
装置によって制御されて開閉可能である(この点は、図
3に基づいて後述する)。
【0032】ゲート3からキャビティ2内に注入された
溶融樹脂は、各ゲート3から放射状に広がり、非転写面
付近で分流し、円周方向に流れを変えて流動し、最終的
に隣接ゲート間の中間部に当たるウェルド部へ到達し、
固化冷却される。この際、溶融樹脂がキャビティ2内へ
の流入中、あるいは流入中および流入後に、スリット4
a,4bからキャビティ2内へ圧縮気体を送入して、樹
脂と金型1との間の密着状態を局所的に解除することに
よって、金型1内で固化する際に樹脂の固化収縮による
ひけを密着状態が解除された部分をきっかけとして発生
させるが、このひけの発生の程度をグループ別の通気経
路ごとに異なる圧力の圧縮気体を送入することによって
グループ別ごとに調整することが可能である。
【0033】このように、実施例2においては、外気導
入部があらかじめキャビティ内の樹脂がひけやすい位置
(樹脂が先に流れ込む部分)とひけ難い位置(樹脂が後
から流れ込む部分)とに、分けて配置されているので、
各非転写面のひけの発生の程度を効率良く個別に調節す
ることができる。従って、外気導入部の数を減らすこと
ができて、金型製作期間とコストを低減することができ
る。また、ひけやすさが同レベルとなる位置の複数の外
気導入部をグループとして1つの通気経路に接続するこ
とにより、通気経路を減らすことができ、金型製作期間
とコストを低減することができ、また、付帯設備を減ら
すことができる。これによって、射出充填時に流動分布
や温度分布を有する成形においても、広域の転写面を均
質に転写させることが可能となり、均質で転写精度が高
い成形品を得ることができる。
【0034】(実施例3)図3は、本発明の実施例3に
よる図1に示した樹脂形成装置のスリット4a,4bに
接続される通気経路に送入する気体を制御する気体送入
手段を説明するための図で、請求項7〜請求項9および
請求項11に対応するものである。本実施例において、
外気導入部は、図1に示したように、樹脂が先に流れ込
む部分であるA部と、樹脂が後から流れ込む部分(ウェ
ルド部周辺など)であるB部のように樹脂の流動分布に
対応した位置にそれぞれスリット4a,4bとして形成
されている。さらに、スリット4a,4bは、A部やB
部のようなグループ別に独立した通気経路5a,5bに
接続され、通気経路5a,5bは、開閉手段6a,6b
に接続され、さらに、圧縮気体源8と接続している気体
圧力調節手段7a,7bおよび開閉手段6a,6bは、
コントローラ9によって制御されている。
【0035】ゲート3からキャビティ2内に注入された
溶融樹脂は、各ゲート3から放射状に広がり、非転写面
付近で分流し、円周方向に流れを変えて流動し、最終的
に隣接ゲート間の中間部に当たるウェルド部へ到達し、
固化冷却される。この際、溶融樹脂がキャビティ2内へ
の流入中、あるいは流入中および流入後に、コントロー
ラ9に接続された気体圧力調節手段7a,7bは、圧縮
気体源8の圧縮気体を適切な圧力とし、コントローラ9
の制御によって開閉手段6a,6bがスリット4a,4
bの通気経路5a,5bを開閉することにより、スリッ
ト4a,4bからキャビティ2内へ圧縮気体を送入し
て、樹脂と金型1との間の密着状態を局所的に解除する
ことによって、金型1内で固化する際に樹脂の固化収縮
によるひけを密着状態が解除された部分をきっかけとし
て発生させる。このひけの発生の程度は、グループ別の
通気経路ごとに異なる圧力の圧縮気体を送入することに
よってグループ別ごとに調整することが可能である。
【0036】このように、独立した通気経路ごとに外気
導入部を通して、溶融樹脂のキャビティ内への流入後、
あるいは流入中および流入後にキャビティ内へ気体を強
制的に送入する開閉手段6a,6bを備え、より確実に
各部のひけの程度を調節することができ、射出充填時に
流動分布や温度分布を有する成形においても、広域の転
写面を均質に転写させることが可能となり、均質で転写
精度が高い成形品を得ることができる。
【0037】また、転写面がより均質になるように、コ
ントローラ9で各通気経路5a,5bの開閉タイミング
や送入気体の圧力を調整して溶融樹脂から樹脂成形品を
製造するように制御することにより、各非転写面のひけ
の発生の程度を個別により細かく適切に調節することが
できる。これによって、射出充填時に流動分布や温度分
布を有する成形においても、広域の転写面を均質に転写
させることが可能となり、均質で転写精度が高い成形品
を得ることができる。
【0038】さらに、スリット4a,4bの近傍の金型
1壁面の任意の複数個所に樹脂温を計測する樹脂温計測
手段を設け、樹脂温に応じた圧力の気体を送入するよう
にコントローラ9で制御することにより、設備や外部環
境の外乱や、成形開始時などの不安定要因が生じた場合
に、非転写面のひけの程度を自動的に適切に制御するこ
とができる。したがって、射出充填時に流動分布や温度
分布を有する成形においても、広域の転写面を安定して
均質に転写させることが可能となり、均質で転写精度が
高い成形品を安定して得ることができる。
【0039】本発明においては、流動分布、あるいは樹
脂温度分布に応じて、非転写面をひけを発生しやすい個
所とそうでない個所に分類し、該個所別に、圧縮気体の
圧力などを適切な条件とし、ひけの発生の程度を調節す
る。これによって、外周面での花びら状の凹凸形状を最
小限に低減することが可能となり、真円度の高い成形品
を得ることができる。
【0040】本発明による樹脂成形装置を用いて製造す
る樹脂成形品の例として挙げた歯車においては、振れが
少なく、全歯面の均質性が良い歯車を得ることができ
る。また、本発明による樹脂成形装置は、歯車以外の均
質性を有する円形、あるいは円筒形部品を製造する際に
も効果的である。さらに、本発明による樹脂成形装置
は、広域で均質な転写を必要とする成形品、あるいは、
ある単位形状がアレイ状あるいは面状に並ぶ成形品、単
位形状がどの部分においても均質に転写されることが要
求される成形品を製造する場合において、特に有効であ
る。
【0041】
【発明の効果】請求項1の発明の効果 請求項1の発明によると、キャビティの任意の部分に開
口して金型外部とキャビティ内を連通する外気導入部が
形成され、キャビティ内に溶融樹脂を流入して固化させ
る樹脂成形装置において、外気導入部は2つ以上形成さ
れ、各々独立した通気経路を有し、通気経路を個別に開
閉可能であるので、各非転写面のひけの発生の程度を個
別に調節することができる。これによって、射出充填時
に流動分布や温度分布を有する成形においても、広域の
転写面を均質に転写させることが可能となり、均質で転
写精度が高い成形品を得ることができる。
【0042】請求項2の発明の効果 請求項2の発明によると、キャビティの任意の部分に開
口して金型外部とキャビティ内を連通する外気導入部が
形成され、キャビティ内に、当該キャビティ内に流入さ
れる溶融樹脂の流動方向に対して直交する方向に段差部
を有し、キャビティ内に溶融樹脂を流入して固化させる
樹脂成形装置において、外気導入部は2つ以上形成さ
れ、各々独立した通気経路を有し、該通気経路を個別に
開閉可能であり、かつ、段差部により肉厚が変わるた
め、非転写面にひけをより確実に発生させることがで
き、さらに、各非転写面のひけの発生の程度を個別に調
節することができる。これによって、射出充填時に流動
分布や温度分布を有する成形においても、広域の転写面
を均質に転写させることが可能となり、均質で転写精度
が高い成形品を得ることができる。
【0043】請求項3の発明の効果 請求項3の発明によると、2つ以上の外気導入部がキャ
ビティ内樹脂がひけやすい位置とひけ難い位置とに、分
けて配置されるので、各非転写面のひけの発生の程度を
効率良く個別に調節することができる。従って、外気導
入部の数を減らすことができて、金型製作期間とコスト
を低減することができる。また、射出充填時に流動分布
や温度分布を有する成形においても、広域の転写面を均
質に転写させることが可能となり、均質で転写精度が高
い成形品を得ることができる。
【0044】請求項4の発明の効果 請求項4の発明によると、2つ以上の外気導入部がキャ
ビティ内樹脂がひけやすい位置とひけ難い位置とに、分
けて配置されるので、各非転写面のひけの発生の程度を
効率良く個別に調節することができる。従って、外気導
入部の数を減らすことができて、金型製作期間とコスト
を低減することができる。また、ひけやすさが同レベル
となる位置の複数の外気導入部をグループとして1つの
通気経路に接続することにより、通気経路を減らすこと
ができ、金型製作期間とコストを低減することができ、
また、付帯設備を減らすことができる。また、射出充填
時に流動分布や温度分布を有する成形においても、広域
の転写面を均質に転写させることが可能となり、均質で
転写精度が高い成形品を得ることができる。
【0045】請求項5の発明の効果 請求項5の発明によると、2つ以上の外気導入部がキャ
ビティ内樹脂がひけやすい位置とひけ難い位置とに、分
けて配置されるので、各非転写面のひけの発生の程度を
効率良く個別に調節することができる。従って、外気導
入部の数を減らすことができて、金型製作期間とコスト
を低減することができる。また、射出充填時に流動分布
や温度分布を有する成形においても、広域の転写面を均
質に転写させることが可能となり、均質で転写精度が高
い成形品を得ることができる。
【0046】請求項6の発明の効果 請求項6の発明によると、2つ以上の外気導入部がキャ
ビティ内樹脂がひけやすい位置とひけ難い位置とに、分
けて配置されるので、各非転写面のひけの発生の程度を
効率良く個別に調節することができる。従って、外気導
入部の数を減らすことができて、金型製作期間とコスト
を低減することができる。また、ひけやすさが同レベル
となる位置の複数の外気導入部をグループとして1つの
通気経路に接続することにより、通気経路を減らすこと
ができ、金型製作期間とコストを低減することができ、
また、付帯設備を減らすことができる。また、射出充填
時に流動分布や温度分布を有する成形においても、広域
の転写面を均質に転写させることが可能となり、均質で
転写精度が高い成形品を得ることができる。
【0047】請求項7の発明の効果 請求項7の発明によると、より確実に各部のひけの程度
を調節することができ、射出充填時に流動分布や温度分
布を有する成形においても、広域の転写面を均質に転写
させることが可能となり、均質で転写精度が高い成形品
を得ることができる。
【0048】請求項8の発明の効果 請求項8の発明によると、より確実に各部のひけの程度
を調節することができ、射出充填時に流動分布や温度分
布を有する成形においても、広域の転写面を均質に転写
させることが可能となり、均質で転写精度が高い成形品
を得ることができる。
【0049】請求項9の発明の効果 請求項9の発明によると、設備や外部環境の外乱や、成
形開始時などの不安定要因が生じた場合にも、非転写面
のひけの程度を自動的に適切に制御することができる。
したがって、射出充填時に流動分布や温度分布を有する
成形においても、広域の転写面を安定して均質に転写さ
せることが可能となり、均質で転写精度が高い成形品を
安定して得ることができる。
【0050】請求項10の発明の効果 請求項10の発明によると、各非転写面のひけの発生の
程度を個別に調節することができる。これによって、射
出充填時に流動分布や温度分布を有する成形において
も、広域の転写面を均質に転写させることが可能とな
り、均質で転写精度が高い成形品を得ることができる。
【0051】請求項11の発明の効果 請求項11の発明によると、転写面がより均質になるよ
うに、各通気経路の開閉タイミングや送入気体の圧力を
調整して樹脂を成形するので、各非転写面のひけの発生
の程度を個別により細かく適切に調節することができ
る。これによって、射出充填時に流動分布や温度分布を
有する成形においても、広域の転写面を均質に転写させ
ることが可能となり、均質で転写精度が高い成形品を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1による樹脂成形装置の下側
金型を上方からみた平面図である。
【図2】 本発明の実施例2による樹脂成形装置の下側
金型を上方からみた平面図である。
【図3】 本発明の実施例3による樹脂形成装置のスリ
ットに接続される通気経路に送入する気体を制御する気
体送入手段を説明するための図である。
【図4】 成形されたギヤと該ギヤを成形する樹脂成形
装置の下側金型を上方からみた要部平面概略図である。
【符号の説明】
1…金型、2…キャビティ、3…ゲート、4a,4b…
スリット、5a,5b…通気経路、6a,6b…開閉手
段、7a,7b…気体出力手段、8…圧縮気体源、9…
コントローラ。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティの任意の部分に開口して金型
    外部と前記キャビティ内を連通する外気導入部が形成さ
    れ、前記キャビティ内に溶融樹脂を流入して固化させる
    樹脂成形装置において、前記外気導入部は2つ以上形成
    され、各々独立した通気経路を有し、該通気経路は個別
    に開閉可能であることを特徴とする樹脂成形装置。
  2. 【請求項2】 キャビティの任意の部分に開口して金型
    外部と前記キャビティ内を連通する外気導入部が形成さ
    れ、前記キャビティ内に、当該キャビティ内に流入され
    る溶融樹脂の流動方向に対して直交する方向に段差部を
    有し、前記キャビティ内に溶融樹脂を流入して固化させ
    る樹脂成形装置において、前記外気導入部は2つ以上形
    成され、各々独立した通気経路を有し、該通気経路は個
    別に開閉可能であることを特徴とする樹脂成形装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の樹脂成形装置
    において、前記2つ以上の外気導入部は、樹脂が先に流
    れ込む部分と樹脂が後から流れ込む部分のように樹脂の
    流動分布に対応した位置に形成されていることを特徴と
    する樹脂成形装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の樹脂成形装置
    において、前記2つ以上の外気導入部は、樹脂が先に流
    れ込む部分と樹脂が後から流れ込む部分のように樹脂の
    流動分布に対応した位置に形成され、前記2つ以上の外
    気導入部は、グループ別に独立した通気経路を有し、該
    通気経路はグループ別に開閉可能であることを特徴とす
    る樹脂成形装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の樹脂成形装置
    において、前記2つ以上の外気導入部は、溶融樹脂の充
    填後の温度分布に対応した位置に形成されていることを
    特徴とする樹脂成形装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載の樹脂成形装置
    において、前記2つ以上の外気導入部は、溶融樹脂の充
    填後の温度分布に対応した位置に形成され、前記2つ以
    上の外気導入部は、グループ別に独立した通気経路を有
    し、該通気経路はグループ別に開閉可能であることを特
    徴とする樹脂成形装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の樹脂
    成形装置において、前記溶融樹脂の前記キャビティ内へ
    の流入後、あるいは流入中および流入後に、独立した前
    記通気経路ごとに前記外気導入部を通して、前記キャビ
    ティ内へ気体を強制的に送入する気体送入手段を有する
    ことを特徴とする樹脂成形装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の樹脂成形装置におい
    て、前記気体送入手段は、前記溶融樹脂のキャビティ内
    への流入後、あるいは流入中および流入後に、前記外気
    導入部を通して前記キャビティ内に前記気体を送入する
    際に、各通気経路に送る前記気体の圧力を個別に調節す
    る手段を有することを特徴とする樹脂成形装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の樹脂成形装置におい
    て、前記外気導入部の近傍に樹脂温計測手段を複数有
    し、独立した前記通気経路ごとに前記外気導入部を通し
    て前記キャビティ内に前記樹脂温計測手段で計測した樹
    脂温に応じた圧力の前記気体を送入するように制御する
    制御手段を有することを特徴とする樹脂成形装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の樹
    脂成形装置を用いて、樹脂を成形することを特徴とする
    樹脂成形方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至9のいずれかに記載の樹
    脂成形装置を用いて、転写面がより均質になるように、
    前記各通気経路の開閉タイミングや前記送入気体の圧力
    を調整して樹脂を成形することを特徴とする樹脂成形方
    法。
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