JP2003001409A - 熱交換器の製造方法及びろう箔付き熱交換チューブ、並びにろう箔付き熱交換チューブの製造方法及び製造装置 - Google Patents
熱交換器の製造方法及びろう箔付き熱交換チューブ、並びにろう箔付き熱交換チューブの製造方法及び製造装置Info
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Abstract
の削減及び軽量化を図ることができる熱交換器の製造方
法を提供する。 【解決手段】 本発明は、熱交換チューブ2の表面にフ
ィン3が接合されたコア5を有する熱交換器の製造方法
を対象とする。熱交換チューブ2の表面にホットメルト
接着剤10を介してろう箔20を接着して、ろう箔付き
熱交換チューブ10を準備する。ろう箔付き熱交換チュ
ーブ2とフィン3とを組み合わせて、熱交換器仮組品を
形成し、その仮組品を炉中にて加熱することにより、ろ
う箔20を溶融固化して熱交換チューブ2及びフィン3
をろう付け固定する。
Description
用、家庭用、業務用のエアコンにおける凝縮器、蒸発器
の他、ラジエータ等に好適に使用されるアルミニウム
(その合金も含む、以下同じ)製の熱交換器の製造方
法、及びその製造方法に採用されるろう箔付き熱交換チ
ューブ、並びにろう箔付き熱交換チューブの製造方法及
び製造装置に関する。
器として、熱交換チューブとコルゲートフィンとが交互
に積層配置された状態でろう付け一体化された熱交換器
コアを有するものが周知である。
形態に仮組みし、炉中ろう付けにて一括して連結一体化
する方法が一般的に採用されている。そして、従来で
は、この炉中ろう付け行うために、外面に亜鉛を溶射し
たアルミニウム製の熱交換チューブと、アルミニウム母
材の全面にろう材をクラッドしたブレージングシートか
らなるフィンとを用い、これらの熱交換チューブとフィ
ンとを交互に積層配置した状態に仮組みして、ろう付け
一体化するのが通例である。
ブレージングシートからなるフィンは、形状が複雑であ
っても効率良くろう付け接合できる利点があるが、接合
部の面積が少ないにもかかわらず、全面にろう材が貼り
合わされているため、ろう材を無駄に消費し、材料コス
トの増大及び高重量化を来す恐れがある。更に炉中ろう
付け時にろう材によって母材が侵食されて有害な変形を
引き起こす恐れがあるため、母材自体の薄肉化が困難で
あり、一段とフィン重量が増大して、熱交換器全体の軽
量化に支障を来すという問題を抱えている。
して犠牲防食層を形成するものであるため、亜鉛溶射に
よって、チューブ表面に粗大な亜鉛粒子が付着した場
合、一括ろう付け時の加熱に加えて、溶射時の加熱によ
っても、熱交換チューブの母材自体が侵食され、場合に
よっては貫通孔が発生したり、亜鉛拡散が過度に広がっ
て母材強度が低下して、チューブ耐圧性が低下するとい
う問題があった。
し、チューブ耐圧性を十分に確保しつつ、コストの削減
及び熱交換器コアの軽量化を図ることができる熱交換器
の製造方法及びろう箔付き熱交換チューブ、並びにろう
箔付き熱交換チューブの製造方法及び製造装置を提供す
ることを目的とする。
ため、本第1の発明は、熱交換チューブの表面にフィン
が接合されたコアを有する熱交換器の製造方法であっ
て、前記熱交換チューブの表面にホットメルト接着剤を
介してろう箔を接着して、ろう箔付き熱交換チューブを
準備する工程と、前記ろう箔付き熱交換チューブと前記
フィンとを組み合わせて加熱することにより、前記ろう
箔を介して前記熱交換チューブ及び前記フィンを接合固
定する工程とを含むものを要旨としている。
いては、ろう箔を、フィンよりも表面積の小さい熱交換
チューブ側に接着するものであるため、フィンとして、
ろう材がクラッドされたブレージングシート等を使用し
た場合と違って、コア全体としてろう材使用量は非常に
少なる。
材侵食による変形の懸念がないため、フィンとして薄肉
のものを支障なく使用することができる。
成分によって、熱交換チューブに犠牲防食層を形成する
ことができるため、亜鉛溶射により犠牲防食層を形成す
る場合と違って、安定状態の適度な犠牲防食層を得るこ
とができるとともに、亜鉛照射による制御困難な侵食を
防止できるため、チューブの設計自由度を増大させるこ
とができる。
ト接着剤は、接着時には加熱冷却による粘度制御によっ
て、反応時Zかんや乾燥時間の不要な作業性良好な接着
を行うことができ、ろう付け時には加熱中に分解・気化
し、ろう付け性を阻害しない構成の接着剤を言う。
分解により消失し残査が残らないため、固形分が付着し
て残る一般的な接着剤加熱による悪影響を防止すること
ができる。
定を確実に行えるように、前記接着剤やろう箔として、
特有の構成のものを採用するのが好ましい。
剤の塗布量が、1〜50g/m2 に設定されてなる構
成、又は前記ろう箔として、厚みが5〜50μmのもの
が用いられてなる構成を採用するのが好ましい。
して、Al−Si合金からなるものが用いられ、前記ろ
う箔の幅が、前記熱交換チューブの幅に対し25%以上
に設定されてなる構成、又は、前記ろう箔として、Al
−Si−Zn合金からなるものが用いられ、前記ろう箔
の幅が、前記熱交換チューブの幅に対し80%以上に設
定されてなる構成を採用するのが良い。
金からなるものを用いる場合には、ろう付け加熱時に、
ろう箔中の亜鉛成分によって、熱交換チューブに犠牲防
食層を形成することができ、上記したように、亜鉛照射
により犠牲防食層を形成する際の不具合を防止すること
ができる。
成分によって、熱交換チューブに犠牲防食層を形成する
場合、前記ろう箔の幅が、前記熱交換チューブの幅に対
し80%以上に設定されてなる構成を採用するのが、よ
り一層望ましい。
分をチューブ表面全域に均等に拡散させることができ、
安定した良好な犠牲防食層を形成することができる。
換器の製造方法に採用されるろう箔付き熱交換チューブ
を特定するものである。
接合して熱交換器のコアを形成するための熱交換チュー
ブと、前記熱交換チューブの表面に、ホットメルト接着
剤を介して接着されるろう箔とを備え、前記熱交換チュ
ーブの表面にフィンが配置された状態で、加熱されるこ
とによって、前記ろう箔を介してフィンが前記熱交換チ
ューブに接合固定されるよう構成されてなるものを要旨
としている。
箔付き熱交換チューブにおける製造方法を特定するもの
である。
接合して熱交換器のコアを形成するための熱交換チュー
ブを、その長さ方向に沿って搬送しつつ、ろう箔を前記
熱交換チューブの表面に向けて供給するに際して、前記
熱交換チューブの表面又は前記ろう箔の表面に、ホット
メルト接着剤を塗布する接着剤塗布処理を行った後、前
記ろう箔を熱交換チューブの表面に重ね合わせて加圧
し、前記接着剤を前記ろう箔及び熱交換チューブ間に広
がらせて接着するろう箔貼付処理を行うことにより、前
記ろう箔が前記熱交換チューブに前記接着剤を介して接
着されたろう箔付き熱交換チューブを得るものを要旨と
している。
よって熱交換チューブとしての押出チューブを連続的に
押し出しつつ、ろう箔を前記熱交換チューブの表面に向
けて供給するに際して、前記押出チューブの表面又は前
記ろう箔の表面に、ホットメルト接着剤を塗布する接着
剤塗布処理を行った後、前記ろう箔を押出チューブの表
面に重ね合わせて加圧し、前記接着剤を前記ろう箔及び
押出チューブ間に広がらせて接着するろう箔貼付処理を
行うことにより、前記ろう箔が前記押出チューブに前記
接着剤を介して接着されたろう箔付き熱交換チューブを
得るものを採用することが可能である。
処理によって、ろう箔付き熱交換チューブを製造するこ
とができる。
出されるチューブに、接着剤を塗布する場合、接着剤の
熱劣化等を防止するため、以下の構成を採用するのが良
い。
チューブが、所定の温度以下に低下した後、前記接着剤
塗布処理を行うものとした構成を採用するのが良い。
能な製造装置を特定するものである。
ューブの製造装置は、表面にフィンを接合して熱交換器
のコアを形成するための熱交換チューブを、その長さ方
向に沿って搬送するためのチューブ搬送機と、ろう箔を
前記熱交換チューブの表面に向けて供給するためのろう
箔供給手段と、前記熱交換チューブの表面又は前記ろう
箔の表面に、ホットメルト接着剤を塗布する接着剤塗布
手段と、前記ろう箔を熱交換チューブの表面に重ね合わ
せて加圧し、前記接着剤を前記ろう箔及び熱交換チュー
ブ間に広がらせて接着するためのろう箔貼付手段とを備
えるものを要旨としている。
ーブを加熱するための加熱手段が設けられ、その加熱手
段によって、前記ろう箔及び熱交換チューブ間の接着剤
の広がり性を向上させるよう構成されてなるものを採用
するのが好ましい。
ューブに対する接着を、より確実に行うことができる。
チューブとしての押出チューブを連続押出成形するため
の押出機と、ろう箔を前記押出チューブの表面に向けて
供給するためのろう箔供給手段と、前記押出チューブの
表面又は前記ろう箔の表面に、ホットメルト接着剤を塗
布する接着剤塗布手段と、前記ろう箔を押出チューブの
表面に重ね合わせて加圧し、前記接着剤を前記ろう箔及
び押出チューブ間に広がらせて接着するためのろう箔貼
付手段とを備える構成を採用することができる。
された熱交換器を示す正面図、図2はその熱交換器のコ
アの要部を示す斜視図である。両図に示すように、この
熱交換器は、自動車用カーエアコンにおける冷凍サイク
ルのコンデンサとして用いられるものであって、マルチ
フロータイプの熱交換器を構成するものである。
れた垂直方向に沿う左右一対のヘッダー(1)(1)間
に、熱交換管路としての多数本の水平方向に沿う多数本
の偏平な熱交換チューブ(2)が、各両端を両ヘッダー
(1)(1)に連通接続した状態で、上下方向に沿って
並列に配置されるとともに、これらの熱交換チューブ
(2)の各間及び最外側の熱交換チューブの外側にコル
ゲートフィン(3)が配置され、更に最外側の熱交換コ
ルゲートフィン(3)の外側にサイドプレート(4)が
配置されている。
中空押出製品からなり、幅方向に連続して延びる仕切壁
(2a)によって内部が複数本(4本)の冷媒流路(2
b)に区分けされている。更に熱交換チューブ(2)の
上下の平坦面には、ホットメルト接着剤(10)を介し
て、Al−Si、Al−Si−Zn等の組成のアルミニ
ウム系合金箔からなるろう箔(20)が接着されてい
る。
がクラッドされていないアルミニウムのベア材により構
成されている。
(2)と、コルゲートフィン(3)とが、交互に積層さ
れてコア形態に仮組みされた状態で、炉中にて加熱され
て、チューブ(2)とフィン(3)とがろう箔(20)
を介して接合一体化されている。
ト接着剤(10)は、熱分解により消失することによ
り、炭化等が防止されてろう付け性が阻害されることは
ない。
トフィン(3)とを接合するろう箔(20)は、コルゲ
ートフィン(3)よりも格段に表面積の小さい熱交換チ
ューブ(2)側に接着するものであるため、コルゲート
フィン(3)として、ろう材がクラッドされたブレージ
ングシートを使用した場合に比較し、コア(5)全体と
してろう材使用量は非常に少なくなり、その分、材料コ
ストを削減することができる。更に一括ろう付け時に、
コルゲートフィン(3)には、ろう材侵食による変形の
懸念がないため、コルゲートフィン(3)として薄肉の
ものを支障なく使用でき、上記のろう材使用量の低減と
相まって、熱交換器全体の軽量化を十分に図ることがで
きる。
を添加しておく場合には、一括ろう付け時に、ろう箔
(20)中の亜鉛成分を熱交換チューブ(2)の表面に
拡散させて、犠牲防食層を形成することができるため、
従来のように、亜鉛溶射により犠牲防食層を形成する場
合と違って、安定状態の適度な犠牲防食層を得ることが
できる。このため、熱交換チューブ(2)の母材強度を
十分に確保でき、耐圧性を向上させることができる。そ
の上、亜鉛照射による制御困難な侵食が防止されるた
め、チューブ(2)の設計自由度が増大し、より一層、
薄肉軽量化及び高性能化を図ることができる。
ト接着剤(10)としては、ろう箔(20)と熱交換チ
ューブ(2)の接着時には、100〜200℃に加熱す
ることにより粘性を低下させて良好な広がり性を有する
とともに、冷却時に粘性が回復することにより接着性を
向上する性質を有する一方、ろう箔付き熱交換チューブ
(2)の加熱時には、300〜400℃に加熱すること
により、熱分解して残査が残らずろう付け性を阻害する
ことがないものを好適に使用することができる。具体的
に、ホットメルト接着剤としては、EVA(エチレン・
酢酸ビニル共重合体)、EEA(アクリル酸エチル共重
合体)、EMMA(エチレン・メタクリル酸メチル)等
を主成分とするEVA系のもの、SEBS(スチレン・
エチレン・ブタジエンゴム・プロピレンゴム)、SIS
(スチレン・イソプレン・スチレンゴム)、SBS(ス
チレン・ブタジエン・スチレンゴム)、ブチルゴム、ア
クリルゴム等を主成分とするゴム系のもの、APAO
(アモルファスポリアルファオレフィン)、APP、ポ
リエチレン、ポリブタジエン等を主成分とするAPAO
系のもの、それ以外のものに分類される。
好適に使用できるが、中でも特に、コスト面を考慮する
と、EVA系、APAO系のものを、より好適に使用す
ることができる。
適宜添加剤を添加しても良い。例えば粘着性を向上させ
るために、粘着付与剤を添加することができる。粘着付
与剤としては、脂環族系水添タッキファイヤー、ロジ
ン、変性ロジン、これらのエステル化物、脂肪族系石油
樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族成
分と芳香族成分の共重合石油樹脂、低分子量スチレン樹
脂、イソプレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、テル
ペン樹脂、クマロン・インデン樹脂等の粘着付与剤を用
いることができる。
・固化時間の調整を行うために、ポリオレフィン系ワッ
クス等の改質剤、無機及び/又は有機充填剤、あるいは
顔料、安定剤等の添加物を配合することができる。
ックス、マイクロクリスタンワックス、ポリプロピレン
ワックス、フィッシャートロピッシュワックス、酸化ポ
リエチレンワックス、マイレン化ポリエチレンワック
ス、並びにそれらの変性物等が例示される。
ム、酸化亜鉛、ガラスビーズ、酸化チタン、アルミナ、
カーボンブラック、クレー、フェライト、タルク、雲母
粉、アエロジル、シリカ、並びにガラス繊維等の無機繊
維及び無機発泡体等が例示される。
等の熱硬化性樹脂の粉末、炭素繊維、合成繊維、合成パ
ルプ等が例示される。
止剤、リン酸系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ヒンダード
アミン系ラジカル補足剤等が例示される。
ューブ(2)又はろう箔(20)に対する塗布量は、1
〜50g/m2 、好ましくは2〜10g/m2 に設定す
るのが良い。すなわち、塗布量が少な過ぎる場合には、
ろう箔(20)をチューブ(2)に十分に貼る付けるこ
とができなくなる恐れが有り、逆に多過ぎる場合には、
接着剤が過剰となり、ろう付け加熱時に接着剤が完全に
分解せず、一部がろう箔(20)とチューブ(2)との
間に残留して、ろう付け性を低下させて、ろう付け不良
を来す恐れがあるとともに、接着剤塗布時の接着剤厚み
が厚過ぎて、コア組付時の寸法精度に悪影響を及ぼす恐
れがある。
件としては、接着剤塗布量が上記のように適正であれ
ば、極端な急速加熱(100℃/min以上)を行わな
い限り、ホットメルト接着剤(10)は、ろう付け温度
(600℃程度)に達する前に、分解気化して消失する
ため、一般的な熱交換器の製造における加熱条件(窒素
雰囲気中、20〜80℃/min)であれば特に問題は
ない。
i合金、Al−Si−Zn合金等の組成のアルミニウム
系合金箔からなるものが好適であり、特に良好なろう付
け性等を得る上で、5〜15%、好ましくは7.5〜1
2.5%のSi、0〜5%のZn、及び不純物と残余の
Alよりなるアルミニウム系合金が、より好適に使用さ
れる。
より望ましくは10〜25μmのものが好適である。す
なわち、5μm未満のものでは、ろう材量が不足し、ろ
う付け不良を起こす恐れがある。逆に、50μmを超え
るものでは、ろう材量が過剰となり、その箔厚の厚みに
よって、コア組付時の寸法精度に悪影響を及ぼす恐れが
あり、更に過剰なろう材によって、母材侵食の恐れがあ
り、軽量化及びコストダウン化に相反する恐れがある。
みの目的で使用する場合(ろう箔組成がAl−Siのも
のの場合)には、ろう付け時の毛細管現象によってチュ
ーブ(2)とフィン(3)との接触部に効率良くろう材
が回り込むため、チューブ(2)と必ずしも同幅に設定
することなく、チューブ幅(W)よりも小さく設定して
もよい。具体的には、ろう箔(20)の幅(f)は、チ
ューブ幅(W)の1/4以上(25%以上)に設定すれ
ば、十分にろう付け処理を行うことができる。
ューブ(2)に犠牲防食層の形成を行う場合(ろう箔組
成がAl−Si−Znのものの場合)には、Zn成分を
チューブ表面全域に配する必要があるため、ろう箔(2
0)の幅(f)は、チューブ幅(W)とほぼ同寸法、具
体的には、ろう箔幅(f)を、チューブ幅(W)の80
%以上に設定するのが良い。
(2)に接着する方法としては、以下の方法を例示でき
る。
ブ(2)を長さ方向に搬送しつつ、その熱交換チューブ
(2)の上下の平坦面に、接着剤(10)を、接着剤供
給手段としてのノズル(11)を介して吹き付けて塗布
する。
ューブ(2)の平坦面上に向けて、ろう箔供給手段(図
示省略)によりろう箔(20)をそれぞれ供給して、そ
のろう箔(20)を、ろう箔貼付手段としての加圧ロー
ル(21)(21)により接着剤を接着部全域に広げて
チューブ(2)に圧着させる。これにより、ろう箔(2
0)を熱交換チューブ(2)に接着するものである。
想像線に示すように、接着剤(10)をろう箔(20)
側に吹き付けて塗布するようにしても良い。
ブの場合には、同図に示すように、押出機(50)から
連続的に押し出された押出チューブ(2)に、上記の接
着剤塗布処理及びろう箔(20)の接着処理を続けて行
うようにしても良い。更に熱交換チューブ(2)が圧延
板の成形品の場合や、押出チューブを一端巻き取ったチ
ューブ巻取品に、ろう箔(20)を接着する場合には、
これらのチューブを、切断・加工する工程の前後いずれ
に行っても良い。
ーブ(2)に、続けてろう箔貼付処理を行う場合には、
接着剤が分解しない温度(200℃以下)まで冷却させ
た後、接着剤(10)を塗布するのが良い。
は、常温では100%固形分であり、加熱によって流動
化し、冷却によって固化する性質を有している。このた
め、図3に示すように、ろう箔貼付処理を行う場合、接
着剤(10)の反応時間、乾燥時間が不要であり、製造
時間、製造ラインを短くすることができ、効率良く製造
することができる。
果を導出するための比較例について説明する。
(50)よりアルミニウム製の扁平な熱交換チューブ
(2)を連続的に押し出すとともに、そのチューブ
(2)が200℃以下になった状態で、チューブ(2)
の上下両平坦面に、EVA系接着剤(旭化学合成株式会
社製:商品名「アサヒメルトM2500」)を上下両側
からノズル(11)を介して吹き付けて5g/m2 の塗
布量で塗布した。その直後に、押出速度に同期させて、
Al−Si−Zn合金(Si:7.5%、Zn:2%、
残余Al)からなる厚さ20μm、幅15mmのろう箔
(20)を、チューブ(2)の上下両側に連続供給し
て、加圧ロール(21)(21)を介することにより、
ろう箔付き熱交換チューブ(2)を得た。
は、押出速度50m/min、温度450℃であり、熱
交換チューブ(2)は、幅16mm、高さ1.6mm、
壁厚0.2mm、中空部個数(冷媒通路数)4個に成形
した。
200℃以下になるように冷却してから接着剤によるろ
う箔との貼付を行った。
ューブ(2)を、所定の長さに切断し、そのチューブ
(2)と、同じ幅及同じ長さのアルミ合金(A320
3)ベア材からなる厚さ0.07mmのコルゲートフィ
ンとを交互に積層して熱交換器コアを形成し、そのコア
に、ヘッダー、サイドプレートを必要に応じてろう箔を
介して組み合わせるとともに、フラックスを塗布した
後、窒素雰囲気炉中にて加熱して、ろう付け処理を行
い、熱交換器全体を連結一体化して、熱交換器を製作し
た。
めて示す。
布量を、10g/m2 とした以外は、上記と同様に、熱
交換器を製作した。
布量を、20g/m2 とした以外は、上記実施例1と同
様に、熱交換器を製作した。
して、合成ゴム系のもの(旭化学合成株式会社製:商品
名「アサヒタックA153」)を用い、ろう箔として、
Al−Si−Zn合金(Si:5%、Zn:5%、残余
Al)からなるものを用いた以外は上記実施例1と同様
に、熱交換器を製作した。
して、Al−Si−Zn合金(Si:10%、Zn:3
%、残余Al)からなるものを用いた以外は上記実施例
4と同様に、熱交換器を製作した。
して、Al−Si−Zn合金(Si:15%、Zn:1
%、残余Al)からなるものを用いた以外は上記実施例
4と同様に、熱交換器を製作した。
して、APAO系のもの(旭化学合成株式会社製:商品
名「アサヒタックAZ2070」)を用い、ろう箔とし
て、厚さ50μm、幅15mmのAl−Si合金(S
i:7.5%、残余Al)からなるものを用いた以外は
上記実施例1と同様に、熱交換器を製作した。
して、厚さ30μmのものを用いた以外は上記実施例7
と同様に、熱交換器を製作した。
して、厚さ10μm、幅10mmのものを用いた以外は
上記実施例7と同様に、熱交換器を製作した。
として、APAO系のもの(旭化学合成株式会社製:商
品名「アサヒタックAZ2070」)を用い、接着剤塗
布量を100g/m 2 とし、ろう箔として、厚さ20μ
m、幅10mmのAl−Si合金(Si:7.5%、残
余Al)からなるものを用いて、上記実施例と同様に、
熱交換器を製作した。
チューブ表面にZnを溶射した上、接着剤塗布量を5g
/m2 とした以外は、実施例10と同様にして、熱交換
器を製作した。
して、エポキシ系の熱硬化性接着剤を用い、接着剤塗布
量を20g/m2 とし、ろう箔として、厚さ20μm、
幅15mmのAl−Si−Zn合金(Si:7.5%、
Zn:2%、残余Al)からなるものを用いて、上記実
施例と同様に、熱交換器を製作した。
して、溶剤系の熱硬化性接着剤を用い、接着剤塗布量を
20g/m2 とし、ろう箔として、厚さ20μm、幅1
5mmのAl−Si−Zn合金(Si:7.5%、Z
n:2%、残余Al)からなるものを用いて、上記実施
例と同様に、熱交換器を製作した。
の熱交換器に対し、接着剤の広がり性、ろう付け性、Z
nによる侵食の有無について評価した。
る。
せる時の接着剤の広がり性(塗布のしやすさ)を作業性
として評価した。
る外観状態を評価するとともに、フィンとチューブとの
ろう付接合率を測定した。
の侵食が認められたものを「あり」、30μm未満のも
のを「なし」と判定評価した。
す。
本発明に関連した実施例1〜11のものは、上記各評価
について、いずれも満足な結果が得られた。
例1、2のものは、上記各評価のいずれかについて、満
足な結果が得られなかった。
製造方法によれば、ろう箔が接着されたろう箔付き熱交
換チューブとフィンとを組み合わせて加熱することによ
り、ろう箔を介してチューブとフィンとを接合固定する
ものである。つまり、ろう箔は、フィンよりも表面積の
小さい熱交換チューブ側に接着するものであるため、フ
ィンとして、ろう材がクラッドされたブレージングシー
ト等を使用した場合と違って、コア全体としてろう材使
用量は非常に少なくなり、その分、材料コストを削減す
ることができる。更にろう付け加熱時に、フィンには、
ろう材侵食による変形の懸念がないため、フィンとして
薄肉のものを支障なく使用でき、上記のろう材使用量の
低減と相まって、熱交換器全体の軽量化を十分に図るこ
とができる。また、ろう箔に亜鉛を添加しておくことに
より、その亜鉛成分によって、熱交換チューブに耐食層
を形成することができるため、亜鉛溶射により犠牲防食
層を形成する場合と違って、安定状態の適度な耐食層を
得ることができる。このため、熱交換チューブの母材強
度を十分に確保でき、耐圧性を向上させることができる
上、亜鉛照射による制御困難な侵食を防止できるため、
チューブの設計自由度を増大させることができ、より一
層、薄肉軽量化及び高性能化を図ることができる。更
に、ろう付け加熱時に、ホットメルト接着剤が、熱分解
により消失することにより、炭化等が防止されてろう付
け性が阻害されるような不具合を確実に防止することが
できるという効果がある。
製造方法に採用されるろう箔付き熱交換チューブの一形
態を特定するものであり、そのチューブを使用すること
によって、上記と同様の効果を得ることができる。
熱交換チューブにおける製造方法の一形態を特定するも
のであり、上記第2発明のチューブを確実に得ることが
できる。
出チューブに、接着剤塗布及びろう箔供給処理を順次行
う場合、一連の処理によって、効率良く、ろう箔付き熱
交換チューブを製造することができるという利点があ
る。
可能な製造装置を特定するものであり、上記第3発明を
確実に実施することができる。
たカーエアコン用熱交換器を示す正面図である。
フィンとの接合部を示す斜視図である。
ブの製造方法を概略的に示す側面図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 熱交換チューブの表面にフィンが接合さ
れたコアを有する熱交換器の製造方法であって、 前記熱交換チューブの表面にホットメルト接着剤を介し
てろう箔を接着して、ろう箔付き熱交換チューブを準備
する工程と、 前記ろう箔付き熱交換チューブと前記フィンとを組み合
わせて加熱することにより、前記ろう箔を介して前記熱
交換チューブ及び前記フィンを接合固定する工程とを含
む熱交換器の製造方法。 - 【請求項2】 前記接着剤の塗布量が、1〜50g/m
2 に設定されてなる請求項1記載の熱交換器の製造方
法。 - 【請求項3】 前記ろう箔として、厚みが5〜50μm
のものが用いられてなる請求項1又は2記載の熱交換器
の製造方法。 - 【請求項4】 前記ろう箔として、 Si:5〜15% Zn:0〜5% Al及び不純分:残り からなるアルミニウム系合金からなるものが用いられて
なる請求項1ないし3のいずれかに記載の熱交換器の製
造方法。 - 【請求項5】 前記ろう箔として、Al−Si合金から
なるものが用いられ、前記ろう箔の幅が、前記熱交換チ
ューブの幅に対し25%以上に設定されてなる請求項1
ないし4のいずれかに記載の熱交換器の製造方法。 - 【請求項6】 前記ろう箔として、Al−Si−Zn合
金からなるものが用いられ、 前記ろう箔の幅が、前記熱交換チューブの幅に対し80
%以上に設定されてなる請求項1ないし4のいずれかに
記載の熱交換器の製造方法。 - 【請求項7】 表面にフィンを接合して熱交換器のコア
を形成するための熱交換チューブと、 前記熱交換チューブの表面に、ホットメルト接着剤を介
して接着されるろう箔とを備え、 前記熱交換チューブの表面にフィンが配置された状態
で、加熱されることによって、前記ろう箔を介してフィ
ンが前記熱交換チューブに接合固定されるよう構成され
てなることを特徴とするろう箔付き熱交換チューブ。 - 【請求項8】 表面にフィンを接合して熱交換器のコア
を形成するための熱交換チューブを、その長さ方向に沿
って搬送しつつ、ろう箔を前記熱交換チューブの表面に
向けて供給するに際して、前記熱交換チューブの表面又
は前記ろう箔の表面に、ホットメルト接着剤を塗布する
接着剤塗布処理を行った後、 前記ろう箔を熱交換チューブの表面に重ね合わせて加圧
し、前記接着剤を前記ろう箔及び熱交換チューブ間に広
がらせて接着するろう箔貼付処理を行うことにより、前
記ろう箔が前記熱交換チューブに前記接着剤を介して接
着されたろう箔付き熱交換チューブを得るものとしたろ
う箔付き熱交換チューブの製造方法。 - 【請求項9】 押出機によって熱交換チューブとしての
押出チューブを連続的に押し出しつつ、ろう箔を前記熱
交換チューブの表面に向けて供給するに際して、前記押
出チューブの表面又は前記ろう箔の表面に、ホットメル
ト接着剤を塗布する接着剤塗布処理を行った後、 前記ろう箔を押出チューブの表面に重ね合わせて加圧
し、前記接着剤を前記ろう箔及び押出チューブ間に広が
らせて接着するろう箔貼付処理を行うことにより、前記
ろう箔が前記押出チューブに前記接着剤を介して接着さ
れたろう箔付き熱交換チューブを得るものとしたろう箔
付き熱交換チューブの製造方法。 - 【請求項10】 前記押出チューブが、所定の温度以下
に低下した後、前記接着剤塗布処理又は前記ろう箔貼付
処理を行うものとした請求項9記載のろう箔付き熱交換
チューブの製造方法。 - 【請求項11】 表面にフィンを接合して熱交換器のコ
アを形成するための熱交換チューブを、その長さ方向に
沿って搬送するためのチューブ搬送機と、 ろう箔を前記熱交換チューブの表面に向けて供給するた
めのろう箔供給手段と、 前記熱交換チューブの表面又は前記ろう箔の表面に、ホ
ットメルト接着剤を塗布する接着剤塗布手段と、 前記ろう箔を熱交換チューブの表面に重ね合わせて加圧
し、前記接着剤を前記ろう箔及び熱交換チューブ間に広
がらせて接着するためのろう箔貼付手段とを備えるろう
箔付き熱交換チューブの製造装置。 - 【請求項12】 前記熱交換チューブを加熱するための
加熱手段が設けられ、その加熱手段によって、前記ろう
箔及び熱交換チューブ間の接着剤の広がり性を向上させ
るよう構成されてなる請求項11記載のろう箔付き熱交
換チューブの製造装置。 - 【請求項13】 熱交換チューブとしての押出チューブ
を連続押出成形するための押出機と、 ろう箔を前記押出チューブの表面に向けて供給するため
のろう箔供給手段と、 前記押出チューブの表面又は前記ろう箔の表面に、ホッ
トメルト接着剤を塗布する接着剤塗布手段と、 前記ろう箔を押出チューブの表面に重ね合わせて加圧
し、前記接着剤を前記ろう箔及び押出チューブ間に広が
らせて接着するためのろう箔貼付手段とを備えるろう箔
付き熱交換チューブの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001189021A JP2003001409A (ja) | 2001-06-22 | 2001-06-22 | 熱交換器の製造方法及びろう箔付き熱交換チューブ、並びにろう箔付き熱交換チューブの製造方法及び製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001189021A JP2003001409A (ja) | 2001-06-22 | 2001-06-22 | 熱交換器の製造方法及びろう箔付き熱交換チューブ、並びにろう箔付き熱交換チューブの製造方法及び製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003001409A true JP2003001409A (ja) | 2003-01-08 |
Family
ID=19028009
Family Applications (1)
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JP2001189021A Pending JP2003001409A (ja) | 2001-06-22 | 2001-06-22 | 熱交換器の製造方法及びろう箔付き熱交換チューブ、並びにろう箔付き熱交換チューブの製造方法及び製造装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2003001409A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2001-06-22 JP JP2001189021A patent/JP2003001409A/ja active Pending
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