JP2003000760A - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール

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JP2003000760A
JP2003000760A JP2001185471A JP2001185471A JP2003000760A JP 2003000760 A JP2003000760 A JP 2003000760A JP 2001185471 A JP2001185471 A JP 2001185471A JP 2001185471 A JP2001185471 A JP 2001185471A JP 2003000760 A JP2003000760 A JP 2003000760A
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golf ball
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JP2001185471A
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English (en)
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Junji Hayashi
淳二 林
Hiroshi Masutani
寛 増谷
Hisashi Yamagishi
久 山岸
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Bridgestone Sports Co Ltd
Original Assignee
Bridgestone Sports Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 コアと、カバーとを具備してなるゴルフ
ボールにおいて、上記コアの980N荷重負荷時のたわ
み量が4.0〜5.5mmであると共に、上記カバー
が、アイオノマー樹脂、硫酸バリウム及び二酸化チタン
を配合し、かつ上記アイオノマー樹脂100質量部に対
して、硫酸バリウムと二酸化チタンとを合計量で10〜
25質量部配合すると共に、メルトフローレートと比重
との比(メルトフローレート/比重)が1.6以上であ
るカバー材で形成されたものであると共に、ショアD硬
度が55〜65であることを特徴とするゴルフボールを
提供する。 【効果】 本発明のゴルフボールは、樹脂流動性がよく
成形性に優れ、外観が良好で、反発性の非常に高いゴル
フボールである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂流動性がよく
成形性に優れ、外観が良好で、反発性の非常に高いゴル
フボールに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、カバー材の改良のためには、無機充填剤(チタン白
・硫酸バリウム)を添加することが行われており(特開
平6−277312号公報等)、このようにカバーにチ
タン白・硫酸バリウムを添加することで「ボール内での
重量分布をコア中心からカバー側にシフトさせ、慣性モ
ーメントを大きくして飛距離を大きくする」ことがで
き、ゴルフボールに対して飛距離等の優れた性質を付与
できる。
【0003】しかしながら、このような提案に対して
も、カバー・コアの硬度、コア・カバー配合、ディンプ
ルなどのゴルフボール性能を決める要素について更なる
改良が求められており、特に、上記提案の実施例で示さ
れているボールに対しては、打感・飛距離の更なる改良
が求められている。
【0004】一方、ゴルフボールに対する要求の高い性
質としてソフトな打感と飛び性能を挙げることができる
が、これらを両立させるのは、以下の点から困難である
とされている。 ソフト化を図るためにコアを軟らかいものにすると
打撃時の変形量が増大し、割れ耐久性の低下を招く。 ソフト化と割れ耐久性確保を図るためにコアとカバ
ーの両方を軟らかいものにすると反発性・初速の低下を
招き、飛び性能が犠牲にならざるを得ない。 いきすぎたソフト化は、打撃時の局所変形を大きく
し、飛びの初期段階での真球度悪等を招き、飛び性能を
低下させる。
【0005】そこで、これらを解決すべく、特開200
0−5341号公報においては、ソフト化と割れ耐久性
の向上を図るためにコアを軟らかいものにし、かつカバ
ーに補強効果のあるフィラーを配合する優れたゴルフボ
ールが提案されている。
【0006】しかしながら、このようなゴルフボールに
対しても、更なる成形性・反発性・外観の改良が求めら
れている。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
樹脂流動性がよく成形性に優れ、外観が良好で、反発性
の非常に高いゴルフボールを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、コアと、カバーとを具備してなるゴルフボールにお
いて、上記コアの980N荷重負荷時のたわみ量が4.
0〜5.5mmであると共に、上記カバーが、アイオノ
マー樹脂、硫酸バリウム及び二酸化チタンを配合し、か
つ上記アイオノマー樹脂100質量部に対して、硫酸バ
リウムと二酸化チタンとを合計量で10〜25質量部配
合すると共に、メルトフローレートと比重との比(メル
トフローレート/比重)が1.6以上であるカバー材で
形成されたものであると共に、ショアD硬度が55〜6
5であることを特徴とするゴルフボールは、上記要件の
適正化による相乗効果で、特に、以下のように生産性が
向上し、優れた性能を有するものであることを知見し
た。 無機充填剤の種類と配合量を適正化(多く入れすぎ
ない)したため、耐久性が向上すると共に、反発性(飛
距離性能)の低下・成形性(樹脂流動性)の低下を防
ぎ、生産性を向上させることができる。 無機充填剤として硫酸バリウムと二酸化チタンとを
併用配合することにより、硫酸バリウムの大きな耐久性
向上効果を付与しつつ、硫酸バリウム配合に伴うカバー
の色目が黄ばんでしまうという欠点を二酸化チタンの配
合で回避し、耐久性の向上と黄ばみを防いだ良好な外観
を兼ね備えたゴルフボールを得ることができる。
【0009】そして、本発明者は、上記ゴルフボールに
対して、更にディンプルを適正化すること、カバー材の
配合成分を調整することにより、以下のようなボールの
生産性・性能を向上させることができることを見出し、
本発明をなすに至ったものである。 ボールが比較的軟らかい場合には、打撃時のスピン
は少なく、よって弾道が低すぎると”ドロップ”して飛
距離が伸びないことがあるため、ディンプル総体積比率
(VR)を規定することで”ドロップ”を防ぎ、良好な
飛距離性能を付与できる。 アイオノマー樹脂の種類を限定することで反発性
(飛距離性能)を更に良好にし、飛距離をより向上させ
ることができる。
【0010】従って、本発明は、下記ゴルフボールを提
供する。 〔請求項1〕コアと、カバーとを具備してなるゴルフボ
ールにおいて、上記コアの980N荷重負荷時のたわみ
量が4.0〜5.5mmであると共に、上記カバーが、
アイオノマー樹脂、硫酸バリウム及び二酸化チタンを配
合し、かつ上記アイオノマー樹脂100質量部に対し
て、硫酸バリウムと二酸化チタンとを合計量で10〜2
5質量部配合すると共に、メルトフローレートと比重と
の比(メルトフローレート/比重)が1.6以上である
カバー材で形成されたものであると共に、ショアD硬度
が55〜65であることを特徴とするゴルフボール。 〔請求項2〕カバーの厚さが1.0〜2.0mmである
請求項1記載のゴルフボール。 〔請求項3〕カバー材の比重が1.020〜1.110
である請求項1又は2記載のゴルフボール。 〔請求項4〕ゴルフボールが、カバー表面に多数のディ
ンプルを具備してなり、該ディンプルが、各ディンプル
の縁部によって囲まれる平面下のディンプル空間体積の
総和とゴルフボール表面にディンプルがないと仮定した
仮想球の全体積との比率であるディンプル総体積比率
(VR)が0.85%以下である請求項1乃至3のいず
れか1項記載のゴルフボール。 〔請求項5〕アイオノマー樹脂が、Liイオン中和型ア
イオノマー樹脂とMgイオン中和型アイオノマー樹脂と
を含むものである請求項1乃至4のいずれか1項記載の
ゴルフボール。 〔請求項6〕硫酸バリウムが、二酸化チタンより質量を
多くして配合された請求項1乃至5のいずれか1項記載
のゴルフボール。 〔請求項7〕カバー材が、アイオノマー樹脂100質量
部に対して、硫酸バリウムを7〜20質量部、二酸化チ
タンを2〜7質量部配合してなるものである請求項1乃
至6のいずれか1項記載のゴルフボール。
【0011】以下、本発明について、更に詳しく説明す
ると、本発明のゴルフボールは、ソリッドコアにカバー
を具備してなるもので、ソリッドコアは、後述するたわ
み量を適正化する以外は特に制限されるものではなく、
公知のコア材で製造することができる。
【0012】従って、コア材としては、例えば、1,4
−シスポリブタジエンを基材ゴムとして配合するゴム組
成物を挙げることができる。
【0013】なお、上記基材ゴム中には、更に必要に応
じてその他のジエン系ゴムを適宜混合することができ、
具体例としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、
天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエン
ゴム(EPDM)等を挙げることができる。
【0014】上記ゴム組成物には、上記基材ゴムの他
に、不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩と、有機過
酸化物等を配合することができる。
【0015】ここで、不飽和カルボン酸として、具体的
には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル
酸であることが好ましい。
【0016】また、不飽和カルボン酸の金属塩として
は、メタクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛等の不飽和脂肪
酸の亜鉛塩、マグネシウム塩等を配合し得るが、特にア
クリル酸亜鉛を好適に配合することができる。
【0017】これら不飽和カルボン酸及び/又はその金
属塩の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、通
常10質量部以上、好ましくは15質量部以上、更に好
ましくは20質量部以上、上限として50質量部以下、
好ましくは45質量部以下、更に好ましくは40質量部
以下、最も好ましくは35質量部以下とすることが好ま
しい。上記配合量が少なすぎると反発性が低下し、多す
ぎると硬くなりすぎてしまい、耐え難い打感となる場合
がある。
【0018】本発明の有機過酸化物は、市販品を挙げる
ことができ、例えば、パークミルD(日本油脂社製)、
パーヘキサ3M(日本油脂社製)、Luperco 2
31XL(アトケム社製)等が挙げられる。必要に応じ
て2種以上の異なる有機過酸化物を併用してもよい。
【0019】上記有機過酸化物の配合量は、上記基材ゴ
ム100質量部に対し、0.1質量部以上、好ましくは
0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、
最も好ましくは0.7質量部以上、上限として5質量部
以下、好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量
部以下、最も好ましくは2質量部以下配合することが好
ましい。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適
な反発性、打感及び耐久性を得ることができない場合が
ある。
【0020】本発明のゴム組成物は、上記必須成分以外
に必要に応じて比重調整のために無機充填剤を用いるこ
とができる。具体例として酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭
酸カルシウム等を配合することができ、その配合量は、
上記基材ゴム100質量部に対し、通常1質量部以上、
好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以
上、最も好ましくは7質量部以上、上限として60質量
部以下、好ましくは50質量部以下、更に好ましくは4
5質量部以下、最も好ましくは40質量部以下とするこ
とが適正な重量及び好適な反発性を得るために推奨され
る。
【0021】また、任意成分として老化防止剤を配合す
ることができ、例えば、市販品としてノクラックNS−
6、同NS−30(大内新興化学工業(株)社製)、ヨ
シノックス425(吉富製薬(株)社製)等が挙げられ
る。老化防止剤の配合量は、上記基材ゴム100質量部
に対し、通常0質量部以上、好ましくは0.05質量部
以上、更に好ましくは0.1質量部以上、最も好ましく
は0.2質量部以上、上限として3質量部以下、好まし
くは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、最も
好ましくは0.5質量部以下とすることが好適な反発
性、耐久性を得ることができる点から推奨される。
【0022】本発明のゴム組成物においては、有機硫黄
化合物を配合することができ、例えば、チオフェノー
ル、チオナフトール、ハロゲン化チオフェノール又はそ
れらの金属塩を配合することが推奨され、より具体的に
は、ペンタクロロチオフェノール、ペンタフルオロチオ
フェノール、ペンタブロモチオフェノール、パラクロロ
チオフェノール、ペンタクロロチオフェノール等の亜鉛
塩、硫黄数が2〜4のジフェニルポリスルフィド、ジベ
ンジルポリスルフィド、ジベンゾイルポリスルフィド、
ジベンゾチアゾイルポリスルフィド、ジチオベンゾイル
ポリスルフィド等が挙げられるが、特に、ペンタクロロ
チオフェノールの亜鉛塩、ジフェニルジスルフィドを好
適に用いることができる。このような、有機硫黄化合物
の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、通常
0.05質量部以上、好ましくは0.1質量部以上、更
に好ましくは0.2質量部以上、上限として5質量部以
下、好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部
以下、最も好ましくは2.5質量部以下であることが推
奨される。
【0023】本発明のソリッドコアは、上述したゴム組
成物を、公知のゴルフボール用ゴム組成物と同様の方法
で加硫・硬化させることによって得ることができる。加
硫は、例えば、加硫温度100〜200℃、加硫時間1
0〜40分にて行うことができる。
【0024】本発明において、上記ソリッドコアの硬度
は、980N(100kg)荷重負荷時の変形量が4.
0mm以上、好ましくは4.2mm以上、更に好ましく
は4.6mm以上、上限として5.5mm以下、好まし
くは5.3mm以下、更に好ましくは5.2mm以下で
あることが必要である。たわみ量が少なすぎると打感が
硬くなると共に、特にドライバーなどのボールに大変形
が生じるロングショット時にスピンが増えすぎて飛ばな
くなり、多すぎると、打感が鈍くなると共に、反発性が
十分でなくなり飛ばなくなる上、繰り返し打撃による割
れ耐久性が悪くなる。
【0025】また、本発明のソリッドコアの直径は3
8.0mm以上、好ましくは38.5mm以上、更に好
ましくは38.7mm以上、最も好ましくは38.9m
m以上であり、上限として41.0mm以下、好ましく
は40.7mm以下、更に好ましくは40.3mm以
下、最も好ましくは40.1mm以下とすることが推奨
される。
【0026】更に、上記ソリッドコアの比重は、通常
1.000以上、好ましくは1.050以上、更に好ま
しくは1.100以上、上限として1.300以下、好
ましくは1.250以下、更に好ましくは1.200以
下であることが推奨される。
【0027】本発明のゴルフボールは、上記ソリッドコ
アと、カバーとを具備してなるソリッドゴルフボールで
あり、1層のカバーを具備したツーピースソリッドゴル
フボールであっても、2層以上のカバーを具備したマル
チピースソリッドゴルフボールのいずれであってもよい
が、いずれの場合であっても後述する特定のカバー材に
て形成された層を有することが必要である。本発明にお
いては、特にツーピースソリッドゴルフボールとするこ
とが本発明のゴルフボールの改良効果を有効に発揮でき
る点から推奨される。
【0028】本発明のゴルフボールのカバーは、アイオ
ノマー樹脂を主材としてなるカバー材で形成されること
が必要である。アイオノマー樹脂としては、市販品を好
適に挙げることができ、例えば、サーリン6320、同
8120、同7930、同9320(米国デュポン社
製)、ハイミラン1706、同1605、同1855、
同1601、同1557(三井・デュポンポリケミカル
社製)等を例示できる。
【0029】本発明において、上記アイオノマー樹脂
は、反発性を向上させるために、Liイオン中和型アイ
オノマー樹脂とMgイオン中和型アイオノマー樹脂とを
併用することが推奨される。この場合、配合質量比を、
通常Liイオン中和型アイオノマー樹脂:Mgイオン中
和型アイオノマー樹脂として、95:5〜10:90、
特に90:10〜30:70とすることができ、配合比
が上記範囲を逸脱すると反発性を十分に向上させること
ができない場合がある。
【0030】本発明のカバー材は、硫酸バリウムと二酸
化チタンとを併用配合することが必要で、これにより、
両成分の配合バランスが適正化され、耐久性を向上させ
ることができると共に、黄ばみのない良好な外観をボー
ルに付与することができる。硫酸バリウムのみの配合だ
と外観が劣化し、二酸化チタンのみの配合だと耐久性が
低下する。
【0031】本発明において、上記硫酸バリウムと二酸
化チタンの配合は、上記アイオノマー樹脂100質量部
に対して、両成分の合計量が10質量部以上、好ましく
は11質量部以上、更に好ましくは12質量部以上、上
限として25質量部以下、好ましくは24質量部以下、
更に好ましくは23質量部以下になるように配合するこ
とが必要で、配合量が少なすぎると耐久性が低下し、配
合量が多すぎると反発性、成形性が低下する。
【0032】本発明において、硫酸バリウムは、二酸化
チタンの配合量と比較して質量が多くなるように配合さ
れることが好ましく、耐久性改良効果が向上し、プレイ
ヤーの重視する性質を得るのに適したゴルフボールにす
ることができる。
【0033】本発明においては、硫酸バリウムと二酸化
チタンの両成分の配合バランスをより適正化し、耐久性
の向上と、黄ばみのない良好な外観をボールに付与する
ために、アイオノマー樹脂100質量部に対して、上記
硫酸バリウムの配合量を、通常7質量部以上、好ましく
は8質量部以上、上限として20質量部以下、特に19
質量部以下とし、かつ二酸化チタンの配合量を通常2質
量部以上、特に3質量部以上、上限として7質量部以
下、特に6質量部以下にすることができる。なお、両成
分の配合は、合計量が上記範囲を逸脱しないように調製
することが必要である。
【0034】本発明のカバー材は、メルトフローレート
(190℃、試験荷重21.18N(2.16kg
f)、JIS−K7210)と比重との比(メルトフロ
ーレート/比重、以下、樹脂流動体積指数という)が調
製されることを要し、樹脂流動体積指数を1.6以上、
好ましくは1.8以上、更に好ましくは2.0以上に調
整することが必要で、これにより良好な流動性を確保で
き、成形性に優れ、特に射出成形に好適に採用できる生
産性の向上に適した材料にすることができる。
【0035】ここで、カバー材のメルトフローレート
は、通常1.7dg/分以上、好ましくは1.8dg/
分以上とすることができる。
【0036】また、カバー材の比重は、通常1.020
以上、好ましくは1.030以上、特に好ましくは1.
040以上、上限として1.110以下、好ましくは
1.090以下であることが推奨される。
【0037】なお、カバー材には必要に応じてUV吸収
剤、酸化防止剤、分散剤、着色剤などを添加することが
できる。
【0038】本発明のゴルフボールのカバーは、上記ソ
リッドコアを所定の射出成形用金型内に配備し、カバー
材を射出する公知の方法を好適に採用できる。また、上
記カバー材で予め一対のハーフカップを作り、このハー
フカップを被せたソリッドコアを所定の射出成形用金型
内に配備し、加圧成形して製造することもできる。
【0039】本発明のゴルフボールのカバーは、そのシ
ョアD硬度が55以上、好ましくは56以上、更に好ま
しくは57以上、上限として65以下、好ましくは64
以下、更に好ましくは63以下であることが必要で、通
常のゴルフボールに比べて比較的硬めに調整されるが、
割れ耐久性が悪くなることはなく、良好な反発性を得る
ことができる。なお、上記範囲より硬すぎると打感が悪
くなり、軟らかすぎると反発性が低下する。
【0040】また、カバーの厚さは、ツーピースソリッ
ドゴルフボール、マルチピースソリッドゴルフボール
(この場合はカバーの合計厚さ)のいずれであっても
1.0mm以上、好ましくは1.2mm以上、上限とし
て1.3mm以下、好ましくは2.0mm以下、更に好
ましくは1.9mm以下であることが推奨される。
【0041】本発明のゴルフボールは、通常のゴルフボ
ールと同様にカバー表面に多数のディンプルを有する
が、これらディンプルは更に適正化することが推奨さ
れ、これにより打撃の際のドロップを防止し、良好な飛
距離を得ることができる。
【0042】ここで、ディンプルの適正化について図1
を参照して説明する。図1は、本発明のディンプルのV
R値の定義説明のための1つのディンプルを拡大した断
面図で、ディンプル縁部の左右の最高点E,Eが水平に
位置し、最大深さDeを示すディンプル最深部が中心に
くるように配置した図である。
【0043】上記最大深さDeは、ディンプル縁部によ
って形成される円であってディンプルの直径Diを構成
する左右の最高点をE,Eとした場合、上記縁部E,E
を結んだ線分からディンプル最深部までの距離をいう。
本発明の個々のディンプル体積Vは、上記縁部によって
囲まれる平面下のディンプル空間体積のことをいうもの
とする。
【0044】本発明のディンプルの適正化は、上記ディ
ンプルの縁部によって囲まれる平面下のディンプル空間
体積の総和とゴルフボール表面にディンプルがないと仮
定した仮想球の全体積との比率であるディンプル総体積
比率(VR)を、0.85%以下、好ましくは0.84
%以下、更に好ましくは0.83%以下にすることがで
きる。これにより、打撃の際のドロップを防止し、飛距
離の向上を図ることができる。
【0045】なお、各ディンプルの体積Vの測定は、特
開平11−30508号公報に記載されている装置等で
測定することができる。ディンプルがこのように適正化
されないと、打撃の際にドロップが生じ、飛距離が低下
する場合がある。なお、ディンプルの総数、種類、形状
等のその他の条件については制限はなく、例えば、総数
は350個以上、好ましくは370個以上、上限として
500個以下、好ましくは480個以下とすることがで
きる。種類数は2個以上、好ましくは3個以上、形状は
円形に限られるものではなく、直径2.0mm以上、好
ましくは2.2mm以上、上限として5.0mm以下、
好ましくは4.8mm以下であることが推奨される。
【0046】本発明のゴルフボールは、競技用としてゴ
ルフ規則に従うものとすることができ、直径42.67
mm以上、重量45.93g以下に形成することができ
る。直径の上限として好ましくは44.0mm以下、更
に好ましくは43.5mm以下、最も好ましくは43.
0mm以下、重量の下限として好ましくは44.5g以
上、更に好ましくは44.8g以上、最も好ましくは4
5.0g以上であることが推奨される。
【0047】
【発明の効果】本発明のゴルフボールは、樹脂流動性が
よく成形性に優れ、外観が良好で、反発性の非常に高い
ゴルフボールである。
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0048】〔実施例1〜3,比較例1〜3〕ポリブタ
ジエン(JSR社製BR11、BR18)100質量部
に対し、表1に示すコア材を調製し、ソリッドコア用ゴ
ム組成物を調製し、ソリッドコアを作成した。なお、表
1において、ジクミルパーオキサイドはパークミルD
(日本油脂社製)、老化防止剤はノクラックNS−6
(大内新興化学工業(株)社製)を用いた。
【0049】次いで、表1に記載のカバー材を調整し、
下記の通り物性を調べた。カバー材中の商品名、測定方
法は下記の通りである。サーリン 米国デュポン社製のアイオノマー樹脂。( )内の金属
は中和に用いたイオンタイプである。ハイミラン 三井デュポンポリケミカル社製のアイオノマー樹脂。
( )内の金属は中和に用いたイオンタイプである。ショアD硬度 ASTM D2240タイプDデュロメータにより測定
された硬度JIS−K6253に基づき、ボール表面硬
度ではなく、樹脂シート表面硬度を測定した。メルトフローレート JIS−K7210(試験温度190℃、試験荷重2
1.18N(2.16kgf))に従い測定した。比重 カバー材料をシート状にしたものを比重計で測定した。カバー厚み (ボール外径−コア外径)/2で算出した。ボール外径 ボール表面のディンプルのない部分を測定した。ディンプルVR 特開平11−30508号公報に開示されている装置、
方法でディンプル体積を測定し、ディンプル総体積比率
(VR)を求めた。ボール耐久性 鉄板に向けてボールを55m/sで衝突させ、割れる回
数を測定した。市販のPRECEPT MC LADY
(ブリヂストンスポーツ社製ツーピースソリッドゴルフ
ボール)に対して同様に測定して割れた回数を基準(1
00)とし、各ゴルフボールについて指数評価した。980N荷重負荷時のたわみ量 ソリッドコア、ボールの980N(100kg)荷重負
荷時の変形量(mm)外観 製造されたゴルフボールの表面を目視にて観察した。ゴルフボール物性 飛距離(トータル)は、ドライバー(ブリヂストンスポ
ーツ社製 PRO230Titan)をスウィングロボ
ット(ミヤマエ社製)に装着し、ヘッドスピード45m
/sで打撃して測定した。初速・スピンは、上記打撃直
後のボールを高速カメラを使用して測定した。
【0050】
【表1】
【0051】表1の結果より、本発明のゴルフボール
は、いずれもカバー材の成形性に優れているため製造が
容易で、黄ばみのない良好な外観を有し、反発性の非常
に高いゴルフボールであった。これに対して、比較例の
ゴルフボールは以下の欠点を有するものであった。 比較例1: 通常のカバー材を使用しており、反発性・
飛距離は良好だが、硫酸バリウムが配合されておらず、
耐久性が非常に悪く、使用に耐えない。 比較例2: カバー材中に硫酸バリウムのみを大量に配
合し、二酸化チタンを配合しておらず、耐久性は良好だ
が、反発性に劣るものであった。また、ボールが軟らか
く、低スピンで、ディンプルのVRが高すぎるため、弾
道が低すぎて、飛距離がでない上、外観の黄ばみが目立
つものであった。 比較例3: カバー材中に硫酸バリウムの代わりに酸化
亜鉛を配合したため、アイオノマー樹脂と反応してしま
い、流動性が著しく低下し、所望の樹脂流動性指数を得
ることができなかった。射出成形時に金型の中で樹脂が
十分に流れず、成形できなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】VRの定義を説明するための一ディンプル断面
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山岸 久 埼玉県秩父市大野原20番地 ブリヂストン スポーツ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアと、カバーとを具備してなるゴルフ
    ボールにおいて、上記コアの980N荷重負荷時のたわ
    み量が4.0〜5.5mmであると共に、上記カバー
    が、アイオノマー樹脂、硫酸バリウム及び二酸化チタン
    を配合し、かつ上記アイオノマー樹脂100質量部に対
    して、硫酸バリウムと二酸化チタンとを合計量で10〜
    25質量部配合すると共に、メルトフローレートと比重
    との比(メルトフローレート/比重)が1.6以上であ
    るカバー材で形成されたものであると共に、ショアD硬
    度が55〜65であることを特徴とするゴルフボール。
  2. 【請求項2】 カバーの厚さが1.0〜2.0mmであ
    る請求項1記載のゴルフボール。
  3. 【請求項3】 カバー材の比重が1.020〜1.11
    0である請求項1又は2記載のゴルフボール。
  4. 【請求項4】 ゴルフボールが、カバー表面に多数のデ
    ィンプルを具備してなり、該ディンプルが、各ディンプ
    ルの縁部によって囲まれる平面下のディンプル空間体積
    の総和とゴルフボール表面にディンプルがないと仮定し
    た仮想球の全体積との比率であるディンプル総体積比率
    (VR)が0.85%以下である請求項1乃至3のいず
    れか1項記載のゴルフボール。
  5. 【請求項5】 アイオノマー樹脂が、Liイオン中和型
    アイオノマー樹脂とMgイオン中和型アイオノマー樹脂
    とを含むものである請求項1乃至4のいずれか1項記載
    のゴルフボール。
  6. 【請求項6】 硫酸バリウムが、二酸化チタンより質量
    を多くして配合された請求項1乃至5のいずれか1項記
    載のゴルフボール。
  7. 【請求項7】 カバー材が、アイオノマー樹脂100質
    量部に対して、硫酸バリウムを7〜20質量部、二酸化
    チタンを2〜7質量部配合してなるものである請求項1
    乃至6のいずれか1項記載のゴルフボール。
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