JP2002544682A - 複数の通信ルートを介するデータ伝送システム - Google Patents

複数の通信ルートを介するデータ伝送システム

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、互いに通信する少なくとも2つのユニット(1、2)の間でデータを送信し、異なる特性を有する複数の通信ルートを有するシステムに関する。また本発明は、本発明のシステムに使用する方法と端末ユニットに関する。より詳しくは、本発明によれば、送信ユニットは通信ルートの特性情報を収集し、その情報およびユーザが与える最適化条件に基づいてデータフローを通信ルートの少なくとも2つの間で分割する。他方受信ユニットはそのデータフローを再び組み立てる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、相互に通信する少なくとも2つのユニットの間でデータを伝送し、
かつ異なる特性の数個の通信ルートを有するシステムに関する。また本発明は、
対応する方法と、本発明によるシステムと共に使用する端末ユニットに関する。
【0002】 (背景技術) 迅速なデータ伝送の要求はますます増大している。そのためデータ伝送の新し
い解決方法が求められている。他の第一用途のために意図された現存ネットワー
ク、例えばテレビや送電線は場合によってはデータ伝送にも使用することができ
る。現在コストのかからない容量をもつネットワークを利用することは、収益増
大が見込まれるためもっと広範に利用する方向に拍車がかかるであろう。
【0003】 さらに、ますます速い伝送速度を提供する移動通信ネットワークが開発される
可能性がある。そのような事態はいくつかの段階で起こり、数年の内に移動ネッ
トワーク上での速度は何倍にもなるであろう。また、ますます多くの装置が、近
くに配置された周辺機器や長距離通信のためのその他の装置に無線で接続される
であろう。したがって、迅速で信頼性の高いデータ伝送の必要性はさらに増大す
る。
【0004】 今日ユーザは、インターネットや個々の企業のイントラネット等のネットワー
クに対し複数の通信リンクのアクセスを有する場合が多い。しかし、一度に1つ
のリンクのみが使用されるだけであり、多くの容量が利用されていない。1つの
通信リンクを介してデータを送り、別のリンクでデータを受け取る可能性はある
にはあるが、知的判断能力のない固定的な方法でしかできない。
【0005】 今日のデータ伝送システムにおいては、ユーザ側の最終リンクは最も弱いリン
クである。これはGSMまたは固定モデムを介して行われるデータサービスの場合
に当てはまる。さらにISDNや他のより速い伝送方式もデータ伝送を滞らせるボト
ルネックとなっている。なぜならインターネット上の速度はそれらよりも何倍も
速いからである。
【0006】 しかも、インターネットへの固定接続はますます多くの家庭やオフィスで設置
されてきており、これが平均的ユーザが使用できる伝送速度の新しい標準の発生
につながる。その結果、多くの将来のデータ伝送システムは新しい標準の要求に
対応することが困難となるであろう。このことは移動システムに関して特に言え
ることである。
【0007】 また、十分なサービス領域を確立することも今日のシステムの抱える問題であ
る。ユーザはどこからでもインターネットに接続できることを要求するであろう
から、インターネット接続のための設備は世界中に設けなくてはならない。接続
のための設備は場所によって変わり、それらは以下の場合が含まれる。 - 固定接続 - モデムを介した接続 - 移動通信を介した接続 - 衛星通信を介した接続 移動ネットワークが十分に拡張されていないという事実と、サービス領域の消滅
をたまに発生する当該ネットワークの無線シャドウによる問題のために、移動通
信サービスの領域は制約される。エラーが発生しない通信システムは存在しない
し、無制限な数のユーザをカバーできるだけの容量を持つシステムもない。
【0008】 いくつかの異なる通信ルートの間でのユーザ選択に融通性が欠けていることが
、それぞれの通信システムの容量を十分に活用できず、したがって個々のユーザ
に対するサービスが損なわれている原因である。さらに、これらのシステム間で
の選択がもっと柔軟に行えれば、異なる通信システム間の競争が改善されるであ
ろう。
【0009】 したがって、現存の通信チャネルをより効率的に利用し、性能を改善し、ユー
ザの満足度を高めるために、いくつかの通信リンクをより効率的に利用するデー
タ伝送システムが望まれる。
【0010】 EP-O 696 010には、いくつかの使用可能なチャネルでデータを伝送するシステ
ムが開示されている。使用不可のチャネルはノッチフィルターシステムによって
選択不可チャネルとされるもので、その出願は主にこの特徴に関わっている。し
かし、このシステムは稼働率、サービス領域、コスト等に関してデータ伝送をよ
り効率的にするという上記の課題を解決するものではない。
【0011】 US-5 787 079には、データの流れを無線チャネルにおけるいくつかの部分チャ
ネルに分割することが示されている。データの流れは複数の異なる部分チャネル
で平行して伝送し、受信側で再び組み合わされることができる。EP-O 699 010と
同様に、この発明仕様書は、単にデータを基地局と移動機との間で伝送する技術
に関わるもので、このシステムは本発明が関わっている問題、特に稼働率、サー
ビス領域およびコストの問題を解決するものではない。
【0012】 さらに、非対称伝送方式(非対称ディジタル加入者線、ADSL)が知られている
。これはインターネットからローカルコンピュータへの伝送速度を上げる方法で
あるが、反対側方向の速度は制約される。ADSLは信号変調方式によって異なる伝
送速度を有する物理的接続を使うことができる。また、ネットワークへ別々の2
つの物理的接続を使うこともできる。一つの構成例として、通常の電話モデムを
アップリンクに、ケーブルテレビネットワークをダウンリンクに使用することが
考えられる。しかし、ADSLは双方向において高い伝送速度が要求されないときに
しか使うことはできない。したがって、ビデオ会議等への適用は不可能である。
このシステムはダイナミックな能力が欠如しているため、稼働率、サービス領域
およびコストに関する課題も解決されない。
【0013】 データをいくつかの並列なフローに分割することは他の出願でも知られている
。これらの出願の多くは、伝送速度は速くなったが、本発明が関わる課題、すな
わち伝送速度、信頼性、稼働率およびコスト等の最適条件をユーザ自身が選択で
きる可能性を改善するという課題については十分な解決を与えていない。並列ラ
インが現存のアプリケーションに使われる場合、普通同じタイプの通信リンク、
時には同じ物理的リンク、のみが利用される。その結果、性能が落ち、全体のデ
ータフローが中断される危険が増大する。
【0014】 (発明の目的) したがって本発明の目的は、先行技術における上記問題を完全にあるいは少な
くとも部分的に解消し、より効率的な、より速いデータ伝送を行うシステムを提
供することである。
【0015】 この目的は添付請求項に定義される本発明にしたがって実現される。
【0016】 (発明の概要) 本発明が提供するシステムは、互いに通信する少なくとも2つのユニットの間
でデータを送信するシステムであって、前記システムは異なる特性を有する少な
くとも複数の通信ルートを備える。それぞれのユニットは1つの送信ユニットを
有し、送信ユニットは通信ルートの特性情報を収集し、情報およびユーザが与え
る最適化条件に基づいて、データフローを好ましくはデータパケットの形態で少
なくとも2つの通信ルートの間で分割する。さらに、それぞれのユニットは対応
する1つの受信ユニットを有し、受信ユニットは少なくとも2つの通信ルートを
介して送られてきたデータフローを再び組み立てる。通信ルートの能動的選択は
、ユーザが選択した最適化条件に合致するようにおこなわれる。また通信ルート
の選択は送信ユニットが収集した関連情報に基づいておこなわれる。このように
してユーザはより多くの満足度が得られる。なぜなら最適化条件が以前のシステ
ムの場合よりも広範囲に満たされており、同時に関連状態情報を送信ユニットへ
供給することによって現存の通信ルート等がよりよく利用できるからである。送
信ユニットは連続的に情報を収集し、その情報に基づいて自動的にデータフロー
を分割することが好ましい。これによって利点がより明らかになる。具体的に、
収集すべき適切な情報としては、通信ルートの固定および可変料金、最大および
現在の速度、送信できるパケットのサイズ、転送時間(端から端までのパケット
の転送時間)、転送ユニットすなわち通信ルートからなるユニットのIDまたは類
似情報、および特定通信ルートや特定転送ユニット等の選択に関するユーザによ
って予め定められた優先度、がある。そのような情報に基づいて、中間転送ユニ
ットの料金、速度および優先度等の1つまたは複数の最適化パラメータに関して
送信を最適化することが可能となる。
【0017】 本発明によるシステムは、通信ルートの少なくとも1つが無線ルートであるデ
ータ送信に特に適している。なぜならそのようなケースにおいて能動的最適化の
必要性が最も大きいからである。さらに、このシステムは、通信ユニットの一つ
が別のネットワークにつながれてそのネットワークとデータを受け渡す場合にお
けるデータ送信問題を解決するのに特に適している。このようにして、本発明の
送信システムは送信連鎖の特に重要な部分に使用することができる。これらの部
分は、例えば特に高価で、特に速度が遅く、特に小さな送信容量しか持っていな
いことがある。本発明は、インターネット等、より大きな固定ネットワークに移
動接続、すなわち無線接続するのに使用できる。
【0018】 本発明はまたシステムに対応する方法およびそのようなシステムに使用される
端末ユニットに関する。
【0019】 異なる観点によれば、本発明のシステムは、互いに通信する少なくとも2つの
ユニット(1、2)の間でデータを送信するシステムであって、システムは異な
る特性を有する少なくとも2つの通信ルート(3−5)を含み、それぞれのユニ
ットは1つの送信ユニットを有し、送信ユニットは通信ルートの特性情報を収集
し、データフローを好ましくはデータパケットの形態で分割し、収集された情報
とユーザが与えた最適化条件に基づいて、データフロー部のそれぞれについて少
なくとも2つの通信ルートの1つを選択する。さらに、それぞれのユニットは対
応する1つの受信ユニットを有し、受信ユニットは少なくとも2つの通信ルート
を介して送られてきたデータフローを再び組み立てる。
【0020】 このようにしてそれぞれのパケット等について通信ルートが選択され、したが
って1つの通信ルートから他の通信ルートへの滑らかな変換が可能となり、同時
に好ましい通信ルートが常に利用できることになる。
【0021】 さらに本発明は対応する方法に関する。
【0022】 また本発明によるシステムは、互いに通信する少なくとも2つのユニットの間
でデータを送信するシステムであって、システムは異なる基地局を結ぶ少なくと
も2つの無線通信ルートを有し、それぞれのユニットは1つの送信ユニットを有
し、送信ユニットはデータフローを好ましくはデータパケットの形態で少なくと
も2つの通信ルートの間で分割し、さらに、それぞれのユニットは対応する1つ
の受信ユニットを有し、受信ユニットは少なくとも2つの通信ルートを介して送
られてきたデータフローを再び組み立てる、ことを備えたシステム。このケース
における通信ルートの少なくともいくつかは移動可能であるので、複数の異なる
通信事業者(基地局)のネットワークを利用する場合に、本システムは特に強力と
なる。このようにして、より多くの周波数にアクセスすることができ、サービス
領域、稼働率および通信速度が改善される。これを、1つのネットワークを利用
してその限られた周波数を複数の入力ライン間で分割する場合を考えてみる。こ
の場合、ネットワーク特性が固定的で類似している場合、本発明の目的を達成す
るために、情報を収集したりその後の最適化をおこなう必要はない。送信ユニッ
トはデータフローを同じサイズの部分に分割し、受信ユニットがそれらを再び組
み立てるので所望の効果が得られる。
【0023】 (好ましい実施例の説明) 図1に示すように、本発明のシステムはいくつかの並列通信リンクを有し、そ
の目的は先に概要を説明した問題を解決または低減することにある。本システム
は互いに通信する少なくとも2つのユニット1、2と、異なる特性を示す複数の
通信ルート3−5を有する。各ユニットは通信ルートの特性に関する情報を集め
る1つの送信ユニットを有し、またこの情報とユーザによって与えられた最適化
条件とに基づいて、データの流れを少なくとも2つの通信ルートの間で、好まし
くはデータパケットの形で、分割する。さらに、それぞれのユニットは対応する
受信ユニットを有する。この受信ユニットは少なくとも2つの通信ルートを介し
て送信されたデータフローを再び組み合わせる。
【0024】 本発明のシステムを利用するユーザまたはアプリケーション6は、例えばイン
ターネット上のサービス7を受けるために、他のユニットと通信することを要求
する。通常、この種の要求はそのサービス提供者に直接送られて、サービス提供
者の応答があれば、元の要求と同じ通信リンクを介してその応答が送り返される
。例外として、戻りリンクは送りリンクとは同じでない場合があるが、この場合
アップリンクとダウンリンクの選択は固定的に決められる。しかし、例えばイン
ターネット上のコンピュータとして受信ユニットを配置し、それを介してすべて
の要求と返答を行うようにすれば、そのシステム内での通信ルートをアクティブ
に選択することが可能となる。
【0025】 以下のユーザケースにおいて、要求が出された瞬間からその結果が戻される時
点までの流れを説明する。ユーザは最初にアプリケーションにおいて操作を実行
して要求を送信する(ステップS1)。ユーザの送信ユニット、すなわち本システム
のクライアント部がその要求を処理し、1つまたは数個の通信リンクを介してそ
の要求を受信ユニット、すなわち本システムのサーバ部に転送する。サーバ部は
インターネット等の他のネットワークに接続されているかもしれない。その要求
と共に他の情報も送信されるが、それは要求に対する返答の送信を最適化するた
めにサーバが必要とする情報である(ステップS2)。サーバは要求を受け取り(ス
テップS3)要求されたサービスを実行する。この要求されたサービスの実行はサ
ーバ上のローカルサービスを実行することであるかもしれないし、サーバがさら
にサービス要求をインターネット上に送り出すことかもしれない(ステップS4)。
【0026】 この要求に対する返答は、サーバによって受け取られ(ステップS5)、現存の通
信リンクに関して集められた情報に基づいて、分割されさまざまな通信リンクを
介してクライアントに返送される(ステップS6)。以下にさらに詳しく説明するよ
うに、最適化のために、サーバは受信側の情報、測定された伝送速度、さまざま
な通信ルートに関する現在の価格情報等を使用する。そしてクライアントは異な
る複数の通信リンクを介してデータを受け取りデータフローをもとの形態に組み
合わせる(ステップS7)。組み合わせ処理した結果は、要求を出したアプリケーシ
ョンに送られる(ステップS8)。
【0027】 本発明によるシステムは、双方向において異なる複数の通信リンクに関してア
クティブで「インテリジェントな(知的判断能力のある)」選択をする。これに
よって、いくつかの異なる判断基準に対して最適な判断をする可能性が生まれる
【0028】 通信リンクの特性が同じで静的である場合、データフローを最適化する必要は
無い(ステップS2とS6が変更される)。
【0029】 アプリケーション6は例えばメールプログラム、ブラウザ、またはデータ送信
を行う他のいかなるプログラムであっても良い。本発明による送信はアプリケー
ションに対して透過的とすることが好ましい。なぜなら分割はコンピュータにお
いてプロトコルのレベルで発生するからである。
【0030】 クライアント部1はネットワーク接続のためのドライバの形で実現することが
できる。ネットワークとのすべての通信はこの新しいドライバを介して行われる
ため、ドライバはデータの流れを最適化することができる。本発明によれば、ク
ライアントは例えば以下の情報を収集しアクセスすることができる。すなわち - それぞれの方向における最大および現在の通信速度。大量のデータ送信の場
合、高速リンクを優先させることで速度最適化が可能になる。 - 加入契約のタイプおよび供給業者、料金システムおよび現在の料金。最も安
価でしかも十分な通信速度を有する通信リンクを選択することによって価格最適
化が可能になる。 - 異なる複数の通信ルートに関して使用可能な転送サーバおよびそれらの個々
の特性および集合的特性の識別、これによって、負荷の小さいサーバを選択する
ことで速度を最大限に引き出し、かつ地理的に有利な位置にあるサーバを選択す
ることで価格を最小に抑えることができる。
【0031】 通信ルート3−5は、クライアント部に対するよく定義されたインターフェイ
スを有する受信ユニットへの接続を有する。好ましくは、すべての通信リンクが
同じ通信プロトコル、例えばTCP/IP、を使うことで、さまざまなルートを介して
データパケットを送るプロセスを容易にすることができる。通信ルートは、ロー
カルデータネットワーク(LAN)、送電線ネットワークまたはケーブルテレビネ
ットワーク等の固定ネットワーク、またはGSM-900 (Global Service Mobile 900
)、GSM-1800、GPRS (General Packet Radio Service)、EDGE、WCDMA、ブルート
ゥースや無線LAN等の移動ネットワークで構成することができる。システムに移
動ネットワークを使った場合、強制ではないが異なる複数の通信業者の移動ネッ
トワークを別々の通信ルートとして使用することが可能となる。同じ通信業者の
ネットワークをいくつかの通信リンクに使用する場合、例えば異なる複数の周波
数で同じ基地局または異なる複数の基地局に接続が行われるとき、通信リンクは
伝送容量で競争する必要は必ずしも無い。この場合、最適化は移動ネットワーク
の仕様内で自動的に行われる。
【0032】 通信ユニットの一つが別のネットワークに接続されている場合、本発明による
データ伝送方法を使用することは特に有利である。この別のネットワークはイン
トラネットでもよいし、インターネットのようなWAN(広域ネットワーク)あるい
は複数のコンピュータが接続されたLANであってもよい。そのネットワークに接
続されたユニットは1つまたは数個の高速接続でそのネットワークに接続されて
いることが好ましい。要求は受け取られて転送され、対応する返答がクライアン
トに送られる。サーバは例えば以下の情報を収集しアクセスすることができる。
すなわち - それぞれの方向における最大および現在の通信速度。高速リンクを優先させ
ることで速度最適化が可能になる。 - 通信業者、料金システムおよび現在の料金を含む加入契約のタイプ。最も安
価でしかも十分な通信速度を有する通信リンクを選択することによって価格最適
化が可能になる。 - クライアント通信リンクおよびそれら個々の特性および集合的特性の識別、
これによって、マーケット分割のために速度を最大限に引き出し、伝送信頼性を
高めることができる。 - ユーザ識別およびパスワード。これによってユーザを識別でき、正当な使用
者であることを確認できる。
【0033】 別のネットワーク上で使用可能であり、また本発明の伝送システムを介して上
記のようにユーザがアクセスすることができる外部サービスは、基本的に現存の
サービスおよび将来にネットワークから供給されるいかなるサービスであっても
よい。これが可能である理由は、そのサービスを実行するのに必要なものはすべ
てクライアントに対する入力データとしてアプリケーションによって提供される
からである。その入力データはクライアント部によって元の形態に作り直される
【0034】 (必要に応じてシステムユニットによって収集される情報) 本発明によるシステムにおいては、異なる複数の通信リンクの「インテリジェ
ントな」選択と共に、データの「インテリジェントな」分割とその再組み立てが
行われて、異なる複数の判断基準に対して送信を最適化する。これを達成するた
めに、2つの通信ユニットのそれぞれ、すなわちクライアント部とサーバ部、が
複数の通信リンクを介してデータフローを送り、データフローのインテリジェン
トな分割と再組み立てができなければならない。このインテリジェントな分割が
可能なのは、ユニット間、すなわちクライアントとサーバ間、のデータ送信を最
適化するための情報を通信ユニットが収集しているからである。
【0035】 収集される関連情報の種類の1つに料金がある。ここで理解しなくてはならな
いことは料金には固定コストと変動コストがあることである。固定料金は例えば
1通話の料金、1接続の料金または1月の料金などがある。変動料金は単位時間
ごとに算出される料金またはパケット/ビットごとの料金がある。通常、料金は
短期的および長期的に変動するが、この点は本発明システムによって考慮するこ
とができる。料金情報はサーバに格納しておき、関連するすべてのクライアント
にサーバから送られるようにするのが好ましい。料金見積りは次ぎの通知がある
まで有効、あるいは特定の期間のみ有効とすることができる。最初のタイプの見
積りはバージョン番号を与えることによって、クライアントプログラムがサーバ
との最小の通信で最新の見積りを容易に入手できるようにするのが好ましい。
【0036】 さらに、速度が重要である。ここでは速度は単位時間あたりに送信されるデー
タ量と定義される。これはユーザによって経験される速度でもよいし、システム
に含まれる1つのリンク上の速度でもよい。ほとんどのネットワーク、特にイン
ターネット、は多数のリンクからなり、そのうち最も弱いリンクが2つの地点の
通信のペースをほぼ決定する。したがって、受信データフローの速度は最も遅い
リンクの速度に相当する。リンクによっては方向によって異なる速度を有する。
例えばGPRSはダウンリンクよりもアップリンクにおいて初めにより大きな容量を
与える可能性がある。
【0037】 それぞれのタイプの通信リンクに対して、最大パケットサイズも定義されてい
る。例えば、CANバスは車において8バイトサイズのパケットを使うが、GPRSに
おけるパケットサイズはおよそ300バイトであろう。
【0038】 ネットワーク上の2つの地点間のそれぞれの接続に対して、パケットが移動す
るには常にある最小時間がかかる。この点は大切である。なぜなら要求はこれら
パケット内に収容されていることが多いからであり、またその場合転送時間が最
も短いリンクを使うのが有利であるからである。各ユーザのクライアントへの転
送時間は前もって定められた周期で更新される。GPRSの場合、サーバから通信業
者の転送ユニット(ゲートウェイ、GW)までの時間測定は無料であるが、クライア
ントまで全体の時間を測定すると有料となる。このため、このケースでのGWまで
の転送時間はGWとクライアント間の通信のための標準追加時間チャージを含むよ
うに測定することが好ましい。1つの国でのGPRSのGWの数が限られている場合、
サーバから各通信業者のGWまでの転送時間の情報は前もって定められた周期で測
定できる。したがってサーバはその情報を格納してGPRSユニットを有するユーザ
までのすべての通信に使うことができる。もっと頻繁に移動リンクを介した転送
時間を測定することを止める理由はないが、これはより費用がかさむので、でき
るだけそうすることは避けるのが望ましい。送信時間の内で、転送時間は少量の
データの場合には大きな要素であるが、大量のデータの場合には送信時間が決定
的要素となる。
【0039】 重要な情報としてはさらにシステムのサーバの識別とそれに関する情報がある
。異なる複数のサーバをユーザが使用したいのにはいくつかの理由がある。その
一つにローカルサーバが存在する別の国に一時的に滞在する場合である。このサ
ーバを使うことによって、送信時間を短縮することができるであろう。別の理由
は、システムの安全性を高めることと、ユーザに影響を及ぼさないであるいはユ
ーザがそれに気づくことなくサーバを接続及び分離できるようにすることである
。システムはまた、サーバの地理的な位置及びネットワークへの接続容量に関す
る情報を必要とする。最後に、サーバをネットワークに接続するコストに関する
情報も必要である。これらすべての情報は1日の時間によって変わる。例えば、
サーバによってはある時間帯のみ稼動することがある。
【0040】 料金や通信速度以外の理由でリンクを選択することもある。送信リンクが3つ
の移動リンクである場合、通信業者は例えば別の通信業者から容量を購入する前
に自分自身のネットワークの容量を利用したいと思うであろう。この種の優先選
択情報をサーバに格納することができる。さらに、以下により詳しく説明するよ
うに、ユーザはシステムが最も好ましい料金または最も速い速度のいずれに基づ
いて最適化をすべきかを優先設定することもできる。
【0041】 ユーザのユニットを構築するとき、ある情報も入力するのが好ましい。この情
報は、リンクのタイプ及びそのリンクと通信するために必要な情報に関わるもの
である。この情報はまた、クライアントがどれだけ頻繁にサーバを更新するか、
および通信の進捗状態に関する情報も含まれる。
【0042】 さらに、クライアントの地理的位置を把握することも重要である。ユーザの位
置を知ることによって、最も有利なサーバを選択することができる。さらにユー
ザは自分自身の地理的位置を入力することもできる。
【0043】 以下に示す表は、本発明のシステムに組み込まれたユニットが収集する大切な
情報の例をまとめたものであり、またそのような情報をどこから収集するか、ま
たそのような収集活動がどのような影響を受けるかを示す。
【0044】 (データ送信の最適化) システムは複雑であり、最適化手順をガイドするパラメータおよび優先度は相
当数あるであろう。しかし、最適化はユーザが定義した最適化条件に基づいて行
われる。この最適化条件は、いくつかの異なる最適化パラメータからなる。この
場合、異なる複数のパラメータには異なる優先度が与えられて、それらの相対的
な重要性を表している。以下に4つの最適化領域の例を示す。
【0045】 最初の例においては、最適化はパラメータ料金に基づいて行われるが、この方
法が好ましいことが多い。個々のリンクについて上記のように必要なすべての料
金情報が与えられると、それぞれのリンクについての合計料金が計算される。そ
れらリンクの内いずれか1つが最も安価である。純粋に料金に基づく最適化の場
合、すべての送信は最も安いリンクを介して行われる。料金は変動するかもしれ
ないので、送信リンクは送信中に変わる可能性がある。
【0046】 非常に重要な最適化パラメータは通信速度である。速度の最適化は以下の公式
に基づいて行うことができる。 n >=2のとき、 f(x1, x2, ..., xn) = max (t1, t2, ..., tn) [1] ti = [t10 + s*xi/vi]*h(xi)、(i = 1, 2, ..., n) [2] xi > 0に対してh(xi) = 1および xi <= 0 に対して= 0、(i = 1, 2, ..., n) [3] x1 + x2 + ... + xn = 1 [4] 0 <= xi <= 1、(i = 1, 2, ..., n) [5] ここでxiはリンクiで送信される部分データ、tiはリンクiを介して最初のパケッ
トが送信されてから最後のパケットが受信されるまでの時間、tioはリンクiを使
った当該方向への送信におけるサーバとクライアント間の転送時間、viはリンク
i上の通信速度、およびsは送信される総データ量を表す。
【0047】 最適化手順は3つの部分に分けられる。要求がサーバに送られる部分、サーバ
がサービスを実行する部分、最後に応答がクライアントに返送される部分である
。以下においてn=3である。
【0048】 要求の発送、すなわち部分1に相当する手順、をできるだけ速く行うために、
最も短い転送時間、すなわちmin(t1, t2, t3)、を有するリンクを使って要求が
送られる。どのリンクが最も転送時間が短いかについての情報が以前の送信から
、また現行セッションに関わる接続手順からも抽出される。この要求と共に、ク
ライアントはそれぞれのリンクについて以前の送信を受け取った速度(v1, v2,
v3)の情報も送る。
【0049】 サーバがサービスを実行、すなわち部分2に相当する手順、にかかる時間はシ
ステムの制御能力を超えており、最適化アルゴリズムによって扱わないのが好ま
しい。
【0050】 部分3に相当する手順でサーバからクライアントへ送り返される返答結果はシ
ステムの3つのリンクに分割される。部分1でクライアントが要求を出したとき
は、情報はクライアントの最新の受信速度で送られた。これら2つの情報は、二
次的条件[4]と[5]にしたがってx1, x2, x3に対して[1]を最小にするために、
3つのリンクに関わる転送時間データと共に使われる。すなわち、最新のパケッ
トを受信するのにかかる時間を最小にするためであり、これにより異なる複数の
リンクの間でデータフローをパーセントで分割することができる。
【0051】 fはR3の関数である。二次的条件[4]はA=(1,0,0), B=(0,1,0)およびC=(0,0,1)
と交差する平面である。[5]は、定義されたfの集合をA、BおよびCが定義する三
角形表面に制限するものである。最大値t1はAに存在し、線BCに向かって線形的
に減少し、線BC上で不連続的にゼロになる。最大値t2はB上にあり、線ACに向か
って線形的に減少し、線AC上で不連続的にゼロになる。最大値t3はC上にあり、
線ABに向かって線形的に減少し、線AB上で不連続的にゼロになる。3つの転送時
間が同等の大きさである場合、t1 = t2 = t3のA、B、Cの間のどこかで確定解x1,
x2, x3が得られる。例えば、t10 >= t30 + s/V2およびt10 >= t30 + s/v3の場
合、線BC上のどこか、すなわちx1=0、で解が得られる。t20 >= t10 + s/v1およ
びt30 >= t10 + s/v1の場合、解は点A、すなわちx1=1かつx2=x3=0で、得られる
【0052】 2つの判定基準の内1つが満たされた場合、すなわち所定のデータ量が受信さ
れたりあるいは所定の時間が経過した場合、クライアントは測定値v1をサーバ
に通知する。これら2つのパラメータはユーザが設定する。したがって、サーバ
は異なるリンクを介しての通信速度が速く変化するときに通信リンクの選択を適
合させることができる。データ量が少ない場合、最も短い転送時間のリンクを使
い、データ量が多い場合、高速通信リンクを使って送ることが好ましい。1つの
リンクが機能しなくなった場合、v1がゼロに落ちることによりサーバはその旨を
知らされ、同リンクは実質的に使用不可となる。後でクライアントがこのリンク
の通信が再開されたことを知った場合、サーバはその旨を知らされ、そのリンク
は再び使用される。
【0053】 前に説明したように、本発明の範囲内でいくつかの最適化パラメータを組み合
わせることが可能である。例えば、料金と速度を組み合わせることができる。妥
協的な選択を可能にし、したがってクライアントが支払う用意のある容量を的確
に提供できるようにするために、最適化手順において料金と速度をそれぞれどの
ように評価すべきかを選択するオプションをユーザに提供する。料金と速度はし
ばしば対極にある。すなわち最も安い料金でしかも最も速い通信速度を同時に得
ることはできない。料金と速度の最適化の極端な例を今まで説明してきたが、図
7に示すように単純な線形化によってそれらを組み合わせることもできる。図の
左側にはすべてのデータを最も安いリンクで送る場合を、右側には上記の方法で
計算された最も好ましい通信速度を与えるようにデータを分割して送る場合を示
す。
【0054】 最適化はまたサーバの選択に基づいて行うこともできる。以下に示す手順は、
いくつかのGWを介してインターネットに接続された3つの移動リンクからなるシ
ステムにおいて最適化が行われた場合である。クライアントは最後に使われたの
と同じサーバに接続する。そしてサーバはそのクライアントが通信しているのが
どの通信業者のゲートウェイであるかを判断する。このサーバは他のすべてのサ
ーバに対して、自分がある通信業者のGWを介してクライアントとつながっている
ことを知らせる。他のすべてのサーバはそのGWまでの転送時間を測定し、測定結
果を最初のサーバへ送る。そのサーバは、このGWまでのより好ましい転送時間を
提供できる別のサーバがあるかどうかを判断する。もしその通信業者のGWまでの
相当良い転送時間を提供できるサーバがあれば、最初のサーバはそのサーバに最
適化の責任を引き渡す。
【0055】 しかし、サーバからほとんどの一般的なゲートウェイまでの転送時間は固定的
であるので、そられのデータはそれぞれのサーバに格納しておくのが合理的であ
ろう。
【0056】 (他の実施例) 本発明による上記システムの実施例に含まれる5つのコンポーネント(アプリ
ケーション、クライアント部、リンク、ネットワークおよびサーバ)は異なる方
法で物理的に組み合わせることで、異なる使用領域と機能を提供することができ
る。
【0057】 図2に示す一実施例によれば、アプリケーション6とクライアント部1が携帯
コンピュータ等の1つのユニットに統合されている。すなわちデータ等の分割の
ためのドライブルーチンがコンピュータ上にインストールされている。分割され
たデータはケーブルを介してあるいは無線で通信ユニットに送られる。通信ユニ
ットはこの場合いくつかの独立した電話ユニット1a-1cからなる物理ユニットで
ある。好ましくは、電話ユニットは互いに近接して配置され同じ電源を共有する
が、互いに通信することはない。データの流れは通信ユニットに含まれる電話ユ
ニットによってのみそれぞれの通信リンクのネットワークに転送される。通信リ
ンクのネットワークは、例えばインターネットのように受信側のサーバ部2が設
置されている固定ネットワークに接続されている。
【0058】 図3に示す代わりの実施例によれば、アプリケーション6とクライアント部1
は実施例と同じように接続される。しかし、通信ユニット1a-1cは1つの物理ユ
ニットに統合されておらず別々のユニットである。ユーザがいくつかの並列ライ
ンを介してインターネットと通信したいが1つの通信リンクでしか通信できない
場合、隣接通信ユニットから容量を借りることによって複数リンクを使用可能と
することができる。それらリンクは前もって容量の貸し出しを合意しておくかあ
るいは補償問題をインテリジェントな請求システムによって解決することもでき
る。ユーザのクライアント部とさまざまな通信ユニットとの間の伝送をできるだ
け便利に行えるようにするために、無線送信モードを使うのが好ましい。複数の
通信リンクはこの場合同じタイプである必要はない。例えば、モデム、送電線ま
たはケーブルテレビを通信リンクとして使うことができる。
【0059】 図4に示すさらに別の例において、クライアント部1は同じユニット内におい
て1つまたはいくつかの通信ユニット1a-1cと組み合わされている。このように
して1つの独立したユニットが構成され、このユニットが一方で分離したアプリ
ケーション6と通信でき、他方で分離した1つの通信リンクのネットワークと通
信できる。こうして、データを異なるラインの間でインテリジェントな方法で分
割する機能だけを持つ独立した通信ユニットをつくることができる。アプリケー
ションは例えばシリアルポートを介して個別に接続しなければならない。
【0060】 アプリケーション6、クライアント部1および通信ユニット1a-1dはまた3つ
の物理的に分離したユニットとすることもできる。クライアント部は「くもの巣
の中心のクモ」として機能することができ、一方で1つまたは数個ののユーザの
それぞれのアプリケーション6とつながり、他方で1つまたは数個の通信リンク
1a-1dとつながることができる。この状態は図5に概略的に示す。この場合、ク
ライアント部は異なるユーザからのデータを調整し異なる通信リンクの使用を最
適化する。代表的な使用例は、例えば1つの顧客を訪問する複数のコンサルタン
ト等、1つのユーザグループが1つの同じ通信方法を共有したい場合である。
【0061】 別の例として、アプリケーション6、クライアント部1および通信ユニット1a
-1cを図6に示すように共通のユニットに統合することもできる。このユニット
はクライアント側ですべてのユーザ要求を満たすことができる。物理的には、こ
の製品はいくつかの移動電話アンテナを有する小型携帯コンピュータに似たもの
でもよいし、あるいは携帯ラップトップモデムとして使用できる電話であっても
よい。
【0062】 したがって複数のラインでデータを送るために使用する物理ユニットは次のよ
うに実現できる。端末は物理ユニット内に1つまたは数個のプリント基板上に複
数の並列ラインを有する。したがって端末のラインは、それぞれがそれ自身のSI
Mカードを有する数個の分離した電話ユニットで構成できる。あるいは、ある数
のラインに対して共通のSIMカードを使うこともできる。ユニットはまたライン
ごとに1つの送信ステップおよび1つのアンテナが設けられる。またこの場合、
別法として、送信ステップおよびアンテナまたはそのいずれかを数個のラインの
間で分割することも可能である。端末のラインは別々であるが、好ましくはバッ
テリーとケースは共有するのが好ましい。また端末内の異なるラインは、すべて
のラインが同時に最大効率で送信してバッテリー容量を越えることがないように
、制御情報など一定の情報に関して内部的にそれらの間で通信できるようにする
ことが好ましい。また、異なるラインは同じブルートゥース(bluetooth)、バ
ッファメモリ等を共有することもできる。端末の複数ラインは同じ種類のユニッ
トで構成することもできるし、例えば3個のGPRSユニット、あるいは2個のGPRS
ユニットと1つのEDGEユニット、あるいは1個のGPRSユニット、1個のEDGEユニ
ットと1個のW-CDMAユニット、などと異ならせることもできる。
【0063】 端末はデータのみを送信するように構成し、しかも従来の移動電話機能を持た
せる、すなわち通常の携帯電話として使用できるようにすることもできる。複数
ラインを有する端末は手のひらサイズのコンピュータの機能を持たせる、すなわ
ちコンピュータと端末を1つのユニットに組み込むこともできる。
【0064】 アプリケーションによっては、従来のネットワークインターフェイスカードの
能力以上の通信速度を必要とする場合がある。より速い速度を得るために、何倍
も高いコストでより高度なネットワークインターフェイスカードを購入しなけれ
ばならなくなる。本発明は、カードが標準のネットワークインターフェイスカー
ドが使われている場合、数個の並列ラインでデータを送ることによってそのコス
トの何分の一かでこの問題を解決することができる。
【0065】 (本発明の実施例) 以下において数個の伝送路を並列に使用する1つの実施例を説明する。より具
体的には、本実施例はクライアント/サーバソリューションに基づくパケット用
並列データ伝送に関するもので、ここではウィンドウズNT(登録商標)のネット ワークサブシステムであるオペレーティングシステムを変更してTCP/IPスタック が複数伝送路を介して透過的にパケットを送ることができるようにしたものであ る。同じプロセスは受信側トラフィックについても行っている。すなわちTCP/IP スタックはパケットが並列に送信されているという事実を意識しない。
【0066】 この実施例ではウィンドウズNTが本システムのオペレーティングシステムとし
て使われる。ネットワーキンブの低いレイヤーを扱うウィンドウズのサブシステ
ムはNDISラッパー(NDIS = Network Device Interface Specification)と呼ば
れ、各種ネットワーキング部間のインターフェイスを提供する。それらネットワ
ーキング部自体は、普通、接尾辞「SYS」を有するファイルの形態を取るミニポ
ートとして扱われる。これらのデバイスドライバーは、プロトコルとアダプター
という2つの区分に分けることができる。NDISラッパーはこれらのドライバーを
ロードし、どのプロトコルがどのアダプターを使用しているかを監視する役割を
持つ。これは、プロトコルが1つまたは数個のアダプターに結合するバインディ
ングとしても知られているものである。
【0067】 プロトコルデバイスドライバーは、IPなどトランスポートレイヤーでの特定通
信プロトコルを実現する。これらデバイスドライバーはデータの流れをパケット
に配列しこれらパケットをフレーム化する役割を有する。ここでフレーム化とは
パケットにヘッダー情報を追加する手続きを意味する。
【0068】 アダプターデバイスドライバーは物理媒体にデータのブロックを送信する役割
を有する。これらは受信データがあることを上位レイヤーに知らせる役割も持つ
【0069】 ウィンドウズNT上のTCP/IPスタックは、TCPやUDPなどのIPプロトコルや関連サ
ービスを実現する役割を持つコンポーネントである。プロトコル自体それが結び
ついているアダプターそれぞれに対してIPアドレスを必要とする。スタックはま
たIP転送が可能である。すなわちローカルアダプターのいずれのアドレス以外の
宛先アドレスを持つIPパケットを受け取った場合、それを他のコンピュータに転
送する。TCP/IPスタックは、ルーチングテーブルの内容に基づいて、IPパケット
を送るときにどのアダプターを使うべきかを判断する。このテーブルはIPアドレ
スおよび関連マスクのリストを含む。関連マスクとはルーチング演算をするとき
に対応するIPアドレスのどの部分を有効と考えるべきかを指定する値である。
【0070】 システムはできるだけ透過的であることが好ましい。これはいわゆる中間NDIS
ドライバーを作ることによって達成できる。そのような中間ドライバーとは現存
のプロトコルとアダプターの間に配置されるドライバーである。それらはプロト
コルに対してはアダプターとして現れ、アダプターに対してはプロトコルとして
現れる。本発明による中間ドライバーはプロトコルアダプターモジュール(PAM)
と呼ばれる。PAMは送信リンクと通信するときにネットワークドライバーモジュ
ール(NDM)として知られるアダプターを利用する。インストールされたPAMとND
Mを有するNDISラッパーを図8に示す。
【0071】 PAMは適切なアダプターおよびNDMまたはそのいずれかに結合する。そしてPAM
はそれ自身をネットワークアダプターとして現し、その後上層プロトコルに結合
する。PAMは送信パケットを変更し、また必要に応じて分割し、その分割された
パケット(フラグメントとも呼ばれる)に一定のヘッダーデータを加える。PAMは
どのNDMがアクティブであり、またそれらの伝送性能がどのような状態であるか
を監視する。そしてこれらの監視データをフラグメントを送り出すときの基礎と
して使う。さらに受信フラグメントを待ち行列に入れたり、必要に応じて再組み
立てして、つながっている上層プロトコルへ渡す。
【0072】 それぞれの論理リンクに1つのNDMを設けることが好ましい。これらはハード
ウェアメーカが提供する標準ミニポートか、あるいは標準ミニポートがない場合
特別に開発したものである。いずれにしても、それらは標準NDISアダプターとし
て実現することが好ましい。
【0073】 すべてのデバイスドライバーはダイナミックリンクライブラリ(DDL)として
実現できる。
【0074】 好ましい実施例において、NDISはレジストリを分析するとき、結合段階におい
てドライバーを呼び出す。アダプターはそれらの初期化ルーチンに対する単一の
呼び出しを受け取る。そのときアダプターはハードウェアリソースを要求しそれ
らのNIC(ネットワークインターフェイスカード)に接続しようとする。他方、
プロトコルはそれらが結合されているアダプターのそれぞれに対する呼び出しを
受け取る。これによってプロトコルは個々のアダプターについて状態情報を格納
できるメモリ領域を割り当てることができる。
【0075】 アダプターはそれらの能力、例えば最大パケットサイズ、サポートされる媒体
、リンク速度など、に関してNDISによって検索される。NDISはパケットを処理す
る際この情報を使う。
【0076】 プロトコルがNDISを介してパケットを送り出すとき、実際の送信を行うアダプ
ターがパケットを送り終わったことをプロトコルに知らせることが考えられる。
このパケットにポインターを指したNDIS内の機能を呼び出すことでこれが実行さ
れる。このプロセスはパケットを完了すると言われる。
【0077】 TCP/IPスタックがそのアダプターを開いて初期化し終わると、TCP/IPスタック
は、IPアドレスがローカルインターフェイスのアドレスを持つARP(アドレスレゾ
リューションプロトコル)要求を放送する。これを行うのは、到達可能なネット
ワーク内で衝突がないかどうかを調べるためである。何の返答も受け取らない場
合は、スタックは衝突はないと判断しアダプターを駆動する。他方、ARP応答を
受けた場合、明らかに衝突があり、TCP/IPはエラーメッセージを印字し、アダプ
ターを使用不可とする。
【0078】 TCP/IPがパケットを送り出すとき2つのことを知らなければならない。どのア
ダプターを使用すべきか、および宛先アドレスへ到達するためにどのイーサネッ
ト(登録商標)アドレスを使用すべきか、である。イーサネットアドレスはARP 要求によって取り出され、テーブルに格納される。使用すべきアダプターはルー チングテーブルを参照することで解決される。
【0079】 ルーチングテーブル内の項目は以下の情報を含むことが望ましい。 - ネットワーク宛先:これは宛先IPアドレスである。 - ネットマスク:IPアドレスに基づいて比較する前に、それとネットマスク値
との論理ANDを求める。これによって一度に1つの値ではなく、グループごとに
比較することができる。 - ゲートウェイ:これは、ネットワークの宛先のアドレスと一致するIPアドレ
スを持つパケットをどこに送ればよいかを知っているホストである「ゲートウェ
イ」のIPアドレスである。 - インターフェイス:インターフェイスはパケットを送る役割を持つアダプタ
ーのIPアドレスである。 - メトリック:メトリックとは実際のルートに対して1つ以上のインターフェ
イスが可能な場合、どのインターフェイスを使うべきかを選択する際に使用する
単純な値である。
【0080】 (送信プロセス) 本実施例によるシステムは基本的に2つの双方向データフローを有する。すな
わち、上層のプロトコルから送り出されるデータフローと、その下にあるNDMか
ら入り込むデータフローである。しかし、複数の受信フローと送信フローを使う
ことができる。データフローはパケットとして受信および送信される。それぞれ
の受信パケットは、もし単一のNDMパケットに納まらないほど大きすぎると、複
数のフラグメントに分割される。フラグメント(パケットが十分小さければ単一
のパケットから構成される)はヘッダーデータが追加された後にNDMへ送られて
、それからさらに送信される。
【0081】 このプロセスは受信フラグメントに対しては逆方向に繰り返される。その際プ
ロセスと異なる点は、あるパケットに属するすべてのフラグメントが到着するま
でリストに複数フラグメントのパケットが保持されるという点である。ある時間
以内に、部分的に組み立てられたパケットに属する新しいフラグメントが到着し
なかった場合、そのパケットは失われたと考えられてそのパケットに属するすべ
てのフラグメントは破棄される。
【0082】 (本発明によるプロトコルアダプターモジュール(PAM)の例) PAMは1対多数のインターフェイスの役割を持つ、すなわちNDISに対して単一
のイーサネットアダプターとして機能するが、それ以下のいくつかのアダプター
に結合する。PAMはクライアントコンピュータに使用されるだけでなくルーター
ゲートウェイにも使用される。それらの間の唯一の違いは、ルーターゲートウェ
イ上のPAMはイーサネットアダプターおよびシリアルNDMにもつながり、ルーター
ゲートウェイ以外の他のコンピュータから出されるクライアントIPアドレスに関
するAPR要求を取り込みそれに対して返答を出す。
【0083】 本発明のPAMは以下のクラスのオブジェクトから構成するのが好ましい。PAMに
おけるこれらのクラスの間の機能的関係を図10に示す。 - メイン:これは他のすべてのオブジェクトの作成に関わるクラスである。こ
れはまた、デバイスドライバーがロードされると直ちにNDISによって呼び出され
るグローバルドライバーエントリー機能を含む。メインオブジェクトはすべての
他のオブジェクトを作成し、公開ポインターにそれらのアドレスを格納する。他
のオブジェクトはメインオブジェクトのグローバルポインターを使ってこれらの
公開ポインターを介して互いにアクセスすることができる。 - スプリットジョイン:このクラスは「クモの巣のクモ」である。これは上位
アダプターからの出側パケットを受け取り、必要に応じて、これらのパケットを
フラグメントと呼ばれるより小さな部分に分割する。そしてフレーミングにフラ
グメント用ヘッダーを追加させた後に、ルーターによって決められる下位アダプ
ターを呼び出してそれにフラグメントを送り出すように要求する。また、Arpに
対して偽のARP応答を作らせてそれらを上位アダプターに送り返す。 このプロセスは入り側フラグメントに対して逆方向に繰り返される。フレーミン
グはそれらを検証し不必要なヘッダーデータを取り除く。そしてフラグメントは
リストに格納されて、元のパケットを構成する他のフラグメントが到着するのを
待つ。パケット全体が受け取られたら、スプリットジョインがそれを再構成して
フレーミングにイーサネットヘッダーを追加させてから、上位アダプターに送る
。 - ルーター:このクラスは次ぎのパケットフラグメントをどのNDMが受け取るか
を決める。ルーターは統計オブジェクトからのデータを使って、通信速度、コス
トなどを比較する。現在のところ、アルゴリズムは最初のパケットを最初のNDM
に割り当て、第二のパケットを第二のNDMに割り当てる、というように単純に連
続して割り当てている。 - フレーミング:フレーミングクラスはスプリットジョインからそれに渡され
るパケットにフラグメントヘッダーを加えるときに使用する機能を提供する。フ
レーミングクラスはまた入り側フラグメントが完全であるかどうかを検証し、ヘ
ッダーを取り除く。スプリットジョインが入り側パケットをTCP/IPスタックに送
るとき、フレーミングは偽のイーサネットヘッダーを追加する。これを行うため
に、Configを検索してPAMの偽のイーサネットアドレスについて調べる。 - Arp:このクラスはイーサネットARP要求を検出しそれに応答するときに使用
される機能を提供する。TCP/IPはIP宛先アドレスに対応するイーサネットアドレ
スを受け取るまでは何も送り出さないので、“偽の”イーサネットアドレスを与
えなければならない。同時に、クライアントIP以外に偽のイーサネットアドレス
を与えるのは好ましくない。したがってArpはConfigにクライアントIPアドレス
が何かを問い合わせなければならない。 - 上位アダプター:これは「1つの」インターフェイスを与えるクラスである
。これはPAMにつながったプロトコル、例えばTCP/IP、との上位通信の役割を持
つ。上位アダプターはNDISに対して自分が「遅くつながる」アダプターであるこ
とを知らせる。つまり少なくとも1つのNDMがPAMのプロトコル部につながるまで
はNDISに対してイーサネットアダプターとして登録はしない。 上位アダプターはまたNDISからの問合せ、例えばPAMのイーサネットアドレス、
リンク速度、サポートされる最大パケットサイズ等、を取り扱う。 - 下位アダプター:このクラスはPAMにつながった下位アダプターを現す。アダ
プターの状態情報を保持することはプロトコルの役割であるので、プロトコルは
つながった各NDMに対してこのクラスのインスタンスを1つ作る。それらの主な
役割はスプリットジョインに対して入り側パケットがあることを知らせる。 プロトタイプテスト構成のルーターゲートウェイコンピュータ上の変更されたPA
Mにおいて、IP転送を行う際に使われるイーサネットカード用に特別の下位アダ
プターが作られる。この下位アダプターの唯一の役割は、クライアントIPに関す
る他のコンピュータからのARP要求を取り込むことである。ARP要求はクライアン
トへは転送されないので、PAMはARP応答を作って、その応答をTCP/IPレイヤーに
届けることなく戻す。 - プロトコル:このクラスはPAMのプロトコル部を表す。結合段階において、こ
れは、それに結合されたアダプターをいつ開くべきかをNDISによって通知される
。最初のNDMを開いたなら直ちに、上位アダプターを呼び出して、そのインター
フェイスをNDISに開放することができることを上位アダプターに知らせる。 - 統計:各下位アダプターのそれぞれに対して1つの統計オブジェクトがある
。それらには1対1の関係がある。統計オブジェクトは、その下位アダプターの
パートナーがパケットを送り出したり受け取るたびに呼び出される。統計オブジ
ェクトはまた不良または不完全パケット等について通知を受ける。次のパケット
を送り出すときにどの下位アダプターを使用するかを決定するときに、ルーター
オブジェクトは統計オブジェクトに問い合わせる。 - 制御:これは他のプロセスとの通信をおこなうためのクラスである。この制
御クラスはデバイスIO制御コード、すなわちIOCTL(デバイス入出力制御コード)
に応答することによって行う。これらは、例えばユーザインターフェイスが送信
パラメータの変更を要求するときに、ユーザインターフェイスによって送られる
。 - Config:上位アダプターが初期化するときに、このクラスを呼び出す。これ
によってConfigはレジストリに格納されたいかなるPAM用パラメータでも読み出
せる。Configはまた下位アダプターによっても呼び出されて、NDM毎に格納され
ているパラメータを読み出す。そのようなパラメータとしては、例えば使用する
COMポート、通信速度、立ち上がり時不活動などのパラメータがある。
【0084】 (本発明によるネットワークドライバーモジュール(NDM)の例) NDMはNDISに対してイーサネットアダプターとして現われるのが好ましい。 本発明によるNDMは以下に述べるオブジェクトのクラスから構成される。これら
のクラスおよびそれらの間の関係を図11に示す。 - メイン:これは他のすべてのオブジェクトの作成に関わるクラスである。こ
れはまた、ドライバーエントリー機能を含む。NDM内の唯一のグローバルシンボ
ルはメインオブジェクトに対するポインターである。これはまた他のオブジェク
トのすべてのインスタンスに対する公開ポインターを有する。メインは、一旦他
のオブジェクトが初期化されるといかなる動作にも関わることはない。メインは
単に「グローバル」データエリアとして機能するだけである。 - アダプター:このクラスはNDISアダプターインターフェイスコールバックを
提供する。これは、シリアルのオープン方法を使用して下層のシリアルポートを
開く。アダプターはまた、新しい入り側パケットがあることまたは出側パケット
の送出が完了したことを知らせる際に、シリアルによって呼び出されたコールバ
ックを含む。 - Arp:このクラスは上層のプロトコルから受け取ったパケットを調べる。その
パケットがイーサネットARP要求である場合、Arpは対応するARP応答を作る方法
を提供する。PAMは、ARP要求がNDMに到達する前にARP要求を取り込むので、この
クラスの機能はNDMがPAMのみにつながれているときは使用されない。 - シリアル:このクラスはパケットデータを翻訳したりそれをRS-232媒体を介
して送信することに直接関わる。シリアルは、最初にシリアルテストプロトコル
ヘッダー、続いてパケットデータ自体を送る。この送信手順は非同期的におこな
われる。シリアルはまた、反対方向に送信されるデータを受け取る(そして同期
が失われた場合、再度同期を確立する)。そしてこのデータは、オープン方法を
使用してシリアルクラスを初期化するときに指定されたコールバックへ送られる
。 IOサブシステムへ送られたまたはそれから受け取ったデータは、ウィンドウズNT
内のすべてのカーネルコンポーネントが使用するデータ構造であるI/O要求パケ
ット(IRP)によって転送される。
【0085】 上記のPAMおよびNDMの実施例は単なる例であり、別の方法も可能である。例え
ば、上記実施例はオペレーティングシステム(OS)としてウィンドウズNTに基づ
いているが、本発明は他のOS、例えばUNIX(登録商標)/Linux上で構成すること もできる。上の説明で言及したウィンドウズがウィンドウズの特定の機能のみを 意味するのではなく、他のOSの類似の機能も含むことを理解すべきである。
【0086】 さらに、移動データ分野における本発明によるシステムのもう一つの興味深い
適用例として、回線交換データリンクおよびパケット交換データリンクの組み合
わせがある。通常のGSM(Global System for Mobile communication)リンク、
あるいはより現実的にはHigh-Speed Circuit-Switched Dataを使用できる。GSM
の進化によって、より速い転送速度のHSCSD (High-Speed Circuit-Switched Dat
a)リンクをGPRS (General Packet Radio Service)リンクと組み合わせることが
可能となった。HSCSDリンクは普通に終端するが、それを介して送られたフラグ
メントはルーターゲートウェイに送られる。なぜならHSCSD接続は最終的にはイ
ンターネットに接続するからである。GPRSリンクは最初からパケット交換を採用
しているが、同様に扱われる。この構成の最大の特徴は、GPRSリンクが「常時接
続」品質を提供し、それによってユーザは常に接続していながらデータを転送す
るとき以外支払いの必要がないという点である。より大きなバンド幅の必要が生
じたときにHSCSDリンクを使用することができ、これによって全体のコストを抑
えながら同時にGPRSまたはHSCSD単独のときよりもより大きな送信速度を実現で
きる。最適化のオプションはいくらでもある。例えば速度とコストをバランスさ
せることや、HSCSDリンクに接続したときに生じる遅れを最小に抑えるなどであ
る。
【0087】 (本発明による他の実施例) 上に述べたように本発明はさらに、個々のIPアドレスを有する複数の通信リン
クを1つのコンピュータが透過的に使用する方法としても利用できる。この方法
によって異なるIPネットワーク技術間をローミングすることが可能となる。
【0088】 このソリューションの利点は多くある。 - サービス領域、過負荷、悪い受信状態、その他の理由で個々の接続リンクが
落ちた場合でも接続が維持される。 - 外部的には1つのIPアドレスのみが使用されるので、(IPアドレッシングの
ためだけに)リンクを変える場合に生じる問題を解消する。 - 転送を速度またはコストの面で最適化することができる。 - 異なる技術間または同じ技術の異なるインスタンス間でのローミングが可能
となる(例えば、WLANそれ自体ではローミングは困難であるが、本発明によりWLA
Nでローミングが可能となる)。ユーザがWLANでのサービスを受けられない間、他
の通信リンクを使って接続を維持できる。 - ユーザは異なる通信リンクの利便を受けることができるので、個々のリンク
よりも優れたソリューションが得られる。
【0089】 今日の相互接続された世界において、多くの人およびアプリケーションにとっ
てインターネット接続を有することは絶対に必要である。今まで人々は多くの方
法を介してインターネットに接続している。例えば - モデム - LAN - ISDN - ケーブル - その他
【0090】 今までのところ、これらのうちある時点において同時に使用される通信リンク
はたった1つだけである。
【0091】 事実ISDNは並列に複数の通信リンク(Bチャネル)を使用することはできるが
、これらのリンクは同じ場所に終端し、かつ回線交換される。したがって原則的
には、ISDNは単一の通信リンクとみなすことができる。
【0092】 移動性については以前は大きな重要性を持たなかった。ある程度の進歩はあっ
たが、使用可能な帯域幅は余りにも低いので実用的ではなかった。移動通信ソリ
ューションはほとんどが半固定的な性格のもの、例えば公衆交換電話ネットワー
ク(PSTN)に接続するために使用するモデムを組み込んだ携帯コンピュータなど
、である。
【0093】 将来はインターネットに接続するための多くのオプションが可能なより複雑な
状況が現われるであろう。さまざまな理由(必要な帯域幅、コスト問題、サービ
ス領域、実現性、その他)により、ユーザは通常一度に使用可能な通信リンクの
一つを選択するようになるであろう。この状況において、固定ユーザは通信リン
クを選択して、数時間それを使用しつづけることができる。移動ユーザにとって
は、移動帯域幅が増大したことは移動データ通信がより興味深くはなるが、事態
はそんなに単純ではない。
【0094】 移動しているユーザは、図12に模式的に示すように、異なる時刻において異
なるネットワークアクセス方法のサービス領域内に存在するであろう。家庭また
はオフィスにおいて、無線LAN(WLAN)が多分好ましい方法であろう。ほかの場
合において、ユーザはブルートゥースや他の短距離システムに基づく接続ポイン
トを使用することができる。他のすべてのシステムのサービス領域の外にいると
き、GPRS、EDGEまたはWCDMA(Wide-band Code Division Multiple Access)また
はそれらの後継システムなどの移動通信システムがサービスを提供する。もちろ
ん、LANやモデムなど従来の方法でも可能である。以下の表は、いくつかの既知
の通信技術のサービス領域を示す。
【0095】 これらのシステムを切り替えることは、ユーザがネットワーク上で知られてい
るIPアドレスを常に変えることを意味する。これは、すなわちユーザは接続を再
び確立しなければならない、ということである。これには以下の手順が必要であ
る。 - 最初の通信リンクを切断する - 新しい接続リンクを介して接続する(これは機能するかも知れないし、しない
かも知れない) - すでに進行中の転送(ファイル転送など)を再開して、今まで何分もあるいは
何時間かかっても完了していない転送を中止する。 - IPアドレスが変更されたため認証がうまくいかないのでIPSec tunnelを再び
確立する
【0096】 WCDMAおよび他の広範な移動システムはデータを転送中にある程度移動可能と
することができるが、そのような方法に伴うコストを考えると常時使用は不可能
であろう。したがってユーザは依然として接続方法を選択せざるを得ない。
【0097】 上記の問題の一つの解決法は複数の通信リンクにデータを通すことである。こ
れらのリンクの内1つまたは数個のリンクが同時に動作可能であり、システムは
手動または自動的にリンクを追加または除外するのをサポートする。通信リンク
が追加または除外される理由として、限定はされないが以下の理由が考えられる
。 - サービス領域を失う - 現在使用されている通信リンクよりも速くて安い通信リンクが追加された(例
えば、オフィスに到着したときなど) - ユーザが手動で選択した この解決策を実現するには、2つの実体を追加しなければならない。 - クライアントソフトウェア - サーバソフトウェア
【0098】 クライアントソフトウェアのコアはクライアントのTCP/IPスタックの下に置か
れる。クライアントソフトウェアは使用可能な通信リンクの内1つまたは複数を
使ってデータを転送する役割を有する。本発明によるこの特長によるシステムの
実施例は図13に概略を示す。
【0099】 しかし、クライアントが使える通信リンクは図示した3つの通信リンクに制約
されているわけではない。また、すべての通信リンクがIPパケットをインターネ
ットに受け渡しできる限り、リンクのタイプはソリューションとは独立している
【0100】 サーバソフトウェアは複数のクライアントからデータを受け取り、それぞれの
クライアントは複数の通信リンクを介してデータを送ることができる。サーバは
遠隔のサーバにデータを転送し、最初に要求を出したクライアントに応答を中継
して返す。遠隔サーバは、例えばウェブサーバ等、クライアントに情報を提供す
るいかなるサーバでもよい。
【0101】 システムは個々のユーザまたはグループのユーザに使用を制限することもでき
る。
【0102】 このサーバが遠隔サーバからデータを受け取ったとき、どのクライアントにデ
ータを送るべきかを判断するには2つの方法がある。 - ポート番号 - IPアドレス
【0103】 これら2つの方法は以下の2つのセクションで説明する。
【0104】 このソリューションの利点は多く、以下の通りである。 - サービス領域、過負荷、受信状態の悪化、その他の理由で個々の接続リンク
が失われた場合でも接続が維持される - 外部的にはただ1つのIPアドレスが使われているので、(IPアドレッシング
のためだけに)リンクを変える際に生じる問題を解消する - 転送を速度またはコストの面で最適化することができる。 - 異なる技術間または同じ技術の異なるインスタンス間でのローミングが可能
となる(例えば、WLANそれ自体ではローミングは困難であるが、本発明によりWLA
Nでローミングが可能となる)。ユーザがWLAN(無線LAN)でのサービスを受けら
れない間、他の通信リンクを使って接続を維持できる。 - ユーザは異なる通信リンクの利便を受けることができるので、個々のリンク
よりも優れたソリューションが得られる。
【0105】 ポートアドレッシングはポート番号を使っておこない、データの意図された送
り先を特定する。クライアントから送られたデータはそのクライアントのIPアド
レスの1つを送り主として有する。サーバは遠隔サーバへの接続を開き、送り主
アドレスをそれ自体の(IPS0)に差し替えてデータを転送する。サーバが返答を
受け取ったなら、ポートアドレスを調べてその返答結果をどのクライアントへ送
るべきかを判断する。そしてサーバは、IPパケットを組み立てるためにクライア
ントが必要とする他の情報と共に、そのデータをクライアントに送る。
【0106】 PAM(プロトコルアダプターモジュール)はIPアドレスをTCP/IPスタックに報告
する。このアドレスは複数リンクの1つのリンクのIPアドレスでもよいし、それ
以外でもよい。それが1つのリンクのIPアドレスである場合、そのアドレスはそ
の通信リンクが落ちた場合でも使用することができるので、そのIPアドレスとの
リンクが落ちたとしても接続を維持することが可能である。
【0107】 ほとんどの転送に対してポートアドレッシングは機能する。これはウェブ(HT
TP)転送には特にうまくいく。サーバ上の単一のIPアドレス(IPS0)で多くのク
ライアントをサービスすることができるため、IPアドレスが乏しくなればポート
アドレッシングは重要となるであろう。アドレスのプール(IPS0-IPSn)から追加I
Pアドレスをポートアドレッシング用に割り当てることによって、より多くのク
ライアントをポートアドレッシング法でサービスすることができる。
【0108】 ポートアドレッシングを使わないこともある。その場合はIPアドレッシングが
使われる。
【0109】 この場合サーバは、クライアントに与えることができるIPアドレス範囲(図に
おいて(IPS0-IPSn)からポートアドレッシングに使われるアドレスを差し引い
たもの)が与えられる。これらのアドレスは、DHCP (Dynamic Host Configurati
on Protocol)を使用するときと同じやり方で、一時的にクライアントに割り当て
られる。
【0110】 クライアント(具体的にはPAM)はサーバにダイナミックまたは固定IPアドレス
を要求する。このアドレス(IPSx)はPAMがTCP/IPスタックに報告するアドレスで
あってもよい。その際スタックはクライアントの外では見えない固定IPアドレス
を使うように構成することができる。送られたすべてのパケットはこのアドレス
を送り主アドレスとして有する。PAMは(多分、より小さなフラグメントにパケ
ットを分割した後に)、それぞれがそれ自身のIPアドレスを有する複数の通信リ
ンクを使ってゲートウェイを介してパケットをサーバに送る。サーバは再びパケ
ットを組み立ててそのIPパケット、すなわちクライアントのIPレイヤーから送ら
れたIPパケットと同じパケット、を転送する。サーバから送り出されたIPパケッ
トは送り主アドレスとしてIPアドレスIPSxを有する。
【0111】 ネットワークからクライアントに送られたIPパケットはクライアント(IPSx)に
属するIPアドレスに宛てられる。そのアドレスに送られたパケットはサーバに回
送され、そのサーバは多分パケットをフラグメントに分割した後に送り先IPアド
レスをその場で変えてパケットをクライアントに転送する。IPアドレスが送り先
を一義的に特定するのでサーバはポート番号を使う必要はない。
【0112】 PAMは再びフラグメントを集めて、元のIPパケットに組み立てる。そのIPパケ
ットはTCP/IPスタックのIPレイヤーに渡される。
【0113】 クライアントはPAMを通常のネットワークアダプターとして見る。同様にネッ
トワークはクライアントのIPアドレスをクライアントの唯一のIPアドレスとして
見る。トンネルで起きることは、上位レイヤーの通信にとって、完全に透過的で
ある。したがって、すべてのアプリケーションは、データを送るために使われる
複数の通信リンクについては意識せずに、意図された通りに動作する。
【0114】 IPアドレッシングは、アクティブクライアントのそれぞれに対して追加IPアド
レスを使用する必要がある。そのためIPアドレスが欠乏した場合は可能であれば
ポートアドレッシングを使用する。
【0115】 本発明は、HSCSDやGPRSなどの異なる既知の通信方法を組み合わせるために使
用することができる。この場合、ユーザはHSCSD (High Speed Circuit Switched
Data)カードを取り付けたコンピュータと、外部GPRS電話を使う。これらのそれ
ぞれが移動データ通信に使うことができる。この明細書に説明したソリューショ
ンによって、これらは組み合わせて使用できる。GPRSはオンライン状態を維持す
るために使われ、HSCSDは専用帯域幅を提供できる。ユーザにとってこれはコス
トが下がり、帯域幅が増えることを意味する。通信業者にとっては、無線リソー
スをより効率的に利用することを意味する。
【0116】 別の例としてはWLANとWCDMAとを組み合わせることである。この場合、ユーザ
は内部的または外部的にWLANとWCDMA能力を有するコンピュータを使う。WLANは
より高い帯域幅を提供しコストも低いので通信には好ましい方法である。しかし
WLANはサービス領域が狭いのでローミング能力は提供できないかもしれない。し
たがって異なるWLAN領域間を移動するときに接続を維持するためにWCDMAを使う
。このローミング時に、WCDMAで大量のデータを転送する必要はない。ユーザがW
LANでカバーされる別の領域に入るまで接続を維持するために少量のデータを転
送すればよい。ユーザがWLANサービス領域に再び入ったなら、WLANまたはWCDMA
を使って、WLANリンクの新しいIPアドレスをサーバに報告する。
【0117】 さらに、ブルートゥースとGPRS/EDGE/WCDMAを組み合わせることもできる。こ
の場合、移動通信者はブルートゥースと、GPRS、 EDGEまたはWCDMA等の移動通信
ネットワークと通信する能力の両方を備える。ブルートゥースを介してアクセス
可能なネットワークの範囲内にいる間は、より速い速度と低いコストからそのネ
ットワークを第一に選ぶ。移動しているときは、移動ネットワークを使ってデー
タを転送する。本明細書で説明した方法を実施することによって、通信装置は常
にオンラインであり、使用可能な技術の中で好ましい技術を使用する。
【0118】 一つの実施例を使って本発明を説明してきた。これにいくつかの変更をおこな
うことが可能である。例えば、本システムを使って、サーバとしては機能してい
ないが別のネットワークに接続した2つの同等なユニット間で送信することがで
きる。さらに、他のタイプの最適化も考えられる。その場合他のタイプの情報が
必要となる。さらに、情報を所定時間の間隔にまたは必要に応じて継続的に収集
することもできるし、あるいは別々の機会に入力することもできる。システムは
、1つの共通サーバと通信するより多くのクライアント等、多数のユニットで構
成することもできる。これらおよび他の明らかな変更例は、添付クレームに定義
される本発明の範囲内にあるとみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるシステムの概略全体図である。
【図2】 1つの物理ユニットに数個の通信ルートを有するシステムの一実施例を示す概
略図である。
【図3】 いくつかの別々の通信ルートを有するシステムの一実施例を示す概略図である
【図4】 いくつかの通信ルートを有する1つの通信ユニットを備えたシステムの一実施
例を示す概略図である。
【図5】 いくつかの通信ルートを有するいくつかのユーザを含むシステムの一実施例を
示す概略図である。
【図6】 いくつかの通信ルートを有する統合ユニットを備えたシステムの一実施例を示
す概略図である。
【図7】 いくつかの最適化パラメータを有する組み合わせ最適化運用の実現例を示す説
明図である。
【図8】 設置されたPAMおよびNDMを含む、本発明によるNDISラッパーの一例を示す説明
図である。
【図9】 3つのNDMを介して伝送された出力信号の一例を示す説明図である。
【図10】 前記例によるPAMクラス間の関係を示す全体図である。
【図11】 前記例によるNDMクラス間の関係を示す全体図である。
【図12】 異なる通信技術によって異なるサービス領域が提供される様子を概略的に示す
説明図である。サービス領域は、国内全体(移動ネットワーク)に及ぶものから
局所に限られるもの(ブルートゥース、LAN、モデム)さらにそれらの中間に位
置するものまで多岐に渡る。本出願で述べる方法は、これら異なる技術の間を移
動することを可能にする。
【図13】 クライアントが複数の通信リンクを使って本システムのサーバを介して遠隔サ
ーバと通信する、本発明によるシステムの概略を示す説明図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年1月4日(2001.1.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 アクセルソン、クリスティアン スウェーデン国 ゲーテボルグ、エクラン ダガタン 23エイ Fターム(参考) 5K030 GA03 GA08 HA08 HB14 HC01 HC09 HD03 JA05 JL07 KA05 LB05 LC01 LE11 5K034 AA01 DD01 EE07 HH01 HH02 HH04 HH12 MM25

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに通信する少なくとも2つのユニット(1、2)の間で
    データを送信するシステムであって、前記システムは異なる特性を有する少なく
    とも2つの通信ルート(3−5)を含み、それぞれのユニットは1つの送信ユニ
    ットを有し、前記送信ユニットは通信ルートの特性情報を収集し、前記情報およ
    びユーザが与える最適化条件に基づいて、データフローを好ましくはデータパケ
    ットの形態で少なくとも前記2つの通信ルートの間で分割し、さらに、それぞれ
    のユニットは対応する1つの受信ユニットを有し、前記受信ユニットは前記少な
    くとも2つの通信ルートを介して送られてきたデータフローを再び組み立てる、
    ことを備えたシステム。
  2. 【請求項2】 互いに通信する少なくとも2つのユニット(1、2)の間で
    データを送信するシステムであって、前記システムは異なる特性を有する少なく
    とも2つの通信ルート(3−5)を含み、それぞれのユニットは1つの送信ユニ
    ットを有し、前記送信ユニットは通信ルートの特性情報を収集し、データフロー
    を好ましくはデータパケットの形態で分割し、前記収集された情報およびユーザ
    が与える最適化条件に基づいて、分割された部分のそれぞれに対して、前記少な
    くとも2つの通信ルートの内1つを選択し、さらに、それぞれのユニットは対応
    する1つの受信ユニットを有し、前記受信ユニットは前記少なくとも2つの通信
    ルートを介して送られてきたデータフローを再び組み立てる、ことを備えたシス
    テム。
  3. 【請求項3】 前記送信ユニットが前記通信ルート(3−5)の特性情報を
    連続的に収集し、その情報に基づいて前記データフローの分割を自動的に実行す
    る、請求項1または2に記載のシステム。
  4. 【請求項4】 前記送信ユニットが収集する特性情報の特性は、固定または
    可変料金、最大および現在の速度、パケットサイズ、転送時間、転送ユニットの
    IDまたは類似の情報、および予め定められた優先度、の内の1つまたは複数から
    なる、請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
  5. 【請求項5】 前記最適化条件は、料金、速度、中間転送ユニットに関する
    優先度等の1つまたは複数の最適化パラメータからなる、前記請求項のいずれか
    に記載のシステム。
  6. 【請求項6】 前記最適化条件は、複数の最適化パラメータと、前記最適化
    パラメータに関わる予め与えられた優先度の表示とからなる、請求項5に記載の
    システム。
  7. 【請求項7】 前記通信ルート(3)の少なくとも1つが無線ルートである
    、前記請求項のいずれかに記載のシステム。
  8. 【請求項8】 前記通信ルートが複数の基地局からなる無線通信ルートであ
    る、請求項7に記載のシステム。
  9. 【請求項9】 前記通信ユニット(2)の少なくとも1つがさらに別のネッ
    トワークに接続されてそのネットワークとのデータの受け渡しをおこなう、前記
    請求項のいずれかに記載のシステム。
  10. 【請求項10】 前記送信ユニットが、上位システムへの一様なインターフ
    ェイスを有するモジュールを有し、同時に前記少なくとも2つの通信ルートを介
    して通信することができ、前記少なくとも2つの通信ルートが、好ましくは少な
    くともインターフェイスまたは転送メカニズムに関して異なっている、前記請求
    項のいずれかに記載のシステム。
  11. 【請求項11】 異なる特性を有する少なくとも2つの通信ルート(3−5
    )を介して相互に通信する2つのユニット(1、2)の間でデータを送信する方
    法であって、 前記送信ユニットにおいて前記通信ルートの特性情報を収集し、 前記送信ユニットにおいてさらにユーザが与える最適化条件の情報を収集し、 前記送信ユニットにおいて前記情報に基づいて前記データフローを分割し、 前記分割されたデータを、好ましくはデータパケットの形態で前記少なくとも
    2つの通信ルートに送信し、 前記受信ユニットにおいて前記少なくとも2つの通信ルートを介して送られて
    きたデータフローを受け取り再び組み立てる、ステップを備えた方法。
  12. 【請求項12】 異なる特性を有する少なくとも2つの通信ルート(3−5
    )を介して相互に通信する少なくとも2つのユニット(1、2)の間でデータを
    送信する方法であって、 前記送信ユニットにおいて前記通信ルートの特性情報を収集し、 前記送信ユニットにおいてさらにユーザが与える最適化条件の情報を収集し、 前記送信ユニットにおいて前記情報に基づいて前記データフローを分割し、 前記分割されたデータのそれぞれを、好ましくはデータパケットの形態で前記
    2つの通信ルートの1つに送信し、各データ部分の通信ルートの選択を収集され
    た情報および与えられた最適化条件によって制御し、 前記受信ユニットにおいて前記少なくとも2つの通信ルートを介して送られて
    きたデータフローを受け取り再び組み立てる、ステップを備えた方法。
  13. 【請求項13】 前記送信ユニットが収集する特性情報の特性は、固定また
    は可変料金、最大および現在の速度、パケットサイズ、転送時間、転送ユニット
    のIDまたは類似の情報、および予め定められた優先度、の内の1つまたは複数か
    らなる、請求項11または12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記最適化条件は、料金、速度、中間転送ユニットに関す
    る優先度等の1つまたは複数の最適化パラメータからなる、請求項11から13
    のいずれかに記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記受信ユニットから受け取ったデータを送信し、それを
    別のネットワークへ転送するステップをさらに含む、請求項11から14に記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 少なくとも2つの通信ルート(3−5)を介してデータを
    送る端末ユニットであって、前記端末ユニットは送信ユニット(1)と受信ユニ
    ット(2)とからなり、前記送信ユニット(1)は前記少なくとも2つの通信ル
    ート(3−5)に接続され、データフローを部分に分割して前記分割したデータ
    フロー部分をほぼ同時に前記少なくとも2つの通信ルート(3−5)を介して送
    り、 前記受信ユニット(2)は分割されたデータフロー部分を異なるラインで受け取
    り、それらを1つのデータフローに再び組み立てる、ことを備えた端末ユニット
  17. 【請求項17】 少なくとも1つ、好ましくはすべての通信ルート(3)が
    無線ルートである、請求項16に記載の端末ユニット。
  18. 【請求項18】 複数のアンテナ、好ましくは各無線通信ルートに1つのア
    ンテナを有する、請求項17に記載の端末ユニット。
  19. 【請求項19】 複数の送信ステップ、好ましくは各無線通信ルートに1つ
    の送信ステップを有する、請求項17または18に記載の端末ユニット
  20. 【請求項20】 互いに通信する少なくとも2つのユニット(1、2)の間
    でデータを送信するシステムであって、前記システムは異なる基地局を結ぶ少な
    くとも2つの無線通信ルート(3)を有し、それぞれのユニットは1つの送信ユ
    ニットを有し、前記送信ユニットはデータフローを好ましくはデータパケットの
    形態で少なくとも前記2つの通信ルート(3)の間で分割し、さらに、それぞれ
    のユニットは対応する1つの受信ユニットを有し、前記受信ユニットは前記少な
    くとも2つの通信ルートを介して送られてきたデータフローを再び組み立てる、
    ことを備えたシステム。
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