JP2002544036A - 道路走行車両のブレーキ装置のための操作ペダル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 道路走行車両のブレーキ装置のための操作ペダル（１）であって、車両の車体側に固定されたペダルブロック（７）に設けた回転支承部内に操作ペダルを固定するための固定装置（６）と、制動力倍力モジュール（５）への固定装置（４）と、ペダル体（２）と、操作踏み面（３）とが設けられている形式のものにおいて、ペダル体（２）が、内側に位置する少なくとも１つの金属芯（８）と、この金属芯を囲むプラスチック被覆（９）とを有している。本発明によるこの構成によれば、プラスチック被覆内に、支承部、制動灯スイッチ、ばね復帰機構などのための付加的な組込みエレメントが付加的な生産工程なしに簡単な形式で組み込まれることができるため、操作ペダルのねじりに対して強い構造と、安価な製作とが可能である。さらに、固定装置の特別な構成によって本発明による操作ペダルの旋回時の操作感覚の任意の適合が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は道路走行車両のブレーキ装置のための操作ペダルであって、車両の車
体側に固定されたペダルブロックに設けた回転支承部内に操作ペダルを固定する
ための固定装置と、制動力倍力モジュールへの結合装置と、ペダル体と、操作踏
み面とを備えている形式のものに関する。

【０００２】 冒頭に記載したこの種の操作ペダルは商用車および自動車で久しい以前から使
用されている。操作ペダルは強度および結合強さに関して満足すべき高い要求を
課せられており、その場合、特に非常制動または全制動の状況では運転者によっ
て著しく高い力が操作ペダルに負荷されることが考慮されなければならない。

【０００３】 さらに、操作ペダルの踏み込み時にはいつでも運転者に直接的かつ良好な制動
感覚を与えることも所望され、かつ必要とされる。

【０００４】 これらの要求に鑑み、現時点で使用されている操作ペダルは例外なく鋼から製
作されている。一般にはこの種の構成部分は鋼薄板から製造され、その際、製造
過程全体は複数の変形プロセスから成り、かつベース薄板部分としてのペダル体
には付加的に、例えば復帰ばねの取付のための、またはリミットスイッチの操作
のための別の構成部分が溶接される。個々の作業工程の数は、製造時の自動化技
術にもかかわらず、その他の車両コンポーネントに比してこの種の操作ペダルの
生産を特別高価にする。それというのは、本来の成形過程の終了後に続いて付加
的に塗料コーティングの形態で表面処理を行うのが一般的であるからである。そ
の上、従来技術で使用される操作ペダルは、それがその構造の点で比較的大きな
重量を有するという重大な欠点を有しており、このことが特に事故の際に不利に
作用する。

【０００５】 それゆえ本発明の課題は従来の操作ペダルの従来技術から知られている欠点を
回避するような、冒頭に記載した形式の操作ペダルを提供することにある。特に
生産時に著しいコスト節約が得られなければならない。さらに、制動過程時の操
作感覚かさらに最適でなければならない。

【０００６】 上記課題は本発明によれば請求項１の上位概念に記載の特徴との組合せにおい
て、ペダル体が、内側に位置する少なくとも１つの金属芯と、この金属芯を囲む
プラスチック被覆とを有していることにより解決される。

【０００７】 操作ペダルの本発明による構造的な特徴は、第１に、内側に位置する金属芯の
使用により、操作ペダルのねじり強さおよび高い破壊荷重が保証され、その上、
プラスチック被覆が操作ペダルのための最適な形状付与を可能にし、しかも、製
作過程全体がハイブリッドテクノロジーによって特別安価に実施されることがで
きることにある。本発明による操作ペダルでは、生産の枠内で製作工程のかなり
の数が省かれると共に、後続の表面処理がもはや不要となる。

【０００８】 本発明の対象の特別な構成は請求項２以下の請求項から明らかである。

【０００９】 金属芯の被覆に関連して、車体側に固定された保持部に操作ペダルを固定する
ための固定装置がプラスチック被覆と一体に形成されていると特別有利である。
操作ペダルの旋回に必要な支承箇所はプラスチック射出成形技術によって問題な
く被覆内に組み込まれる。

【００１０】 さらに本発明の別の利点は、例えば制動灯スイッチの操作またはばね復帰機構
の懸架のための付加的な取付けエレメントが問題なくプラスチック被覆内に組み
込まれることができることにある。このことのために、プラスチック被覆の射出
過程のための１回の型形成から出発して別の特別な方法段階および生産段階は不
要である。

【００１１】 さらに、複雑でない変形過程の枠内で製作されることのできる簡単に成形され
る鋼薄板芯として金属芯が形成されると有利である。プラスチック被覆のための
材料として有利にはＰＡ６またはＰＡ６．６／ＧＦが使用される。さらに、操作
踏み面は２コンポーネント法でペダル体に一体成形され、その場合、この操作踏
み面はポリウレタンから成る載着層を獲得する。

【００１２】 本発明によるペダル体の構成はさらに、操作ペダルの固定装置がピンエレメン
トを備えており、このピンエレメントが固定装置とは逆の側のその自由端にばね
負荷された少なくとも１つの圧力ローラを有し、この圧力ローラが固定装置の回
転支承点を中心とする操作ペダルの旋回時に、車体側に固定されたペダルブロッ
クに設けた協働するカムトラック上で転動することを可能にする。ペダルブロッ
クに設けたカムトラックはペダルの復帰のための所望の力の履歴に応じて適当に
適合させられ、その結果、運転者のために最適な操作感覚が得られる。さらに、
カムトラックは製作誤差の存在にもかかわらず組込み後に自動的に操作ペダルの
遊びがなくなるように形成されることができ、その結果、ブレーキ装置の操作時
の遊びのない制動作用が保証される。

【００１３】 さらに、ペダル体が制動力倍力モジュールへの結合装置と協働する箇所に長穴
を有し、この長穴内に結合装置のブッシュロッドが移動可能に配置されていると
特別有利である。長穴の形状はプッシュロッドの妨げのない直線案内を許容し、
その結果、操作ロッドの運動時のさらなる自由度を得るための付加的な玉継手を
省くことができる。さらに、ペダル角度が大きく、ひいてはペダル長さが短く形
成されることができる。

【００１４】 次に、本発明の１実施例を添付図面につき詳細に説明する。

【００１５】 図１に全体を符号１で示した道路走行車両のブレーキ装置のための操作ペダル
は主としてペダル体２と、操作踏み面３と、ブレーキ倍力モジュール５への結合
装置４と、道路走行車両の車体側に固定されたペダルブロック７に操作ペダル１
を固定するための固定装置６とを有している。

【００１６】 ペダル体２は図２から看取されるように、内部に位置する２つの金属芯８と、
これを囲むＰＡ６またはＰＡ６．６／ＧＦから成るプラスチック被覆９とから成
る。金属芯８は本実施例では主として方形横断面を有しており、この横断面は操
作ペダルの要求されるねじり強さに関して特別に有利である。結合装置４の領域
内では金属芯８がそれぞれ切欠を備えており、この切欠を通して、結合装置４の
ピンエレメントが貫通案内されている。プラスチック被覆９内の金属芯８のこの
構成は同様に図２から看取される。金属芯８は有利には鋼薄板から成り、かつ１
．５〜２ｍｍの厚さを有している。この厚さは金属芯８を囲むプラスチック被覆
９とあいまって、従来技術から公知である全体として鋼薄板から製作された操作
ペダルに対比して同じねじり強さ、またはさらに改善されたねじり強さを保証す
るに十分である。さらに、わずかな材料厚はプラスチック被覆９のわずかな重量
とあいまって、操作ペダル１全体の５０重量パーセントより多い重量軽減をもた
らす。

【００１７】 プラスチック被覆９によって金属芯８を射出被覆することにより、同時に操作
踏み面３をプラスチック被覆と一体に形成することが可能であり、このプラスチ
ック被覆に同時にホリウレタンから成る付加的な載着層１０を備えることが可能
であり、かつこれにより操作踏み面３の適当な滑りどめ性を保証することが可能
である。

【００１８】 さらに、プラスチック被覆内に回転支承部１２の構成部分である支承面１１が
一体形成されており、回転支承部を介して操作ペダル１がペダルブロック７に旋
回可能に固定される。操作ペダル１の上方の端部には固定装置６の付加的な構成
部分としてピンエレメント１３が操作ペダル１のプラスチック被覆９に固定的に
結合されている。ピンエレメント１３は固定装置６とは逆の側のその前方の自由
端に少なくとも１つの圧力ローラ１４を備えており、この圧力ローラはピンエレ
メント１３の内部に配置された、ここでは詳細に図示されていないコイルばねに
よって外向きに最大位置まで押圧される。圧力ローラ４は操作ペダル１とペダル
ブロック７との組付け状態ではカムトラック１５に当接している。

【００１９】 操作ペダル１が車両運転者によって回転支承部１２を中心として旋回させられ
ると、圧力ローラ１４がカムトラック１５上を転動し、その際、ピンエレメント
１３内に配置された圧縮ばねが圧縮される。圧縮ばねの圧縮は操作ペダルの復帰
のために必要な力を生じ、その際、カムトラック１５の形状は復帰力の値へ直接
的に影響し、かつこれにより、カムトラック形状によって操作ペダルの旋回時の
操作感覚の直接的な影響が生じる。

【００２０】 さらに、復帰エレメントを組み込んだ固定装置６の本発明による構成が有する
利点は、操作レバー１およびペダルブロック７の配置全体にまったく遊びが生じ
ないことにある。それというのは、ブレーキペダル１の休止位置では圧力ローラ
１４がカムトラック１５の最も低い点を越えて走行しており、これにより、ブレ
ーキ倍力装置の復帰のばね力に対抗する力がブレーキペダル１に作用し、この力
が場合により製作誤差により存在する遊びを補償するからである。

【００２１】 さらに図１から看取されるように、ペダル体２は結合装置４の領域内に長穴１
６を備えている。この長穴１６内にはペダル体縦軸線に対して直角に延びるピン
１７が挿入されており、このピンは結合装置４の構成部分を成していてプッシュ
ロッド１８に固定的に結合されており、プッシュロッドは矢印Ｐの方向での運動
により道路走行車両のブレーキ装置の内部に圧力上昇を生じる。長穴１６によっ
て、プッシュロッド１８の完全に直線的な運動の実施と、操作ペダル１の旋回時
のあらゆるジャミングの排除とが保証される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 自動車のペダルブロックに取り付けた本発明による操作ペダルの側面図である
。

【図２】 図１のＢ−Ｂ線に沿って本発明による操作ペダルを断面した図である。

【符号の説明】 １ 操作ペダル、 ２ ペダル体、 ３ 操作踏み面、 ４ 結合装置、 ５
制動力倍力モジュール、 ６ 固定装置、 ７ ペダルブロック、 ８ 金属
芯、 ９ プラスチック被覆、 １０ 載着層、 １１ 支承面、 １２ 回転
支承部、 １３ ピンエレメント、 １４ 圧力ローラ、 １５ カムトラック
、 １６ 長穴、 １７ ピン、 １８ プッシュロッド

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カイト ヴァーゲナー ドイツ連邦共和国 ビッセンドルフ グラ ートヴェーク ４

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 道路走行車両のブレーキ装置のための操作ペダルであって、
   車両の車体側に固定されたペダルブロック（７）に設けた回転支承部（１２）内
   に操作ペダル（１）を固定するための固定装置（６）と、制動力倍力モジュール
   （５）への結合装置（４）と、ペダル体（２）と、操作踏み面（３）とを備えて
   いる形式のものにおいて、ペダル体（２）が、内側に位置する少なくとも１つの
   金属芯（８）と、この金属芯を囲むプラスチック被覆（９）とを有していること
   を特徴とする道路走行車両のブレーキ装置のための操作ペダル。
2. 【請求項２】 固定装置（６）がプラスチック被覆（９）と一体に形成され
   ていることを特徴とする請求項１記載の操作ペダル。
3. 【請求項３】 金属芯（８）が鋼薄板芯であることを特徴とする請求項１ま
   たは２記載の操作ペダル。
4. 【請求項４】 プラスチック被覆（９）がＰＡ６またはＰＡ６．６／ＣＦか
   ら成ることを特徴とする請求項１から３までのいずれか１項記載の操作ペダル。
5. 【請求項５】 操作踏み面（３）が２コンポーネント法でペダル体（２）に
   一体射出成形されており、その場合、操作踏み面（３）が、ポリウレタンから成
   る載着層（１０）を有していることを特徴とする請求項１から４までのいずれか
   １項記載の操作ペダル。
6. 【請求項６】 ペダル体（２）のプラスチック被覆（９）が、制動灯スイッ
   チと支承部と復帰機構とのための、ペダル体と一体に形成された組込みエレメン
   トを有していることを特徴とする請求項１から５までのいずれか１項記載の操作
   ペダル。
7. 【請求項７】 固定装置（６）がピンエレメント（１３）を有しており、こ
   のピンエレメントが、固定装置（６）とは逆の側の自由端にばね負荷された少な
   くとも１つの圧力ローラ（１４）を有しており、この圧力ローラは固定装置の回
   転支承部（１２）を中心とする操作ペダル（１）の旋回時に、車体側に固定され
   たペダルブロック（７）に設けた協働するカムトラック（１５）上を転動するよ
   うになっており、その場合、操作ペダルの休止位置では圧力ローラがカムトラッ
   ク（１５）の最も低い点の上方１〜２°に位置することを特徴とする請求項１か
   ら６までのいずれか１項記載の操作ペダル。
8. 【請求項８】 ペダル体（２）が長穴（１６）を有しており、この長穴内に
   制動力倍力モジュール（５）への結合装置（４）のプッシュロッドが移動可能に
   配置されていることを特徴とする請求項１から７までのいずれか１項記載の操作
   ペダル。