JP2002543222A - ポリマーを表記するためのシステムおよび方法 - Google Patents

ポリマーを表記するためのシステムおよび方法

Info

Publication number
JP2002543222A
JP2002543222A JP2000614193A JP2000614193A JP2002543222A JP 2002543222 A JP2002543222 A JP 2002543222A JP 2000614193 A JP2000614193 A JP 2000614193A JP 2000614193 A JP2000614193 A JP 2000614193A JP 2002543222 A JP2002543222 A JP 2002543222A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
data structure
properties
chemical
polymers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000614193A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4824170B2 (ja
Inventor
ギャネシュ ベンカタラマン,
ザチャリー シュリバー,
ラフル ラマン,
ラム サシセックハラン,
ニシュラ ケイサー,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Massachusetts Institute of Technology
Original Assignee
Massachusetts Institute of Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Massachusetts Institute of Technology filed Critical Massachusetts Institute of Technology
Publication of JP2002543222A publication Critical patent/JP2002543222A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4824170B2 publication Critical patent/JP4824170B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16BBIOINFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR GENETIC OR PROTEIN-RELATED DATA PROCESSING IN COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY
    • G16B50/00ICT programming tools or database systems specially adapted for bioinformatics
    • G16B50/30Data warehousing; Computing architectures
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16BBIOINFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR GENETIC OR PROTEIN-RELATED DATA PROCESSING IN COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY
    • G16B50/00ICT programming tools or database systems specially adapted for bioinformatics
    • G16B50/40Encryption of genetic data
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16CCOMPUTATIONAL CHEMISTRY; CHEMOINFORMATICS; COMPUTATIONAL MATERIALS SCIENCE
    • G16C20/00Chemoinformatics, i.e. ICT specially adapted for the handling of physicochemical or structural data of chemical particles, elements, compounds or mixtures
    • G16C20/20Identification of molecular entities, parts thereof or of chemical compositions
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16BBIOINFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR GENETIC OR PROTEIN-RELATED DATA PROCESSING IN COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY
    • G16B50/00ICT programming tools or database systems specially adapted for bioinformatics
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S707/00Data processing: database and file management or data structures
    • Y10S707/99931Database or file accessing
    • Y10S707/99933Query processing, i.e. searching
    • Y10S707/99936Pattern matching access
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S707/00Data processing: database and file management or data structures
    • Y10S707/99941Database schema or data structure
    • Y10S707/99943Generating database or data structure, e.g. via user interface

Abstract

(57)【要約】 本発明は、化学ユニットのポリマーを表現する表記法に関する。この表記法は、特性コード命名法(PEN)といわれる。表記法の1つの実施形態に従って、ポリマーは、ポリマーの特性についての情報を含む識別子を割り当てられる。例えば、1つの実施形態では、ジサッカリドの特性は、それぞれ二進数値を割り当てられ、そしてジサッカリドについての識別子は、ジサッカリドの特性に対して割り当てられた二進数値を含む。1つの実施形態では、この識別子は、1桁の16進数の数字のような、数として表現され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (背景) 種々の表記法が、化学ユニットのクラスをコードするために用いられている。
このような方法では、固有のコードが、このクラスにおける各化学ユニットに対
して割り当てられる。例えば、アミノ酸をコードするための従来の表記法では、
アルファベットの1文字が、各公知のアミノ酸に割り当てられる。化学ユニット
のポリマーは、このような表記法を用いて、化学ユニットに対応する1組のコー
ドとして、表現され得る。このような表記法は、コンピューター読み取り可能な
形式で、タンパク質のようなポリマーをコードするために用いられている。この
ような表記法に従うコンピューター読み取り可能な形式で表現されているポリマ
ーは、コンピューターにより処理され得る。
【0002】 化学ユニットを表現するための従来の表記スキームは、文字(例えば、核酸に
ついて、A、T,G、およびC)として化学ユニットを表現しており、そして配
列または文字の組として、化学ユニットのポリマーを表現していた。種々の演算
が、このような化学ユニットまたは化学ユニットを含むポリマーのこのような表
記表現において実行され得る。例えば、ユーザーは、化学ユニットの問い合わせ
配列について、化学ユニットのデータベースを検索し得る。ユーザーは、代表的
には、文字の配列の形式で、配列のキャラクタベースの表記表現を提供し、これ
は、データベース内に保存された化学ユニットの配列のキャラクタベースの表記
表現に対して比較される。しかし、キャラクタベース検索アルゴリズムは、代表
的には遅い。なぜならば、このようなアルゴリズムは、データベース内に保存さ
れた化学ユニットの配列中の個々の文字に対して、問い合わせ配列中の個々の文
字を比較することにより検索するからである。従って、このような検索の速度は
、問い合わせ配列の長さと相関し、長い問い合わせ配列について特に劣った性能
となる。
【0003】 (要旨) ポリマーは、ポリマーの特性を同定し、そして参照ポリマーに対してこれらの
特性を比較すること(本明細書中で、特性コード命名法(property e
ncoded nomencluture)(PEN)といわれるプロセス)に
より特徴付けられ得る。1つの実施形態では、この特性は、二進表記法を用いて
コードされ、そして比較は、ポリマーの二進表現を比較することにより達成され
る。例えば、1つの局面では、サンプルポリマーは、実験的拘束を受けて、ポリ
マーを修飾し、修飾されたポリマーは、ポリマーの参照データベースと比較され
て、サンプルポリマーの特性と同じかまたは類似する特性を有する、ポリマーの
集団を同定する。この方法は、参照データベース中のポリマーの集団が1つまで
減少し、かつサンプルポリマーの正体がわかるまで繰り返され得る。
【0004】 1つの局面では、本発明は、化学ユニットのポリマーを表現する表記法に関す
る。この表記法は、特性コード命名法(PEN)といわれる。表記法の1つの実
施形態に従って、ポリマーは、ポリマーの特性についての情報を含む識別子を割
り当てられる。例えば、1つの実施形態では、ジサッカリドの特性は、それぞれ
二進数値を割り当てられ、そしてジサッカリドについての識別子は、ジサッカリ
ドの特性に対して割り当てられた二進数値を含む。1つの実施形態では、この識
別子は、1桁の16進数の数字のような、数として表現され得る。この識別子は
、ポリマーデータベースのデータユニット(例えば、レコード、または表エント
リ)のように、コンピューター読み取り可能媒体に記録され得る。ポリマー識別
子は、多数の方法で用いられ得る。例えば、識別子は、化学ユニットの問い合わ
せ配列の特性が、化学ユニットのポリマーの特性に一致するか否かを決定するた
めに用いられ得る。このような整合の1つの適用は、目的の特定のポリマー、ま
たは規定の特性を有するポリマーについてポリマーデータベースを迅速に検索す
ることである。
【0005】 1つの局面では、本発明は、化学ユニットのポリマーを表現する、データ構造
(これは、コンピューター読み取り可能媒体に実体として組込まれている)に関
する。別の局面では、本発明は、このようなデータ構造を生成するためのコンピ
ューター実行法に関する。このデータ構造は、ポリマーの特性に対応する値を記
録する1つ以上のフィールドを含み得る識別子を含み得る。少なくとも1つのフ
ィールドが、非キャラクタベースのフィールドであり得る。各フィールドは、二
進数値を記録し得る。この識別子は、1桁の16進数として表現可能である数字
のように、数字の識別子であり得る。
【0006】 ポリマーは、種々のポリマーのいずれかであり得る。例えば、(1)ポリマー
はポリサッカリドであり得、そして化学ユニットはサッカリドであり得る;(2
)ポリマーは核酸であり得、そして化学ユニットはヌクレオチドであり得る;ま
たは(3)ポリマーはポリペプチドであり得、そして化学ユニットはアミノ酸で
あり得る。
【0007】 特性は、ポリマー中の化学ユニットの特性であり得る。例えば、この特性は、
ポリマー中の化学ユニットの電荷、ポリマー中の化学ユニットの正体、ポリマー
中の化学ユニットの確認、またはポリマー中の化学ユニットの置換基の正体を含
み得る。この特性は、ポリマー内の個々の化学ユニットのいずれかの特性ではな
い、ポリマーの特性であり得る。例示的特性はとしては、ポリマーの総電荷、ポ
リマーの硫酸の総数、ポリマーの色素結合、ポリマーの質量、置換基の組成比、
イズロン酸対グルクロン酸の組成比、酵素感受性、硫酸化の程度,電荷、および
キラリティーが挙げられる。
【0008】 別の局面では、本発明は、化学ユニットの問い合わせ配列の特性が、化学ユニ
ットのポリマーの特性に一致するか否かを決定するためのコンピューター実行方
法に関する。この問い合わせ配列は、問い合わせ配列の特性に対応する値を記録
するための1ビット以上のフィールドを含み得る識別子を含む、第1のデータ構
造(これは、コンピューター読み取り可能媒体に実体として組込まれている)に
より表現され得る。ポリマーは、ポリマーの特性に対応する値を記録するための
1ビット以上のフィールドを含み得る識別子を含む、第2のデータ構造(これは
、コンピューター読み取り可能媒体に実体として組込まれている)により表現さ
れ得る。この方法は、第1のデータ構造の1ビット以上のフィールドにおいて記
録された値に基づき、少なくとも1つのマスクを生成し、少なくとも1つの結果
を生成するための少なくとも1つのマスクを用いる第2のデータ構造の1ビット
以上のフィールドにおいて記録された値に対して、少なくとも1つの二進演算を
実行し、そして問い合わせ配列の特性が少なくとも1つの結果に基づくポリマー
の特性と一致するか否かを決定する演算を含み得る。化学ユニットは、例えば、
上記の化学ユニットのいずれかであり得る。同様に、この特性は、上記の特性の
いずれかであり得る。
【0009】 1つの実施形態では、生成する演算は、第1のデータ構造の1ビット以上のフ
ィールドにおいて記録される値に等しいビットの配列として、少なくとも1つの
マスクを生成する演算を含む。別の実施形態では、生成する演算は、第1のデー
タ構造の1ビット以上のフィールドにおいて保存された値の連続反復として、少
なくとも1つのマスクを生成する演算を含む。
【0010】 さらなる実施形態では、少なくとも1つのマスクは、複数のマスクを含み、そ
して少なくとも1つの二進演算を行う演算は、複数の中間結果を生成するための
複数のマスクの各々を用いる、第2のデータ構造の1ビット以上のフィールドに
おいて記録された値に基づいて論理AND演算を行い、そして少なくとも1つの
結果を生成するために少なくとも1つの論理OR演算を用いる複数の中間結果と
組み合わせる演算を含む。1つの実施形態では、決定する演算は、少なくとも1
つの結果が非ゼロ値を有する場合、問い合わせ配列の特性が、ポリマーの特性と
一致するか否かを決定する演算を含む。さらなる実施形態では、少なくとも1つ
の二進演算は、少なくとも1つの論理AND演算を含む。
【0011】 別の局面では、本発明は、1つ以上のポリマーを説明する情報を記録するため
のデータベース(これは、コンピューター読み取り可能な媒体に実体として組込
まれている)に関する。このデータベースは、1つ以上のポリマーに対応する1
つ以上のデータユニット(例えば、レコードまたは表エントリ)を含み得る。こ
のデータユニットの各々は、ポリマーの特性に対応する値を記録するための1つ
以上のフィールドを含み得る識別子を含み得る。
【0012】 別の実施形態では、本発明は、ポリマーの化学ユニットに対応するデータ構造
(これは、コンピューター読み取り可能な媒体に実体として組込まれている)に
関する。このデータ構造は、1つ以上のフィールドを含む識別子を含み得る。各
フィールドは、化学ユニットの1つ以上の特性に対応する値を記録するためのも
のであり得る。少なくとも1つのフィールドは、例えば、二進数値または十進数
値のような、非キャラクタベース値を記録し得る。
【0013】 ポリマーは、ポリマーの特性を同定し、そしてその特性を参照ポリマーに対し
て比較すること(本明細書中で、特性コード命名法(PEN)といわれる処理)
により特徴付けられ得る。1つの実施形態では、この特性は、二進表記法を用い
てコードされ、そして比較は、ポリマーの二進表現を比較することにより達成さ
れる。例えば、1つの局面では、サンプルポリマーは、実験的拘束を受けて、こ
のポリマーを修飾し、修飾されたポリマーは、ポリマーの参照データベースに対
して比較されて、サンプルポリマーの特性と同じかまたは類似する特性を有する
ポリマーの集団を同定する。この方法は、参照データベース中のポリマーの集団
が1つまで減少し、かつサンプルポリマーの正体がわかるまで繰り返され得る。
【0014】 化学ユニットのポリマーの特性のデータベースを含むシステムでは、公知の分
子量および長さを有する化学ユニットのサンプルポリマーの組成を決定するため
の方法が、本発明の1つの局面に従って提供される。 この方法は、以下の工程を包含する: (A)データベースから、化学ユニットのサンプルポリマーと同じ長さを有し
、かつ化学ユニットのサンプルポリマーの分子量と類似の分子量を有する化学ユ
ニットの候補ポリマーを選択する工程; (B)化学ユニットのサンプルポリマーについて実験を行う工程; (C)この実験から生じる化学ユニットのサンプルポリマーの特性を測定する
工程;および (D)化学ユニットの候補ポリマーから、実験結果に対応しない特性を有する
化学ユニットのポリマーを除去する工程。
【0015】 いくつかの実施形態において、この方法はまた、以下の工程を包含する: (E)化学ユニットの候補ポリマーの数が、予め決定された閾値より下になる
まで、工程(D)を繰り返して行う工程。
【0016】 他の局面において、本発明は、化学ユニットのサンプルポリマーと同じ特性を
有する化学ユニットのポリマーの集団を同定するための方法である。この方法は
、化学ユニットのサンプルポリマーの特性を決定する工程、およびこのサンプル
ポリマーの特性を既知の配列のポリマーの参考データベースおよび既知の特性と
比較する工程を包含する。化学ユニットのサンプルポリマーと同じ特性を有する
化学ユニットのポリマーの集団を同定するためにであり、ここでポリマーの参考
データベースは、ポリマーの化学ユニットに対応する識別子を含み、識別子の各
々は、その特性に対応する値を記憶するフィールドを含む。
【0017】 1つの実施形態において、サンプルポリマーの特性を決定する工程は、ポリマ
ーの分子量を決定するために質量分析(例えば、マトリクスアシスティドレーザ
ーデソープションイオン化質量分析(MALDI−MS)エレクトロンスプレー
−MS、ファーストアトムボンバードメント質量分析(FAB−MS)および衝
撃活性化解離質量分析(CAD))の使用を含む。例えば、MALDI−MSは
、約1ダルトンの正確さでポリマーの分子量を決定するために使用され得る。
【0018】 他の実施形態におけるポリマーの特性を同定する工程は、強力なイオン交換ク
ロマトグラフィーによって検出され得るいくつかの長さのユニットの断片へのポ
リマーのサイズの分解が含み得る。ポリマーのフラグメントは、参考データベー
スポリマーと比較され得る。
【0019】 他の局面によると、本発明は、化学ユニットのサンプルポリマーとの共通の特
性を有するポリマーの部分集団を同定するための方法である。この方法は、ポリ
マーを修飾するために、実験的拘束をポリマーに適用する工程、修飾されたポリ
マーの特性を検出する工程、サンプルポリマーと同じ分子長を有する化学ユニッ
トのポリマーの集団を同定する工程、およびポリマーの同定された集団の部分集
団を同定する工程を包含する。このポリマーは、ポリマーの同定された集団から
、修飾されたポリマーに対応しない特性を有するポリマーを除去することによっ
て修飾されたポリマーと同じ特性を有する。これらの工程は、2度修飾されたポ
リマーに共通な第2の特性を有するポリマーの部分集団内の第2の部分集団を同
定するために、修飾されたポリマーで繰り返され得る。次いで、部分集団内のポ
リマーの数が、予め決定された閾値より下がるまでこれらの工程の各々は繰り返
され得る。この方法は、ポリマーの配列を同定するために行われ得る。この場合
、部分集団内のポリマーの予め決定された閾値は、2つのポリマーである。
【0020】 さらに別の局面において、本発明は、化学ユニットのサンプルポリマーに共通
する特性を有するポリマーの部分集団を同定するための方法である。この方法は
、ポリマーを修飾するために、実験的拘束をポリマーに適用する工程、修飾され
たポリマーの第1の特性を検出する工程、サンプルポリマーと共通する第2の特
性を有する化学ユニットのポリマーの集団を同定する工程、およびポリマーの同
定された集団の部分集団を同定する工程を包含する。このポリマーの集団は、ポ
リマーの同定された集団から、修飾されたポリマに対応しない特性を有するポリ
マーを除去することによって修飾されたポリマーと同じ第1の特性を有する。
【0021】 1つの実施形態において、ポリマーに適用された実験的拘束は、各々の反復に
ついて異なる。実験的拘束は、任意の操作であり得る。この操作は、ポリマーま
たはポリマーのユニットについての構造情報を引き出すことが可能である様式で
ポリマーを変化する。いくつかの実施形態において、ポリマーに適用された実験
的拘束は、任意の1以上の以下の制限であり得る:酵素学的消化(例えば、細胞
外酵素、細胞内酵素、制限エンドヌクレアーゼでの消化);化学消化;化学修飾
;結合化合物との相互作用;化学剥離(すなわち、モノサッカリドユニットの除
去);および酵素学的修飾(例えば、ヘパリン硫酸塩スルホトランスフェラーゼ
を用いた特定部位での硫酸化)。
【0022】 本発明の方法によって検出されるポリマーの特性は、ポリマーまたはユニット
の任意の構造的特性であり得る。例えば、ポリマーの特性は、分子量またはポリ
マーの長さであり得る。他の実施形態において、特性は、置換基またはユニット
組成の比、ポリサッカリドの基礎ビルディングブロックの型、疎水性、酵素学的
感受性、親水性、2次構造および高次構造(すなわち、へリックスの部位)、置
換基の空間的な配置、修飾の別のセットに対する修飾の1つのセットの比(すな
わち、N−硫酸化に対する2−O硫酸化の相対量またはグルクロン酸に対するイ
ズロン酸の比)、およびタンパク質に対する結合部位であり得る。
【0023】 修飾されたポリマーの特性は、特性および分析されるポリマーに依存する可能
な任意の様式で検出され得る。1つの実施形態において、検出工程は、質量分析
(例えば、マトリクスアシスティドレーザーデソープションイオン化質量分析(
MALDI−MS)エレクトロンスプレーMS、ファーストアトムボンバードメ
ント質量分析(FAB−MS)および衝撃活性化解離質量分析(CAD))を含
む。あるいは、例えば、ポリマーが、いくつかのユニットの各々から構成される
いくつかのより小さなフラグメントに消化されている場合、検出工程は、強力な
イオン交換クロマトグラフィーを含む。
【0024】 この方法は、同じ長さのポリマーまたは少なくとも1つの共通の特性を有する
ポリマーの集団と、サンプルポリマーとの比較に基づく。いくつかの実施形態に
おいて、化学ユニットのポリマーの集団は、サンプルポリマーの分子量を有する
あらゆるポリマー配列を誘導する。他の実施形態において、化学ユニットのポリ
マーの集団は、サンプルポリマーの分子量を有するあらゆるポリマー配列より少
ない配列を含む。いくつかの実施形態によると、同定工程は、化学ユニットのポ
リマーの集団を、化学ユニットのポリマーの分子量を含むデータベースから選択
する工程を包含する。好ましくは、このデータベースは、複数のポリマーの化学
ユニットに対応する識別子を含み、認識子の各々は、対応する化学ユニットの特
性に対応する値を記憶するフィールドを含む。
【0025】 本発明の別の局面によると、サンプルポリマーの組成分析方法が提供される。
この方法は、サンプルポリマーを修飾するために実験的拘束を、サンプルポリマ
ーに適用する工程、修飾されたサンプルポリマーの特性を検出する工程、および
修飾されたサンプルポリマーを、ポリマーとして同一のサイズのポリマーの参高
データベースに比較する工程を包含し、ここで参考データベースのポリマーはま
た、サンプルポリマーと同じ実験的拘束に供されおり、ここでこの比較は、同じ
サンプルポリマーの組成分析を提供する。
【0026】 いくつかの実施形態において、組成分析は、ポリマー内のユニットの数および
型が明らかにする。他の実施形態において、組成分析は、ポリマーの化学ユニッ
トの配列の同定を明らかにする。
【0027】 ポリマーの特性について上記の本発明の局面への類似性は、可能な任意の様式
で検出され得、そして特定の特性および分析されるポリマーに依存する。1つの
実施形態において、検出工程は、質量分析(例えば、マトリクスアシスティドレ
ーザーデソープションイオン化質量分析(MALDI−MS)エレクトロンスプ
レーMS、ファーストアトムボンバードメント質量分析(FAB−MS)および
衝撃活性化解離質量分析(CAD))を含む。好ましくは、ポリマーに適用され
た実験的拘束は、酵素学的反応または化学反応であり、それらは、ポリマーの不
完全な酵素学的消化を含む。ここでこの方法の工程は、参考データベース内のポ
リマーの数が、予め決定された閾値より下がるまで繰り返される。あるいは、検
出工程は、キャピラリー電気泳動を含み、特に実験的拘束がポリマーに適用され
る場合、個々の化学ユニットへのポリマーの完全分解を含む。
【0028】 1つの実施形態において、参考データベースは、複数のポリマーの化学ユニッ
トに対応する識別子を含み、その識別子の各々は、対応する化学ユニットの特性
に対応する値を記憶するフィールドを含む。
【0029】 本発明のさらに別の局面によると、ポリマーを配列決定する方法が提供される
。この方法は、ポリマーを修飾するために、ポリマーに、実験的拘束を適用する
工程、修飾されたポリマーの特性を検出する工程、サンプルポリマーと同じ分子
長を有し、かつサンプルポリマーの分子量と類似の分子量を有するポリマーの集
団を同定する工程、ポリマー(ポリマーの同定された集団から、修飾されたポリ
マーに対応しない特性を有するポリマーを除去することによって修飾されたポリ
マーと同じ特性を有する)の同定された集団の部分集団を同定する工程、および
部分集団内のポリマーの数が1つであり、かつポリマーの配列が同定され得るま
で、以下の工程を繰り返す工程を包含する;実験的拘束を適用する工程、特性を
検出する工程および部分集団を同定する工程(さらなる実験的拘束を、ポリマー
に適用し、そしてポリマーの部分集団を同定することによって)。
【0030】 別の局面において、本発明は、ポリサッカリド−タンパク質被覆化MALDI
表面を生成するための、タンパク質被覆化MALDI表面と、サンプルを含むポ
リサッカリドとの接触、ポリサッカリド−タンパク質被覆化MALDI表面から
未結合のポリサッカリドを取り除く工程、およびMALDI質量分析を実施して
MALDI表面上に被覆されたタンパク質と特異的に相互作用するポリサッカリ
ドを同定する工程により、ポリサッカリド−タンパク質相互作用を同定するため
の方法に関する。
【0031】 1つの実施形態において、MALDIマトリクスを、ポリサッカリド−タンパ
ク質被覆化MALDI表面に加える。他の実施形態において、MALDI質量分
析を実施する前、ポリサッカリド−タンパク質被覆化MALDI表面上に結合さ
れたポリサッカリドに実験的拘束が加えられ得る。いくつかの実施形態において
、このポリマーに加えられた実験的拘束は、細胞外酵素での消化または細胞内酵
素での消化である。他の実施形態において、このポリマーに加えられた実験的拘
束は、制限エンドヌクレアーゼ消化;化学消化;化学的修飾;および酵素的修飾
からなる群より選択される。
【0032】 (詳細な説明) 本発明は、いくつかの局面において、ポリマーの構造的特性(例えば、荷電、
このポリマーのユニットの性質および数、このユニット上の化学的置換基の性質
および数、ならびにポリマーの立体特異性)を同定するためポリマーを特徴付け
るための方法に関する。ポリマーの構造的特性は、ポリマーの機能に関して有用
な情報を提供し得る。例えば、ポリマーの特性は、ポリマーのユニットの配列全
体を明らかにし得る。これはポリマーを同定するのに有用である。同様に、ポリ
マーの配列が以前に既知でない場合、このポリマーの構造的特性は、既知の機能
を有する既知のポリマーに対してこのポリマーを比較するのに有用である。この
ポリマーの特性はまた、ポリマーが正味の荷電を有するか、または荷電された領
域を有することを明らかにし得る。この情報は、このポリマーが相互作用し得る
化合物を同定するか、またはポリマーの領域が結合相互作用に関与し得るか、ま
たは特定の機能を有することを予測することに有用である。
【0033】 ポリマーを同定するため、そして特には、ポリマーのユニットの配列を同定す
るための多くの方法が、先行技術において記載されている。一旦、ポリマーの配
列が、同定されれば、配列情報は、データベース中でソートされ、そしてこのポ
リマーを他の配列決定されたポリマーと比較するために用いられ得る。GENB
ANKのようなデータベースは、核酸の配列(世界中の検索者により同定された
)に関する情報の記録および検索を可能にする。これらのデータベースは、代表
的に、特有のコードをクラス中の各化学ユニットに割当てることにより化学ユニ
ットのクラスをコードする、表記法を用いて情報を記録する。例えば、アミノ酸
をコードするための従来の表記法は、アルファベットの1文字をそれぞれの公知
のアミノ酸に割当てる。このようなデータベースは、化学ユニットに対応する1
セットのコードを用いてポリマーの化学ユニットを示す。このようなデータベー
スの検索は、代表的に、キャラクターベースの比較アルゴリズムを用いて実行さ
れている。
【0034】 ポリマーの構造的特性を同定するための新しい方法(バイオインフォマティク
スを利用し得、そして1文字をポリマーの各ユニットに割当てる先行技術の方法
とは異なる)が開発されてきている。これらの方法は、PEN(特性コード化命
名法:property encoded nomenclature)と呼ば
れる。1つの局面において、本発明は、ポリマーのユニットではなく、ポリマー
の特性の同定および特徴付け、ならびにそれらの特性を分類し、かつポリマーに
関する情報処理を容易にする、数的識別子の使用に基く。
【0035】 ポリマーの特異性を同定する、そしてポリマーの特異性に関する情報を操作す
る能力により、ポリマーを特徴付ける先行技術の方法およびバイオインフォマテ
ィクスを上回る多くの利点が提供される。例えば、本発明の方法を用いて、構造
的情報を同定し、そして複合ポリマー(例えば、先行技術の方法を用いて分析す
ることが以前には非常に困難であったポリサッカリド)を分析し得る。
【0036】 ポリサッカリド構築ブロックの異質性および高い程度の可変性により、先行技
術がそれらの複合分子を順序付ける試みは妨げられてきた。生体高分子を単離し
、そして特徴付けるための、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、キャピ
ラリー電気泳動(CE)および質量分析(MS)のような非常に鋭敏な技術の出
現で、特定の配列を含むポリサッカリドフラグメントを単離および精製するにお
いて、大きな進歩がなされた。しかし情報を同定しかつ順序付けるには、過度の
実験的操作がなお必要である。さらに、これらのアプローチのほとんどにおいて
、ポリサッカリドの配列決定を可能にする実験的操作を設計するためには、配列
に間する多くの情報が、必要である。先行技術の方法は、配列情報を同定するた
めの簡易でかつ迅速な方法を提供する。多くの他の利点が、以下に記載する好ま
しい実施形態の記載から明白である。
【0037】 本発明は、本発明の特定の実施形態の以下の詳細な説明の観点から、添付の図
面と組み合わせて、良好に理解される。
【0038】 図1は、ポリマー情報をソートし、そして操作するためのコンピューターシス
テム100の例を示す。コンピューターシステム100は、複数のポリマーに対
応する情報をソートする複数の記録104a−nを含むポリマーデータベース1
02を備える。記録104a−nのそれぞれは、対応するポリマーの特性、対応
するポリマーの構成化学ユニットの特性、またはその両方についての情報を記憶
し得る。情報がポリマーデータベース102に記憶されるポリマーは、任意の種
類のポリマーであり得る。例えば、このポリマーとしては、ポリサッカリド、核
酸またはポリペプチドが挙げられ得る。
【0039】 本明細書において用いられる「ポリマー」は、結合により一緒に固定される直
線骨格および/または分枝骨格の化学ユニットを有する化合物である。全てでは
ないがいくつかの場合、ポリマーの骨格は、分枝され得る。用語「骨格」は、ポ
リマー化学の分野におけるその通常の意味である。このポリマーは、骨格組成物
中で異種であり得、それにより、一緒に結合するポリマーユニットの任意の可能
性のある組み合わせ(例えば、ペプチド−核酸)を含む。いくつかの実施形態に
おいて、ポリマーは、骨格組成物において同種であり、そして、例えば、核酸、
ポリペプチド、ポリサッカリド、炭水化物、ポリウレタン、ポリカーボネート、
ポリウレア、ポリエチレンイミン、ポリアリーレンスルフィド、ポリシロキサン
、ポリアミド、ポリアセテート、ポリアミド、ポリエステル、またはポリチオエ
ステルである。「ポリサッカリド」は、結合した糖類または糖ユニットから構成
される生体高分子である。本明細書において用いる場合「核酸」は、ヌクレオチ
ド(例えば、デオキシリボース核酸(DNA)またはリボース核酸(RNA))
から構成される生体高分子である。本明細書において用いられる場合、ポリペプ
チドとは、連結されたアミノ酸から構成される生体高分子である。
【0040】 ポリマーの連結ユニットに関して使用される場合、「連結された」または「連
結」は、2つの要素が生理化学的手段によって互いに結合されることを意味する
。当業者に公知の任意の連結(共有または非共有)が含まれる。このような連結
は、当業者に周知である。天然の連結(特定のポリマーの化学ユニットを接続す
る、天然に通常見出される連結)が、最も通常である。天然の連結には、例えば
、アミド、エステルおよびチオエステルの連結が挙げられる。しかし、本発明の
方法によって分析されるポリマーの化学ユニットは、合成または修飾の連結によ
って連結され得る。ユニットが共有結合によって連結されるポリマーは、最も通
常であるが、水素結合なども含む。
【0041】 ポリマーは、複数の化学ユニットから作製される。本明細書で使用される場合
、「化学ユニット」は、ポリマーを形成するために、他の構築ブロックまたはモ
ノマーに直接的または間接的に連結され得る構築ブロックまたはモノマーである
。ポリマーは、好ましくは、少なくとも2つの異なる連結ユニットのポリマーで
ある。ユニットの特定の種類は、ポリマーの種類に依存する。例えば、DNAは
、プリンおよびピリミジンのユニットから構成されるリン酸デオキシリボース骨
格から構成される生体高分子であり、プリンおよびピリミジンとしては、例えば
、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、5−メチルシトシン、2−アミノプ
リン、2−アミノ−6−クロロプリン、2,6−ジアミノプリン、ヒポキサンチ
ン、ならびに他の天然および非天然の核酸塩基(置換および非置換芳香族部分)
が挙げられる。RNAは、プリンおよびピリミジンのユニットから構成されるリ
ン酸リボース骨格から構成される生体高分子であり、プリンおよびピリミジンと
しては、例えば、DNAについて記載されるものが挙げられるが、ここで、ウラ
シルが、チミジンの代わりに使用される。DNAユニットは、5’または3’の
ヒドロキシル基によってポリマーの他のユニットと連結され得、それによって、
エステル連結を形成する。RNAユニットは、5’、3’または2’のヒドロキ
シル基によってポリマーの他のユニットと連結され得、それによって、エステル
連結を形成する。あるいは、末端5’,3’または2’のアミノ基を有するDN
AまたはRNAユニットは、アミノ基によってポリマーの他のユニットに連結さ
れ得、それによってアミド連結を形成する。
【0042】 核酸が文字の配列によって表される場合はいつでも、ヌクレオチドが、左から
右に、5’→3’の順序であり、他に記さない限り、「A」がアデノシンを示し
、「C」がシチジンを示し、「T」がチミジンを示し、そして「U」がウラシル
を示すことが理解される。
【0043】 ポリペプチドの化学ユニットは、20の天然のアミノ酸ならびに改変されたア
ミノ酸を含む、アミノ酸である。アミノ酸は、アミドまたは遊離酸として存在し
得、a−アミノ基を介してポリマーの骨格の他のユニットに連結され、それによ
って、ポリマーへのアミド連結を形成する。
【0044】 ポリサッカリドは、互いに連結されるモノサッカリドから構成されるポリマー
である。多くのポリサッカリドにおいて、ポリサッカリドの基本の構築ブロック
は、実際に、繰り返しであり得るかまたは非繰り返しであり得るジサッカリドで
ある。従って、ポリサッカリドに関して使用される場合、ユニットは、ポリサッ
カリドの基本的な構築ブロックを示し、モノマーの構築ブロック(モノサッカリ
ド)またはダイマー構築ブロック(ジサッカリド)を含み得る。
【0045】 「複数の化学ユニット」は、互いに連結された少なくとも2つのユニットであ
る。
【0046】 ポリマーは、天然に存在するネイティブまたは天然ポリマーであり得るか、ま
たは天然に存在しない非天然ポリマーであり得る。ポリマーは、典型的に、天然
に存在するポリマーの少なくとも一部分を含む。ポリマーは、単離され得るかま
たは新規に合成され得る。例えば、ポリマーは、天然の供給源から単離され得る
(例えば、切断およびゲル分離により精製され得る)か、または合成され得る(
例えば、(i)例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってインビトロで
増幅される;(ii)例えば、化学合成によって合成される;(iii)クロー
ニングによって組換え産生される、など)。
【0047】 図2Aは、ポリマーデータベース102のデータユニット200(すなわち、
データユニット104a〜nの1つ)のフォーマットの例を示す。図2Aに示さ
れるように、データユニット200は、データユニット200に対応するポリマ
ーを同定するポリマー識別子(ID)202を含み得る。ポリマーID202は
、図2Bに関して以下にさらに記載される。データユニット200はまた、デー
タユニット200に対応するポリマーを構成する化学ユニットに対応する1つ以
上の化学ユニット識別子(ID)204a〜nを含み得る。化学ユニットID2
04a〜nは、図2Cに関して以下にさらに詳細に記載される。図2Aに示され
るデータユニット200のフォーマットは、ポリマーデータベース102のポリ
マーを表わすために使用され得るフォーマットの例にすぎない。ポリマーは、他
の方法でポリマーデータベースにおいて表され得る。例えば、データユニット2
00は、ポリマーID202のみを含み得るか、または1つ以上の化学ユニット
ID204a〜nを含むのみであり得る。
【0048】 図2Bは、ポリマーID202の例を示す。ポリマーID202は、データユ
ニット200に対応するポリマーの性質についての情報を記憶するために、1つ
以上のフィールド202a〜nを含み得る。同様に、図2Cは、化学ユニット2
04aの例を示す。化学ユニットID204aは、化学ユニットID204aに
対応する化学ユニットのペプチドについての情報を記憶するために、1つ以上の
フィールド206a〜mを含み得る。以下の記載は化学ユニットID204aの
フィールド206a〜mを示すが、このような記載は、ポリマーID202aの
フィールド202a〜n(および化学ユニットID204b〜nのフィールド)
に等しく適用可能である。
【0049】 化学ユニット204aのフィールド206a〜mは、コンピュータ読み取り可
能な媒体に記憶され得る任意の種類の値(例えば、二進法値、十六進法値、整数
十進法(integral decimal value)値、または浮動小数
点値)を記憶し得る。
【0050】 各フィールド206a〜mは、対応する化学ユニットの任意の性質についての
情報を記憶し得る。従って、本発明は、ポリマーの性質を同定するために有用で
ある。本明細書で使用される場合、「性質」は、ポリマーの特徴(例えば、構造
的特徴)であり、これは、ポリマーについての情報(例えば、構造情報)を提供
する。用語性質がポリサッカリドを除いて任意のポリマーに関して使用される場
合、性質は、ポリマーのユニットまたはポリマー自身の同一性以外の情報を提供
する。ポリマーのいくつかの性質の編集は、化学ユニットまたはポリマー全体さ
えも同定するための十分な情報を提供し得るが、ポリマー自身の性質は、化学ユ
ニットまたはポリマーの化学的基礎を含まない。
【0051】 用語性質がポリサッカリドの性質を規定するためにポリサッカリドに関して使
用される場合、ポリサッカリドの複雑さに起因して、性質がポリサッカリドのモ
ノマーの構築ブロックの種類を同定し得ることを除いて、上記のように同じ意味
を有する。ポリサッカリドの化学ユニットは、他のポリマー(例えば、核酸およ
びポリペプチド)の化学ユニットよりずっと複雑である。ポリサッカリドユニッ
トは、その基礎的な化学構造に加えて、他の化学ユニットよりも可変性を有し得
る。例えば、ポリサッカリドは、化学ユニット上のいくつかの部位においてアセ
チル化され得るかまたは硫酸化され得、あるいは、荷電していても荷電していな
くてもよい。従って、ポリサッカリドの1つの性質は、ポリサッカリドの一つ以
上の基礎的な構築ブロックの同一性であり得る。
【0052】 しかし、基礎的な構築ブロックのみは、糖類またはジサッカリドの置換基の性
質および電荷についての情報を提供しないかもしれない。例えば、ウロン酸の構
築ブロックは、イズロン酸またはグルクロン酸であり得る。これらの構築ブロッ
クのそれぞれは、化学ユニットの構造に対して複雑性を追加するさらなる置換基
を有し得る。しかし、単一の性質は、ポリサッカリドの完全な構築ブロックを同
定することに加えて、このようなさらなる置換基の電荷を同定しないかもしれな
い。しかし、この情報は、いくつかの性質から組み立てられ得る。従って、本明
細書中に使用されるポリマーの性質は、アミノ酸またはヌクレオチドを含まない
が、ポリサッカリドの糖類またはジサッカリドの構築ブロックを含む。
【0053】 ポリマーについての情報を提供する性質の種類は、分析されるポリマーの種類
に依存し得る。例えば、ポリマーがポリサッカリドである場合、電荷、分子量、
硫酸化またはアセチル化の性質および程度ならびにポリサッカリドの種類のよう
な性質は、ポリマーについての情報を提供し得る。性質には、以下が挙げられる
が、これらに限定されない:電荷、キラリティー、置換基の性質、置換基の量、
分子量、分子の長さ、置換基またはユニットの組成比、ポリサッカリドの基礎的
な構築ブロックの種類、疎水性、酵素感受性、親水性、二次構造およびコンフォ
メーション(すなわち、らせんの位置)、置換基の空間的分布、一セットの改変
体の別のセットの改変体に対する比(すなわち、N−硫酸化に対する2−O硫酸
化の相対量またはイズロン酸のグルクロン酸に対する比)、およびタンパク質の
結合部位。他の性質は、当業者によって同定され得る。本明細書中で使用される
場合、置換基は、ユニットを置換する原子または原子の群であるが、ユニット自
身ではない。
【0054】 ポリマーの性質は、当該分野で公知の任意の手段によって同定され得る。性質
を同定するために使用される手順は、性質の種類に依存し得る。例えば、分子量
は、質量分光法を含むいくつかの方法によって決定され得る。ポリマーの分子量
を決定するための質量分光法の使用は、当該分野で周知である。質量分光法は、
生成されるフラグメントの質量を報告する際のその正確性(±1ダルトン)が理
由で、そしてまたpMサンプル濃度のみが必要とされるので、ポリマーを特徴付
けるのに強力なツールとして使用されている。例えば、マトリクスアシスティド
レーザーデリープションイオン化質量分光法(MALDI−MS)は、Rhom
berg,A.J.ら,PNAS,USA,v.95,4176−4181頁(
1998);Rhomberg,A.J.ら,PNAS,USA,v.95,1
2232−12237頁(1998);およびErnst,S.ら,PNAS,
USA,v.95,4182−4187頁(1998)のような刊行物(それぞ
れが、本明細書によって参考として援用される)においてポリサッカリドフラグ
メントの分子量を同定するために記載されている。当該分野で公知の他の種類の
質量分光法(例えば、電子スプレーMS、高速原子衝撃質量分析法(FAB−M
S)、および衝突活性化解離質量分光法(CAD))もまた、ポリマーまたはポ
リマーフラグメントの分子量を同定するために使用され得る。
【0055】 質量分光法データは、ポリマーが、酵素または化合物を用いて分解を受けた後
に、ポリマーフラグメントサイズについての情報を確認するために価値のあるツ
ールであり得る。ポリマーの分子量が同定された後に、これは、他の公知のポリ
マーの分子量と比較され得る。質量分光法データから得られた質量が、1ダルト
ン(1D)について正確であるので、酵素消化によって得られた1つ以上のポリ
マーのフラグメントのサイズが、正確に決定され、多くの置換基(すなわち、存
在する硫酸基および酢酸基)が決定され得る。分子量を比較するための一つの技
術は、質量ライン(mass line)を生成し、未知のポリマーの分子量を
同じ分子量を有するポリマーの下位集団を決定するための質量ライン比較するこ
とである。本明細書中で使用される場合、「質量ライン」は、好ましくは、グラ
フまたはチャートの形態の情報データベースであり、これは、ポリマーの分子量
に基づく独特の配列を有するポリマーのそれぞれ可能な種類についての情報を記
憶する。従って、質量ラインは、特定の分子量を有する多くのポリマーを記載し
得る。2つのユニットの核酸(すなわち、2つの化学ユニットを有する核酸)は
、2つのヌクレオチドに対応する分子量で16(4ユニット2)の可能なポリマ
ーを有する。2つのユニットのポリサッカリド(すなわちジサッカリド)は、2
つの糖類に対応する分子量において32の可能なポリマーを有する。従って、質
量ラインは、特定の質量を特定の長さの所与のフラグメント(全ての可能なジサ
ッカリド、四糖類、六糖類、八糖類、十六糖類まで)を独特に割り当て、結果を
作表する(例は、図8に示される)ことによって生成され得る。
【0056】 以下の表1は、ポリサッカリドについての値の計算されたセットの例を示す。
表1から、多数の重合体の化学ユニットは、長さn+1のフラグメントと長さn
のフラグメントとの間の質量の最小の差から決定され得る。例えば、この繰り返
しが、ジサッカリドユニットである場合、長さnのフラグメントは、2nモノサ
ッカリドユニットを有する。例えば、n=1は、ジサッカリドの長さに対応し、
そしてn=2は、四糖類の長さに対応し得るなど。
【0057】
【表1】 質量分析データが、フラグメントの質量は、1D精度を示すので、長さは、質
量ライン(mass line)における質量を調査することによってフラグメ
ントに対して独自に割り当てられる。さらに、それは、ジサッカリドよりも長い
特定の長さのフラグメントにおいて質量ラインから決定され得、最小の4.02
Dの質量の差があり、これは、2つのアセテート基(84,08D)が、サルフ
ェート基(80.06D)に置換したことを示している。従って、重合体フラグ
メントの多数のサルフェートおよびアセテートは、質量分析データからの質量か
ら決定され得、そしてこのような数は、重合体フラグメントに割り当てられ得る
【0058】 分子量に加えて、その他の特徴は、当該分野で公知の方法を用いて決定され得
る。置換基ユニットまたは化学ユニットの組成比(全置換基ユニットまたは化学
ユニットの量および型)は、当該分野で公知の方法論(例えば、キャピラリー電
気泳動)を用いて決定され得る。重合体は、この重合体の化学ユニットの各々を
分離するための酵素的分解または化学的分解のような実験的な制約を受け得る。
次いでこれらのユニットは、キャピラリー電気泳動を用いて分離され、この重合
体に存在する、置換基ユニットまたは化学ユニットの量および型を決定し得る。
さらに、多数の置換基ユニットまたは化学ユニットは、重合体の分子量に基づい
て計算機を用いて決定され得る。
【0059】 キャピラリーゲル電気泳動の方法において、反応サンプルは、直径の短い、ゲ
ル濾過キャピラリーによって分析され得る。キャピラリーの短い直径(50μm
)は、電気泳動中に生じる熱の効果的な損失を可能にする。従って、高領域強度
(high field strength)は、過剰なジュール熱(400V
/m)を伴なわないで、、反応実施あたり約20分の分離時間を下げて使用され
得、そのために、従来のゲル電気泳動での分解能を上昇する。さらに、多くのキ
ャピラリーは、平行して分析され得、生成される重合体情報の増幅を可能にする
【0060】 特徴を同定するために有用であることに加えて、組成分析をまた使用して、不
純物の存在および組成ならびにこの重合体の主な特徴を決定し得る。このような
決定は、不純物がこの重合体のような同一の組成を含まない場合、達成され得る
。不純物が存在するか否かを決定するために、電気泳動図において現れる各々の
ピークの面積を、正確に1つにまとめる工程およびこのピークを主なピークの最
も小さいものに対して正規化する工程を包含し得る。この正規化したピークの和
は、1に等しいかまたは1に近くなければならない。そうでない場合、次いで、
1以上の不純物が存在する。この不純物の少なくとも1つのジサッカリドユニッ
トが、未知のいずれかのジサッカリドユニットとは違う場合、不純物でも未知の
サンプルにおいて検出され得る。
【0061】 不純物が存在する場合、その成分の組成の1つ以上の状態が、キャピラリー電
気泳動を用いて決定され得る。全ての公知のジサッカリドユニットは、上記のキ
ャピラリー電気泳動法によってベースライン分離され得、そして移動時間が代表
的には、電気泳動を用いて決定され(すなわち、電気浸透フローに対向するよう
に)、そして再現可能であるので、種々の糖類ユニットの重合体フラグメントに
対する確実な割り当てが達成され得る。その結果、主なピークの組成およびわず
かな汚染物質の組成の両方は、重合体フラグメントに対して割り当てられる。溶
液の主な成分およびわずかな成分の両方の組成は、下記のように割り当てられ得
る。
【0062】 組成のこのような割り当ての一例は、溶液中に9:1の比で存在する主なAT
−III結合HLGAG十糖類(+DDD4−7)およびそのわずかな汚染物(
+D5D4−7)の組成を決定することを含む。ヘパリナーゼを用いるこの9:
1混合物の完全な分解は、4つのピークを生じる:3つは主な十糖類(viz、
D、4、および−7)の代表であり、これらは、この汚染物においても存在し、
そして1つのピーク(5)は、汚染物質にのみ存在する。換言すれば、D、4、
および−7の各々のピークの面積は、主な十糖類からの寄与およびこの汚染物か
らの寄与の付加的な組み合わせを示すが、これに対して、5のピークは、汚染物
のみを示す。
【0063】 この汚染物および主な成分の組成を割り当てるために、5ピークの面積は、開
始点として用いられ得る。この面積は、汚染物の1つのジサッカリドユニットの
ピークの面積を示す。4と−7の全面積からこの面積を減算して、そしてDの面
積からこの面積を2回減算すると、4:−7:Dの比が1:1:3になる。この
ような比は、主な成分の組成を確認し、そして不純物の組成が、2つのD、1つ
の4、1つの−7、および1つの5を示す。
【0064】 特徴のその他の型を同定する方法は、当業者に容易に同定可能であり得、そし
て特徴の型および重合体の型に依存し得る。例えば、疎水性は、逆相高圧液体ク
ロマトグラフィー(RP−HPLC)を用いて決定され得る。酵素感受性は、こ
の重合体を酵素に曝し、かつこのような曝露の後に存在する多数のフラグメント
を決定することによって同定され得る。このキラリティーは、円偏光二色性を用
いて決定され得る。タンパク質結合部位は、質量分析法、等温熱量測定およびN
MRによって決定され得る。酵素的改変(分解ではない)は、酵素分解のような
同様の様式において決定され得る。すなわち、基質を酵素に曝露し、かつMAL
DI−MSを用いることによって基質が改変されているか否かを決定する。例え
ば、スルホトランスフェラーゼは、サルフェート基を、汚染物を有するHS鎖に
転移し、80Daに増加する。構造は、モデリングおよび核磁気共鳴(NMR)
によって決定され得る。硫酸化の相対的な量は、組成分析によって決定され得る
か、またはラマン分光法によっておおまかに決定され得る。
【0065】 いくつかの局面において、本発明は、重合体についての生成情報、調査情報、
操作情報のために有用である。この局面において、重合体の全基本骨格は、独特
な数値識別子を割り当てられる。この識別子を用いて、全基本骨格をクラス分け
し得る。例えば、ポリサッカリドが分析される場合、各々の数値識別子が、ポリ
サッカリドの全基本骨格を示し、これは、ポリサッカリドの基礎的な基本骨格お
よびその置換基、電荷などの全てによって定義される正確な化学構造を含む。基
礎的な基本骨格とは、重合体ユニットの基礎的構造(例えば、ポリサッカリドの
基礎的な環状構造(例えば、イズロン酸またはグルクロン酸))をいうが、置換
基、電荷などは含まない。この情報は、重合体の「特徴」に関する上記の同一の
様式において生成および処理される。
【0066】 現在、糖類のフラグメントは、ヘパリナーゼ分解の際に生成されるΔ4,5二重
結合が吸収する、波長232nmでモニタすることによってキャピラリー電気泳
動において検出される。しかし、他の検出方法は可能である。まず、ヘパリンフ
ラグメントの亜硝酸分解、続いて、3H水素化ホウ素ナトリウムで還元して、3
放射能タグを有する分解されたフラグメントを生じる。これは、引き続くキャピ
ラリー電気泳動(放射能を計数する)、またはマススペクトル(質量の増加によ
って)の両方のタグであり得ることを示す。放射能を使用する別の方法は、S35 でヘパリンフラグメントを標識することである。3H標識フラグメント、S35
識フラグメントの可能性のある検出の型の類似性は、放射能検出(CE)または
質量の差の測定(MS)について有用である。
【0067】 特にS35の場合、この検出は有力である。この場合、ヒトスルホトランスフェ
ラーゼを使用して、特異的に特定の残基に標識し得る。これは、さらなる構造の
情報を与える。
【0068】 ヘパリナーゼ誘導フラグメントととは違い、亜硝酸分解したフラグメントは、
UV吸収発色団を有しない。本発明者らが示しているように、MALDI−MS
は、それらを誘導する方法に関係なく、ヘパリンフラグメントの質量を記録する
。CEに関して、2つの方法を使用して、適切な発色団を欠失するフラグメント
をモニタし得る。第1は、フラグメントの間接的な検出である。本発明者らは、
本発明者らのCE方法論を用いて適切な背景吸収体(例えば、1,5−ナフタレ
ンジスルホニル酸)を用いてヘパリンフラグメントを検出し得る。検出の第2の
方法は、糖類による金属イオンのキレート化に関与する。この糖類−金属錯体は
、不飽和の二重結合をモニタするのと同様にUV−Visを用いて検出され得る
【0069】 他の群は、特異的なHLGAG配列に対して抗体を惹起する過程を始める。本
発明者らは、以前に、タンパク質(例えば、アンギオゲニン、FGF)が、合成
ペプチド、塩基性ペプチドの代わりに錯化剤として使用され得ることを示した。
拡大解釈すれば、抗体は、MALDI−MS分析のための錯化剤として使用され
得る。これは、本発明者らが、単に、所定の抗体が、未知のサンプルとともに所
定の配列特異性錯体を有するか否かをMALDI−MSを用いて観察することに
よって特異的な配列がこの未知のサンプルにおいて存在するか否かを決定するこ
とが可能である。
【0070】 最終点は質量タグを使用することであり、本発明者らは、非還元末端からグリ
コサミノグリカンの還元末端を識別し得る。これらタグの全ては、アノマーOH
(ポリマーの還元末端に存在する)を用いた選択的化学を含み、従って、標識は
鎖の還元末端で生じる。1つの一般的なタグは、蛍光性である2−アミノ安息香
酸である。一般的に、タグは以下の型の化学を含む:(1)アノマー位を用いた
アミンの反応でイミンを形成(すなわち、2−アミノ安息香酸)、ヒドラジン反
応でヒドラゾンを形成、およびアノマーOHを用いたセミカルバゾンの反応でセ
ミカルバジドを形成。通常使用される(2−アミノ安息香酸以外の)タグとして
は、以下の化合物が挙げられる: 1.セミカルバジド 2.ジラールP試薬 3.ジラールT試薬 4.p−アミノ安息香酸エチルエステル(p−aminobenzoic et
hyl ester) 5.ビオチン−x−ヒドラジド 6.2−アミノベンズアミド 7.2−アミノピリジン 8.アントラニル酸 9.5−[(4,6−ジクロロトリアジン−2−イル)アミノ]−フルオレセイ
ン 10.8−アミノナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸 11.2−アミノアクリドン 図2Dは、化学ユニットID204aの例を示す。化学ユニットID204a
は、ポリマー集団に関する情報を記憶するための1つ以上の領域212a〜eを
含む。本発明は、全てのポリマーを含むが、本発明の使用は、ポリサッカリドの
複雑な性質が理由で、ポリサッカリドに関してより詳細に記載される。しかし、
本発明は、ポリサッカリドに限定されない。ヘパリン様グリコサミノグリカン(
HLGAG)フラグメントの不均一性およびそれらの糖類構築物における高度な
可変性は、これらの複合体分子を配列決定しようという試みにさらされる。ヘパ
リンおよびヘパラン硫酸を含むヘパリン様グリコサミノグリカン(HLGAG)
は、へキソセアミン(hexoseamine)およびα/β1−4グリコシド
結合によって結合されるグルクロン酸/イズロン酸を含むジサッカリド反復ユニ
ットで構成される複合ポリサッカリド分子である。これらの定義されたユニット
は、へキソセアミンのN、3−Oおよび6−O位における硫酸化、ウロン酸の2
−O硫酸化、ならびにグルクロン酸をイズロン酸に変換するC5エピマー化によ
って改変され得る。HLGAGのジサッカリドユニットは、以下: (α1→4)I/G2OX(α/β1→4)H3OX,NY 60X(α1→4)、 として表され得、ここで、Xは、硫酸化された(−SO3H)または硫酸化され
ていない(−H)であり得、そしてYは、硫酸化された(−SO3H)またはア
セチル化された(−COCH3)であり得るか、稀な場合、硫酸化もアセチル化
されていない。
【0071】 領域212a〜eは、任意の種類の値、例えば、単一ビット値、単一ディジッ
ト16進値、または10進値などで記憶され得る。1つの実施形態において、化
学ユニットID204aは、以下の各領域を含む:(1)ポリマーがイズロン酸
またはグルクロン酸を含むか否かを示す値を記憶するための領域212a(I/
G);(2)イズロン酸またはグルクロン酸の2X位が硫酸化されているかまた
は硫酸化されていないかを示す値を記憶するための領域212b;(3)へキソ
セアミンが硫酸化されているかまたは硫酸化されていないかを示す値を記憶する
ための領域212c;(4)ヘキソセアミンの3X位が硫酸化されているかまた
は硫酸化されていないかを示す領域212d;および(5)ヘキソセアミンのN
X位が硫酸化されているかまたはアセチル化されているかを示す領域212e。
必要に応じて、各領域212a〜eは、単一ビットとして表され得る。
【0072】 表2は、複数の入力を有するデータ構造の例を示し、ここで、各入力は、図2
Dに従ってコードされたHLGAGを示す。各領域212a〜eのビット値は、
任意の公知の様式で設定され得る。例えば、領域212a(I/G)に関して、
1の値は、イズロン酸を示し得、0の値は、グルクロン酸を示し得、またその逆
もまた同様である。
【0073】
【表2】 表2 ビット領域を用いたHLGAGの表示は、多くの有意な点を有し得る。HLG
AGのプロパティは2つの可能な状態のうちの1つを有し得るので、2進ビット
は、理想的にHLGAGプロパティを表す情報の記憶に適している。ビット領域
は、そのような情報をコンピューターで読み取り可能な媒体(例えば、コンピュ
ーターメモリーまたは記憶デバイス)に記憶することに使用され得、例えば、複
数ビット(複数領域を示す)を単一バイトまたはバイトの連続にパックすること
による。さらに、ビット領域は、デジタルコンピュータープロセッサーによって
迅速かつ効果的に記憶され、そして操作され得る。これは、代表的には、ビット
を用いて情報を記憶し、そして代表的には、ビット上で迅速に操作を実行し得る
(例えば、シフト、AND、OR)。例えば、以下により詳細に記載するように
、ビット領域として各々記憶された複数のプロパティは、代表的な特徴ベースの
検索方法を用いて実施される検索よりも、より迅速に検索され得る。
【0074】 さらに、HLGAGのプロパティを示すためにビット領域を用いて、利用者が
、さらなるプロパティを示すようにさらにビットを加えることによって、化学ユ
ニットID204aにさらなるプロパティ(例えば、4−Oの硫酸化対非硫酸化
)をより容易に組込むことを可能にする。
【0075】 1つの実施形態において、4つの領域212b〜e(これらの各々は、単一ビ
ット値を記憶し得る)は、単一16進(ベース16)数として表され得、ここで
、各領域212a〜eは、16進数の1つのビットを表す。ジサッカリドユニッ
トを示すために16進数を用いることは、表示および加工の両方において好都合
である。なぜなら、16進ディジットは、従来のコンピューターによって使用さ
れる表示の一般的な形態だからである。
【0076】 必要に応じて、記録210の5つの領域212a〜eは、符号付16進ディジ
ットとして表され得、ここで、領域212b〜212eは、上記のように集団的
に単一ディジット16進数をコードし、そしてI/G領域は、符号ビットとして
使用される。そのような符号付けされた表示において、16進数0〜Fは、イズ
ロン酸を含む化学ユニットをコードするために使用され得、そして16進数−0
〜−Fは、グルクロン酸を含むユニットをコードするために使用され得る。しか
し、化学ユニットID204aは、他の形態の表示、例えば、二の補数(two
s−complement)表示を用いることによってコードされ得る。
【0077】 化学ユニットID204aの領域212a−eは、任意の順番で配置され得る
。例えば、グレイコードシステムは、HLCAGをコードするために使用され得
る。グレイコード番号付けスキームにおいて、各々の連続した値は、単一ビット
位置のみにおいて、前の値とは異なる。例えば、HLGAGの場合、HLGAG
を表す値は、任意の2つの隣りの値がたった1つの特性の値で異なるように配置
され得る。HLGAGをコードするために使用されるグレイコードシステムの例
は、表3に示される。
【0078】
【表3】 表3は、隣りの表の項目が単一の特性の値でのみ互いに異なるように、グレイ
コードスキームの使用が二糖結合ブロックを配置することを示す。HLGAGを
コードするためにグレイコードを使用する1つの利点は、HLGAGフラグメン
トの生合成が基本的な構築ブロックG−HHNacから始まる改変の特異的な配列に
従い得る。
【0079】 表3において、8、4、2、および1のビット量は、16進数の数的当量を計
算するために使用され、最も重要なビット(I/G)はサインビット(sign
bit)として使用される。例えば、16進法コードA(01010 2進法
)は、8*1+4*0+2*1+1*0=10に等しい。
【0080】 別の実施形態において、領域212a−eの各々の重量は変更され得、それに
よって代替の重量システムを実施する。例えば、ビット領域212a−eは、表
4に示されるように、それぞれ、16、8、4、−2、および−1の重量を有し
得る。
【0081】
【表4】 ビットの重量の改変は、二糖ユニットを記録するために使用され得る。例えば
、配列のデータベースが作成され得、異なる二糖ユニットがデータベースに存在
する配列のそれらの相対含量に基づいて記録され得る。天然に存在するHLGA
Gにおいて稀に起こる、幾つかのユニット(例えば、I−HNAc,3S 6S)は、ビッ
トが表4に示される様式で計量されるスキームに基づく低スコアを受容し得る。
【0082】 必要に応じて、硫酸化およびアセチル化の位置は、表2に示されるI/G、2
X、6X、3X、NXに配置され得る。しかし、これらの位置は、異なって配置
され得、異なる二糖ユニットを表す同じ組のコードを生じる。例えば、表5は、
それらの位置がI/G、2X、NX、3X、6Xとして配置される配置を示す。
【0083】
【表5】 いくつかのHLGAG配列における二糖ユニットは、N−硫酸化もN−アセチ
ル化もされていないことが観察される。このような二糖ユニットは、多くの任意
の方法において、化学ユニットID 204aを使用して表され得る。
【0084】 化学ユニットの性質がビットフィールドで表される場合、N位に遊離アミンを
含む二糖ユニットは、例えば、さらなるビットフィールドの追加によって表され
得る。例えば、図2Dを参照すると、追加フィールドNYは、化学ユニットID
204aにおいて使用され得る。例えば、ゼロの値を有するNYフィールドは
、遊離アミンに対応し得、そして1の値を有するNYフィールドは、N−アセチ
ル化に対応し得、また逆も同様である。さらに、NXフィールド212eにおけ
る1の値は、N−硫酸化に対応し得る。
【0085】 必要に応じて、N位に遊離アミンを含む二糖ユニットは、トライステートフィ
ールドを使用して表され得る。例えば、化学ユニットID 204aにおけるフ
ィールド212e(NX)は、3つの許容された値を有するトライステートフィ
ールドであり得る。例えば、ゼロの値は、遊離アミンに対応し得、そして1の値
はN−アセチル化に対応し得、そして2の値はN−硫酸化に対応し得る。同様に
、フィールド212a〜eの任意の値は、2より大きな基数を有する記数法を使
用して表され得る。例えば、フィールド212e(NX)の値が、3の基数を有
する1桁の数によって表される場合、フィールド212eは、3つの許容される
値を保管し得る。
【0086】 図1を参照すると、ユーザーは、特定の情報を検索するために、ポリマーデー
タベース102上での照会を行い得る。例えば、ユーザーは、特定のポリマー、
特定の化学ユニット、あるいは特定の性質を有するポリマーまたは化学ユニット
について、ポリマーデータベース102を検索し得る。ユーザーは、検索する性
質を示すユーザーインプット106を、照会ユーザーインターフェース108に
提供し得る。このユーザーインプット106は、例えば、標準文字表記法を使用
して、例えば、1つ以上の化学ユニット、化学ユニットのポリマーまたは1つ以
上の検索する性質を示し得る。照会ユーザーインターフェース108は、例えば
、キーボードまたはマウスのような入力装置を使用して、性質のリストからユー
ザーが選択することを可能にするグラフィカルユーザーインターフェース(GU
I)を提供し得る。
【0087】 照会ユーザーインターフェース108は、ユーザーインプット106に基づく
検索照会110を作製し得る。サーチエンジン112は、検索照会110を受け
、そして検索照会に基づいてマスク114を作製し得る。マスク114の型式の
例、およびマスク114によって特定された性質がポリマーデータベース102
におけるポリマーの性質に一致するか否かを決定する技術の例は、図3と関連し
て以下でより詳細に説明される。
【0088】 このサーチエンジン112は、マスク114によって特定された性質がポリマ
ーデータベース102に保管されたポリマーの性質と一致するか否かを決定し得
る。引き続いて、このサーチエンジン112は、ポリマーデータベース102が
、マスク114によって特定された性質を有するポリマーを含むか否かを示す検
索に基づいて、検索結果116を作製し得る。この検索結果116はまた、ポリ
マーデータベース102における、マスク114によって特定された性質を有す
るポリマーを示し得る。例えば、ユーザーインプット106が化学ユニットの性
質を特定した場合、検索結果116は、ポリマーデータベース102におけるど
のポリマーが特定の化学ユニットを含むかを示し得る。あるいは、ユーザーイン
プット106が特定の化学ユニットの性質を特定した場合、検索結果116は、
ポリマーデータベース102中の特定された化学ユニットの性質を有する化学ユ
ニットを含むポリマーを示し得る。同様に、ユーザーインプット106が特定の
ポリマー特性を特定した場合、検索結果116は、ポリマーデータベース102
中のどのポリマーが特定されたポリマー性質を有するかを示し得る。
【0089】 図3は、検索結果116を作製するためにサーチエンジン112によって使用
され得るプロセス300の例を図示するフローチャートである。行動302にお
いて、サーチエンジン112は、照会ユーザーインターフェース108から検索
照会110を受け得る。次に、行動304において、サーチエンジン112は、
検索照会110に基づいて作製されるマスク114を作製し得る。行動306に
続いて、サーチエンジン112は、マスク114の適用によって、ポリマーデー
タベース102における記録104a〜nの1つ以上において、2進法操作を行
い得る。次に、行動308において、サーチエンジン112は、工程306で行
われる2進法操作の結果に基づいて、検索結果116を作製し得る。
【0090】 ここで、プロセス300は、実施形態に関してより詳細に記載され、この実施
形態において、化学ユニット204aのフィールド206a〜mは2進法フィー
ルドである。行動302において、受けられた検索照会110は、特定の化学ユ
ニット(例えば、化学ユニットI2S−HNS)についてポリマーデータベース10
2を検索するために示し得る。例えば、表1に示されるコードスキームが、ポリ
マーデータベースにおける化学ユニットをコードするために使用される場合、化
学ユニットI2S−HNSは、01001の2進数値で表され得る。この化学ユニッ
トについてのマスク114を作製するために(ステップ304)、サーチエンジ
ン112は、マスク114の値として、この化学ユニットの2進数値(すなわち
、01001)を使用し得る。結果として、マスク114のビットの値は、化学
ユニットI2S−HNSの性質を特定し得る。例えば、最も左のビット位におけるゼ
ロの値は、イズロン性(Iduronic)を示し得、そして次のビット位にお
ける1の値は、2X位が硫酸化されていることを示し得る。
【0091】 このサーチエンジン112は、ポリマーデータベース102中のポリマーが、
化学ユニットI2S−HNSを含むか否かを決定するために、このマスク114を使
用し得る。この決定を行うために、このサーチエンジン112は、マスク114
を使用してポリマーデータベース102のデータユニット104a〜nの二進法
操作を行い得る(ステップ306)。例えば、このサーチエンジン112は、マ
スク114を使用して、ポリマーデータベース102中の各ポリマーの各化学ユ
ニットについて論理的AND操作を行い得る。特定の化学ユニットについての論
理的AND操作の結果がマスク114の値と等しい場合、この化学ユニットは、
検索照会110を満たし、そして、行動308において、このサーチエンジン1
12は検索結果116において成功した一致を示し得る。このサーチエンジン1
12は、検索結果116において一致した化学ユニットを含むポリマーのポリマ
ー識別子のようなさらなる情報を作製し得る。
【0092】 行動302における検索照会の受信に応答して、行動304において、このサ
ーチエンジン112はまた、特定のポリマーまたは化学ユニットの1つ以上の性
質を示すマスク114を作製し得る。このような検索照会についてのマスク11
4を作製するために、このサーチエンジン112は、この検索照会によって特定
された値に対する検索照会によって特定された性質に従って、マスク中の各ビッ
ト位を設定し得る。例えば、その2X位および6X位の両方が硫酸化された全て
の化学ユニットについての検索を示す検索照会110を考慮する。この検索照会
に対応するマスクを作製するために、このサーチエンジン112は、2Xおよび
6X位に対応するマスクのビット位に、硫酸化されたものに対応する値を設定し
得る。上記の表1に示されるコードスキームを使用して、例えば、2Xおよび6
X位は、それぞれ3および2のビット位を有し(ビット位ゼロで始まる最も右の
位置から数える)、この検索照会に対応するマスクは01100である。1の値
を有するこのマスクの2つのビットは、2Xおよび6X位に対応し、表1におけ
るビット位に対応する。
【0093】 ポリマーデータベース102中の特定の化学ユニットの1つ以上の性質が、マ
スク114によって特定された1つ以上の性質に一致するか否かを決定するため
に、このサーチエンジン112は、マスク114を使用してポリマーデータベー
ス102中の化学ユニットの化学ユニット識別子について、論理的AND操作を
行い得る。この化学ユニットについての検索結果を作製するために(すなわち、
行動308)、このサーチエンジン112は、論理的AND操作の結果をマスク
114と比較し得る。検索照会によって特定された性質に対応する論理的AND
操作のビット位の値が、マスク114の同じビット位の値と等しい場合、この化
学ユニットは、この検索照会110によって特定された性質を有し、そしてこの
サーチエンジン112は、検索結果116において成功した一致を示す。
【0094】 例えば,上記の検索照会110を考慮し、これはその2X位および6X位の両
方が硫酸化された全ての化学ユニットについての検索を示す。表1のコードスキ
ームを使用して、2Xおよび6X位に対応するビット位は、3および2のビット
位である。従って、マスク114を使用して化学ユニットの化学ユニット識別子
についての論理的AND操作を行った後、このサーチエンジン112は、論理的
AND操作の結果のビット位3および2を、マスクのビット位3および2と比較
する。両方のビット位における値が等しい場合、この化学ユニットは、マスク1
14によって特定された性質を有する。
【0095】 マスク114の作製およびマスク114を用いる検索についての上記の技術は
また、化学ユニットの配列またはポリマー全体に関する検索を行うために使用さ
れ得る。例えば、検索照会110が化学ユニットの配列を示す場合、このサーチ
エンジン112は、マスク114を、化学ユニットの特定された配列の2進数コ
ード化の連続に対応するビットの配列で満たし得る。次いで、このサーチエンジ
ン112は、マスク114を使用してポリマーデータベース102中のポリマー
識別子について2進法AND操作を行い、そして上記のような検索結果116を
作製し得る。
【0096】 マスク114の作製およびマスク114を用いる検索について上記に記載され
る技術は、単に例として提供される。マスク114を用いて作製および検索する
ための他の技術もまた、使用され得る。このサーチエンジン112はまた、各検
索照会110について、1より多くのマスクを使用し得、そしてこのサーチエン
ジン112は、計算効率を改善するために、並行して複数の2進法操作を行い得
る。さらに、論理的AND以外の2進法操作は、ポリマーデータベース102中
のポリマーの性質が、マスク114によって特定された性質に一致するか否かを
決定するために使用され得る。他の2進法操作としては、例えば、論理的ORお
よび論理的XOR(排他的OR)が挙げられる。このような2進法操作は、単独
または互いの組合わせで使用され得る。
【0097】 上記の技術を使用して、このポリマーデータベース102は、特定の化学ユニ
ットについて迅速に検索され得る。プロセス300の1つの利点は、2進数値を
使用して化学ユニットの性質をコードする化学ユニットコードスキームと組合わ
せて使用される場合、化学ユニット識別子(例えば、化学ユニット識別子204
a)が、単一の2進法操作(例えば、2進法AND操作)を使用して、検索照会
(マスクの形態で)と比較され得ることである。上記のように、化学ユニットの
配列をコードするために文字ベースの記数法システムを使用する従来の記数法シ
ステム(例えば、文字の配列としてDNA配列をコードするシステム)は、代表
的には、化学ユニットの超配列(super−sequence)(文字の第2
配列によって表される)内の化学ユニットのサブ配列(文字の第1配列によって
表される)について検索し、そして文字ベースの比較を使用する。このような比
較は、代表的に遅い。なぜならこれは、一致が見出されるまで、文字の第1配列
(サブ配列に対応する)における各文字を第2配列における文字と連続して比較
するためである。結果的に、検索の速度は、サブ配列の長さに関連する(すなわ
ち、長い配列であれば検索は遅くなる)。
【0098】 対照的に、検索二進演算についての上記技術の速度は、検索照会の基礎である
部分配列の長さに対して一定であり得る。検索エンジン112は、問い合わせ配
列の長さに関わらず、単一の二進演算(例えば、論理AND演算)を使用して、
化学ユニットの問い合わせ配列について検索し得るので、検索は、問い合わせ配
列の長さに速度が相関する従来の特徴ベースの方法よりも、迅速に実行され得る
。さらに、検索エンジン112によって使用される二進演算は、より迅速に実行
され得る。なぜなら、従来のコンピュータープロセッサーは、バイナリデータに
おいて二進演算を実行するように設計されているからである。
【0099】 二進演算を使用して検索するための上記技術のさらなる利点は、ポリマーの記
数表示中にポリマーの1以上の特性を符号化することによって、検索エンジン1
12が、迅速かつ直接的に、ポリマーの特定の特性についてポリマーデータベー
ス102を検索することを可能にするという点である。ポリマーの特性は、その
ポリマーの記数表示中に符号化されるので、検索エンジン122は、そのポリマ
ーの記数表示中に特定の特性が符号化されているか否かを決定することによって
、そのポリマーが特定の特性を有するか否かを決定し得る。例えば、上記のよう
に、検索エンジン112は、マスク114を使用してポリマーの記数表示におい
て論理AND演算を実行することによって、そのポリマーが特定の特性を有する
か否かを決定し得る。この演算は、従来のコンピュータープロセッサーよりも迅
速に実行され得、そしてポリマーの特性に関するさらなる情報を参照しなくとも
、そのポリマーの記数表示およびマスクのみを使用して実行され得る。
【0100】 二進演算を使用して特性を表示するために本明細書中で記載される技術のいく
つかの局面は、ポリサッカリドに関する情報を生成し、検索し、そして操作する
ために有用であり得る。従って、ポリマーの完全な基礎ユニットが、固有の数字
識別子(これは、完全な基礎ユニットを分類するために使用され得る)を割り当
てられ得る。例えば、各数字識別子は、ポリサッカリドの基本基礎ユニット、お
よびそのすべての置換基、電荷などによって規定されるような正確な化学構造を
含む、ポリサッカリドの完全な基礎ユニットを表記し得る。基本基礎ユニットは
、基本環構造(例えば、イズロン酸またはグルクロン酸)をいうが、これは、置
換基、電荷などを含まない。このような基礎ユニット情報は、ポリマーの「特性
」に関して上記されたのと同じまたは類似の様式で生成および処理され得る。
【0101】 コンピュータープログラムとして図1のシステム100を実行し得るコンピュ
ーターシステムは代表的に、利用者に情報を表示する出力デバイスおよび利用者
からの入力を受容する入力デバイスの両方に接続された本体を備え得る。本体は
、一般的に、相互接続機構を介して記憶装置システムに接続されたプロセッサー
を備える。入力デバイスおよび出力デバイスはまた、相互接続機構を介して、プ
ロセッサーおよび記憶装置システムに接続され得る。
【0102】 1以上の出力デバイスが、コンピューターシステムに接続され得る。例示的な
出力デバイスとしては、陰極線管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(
LCD)、プリンター、通信デバイス(例えば、モデム)、および音声出力が挙
げられる。1以上の入力デバイスもまた、コンピューターシステムに接続され得
る。例示的な入力デバイスとしては、キーボード、キーパッド、トラックボール
、マウス、ペンおよびタブレット、通信デバイス、およびデータ入力デバイス(
例えば、センサー)が挙げられる。本明細書中に開示される主題は、コンピュー
ターシステムと組合せて使用される特定の入力または出力デバイスに限定されず
、しかも本明細書中に記載されるものにも限定されない。
【0103】 コンピューターシステムは、コンピュータープログラミング言語(例えば、C
++、Java(登録商標)、または他の言語(例えば、スクリプト言語または
アセンブリ言語))を使用してプログラム可能な、汎用性コンピューターシステ
ムであり得る。コンピューターシステムはまた、特殊にプログラムされた特殊目
的のハードウェア(例えば、Application−Specific In
tegrated Circuit(ASIC)のような)を備え得る。汎用性
コンピューターシステムにおいて、プロセッサーは、代表的に市販のプロセッサ
ーであり、この例が、シリーズ×86、Celeron、およびPentium
(登録商標)プロセッサー(Intelから入手可能)、ならびにAMDおよび
Cyrixからの類似のデバイス、680×0シリーズマイクロプロセッサー(
Motorolaから入手可能)、PowerPCマイクロプロセッサー(IB
Mから)、Alphaシリーズプロセッサー(Digital Equipme
nt Corporation)である。多くの他のプロセッサーが利用可能で
ある。このようなマイクロプロセッサーは、オペレーティングシステム(この例
が、Windows(登録商標) NT、Linux、UNIX(登録商標)、
DOS、VMS、およびOS8である)と呼ばれるプログラムを実行し、これは
、他のコンピュータープログラムの実行を制御し、そしてスケジューリング、デ
バッグ、入力/出力制御、計算、コンパイル、記憶割り当て、データ管理および
記憶管理、ならびに通信制御、ならびに関連のサービスを提供する。プロセッサ
ーおよびオペレーティングシステムは、ハイレベルプログラミング言語でアプリ
ケーションプログラムが書き込まれ得るコンピュータープラットフォームを規定
する。
【0104】 記憶装置システムは、代表的に、コンピューター読み取り可能および書き込み
可能な不揮発性記録媒体(この例が、磁気ディスク、フラッシュメモリーおよび
テープである)を備える。ディスクは、取り外し可能(例えば、フロッピー(登
録商標)ディスク)であり得るか、または永続的(ハードドライブとして公知)
であり得る。ディスクは、多くのトラックを有し、ここでシグナルは、代表的に
バイナリー形態(すなわち、0および1の数列として解釈される形態)で保存さ
れる。このようなシグナルは、マイクロプロセッサーによって実行されるべきア
プリケーションプログラム、またはこのアプリケーションプログラムによって処
理されるディスクに保存された情報を規定し得る。代表的に、実行中、プロセッ
サーは、不揮発性記録媒体から集積回路記憶装置エレメント(これは代表的に、
揮発性のランダムアクセス記憶装置(例えば、動的ランダムアクセス記憶装置(
DRAM)または静的記憶装置(SRAM))である)に、データを読み取らせ
る。集積回路記憶装置エレメントは、代表的に、ディスクによって実行されるよ
りも、プロセスによる情報へのより迅速なアクセスを可能にする。プロセッサー
は、一般的に、集積回路記憶装置においてデータを操作し、次いで、処理が完了
した後に、データをディスクにコピーする。ディスクと集積回路記憶装置エレメ
ントとの間でのデータの移動の管理について、種々の機構が公知であり、そして
本明細書中に開示される主題は、このような機構に限定されない。さらに、本明
細書中に開示された主題は、特定の記憶装置システムに限定されない。
【0105】 本明細書中に開示される主題は、特定のコンピュータープラットフォーム、特
定のプロセッサー、または特定のハイレベルプログラミング言語に限定されない
。さらに、コンピューターシステムは、マルチプロセッサーコンピューターシス
テムであり得るか、またはコンピューターネットワークにおいて接続されたマル
チプルコンピューターを含み得る。図1の各モジュール(例えば、110、12
0)が、コンピュータープログラムの別個のモジュールであってもよく、または
別個のコンピュータープログラムであってもよいことが理解されるべきである。
このようなモジュールは、別個のコンピューターにおいて操作可能であり得る。
データ(例えば、104、106、110、114、および116)は、記憶装
置システムに保存され得るか、またはコンピューターシステム間で伝送され得る
。本明細書中に開示される主題は、ソフトウェアもしくはハードウェアもしくは
ファームウェア、またはそれらの任意の組合せを使用する、いかなる特定のイン
プリメンテーションにも限定されない。個々にかまたは組合せてかのいずれかで
、システムの種々のエレメントは、コンピュータープロセッサーによる実行につ
いて機械で読み取り可能な保存デバイスにおいて明確に具現化されるコンピュー
タープログラム製品としてインプリメンテーションされ得る。種々の処理工程が
、入力を操作し、そして出力を生じることによって機能を実行するように、コン
ピューター読み取り可能な媒体において明確に具現化されるプログラムを実行す
るコンピュータープロセッサーによって、実行され得る。このようなシステムを
インプリメンテーションするために適切なコンピュータープログラミング言語と
しては、手続型プログラミング言語、オブジェクト指向型プログラミング言語、
およびこの2つの組合せが挙げられる。
【0106】 図4を参照して、ポリマーを配列決定するためのシステム400が示される。
システム400は、ポリマーデータベース402を含み、このポリマーデータベ
ース402は、複数のポリマーに対応する情報を保存する複数の記録を含む。各
記録は、対応するポリマーの特性に関する情報、対応するポリマーの構成要素化
学ユニットの特性、または両方に関する情報を保存し得る。ポリマーデータベー
ス402に情報が保存されるポリマーは、任意の種類のポリマーであり得る。例
えば、ポリマーは、ポリサッカリド、核酸、またはポリペプチドを含み得る。1
つの実施形態では、ポリマーデータベース402中の各記録は、ポリマー識別子
(ID)(これは、記録に対応するポリマーを識別する)を含む。記録はまた、
記録に対応するポリマーの構成要素である化学ユニットに対応する化学ユニット
識別子(ID)を含む。ポリマーは、他の様式において、ポリマーデータベース
中に提示され得る。例えば、ポリマーデータベース402における記録は、ポリ
マーIDのみを含み得るか、または化学ユニットIDのみを含み得る。
【0107】 ポリマーデータベース402は、本明細書中に記載されるようなポリマーに関
する情報を保存し得る任意の種類の保存媒体であり得る。例えば、ポリマーデー
タベース402は、フラットファイル、リレーショナルデータベース、データベ
ース中のテーブル、コンピューター読み取り可能な揮発性または不揮発性の記憶
装置におけるオブジェクトもしくは構造、またはコンピュータープログラムにア
クセス可能な任意のデータ(例えば、コンピューター読み取り可能な保存媒体に
おけるアプリケーションプログラムファイルのリソースフォーク中に保存された
データ)であり得る。
【0108】 1つの実施形態では、ポリマーIDは、ポリマーIDを含む記録に対応するポ
リマーの特性に関する情報を保存するための複数のフィールドを含む。同様に、
1つの実施形態では、化学ユニットIDは、化学ユニットIDに対応する化学ユ
ニットの特性に関する情報を保存するための複数のフィールドを含む。以下の説
明は、化学ユニットIDのフィールドを言及するが、このような説明は、ポリマ
ーIDのフィールドにも同様に適用可能である。
【0109】 化学ユニットIDのフィールドは、コンピューター読み取り可能な媒体に保存
され得る任意の種類の値(例えば、二進値、十六進値、整数型十進値(inte
gral decimal value)、または浮動小数点値)を保存し得る
。このフィールドは、対応する化学ユニットの任意の特性に関する情報を保存し
得る。
【0110】 組成アナライザ408は、入力としてサンプルポリマー406を受信し、そし
て出力としてポリマー組成データ410を生成し、このデータは、このサンプル
ポリマーの組成を説明する。本明細書中で使用される場合に、組成アナライザと
は、上に記載されるもののような実験的拘束により改変されるポリマーの特性を
同定するために使用され得る、任意の種類の設備または実験手順である。これら
としては、例えば、キャピラリー電気泳動、質量分析、およびクロマトグラフィ
ーが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマー組成データ410は、サン
プルポリマー406中の化学ユニットの特性、およびサンプルポリマー406中
の化学ユニットの数のような、サンプルポリマー406についての情報を含む。
シーケンサー412は、質量ライン414およびポリマーデータベース402に
含まれる情報を使用してサンプルポリマー406を配列決定するプロセスにおい
て、サンプルポリマー406に適合し得る、ポリマーの副集団の候補リスト41
6を生成する。候補リストはまた、本明細書中において、ポリマーの「集団」と
も呼ばれる。配列決定プロセスの終わりに、候補リスト416は、サンプルポリ
マー406に対応する0以上のポリマーを含む。ポリマーの副集団は、サンプル
ポリマーと共通の少なくとも2つの特性を有するポリマーのセットとして、規定
される。ポリマーの副集団を、サンプルポリマー406と比較する情報セットを
有するために同定することは、有用である。
【0111】 例えば、配列DD7DAD−7を考える。これは、20のスルフェート基を含
むHLGAGのテトラデカサッカリド(14マー)である。組成アナライザ40
8は、例えば、DD7DAD−7の組成分析を、この配列をそのジサッカリドの
構成ブロックに分解し、そして各ユニットの相対的なアバンダンスをキャピラリ
ー電気泳動を使用して分析し、ポリマー組成データ410を生成することにより
、実施し得る。この場合のポリマー組成データ410は、±Dに対応する主要な
ピーク、この主要なピークの約1/2の大きさの、±7に対応するピーク、およ
びこの主要なピークの約1/4の大きさの、±Aに対応する別のピークを示す。
±の符号は、ヘパリナーゼによる分解が、ウロン酸環のC4原子とC5原子との
間に二重結合を形成し、これによってイズロン酸対グルクロン酸の情報の損失を
もたらすことに起因して、使用されることに注目のこと。ポリマー組成データ4
10から、4つの±D、2つの±7、および1つの±Aがこの配列に存在するこ
とが、推論され得る。
【0112】 図5を参照すると、サンプルポリマー406を配列決定するためにシーケンサ
ー412により実行され得るプロセス500が示される。シーケンサー412は
、ポリマー組成データ410を組成アナライザ408から受信する。シーケンサ
ー412は、ポリマー組成データ410およびポリマーデータベース402に含
まれる情報を使用して、全ての可能なポリマーの最初の候補リスト416を生成
する:(1)サンプルポリマー406と同じ長さを有するポリマーおよび(2)
サンプルポリマー406と同じ成分の化学ユニットを有するポリマー(ステップ
504)。
【0113】 例えば、上記配列DD7DAD−7を考える。ポリマー組成データ410は、
この配列が4つの±D、2つの±7、および1つの±Aを含むことを示し、そし
てサンプルポリマー406の長さが7であることを示す。この場合には、工程5
04(候補リスト416の生成)は、サンプルポリマー406と同じ長さを有し
、そして4つの±D、2つの±7、および1つの±Aを有する全ての可能な配列
を生成する工程を包含する。1つの実施形態において、シーケンサー412は、
暴力的な(brute force)方法を使用して、これらの特徴を有する全
ての配列を、標準的なコンビナトリアル方法を使用して、4つの±D、2つの±
7、および1つの±Aを有する長さ7の全ての配列を生成することにより、生成
する。
【0114】 次いで、シーケンサー412は、質量ライン414からのデータを使用して、
リスト中の配列の数が所定の閾値(例えば、1)に達するまで、工程504にお
いて生成されたリストから、次第に配列を排除する。このような排除を実施する
ために、1つの実施形態においては、シーケンサー412は、候補リスト416
におけるポリマーの各々の所定の特性の値を計算する(ステップ506)。所定
の特性とは、例えば、ポリマーの質量であり得る。ポリマーの質量を計算するた
めの例示的な方法は、以下にさらに詳細に記載する。シーケンサー412は、候
補リスト416中のポリマーの所定の特性の計算値を、サンプルポリマー406
の所定の特性の値と比較する(ステップ508)。シーケンサー412は、所定
の特性の値が、所定の範囲内のサンプルポリマー406の所定の特性の値と合致
しない候補ポリマーを、候補リスト416から排除する(ステップ508)。例
えば、所定の特性が分子量である場合には、所定の範囲は±1.5Dであり得る
【0115】 シーケンサー412は、実験的拘束をサンプルポリマー406に適用して、サ
ンプルポリマー406を改変する(ステップ510)。「実験的拘束」とは、本
明細書中において使用される場合に、検出され得るポリマーの改変をもたらす、
ポリマーにおいて実施される生物学的プロセスである。実験的拘束としては、例
えば、外酵素、内酵素、制限エンドヌクレアーゼによる、酵素的消化;化学的消
化;化学的修飾;結合している化合物との相互作用;化学剥離(すなわち、モノ
サッカリドユニットの除去);および酵素的改変(例えば、ヘパリンスルフェー
トスルホトランスフェラーゼによる特定の位置での硫酸化)が挙げられるが、こ
れらに限定されない。
【0116】 シーケンサー412は、改変されたサンプルポリマー406の特性を測定する
(ステップ512)。シーケンサー412は、候補リスト416から、実験結果
422の特性値と合致しない特性値を有する候補ポリマーを、排除する(ステッ
プ514)。
【0117】 候補リスト416の大きさが所定の閾値(例えば、1)より小さい場合には(
ステップ516)、シーケンサー412が完了する(ステップ518)。この時
点での候補リスト416の内容は、配列決定プロセスの結果を表す。候補リスト
416は、ポリマーデータベース402の内容および所定の閾値の値に依存して
、0以上のポリマーを含み得る。候補リスト416の大きさが所定の閾値以上で
ある場合には(ステップ516)、候補リスト416の大きさが所定の閾値より
低くなるまで、工程510〜516が繰り返される。シーケンサー412が完了
する場合には(ステップ518)、シーケンサー412は、例えば、候補リスト
416を、コンピュータモニタのような出力デバイス上で、ユーザに表示し得る
【0118】 図6を参照すると、別の実施形態においては、シーケンサー412は、遺伝ア
ルゴリズムプロセス600を使用して、最初の候補リスト416を生成し、そし
てサンプルポリマー406の配列を同定する最後の候補ポリマーに達するために
、候補リスト416を改変する。シーケンサー412は、ポリマー組成データ4
10により示される組成を有し、そしてサンプルポリマー406と同じ長さを有
する、ランダムな配列の集団を生成する(ステップ602)。シーケンサー41
2は、酵素ENZの酵素的分解に基づくスコア機能を使用して、候補リスト41
6中のポリマーの当てはめ(スコア)を評価する(ステップ604)。遺伝アル
ゴリズムプロセス600は、この当てはめ値を使用して、候補リスト416中の
配列のいずれが次の世代に生き残り得るか、および候補リスト416中の配列の
いずれが交差および当てはめにより等しいかまたはより高い変異の他の配列を産
生する最も高い機会を有するかを、推定する。次いで、シーケンサー412は、
次の世代に当てはまる、候補リスト416中の配列をために選択する、交差およ
び変異の操作を実行する(ステップ606)。少なくとも所定の数(例えば、3
)の、候補リスト416の世代が、正しい配列のコピーを最大の当てはめで含む
場合には(ステップ608)、シーケンサー412は配列決定を完了する。そう
でなければ、シーケンサー412は、工程608の条件が満足されるまで、工程
604〜606を繰り返す。交差および変異の操作が、遺伝アルゴリズムにより
使用されて、検索スペースの異なる領域をランダムにサンプリングする。
【0119】 1つの実施形態において、工程510および512は、自動化される(例えば
、コンピュータにより実行される)。例えば、最初の候補リスト416が生成さ
れた後に(ステップ508)、シーケンサー412は、候補リスト416をカテ
ゴリー(カテゴリーは、好ましくは特性に基づく)(例えば、hepI切断可能
、hepIII切断可能、および亜硝酸切断可能(この特性は、酵素感受性であ
る))に分割し得る。次いで、シーケンサー412は、このカテゴリーの各々に
存在する配列の対応する分解または改変をシミュレートし得、そして独特の質量
のフラグメントを与える配列を検索し得る。分解または改変の際に独特の質量の
フラグメントを与え得る配列の集団に基づいて、シーケンサー412は、特定の
酵素または化学物質を、候補ポリマーを候補リスト416から排除するための実
験的拘束として、選択する(ステップx)。この実施例においては、hepI、
hepIII、および亜硝酸のみを使用するが、酵素のような他の実験的拘束(
外酵素および他のHLGAG分解化学物質が挙げられる)を使用し得る。
【0120】 別の実施形態において、シーケンサー412は、化学的特性を使用して、実験
的拘束の選択をガイドする。例えば、既知のポリマーの化学ユニット(I2S、G
、HNS、およびHNacを含む)の標準化された頻度が、計算され得る。例えば、
2Sを含む化学ユニットの標準化された頻度f(I2S)は、f(I2S)=(I2S を含むジサッカリドユニットの数)/(ジサッカリドユニットの数)として計算
され得る。この様式で既知の配列について計算された、標準化された頻度の例示
的なセットを、以下の表6に示す。
【0121】
【表6】 「収斂のために使用される拘束」の列は、対応する既知の配列の収斂を達成す
ることが実験的に示された拘束を示す。一旦、組成分析がサンプル(未知)ポリ
マーに対して実施されると、このサンプル配列におけるI2S、G、HNS、および
NAcの相対頻度が、上記表を使用して、既知の配列の相対頻度と比較され得る
。サンプルポリマーに適用するための実験的拘束のセットを選択するために、サ
ンプルポリマーの相対頻度を、上記表の既知の配列の相対頻度と比較し得る。次
いで、サンプルポリマーの相対頻度と類似の相対頻度を有する既知の配列が選択
され得、次いでこの選択された配列を用いて同定される実験的拘束(表に示すよ
うな)が、サンプルポリマーに適用され得る。
【0122】 例えば、表6は、f(G)およびf(HNAc)の存在が、hepIIIおよび
亜硝酸を使用する決定において重要な因子であることを実証する。なぜなら、亜
硝酸は、HNSの後ろで切り取り(clip)、そしてhepIIIはGを含む二
糖ユニットの後ろで切り取るからである。二糖ユニットI2S−HNS,6Sは、HL
GAG鎖のヘパリン様領域(すなわち、非常に硫酸化した領域)において主なユ
ニットである。それゆえ、配列がさらにヘパリン様であるならば、hepIは、
デフォルト酵素として選択され得、そしてGおよびHNAcを含む化学ユニットに
存在する情報の中身は、hepI以外の酵素および化学物質を選択するために重
要となる。同様に、HLGAG鎖上の低硫酸化領域については、hepIIIは
デフォルト酵素であり得、そしてf(I2S)およびf(HNS)はhepIおよび
亜硝酸を選択するために重要になる。同様に、鎖に沿ったスルフェートまたはア
セテートの位置分布もまた算出し得、そして収束のためにスルホトランスフェラ
ーゼまたはスルファターぜ(sulfatease)を用いる基準を作成し得る
【0123】 ポリマーデータベース402は、ポリマーのある位置での硫酸化がポリマーの
質量に対して80.06Dを与えること、およびアセテートについてのスルフェ
ートによる置換がポリマーの質量に対してさらに38.02Dを与えることを示
す情報を含み得る。それゆえ、ポリマーデータベース402における任意のポリ
マーの質量Mは、以下の式を用いて算出され得る: M=379.33+[0 80.06 80.06 80.06 38.02
*C、 ここでCはポリマーの二進表示を含むベクトルであり、そして*はベクトル乗法
演算子(vector multiplication operator)で
ある。例えば、01101の二進表示を有する二糖ユニットI2S−HNS,6Sの質
量は、379.33+[0 80.06 80.06 80.06 38.02
*[01101]=379.33+0+80.06*1+80.06*1+80
.06*0+38.02*1=577.47Dに等しい。
【0124】 HLGAGフラグメントは、酵素(例えば、ヘパリンリアーゼ酵素)または亜
硝酸を用いて分解され得、そしてこれらはまた、硫酸基を先に述べた位置へと転
移するかまたは硫酸基をその位置から除去する異なる酵素を用いて改変され得る
。修飾酵素は、外溶解性(exolytic)でかつ非プロセシング性(non
−processive)であり、このことは、これらが非還元末端に対して1
回だけ作用するに過ぎず、そしてその鎖の逐次修飾を伴わずにヘパリン鎖から離
れることを意味する。二糖ユニットにおける修飾可能な位置の各々について、修
飾酵素が存在する。硫酸基を付加する酵素はスルホトランスフェラーゼと呼ばれ
、そして硫酸基を除去する酵素はスルファターゼと呼ばれる。修飾酵素としては
、2−Oスルファターゼ/スルホトランスフェラーゼ、3−Oスルファターゼ/
スルホトランスフェラーゼ、6−Oスルファターゼ/スルホトランスフェラーゼ
およびN−デアセチラーゼ−N−スルホトランスフェラーゼが挙げられる。これ
らの酵素の機能は、それらの名称から明らかである。例えば、2−Oスルホトラ
ンスフェラーゼは、硫酸基をイズロン酸の2−O位置へと転移させ(2−O硫酸
化グルクロン酸はHLGAG鎖中で稀な存在である)、そして2−Oスルファタ
ーゼは硫酸基をイズロン酸の2−O位置から除去する。
【0125】 HLGAG分解酵素としては、へパリナーゼ−I、へパリナーゼ−II、へパ
リナーゼ−III、D−グルクロニダーゼおよびL−イズロニダーゼが挙げられ
る。へパリナーゼは、ウロン酸の前のグリコシド結合を切断する。へパリナーゼ
Iは、2−O硫酸化イズロン酸の前のグリコシド結合を切り取る。へパリナーゼ
−IIIは、非硫酸化グルクロン酸の前のグリコシド結合を切断する。へパリナ
ーゼ−IIは、Hep−I切断可能部位およびHep−III切断可能部位の両
方で切断する。へパリナーゼによる切断の後に、その前で切断が生じるウロン酸
は、グルクロン酸に対するイズロン酸の情報を失う。なぜなら、ウロン酸のC4
原子とC5原子との間に二重結合が作製されるからである。
【0126】 グルクロニダーゼおよびイズロニダーゼは、それらの名称が示唆するように、
グリコシド結合をそれぞれ、グルクロン酸およびイズロン酸の後ろで切断する。
亜硝酸は、N硫酸化ヘキソースアミンの後ろのグリコシド結合でランダムに切り
取り、そして6員のヘキソースアミン環を5員の無水マンニトール環へと変換す
る。
【0127】 酵素についての上記の規則は、二進算術を用いて上記のようにコンピューター
中に容易にコードされて、その結果、配列に対する酵素の活性が、単純な二進演
算子を用いて実施されて、酵素活性から形成されるフラグメントを生じ得る。
【0128】 これらの技術を用いて、ポリサッカリド配列のデータベースを構築し得る。い
くつかの局面では、本発明は、これらの分子の生物学的機能について極めて重要
であるポリサッカリド−タンパク質相互作用の性質について有益な情報を得るた
めの、ポリサッカリド配列のデータベース、ならびにモチーフ検索および配列ア
ラインメントアルゴリズムである。ポリサッカリド配列のデータベースにおける
配列情報をまた用いて、これらの分子の配列構造の関係について有益な洞察を提
供し得る。
【0129】 配列決定ポリマーについての本発明の方法の使用に加えて、この方法は、ポリ
マーに関連した構造特性を同定することが望ましい、任意の目的のために用いら
れ得る。例えば、本発明の方法を、低分子量ヘパリンの分析に用い得る。LMW
Hの制限された消化ならびにCEおよびMALDI−MSによる分析によって、
本発明者らは、LMWHの種々の調製物の「消化スペクトル」を入手し得、従っ
て、組成およびそのバリエーションについての情報を導き得る。このような情報
は、LMWH調製物の品質の制御に関して有用である。
【0130】 この方法はまた、基本的な生物学的プロセスにおけるHLGAGの役割を理解
するために有用である。既にMSは、Drosophilaの発生における時間
の関数として種々のタンパク質の存在について調べるために用いられている。類
似の様式で、HLGAG発現は、Drosophilaの発生において関数とし
て位置および時間の両方が存在し得る。同様に、この方法は、ヒト疾患について
の診断ツールとして用いられ得る。ムコ多糖症(MPS)と呼ばれる一群のヒト
疾患が存在する。これらの疾患についての分子的基礎は、大部分、HLGAGに
ついての分解経路に存在する。例えば、I型ムコ多糖は、イズロニダーゼにおけ
る欠損を含み、イズロニダーゼは、非硫酸化イズロン酸残基をHLGAG鎖から
切り取る。同様に、II型ムコ多糖症(MPS II)を患うヒトは、イズロン
酸−2−スルファターゼを欠く。これらの障害の各々では、細胞表面HLGAG
の組成および順序において著しい変化が生じる。本発明者らの方法論は、これら
の障害についての診断として用いられて、患者がどのMPS症候群を患っている
かを同定し得る。
【0131】 さらに、本発明の方法は、タンパク質結合HLGAG配列をマッピングするた
めに有用である。DNAをフィンガープリントすることと同様に、MALDI−
MS配列決定アプローチを用いて、選択されたタンパク質に結合するHLGAG
配列を特異的にマッピングし得る。これは、HLGAG鎖を標的タンパク質の存
在下ならびにこの特定のタンパク質の非存在下で配列決定することによって達成
される。このようにして、消化から保護された配列は、標的タンパク質に対して
高い親和性で結合する配列を示す。
【0132】 本発明の方法を用いて、分枝ポリマーまたは非分枝ポリマーを分析し得る。分
枝ポリマーの分析は、非分枝ポリマーの分析よりも困難である。なぜなら、分枝
炭水化物は、「情報稠密」分子であるからである。分枝ポリサッカリドとしては
、いくつかの異なる方法で合わされ得る、それゆえ、多くの配列をコードし得る
、わずかな構築ブロックが挙げられる。例えば、三糖は理論的に、600万を超
える異なる配列を生じ得る。分枝ポリサッカリドを分析するための方法は特に、
コンピュータ操作が実行可能である効率的な命名法の作成によって進歩する。従
って、コンピュータ操作が実行可能である分枝糖についての効率的な命名法が本
発明に従って開発された。これらのポリサッカリドの配列情報をコードし得る2
つの型の数値スキームが、広範に用いられるグラフ(画)表示および以下に議論
した提唱された数値スキームを架橋するために開発された。
【0133】 a.バイトに基づく(二進スキーム)表記スキーム:第1の表記スキームは、
二進数値システムに基づく。ツリートラバースアルゴリズム(tree−tra
versing algorithm)に関連した二進表示を用いて、分枝ポリ
サッカリドの全ての可能な組み合わせを表示する。この節(node)(分岐点
)は、ツリートラバースアルゴリズム(図7A)を通してコンピュータ検索する
ことが容易に実行可能である。図7Aは、分岐糖についての表示スキームを示す
。各モノサッカリドユニットは、3において節(N)として表示され得る。構築
ブロックは、(A)、(B)または(C)のいずれかであり得ると規定され得、
ここで、N1、N2、N3およびN4は、個々のモノサッカリドである。これら
の組み合わせの各々は、情報の構築ブロックを表すように数字的にコードされ得
る。グリコシル化パターンをこのようにして規定して、この課題を解決するため
に適用され得る計算機科学においていくつかの、ツリートラバースおよび検索ア
ルゴリズムが存在する。
【0134】 この表記スキームのより単純なバージョンを図7Bに示す。この単純化された
バージョンは、異常な構造を含む、他の全ての可能な改変を含むように拡大され
得る。例えば、脊椎動物におけるN結合型グリコシル化は、コア領域(トリ−マ
ンノシルキトビオース部分)およびコアからの4までの分枝鎖を含む。分枝鎖に
加えて、表記法スキームはまた、他の修飾(例えば、コアに対するフコースの付
加、または分枝鎖におけるGlcNacもしくは分枝鎖におけるシアル酸のフコ
シル化)を含む。従って、N結合型ポリサッカリドのスーパーファミリーは、3
つのモジュラーユニットによって広範に表され得る:a)コア領域:通常の、フ
コシル化および/またはGlcNacでの二分、b)分枝数:各々がGlcNa
c、GalおよびNeuを有する4までの分枝鎖、ならびにc)分枝糖の改変。
これらのモジュラーユニットは、系統的に合わされて、ポリサッカリドの可能な
全ての組み合わせを作製し得る。分枝および分枝内の配列の表示は、n−ビット
の二進法コード(0および1)で行われ得、ここで、nは、分枝におけるモノサ
ッカリドの数である。図7Cは、分枝に関する情報全体を含む二進法コードを示
す。4までの分枝が可能であるので、各鎖は、3ビットの二進法コードによって
表され得、合計12の二進法ビットを与える。第1のビットは、マンノースに隣
接したGlcNac残基の存在(二進法で1)または非存在(二進法で0)を示
す。第2および第3のビットは同様に、分枝におけるGal残基およびNeu残
基の存在または非存在を示す。それゆえ、GlcNac−Gal−Neuを含む
完全な鎖は、二進法で(111)として表される。111は、十進法での7に等
しい。次いで、分枝のうちの4つが、4ビットの十進法コードによって、十進法
のコードのうちの第1のビット第1鎖についてであり、そして第2のビットは第
2鎖についてであるなどとあらわされ得る(右)。
【0135】 この単純な二進法コードは、コアに対する結合(α対βおよび1−6または1
−3など)に関する情報を含まない。しかし、この型の表記スキームは、分枝の
修飾についてさらなるビットを含むように容易に拡大され得る。例えば、分枝に
おけるGlcNacに対する2〜6の分枝したノイラミン酸の存在は、二進法の
ビットによってコードされ得る。
【0136】 (b.素数進法方式(Prime Decimal Notation Sc
heme):) 上記の2進法に類似する、素数方式の使用を含む、第2のコン
ピューター化に適した数値化システムを開発した。素数代数学は、符号化、暗号
化および計算機データ操作の領域において広範に使用されている。この方式は、
小さい数について、唯一定義され得る、素数の約数集合が存在するという定理に
基づく。この様式において、組成物情報が、迅速かつ正確に分析され得る。
【0137】 この方式を、以下の例によって例示する。素数2、3、5、7、11、13、
17、19および23を、ポリサッカリドの9つの共通の基本ユニット(bui
lding block)に設定する。次いで、ポリサッカリド鎖の組成物を、
各基本ユニットを表す素数の、積として表し得る。例えば、GlcNacを、数
3に、そしてマンノースを、数2と設定する。この方式で、コアを、2×2×2
×3×3=72(3つのマンノースおよび2つのGlcNac)として表す。従
って、この記数法は、72が、3つの2と2つの3の組み合わせとしてのみ表さ
れ得るという、数学的原理に基づく。従って、これらの素数の約数は固有であり
、そしてこの組成物情報をコードし得る。これは、非常に大きい数になる場合に
問題となるが、本発明者らがこの分析において扱う数の大きさについては、問題
とはならない。この数から、ポリサッカリド鎖の質量が決定され得る。
【0138】 この記数方式のコンピューター化アプローチの能力を使用して、ポリサッカリ
ド配列の全ての可能な組み合わせの完全なリストを系統的に開発し得る。例えば
、大きさmnの可能な配列の制限されない組み合わせのリストが使用され得、こ
こで、mは、基本ユニットの数であり、nは、鎖における位置の数である。図7
Cにおいて、理論的に可能な、256個の異なるサッカリドの組み合わせを示す
(各分枝についての4つの組み合わせかつ4つの分枝=44)。
【0139】 この256個の異なるポリサッカリド構造の質量線をプロットし得る。次いで
、生合成経路の法則を使用して、ポリサッカリドをさらに分析し得る。この例に
おいて(図7Bに示される)、この生合成経路の第1工程が、1−3連結された
鎖でのGlcNacの付加(分枝1)であることが認識される。従って、分枝1
は、任意の他の分枝が存在するために、存在しているはずである。この法則に基
づいて、この256個の可能な組み合わせは、分枝1が0でない場合およびその
場合でのみ、分枝2、3および4が存在することを結論付けるための階乗アプロ
ーチを使用して減少され得る。類似の制限が、集団の基本リストの生成前に記数
レベルで組み込まれ得る。この記数方式を設定して、実験データを生成し得(例
えば、MALDI−MSまたはCE、あるいはクロマトグラフィー)、そしてこ
のデータを満足しない配列が排除され得る。従って、繰返し手順が、解への迅速
な収束を可能にする。
【0140】 分枝パターンを同定するために、MALDI−MSおよびCE(または、他の
技術)の組み合わせを、実施例に示されるように使用し得る。分枝ポリサッカリ
ドの垂下アームの除去は、細胞外酵素および細胞内酵素をうまく使用することに
よって達成され得る。全てのアンテナ型の基が除去され、マンノースコアから伸
びるGlcNAc部分のみを保持し、そして「拡張」コアを形成する。この方法
において、分枝についての情報は保持されるが、グリコフォーム(glycof
orm)の分離および同定はより単純になる。ほとんどのポリサッカリド構造に
ついて、拡張コアを形成するために使用され得る1つの方法論は、以下である。
シアリダーゼおよびフコシダーゼの添加により、アームからキャップ基および分
枝基を除去する。次いで、エンド−β−ガラクトシダーゼの適用によって、アー
ムを切断し、この拡張コアを生じる。より通常ではない構造について、他のエキ
ソグリコシダーゼ(例えば、キシラーゼおよびグルコシダーゼ)が利用可能であ
る。分解酵素の反応混液の添加によって、任意のポリサッカリドモチーフが、そ
の対応する「拡張」コアに還元され得る。「拡張」コア構造の同定は、質量スペ
クトル分析によって成される。垂下アームの数に依存して、拡張コアモチーフに
関連する、固有の質量サインが存在する(図7D)。図7Dは、この酵素反応混
液によるグリカン構造の完全な消化に際して発生される、「拡張」コアモチーフ
の質量線を示す。コアGlcNAc部分にα1→α6連結されたフコースを有す
るおよび有さない両方の、一アンテナ型構造、二アンテナ型構造、三アンテナ型
構造および四アンテナ型構造の予測される質量が示される(左から右)。全ての
「拡張」コア構造は、MALDI MSによって容易に解明される、固有の質量
サインを有する(左から右)。存在する種々のグリカンコアの定量化は、キャピ
ラリー電気泳動によって達成され得、キャピラリー電気泳動は、ポリサッカリド
構造を定量化するための高速かつ高感度の手段であることが証明されている[K
akehi,K.およびS.Honda,Analysis of glyco
proteins,glycopeptides and glycoprot
ein−derived polysaccharides by high−
performance capillary electrophoresi
s.J Chromatogr A,1996.720(1−2):377−9
3頁]。
【0141】 (実施例) (実施例1:ジサッカリド、テトラサッカリドおよびヘキササッカリドについ
てのフラグメント数 対 フラグメント質量の同定) 全ての可能なジサッカリド、テトラサッカリドおよびヘキササッカリドのフラ
グメントの質量を計算し、そして図8に示される質量線に示した。X軸は、ジサ
ッカリド、テトラサッカリドおよびヘキササッカリドの異なる可能な質量を示し
、そしてY軸は、特定の質量を有するフラグメントの数を示す。テトラサッカリ
ドとヘキササッカリドとの間にかなりの重複が存在するが、それらの質量の最小
差は、13.03Dである。全てのバーを明確に示すために、Y軸が中断され1
7と40との間の値が除かれていることに留意する。
【0142】 (実施例2:HLGAGのオクタサッカリドの配列決定) hepI、hepII、hepIII、亜硝酸および細胞外酵素(例えば、2
−スルファターゼ)、ならびに実験制限としてα−イズロニダーゼ、β−グルク
ロニダーゼ、n−デアセチラーゼ、および上記のコンピューターアルゴリズムを
使用して、HLGAGのオクタサッカリド(O2)配列、2つのデカサッカリド
(FGF結合およびATIII結合)配列およびヘキササッカリド配列を、配列
決定した。
【0143】 (1.O2の組成分析) O2の組成分析を、ヘパリナーゼI〜IIIでの30μMサンプルの完全な消
化、およびキャピラリー電気泳動(CE)による分析によって行った。手短に言
うと、10μLのポリサッカリドに対して、リン酸ナトリウム緩衝液(pH 7
.0)中の200nMのヘパリナーゼI〜IIIを添加した。この反応を、30
℃で一晩進行させた。CE分析のために、このサンプルを、25μLに増加させ
た。ナフタレントリスルホン酸(2μM)を内部標準として泳動した。ΔU2S
NS,6SおよびΔU−HNS,6Sの割当てを、それらと同時に泳動した既知の標準に
基づいて行った。内部標準は、4分と6分との間で移動し、三硫酸化ジサッカリ
ドΔU2S−HNS,6Sは、6分と8分との間で移動し、そして二硫酸化ジサッカリ
ドΔU−HNS,6Sは、8分と10分との間で移動した。ピークの積分は、2つの
サッカリドの相対量が、3:1であることを示した。
【0144】 O2オクタサッカリドについてのCEデータは、通常生じる三硫酸化ジサッカ
リド(ΔU2S−HNS,6S)に対応する大きいピーク、および二硫酸化ジサッカリ
ド(ΔU−HNS,6S)に対応する小さいピークが存在することを実証した。CE
データから得られたこれらのジサッカリド単位の相対量は、3つのD(±)およ
び1つの5(±)が存在することを示す。これらのジサッカリド単位を有する配
列の可能な組み合わせの数は、32である。これらの可能な組み合わせを、以下
の表7に示す。
【0145】
【化1】 (2.ヘパリナーゼIでのO2の消化) O2の消化は、短い手順および完全な消化の両方を使用して完了した。「短い
」消化は、100nMのヘパリナーゼIおよび10分の消化時間を使用すること
と定義した。「完全な(exhaustive)」消化は、200nMの酵素で
の一晩消化として定義した。全ての消化を室温で行った。O2の場合、両方の消
化条件が、同じ結果を生じる。ヘパリナーゼIでの短い消化は、m/z5300
.1(1074.6)の五硫化テトラサッカリド(アセチル基なし)および三硫
化ジサッカリドに対応するm/z4802.6(577.1)のジサッカリドを
生じた。このプロフィールは、O2の完全な消化について変化しなかった。
【0146】 へパリナーゼIを用いた処理において、O2をはさみ、m/z4802.6お
よび5,300.1を有するフラグメントを形成する。これらのフラグメントの
質量から、4802.6のm/zが、三硫酸化されたジサッカリドに対応し、そ
して5300.1のm/zは、五硫酸化された四糖類に対応することを独自に決
定することが可能であった。この配列のジサッカリド組成物は既知であるので、
形成され得る三硫酸化されたジサッカリドのみ±Dであり、そして形成され得る
可能な五硫酸化された四糖類は、±5D、±5−D、±D5および±D−5であ
る。フラグメントの同定後、次の工程は、それらを配列して、正しい配列を与え
る。これは、手動で扱われるべき扱いにくい仕事なので、コンピューターシュミ
レーションを使用して、実験データと合わなかったマスターリストから、配列を
漸次排除した。へパリナーゼIがI2Sの前(before and I2S)を切
断する規則を使用して、へパリナーゼ消化をコンピューターでシュミレートして
、マスターリストにおける全ての32の配列に対するフラグメントを生成した。
各配列に対して形成されるフラグメントのリストから、コンピューターを使用し
て、質量分析法データから観察されるジサッカリドおよび三糖類に対応するフラ
グメントを探索した。hep Iの質量分析法に合うフラグメントを与えた配列
を、図8Aにおいて示す。全ての配列が、これらのフラグメントを生成するため
に使用されるhepI消化についての公知の規則と一致する3Dを有することが
、図8Aから観察され得る。2つの配列が、すなわち、還元末端の+/−5(I
−HNAc,6SまたはG−HNS,6S)を有し、そして非還元末端から第二の位置に+
/−5を有する同じ生成物プロフィールを与えることもまた観察し得る。第二の
実験的拘束を解決するために、hepIIIを用いた消化を使用した。
【0147】 表7は、hepIの生成物プロフィールおよび八糖類O2のhepIII消化
を満足する配列のリストを提供する。(a)は、質量分析計データから観察され
るようなジサッカリドフラグメントおよび四糖類フラグメントを与える配列を示
す。フラグメントの質量とともに以下に列挙されるフラグメントは、hepI消
化のコンピューターシュミレーションにより生成されたものである。(b)は、
hepIII消化後の質量分析データにおいて観察される六糖類フラグメントを
与える(a)において配列決定する。それらの質量を伴ったフラグメントを、h
epIII消化のコンピューターシュミレーションにより生成した。
【0148】 (3.へパリナーゼIIIを用いたO2の消化) へパリナーゼIIIを用いたO2の消化は、m/z5958.7(1731.
9)の硫酸化されていない六糖類および観察されなかった二硫酸化されたジサッ
カリド(硫酸を保存するため)を産生した。短い消化および完全な消化の両方が
、同じプロフィールを産生した。
【0149】 O2のヘパリナーゼIII処理が、9個の硫酸基を有する六糖類として独自に
同定されたm/z5958.7の主要なフラグメントを生じた。hepIII消
化の生成物プロフィールを満足する配列のみが、表7において示される±DDD
−5であった。表7は、還元末端においてa−5(G−HNAc,6S)が存在し得る
ことを示す。これは、hepIII消化のために使用されるルールと一致した(
すなわち、1つのGの前のhepIIIクリップ)。表に示された質量は、整数
である。必要とされるフラグメントを探索するために使用される質量は、小数点
以下に対して正確であった。
【0150】 従って、実験データに合わない配列を削除することにより、全ての可能な配列
のリストから始まる最後の配列に集中する能力を示すことが可能であった。開始
点が、配列の組成を与えられた全ての可能な配列のリストであったことから、任
意の配列が分析の間に失われることは可能ではなかった。
【0151】 (実施例3:塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF−2)結合糖類) 塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF−2)結合糖類のMALDI−MSが実施
され、FGF−2との複合体として糖類の質量および大きさを決定した(G.V
enkataramanら、PNAS.96,1892,(1999))。FG
F−2の二量体が、37,009のm/zを有する種類を産生する糖類(S)に
結合した。FGF−2の分子量のサブトラクションにより、糖類の分子量が、1
4個の硫酸を有する十糖類および還元末端のアンヒドロマンニトールに対応して
、2808であることを決定した。
【0152】 (1.組成分析) 組成分析およびFGF−2結合モノサッカリドのCEを、上記のように完成し
た。このサンプルの組成分析は、比率3:1で、±D(ΔU2SNS,6S)および
±D’(ΔU2SMan6S)に対応する2つのピークを生じた。この二モノサッカ
リドは、ヘパリンの亜硝酸分解に由来するので、非還元末端におけるウロン酸と
、CE(232nm)より観察しなかった。従って、非還元末端残基を、細胞外
酵素を用いた配列決定により、+D(I2SNS,6S)として同定した。この組成
物についての可能な配列の数は、表8(i)の16である。16の配列のうち、
十糖類のヘパリンI消化において観察されるフラグメントを生じ得る配列は、表
8(ii)において示される。
【0153】
【化2】 (2.へパリナーゼIおよびへパリナーゼIIIを用いた消化) 内部(internal)ウロン酸+D対−Dの異性体状態を分解するため、
へパリナーゼIおよびへパリナーゼIIIを用いた糖類の完全な消化を実施した
。糖類のへパリナーゼIの完全な消化は、三硫酸化されたジサッカリド(±D)
およびそのアンヒドロマンニトール誘導体に対応する二種類のみを生じるが、へ
パリナーゼIIIは、全くジサッカリドを切断しなかった。
【0154】 ジサッカリドのへパリナーゼI消化は、還元末端にアンヒドロマンニトールを
有する五硫酸化された四糖類(m/z5286.3)およびm/z4804.6
の三硫酸化されたジサッカリドを生じた。表8は、FGF結合十糖類配列の集合
を示す。従って、hepIを用いた処理において、FGF−2結合糖類の質量分
析生成物プロフィールを満足する配列のリストを提供する。表8のセクション(
i)は、組成分析に由来する16配列のマスターリストおよび非還元末端の細胞
外酵素配列決定を示す。非還元末端のジサッカリドユニットが、細胞外酵素を用
いて、+Dであることが指定され、そして還元末端のアンヒドロマンニトール基
が、‘として示される。へパリナーゼIを用いた十糖類の消化から生じるフラグ
メントの質量は、(ii)において示される。また、へパリナーゼI消化データ
を満足する(i)からの配列も示される。表8のセクション(iii)は、へパ
リナーゼIを用いた完全な消化からのデータを満足する(ii)からの十糖類の
配列を示す。表14のセクションiiiにおいて示される最終的な配列DDDD
D’に集中するよう本発明者らを導く十糖類において、全ての位置でhepI切
断可能部位が存在する場合のみ、この生成物プロフィールを得られ得る。上記を
ひとまとめにして考えると、FGF−2結合十糖類配列の配列が、DDDDD’
[(I2SNS,6S42SMan6S]であることを確認する。
【0155】 (実施例4:AT−III結合ジサッカリドの配列決定) AT−III結合ジサッカリドを、複合体配列の決定の例として使用した。
【0156】 (1.組成分析) 組成分析およびCEを、上記のように完成した。AT−III結合糖類の組成
分析が、それぞれ3:1:1の相対比で、ΔU2SNS,6S(±D)、ΔUHNAc,6 S (±4)およびΔUHNS,3S,6S(±7)に対応した3つの構築物(build
ing block)の存在を示した。この組成物を用いて形成され得る最も短
いポリサッカリドが、MALDI−MSデータと一致して、十糖類に対応する。
上記のジサッカリド構築物と、この十三硫酸化され、1つアセチル化された十糖
類配列の可能な組み合わせの総数は、表9の320である。
【0157】
【化3】 (2.ヘパリナーゼIを用いる消化) ヘパリナーゼIを用いるこのデカサッカリドの消化は、4つのフラグメントを
生じた。主要なフラグメントには、10硫酸化1アセチル化オクタサッカリド(
m/z 6419.7)、7硫酸化1アセチル化ヘキササッカリド(m/z 5
842.1)、6硫酸化テトラサッカリド(m/z 5383.1)、および3
硫酸化ジサッカリド(m/z 4805.3)が含まれる。夾雑物(*)である
5硫酸化テトラサッカリドもまた、存在する。AT−III結合デカサッカリド
は、NMRスペクトル分析に基づいてD4−7DDであると報告されている(Y
.Toidaら、J.Biol.Chem.271.32040(1996))
。このような配列は、還元末端においてタグ化されたDまたはDD残基の出現を
示すはずである。しかし、本発明者らは、デカサッカリド配列の解明において使
用したすべての異なる実験が、互いに、4〜7タグ化生成物の出現において一致
し、そしてそれはD(またはDD)生成物ではないことを見出した。驚くべきこ
とに、このサッカリドは、提案されるような、インタクトなAT−III結合部
位を含んでいなかった。従って、提案される配列の確認は、完全グリカン配列決
定(IGS)方法論の使用を通して探求された。IGSの結果は、本発明者らの
分析と一致した。マイナーな夾雑物のサッカリドもまた見出された。320の可
能性のある配列のうち、52の配列のみがヘパリナーゼI消化データである表1
5(i)を満たした。ヘパリナーゼIを用いるデカサッカリドの消耗的な消化の
質量スペクトルは、3硫酸化ジサッカリドおよび8硫酸化ヘキササッカリドに対
応するm/z値を示し、それによって52配列のリストを28配列(表9(ii
))にまでさらに減らした。
【0158】 (3.ヘパリナーゼIIを用いる消化) 配列にさらに収束するために、サッカリドの還元末端で「分子量タグ(mas
s−tag)」を使用した(「t」として示される56.1のΔm/z)。これ
は、還元末端の近くおよび還元末端におけるサッカリドの同定を可能にする。分
子量タグ標識の代表的な収率は、CEによって決定されるように、80〜90%
の間で変動する。セミカルバジドタグ化されたデカサッカリドのヘパリナーゼI
Iを用いる処理は、以下の生成物を生じた:m/z 5958.4(9硫酸化ヘ
キササッカリド)、m/z 5897.7(タグ化された、7硫酸化、1アセチ
ル化ヘキササッカリド)、m/z 5380.1(6硫酸化テトラサッカリド)
、m/z 5320.9(タグ化された4硫酸化テトラサッカリド)、m/z
5264.6(4硫酸化テトラサッカリド)、およびm/z 4805.0(3
硫酸化ジサッカリド)。5320.9および5897.7のm/z値は、タグ化
された4硫酸化テトラサッカリドおよびタグ化された7硫酸化ヘキササッカリド
に一致し、これらの両方は、N−アセチルグルコサミン残基を含む。この結果は
、+/−4(I/GHNAc,6S)が還元末端に存在するか、または還元末端からの
1単位に存在し、それによって可能性のある配列の数を28から6に制限するこ
と(表9(iii))を示す。
【0159】 (4.亜硝酸を用いる消化) タグ化されたデカサッカリドならびにタグ化されていないデカサッカリドの部
分的な亜硝酸消化は、さらなる制限を提供しなかったが、ヘパリナーゼIIデー
タを確証した。しかし、消耗的な亜硝酸消化は、切断されていない生成物として
還元末端テトラサッカリド(タグを有するものおよびタグを有さないもの)のみ
を与えた。デカサッカリドの消耗的な亜硝酸処理は、本質的に、4硫酸化1アセ
チル化アンヒドロマンニトールテトラサッカリド種を与える(タグ化されたもの
m/z 5241.5およびタグ化されていないものm/z 5186.5)。
これは、+/−4(I/GHNAc,6S)が還元末端からの1単位離れて存在するこ
とを確証した。外酵素の連続使用は、ウロン酸の異性体状態を+4と決定し、そ
して還元末端ジサッカリドが、鍵となるAT−III結合モチーフである4〜7
に一致して−7であることを決定した。このテトラサッカリドのイズロニダーゼ
(そして、グルクロニダーゼではない)を用いる処理は、イズロネート残基の除
去に一致するm/z 5007.8の種を生じた。外酵素を用いるさらなる処理
は、以下の順番(グルコサミン6−Oスルファターゼ、ヘキソサミダーゼ、およ
びグルクロニダーゼ)でのみ、トリサッカリドの完全消化を生じた。表9は、3
20の可能性のある配列から52、28、6、最終配列までのA−III結合デ
カサッカリド配列の収束を示す。従って、AT−III結合デカサッカリドの配
列は、±DDD4−7(ΔU2SNS,6S2SNS,6S2SNS,6SIHNAc,6SGHN S,3S,6S )と推定された。
【0160】 (実施例5:HLGAGのヘキササッカリド1の配列決定) 10pM H1を、限定的な分解が生じるように、20mM HCl中で、室
温で20分間、2mM 亜硝酸で処理した。20分後、飽和したマトリクス溶液
中の2倍モル過剰の(arg−arg)19argを添加した。1pmolのサッ
カリドをスポットし、質量スペクトル研究のために使用した。すべてのサッカリ
ドを、(arg−arg)19argとの非共有結合性複合体として検出した。開
始のヘキササッカリドを、テトラサッカリドおよびジサッカリドと同様に観察し
た。複合体化していないペプチドもまた、観察した。この後、2つのm/z値を
報告する。第1のものは、サッカリド+ペプチドに対応する、観察されたm/z
値である。第2の括弧内の数字は、ペプチドの分子量を減算することによって得
られたサッカリド単独のm/zである。
【0161】 20分後、H1の亜硝酸処理は、m/z 5882.5(1655.8)の開
始物質を生じ、これは、8硫酸化を有するヘキササッカリドに対応し、そして還
元末端のアンヒドロマンニトール、m/z 5304.1(1077.3)は、
還元末端にアンヒドロマンニトールを有するテトラサッカリドに対応し、そして
m/z 4726.2(499.4)は、還元末端にアンヒドロマンニトールを
有する2硫酸化ジサッカリドに対応する。
【0162】 次いで、このサンプルを外酵素分析に供した。3つの外酵素−イズロネート
2−Oスルファターゼ、イズロニダーゼ、およびグルコサミン6−Oスルファタ
ーゼを添加した。亜硝酸サンプルを、1/5容量の200mM 酢酸ナトリウム
1mg/mL BSA pH 6.0の添加を介して中和し、その後、酵素を
添加した。グルコサミン6−Oスルファターゼを、最初の2つの酵素を用いる消
化が完了した後に添加した。最終酵素濃度は、20〜40ミリユニット/mLの
範囲であり、消化は、37℃で最低2時間行った。
【0163】 イズロネート2−Oスルファターゼおよびイズロニダーゼとのインキュベーシ
ョンに際して、ヘキササッカリドおよびテトラサッカリドのピークは、質量にお
いて減少した。ジサッカリドは、酵素とのインキュベーション後にはもはや検出
可能ではなかった。ヘキササッカリドは、硫酸およびイズロネートの損失に対応
する、m/z 5627.3(1398.8)の新規な種を与えた。テトラサッ
カリドはm/z 5049.3(820.8)の種を生じ、これは再び、2−O
位での硫酸の損失およびイズロネートの損失に対応する。これらのデータは、す
べてのジサッカリドのビルディングブロックが、I2Sを含むことを示した。
【0164】 グルコサミン6−Oスルファターゼの添加および37℃での一晩のインキュベ
ーションは、2つの新規な種の産生を生じた。1つは、グルコサミンの6位の硫
酸の損失から生じるm/z 5546.8(1318.3)の種であり、そして
他方は、m/z 5224.7(996.2)の種であり、再度テトラサッカリ
ド6−O硫酸に対応する。これらのデータは、還元末端以外ではアンヒドロマン
ニトールはジサッカリドユニットを含み、他のユニットはHNSを含むことを示
す。このデータは、配列がDDD’であることを示した。このことは、他の配列
がヘパリナーゼによる分解によって誘導されたこととは違って、この配列が、も
ともと亜硝酸分解から誘導されたことを示す。
【0165】 (実施例6:他の複合体ポリサッカリドの配列決定) 配列決定アプローチは、適切な実験的な制限を開発することによって他の複雑
なポリサッカリドに容易に拡張され得る。例えば、ジサッカリド反復単位からな
るデルマタン/コンドロイチンムコポリサッカリド(DCMP)は、ヘキサデシ
マルコードシステムおよびMALDI−MSに従う。HLGAGについて観察さ
れたものと同様に、DCMP中の所定の質量に対する長さおよび組成に関連する
独特なサインが存在する。例えば、任意のジサッカリドと任意のテトラサッカリ
ドとの間の最小差は、139.2Daであり、従って、長さ、硫酸および酢酸の
数は、所定のDCMポリサッカリドについて、オクタデカサッカリドまで容易に
割り当てられ得る。同様に、ポリシアリン酸の場合、大部分5−N−アセチルノ
イラミン酸(NAN)または5−N−グリコリルノイラミン酸(NGN)のホモ
ポリマーとして存在し、ヘキサデシマルコードシステムは、NAN/NGNに容
易に拡張され、官能基のバリエーションをコードし得、そしてPSAについての
配列決定アプローチを可能にする。
【0166】 (1.複合体ムコポリサッカリドのデルマタン/コンドロイチンファミリー) DCMPは、骨および軟骨のような密集した結合組織において見出される。デ
ルマタン/コンドロイチンムコポリサッカリド(DCMP)の基本反復単位は、
(β1→4)U2X−(α/β 1→3)GalNAc,4X,6X-として提示され得、こ
こでUはウロン酸であり、GalNAcは、N−アセチル化グルコサミンである。
ウロン酸は、グルクロン酸(G)またはイズロン酸(I)でありかつ2−O位で
硫酸化され得、そしてガラクトサミン(GalNAc)は、4−O位または6−
O位で硫酸化され得、それによって16の可能な組み合わせおよびDCMPにつ
いてのビルディングブロックを生じる。HLGAGを分解するヘパリナーゼと同
様に、別個のコントロイチナーゼおよびDCMPの特異的グリコシド性の連結を
切断するための他の化学的方法が存在し、そして実験的な制限として機能する。
さらに、DCMPは、酸性ポリサッカリドであるので、HLGAGについてのM
ALDI−MS技術および方法は、容易にDCMPに拡張され得る。
【0167】 DCMPについてのPENスキームおよび質量同定関連性:表10に示すもの
は、デルマタン/コンドロイチンファミリーの分子の16の可能性のあるビルデ
ィングブロックの特性コード命名法(PEN)である。この配列決定アプローチ
は、重要な質量同定関連性ならびにジサッカリドからドデカサッカリドまでのす
べての可能なDCMPのマスターリストの確立を可能にする。これらは、表8に
示されるように、質量の線としてプロットされる。HLGAGについて観察され
たように、所定の質量についての長さおよび組成に関連する独特のサインが存在
する。上記のように、任意のジサッカリドおよび任意のテトラサッカリドの間の
最小の差は、HLGAGについて101ダルトンであることが見出された。興味
深いことに、DCMPの場合において、任意のジサッカリドおよび任意のテトラ
サッカリドの間の最小の差は139.2Daである。従って、長さ、硫酸および
酢酸の数は、所定のDCMポリサッカリドについて、オクタデカサッカリドにま
で、容易に割り当てられ得る。
【0168】
【表7】 表10は、DCMPをコードするために使用された特性コード化数値スキーム
を示す。第1欄は、ウロン酸の異性体状態をコードする(0は、イズロン酸に対
応し、そして1は、グルクロン酸に対応する)。第2欄は、ウロン酸の2−O位
置での置換をコードする(0−硫酸化されていない、1−硫酸化されている)。
欄3および4は、ガラクトサミンの4および6位置での置換をコードする。欄5
は、ジサッカリド単位についての数値コードを示し、欄6は、ジサッカリド単位
を示し、そして欄7は、ジサッカリド単位について計算した理論質量を示す。
【0169】 実験的制約としてのツール:HLGAGを分解するヘパリナーゼと類似して、
DCMPのコンドロニチン様領域およびデルマタン様領域を分解するコンドロイ
チナーゼが存在する。コンドロイチナーゼB、C、AC、およびABCは、いく
つかの重複を有する個別の特異性を有する。ほとんどの部分において、コンドロ
イチナーゼは、DCMPに見出される連結のほとんどの領域をカバーする。異な
る供給源から単離され、そしてクローニングされたいくつかのコンドロイチナー
ゼが存在する。この酵素に加えて、DCMPを調査するために使用され得る十分
に確立されたいくつかの化学的方法が存在する。これらには、亜硝酸処理が含ま
れる。従って、DCMP配列決定を可能にするために、「実験的制限」として機
能する適切なツール(酵素的および化学的)が存在する。以下に、本発明者らは
、DCMPを配列決定することを示すために、2つのDCMP配列を使用する。
【0170】 (A.セルピンHCF−2結合DCMPヘキササッカリド): スペリンHCF−2に結合する最小サイズのDCMPを単離し、そしてその組
成物を、アニオン交換クロマトグラフィー、ペーパー電気泳動、およびペーパー
クロマトグラフィーを含む巧妙な方法を使用して決定した。PENよおびMSの
統合を介するこの配列決定戦略は、6個のスルフェートおよび3個のアセテート
を有するヘキササッカリドであるこのセルピンHCF−2結合サッカリドの同一
性を確立した。硫酸化の高い程度はデルマタン様サッカリドにねらいを付けた。
このサッカリドは、部分的な脱N−アセチル化および亜硝酸化処理を使用して、
誘導されたので、それは、還元末端に5員のアンヒドロタリトール環を含む。こ
のサッカリドの比較分析が、コンドロイチナーゼを使用した分解によって得られ
得る。比較は、ΔU2SGalNAc,4S(±5)およびΔU2SaTal4S(aTal
−アンヒドロタリトール−±5)の、2:1の比での存在を示す。このことは、
表11aに示される8個の可能な配列を有するマスターリストの作成を可能にし
た。へキササッカリドの2−スルファターゼおよびイズロニダーゼ処理は、スル
フェートおよびイズロネートの損失に対応するマススペクトルのシフトを生じ、
それによって、非還元末端にI2Sを固定した(表11b)。さらなる集結のため
に、コンドロイチナーゼB(これは、デルマタン様領域においてイズロネート残
基に対して作用する)を使用し、そしてマススペクトルにおいて、2−硫酸化ジ
サッカリドに対応する単一ピークを観測した。このことは、本発明者らを、配列
+555’(I2S−GalNAc,4S−I2S−GalNAc,4S−I2S−aTal4S)に
集結させた。
【0171】
【表8】 (B.仮説:) 本実施例において、先の実施例よりのより複雑な「仮説的DCMP多糖類」を
使用する。MSは、8個のスルフェートおよび4個のアセテートを有するオクタ
サッカリドであると解釈される結果を得、そして比較分析が、ΔU2SGalNAc, 4S (±5)、ΔUGalNAc,6S(±2)およびΔU2SGalNAc,4S,6S(±7)
に対応する3つの種が、2:1:1の相対量であると指摘することを仮定する。
このことは、当業者が、マスターリストを作成することを可能に、96の可能な
配列を指摘する(表12a)。コンドロイチナーゼACでのサッカリドサンプル
の消化は、2つの四硫酸化サッカリド単位に対応する質量の2つの産物を生じ、
それによって、マスターリストを4つの可能な配列に減少させる(表12b)。
ヒドラゾン分解および亜硝酸処理を使用する完全な脱アミン化は、3つのピーク
を生じ、このうちの2つは、二硫酸化ジサッカリドに対応し、そして3番目は、
三硫酸化ジサッカリドに対応する。分解産物の、2−スルファターゼおよびイズ
ロニダーゼ(およびグリクロニダーゼは用いない)を用いる処理は、スルフェー
トよおびイズロネート残基の損失に対応するピークを与えるべきである。このこ
とは、5および7の異性体状態の同定を可能にし、従って、マスターリストを1
つの配列±55−27(ΔU2S−GalNAc,4S−I2S−GalNAc,4S−G−Ga
NAc,6S−I2S−GalNAc,4S,6S)に集結させる。
【0172】
【表9】 HLGAGに対して発展されたものに類似して、個別のまたはさらなる「集結
戦略または実験的制限」を使用して、DCMPについての「固有」の解答に達し
得ることを反復することは重要である。
【0173】 (ポリシアル酸) ポリシアル酸は、直鎖の複雑な多糖類であり、哺乳動物の中性細胞接着分子の
高度に調節された翻訳後改変として見出されている。これらは、ほとんど、5−
N−アセチルノイラミン酸(NAN)または5−N−グリコリルノイラミン酸(
NGN)のホモポリマーとして存在する。NANおよびNGNのモノマー単位は
、α2−8グリコシド連結によって連結され、そして4−O、7−Oおよび9−
O位置で改変されている。主要な改変は、アセチル化である。さらに、硫酸化お
よびラクトン化を含むよりまれな改変が、9−O位置で起こる。ノイラミン酸の
脱アミン化形態(すなわち、5−デアミノ−3,5−ジデオキシノイラミン酸(
KDN))がまた、発見されている。PEN−MS配列決定アプローチは、ポリ
シアル酸に拡張され、そしてNANおよびNGNユニットを使用して、本発明者
らは、これがどうように達成されるかを例示する。
【0174】 PSAに対するPENスキームおよび質量−同一性の関係:PSAは、2つの
異なるモノマー繰返しから構成され、各単位の改変においてバリエーションを有
する。PENの多様性(flexibility)は、HLGAGおよびDCM
Pについてのダイマー繰返しからのPSAについてのモノマー繰返し単位に対す
る容易な適合を可能にする。PSAに対するPENスキームは、表13に示され
る。この配列決定アプローチは、重要な質量−同一性関係ならびにNANおよび
NGNについてのモノマー単位の全ての組み合わせのマスターリストを確立する
。NANAおよびNGNのポリマーユニットについての質量ラインは、図9Aお
よび図9Bに示される。NANおよびNGNの両方の高次のオリゴマーに対して
観測される質量におけるかなりの重複が存在することに注意する(図9Aおよび
図9B)。nマーとn+1マーとの間の質量における最小の差異は、NANに対
して3.01Da、そしてNGNに対して13Daで安定化し(テトラサッカリ
ド、ペンタサッカリド、およびヘキササッカリドになるにつれて)、それによっ
て、MSを使用するこれらのフラグメントの検出について安全な限度を提供する
【0175】 (表13)
【0176】
【表10】 PSAについての特性符号化数値スキーム(Property Encode
d Numerical scheme)を表13に示す。。第1列は、モノマ
ーユニットがNANまたはNGNであるか否かについてを符号化する。第2、3
、および4列は、それぞれ、9位、7位および4位における変動を符号化する。
ここで、1はアセチル化に対応し、0は非アセチル化に対応する。第5列はPS
Aについての数値符号を示す。0〜−7を8−Fの代わりに使用した。アセチル
化の変動性を符号化する数字およびサインの割り当ては、NAN/NGNである
場合を示す。第6列は、第5列の符号により表されたモノサッカリドを列挙する
。第7列は、第6列に示されるモノマーユニットについて計算された理論的質量
を列挙する。
【0177】 PSAにおける置換された/置換されていないNAN含有モノマーユニットの
組合わせについての質量線を図9Aに示す。X軸は、モノサッカリドからヘキサ
サッカリドについての計算された質量を示す。所定の質量のために存在する特定
の長さおよび組成のフラグメントの数をY軸に示す。150〜190の値を、他
のピークの明瞭性を改善するために省略した。任意のモノサッカリドと任意のジ
サッカリドとの間の最小差は、165.2Daであり、任意のジサッカリドと任
意のトリサッカリドとの間の最小差は、39.03Daであり、任意のトリサッ
カリドと任意のテトラサッカリドとの間の最小差は、39.03Daであり、そ
して全ての高次サッカリドについては3.01Daである。
【0178】 PSAにおける置換された/置換されていないNGNモノマーユニットの組合
わせについての質量線を図9Bに示す。X軸は、モノサッカリドからヘキササッ
カリドについての計算された質量を示す。所定の質量のために存在する特定の長
さおよび組成のフラグメントの数をY軸に示す。150〜190の値を、他のピ
ークの明瞭性を改善するために省略した。任意のモノサッカリドと任意のジサッ
カリドとの間の最小差は、181.2Daであり、任意のジサッカリドと任意の
トリサッカリドとの間の最小差は、55.03Daであり、そして全ての高次サ
ッカリドについては13Daである。
【0179】 実験的制約としてのツール:PSAを研究するために利用可能ないくつかのツ
ールおよび検出方法が存在する。PSAの構成ブロックの特性に基づいて、この
クラスの直鎖状ポリサッカリドは、MSで分析できる。PSAポリマーを精製し
、そしてHPLC、CEおよび質量分析を用いて組成を得る方法は、ごく最近確
立された。種々の供給源に由来する酵素ツールを使用して、広範にPSAが研究
されている。特に、PSAポリマーを非還元末端から順番に切断する細菌エキソ
シアリダーゼ(exosalidase)およびバクテリオファージ由来のエン
ドノイラミニダーゼ(これは、NANおよびNGN両方を含有するPSAの直鎖
状ポリサッカリドのエンド分解で切断する)。これらの酵素に加えて、ヒドラジ
ン分解(hydrozonolysis)に続いて亜硝酸処理、および過ヨウ素
酸酸化に続いて水素化ホウ素ナトリウム処理のような化学的方法を、PSAポリ
サッカリドをより小さなポリサッカリドへ分解するためのツールとして使用し得
る。
【0180】 (実施例7:酵素反応の改変を生じる実験条件のバリエーションおよび本発明
の方法に対するその効果) ヘパリナーゼの二次的特性を、特に徹底的な分解条件下で観察した。ヘパリナ
ーゼの酵素学へと継続している調査の部分として、異なる条件下で、規定された
基質を用いたヘパリナーゼIおよびIIIによるIおよびGを含む部位の切断の
相対的割合を測定した。例えば、ヘパリナーゼIIIは、IおよびGを含む結合
で両方を切断するが、I2Sは切断しない[H.E.Conrad,Hepari
n Binding Proteins(Academic Press,Sa
n Diego,1998)]。しかし、この研究で用いた反応条件下で、劇的
な(8〜10倍)切断割合の差異が存在し、Iを含む結合は、Gを含む結合より
ゆっくりと切断される(図10A)。図10Aは、G結合(黒丸)、I結合(白
丸)、またはI2S結合(菱形)のいずれかを含むテトラサッカリドの組換えヘパ
リナーゼIIIによる切断を示す。各反応の次に、キャピラリー電気泳動を行っ
た。これらの基質を用いると、ヘパリナーゼIIIは、I2S含有グリコシド結合
を切断せず、そしてI含有結合よりおよそ10倍速くG含有結合を切断する。消
化の「短時間」条件下では、G含有サッカリドのみが適切な程度まで切断される
ことが予測される。[HLGAGオリゴサッカリドの酵素的消化の条件を上記に
示し、簡潔には、消化を「短時間」または「徹底的」のいずれかとして示した]
。短時間消化は、50nM酵素を用いて10分間で完了した。徹底的な消化は、
200nM 酵素を用いて4時間または一晩のいずれかで完了した。部分的な亜
硝酸切断は、発表された手順の改変法を用いて完了した。簡潔には、亜硝酸の濃
度が2mMおよび塩酸が20mMであるように、サッカリドの水溶液に塩酸中の
亜硝酸ナトリウムの2×溶液を添加した。反応を室温で進行させ、1μLの20
0mM 酢酸ナトリウム、1mg/mL BSA(pH6.0)を添加すること
により種々の時点で、アリコートをクエンチした。徹底的な亜硝酸切断は、塩酸
中の4mM 亜硝酸とサッカリドを室温で一晩反応させることにより完了させた
。両方の場合において、亜硝酸切断の産物は、さらなる精製(cleanup)
の必要も、無水マンノース残基を無水マンニトールに還元する必要もなく、MA
LDIにより直接サンプリングし得ることを見出した。HLGAG分解エキソ酵
素のパネル全体を、Oxford Glycosystem(Wakefiel
d,MA)から購入し、そして製造業者により示唆されるように使用した。例え
ば、ヘキササッカリドΔUHNH,6SGHNSIHNAc(最小限に硫酸化された領域で
IおよびG両方を含有する)を用いると、表14に示されるように「短時間」消
化条件下で、Gにおいてのみ切断が生じる。 (表14)
【0181】
【表11】 ヘパリナーゼIIを、ヘキササッカリドUHNH,6SGHNSIHNAcとともにイン
キュベートし、そしてIにおいてではなくGにおける切断のみ観察した。さらに
、本発明者らは、硫酸化の程度が、オリゴサッカリドのヘパリナーゼIII分解
の速度論に影響を及ぼさないことを見出した[S.Ernstら、Crit.R
ev.Biochem.Mol.Biol.30,387(1995);S.Y
amadaら,Glycobiology 4,69(1994);U.R.D
esai,H.M.Wang,R.J.Linhardt,Biochemis
try 32.8140(1993);R.J.Linhardtら、Bioc
hemistry 29,2611(1990)]。ヘパリナーゼIの場合にお
いて、この酵素は、IまたはGを含有するグリコシド結合のいずれも、本発明者
らの実験手順の状況では切断しないのに対して、I2S含有ポリサッカリドを容易
に切断する(図10B)。図10Cは、ヘパリナーゼIIIの代わりにヘパリナ
ーゼIを使用したことを除いて、(A)において完了したものと同じ研究を示す
。ヘパリナーゼIを用いると、I2S含有結合でのみ切断が生じるが、Iの前でも
Gの前でも生じない。G2S含有結合を切断するヘパリナーゼIの報告は、わずか
1つしかない[S.Yamada,T.Murakami,H.Tsuda,K
.Yoshida,K.Sugawara,J.Biol.Chem.270,
8696(1995)]。このヘパリナーゼIを、2つのテトラサッカリド基質
を用いて試験し、そしてここで示される「短時間」のヘパリナーゼI消化とは速
度論的に非常に異なる条件下で実験を行った。
【0182】 多くの因子が厳格に制限されており、そして先行技術研究およびヘパリナーゼ
基質特異性実験の解釈を複雑にしている。第1に、均一な基質調製が困難である
だけでなく、基質および産物を分析することもまた非常に難しい。分析は主に、
既知の標準物質を用いたサッカリドの同時移動に依存し、そして他者および本発
明者らが観察した場合、異なる硫酸化パターンを有するオリゴサッカリドが同時
に移動し、このことは、独特の割り当てを複雑にする。さらに、ヘパリナーゼに
ついての基質特異性を割り当てるために以前の研究において使用したいくつかの
オリゴサッカリドは、均一ではなく、分析に複雑なった。本発明のMALDI−
MS手順の開発は、迅速かつ正確なサッカリドの決定を可能にした。第2の問題
は、ネイティブな宿主からの純粋な野生型ヘパリナーゼの調製である。野生型ヘ
パリナーゼを、Flavobacterium heparinumから単離し
、そしてこの生物は、いくつかの複合型ポリサッカリド分解酵素を生成し、そし
てしばしば、これらは互いに同時精製する。例えば、ヘパリナーゼIIIの速度
論を試験する場合、本発明者らは、ヘパリナーゼIIIの市販の供給源がおそら
く切断可能でないΔU2SNS,6S2SNS,6Sを分解できることを見出した。さら
に、この産物のMSおよびCE分析は、スルファターゼ夾雑を示唆する特異的2
−O脱硫酸化を示した。本発明者らの研究室で産生および精製した(他のヘパリ
ン分解酵素との夾雑はない)組換えヘパリナーゼIIIは、予測されるように、
ΔU2SNS,6S2SNS,6Sを切断しない。従って、異なる酵素調製物および消化
条件における差異、ならびに基質サイズおよび組成における差異、ならびにそい
ばしば夾雑物質は、同時溶出に基づいた割り当てを一緒に考えると、データの比
較が非常に困難になるだけでなく、矛盾した知見もまた導く。
【0183】 ヘパリナーゼ基質特異性の結果に拘わらず、ウロン酸のアイソマー状態を抽出
するために使用され得る他の方法がある[IまたはGまたはI2SまたはG2S]。
各ジサッカリドユニットのウロン酸成分を、徹底的な亜硝酸処理の後に組成分析
を完了することにより、明白に確認し得る。この方法により、所定のオリゴサッ
カリドの組成分析を行い得、そしてG2S、I2S、IおよびGを含有する構成ブロ
ックの存在を評価し得る。この情報を用いると、ヘパリナーゼの賢明な適用によ
り(それらの正確な基質特異性に拘わらず)単一の配列に対する迅速な集中が完
了され得る。なぜなら、切断により、切断部位のいずれかの側に対して質量情報
が与えられるからである。従って、オクタサッカリド(実施例1)の場合、徹底
的な亜硝酸の適用は、1×ΔUMan6S、2×I2SMan6Sおよび1×GMan 6S を生じる。次いで、タグ化の後の任意の条件下(促進または非促進)でのこの
オクタサッカリドのヘパリナーゼIIIでの消化は、ヘキササッカリドm/z5
958.7およびジサッカリドの形成を生じ、迅速に配列を固定する。オクタサ
ッカリドの単一の配列に集中するためにヘパリナーゼIを用いて、事象の類似の
シーケンスが使用され得る。配列分析のためのいずれか1つの特定のシステムの
使用に対する補足説明はあるが、このシステムが化学的分解または酵素的分析で
あるか否かに拘わらず、ここで示される配列決定ストラテジーは、任意の単一の
技術に決定的に依存する。
【0184】 本発明の配列決定ストラテジーの主な強みの1つは、本発明者らのアプローチ
の柔軟性およびMALDIとコーディングスキームの統合であり、これらは異な
る実験的制約にその能力が適合することを可能にする[例えば、最近クローン化
された哺乳動物へパラナ−ゼは、可能な別の実験的制約である。M.D.Hul
lettら、Nat.Med.5、793(1999);I.Vlodavsk
yら、Nat.Med.5、803(1999)]。述べられたように、実験的
制約のさらなるセットまたは異なるセットを、特有の溶液を得るために使用しれ
るだけでなく、実験的制約の所定のセットからその溶液を確証または確認するた
めにも使用し得る。
【0185】 (実施例8:タンパク質−ポリサッカリド相互作用を同定するための方法、お
よびスクリーニングのための改良法) 特定のタンパク質に結合するHLGAG配列を同定するために、最も一般的方
法論は、特定のHLGAGサブセット(すなわち、ブタ腸粘膜ヘパリン)を使用
するオリゴサッカリドのアフィニティー分画を含む。酵素的または化学的に誘導
された特定の長さのヘパリンオリゴサッカリドを、固定したタンパク質のカラム
に通す。洗浄後、結合画分を、そのポリサッカリド上のサルフェートとそのタン
パク質上の塩基性残基との間の相互作用(結合に重要な相互作用)を破壊するた
めに高塩を使用して溶出する。次に、溶出したオリゴサッカリドを、代表的には
NMRによって特徴付ける。この様式で、多数のタンパク質(アンチトロンビン
III(AT−III)、塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF−2)およびエン
ドスタチンを含む)に結合する配列を同定している。
【0186】 厳密かつ十分に試験する間に、このアプローチは、多数の制限に苦しむ。第1
に、カラムクロマトグラフィーが、成功する分析のためには大量(ミリグラム量
)の材料を必要とする。HLGAGのファミリー全体のうちで、ヘパリンのみが
、これらの量で入手可能である。しかし、ヘパリンは、その高いサルフェート含
量に起因して、限定数の配列を含み、選択手順を偏らせる。従って、高い親和性
で実際に結合し得る通常でない配列についてサンプリングするかまたは選択する
機会が存在しない。インビボでのHLGAG結合タンパク質は、ヘパリン様配列
(すなわち、高い程度に硫酸化している配列)が常に優勢であるわけではない細
胞表面のプロテオグリカンのより構造的に多様なヘパラン硫酸(HS)鎖をサン
プリングしそしてそれに結合する。ヘパリンは、構造的にHSに関連しているが
、マスト細胞中にのみインビボで存在する。これらの理由から、ヘパリンは、常
に細胞表面HSの適切なアナログであるわけではなく、そして実際、アフィニテ
ィー分画実験におけるヘパリンの排他的使用は、現場において混乱を生じている
。1つの例は、この点を示す。FGF−2は、重要な2−O硫酸化イズロネート
残基を含む、ヘパラン硫酸配列の特定のサブセットに結合する。カラムクロマト
グラフィーは、FGF−2の高親和性結合物質を分離しており、その配列は、優
勢なトリ硫酸化ジサッカリド[I2SNS,6Sn(n=3〜6)を含むオリゴサッ
カリドとして同定されている。しかし、FGF−2の結晶構造(HLGAGオリ
ゴサッカリドとのFGFの共結晶を含む)の厳密な試験は、FGF−2上のサル
フェートと塩基性残基との間の3つの接触のみが高親和性結合に重要であること
を示す。
【0187】 本発明の質量分析アプローチを使用して、本発明者らは、ポリサッカリドタン
パク質相互作用を同定するための改良様式を開発した。このアプローチの利点は
、これが非常に感度がよく、ピコモルの材料しか必要としないことであり、この
材料はインビボで供給源から単離され得る。下記のように、このアプローチは、
ピコモルの材料を使用して、タンパク質に結合するオリゴサッカリドの同定およ
び配列決定に使用され得る。概念の証明として、本発明者らは本明細書中で、こ
の新規な方法論が、3つのタンパク質(FGF−1、FGF−2およびATII
)について確立されたカラムアフィニティー分画法と機能的に等価であることを
、ヘパリンオリゴサッカリドをモデル系として使用して、示す。さらに、本発明
者らは本明細書中で、この系が、細胞表面から単離されたヘパラン硫酸が結合タ
ンパク質を単離するために使用され得るように拡張され得ることを示し、このこ
とは、偏りのない生物学に関連のあるHLGAGが、結合配列を同定するために
使用され得ることを初めて示す。
【0188】 (方法) (タンパク質の調製および固定) ATIIIを、過剰な粘膜ヘパリンととも
に一晩インキュベートし、次いで、EZ−link sulfo−NHS bi
otin(Pierce)でビオチン化した。Canon NP Type E
透明フィルムをMALDIサンプルプレートにテープで止め、そしてタンパク質
固定表面として使用した。FGF−1およびFGF−2を、そのフィルム上に1
μlの水溶液をスポットすることおよび風乾することによって、固定した。AT
IIIを、まずこのフィルム表面上に4μgのニュートラビジン(neutra
vidin)を乾燥し、次いでこのニュートラビジンスポットにビオチン化AT
IIIを添加することによって、固定した。ヘパリンを、1M NaClで10
回、および水で10回洗浄することによって、除去した。
【0189】 (サッカリドの結合、選択および分析) サッカリドは、ヘパリナーゼIによ
るブタ粘膜ヘパリンの部分消化に由来した。そのヘキササッカリド画分を、Bi
ogel P−6におけるサイズ排除クロマトグラフィーにより得、そして凍結
乾燥して乾燥させた。少なくとも5分間そのタンパク質スポット上に水溶液1μ
lをスポットすることによって、固定したタンパク質にサッカリドを結合させた
。未結合サッカリドを、水で15回洗浄することにより除去した。選択実験のた
めに、そのスポットを種々のNaCl濃度で10回洗浄し、続いて水で10回洗
浄した。2pmol/μl(RG)19Rを含む50%アセトニトリル中のカフェ
ー酸マトリクスをこのスポットに添加し、その後、MALDI分析した。サッカ
リドすべてを、本明細書中に記載されるMALDIパラメーターを使用して、(
RG)19Rとの非共有複合体として検出した。
【0190】 (ヘパリナーゼIまたはIIIによるサッカリド消化) FGF−2結合につ
いて選択したサッカリドを、選択が完了した後に水中の酵素8μgをスポットす
ることによって、ヘパリナーゼIまたはIIIで消化した。このスポットを、必
要な場合には水を添加することによって、所望の消化時間の間湿らせたままにし
た。2pmol/μl(RG)19Rを含むカフェー酸マトリクスを、MALDI
分析のためにこのスポットに添加した。
【0191】 (SMCヘパラン硫酸からのFGF結合物質の単離、精製、および選択) ウ
シ大動脈平滑筋細胞(SMCS)を、コンフルエントになるまで増殖させた。細
胞をPBSで2回洗浄し、次いで200nMヘパリナーゼIIIを1時間添加し
た。上清を10分間50℃まで加熱して、ヘパリナーゼIIIを不活化し、そし
て濾過した。ポリヌクレオチドの混入を除去するために、サンプルを室温で一晩
DNAseおよびRNAseで処理した。ヘパラン硫酸を、DEAEフィルター
に結合させ、未結合物質を洗浄して除き、そして10mMリン酸ナトリウム、1
M NaCl、pH6.0を使用して溶出することによって単離した。次いでこ
の物質を濃縮し、そして3,000 MWCO膜を使用して緩衝液を水に交換し
た。保持物を凍結乾燥し、そして水で再構成した。100nMヘパリナーゼII
を添加し、そして添加の5分、10分、20分、および30分後に、アリコート
を採取した。1μLをFGF上にスポットした。乾燥後、サンプルを洗浄し、マ
トリクス中の2pmol/μl(RG)19Rを添加し、そしてサンプルを上記に
概説したように分析した。
【0192】 (結果) (FGF−2およびFGF−1へのサッカリドの結合) 実行可能なMALD
I選択手順の開発に向けての第1の工程として、その原型メンバー(すなわち、
FGF−1およびFGF−2)を使用するFGF系を選択した。最初の実験は、
高い親和性でFGFに結合することが既知である、精製ポリサッカリド(表21
のHexa 1)の使用を含んだ。FGF−2を用いて、本発明者らは、Hex
a 1がFGF−2に結合すること、および0.5M NaClでの塩洗浄によ
ってさえ検出されたことを見出した。これは、FGF−2についてのHexa
1の既知の親和性と一致する。さらに、Hexa 1およびHexa 2(低親
和性結合物質)の等モル混合物をFGF−2に適用し、そして0.2M NaC
lで洗浄して非特異的結合を除去した場合、Hexa 1のみ観察された。まと
めると、これらの結果は、この実験条件下では、固定されたFGF−2が溶液中
のFGFと同じ結合特異性を保持するという事実を示す。さらに、FGFの熱変
性によりサッカリド結合物質が検出されず、これは、この結合特異性が完全であ
ることを示す。
【0193】
【表12】 ヘパリンの酵素的脱重合に由来するヘキササッカリド混合物のFGFアフィニ
ティー分画を使用して、FGF結合物質について濃縮した。本発明者らの方法論
を使用してより複雑な混合物から特定の結合物質を選択し得るか否かを決定する
ために、ブタ腸粘膜ヘパリンの不完全ヘパリナーゼI消化に由来するヘキササッ
カリド画分を、固定したFGF上にスポットした。少なくとも5つの独特の構造
物を、未分画のヘキササッカリド混合物中で検出した。塩洗浄の際に、2つの構
造(8硫酸化ヘキササッカリドおよび9硫酸化ヘキササッカリド)のみが、残っ
た。重要なことには、同じ結果は、あるいはこのスポットを特定の結合物質につ
いて濃縮しそして低親和性結合物質と競合することによって、達成し得る。FG
F−1(これは、FGF−2と類似の結合特性を有することが示されている)は
また、オクタ硫酸化ヘキササッカリドおよびノナ硫酸化ヘキササッカリドについ
て混合物から選択し得る。
【0194】 (MALDI表面上のサッカリドの配列決定) 本発明の非常に感度のよい配
列決定法を使用して、本発明者らが標的に対するFGF高親和性結合物質の構造
情報を誘導し得るか否かを試験した。このオクタ硫酸化サッカリドおよびノナ硫
酸化ヘキササッカリドを、酵素的および化学的脱重合に供した。サッカリド選択
の後、このサッカリドサンプルをヘパリナーゼIにより脱重合化して、配列情報
を得た。このノナ硫酸化ヘキササッカリドを、単一のトリ硫酸化ジサッカリドに
還元した。このことは、このサッカリドが、[I2SNS,6S]の反復であること
を示す。オクタ硫酸化ヘキササッカリドの消化は、トリ硫酸化ジサッカリドおよ
びペンタ硫酸化テトラサッカリドを生じた。このテトラサッカリドが非硫酸化ウ
ロン酸を含むことを、ヘパリナーゼIII切断により確認した。これは、このテ
トラサッカリドの消失をもたらした。本発明者らの配列決定割り当ての確認を、
オクタ硫酸化ヘキササッカリドおよびノナ硫酸化ヘキササッカリドを単離し、そ
して本明細書中に記載の方法を使用して配列決定することにより行った。従って
、このノナ硫酸化ヘキササッカリドの配列は、±DDD(ΔU2SN5,6S2SN S,6SNS,6S)であり、そしてオクタ硫酸化ヘキササッカリドの配列は、±DD
−5である。
【0195】 (アンチトロンビンIIIへのサッカリドの結合) ATIIIは、ひどくグ
リコシル化されている。従って、本発明者らは、ATIIIがMALDIプレー
トに十分には結合しないと予測した。代替的ストラテジーとして、アビジンをこ
のプレートに固定し、そしてビオチン化AT−IIIをこのアビジンに結合させ
た。このATIIIビオチン化反応を、HLGAGオリゴサッカリドについての
このタンパク質の結合部位を保護するために、ヘパリンの存在下で実行した。こ
の複合ヘパリンを洗浄して除いた後、ペンタ1(インタクトなATIIIペンタ
サッカリド結合配列を含む)を使用して、このタンパク質がこの表面上に固定さ
れそしてサッカリドに結合し得ることを確認した。ATIIIへのペンタ1の結
合が、0.5M NaClの洗浄まで観察された。これは、ペンタ1がATII
Iへの強力な結合物質であることと一致する。
【0196】 さらに、この結合は特異的でもある。固定されたATIIIにヘキサ1、ヘキ
サ2、およびペンタ1の溶液を導入し、続いて0.2M塩洗浄して非特異的結合
物質を除去すると、ペンタ1についてのシグナルのみ生じた。興味深いことに、
部分的にインタクトなATIII結合部位を含むヘキサ2からのシグナルは存在
しなかった。このことは、本発明者らの選択条件下では、完全結合部位を有する
配列のみ選択されることを示唆する。
【0197】 (SMC HSにおけるFGF−2バインダーの選択)SMCの細胞表面にお
けるヘパラン硫酸は、FGF結合についての高い親和性部位を含むことが公知で
ある。本出願人らの高度に硫酸化されたヘパリンを用いる初期の研究を拡張しよ
うという活動において、SMCの細胞表面におけるヘパラン硫酸化プロテオグリ
カンの高親和性FGFバインダーを同定するための探求を行った。この目的のた
めに、SMCをヘパリナーゼIまたはへパリナーゼIIIのいずれかで処理し、
そしてHLGAGを単離および精製した。これらの酵素の公知の基質特異性と一
致して、放出されたフラグメントの組成は異なる。次いでフラグメントをヘパリ
ナーゼIIで処理してサイズを減少させた。特定の時点で、消化物をFGF−2
上にスポットし、そして選択プロセスを上記に要約したように完了した。本出願
人らのヘパリンを用いた発見に一致して、単一の六糖をFGF−2の高親和性バ
インダー(すなわち、配列±DDDを有する九硫酸化六糖)であると同定した。
【0198】 上記の方法論は、タンパク質に対する糖バインダーの選択のための代替のプロ
トコルを記載する。この方法論は、2つの十分に確立された系(FGFおよびA
TIII)に結合するヘパリンから誘導されるオリゴ糖の同定に対して適用され
た。示されるように、この手順は、親和性分画のより確立された方法論と同一の
結果を与えた。FGF−1およびFGF−2については、高親和性バインダーが
、同様の糖のプールから選択され得る。さらに、ATIIIは、部分的結合部位
のみを含むバインダーよりも高い親和性のバインダーについて選択され得る。
【0199】 この方法論は、従来技術のストラテジーよりも多数の重要な利点を有する。第
1に、標的上に直接結合された糖から配列情報を導くことが可能である。第2に
、そしてより詳細には、FGFおよびATIIIの両方を用いる分析は、タンパ
ク質および糖の両方についてわずか数ピコモルの材料しか必要としない。このよ
うな進歩により、マスト細胞由来の高度に硫酸化されたヘパリンよりも、基質と
して細胞表面から単離されたより生物学的に関連性のあるHSを使用することが
可能になる。最後に、実施例は、化学的複合体および情報稠密HLGAGについ
てのこの技術を実証したが、この技術は他の多糖類−タンパク質相互作用の同定
に対して広く適用可能である。
【0200】 (実施例9:分岐を同定するための方法および分岐した多糖類の配列決定のた
めの方法) グリコシル化パターンが、細胞の表現型により高度に影響されるという証拠が
多く存在する。病気の始まりに関して、グリカン構造における変化、特に分岐の
程度における変化が存在するということが注目された。例えば、正常プリオンタ
ンパク質に対する病原体において、二等分(bisecting)GlcNAc
残基を有するグリカンのレベルが減少し、そして三触角状(triantenn
ary)構造および四触角状構造のレベル増加する。酵素的分解および化学的分
解の賢明な適用により、分岐鎖の同一性もまた、同定され得る。
【0201】 (複合グリカン構造のMS分析)図11に示されるように、複合N−グリカン
構造から生じた拡張コア構造を、酵素的に生成し、そして同定した。二触角状構
造および三触角状構造の混合物の酵素的処理から誘導した拡張コア構造に対して
、MALDI−MS分析を行った。各糖の1pmolを、A.urefacie
ns由来のシアリダーゼおよびS.pneumoniae由来のβ−ガラクトシ
ダーゼを含む酵素カクテルを用いる消化に供した。1462.4の質量サインは
、これらの構造のうちの1つがコアフコース部分を有する二触角状であり、一方
1665.8の質量サインが、またコアフコースを有する三触角状構造であるこ
とを示す。
【0202】
【数1】 (PSAのN−連結多糖のMALDI−MS配列決定)次に、正常前立腺組織
由来のPSAのグリカン構造の高速配列決定を行った(図12)。図12は、P
SA多糖構造のMALDI−MSミクロ配列決定から生じるデータである。MA
LDI−MSを500fmolの糖で実行した。分析を添加物として300mM
のスペルミンを含む2,5−ジヒドロキシ安息香酸の飽和水溶液を用いて実行し
た。分析物をネガティブモードで加速電圧22kVで検出した。1μLのマトリ
クスを0.5μLの水性サンプルに添加し、そしてターゲット上で乾燥させた。
(A)インタクトな多糖構造のMS。アステリスクでマークされたピークは不純
物であり、そして分析物のピークは、M−H(m/z 2369.5)および一
ナトリウム付加物(M+Na−2H、m/z 2392.6)の両方として検出
される。(B)A.urefaciens由来のシアリダーゼを用いる[A]の
処理。製造業者の使用説明書に従って、10pmolの糖を酵素と共に一晩37
℃で、10mMの酢酸ナトリウム(pH5.5)中でインキュベートした。2つ
の新しい糖が見られ、1つ目は、1つのシアル酸部分の損失に対応するm/z
2078に見られ、そして2つ目は、非還元末端からの2つのシアル酸の損失に
対応する1786.9に見られた。(C)S.pneumoniae由来のガラ
クトシダーゼを用いる[B]の消化。消化手順を本質的に上記のように遂行した
。m/z1462.8のシグナル生成物は、2つのガラクトース残基が酵素での
[B]の処理の際に除去されたことを示した。(D)S.pneumoniae
由来のN−アセチルヘキソースアミニダーゼを用いる[C]の消化。1つの生成
物を、[C]からの2つのN−アセチルヘキソースアミン単位の損失に対応する
M−H(m/z 1056.3)およびM+Na−2H、m/z 1078.1
)の両方として観測した。概略構造および理論分子質量とともに分析スキームの
表を図12の中央に示す。親多糖およびこの分析において見られた酵素的に誘導
した生成物を示す。
【0203】
【数2】 NMRによるインタクトな多糖の研究(この研究には大量のPSAが必要であ
る)は、グリカンの配列情報を与えた。[Belanger,A.,van H
albeek,H.,Graves,H.C.B.,Grandbois,K.
,Stamey,T.A.,Huang,L.,Poppe,I.,およびLa
brie,F.,Prostate,1995.27:187−197頁]。他
のN−連結糖タンパク質と同様に、上述のように、PSAは、二触角状分岐モチ
ーフを含む。PSAの各マンノースアームからの拡張はトリ糖単位である。イン
タクトな多糖について2370Daの予想分子質量が、これらの改変と共に示さ
れた。MALDI−MSおよびエキソグリコシダーゼアレイを使用して、本出願
人らは、PSA上のN−連結多糖について推定構造を配列決定した(図12)。
インタクトな多糖の分析は、2370Daの分子質量を与え(図12A)、これ
はその構造に基づく推定された分子質量と同一である。実際、これらから誘導さ
れた全ての構造および酵素産物について、1ダルトン未満の質量精度が実現され
る。
【0204】 初期の研究において、本出願人らは、添加物としてのスペルミンと共に2,5
−ジヒドロキシ安息香酸をマトリクスとして用いて、最大の感度が得られるとい
うことを見出した[Mechref,YおよびM.V.Novotny、酸性糖
結合体のマトリクス支援レーザー脱離/イオン化質量分析は、コマトリクスとし
てのスペルミンの使用により促進される。J Am Soc Mass Spe
ctrom,1998.9(12):1293−302頁]。この場合、オリゴ
糖を、陰イオンとして検出した。上記に要約したように、これらの条件は最大の
感度を与え(約500fmolまたは約1.5ngの検出限界)、そしてまた均
一なシグナルを与え、検出可能な付加物はない。ネガティブモード検出は、シア
ル酸含有ペンダントアームの分析に敏感であるが、異なるマトリクス条件を用い
るポジティブモードでも検出が行われ得ることに留意する。多糖のシアリダーゼ
を用いる処理(2Neuα→6,8結合の特異的切断)は、2つのシアル酸残基
の切断に一致する618Daの質量減少を生じた(図12B)。この糖のβ−ガ
ラクトシダーゼを用いる処理は、さらに360Daの質量の減少を生じ、シアル
酸の近傍に位置する2つのガラクトース残基の存在を確認した(図12C)。重
要なことには、図12Bのアシアロ(asilao)構造を、β−ガラクトシダ
ーゼに加えて別の酵素で処理する場合、質量の減少は観察されず、これらのユニ
ットの正体がβ−連結ガラクトース残基であることを確認する。エキソグリコシ
ダーゼの系統的適用により、本出願人らは、PSAの推定グリカン構造の全体の
配列を「通読(read through)」し得る。さらに、構造を「通読」
し得るだけでなく、この方法論によりマイクログラム未満の量の材料を用いた分
析を遂行し得る。また、配列を「読む(reading)」すべての工程におい
て、質量を決定したので、酵素特異性およびN−グリカン構造の本出願人らの推
定が正しいことを保証するための内部コントロールを得た。
【0205】 (PSA多糖の直接配列決定)PSAの糖部分の構造についての情報は、糖の
単離および配列決定によって(例えば、上記の方法論を使用することによって)
のみ得られ得るが、タンパク質から除去することなしに糖構造についての情報を
得ることができる。図13は、PSA(Sigma Chemical)の糖の
配列決定の結果を示す。図13は、PSAの糖鎖からの直接的酵素分解の結果を
示す。50pmolのPSA(約1.4μg)を、80℃で20分間の熱処理に
より変性させた。次いで、このサンプルを連続的に細胞外酵素(B〜D)で処理
した。一晩37℃でのインキュベーションの後、1pmolの消化されたPSA
を質量分析で調べた。簡単に述べると、水性サンプルを30%アセトニトリル中
でシナピン酸(sinapinic acid)と混合し、乾燥させ、次いでM
ALDI TOFにより調べた。全てのスペクトルを、分子質量決定の精度を確
実にするために、ミオグロビン、オボアルブミン、およびBSAの混合物を用い
て外部較正した。(A)細胞外酵素の添加前のPSA。28,478の測定され
た質量は、28,470の報告された値とよく一致する。(B)(A)のシアル
ダーゼでの処理は、1つのシアル酸残基の損失と一致する、287Daの質量減
少を生じた。(C)ガラクトシダーゼを用いる(B)の処理。さらなる321D
aの減少は、2つのガラクトース部分の損失を示す。(D)ヘキソースアミニダ
ーゼを用いる(C)の消化の際に、393Daの減少が、2つのN−アセチルグ
ルコサミン残基の損失を示した。
【0206】 このタンパク質は、28,478.3の測定された質量を有する(図13A)
。インタクトなタンパク質のシアリダーゼでの処理は、1つのシアル酸残基の損
失と一致する287Daの減少を生じた(図13B)。ガラクトシダーゼを用い
るさらなる処理は、2つのガラクトース残基の損失と一致する321の質量の減
少を生じた(図13C)。最後に、N−アセチルヘキソースアミニダーゼを用い
る処理は、2つのGlcNAc部分の切断を生じた(図13D)。
【0207】 (EndoF2処理によるPSAのグリコタイピング(glycotypin
g))EndoF2は、二触角状構造のみを切断するエンドグリカナーゼである
。三触角状および四触角状構造が、この酵素には基質として作用しない(図14
)。このように、グリカン構造のEndoF2処理は、タンパク質に結合してい
てもまたは単離後のいずれでも、分岐しているか否かを同定するために使用した
。グリコシル化パターンにおける異常型変化が、通常分岐の増大を生じるという
事実を考慮すると、このことは特に重要である。さらに、EndoF2は、目的
のタンパク質になお結合しているグリカン構造を切断するために使用した。実際
、PSAのEndoF2での処理は、二触角状複合型グリカン構造の損失に一致
する質量シフトを生じた。図14は、二触角状および三触角状糖のエンドグリカ
ナーゼ(glycanse)F2による処理の結果を示した。(A)二触角状糖
の処理は、GlcNAc残基間の切断を示す348.6の質量減少を生じた。(
B)同じ置換基を有する三触角状糖の処理は、全く切断を生じず、EndoF2
が主に二触角状構造を切断するということを示した。(C)熱変性PSAのEn
doF2処理。PSAの分子質量における1709.7Daの質量減少があり(
11Cと11Aとを比較)、PSAの正常グリカン構造が二触角状であることを
示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ポリマー情報をソートしそして操作するためのコンピューターシステ
ムの例を示すブロックダイアグラムである。
【図2】 図2Aは、ポリマーおよびその構成化学ユニットについての情報をソートする
ための記録の例を示すダイアグラムである。 図2Bは、ポリマーについての情報をソートするための記録の例を示すダイア
グラムである。 図2Cは、ポリマーの構成化学ユニットについての情報をソートするための記
録の例を示すダイアグラムである。
【図3】 図3は、化学ユニットの第1のポリマーの特性が、第2の化学ユニットの特性
に適合するか否かを決定するための方法の例を示すフローチャートである。
【図4】 図4は、ポリマーを配列決定するためのシステムのデータフローダイアグラム
である。
【図5】 図5は、ポリマーを配列決定するためのプロセスのフローチャートである。
【図6】 図6は、遺伝アルゴリズムを用いて、ポリマーを配列決定するためのプロセス
のフローチャートである。
【図7】 図7は、分枝した鎖の分析のための表記スキームを示す一連のダイアグラムで
ある。
【図8】 図8は、質量線図である。
【図9】 図9は、NANを有するポリシアル酸(A)およびNGNを有するポリシアル
酸(B)についての質量線図である。
【図10】 図10は、G(黒丸)、I(白丸)またはI2S(黒菱形)のいずれかの結合の
HepIIIによる切断を示すグラフ(A)、およびAと同じ研究を示すが、切
断をHepIで行ったグラフ(B)である。
【図11】 図11は、2触角性構造および3触覚性構造の混合の酵素処理から誘導される
伸張したコア構造のMALDI−MS分析を示すグラフである。
【図12】 図12は、PSAポリサッカリドのMALDI−MS分析を示すグラフである
。(A):インタクトなポリサッカリド構造。(B):A.urefacien
s由来のシアリダーゼでの[A]の処理。(C):S.pneumoniae由
来のガラクトシダーゼでの[B]の消化。(D):S.pneumoniae由
来のN−アセチルヘキサミニダーゼでの[C]の消化。(E):模式的構造およ
び理論的分子量での分析スキームの表。[白丸]=マンノース;[黒星印]=フ
コース;[黒四角]=N−アセチルグルコサミン;[白四角]=ガラクトース;
および[白三角]=N−アセチルノイラミン酸。アスタリスクで印されるピーク
は不純物である。そして分析物ピークは、M−H(m/z 2369.5)とし
て、および一ナトリウム化付加物(M+Na−2H,m/z 2392.6)と
して両方で検出される。
【図13】 図13は、PSAの糖鎖直接解離の酵素的分解の結果を示すグラフである。(
A):外部酵素の添加の前のPSA。(B):287Daの質量低下(1つのシ
アリル酸残基の欠失と一致)を生じるシアリダーゼでの(A)の処理。(C):
ガラクトシダーゼでの(B)の処理。(D):ヘキサミニダーゼでの(C)の消
化の際、393Daの低下は、2つのN−アセチルグルコサミン残基の欠失を示
す。
【図14】 図14は、エンドグリカンF2を用いた、2触覚性および3触覚性の糖類の処
理の結果を示すグラフである。(A):2触角性糖類の処理は、348.6の質
量減少を生じ、このことは、GlaNAc残基間の切断を示す。(B):同じ置
換基での3触覚性糖類の処理は、切断を生じず、このことは、EndoF2が主
に2触覚性構造を切断することを示す。(C):熱変性PSAのEndoF2処
理。PSAの分子量中に1709.7Daの質量低下が存在し(B4CおよびB
3aを比較する)、このことは、PSAの正常グリカン構造が2触覚性であるこ
とを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/159,939 (32)優先日 平成11年10月14日(1999.10.14) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/159,940 (32)優先日 平成11年10月14日(1999.10.14) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,JP (72)発明者 ベンカタラマン, ギャネシュ アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01801, ウォバーン, ロカスト ナン バー1702 111 (72)発明者 シュリバー, ザチャリー アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02139, ケンブリッジ, インマン ス トリート ナンバー3シー 26 (72)発明者 ラマン, ラフル アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02139, ケンブリッジ, ペンバートン ストリート 144 (72)発明者 サシセックハラン, ラム アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02140, ケンブリッジ, マス アベニ ュー 2130, スイート 7ビー (72)発明者 ケイサー, ニシュラ アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02459, ニュートン, レイチェル ロ ード 65 Fターム(参考) 4J031 CD01 CE08 CG48 5B075 ND03 ND20 ND23 NR02 NR12 PQ00 PR06 QM08 UU19

Claims (91)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピューター読みとり可能媒体において確実に統合され、
    化学ユニットのポリマーを表すデータ構造であって、該データ構造は、以下: 1つ以上のフィールドを含む識別子であって、値を記憶するための各フィール
    ドは、該ポリマーの1つ以上の特性に対応する、識別子、を含み、 ここで、少なくとも1つのフィールドは、非キャラクタベースの値を記憶する
    、データ構造。
  2. 【請求項2】 前記フィールドの各々が、2進法値を記憶し得る、請求項1
    に記載のデータ構造。
  3. 【請求項3】 前記識別子が一桁の16進法数として表現可能である、請求
    項1に記載のデータ構造。
  4. 【請求項4】 前記識別子が10進法値として表現可能である、請求項1に
    記載のデータ構造。
  5. 【請求項5】 前記10進法値が複数の素因子に分解され得、ここで各素因
    子が前記ポリマーの基礎的要素を表す、請求項4に記載のデータ構造。
  6. 【請求項6】 前記化学ユニットのポリマーがポリサッカリドを含み、そし
    てここで、該化学ユニットの各々がサッカリドである、請求項1に記載のデータ
    構造。
  7. 【請求項7】 前記化学ユニットのポリマーが核酸を含み、そしてここで、
    該化学ユニットの各々がヌクレオチドである、請求項1に記載のデータ構造。
  8. 【請求項8】 前記化学ユニットのポリマーがポリペプチドを含み、そして
    ここで、該化学ユニットの各々がアミノ酸である、請求項1に記載のデータ構造
  9. 【請求項9】 前記1つ以上の特性が1つ以上の化学ユニット特性を含み、
    各化学ユニット特性が前記ポリマーの化学ユニットの1つの特性である、請求項
    1に記載のデータ構造。
  10. 【請求項10】 前記1つ以上の特性が1つ以上の電荷を含み、各電荷が前
    記ポリマーの化学ユニットの1つの電荷である、請求項9に記載のデータ構造。
  11. 【請求項11】 前記1つ以上の特性が1つ以上の化学ユニット同一性を含
    み、各化学ユニット同一性が前記ポリマーの化学ユニットの同一性である、請求
    項9に記載のデータ構造。
  12. 【請求項12】 前記1つ以上の特性が1つ以上のコンファメーションを含
    み、各コンファメーションが前記ポリマーの化学ユニットのコンファメーション
    である、請求項9に記載のデータ構造。
  13. 【請求項13】 前記1つ以上の特性が1つ以上の置換基同一性を含み、各
    置換基同一性が前記ポリマーの化学ユニットの置換基の同一性である、請求項9
    に記載にデータ構造。
  14. 【請求項14】 前記1つ以上の特性が前記ポリマーの1つ以上の特性を含
    む、請求項1に記載のデータ構造。
  15. 【請求項15】 前記1つ以上の特性が前記ポリマーの全電荷を含む、請求
    項14に記載のデータ構造。
  16. 【請求項16】 前記1つ以上の特性が前記ポリマーのスルフェートの全数
    を含む、請求項14に記載のデータ構造。
  17. 【請求項17】 前記1つ以上の特性が前記ポリマーの色素結合を含む、請
    求項14に記載のデータ構造。
  18. 【請求項18】 前記1つ以上の特性がポリサッカリドの1つ以上の特性を
    含む、請求項14に記載のデータ構造。
  19. 【請求項19】 前記ポリサッカリドの1つ以上の特性が、置換基の1以上
    の組成比を含む、請求項18に記載のデータ構造。
  20. 【請求項20】 前記ポリサッカリドの1つ以上の特性が、イズロン酸対グ
    ルクロン酸の1以上の組成比を含む、請求項18に記載のデータ構造。
  21. 【請求項21】 前記ポリサッカリドの1つ以上の特性が酵素感度を含む、
    請求項18に記載のデータ構造。
  22. 【請求項22】 前記1つ以上の特性が前記ポリマーの質量を含む、請求項
    14に記載のデータ構造。
  23. 【請求項23】 前記1つ以上の特性が硫酸化の程度を含む、請求項14に
    記載のデータ構造。
  24. 【請求項24】 前記1つ以上の特性が電荷を含む、請求項14に記載のデ
    ータ構造。
  25. 【請求項25】 前記1つ以上の特性がキラリティーを含む、請求項14に
    記載のデータ構造。
  26. 【請求項26】 前記識別子が数値識別子を含む、請求項1に記載のデータ
    構造。
  27. 【請求項27】 コンピューター読みとり可能媒体において確実に統合され
    、化学ユニットのポリマーを表す、データ構造を生成するためのコンピューター
    作動方法であって、該方法は、以下: 値を記憶するための1つ以上のフィールドを含む識別子を生成する作動であっ
    て、各値が該ポリマーの1つ以上の特性に対応する、作動、を包含し、 ここで、少なくとも1つのフィールドが非キャラクタベースの値を記憶する、
    方法。
  28. 【請求項28】 化学ユニットの問い合わせ配列の特性が化学ユニットのポ
    リマーの特性と一致するか否かを決定するためのコンピューター作動方法であっ
    て、該問い合わせ配列は第1データ構造により表され、該第1データ構造はコン
    ピューター読みとり可能媒体に確実に統合され、1つ以上のフィールドを含む識
    別子を含み、値を記憶するための各フィールドは該問い合わせ配列の1つ以上の
    特性に対応し、該ポリマーは第2データ構造により表され、該第2データ構造は
    、コンピューター読みとり可能媒体に確実に統合され、1つ以上のフィールドを
    含む識別子を含み、値を記憶するための各フィールドは該ポリマーの1つ以上の
    特性に対応し、 該方法は、以下: (A)該第1データ構造の1つ以上のフィールドに記憶された値に基づいて、
    少なくとも1つのマスクを生成する作動; (B)該少なくとも1つのマスクを使用して、該第2データ構造の1つ以上の
    フィールドに記憶された該値について、少なくとも1つの2進法演算を実施し、
    少なくとも1つの結果を生成する作動;および (C)該少なくとも1つの結果に基づいて、該問い合わせ配列の1つ以上の特
    性が該ポリマーの1つ以上の特性と一致するか否かを決定する作動、を包含する
    、方法。
  29. 【請求項29】 前記第1および第2データ構造の1つ以上のフィールドの
    各々がビットフィールドである、請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記作動(A)が、以下: (A)(1)前記第1データ構造のフィールドに記憶された値と等しいビット
    の配列として前記少なくとも1つのマスクを生成する作動、を包含する、請求項
    28に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記作動(A)が、以下: (A)(1)前記第1データ構造のフィールドに記憶された値の配列反復とし
    て、前記少なくとも1つのマスクを生成する作動、を包含する、請求項28に記
    載の方法。
  32. 【請求項32】 請求項28に記載の方法であって、前記少なくとも1つの
    マスクが複数のマスクを含み、そしてここで、前記作動(B)が、以下: (B)(1)該複数のマスクの各々を使用して、前記第2データ構造のフィー
    ルドに記憶された値について、理論AND演算を行い、複数の中間結果を生成す
    る作動;および (B)(2)少なくとも1つの理論OR演算を使用して、該複数の中間結果を
    組み合わせて、少なくとも1つの結果を生成する作動、を包含する、方法。
  33. 【請求項33】 前記作動(C)が、以下: (C)(1)前記少なくとも1つの結果が0でない値を有する場合、前記問い
    合わせ配列の1つ以上の特性が前記ポリマーの1つ以上の特性と一致することを
    決定する作動、を包含する、請求項28に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記少なくとも1つの2進法演算が少なくとも1つの理論
    AND演算を含む、請求項28に記載の方法。
  35. 【請求項35】 コンピューター読みとり可能媒体に確実に統合され、1つ
    以上のポリマーを示す情報を記憶するためにデータベースであって、該データベ
    ースは、以下: 該1つ以上のポリマーに対応する1つ以上のデータユニットであって、各デー
    タユニットは1つ以上のフィールドを含む識別子を含み、値を記憶するための各
    フィールドは該ポリマーの1つ以上の特性に対応する、データベース。
  36. 【請求項36】 化学ユニットの問い合わせ配列の全基礎的要素がポリサッ
    カリドの全基礎的要素と一致するか否かを決定するための方法であって、該問い
    合わせ配列は第1データ構造により表され、該第1データ構造はコンピューター
    読みとり可能媒体に確実に統合され、1つ以上のフィールドを含む識別子を含み
    、値を記憶するための各フィールドは該問い合わせ配列の全基礎的要素に対応し
    、該ポリサッカリドは第2データ構造により表され、該第2データ構造は、コン
    ピューター読みとり可能媒体に確実に統合され、1つ以上のフィールドを含む識
    別子を含み、値を記憶するための各フィールドは該ポリサッカリドの全基礎的要
    素に対応し、 該方法は、以下: (A)該第1データ構造の1つ以上のフィールドに記憶された値に基づいて、
    少なくとも1つのマスクを生成する作動; (B)該少なくとも1つのマスクを使用して、該第2データ構造の1つ以上の
    フィールドに記憶された該値について、少なくとも1つの2進法演算を実施して
    、少なくとも1つの結果を生成する作動;および (C)該少なくとも1つの結果に基づいて、該問い合わせ配列の全基礎的要素
    が該ポリサッカリドの全基礎的要素と一致するか否かを決定する作動、を包含す
    る、方法。
  37. 【請求項37】 前記第1および第2データ構造の1つ以上のフィールドの
    各々がビットフィールドである、請求項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】 コンピューター読みとり可能媒体に確実に統合された、ポ
    リサッカリドを表すデータ構造であって、該データ構造は、以下: 1つ以上のフィールドを含む識別子であって、値を記憶するための各フィール
    ドが該ポリサッカリドの全基礎的要素に対応する、識別子、を含む、データ構造
  39. 【請求項39】 前記1つ以上のフィールドの各々が2進法値を記憶し得る
    、請求項38に記載のデータ構造。
  40. 【請求項40】 前記識別子が一桁の16進法数として表現可能である、請
    求項38に記載のデータ構造。
  41. 【請求項41】 前記識別子が10進法値として表現可能である、請求項3
    8に記載のデータ構造。
  42. 【請求項42】 前記10進法値が複数の素因子に分解され得、ここで各素
    因子が前記ポリサッカリドの基礎的要素を表す、請求項41に記載のデータ構造
  43. 【請求項43】 コンピューター読みとり可能媒体において確実に統合され
    、ポリマーの化学ユニットを表す、データ構造であって、該データ構造は、以下
    : 1つ以上のフィールドを含む識別子であって、値を記憶するための各フィール
    ドは該化学ユニットの1つ以上の特性に対応する、識別子、を含み、 ここで、少なくとも1つのフィールドは非キャラクタベースの値を記憶する、
    データ構造。
  44. 【請求項44】 前記1つ以上の特性が前記化学ユニットの電荷を含む、請
    求項43に記載のデータ構造。
  45. 【請求項45】 前記1つ以上の特性が前記化学ユニットの同一性を含む、
    請求項43に記載のデータ構造。
  46. 【請求項46】 前記1つ以上の特性が前記化学ユニットのコンファメーシ
    ョンを含む、請求項43に記載のデータ構造。
  47. 【請求項47】 前記1つ以上の特性が前記化学ユニットの置換基の同一性
    を含む、請求項43に記載のデータ構造。
  48. 【請求項48】 前記フィールドの各々が2進法値を記憶し得る、請求項4
    3に記載のデータ構造。
  49. 【請求項49】 前記識別子が一桁の16進法数として表現可能である、請
    求項43に記載のデータ構造。
  50. 【請求項50】 前記識別子が10進法値として表現可能である、請求項4
    3に記載のデータ構造。
  51. 【請求項51】 前記10進法値が素数である、請求項50に記載のデータ
    構造。
  52. 【請求項52】 前記ポリマーがポリサッカリドであり、そして前記素数が
    該ポリサッカリドの基本的要素として、前記化学ユニットと一致する、請求項5
    1に記載のデータ構造。
  53. 【請求項53】 前記ポリマーがポリサッカリドである、請求項43に記載
    のデータ構造。
  54. 【請求項54】 化学ユニットのポリマーの特性の値のデータベースを含む
    システムにおいて、既知の分子長を有する化学ユニットのサンプルポリマーの組
    成を決定するための方法であって、該方法は、以下: (A)該データベースから、該化学ユニットのサンプルポリマーと同じ長さを
    有する化学ユニットの候補ポリマーを選択する工程であって、該サンプルポリマ
    ーについて、所定の特性の値は、該化学ユニットのサンプルポリマーの所定の特
    性の値と類似している、工程; (B)該化学ユニットのサンプルポリマーについて実験を実施する工程; (C)該実験から得られた、該化学ユニットのサンプルポリマーの特性を測定
    する工程;および (D)該化学ユニットの候補ポリマーから、該実験結果と一致しない特性を有
    する化学ユニットのポリマーを排除する工程、を包含する、方法。
  55. 【請求項55】 請求項54に記載の方法であって、該方法が、以下: (E)化学ユニットの候補ポリマーの数が所定の閾値より下に下がるまで、前
    記工程(D)を繰返し実行する工程、をさらに包含する、方法。
  56. 【請求項56】 前記所定の特性が分子量である、請求項54に記載の方法
  57. 【請求項57】 化学ユニットのサンプルポリマーと同じ特性を有する化学
    ユニットのポリマーの集団を同定するための方法であって、該方法は、以下: 化学ユニットのサンプルポリマーの特性を決定する工程; 該サンプルポリマーの特性を既知の配列および既知の特性を有するポリマーの
    参照データベースと比較して、化学ユニットのサンプルポリマーと同じ特性を有
    する化学ユニットのポリマーの集団を同定する工程、を包含し、 ここで、該ポリマーの参照データベースは該ポリマーの化学ユニットに対応す
    る識別子を含み、該識別子の各々は、該特性に対応する値を記憶するフィールド
    を含む、方法。
  58. 【請求項58】 前記サンプルポリマーの特性を決定する工程が、前記ポリ
    マーの分子量を決定するための質量分光器の使用を包含する、請求項57に記載
    の方法。
  59. 【請求項59】 前記質量分光法が、約1ダルトンの精度で分子量を検出す
    るMALDIである、請求項57に記載の方法。
  60. 【請求項60】 請求項57に記載の方法であって、ポリマーは少なくとも
    2つのフラグメントに分解され、そして該ポリマーの特性は該フラグメントのサ
    イズであり、そしてここで、検出工程が強力なイオン交換クロマトグラフィーを
    含む、方法。
  61. 【請求項61】 前記MALDI分析が、MALDI表面上に被覆されたタ
    ンパク質を有するMALDI表面上で実施される、請求項59に記載の方法。
  62. 【請求項62】 前記サンプルポリマーが細胞表面から単離される、請求項
    59に記載の方法。
  63. 【請求項63】 化学ユニットのサンプルポリマーと共通の特性を有するポ
    リマーの部分母集団を同定するための方法であって、該方法は、以下: (A)該ポリマーに実験制約を適用して、該ポリマーを改変する工程; (B)該改変されたポリマーの特性を検出する工程; (C)該サンプルポリマーと同じ分子長を有する化学ユニットのポリマーの集
    団を同定する工程;および (D)該同定されたポリマーの集団から、該改変されたポリマーと一致しない
    特性を有するポリマーを排除することによって、該改変されたポリマーと同じ特
    性を有する該ポリマーの同定された集団の部分母集団を同定する工程、を包含す
    る、方法。
  64. 【請求項64】 前記改変されたポリマーについて前記工程(A)、(B)
    および(D)を繰返し、2回改変されたポリマーと共通の第2の特性を有するポ
    リマーの部分母集団内の第2の部分母集団を同定する工程をさらに包含する、請
    求項63に記載の方法。
  65. 【請求項65】 前記改変されたポリマーについて、前記工程(A)、(B
    )および(D)を、前記部分母集団内のポリマーの数が所定の閾値より下に下が
    るまで繰返し実施する工程をさらに包含する、請求項64に記載の方法。
  66. 【請求項66】 前記部分母集団内のポリマーの前記所定の閾値が2つのポ
    リマーであり、そしてここで、前記方法が実施されて、前記ポリマーの配列を同
    定する、請求項65に記載の方法。
  67. 【請求項67】 前記ポリマーに適用される実験的拘束が各反復について異
    なる、請求項65に記載の方法。
  68. 【請求項68】 前記ポリマーに適用される実験的拘束が、外酵素による消
    化である、請求項63に記載の方法。
  69. 【請求項69】 前記ポリマーに適用される実験的拘束が内酵素による消化
    である、請求項63に記載の方法。
  70. 【請求項70】 前記ポリマーに適用される実験的拘束が、制限エンドヌク
    レアーゼ消化;化学消化;化学改変;結合化合物との相互作用;化学剥離;およ
    び酵素改変からなる群から選択される、請求項63に記載の方法。
  71. 【請求項71】 前記ポリマーの特性が分子量である、請求項63に記載の
    方法。
  72. 【請求項72】 前記化学ユニットのポリマーの集団が、前記サンプルポリ
    マーの分子量を有するあらゆるポリマー配列を含む、請求項63に記載の方法。
  73. 【請求項73】 前記化学ユニットのポリマーの集団が、前記サンプルポリ
    マーの分子量を有するあらゆるポリマー配列より少ない配列を含む、請求項63
    に記載の方法。
  74. 【請求項74】 前記検出工程が、前記ポリマーの分子量を決定するための
    質量分光器の使用を含む、請求項63に記載の方法。
  75. 【請求項75】 前記質量分光器が、約1ダルトンの精度で分子量を検出す
    るマトリクスアシスティドレーザーデリプションイオン化である、請求項74に
    記載の方法。
  76. 【請求項76】 前記ポリマーが少なくとも2つのフラグメントに分解され
    、そして該ポリマーの特性が該フラグメントのサイズであり、そしてここで、前
    記検出工程が強力なイオン交換クロマトグラフィーを含む、請求項63に記載の
    方法。
  77. 【請求項77】 前記同定工程が、化学ユニットのポリマーの分子量を含む
    データベースから、化学ユニットのポリマーの前記集団を選択する工程を包含す
    る、請求項63に記載の方法。
  78. 【請求項78】 前記データベースが複数のポリマーの化学ユニットに対応
    する識別子を含み、該識別子の各々が、対応する化学ユニットの特性に対応する
    値を記憶するフィールドを含む、請求項77に記載の方法。
  79. 【請求項79】 サンプルポリマーの化学ユニットの組成分析のための方法
    であって、該方法は、以下: (A)該サンプルポリマーに実験的拘束を適用して、該サンプルポリマーを改
    変する工程; (B)該改変されたサンプルポリマーの特性を検出する工程; (C)該改変されたサンプルポリマーを、該ポリマーと同じサイズのポリマー
    の参照データベースと比較する工程であって、ここで該参照データベースのポリ
    マーはまた、該サンプルポリマーと同じ実験的拘束に供され、ここで該比較は該
    サンプルポリマーの組成分析を提供する、工程、を包含する、方法。
  80. 【請求項80】 前記検出工程がキャピラリー電気泳動を含む、請求項79
    に記載の方法。
  81. 【請求項81】 前記ポリマーに適用される実験的拘束が、該ポリマーから
    個々の化学ユニットへの完全な分解を含み、そしてここで、前記組成分析が、該
    ポリマー内のユニットの数およびタイプを示す、請求項79に記載の方法。
  82. 【請求項82】 前記検出工程がマトリクスアシスティドレーザーデリプシ
    ョンイオン化質量分光法を含む、請求項79に記載の方法。
  83. 【請求項83】 請求項82に記載の方法であって、前記ポリマーに適用さ
    れる実験的拘束が、該ポリマーの完全酵素消化を含み、そしてここで、工程(A
    )、(B)および(C)が、前記参照データベース内のポリマーの数が所定の閾
    値より下に下がるまで繰り返され、そしてここで、前記組成分析が該ポリマーの
    化学ユニットの配列の同一性を示す、方法。
  84. 【請求項84】 請求項77に記載の方法であって、前記参照データベース
    が、複数のポリマーの化学ユニットに対応する識別子を含み、該識別子の各々が
    、対応する化学ユニットの特性に対応する値を記憶するフィールドを含む、方法
  85. 【請求項85】 ポリマーを配列決定するための方法であって、該方法が、
    以下: (A)該ポリマーに実験的拘束を適用して、該ポリマーを改変する工程; (B)該改変されたポリマーの特性を検出する工程; (C)サンプルポリマーと同じ分子長を有し、かつ該サンプルポリマーの分子
    量と類似の分子量を有するポリマーの集団を同定する工程; (D)該同定されたポリマーの集団から、該改変されたポリマーに対応しない
    特性を有するポリマーを排除することによって、該改変されたポリマーと同じ特
    性を有する該同定されたポリマーの集団の部分母集団を同定する工程;および (E)該部分母集団内のポリマーが1つになり、かつ該ポリマーの配列が同定
    され得るまで、該ポリマーにさらなる実験的拘束を適用し、ポリマーのさらなる
    部分母集団を同定することによって、工程(A)、(B)および(D)を繰り返
    す工程、を包含する、方法。
  86. 【請求項86】 ポリサッカリド−タンパク質相互作用を同定するための方
    法であって、該方法は、以下: タンパク質被覆MALDI表面を、ポリサッカリド含有サンプルと接触させて
    、ポリサッカリド−タンパク質被覆MALDI表面を生成する工程、 該ポリサッカリド−タンパク質被覆MALDI表面から未結合のポリサッカリ
    ドを除去する工程、および MALDI質量分光法を実施して、該MALDI表面上に被覆されたタンパク
    質と特異的に相互作用するポリサッカリドを同定する工程、を包含する、方法。
  87. 【請求項87】 MALDIマトリクスが、前記ポリサッカリド−タンパク
    質被覆MALDI表面に添加される、請求項86に記載の方法。
  88. 【請求項88】 前記MALDI質量分光分析を実施する前に、前記ポリサ
    ッカリド−タンパク質被覆MALDI表面に結合した前記ポリサッカリドに実験
    的拘束を適用する工程をさらに包含する、請求項86に記載の方法。
  89. 【請求項89】 前記ポリマーに適用される実験的拘束が、外酵素による消
    化である、請求項88に記載の方法。
  90. 【請求項90】 前記ポリマーに適用される実験的拘束が、内酵素による消
    化である、請求項88に記載の方法。
  91. 【請求項91】 前記ポリマーに適用される実験的拘束が、制限エンドヌク
    レアーゼ消化;化学消化;化学改変;および酵素改変からなる群から選択される
    、請求項88に記載の方法。
JP2000614193A 1999-04-23 2000-04-24 ポリマーを表記するためのシステムおよび方法 Expired - Lifetime JP4824170B2 (ja)

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13074799P 1999-04-23 1999-04-23
US13079299P 1999-04-23 1999-04-23
US60/130,747 1999-04-23
US60/130,792 1999-04-23
US15993999P 1999-10-14 1999-10-14
US15994099P 1999-10-14 1999-10-14
US60/159,939 1999-10-14
US60/159,940 1999-10-14
PCT/US2000/010990 WO2000065521A2 (en) 1999-04-23 2000-04-24 System and method for polymer notation

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002543222A true JP2002543222A (ja) 2002-12-17
JP4824170B2 JP4824170B2 (ja) 2011-11-30

Family

ID=27494876

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000614193A Expired - Lifetime JP4824170B2 (ja) 1999-04-23 2000-04-24 ポリマーを表記するためのシステムおよび方法

Country Status (5)

Country Link
US (8) US7412332B1 (ja)
EP (1) EP1190364A2 (ja)
JP (1) JP4824170B2 (ja)
CA (2) CA2643162C (ja)
WO (1) WO2000065521A2 (ja)

Families Citing this family (62)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000012726A2 (en) * 1998-08-27 2000-03-09 Massachusetts Institute Of Technology Rationally designed heparinases derived from heparinase i and ii
US7056504B1 (en) 1998-08-27 2006-06-06 Massachusetts Institute Of Technology Rationally designed heparinases derived from heparinase I and II
US7412332B1 (en) * 1999-04-23 2008-08-12 Massachusetts Institute Of Technology Method for analyzing polysaccharides
WO2001066772A2 (en) * 2000-03-08 2001-09-13 Massachusetts Institute Of Technology Heparinase iii and uses thereof
EP1319183B1 (en) * 2000-09-12 2009-03-25 Massachusetts Institute Of Technology Methods and products related to low molecular weight heparin
AU2440802A (en) 2000-10-18 2002-04-29 Massachusetts Inst Technology Methods and products related to pulmonary delivery of polysaccharides
US7226739B2 (en) * 2001-03-02 2007-06-05 Isis Pharmaceuticals, Inc Methods for rapid detection and identification of bioagents in epidemiological and forensic investigations
US20040214228A9 (en) * 2001-09-14 2004-10-28 Ganesh Venkataraman Methods of evaluating glycomolecules for enhanced activities
US20030096281A1 (en) * 2001-09-14 2003-05-22 Ganesh Venkataraman Methods of making glycomolecules with enhanced activities and uses thereof
US7575886B2 (en) 2002-03-11 2009-08-18 Momenta Pharmaceuticals, Inc. Analysis of sulfated polysaccharides
EP1345167A1 (en) * 2002-03-12 2003-09-17 BRITISH TELECOMMUNICATIONS public limited company Method of combinatorial multimodal optimisation
ES2421134T3 (es) 2002-05-03 2013-08-29 Massachusetts Institute Of Technology delta 4,5 Glicuronidasa y usos de la misma
EP1590648A4 (en) * 2002-05-20 2007-04-18 Massachusetts Inst Technology NEW TECHNIQUE FOR MRI SEQUENCE DETERMINATION
US6962699B2 (en) 2002-06-03 2005-11-08 Massachusetts Institute Of Technology Rationally designed polysaccharide lyases derived from chondroitinase B
AU2003299730B2 (en) * 2002-12-20 2009-04-02 Momenta Pharmaceuticals, Inc. Glycan markers for diagnosing and monitoring disease
JP4606712B2 (ja) * 2003-01-08 2011-01-05 マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー 2−oスルファターゼ組成物および関連の方法
WO2005026720A1 (en) 2003-09-04 2005-03-24 Parivid Llc Methods and apparatus for characterizing polymeric mixtures
US20050178959A1 (en) * 2004-02-18 2005-08-18 Viorica Lopez-Avila Methods and compositions for assessing a sample by maldi mass spectrometry
CA2558984A1 (en) * 2004-03-10 2005-09-22 Massachusetts Institute Of Technology Recombinant chondroitinase abc i and uses thereof
US20060127950A1 (en) 2004-04-15 2006-06-15 Massachusetts Institute Of Technology Methods and products related to the improved analysis of carbohydrates
WO2005111627A2 (en) * 2004-04-15 2005-11-24 Massachusetts Institute Of Technology Methods and products related to the improved analysis of carbohydrates
WO2006088491A2 (en) 2004-06-29 2006-08-24 Massachusetts Institute Of Technology Methods and compositions related to the modulation of intercellular junctions
US20060154894A1 (en) * 2004-09-15 2006-07-13 Massachusetts Institute Of Technology Biologically active surfaces and methods of their use
US20060264713A1 (en) * 2005-05-20 2006-11-23 Christoph Pedain Disease and therapy dissemination representation
GB0514553D0 (en) * 2005-07-15 2005-08-24 Nonlinear Dynamics Ltd A method of analysing a representation of a separation pattern
GB0514552D0 (en) * 2005-07-15 2005-08-24 Nonlinear Dynamics Ltd A method of analysing representations of separation patterns
BRPI0614850A2 (pt) * 2005-08-19 2011-04-19 Centocor Inc preparações de anticorpos resistentes a proteólise
US7767420B2 (en) 2005-11-03 2010-08-03 Momenta Pharmaceuticals, Inc. Heparan sulfate glycosaminoglycan lyase and uses thereof
EP2008096A2 (en) * 2006-04-03 2008-12-31 Massachusetts Institute of Technology Glycomic patterns for the detection of disease
WO2008060570A1 (en) * 2006-11-14 2008-05-22 Abb Inc. System for storing and presenting sensor and spectral data for batch processes
US7301339B1 (en) * 2006-12-26 2007-11-27 Schlumberger Technology Corporation Estimating the concentration of a substance in a sample using NMR
EP2099906B1 (en) 2007-01-05 2014-03-12 Massachusetts Institute of Technology Compositions of and methods of using sulfatases from flavobacterium heparinum
US8069127B2 (en) * 2007-04-26 2011-11-29 21 Ct, Inc. Method and system for solving an optimization problem with dynamic constraints
US9139876B1 (en) 2007-05-03 2015-09-22 Momenta Pharmacueticals, Inc. Method of analyzing a preparation of a low molecular weight heparin
JP2010530021A (ja) * 2007-06-15 2010-09-02 エージェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ N結合型グリカン構造を表すためのシステム及び方法
US8093056B2 (en) * 2007-06-29 2012-01-10 Schlumberger Technology Corporation Method and apparatus for analyzing a hydrocarbon mixture using nuclear magnetic resonance measurements
US20100049445A1 (en) * 2008-06-20 2010-02-25 Eureka Genomics Corporation Method and apparatus for sequencing data samples
CA3026701C (en) 2009-03-02 2023-04-18 Massachusetts Institute Of Technology Methods and products for in vivo enzyme profiling
US8063374B2 (en) * 2009-09-22 2011-11-22 California Polytechnic Corporation Systems and methods for determining recycled thermoplastic content
EP2526122B1 (en) 2010-01-19 2020-06-10 Momenta Pharmaceuticals, Inc. Evaluating heparin preparations
CN102869784A (zh) 2010-04-07 2013-01-09 动量制药公司 高甘露糖聚糖
US20140166875A1 (en) 2010-09-02 2014-06-19 Wayne State University Systems and methods for high throughput solvent assisted ionization inlet for mass spectrometry
US8853621B2 (en) 2010-10-25 2014-10-07 Wayne State University Systems and methods extending the laserspray ionization mass spectrometry concept from atmospheric pressure to vacuum
US9068957B2 (en) 2011-02-21 2015-06-30 Momenta Pharmaceuticals, Inc. Evaluating heparin preparations
WO2012125553A2 (en) 2011-03-12 2012-09-20 Momenta Pharmaceuticals, Inc. N-acetylhexosamine-containing n-glycans in glycoprotein products
ES2881535T3 (es) 2011-03-15 2021-11-29 Massachusetts Inst Technology Detección multiplexada con indicadores codificados con isótopos
US20150099669A1 (en) 2012-05-23 2015-04-09 The Johns Hopkins University Mass spectrometry imaging of glycans from tissue sections and improved analyte detection methods
US9695244B2 (en) 2012-06-01 2017-07-04 Momenta Pharmaceuticals, Inc. Methods related to denosumab
EP2855533A4 (en) 2013-03-15 2015-11-25 Momenta Pharmaceuticals Inc METHODS RELATING TO CTLA4-FC FUSION PROTEINS
US10464996B2 (en) 2013-05-13 2019-11-05 Momenta Pharmaceuticals, Inc. Methods for the treatment of neurodegeneration
WO2014197840A1 (en) 2013-06-07 2014-12-11 Massachusetts Institute Of Technology Affinity-based detection of ligand-encoded synthetic biomarkers
WO2015057622A1 (en) 2013-10-16 2015-04-23 Momenta Pharmaceuticals, Inc. Sialylated glycoproteins
CN104572622B (zh) * 2015-01-05 2018-01-02 武汉传神信息技术有限公司 一种术语的筛选方法
US10381108B2 (en) * 2015-09-16 2019-08-13 Charles Jianping Zhou Web search and information aggregation by way of molecular network
WO2017177115A1 (en) 2016-04-08 2017-10-12 Massachusetts Institute Of Technology Methods to specifically profile protease activity at lymph nodes
CA3022928A1 (en) 2016-05-05 2017-11-09 Massachusetts Institute Of Technology Methods and uses for remotely triggered protease activity measurements
KR102115390B1 (ko) * 2016-07-26 2020-05-27 주식회사 엘지화학 중합체 변성률 측정 방법
AU2018248327A1 (en) 2017-04-07 2019-10-17 Massachusetts Institute Of Technology Methods to spatially profile protease activity in tissue and sections
DE102018000650A1 (de) * 2018-01-27 2019-08-01 Friedrich-Schiller-Universität Jena Verfahren zur Bestimmung von Verunreinigungen in Polyalkylenethern oder Polyalkylenaminen und dessen Verwendung
WO2019173332A1 (en) 2018-03-05 2019-09-12 Massachusetts Institute Of Technology Inhalable nanosensors with volatile reporters and uses thereof
US11835522B2 (en) 2019-01-17 2023-12-05 Massachusetts Institute Of Technology Sensors for detecting and imaging of cancer metastasis
US20230222313A1 (en) * 2022-01-12 2023-07-13 Dell Products L.P. Polysaccharide archival storage

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5687090A (en) * 1994-09-01 1997-11-11 Aspen Technology, Inc. Polymer component characterization method and process simulation apparatus
US5752019A (en) * 1995-12-22 1998-05-12 International Business Machines Corporation System and method for confirmationally-flexible molecular identification
US5856928A (en) * 1992-03-13 1999-01-05 Yan; Johnson F. Gene and protein representation, characterization and interpretation process

Family Cites Families (126)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE449753B (sv) 1978-11-06 1987-05-18 Choay Sa Mukopolysackaridkomposition med reglerande verkan pa koagulation, lekemedel innehallande densamma samt forfarande for framstellning derav
US4692435A (en) 1978-11-06 1987-09-08 Choay, S.A. Mucopolysaccharide composition having a regulatory action on coagulation, medicament containing same and process of preparation
CA1136620A (en) 1979-01-08 1982-11-30 Ulf P.F. Lindahl Heparin fragments having selective anticoagulation activity
US4281108A (en) 1980-01-28 1981-07-28 Hepar Industries, Inc. Process for obtaining low molecular weight heparins endowed with elevated pharmacological properties, and product so obtained
US4443545A (en) 1980-08-25 1984-04-17 Massachusetts Institute Of Technology Process for producing heparinase
US4341869A (en) 1980-08-25 1982-07-27 Massachusetts Institute Of Technology Process for producing heparinase
US4373023A (en) 1980-10-14 1983-02-08 Massachusetts Institute Of Technology Process for neutralizing heparin
US4396762A (en) 1981-08-24 1983-08-02 Massachusetts Institute Of Technology Heparinase derived anticoagulants
SE462186B (sv) 1982-01-29 1990-05-14 Otsuka Pharma Co Ltd Foerfarande foer bestaemning av halten tumoerassocierade glykobindningar i kroppsvaetskor
US4551296A (en) * 1982-03-19 1985-11-05 Allied Corporation Producing high tenacity, high modulus crystalline article such as fiber or film
US4757056A (en) 1984-03-05 1988-07-12 Hepar Industries, Inc. Method for tumor regression in rats, mice and hamsters using hexuronyl hexosaminoglycan-containing compositions
US4679555A (en) 1984-08-07 1987-07-14 Key Pharmaceuticals, Inc. Method and apparatus for intrapulmonary delivery of heparin
US5106734A (en) 1986-04-30 1992-04-21 Novo Nordisk A/S Process of using light absorption to control enzymatic depolymerization of heparin to produce low molecular weight heparin
DE3787996T2 (de) 1986-05-16 1994-03-03 Italfarmaco Spa Heparine, frei von E.D.T.A., Fraktionen und Fragmente von Heparin, Verfahren zu deren Herstellung und pharmazeutische Zusammensetzungen, welche diese enthalten.
US4784820A (en) 1986-08-11 1988-11-15 Allied-Signal Inc. Preparation of solution of high molecular weight polymers
US4745105A (en) 1986-08-20 1988-05-17 Griffin Charles C Low molecular weight heparin derivatives with improved permeability
US4942156A (en) 1986-08-20 1990-07-17 Hepar Industries, Inc. Low molecular weight heparin derivatives having improved anti-Xa specificity
US4830013A (en) 1987-01-30 1989-05-16 Minnesota Mining And Manufacturing Co. Intravascular blood parameter measurement system
FR2614026B1 (fr) 1987-04-16 1992-04-17 Sanofi Sa Heparines de bas poids moleculaire, a structure reguliere, leur preparation et leurs applications biologiques
SE8702254D0 (sv) 1987-05-29 1987-05-29 Kabivitrum Ab Novel heparin derivatives
US5169772A (en) 1988-06-06 1992-12-08 Massachusetts Institute Of Technology Large scale method for purification of high purity heparinase from flavobacterium heparinum
IT1234508B (it) 1988-06-10 1992-05-19 Alfa Wassermann Spa Derivati eparinici e procedimento per la loro preparazione
US5204323B1 (en) 1988-10-06 1995-07-18 Ciba Geigy Corp Hirudin antidotal compositions and methods
GB8826448D0 (en) 1988-11-11 1988-12-14 Thrombosis Res Inst Improvements in/relating to organic compounds
US5766573A (en) 1988-12-06 1998-06-16 Riker Laboratories, Inc. Medicinal aerosol formulations
CA1340966C (en) * 1989-05-19 2000-04-18 Thomas R. Covey Method of protein analysis
IT1237518B (it) 1989-11-24 1993-06-08 Renato Conti Eparine supersolfatate
GB8927546D0 (en) 1989-12-06 1990-02-07 Ciba Geigy Process for the production of biologically active tgf-beta
US5152784A (en) 1989-12-14 1992-10-06 Regents Of The University Of Minnesota Prosthetic devices coated with a polypeptide with type IV collagen activity
FR2663639B1 (fr) 1990-06-26 1994-03-18 Rhone Poulenc Sante Melanges de polysaccharides de bas poids moleculaires procede de preparation et utilisation.
US5284558A (en) 1990-07-27 1994-02-08 University Of Iowa Research Foundation Electrophoresis-based sequencing of oligosaccharides
IT1245761B (it) 1991-01-30 1994-10-14 Alfa Wassermann Spa Formulazioni farmaceutiche contenenti glicosaminoglicani assorbibili per via orale.
JP3110064B2 (ja) 1991-03-06 2000-11-20 生化学工業株式会社 新規ヘパリチナーゼ、その製造法及びその生産菌
US5262325A (en) 1991-04-04 1993-11-16 Ibex Technologies, Inc. Method for the enzymatic neutralization of heparin
HUT67136A (en) 1991-05-02 1995-02-28 Yeda Res & Dev Compositions for the prevention and/or treatment of pathological processes
EG20399A (en) 1991-06-13 1999-02-28 Dow Chemical Co A soft segment isocyanate terminate prepolymer and polyurethane elastomer therefrom
US5714376A (en) 1991-10-23 1998-02-03 Massachusetts Institute Of Technology Heparinase gene from flavobacterium heparinum
IT1254216B (it) 1992-02-25 1995-09-14 Opocrin Spa Derivati polisaccaridici di eparina, eparan solfato, loro frazioni e frammenti, procedimento per la loro preparazione e composizioni farmaceutiche che li contengono
US5453171A (en) 1992-03-10 1995-09-26 The Board Of Regents Of The University Of Michigan Heparin-selective polymeric membrane electrode
GB9206291D0 (en) 1992-03-23 1992-05-06 Cancer Res Campaign Tech Oligosaccharides having growth factor binding affinity
US5389539A (en) 1992-11-30 1995-02-14 Massachusetts Institute Of Technology Purification of heparinase I, II, and III from Flavobacterium heparinum
US5696100A (en) 1992-12-22 1997-12-09 Glycomed Incorporated Method for controlling O-desulfation of heparin and compositions produced thereby
GB9306255D0 (en) 1993-03-25 1993-05-19 Cancer Res Campaign Tech Heparan sulphate oligosaccharides having hepatocyte growth factor binding affinity
FR2704861B1 (fr) 1993-05-07 1995-07-28 Sanofi Elf Fractions d'héparine purifiées, procédé d'obtention et compositions pharmaceutiques les contenant.
US5744155A (en) 1993-08-13 1998-04-28 Friedman; Doron Bioadhesive emulsion preparations for enhanced drug delivery
CA2176934A1 (en) 1993-11-17 1995-05-26 Ramnath Sasisekharan Method for inhibiting angiogenesis using heparinase
US6013628A (en) 1994-02-28 2000-01-11 Regents Of The University Of Minnesota Method for treating conditions of the eye using polypeptides
US5607859A (en) 1994-03-28 1997-03-04 Massachusetts Institute Of Technology Methods and products for mass spectrometric molecular weight determination of polyionic analytes employing polyionic reagents
US5658749A (en) 1994-04-05 1997-08-19 Corning Clinical Laboratories, Inc. Method for processing mycobacteria
US5753445A (en) 1994-04-26 1998-05-19 The Mount Sinai Medical Center Of The City University Of New York Test for the detection of anti-heparin antibodies
CA2189038A1 (en) 1994-05-06 1995-11-09 Kevin R. Holme O-desulfated heparin derivatives, methods of making and uses thereof
US5681733A (en) 1994-06-10 1997-10-28 Ibex Technologies Nucleic acid sequences and expression systems for heparinase II and heparinase III derived from Flavobacterium heparinum
US5619421A (en) 1994-06-17 1997-04-08 Massachusetts Institute Of Technology Computer-implemented process and computer system for estimating the three-dimensional shape of a ring-shaped molecule and of a portion of a molecule containing a ring-shaped structure
US5997863A (en) 1994-07-08 1999-12-07 Ibex Technologies R And D, Inc. Attenuation of wound healing processes
US6309853B1 (en) * 1994-08-17 2001-10-30 The Rockfeller University Modulators of body weight, corresponding nucleic acids and proteins, and diagnostic and therapeutic uses thereof
FR2723847A1 (fr) 1994-08-29 1996-03-01 Debiopharm Sa Compositions antithrombotiques et non hemorragiques a base d'heparine, procede pour leur preparation et applications therapeutiques.
WO1996011671A1 (en) 1994-10-12 1996-04-25 Focal, Inc. Targeted delivery via biodegradable polymers
JP2927401B2 (ja) * 1994-12-28 1999-07-28 日本ビクター株式会社 ヘリキャルスキャン型情報記録装置
US5569366A (en) 1995-01-27 1996-10-29 Beckman Instruments, Inc. Fluorescent labelled carbohydrates and their analysis
US5618917A (en) 1995-02-15 1997-04-08 Arch Development Corporation Methods and compositions for detecting and treating kidney diseases associated with adhesion of crystals to kidney cells
US5763427A (en) 1995-03-31 1998-06-09 Hamilton Civic Hospitals Research Development Inc. Compositions and methods for inhibiting thrombogenesis
US5597811A (en) 1995-04-10 1997-01-28 Amerchol Corporation Oxirane carboxylic acid derivatives of polyglucosamines
WO1996037165A1 (en) 1995-05-26 1996-11-28 Bsi Corporation Method and implantable article for promoting endothelialization
US5824299A (en) 1995-06-22 1998-10-20 President & Fellows Of Harvard College Modulation of endothelial cell proliferation with IP-10
US5770420A (en) * 1995-09-08 1998-06-23 The Regents Of The University Of Michigan Methods and products for the synthesis of oligosaccharide structures on glycoproteins, glycolipids, or as free molecules, and for the isolation of cloned genetic sequences that determine these structures
CA2235223A1 (en) 1995-10-30 1997-05-09 Massachusetts Institute Of Technology Rationally designed polysaccharide lyases derived from heparinase i
HUP9901575A3 (en) 1996-04-29 1999-11-29 Dura Pharmaceuticals Inc San D Methods of dry powder inhalation
US6228654B1 (en) 1996-05-09 2001-05-08 The Scripps Research Institute Methods for structure analysis of oligosaccharides
US5874064A (en) 1996-05-24 1999-02-23 Massachusetts Institute Of Technology Aerodynamically light particles for pulmonary drug delivery
USRE37053E1 (en) 1996-05-24 2001-02-13 Massachusetts Institute Of Technology Particles incorporating surfactants for pulmonary drug delivery
US5985309A (en) 1996-05-24 1999-11-16 Massachusetts Institute Of Technology Preparation of particles for inhalation
US5855913A (en) 1997-01-16 1999-01-05 Massachusetts Instite Of Technology Particles incorporating surfactants for pulmonary drug delivery
JP4097044B2 (ja) 1996-07-29 2008-06-04 パリンジェニックス,インコーポレイテッド O―脱硫酸化ヘパリンで喘息を治療する方法
ES2317657T3 (es) 1996-09-19 2009-04-16 The Regents Of The University Of Michigan Polimeros que contienen polisacaridos tales como alginatos o alginatos modificados.
US5767269A (en) 1996-10-01 1998-06-16 Hamilton Civic Hospitals Research Development Inc. Processes for the preparation of low-affinity, low molecular weight heparins useful as antithrombotics
US5803726A (en) * 1996-10-04 1998-09-08 Bacon; David W. Retractable, electric arc-ignited gas pilot for igniting flare stacks
US5759767A (en) 1996-10-11 1998-06-02 Joseph R. Lakowicz Two-photon and multi-photon measurement of analytes in animal and human tissues and fluids
US6642360B2 (en) * 1997-12-03 2003-11-04 Genentech, Inc. Secreted polypeptides that stimulate release of proteoglycans from cartilage
GB9708278D0 (en) 1997-04-24 1997-06-18 Danisco Composition
US6190875B1 (en) 1997-09-02 2001-02-20 Insight Strategy & Marketing Ltd. Method of screening for potential anti-metastatic and anti-inflammatory agents using mammalian heparanase as a probe
US5968822A (en) 1997-09-02 1999-10-19 Pecker; Iris Polynucleotide encoding a polypeptide having heparanase activity and expression of same in transduced cells
US6268146B1 (en) * 1998-03-13 2001-07-31 Promega Corporation Analytical methods and materials for nucleic acid detection
US6190522B1 (en) 1998-04-24 2001-02-20 Board Of Regents, The University Of Texas System Analysis of carbohydrates derivatized with visible dye by high-resolution polyacrylamide gel electrophoresis
WO1999067404A1 (en) * 1998-06-23 1999-12-29 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Alteration of hemicellulose concentration in plants by rgp
US5985576A (en) * 1998-06-30 1999-11-16 The United States Of America As Represented By The Secretary Of Agriculture Species-specific genetic identification of Mycobacterium paratuberculosis
US7056504B1 (en) 1998-08-27 2006-06-06 Massachusetts Institute Of Technology Rationally designed heparinases derived from heparinase I and II
WO2000012726A2 (en) * 1998-08-27 2000-03-09 Massachusetts Institute Of Technology Rationally designed heparinases derived from heparinase i and ii
WO2000013025A1 (en) 1998-08-31 2000-03-09 University Of Washington Stable isotope metabolic labeling for analysis of biopolymers
US6291439B1 (en) 1998-09-02 2001-09-18 Biomarin Pharmaceuticals Methods for diagnosing atherosclerosis by measuring endogenous heparin and methods for treating atherosclerosis using heparin
US6333051B1 (en) 1998-09-03 2001-12-25 Supratek Pharma, Inc. Nanogel networks and biological agent compositions thereof
US6440705B1 (en) 1998-10-01 2002-08-27 Vincent P. Stanton, Jr. Method for analyzing polynucleotides
US6610484B1 (en) 1999-01-26 2003-08-26 Cytyc Health Corporation Identifying material from a breast duct
US6429302B1 (en) 1999-02-02 2002-08-06 Chiron Corporation Polynucleotides related to pancreatic disease
US7412332B1 (en) * 1999-04-23 2008-08-12 Massachusetts Institute Of Technology Method for analyzing polysaccharides
JP3689842B2 (ja) 1999-05-28 2005-08-31 株式会社J−オイルミルズ 糖組成物の単糖分析方法
CN1195909C (zh) 2000-02-16 2005-04-06 帝人株式会社 间位型全芳香族聚酰胺长丝及其生产工艺
WO2001066772A2 (en) * 2000-03-08 2001-09-13 Massachusetts Institute Of Technology Heparinase iii and uses thereof
EP1319183B1 (en) * 2000-09-12 2009-03-25 Massachusetts Institute Of Technology Methods and products related to low molecular weight heparin
AU2440802A (en) * 2000-10-18 2002-04-29 Massachusetts Inst Technology Methods and products related to pulmonary delivery of polysaccharides
ATE552348T1 (de) 2000-10-19 2012-04-15 Target Discovery Inc Massendefektetikettierung zur bestimmung von oligomersequenzen
WO2002077199A2 (en) * 2001-03-27 2002-10-03 Massachusetts Institute Of Technology Methods and products related to fgf dimerization
AU2002312146A1 (en) 2001-05-30 2002-12-09 Triad Therapeutics, Inc. Nuclear magnetic resonance-docking of compounds
US6766817B2 (en) * 2001-07-25 2004-07-27 Tubarc Technologies, Llc Fluid conduction utilizing a reversible unsaturated siphon with tubarc porosity action
US20030096281A1 (en) 2001-09-14 2003-05-22 Ganesh Venkataraman Methods of making glycomolecules with enhanced activities and uses thereof
US20040214228A9 (en) 2001-09-14 2004-10-28 Ganesh Venkataraman Methods of evaluating glycomolecules for enhanced activities
US7363168B2 (en) * 2001-10-02 2008-04-22 Stratagene California Adaptive baseline algorithm for quantitative PCR
US7575886B2 (en) 2002-03-11 2009-08-18 Momenta Pharmaceuticals, Inc. Analysis of sulfated polysaccharides
AU2003225182B2 (en) 2002-04-25 2009-02-26 Momenta Pharmaceuticals, Inc. Methods and products for mucosal delivery
ES2421134T3 (es) * 2002-05-03 2013-08-29 Massachusetts Institute Of Technology delta 4,5 Glicuronidasa y usos de la misma
EP1590648A4 (en) * 2002-05-20 2007-04-18 Massachusetts Inst Technology NEW TECHNIQUE FOR MRI SEQUENCE DETERMINATION
US6962699B2 (en) 2002-06-03 2005-11-08 Massachusetts Institute Of Technology Rationally designed polysaccharide lyases derived from chondroitinase B
AU2003299730B2 (en) 2002-12-20 2009-04-02 Momenta Pharmaceuticals, Inc. Glycan markers for diagnosing and monitoring disease
JP4606712B2 (ja) * 2003-01-08 2011-01-05 マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー 2−oスルファターゼ組成物および関連の方法
WO2005026720A1 (en) 2003-09-04 2005-03-24 Parivid Llc Methods and apparatus for characterizing polymeric mixtures
US7851223B2 (en) 2004-02-27 2010-12-14 Roar Holding Llc Method to detect emphysema
CA2558984A1 (en) * 2004-03-10 2005-09-22 Massachusetts Institute Of Technology Recombinant chondroitinase abc i and uses thereof
WO2005111627A2 (en) * 2004-04-15 2005-11-24 Massachusetts Institute Of Technology Methods and products related to the improved analysis of carbohydrates
WO2005110438A2 (en) * 2004-04-15 2005-11-24 Massachusetts Institute Of Technology Methods and products related to the intracellular delivery of polysaccharides
US20060127950A1 (en) * 2004-04-15 2006-06-15 Massachusetts Institute Of Technology Methods and products related to the improved analysis of carbohydrates
WO2006088491A2 (en) * 2004-06-29 2006-08-24 Massachusetts Institute Of Technology Methods and compositions related to the modulation of intercellular junctions
US20060154894A1 (en) * 2004-09-15 2006-07-13 Massachusetts Institute Of Technology Biologically active surfaces and methods of their use
JP2008526258A (ja) * 2005-01-12 2008-07-24 マサチューセッツ・インスティテュート・オブ・テクノロジー 細胞外幹細胞環境を調節することに関する方法および組成物
WO2006105315A2 (en) * 2005-03-29 2006-10-05 Massachusetts Institute Of Technology Compositions and methods for regulating inflammatory responses
WO2006105313A2 (en) * 2005-03-29 2006-10-05 Massachusetts Institute Of Technology Compositions of and methods of using oversulfated glycosaminoglycans
JP5068748B2 (ja) * 2005-06-22 2012-11-07 ジェン−プロウブ インコーポレイテッド ポリヌクレオチドを定量するための方法およびアルゴリズム
EP2008096A2 (en) * 2006-04-03 2008-12-31 Massachusetts Institute of Technology Glycomic patterns for the detection of disease

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5856928A (en) * 1992-03-13 1999-01-05 Yan; Johnson F. Gene and protein representation, characterization and interpretation process
US5687090A (en) * 1994-09-01 1997-11-11 Aspen Technology, Inc. Polymer component characterization method and process simulation apparatus
US5752019A (en) * 1995-12-22 1998-05-12 International Business Machines Corporation System and method for confirmationally-flexible molecular identification

Also Published As

Publication number Publication date
US20070066769A1 (en) 2007-03-22
CA2370539A1 (en) 2000-11-02
WO2000065521A3 (en) 2001-10-25
US7110889B2 (en) 2006-09-19
US7139666B2 (en) 2006-11-21
US20040204869A1 (en) 2004-10-14
JP4824170B2 (ja) 2011-11-30
US7412332B1 (en) 2008-08-12
US6597996B1 (en) 2003-07-22
EP1190364A2 (en) 2002-03-27
US20040197933A1 (en) 2004-10-07
CA2370539C (en) 2009-01-06
US7117100B2 (en) 2006-10-03
US20030191587A1 (en) 2003-10-09
US20090119027A1 (en) 2009-05-07
US20080301178A1 (en) 2008-12-04
CA2643162C (en) 2018-01-02
WO2000065521A2 (en) 2000-11-02
CA2643162A1 (en) 2000-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4824170B2 (ja) ポリマーを表記するためのシステムおよび方法
US8018231B2 (en) Method for sequence determination using NMR
Tang et al. Automated interpretation of MS/MS spectra of oligosaccharides
US7811827B2 (en) Methods and apparatus for characterizing heparin-like glycosaminoglycan mixtures
Huang et al. LC-MS n analysis of isomeric chondroitin sulfate oligosaccharides using a chemical derivatization strategy
Zamfir et al. Structural characterization of chondroitin/dermatan sulfate oligosaccharides from bovine aorta by capillary electrophoresis and electrospray ionization quadrupole time‐of‐flight tandem mass spectrometry
Hogan et al. Software for peak finding and elemental composition assignment for glycosaminoglycan tandem mass spectra
Duan et al. An automated, high-throughput method for interpreting the tandem mass spectra of glycosaminoglycans
Wang et al. Recent advances in mass spectrometry analysis of low molecular weight heparins
Tissot et al. Software tool for the structural determination of glycosaminoglycans by mass spectrometry
AU2002241604B2 (en) System and method for integrated analysis of data for characterizing carbohydrate polymers
AU2002241604A1 (en) System and method for integrated analysis of data for characterizing carbohydrate polymers
Ju et al. De novo glycan structural identification from mass spectra using tree merging strategy
Capila et al. Methods for structural analysis of heparin and heparan sulfate
Hogan Methods in automated glycosaminoglycan tandem mass spectra analysis
Roberts et al. tal Health, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA.* To whom correspondence should be addressed. E-mail: ramnat@ mit. edu
Raman et al. Informatics Concepts to Decode Structure-Function Relationships of Glycosaminoglycans
Mischnick Polysaccharide Sequencing
JP2006527371A (ja) 質量分析計のデータを用いたグリカン構造同定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100112

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100409

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100416

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100511

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100518

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100609

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110812

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110908

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4824170

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140916

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term