JP5068748B2 - ポリヌクレオチドを定量するための方法およびアルゴリズム - Google Patents
ポリヌクレオチドを定量するための方法およびアルゴリズム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5068748B2 JP5068748B2 JP2008518397A JP2008518397A JP5068748B2 JP 5068748 B2 JP5068748 B2 JP 5068748B2 JP 2008518397 A JP2008518397 A JP 2008518397A JP 2008518397 A JP2008518397 A JP 2008518397A JP 5068748 B2 JP5068748 B2 JP 5068748B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- curve
- vector
- vectors
- time
- nucleic acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/68—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
- C12Q1/6844—Nucleic acid amplification reactions
- C12Q1/6851—Quantitative amplification
-
- G—PHYSICS
- G06—COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
- G06V—IMAGE OR VIDEO RECOGNITION OR UNDERSTANDING
- G06V20/00—Scenes; Scene-specific elements
- G06V20/60—Type of objects
- G06V20/69—Microscopic objects, e.g. biological cells or cellular parts
-
- G—PHYSICS
- G16—INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
- G16B—BIOINFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR GENETIC OR PROTEIN-RELATED DATA PROCESSING IN COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY
- G16B25/00—ICT specially adapted for hybridisation; ICT specially adapted for gene or protein expression
-
- G—PHYSICS
- G16—INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
- G16B—BIOINFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR GENETIC OR PROTEIN-RELATED DATA PROCESSING IN COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY
- G16B99/00—Subject matter not provided for in other groups of this subclass
-
- G—PHYSICS
- G06—COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
- G06F—ELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
- G06F2218/00—Aspects of pattern recognition specially adapted for signal processing
- G06F2218/08—Feature extraction
Description
特段の記載が無い限り本開示の目的の為には以下の用語は以下に記載する意味を有するものとする。
序論及び概説
本明細書において、核酸増幅の時間依存性モニタリングにおいて生じるような実験デーにより、又は、数学的関数により表される曲線を分析するための機械実行可能なアルゴリズムを開示する。増大曲線の対数−直線相の分析に、又は増幅反応において合成されたアンプリコンの量が閾値水準を超過する時間を同定することに依存するのではなく、むしろ、本発明は増大曲線における上に凹の曲率の開始に相当する特徴を同定するために二次元ベクトル解析を使用する。好ましくは、この同定する特徴は増大曲線のベースライン相と増大相の間に所在する。
本発明と組み合わせる場合に有用な増幅方法の例は、転写媒介増幅(TMA)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、鎖置き換え増幅(SDA)、自己持続型配列複製(3SR)、DNAリガーゼ連鎖反応(LCR)及び自己複製ポリヌクレオチド分子及び複製酵素、例えばMDV−1 RNA及びQ−ベータ酵素を用いた増幅方法を包含する。これらの種々の増幅手法を実施するための方法は、それぞれ、米国特許5,399,491、欧州特許公開EP0525882、米国特許4,965,188、米国特許5,455,166、Guatelli et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874−1878(1990)、国際公開WO89/09835、米国特許5,472,840及びLizardi et al., Trends Biotechnol.9:53−58(1991)に記載されている。核酸増幅反応の実施方法を記載するこれらの文書の開示は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明によるプローブのための好ましい検出可能な標識は均質試験系において検出可能である(即ち、混合物において、結合型の標識されたプローブは未結合型の標識されたプローブと比較して検出可能な変化、例えば安定性又は示差的分解を示す)。
リアルタイム核酸増幅を用いた本発明者等の経験によれば、高値及び非常に低値の水準の分析対象ポリヌクレオチドを用いて反応を開始した場合、曲線の形状はかなり異なってくることが示されていた。より詳細には、高水準の分析対象ポリヌクレオチドを使用しながら実施した反応は一般的にジグモイド型の形状を有する曲線を与えた。逆に、極めて低値の水準の分析対象ポリヌクレオチドを使用して実施した反応は、アンプリコンの蓄積を示すシグナルはモニタリング期間全体に渡って連続的に増大する増大期に遷移するベースラインを有する2相性の曲線を与えた。本発明者等は更に、極めて低値の水準の分析対象ポリヌクレオチドを使用して実施した反応は、同じ低標的水準を用いて実施した平行反応がある範囲の傾きを有する増大曲線を示す「ファニング(fanning)」のパターンを呈することを観察している。時間の関数としてモニタリングされ、そして、「ファニング」のパターンを呈する増大曲線を与える核酸増幅反応の例は図13において示す。導関数に基づいた計算を用いて増大曲線を分析するための方法はファニングを呈する結果を伴う場合に頻繁に試みられる。
概して、本明細書に開示するベクトルに基づく方法及びアルゴリズムは何れの曲線の分析にも適用できる。しかしながら、方法は好ましくはベースライン相及び増大相を包含する「増大曲線」の分析に適用される。図1Aは早期のベースライン相及び後期の増大相より本質的になる2相性の増大曲線を示す。曲線の増大相は正の傾きを特徴としており、曲線のy成分が時間の関数として増大することを意味している。重要な点は、曲線の増大期の部分の傾きがベースライン相の傾きより大きいことである。図1Bはプラトー相(plateau phase)を更に包含する3相性の増大曲線を示す。プラトー相の領域内の曲線の傾きは増大相のものより低値である。用語的に簡略化するために、3相性増大曲線の増大相は、本明細書においては代替として「増大相」又は「対数−直線」相と称する。対数−直線相は従来よりアンプリコン産生が指数的である増大曲線の部分を包含している。特定の関連においては、図1Aに示した曲線は図1Bに示した曲線の破断型とみなすことができる。曲線の破断は特定の量又は最大測定値のパーセントより低値のy軸値を有する曲線の部分の分析のみを包含するか、或いは他の態様でそれを可能にすることにより媒介してよい。
本発明は増大曲線が上方向に曲線化又は「変曲」する点を側定するためにベクトル解析を使用する。「TArc」又は「OTArc」であってよいこの測定点は、検量線を作成するため、又は、被験試料中の分析対象ポリヌクレオチドの量又は濃度に関連する増幅反応のパラメーターを確立するために使用できる。これは被験試料に関して得られた増大曲線の測定された時間依存性特徴を標準検量線と比較することを包含する。ベクトル解析は最も好都合には、実質的に均一な時間間隔に渡って分布するデータ点を有する増大曲線を用いて実施される。ベクトル解析の根拠となる本質的概念は図2−3及び図5に示す通りである。
1つの実施形態において、ベクトルに基づく解析方法は方向的に類似であるベクトルを用いる。このことは、ベクトルがそのx成分を同じ方向に共有していることを意味する。即ち、例えば、方向的に類似するベクトルは漸増するx値に向けて方向付けられたx成分を有することになる。これは、一方のベクトルがx成分においてもう一方と逆に方向付けられている、方向的に逆のベクトルを特徴付ける状況とは区別される。
上記した、そして実施例1において後述するベクトルに基づくアルゴリズムはx次元において方向的に類似する2ベクトルの対としたセットを使用している。より詳細には、方向的に類似するベクトルは両方とも、漸増するx値の方向に共有始点から伸長している。この配置によりベクトルは、2ベクトルが増大曲線に沿って漸増するに従いそれらの間の角度が生じるためにはx次元において異なる大きさを有することが必要となっている。アルゴリズムは更に曲線の特徴として2ベクトルの間のより小さい角度が最大となったx軸上の点を同定することを包含している(図4参照)。既知量の分析対象ポリヌクレオチド標準物質を使用しながら実施した反応の分析から誘導する場合、この特徴の数値をインプット標的コピー数の対数に対してプロットすることにより標準曲線を作成できる。或いは、特徴を被験試料を使用しながら実施した反応の分析から誘導する場合、測定された特徴を標準プロットと比較することにより被験試料中に存在する分析対象ポリヌクレオチドの出発量又は濃度を測定することができる。
開示したベクトル解析アルゴリズムの頑健性を確認するために、分析に使用した増大曲線データの性質を向上させる方法を検討した。より詳細には、移動平均又は曲線フィッティングの手法の何れかを用いた増大曲線の平滑化の方法を本目的の為に使用した。
移動平均を用いて曲線全体に渡り等しく適用された増大曲線データにおける統計学的な変動即ち「ノイズ」の影響を最小限にした。移動平均平滑化関数はリスト中の特定の値の周囲の値のセットの平均を取り上げる。1つの実施形態において、蛍光の測定値を示す5つの逐次的データ点の移動平均を使用した。この操作法は、増大曲線に関する新しいデータセットとして後に使用される蛍光測定値を調節している。表3は7データ点のセットの移動平均の計算を示す。
ベクトル解析において使用される増大曲線データを平滑化する別の方法は「曲線フィッティング」と称される操作法を用いた増大曲線を定義する等式の誘導を採用している。この研究法においては、幾つかの候補の等式の1つが増大曲線に関する基本的な数学的モデルとして機能している。異なる等式の各々が異なる増大曲線パラメーターを特徴付けている変数を包含している。これらの変数の値を推定した後、当該分野で知られた日常的を超えないモデリングの操作法を用いながら、曲線を定義する等式を得るために推定値をモディファイする反復処理を市販の曲線フィッティングソフトウエアを用いて実行した。本明細書に記載する曲線フィッティングの全ては特に、式に関する最適値を同定して等式を解くためのEXCELアドインツールとしてMicrosoft Corporation(Redmond,WA)から入手できるSOLVERプログラムを使用している。しかしながら、他の市販の曲線フィッティングプログラムもベストフィットの曲線を良好に確立するために使用できる。本明細書において使用する曲線フィッティングの操作法は対象となる増大曲線又はその一部分を定義する等式をもたらしている。
曲線フィッティング操作法の1つの実施形態はWeusten et al.,Nucleic Acids Res.Vol.30,No.6e26,pp.1−7(2002)に記載のもののような多項式を用いて開始した。本発明と組み合わせて曲線フィッティングを使用する方法を明らかにするために使用された第1のモデルは、4点曲線フィッティングを採用しており、そして等式(3)により定義されている。
ベクトルに基づく解析方法の良好性が曲線フィッティング操作法を実施するための何れかの特定の数学的モデルの使用に依存していないことを証明するために、別の数学的モデルも使用した。この第2の例においては、市販のTABLECURVEソフトウエアパッケージ(SYSTAT Software Inc.;Richmond,CA)を使用することにより例示されるリアルタイム核酸増幅曲線を説明する等式を同定及び選択した。得られた等式は、数学的モデリング(本明細書においては「モデルB」と称する)の為に使用され、下記により示されるものである。
ベクトルに基づく解析方法の良好性が曲線フィッティング操作法を実施するための何れかの特定の数学的モデルの使用に依存していないことを更に明確化するために、更に別の数学的モデルも使用した。上記した通り、TABLECURVEソフトウエアパッケージをここでも使用することにより例示されるリアルタイム核酸増幅曲線を説明する等式を同定及び選択した。得られた等式は、数学的モデリング(本明細書においては「モデルC」と称する)の為に使用され、下記により示されるものである。
当業者の知る通り、実質的に全ての核酸検出システムが、何れかの核酸増幅の非存在下の検出可能なバックグラウンドシグナルのある水準を伴っている。このバックグラウンドは例えばアンプリコンの出現に関して分析される反応混合物の入った容器の天然の蛍光特性に起因すると考えられる。操作法におけるバックグラウンド蛍光が無視できない場合、好ましくは大局的最小値差し引きの工程は、大局的最小値を同定すること、そして次にこの値をアンプリコン検出に関するシグナルを示す全てのデータ点から差し引くことにより、実施される。これが行われれば、異なる時点において存在したアンプリコンの量に関して得られたシグナルを直接巣後に比較することができる。即ち、大局的最小値差し引きは普遍的で静的なY0の予測値は推定を容易にするのである。大局的最小値は測定値の集合のうちの最低測定値であると理解される。
本明細書に開示したベクトルに基づくアルゴリズムは好都合にはコンピュータ又は同様の処理デバイス(以降「コンピュータ」)を用いて実行される。異なる好ましい実施形態においては、アルゴリズムを実施するためのソフトウエア又は機械実行可能なインストラクションをロードするか、又は他の態様において独立したコンピュータのメモリ要素内に、又は、分析されている生成物の量を好ましくは時間の関数としてモニタリングする為に使用されるデバイスに連結されたコンピュータのメモリ要素内に保持することができる。高度に好ましい実施形態においては、ベクトルに基づくアルゴリズムを実行するためのソフトウエアは、時間の関数として反応混合物中に存在するアンプリコンの量をモニタリングすることができるデバイスに連結した、又は、その一体型の部品であるコンピュータのメモリ要素内に保持する。
1つの実施形態によれば、分析対象を定量するための方法が記載され、その場合、分析対象はポリヌクレオチドである。方法は分析対象を増幅剤(及び分析対象の少なくとも部分を増幅するために必要とされる全ての化合物)に接触させ、そして、分析対象の少なくとも部分を増幅することにより分析対象アンプリコンを形成する工程を含む。典型的には分析対象の限定された領域のみを増幅する。より詳細には、2つの増幅オリゴヌクレオチドによりフランキングされた分析対象ポリヌクレオチドの配列を反応において増幅する。次に増幅産物の量を反応時間の関数として求め、時間依存性アンプリコン形成のベクトル解析を実施することにより反応を説明する増大曲線のベースライン相から増大相への遷移を示す特徴を求める。増幅産物の量と反応時間の間の定量的関係は2次元グラフ上の増大曲線の形態で好都合に可視化されるが、ベクトル解析は典型的には数的データのみを用いながらコンピュータ又はデータプロセッサにより実施される。1つの好ましい実施形態においては、増幅産物は蛍光を用いて検出され、そして増幅産物はTMA、NASBA、PCR又はSDA反応において形成される。本発明に関する場合、時間の関数として増幅産物の量を求めることは、増幅産物の絶対量を測定することが必要であることを意味しない。むしろ相対的なシグナルを求めることで十分であり、その理由は、相対値を求めることでベクトル解析の実施が可能になり、これにより増大曲線の特徴が求まり、これを次に本発明に従って使用することにより増幅反応において存在する初期分析対象ポリヌクレオチドの絶対的な量又は濃度が求められるからである。
方向的に類似するベクトルを用いたベクトルに基づく解析方法の適用
TMA反応のシリーズを5x101〜5x105コピーのHIV−1サブタイプB分析対象RNA及びアンプリコンに特異的な分子トーチを用いて実施した。アンプリコン合成を示す蛍光シグナルを時間の関数としてモニタリングし、そして結果を図7に示すグラフ上にプロットした。この操作法において、アンプリコン反応混合物中に存在するアンプリコンの量を示す蛍光値を約19.4秒毎に読み取った。図に示す結果セットは、データ平滑化の異なる条件下において方向的に類似するベクトルを使用した開示アルゴリズムを用いて処理した。
ベクトルに基づくアルゴリズムを使用生データの分析に直接適用することにより、図7に示す結果が得られた。TArc値は、試験した分析対象ポリヌクレオチドの各水準において作成された曲線の各々に対して求め、そしてこれらの結果を図8に示すグラフ上にプロットした。図中にプロットした結果の総括を表4に示す。
5隣接データ点に渡る移動平均の計算により先ず平滑化されているデータの分析にベクトルに基づくアルゴリズムを適用した。TArc値は、試験した分析対象ポリヌクレオチドの各水準において作成された複数連の曲線の各々に対して求め、そしてこれらの結果を図9に示すグラフ上にプロットした。図中にプロットした結果の総括を表5に示す。
曲線フィッティングにより等式を確立するために使用されているデータの分析にベクトルに基づくアルゴリズムを適用した。本手法の第1の例においては、上記した等式(3)を用いながら各データセットにつき4点曲線フィッティングを実施した。異なる変数に対する初期推定値は本数学的モデルの考察に関連して上記に示した通りである。異なる変数の値を調節する反復処理を実施することにより、やはり上記した通り、各曲線に関する等式を求めた。その後、等式により示される増大曲線を5秒の時間単位にパースし、そして開示したアルゴリズムに従って、ベクトルのシリーズに対して始点としてこれらの時点を用いながらベクトル解析を実施した。TArc値は、試験した分析対象ポリヌクレオチドの各水準において作成された複数連の曲線の各々に対して求め、そしてこれらの結果を図10に示すグラフ上にプロットした。図中にプロットした結果の総括を表6に示す。
次に、ベクトルに基づくアルゴリズムを別の曲線フィッティング操作により等式を確立するために使用されているデータの分析に適用した。手法の第2の例においては、上記した等式(4)を用いながら各データセットにつき5点曲線フィッティングを実施した。本数学的モデルの考察に関連して上記した通り、異なる変数に対する初期推定値を使用し、そして異なる変数の値を調節する反復処理を実施することにより、各曲線に関する等式を求めた。その後、等式により示される増大曲線を5秒の時間単位にパースし、そして開示したアルゴリズムに従って、ベクトルのシリーズに対して始点としてこれらの時点を用いながらベクトル解析を実施した。TArc値は、試験した分析対象ポリヌクレオチドの各水準において作成された複数連の曲線の各々に対して求め、そしてこれらの結果を図11に示すグラフ上にプロットした。図中にプロットした結果の総括を表7に示す。
次に、ベクトルに基づくアルゴリズムを更に別の曲線フィッティング操作により等式を確立するために使用されているデータの分析に適用した。手法の第3の例においては、上記した等式(5)を用いながら各データセットにつき5点曲線フィッティングを実施した。本数学的モデルの考察に関連して上記した通り、異なる変数に対する初期推定値を使用し、そして異なる変数の値を調節する反復処理を実施することにより、各曲線に関する等式を求めた。その後、等式により示される増大曲線を5秒の時間単位にパースし、そして開示したアルゴリズムに従って、ベクトルのシリーズに対して始点としてこれらの時点を用いながらベクトル解析を実施した。TArc値は、試験した分析対象ポリヌクレオチドの各水準において作成された複数連の曲線の各々に対して求め、そしてこれらの結果を図12に示すグラフ上にプロットした。図中にプロットした結果の総括を表8に示す。
方向的に逆のベクトルを用いたベクトルに基づく解析の適用
核酸増幅反応の時間依存性モニタリングから得られた結果の単一のセットを方向的に類似するベクトル又は方向的に逆のベクトルを用いた独立したアルゴリズムを実行するためにプログラムを動かすコンピュータを用いて平行して処理した。HIV−1分析対象ポリヌクレオチドを増幅するTMA反応を0〜5x105コピー/反応の範囲の分析対象ポリヌクレオチド量を用いて実施した。反応中に存在するアンプリコンの量を示す蛍光値は約19.4秒毎に読み取った。増幅反応から得られた数的結果は上記したモデルA(等式(3))を用いながら4点曲線フィットにより平滑化の為に処理した。異なる変数に対する初期推定値は本数学的モデルの考察に関連して上記に示した通りである。異なる変数の値を調節する反復処理を実施することにより、やはり上記した通り、各曲線に関する最適化等式を求めた。その後、求めた等式により示される増大曲線を5秒の時間単位にパースし、ベクトルのシリーズに対して始点としてこれらの時点を用いながらベクトル解析を実施した。
Claims (10)
- 被験試料中の核酸の量を決定するための方法であって、
下記工程:
(i)インビトロ増幅反応において該核酸の所定の遺伝子座を増幅することにより核酸増幅産物を生成する工程;
(ii)増大曲線を集合的に定義する時間依存性の値の集合を生成するために、該インビトロ増幅反応の間の異なる時点において存在する核酸増幅産物の量に比例する値を決定する工程;
(iii)ベースライン相から該増大曲線の増大相への遷移を示す時間依存性の特徴を同定するために該増大曲線の少なくとも一部分に対してコンピュータによって自動化されたベクトル解析を実施する工程であって、
ここで、該ベクトル解析は下記工程:
(a)該時間依存性の値の集合を用いながら増大曲線の時間次元上の異なる点において、第1および第2のベクトルの対を複数個確立する工程であって、該複数個のうちで単一の対のベクトルの各ベクトルは、該増大曲線上の点に位置づけられた同じ原点を有し、かつ、該複数個のうちで単一の対のベクトルのうち第1のベクトルの終点および第2のベクトルの終点の各々は、該増大曲線の異なる点に位置づけられている、工程、
(b)各異なる対のベクトルについてそれらの間の角度の値を計算する工程、および、
(c)一方のベクトルが該増大曲線の時間次元において他方と逆の方向である方向的に逆のベクトルの間の最小角度に関連付けられた時間値、または、該増大曲線の時間次元において同じ方向である方向的に類似するベクトルの間の最大角度に関連付けられた時間値として、該増大曲線の該時間依存性の特徴を同定する工程、
を含む、工程;ならびに、
(iv)該増大曲線の該時間依存性の特徴から被験試料中の核酸の量を決定する工程であって、該決定する工程は、該増大曲線の該時間依存性の特徴を標準検量線と比較することを含み、該標準検量線は、工程(c)において同定された増大曲線の時間依存性の特徴を用いて生成され、該核酸の既知の初期量を用いて得られる、工程;
を含む、方法。 - ベクトルの前記単一の対における各ベクトルが前記増大曲線の時間次元において同じ大きさを有し、該ベクトルは、一方のベクトルが該増大曲線の時間次元において他方と逆の方向である方向的に逆のベクトルである、請求項1に記載の方法。
- 前記ベクトル解析を実施するための工程の前に処理工程を更に含み、
該処理工程は、決定する工程(ii)の時間依存性の値の集合を平滑化関数により処理することにより平滑化された数的データを与えることを含み、そしてここでベクトル解析の工程(a)において使用される時間依存性の値の該集合が該処理工程から得られた平滑化された数的データである、請求項1に記載の方法。 - 前記ベクトル解析を実施するための工程の前に処理工程を更に含み、
該処理工程は、決定する工程(ii)の時間依存性の値の集合を平滑化関数により処理することにより平滑化された数的データを与えることを含み、そしてここでベクトル解析の工程(a)において使用される時間依存性の値の該集合が該処理工程から得られた平滑化された数的データである、請求項2に記載の方法。 - 前記処理工程における平滑化関数が移動平均平滑化関数および曲線フィッティング平滑化関数よりなる群から選択される、請求項3または4に記載の方法。
- ベクトルの前記単一の対における各ベクトルが前記増大曲線の時間次元において異なる大きさを有し、該ベクトルは方向的に類似するベクトルであり、該増大曲線の時間次元において同じ方向を共有する、請求項3または5に記載の方法。
- ベクトルの前記単一の対における各ベクトルが前記増大曲線の時間次元において異なる大きさを有し、該ベクトルは方向的に逆のベクトルであり、一方のベクトルは、該増大曲線の時間次元において他方と逆の方向である、請求項3または5に記載の方法。
- 増幅工程における前記インビトロ増幅反応が等温インビトロ増幅反応である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記決定する工程(ii)における核酸増幅産物の量に比例する値が蛍光の値である、請求項7に記載の方法。
- 請求項1の方法の工程(ii)、(iii)、(iv)または請求項2〜7のいずれか一項に記載の方法を実行するように適合されたコンピュータプログラム製品。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US69345505P | 2005-06-22 | 2005-06-22 | |
US60/693,455 | 2005-06-22 | ||
PCT/US2006/024350 WO2007002316A2 (en) | 2005-06-22 | 2006-06-22 | Method and algorithm for quantifying polynucleotides |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008546412A JP2008546412A (ja) | 2008-12-25 |
JP5068748B2 true JP5068748B2 (ja) | 2012-11-07 |
Family
ID=37504864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008518397A Expired - Fee Related JP5068748B2 (ja) | 2005-06-22 | 2006-06-22 | ポリヌクレオチドを定量するための方法およびアルゴリズム |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US7739054B2 (ja) |
EP (1) | EP1897016B1 (ja) |
JP (1) | JP5068748B2 (ja) |
AU (1) | AU2006262145B2 (ja) |
CA (1) | CA2611237C (ja) |
WO (1) | WO2007002316A2 (ja) |
Families Citing this family (22)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1190364A2 (en) * | 1999-04-23 | 2002-03-27 | Massachusetts Institute Of Technology | System and method for polymer notation |
CA2842232C (en) | 2005-03-10 | 2015-01-27 | Gen-Probe Incorporated | Systems and methods to perform assays for detecting or quantifying analytes within samples |
US7739054B2 (en) * | 2005-06-22 | 2010-06-15 | Gen-Probe Incorporated | Method and algorithm for quantifying polynucleotides |
DE102007017906A1 (de) | 2007-04-17 | 2008-10-23 | Dade Behring Marburg Gmbh | Verfahren zur Bestimmung der Reaktions-Lag-Phase in einer analytabhängigen Reaktion |
CA2691451C (en) | 2007-06-21 | 2015-03-24 | Sara H. Fan | Instrument and receptacles for performing processes |
CA2697411C (en) | 2007-09-07 | 2015-04-14 | Third Wave Technologies, Inc. | Methods and applications for target quantification |
EP2543742A1 (en) * | 2007-11-07 | 2013-01-09 | Primeradx, Inc. | Quantification of nucleic acid molecules using multiplex PCR |
ES2424759T3 (es) * | 2007-11-14 | 2013-10-08 | Grifols Therapeutics Inc. | Procedimiento de ajuste de resultados de un instrumento de reacción en cadena de la polimerasa (PCR) |
MX2010005933A (es) * | 2007-11-30 | 2010-06-15 | Thomson Licensing | Tubo de luz multi-direccional con dispersor lateral medido. |
US8538733B2 (en) * | 2008-01-25 | 2013-09-17 | Life Technologies Corporation | Methods for the analysis of dissociation melt curve data |
CA2750900C (en) | 2009-01-30 | 2017-03-28 | Gen-Probe Incorporated | Systems and methods for detecting a signal and applying thermal energy to a signal transmission element |
FR2941876B1 (fr) * | 2009-02-06 | 2012-12-07 | Bio Rad Pasteur | Appareil de validation thermique, ensemble d'un dispositif de traitement d'echantillons biologiques et d'un tel appareil, et procede de fabrication d'un tel appareil. |
US8666148B2 (en) | 2010-06-03 | 2014-03-04 | Adobe Systems Incorporated | Image adjustment |
US8903169B1 (en) | 2011-09-02 | 2014-12-02 | Adobe Systems Incorporated | Automatic adaptation to image processing pipeline |
US9008415B2 (en) | 2011-09-02 | 2015-04-14 | Adobe Systems Incorporated | Automatic image adjustment parameter correction |
US9932628B2 (en) | 2012-07-27 | 2018-04-03 | Gen-Probe Incorporated | Dual reference calibration method and system for quantifying polynucleotides |
CA2899645C (en) | 2013-03-15 | 2022-08-30 | Gen-Probe Incorporated | Calibration method, apparatus and computer program product |
CA2983740C (en) | 2015-05-01 | 2021-04-20 | Gen-Probe Incorporated | Multiplex invasive cleavage assays |
WO2019182612A1 (en) * | 2018-03-23 | 2019-09-26 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Nucleic acid tests with temporal fluorescent signals |
EP3914732A1 (en) | 2019-01-25 | 2021-12-01 | Gen-Probe Incorporated | Detection of drug-resistant mycoplasma genitalium |
AU2021308095A1 (en) | 2020-07-17 | 2023-03-09 | Gen-Probe Incorporated | Detection of macrolide-resistant mycoplasma genitalium |
AU2022357542A1 (en) | 2021-09-30 | 2024-03-14 | Gen-Probe Incorporated | Temperature-selectable fret cassette signaling |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6066458A (en) | 1998-05-18 | 2000-05-23 | Becton, Dickinson And Company | Methods, apparatus and computer program products for determining quantities of nucleic acid sequences in samples using standard curves and amplification ratio estimates |
US6303305B1 (en) * | 1999-03-30 | 2001-10-16 | Roche Diagnostics, Gmbh | Method for quantification of an analyte |
US6387621B1 (en) | 1999-04-27 | 2002-05-14 | University Of Utah Research Foundation | Automated analysis of real-time nucleic acid amplification |
US6783934B1 (en) * | 2000-05-01 | 2004-08-31 | Cepheid, Inc. | Methods for quantitative analysis of nucleic acid amplification reaction |
US7363168B2 (en) | 2001-10-02 | 2008-04-22 | Stratagene California | Adaptive baseline algorithm for quantitative PCR |
US7228237B2 (en) * | 2002-02-07 | 2007-06-05 | Applera Corporation | Automatic threshold setting and baseline determination for real-time PCR |
KR20050042788A (ko) | 2002-08-16 | 2005-05-10 | 쉐링 악티엔게젤샤프트 | 유전자 요법에 유용한 eNOS 돌연변이체 |
US7788039B2 (en) | 2003-09-25 | 2010-08-31 | Roche Molecular Systems, Inc. | Quantitation of nucleic acids using growth curves |
US7739054B2 (en) * | 2005-06-22 | 2010-06-15 | Gen-Probe Incorporated | Method and algorithm for quantifying polynucleotides |
-
2006
- 2006-06-22 US US11/474,698 patent/US7739054B2/en active Active
- 2006-06-22 WO PCT/US2006/024350 patent/WO2007002316A2/en active Application Filing
- 2006-06-22 CA CA2611237A patent/CA2611237C/en active Active
- 2006-06-22 EP EP06773792A patent/EP1897016B1/en active Active
- 2006-06-22 JP JP2008518397A patent/JP5068748B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2006-06-22 AU AU2006262145A patent/AU2006262145B2/en active Active
-
2010
- 2010-05-27 US US12/789,101 patent/US8145435B2/en active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2007002316A3 (en) | 2007-03-08 |
US20100311152A1 (en) | 2010-12-09 |
AU2006262145A1 (en) | 2007-01-04 |
WO2007002316A2 (en) | 2007-01-04 |
CA2611237A1 (en) | 2007-01-04 |
US8145435B2 (en) | 2012-03-27 |
US20060292619A1 (en) | 2006-12-28 |
EP1897016A2 (en) | 2008-03-12 |
EP1897016B1 (en) | 2012-08-01 |
AU2006262145B2 (en) | 2011-09-01 |
CA2611237C (en) | 2014-08-12 |
JP2008546412A (ja) | 2008-12-25 |
US7739054B2 (en) | 2010-06-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5068748B2 (ja) | ポリヌクレオチドを定量するための方法およびアルゴリズム | |
US8224584B2 (en) | Parametric system for quantifying analyte polynucleotides | |
EP2904110B1 (en) | Universal method to determine real-time pcr cycle threshold values | |
US11781174B2 (en) | Calibration method, apparatus and computer program product | |
US20220154264A1 (en) | Single-Point Calibration of a Nucleic Acid Analyzer | |
CA2897474A1 (en) | Chromophore-based characterization and detection methods | |
JP5658253B2 (ja) | 放物線状曲線に対するpcrのエルボー値の決定 | |
EP3465504A1 (en) | Method for detecting a target analyte in a sample using a signal change-amount data set | |
WO2023023533A1 (en) | Digital amplification assay analysis method | |
JP2023503946A (ja) | 乾燥試料からのポリヌクレオチド分析物の定量化 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090605 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100526 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111212 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20120306 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20120313 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120608 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120808 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120815 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150824 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5068748 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |