JP5658253B2 - 放物線状曲線に対するpcrのエルボー値の決定 - Google Patents

放物線状曲線に対するpcrのエルボー値の決定 Download PDF

Info

Publication number
JP5658253B2
JP5658253B2 JP2012525926A JP2012525926A JP5658253B2 JP 5658253 B2 JP5658253 B2 JP 5658253B2 JP 2012525926 A JP2012525926 A JP 2012525926A JP 2012525926 A JP2012525926 A JP 2012525926A JP 5658253 B2 JP5658253 B2 JP 5658253B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
segment
data set
value
pcr
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012525926A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013503373A (ja
Inventor
ティー.カーニック ロナルド
ティー.カーニック ロナルド
ティッツ マルティン
ティッツ マルティン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
F Hoffmann La Roche AG
Original Assignee
F Hoffmann La Roche AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by F Hoffmann La Roche AG filed Critical F Hoffmann La Roche AG
Publication of JP2013503373A publication Critical patent/JP2013503373A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5658253B2 publication Critical patent/JP5658253B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F17/00Digital computing or data processing equipment or methods, specially adapted for specific functions
    • G06F17/10Complex mathematical operations
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions
    • C12Q1/6851Quantitative amplification
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16BBIOINFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR GENETIC OR PROTEIN-RELATED DATA PROCESSING IN COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY
    • G16B40/00ICT specially adapted for biostatistics; ICT specially adapted for bioinformatics-related machine learning or data mining, e.g. knowledge discovery or pattern finding
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16BBIOINFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR GENETIC OR PROTEIN-RELATED DATA PROCESSING IN COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY
    • G16B40/00ICT specially adapted for biostatistics; ICT specially adapted for bioinformatics-related machine learning or data mining, e.g. knowledge discovery or pattern finding
    • G16B40/10Signal processing, e.g. from mass spectrometry [MS] or from PCR

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Data Mining & Analysis (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Software Systems (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Databases & Information Systems (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Artificial Intelligence (AREA)
  • Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
  • Evolutionary Computation (AREA)
  • Evolutionary Biology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioethics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Mathematical Analysis (AREA)
  • Computational Mathematics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Algebra (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)

Description

本発明は概して言えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)データを処理するシステム及び方法に関し、そしてより具体的には、PCR増幅曲線における特徴的なサイクル閾値(Ct)又はエルボー値(elbow value)、又は放物線形状を有する他の成長曲線におけるエルボー値を決定するシステム及び方法に関する。
ポリメラーゼ連鎖反応は、特定の核酸配列を酵素的に合成又は増幅するイン・ビトロ法である。この反応は典型的には、逆ストランドとハイブリッド形成し、そして増幅されるべき鋳型又は標的DNA配列を隣接させて配置させる2つのオリゴヌクレオチド・プライマーを使用する。プライマーの伸長は、熱安定性DNAポリメラーゼによって触媒される。鋳型変性、プライマーアニーリング、及びポリメラーゼによるアニール済プライマーの拡張を伴う反復する一連のサイクルの結果、特異的なDNAフラグメントが指数関数的に蓄積される。増幅プロセスの検出及び定量化を容易にするように、蛍光プローブ又はマーカーがプロセス中に使用されるのが一般的である。
具体的には、増幅開始後、又は分析のための物理的な反応サンプリング後に試薬を添加することを必要としない、均質な蛍光技術が魅力的である。模範的な均質な技術は、当該領域を配置するためのオリゴヌクレオチド・プライマーと、シグナル発生のための蛍光標識又は色素とを使用する。PCRをベースとする典型的な方法は、2つの相互作用する発色団を有するFRETオリゴヌクレオチド・プローブ(隣接ハイブリダイゼーション・プローブ、TaqManプローブ、Molecular Beacon、Scorpion)、ただ1つのフルオロフォアを有する単一オリゴヌクレオチド・プローブ(G−quenching probes,Crockett,A.O.及びC.T.Wittwer,Anal.Biochem.2001;290:89−97及びSimpleProbes,IdahoTechnology)、及び、共有結合性の蛍光標識付きオリゴヌクレオチド・プローブの代わりにdsDNA色素(例えばSYBR Green I)を使用する技術を用いる。PCRにおいて全ての二本鎖(ds)DNAに結合するDNA結合色素は、結合すると色素の蛍光発光を引き起こす。従って、PCR中のDNA生成物の増大はこうして蛍光強度を増大させ、サイクル毎に測定され、これにより、DNA濃度が定量化され得る。しかし、すべてのdsDNA PCR生成物との非特定的な結合が生じ、正確な定量化に影響を及ぼすことが潜在的な欠点である。標準希釈を基準として、PCRにおけるdsDNA濃度を決定することができる。
蛍光レポータープローブは、特異的プローブが結合するDNA配列だけを検出し、ひいては特異性を著しく増大させる。このことは、非特異的なDNA増幅が存在していても増幅の定量化を可能にする。同じ反応においていくつかの標的を検出するために、蛍光プローブは多重アッセイにおいて使用することができる。これらの多重アッセイでは、異なる色を有する標識を備えた特異的プローブを標的毎に使用する。蛍光レポータープローブの特異性はまた、増幅中の望ましくない副生成物であるプライマー二量体によって引き起こされる測定の妨害を防ぐ。大抵の用途は、プローブに結合された蛍光レポーター化合物と蛍光のクエンチャーとの相互作用に基づく。レポーターとクエンチャーとが近接している限り、励起源(例えばレーザー、及びLEDなど)による励起時には、ベース蛍光だけを検出することができる。一旦増幅が生じると、レポーターとクエンチャー化合物との相互作用は分断され、検出可能な蛍光シグナルがもたらされる。PCRサイクル毎に増幅されて生成物が増大すると、レポーターとクエンチャー化合物との相互作用が減衰されることにより、蛍光が比例的に増大することになる。一般に、蛍光は増幅サイクル毎に検出・測定され、生成物の指数関数的増大に対応する蛍光の幾何学的増大が、各反応において閾値サイクル(CT)を決定するために用いられる。
典型的なリアルタイムPCR曲線が図1に示されている(実線)。ここでは、典型的なPCRプロセスのためのサイクル数に対して、蛍光強度値がプロットされている。この場合、PCR生成物の形成は、PCRプロセスの各サイクルにおいてモニタリングされる。増幅は普通、サーモサイクラー内で測定される。サーモサイクラーは、増幅反応中に蛍光シグナルを測定するための構成部分及びデバイスを含む。このようなサーモサイクラーの一例はRoche Diagnostics LightCycler(Cat.No.20110468)である。増幅生成物は例えば、標的核酸に結合したときにだけ蛍光シグナルを発する蛍光標識付きハイブリダイゼーション・プローブによって、又は或る事例では二本鎖DNAに結合する蛍光色素によっても検出される。
典型的なPCR曲線の場合、一般にエルボー値又はサイクル閾値(Ct)値と呼ばれるベース領域の終端における遷移点を識別することは、PCR増幅プロセスの特徴を理解するのに極めて有用である。Ct値は、PCRプロセスの効率の尺度として使用することができる。例えば、典型的には、特定のシグナル閾値が、分析されるべき全ての反応に対して決定され、そして、この閾値に達するために必要とされるサイクルの数(Ct)が、標的核酸に対して、並びに基準核酸、例えば標準又はハウスキーピング遺伝子に対して決定される。標的核酸及び基準核酸に対して得られたCt値に基づいて、標的分子の絶対又は相対コピー数を決定することができる(Gibson他、Genome Research 6:995−1001;Bieche他、Cancer Research 59:2759−2765,1999;国際公開第97/46707号;同第97/46712号;同第97/46714号)。図1のベース領域15の終端における領域20内のエルボー値は、サイクル数36の領域内にあることになる。
既知量のRNA又はDNAの連続希釈のリアルタイムPCRによって生成された標準曲線と、結果とを比較することにより、RNA又はDNAの量を決定することができる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)における標的分子の絶対又は相対コピー数は、標準曲線を有するサイクル閾値(Ct)とを、基準核酸のサイクル閾値(Ct)と、又は絶対定量化された標準核酸と比較することにより決定することができる。加えて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅の効率は、分析されるべき反応のそれぞれに対するサイクル閾値(Ct)を、基準核酸のサイクル閾値(Ct)と比較することによって決定することができる。
PCR曲線のエルボー(又はサイクル閾値Ct)の決定は、リアルタイムPCR(RT−PCR)の定量分析のために必要とされる。この用途のために、2005年12月20日付けで出願された米国特許出願第11/316,315号明細書;2006年2月6日付けで出願された米国特許出願第11/349,550号明細書;2006年7月19日付けで出願された米国特許出願第11/458,644号明細書;2006年9月19日付けで出願された米国特許出願第11/533,291号明細書;2007年9月25日付けで出願された米国特許出願第11/861,188号明細書;2008年9月12日付けで出願された米国特許出願第12/209,912号明細書(ELCAアルゴリズム)に記載されているように、例えば正規化データ曲線と閾値との交点に基づく、又は正規化データ曲線上で最大曲率又は二次導関数を分析的に(例えば曲率アルゴリズムを使用)又は数値的に決定することによる、多くのアルゴリズムが開発されている。これらの方法は、基礎となる曲線がシグモイド形に近似するならば、極めてよく機能する。生データ曲線が放物線形状を有する稀な事例の場合、これらの方法によって決定されたエルボー値は、データ曲線の調査によって予期されるよりも大きいエルボー値となるのが典型的である。
図1に示された西ナイルウイルス(WNV)アッセイから得られたリアルタイムPCR(RT−PCR)を考察する。黒い実線曲線は典型的なシグモイド形状を有する。この形状は以前に開発されたアルゴリズムを用いて分析しやすい。しかしながら、破線曲線は、放物曲線に似ており、平坦域を欠いている。図1に示された2つのエルボー値は、一例としてELCAアルゴリズムによって分析される場合、下記表1に示された値を有する。ELCAアルゴリズムは、曲率又は二次導関数における最大値の点としてエルボー値を数値的に決定する。
Figure 0005658253
実線曲線のエルボー値は、通常シグモイド曲線に割り当てられる値と一致するのに対して、破線で示された放物曲線のエルボー値のところに引かれた垂直線は破線曲線と、通常この曲線に割り当てられるよりも著しく高い値で交差する。
従って、これらのタイプの曲線を扱うためのシステム及び方法を開発し、そしてまた、このような放物曲線が存在する場合にはそれを識別することが望ましい。
発明の概要
本発明は、PCR曲線を処理するための、そして放物線状PCR曲線の存在を識別するためのシステム及び方法を提供する。一実施態様によれば、PCR曲線の区分線形近似を使用することにより、放物線状PCR曲線の場合に、より現実的なエルボー値が決定されるのを可能にする。
本発明の一態様によれば、放物線形状を有するリアルタイムPCRデータ曲線のCt値を決定するコンピュータ実行方法が提供される。この方法は、コンピュータシステムのプロセッサ又は他の装置又は機械(例えばサーモサイクラー)内で実行されるステップを含み、そしてこれらのステップは、PCR成長曲線を表す、複数の座標値(x,y)を有するデータセットを受信し;x*で終わる第1線形セグメントと、x*で始まる第2線形セグメントとを有する2セグメント区分線形関数を使用して、データセットを近似するステップを含む。この方法はまた典型的には、a)データセットの終わりまでの、x*で始まるデータポイントに対する二次フィットのR2値が、0.90以上であるあらかじめ決められた閾値を上回るかどうか;そして、b)データセットのほぼ全てにわたる2セグメント区分フィットのR2値が0.85以上の閾値を上回るかどうか;そして、c)第2セグメントの傾き及び第1セグメントの傾きの両方がゼロよりも大きい場合、第2セグメントの傾きが第1セグメントの傾きよりも大きいかどうかを決定し;そして、もしそうであれば、第2線形セグメントと、ベースライン減算された水平ラインの平均値との交差を決定することによって、データセットのCt値を推定するステップを含む。この方法はまた典型的には、Ct値を表示又はさらなる処理のために出力するステップを含む。一の実施態様において、2セグメント区分線形関数は、
Figure 0005658253
の形を有する。
ある実施態様において、データセットの近似は、x*における目的関数を最小化することを含み、目的関数は
Figure 0005658253
の形を有する。
具体的には、x*は、目的関数を、x=n0からn−1までの全てのデータポイントに適用することにより決定され、nはデータセットの長さであり、n0はあらかじめ決められた出発座標であり、そしてx*は、最小の赤池情報量係数(AIC)を有するxの値として決定される。ある実施態様では、AICは等式:
Figure 0005658253
によって定義され、上記式中、mはモデルの自由度の数であり、yはデータ・ベクトルであり、そして
Figure 0005658253
は予測モデル・ベクトルである。別の実施態様では、Ct値の推定は、
Figure 0005658253
の形の等式を適用することを含み、上記式中、cは二次線形セグメントの傾きであり、そしてbは第1線形セグメントのy切片である。データセットの終わりまでの、x*で始まるデータポイントに対する二次フィットのR2値が、あらかじめ決められた閾値を上回るかどうかを決定するための或る実施態様において、あらかじめ決められた閾値は0.99である。データセットのほぼ全てにわたる2セグメント区分フィットのR2値が閾値を上回るかどうかを決定するためのさらに別の実施態様において、閾値は0.95である。
本発明の別の態様によれば、放物線形状を有するリアルタイムPCRデータ曲線のCt値を決定するためにプロセッサを制御するコードを記憶する有形のコンピュータ可読媒体が提供される。コードは典型的には、プロセッサによって実行されたときに、プロセッサが、PCR成長曲線を表す、複数の座標値(x,y)を有するデータセットを受信し;x*で終わる第1線形セグメントと、x*で始まる第2線形セグメントとを有する2セグメント区分線形関数を使用して、データセットを近似するようにする指示を含んでいる。コードはまた典型的には、PCR曲線が放物線形状を有するかどうかを決定する指示を含んでいる。或る特定の態様において、この決定は、a)データセットの終わりまでの、x*で始まるデータポイントに対する二次フィットのR2値が、0.90以上の閾値を上回るかどうか;そして、b)データセットのほぼ全てにわたる2セグメント区分フィットのR2値が0.85以上の閾値を上回るかどうか;そして、c)第2セグメントの傾き及び第1セグメントの傾きの両方がゼロよりも大きい場合、第2セグメントの傾きが第1セグメントの傾きよりも大きいかどうかを決定することによって行われる。コードはまた典型的には、もしa),b)及びc)が真であれば、第2線形セグメントと、ベースライン減算された水平ラインの平均値との交点を決定することによって、データセットのCt値を推定し;そしてCt値を表示又はさらなる処理のために出力する指示を含んでいる。一の実施態様において、2セグメント区分線形関数は
Figure 0005658253
の形を有する。
或る実施態様において、データセットを近似する指示は、x*における目的関数を最小化する指示を含み、目的関数は
Figure 0005658253
の形を有する。
具体的には、x*は、目的関数を、x=n0からn−1までの全てのデータポイントに適用することにより決定され、nはデータセットの長さであり、n0はあらかじめ決められた出発座標であり、そしてx*は、最小の赤池情報量係数(AIC)を有するxの値として決定される。或る実施態様において、AICは等式:
Figure 0005658253
によって定義され、上記式中、mはモデルの自由度の数であり、yはデータ・ベクトルであり、そして
Figure 0005658253
は予測モデル・ベクトルである。別の実施態様において、Ct値を推定する指示は、
Figure 0005658253
の形の等式を適用する指示を含み、上記式中、cは二次線形セグメントの傾きであり、そしてbは第1線形セグメントのy切片である。
本発明のさらに別の態様によれば、リアルタイム・ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)システムであって、PCR分析モジュールと、インテリジェンス・モジュールとを含み、PCR分析モジュールは、PCR増幅曲線を表すPCRデータセットを生成し、前記データセットは、それぞれが一対の座標値(x,y)を有する複数のデータポイントを含み、前記データセットは、サイクル閾値(Ct)値を含む当該領域内にデータポイントを含み;インテリジェンス・モジュールは、Ct値を決定するためにPCTデータセットを処理するように適合されている、リアルタイム・ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)システムが提供される。Ct値は典型的には、x*で終わる第1線形セグメントと、x*で始まる第2線形セグメントとを有する2セグメント区分線形関数を使用して、データセットを近似し;そしてPCR曲線が放物線形状を有するかどうかを決定することによって決定される。曲線が放物線形状を有するかどうかを決定することは典型的には、a)データセットの終わりまでの、x*で始まるデータポイントに対する二次フィットのR2値が、0.90以上の閾値を上回るかどうかを決定し;そして、b)データセットのほぼ全てにわたる2セグメント区分フィットのR2値が0.85以上の閾値を上回るかどうかを決定し;そして、c)第2セグメントの傾き及び第1セグメントの傾きの両方がゼロよりも大きい場合、第2セグメントの傾きが第1セグメントの傾きよりも大きいかどうかを決定し;そして、もしa)、b)、及びc)が真であるならば、第2線形セグメントと、ベースライン減算された水平ラインの平均値との交差を決定することによって、データセットのCt値を推定し;そしてCt値を表示又はさらなる処理のために出力することによって、行われる。PCRシステムの一の実施態様において、2セグメント区分線形関数は
Figure 0005658253
の形を有する。
或る実施態様において、データセットの近似は、x*における目的関数を最小化することを含み、目的関数は
Figure 0005658253
の形を有する。
具体的には、x*は、目的関数を、x=n0からn−1までの全てのデータポイントに適用することにより決定され、nはデータセットの長さであり、n0はあらかじめ決められた出発座標であり、そしてx*は、最小の赤池情報量係数(AIC)を有するxの値として決定される。或る実施態様において、AICは等式:
Figure 0005658253
によって定義され、上記式中、mはモデルの自由度の数であり、yはデータ・ベクトルであり、そして
Figure 0005658253
は予測モデル・ベクトルである。別の実施態様において、Ct値の推定は、
Figure 0005658253
の形の等式を適用することを含み、上記式中、cは二次線形セグメントの傾きであり、そしてbは第1線形セグメントのy切片である。
図面及び特許請求の範囲を含めて、本明細書の残りの部分を参照すると、本発明の他の特徴及び利点を理解することができる。本発明のさらなる特徴及び利点、並びに本発明の種々の実施態様の構造及び作業について、添付の図面を参照しながら下記に詳しく説明する。図面において同じ符号は、同一又は機能的に同様の要素を示す。
図1は、シグモイド形状を有するPCRプロセスと関連する典型的な成長又は増幅曲線(実線)、及び放物線形状を有するPCRプロセス曲線(破線)を示す図である。 図2は、放物線状PCR曲線、及び区分線形近似を示す図である。 図3は、図1の破線(放物線形状PCR曲線)に相当するサイクル25からサイクル49までの、サイクル数に対するAICのプロットを示す図である。 図4は、一の実施態様に従ってPCR曲線における遷移値を決定するプロセスを示す図である。 図5は、本発明の方法及びシステムを実施するために使用することができるソフトウェア・リソースとハードウェア・リソースとの関係を示す一般的なブロック・ダイアグラムの例である。 図6は、サーモサイクラー装置とコンピュータシステムとの関係を示す一般的なブロック線図の例である。
発明の詳細な説明
本発明は、放物線形状のPCR曲線を識別し、そしてCt値を決定するためにこのような曲線を処理するシステム及び方法を提供する。
PCR法との関連における成長曲線又は増幅曲線10の一例が図1に示されている。図示のように、曲線10は遅延相領域15と、指数相領域25とを含む。遅延相領域15は一般にベースライン又はベースライン領域と呼ばれる。このような曲線10は、遅延相領域と指数相領域とを繋ぐ当該遷移領域20を含む。領域20は、一般にエルボー又はエルボー領域と呼ばれる。エルボー領域は典型的には、ベースラインの終わり、及び基礎となるプロセスの成長速度又は増幅速度の遷移を画定する。領域20内の特異的遷移点を識別することは、基礎プロセスの挙動を分析する上で役立つことがある。典型的なPCR曲線において、エルボー値又はサイクル閾値(Ct)値と呼ばれる遷移点を識別することは、PCR法の定性的及び定量的な特徴を理解する上で有用である。例えば、Ct値は、被分析試料中に存在するDNAの量を量子化するために使用することができる。量子化は、Log(DNA量)対Ct値の較正曲線法を実施することにより得られる。後続の試料についてはその後、較正曲線と一緒にCt値を使用することにより、当該試料中のDNAの推定値を直接得ることができる。DNA試料に関する定性的な情報を提供するために、Ct値を使用することもできる。
平坦域なしの放物線形状を有する同様の曲線を提供し得る他の過程は、細菌過程、酵素過程、及び結合過程を含む。例えば細菌成長曲線において、当該遷移点は、遅延相内の時点λと呼ばれている。本発明に従って分析することができるデータ曲線を生成する他の具体的な方法は、鎖置換増幅(SDA)法、核酸配列に基づく増幅(NASBA)法、及び転写媒介増幅(TMA)法を含む。SDA法及びNASBA法及びデータ曲線の例は、Wang, Sha-Sha他、“Homogeneous Real-Time Detection of Single-Nucleotide Polymorphisms by Strand Displacement Amplification on the BD ProbeTec ET System”, Clin Chem 2003 49 (10):1599、及びWeusten, Jos J.A.M.他、“Principles of Quantitation of Viral Loads Using Nucleic Acid Sequence-Based Amplification in Combination With Homogeneous Detection Using Molecular Beacons”, Nucleic Acids Research, 2002 30(6):26 にそれぞれ見いだすことができる。このように、本明細書の残りの部分では、本発明の実施態様及び態様を、PCR曲線に対する適用可能性に関して論じるが、本発明を、他の方法に関連するデータ曲線に適用できることは言うまでもない。
図1に示すように、典型的なPCR成長曲線のデータは、x軸を定義するPCRサイクル数と、y軸を定義する累積ポリヌクレオチド成長のインジケータとを有する二次元座標系で表すことができる。典型的には、蛍光マーカーの使用が最も幅広く用いられる標識付けスキームであるため、累積成長のインジケータは蛍光強度値である。しかしながら、用いられる具体的な標識付けスキーム及び/又は検出スキームに応じて他のインジケータを使用できることは言うまでもない。累積シグナル成長の他の有用なインジケータの例は、ルミネッセンス強度、化学発光強度、生物発光強度、リン光強度、電荷移動、電圧、電流、電力、エネルギー、温度、粘度、光散乱、放射能強度、反射率、透過率及び吸光度を含む。サイクルの定義は、時間、プロセス・サイクル、単位作業サイクル及び再生サイクルを含むこともできる。
一般的プロセスの概観
図1に示されたリアルタイムPCR成長を考察する。各曲線のCt値又はエルボー値と呼ばれる数値を図1から得ることが望まれる。図示のように、PCR曲線の実データが放物線形状の曲線をもたらすことがしばしばある。このような放物線形状の曲線に対しては、標準的なCt決定プロセスはうまく働かない。表1を参照しながら上述したように、実線で示された曲線のエルボー値は、通常シグモイド曲線に割り当てられる値と一致するのに対して、破線で示された放物曲線のエルボー値は、この曲線に典型的に割り当てられる値よりも著しく高い。
一の実施態様によれば、PCR曲線内の遷移値、例えば動的PCR増幅曲線のエルボー値又はCt値を決定するプロセス100を、図4を参照しながら手短に説明することができる。ステップ110において、曲線を表す試験データセットを受信又はその他の形式で獲得する。プロットされたPCRデータセットの一例を図1に示す。図1では、y軸及びx軸は、PCR曲線に対してそれぞれ蛍光強度及びサイクル数を表す。特定の態様において、データセットは、軸に沿って連続的な、そして等間隔を置いたデータを含むことになっている。
プロセス100が、PCRデータ獲得装置、例えばサーモサイクラー内に位置するインテリジェンス・モジュール(例えば命令を実行するプロセッサ)内で実施される場合、データセットは、データが収集されるのにともなってリアルタイムでインテリジェンス・モジュールに提供してよく、或いは、データセットをメモリーユニット又はバッファ内に保存し、そして試験が完了した後でインテリジェンス・モジュールに提供してもよい。同様に、データセットは、獲得装置とのネットワーク接続(例えばLAN、VPN、イントラネット、インターネットなど)又は直接接続(例えばUSB又はその他の直接的な有線又は無線接続)を介して、別個のシステム、例えばデスクトップ・コンピュータシステム又はその他のコンピュータシステムに提供してもよく、或いは、可搬性媒体、例えばCD、DVD、フロッピー(登録商標)ディスク、又はメモリースティックなどに提供してもよい。或る態様において、データセットは、座標値対(又は二次元ベクトル)を有するデータ点を含む。PCRデータの場合、座標値対は典型的には、サイクル数及び蛍光強度値を表す。データセットがステップ110において受信又は獲得されたあと、データセットを分析することにより、ベースライン領域の端部を決定することができる。
ステップ120において、既知のプロセスに従ってデータセットを処理することにより、データセット/曲線のCt値を決定する。例えばELCA法を用いてよい。ステップ130において、データセット/曲線が放物線形状の特徴を有するかどうかを決定する。一の実施態様において、下記条件の全てが満たされていれば、データセット/曲線は、放物線特徴を有すると判断され、そして下記のように、等式4によって予測される値に、Ct値を変化させる:
1.所与のデータポイントの終わりまでの、x*から始まるデータポイントに対する二次フィットを計算する。もしもこのフィットのR2値が、あらかじめ決められた閾値(デフォルト=0.90以上)を上回るならば、CT値を受け入れる。一の実施態様において、閾値を0.99に設定する。
2.(全てのサイクルにわたる)生データに対する区分線形フィットのR2値>閾値(デフォルト=0.85以上)。一の実施態様において、閾値を0.95に設定する。
3.a>0であり且つc>0であるならば、比c/aは、所与の閾値(デフォルト=1.1)よりも大きい。
データセット/曲線が放物線の特徴を呈していると判断された場合、プロセスはステップ140に進む。
ステップ140において、放物曲線のCt値を決定する。破線で示した曲線(放物曲線)に対してより適切なエルボー値を定義するために、一の実施態様において、RT−PCR曲線に対して区分線形近似を用いる。一の実施態様に基づく放物曲線の区分線形関数近似は次の通り提供される:
Figure 0005658253
この等式において、区分線形関数は、共通の点x*で接合されている2つの線形関数を含む。等式1の適用を図2に示す。図2には、放物曲線及び区分線形近似の両方が示されている。
一実施態様の場合、所与のx*値における等式2に示された目的関数を最小化することにより、区分線形曲線を決定する。
Figure 0005658253
等式2においてどのx*値を用いるかを決定するために、一の実施態様において、目的関数を、x*=n0...n−1からの全てのデータポイントに適用する。理論上は、n0はサイクル1又はサイクル2又はサイクル3などとして定義することができるが、しかし、処理資源消費を低減するのを助けるために、n0はおよそサイクル20又は25などに設定する。それというのも、これらのサイクル値は典型的には、ベースライン領域の終わりの前に来るからである。最小赤池情報量係数(AIC)を有するx*の値を選ぶ。赤池情報量係数は:
Figure 0005658253
によって定義され、上記式中、mはモデルの自由度の数であり、nはデータセットの長さであり、yはデータ・ベクトルであり、そして
Figure 0005658253
は予測モデル・ベクトルである。一旦区分線形関数が決定されたら、ベースライン減算生データ曲線の平均値のところで引かれた水平ラインと、区分線形関数の第2部分との交点としてCt値を推定する。数学的には、これは
Figure 0005658253
となる。
ステップ150において、等式4によって決定されたCt値を、表示又はさらなる処理のために出力するか又は戻す。グラフィカル表示は、図4の分析を行ったシステムとカップリングされた表示装置、例えばモニタースクリーン又はプリンターでレンダリングすることができ、或いは、表示装置上でレンダリングするために別個のシステムにデータを提供することもできる。しかしながら、ステップ130において、データセット/曲線が放物線特徴を呈していないと判断された場合には、ステップ120で用いられたプロセスによって決定されたCt値は、ステップ150で出力される。言うまでもなく、所望の場合には両方のCt値を出力することもできる。また或る実施態様の場合、例えば、処理される曲線が平面域を有さない条件下では、等式4の放物線Ct決定プロセスを、上記のような別のアルゴリズム、例えばELCAのサブセットではなく、独立したアルゴリズムとして用いることもできる(例えば図4のステップ120が省かれる)。
或る実施態様において、本発明による方法は、例えばデータセットを入力するための入力装置、例えばキーボード、及びマウスなど;曲線領域内の当該特定の点を表すためのディスプレイ装置、例えばモニター;この方法における各ステップを実施するのに必要な処理装置、例えばCPU;ネットワーク・インターフェイス、例えばモデム、データセットを保存するためのデータ記憶装置、プロセッサ上で実行するコンピュータ・コード、などを含むコンベンショナルなパーソナル・コンピュータシステムによって実施することができる。さらに、この方法は、PCR分析モジュール内で実施することもできる。
PCRシステムの一例を図5〜6に示す。図5は、本発明の方法及びシステムを実施するために使用することができるソフトウェア・リソースとハードウェア・リソースとの関係を説明する一般ブロック・ダイアグラムを示す。図6に示すシステムは、サーモサイクラー装置内に配置することができる動的PCR分析モジュールと、コンピュータシステムの部分であるインテリジェンス・モジュールとを含む。データセット(PCRデータセット)は、ネットワーク接続又は直接接続を介して、分析モジュールからインテリジェンス・モジュールへ、又はその逆の方向に転送される。データセットは例えば、図4に示されたフローチャートに従って処理することができる。このフローチャートは、例えば図5に示されたフローチャートに従って、コンピュータシステムのハードウェア上に保存されたソフトウェアによって好都合に実施することができる。図5を参照すると、コンピュータシステム(200)は、例えばPCR反応中に得られた蛍光データを受信するための受信手段(210)と、本発明の方法に従って前記データを処理するための計算手段(220)と、計算手段によって得られた結果に従って前記データの一部を交換するための適用手段(230)と、コンピュータ・スクリーン上に結果を表示するための表示手段(240)とを含んでいてよい。図6は、サーモサイクラー装置とコンピュータシステムとの相互作用を示す。システムは、サーモサイクラー装置内に配置することができる動的PCR分析モジュールと、コンピュータシステムの部分であるインテリジェンス・モジュールとを含む。データセット(PCRデータセット)は、ネットワーク接続又は直接接続を介して、分析モジュールからインテリジェンス・モジュールへ、又はその逆の方向に転送される。データセットは、プロセッサ上で実行する、インテリジェンス・モジュールの記憶装置上に記憶されたコンピュータ・コードによって、図5に従って処理することができ、また処理後、分析モジュールの記憶デバイスに戻し転送することができ、ここで修正済データを表示装置上に表示することができる。
言うまでもなく、放物曲線決定プロセスを含むCt決定プロセスは、コンピュータシステムのプロセッサ又は他の装置又は機械(例えばサーモサイクラー)上で実行するコンピュータ・コードにおいて実施することができる。コードは、Ct決定プロセスの種々の態様及びステップを実施するためにプロセッサを制御する指示を含む。コードは典型的には、有形の媒体、例えばハードディスク、RAM、又は可搬性媒体、例えばCD、DVD、又はメモリースティックなどに記憶される。同様に、プロセスは、PCR装置、例えば、プロセッサを含むサーモサイクラーにおいて実施することができる。プロセッサは、プロセッサ内に組み入れられるか、又はプロセッサとカップリングされたメモリーユニット内に記憶された指示を実行する。コード源とのネットワーク接続又は直接接続を介して、又はよく知られている可搬性媒体を使用して、このような指示を含むコードをPCR装置メモリーユニットへダウンロードすることができる。
当業者には明らかなように、本発明のエルボー決定プロセスは、種々様々なプログラミング言語、例えばC、C++、C#、Fortran、VisualBasicなど、並びに、データの視覚化及び分析に有用なプリパッケージングされたルーティン、関数、及び手順を提供するアプリケーション、例えばMathematicaを使用してコードすることができる。
上述のように、本発明のシステム及び方法は、PCR増幅曲線において特徴的なサイクル閾値(Ct)又はエルボー値、又は放物線形状を有する他の成長曲線におけるエルボー値を決定するのに有用である。PCR曲線のエルボー(又はサイクル閾値Ct)の決定は、リアルタイム(RT−PCR)の定量分析に必要となる。これは、例えば分析結果を患者に伝える際に現実的且つ具体的な有用性を有する。具体的には、ポリメラーゼ連鎖反応をモニタリングするために蛍光データを使用するときに、成長曲線の形状が放物線状である場合に本発明のシステム及び方法はより正確なデータを提供する。このようなデータは、反応をモニタリングするのに有用であるだけではなく、技術的な効果、例えばPCR中に増幅された標的核酸の定量化、又は、得られたデータに基づくPCR反応条件の適合をも可能にする。
本発明の理解を助けるために、下記実施例及び図面を提供する。本発明の真の範囲は添付の請求項に示されている。
実施例
サイクル25からサイクル49までのx*値に対して、等式Iの回帰曲線フィットを行った。曲線フィット毎に、等式3に従ってAICを計算した。図3に示されているのは、図1に示された破線曲線に相当するサイクル25からサイクル49までの、サイクル数に対するAICのプロットである。最小AICは、サイクル数41において発生することが見いだされ、そしてx*=41を使用した等式1の係数が{a=0.002472;b=0.03460;c=0.25387}であることが見いだされた。これらの係数は、等式2において関数を最小化することにより決定した。この区分線形フィットは3つの条件が満たされたため、受け入れられる。すなわち:
(1)c>0及びc/a=102.7、これは閾値1.1よりも大きい。
(2)サイクル41からサイクル50までの生データの二次フィットのR2値が0.99967であり、これは閾値0.90又は0.99よりも大きい。
(3)全てのサイクル数にわたる区分線形フィットのR2値は0.9872であり、これは閾値0.85又は0.95よりも大きい。
等式4、及び蛍光の平均ベースライン減算値=0.00533を用いると、Ctは、Ct=41.02と計算される。
実施例を用いて、そして具体的な実施態様に関して本発明を説明してきたが、本発明は、開示された実施態様に限定されるものではないことは明らかである。反対に、当業者には明らかなように、種々の変更形及び類似の配置にも本発明の範囲が及ぶものとする。

Claims (14)

  1. 放物線形状を有するリアルタイムPCRデータ曲線のCt値を決定するコンピュータ実行方法であって、ここでコンピュータは記憶部、プロセッサ及び出力部を有し、
    前記プロセッサが
    − PCR成長曲線を表す、複数の座標値(x,y)を有するデータセットを受信し、前記データセットを記憶部に記憶し、ここでxはサイクル数であり、yは累積成長のインジケータであり
    − x*で終わる第1線形セグメントと、x*で始まる第2線形セグメントとを有する2セグメント区分線形関数を使用して、前記データセットを近似し、ここで前記2セグメント区分線形関数が:
    Figure 0005658253
    の形を有し
    − a)x*から前記データセットの終わりまでのデータポイントに対する、前記第2線形セグメントのR2値が、あらかじめ決められた閾値0.90を上回るかどうか;そして、
    b)前記データセットの全てにわたる、前記2セグメント区分線形関数のR 値が閾値0.85を上回るかどうか;そして、
    c)前記第2セグメントの傾き及び該第1セグメントの傾きの両方がゼロよりも大きい場合、該第2セグメントの傾きが該第1セグメントの傾きよりも大きいかどうか
    を決定し;そして、もしa)、b)及びc)が真であれば:
    以下の式:
    Figure 0005658253
    [式中、
    cは前記第2線形セグメントの傾きであり、そしてbは前記第1線形セグメントのy切片である]
    を適用することによって、前記データセットのCt値を推定し;そして
    − 前記Ct値を表示又はさらなる処理のために出力部に出力すること
    を含む、前記方法。
  2. 前記データセットの近似は、x*における目的関数を最小化することを含み、前記目的関数は:
    Figure 0005658253
    の形を有する、請求項1に記載の方法。
  3. x*は、前記目的関数を、x= から n−1までの全てのデータポイントに適用することにより決定され、nは前記データセットの長さであり、 はあらかじめ決められた出発座標であり、そしてx*、最小の赤池情報量係数(AIC)を有するxの値として決定する、請求項に記載の方法。
  4. 前記AICは、以下の等式:
    Figure 0005658253
    [式中、mは前記2セグメント区分線形関数モデルの自由度の数であり、yはデータ・ベクトルであり、そして
    Figure 0005658253
    は予測モデル・ベクトルである]
    によって定義される、請求項に記載の方法。
  5. x*から前記データセットの終わりまでのデータポイントに対する、前記第2線形セグメントのR 値が、あらかじめ決められた閾値を上回るかどうかを決定する際に、前記あらかじめ決められた閾値が0.99である、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記データセットの全てにわたる、前記2セグメント区分線形関数のR 値が閾値を上回るかどうかを決定する際に、前記閾値が0.95である、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
  7. 放物線形状を有するリアルタイムPCRデータ曲線のCt値を決定するために、プロセッサ、記憶部及び出力部を有するコンピュータを制御するコードを記憶する有形のコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コードは、プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサが、
    − PCR成長曲線を表す、複数の座標値(x,y)を有するデータセットを受信し、前記データセットを記憶部に記憶し、ここでxはサイクル数であり、yは累積成長のインジケータであり
    − x*で終わる第1線形セグメントと、x*で始まる第2線形セグメントとを有する2セグメント区分線形関数を使用して、前記データセットを近似し、ここで前記2セグメント区分線形関数が:
    Figure 0005658253
    の形を有し
    − a)x*から前記データセットの終わりまでのデータポイントに対する、前記第2線形セグメントのR2値が、あらかじめ決められた閾値0.90を上回るかどうか;そして、
    b)前記データセットの全てにわたる、前記2セグメント区分線形関数のR 値が閾値0.85を上回るかどうか;そして、
    c)前記第2線形セグメントの傾き及び前記第1線形セグメントの傾きの両方がゼロよりも大きい場合、前記第2線形セグメントの傾きが前記第1線形セグメントの傾きよりも大きいかどうか
    を決定することによって、PCR成長曲線が放物線形状を有するかどうかを決定し;そして、もしa),b)及びc)が真であれば:
    以下の式:
    Figure 0005658253
    [式中、
    cは前記第2線形セグメントの傾きであり、そしてbは前記第1線形セグメントのy切片である]
    を適用することによって、前記データセットのCt値を推定し;そして
    − 前記Ct値を表示又はさらなる処理のために出力部に出力する、
    ようにする指示を含んでいる、コンピュータ可読記憶媒体。
  8. 前記データセットを近似する指示は、x*における目的関数を最小化する指示を含み、前記目的関数は
    Figure 0005658253
    の形を有する、請求項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
  9. x*は、前記目的関数を、x=N〜N(n−1)までの全てのデータポイントに適用することにより決定され、nは前記データセットの長さであり、Nはあらかじめ決められた出発座標であり、そしてx*を、最小の赤池情報量係数(AIC)を有するxの値として決定する、請求項8に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
  10. AICは等式:
    Figure 0005658253
    によって定義され、上記式中、mは2セグメント区分線形関数モデルの自由度の数であり、yはデータ・ベクトルであり、そして
    Figure 0005658253
    は予測モデル・ベクトルである、請求項9に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
  11. リアルタイム・ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)システムであって、PCR分析モジュールと、インテリジェンス・モジュールとを含み、
    − 前記PCR分析モジュールは、PCR増幅曲線を表すPCRデータセットを生成し、前記データセットは、それぞれが一対の座標値(x,y)を有する複数のデータポイントを含み、ここでxはサイクル数であり、yは累積成長のインジケータであり、前記データセットは、サイクル閾値(Ct)値を含む当前記領域内にデータポイントを含み;
    − 前記インテリジェンス・モジュールは、
    − x*で終わる第1線形セグメントと、x*で始まる第2線形セグメントとを有する2セグメント区分線形関数を使用して、前記データセットを近似し、ここで前記2セグメント区分線形関数が:
    Figure 0005658253
    の形を有し
    − a)前記データセットの終わりまでの、x*で始まるデータポイントに対する二次フィットのR2値が、あらかじめ決められた閾値0.90を上回るかどうか;そして、
    b)前記データセットの全てにわたる2セグメント区分フィットのR2値が閾値0.85を上回るかどうか;そして、
    c)前記第2セグメントの傾き及び前記第1セグメントの傾きの両方がゼロよりも大きい場合、前記第2セグメントの傾きが前記第1セグメントの傾きよりも大きいかどうか
    を決定することによって、前記PCR成長曲線が放物線形状を有するかどうかを決定し;そして、もしa)、b)及びc)が真であれば:
    以下の式:
    Figure 0005658253
    [式中、
    cは前記第2線形セグメントの傾きであり、そしてbは前記第1線形セグメントのy切片である]
    を適用することによって、前記データセットのCt値を推定し;そして
    − 前記前記Ct値を表示又はさらなる処理のために出力する
    ことによってCt値を決定するためにPCTデータセットを処理するように適合されている、
    リアルタイム・ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)システム。
  12. 前記データセットの近似は、x*における目的関数を最小化することを含み、ここで前記目的関数は:
    Figure 0005658253
    の形を有する、請求項11に記載のPCRシステム。
  13. x*は、前記目的関数を、x=N 〜N (n−1) までの全てのデータポイントに適用することにより決定され、nは前記データセットの長さであり、N はあらかじめ決められた出発座標であり、そしてx*を、最小の赤池情報量係数(AIC)を有するxの値として決定する、請求項12に記載のPCRシステム。
  14. AICは等式:
    Figure 0005658253
    によって定義され、上記式中、mは2セグメント区分線形関数モデルの自由度の数であり、yはデータ・ベクトルであり、そして
    Figure 0005658253
    は予測モデル・ベクトルである、請求項13に記載のPCRシステム。
JP2012525926A 2009-08-26 2010-08-25 放物線状曲線に対するpcrのエルボー値の決定 Active JP5658253B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US12/548,353 US8219366B2 (en) 2009-08-26 2009-08-26 Determination of elbow values for PCR for parabolic shaped curves
US12/548,353 2009-08-26
PCT/EP2010/005196 WO2011023373A2 (en) 2009-08-26 2010-08-25 Determination of elbow values for pcr for parabolic shaped curves

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013503373A JP2013503373A (ja) 2013-01-31
JP5658253B2 true JP5658253B2 (ja) 2015-01-21

Family

ID=43626126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012525926A Active JP5658253B2 (ja) 2009-08-26 2010-08-25 放物線状曲線に対するpcrのエルボー値の決定

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8219366B2 (ja)
EP (1) EP2471007B1 (ja)
JP (1) JP5658253B2 (ja)
CN (1) CN102782674B (ja)
CA (1) CA2772143C (ja)
WO (1) WO2011023373A2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8738303B2 (en) 2011-05-02 2014-05-27 Azure Vault Ltd. Identifying outliers among chemical assays
US10176293B2 (en) 2012-10-02 2019-01-08 Roche Molecular Systems, Inc. Universal method to determine real-time PCR cycle threshold values
US9607128B2 (en) * 2013-12-30 2017-03-28 Roche Molecular Systems, Inc. Detection and correction of jumps in real-time PCR signals
CN107490575A (zh) * 2017-08-17 2017-12-19 三诺生物传感股份有限公司 一种基于化学发光的测量方法、系统及生物检测仪器
CN108561127B (zh) * 2018-03-26 2022-04-01 上海电力学院 一种基于随机模拟的地层压力预测方法
CN113607937B (zh) * 2020-12-30 2022-07-12 北京中科生仪科技有限公司 一种pcr检测方法的数据处理方法
CN114065120B (zh) * 2022-01-14 2022-04-19 深圳市刚竹医疗科技有限公司 测定pcr的直线-s形生长曲线的循环阈值的方法

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5373457A (en) * 1993-03-29 1994-12-13 Motorola, Inc. Method for deriving a piecewise linear model
JPH08221388A (ja) * 1995-02-09 1996-08-30 Nec Corp フィッティングパラメータ決定方法
NZ502323A (en) 1996-06-04 2001-09-28 Univ Utah Res Found Monitoring a fluorescence energy transfer pair during hybridization of first probe labelled with fluorescein to second probe labelled with Cy5 or Cy5.5
ATE390491T1 (de) 1996-06-04 2008-04-15 Univ Utah Res Found Behälter zum durchführen und beobachten biologischer prozesse
US7788039B2 (en) * 2003-09-25 2010-08-31 Roche Molecular Systems, Inc. Quantitation of nucleic acids using growth curves
US20060009916A1 (en) * 2004-07-06 2006-01-12 Xitong Li Quantitative PCR data analysis system (QDAS)
US7680604B2 (en) * 2005-03-11 2010-03-16 Roche Molecular Systems, Inc. PCR elbow determination by rotational transform after zero slope alignment
AU2006247597B2 (en) * 2005-05-13 2010-02-11 Bio-Rad Laboratories, Inc. Identifying statistically linear data
US7991561B2 (en) * 2005-09-29 2011-08-02 Roche Molecular Systems, Inc. Ct determination by cluster analysis with variable cluster endpoint
US7991562B2 (en) 2005-12-20 2011-08-02 Roche Molecular Systems, Inc. PCR elbow determination using curvature analysis of a double sigmoid
US7680868B2 (en) * 2005-12-20 2010-03-16 Roche Molecular Systems, Inc. PCR elbow determination by use of a double sigmoid function curve fit with the Levenburg-Marquardt algorithm and normalization
US7844403B2 (en) 2005-12-20 2010-11-30 Roche Molecular Systems, Inc. Temperature step correction with double sigmoid Levenberg-Marquardt and robust linear regression
US7668663B2 (en) 2005-12-20 2010-02-23 Roche Molecular Systems, Inc. Levenberg-Marquardt outlier spike removal method
US20090119020A1 (en) 2007-09-25 2009-05-07 Roche Molecular Systems, Inc. Pcr elbow determination using quadratic test for curvature analysis of a double sigmoid
US8374795B2 (en) * 2008-05-13 2013-02-12 Roche Molecular Systems, Inc. Systems and methods for step discontinuity removal in real-time PCR fluorescence data
US8219324B2 (en) 2008-09-12 2012-07-10 Roche Molecular Systems, Inc. Real-time PCR elbow calling by equation-less algorithm

Also Published As

Publication number Publication date
CA2772143C (en) 2015-10-27
WO2011023373A2 (en) 2011-03-03
US8219366B2 (en) 2012-07-10
JP2013503373A (ja) 2013-01-31
WO2011023373A3 (en) 2012-12-27
CA2772143A1 (en) 2011-03-03
CN102782674A (zh) 2012-11-14
US20110054852A1 (en) 2011-03-03
CN102782674B (zh) 2015-07-22
EP2471007B1 (en) 2020-02-05
EP2471007A2 (en) 2012-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5558762B2 (ja) 方程式のないアルゴリズムによるリアルタイムpcrエルボーの呼び出し
EP2904110B1 (en) Universal method to determine real-time pcr cycle threshold values
EP1801706B1 (en) PCR elbow determination by use of a double sigmoid function curve fit with the Levenberg-Marquardt algorithm and normalization
JP5658253B2 (ja) 放物線状曲線に対するpcrのエルボー値の決定
JP5068748B2 (ja) ポリヌクレオチドを定量するための方法およびアルゴリズム
JP4414419B2 (ja) 可変クラスタ終点を用いるクラスタ分析によるct測定
CA2571399C (en) Temperature step correction with double sigmoid levenberg-marquardt and robust linear regression
JP5599986B2 (ja) リアルタイムpcr蛍光データ内のステップ型不連続部除去用のシステム及び方法
CA2572440A1 (en) Pcr elbow determination using curvature analysis of a double sigmoid
CA2691907C (en) Systems and methods for determining cross-talk coefficients in pcr and other data sets
CN1987880A (zh) 利用双s形函数曲线拟合和levenberg-marquardt算法及标准化的pcr肘确定
CA2639714A1 (en) Pcr elbow determination using quadratic test for curvature analysis of a double sigmoid
EP3090372B1 (en) Detection and correction of jumps in real-time pcr signals

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130531

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140513

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20140812

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20140819

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141028

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5658253

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250