JP2002542443A - 容器の保護装置及びその装置を備えた容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、容器（１）、特に複合材料から作られ、円筒状側壁（１ａ）及び、一般的に“ドーム”として知られている円形端部（１ｂ）を有する容器に関連するものである。装置（２）は、耐破壊材料から作られ、少なくとも容器(１)ドーム組立体（１ｂ）を囲むような形状をしており、容器(１)の外面と内面との間に空間を定め、ショック及び衝撃を吸収するため、圧縮可能な材料（１１）を前記空間の全体に詰める。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （技術分野） 本発明は、容器を保護する装置及び、その装置を備えた容器に関するものであ
る。

【０００２】 （背景技術） 圧力の掛かる液体を収容する目的で、容器を製造するため、複合材料から作れ
たものを利用することは、一般的である。これらの容器は、槽、タンクまたはボ
トルでもよく、特にガラス、アラミド或いは、カーボンファイバーを母型に嵌め
込んで作ってもよい。この形の容器は、一般的に円筒状側壁と、普通は“ドーム
”として知られている円形端部と、ドームの一方及び／または他方の頂部に配置
された接続部品とを備えている。

【０００３】 これら複合材料は、この応用例に関して多くの利点を有しているが、ノッキン
グ及び使用されるファイバーの特性による容器の落下に関して、抵抗力がかなり
変化するという欠点をしている。特に、カーボンファイバー繊維巻によって製造
された容器は、そのようなノッキングまたは落下に関して相当敏感である。

【０００４】 ドームの基部は、容器の壁の最も薄い部分であり、従って最も弱い。それらの
ドームの一つにおけるノッキングまたは、落下は、複合材料の内層の層間剥離を
生じさせ、それにより流体の圧力に耐える容器の機械的な能力を減らし、ゆえに
この容器が破裂する危険性を生じさせる。

【０００５】 この問題を解決するため、巻き取りファイバーによって得られる容器に関して
、ノッキングまたは衝撃を吸収または弱める材料、特にポリウレタン発泡体から
作られた保護インサートを、前記容器の各ドームに配置させることが、知られて
いる。このインサートは、母型に埋め込まれた強化ファイバーの外巻によって覆
われている。

【０００６】 この方法は、全体的には充分であるが、様々な欠点がある。すなわち、 巻き時間が増すこと、 流体の圧力に耐える容器の能力において、挿入−覆い層が部分的に役割を果たさ
ないで、前記容器を重くする、付加材料を構成すること、 インサートがその両端部で細くなる、すなわち一方で容器の側壁に向かって、他
方でドームの頂部に向かって細くなり、平面上に間断のあるカバー層なしで、前
記インサートを覆っており；従って前記インサートが、本質的に“斜め”落下す
なわち、容器の軸が衝突面と共に約45°の角度を成した落下に対して容器を保護
しているが、“垂直”落下すなわち衝突面に対しだいたい直角である落下の場合
、この容器にドームの頂部上でのノッキングに対し、実用的に保護をしておらず
、または“水平”落下すなわち容器の軸が同じ衝突面と共に小さな或いはゼロの
角度を成す落下の場合も、ドームの基部に隣接する容器の側壁の一部におけるノ
ッキングに対して保護していない。

【０００７】 従ってこれら二つの型式の落下のいずれか一方は、ドームの基部において、前
記の内部層間剥離を起こす危険性を持っている。

【０００８】 本発明は、落下が生じた場合、前記容器が衝突面と作る軸の角度に関連しない
で、前記容器を完全に保護する保護装置を提供し、実施に関して簡単で安価で、
容器をあまり重くしないで、これらの欠点を克服することを目的としている。

【０００９】 （発明の開示） 結局、この保護装置は、 耐破壊材料から作られたシェル、すなわち少なくとも容器のドーム全体を囲むよ
うな形状で、容器（１）の壁の外面と前記内面との間にある空間を画定するシェ
ルと、 ノッキングまたは衝撃をなくし、前記空間全体に詰めることができる圧縮可能な
材料と、 から成る。

【００１０】 従ってこの装置は、容器を製作する時、容器とは独立して、すなわち保護イン
サートを取り付けること及びその周りにファイバーを巻きつけることなく、製造
される。少なくともドーム全体を取り囲む形状によって、そして圧縮され得る圧
縮可能な材料によって、前記シェルと容器の壁との間の空間を完全に詰めること
によって、装置は容器が受ける衝撃を完全に均一に分散させて、衝撃時にそのノ
ッキングをなくす。

【００１１】 この手段によって、前記装置が、衝撃を受けたときに、容器の軸と衝突面との
間に形成される角度に関係なく、容器のドームを効果的に保護する。

【００１２】 シェルが、合成樹脂、特にアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンまたは、
ポリカーボネートのような可塑性樹脂から作られてもよく、前記圧縮可能な材料
は、発泡ポリスチレン、ポリウレタンまたは、ポリエチレン発泡体、或いは別の
発泡合成材料でもよい。

【００１３】 有利には、装置が容器のドーム全体だけではなく、前記ドームの基部に隣接し
た容器の側壁の部分も覆うような形状をしている。

【００１４】 その部分を取り囲むことによって、“水平”落下に対する容器を保護を強める
。

【００１５】 装置はだいたい厚さが一定であり、すなわちシェルが容器の壁に“連なって”
いるが、好ましくはこのシェルは、容器の側壁に対応する端部に、容器の軸に大
体並行な壁を、容器におけるドームの頂部に対応する端部に、容器の軸に並行な
壁を有し、これら二つの壁は、円形ゾーンの形になって合わさる。

【００１６】 この形状によって、装置は著しく増す厚さを有し、それはドームの最も薄い部
分に面して、更に“斜め”落下に対して容器に与える保護を改良している。

【００１７】 有利には、装置がドームの頂部に配置した接続部品を具備した容器を備え付け
ようとする時、接続部品は環状突出部を備え、その高さは、装置が前記ドームに
配置される時、前記接続部品の自由端部の超えて延びるようなっている。

【００１８】 “垂直”落下の場合、前記突出部は、接続部品をいかなる方向の衝撃に対して
も、保護することが可能である。

【００１９】 装置を、適切な手段、例えば接着によって、取外しできないように容器に固定
してもよく、容器の壁が定期的に点検できるように、同じく前記容器に取り外し
可能に装着してもよい。

【００２０】 本発明の好ましい一実施例によると、接続部品を備えた容器に使用することが
できる、前記接続部品が、その自由端部でネジが切られており、装置が、前記接
続部品を囲むような形状をし、それによって、シェルの外面が、接続部品のネジ
付自由端部よりも後方に設けられ、前記接続部品にネジ込むことができるタッピ
ングリングを備え、前記シェルに対し当接して、装置をドームに装着する。

【００２１】 （発明を実施するための最良の形態） 本発明をよく理解するため、本発明を、本発明に関連する装置の好ましい一実
施例を、それに制限されない一例として示した、添付図面を参照して、以下でも
う一度説明する。

【００２２】 図１は、側壁１ａ及び円形端部１ｂの一部を示しており、それは複合材料から
作られたタンク１の“ドーム”であり、前記タンクは、その壁をノッキングまた
は落下から保護するため、装置２に取り付けられている。

【００２３】 その型式のタンクは、圧力が掛かった流体を収容することを目的としており、
複合材料からなる壁５と、内部ライニング壁６と、金属接続部品７を備え、金属
接続部品によって、流体を供給するため必要な設置部にタンク１を接続する。

【００２４】 接続部品７は、ネジが切られ且つ、その自由端部でタッピングされた管状部分
７ａと、円形基部７ｂを備えている。部分７ａにおけるタッピングは、前記接続
を行い、ネジにタッピングリング８をねじ込んで、装置２を取り外し可能にタン
ク１に装着する。基部７ｂは、壁５と壁６との間に挟まれて、確実に接続部品７
をタンク１に堅く装着する。

【００２５】 装置２は、ドーム１ｂの全体及び、ドーム１ｂの基部に隣接した壁１ａの一部
を囲む外部シェル１０と、壁５の外面によって画定される全空間を占める圧縮可
能な材料から作られた充填材１１と、接続部品７の部分７ａ及びシェル１０の内
面とを備えている。

【００２６】 前記装置は、耐破壊材料、特にアクリロニチル−ブタジエン−スチレンまたは
ポリカーボネードのような熱可塑性樹脂から作られた装置である。壁１ａに対応
する端部には、タンク１の軸と大体並行な壁１０ａを有し、ドーム１ｂの頂部に
対応する端部には、タンク１と同じ軸と垂直な壁１０ｂを有しており、それらの
壁１０ａ及び１０ｂは円形領域１０ｃにおいて、合わさる。この構造により、充
填材１１が厚くなって、それが壁１ａに対応する端部でドーム１ｂの一部に面し
、その部分でドーム１ｂは、その厚さが最も小さくなる。

【００２７】 更にシェル１０が、環状突出部１２を備え、装置２がタンク１に装着された時
、管状突出部の高さが、接続部品７及びリング８の自由端部を超えて延びる。

【００２８】 装填材１１を作る材料は、その圧縮能力により衝撃或いはノッキングを無くす
事が可能で、この材料を、発泡ポリスチレン、ポリウレタン発泡体或いは、別の
発泡合成材料とすることができる。

【００２９】 形状が、ドームだけだなく、壁１ａの前記一部も囲むため、また充填材１１が
前記シェル１０とタンク１の壁との間の空間の全体を占めるため、装置２はタン
クが受け得るどのような衝撃も、完全に分散させる。

【００３０】 図２は、突出部１２が接続部品７及びリング８を完全に保護し、従ってタンク
１の壁を“垂直”落下の場合の直接的ないかなる衝撃に対しても、保護する状態
を更に詳しく示している。

【００３１】 図３は、円形壁１０ｃ及び、その壁１０ｃに面した充填材１１の最大厚さが、
壁１ａに対応する端部に位置するドーム１ｂの一部を、完全に保護している。

【００３２】 図４は、その一部に関して、壁１０ａがドーム１ｂ及び壁１ａに、“水平”落
下の場合に、完全な保護を行うことを示している。

【００３３】 接続部材７及びリング８は、装置２をタンク１に取り外し可能に装着し、前記
装置２は、前記タンク１の壁を点検するため、何ら邪魔にならないようになって
いる。

【００３４】 また本発明は、従来技術による対応する装置の欠点を克服することができる装
置を提供する。それは利用が簡単且つ安価で、容器をあまり重くすることなく、
落下の場合に、その容器の軸と衝突面との間に形成する角度に関係なく、前記容
器を完全に保護する。

【００３５】 言うまでもなく、本発明は一例として前記で説明した実施例に制限されるもの
ではなく、一方で、別形式の実施例の全てを含むものである。従って、ボトルの
ような小さな寸法の容器の場合、突出部１２の外側面は、壁１０ａとつながるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による装置をタンクに装着した時の、長手方向断面を示した半分図。

【図２】 本発明による装置の長手方向断面を縮小寸法で、（i）“垂直”落下すなわち
衝撃を受けた時にタンクの軸が、衝突面と大体直角な状態を示した図。

【図３】 本発明による装置の長手方向断面を縮小寸法で、（ii）“斜め”落下すなわち
衝撃を受けた時にタンクの軸が、前記衝突面と大体45°の角度を形成した状態を
示した図。

【図４】 本発明による装置の長手方向断面図を縮小寸法で、（iii）“水平”落下すな
わち衝撃を受けた時にタンクの軸が、前記衝突面と小さな角度を形成するか、ゼ
ロである状態を示した図。

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器（１）を保護する装置（２）であり、特に容器は圧力下
   にある流体を収容することを目的とした複合材料から作られ、円筒状側壁（１ａ
   ）及び、一般的に“ドーム”として知られている円形端部（１ｂ）を有し、 耐貫通材料から作られ、少なくとも容器(１)のドーム（１ｂ）の全体を囲むよう
   な形状をしており、容器(１)の壁の外面と内面との間の空間を定めるシェル（１
   ０）と、 ノッキングまたは衝撃をなくすことが可能で、前記空間の全体に詰まる圧縮可能
   な材料（１１）と、 を備えることを特徴とする装置。
2. 【請求項２】 シェル（１０）は、合成樹脂、特にアクリロニトル−ブタジ
   エン−スチレンまたは、ポリカーボネートのような熱可塑性樹脂から作られるこ
   とを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 【請求項３】 圧縮可能な材料（１１）が、発泡ポリスチレンまたはポリエ
   チレン発泡体、或いは別の発泡合成材料であることを特徴とする請求項１または
   ２に記載の装置。
4. 【請求項４】 容器（１）のドーム（１ｂ）の全体だけでなく、前記ドーム
   （１ｂ）の基部に近接した容器（１）の側壁の一部も覆う形状をしていることを
   特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載の装置。
5. 【請求項５】 シェル（１０）が、容器(１)の側壁（１ａ）に対応する端部
   に、容器（１）の軸と大体並行な壁（１０ａ）を有し、容器（１）のドーム（１
   ｂ）の頂部に対応する端部に、前記軸と直角な壁（１０ｂ）を有し、それら二つ
   の壁（１０ａ、１０ｂ）が、円形領域（１０ｃ）の形で合わさることを特徴とす
   る請求項１〜４のいずれか一項に記載の装置。
6. 【請求項６】 容器（１）を備え付けるため、ドーム（１ｂ）の頂部に配置
   される接続部品（７）を具備した装置であり、 環状突出部（１２）を備え、その高さは、装置（２）が前記ドーム（１ｂ）に配
   置された時、前記接続部品（７）の自由端部を超えて延びることを特徴とする請
   求項１〜５のいずれか一項に記載の装置。
7. 【請求項７】 取り外し可能なように、容器（１）に装着されることを特徴
   とする請求項１〜６のいずれか一項に記載の装置。
8. 【請求項８】 前記接続部品（７）が、その自由端部でネジが切られており
   、 前記接続部品（７）を取り囲むような形状をし、シェル(１０)の外面が、接続ピ
   ース（７）のネジ付自由端部よりも後方に配置するように、前記接続部品（７）
   にねじ込まれて、前記シェル（１０）に対して当接でき、装置（２）をドーム（
   １ｂ）に装着する、タッピングリング（８）を備えることを特徴とする請求項７
   に記載の装置。
9. 【請求項９】 請求項１〜８のいずれか一項に記載の装置（２）に備え付け
   られることを特徴とする容器（１）。