JP2002542118A - 包装容器内に液体を調量して充填するための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 包装容器（１０）内に液体を調量して充填するための装置が充填ヘッド（２３）を備えた充填装置（２２）を有しており、この充填ヘッドが分配器（３０）を介して貯蔵タンク（３５）に接続されている。分配器（３０）内には液体内に形成された圧力（Ｐ１）を検出する圧力センサ（３２）が配置されている。さらに、分配器（３０）を調量弁（２５）に接続させる少なくとも１つの導管（２６）内に、液体の温度（Ｔ）を検出するための温度センサ（２７）が配置されている。制御装置（１９）に接続されたこれらのセンサ（２７，３２）は、同様にこの制御装置（１８９）に接続された計量装置（１７，１８）と協働して、包装容器（１０）内の目標充填量（Ｍ）の正確な重量調整を可能ならしめる。これらのセンサ（２７，３２）の特別な配置により、目標重量（Ｍ）の正確な調量と、貯蔵タンク（３５）の簡単な交換とが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明はヨーロッパ特許第０７２０５６２Ｂ１号明細書から公知であるような
、請求項１の上位概念による包装容器内に液体を調量して充填するための装置に
関する。この公知の装置では、充填されるべき液体の温度を検出してこれを入力
パラメータとしてさらに制御装置へ導く温度センサが場合により分配器内に配置
される。このことによって、著しく温度依存的な粘性を有する液体では特に、調
量弁の起動制御時間を相応して変化させることによって充填精度を向上させるこ
とができる。しかし、わずかな充填量を調量する場合には、調量弁の起動制御時
間の万一の変化ひいては充填精度に関して、分配器内での温度測定はもはや十分
に正確でない。その原因は、充填されるべき液体の温度が分配器から包装容器ま
での途上において変化し、その結果、分配器内で検出した温度がまさに調量時に
おける液体の温度を表していないからである。

【０００２】 それゆえ、本発明の課題は包装容器内に液体を調量して充填するためのこの種
の装置を改良して、この装置がわずかな液量（ここでは特に１０ミリリットルの
少ない液量）の充填時でも比較的高い充填精度を有するようにすることにある。
この課題は請求項１の特徴によって解決される。本発明による装置の別の有利な
変化実施例は従属請求項に記載されている。

【０００３】 包装容器１０内に液体を調量して充填するための装置は搬送装置１１を有して
おり、この搬送装置によって、例えばアンプルまたは水薬瓶のような包装容器が
、互いに前後して配置された処理ステーションへ供給される。搬送装置１１は包
装容器１０を間欠的または連続的に搬送するための搬送スクリュ１２を有してい
る。包装容器１０はレール区分１３，１４，１５上を起立した状態で滑動する。
レール区分１３と１４との間もしくは１４と１５との間には、排出ゲート１６を
介して起動制御されるそれぞれ１つの計量装置１７，１８がそれぞれ１つの包装
容器１０のために配置されており、一方の計量装置１７は包装容器１０の風袋重
量（Ｔａｒａ−Ｇｅｗｉｃｈｔ）Ｇ１を、他方の計量装置１８は総重量（Ｂｒｕ
ｔｔｏ−Ｇｅｗｉｃｈｔ）Ｇ２を検出して、それぞれ入力パラメータとして制御
装置に供給する。計量装置１７，１８は充填装置の内部にではなくその外部に配
置されることもできるのは勿論である。

【０００４】 制御装置１９内には温度変化に伴う液体の粘度変化のような、生産物について
のデータならびに装置のデータが貯蔵されている。この制御装置１９には入出力
ユニット２０が結合されており、このユニットを介して特に包装容器１０の目標
充填量Ｍもしくはもしくは目標充填重量が制御装置１９に投入されることができ
る。

【０００５】 搬送装置１１の上方にはレール区分１４の領域内に充填装置２２が配置されて
いる。この充填装置２２は、包装容器１０の間欠的な搬送時に１搬送ステップご
とに充填される包装容器１０の数に相応する数の充填ヘッド、例えば６つの充填
ヘッド２３を有しており、これらの充填ヘッドはそれぞれ１つの昇降可能な中空
充填針２４を有している。それぞれの充填ヘッド２３は、制御装置１９によって
個々に起動制御される、液体のための調量弁２５に接続されている。これらの調
量弁２５は短い導管２６を介して１つの共通の管状の分配器３０に接続されてお
り、この分配器内には液圧Ｐ１が形成されている。分配器３０自体は導管３３と
迅速締付け装置３４とを介して生産物貯蔵タンク３５に接続されている。液体で
フル充填されている分配器３０と個々の調量弁２５との間の圧力勾配は、例えば
調量弁が分配器３０に対して均一の間隔で配置されていることによって常に均一
な大きさである。

【０００６】 貯蔵タンク３５内には有利には１生産シフト中に包装容器１０の充填のために
必要な液体量が存在している。このことによって、貯蔵タンク３５内の充填レベ
ルはそれぞれの充填サイクル時に極めてわずかな量しか減少しない。貯蔵タンク
３５は圧力導管３６を介してガス圧Ｐ２によって負荷されている。

【０００７】 その場合、圧力Ｐ１とＰ２との間に影響が生じ、その結果、例えば制御装置１
９によって常に一定の圧力Ｐ１が例えば＋／−０．０５バール（ｂａｒ）の誤差
で設定されるようにＰ２が調整されると有利である。このことにより、装置にお
ける貯蔵タンク３５の種々異なる配置ならびに貯蔵タンク３５内の液体レベルの
降下が補償される。

【０００８】 しかし、圧力Ｐ２自体をほぼコンスタントに調整することも可能であり、この
ようにすれば、液体レベルの降下時に圧力Ｐ１は次第に減少する。圧力Ｐ２によ
って一般的には液体の比較的高い圧力が調量弁２５に負荷され、ひいては貯蔵タ
ンク３５からの比較的高い流出速度が可能となり、このことが特に高粘度の液体
の場合に流れのふるまいを促進する。

【０００９】 分配器３０内には液圧Ｐ１を検出するための圧力センサ３２が配置されている
。この圧力センサ３２は制御装置１９に接続されている。

【００１０】 分配器３０と、対応する調量弁２５との間の少なくとも１つの導管内に、この
導管内の液体温度Ｔを検出するための温度センサ２７が配置されていることが本
発明にとって重要である。温度センサ２７が調量弁２５のより近く位置するほど
、温度センサは液体が調量弁２５を通流する時点での液体温度Ｔをより正確に決
定することができる。有利にはＰＴ１００、サーモエレメントまたはピロメータ
として形成された温度センサ２７は制御装置１９に接続されていて、この制御装
置に温度Ｔを入力パラメータとして供給する。

【００１１】 図示の実施例ではそれぞれの調量弁２５が、これに対応する導管２６内に別個
の温度センサ２７を備えている。しかし、代表として選択された唯１つの調量弁
２５だけが、またはそれぞれ単数または複数のグループの調量弁２５が温度セン
サ２７を備えることも可能である。このことは、個々の場合について調量弁２５
と導管２６との予め与えられたジオメトリ的な組込み状況にもとづいて決定され
る。その場合、特に導管２６の種々異なる位置が考慮されるか、または分配器３
０から調量弁２５までの途上で種々の温度変化をもたらすように、装置の加熱さ
れる構成部分または冷却される構成部分のかたわらに導管が案内されていること
が考慮される。

【００１２】 上述の装置は次のように作動する。

【００１３】 包装容器１０は充填装置２２の搬送スクリュ１２によつて間欠的に供給搬送さ
れる。包装容器１０がこれに対応する充填ヘッド２３の下方に位置されるやいな
や、充填ヘッド２３の充填針２４が降下されて包装容器１０内へ挿入される。そ
れと同時に、制御装置１９によって調量弁２５が適当に起動制御されることによ
り、包装容器１０内への目標充填量Ｍの充填が開始される。

【００１４】 目標充填量Ｍを調量する調量弁２５のための起動制御時間（Ａｎｓｔｅｕｅｒ
ｚｅｉｔ）Ｚを計算するために、単数または複数の温度センサ２７によって測定
された温度Ｔ並びに圧力センサ３２によって検出された圧力Ｐ１が準拠とされる
。その場合、調量弁２５の近くで分配器３０内で測定された圧力Ｐ１が、ガス圧
Ｐ２と液柱の静圧とから成る液体全圧を圧力センサ３２を介して示していること
が注目される。装置のジオメトリ、ひいては圧力センサ３２と調量弁２５との間
の圧力勾配が分かっていて制御装置１９内に貯蔵されているため、圧力値Ｐ１と
、調量弁２５の分かっている形状ファクタと、液体パラメータとだけにより、調
量弁２５の起動制御時間Ｚの正確な計算が行われる。特に、単数または複数の温
度センサ２７によって、液体の種々異なる温度Ｔにおける種々異なる粘性も起動
制御時間Ｚの計算時に考慮され、これに応じて調量弁２５の起動制御時間Ｚが個
別的にまたはグループごとに適合させられる。

【００１５】 起動制御時間Ｚによって決定された目標充填量Ｍが包装容器１０内に注入され
てしまうと、充填針２４が充填ヘッド２３によって再び包装容器１０から引き出
される。次いで、包装容器１０は搬送スクリュ１２によって間欠的に別の作業ス
テーション、例えば閉鎖ステーションへ供給搬送される。それと同時に、新たに
装置内へ搬送された包装容器１０のために上述の過程が繰り返される。

【００１６】 装置による液体量ひいては目標充填量Ｍの正確な調量をコントロールもしくは
調整するために、抜き取り検査のように搬出ゲート１６を介して個々の包装容器
１０が取り出されて計量装置１７，１８に供給される。調量された液体量は制御
装置１９によって総重量Ｇ２と風袋重量Ｇ１との差として計算される。その場合
、いわゆるスタテック・プロセス・コントロール（ＳＰＣ）を介して、例えば液
体量または包装容器１０の風袋重量の規定された介入限界（Ｅｉｎｇｒｉｆｆｓ
ｇｒｅｎｚｅ）を下回った場合または上回った場合に、それに相応して修正され
た、調量弁の起動制御時間Ｚが制御装置によって算出される。２つの計量装置１
７，１８の代わりにただ１つの計量装置だけを使用することができるのは勿論で
ある。計量装置への包装容器１１０の供給は手動でも可能であり、要はその形式
で、調量された液体量が決定されることができ、かつこれが制御装置１９へ供給
されればよい。

【００１７】 １生産シフトの終了後に貯蔵タンク３５が空になった場合、または別の１生産
ロットバッチが使用される場合、迅速締付け装置３４によって別の貯蔵タンク３
５を簡単に脱着することにより、装置の運転準備を再び行うことができる。その
際に必要なことはガス圧Ｐ２のための圧力導管３６を貯蔵タンク３５に接続する
ことだけである。

【００１８】 上述の実施例では単数または複数の温度センサ２７が正確な組込み箇所を特定
することなく導管２６内に配置されている。調量弁２５の起動制御時間Ｚの計算
のために、液体が調量弁２５を通流する際の可能な限り正確な液体温度が準拠と
されるべきとの認識から、組込み条件の許す限り、単数または複数の温度センサ
２７は可能な限り単数または複数の調量弁２５の近くに設置される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 包装容器内に液体を調量して充填するための本発明による装置の略示図である
。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3E079 AA10 AB01 AB07 CC11 CD32 CD44 CD45 DD02 FF01 3E118 AA03 AB14 AB17 BA05 BA08 BB08 EA06 FA04

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 包装容器（１０）内に液体を調量して充填するための装置で
   あって、所定のガス圧（Ｐ２）で負荷される生産物貯蔵タンク（３５）が設けら
   れていて、この生産物貯蔵タンクが分配器（３０）を介して充填弁（２５）に接
   続されており、この分配器からは接続導管が延びており、前記充填弁（２５）が
   、予め規定された充填量（Ｍ）を調量するために、分配器（３０）内に配置され
   た圧力センサ（３２）により検出された圧力（Ｐ１）を考慮しながら制御装置（
   １９）によって開閉されるようになっており、充填弁（２５）の起動制御時間（
   Ｚ）のコントロールのために液体の温度（Ｔ）を検出するための少なくとも１つ
   の温度センサ（２７）が設けられている形式のものにおいて、 少なくとも１つの温度センサ（２７）が、分配器（３０）と、対応する充填弁
   （２５）との間の接続導管のうちの１つの接続導管内に配置されていることを特
   徴とする包装容器内に液体を調量して充填するための装置。
2. 【請求項２】 少なくとも１つの温度センサ（２７）が充填弁（２５）のす
   ぐ近くに配置されていることを特徴とする請求項１記載の装置。
3. 【請求項３】 それぞれの接続導管（２６）内に１つの温度センサ（２７）
   が配置されており、その結果、対応する温度センサ（２７）によって検出された
   温度（Ｔ）に基づいてそれぞれの充填弁（２５）の起動制御時間（Ｚ）が個別的
   に得られることを特徴とする請求項１または２記載の装置。