JP2002541818A - 高感度ファージ提示生体分子検出 - Google Patents

高感度ファージ提示生体分子検出

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、標的生体分子;該標的生体分子に結合し得るファージ発現結合タンパク質保持ファージ、または該標的生体分子に結合し得る、リンカーを介して接着されるタンパク質、リンカーを介さず接着されるタンパク質、または核酸と接着していることを特徴とするファージであって、該ファージ発現結合タンパク質、該リンカー接着タンパク質、該非リンカー接着タンパク質もしくは該核酸が該標的生体分子に結合し、結合ファージを形成することを特徴とするファージ;および該ファージが宿主に結合し感染しうる条件下において該ファージ用の宿主となる宿主細菌細胞を含む生体分子複合体に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本明細書に記載の発明は全体として生体分子検出の分野に関連する。より詳し
くは、本発明は新規生体分子の検出組成物および方法に関し、該生体分子の存在
および所在の指標として細胞またはウイルスの増殖を利用する。
【0002】 (背景技術) 多くの生物系の複雑さを理解するためには、高感度と高特異性を可能とする分
子検出技法を使用する必要がある。数多の有機染色剤が電気泳動により分離した
タンパク質の検出に適用されているが、例えば、ブロムフェノールブルー、ファ
ストグリーン(食物グリーン3)およびアミドブラック(酸ブラック1)などで
ある(Durrem, J. Am. Chem. Soc. 72: 294
3 (1950) and Etassman and Hannig, z.
Physiol. Chem. 290: 1 (1952))。有機染色剤
の中でも、クマシーブルーは最も感度の高いものの一つであることが証明されて
いる(Fazekas De St. Groth et al., Bioc
him. Biophys. Acta 71: 377 (1963) an
d Meyer and Lamberts, Biophys. Acta
107: 144 (1965))。
【0003】 フルオレスアミンなどの蛍光染色剤もまたタンパク質の検出に使用され、6ナ
ノグラムという少量のミオグロビンを検出することが示されている(Ragla
nd et al., Anal. Biochem. 59: 24 (19
74) and Pace et al, Biochem. Biophys
. Res. Commun. 57: 482 (1974))。関連化合物
、2−メトキシ−2,4−ジフェニル−3(2H)−フラノン(MDPH)はフ
ルオレスアミンと同じ反応速度と単純性を有し、1ナノグラムという少量のタン
パク質を検出することが可能である。現在、タンパク質の染色について最も感度
の高い技法は銀染色である。理想的な条件下で銀染色は0.01ナノグラムとい
う少量のタンパク質を検出することが可能である(Merril et al.
, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76: 433
5 (1979) and Switzer et al., Anal. B
iochem. 98: 231 (1979))。
【0004】 有機染色剤、蛍光染色剤、および銀染色は多くの分子生物学的適用に極めて適
切であるが、高度の感度を必要とするタンパク質の検出は困難である。例えば、
分子量30,000Daのタンパク質0.01ナノグラムは200,000,0
00分子のタンパク質を意味する。1細胞当たり1特定タンパク質の平均分子数
は5,000なので、現行法タンパク質検出の限界は細胞数として数千個のオー
ダーとなる。
【0005】 同様に、高感度を必要とする核酸配列の検出は困難である。原位置ハイブリダ
イゼーションおよびサザン/ノーザンハイブリダイゼーション技法を実施するた
めには、例えば、数ナノグラムの標的核酸が必要であり、検出には数週間オート
ラジオグラフィー・フィルムに曝す必要がある。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR
)により可能な核酸の特定セグメント増幅の能力によれば、少なくとも理論的に
、研究者は核酸1分子を検出することが可能である。しかし、実際には、微小量
の鋳型によるPCRはサンプル反応の汚染性向のために非常に困難である(Er
lich, ed., PCR Technology, Principle
s and Applications for DNA Amplifica
tion, Freeman & Co., publishers, New
York, page 4 (1992))。前記の観点で、先行技術に例示
した多くの努力にもかかわらず、高感度生体分子検出のための組成物と方法がな
お要望されている。
【0006】 (発明の開示) 本発明は、高感度生体分子検出システムの発見に基く組成物及び方法を開示す
る。一般に、本明細書に開示の生体分子検出システムでは、標的生体分子の存在
と所在のマーカーとして細胞増殖および/またはウイルス増殖を利用する。すな
わち、標的生体分子に結合する分子を提示する細胞またはウイルス粒子を用いて
、細胞またはウイルス増殖をモニターすることにより、支持体上に配置した極微
少量の標的分子の存在と所在を確認することができる。従って、多くの態様を実
施するには、支持体に配置した標的生体分子を準備し、当該標的分子に結合する
分子を提示する細胞またはウイルスと当該標的分子を接触させ、非結合もしくは
非特異的に結合した細胞またはウイルスを除去し、該標的生体分子に結合した細
胞をインキュベートするか、または宿主細胞をウイルス結合標的に感染させ、次
いで、細胞増殖またはプラークの存在を検出することにより標的生体分子の存在
または所在を決定する。
【0007】 一態様において、例えば、支持体上の生体分子の存在を検出する方法は、生体
分子を配置した支持体を準備し、該生体分子をファージのコレクションと接触さ
せることにより実施するが、その場合コレクション中の個々のファージは凝集状
のファージコレクションがファージ発現結合タンパク質のコレクションを含んで
なるようにファージ発現結合タンパク質を有するものであり、また生体分子とフ
ァージコレクションの接触により、生体分子とは結合しないファージ集団と、生
体分子と結合したファージ集団とを生じるものである。次いで、結合したファー
ジの集団を保持する方法によって、結合しないファージの結合集団を除去し、該
ファージ用宿主と共に該ファージの結合集団を、該宿主に該結合したファージを
感染させる条件下に置き、複製された該ファージの集団を産生させる。次いで、
複製された該ファージの集団を検出し、それによって該生体分子が存在するもの
と同定する。
【0008】 本発明のいくつかの側面において、該生体分子は脂質、炭水化物、タンパク質
、および核酸からなる群より選択され、また該生体分子は一次元または二次元手
法により分離する。さらに、該支持体はゲル、膜、フィルター、紙、クロマトグ
ラフィーマトリックス、およびクロマトグラフィー樹脂からなる群より選択され
、また該ゲルは樹脂製背部を有する。好ましくは、ファージ懸濁液を該生体分子
と接触させ、ファージの非結合集団をバッファーで洗浄除去する。該ファージ懸
濁液および洗浄バッファーは、非特異結合を減少させ、非結合ファージの除去を
容易とするために、ブロック剤、例えば、これらに限定されるものではないが、
カゼイン、脱脂乳、ウシ血清アルブミン、ゼラチン、tRNA、および非イオン
性界面活性剤(例、トゥイーンまたはNP−40)などを含んでいてもよい。非
結合および非特異結合ファージを除去した後、ファージの結合集団を宿主細菌の
菌叢で複製させる。次いで、標的タンパク質の存在を細菌細胞の溶菌を観察する
ことにより検出する。この側面はファージ複製集団から少なくとも一種のファー
ジを単離し、そのファージを医薬製品、生物工学手段、または診断キット中に包
含させる工程を含んでいてもよい。
【0009】 支持体上生体分子の存在を検出する他の方法としては、生体分子を配置した支
持体を準備し、該生体分子をファージコレクションと接触させるが、その際、凝
集状のファージコレクションが生体分子に結合し得るタンパク質のコレクション
を含んでなるように該コレクション中の個々のファージを生体分子に結合し得る
タンパク質に結合させ、また、生体分子とファージコレクションの接触により、
結合しないファージ集団と結合したファージ集団を生じさせる。上記のように結
合させた後、結合したファージの集団を保持する方法によって結合しないファー
ジの結合集団を除去し、該結合したファージの集団を該ファージ用宿主と共に、
該宿主に該結合したファージを感染させる条件下に置き、複製されたファージの
集団を産生させる。次いで、該複製されたファージの集団を検出し、その検出工
程から生体分子の存在を決定する。
【0010】 本態様のある側面において、該タンパク質はリンカーによりファージに結合さ
せる。リンカーはこれらに限定されるものではないが、アビジンまたはストレプ
トアビジンまたはその誘導体である。さらに、該生体分子は脂質、炭水化物、タ
ンパク質、および核酸からなる群より選択され、また該生体分子は一次元または
二次元手法により分離することができる。該支持体はゲル、膜、フィルター、紙
、クロマトグラフィーマトリックス、およびクロマトグラフィー樹脂からなる群
より選択され、また該ゲルは樹脂製背部を有していてもよい。好ましくは、ファ
ージ懸濁液を該生体分子と接触させ、ファージの非結合集団をバッファーで洗浄
除去する。該ファージ懸濁液および洗浄バッファーは、非特異結合を減少させ、
非結合ファージの除去を容易とするために、ブロック剤、例えば、これらに限定
されるものではないが、カゼイン、脱脂乳、ウシ血清アルブミン、ゼラチン、t
RNA、および非イオン性界面活性剤(例、トゥイーンまたはNP−40)など
を含んでいてもよい。ファージの結合集団は宿主細菌の菌叢で複製させる。次い
で、タンパク質は細菌細胞の溶菌を観察することにより検出する。
【0011】 他の方法によると、支持体上生体分子の検出は、生体分子を配置した支持体を
準備し、該生体分子をファージコレクションと接触させるが、その際、凝集状の
ファージコレクションが生体分子に結合し得る核酸のコレクションを含んでなる
ように該コレクション中の個々のファージを生体分子に結合し得る核酸に結合さ
せ、また、生体分子とファージのコレクションの接触がファージの非結合集団と
ファージの結合集団を生じさせる。結合後、ファージの結合集団を保持する方法
でファージの非結合集団を除去し、該ファージの結合集団を該ファージ用宿主と
共に、該宿主に該結合ファージを感染させる条件下に置き、ファージの複製集団
を産生させる。次に、該ファージの複製集団を検出し、生体分子の存在を同定す
る。
【0012】 本態様のいくつかの側面においては、該核酸はビオチニル化して該ファージに
リンカーにより結合させるが、その場合のリンカーはアビジンまたはストレプト
アビジンまたはその誘導体を含んでなる。これら態様の多くにおいて、該生体分
子は脂質、炭水化物、タンパク質、および核酸からなる群より選択される。該方
法はまた該生体分子を一次元または二次元手法により分離することからなるが、
該支持体はゲル、膜、フィルター、紙、クロマトグラフィーマトリックス、クロ
マトグラフィー樹脂、または樹脂製背部を有するゲルからなる群より選択し得る
。好ましくは、ファージ懸濁液を該生体分子と接触させ、非結合のファージ集団
はバッファーにより洗浄除去する。他の態様でのように、該ファージ懸濁液およ
び洗浄バッファーは、非特異結合を減少させ、非結合ファージの除去を容易とす
るために、ブロック剤、例えば、これらに限定されるものではないが、カゼイン
、脱脂乳、ウシ血清アルブミン、ゼラチン、tRNA、および非イオン性界面活
性剤(例、トゥイーンまたはNP−40)などを含んでいてもよい。ファージの
結合集団は宿主細菌の菌叢で複製させ、次いで、タンパク質の存在と所在を細菌
細胞の溶菌を観察することにより検出する。
【0013】 支持体上ビオチニル化生体分子の存在の検出法は以下の方法も含む。一方法に
よると、該方法ではオチニル化生体分子を配置した支持体を準備し、該オチニル
化生体分子をファージコレクションと接触させるが、その場合、該コレクション
の個々のファージはビオチンに結合するファージ発現結合タンパク質を有し、ま
た、ビオチニル化生体分子とファージコレクションの接触がファージの非結合集
団とファージの結合集団を生じさせる。結合後、ファージの結合集団を保持する
方法でファージの非結合集団を除去し、該ファージの結合集団を該ファージ用宿
主と共に、該宿主に該結合ファージを感染させる条件下に置き、ファージの複製
集団を産生させる。該ファージの複製集団を検出することにより、ビオチニル化
生体分子の存在および所在を決定する。
【0014】 本態様のいくつかの側面において、ファージ発現結合タンパク質はアビジンま
たはストレプトアビジンまたはその誘導体を含んでなり、該ビオチニル化生体分
子は脂質、炭水化物、タンパク質、および核酸からなる群より選択される。該ビ
オチニル化生体分子は一次元または二次元手法により分離することが可能であり
、該支持体はゲル、膜、フィルター、紙、クロマトグラフィーマトリックス、お
よびクロマトグラフィー樹脂からなる群より選択し得る。一部の適用には、樹脂
製背部を有するゲルを使用する。好ましくは、ファージ懸濁液を該生体分子と接
触させ、非結合のファージ集団はバッファーにより洗浄除去する。望ましくは、
該ファージ懸濁液および洗浄バッファーは、非特異結合を減少させ、非結合ファ
ージの除去を容易とするために、ブロック剤、例えば、これらに限定されるもの
ではないが、カゼイン、脱脂乳、ウシ血清アルブミン、ゼラチン、tRNA、お
よび非イオン性界面活性剤(例、トゥイーンまたはNP−40)などを含んでい
てもよい。ファージの結合集団は宿主細菌の菌叢で複製させ、次いで、タンパク
質は細菌細胞の溶菌を観察することにより検出する。
【0015】 生体分子検出の他の方法は生体分子複合体の検出である。従って、一方法を実
施するには、第一生体分子を配置した支持体を準備し、第一生体分子と第二生体
分子とを、第一生体分子と第二生体分子を含んでなる複合体の形成を促進する条
件下で接触させる。次に、該複合体をファージコレクションと接触させるが、そ
の際、該コレクション中の個々のファージを第二生体分子に結合するタンパク質
を有し、また、第二生体分子とファージコレクションの接触により、結合しない
ファージの集団と結合したファージの集団を生じさせる。次いで、ファージの結
合集団を保持する方法でファージの非結合集団を除去し、該ファージの結合集団
を該ファージ用宿主と共に、該宿主に該結合ファージを感染させる条件下に置き
、ファージの複製集団を産生させる。該ファージ複製集団の検出が第一生体分子
の存在と所在の測定となる。
【0016】 本態様のいくつかの側面において、該ファージはアビジンまたはストレプトア
ビジンまたはその誘導体または抗体に結合する配列を発現するか、それらに結合
している。第一生体分子は脂質、炭水化物、タンパク質、および核酸からなる群
より選択することができる。該第一生体分子は一次元または二次元手法により分
離することが可能であり、該支持体はゲル、膜、フィルター、紙、クロマトグラ
フィーマトリックス、およびクロマトグラフィー樹脂からなる群より選択し得る
。一部の側面において、ゲルは樹脂性背部を有する。好ましくは、ファージ懸濁
液を第二生体分子と接触させ、非結合のファージ集団はバッファーにより洗浄除
去する。該ファージ懸濁液および洗浄バッファーは、非特異結合を減少させ、非
結合ファージの除去を容易とするために、ブロック剤、例えば、これらに限定さ
れるものではないが、カゼイン、脱脂乳、ウシ血清アルブミン、ゼラチン、tR
NA、および非イオン性界面活性剤(例、トゥイーンまたはNP−40)などを
含んでいてもよい。ファージの結合集団は宿主細菌の菌叢で複製させ、次いで、
タンパク質は細菌細胞の溶菌を観察することにより検出する。
【0017】 他の態様において、標的生体分子が生物サンプル中に存在するか否かを決定す
る方法が提供される。この方法では、標的生体分子を含み得る生物サンプルを配
置した支持体を準備し、生物サンプルをファージと接触させ、該サンプル中に存
在する標的生体分子のいずれかに該ファージが結合するのに適した条件下で標的
生体分子に特異的な結合タンパク質を外表面に配置し、それによって結合ファー
ジを生じさせる。該結合ファージを該ファージ用宿主と共に、該宿主に該結合フ
ァージを感染させる条件下に置き、複製ファージを産生させ、複製したファージ
を検出し、それによって該生物サンプル中の標的生体分子の存在を決定する。
【0018】 本態様のいくつかの側面において、該標的生体分子は脂質、炭水化物、タンパ
ク質、および核酸からなる群より選択され、また、該標的生体分子は一次元また
は二次元手法により分離することが可能である。、該支持体はゲル、膜、フィル
ター、紙、クロマトグラフィーマトリックス、およびクロマトグラフィー樹脂か
らなる群より選択され、該ゲルは樹脂性背部を有していてもよい。好ましくは、
ファージ懸濁液を生物サンプルと接触させ、非結合のファージ集団はバッファー
により洗浄除去する。該ファージ懸濁液および洗浄バッファーは、非特異結合を
減少させ、非結合ファージの除去を容易とするために、ブロック剤、例えば、こ
れらに限定されるものではないが、カゼイン、脱脂乳、ウシ血清アルブミン、ゼ
ラチン、tRNA、および非イオン性界面活性剤(例、トゥイーンまたはNP−
40)などを含んでいてもよい。ファージの結合集団は宿主細菌の菌叢で複製さ
せ、次いで、タンパク質は細菌細胞の溶菌を観察することにより検出する。さら
に、上記詳述した方法はファージの複製集団から少なくとも1ファージを単離し
、そのファージを医薬製品、生物工学手段、または診断キット中に包含させる工
程を含んでもよい。
【0019】 他の態様においては、ファージの発現したタンパク質に結合している核酸を含
んでなるファージが期待される。この態様では該核酸をファージの発現したタン
パク質に結合させるリンカーを含んでなるファージをも包含する。該核酸はビオ
チンを含み得るものであり、該ファージはアビジン、ストレプトアビジン、また
はその類似体を発現し得る。他の態様は生体分子複合体に関する。かかる複合体
の一つは、タンパク質(例えば、アビジン、ストレプトアビジン、またはその誘
導体)を介してファージにそれ自体で結合している核酸をプローブするために結
合した標的核酸を有する。この複合体はファージに結合した細菌細胞をも包含す
る。
【0020】 他の態様においては、核酸を同定する方法が提供されるが、それによって上記
の生体分子複合体を検出する。さらになお、被検体の多型性を同定する方法が期
待されるが、その方法によりポリヌクレオチドを含む生物サンプルを被検体から
入手し、上記の複合体を生物サンプル中に検出する。
【0021】 (発明を実施するための最良の形態) 高感度生体分子検出システムとその使用方法を発見した。いくつかの態様にお
いて、細胞の指数的増殖をマーカーとして利用し、それによって支持体上に配置
した特定標的生体分子の存在と所在を決定する。他の態様においては、細胞に感
染するウイルスの指数的増殖をマーカーとして利用し、それによって支持体上に
配置した特定標的生体分子の存在、所在、および同定を確認する。細菌、酵母、
またはバクテリオファージ、例えば、標的生体分子と相互作用するプローブ生体
分子を有するそれぞれを使用することにより、効率的に標的生体分子の存在を同
定し得るが、その感度は支持体上の標的生体分子の位置に相当する局在位置で生
体の増殖を検出するため非常に高いものである。本明細書に記載の態様は生物工
学での応用性を有し、多くのものは診断プロトコールとキット、並びに医薬品と
治療プロトコールに組込むことができる。
【0022】 遺伝子工学または細胞もしくはウイルスの巧みな操作により、実質的にいずれ
かのプローブ生体分子を発現し得るか、または細胞またはウイルスに結合し得る
。例えば、その表面にアビジン、ストレプトアビジンまたはその誘導体を有する
細胞またはウイルスはビオチニル化核酸に付着させ得る。さらに、アビジン、ス
トレプトアビジンまたはその誘導体に結合する一つのドメインを有する異種官能
性抗体、および炭水化物または脂質にすでに結合している第二抗体ドメインは細
胞またはウイルスに結合することができる。さらに、細胞またはウイルスはその
細胞表面上に数種の異なるプローブ生体分子を同時に提示または展示することが
可能であり、その結果、複数の標的生体分子と相互作用し得る作用因子を提供す
ることができる。複数細胞表面タンパク質の発現および/または細胞もしくはウ
イルス表面上の異なるエピトープと提示のための異なるリガンドを認識する数種
の異なるタイプの異種官能性抗体の使用が期待される。
【0023】 従って、特定の「標的生体分子」と相互作用する多くの異なる「プローブ生体
分子」が細胞またはウイルス表面上に展示または提示可能であり、これらの生体
は細胞またはウイルス増殖により微量標的生体分子の存在と所在の同定に使用す
ることができる。例えば、支持体に配置した標的生体分子(例えば、脂質、炭水
化物、タンパク質、および核酸)は、標的生体分子と相互作用するプローブ生体
分子を発現する細菌、酵母またはバクテリオファージを使用するか、またはその
表面に付着したプローブ生体分子を有する細菌、酵母またはバクテリオファージ
を使用することにより検出することができる。
【0024】 一方法によると、プローブ生体分子を提示する細菌または酵母の懸濁液(細胞
表面に発現または付着させることによる)は、標的生体分子を配置した支持体に
塗布する。一部の態様においては、ドットブロット転写装置を使用し、緩和な減
圧下で細胞を塗布する。細胞を標的生体分子に十分な時間付着させる。次に、非
結合および非特異結合細胞を適切なバッファーまたは増殖培地を適用して支持体
から洗い流す。該細胞懸濁液および洗浄バッファーは、非特異結合を減少させ、
非結合ファージの除去を容易とするために、ブロック剤、例えば、これらに限定
されるものではないが、カゼイン、脱脂乳、ウシ血清アルブミン、ゼラチン、t
RNA、および非イオン性界面活性剤(例、トゥイーンまたはNP−40)など
を含んでいてもよい。
【0025】 次いで、支持体上標的生体分子に結合している細胞を、細胞の増殖を促進する
のに十分な栄養素を有する第二の支持体(例えば、寒天平板)と接触させる。寒
天平板を一夜インキュベートする。結合した細胞を有する支持体は、望ましくは
、寒天平板で保持し、細菌の指数増殖を促進する。細胞のコロニーは支持体上の
標的生体分子位置の鏡像部位に現われる。この方法において、標的生体分子の存
在と所在は細胞の指数増殖により確認される。
【0026】 好ましくは、バクテリオファージの指数増殖を用い、標的生体分子の存在と所
在を確認する。「バクテリオファージ」または「ファージ」は細菌宿主細胞内で
感染し、増殖可能なウイルスである。「ファージ・ライブラリー」はDNA含有
のクローン化ウイルス粒子のコレクションであり、ウイルス粒子の同一コピーを
産生するのに必要な遺伝子情報のすべてを表示する。ファージはまた個々のファ
ージ粒子の表面に「提示」される結合タンパク質を発現することができる。これ
らの結合タンパク質は所望の標的生体分子(例えば、脂質、炭水化物、核酸、ペ
プチド、または化学物質)と相互作用し得るように作製することができる。本文
のある部分では、「提示」という用語が核酸などの結合分子の提示を意味し、そ
の場合は付着した結合分子が標的生体分子と相互作用するような様式でファージ
表面に付着する。このように、「ファージ提示ライブラリー」はファージのコレ
クションから構成されるが、その場合、個々のファージは標的生体分子に結合す
るタンパク質を発現するか、または個々のファージは標的生体分子と相互作用す
る付着結合分子を有する。
【0027】 粒子のライブラリーからの単一ファージ粒子を細菌と接触させる場合、ファー
ジ染色体は細菌に転移し、そこで遺伝子プログラムを開始し、より多くのファー
ジ粒子を産生する。ファージ感染が進行するに従い、単一の出発ファージから何
百万もの子孫ファージが産生される。この様式で、ファージを「増幅」または「
増殖」することが可能である。ファージ感染は細菌細胞の溶菌を起こし、増幅が
進行するにつれ、透明ゾーンまたは「プラーク」が細菌叢に現われる。細菌叢上
プラークの存在は、このように、感染プラークの存在と所在を「マーク」する。
次いで、ファージをプラークから取出して他の細菌感染に使用するか、または該
ファージからDNAを単離し、操作して細胞内にクローン化し、所望のタンパク
質を発現させる。このファージDNAの単離、操作、およびタンパク質発現用細
胞へのクローニング工程は「ファージ−サブクローニング」という。
【0028】 ファージ提示が支持体上に配置した標的生体分子の一般的および特異的検出に
活用し得るという発見には多くの態様が関係する。図1を参照し、野生型ファー
ジ(20)、リガンドを提示するファージ(22)、および抗体ドメインを提示
するファージ(26)について説明する。ファージ表面上のリガンド(24)ま
たは抗体ドメイン(28)の「提示」が支持体(36)に配置した標的生体分子
にウイルスを結合させることになる。リガンド(22)を発現するファージまた
は抗体ドメイン(26)を発現するファージを有するファージ提示ライブラリー
は、次いで、図2に示すように、適切な宿主細菌の感染により指数的に増幅させ
ることができる。感染(30)に際し、ファージは細菌に付着し、DNA(32
)を注入し、ファージの複製が細菌を溶菌に至らしめる(34)。プラークの外
見と所在が標的生体分子の存在と所在をマークする。
【0029】 標的生体分子(38)はファージとの接触に先立ち種々タイプの支持体(36
)上に配置し得る。一方法によると、図3および4に説明するように、タンパク
質(38)は高分解二次元電気泳動(36)上で分離し、次いでファージ提示ラ
イブラリーからのファージに曝露するが、該ファージはファージ表面に提示され
る分離タンパク質(38)に特異的なリガンド(24)または抗体ドメイン(2
8)を有する。他の態様においては、タンパク質(38)はファージとの接触に
先立ちブロッティング膜(36)に転移させる。さらなる態様は、ファージとタ
ンパク質(38)との接触に先立ち、ドットブロット装置による支持体(36)
(例えば、ブロッティング膜)にタンパク質(38)をブロッティングすること
、または薄層クロマトグラフィーマトリックス(36)上でタンパク質(38)
を分離することを包含する。
【0030】 ファージの結合に次いで、電気泳動ゲル(36)、例えば、タンパク質結合フ
ァージを含むゲルをバッファーで洗浄し、非結合ファージと非特異結合ファージ
を除去する。図5。該ファージ懸濁液および洗浄バッファーは、非特異結合を減
少させ、非結合ファージの除去を容易とするために、ブロック剤、例えば、これ
らに限定されるものではないが、カゼイン、脱脂乳、ウシ血清アルブミン、ゼラ
チン、tRNA、および非イオン性界面活性剤(例、トゥイーンまたはNP−4
0)などを含んでいてもよい。洗浄完了後の支持体結合ファージは適切な細菌宿
主菌叢(44)に張付いた複製である。短時間の接触(〜10分)後、感染細菌
叢(46)を含むプレートを一夜インキュベートする。図6。
【0031】 宿主細菌に上手く感染したファージは指数増殖を受けることになる。ファージ
の増幅と細菌の溶解は細菌叢(44)にプラーク(48)を出現させる。図7。
これらのプラークは電気泳動ゲル(36)上にタンパク質(38)の位置を示す
。さらに、各プラークはリガンド(22)または抗体ドメイン(26)を提示す
るファージを含み、それがゲル(36)上に位置する特定タンパク質(38)に
特異的に結合することを可能とする。図8に説明するように、これらのファージ
は単離、培養し、特定タンパク質(38)のさらなる精製と評価に、または診断
または治療に使用することができる。以下のセクションではいくつかのタイプの
支持体と支持体に生体分子を配置するのに使用し得る多くの方法について記載す
る。
【0032】 生体分子の支持体配置 本明細書記載の検出技法を実施するに先立ち、生物サンプル中に存在する汚染
生体分子から所望の生体分子を分離することには多くの利点があり得る。特に、
所望生体分子の分離は同定後の生体分子単離を容易にする。非常に多くの生体分
子分離技法が、所望生体分子の支持体配置に先立ち使用し得るか、または支持体
上で該生体分子を同時に分離、配置するのに使用し得るものとして、利用し得る
。しかし、サンプル中の所望生体分子を他のものから分離することは本発明では
必要ない。
【0033】 標的生体分子は、例えば、一次元または二次元手法により汚染生体分子から分
離することができる(参照:例えば、Method in Enzymolog
y Vol. 182, Guide to Protein Purific
ation, ed. Deutscher, Academic Press
Inc. pp. 425−477, San Diego, Califo
rnia (1990); Current Protocols in Mo
lecular Biology, Ausubel et al., Joh
n Wiley & Sons (1994−1998); and Samb
rook et al., Molecular Cloning: A La
boratory Manual, 2ed. Cold Spring Ha
rbor Laboratory, Cold Spring Harbor,
New York (1989))。変性および非変性ゲル電気泳動法は核酸
の分離に使用可能であり、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド・ゲル
電気泳動法(SDS−Page)はタンパク質分離のための一般的方法である。
さらに、パルスフィールド電気泳動、二次元タンパク質電気泳動、等電点焦点法
、および他の分離技法を各態様で使用することが予期される。さらに、生体分子
はクロマトグラフィーにより、例えば、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ま
たは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは高速性能液体クロマトグ
ラフィー(FPLC)などの液体クロマトグラフィーにより、またはアフィニテ
ィクロマトグラフィー技法により分離することができる。
【0034】 「ブロッティング」と呼ばれるもう一つの一般的実験室技法もまた生体分子を
支持体に配置するのに使用し得る。この技法では、分離したマトリックス上の生
体分子を固形膜またはフィルターに転移させることができる(参照:例えば、C
urrent Protocols in Molecular Biolog
y, Ausubel et al., John Wiley & Sons
(1994−1998); and Sambrook et al., M
olecular Cloning: A Laboratory Manua
l, 2ed. Cold Spring Harbor Laborator
y, Cold Spring Harbor, New York (198
9))。有利なことに、ブロッティングにより膜支持体に配置した生体分子は、
さらに実施する別の結合分子を提示する新たなファージライブラリーでの検出が
実施可能となるような位置に固相化または固定化することができる。第一結合フ
ァージを「剥ぎ取る」かまたは除去することにより、技術上既知の技法で、新た
なプローブ(例えば、新たな結合分子を提示する新たなファージライブラリー)
での引続く操作を実施し得る。
【0035】 「マトリックス」または「支持体」という用語は、脂質、核酸、またはタンパ
ク質などの生体分子を付着、固相化、または配置するために使用する担体、樹脂
または高分子構造物をいう。該支持体は生体分子と相互作用する疎水性表面を有
するか、またはその表面が、例えば、荷電ニトロセルロースまたはナイロン膜の
ように荷電されていてもよい。支持体の形状とサイズは、ファージが支持体上に
配置した生体分子に結合するのを妨げない限り、および/または結合したファー
ジが細菌に感染するのを妨げない限り、多様である。望ましい支持体は、例えば
、ポリアクリルアミドゲル、アガロースゲル、複合ゲル、または他のゲルマトリ
ックス、紙、ニトロセルロースとナイロン膜を含む膜類、および薄層クロマトグ
ラフィーおよびアッフィニティクロマトグラフィーに使用するクロマトグラフィ
ーマトリックスを包含する。「支持体」という用語はまた本文の一部において細
胞増殖を維持する十分な栄養素を含む構造物を意味する(例えば、寒天平板)。
以下のセクションではファージ提示ライブラリーについてより詳細に記載する。
【0036】 ファージ提示ライブラリー 多くのタイプのファージがファージ提示ライブラリーにおいて使用し得る。例
えば、λなどのラムダファージ、T4およびT7などのTファージ、およびM1
3などの繊維状ファージなどであるが、これらに限定されるものではない。生体
分子に結合するタンパク質を提示する数種の異なるタイプのファージライブラリ
ーの調製法が記載されている(参照:例えば、U.S. Patent Nos
. 5,702,892 and 5,824,520 to Muligan
−Kehoe, U.S. Patent No. 5,223,409 to
Ladner, et al., European Patent App
lication EP844,306A1 to McCafferty e
t al., Chester et al., Br. J. Cancer
69 (Suppl. 21):15 (1994), Hagag et
al., Anal. Biochem. 191: 235 (1990),
Merz et al., J. Neurosci. Methods 6
2: 213 (1995), Nissin et al., EMBO J
. 13: 692 (1994), Watkins et al., An
al. Biochem. 256: 169 (1998), Flower
et al., Abstracts of the 95th Gener
al Meeting of the American Society f
or Microbiology, page 575 (1995), Ge
offroy, et al., Gene 151: 109 (1994)
, Chang et al., J. Immunol. 147: 361
0 (1991), Kuwabara et al., Nature Bi
otechnology 15: 74 (1997), and Mikaw
a et al., J. Mol. Biol. 262: 21 (199
5))。結合タンパク質を発現するファージコレクションはまた該結合タンパク
質に付着したリンカー(例えば、λファージの柔軟な腕に相当する「λリンカー
」)を有し、柔軟な結合ドメインを創生して、ファージが細菌に感染するのを、
または標的生体分子とのハイブリダイゼーションまたは結合を立体的に阻害しな
いようにしている。
【0037】 一態様において、λファージ発現ライブラリーは実質的にミカワら(MIKA
WA et al., J. Mol. Biol. 262: 21 (19
96))記載のとおりに創生し、その場合、標的生体分子と相互作用するタンパ
ク質はファージの表面に発現される。λファージは、好ましくは、結合タンパク
質がDタンパク質と置換わるように、またはλタンパク質コートのDタンパク質
との融合タンパク質として発現されるように構築される。以下の実施例ではD融
合ベクターのいくつかの構築方法について記載する。
【0038】 (実施例) 実施例1 D遺伝子の5’末端を改変するために、オリゴヌクレオチドプライマーの対、
5’−GGATCCGGGGGTATTAATATGACGGGTACCAGC
AAAGAAACCTTTACC(SEQ ID No.1)および5’−AT
CGGCCGGTCGACTTAAACGATGCTGATTGC(SEQ I
D No.2)を、鋳型としてλ1685 DNAを用いた遺伝子のPCR増幅
のために使用した(Saiki et al.,Science,239:48
7(1988))。前者のプライマーは、黄色ブドウ球菌(S.aureus)
タンパク質A遺伝子のリボソーム結合部位を含む(Uhlen et al.,
J.Bio.Chem.259:1695(1984))。BamHIおよびE
agIで消化したPCR断片をpACYC184のBamHIとEagIの間に
クローン化し、pλD1とした。
【0039】 上記の構造物とは別に、遺伝子’C、’Nu3、D、E、FI、FII、Z、
U、VおよびG’を含むλ1685 DNAの4587bpのBamHI−Ap
aI断片も、D遺伝子の変異導入のためにpUM15内にクローン化し、pλD
oとした。pUM15プラスミドは、pUM13の派生物であり、多重クローニ
ング部位(MCS)内にApaIおよびBamHI部位を持つ(Maruyam
a & Brenner,Gene,120:135(1992))。固有のS
fiI部位をD遺伝子の第二および第三コドン間に作製するために、オリゴヌク
レオチドプライマーの2つの対、5’−CCGGGGATCCTCAACTGT
GAGGA(SEQ ID No.3)と5’−ATGGCCCCGGGGGC
CGTCATAAACATCCCTTACACTG(SEQ ID No.4)
および5’−TTGGCCCCCGGGGCCAGCAAAGAAACCTTT
ACCCATTA(SEQ ID No.5)と5’−TGCCCTTAAGC
ACGGCAGAAACT(SEQ ID No.6)を、この遺伝子のPCR
増幅のために使用する。pλDsを作製するために、2つのPCR断片をBam
HIとSfiI、およびSfiIとAflIでそれぞれ消化し、pλDoのBa
mHIとAflI間に連携してクローン化する。すべての残っているpUM15
のMCSを除去した後に、HindIII、SphI、PstI、AccI、H
incII、XbaI、BamHI、SmaI、KpnI、SacI、EcoR
IおよびHaeIIIをコードしている新規MCSカセットを、pλDs上のD
遺伝子の5’末端に位置する固有のSfiI部位内に導入し、pλDaとする。
いくつかの実施様態において、コラーゲン認識配列(Germino & Ba
stia、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:4692(
1984)、第Xa因子認識配列(Maina et al.,Gene,74
:365(1988))およびリンカー配列をコードしている合成カセットもま
た、pλDa内のKpnIおよびSfiI部位内にクローン化し、プラスミドp
λDbを作製できる。以上で記述したプラスミドは、gpDのN末端に対する好
ましい結合タンパク質の融合のために使用する。
【0040】 融合タンパク質が機能的に活性であり、ファージ粒子内に組み込まれているこ
とを確かめた後、pλD5ベクターを以下の手順によって構築した。λfooの
リンカー配列をプライマー、5’−GAATTCAGCGGCCGCATAGC
CGACCGGGCCAAATTCTATCGAAGGTCGTGGGACTC
CGACCCCGACCACTCCC(SEQ ID No.7)および5’−
AATGGCCCCGGGGGCCGTAATCATGGTCATAGC(SE
Q ID No.8)でのPCRにて増幅する(Maruyama et al
.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91:8273(199
4))。前者プライマーはNotI部位、アンバー終止コドンおよびエンドペプ
チダーゼ認識配列を含む。EcoRIとSfiIでの消化の後、PCR断片をp
λDa内にクローン化し、pλDαを産出する。改変D遺伝子を含む断片をPs
tIとPvuIIでpλDaより切断し、pBSC内のPstIとSmaI部位
でクローン化してpλD5を作製する。
【0041】 gpDのC末端融合のためのプラスミドベクターの構築のために、NheIと
EagI部位を、2つのオリゴヌクレオチドプライマーの対、5’−CCGGG
GATCCTCAACTGTGAGGA(SEQ ID No.3)と5’−A
ACGGCCGAATGCTAGCGATAACGATGCTGATTGCCG
TTCCGGC(SEQ ID No.9)、および5’−AACGGCCGC
TTTACCCTTCATCACTAAAG(SEQ ID No.10)と5
’−TGCCCTTAAGCACGGCAGAAACT(SEQ ID No.
11)、そして鋳型としてλ1685を用いたPCRにてDおよびE遺伝子間に
挿入する。2つのPCR断片をそれぞれBamHIとEagI、EagIとAf
lIで消化し、pλDα内のBamHIとAflI部位間に連携してクローン化
し、pλDneを作製する。pλDne中で、D遺伝子オーカー終止コドンTA
Aをアンバー終止コドンTAGに置き換える。コラーゲン認識配列、ペプチドリ
ンカー、MCSおよびlacZをコードしているDNAを、プライマー5’AA
GCTAGCAGCTGGCCTGTTGGGCCCACT(SEQ ID N
o.12)および5’−AACGGCCGCTATCTATCTAGAATTC
GAGCTCGGTACCCGGG(SEQ ID No.13)を用いて、λ
foo DNAより増幅する。このPCR断片をNheIとEagIで消化し、
λDne中のNheIとEagI部位間にクローン化し、プラスミドpλDβと
する。D遺伝子断片をまた、BamHIとEagIでpλDneより単離し、p
BSC中のBamHIとEagI内にクローン化する。pBSC内のKpnIと
BamHI間のMCSを取り除くことでpλDを作製する。コラーゲン認識配列
、ペプチドリンカー、MCSおよびlacZ’をコードしているPCR断片を、
pλD中のNheIとEagI内に挿入してpλD3を作製する。
【0042】 以上で言及したすべてのオリゴヌクレオチドプライマーは、アプライド バイ
オシステム(Applied Biosystem) DNA合成機、モデル3
94を用いて合成できる。すべてのPCT産物の配列は、PCRが高い率で変異
挿入を誘導するので(Maruyama,Technique,2:302(1
990);Williams & Winter,Eur.J.Immunol
.,23:1456(1993))、好ましくはDNAシークエンシングにて確
認する(Sanger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci
.USA,74:5463(1977))。
【0043】 pλDαの4755bpのApaI−ApaLI断片およびpλDβの495
0bp ApaI−ApaLI断片をApaIとApaLIで切断し、ApaI
とApaLIで消化したλfoo DNAより精製した左および右腕とライゲー
ションし、それぞれファージベクターλfooDnおよびλfooDcを作製す
る。ライゲーションしたDNAのin vitroパッケージングを、従来の技
術によって実施する(Maruyama et al.,Proc.Natl.
Acad.Sci.USA,91:8273(1994))。本実施例で記述し
た教授を用ることによって、D融合ベクターを製造できる。次の実施例は、λフ
ァージベクター内へ結合タンパク質をクローン化するアプローチを記載する。 実施例2 1つの実施様態において、プラスミドpRIT5をPCRの鋳型として用い、
プライマー5’−TTCTGCAGCGCGCAACACGATGAAGCTC
AA(SEQ ID No.14)および5’−TTGGTACCGCTCAC
CGAAGGATCGTC(SEQ ID No.15)を用いて、タンパク質
AのIgG−結合ドメインをコードしているDNA断片を増殖する。ドメインE
、D、AおよびBをコードしているPCR断片をPstIとKpnIで消化し、
pλDbのPstIとKpnI部位内に挿入し、gpDのN末端へドメインを融
合する。微生物の中でタンパク質A−gpD融合タンパク質を産出するために、
タンパク質A−gbD融合物をコードしている断片をPstIとPvuIIで切
断し、pBSC内のPstIとSmaI部位でクローン化する。得られた構造物
は、融合タンパク質の発現がlacプロモーターの制御下におかれているような
設計pλADである。タンパク質AのBドメインをコードしているDNA断片を
pλADよりHindIIIとEcoRIで切断し、pλD3のHindIII
およびEcoRI部位内にクローン化し、プラスミドpλDAとする。次いでp
λADの欠失派生物であるpADを、タンパク質AのIgG−結合ドメインE、
DおよびAをコードしている465bpのHindIII断片を除去することで
作製する。pλPAnの構築のために、タンパク質A遺伝子を、HindIII
とEcoRIによる消化にてpλADより単離し、λfooDnのHindII
IとEcoRI部位内にクローン化する。同様にλPAcを、HindIIIと
EcoRIで消化したpλADとλfooDcのHindIII−EcoRI断
片より構築する。
【0044】 本実施例の技術は、λファージの表面上に望ましい結合タンパク質をコードす
るλD発現ベクターを構築するのに使用できる。HindIIIとEcoRIに
隣接している望ましい結合タンパク質をコードしているDNA(たとえば隣接し
ているHindIIIとEcoRI部位をもつ抗体に対する結合ドメインをコー
ドしている合成DNA)を挿入することによって、望ましいタンパク質をλファ
ージ表面上に発現するλD発現ベクターを簡単に製造することができる。次の節
では、望ましい結合分子を提示するファージを製造するアプローチをより記載す
る。
【0045】 ファージに接着した結合分子の提示 いくつかの実施様態において、ファージディスプレイライブラリーを、核酸ま
たはペプチドのような結合分子をファージに接着させて作製する。核酸およびペ
プチドを他のタンパク質に接着させるいくつかの方法が本技術分野で知られてい
る。好ましいアプローチには、ジスルフィド結合、化学的に修飾可能なリンカー
およびビオチン−アビジン相互作用を介する結合分子の接着が含まれる。したが
って、本明細書での使用のために記載したいくつかのファージディルプレイライ
ブラリーは、標的に対して特異的な結合タンパク質を発現せず、むしろウイルス
感染性または標的生体分子と相互作用する能力を混乱させない様式で、ウイルス
の表面に接着した結合分子を持つ。
【0046】 たとえば、1つの実施様態において、核酸プローブは、ファージのコートタン
パク質の化学的改変を介してファージの表面に接着させることができる。しかし
ながら、好ましくはアビジンまたはストレプトアビジンまたはそれらの類似体を
発現しているファージを、ビオチン化した核酸プローブに接着させる。λウイル
スの腕をコードしているアミノ酸配列を含むλリンカーのような柔軟性のあるリ
ンカーもまた、核酸プローブが微生物を感染し、または標的核酸とハイブリッド
形成するファージの能力を立体的に干渉することのないように使用できる。同定
可能マーカーを含むファージディスプレイライブラリーを次節で記述する。
【0047】 同定可能マーカーを持つファージディスプレイライブラリー いくつかの実施様態において、ファージはプラーク同定を容易にするマーカー
を持つ。たとえばβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を、β−ガラクトシダーゼを欠失
している好適な宿主を改変ファージで感染させる場合に、ファージによる宿主内
へのβ−ガラクトシダーゼエキソン(LacZ)の導入が細胞に、IPTG(イ
ソプロピルチオ−β−ガラクトシダーゼ)のような誘導剤の存在下でβ−ガラク
トシダーゼを合成することを許容するように、ファージ内に組み込むことができ
る(Kizer and Brock,Gene Probes.M.Conn
ed.Academic Press(1989))。したがって、微生物菌
叢上で増殖したファージは、IPTGおよび指示基質Xgal(5−ブロモ−4
−クロロ−3−ヨードリル−β−D−ガラクトシド)の存在下で青色プラークを
産出するであろう。
【0048】 多くの他のマーカーが当業者に公知であり、その使用は本開示で明白であろう
。マーカーは、ファージまたはファージに感染した場合宿主によって発現される
遺伝子であり得る。マーカーは、ファージに接着したタンパク質、化学物質、放
射活性または蛍光部位のような組成物であり得る。好適なマーカーには、緑色蛍
光タンパク質(グリーンフルオレッセントプロテイン、GFP)、ジゴキシゲニ
ン、蛍光化合物、磁気化合物および放射活性粒子が限定しないが含まれる。以下
の節で、標的生体分子へのファージの結合および非結合および非特異的結合ファ
ージの除去を記述している。
【0049】 標的生体分子に対するファージの結合および非結合および非特異的結合ファ
ージの除去 いったん標的生体分子を支持体上に配置したならば、この標的生体分子を、フ
ァージディルプレイライブラリーからのファージと接触させるようにする。ファ
ージを標的タンパク質と接触させるようにするためには多くの方法が存在しうる
。好ましくは標的生体分子を持つ支持体にファージ懸濁液をあてがう。ファージ
懸濁液は、吸引下(たとえばドットブロット転写器を用いて)で適用してよく、
または支持体をファージ含有溶液内に浸してよい。ファージ懸濁液中のファージ
の濃度は、102pfu/ml〜1012pfu/mlの間であり、望ましくは1
7pfu/ml〜1011pfu/mlであり、好ましくは108pfu/ml〜
1010pfu/mlの間であり得る。特定のファージおよびファージ−ディスプ
レイライブラリーの結合速度論に依存して、より高いまたは少ない濃度のファー
ジ懸濁液を使用できる。ファージ懸濁液の濃度の滴定がいくつかの実施様態で望
ましいけれども、必要ではない。
【0050】 いくつかの場合、支持体上に配置した生体分子は、結合および洗浄段階が支持
体より生体分子を取り除かないように、支持体に「取り付け」または固定する。
たとえばゲル中のタンパク質の取り付けおよび核酸の膜への固定化は、分子生物
学の分野で慣例作業である。ファージ上に存在するタンパク質を変性する可能性
のために、結合相の前に、取り付けまたは固定した生体分子を持つ支持体を好ま
しくはファージ結合のための好適な緩衝液と一緒にする。
【0051】 ファージを支持体上の標的生体分子へ結合させた後、非特異的結合ファージお
よび結合しなかったファージを除去するように洗浄を実施する。支持体の型およ
び生体分子をその上に配列させた様式に依存して、非結合および非特異的結合フ
ァージを除去するために使用する緩衝液は異なるりうる。いくつかの実施様態に
関して、緩衝液は、ゲルまたは分離緩衝液を構成する緩衝液と類似している可能
性がある。他の場合、ゲルまたは分離緩衝液を構成する緩衝液は、ファージのタ
ンパク質を変性でき、および/またはさもなければ不適切である。この場合、結
合相の前に、支持体を上述のように好適な緩衝液と一緒にする。1つの好適な緩
衝液はPBS(リン酸緩衝生理食塩水)である。ファージ懸濁液および洗浄緩衝
液はまた、カゼイン、非脂肪牛乳、牛血清アルブミン、ゼラチン、tRNA、お
よび非イオン性界面活性剤(たとえばTweenまたはNP−40)を限定しな
いが含むブロッキング剤も含みうる。以下の節で、ファージの増殖およびファー
ジ複製の測定を容易にするおよび実施様態を記述する。
【0052】 ファージ複製 非結合および非特異的結合ファージを除去したならば、支持体上に配置した標
的生体分子に結合しているファージを微生物内で複製させる。微生物内でファー
ジを複製させる多くの方法が存在するが、微生物叢上での複製プレーティングが
好適である。複製プレーティング方法を用いることで、タンパク質の存在を簡単
に同定できるだけでなく、支持体上の生体分子の位置を決定することができる。
【0053】 他の好適な実施様態において、微生物の導入の前に支持体を準乾燥状態にする
。1つのアプローチによって、ファージ結合タンパク質を持つ膜を、微生物の懸
濁液を膜に適用する前に吸収紙上にブロットする。さらに、穏やかな吸引(たと
えばドットブロット転写器を使用することで)を、微生物懸濁液を適用する前、
間および後に膜に適用する。次いでタンパク質、ファージおよび微生物を含んで
いる膜を、(寒天からはなれた側に微生物およびファージ表面をのせて)Lur
ia Broth寒天プレート上に配置する。ファージ増殖および付随する宿主
微生物の溶解は、結果として支持体上のタンパク質の位置を示す微生物叢上のプ
ラークとなる。
【0054】 ファージの複製した集団(すなわち個々のプラーク)からのファージをまた、
従来の技術にて単離でき、診断キット、薬理学的製品、または生物技術的ツール
に組込むことができる。ファージサブクローニングもまた、以上の手順にて同定
した標的生体分子と特異的に相互作用するタンパク質を合成するために実施する
ことができる。以下の実施例で、複製プレーティングを容易にする実施様態を記
述する。 実施例3 1つの実施様態において、プラスチック補助接着ゲルを複製プレーティングを
容易にするために使用する。望ましくは、複製プレーティングが正確に実施でき
るように、プラスチック補助はタブ、ハンドルまたはグリップ手段を持つ。プラ
スチック補助は、分離技術を干渉しないような様式でゲルに接着する。多くの異
なる大きさ、形状および形態の生体分子分離器具が本技術分野に存在するために
、ゲル接着しているプラスチック補助の大きさおよび形状は変化しうる。望まし
くは、複製プレーティングのためにプラスチック補助を持つ分離ゲルは、キット
として気密性容器および固体内にパッケージされる。
【0055】 したがって、プラスチック補助を備える分離ゲルを使用する高感度の生体分子
検出を以下のように実施する。標的生体分子をプラスチック補助を備えるゲル上
で分離し、このゲルを、プラスチック補助を備えるゲル上の分離した標的生体分
子と相互作用する結合分子を提示している個々のファージを含んでいるファージ
ディルプレイライブラリーと接触させる。結合が起こるようにし、続いて非結合
および非特異的結合ファージ集団を、好適な緩衝液中で洗浄することでプラスチ
ック補助を備えるゲルより除去する。複製プレーティングを、プラスチック補助
のタブを握り、分離した標的生体分子および結合したファージを含むゲル表面と
、ファージに対する宿主微生物を含んでいる微生物叢を接触させることによって
実施する。次いでプラスチック補助を備えるゲルと結合したファージを、感染す
るのに十分な期間微生物叢と接触させる。微生物叢を続いて、ファージの増殖、
細胞溶解に十分な時間インキュベートし、分離した標的生体分子の存在および局
在をプラークの観察によって検出する。
【0056】 関連した実施様態において、微生物叢または複製プレーティングを容易にする
プラスチック補助を備える微生物培養プレートを使用する。望ましくは、複製プ
レーティングが正確に実施できるように、プラスチック補助はタブ、ハンドルま
たはグリップ手段を持つ。タブを備えるプラスチック補助は微生物叢を含んでい
る寒天プレートと接着させるか、または寒天プレートとの一体型の構造物である
。好ましくは、微生物培養プレートの本実施様態は、形状および大きさが、本技
術分野で使用される支持体のさまざまな大きさおよび形状と一致する。いくつか
の場合、タブを備えた微生物培養プレートの大きさおよび形状は、従来の核酸ま
たはタンパク質分離ゲルまたは膜の大きさおよび形状に相当する。多くの異なる
大きさ、形状および形態の生体分子分離器具が本技術分野に存在するために、ゲ
ル接着しているプラスチック補助の大きさおよび形状は変化しうる。望ましくは
、複製プレーティングを容易にするタブを持つ複製プレーティング寒天培養ディ
ッシュは、微生物および/またはファージの培養をも持つことができるキットと
して気密性容器および固体内にパッケージされる。
【0057】 よって、タブを持つ複製プレーティング寒天培養ディッシュ上で微生物層を使
用する高感度の生体分子検出を以下のように実施する。標的生体分子を、形状お
よび大きさがタブを持つ複製プレーティング寒天培養ディッシュと一致するゲル
上で分離し、このゲルを、ゲル状の分離した標的生体分子と相互作用する結合分
子を提示している個々のファージを含んでいるファージディルプレイライブラリ
ーと接触させる。結合が起こるようにし、続いて非結合および非特異的結合ファ
ージ集団を、好適な緩衝液中で洗浄することでゲルより除去する。複製プレーテ
ィングを、微生物叢を備える複製プレーティング寒天培養ディッシュ上のタブを
握り、分離したタンパク質を含有しているゲル表面と結合ファージを接触させる
ことによって実施する。次いゲルと結合したファージを、感染するのに十分な期
間微生物叢と接触させる。微生物叢を、ファージの増殖、細胞溶解に十分な時間
インキュベートし、分離した標的生体分子の存在および局在をプラークの観察に
よって検出する。本実施例で提供した教授を用いることで、本明細書で記述した
多くの方法で実施した複製プレーティング工程を容易にするゲル器具を製造およ
び使用できる。以下の節では、支持体上に配列させた核酸の検出に有用である、
いくつかの実施例を記載する。
【0058】 支持体上に配列させた核酸の検出 支持体上に配列させた核酸の検出方法もまた実施様態である。上述したように
、核酸を、ゲル、膜、紙およびクロマトグラフィー支持体を限定しないが含む多
くの種類の支持体上で配列させおよび/または分離できる。標的核酸を支持体上
に配列させたならば、標的を、ファージの集団、標的核酸と相互作用するペプチ
ド、または標的核酸とハイブリッド形成する核酸を提示している個々のファージ
を含む、ファージディスプレイライブラリーと接触させる。
【0059】 いくつかのタンパク質が核酸配列に結合することが公知であり、これらのタン
パク質またはその断片を、支持体上に配列させた核酸の存在および局在を同定す
るのに使用するためにファージの表面に発現させ、または接着させることができ
る。特定の核酸配列に結合するタンパク質には、一般的にDNAまたはRNA結
合タンパク質、そしてさらにとりわけ、転写タンパク質、RNAプロセシングタ
ンパク質および免疫グロブリンタンパク質が限定はしないが、含まれる。たとえ
ば、ビオチン化ヌクレオチドまたはジニトロフェノール(DNP)を持つヌクレ
オチドまたはイソペンテニル−アデノシン(IgA)ヌクレオチドのような改変
した核酸に結合する免疫グロブリンタンパク質またはその断片を、これらの改変
したヌクレオチドを持っている標的核酸の検出が成し遂げられるように、ファー
ジ表面に発現または接着させることができる。
【0060】 あるいは、核酸プローブを、支持体上に配列させた核酸の存在および局在を同
定するのに使用するために、ファージ表面に接着させることができる。核酸プロ
ーブは、ファージのコートタンパク質の化学的改変を介してファージ表面に接着
させることができるが、好ましくはアビジンまたはストレプトアビジンまたはそ
れらの類似体を発現しているファージをビオチン化核酸プローブに接着させる。
λリンカーのような柔軟性のあるリンカーもまた、核酸プローブが微生物に感染
し、または標的核酸とハイブリッド形成するファージの能力を立体的に干渉しな
いように使用できる。望ましいリンカーの長さは、慣例の実験を介して決定でき
るが、しかし核酸プローブの接着を許容し、標的生体分子への結合を許容し、宿
主微生物の感染を許容するような長さである。
【0061】 ファージ−核酸反応物(すなわちビオチン化核酸プローブと結合したアビジン
またはストレプトアビジンまたはそれらの類似物を発現しているファージ)をま
ず作製し、次いで支持体上に配列させた標的核酸とハイブリッド形成するために
使用できる。あるいは、ビオチン化核酸プローブを、まず支持体上に配列させた
標的核酸とハイブリッド形成させ、続いて核酸ハイブリッドを、核酸ハイブリッ
ドの存在および局在を検出するために、アビジンまたはストレプトアビジンまた
はそれらの類似体を発現しているファージと結合させることができる。5’また
は3’ビオチン化オリゴヌクレオチドを、従来の方法にて合成でき、プローブ核
酸として使用でき、またはビオチンまたは他の改変核酸を核酸プローブ内に組み
込むためのいくつかの他の方法が公知である。以下の実施例は、支持体上に配列
させた標的核酸を検出するための他のアプローチを記述する。 実施例4 ゲルからの直接的な核酸の検出を、本明細書で記述した実施様態で実施できる
けれども、膜上での標的核酸の固定化により、ブロットを分離すること、および
他の核酸プローブまたはファージ−核酸反応物で再プローブ化することの利点が
示される。1つのアプローチによって、従来のサザンまたはノザン技術にしたが
って、標的核酸をゲル上で分離し、ナイロン膜に固定化し、次いでビオチン化核
酸プローブを、ハイブリッド形成を許容する条件下で、固定化標的核酸と接触さ
せる。続いて、非特異的結合ハイブリッドを膜より洗浄し、結合核酸プローブを
、ファージの表面上にアビジンまたはストレプトアビジンまたはそれらの類似物
を発現しているファージライブラリーと接触させる。ストレプトアビジンまたは
アビジン発現ファージを、標的核酸の相補鎖に接着したビオチン化核酸プローブ
と結合させ、非特異的結合ファージを洗浄して除去する。ついで、アビジンまた
はストレプトアビジンを発現しているファージに結合した核酸ハイブリッドをも
つ支持体を、微生物叢に対して複製プレートする。次いでファージ感染および細
胞溶解をおこるようにし、標的核酸の存在および局在を、微生物叢上のプラーク
の観察によって検出した。
【0062】 好ましくは、ビオチン化したRNAプローブを本アプローチで使用する。ビオ
チン化RNAプローブは、ビオチン化UTPの存在下でのin vitro転写
によって合成できる。さらに[32P]CTPまたは他の任意の放射活性ヌクレオ
チドを、in vitro転写反応内に組み入れることができ、これは、対照ま
たはプローブ精製の目的のための第二のマーカーとなることができる。いったん
ビオチン化RNAプローブを分離したならば、核酸ハイブリッド形成を行う。
【0063】 よって、支持体上に配列させた核酸をハイブリッド形成を許容する条件下で、
ビオチン化RNAプローブと接触させる。ハイブリッド形成のために十分な時間
が経過した後、RNAse Aをハイブリッド形成混合液に添加する。この酵素
は、すべてのハイブリッド形成していないRNAプローブを消化し、バックグラ
ウンドシグナルを低下させる可能性がある。RNAse A消化の後、ハイブリ
ッド形成を数回、望ましいハイブリッド形成洗浄緩衝液(たとえば6×SSCお
よび7.0% SDS)中で数回洗浄し、次いでブロットをファージ接着のため
に好適である緩衝液(たとえばPBS)に入れる。緩衝液はまた、カゼイン、非
脂肪牛乳、ウシ血清アルブミン、ゼラチン、tRNAおよび非イオン性界面活性
剤(たとえばTweenまたはNP−40)を限定しないが含む、ブロッキング
剤を含んでよい。
【0064】 次いで、アビジンまたはストレプトアビジンまたはそれらの類似物を提示して
いるファージを、核酸−ビオチン化RNAプローブ−ファージ複合体の形成を許
容するのに十分な時間、ハイブリッドに接触させる。続いて、非結合および非特
異的結合ファージを、好適な緩衝液中での洗浄によって除去し、微生物の懸濁液
を膜に提供する。微生物の感染を起こるようにし、膜を準乾燥状態にする。次に
、核酸−ビオチン化RNAプローブ−ファージ−微生物複合体を持つ膜をLur
ia 培養寒天プレートに適用する。膜上のプラークの存在および局在が、膜上
の核酸ハイブリッドの存在および局在を指し示す。本実施例で記述した教授を使
用することで、高感度の核酸ハイブリッド形成を簡単に実施できる。以下の実施
例は、in situハイブリッド形成に関する新規アプローチを記述している
。 実施例5 他の実施様態において、高感度のin situハイブリッド形成方法を提供
する。このアプローチによって、組織を従来の技術にしたがって切断および保存
し、続いて組織切片中の標的核酸に結合する分子を提示しているファージを含む
ファージライブラリーと結合させる。たとえば標的核酸にハイブリッド形成した
ビオチン化RNAプローブを、アビジン、ストレプトアビジンまたはそれらの類
似物を提示しているファージと共に使用できる。ファージライブラリーを、(た
とえばビオチン化核酸プローブを介して直接的にまたは間接的に)ファージが望
ましい標的核酸に結合するのを許容するのに十分な長さの期間、組織切片と接触
させ、続いて、非結合および非特異的結合ファージ集団を組織切片より洗浄する
。結合および洗浄緩衝液には、カゼイン、非脂肪牛乳、ウシ血清アルブミン、ゼ
ラチン、tRNAおよび非イオン性界面活性剤(たとえばTweenまたはNP
−40)を限定しないが含む、ブロッキング剤が含まれうる。
【0065】 次いで結合ファージを含む組織切片を、結合ファージによる微生物の感染を許
容するように、微生物叢と接触させる。ファージ感染、増幅および細胞溶解を起
こるようにし、標的核酸の存在および局在は、微生物叢上のプラークの出現によ
って示唆される。次いでファージを単離でき、他の組織切片上の検出剤として使
用できる。本実施例で記述した技術を用いることで、とても感度のよいin s
ituハイブリッド形成を簡単に実施できる。以下の節は、支持体上に配列させ
たタンパク質の存在および局在の同定のために有用であるいくつかの実施様態を
記述する。
【0066】 支持体上に配列させたタンパク質の検出 支持体上に配列させたタンパク質を検出する方法もまた本発明の実施様態であ
る。上述したように、標的タンパク質は、ゲル、膜、紙およびクロマトグラフィ
ー支持体を限定しないが含む、多くの種類の支持体上に配列させおよび/または
分離することができる。いったん標的タンパク質を支持体上に配列させたならば
、標的タンパク質を、ファージの集団、標的タンパク質と相互作用するタンパク
質を提示している個々のファージを含むファージライブラリーと接触させる。結
合および任意の非結合または非特異的結合ファージを除去するための洗浄の後、
支持体結合ファージを微生物叢に感染させることによって検出を実施する。微生
物叢上のプラークの存在および局在が、支持体上の標的タンパク質の存在および
局在に関連する可能性がある。
【0067】 いくつかのタンパク質/タンパク質相互作用が公知であり、そのような結合タ
ンパク質またはその断片を、支持体上に配列させた標的タンパク質の存在および
局在を同定するのに使用するために、ファージの表面に発現または接着させるこ
とができる。標的タンパク質に結合するペプチドには、転写タンパク質、RNA
プロセシングタンパク質、リガンドおよびレセプタータンパク質および免疫グロ
ブリンが限定はしないが含まれうる。これらのタンパク質またはその断片は、ど
ちらもファージによって発現することができ、その表面に提示するか、またはた
とえばアビジン/ストレプトアビジン結合を使用してファージの表面に接着でき
る。さらに、ビオチンまたはジニトロフェノール(DNP)のような標的タンパ
ク質内に組み込むことのできる改変物と相互作用する免疫グロブリン結合ドメイ
ンをファージに発現させることができる。これらのペプチドは、これらの改変物
を含む標的タンパク質の検出を実施できるように、ファージの表面に発現させる
か接着させることができる。
【0068】 しかしながら、より典型的には、標的タンパク質に結合するファージをファー
ジディスプレイライブラリーから単離する。ファージディスプレイライブラリー
は、タンパク質に対するポリクローナル抗体を作製するために、望ましい標的タ
ンパク質を好適な動物に接種し、前記動物の脾臓よりトータルRNAを単離し、
このRNAよりcDNAを作製し、このcDNAを、ファージがcDNAによっ
てコードされたタンパク質を発現するようにファージに組み込むことで作製でき
る。次いでファージディルプレイライブラリーを標的タンパク質を持つ支持体に
提示し、非結合および非特異的結合ファージを洗浄によって除去し、微生物細胞
を結合ファージで感染させる。感染の結果のファージの子孫は、本明細書で記述
した方法に従って、標的タンパク質の存在および局在を検出するために使用でき
るとても特異的な試薬である。
【0069】 他の実施様態において、支持体上に配列させたタンパク質の検出は、二次検出
剤としてファージを用いることで実施できる。したがって、支持体上に配列させ
た標的タンパク質は、標的タンパク質を認識する抗体によって結合させ、非結合
および非特異的結合抗体を除去する。次に、抗体と相互作用する分子を提示して
いるファージディスプレイライブラリーを抗体結合標的タンパク質と接触させる
。非結合および非特異的結合ファージを除去し、結合したファージ集団を微生物
叢中に存在する微生物細胞に感染させる。微生物叢上のプラークの出現は、標的
タンパク質の存在および局在を示唆している。
【0070】 核酸プローブもまた、支持体上に配列させた核酸結合タンパク質の存在および
局在を同定するのに使用するために、ファージ表面に接着させることができる。
核酸プローブを、ファージのコートタンパク質の化学的改変を介してファージ表
面に接着させることができるが、しかし好ましくはアビジンまたはストレプトア
ビジンまたはそれらの類似物を発現しているファージをビオチン化核酸プローブ
に接着させる。λリンカーのような柔軟性のあるリンカーもまた、核酸プローブ
が、微生物に感染し、または標的核酸とハイブリッド形成するファージの能力を
立体的に干渉しないように、使用できる。望ましいリンカーの長さは、慣例の実
験を介して決定でき、しかし、核酸プローブの接着を可能にし、標的タンパク質
への結合を可能にし、宿主微生物の感染を許容するような長さである。
【0071】 ファージー核酸反応物(すなわちビオチン化核酸プローブに結合するアビジン
またはストレプトアビジンまたはそれらの類似体を発現しているファージ)を、
核酸結合タンパク質を検出するために作製し、使用できる。あるいは、ビオチン
化核酸プローブを、核酸−タンパク質複合体をアビジンまたはストレプトアビジ
ンまたはそれらの類似物を発現しているファージと接触させる前に、核酸結合タ
ンパク質と結合することを許容できる。さらに、ビオチン化核酸プローブを、支
持体上に核酸−タンパク質複合体を配列させる前に、いったん支持体上で標的タ
ンパク質と結合させることができ、核酸−タンパク質複合体を、核酸プローブの
ビオチンと相互作用するファージを結合させ、増幅させることで検出できる。5
’または3’ビオチン化オリゴヌクレオチドは、従来の方法で合成でき、プロー
ブ核酸として使用でき、または核酸プローブ内にビオチンまたは他の改変ヌクレ
オチドを組み込むためのさまざまな他の方法が公知である(たとえば以上で記述
したようなビオチン化RNAプローブ)。以下の実施例は、支持体上に配列させ
た標的タンパク質を検出するために使用することのできるアプローチを記述する
。 実施例6 ゲルからの直接のタンパク質の検出が、本明細書で記述した実施様態を使用す
ることで可能になるけれども、膜上の標的タンパク質の固定化は、プローブを分
離し、他のファージディスプレイライブラリーでそれを再プローブ化する利点を
提供する。1つのアプローチによって、従来のウエスタンまたは免疫ブロッティ
ング技術を用いて、標的タンパク質をゲル上で分離し、ナイロン膜に固定する。
たとえば、膜上に配列させたIgGを以下のように同定することができる。
【0072】 ウサギ抗BSA IgG(シグマ(Sigma),St.Louis,MO)
のいくつかの連続希釈系列を作製し、タンパク質をSDS/PAGEゲル上で分
離する。続いて、IgGを電気ブロッティングにてナイロン膜に写す。ブロット
を蒸留水で3回すすぎ、ブロッキング緩衝液(PBS、0.05%(v/v)T
ween−20、5%(w/v)スキムミルク、0.5%(w/v)ゼラチン)
にて、室温で30分間ブロッキングし、次いで蒸留水で3回すすぐ。ファージ懸
濁液(108pfu/ml)を、4℃にて12〜15時間、結合緩衝液(50m
M Tris−HCl(pH7.5)、150mM NaCl、0.05% T
ween−20、10mM MgSO4)中でブロットに加える。結合相の後、
非結合および非特異的結合ファージを、室温にて結合緩衝液中で3回洗浄するこ
とでブロットより除去する。続いて、ブロットを微生物叢上に複製プレートし、
およそ10分間、微生物の感染を許容するためそのまま置いた。次いで微生物プ
レートを一晩インキュベートし、次いでプラークを調べた。IgGの同定および
ブロット上のタンパク質の局在は、微生物叢上でのプラークの出現によって示唆
される可能性がある。本実施例の技術は、ファージが標的生体分子と特異的に相
互作用するプローブ生体分子を持つと言う条件で、任意の標的タンパク質を検出
するために適用できる。以下の実施例は、本明細書で記述した方法によるタンパ
ク質測定の限界を決定するために使用したアプローチを記述している。 実施例7 本明細書で記述した系による標的タンパク質の検出の限界を決定するために、
ニトロセルロース膜(0.45マイクロ穴サイズ)を、ドットブロット複写器具
を用いて、抗M13抗体の連続希釈系列[5’→3’ Prime,Inc.,
Boulder,CDにより提供]と交わらせた。抗M13抗体を、M13と結
合するために使用し、続いて微生物叢に抗体結合M13を感染させた。ファージ
の複写−解体および洗浄工程がオープンパン産物よりもよりファージを保有した
ので、複写ドットブロット器具を、タンパク質希釈、バクテリオファージの適用
を含むすべての適用に対して、および微生物叢の適用に関して使用した。0.4
5μMニトロセルロース穴を、吸引によって非結合ファージを活発に除去するた
めに使用した。ファージ結合の後、非結合および非特異的結合ファージを除去す
るために、室温で攪拌しながら連続パン洗浄した。吸引−加圧がまた液体相中の
微生物叢のブラウン運動型移動を排除した。
【0073】 ロット#FJ 195A M13抗体を、8mg/mlのタンパク質濃度で使
用した。試料#1中の10μlストック(80μg)のもともとの適用から連続
希釈を始めた。したがってチューブ#2=8μg、#3=0.8μg、#4=8
0ng、#5=8ng、#6=0.8ng、#7=80pg、#8=8pg、#
9=80fg、#10=8fg、#11=0.8fg、#12=80ag、#1
3=8ag、#14=0.8agおよび#15=0.08agのタンパク質であ
る。希釈を3重に10-30まで連続して行った。それぞれの希釈液10μlをド
ットブロット複写器のそれぞれのウェル中で90μlのPBSと混合した。膜上
のタンパク質含有レーンを、タンパク質のない陰性対照としてのPBS−レーン
の次にした。PBSの処方は、6mM リン酸緩衝液 pH7.4での150m
M NaClであった。複写器上において、膜のそれぞれのレーンを、室温にて
60分間、複写器内で100μl/レーンで前洗浄した。タンパク質をブロッテ
ィングした後、膜を10分間、100mlの、3% w/v Tween(商標
)20含有リン酸緩衝生理食塩水(PBST)中に浸した。
【0074】 次に、膜を5×1011プラーク形成ユニット(pfu)のバクテリオファージ
M13(イングランド バイオラボズ(England Biolabs)から
のPh.D.(商標) Peptide Display System)を含
む100mlのPBST中でインキュベートした。ファージの結合の後、膜を6
回、それぞれ10分間、100mlのPBSTで洗浄した。膜は、結合および洗
浄工程の間、吸引し、Wescodyne溶液を含む密封排出フラスコ内にバク
テリオファージを除去した。膜を複写器より取り除き、複写器をオートクレーブ
にかけることで滅菌した。続いて、膜を新鮮なブロッティング紙上に置き、残余
湿気を取り除く。次いで、多孔性支持体(Fastブロットデベロッパー、ピア
ス ケミカル社(Pierce Chemical Co.,Rockford
,III)上に置き、400mlのPBSTでさらに3回洗浄した。膜を合計7
回、3の別の滅菌ディシュ中で洗浄し、非結合バクテリオファージによる汚染を
取り除いた。
【0075】 微生物叢は、5mlのLB培地中の大腸菌(E.coli)の一晩培養液より
作製した。一晩培養液1mlを、5mlのLB内地+Xgal中に植え付けた。
培養液を37℃にて1時間増殖させ(中間対数期)、使用まで氷上に置いた。膜
を、洗浄し、オートクレーブにかけた複写器内に注意深く再送入し、100μl
微生物/ウェルの懸濁液を適用した。膜をXgalを含む100mm LB寒天
プレートの表面上に置いた。次いでディッシュを37℃にて一晩インキュベート
し、増殖させた。
【0076】 微生物叢上に現れたプラークは、M13バクテリオファージがβ−ガラクトシ
ダーゼ遺伝子を持っているので、青色であった。この遺伝子は、使用した微生物
種(大腸菌(E.coli)株ER2537[(F,laclq,lacZM1
5proA--/fhuA2 supE thi(lacZ−procAB)(
hsdMS−mcrB)5(tk,mk,McrZBC)]では欠損している。上
述した実験において、三重再現における検出可能なシグナルは、希釈10-16
で識別可能であり、したがって、10分子のタンパク質の検出の再現可能な限界
が示されている。検出の理論レベルは以下のように計算した。抗M13抗体の平
均タンパク質サイズが45,000ダルトン、平均アミノ酸分子量が115ダル
トン、およびタンパクあたりのアミノ酸残基平均数が391であるので、単一タ
ンパク質は4.5×104グラム/モルを含む。平均数(6.02×1023粒子
)が粒子/モルの数と等しい場合、単一タンパク質分子は、7.5×10-20
ラムまたは7.5×10-2agの重さに等しい。この検出の限界を示している希
釈は10-15である。
【0077】 特に、最も高い濃度のタンパク質では、ファージはほぼ全く膜に結合していな
い。この減少に関するいくつかの説明が存在する。まず、最も高い濃度で存在す
るタンパク質は、活性結合部位を阻害する可能性がある。第二に、任意の結合フ
ァージは、非結合ファージを除去するための勢いよい洗浄の間の凝集のために、
タンパク質の一部分に沿って「はがれる」可能性がある。より高い希釈において
、バックグラウンド非特異的結合以上の観察可能なシグナルは存在しなかった。
本実施例で記述した発見は、支持体に基づく実施様態が、10分子ほどの標的タ
ンパク質を検出することを実証している。以下の実施例は、ゲル上で分離し、膜
に写したタンパク質の存在および局在を検出するのに使用したアプローチを詳述
している。 実施例8 本実験では、タンパク質(分子量スタンダード[NOVEX MultMar
k Multicolored Standards、ノベックス社(Nove
x,Inc),San Diego CAより供給)およびファージM13に対
する抗体タンパク質[5’→3’ Prime,Inc.,Boulder C
Dより供給]を蛍光染色フルオレスアミンで標識化した。これらの標識化タンパ
ク質の連続希釈系列を4〜12% Bis−Trisプレ−キャストゲル[NO
VEX、NuPageゲル]上にのせ、電気泳動にて分離した。電気泳動の前に
、試料を還元条件下(0.5M DTT)で70℃にて10分間、熱し、続いて
室温まで冷却した。分子マーカータンパク質をウェル12におき、M13抗体タ
ンパク質を10倍ステップで希釈し、ウェル1〜11においた。2つの同一のゲ
ルをこの様式で調製した。電気泳動を、MES−SDSランニング緩衝液(1M
2−(−N−モルフォリノ)エタンスルホン酸トリス塩基、69.3mM S
DSおよび20.5mM EDTA pH7.3)を含むNOVEX Xcel
l IIミニ細胞中で200ボルトにて40分間で実施した。
【0078】 次に、2つのゲル中で分離したタンパク質を、500mM ビシン、500m
M Bis−Tris、20.5mM EDTA pH7.2を含む転写緩衝液
を用いて、ブロットモジュール(NOVEX)でニトロセルロース0.45ミク
ロン穴サイズ膜上にエレクトロブロットした。ブロットに続き、1つの膜をトル
エンで透明にし、この透明な膜上に配列しているタンパク質を紫外線トランスイ
ルミネーターを用いて撮影した。第二のブロット(トルエン曝露しなかった膜)
は、3%w/v Tween含有リン酸緩衝生理食塩水(PBST)中に10分
間浸した。次いで膜を5×1011プラーク形成ユニット(pfu)のバクテリオ
ファージM13(イングランド バイオラボズ(England Biolab
s)からのPh.D.TM Peptide Display System)を
含む100mlのPBST中でインキュベートした。このインキュベートの後、
膜を6回、それぞれの洗浄は10分間で、100mlのPBSTにて洗浄した。
次いで膜を新鮮なブロッティング紙上に置き、残余湿気を除去した。次いで、多
孔性支持体(Fastブロットデベロッパー、ピアス ケミカル社(Pierc
e Chemical Co.,Rockford,III)上に置き、400
mlのPBSTでさらに3回の洗浄した。PBSTを穏やかな吸引で膜を通して
引いた。最後の洗浄からのPBSTの除去の直後、(中対数期の)微生物の懸濁
液を、微生物に関連する液体を除去するために穏やかな吸引下で、膜に適用する
。次いでタンパク質および微生物を含んでいるこの膜を、Xgalを含んでいる
LB寒天プレート上に置き、37℃にて一晩培養した。
【0079】 膜を次の日に撮影した。M13バクテリオファージはβ−ガラクトシダーゼ遺
伝子を持っているので、プラークは青く見えた。この遺伝子は、使用した微生物
株中では機能しない(大腸菌(E.coli)株ER2537[(F’,lac
q,lacZ)M15proA--)fhuA2 supE thi(lac
−proAB)(hsdMS−mcrB)5(tk−mk−McrBC)]。
【0080】 3つの蛍光タンパク質バンドI、IIおよびIIIがM13抗体タンパク質を
のせたレーン(レーン1〜11)で見られた。バンドIIIはIgG軽鎖を示し
ており、バンドIIはIgG重鎖を示しており、バンドIは軽鎖−重鎖複合体を
示している。この変性電気泳動系では、ファージ検出は、IgG重鎖および重鎖
−軽鎖複合体に関して最も効果的であるように見えた。フルオレスアミンの検出
の限界を考えると、標識タンパク質は、膜上にブロッティングした後にゲルのレ
ーン3およびレーン2で見られたように約1ngのレベルであり、それぞれのレ
ーンに対する希釈が10倍であることから、レーン11で検出したタンパク質は
およそ1〜10atto−モルであることを示した。重鎖に関しておよそ30k
Dの分子量を考えると、この量は、100分子ほどの検出に相当する。本実施例
で記述した発見は、100分子ほどのタンパク質が、ゲルに基づく実施様態で検
出できることを実証している。以下の実施例では、in situタンパク質局
在化の方法を提供する。 実施例9 in situタンパク質局在化の高感度の方法が他の実施様態である。この
アプローチによって、従来の技術にしたがって組織を切断し、保存し、続いて組
織切片中の標的タンパク質と結合する分子を提示するファージを含んでいるファ
ージライブラリーに結合させる。ファージライブラリーを、ファージが望ましい
標的タンパク質に結合するのを許容するのに十分な期間、組織切片と接触させ、
非結合および非特異的結合ファージ集団を組織切片より洗浄する。次に、結合し
たファージの微生物への感染を許容するために、結合したファージを含む組織切
片を微生物叢と接触させる。ファージの感染、増殖、細胞溶解を起こすようにし
、標的タンパク質の存在は微生物叢上のプラークの出現で示される。次いでファ
ージを単離し、他の組織切片上の検出試薬として使用できる。本実施例で記述し
た技術を用いることで、とても感度のよいin situタンパク質局在化を容
易に実施できる。次の節で、いくつかの診断的な実施様態を記述する。
【0081】 診断的適用 標的生体分子が生物学的試料中に存在するかどうかを決定するための方法もま
た実施様態である。よって、生物学的試料を、診断試験の必要な対象より入手す
る。試料は、核酸、タンパク質または両方である標的分子を含んでよい。次いで
生物学的試料を支持体上に配列させる。好ましくは、標的分子を、支持体上で試
料を配列させる前に、解析(たとえばアッセイの性質に依存した核酸またはタン
パク質の単離)のために調製するが、しかし好ましくは本実施様態を実施するた
めにそのような工程を行う必要はない。次に、標的生体分子と相互作用する結合
分子を提示しているファージの集団を、固定化試料と接触させる。多くの種類の
支持体が本実施例での使用に好適である。たとえば生物学的試料に接着するため
に、膜、ゲル、アフィニティ支持体樹脂、計量棒、および他のマイクロ分子構造
が使用可能である。非結合および非特異的結合ファージを支持体から洗浄し、結
合ファージを好適な宿主中で複製させる。次いで標的生体分子の存在の診断を、
微生物宿主の細胞溶解の出現で測定する。
【0082】 疾患状態と関連するタンパク質または核酸と相互作用する結合分子を提示する
ファージを含む診断キットも実施様態である。これらの診断キットは、支持体、
微生物、培養培地、陽性および陰性対照−試料生体分子および説明書を含んでよ
い。以下の節で、本明細書で記述した技術に基づいた薬理学的物質に関する活性
成分の製造を記述している。
【0083】 治療的適用 薬理学的薬剤に対する新たな種類の組成物を調製するための方法も実施様態で
ある。1つのアプローチによって、その上に標的生体分子を配列させた支持体を
、無作為的に合成したファージディルプレイライブラリーと接触させる。ファー
ジディスプレイライブラリー中の個々のファージは、支持体上に配列された標的
生体分子を認識する結合分子を提示している。次いで非結合および非特異的結合
ファージ集団を支持体から除去する。結合ファージ集団を宿主微生物中で複製さ
せ、ファージをファージの複製集団より単離する。続いて、単離したファージを
薬理学的製品の中に組み込む。あるいは、結合タンパク質をコードしている核酸
を配列決定し、結合ペプチドの配列を決定する。この配列より、合成ペプチドを
作製し、これらの分子を薬理学的物質内に処方する。さらに、理にかなった薬物
設計におけるアプローチを、薬理学的物質内に組み込むためのさらなる分子(た
とえば疑似ペプチドおよび化学物質)を作製するために、標的タンパク質に結合
しているとして同定した配列上で実施できる。
【0084】 上記したアプローチを使用することで、患者の特定の疾患に対して特異的であ
る治療薬剤を作製できる。1つの実施様態において、たとえば感染患者からのウ
イルスを入手し、ウイルスのタンパク質を支持体上に配列させる。以上で詳述し
た手順を実施し、ウイルスタンパク質と結合したファージをワクチン成分として
同定し、薬理学的製品内に組み込む。標的ウイルスタンパク質と相互作用するタ
ンパク質を提示しているファージを含むファージディスプレイライブラリーを作
製するために、さらなる手順を実施できる。例として、しかし限定はせずに、フ
ァージディスプレイライブラリーを、まずウイルスまたはウイルスタンパク質を
宿主動物に注入して、免疫応答を起こさせることで作製することができる。次い
でこの宿主動物を犠牲死させ、その脾臓細胞からの核酸を得る。免疫グロブリン
配列に相当する核酸をPCRにて増幅し、従来の技術にてファージ中にクローン
化する。この様式において、ウイルスタンパク質に特異的な結合タンパク質をフ
ァージ表面上に発現させることができる(たとえばMerz et al.,J
.Neurosci.Methods 62:213(1995)を参照のこと
)。
【0085】 治療キットを作製するための方法も実施様態である。たとえば、治療キットの
1つの実施様態は、タンパク質または核酸のような生物分子を配列させるのに使
用する支持体を持つ。治療キットはさらに、ファージの集団を含み、そこで集団
の中の個々のファージは、固体マトリックス上に配列させた望ましいタンパク質
と相互作用する分子を提示している。さらに、治療キットは、望ましいタンパク
質に結合し、相互作用した後に、ファージによって感染される宿主微生物を持ち
うる。
【0086】 治療キットは、支持体上に標的生体分子を配列させ、標的生体分子を、その標
的生体分子と相互作用する分子を提示しているファージと接触させ、非結合また
は非特異的結合ファージを支持体から洗浄し、結合ファージを宿主微生物中で複
製することで使用する。次いで複製したファージを微生物より単離し、治療薬剤
、予防薬または薬理学的物質内に組み込む。
【0087】 本明細書で記述した薬理学的に活性な化合物は、生薬学の従来の方法にしたが
って処理し、患者、たとえばヒトを含む哺乳動物への投与のために医学的薬剤を
産出できる。上記の実施様態にしたがって単離したファージを、改変してまたは
改変なしで薬理学的製品内に組み込むことができる。さらに、ファージまたはフ
ァージをコードしている核酸配列を、さまざまな経路によって伝送する薬理学的
物質または治療薬剤を製造できる。たとえば、限定はしないが、DNA、RNA
およびファージをコードしている配列を持っているウイルスベクターの使用が企
図される。望ましいファージをコードしている核酸を単独で、またはファージと
組み合わせて投与できる。
【0088】 ファージまたはそれらをコードしている核酸を、従来の賦形剤、すなわち活性
化合物と有害に反応しない非経口、腸管(たとえば経口)または局所適用に好適
な、薬理学的に許容可能な有機または無機担体基質との混合物で使用できる。好
適な薬理学的に許容可能な担体には、水、塩溶液、アルコール、アラビアゴム、
植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース
、アミロースまたはデンプンのような炭水化物、ステアリン酸マグネシウム、タ
ルク、ケイ酸、粘性パラフィン、芳香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセ
リド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポ
リビニルピロリドンなどが限定しないが含まれる。薬理学的調製物は滅菌でき、
もし望むのならば、補助剤、たとえば潤滑油、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤
、浸透圧に影響を与える塩、緩衝液、色素、薬味およびまたは芳香族基質および
活性化合物と有害に反応しない類似のものと混合することができる。これらはま
た、望む場合に他の活性剤、たとえばビタミンと混合できる。
【0089】 非経口適用のために、とりわけ好ましいのは注射可能な、無菌溶液であり、好
ましくは油性または水性溶液であり、同様に懸濁液、エマルションまたは坐薬を
含むインプラントである。アンプルが便利なユニット投与である。
【0090】 腸管適用のために、とりわけ好ましいのは錠剤、ドラジェ、液体、ドロップ、
坐薬またはカプセルである。シロップ、エリキシル、または類似のものが使用で
き、そこでは甘味賦形剤を使用する。
【0091】 保持または直接放出組成物を、たとえばリポソームまたは活性成分が特異に分
解性コーティングたとえばマイクロカプセル封入、多重コーティングなどで保護
されたようなものを処方できる。新規化合物を凍結乾燥し、得られた凍結乾燥を
、たとえば注射製品の調製のために使用することも可能である。
【0092】 局所適用のために、噴霧可能でない形態、局所適用に適合した担体を含み、流
動粘性が好ましくは水よりも大きい準固体または固体までの粘性形態として使用
する。好適な処方としては、これらに限定されないながら、溶液、懸濁液、エマ
ルション、クリーム、軟膏、粉末、リニメント剤、膏薬、エアゾルなどが含まれ
、これらは望むのならば、滅菌し、補助剤、たとえば保存剤、安定剤、湿潤剤、
浸透圧に影響を与える緩衝液または塩などと混合する。局所適用のために、噴霧
可能なエアゾル調製品もまた好適であり、そこで、好ましくは固体または液体不
活性担体物質との組合せで、活性成分を、中身を絞り出せる容器中、または加圧
揮発性物質、ふつうは気体放射剤、たとえばフロンなどの混合液中にパッケージ
する。
【0093】 特定の場合の活性化合物の実際の好ましい量は、使用している特定の化合物、
処方した特定の組成物、適用方法、および処理している特定の部位および組織に
したがって変化する可能性があることが理解されるであろう。与えられた宿主に
対する投与は、従来の考慮を用いて、たとえば好ましい、従来の薬理学的プロト
コールによる、たとえば対象化合物の、そして公知の薬剤の異なる活性の慣例の
比較によって、決定できる。
【0094】 本発明は実施様態および実施例にしたがって記述してきたが、さまざまな改変
を、本発明の意図より逸脱しないで行うことができることが理解されるべきであ
る。よって、本発明は前掲の請求項によってのみ限定される。本明細書で引用し
たすべての参考文献は、参照として本発明に組み込まれる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 野生型ファージとその表面に特定のリガンドまたは抗体ドメインを提示したフ
ァージを図解説明する。
【図2】 細菌に感染するファージとその感染により生じる指数増殖を図解説明する。
【図3】 二次元ゲル電気泳動により分離されたゲル内のタンパク質を図示する。
【図4】 表面に特定のリガンドまたは抗体ドメインを提示したファージが二次元ゲル電
気泳動により分離されたゲル内のタンパク質に結合したものを図解説明する。
【図5】 ゲル内のタンパク質に結合したファージのレプリカ平板を図解説明する。
【図6】 二次元ゲル電気泳動によりゲル上に分離したタンパク質に結合したファージに
よる細菌叢上の細菌の感染を図示する。
【図7】 ゲル内タンパク質に結合したファージが開始するファージ感染を原因とする細
菌叢上のプラークを図解説明する。
【図8】 ゲル内タンパク質に結合したファージが開始するファージ感染を原因とするプ
ラークからの、その表面上に提示されたリガンドまたは抗体ドメインを有するフ
ァージの単離を図解説明する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/53 Z 33/566 33/566 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 メリル、 カール、 アール. アメリカ合衆国 20850 メリーランド州 ロックビル ワインダー コート 2 Fターム(参考) 4B063 QA01 QQ10 QQ43 QQ79 QR32 QR48 QR56 QR79 QR84 QS25 QS33 QS34 QX02 4B065 AA98X AB01 CA46

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上で生体分子の存在を同定する方法であって、 (a)生体分子を配置した支持体を準備する工程; (b)該生体分子をファージコレクションと接触させる工程であって、その際
    、コレクション中の個々のファージは凝集状のファージコレクションがファージ
    の発現する結合タンパク質のコレクションを含んでなるようにファージの発現す
    る結合タンパク質を有するものであり、また、生体分子とファージコレクション
    の接触により、該生体分子と結合しないファージ集団と結合したファージ集団が
    生じる工程; (c)結合したファージの集団を保持しながら、結合しないファージの集団を
    除去する工程; (d)該結合したファージが宿主に感染しうる条件下に、該ファージ用宿主及
    び該結合したファージ集団を置き、複製されたファージの集団を産生させる工程
    ;および (e)該複製されたファージの集団を検出し、それによって該生体分子の存在
    を同定する工程 を含んでなる方法。
  2. 【請求項2】 前記生体分子が脂質、タンパク質、および核酸からなる群よ
    り選択される請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記生体分子が電気泳動により分離した複数の生体分子の一
    つである請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記支持体がゲル、膜、フィルター、紙、クロマトグラフィ
    ーマトリックス、およびクロマトグラフィー樹脂からなる群より選択される請求
    項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ゲルが樹脂製背部を有する請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記ファージの結合しない集団がバッファーでの洗浄により
    除去される請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ファージの結合集団を宿主細菌の菌叢上で複製する請求
    項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記ファージの結合集団が前記ファージ用の宿主である細菌
    株で重層される請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記生体分子を細菌細胞の溶菌観察により検出する請求項1
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記複製されたファージ集団から少なくとも一つのファー
    ジを単離する工程をさらに含んでなる請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記ファージを医薬製品に組込む工程をさらに含んでなる
    請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 該ファージを診断キットに組込む工程をさらに含んでなる
    請求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】 支持体上で生体分子の存在を同定する方法であって、 (a)生体分子を配置した支持体を準備する工程; (b)該生体分子をファージコレクションと接触させる工程であって、その際
    、凝集状のファージコレクションが生体分子に結合し得るタンパク質のコレクシ
    ョンを含んでなるように該コレクション中の個々のファージを該生体分子に結合
    し得るタンパク質に結合させ、また、生体分子とファージのコレクションの接触
    により、該生体分子と結合しないファージ集団と結合したファージ集団が生じる
    工程; (c)結合したファージの集団を保持しながら、結合しないファージの結合集
    団を除去する工程; (d)該結合したファージが宿主に感染しうる条件下に、該ファージ用宿主及
    び該結合したファージ集団を置き、複製されたファージの集団を産生させる工程
    ;および (e)該複製されたファージの集団を検出し、それによって該生体分子の存在
    を同定する工程 を含んでなる方法。
  14. 【請求項14】 該タンパク質がリンカーによってファージに結合する請求
    項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 該タンパク質がアビジンまたはストレプトアビジンまたは
    それらの誘導体である請求項13記載の方法。
  16. 【請求項16】 支持体上で生体分子の存在を同定する方法であって、 (a)生体分子を配置した支持体を準備する工程; (b)該生体分子をファージコレクションと接触させる工程であって、その際
    、凝集状のファージコレクションが生体分子に結合し得るタンパク質のコレクシ
    ョンを含んでなるように該コレクション中の個々のファージを該生体分子に結合
    し得る核酸に結合させ、また、生体分子とファージのコレクションの接触が、該
    生体分子と結合しないファージ集団と結合したファージ集団の集団を生じる工程
    ; (c)結合したファージの集団を保持しながら、結合しないファージの結合集
    団を除去する工程; (d)該結合したファージが宿主に感染しうる条件下に、該ファージ用宿主及
    び該結合したファージ集団を置き、複製されたファージの集団を産生させる工程
    ;および (e)該複製された該ファージの集団を検出し、それによって該生体分子の存
    在を同定する工程 を含んでなる方法。
  17. 【請求項17】 該核酸がリンカーによってファージに結合する請求項16
    記載の方法。
  18. 【請求項18】 該リンカーがアビジンまたはストレプトアビジンまたはそ
    れらの誘導体を含んでなり、該核酸がビオチニル化されている請求項16記載の
    方法。
  19. 【請求項19】 支持体上でビオチニル化生体分子の存在を同定する方法で
    あって、 (a)ビオチニル化生体分子を配置した支持体を準備する工程; (b)該ビオチニル化生体分子をファージコレクションと接触させる工程であ
    って、その際、該コレクション中の個々のファージがビオチンに結合するファー
    ジ発現結合タンパク質を有し、また、生体分子とファージのコレクションの接触
    が、該生体分子と結合しないファージ集団と結合したファージ集団を生じる工程
    ; (c)結合したファージの集団を保持しながら、結合しないファージの結合集
    団を除去する工程; (d)該結合したファージが宿主に感染しうる条件下に、該ファージ用宿主及
    び該結合したファージ集団を置き、複製されたファージの集団を産生させる工程
    ;および (e)該複製された該ファージの集団を検出し、それによって該ビオチニル化
    生体分子の存在を同定する工程 を含んでなる方法。
  20. 【請求項20】 該ファージ発現結合タンパク質がアビジンまたはストレプ
    トアビジンまたはそれらの誘導体を含んでなる請求項14記載の方法。
  21. 【請求項21】 支持体上で生体分子の存在を同定する方法であって、 (a)第一生体分子を配置した支持体を準備する工程; (b)第一生体分子と第二生体分子とを、第一生体分子と第二生体分子を含ん
    でなる複合体の形成を促進する条件下で接触させる工程; (c)該複合体をファージコレクションと接触させる工程であって、その際、
    該コレクション中の個々のファージが第二生体分子に結合するファージ発現結合
    タンパク質を有し、また、第二生体分子とファージのコレクションの接触が、該
    生体分子と結合しないファージ集団と結合したファージ集団を生じる工程; (d)結合したファージの集団を保持しながら、結合しないファージの結合集
    団を除去する工程; (e)該結合したファージが宿主に感染しうる条件下に、該ファージ用宿主及
    び該結合したファージ集団を置き、複製されたファージの集団を産生させる工程
    ;および (f)該複製されたファージの集団を検出し、それによって第一生体分子の存
    在を同定する工程; を含んでなる方法。
  22. 【請求項22】 標的生体分子が生物サンプル中に存在するか否かを決定す
    る方法であって、 (a)標的生体分子を有し得る生物サンプルを配置した支持体を準備する工程
    ; (b)生物サンプルをファージと接触させ、生物サンプル中に存在する標的生
    体分子のいずれかに該ファージが結合するような条件下で標的生体分子に特異的
    な結合タンパク質を外表面に配置し、それによって結合ファージを生じさせる工
    程; (c)該結合したファージが宿主に感染しうる条件下に、該ファージ用宿主及
    び該結合したファージ集団を置き、複製ファージを産生させる工程; (d)複製されたファージを検出する工程;および (e)もし複製されたファージが工程(d)において検出される場合、該生物
    サンプル中に該標的生体分子が存在すると判定する工程; を含んでなる方法。
  23. 【請求項23】 電気泳動により分離した生体分子の検出方法であって、 (a)電気泳動により分離した複数の生体分子を配置した固形マトリックスを
    得る工程; (b)該固形マトリックスをファージのコレクションと接触させる工程であっ
    て、その際、凝集状のファージコレクションがファージ発現結合タンパク質のコ
    レクションを含んでなるように該コレクション中の個々のファージがファージ発
    現結合タンパク質を有し、また、該固形マトリックスとファージコレクションの
    接触により、該生体分子と結合しないファージ集団と結合したファージ集団が生
    じる工程; (c)該結合しないファージ集団を除去し、電気泳動により分離した生体分子
    の位置に相当する固形マトリックスの位置に局在化した該結合したファージ集団
    を残す工程; (d)該結合したファージが宿主に感染しうる条件下に、該ファージ用宿主及
    び該結合したファージ集団を置き、複製されたファージの集団を産生させる工程
    ;および (e)該複製されたファージの集団を検出し、それによって電気泳動により分
    離した生体分子を同定する工程; を含んでなる方法。
  24. 【請求項24】 標的生体分子; 該標的生体分子に結合し得るファージ発現結合タンパク質保持ファージ、また
    は該標的生体分子に結合し得る、リンカーを介して接着されるタンパク質、リン
    カーを介さず接着されるタンパク質、または核酸と接着していることを特徴とす
    るファージであって、該ファージ発現結合タンパク質、該リンカー接着タンパク
    質、該非リンカー接着タンパク質もしくは該核酸が該標的生体分子に結合し、結
    合ファージを形成することを特徴とするファージ;および 該ファージが宿主に結合し感染しうる条件下において該ファージ用の宿主とな
    る宿主細菌細胞 を含んでなる生体分子複合体。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の生体分子複合体を支持体上に形成する工
    程を含んでなるアッセイにおいて標的生体分子を同定する方法。
  26. 【請求項26】 被検体の多型性(ポリモルフィズム)を同定する方法であ
    って、 被検体からポリヌクレオチド含有生体サンプルを調製する工程; 請求項24記載の生体分子複合体を形成して、その際に生物サンプルの該ポリ
    ヌクレオチドを標的生体分子とする工程;および 細菌細胞の溶菌を検出する工程 からなる方法。
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