JP2021099291A - 細胞外小胞の検出方法および細胞外小胞の検出キット - Google Patents

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章夫 黒田
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Abstract

【課題】細胞外小胞を含む試料から簡便かつ網羅的に細胞外小胞を検出する。【解決手段】細胞外小胞の検出方法であって、試料と、担体に担持されたペプチドとを接触させることによって複合体を形成させる複合体形成工程、細胞外小胞と特異的に結合する検出プローブと、複合体と、を接触させる反応工程、および、複合体と結合した検出プローブを検出する検出工程を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、細胞外小胞の検出方法および細胞外小胞の検出キットに関する。
細胞外小胞とは、ほとんどの細胞から分泌される直径20〜1000nm程度の、脂質二重膜に覆われた小胞である。細胞外小胞の例として、エクソソームまたは細菌から分泌される細菌メンブランベシクル等が知られている。細胞外小胞の内部には、マイクロRNA(miRNA)等の核酸およびタンパク質等、分泌元の細胞固有の情報が高度に保存されている。細胞外小胞は多くの細胞種において、近接または遠距離細胞間のコミュニケーションに関与することが知られており、がん等の様々な疾患に関与する細胞からも分泌されている。近年、細胞外小胞の1つであるエクソソームが、がん細胞から分泌され、がんの悪性化および転移に深く関わっていることが明らかとなった。これにより、細胞外小胞の分析技術の向上が求められている。
細胞外小胞の分析技術のうち、従来一般的な検出方法としては、細胞外小胞が内包する総タンパク質の質量で代替する方法、またはナノトラッキング法による粒子解析等が挙げられる。しかし、これらの方法は超遠心法等で一度、細胞外小胞を精製するのが好ましい。
また、その他の検出方法として、細胞外小胞であるエクソソームをサンドイッチELISA法により検出する方法が挙げられる。この検出方法では、エクソソームのマーカーとして知られるCD9に対する抗体(抗CD9抗体)を固相化し、もう一つのエクソソームのマーカーであるCD63に対する抗体(抗CD63抗体)を標識して検出に用いることで、CD9およびCD63を合わせ持つエクソソームを相対的に定量する。
なお、特許文献1には、互いに近接した4つ以上のリジンを含むペプチドが、細胞外小胞の1つであるエクソソームに結合することを用いて、エクソソームを単離する単離方法が開示されている。
国際公開WO2019/039179号公報
しかしながら、上述した従来の細胞外小胞の検出方法は、以下の問題点を有している。超遠心法で細胞外小胞の精製を行う検出方法では、遠心操作に時間がかかり、大スケール化(大量精製)が困難である。また超遠心法は、細胞外小胞の回収率にバラツキがある。
また、サンドイッチELISA法を用いた検出方法は、例えばエクソソームを検出する場合、抗CD9抗体および抗CD63抗体等の2種類の抗体が必要となることから高コストとなってしまう。さらに、このようなサンドイッチELISA法はCD9およびCD63の、両方の発現量が一定以上のエクソソームを優先的に検出する。しかしながら、エクソソームは均一なものではなく、分化した細胞の種類および状態によって多様に変化することが知られている。例えば、CD9およびCD63はいずれもエクソソームのマーカーとして知られているが、エクソソームでの、CD9の発現量とCD63の発現量との相関はあまり高くないと考えられている。すなわち、比較的CD9の発現量が多いエクソソーム(CD9陽性エクソソーム)と、比較的CD63の発現量が多いエクソソーム(CD63陽性エクソソーム)とが存在する。CD63陽性エクソソームは、腫瘍化した細胞から多く分泌されることが知られている(参考文献:Ricklefs FL et al. J Extracell Vesicles. 2019;8(1);1588555)。しかし、抗CD9抗体を固相化したサンドイッチELISA法では、CD9陽性エクソソームのみ捕捉するため、検出結果に偏りが生じてしまう。
本発明の目的は、試料中の細胞外小胞を簡便かつ網羅的に検出する方法および検出キットを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、リン脂質との親和性が高いリジンまたはアルギニンを含むペプチドを用いることで、細胞外小胞を検出できることを見出した。
すなわち、本発明の一実施形態は、以下のような構成である。
〔1〕試料中に含まれる細胞外小胞を検出する、細胞外小胞の検出方法であって、前記試料と、互いに近接した8つ以上のリジンまたは互いに近接した8つ以上のアルギニンの何れか1つ以上を含むペプチドが担持された担体と、を接触させることによって、前記細胞外小胞と前記担体に担持された前記ペプチドとが結合してなる複合体を形成させる複合体形成工程と、前記細胞外小胞と特異的に結合する検出プローブと、前記複合体形成工程によって得られた前記複合体と、を接触させる反応工程と、前記複合体と結合した前記検出プローブを検出する検出工程と、を含む、細胞外小胞の検出方法。
〔2〕前記検出プローブは、前記細胞外小胞が有する2種類以上の標的分子と、それぞれ特異的に結合する2種類以上の結合分子を含み、前記検出工程では、2種類以上の前記結合分子をそれぞれ独立に検出する、〔1〕に記載の細胞外小胞の検出方法。
〔3〕前記検出プローブには、標識物質が結合している、〔1〕または〔2〕に記載の細胞外小胞の検出方法。
〔4〕前記担体は、ビーズである、〔1〕から〔3〕何れか1つに記載の細胞外小胞の検出方法。
〔5〕前記担体は、ウェルプレートのウェル内表面である、〔1〕から〔3〕の何れか1つに記載の細胞外小胞の検出方法。
〔6〕前記細胞外小胞は、エクソソームであり、前記検出プローブは、抗CD9抗体、抗CD63抗体および抗CD81抗体の少なくとも何れか一つを含む、〔1〕から〔5〕の何れか1項に記載の細胞外小胞の検出方法。
〔7〕〔1〕から〔6〕の何れか1つに記載の細胞外小胞の検出方法を行うための、細胞外小胞の検出キットであって、前記ペプチドおよび前記検出プローブを含む、細胞外小胞の検出キット。
本発明の一実施形態によれば、試料中の細胞外小胞を簡便かつ網羅的に検出する方法および検出キットが実現できる。
実施例1に係る検出方法の手順の概要を示す図である。 実施例1に係る検出方法により検出されたエクソソーム量の結果を示す図である。 実施例2に係る検出方法の手順の概要を示す図である。 実施例2に係る検出方法により検出されたエクソソーム量の結果を示す図である。 実施例3に係る検出方法の手順の概要を示す図である。 実施例3に係る検出方法により検出されたエクソソーム量の結果を示す図である。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。本発明はまた、異なる実施形態および実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態および実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意図する。
本明細書中では、用語「ペプチド」は、「ポリペプチド」と交換可能に使用され、ペプチド結合によってアミノ酸2個以上が結合した化合物を意味する。また、「ペプチド結合」は、アミノ酸におけるα位のアミノ基とカルボキシル基との結合だけではなく、アミノ酸の側鎖に含まれるアミノ基と、α位のカルボキシル基との結合についても含む。ここで、アミノ酸の側鎖に含まれるアミノ基が、リジンにおけるε位のアミノ基である場合のペプチド結合を「イプシロン結合」という。本明細書中では、アミノ酸の表記は、適宜IUPACおよびIUBの定める1文字表記または3文字表記を使用する。
〔1.細胞外小胞の検出方法〕
本発明の一実施形態に係る細胞外小胞の検出方法(以下、適宜「本発明の検出方法」という。)は、試料中に含まれる細胞外小胞を検出する、細胞外小胞の検出方法であって、
前記試料と、互いに近接した8つ以上のリジンまたは互いに近接した8つ以上のアルギニンの何れか1つ以上を含むペプチドが担持された担体と、を接触させることによって、前記細胞外小胞と前記担体に担持された前記ペプチドとが結合してなる複合体を形成させる複合体形成工程と、
前記細胞外小胞と特異的に結合する検出プローブと、前記複合体形成工程によって得られた前記複合体と、を接触させる反応工程と、
前記複合体と結合した前記検出プローブを検出する検出工程と、を含んでいる。
本発明の一実施形態に係る細胞外小胞の検出方法は、前記構成とすることから、少なくとも以下の(1)〜(3)の効果を奏する。
(1)超遠心機等を使用する必要がないため、短時間に、かつ、簡便に、細胞外小胞を検出できる。
(2)互いに近接した8つ以上のリジンまたは互いに近接した8つ以上のアルギニンの何れか1つ以上を含むペプチドが、細胞外小胞の脂質二重膜と結合することで、細胞外小胞を捕捉する。従来技術では、細胞外小胞を捕捉する捕捉物質として、細胞外小胞に含有される表面マーカー等の標的分子に対し、特異的に結合する抗体等の結合分子を用いていた。結合分子は、捕捉物質として用いられるだけでなく、補足された細胞外小胞を検出するための検出プローブとしても用いられる。したがって、高コストな抗体を捕捉物質および検出プローブとして用いる従来技術よりも、捕捉物質としてペプチドを用いることで、低コストで細胞外小胞を検出できる。
(3)互いに近接した8つ以上のリジンまたは互いに近接した8つ以上のアルギニンの何れか1つ以上を含むペプチドが、細胞外小胞の脂質二重膜と結合することで、細胞外小胞を捕捉する。そのため、細胞外小胞が有する標的分子の種類に関係なく、細胞外小胞を捕捉できる。したがって、細胞外小胞が有する標的分子の種類を問わず、網羅的に細胞外小胞を検出できる。
さらに、本発明の検出方法では、細胞外小胞が有する2種類以上の標的分子と、それぞれ特異的に結合する2種類以上の結合分子を検出プローブとして使用してもよい。この場合、当該2種類以上の結合分子をそれぞれ独立に検出して、検出された細胞外小胞全体における、それぞれの標的分子を有する細胞外小胞の割合を求めることができる。
細胞外小胞の簡便かつ網羅的な検出が実現すれば、例えば、(1)細胞外小胞の生理作用等の機能解析、および(2)細胞外小胞のバイオマーカー(細胞外小胞由来のタンパク質、miRNA等の核酸)としての利用等が大きく発展することが期待される。
細胞外小胞は細胞が細胞外に放出する膜小胞であり、内部にはmiRNA等の核酸およびタンパク質等、分泌元の細胞固有の情報が高度に保存されている。細胞外小胞は細胞から分泌されて目的の細胞へと運ばれ、細胞間のコミュニケーションに関与すると考えられている。
現在、細胞外小胞はエクソソームまたは細菌メンブランベシクル等が知られている。エクソソームは、様々な細胞から分泌される直径50〜150nm程度の膜小胞であり、がん、アルツハイマー病、心筋梗塞、脳梗塞、および感染症等、幅広い疾患の治療への応用が期待されている。一方、細菌メンブランベシクルはグラム陽性菌、グラム陰性菌、病原性細菌および常在細菌等、様々な細菌から分泌される、直径20〜400nm程度の膜小胞である。細菌メンブランベシクルは細菌の病原性および生物間相互作用等に寄与し、細胞表面と類似の構造を持つことから免疫調節にも関与することが知られている。
例えば、細胞外小胞の1つであるエクソソームの簡便かつ網羅的な検出が可能となれば、がんの診断において有用であると期待される。現在、エクソソームを介した細胞間コミュニケーションが、正常細胞の分化、がん細胞の転移、がん細胞の薬剤耐性獲得等に関わる可能性を示す報告が多くなされている。そのため、エクソソームをがんの予防・診断・治療に用いた研究が活発に行われており、中でもがんの診断分野への応用が期待されている。
従来のがんの診断方法は、がん組織を直接採取する生検法が主流であり、侵襲性が高いため、患者の負担が大きかった。また、そもそも膵臓がん等の生検そのものが難しいがん種も多い。そのため、血液等の体液を用いた間接的な生検が求められており、体液中のエクソソームから診断情報が得られれば、非常に有用ながんの診断方法となり得る。その際、エクソソームの検出・定量結果は非常に重要な情報となる。
さらに、本発明の検出方法により、異なる標的分子を有する細胞外小胞を定量することができれば、より応用可能な範囲が広がることが期待できる。例えば、比較的CD63の発現量が多いエクソソーム(CD63陽性エクソソーム)は、比較的CD9の発現量が多いエクソソーム(CD9陽性エクソソーム)と比較して、腫瘍化した細胞から多く分泌されることが知られている。そこで、標的分子をCD63として、CD63陽性エクソソームを定量することで、がん診断ツールとしてのより効果的な利用が期待できる。
以下では、本発明の一実施形態に係る細胞外小胞の検出方法に用いられる材料についてまずは説明し、続いて、細胞外小胞の検出方法の各工程について説明する。
〔1−1.材料〕
(試料)
本発明の検出方法において、「細胞外小胞を含む試料」(本明細書中では、単に「試料」とも称する。)とは細胞外小胞を含む混合物であれば、その他の構成は特に限定されない。細胞外小胞としては例えば、エクソソームまたは細菌メンブランベシクル等が考えられる。そのため、細胞外小胞を含む試料としては例えば、エクソソームまたは細菌メンブランベシクルを含む生物学的試料が挙げられる。
本明細書中では、「生物学的試料」とは、生物の体内から採取された検体を意味する。生物学的試料としては、例えば、血液、血漿、血清、唾液、尿、涙液、汗、母乳、羊水、脳脊髄液(髄液)、骨髄液、胸水、腹水、関節液、眼房水、硝子体液等が含まれるがこれらに限定されない。生物学的試料の選択は、目的に応じて、当業者により適宜設定され得る。例えば、採取の容易さの観点からは、血液、血漿、血清、唾液、尿等が好ましく用いられる。
本発明の一実施形態では、生物学的試料の由来は、細胞外小胞を保有する生物種由来であれば別段限定されない。生物学的試料の由来となる生物種としては、例えば哺乳類が好ましい。哺乳類の例としては、マウス(Mus musculus)、ウシ(Bos Taurus)、ヒト(Homo sapiens)等が挙げられる。
また、細胞外小胞を含む試料としては、細菌メンブランベシクルを含む試料である場合、細菌メンブランベシクルを産生する細菌として、グラム陰性細菌では、Acinetobacter baumannii、Bacteroides succinogences、Escherichia coli、Helicobacter pylori、Pseudomonas aeruginosa等が知られており、グラム陽性細菌では、Bacillus subtilis、Clostridium perfringens、Staphylococcus aureus、Streptomyces coelicolor等が知られている。したがって、細胞外小胞を含む試料は、例えばこれらの細菌の培養上清等であってよい。
(ペプチド)
本発明の単離方法において利用するペプチド(以下、適宜「本発明のペプチド」という。)は、互いに近接した8つ以上のリジン(「リシン」ともいう。)または互いに近接した8つ以上のアルギニンの何れか1つ以上を含むペプチドであって、試料中の細胞外小胞と結合することができる。
本発明のペプチドの説明における「互いに近接した」とは、本発明のペプチドを構成するリジンまたはアルギニン同士が互いに隣接している(言い換えれば、連続している)か、または互いのリジンまたはアルギニンの間に、1〜5個(より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1個)のリジンまたはアルギニン以外のアミノ酸を含んでいることを意味する。
本発明の発明者らは、本発明のペプチドが、互いに近接した8つ以上のリジンまたは互いに近接した8つ以上のアルギニンの何れか1つ以上を含むことによって、本発明のペプチドは細胞外小胞と結合できることを見出した。
本発明は特定の理論に制限されるものではないが、本発明のペプチドは、リジンおよびアルギニンが正電荷を有しており、細胞外小胞の膜であるリン脂質のリン酸を認識して結合していると考えられる。さらに、1つのリン脂質に対し1つのリジンまたはアルギニンの正電荷が結合するため、複数のリン脂質に対し同時に複数の正電荷が結合することで、本発明のペプチドは比較的強固に細胞外小胞と結合できると発明者らは考えている。したがって、本発明のペプチドは、いかなる細胞外小胞であっても結合できると考えられる。
本発明のペプチドは、互いに近接した8つ以上のリジンまたは互いに近接した8つ以上のアルギニンの何れか1つ以上を含む限り、その他の構成は特に限定されず、リジンまたはアルギニンのみからなるペプチドであってもよく、リジンまたはアルギニン以外のアミノ酸を含むペプチドであってもよい。さらには、本発明のペプチドは糖鎖またはイソプレノイド基等のペプチド以外の構造をさらに含む複合ペプチドであってもよい。本発明のペプチドに含まれるアミノ酸は修飾されていてもよい。また本発明のペプチドに含まれるアミノ酸はL型であっても、D型であってもよい。
本発明のペプチドは、当該分野において公知の任意の手法に従って容易に作製され得、例えば、ペプチドの発現ベクターが導入された形質転換体によって発現されても、化学合成されてもよい。すなわち、本発明のペプチドをコードするヌクレオチドもまた、本発明の範囲内である。化学合成法としては、固相法または液相法を挙げることができる。固相法において、例えば、市販の各種ペプチド合成装置(Model MultiPep RS (Intavis AG) 等)を利用することができる。また市販されているポリリジンまたはポリアルギニンを本発明のペプチドとして利用可能である。市販されているポリリジンは、特に限定されるものではないが、後述する実施例において利用したポリ−L−リジン(分子量4000〜15000、シグマアルドリッチ社)等が挙げられる。また、市販されているポリアルギニンについても、特に限定されるものではないが、ポリ−L−アルギニン(分子量5000〜15000、シグマアルドリッチ社)等が挙げられる。
本発明のペプチドは、最小で8つのリジンからなり得るため、本発明のペプチドの分子量の下限は1043.38[=(146.19×8)−(18.02×7)]であるといえる。本発明のペプチドの分子量の上限は特に限定されるものではないが、溶解性および粘度等の操作性の観点からは300000程度が上限であるといえる。
本発明のペプチドは、単一の分子量を有するペプチドからなるものであっても、それぞれ異なった分子量を有するペプチドの混合物からなるものであってもよい。
(担体)
本発明の検出方法において利用する担体(以下、適宜「本発明の担体」という。)は、本発明のペプチドを担持可能な担体を意味する。本発明の担体は、細胞外小胞に結合した本発明のペプチドと結合し細胞外小胞−本発明のペプチド−本発明の担体の順で結合した複合体を形成し得る。
本発明の検出方法では、担体を用いることによって、細胞外小胞を含む複合体を効率的かつ簡便に検出することが可能となる。
担体は、本発明のペプチドを直接的または間接的に担持(保持)できる構造物であれば、その他の構成は特に限定されない。本発明の担体としては、担体に結合する本発明のペプチドの機能を弱めない支持体であることが好ましい。本発明の担体は例えば、ガラス、ナイロンメンブレン、ウェルプレートおよび半導体ウェハー等であってもよく、ラテックス粒子、セルロース粒子、セファロースビーズ、マイクロビーズ、シリカビーズ、および磁性ビーズ等の各種ビーズであってもよい。このような各種ビーズが、70〜130μmの大きさのビーズであれば、一般的なフローサイトメータの流路を流れることができる。そのため、本発明の担体がこのような大きさのビーズであれば、フローサイトメータによる検出に好適に用いることができる。また、フローサイトメータで用いるビーズは、ビーズの識別のためあらかじめ蛍光標識されていてもよい。
本発明の担体としては、細胞外小胞を含む複合体の固相化および細胞外小胞の検出を容易に行うことができるという点で、特にビーズまたはウェルプレートのウェル内表面であることが好ましい。磁性ビーズまたはウェルプレートはタンパク質、DNA、細胞等の解析において広く使用されており、当業者であれば十分に理解し得る担体である。
(本発明のペプチドと本発明の担体との結合方法)
上述したように、本発明のペプチドと本発明の担体とは結合することによって、本発明のペプチドを本発明の担体が担持することが可能である。
本発明の一実施形態においてペプチドと担体との結合方法は、別段限定されず、適宜、周知の方法を用いることができる。例えば、ウェルプレートのウェル内表面に本発明のペプチドを直接固相化する方法等が挙げられる。
また、ペプチドと担体との結合は直接的であっても間接的であってもよい。例えば、ビオチンを結合させた本発明のペプチドと、ストレプトアビジンを結合させた本発明の担体とを用い、ビオチンとストレプトアビジンとの結合を介して、ペプチドと担体との間接的な結合を形成することが可能である。ストレプトアビジンは4量体を形成しているので、1つの「担体に結合したストレプトアビジン」に対して4つの「ペプチドに結合したビオチン」が結合することができる。つまり本発明の担体がストレプトアビジンを1つ有している場合、本発明の担体1つに対して本発明のペプチドが4つ結合していることになる。それゆえ、本発明の担体は4つの本発明のペプチドを介して1つ以上の細胞外小胞に結合することができる。そのため、本発明の担体と細胞外小胞との結合力が極めて高くなるか、または、本発明の担体は複数の細胞外小胞と結合できる。
ペプチドにビオチンを結合する方法、言い換えればビオチンが結合したペプチド(本明細書中では、適宜「ビオチン標識ペプチド」ともいう。)を作製する方法は特に限定されない。例えば、ビオチンとペプチドとを直接結合させてもよく、間接的に結合させてもよい。ペプチドの構造およびそれに基づく機能をできるだけ正常に維持するという観点からは、ビオチンとペプチドとを間接的に結合させることが好ましい。ビオチンとペプチドとを間接的に結合させる場合には、例えば、本発明のペプチドに任意のリンカーを連結した後に、ペプチドと連結したリンカーに対してビオチンを結合させればよい。ペプチドの構造およびそれに基づく機能をできるだけ正常に維持するという観点からは、ペプチドはそのアミノ末端(N末端)および/またはカルボキシ末端(C末端)に、ビオチンと結合するためのリンカーを有することが好ましい。
リンカーは、ポリペプチドからなるリンカー(本明細書中では、「ペプチドリンカー」ともいう。)であってもよいし、ビオチンとペプチドとを連結することが可能な周知の架橋剤またはスペーサーアームであってもよい。
ペプチドリンカーの場合、リンカーの長さおよびそれを構成するアミノ酸の種類は、当業者により適宜設定され得る。ペプチドリンカーの長さは、別段限定されるものではなく、通常、1〜20個、好ましくは、1〜10個(例えば、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、1個)のアミノ酸からなるリンカーが使用される。また、ペプチドリンカーに用いられるアミノ酸の種類も、別段限定されるものではないが、例えば、グリシン(G)、セリン(S)、スレオニン(T)等が使用され得る。とりわけ、GGS、GGGS(配列番号1)、GGGGS(配列番号2)等のペプチドリンカー、および、これらが複数回繰り返されたペプチドリンカー(例えば、GGGSGGGS(配列番号3)、GGGSGGGSGGGS(配列番号4)等)が好ましく用いられる。
ビオチンとペプチドとを連結することが可能な周知の架橋剤としては、例えば、N−スクシンイミジルアミド、N−マレインイミド、イソチオシアネート、ブロモアセトアミド等が挙げられるがこれらに限定されない。
スペーサーアームとしては、周知のものであれば別段限定されないが、例えば、炭素鎖を含むスペーサーアームが用いられ、より好ましくは、炭素数6個の炭素鎖を有するhexanonateが用いられる。
担体と結合したストレプトアビジンを作製する方法は特に限定されない。例えば、担体とストレプトアビジンとを直接結合させてもよく、間接的に結合させてもよい。適宜、公知の手法に従って、担体と結合したストレプトアビジンを作製すればよい。なお、ストレプトアビジンを結合させた磁性ビーズは市販されており、例えばDynabeads(登録商標、
サーモフィッシャーサイエンティフィック社)等が知られている。
担体と結合するペプチドの種類は、一種類であってもよいし、複数種類の組み合わせであってもよい。複数種類のペプチドが組み合わせて用いられる場合、その組み合わせは別段限定されない。
(検出プローブ)
本発明の検出方法では、後述する反応工程において、複合体と検出プローブ(以下、適宜「本発明の検出プローブ」という。)とを接触させる。そして、後述する検出工程において、複合体と結合した本発明の検出プローブを検出することで、細胞外小胞を検出する。本発明の検出プローブは、細胞外小胞に結合する結合分子であれば、特に限定されず、例えば、細胞外小胞の表面抗原に特異的に結合し得る抗体等の結合分子が挙げられる。
細胞外小胞がエクソソームの場合では、エクソソームの表面マーカーとして知られるCD9、CD63またはCD81に特異的に結合する、抗CD9抗体、抗CD63抗体および抗CD81抗体等が本発明の検出プローブとなり得る。また細胞外小胞が細菌メンブランベシクルの場合では、細菌メンブランベシクルに結合することが知られているポリミキシンB等が本発明の検出プローブとなり得る。さらに、互いに近接した8つ以上のリジンまたは互いに近接した8つ以上のアルギニンの何れか1つ以上を含むペプチドが、本発明のペプチドとしてだけでなく、本発明の検出プローブとしても用いられてよい。
また、本発明の検出プローブは1種類の結合分子からなるものであってもよく、2種類以上の結合分子含むものであってもよい。本発明の検出プローブが、複数の異なる結合分子を含むことで、それぞれの結合分子が特異的に結合する標的分子を含む細胞外小胞を検出することができる。
また、本発明の検出プローブとしては、検出を容易に行うことができるという点で、標識物質が結合した結合分子を含むことが好ましい。標識物質は、周知のものであれば別段限定されないが、検出が容易な物質であることが好ましい。標識物質は、例えば、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)またはアルカリ・フォスファターゼ(AP)等が挙げられる。APはHRPに比べ、反応速度が一定であり、反応時間の延長で検出感度が向上されることがある。一方、HRPはAPに比べ、反応速度が速く、0℃以下でも安定に凍結保存できる。これら標識物質は酵素であり、検出試薬である基質を添加することで、検出プローブに結合した酵素により基質が酸化され、その際の発色を検出できる。抗体の酵素標識にはマレイミド基を導入した酵素を抗体のスルフヒドリル基に共有結合させる方法がよく用いられる。また、標識物質は蛍光物質であってもよい。このような蛍光物質としては、フルオレセイン等の蛍光色素またはアロフィコシアニン等の蛍光タンパク質等が考えられる。
また、ビオチン標識した検出プローブおよびHRP等の酵素が結合したアビジンまたはストレプトアビジンを用いてもよい。ビオチンはアビジンまたはストレプトアビジンと特異的に結合し、結合力も強いため、検出感度が高い。さらに、ビオチンは低分子であるため、ビオチンによる標識は立体障害を最小化することができる。
本発明の検出プローブが2種類以上の結合分子を含む場合、それぞれの結合分子にはそれぞれ異なる標識物質が結合していてもよい。2種類以上の結合分子に、それぞれ異なる標識物質が結合していれば、それぞれの結合分子が結合する標的分子を有する細胞外小胞の割合を容易に検出できる。なお、2種類以上の結合分子に同じ標識物質が結合していてもよい。
なお、検出プローブには標識物質が結合していなくてもよい。例えば、検出プローブに抗体が含まれている場合には、検出プローブの検出には標識物質が結合した2次抗体等を利用してもよい。
〔1−2.工程〕
(複合体形成工程)
本発明の検出方法に含まれる複合体形成工程(以下、適宜「本発明の複合体形成工程」という。)は、細胞外小胞を含む試料と、本発明の担体に担持された本発明のペプチドとを接触させることによって、前記細胞外小胞と前記担体に担持された前記ペプチドとが結合してなる複合体(細胞外小胞−本発明のペプチド−本発明の担体の順で結合した複合体。以下、適宜「本発明の複合体」という。)を形成させる複合体形成工程である。
細胞外小胞を含む試料と本発明の担体に担持された本発明のペプチドとを接触させる方法としては、試料中の細胞外小胞と本発明の担体に担持された本発明のペプチドとが結合し、本発明の複合体を形成できるような条件下で行われるものであれば、その他の方法は限定されない。例えば、本発明のペプチドを担持した本発明の担体に、試料を添加する方法、および、試料中に本発明の担体に担持された本発明のペプチドを添加し、混合させる方法等が挙げられる。
試料と本発明の担体に担持された本発明のペプチドとの接触時間は、本発明の複合体を形成するために十分な時間であれば限定されるものではなく、適宜最適な条件を検討の上、決定され得る。
(反応工程)
本発明の検出方法に含まれる反応工程(以下、適宜「本発明の反応工程」という。)は、細胞外小胞と特異的に結合する本発明の検出プローブと、複合体形成工程によって得られた本発明の複合体と、を接触させて、本発明の複合体と本発明の検出プローブとを結合させる工程である。
本発明の複合体と本発明の検出プローブとを結合させる方法としては、本発明の複合体と本発明の検出プローブとが結合するような条件下で行われるものであれば、その他の方法は限定されない。例えば、本発明の複合体を含む容器に本発明の検出プローブを添加し、混合させる方法が挙げられる。
本発明の複合体と本発明の検出プローブとの接触時間は、複合体からエクソソームが解離するために十分な時間であれば特に限定されるものではない。
また、標識物質が結合している検出プローブを用いる場合、本発明の複合体と検出プローブとが結合する前に、標識物質が検出プローブに結合してもよい。また、本発明の複合体と検出プローブとが結合した後に、標識物質が検出プローブに結合してもよい。標識物質と検出プローブとを結合させる方法としては、標識物質と検出プローブとが結合するような条件下で行われるものであれば、その方法は限定されない。例えば、本発明の検出プローブを含む容器に標識物質を添加し、混合させる方法が挙げられる。
(検出工程)
本発明の検出方法に含まれる検出工程(以下、適宜「本発明の検出工程」という。)は、本発明の複合体と結合した本発明の検出プローブを検出する工程である。
本発明の検出プローブを検出する方法としては、本発明の検出プローブが検出されるような条件下で行われるものであれば、その他の方法は限定されない。また、検出プローブに標識物質が結合している場合、標識物質を検出する方法でもよい。検出工程で用いられる方法としては、フローサイトメータ、吸光度測定、蛍光測定、発光測定等が挙げられる。検出工程で用いられる方法は、本発明の検出プローブ等を考慮し、適宜最適な条件を検討の上、決定され得る。
例えば、HRPが結合した検出プローブを用いた場合、例えば、TMB(3,3',5,5'-Tetramethyl benzidine)のような発色基質を基質として使用し検出を行う。TMBを基質として用いた場合、HRPによって過酸化水素が分解され、生じた活性酸素がTMBを酸化する。その結果合成された酸化型色素は酸化によって450nm付近に吸光ピークを有する呈色を示すため、プレートリーダーで測定することで、本発明の検出プローブを検出できる。
さらに、HRPが結合した検出プローブを用いて、発光基質を添加し検出する方法も考えられる。発光基質を基質として用いた場合、発色基質の場合と同様にHRPと発光基質を反応させた後にルミノメーターで発光を測定することで、本発明の検出プローブを検出できる。
本発明の検出方法は、上述した複合体形成工程、反応工程および検出工程以外の工程が含まれていてもよい。その他の工程としては、例えば洗浄工程が挙げられる。
(洗浄工程)
本発明の検出方法には、反応工程の前および検出工程の前等に、さらに洗浄工程が含まれていることが好ましい。
洗浄工程は、本発明の検出プローブが結合する前または後の本発明の複合体を、適当な洗浄液を用いて、適当な回数洗浄する工程である。洗浄工程は、当該複合体が解離しない条件下で行われるものであれば、使用される洗浄液の種類および洗浄回数等は特に限定されない。
洗浄工程で使用される洗浄液としては、例えば、生理食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline、PBS)が挙げられる。
〔2.細胞外小胞の検出キット〕
本発明の一実施形態に係る細胞外小胞の検出キット(以下、適宜「本発明のキット」という)は、上述した本発明の検出方法を行うためのキットであって、上述した本発明のペプチドおよび本発明の検出プローブ、を含む。よって、キットの構成の説明については、〔1.細胞外小胞の検出方法〕の説明が援用可能である。
本発明のキットには、上述した本発明の担体が含まれていてもよい。そして、本発明のキットに含まれる本発明のペプチドおよび本発明の担体は、本発明のペプチドが本発明の担体に予め担持された状態で本発明のキットに含まれていてもよいし、それぞれが別体として含まれていてもよい。
さらに、本発明のキットには、本発明のプローブに結合する標識物質が含まれていてもよい。本発明のプローブに標識物質が含まれる場合、本発明のプローブは標識物質が予め結合した状態で本発明のキットに含まれていてもよいし、それぞれが別体として含まれていてもよい。
また、本発明のキットには、本発明の担体としてウェルプレートおよびビーズ等が含まれていてもよい。本発明のキットに含まれる本発明の担体が磁性ビーズである場合、当該磁性ビーズにはストレプトアビジンが固定化されていてもよく、また本発明のキットにはさらに、マグネティックスタンド等の磁性体およびビオチン等が含まれていてもよい。
また本発明のキットには、前記の構成の他に、特定の材料を内包する容器(例えば、ボトル、チューブ、ディッシュ等)が含まれていてもよい。本発明のキットは、希釈剤、溶媒、洗浄液またはその他の試薬を内包した容器を備え得る。本発明のキットの説明において使用される用語「備えた(備えている)」は、キットを構成する個々の容器のいずれかの中に内包されている状態が意図され得る。
また本発明のキットは、本発明の検出方法を実施するための説明書を備えていてもよい。
以下、実施例により本発明の一実施形態をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また、本発明では細胞外小胞としてエクソソームを使用しているが、本発明はエクソソーム以外の細胞外小胞においても実施可能である。
<1.ポリリジンが担持された担体を用いた培養上清からのエクソソームの検出>
〔材料および方法〕
(試料の調製)
エクソソームの多産生株として知られている乳がんの細胞株MCF−7(JCRB細胞バンク)を用いて、以下の方法により試料の調製を行った。培地はDMEM培地(Dulbecco's modified Eagle medium、Thermo Fisher Scientific社)を用いた。
(1)ディッシュ中で、MCF−7細胞を10mLのDMEM培地に播種し(1.0×10cells/mL)、37℃、5%COの条件で培養を行った。DMEM培地には予め、10%(v/v)非働化ウシ胎児血清(HyClone FBS、GE Healthcare社)、100units/mLペニシリン(ナカライテスク社)、および0.1mg/mLストレプトマイシン(Meiji Seikaファルマ社)を添加した。
(2)細胞がディッシュの培養面積に対して50〜80%になるまで培養した。
(3)3mLのPBS(ナカライテスク社)をゆっくりと添加してディッシュ全体に行き渡らせた後、PBSを取り除いた(洗浄工程)。
(4)(3)の洗浄工程を2回行い、ディッシュからFBS由来のエクソソームを取り除いた。
(5)ディッシュに10mLのAdvanced DMEM培地(Thermo Fisher Scientific社)を添加してMCF−7細胞の培養を行った。24時間培養後、エクソソームが含まれる培養上清を回収した。
(6)回収した培養上清を2000×gで10分間遠心分離して、培養上清中のディッシュから剥がれた細胞を取り除いた。
(7)培養上清を10000×gで30分間遠心分離して、培養上清中のデブリを取り除いた。
(8)培養上清を0.22μmフィルターで濾過し、試料(以下、「上清サンプル」という。)とした。上清サンプルは、必要に応じて−80℃で保存した。
(ポリリジンが担持された担体を用いたエクソソームの検出)
本発明の実施例1として、ポリリジン(互いに近接した8つ以上のリジンを含むペプチド)を担持した担体(ポリリジン固定担体)を用いて、上清サンプルからのエクソソームの検出を行った。ポリリジン固定担体は、ポリリジン(分子量30〜70kDa)を、従来一般的な方法で96ウェルマイクロプレートに固定化して作製した。
ポリリジン固定担体を用いた検出方法について、図1を参照して以下に説明する。
(1)10μLの上清サンプルに、90μLのBW Buffer(ExoIntact Exosome精製試薬キット付属、HMTバイオメディカル株式会社)を添加して、100μLに希釈した上清サンプルを測定サンプル1とした。
(2)同様に5μL、2μL、1μLの上清サンプルに、100μLになるまでBW Bufferを添加して希釈し、それぞれ希釈した上清サンプルを測定サンプル2〜4とした。
(3)上清サンプルを含まない100μLのBW Bufferを、陰性コントロールの測定サンプル5とした。
(4)上記測定サンプル1〜5をポリリジン固定担体であるウェルプレートにそれぞれ添加し、2時間静置することで、ポリリジン固定担体と上清サンプルを結合させた。
(5)300μLの洗浄バッファー(1×)(CD9/CD63ELISAキット付属、コスモ・バイオ社)で3回洗浄した後、100μLのブロッキング溶液を添加して2時間静置でブロッキングを行った。ブロッキング溶液は、一般的な組成のものを用いた。
(6)300μLの洗浄バッファー(1×)で3回洗浄した後、100μLのHRP標識抗CD63抗体溶液(CD9/CD63ELISAキット付属、コスモ・バイオ社)を添加して2時間静置で反応させた。
(7)300μLの洗浄バッファー(1×)で3回洗浄した後、100μLの発色基質(CD9/CD63ELISAキット付属、コスモ・バイオ社)を添加して10分間発色反応させ、50μLの停止液(CD9/CD63ELISAキット付属、コスモ・バイオ社)を添加して発色反応を停止させた。
(8)プレートリーダー(ARVO MX 1420、パーキンエルマー社)で波長450nmの吸光度(A450)を測定した。
〔結果〕
図2に、測定サンプル1〜5のエクソソーム濃度の測定結果を示す。図2で示すように、上清サンプルの量に略比例して、A450の値が増加していることが示された。つまり、ポリリジン固定担体を用いることで、上清サンプルに含まれるCD63陽性エクソソームを検出および定量できることが示された。
<2.ポリリジンが担持された担体を用いたエクソソームのマーカー解析>
〔材料および方法〕
(ポリリジンが担持された担体を用いたエクソソームのマーカー解析)
本発明の実施例2として、ポリリジンが担持された担体を用いてエクソソームのマーカー解析を行った。エクソソームを検出する試料は、<1.ポリリジンが担持された担体を用いた培養上清からのエクソソームの検出>で使用した上清サンプルを用いた。また、ポリリジンが担持された担体は、<1.ポリリジンが担持された担体を用いた培養上清からのエクソソームの検出>で使用したポリリジン固定担体を用いた。
具体的な方法について、図3を参照して以下に説明する。
(1)2μLの上清サンプルに、98μLのBW Bufferを添加して、100μLに希釈した。
(2)希釈した上清サンプルをポリリジン固定担体であるウェルプレートに添加し、2時間静置することで、ポリリジン固定担体と上清サンプルとを結合させた。
(3)300μLのBW Bufferで3回洗浄した後、100μLのブロッキング溶液を添加し、2時間静置してブロッキングを行った。
(4)ビオチンが結合した抗CD9抗体(CD9 Antibody(MEM-61)Biotin、Novus Biologicals社)、またはビオチンが結合した抗CD63抗体(Anti-CD63、Monoclonal Antibody (3-13)、ビオチン結合、富士フィルム和光純薬社)を、それぞれブロッキング溶液で希釈し20μg/mLに調整して検出溶液とした。
(5)300μLのBW Bufferで3回洗浄した後、100μLの検出溶液をそれぞれ添加して1時間静置で反応させた。
(6)ストレプトアビジン−HRP(Pierce High Sensitivity Streptavidin-HRP、Thermo Fisher Scientific社)をブロッキング溶液で希釈し、3.75μg/mLに調整して標識溶液とした。
(7)300μLのBW Bufferで3回洗浄した後、100μLの標識溶液を添加して1時間静置で反応させた。
(8)300μLのBW Bufferで3回洗浄した後、100μLの発光基質(ELISA-Starペルオキシダーゼ化学発光基質、富士フィルム和光純薬社)を添加して1分間反応させ、プレートリーダーで発光値を測定した。
〔結果〕
図4に示すように、本発明の一実施形態に係る検出方法によれば、CD9陽性エクソソームおよびCD63陽性エクソソームの両方を検出できることが示された。また、実施例2で用いた上清サンプルを用いた場合、CD63陽性エクソソームの発光値は、CD9陽性エクソソームの発光値の約2倍高いことがわかった。これは、当該上清サンプルにはCD9陽性エクソソームよりもCD63陽性エクソソームが多く含まれていることを示唆している。このように、本発明の一実施形態に係る検出方法によれば、上清サンプルに含まれるCD9陽性エクソソームとCD63陽性エクソソームとの割合を求めることができることが示された。
したがって、ポリリジン固定担体および異なる複数の抗体を用いることで、各抗体に対してそれぞれ特異的に結合するエクソソームを検出し、それぞれのエクソソームの割合を求めることができると示された。
<3.R8固定化磁性ビーズによる多様なエクソソームの検出>
〔材料および方法〕
(アルギニンが担持された磁性ビーズの作製)
互いに近接した8つ以上のアルギニンを含むペプチドを磁性ビーズ(担体)に結合させ(担持させ)、ペプチドが担持された磁性ビーズを作製した。
担体としては、ストレプトアビジンが固定化された磁性ビーズ(ExoIntact Exosome精製試薬キット付属、HMTバイオメディカル株式会社)(本明細書中では、「ストレプトアビジン磁性ビーズ」ともいう。)を用いた。
ペプチドとしては、GGGSGGGSGGGS(配列番号4)からなるリンカーペプチドと、8個の連続したアルギニン残基からなる配列と、を含むペプチド(以下、「ポリアルギニンペプチド」という。)を使用した。本実施例で用いたアミノ酸は全てL型アミノ酸である。当該ポリアルギニンペプチドは、ストレプトアビジンを有する磁性ビーズ(担体)と結合するために、N末端にビオチンが結合されている。当該ビオチンが結合しているポリアルギニンペプチドを、以下、「ビオチン標識ポリアルギニンペプチド」と称する。なお、本実施例において使用したビオチン標識ポリアルギニンペプチドは、ユーロフィンジェノミクス社による受託合成により作製された。
本実施例において使用した、ビオチン標識ポリアルギニンペプチドの名称およびビオチン標識ポリアルギニンペプチドが有するポリアルギニンペプチドのアミノ酸配列は、以下の通りである。
1.BIOTIN−R8;GGGSGGGSGGGSRRRRRRRR(配列番号5)で示されるアミノ酸配列からなるペプチドのN末端をビオチンによって修飾したもの。
ビオチン−ストレプトアビジンの相互作用を利用して、具体的には以下の方法によって、ポリアルギニンペプチドが担持された磁性ビーズを作製した。
(1)20μL(0.2mg)のストレプトアビジン磁性ビーズを、1.5mLのマイクロチューブ(単に「チューブ」ともいう。)に加え、当該チューブをマグネットスタンドにセットして1分間静置し、上清を取り除いた。
(2)チューブをマグネットスタンドから外し、0.2mLのBW Bufferを添加し、混合した。チューブをマグネットスタンドにセットして1分間静置し、上清を取り除いた。当該(2)の操作(洗浄)を合計2回行った。
(3)チューブに200μLのBW Bufferを添加し、ストレプトアビジン磁性ビーズをBW Buffer中に再懸濁し、洗浄したストレプトアビジン磁性ビーズ(180μL)を得た。
(4)チューブに、20μLのビオチン標識ポリアルギニンペプチド(Biotin−R8;100μM)を加えた。
(5)チューブを室温で20分間混合し、ビオチン標識ポリアルギニンペプチドとストレプトアビジン磁性ビーズとを接触させることによって、ビオチン標識ポリアルギニンペプチドをストレプトアビジン磁性ビーズに結合させた(すなわち担持させた。)。
(6)チューブをマグネットスタンドにセットして1分間静置し、上清を取り除いた。
(7)前記(2)と同様の操作(洗浄)を合計3回行った。
(8)チューブに50μLのBW Bufferを添加し、ストレプトアビジン磁性ビーズをBW Buffer中に再懸濁し、ビオチン標識ポリアルギニンペプチドが担持されたストレプトアビジン磁性ビーズ(0.2mg/50μL)を得た。
本明細書中では、Biotin−R8を担持させたストレプトアビジン磁性ビーズを、「R8固定化磁性ビーズ」という。
(R8固定化磁性ビーズを用いたエクソソームの検出およびマーカー解析)
本発明の実施例3として、R8固定化磁性ビーズを用いてエクソソームの検出を行った。図5に、本発明の実施例3に係る検出方法の概要を示している。エクソソームを単離する試料は、<1.ポリリジンが担持された担体を用いた培養上清からのエクソソームの検出>で使用した上清サンプルを用いた。
具体的な方法について、以下に示す。
(1)0.2mLの上清サンプルに0.02mLのBinding Buffer(ExoIntact Exosome精製試薬キット付属、HMTバイオメディカル株式会社)を添加した。
(2)Binding Bufferを添加した上清サンプル220μLを含むチューブに、R8固定化磁性ビーズを8μL添加した。
(3)チューブを室温で、30分間混合させることによって、上清サンプル中のエクソソームとR8固定化磁性ビーズとを接触させ、ポリアルギニンペプチドにエクソソームを結合させた。すなわち、当該(2)の工程にて、エクソソームとポリアルギニンペプチドとストレプトアビジン磁性ビーズ(担体)とを含む複合体が形成された。
(4)チューブをマグネットスタンドにセットして1分間静置し、上清を取り除いた。
(5)次の操作を行い、複合体を洗浄した:(5−1)チューブをマグネットスタンドから外し、0.2mLのBW Bufferをチューブに添加して、混合した;(5−2)チューブをマグネットスタンドにセットして1分間静置し、上清を取り除いた。
(6)前記(5)の操作(洗浄)をさらに2回(合計3回)行い、200μLのBW Bufferに再懸濁した。
(7)得られた懸濁液を、CD9陽性エクソソームの検出用と、CD63陽性エクソソームの検出用とに分けて、それぞれ100μLずつ1.5mLチューブに分注した。また陰性コントロールとして、1.5mLチューブに、4μLのR8固定化磁性ビーズのみを分注したものを2本用意した。
(8)1.5mLチューブをマグネットスタンドに1分間静置した後、上清を取り除き、100μLのブロッキング溶液を添加して、20分間混和反応させた。
(9)さらに100μLの1次抗体溶液を添加して、30分間混和反応させた。1次抗体溶液としては、抗CD9抗体(Anti-CD9 Human (Mouse) Unlabeled 12A12、コスモ・バイオ社)、または抗CD63抗体(Anti-CD63、Monoclonal Antibody (3-13)、富士フィルム和光純薬社)を、それぞれブロッキング溶液で1000倍希釈したものを用いた。
(10)1次抗体溶液を添加して30分間反応後、マグネットスタンドに1分間静置し、上清を取り除き、0.1mLのTBS−T(TBS(pH7.4)に0.025% Tween 20を添加した溶液)で2回洗浄した。
(11)それぞれの1.5mLチューブをマグネットスタンドに1分間静置した後、上清を取り除き、100μLの2次抗体溶液を添加して、30分間混和反応させた。2次抗体溶液としては、Anti-Mouse-HRP(Goat Anti-Mouse IgG H&L (HRP)、ab97023、Abcam社)をブロッキング溶液で50000倍希釈したものを用いた。
(12)2次抗体溶液を添加して30分間反応後、1.5mLチューブをマグネットスタンドに1分間静置し、上清を取り除き、0.1mLのTBS−Tで3回洗浄した。
(13)1.5mLチューブをマグネットスタンドに1分間静置した後、上清を取り除き、0.04mLのTBS(pH7.4)に懸濁した。
(14)得られた懸濁液10μLに90μLの発光基質を添加して5分間反応後、プレートリーダーで発光値を測定した。
得られた発光値から、陰性コントロールの発光値を差し引いて、R8固定化磁性ビーズに結合したCD9陽性エクソソームまたはCD63陽性エクソソームの量を定量した。
〔結果〕
図6に示すように、本発明の実施例3では、R8固定化磁性ビーズで、CD9陽性エクソソームおよびCD63陽性エクソソームの両方を検出できることが分かった。したがって、ポリリジンペプチドを用いた場合に加え、ポリアルギニンペプチドを用いた場合でも、エクソソームの検出が可能であることが示された。
また、図6の結果より、ポリアルギニンペプチドを用いて、上清サンプルに含まれるCD9陽性エクソソームとCD63陽性エクソソームとの割合を求めることができることが示された。したがって、ポリアルギニンペプチドおよび複数の抗体を用いることで、各抗体に対してそれぞれ特異的に結合するエクソソームを検出し、それぞれのエクソソームの割合を求めることができると示された。
以上より、エクソソームを検出するためにポリアルギニンを用いれば、エクソソームを簡便に検出できることが示された。また、検出プローブとして異なる抗体を用いることで、各抗体に対してそれぞれ特異的に結合するエクソソームの割合についても求めることができることが示された。
本発明によると、簡便にかつ網羅的にエクソソームまたは細菌メンブランベシクル等の細胞外小胞を検出することができる。さらに、細胞外小胞に含まれる抗原等を複数用いることで、それぞれの抗原を有する細胞外小胞の割合を求めることができる。したがって、本発明は、種々の技術分野、とりわけ、製薬および医療分野等において有用である。

Claims (7)

  1. 試料中に含まれる細胞外小胞を検出する、細胞外小胞の検出方法であって
    前記試料と、互いに近接した8つ以上のリジンまたは互いに近接した8つ以上のアルギニンの何れか1つ以上を含むペプチドが担持された担体と、を接触させることによって、前記細胞外小胞と前記担体に担持された前記ペプチドとが結合してなる複合体を形成させる複合体形成工程と、
    前記細胞外小胞と特異的に結合する検出プローブと、前記複合体形成工程によって得られた前記複合体と、を接触させる反応工程と、
    前記複合体と結合した前記検出プローブを検出する検出工程と、を含む、細胞外小胞の検出方法。
  2. 前記検出プローブは、前記細胞外小胞が有する2種類以上の標的分子と、それぞれ特異的に結合する2種類以上の結合分子を含み、
    前記検出工程では、2種類以上の前記結合分子をそれぞれ独立に検出する、請求項1に記載の細胞外小胞の検出方法。
  3. 前記検出プローブには、標識物質が結合している、請求項1または2に記載の細胞外小胞の検出方法。
  4. 前記担体は、ビーズである、請求項1から3の何れか1項に記載の細胞外小胞の検出方法。
  5. 前記担体は、ウェルプレートのウェル内表面である、請求項1から3の何れか1項に記載の細胞外小胞の検出方法。
  6. 前記細胞外小胞は、エクソソームであり、
    前記検出プローブは、抗CD9抗体、抗CD63抗体および抗CD81抗体の少なくとも何れか一つを含む、請求項1から5の何れか1項に記載の細胞外小胞の検出方法。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の細胞外小胞の検出方法を行うための、細胞外小胞の検出キットであって、
    前記ペプチドおよび前記検出プローブを含む、細胞外小胞の検出キット。
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