JP2002540766A - cPLA2の結晶構造およびこれを用いたアゴニストおよびアンタゴニストの同定法 - Google Patents

cPLA2の結晶構造およびこれを用いたアゴニストおよびアンタゴニストの同定法

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    • C12N9/16Hydrolases (3) acting on ester bonds (3.1)
    • C12N9/18Carboxylic ester hydrolases (3.1.1)
    • C12N9/20Triglyceride splitting, e.g. by means of lipase

Abstract

(57)【要約】 本発明は、クリスタリンcPLAを提供する。cPLAの結晶構造もかかる物質を用いて解明された。この結晶構造に基づくモデルも提供する。cPLA活性および膜結合の阻害剤を同定する方法も開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) ロイコトリエンおよびプロスタグランジンは、喘息、関節炎および他の炎症性
疾患における重要な炎症メディエイタである。ロイコトリエンは、気管支収縮、
粘液分泌の増加および炎症細胞の化学誘引(O'Byrne, 1997)により、喘息患者に
おいて気管支閉塞を引き起こし、さらにプロスタグランジンは関節炎に伴う痛み
および浮腫を引き起こす。これらの脂質メディエイタの合成または活性のいずれ
かを遮断する薬理学的処置がヒトの疾患を治療するのに有効であり、かくしてそ
の重要性が確認される(Simon et al., 1998; O'Byrne, 1997)。
【0002】 細胞質ホスホリパーゼA(cPLA)は、細胞膜からアラキドン酸を放出
させることによりロイコトリエンおよびプロスタグランジンの産生を開始させる
。アラキドン酸はその後、シクロオキシゲナーゼ経路によりプロスタグランジン
に代謝され、5-リポキシゲナーゼ経路によりロイコトリエンに代謝される。ア
ラキドン酸の放出に付随して、リゾ−血小板溶解活性化因子(lyso-PAF)が形成
され、次いで、これはアセチル化されて喘息および関節炎の病態生理にも関連す
る分子(Venable et al., 1993)であるPAFを生成し得る。こうして、cPLA により触媒される反応が、これらのクラスの炎症メディエイタ:ロイコトリエ
ン、プロスタグランジンおよびPAFの産生を引き起こす。
【0003】 cPLAは、糖リン脂質のsn-2エステルを開裂する共通の能力を有する
ホスホリパーゼA酵素の多様なスーパーファミリーのメンバーである。特定さ
れる該ファミリーの第一メンバーは、細胞外または顆粒内のいずれかに分泌され
る低分子量の酵素(および、ここでひとまとめにしてsPLAs;グループI
、II、III、V、VIIおよびIXと呼ぶ)であった(Dennis, 1997)。P
LAファミリーは、クローニングならびにカルシウム依存性アラキドニル選択
的cPLA(Clark et al., 1991; Kramer et al., 1991)、カルシウム非依存
性PLA(Tang et al., 1997; Balboa et al., 1997)および血漿および細胞
内PAF-アセチルヒドロラーゼ(Hattori et al., 1994, 1995)の特徴づけによ
り拡張された。これらの新規酵素のそれぞれは、低分子量の酵素とは配列相同性
がなく、また、互いに配列相同性を有していない。さらに、リン脂質を開裂する
のに活性水を用いるsPLAsと異なり、これらの酵素は求核性のセリンを用
いると考えられる。この点において、それらはsPLAsよりもα/βヒドロ
ラーゼファミリーの他のリパーゼと共通している。cPLAの触媒領域と30
%の同一性を有する2つのさらなる酵素が近年クローニングされており、それら
はcPLAβ(C.Song et al., manuscript in preparation)およびcPLA
γ(Underwood et al., 1998)と名づけられた。 cPLAのクローニングは、米国特許第5,322,776、5,354,
677、5,527698および5,593,878にも記載されている。カル
シウム非依存性cPLAは、米国特許第5,466,595、5,554,5
11、5,589,170および5,840,511にも記載されている。
【0004】 多数の証拠により、脂質メディエイタ生合成におけるcPLAの主要な役割
が支持されている。cPLAは、sn-2位にアラキドン酸を含むリン脂質に
関して高度に選択的な唯一の酵素である(Clark et al., 1995; Hannel & Gelb,
1993)。cPLAの活性化またはその発現の増加は、ロイコトリエンとプロス
タグランジン合成増加とリンクしている(Lin et al., 1992b)。活性化に続いて
cPLAは核膜に転位し、そこでそれは、アラキドン酸をプロスタグランジン
およびロイコトリエンに代謝するシクロオキシゲナーゼおよびリポキシゲナーゼ
と共存させられる(Schievella et al., Glover et al., 1995)。これらのデータ
には強引なところがあるが、エイコサノイドおよびPAF産生におけるcPLA の主要な役割に関する最も決定的な証拠が、相同組換えによりcPLAを欠
いたマウスから得られた(Uozumi et al., 1997; Bonventre et al., 1997)。こ
れらの動物由来の腹腔マクロファージはロイコトリエン、プロスタグランジンま
たはPAFを作ることができなかった。cPLA欠損マウスは、喘息を模倣す
るのに用いられる過敏症モデルにおいて気管支活動亢進に耐性があるので、これ
らの欠損マウスは、疾患におけるcPLAの役割に関しても知識を与える(Uoz
umi et al., 1997)。
【0005】 cPLAは少なくとも2つの機能的に異なる領域:N末端Ca2+依存性脂
質結合(CaLB)領域およびCa2+非依存性触媒領域からなる(Nalefski et
al., 1994)。N末端CaLB領域はC2ファミリーのメンバーであり、その構造
は解明されており(Perisic et al., 1998; Xu et al., 1998);それは触媒領域
をその膜基質と共存させることによりカルシウム調節を媒介する(Nalefski et a
l., 1994)。cPLAの活性はさらに、触媒領域のリン酸化によっても調節さ
れる(Lin et al., 1991; Leslie, 1997)。Ser505およびSer727は全
種にわたって保存されており、多くの細胞型においてリン酸化されている(de Ca
rvalho et al., 1998)。MAP-キナーゼファミリーのメンバーによるSer5
05のリン酸化は、アラキドン酸を放出する細胞外刺激に対する共通の応答であ
る。Ser505のAlaへの変異により活性化が低下し(Lin et al., 1993)、
一方、Ser727における同様の変異は全く影響を持たない(Leslie, 1998)。
【0006】 数系統の証拠により、cPLAの触媒メカニズムがセリン-アシル中間体を
経て進行することが示唆されている(Trimble et al., 1993; Hanel & Gelb, 199
5)。Ser228の変異により、リン脂質、リゾリン脂質および脂肪性アシル化
クマリンを含む全基質に対するcPLAの活性が破壊される(Pickard et al.,
1996; Huang et al., 1996)。Ser228はペンタペプチド配列、G-L-S-
G-S(これは、いわゆるα/βヒドロラーゼと呼ばれる酵素の幅広いファミリー
中のほとんどのリパーゼに見出される古典的な「リパーゼモチーフ」G-X-S-
X-G(Schrag & Cygler, 1997)と類似している)中に存在する。 これらの酵素は、その鎖中にαヘリックスが散在している、よく保存された混
合βシートからなる共通の核を有する。全てのα/βヒドロラーゼにおいて、触
媒セリンは「求核性エルボー」と名づけられるβ鎖とαへリックスの間の堅いエ
ルボーに存在している(Schrag & Cygler, 1997を参照されたい)。この湾曲によ
り短いセリン側鎖がタンパク質の骨格から離れ、該残基についての立体障害が減
り、立体破壊を回避するのに+2および−2側鎖が小さくなること、つまり、G
-X-S-X-Gモチーフの普及が必要となる(Derewenda & Derewenda, 1991)。
【0007】 セリンに加えてα/βヒドロラーゼは、セリンプロテアーゼに存在しているも
のと類似する触媒トライアッド(triad)の他のメンバーとして、ヒスチジンと
酸(アスパルテート/グルタメート)を用いる(Schrag & Cygler, 1997)。しか
し、cPLAにおいて、Asp549が活性にとって重要であることが示され
たが、19ヒスチジン残基に関しては示されなかった(Pickard et al., 1996)。
異なる残基、Arg200は、その関与のメカニズムは未知のままであるが、酵
素プロセスにおいて役割を果たすものとして関係していた。これらの観察により
、cPLAがアシルヒドロラーゼの新規触媒メカニズムにより作用することが
示唆された。
【0008】 sPLAsおよびα/βヒドロラーゼファミリーのリパーゼの両方と同様に
、cPLAは、界面に存在している基質を優先的に開裂する(Nalefski et al.
, 1994)。界面活性化として知られるこの現象は、酵素における構造変化または
より好ましい基質の提示のいずれかよるものであると考えられている(Scott et
al., 1990)。単量体およびミセル基質に対するcPLAの活性の1500倍の
相違の原因はまだわかっていない。 炎症性疾患におけるcPLAの重要な役割にもかかわらず、その3次元構造
は未解明のままであり、多くの問題がまだ答えられずに残っている。ここに、我
々は、2.5Åの解像度でのヒトcPLAのx線結晶構造を示す。該構造はア
ラキドン酸の選択性と界面活性化の原因に洞察を与え、Ser228、Asp5
49およびArg200の役割を解明し、CaLBと触媒領域の間の相互作用を
明らかにする。重要なことには、該構造が独特のトポロジーであり、α/βヒド
ロラーゼファミリーのものとは異なっている。
【0009】 (発明の概要) 本明細書のcPLA中のアミノ酸に関する全ての言及は、米国特許出願第5
,527,698の表Iに見出される、1番目のメチオニンを残基1(Met1
)として明示する、cPLA配列に関して示す残基番号を用いて行われる。
【0010】 本発明は、クリスタリンcPLAを提供する。好ましくは、cPLAはヒ
トのcPLAか、非哺乳動物由来のcPLAのいずれかである。ある態様に
おいて、cPLAは組換えcPLAであり、および/または天然に生じるc
PLAの成熟配列を含む。 他の態様では、第二の化学物質と組み合わせてcPLAを含むクリスタリン
組成物が提供される。好ましくは第二の化学物質は、cPLA活性の潜在的な
阻害剤およびcPLAの膜結合の潜在的な阻害剤からなる群から選択される。
【0011】 さらに他の態様では、cPLAの構造を具体化しているデータセットからな
るcPLAの構造のモデルが提供される。好ましくは、該データセットは、お
そらくNBR分析によるものを含むcPLAの結晶学的分析により決定された
。ある態様においては、該データセットにより、cPLAの活性部位またはc
PLAのCaLB領域等を包含するcPLAの構造の一部が具体化される。
【0012】 本明細書中に開示される、またはクリスタリンcPLAの結晶学的分析から
得られる結晶学的および/またはNMRデータからのそのようなモデルを構築す
るために、いずれの有効な方法を用いてもよい。そのようなモデルは、HKL、
MOSFLM、XDS、CCP4、SHARP、PHASES、HEAVY、X
PLOR、TNT、NMRCOMPASS、NMRPIPE、DIANA、NM
RDRAW、FELIX、VNMR、MADIGRAS、QUANTA、BUS
TER、SOLVE、O、FRODO、RASMOLおよびCHAINのような
公知のソフトウェアパッケージを用いる有効な分析データポイントから構築する
ことができる。これらのデータから構築されたモデルは、次いで例えばSili
con Graphics、Evans and Sutherland、SU
N、Hewlett Packard、Apple Macintosh、DE
C、IBMおよびCompaqを含む有効なシステムを用いて視覚化することが
できる。本発明は、本発明のモデルの構築、加工および/または視覚化のために
使用される本発明のモデルおよびハードウェアを含むコンピューターシステムも
提供する。
【0013】 さらなる態様により、コンピューターハードウェアおよび本発明のモデルを含
むコンピューターシステムが提供される。 cPLAの活性または結合のアゴニストまたはアンタゴニストである種を同
定するための方法であって、(a)本発明のモデルを提供すること、(b)候補
となる種とそのようなモデルとの相互作用を研究すること、(c)該アゴニスト
またはアンタゴニストとして作用すると予想される種を選択することをとく著と
する方法も提供される。このような方法に従って同定される種も提供される。
【0014】 他の態様により、(1)cPLAの活性または結合を阻害する物質の同定法
であって、候補となる物質とcPLAの構造のモデルとの間の相互作用を測定
することを特徴とする方法または、(2)cPLAの活性または結合を模倣す
る物質の同定法であって、候補となる物質とcPLAの構造のモデルの間の相
互作用を測定することを特徴とする方法が提供される。このような方法に従って
同定される物質も提供される。
【0015】 候補となる種とモデルとの相互作用の研究は、QUANTA、RASMOL、
O、CHAIN、FRODO、INSIGHT、DOCK、MCSS/HOOK
、CHARMM、LEAPFROG、CAVEAT(UC Berkley)、CAVEA
T(MSI)、MODELLER、CATALYSTおよびISISを含む市販のソ
フトウェアプラットフォームを用いて行うことができる。
【0016】 他の態様により、合理的な薬物設計によりcPLA活性の阻害剤を同定する
方法であって、(a)cPLA活性部位の1またはそれ以上のアミノ酸と非共
有結合を形成する潜在的な阻害剤を、cPLAの結晶構造配位に基づき設計す
ること、(b)阻害剤を合成すること、および、(c)潜在的な阻害剤がcPL
の活性を阻害するかどうかを測定することを特徴とする方法が提供される。
このような方法に用いられるcPLAの結晶構造配位は好ましくは、a=15
3.59Å、b=95.49Åおよび、c=139.13Åを有する空間群P2 2のcPLA結晶から得られる。他の好ましい態様において、阻害剤は
、 Ser228のCBおよびOγ原子; Asp549およびAsp575のOδ1およびOδ2原子; Arg200、Arg413およびArg579のCB、CG、CD、NE、C
Z、NH1およびNH2原子; Trp393のバックボーンカルボニル酸素; Asn555のNδ2およびOδ1原子; Phe397、Phe681、Phe683およびPhe199の原子CD1、
CE1、CG、CZ、CE2およびCD2; Trp232およびTrp393のCG、CD1、NE1、CE2、CZ2、C
H2、CZ3、CE3およびCD2; Ser577のCBおよびOγ原子; Cys331の原子CBおよびSγ; Glu589の原子OE1およびOE2; Lys588の原子CB、CG、CD、CEおよびNZ; Thr680のOγ1原子; Glu418およびGlu422のOE1およびOE2原子; Met417の原子CB、CG、SDおよびCE; Leu400およびLeu421の原子CB、CG、CD1およびCD2; Ile424の原子CB、CG1、CG2またはCD1; Ala578のバックボーンNHおよびカルボニル酸素原子;ならびに His639の原子CB、CG、ND1、CE1、NE2およびCD2 からなる群から選択される1またはそれ以上の原子と相互作用するように設計さ
れる。 このような方法により同定されるアゴニストおよびアンタゴニストも提供され
る。
【0017】 cPLAの膜結合の阻害剤を、合理的な薬物設計により同定する方法であっ
て、(a)cPLA電子安定性パッチ領域において1またはそれ以上のアミノ
酸と非共有結合を形成する潜在的な阻害剤を、cPLAの結晶構造配位に基づ
き設計すること、(b)該阻害剤を合成すること、(c)潜在的な阻害剤がcP
LAの膜結合を阻害するかどうかを決定することを特徴とする方法も提供され
る。好ましくは、このような方法で用いられるcPLAの結晶構造配位は、a
=153.59Å、b=95.49Åおよびc=139.13Åを有する空間群
P22のcPLA結晶から得られる。他の好ましい態様において、阻害
剤は、Arg467、Arg485、Lys488、Lys544およびLys
543からなる群から選択される1またはそれ以上のアミノ酸と相互作用するよ
うに設計される。そのような方法により同定されるアゴニストおよびアンタゴニ
ストも提供される。
【0018】 (発明の詳細な説明および好ましい態様) 749残基当たり1の重原子散乱体を用いることにより、cPLAの構造を
解明した。 全長のヒトcPLAをCHO細胞で発現させ、Clark et al., 1990(Stahl e
t al., 調製に関する原稿)に記載される方法の変更により精製した。結晶は、
PEG1000を沈殿剤として用いて、通常の蒸気拡散法を用いて18℃で得ら
れた。単一結晶が数日以内に0.6mm×0.5mm×0.1mmの面積まで成
長し、X線損傷に大いに感受性があった。PEG400およびDMSOの量を増
加させながら凍結防止剤溶液中に結晶を浸漬し、次いで、急速冷却してシンクロ
トロン放射に曝露する回数は、2.5Åの最小ブラッグ間隔に対する回折を得る
のに重要であった。結晶は空間群P22(a=153.59Å、b=95
.49Å、c=139.13Å)であり、2つの単量体(1498残基)を有し
、不斉単位あたり60%の溶媒を有した。
【0019】 cPLAの重原子浸漬結晶を調製する試みにより、ガドリニウムまたはテル
ビウムのみが同形誘導体を提供することができることが明らかにされた。しかし
ランタノイド系列元素のいずれもCaLBにおいて単一のCa2+原子を置換し
、749アミノ酸残基あたり単一の重原子散乱体を提供する。これらの結晶から
の分子内相情報は最初の電子密度地図を作成するには質が十分高くない。大部分
の重原子の結合は生の結晶と浸漬した結晶との間に非同形を生じたという事実に
加え、この観察は、多波長変則散乱(MAD)相によりcPLAの構造を解明
する努力(Hendrickson, 1991)に通じるものであった。
【0020】 テルビウム浸漬cPLA結晶を調整し、凍結処理し(方法を参照されたい)
、100°K窒素流中で冷却した。TbLIIIエッジ付近の3つの異なる波長
におけるデータ(表Iを参照されたい)を、放射能感受性により、データのコレ
クション間においてその回転軸に沿って移動した単一結晶から収集した。3.2
Åに対する実験相をSHARPを用いて計測し(de La Fortelle & Bricogne, 19
97)、続いてDM中の溶媒単調化(solvent flattering)および2倍の平均化(t
wo-fold averaging)により、2.5Åまで相を拡大することができた。この方
法により高い質の電子密度地図(図1)が生じ、各cPLAモノマーの両ドメ
インを明確に同定することができた。最初に、CaLB(Perisic et al., 1998
; 1RLW)を回転させて濃縮し、ポリアラニンのトレースをプログラムQUANT
A(Molecular Simulations Inc.)を用いて触媒領域の可視領域に関して構築し、
各単量体に関して約550残基を有するモデルを得た。最終相組み合わせ工程(
final phase combination step)(ERFMAC; Murshudov et al., 1997)、次いで、
手動モデル構築(QUANTA)を用いるこの初期構造の相拘束リファインメント(ph
ase restrained refinement)により、XPLOR(Brunger et al., 1992b)にお
いてその後リファインされるモデルが得られた。現モデルは1285残着(両単
量体間)および40個の水分子(表I)を含む。
【0021】 分子構造 cPLA単量体は、約100Å×55Å×45Åの面積を有する2つの領域
の楕円形構造である。N末端CaLB領域(残基16−138)は堅く折りたた
まれたβサンドウィッチであり、触媒領域に残基139-143により結合し、
触媒領域とはタンパク質-タンパク質の接触をほとんど形成しない。触媒領域の
中心核は、基準的なα/βヒドロラーゼの折りたたみたとは異なる散在したへリ
ックスを伴う10鎖の中心βシートからなる。非対称単位中に存在するcPLA 単量体は、領域内のループの柔軟性のために完全には重ね合わされない。実際
、CaLB領域を重ね合わせる場合、2つの触媒領域の間に4-5°の違いがあ
る。領域を相互に連結させるループは、各単量体において異なるコンホーメーシ
ョンを有し、その残基は高い温度要因を示す。
【0022】 cPLAは、Ca2+の遊離レベルがマイクロモル未満レベルまで上昇する
場合に膜に転位する細胞質タンパク質である(Clark et al., 1990, 1991)。cP
LAのドメイン配置は、細胞膜に関して活性部位がどのように配向するかを示
唆する。図2bはXuおよび共同研究者(1998)によりCaLBに関して行われた
HSQC研究の結果を強調する表面サイヤグラムである。これらの実験において
ドデシルホスホコリンミセルを用いたインキュベーションにおいてN15/NH
シフトを示す残基は紫で強調されている。強調された残基は分子の同じ面上の活
性部位と思われる。従って、CaLBがリン脂質膜と結合するためにこれらの残
基を用いる場合、触媒ドメインは活性部位においてリン脂質基質と結合するため
に粗く配置される。2つのドメイン間の結合の柔軟性ならびにそれらの間の主要
なタンパク質−タンパク質相互作用の欠乏は、ドメイン間の小さな回転が膜との
最適の相互作用を完遂することができることを示唆する。
【0023】 図2cにおいて表面電位図に示すように、活性部位からCaLBのβ3鎖上の
陽性に荷電した残基片へと伸長する非常に塩基性の領域が存在する。この塩基性
の特性は膜層の陰性に荷電したリン脂質頭部グループと多電子安定接触を作るタ
ンパク中の領域であると思われる(以下を参照されたい)。しかし、残基434
から456は無秩序であり、そのため、塩基性片の本当のサイズを正確に定義す
ることが不可能になる。それにもかかわらず、同様の塩基性片がPI4キナーゼ
および異なる種々のsPLAsに見出されたこと(Rao et al., 1998)は、注目
に値する。ホスファチジルメタノールリポソームから作られた膜に対するcPL
の高アフィニティの結合(Hixon & Gelb, 1998)がこの断片およびその近くの
CaLB領域中のβ鎖3の塩基性片により媒介されると考えることは魅力的であ
る。
【0024】 N末端CaLB領域 全長cPLAのCaLBドメインの構造は、NMRおよびX線結晶学により
解析されるものと(Xu et al., 1998; Perisic et al., 1998)とわずかしか違わ
ず、非常に似通っている。簡単には、それは6つのループにより相互に連結して
いる8つの逆平行のβ鎖からなり、C2ドメインに関して「タイプII」形態に
適合するβ-サンドウィッチとして折りたたまれている。2つのCa2+原子が、
3つの異なるループ(カルシウム結合ループ;CBLs)上のAspおよびAs
n側鎖ならびにバックボーンカルボニル原子の配列を経てCaLBの1つの末端
に結合し、同じ原子配列がPerisicおよび共同研究者(1998)により解明されたC
aLBドメイン中ににおいて観察されている。Ca2+原子は約4Å離れている
。しかしながら、全長cPLA中のCa2+原子周囲のを環境はこれらの著者
らにより解明されたCaLB構造中に存在する水分子を示さず、代わりに、結晶
化および凍結保護に用いたバッファーからのMES(2-[N-モルホリノ]エタン
スルホン酸)の分子がカルシウム部位1(Perisic et al., 1998に定義される)
に配位している。両cPLA単量体において、Ca2+1と最も近いMESス
ルホン酸塩酸素原子との間の距離は、約2.2Åである。さらに、モルホリノ基
もHis62およびTyr96の側鎖と接触しており、小さな疎水性のくぼみを
形成する。結晶化は人工産物であるが、cPLAのCa2+のMESの表面へ
の配位は、リン脂質分子のリン酸基の結合様式に似ているとも言え、cPLA においてCa2+が、単にアロステリックな活性化剤としてよりもタンパク質と
リン酸化膜の間の橋として作用することが示唆される。
【0025】 cPLAの折りたたみの新規形態により、cPLAはα/βヒドロラーゼと
異なる。 cPLAの触媒ドメインは14個のβ鎖および13個のαヘリックスから構
成されており、その中心コアは10鎖の中央混合βシートからなり、該βシート
は9個のαヘリックスにより囲まれており、鎖β5からβ11までは最も明らか
なシート部分を形成している(図3bのRichardsonダイヤグラム参照)。βシー
トは超らせんツイストを有する。簡単のために、Schrag & Cylger (1997)により
提供されたα/βヒドロラーゼ折りたたみ命名法(常に触媒セリンの前にβ5が
あり、ヘリックスCが後にある)に基づいてcPLAの二次的エレメントを同
定した。 cPLA核の1番目のβ鎖はβ1であり、これはCaLBの後の柔軟な結合
に続く。一つの長いヘリックスを含む長いループは、折りたたみの中心部のβ4
に結合する。このβ1/αへリックス構築物は、Humicola lanug
inosaリパーゼに見られるものと類似しており、ここで、へリックス領域は
折りたたみの一部とみなされるのみならず、そのβ10をコア中の第1β鎖に結
合させる(PDBにおけるエントリー1TIB)。次なるβ鎖、β5は触媒セリ
ン(228)の前にある。β5、ヘリックスC(図3aおよび3bでピンクに着
色した)およびそれらを結合させるループの分子配列は、α/βヒドロラーぜに
おけるものと類似している。この内部結合しているループは「求核エルボー(nu
cleophilic elbow)」と名づけられる。ループにより編み合わされた3つ以上の
αへリックスにより、この領域と、折りたたみのこの部分のさらなる4つのβ鎖
の間に結合が提供される。続く4つのβ鎖の中で(β6−β9)、β6が最も長
く、β7とほとんど水素結合を形成しない。鎖β7からβ1はそれゆえ、配列に
関して連続していないが、大きいほうの構造中の小さいβシートであると考える
ことができる。
【0026】 β9の後に、中心のα/β核の形成から生じる大きな多様性がある。この点に
おけるcPLA配列は、図2aおよび3bで紫で示した領域を形成する。この
180残基の断片は触媒領域「キャップ」を形成する。Ser228の触媒パー
トナーであるAsp549は、キャップの末端とβ10との間の領域に横たわっ
ており、これは中心核の一部である。キャップ構造に続いて、最後の3つのβ鎖
は中心のβシートを完成させるように配置され、へリックスGからJまでが点在
する。 α/βヒドロラーぜの折りたたみは、多くのエステラーぜおよび他の加水分解
酵素と共通している(Schrag & Cygler, 1997)。そのRichardsonダ
イヤグラム(図3a)は、β鎖の列が一直線に並んでいる(β4とβ5の間にし
ばしば配置されているβ3を除き)中心βシートからなる。最初に見たところで
は、cPLAの分子配列は、α/βヒドロラーぜの折りたたみを環状に変換し
たものであるように見える。しかし、図3aと3bを注意深く観察すると、求核
エルボーを含む領域のみが実際上直接的に類似していることがはっきりとわかる
(β5からヘリックスC、残基22−238)。主な違いには、β6からβ9の
逆平行特性、β5とβ6の間のへリックスの多様性および、cpla2α/β核
の後方部の鎖の間の介在ヘリックスの不存在が含まれる。
【0027】 cPLA中のキャップ構造(残基370-548)は触媒ドメインの一部で
あるが、α/β核には含まれない。ヒトcPLAs α、βおよびγ(図4)
の触媒ドメインの配列比較により、相同性はα/β核(黄色の要素)およびβ鎖
9aおよび9dの中に集中していることが示される。つまり、キャップの中心部
はcPLAイソフォーム間で異なる。キャップ領域を紫で示す図2aのcPL
のリボンダイヤグラムと図2cの表面電位図の比較により、膜リン脂質と電
子安定性接触を形成していると仮定される非常に塩基性の領域が実際にキャップ
残基の大部分を形成していることが明らかになる。
【0028】 cPLAのキャップ領域は、全構造の3つの最も可動的な領域のうちの2つ
、残基433−456および500−536(3番目の領域はC末端、残基72
8−748である)も含む。これらのアミノ酸鎖はトレース可能な電子密度を持
たず、モデル中には含まれない(図2aにおける点線)。興味深いことに、アゴ
ニストの刺激に関してリン酸化される4つのセリン残基のうちの3つ(437、
454、505)を有するのは、キャップの3つの極めて柔軟性のある領域であ
る。Ser437とSer454の役割は、それらが異なる種(ニワトリ、ヒト
、タツノオトシゴ、マウス、ラット)の間で保存されていないために、よくわか
っておらず、MAPキナーゼによるそのリン酸化は昆虫細胞のcPLAの最大
の活性化に必要とされる(Lin, et al., 1993; Qiu et al., 1998)。水晶体の中
で不均一にリン酸化されると思われ、高度の柔軟性のある、溶媒に暴露されたル
ープに位置しているSer505は、結晶格子中のタンパク質の胴部または他の
近接しているcPLA単量体のいずれとも接触しない。Ser505は活性部
位と膜結合領域(図2aを参照されたい)の両方から離れているが、それにもか
かわらず、CaLBと触媒領域の間のヒンジに対して近接していることは注目に
値する(考察を参照されたい)。cPLAリン酸化の4番目の部位、Ser7
27は構造のC末端にある。この部位は種の間で保存されているが、その機能的
関連性はまだ知られていない。
【0029】 活性部位ファンネル(funnel)は、溶媒接近可能脂質により部分的に覆われて
いる。 cPLAの最も注目すべき特徴は、活性部位ファンネルであり、それは触媒
ドメイン中への道の1/3を貫通して、深くて狭い裂口の下にあるSer228
およびAsp549を明らかにする。ファンネルの上端は広いが、図5aに見ら
れる活性部位の裂口の入り口では直径およそ7Åにまで狭まっている。ファンネ
ルは疎水性残基で分けられており(図5aでは青)、膜リン脂質基質の脂肪アシ
ル部分が結合することができるカゴを形成している。
【0030】 cPLAの活性部位は、残基413−457からなる「フタ(フタ)」によ
り部分的に覆われている。フタはループ領域として折れ曲がり、その後に、小さ
ならせん状の鎖ヘリックス上の と短いターンが続く(図5aを参照されたい)
。フタ領域に通じる残基408−412は非常に大きな温度要因を示し、残基4
34−456はトレース可能な電子密度を持たない。これらの観察により、これ
らの領域が非常に可動的であり、「フタのヒンジ」であると予想できることが示
唆される。フタの可視領域は、両親媒性の特徴を有し、その溶媒暴露表面は極性
残基(T416、E418、E419、E420、N423)により最初に形成
され、一方、内部側鎖は疎水性アミノ酸(M417、L421、I424)が並
んでいる。フタの「二面性の」特性は、1の面が水素結合接触を形成する能力を
有し、一方、他の面が基質または膜のいずれかと疎水性相互作用を起こしやすい
ので、膜リン脂質結合に関して役割を果たすと考えられる。
【0031】 ところどころにフタを有するcPLAの活性裂口におけるジアシルリン脂質
をモデル化する試みにより、アシルエステル結合が周囲残基と衝突を生じること
なしには活性部位のセリンの付近に存在することができないことが立証された。
従って、基質結合残基のための適当なスペースを作るにはフタを動かさなければ
ならないと考えられ、この提案は、界面活性化として知られる、cPLAが単
量体基質よりもむしろミセル基質の存在下でより大きな活性を示す(Cygler & S
chrag, 1997)という観察結果と一致する。
【0032】 酵素の「接近」形態における活性部位を覆うフタの構造的再配置の結果として
、ほとんどのリパーゼが界面活性化を示す。ミセルに結合するとフタは移動し、
それにより「オープンな」形態を生じ、そこで、触媒残基は基質に暴露される。
X線結晶学により、阻害剤の存在下で「オープン」形態がほとんどの部分で結晶
化される「接近」または「オープン」形態両方のリパーゼの構造決定により、こ
の活性化のメカニズムに関する多くの例が生み出されている(Cygler & Schrag e
t al, 1997)。cPLAの界面活性化のメカニズムは、フタの動きが活性ファ
ンネルの接近可能な表面領域を増加させることならびに触媒残基に対する妨害さ
れない接近を提供することにおいて重要なステップである点で、他のフタ含有リ
パーゼの界面活性化のメカニズムに匹敵する可能性がある。
【0033】 cPLA活性部位は触媒ダイアッド(dyad)を含む。 α/βヒドロラーぜによるアシル加水分解は、セリンプロテアーゼ中に存在す
るものを想起させる(Ser-Asp/Glu‐His)触媒トライアッドによ
り行われる。基質のアシルエステル結合が求核セリンにより攻撃されて、共有結
合アシル酵素中間体が生じ、それは水分子の攻撃を含むステップの後でその後に
放出される。α/βヒドロラーぜの折りたたみを有するすべての脂質代謝酵素は
触媒トライアッドの使用により生じるが、cPLA中のそのようなトライアッ
ドの全メンバーの同定は難しい課題であることがわかった。Sharpおよび共同研
究者(1994)による部位指定突然変異により触媒中のSer228およびA
sp549の役割が確証されたが、19個のヒスチジン残基のいずれもが活性に
影響しないことにより、新規な触媒機構へ目が向けられた(Pickard et al., 19
96)。これらの観察によりcPLAが、ヒスチジンの関与を必要としない新規
な触媒中心を含むことが提案されたが、活性に対するArg200の関連性は未
知のままであった(Leslie, 1997; Pickard et al., 1996)。
【0034】 cPLAのX線結晶構造により、Ser228がファンネル型の空洞の下に
あり、Asp549のOδ2がそのOγ原子から2.9Å離れて存在している活
性部位が明確に示される(図5b)。しかし、cPLAの活性部位がヒスチジ
ン残基を欠いていることは明らかである。さらに、活性部位の塩基の機能を果た
し得る他の残基は6Åの範囲にはない。いずれかの残基から3.5Åの範囲内の
全ての極性の関与はバックボーン基により、あるいはまたはAsp549のOδ
1原子から3.2Åはなれて位置している孤立した水分子により作られる。As
n555は活性部位ファンネルに存在するが、そのNδ2原子はいずれの残基か
らもおよそ6Å離れており、この機能を果たす理想的な候補ではない。
【0035】 アシルヒドロラーぜにおいて、糖リン脂質基質のsn−2位の攻撃に際し、遷
移状態には「オキシアニオンホール」または水素結合ドナーのセット(大部分m
はアミド原子)および/または遷移状態の増大しつつある陰性電位を安定化させ
る機能を有する塩基性残基により安定化が必要である。いくつかのリパーゼでは
、オキシアニオンホールに寄与する残基の少なくとも一つが、動くループの一部
であり、適切なコンホーメーションはリパーゼが「オープン」形態にある時にの
みに得られるが、この転移は絶対的に要求されるものではない。cPLAにお
いて、Gly197および198はβ4とヘリックスBとの間のグリシンに富む
柔軟性のあるループの一部であり、この配置によりGly197とGly198
のアミドバックボーンが予め形成されたオキシアニオンホールのメンバーの良好
な候補となる(図5bを参照されたい)。さらに、β5とヘリックスCとの間の
ターンの頂点にあるGly229のバックボーンアミド基はGly197の方向
をさし、それゆえホールの一部でもあり得る。従って、キモトリプシン中のオキ
シアニオンホールのように、この領域はエステルの求核攻撃により生じる四面体
中間体を安定化するようにうまく設計されていると考えられる。
【0036】 Arg200に関しては多様な役割が提唱されている。それは、脂質界面に酵
素を結合する際、リン脂質膜と相互作用する際、触媒残基として関与する際、ア
シル-酵素中間体を安定化させる際、あるいは基質リン脂質のホスホリル基との
結合の際に、CaLBを助けることに関連がある(Pickard et al., 1996)。フ
ァンネル中に埋没されるArg200の配置(その表面領域は図5aで赤に着色
する)のために、それはCaLBに対していかなる脂質結合補助も提供できない
。さらにその側鎖は活性部位のセリンからおよそ9Å離れており、そのため、触
媒作用において役割を果たすことができない。しかしArg200は、活性部位
ファンネル付近の残基といくつかの重要な接触を形成する。側鎖はThr680
と塩橋を形成し、Phe678のバックボーン原子と接触し、Thr680とP
he678は共にヘリックスHとIの間のループに横たわっている。オキシアニ
オンホールループ上のArg200の位置は、Pickardと共同研究者(1996
)により報告されたArg200Lys変異体におけるこれらの2つの水素結合
の欠損が、活性における劇的な影響を伴うオキシアニオンホールループの構造の
微妙な変化の原因であることを示唆する。
【0037】 cPLAによる触媒は、他のアシルヒドロラーゼのものとは異なるメカニズ
ムにより進行する。 cPLAの活性部位におけるヒスチジン残基またはいずれかの他の潜在的な
塩基の欠損により、該酵素が新規な触媒メカニズムによりアシル加水分解を促進
することが示唆される。セリンプロテアーゼおよび他のヒドロラーゼにおいて、
ヒスチジン残基は反応性セリンの水酸基からプロトンを受け取り、かくして共有
結合四面体中間体の形成を促進する。第2段階において、アシル酵素中間体は水
分子により加水分解されて生成物を放出し、ser-ヒドロキシルを酵素に戻る
。クラスAのTEM−1βラクタマーゼの触媒経路は、活性部位セリンのアシル
化ならびにその後のエステル結合の加水分解も含むものであり、クラスAのTE
M−1βラクタマーゼはプロトンを、活性部位Ser70からGlu166のカ
ルボキシレート基に、直接的(Gibson et al., 1990)あるいは水分子を介して
(Lamotte-Brasseur et al., 1991)移送する。より最近の研究(Damblon et al.
, 1996)により、Glu166のカルボキシレート酸素とSer70との間の距
離が長いために直接的なプロトン移送が不可能となっているが、プロトン転送の
ための架橋水分子の関与が示唆されている。N末端セリンから構成される単一残
基触媒中心を含むペニシリンアシラーゼの触媒機構においては(Duggleby et al
., 1995)、架橋水がSer1のα-アミノ基の塩基性特性を媒介する。結果とし
てSer1のOγ原子は、アミノ末端基により十分に高められた求核性を有し、
アシル酵素中間体の形成がその後に起こる。
【0038】 cPLAに関して、一般的な塩基の役割を果たし得る唯一の残基は、Ser
228のOγ原子の3.5Åの半径内に他の側鎖がないため、Asp549であ
る。図6は、cPLAの触媒機構に関して提案されるモデルを示す。一旦酵素
が膜に結合すると、単一のリン脂質分子が活性部位に結合する。頭部基のリン酸
基(図6のHG)は、Arg200側鎖により安定化される。Gly197およ
びGly198のバックボーンアミド基により形成されたオキシアニオンホール
は、sn-2エステルを極性化し、パネルBで形成される四面体中間体を安定化
することも示されている。酵素-基質複合体の形成に続いて、Asp549は触
媒塩基として作用し、反応性Ser228の水酸基からプロトンを抜き取り、S
er228はns−2エステルを攻撃し、安定化された四面体中間体を経てアシ
ル酵素を形成する。アシル酵素は次いで、水分子(パネルC)により加水分解さ
れ、遊離リゾリン脂質および、アラキドン酸中間体の二重結合の崩壊後に遊離ア
ラキドン酸(図6のAA、パネルDおよびE)を生じる。次いで、cPLA
膜界面から分離し、他のリン脂質基質に結合し、サイクルを繰り返すことができ
る。つまり、cPLAは、完全な触媒トライアッドを用いずに求核セリンを用
いる、アシラーゼの3番目の異なる例である。
【0039】 考察 大きな非対称単位(1498アミノ酸)およびcPLA結晶の壊れやすさに
もかかわらず、MADフェージング(phasing)は、単一結晶から得られるデー
タから高質の電子密度地図を作成するうまい方法であった。この成功の中心にあ
るのは、大きなBijvoetと、Advanced Light Sourc
e(Berkeley, CA)の高いフラックスおよび波長安定性に関連した、ランタノイド
原子のLIIIエッジに典型的な分散性の相違であった。3世代目のシンクロト
ロンの出現に伴い、MADは常套的に大きなマクロ分子構造の溶液に使用される
べきである。
【0040】 cPLA欠損マウスの使用により立証されているように(Bonventre et al.,
1997; Uozumi et al., 1997)、cPLAは炎症の脂質メディエイタの生合成
に重要である。ロイコトリエン、プロスタグランジンおよびPAFは多くの人々
に影響を与える疾患の病態に重要な役割を果たすので、どのようにその生合成が
調節されているかを理解することは避けられない。cPLAの構造は、アラキ
ドン酸の選択性の原因およびリン酸化による調節に新規な洞察を提供する。さら
に、それはリパーゼの新規な折りたたみとメカニズムの両方を同定する。cPL
の構造はC2領域が全タンパク質中に見られる2番目のものである。PLC
δ1とcPLAとの間には有意な違いが見られる。
【0041】 cPLAの折りたたみは、該酵素が2つの異なる、別々に折りたたまれた領
域からなることを示す。この結果は、CaLBおよび触媒領域が別々に発現され
た場合に、完全に機能を果たさなかったという初期の研究に基づいて良きされな
いものではなかった。しかし、驚くべきことは、領域間の接触と潜在的な柔軟性
の散在性であった。C2領域はシグナル分子に共通して認められるが、今日まで
、PLCδ1の結晶構造のみが触媒ドメインに存在するC2領域を報告している
(Essen et al., 1996)。この場合、多数の疎水性結合がC2領域の1の面のほと
んど全表面と触媒ドメインとの間に存在している。対照的に、触媒ドメインとC
aLBドメインとの間の相互作用は十分に制限されており、その結果、非対称単
位の異なる単量体において2を結合させているポリペプチドのコンホーメーショ
ンが異なっている。この観察結果は、CaLBおよび触媒領域の最適の配向が固
定されておらず、その代わりに何らかの様式で調節することができるという点で
、機能的に重要である。細胞における最良の活性に必須のSer-505を含む
タンパク質の領域は無秩序であるが、この重要なMAP-キナーゼ部位はヒンジ
領域の近くに位置していることに注目することは興味深い。
【0042】 cPLAの構造と古典的なα/βヒドロラーゼの折りたたみの構造の詳細な
比較により、cPLAが新規なトポロジーを含むことが立証される。しかし、
先に示したように、活性部位セリンを含むβヘアピンはα/βヒドロラーゼの折
りたたみの「求核性エルボー」と構造的に類似している。cPLA触媒ドメイ
ンのBlast検索により、残基ほぼ190−232を含むPLBsおよびcP
LA α、βおよびγ間の拡張された相同性領域が示される。この相同性は、
Arg200、オキシアニオンホールならびに二番目のセリンが典型的なグリシ
ンに置き換わっている新規なGSXSXリパーゼモチーフを含むバックボーン領
域を含む点で、機能的に重要である。短い領域における相同性の「濃度」は、こ
れらの残基が単一のエキソン(残基186-238に対応する)によりコードさ
れている遺伝子構造によっても説明される。
【0043】 α/βヒドロラーゼに関して見られるように、Ser、His、Asp/Gl
uの触媒トライアッドを含む代わりに、cPLAはSer−228およびAs
p−549からなるダイアッドを用いてsn−2エステルを開裂する。Asp−
549のカルボキシレートは、求核攻撃のためのセリンを活性化させるのに十分
に接近している唯一の残基である。同様の触媒ダイアッドが、クラスAのβ−ラ
クタマーゼにより触媒されるアミド加水分解反応に関して提案されている(Matag
ne et al., 1998)。しかしこの場合、グルタメート側鎖が水分子を介入すること
によりセリン残基を活性化する。ダイアッドとトライアッドの比較可能な有効性
を評価することは困難であるが、触媒に重要なのは、繊維状態に達するのに必要
とされる活性化エネルギーであることは注目に値する。それゆえ、有効なオキシ
アニオンホールによる安定化は、求核性の少ないセリンを補うことができる。こ
の結晶構造において、重要なArg−200からわずか2残基だけ離れて存在す
るグリシン197と198のバックボーンアミド基はオキシアニオンホールとし
て作用するように適切に配置されている。Gly−229のバックボーンNHは
、遷移状態において進行しており、四面体中間体に存在しているオキシアニオン
の安定化を促進することもできる。オキシアニオンホールの有効性は、アラキド
ニルトリフルオロメチルケトンがイオン化されたヘミケタールとして酵素に結合
すると思われるNMRの研究結果と矛盾しない。
【0044】 cPLAの触媒セリンは触媒ドメインの中心近くの深いファンネルに存在し
ている。活性部位にリン脂質を形成する試みにより、活性部位ファンネルのこの
構造が十分には大きくないことが立証された。それゆえ、そのC末端が、23ア
ミノ酸の完全に無秩序な範囲に結合している幾分流動性のあるフタが膜結合に際
し移動して、基質に順応するファンネルの先端近くに接近可能な大きな容量を提
供する可能性のあることが提案される。膵臓リパーゼ/コリパーゼ(colipase)
の結晶構造は、基質/界面活性剤ミセルの存在および不在下の両方において、こ
のモデルのための先例を提供する(van Tilbeurgh et al., 1993)。この場合、劇
的なコンホーメーション変化がミセルまたは阻害剤の存在下で起こり、活性裂口
と疎水性パッチを暴露ためのに29Åものフタの移動を必要とする。そのような
大きなコンホーメーション変化が、他のα/βヒドロラーゼタンパク質に関して
も示されている。膜表面結合によるこのコンホーメーション変化を用いて、リパ
ーゼの触媒活性が単量体としてよりもミセルとしてに存在する基質に関して高い
という界面活性化の過程が説明された。
【0045】 cPLAの場合、そのリソホスホリパーゼは、単量体またはミセルの一部と
してのいずれかで存在している同じ基質に対するその活性を比較するのに用いら
れている。そのような測定により、cPLAの活性が、1−パルミトイル−2
−リソホスファチジルコリンの濃度がわずか10倍増加するにつれてから150
0倍増加し、かくしてcPLAは表面として提示される基質に対してより一層
活性となることが明らかにされている。われわれの構造は、柔軟なフタの動きに
より示される構造変化が膜結合に際しておこり、この観察は予め観察されていた
界面活性化と一致する。
【0046】 活性部位を覆っているフタの動きに加えて、いくつかの構造により、遷移状態
を安定化するオキシアニオンホールが、結合基質または阻害剤の存在下で形成さ
れることが示されている(Cygler & Schrag, 1997)。クチナーゼは、オキシアニ
オンホールが生の構造において完全に形成されるという点で、この一般ルールの
例外である。重要なことには、クチナーゼは界面活性化を示さない(Martinez et
al., 1992)。
【0047】 アラキドン酸含有リン脂質に関するcPLAの選択性は際立った特徴である
。低分子量のcPLAsは異なる脂肪酸を識別しないが、cPLAはアラキ
ドン酸および、多くのアッセイ形式において5および8位でシス-二重結合を有
する他の脂肪酸に関して高い選択性を示す(Clark et al., 1995; Gelb aasn-1 a
nd sn 2, Gelb hydrazin)。該構造の決定以前には、cPLAの選択性の原因
は未知であった。二重層から脂質を抽出することなくsn-2エステル上で作用
することができる酵素の表面近くに触媒機構が存在していると考えられた。これ
は、酵素がリン脂質自体を抽出することなく脂質頭部上で作用すると考えられる
PI4キナーゼの単調化されたキナーゼ領域とも類似している(Rao et al., 199
8)。cPLAの場合、該選択性が、ポリ不飽和脂肪酸のよりルーズなパッキン
グによるsn-2エステルのより大きな暴露によるものであることが期待される
。しかし、該構造において見られるように、リン脂質は、深い活性部位中のほぼ
8−10Åのところに結合しなければならない。つまり、選択性はアラキドン酸
部分と酵素の間の相互作用によるものでなければならない。αcPLAおよび
γcPLAsとの間、即ち活性部位と完全に非保存性のフタ領域との間で異な
る残基を変異させて選択性の違いを決定することは有益である。
【0048】 投与の好ましい方法および本発明に従って同定した物質の投与 本明細書に用いるように、「ホスホリパーゼ酵素活性」はリン脂質の代謝に関
するアッセイ(好ましくは以下の実施例2に記載した、あるいは本明細書中に組
み込まれる引用のいずれかに記載したアッセイの一つ)における陽性の活性を意
味する。ホスホリパーゼ(好ましくはcPLA)の活性をいずれかの有効な、
酵素活性に関するアッセイ(好ましくは実施例70において以下に記載したアッ
セイ)において阻害する場合、化合物は「ホスホリパーゼ酵素阻害活性」を有す
る。好ましい態様において、化合物は(1)LysoPCアッセイにおいておよ
そ25μM未満のIC50値;(2)小胞アッセイにおいておよそ50μM未満
のIC50値;および/またはPMNアッセイにおいておよそ1μM未満のIC 50 値を有する。
【0049】 本発明の化合物およびウルソール酸はホスホリパーゼ酵素(好ましくはcPL
)活性を阻害するのに有効であり、それゆえ、炎症性または炎症関連疾患(
例えばリューマチ性関節炎、乾癬、喘息、炎症性内臓疾患および、プロスタグラ
ンジン、ロイコトリエンまたはPAFが介在する他の疾患)および、その他の疾
患、例えば、骨粗しょう症、大腸炎、骨髄性白血病、糖尿病、消耗症およびアテ
ローム性動脈硬化症を「治療する」(すなわち、治療、予防または改善する)の
に有効である。 本発明は、医薬組成物と治療の治療的方法または、本発明の化合物を用いる使
用を包含する。
【0050】 本発明の化合物は、医薬上許容される担体と組み合わせた場合、医薬組成物に
おいて使用してよい。そのような組成物は(本発明の化合物(複数も)および担
体に加えて)希釈剤、充填剤、塩、バッファー、安定剤、溶解剤および当該分野
で周知の他の物質も含んでよい。「医薬上許容される」なる用語は、活性成分(
複数も)の生物活性の有効性を阻害しない非毒性物質を意味する。担体の特性は
投与経路による。本発明の医薬組成物は、サイトカイン、リンホカインまたは他
の 因子、例えばM‐CSF、GM‐CSF、IL‐1、IL‐2、IL‐3、
IL‐4、IL‐5、IL‐6、IL‐7、IL‐8、IL‐9IL‐10、I
L‐11、IL−12、G‐CSF、Meg‐CSF、幹細胞因子およびエリス
ロポイエチンをさらに含んでよい。医薬組成物はさらに他の抗炎症剤を含んでよ
い。そのようなさらなる因子および/または試薬は本発明の化合物と共に相乗効
果を生み出し、または本発明の化合物により引き起こされる副作用を少なくする
ために、医薬組成物中に含まれてよい。逆に、サイトカイン、リンホカイン、他
の造血因子、血栓または抗血栓因子または他の抗炎症剤の副作用を減らすために
、本発明の化合物が特定のサイトカイン、リンホカイン、他の造血因子、血栓ま
たは抗血栓因子または抗炎症剤の製剤中に含まれていてもよい。
【0051】 本発明の医薬組成物は、他の医薬上許容される担体に加えて、ミセル、不溶解
性単層、液体血漿または水溶液中のラメラ層として凝集形態で存在している脂質
のような両親媒性剤と本発明の化合物とを組み合わせたリポソームの形態であっ
てよい。リポソーム製剤に適した脂質には、モノグリセリド、ジグリセリド、ス
ルファチド、リゾレシチン、リン脂質、サポニン、胆汁酸などが含まれるが、こ
れらに限らない。そのようなリポソーム製剤の調整は、例えば米国特許第4,23
5,871、米国特許第4,501,728、米国特許第4,837,028および
、米国特許第4,737,323(これら全ては本明細書中に引用により組み込ま
れている)に開示されるように、当業者のレベルの範囲内にある。
【0052】 本明細書中に使用するように、「治療上有効量」なる用語は、意味深い患者の
利益、すなわち、炎症反応または疾患治療、治癒、予防または改善または、その
ような疾患の治療、治癒、予防または改善の速度の増加を示すのに十分な、医薬
組成物の各活性成分の全量または方法を意味する。単独で投与される個々の有効
成分についていう場合、該用語は単独の成分についていう。組み合わせについて
いう場合、該用語は、混合して投与されようと、連続または同時に投与されよう
と、治療的効果を生じる活性成分の組み合わせた量を意味する。
【0053】 本発明の治療または使用法を実施する場合、本発明の治療上有効量の化合物は
、治療されるべき疾患を有する哺乳類に投与する。本発明の化合物は、単独また
は、他の抗炎症剤、サイトカイン、リンホカインまたは他の造血因子を用いる治
療のような他の治療との組み合わせのいずれかで、本発明の方法に従って投与す
ることができる。1またはそれ以上の他の抗炎症剤、サイトカイン、リンホカイ
ンまたは他の造血因子と共に共投与する場合、本発明の化合物は、他の抗炎症剤
、サイトカイン、リンホカインまたは他の造血因子、血栓または抗血栓因子と共
に同時に、または連続して投与することができる。連続して投与する場合、他の
抗炎症剤、サイトカイン、リンホカインまたは他の造血因子、血栓または抗血栓
因子と組み合わせた本発明の化合物を投与する適当な順序は主治医が決定する。
【0054】 医薬組成物中に使用する、あるいは本発明の方法を実行するための、本発明の
化合物の投与は、経口摂食、吸入または皮膚、皮下または静脈内注射のような種
々の常套の方法にて行うことができる。 治療上有効量の本発明の化合物を経口投与する場合、本発明の化合物は錠剤、
カプセル、粉末、溶液またはエリキシルの形態である。錠剤の形態で投与する場
合、発明の医薬組成物は、ゼラチンまたはアジュバントのような固体担体を追加
的に含んでよい。錠剤、カプセルおよび粉末は、およそ5から95%の本発明の
化合物、および好ましくは25から90%の本発明の化合物を含む。液体形態で
投与する場合、水、ペトロレウム、動物、または植物起源のオイル、例えばピー
ナツオイル、鉱油、ダイズ油またはゴマ油、または合成油のような液体担体を添
加してもよい。液体形態の医薬組成物は、生理的塩水溶液、デキストロースまた
は他の糖類溶液または、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはポリ
エチレングリコールのようなグリコールをさらに含んでよい。液体形態で投与す
る場合、医薬組成物は0.5から90重量%の本発明の化合物および好ましくは
およそ1から50重量%の本発明の化合物を含む。
【0055】 治療上有効量の本発明の化合物を静脈、皮膚または皮下注射により投与する場
合、本発明の組成物はパイロジェン不含の非経口投与可能な水溶液の形態である
。pH、等張性、安定性などを有するそのような非経口投与可能なタンパク質溶
液の調整は当業者の技術範囲内にある。静脈、皮膚または皮下注射のための好ま
しい医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、塩化ナトリウム注射液、リンガー
注射液、デキストロース注射液、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射液、
乳酸リンガー注射液、または当該分野で公知の他のビヒクルを含むべきである。
本発明の医薬組成物は、安定剤、保存剤、バッファー、抗酸化剤、または当業者
に公知の他の添加剤も含んでよい。
【0056】 本発明の医薬組成物中の本発明の化合物の量は、治療されるべき疾患の特性お
よび重篤度および、患者が受けたそれまでの治療の特性による。最終的には、そ
れぞれの個々の患者を治療するための本発明の化合物の量は主治医が決定する。
はじめは、主治医は低投与量の本発明の化合物を投与し、患者の反応を観察する
。最適の治療効果が患者に関して得られるまで投与される本発明の化合物の投与
量を増してよく、最適の治療効果が得られた時点で、投与量をそれ以上増やさな
い。本発明の方法を実行するのに用いられる種々の医薬組成物は、体重1kgに
つき、およそ0.1μgからおよそ100mg(好ましくはおよそ100gから
およそ50mg、より好ましくはおよそ100μgからおよそ5mg)の本発明
の化合物を含むことを意図する。
【0057】 本発明の医薬組成物を用いる静脈治療の継続期間は、治療される疾患の重篤度
およびそれぞれの個々の患者の状態および特異体質性反応により変化する。本発
明の化合物のそれぞれの適用の存続期間は、12から24時間の範囲の継続静脈
内投与であることを意図する。最終的には、本発明の医薬組成物を用いる静脈治
療の適当な継続期間は主治医が決定する。
【0058】 実施例1 タンパク質の製造、結晶化よびデータ収集 全長ヒトcPLA(残基1-749)をベクターpMT2-EMC-cPLA
にクローニングし、CHO細胞に感染させた。生じた細胞系統E5-CHOを
、Lin et al. (1992)に記載されるように10%(v/v)の透析子ウシ血清お
よび10μMのメトトレキサートを含むα培地(Gibco)中で生育させた。
細胞ペレットをpH9.0のバッファー中に典型的に溶解し、上清中のcPLA を次いで(NHSOを用いて沈殿させた。アフィニティおよびサイズ
排除クロマトグラフィーを含む複数のステップにより、結晶化実験に適するタン
パク質サンプルを得た。100gのペレットからの典型的な収量は、15−25
mgの純粋なcPLAである。
【0059】 cPLAの結晶を、蒸気拡散により18℃にて、PEG1000を沈殿剤と
して12mg/mlタンパク質で用いて得た。典型的には、板状結晶が一晩で現
れ、0.6mm×0.5mm×0.1mmの最大サイズまで1週間で成長し続け
た。生の結晶、および重原子浸漬結晶を、増加量のPEG400およびDMSO
中に移すことにより凍結保護した。250μMのGdClまたはTbCl
より置換されるCaCl含有凍結溶液中に生の結晶を一晩浸漬することにより
、重原子修飾結晶を調製した。凍結保護した結晶を、液体窒素流中100Kにて
、データ収集の前に急速に冷却した。
【0060】 生の結晶、Gd-およびTb-浸漬cPLA結晶の散乱データを、Advan
ced light Sourceにて、Quantum4CCD検出器(Ar
ea Detector Systems)を用いて、ビームライン5.0.2
にて集めた。結晶の感受性があるので、完全なデータセットに必要とされるデー
タ収集の最小量を算定するために、各データセットの第一画像をSTRATEG
Y(R. Ravelli)を用いて分析した。最適の開始点を決定した後、データを90°
のスウィープにより収集し、その後、結晶を出発点から180°の位置まで回転
させ、および、2番目の90°スウィープをBijvoetペアー集積を最大化
させるために収集した。約100°のデータ収集の後、結晶は放射線感受性を示
し始め、それらを波長変化間において回転軸にそって移すことが必要になる。こ
の方法は、3つの異なる波長から収集されたデータセットが同様の統計値を示す
という点で好都合であることが分かった。全データは、100Kにて収集し、D
ENZO/SCALEPACK(Otwinowski, 1993)を用いてプロセッシングした
【0061】 重原子部位−両Tb部位を、TbLIIIエッジのピーク波長(表Iを参照さ
れたい)にて収集した回析データを用いて、変則Patterson図の視覚検
査により同定し、インハウスRaxis IV検出器(Molecular Structure Cor
p.)上で収集した先の低分解能TbおよびGdデータセットから結果を確認した
。重原子のリファインメント(refinement)とフェージング(phasing)は、S
HARPを用いて完遂した(de la Fortelle & Bricogne, 1997)。SHARPに
関して実行したように、SOLOMON(CCP4)に関して密度の変更を行っ
た。高質の実験的3.2Å電子密度地図により、全CaLBの位置の同定ならび
に触媒領域(QUANTA)の最初のトレーシングおよび配列指定が可能となり
、この方法により、タンパク質領域を含むマスク(mask)の算定(これはさらな
る算定に含まれる)が容易になった。これらには、DM中のもとの回析データを
用いるヒストグラムマッチング(Zhang and Main, 1990)、2倍非結晶対称平均化
ならびに3.2から2.5Åの相拡大が含まれる(Cowtan et al., 1996)。相の
結合と改良のサイクルはREFMAC(Murshudov et al., 1997)を用いて行い、
柔軟性のあるフタの中心残基を含むモデルのほとんどを同定することができるマ
ップが得られた。
【0062】 リファンメント XPLOR(Brunger, 1992b)における再構築ならびに位置
および温度パラメータのリファインメントのサイクルを用いてモデルを改良し、
Rfreeが32%未満まで下がった後、模擬アニーリングリファインメント(
simulated annealing refinement)(12−2.5Å)に供した(Brunger et al.,
1992)。BUSTERに関して行ったように(Bricogne, 1993)、最大−見込みリ
ファインメント(maximum-liklihood refinement)により生じた略図を補助的に
用いてそれに続くモデル構築段階を実行した。リファインメントには、均一バル
ク溶媒修正(uniform bulk solvent correction)(Bsol=23.8Å;ksol=0.305
/Å)および非−結晶学的対称拘束(non-crystallographic symmetric res
traints)の適用が含まれた。Rfeeの算定に用いた、10%のランダムに選
択したテストセットを除いて、F>2.0を有する全回析データを、リファイン
メント全体を通して使用した。Fo-Fc地図を、水分子の位置を定めるのに用
いたが、この水分子は>3.0σの密度を示す部位に位置し、構造的な衝突を伴
わずに適当なタンパク質-溶媒の水素結合距離を示した。最終モデルは1285
残基(分子A:9-433、456-500、537-727)および40の水分
子を含み、それぞれ0,010Åおよび1.38°の理想の形態からの平均結合
長偏差および結合角偏差を有する良好な立体化学を示す。12ないし2.5Åの
間の回析データを用いた場合、全自由R−値は29.7%であり、R値は23.
4%である(表I)。
【0063】 [表1を挿入] Rsym=Σ|I−<I>|/ΣI、ここに<I>は対称同等物に関す
る平均強度。」 Friedelペアーは分離。 フェージングパワー=Σ|FH|/Σ||FPHobs|−|FPHcalc
| R=Σ||F|−|F|/Σ|F|、ここにRfreeは、ランダムに選
択された10%の反射に関して計算され、Rfactorは、構造リファインメ
ントに使用された残りの90%の反射(F>2.0)に関して計算される。 同等物を、Brookhaven Protein Databankに寄託
する。
【0064】 実施例2 活性アッセイ (a)小胞アッセイ 1-パルミトイル-2-[14C]アラキドニルホスホチジルコリン(58mC
i/mmol)(最終濃度6μM)および1,2-ジオレイオルグリセロール(最
終濃度3μM)を混合し、窒素流下で乾燥させた。脂質に50mMのHepes
,pH7.5(2×脂質の最終濃度)を加え、懸濁液を3分間4℃にて超音波処
理した。懸濁液に50mMのHepes,pH7.5、300mMのNaCl、
2mMのDTT、2mMのCaClおよび2mg/mlの子ウシ血清アルブミ
ン(BSA)(Sigma A7511)(1.2×脂質の最終濃度)を添加し
た。典型的なアッセイは、連続的に、阻害剤(DMSO中5μl)およびcPL
(自動システムのためには10ng、手動アッセイのためには1ng)のB
SAバッファー溶液10μlを添加した脂質混合液(85μl)からなっていた
。このアッセイは、以下に記載する手動アッセイか自動アッセイのいずれかで行
った。
【0065】 (b)溶解性基質アッセイ(LysoPC) 1-[14C]-パルミトイル-2-ヒドロキシホスホチジル-コリン(57mC
i/mmol)(最終濃度4.4μM)を窒素流下で乾燥させた。脂質を、80
mMのHepes,pH7.5、1mMのEDTA(1.2×最終濃度)をかき
混ぜることにより懸濁した。典型的なアッセイは、阻害剤(DMSO中5μl)
および、80mMのHepes,pH7.5中200ngのcPLA、2mM
のDTTおよび1MのEDTAを続けて添加した液体懸濁液(85μl)からな
る。このアッセイは、以下に記載する手動アッセイまたは自動アッセイのいずれ
かで行った。
【0066】 (c)自動アッセイ 脂質懸濁液と阻害剤を7分間37℃でプレインキュベートした。酵素を添加し
、インキュベーションをさらに30分間続けた。反応をデカン:イソプロパノー
ル:トリフルオロ酢酸(192:8:1、w/v、150μl)を添加して停止
した。停止層の一部(50μl)を、ヘプタン:メタノール:TFA(97:3
:0.1v/v)で溶離するRainin Spheric-5シリカカラム(5
μ、30×2.1mm)を通過させた。[14C]-アラキドン酸のレベルを、
インラインのRadiomatic Flo-One/ベータカウンター(Packa
rd)で分析した。
【0067】 (d)手動アッセイ 脂質、阻害剤および酵素の混合物を37℃で30分間インキュベートした。反
応を、ヘプタン:イソプロパノール:0.5M硫酸(105:20:1v/v、
200μl)を添加して停止した。停止層の半分を、シンチレーションバイアル
上部に配置した減圧多岐管中の使い捨てカラム(Whatman SIL、1ml)に加え
た。遊離[14C]-アラキドン酸をエチルエーテル(1ml)の添加により溶
離した。放射能のレベルを液体シンチレーションカウンターにより測定した。
【0068】 (e)PMNアッセイ PMNを、製造業者の指示に従い、Ficoll-Hypaqueを用いて単
離した。PMNsを含む赤血球細胞を低張液溶解により除去し、PMNペレット
を一度洗浄し、2×10細胞/mlの濃度でHanks緩衝塩水に再懸濁した
。細胞を阻害剤と共に15分間37℃で前インキュベートし、次いで2μMのA
23187を用いて刺激した。LTBの産生をcPLA阻害の尺度として検
査する場合、反応を等量の氷冷リン酸緩衝塩水で停止した。細胞を遠心分離によ
り除去し、細胞上清に存在するLTBをAmershamにより提供されるL
TB4シンチレーション近接アッセイを製造業者の指示に従い用いて測定した。
前の表で示したアッセイでLTBを測定した。アラキドン酸の産生を測定する
場合、反応を内部対照としてD8アラキドン酸を含むメタノールを用いて停止し
た。脂質をBligh et al.((1959) Can. J. Biochem. Physiol., 37, 911-917)の
方法により抽出し、脂肪酸をペンタフルオロベンジルエステルに転換し、Ram
eshaとTaylor((1991) Anal. Biochem. 192, 173-180)により示される
方法と同様の方法で行うGC−MSにより分析した。
【0069】 文献 ここで引用したすべての文献を出典明示により本明細書に一体化させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 cPLAの749残基あたり一つのTb原子の散乱から得られ
たMAD相を用いて形成された実験地図。溶媒の単調化(solvent flattening)(
60%の溶媒含量)およびDM中2倍の非結晶対称平均化(2-fold non-crystall
ographic symmetry averaging in DM)を、マップ作成のために用いた。
【図2】 (A)cPLA単量体のリボンダイヤグラム。CaLB領域は
緑で示し、2つのCa2+原子は赤で示した。cPLAの「キャップ」構造は
、紫に着色した。電子密度の小さいモビールループは点で示す。CaLBと触媒
領域の間の柔軟性のある結合は赤で着色してある。cPLA中のリン酸化され
ている4個のセリン残基の位置も示す。図は、Molscript(Kraulis, 1
991)およびRASTER3D(Bacon & Anderson, 1988)を用いて調製した。 (B)cPLAのGRASP表面図。Xu et al. (1998)によるNMR実験にお
いて、ドデシルホスホコリンミセルとの相互作用においてN15/NHシフトを
示した残基を紫に着色する。cPLAの活性裂口は赤で強調する。フタ残基は
明確化のため除去した。 (C)cPLAの表面電位表示。塩基性残基は青く隈取し、酸性残基は赤で隈
取してある。フタ残基は明確のために除去した。高度に塩基性パッチが、分子の
膜結合領域上に明らかに認められる。図は、GRASP(Nicholls, 1992)を用い
て調製した。全ての図は同じ向きである。
【図3】 (A)カノニカルα/βヒドロラーゼの折りたたみのRicha
rdson表示。β鎖を矢印として示し、αへリックスを矩型で示す。二次構造
要素の番号付けは、Schrag & Cygler (1997)のレビューによる。「求核性エルボ
ー」のすぐ後のへリックスCはピンク色に着色する。 (B)cPLAの折りたたみのRichardsonダイヤグラム。番号付け
した図は、カノニカルα/βヒドロラーゼの折りたたみにおけるように、Ser
288のすぐ後のへリックスがへリックスCとなるように工夫した。(A)にお
けるカノニカルα/βヒドロラーゼの折りたたみとの比較をより容易にするため
に、中心の核を黄色に着色してある。「キャップ」からなる要素は紫に着色する
。赤いループ領域は非常に可動性であり、トレース可能な電子密度を提示しない
【図4】 cPLA α、βおよびγの一次構造配列。同一の残基を四角
で示し、cPLAαのX線結晶構造において認められる二次構造要素は配列の
下に示す。キャップ領域の外の二次構造要素は黄色で示し、キャップ領域中のも
のは紫で示す。黒線はターンまたはループの領域を示す。黒線で示していない残
基または二次構造要素はトレースできる電子密度を提示しない。
【図5】 (A)フタ残基により覆われたcPLAの触媒領域を示す表面
図。Ser228はファンネルの下に示す。実験地図には見られない配列の存続
は赤点で示し、フタヒンジの形成に関与していると提案される。電子密度地図に
おいてバックボーン原子のみが見られる残基はアラニンとして示される。全疎水
性残基の暴露された表面は青に着色し、Arg200のものは赤で着色した。図
は、GRASP(Nicholls, 1992)を用いて作成した。 (B)Ser228付近半径7ÅのcPLAの活性部位のクローズアップ。触
媒に直接関与する2つの残基は緑で着色する。Arg200および、Gly残基
197と198を有するループは黄色で示す。実験 図は、Molscript
とRaster3Dを用いて作成した。
【図6】 糖リン脂質基質のsn-2位に対するSer228の攻撃を含む
、cPLAに関して提案される触媒メカニズム。AA:アラキドン酸;HG:
頭部基;C18:オクタデシル基。Gly197および198はオキシアニオン
ホールの部分として示唆され、一方、Arg200は頭部基のリン酸部分を安定
化する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA, BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH ,GM,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ウィリアム・エス・サマーズ アメリカ合衆国02140マサチューセッツ州 ケンブリッジ、ミード・ストリート20番、 アパートメント2 (72)発明者 マーク・エル・スタール アメリカ合衆国02420マサチューセッツ州 レキシントン、ノース・ハンコック・スト リート36番 (72)発明者 ジャスバー・エス・シーラ アメリカ合衆国02420マサチューセッツ州 レキシントン、シェイド・ストリート139 番 Fターム(参考) 2G045 BB10 BB48 BB50 BB51 FB06 FB08 4B024 AA01 BA11 CA02 DA02 HA01 HA17 4B050 CC07 CC10 DD11 FF04 FF05 FF14 FF17 KK18 LL01 5B075 UU18

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クリスタリンcPLA
  2. 【請求項2】 cPLAがヒトcPLAである請求項1記載のクリスタ
    リンcPLA
  3. 【請求項3】 cPLAが非哺乳動物由来のcPLAである請求項1記
    載のクリスタリンcPLA
  4. 【請求項4】 cPLAが組換えcPLAである請求項1記載のクリス
    タリンcPLA
  5. 【請求項5】 cPLAが天然に生じるcPLAの成熟配列からなる請
    求項1記載のクリスタリンcPLA
  6. 【請求項6】 第二の化学物質と関連しているcPLAを含むクリスタリ
    ン組成物。
  7. 【請求項7】 第二の化学物質が、cPLA活性の潜在的阻害剤およびc
    PLA結合の潜在的阻害剤からなる群から選択される請求項6記載の組成物。
  8. 【請求項8】 cPLAの構造を具体化しているデータセットからなるc
    PLAの構造のモデル。
  9. 【請求項9】 データセットがcPLAの結晶学的分析により決定される
    請求項8記載のモデル。
  10. 【請求項10】 データセットがcPLAのNMR分析により決定される
    請求項8記載のモデル。
  11. 【請求項11】 データセットによりcPLAの全構造が具体化される請
    求項8記載のモデル。
  12. 【請求項12】 データセットによりcPLAの構造の一部が具体化され
    る請求項8記載のモデル。
  13. 【請求項13】 部分がcPLAの活性部位である請求項12記載のモデ
    ル。
  14. 【請求項14】 部分がcPLAのCaLB領域である請求項12記載の
    モデル。
  15. 【請求項15】 コンピューターハードウェアおよび請求項8のモデルを含
    むコンピューターシステム。
  16. 【請求項16】 cPLA活性または結合のアゴニストまたはアンタゴニ
    ストである物質を同定する方法であって、(a)請求項8のモデルを提供するこ
    と、(b)候補となる物質とそのようなモデルとの相互作用を研究すること、お
    よび、(c)該アゴニストまたはアンタゴニストとして作用すると予測される物
    質を選択することを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 請求項16の方法に従って同定される物質。
  18. 【請求項18】 cPLA活性または結合を阻害する物質を同定する方法
    であって、候補物質とcPLAの構造モデルとの間の相互作用を決定すること
    を特徴とする方法。
  19. 【請求項19】 cPLA活性または結合を模倣する物質を同定する方法
    であって、候補物質とcPLAの構造モデルとの間の相互作用を決定すること
    を特徴とする方法。
  20. 【請求項20】 合理的な薬物設計によりcPLA活性の阻害剤を同定す
    る方法であって、 (a)cPLAの結晶構造座標に基づき、cPLA活性部位における1また
    はそれ以上のアミノ酸と非共有結合を形成する潜在的な阻害剤を設計すること、
    (b)該阻害剤を合成すること、および、 (c)潜在的な阻害剤がcPLAの活性を阻害するかどうかを決定すること を特徴とする方法。
  21. 【請求項21】 cPLAの結晶構造座標が、a=153.59Å、b=
    95.49Åおよびc=139.13Åを有する空間群P22のcPLA 結晶から得られる請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 阻害剤が、cPLA活性部位の1またはそれ以上のアミ
    ノ酸の1またはそれ以上の原子と相互作用するように設計されている請求項20
    記載の方法であって、該1またはそれ以上の原子が、 Ser228のCBおよびOγ原子; Asp549およびAsp575のOδ1およびOδ2原子; Arg200、Arg413およびArg579のCB、CG、CD、NE、C
    Z、NH1およびNH2原子; Trp393のバックボーンカルボニル酸素; Asn555のNδ2およびOδ1原子; Phe397、Phe681、Phe683およびPhe199の原子CD1、
    CE1、CG、CZ、CE2およびCD2; Trp232およびTrp393のCG、CD1、NE1、CE2、CZ2、C
    H2、CZ3、CE3およびCD2; Ser577のCBおよびOγ原子; Cys331の原子CBおよびSγ; Glu589の原子OE1およびOE2; Lys588の原子CB、CG、CD、CEおよびNZ; Thr680のOγ1原子; Glu418およびGlu422のOE1およびOE2原子; Met417の原子CB、CG、SDおよびCE; Leu400およびLeu421の原子CB、CG、CD1およびCD2; Ile424の原子CB、CG1、CG2またはCD1; Ala578のバックボーンNHおよびカルボニル酸素原子;ならびに His639の原子CB、CG、ND1、CE1、NE2およびCD2 からなる群から選択される方法。
  23. 【請求項23】 合理的な薬物設計によりcPLAの膜結合の阻害剤を同
    定する方法であって、(a)cPLAの結晶構造座標に基づき、cPLA
    子安定パッチ領域における1またはそれ以上のアミノ酸と非共有結合を形成する
    潜在的阻害剤を設計すること、 (b)該阻害剤を合成すること、および、 (c)潜在的阻害剤がcPLAの膜結合を阻害するかどうかを決定することを
    特徴とする方法。
  24. 【請求項24】 cPLAの結晶構造座標が、a=153.59Å、b=
    95.49Åおよびc=139.13Åを有する空間群P22のcPLA 結晶から得られる請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 1またはそれ以上のアミノ酸が、Arg467、Arg4
    85、Lys488、Lys544およびLys543からなる群から選択され
    る請求項23記載の方法。
  26. 【請求項26】 請求項20の方法により同定されるアゴニストまたはアン
    タゴニスト。
  27. 【請求項27】 請求項23の方法により同定されるアゴニストまたはアン
    タゴニスト。
  28. 【請求項28】 請求項18の方法により同定される物質。
  29. 【請求項29】 請求項19の方法により同定される物質。
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