JP2002540080A - ゲルミクロ乳濁液製剤 - Google Patents

ゲルミクロ乳濁液製剤

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JP2002540080A
JP2002540080A JP2000606270A JP2000606270A JP2002540080A JP 2002540080 A JP2002540080 A JP 2002540080A JP 2000606270 A JP2000606270 A JP 2000606270A JP 2000606270 A JP2000606270 A JP 2000606270A JP 2002540080 A JP2002540080 A JP 2002540080A
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alkyl
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イヴ、スィーング
リ、ミンシュウ
ドグラッツ、オズモンド
ウックン、ファティ、エム.
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パーカー ヒューズ インスティテュート
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Abstract

(57)【要約】 水中油型ミクロミ乳濁液およびポリマー性ハイドロゲルを含むゲルミクロ乳濁液を含む、殺精薬としての使用に適合した製薬組成物。ゲルミクロ乳濁液は、殺精子方法に用いることができる。また、付加的な治療剤の製剤ベースとしての使用に適合したゲルミクロ製薬組成物。付加的な作用剤の例は、抗菌剤および殺精子剤を含む。付加的な治療剤を有するこのようなゲルミクロ乳濁液は、適切な治療処置の方法に用いることができる。また、殺精薬として、また二重機能避妊/抗菌製剤を提供するための抗菌剤の製剤ベースとしての使用に適合したゲルミクロ乳濁液製薬組成物。このような組成物を二重機能避妊/抗菌製剤として用いる方法もまた含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、製薬剤に関し、より詳しくは、ゲルミクロ乳濁液製剤に関する。あ
る実施形態において、ゲルミクロ乳濁液製剤は、殺精子活性を有し、避妊薬とし
て用いることができる。別の実施形態においては、ゲルミクロ乳濁液は、抗菌製
剤を提供するための抗菌剤または製薬の殺精子効果を高めるための殺精子剤のよ
うな他の治療剤の製剤ベースとして作用することができる。また別の実施形態で
は、殺精子活性を有するゲルミクロ乳濁液は、二重機能避妊/抗菌製剤を提供す
る抗菌剤の製剤ベースとして作用することができる。
【0002】 発明の背景 現在市販されている殺精子避妊薬はすべて細胞膜を破壊する洗浄成分を有する
。これらは、中性界面活性剤であるイソノニル−フェニル−ポリオキシエチレン
(9)エーテルまたはノノキシノール−9(N−9)、p−メンタニル−フェニ
ル−ポリオキシエチレン(8.8)エーテルまたはメンフェゴル(menfegol)、
およびイソオクチル-フェニル-ポリオキシエチレン(9)エーテルまたはオクトキ
シノール-9(O-9) (ジゲニス (Digenis) GA et al., Pharm Dev Technol, 19
99;4:421-30; フルセ K, et al., J Pharmacobiodyn, 1983;6:359-72)。英国お
よびアメリカ合衆国で最もよく用いられている殺精子避妊薬は、処方箋なく入手
可能な洗浄タイプ膣殺精薬、N−9である(OTC パネル, Federal Register, 198
0;45:82014-49; チャントラー(Chantler)E., Brit Fam Plann, 1992;17:118-9
)。世界的に、カチオン性界面活性剤である塩化ベンザルコニウムおよびアニオ
ン性洗浄剤ドクセートナトリウム(ジオクチルナトリウムスルホサクシネート)も
また、膣殺精薬として用いられている(Mendez F, et al., Contraception, 1986
;34:353-62)。N−9、オキシクロロセンナトリウムおよび塩化ベンザルコニウ
ムは、ゲル、座薬、腔坐剤、海綿体またはフィルムとして用いられてきた。N−
9は、クリーム、ゲル、フォームおよびコンドーム潤滑剤として30以上前から
存在している。しかし、N−9の使用者を対象したいくつかの大規模な研究では
、半年妊娠率の平均は26%であり、1年目の妊娠率は11〜31%の範囲であ
る。したがって、N−9は、避妊の効果は約75%である(トラッセル(Trussel
l)J, et al. Stud Fam Plann, 1987;18:237-83; クリグ(Kulig)JW, Ped Clin
ic North Am, 1989;36:717-30; レイモンド(Raymond) E, et al., Obstet Gyn
ecol, 1999;93:896-903)。
【0003】 これらの界面活性剤の殺精子活性は、膜脂質への構造的な親和性と関連してい
る(シル(Schill) WB, et al., Andrologia, 1981;13:42-9; ヘレニアス(Hele
nious)A, et al., Biochem Biophys Acta, 1975;415:29-79)。
【0004】 したがって、N−9または他の現在用いられている界面活性剤を用いる主な欠
点は、上皮細胞および正常膣フローラに対する洗浄タイプの効果である。N−9
は、細胞障害性の用量でのみ抗ウイルス性および殺精子活性を示す(ドゥクルズ
(D'Cruz)OJ, et al., Mol Hum Reprod, 1999;5:421-32; ドゥクルズ(D'Cruz
)OJ, et al., Biol Reprod, 2000;62:37-44)。N−9を膣避妊/抗菌剤として
頻繁に用いると、膣または頸部感染症、炎症あるいは潰瘍の危険性が増加する(
ニルシザード(Niruthisard) SR, et al., Sex Transm Dis, 1991;18:176-79;
レカート(Rekart) ML, Defic Syndr, 1992;5:425-27; ロディ(Roddy)RE, et
al., Int J STD & HIV, 1993;4:165-70; ウィア(Weir)SS, et al., Genitour
in Med, 1995;71:78-81)。洗浄タイプの殺精薬は、膣バクテリアまたはフローラ
を変化させ、日和見感染症の危険性が増加する(ホッテン(Hooten) TM, et al.
, JAMA, 1991;265:64-9.; スタッフォード(Stafford)MK, J Acquir Immune De
fic Syndr Hum Retrovirol, 1998;17:327-31.; ローゼンスタイン(Rosenstein
)IJ, et al. J Infect Dis, 1998;177:1386-90.; パットン(Patton)DL, et a
l., Sex Trans Dis, 1996;23:489-93)。このような日和見感染症は、子宮膣部の
上皮組織および頚管内粘膜のHIV−1感染症への感受性を高めることが知られ
ている(オーゲンブラウン(Augenbraun) MH, et al., Infect Dis Clin North
Am, 1994; 8:439-48)。膣粘膜を破壊する化学的炎症は、実際、粘液性びらん
および局所的炎症によって、HIV−1を含む性的伝染病(STD)の膣伝染の
危険性を高める可能性がある(ウィア(Weir)SS, et al., Genitourin Med, 1995
;71:78-81.;クレイス(Kreiss) J, JAMA, 1992;268:477-82)。幾人かの女性は
N−9含有海綿体を用いていたナイロビの性風俗労働者を対象として行われた研
究において、生殖器潰瘍およびHIV−1セロコンバージョンの率が、N−9を
用いていない女性と比べて非常に高かった(クレイス(Kreiss) J, JAMA, 1992;2
68:477-82)。
【0005】 さらに、最近の臨床検査では、N−9を含有する膣避妊剤は、HIV/AID
Sの異性間伝染を予防するための全体プログラムの一部として与えられたとき、
HIV/AIDSおよび他のSTDの伝染に対する効果が全くないということが
示された(ヒラ(Hira)SK, et al, Int J STD AIDS, 1997;8:243-50.; ロディ
(Roddy)RE, et al., N Engl J Med, 1998;339:504-10)。HIV−1の異性間
伝染が、HIVの伝染流行の支配的形態であるので、洗浄タイプの膜毒性がない
新しい、効果的で安全な膣殺精子薬が、現在入手可能な洗浄タイプの殺精薬より
臨床的に大きな利点を提供し得る。
【0006】 膣殺精薬は、何十年間も繰り返し用いられる可能性があるので、理想的な殺精
薬は、安全性が保証され、生殖器上皮組織毒性がないようなものがよい。さらに
、安価で、市販された資源から製造されるものがよく、HIV−1を含むいくつ
かのSTDの性伝染の予防に効果のある溶解薬に広く特異性を有するものがよい
【0007】 したがって、新しくよりより殺精子製剤の必要性が依然として存在している。
【0008】 発明の要旨 本発明者は、多くの点において市販の洗浄タイプの殺精薬の問題を解決する殺
精薬として用いる新規のゲルミクロ乳濁液製剤を開発した。この新規のゲルミク
ロ乳濁液殺精薬製剤の実施形態は、患者への毒性レベルが低減された避妊剤とし
て非常に効果があることが示され、また、抗菌剤の製剤ベースとしても有用であ
る。
【0009】 本発明のゲルミクロ乳濁液を用いる新規の製薬剤は、活性成分として通常の製
薬賦形剤を含み、安全なインビトロおよびin vivo殺精子活性を提供する。ある
実施形態において、クレモフォーEL(登録商標) (Cremophor EL)およびホスホ
リポン90G登録商標(Phospholipon 90G)のような薬物溶解剤は、精子の運動性
部分に対して殺精子性があるので、活性成分であり得ると考えられている。この
ようなゲルミクロ乳濁液製剤の個々の構成成分だけでは精液における殺精子活性
は不足していたが、薬理学的賦形剤を含有するこのようなゲルミクロ乳濁液製剤
において構成成分を組み合わせることによって、ヒトの精液の精子を素早く不活
性化した。ヒトの精液におけるこのような製剤の個々の構成成分の細胞傷害性の
欠如およびゲルミクロ乳濁液製剤における相乗効果的殺精子性は、例えば、膣避
妊薬などの新規で効果的な避妊薬の活性成分としてそれらを製剤するための独特
な臨床可能性を示している。テストにおいて、本発明のゲルミクロ乳濁液のいく
つかの実施形態は、市販のN−9のゲル製剤より避妊薬としてずっと効果的であ
った。
【0010】 本発明のゲルミクロ乳濁液の実施形態はまた、例えば、製剤に組み込まれ得る
抗菌剤のような他の作用剤の効果的な製剤ベースとして用いることもできる。抗
菌剤を組み込んでいる実施形態は、病気の伝染を予防するのに特に有用である。
さらに、このような実施形態は、二重機能殺精子剤/抗菌製剤として特に有用で
あり、例えば、AIDS、性器ヘルペス、淋病、クラミジアのような性的伝染病
の伝染を阻害するのに特に有用であり得る。さらに別の実施形態では、さらなる
殺精子剤をその製剤に組み込み、殺精薬としてのゲルミクロ乳濁液の効果を高め
ることができる。
【0011】 本発明の1つの局面は、殺精薬としての使用に適合した製薬組成物に関し、組
成物は、水中油ミクロ乳濁液およびポリマー性ハイドロゲルを含んでいるゲルミ
クロ乳濁液を含む。別の局面は、殺精薬としてのこのような組成物の使用方法で
ある。
【0012】 本発明の別の局面は、さらなる治療剤の製薬ベースとしての使用に適合したゲ
ルミクロ乳濁液製薬組成物である。さらなる作用剤の例は、抗菌剤および殺精子
剤などである。別の局面は、さらなる治療剤の製薬ベースとしてのこのような組
成物の使用方法である。別の局面は、適切な治療処置のためのさらなる治療剤と
組み合わされたゲルミクロ乳濁液製剤ベースの使用である。
【0013】 本発明の別の局面は、殺精薬および抗菌剤の製剤ベースのいずれの使用にも適
合し、二重機能避妊薬/抗菌製剤を提供するゲルミクロ乳濁液製薬組成物に関す
る。別の局面は、このような組成物の二重機能避妊薬/抗菌製剤としての使用方
法である。
【0014】 図面の簡単な説明 図1は、ミクロ乳濁液システムのある実施形態の三元状態図である。非グリッ
ド領域は、単一相ミクロ乳濁液領域を表す。アステリスクは、表5に挙げるGM
−4製剤に用いられたミクロ乳濁液を表す。
【0015】 図2は、洗浄および濃縮にされた精液におけるヒト精子の運動能に対するGM
−4の個々の構成成分の効果を示す。アッセイ培地において列挙された化合物の
濃度を増加させて精子の運動性の高い部分をインキュベートし、運動精子の百分
率をCASAによって評価した。プロットは2つの代表的な測定の平均値を示す
。クレモフォー(cremophor)ELおよびホスホリポン(phospholipon)90Gは、テ
ストされたすべての濃度において殺精子性を示した。カプテックス(captex) 300
、PEG-200、プロピレングリコール、ビスカリン(viscarin)カラゲナン、およ
び安息香酸ナトリウムは、テストされた範囲の濃度でほとんどまたは全く阻害を
示さなかった。
【0016】 図3は、精液におけるヒト精子の運動能に対するGM−4の個々の構成成分の
効果を示す。液体化された精液の分取を最終濃度のGM−4製剤の構成成分を含
有する等量のアッセイ培地と混合した。所定の時間間隔で、精子運動能を評価し
た。プロットは、2つの代表的な実験からの平均値を示す。GM−4製剤のすべ
ての構成成分は、テストされた時間経過の全範囲においてヒトの精液の精子運動
能の阻害をほとんどまたは全く示さなかった。
【0017】 図4は、連続10日間G、M−4およびN−9(4%)−処理ウサギ膣部の光
顕微鏡像である。GM−4(左パネル、AおよびC)またはGM−4における4%
のN−9(右パネル、BおよびD)で膣内処理されたウサギの膣中央領域の代表
的なヘマトキシリン−およびエオシンで染色されたパラフィン埋め込み部分(×
200)。さらに高い拡大率(×400)では、GM−4処理ウサギ(C)での
膣上皮組織(VE)の無傷性に対する対N−9処理ウサギ(D)を示し、N−9
処理ウサギ(D)では、上皮組織細胞層破壊(矢印)および炎症に特徴的な白血
球流入を示している。
【0018】 図5は、1週間に5日、連続13週間、GM−4の膣内適用をする場合および
しない場合での10匹のメスのB6C3F1マウスの平均体重を示す。 発明の詳細な説明 用語および定義 本願に使用の科学および専門用語はすべて、特に特定されない限り、当該分野
においてよく用いられる意味を有する。本願で使用するとき、特に示さない限り
以下の意味を有する。
【0019】 「ミクロ乳濁液」は、界面活性剤分子の界面の薄膜によって安定させられた熱
力学的に安定し、透明な、水および油の分散液である。ミクロ乳濁液の特徴は、
0.1μm以下のサブミクロン粒度である。
【0020】 「脂質」は、脂肪または脂肪誘導物質を含む用語である。
【0021】 「界面活性剤」は、水または水溶液に溶解されると表面張力を低下させ、2つ
の液体または液体と固体との間の界面張力を低下させる任意の化合物である。一
種類例は乳化剤である。
【0022】 「湿潤剤」は、ある物質の水分に対して安定化作用を有する水への親和力を有
する物質である。
【0023】 本明細書で用いる用語「類似体」または「誘導体」は、交換可能に用いられ、
構造的および機能的に別の物質と関連する化学物質を意味する。類似体または誘
導体は、別の物質からの変性構造を含み、その別の物質と同様の機能を維持する
。類似体および誘導体は、その別の物質から合成する必要はないが、合成するこ
とができる。
【0024】 本明細書で用いる「製薬上許容可能な塩」とは、親化合物の望ましい生物活性
を保持し、望ましくない毒物効果を与えない塩のことである。このような塩は、
(a)例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸などの無機酸で形成され
る酸付加塩、および例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、
フマール酸(furmaric acid)、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビ
ン酸、安息香酸、タンニン酸、パモン酸(pamoic acid)、海藻酸、ポリグルタ
ミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ポリガラクツロン酸
のような有機酸で形成された塩;(b)亜鉛、カルシウム、ビスマス、バリウム
、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、カドミウムなどのよ
う多価の金属カチオンとの塩;または(c)N,N’−ジベンジルエチレンジア
ミンもしくはエチレンジアミンから形成された有機カチオンで形成された塩;ま
たは(d)(a)および(b)もしくは(c)の組み合わせ、例えば、亜鉛タン
ニン酸塩などであるがこれらに限定されない。好適な酸付加塩は、トリフルオロ
酢酸塩および酢酸塩である。
【0025】 本明細書に用いる「製薬上許容可能な担体」は、生物活性化合物と組み合わさ
ると、その化合物に、マスト細胞およびマクロファージの抗細菌活性を強める能
力のような生物活性を保持させる任意の物質を意味する。
【0026】 用語「阻害」は、測定可能な量減少させること、または完全に妨げることを意
味する。
【0027】 用語「治療」は、病状に脅かされているかまたは患っている哺乳類のその病状
を特徴付ける少なくとも1つの症状を阻害または阻止することを意味する。
【0028】 「哺乳類」は、乳腺によって分泌されたミルクで子に栄養を与える、例えば、
ヒト、ウサギ、マウス、サルなどの高等な脊椎動物の任意の部類を意味する。
【0029】 「N−9」は、殺ウイルス性/殺精薬ノノキシノール−9を意味する。
【0030】 「有機金属化合物」は、炭素(R−M)に直接結合した金属からなる有機化合
物である。
【0031】 「配位化合物」は、中心金属原子またはイオンと、配位子または錯化剤と呼ば
れる非金属原子、イオンまたは分子との結合により形成された化合物である。
【0032】 「配位子」または「錯化剤」は、配位化合物の中心金属原子またはイオンに結
合した分子、イオンまたは原子である。
【0033】 「一座配位子」は、中心金属原子またはイオンに配位する1つのドナー原子を
有する配位子である。
【0034】 「二座配位子」は、同じ中心金属原子またはイオンに配位する2つのドナー原
子を有する配位子である。
【0035】 「キレート」または「キレート化合物」とは、配位化合物の一種であり、中心
金属イオンが、同じ分子に2つ以上の非金属原子を含んでいるキレート配位子に
よって結合されているものである。1つ以上の複素環が中央金属原子で形成され
ており、配位化合物を形成する。
【0036】 「オキソバナジウム(IV)錯体」は、中心金属原子またはイオンとしてバナ
ジウムを含む配位化合物であり、このバナジウムは、酸化状態が+4(IV)で
あり、酸素と二重結合している。
【0037】 「メタロセン」は、遷移金属または遷移金属ハライドに結合しているシクロペ
ンタジエニル環を含有している有機金属配位化合物である。
【0038】 「バナドセン」は、遷移金属イオンとしてバナジウムを含むメタロセンである
【0039】 「遷移金属」は、周期内に8つの電子まで最外殻を満たすことを中断し、外か
ら二番目の殻を8から18または32までの電子にする多くの元素のいずれかで
ある。遷移金属は、21〜30、39〜48、57〜80および89以上の元素
を含む。
【0040】 「ハロ」はBr、Cl、FまたはIである。
【0041】 「アルキル」は、直鎖または分岐鎖のアルキルであり、ハロ置換アルキルを含
む。
【0042】 「アルコキシ」は、直鎖または分岐鎖のアルコキシであり、アルキル基にOを
含む。
【0043】 「アリール」は、ハロゲン、アルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アラ
ルコキシなどのような置換基で置換されてもよい、シクロペンタジエニル(cycl
opentadieneyl)またはフェニルのような単環、またはナフチルまたはアンスリ
ルのような多縮合環を有する一価の不飽和芳香族炭素環式ラジカルのことをいう
ゲルミクロ乳濁液製剤 本発明の一局面は、殺精薬として使用に適合する製薬組成物に関する。この製
薬組成物の殺精子活性はインビトロまたはin vivoであり得る。本発明の殺精子
組成物は、例えば哺乳類での使用に適している。殺精子組成物はゲルミクロ乳濁
液を含んでいる。ゲルミクロ乳濁液は、水中油型ミクロ乳濁液およびポリマー性
ゲル増粘剤のような増粘剤を含んでいる。
【0044】 ミクロ乳濁液は、一般に、1つ以上の脂質、1つ以上の界面活性剤、必要に応
じて1つ以上の湿潤剤、および希釈剤としての水を含んでいる。
【0045】 適切な脂質は、一般に水中油型ミクロ乳濁液を作製するのに有用であると知ら
れているものを含む。好適な例は、脂肪酸グリセリドエステル、好ましくは、中
等度鎖C6−C12脂肪酸グリセリドエステルなどを含む。好適なC6−C12脂肪酸
グリセリドエステルは、中等度鎖C6−C12モノグリセリドおよびトリグリセリ
ドであり、トリグリセリドがより好ましい。カプリル酸/カプリン酸のトリグリ
セリドが、本組成物の脂質構成成分として用いるのに特に適している。適切なカ
プリル酸/カプリン酸のトリグリセリドは、カプテックス(Captex)300(登録
商標)、 カプテックス(Captex)(登録商標) 355、カプテックス(Captex)
(登録商標) 350およびカプテックス(Captex)(登録商標) 200を含み、これ
らは、アビテック社(Abitec Corp.)、(Columbus, OH)から市販されており、こ
のなかでもカプテックス(Captex)300(登録商標)が、最も好ましい。
【0046】 適切な界面活性剤は、脂質がミクロ乳濁液中の油成分として用いられている水
中油型ミクロ乳濁液を作製するのに有用であると一般に知られているものを含み
、使用されている特定の脂質を乳化する補助に最適であることが好ましい。非イ
オン性界面活性剤が一般に好ましい。適切な界面活性剤の例は、エトキシ化され
たヒマシ油およびリン脂質を含む。エトキシ化されたヒマシ油の適切な一例は、
BASF社(BASF Corp.)、(Mount Olive, NJ)から市販されているクレモフォー(C
remophor)EL(登録商標)である。好適なリン脂質は、精製大豆リン脂質または
フォスファチジールコリンのようなレシチンを含む。適切な精製大豆リン脂質ま
たはレシチンの一例は、アメリカンレシチン(American Lecithin) (Oxford, C
T.)から市販されているホスホリポン(Phospholipon)(登録商標) 90Gである
。他の適切な非イオン性界面活性剤は、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロ
ックコポリマーを含む。適切な市販されている酸化エチレンと酸化プロピレンと
のブロックコポリマーは、BASF社(BASF Corp.)、(Mount Olive, NJ.)から市販
されているプルロニック(Pluronic)F-68、プルロニック(Pluronic)F-77、プ
ルロニック(Pluronic)F-87、およびプルロニック(Pluronic)F-88を含む。適
切な界面活性剤の混合物を用いることもできる。好ましい実施形態において、エ
トキシ化されたヒマシ油とリン脂質の両方を界面活性剤として用いている。
【0047】 ミクロ乳濁液はまた、1つ以上の湿潤剤を用いてもよい。好適な湿潤剤は、平
均分子量が100〜500、好ましくは150〜300、より好ましくは、19
0〜210の、1,2−プロパンジオールのようなプロピレングリコールおよび
ポリエチレングリコール(PEG)を含む。適切な湿潤剤の混合物を用いること
ができる。プロピレングリコールとポリエチレングリコールとの両方を湿潤剤と
して用いることが好ましい。適切なプロピレングリコールは、シグマ化学社(Si
gma Chemical Co.)、(St. Louis, MO)からプロピレングリコールUSP(Propy
lene Glycol USP)という商品名で市販されている。適切なポリエチレングリコ
ールは、ユニオンカーバイド社(Union Carbide Corporation)(Danbury, CT)か
ら市販されているカーボワックスポリエチレングリコール200(Carbowax Pol
yethylene Glycol 200)を含む。
【0048】 希釈剤として水が用いられ、浄化水または蒸留水を用いるのが好ましい。
【0049】 ミクロ乳濁液単独で、例えば、殺精子薬として、または、以下に詳細に述べる
ように、ある抗菌化合物のような水にあまり溶解しない物質の溶解度を高めるた
めの薬剤輸送システムで用いることができる。しかし、ミクロ乳濁液の有用性、
特に効果的な殺精薬として、また、ある応用において抗菌化合物のベース製剤と
しての有用性を高めるために、増粘剤を加える。
【0050】 したがって、ゲルミクロ乳濁液はまた、ポリマー性ハイドロゲルのような1つ
以上の増粘剤を含む。一般に、ハイドロゲルは、親水性天然または合成ゲル形成
ポリマー、好ましくは天然ゲル形成ポリマーである。天然ゲル形成ポリマーの適
切な例は、カラゲナン、キサンタンガム、カラヤゴム、アカシアゴム、ローカス
トビーンガム、グアルゴムを含む。適切な湿潤剤の混合物を用いることができる
。適切なカラゲナンは、FMC社(FMC Corporation)(Philadelphia, PA)から
市販されているシースペン(Seaspen)(登録商標) カラゲナンおよびビスカリ
ン(Viscarin)(登録商標)カラゲナンを含む。適切なキサンタンガムは、モン
サント製薬成分(Monsanto Pharmaceutical Ingredients)(St. Louis, MO)から
市販されているXANTURALTM 75を含む。
【0051】 製剤はまた、ゲルミクロ乳濁液の有用寿命を維持し、延ばすのに役立つ保存剤
または酸化防止剤のような1つ以上の添加剤を含む。一般に公知であり、用いら
れている特定の目的のためのゲルミクロ乳濁液の有用性を大きく損なうことがな
い保存剤および酸化防止剤をゲルミクロ乳濁液製剤に組み込むことができる。特
に適切な保存剤は、安息香酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、
ソルビン酸などを含む。安息香酸ナトリウムが、最も好ましく、カルターフード
サイエンス社(Cultor Food Science, Inc.)(Ardsley, NY)から市販されている
。製剤中の微生物の作用の防止は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェ
ノール、ソルビン酸、チメロサールなどの種々の抗細菌剤および抗真菌剤によっ
て行なうことができる。
【0052】 所望であれば、例えば、糖、緩衝液または塩化ナトリウムなどの着色剤、着香
剤、等張剤のような他の添加剤をゲルミクロ乳濁液に所望の程度およびゲルミク
ロ乳濁液の有用性が阻害されない程度まで加えることができる。
【0053】 組成物は、サブミクロンの粒度、好ましくは30〜80nmの範囲のゲルミク
ロ乳濁液を提供するように製剤される。さらに、ゲルミクロ乳濁液の粘度は、約
100〜1100センチポアズ、より好ましくは、約150〜1000、さらに
好ましくは、約200〜約1000センチポアズの範囲である。
【0054】 当業者であれば、適切なゲルミクロ乳濁液の製造に用いられる個々の成分のそ
れぞれの量は、用いられる他の成分の量および種類に依存する。従って、構成成
分の量および種類は相互依存的であることが分かるであろう。
【0055】 当業者であれば、適切なミクロ乳濁液は三元状態図の系統的マッピングによっ
て同定され得ることもまた分かるであろう。本発明のある実施形態の調製、GM
−4に用いられるミクロ乳濁液成分の三元状態図を図1に示し、以下の実施例で
説明する。非グリッド領域は、使用に適した単一相ミクロ乳濁液領域を表してい
る。構成成分の濃度はこの領域内から選択できる。アステリスクは、GM−4製
剤に用いられたミクロ乳濁液の成分の特定の濃度を表している。次いで、適切な
ゲルポリマー懸濁液を高い増粘能力とミクロ乳濁液との相溶性を有する望ましい
粘度のゲルを得るためにミクロ乳濁液ベースのシステムへの添加剤として選択す
ることができる。ゲルミクロ乳濁液は周囲温度で安定しているのが好ましい。
【0056】 本発明の実施形態のいくつかのゲルミクロ乳濁液製剤のベース成分の構成成分
濃度の代表的な例が表1に示されている。表1において、値は、製剤の全重量に
対する成分の重量%として表されている。
【0057】
【表1】
【0058】 いくつかの好適な実施形態において、製剤は、表2に示されたようなベース成
分の特定の構成成分濃度を含む。表2において、値は、製剤重量に対する成分の
重量%として表されている。
【0059】
【表2】
【0060】ゲルミクロ乳濁液の調製 簡単な方法により、1ミリメートル規模でもゲルミクロ乳濁液の調製ができる
。このような簡単な方法は概して以下のようなものである。界面活性剤、親水性
成分および脂質(好ましくは、中等度鎖のトリグリセリド)を適切な容器に一緒
に入れる。攪拌棒を用いて成分を適度な熱で透明で均質なミクロ乳濁液が形成さ
れるまで混合する。組成物を熱から取り出し、室温になるまで放置する。2部の
予め調製したポリマー分散液を各1部のミクロ乳濁液に加え、混合を続ける。得
られたゲルミクロ乳濁液は、200〜1000センチポアズの範囲の粘度および
サブミクロンの粒度、好ましくは30〜80nmの範囲を有する分散液である。ゲルミクロ乳濁液の殺精子的使用 本発明の避妊組成物は、精子を不動化させるのに有効な用量を精子と接触する
部位に投与することが好ましい。このような組成物は、特に哺乳類での使用が意
図されているが、哺乳類以外での使用も想定されている。また、この組成物は、
精子不動化組成物として用いることができると想定されている。本発明は、ほと
んどの実用応用においてヒトによって用いられると予想される。
【0061】 好ましくは、用いられる殺精薬の量は、所望の殺精子結果を達成するのに必要
な量である。適切な量は当業者によって決定される。
【0062】 本発明の避妊組成物は、当業者に公知のいかなる手段ででも哺乳類の膣に輸送
することができる。ゲルミクロ乳濁液は直接適用することができる。組成物の他
の典型的な輸送形態は、例えば、海綿体、女性用コンドームを含むコンドーム、
座薬、およびフィルムなどの膣内デバイスを含む。さらに、本発明の組成物は、
例えば、コンドーム滑剤などの個人的嗜好用滑剤として用いてもよい。避妊組成
物は、例えばコンドームの内側またはコンドーム上に置いてもよい。米国特許第
5,069,906号に記載のように、膣内デバイスもまた、組成物の投与の補
助に用いてもよい。材料、成分、割合、このような輸送形態の手順に関する詳細
は当業者に公知であり、当該分野において周知の技術により選択することができ
る。
【0063】 本発明の製剤は、膣挿入物、コンドームまたは他のこのようなデバイスのよう
な殺精子物に、その殺精子物が用いられると、殺精子薬が輸送され、精子に接触
するように組み込まれ得ることも想定されている。他の治療薬の製剤ベースとしてのゲルミクロ乳濁液 本発明の別の局面は、上記のゲルミクロ乳濁液製剤を治療用活性剤に組み込む
ための製剤ベースとしての使用である。ベースゲルミクロ乳濁液製剤は、一般に
、上記の成分および濃度を含む。治療用活性剤は、このようなゲルミクロ乳濁液
製剤を有する作用剤を投与することが望ましい場合の一般に公知のいずれの治療
薬も含むことができる。本発明のゲルミクロ乳濁液のある実施形態は、水に溶解
しにくい化合物の溶解ビークルとして特に適切である。好適な実施形態において
、ゲルミクロ乳濁液の製剤は、例えば、抗菌剤、殺精子剤または二重機能抗菌剤
/殺精子剤の製剤ベースとして用いられる。抗菌ゲルミクロ乳濁液製剤 抗菌治療剤の適切な例は、抗ウイルス剤、抗細菌剤、抗真菌剤などを含む。こ
のような作用剤は、ゲルミクロ乳濁液に組み込み、抗菌製剤または二重機能抗菌
/殺精子製剤となる。好適な抗菌剤の適切な例は、例えば、AIDS(HIV−
1、HIV−2、FIV、SIVなど)生殖器ヘルペス、、淋病、クラミジアな
どの性的伝染病の治療に用いられるものを含む。
【0064】 好適な抗菌剤の例:抗ウイルス剤のような抗菌剤の適切な例は、以下の同時係
属中の特許出願に開示されているものを含み、これらを本明細書中に参照により
援用する。
【0065】 米国特許出願第09/047,609号(本明細書中に参照により援用する)
、および対応する公開されたPCT出願第PCT/US99/06381(国際
公開番号WO99/48902)(本明細書中に参照により援用する); 米国特許出願第09/450,082号(本明細書中に参照により援用する)
、および対応する公開されたPCT出願第PCT/US99/14774(国際
公開番号WO00/00501)(本明細書中に参照により援用する);および 米国特許出願第09/107,716号(本明細書中に参照により援用する)
【0066】 同時係属中の米国特許出願第09/047,609号および対応するPCT出
願第PCT/US99/06381に開示される好適な抗菌/抗ウイルス化合物
の例は、そこで開示されているAZT誘導体を含む。そこで開示されているAZ
T誘導体の多くもまた、殺精子活性を有する。このような抗菌AZT誘導体の例
は、以下の式の化合物を含む。
【0067】
【化9】
【0068】 式中、R1は、H、N3、ハロ、CN、COOHまたはNH2であり、R2は、ハ
ロ(特にCl、BrまたはI、より特定すれば、Br)であり、R3は、アルコ
キシ(特にC1−3アルコキシ、より特定すれば、メトキシ(−OCH3))で
ある。NH2基は、例えば、−CH3、−COCH3、−Ph、−COPhおよび
−CH2Phで官能化され得る。ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩の
ような製薬上許容可能な塩またはエステル形態もまた用いることができる。
【0069】 上記の化学式の誘導体はAZTペントース環員に置換を含む。本発明のこの局
面の誘導体は以下に示す化学構造を有する。
【0070】
【化10】
【0071】 式中、R1は、H、N3、ハロ、CN、COOHまたはNH2であり、R2は、ハ
ロ(特にCl、BrまたはI、より特定すれば、Br)であり、R3は、アルコ
キシ(特にC1−3アルコキシ、より特定すれば、メトキシ(−OCH3))で
あり、R’は、化合物の細胞へ導入を容易にする基である。第1の化学式におい
てのように、NH2基は、例えば、NHCH3、NHCOCH3、NHPh、NH
COPhおよびNHCH2Phに変換され得る。R’基は、例えば、H、リン酸
塩、脂質または脂肪酸基であり得る。あるいは、精子反応性抗体またはサイトカ
インを用いて、標的輸送のためにこれらの化合物(および第1の化学式の化合物
)をR’またはR1位で変性することもできる。ナトリウム、カリウムまたはア
ンモニウム塩のような製薬上許容可能な塩またはエステル形態もまた用いること
ができる。
【0072】 R’基は、リン酸塩基を形成する。リン酸塩の−OH員のHは、置換されても
よいC1−4アルキルまたはアリール置換基(例えば、フェニル−、ナフチル−
またはアンスラシニル(anthracinyl)置換)で置換されてもよく、SHまたは
NH2基は、リン酸塩のOHと置換でき、これらの場合のそれぞれにおいてNH2 またはSHのHは、上記のOH基のHと同様に置換されてもよい。アリールリン
酸塩基は、優れた抗HIV活性の維持に驚くほど効果がある。アリールリン酸塩
OR’基の一例の一般的な構造を以下に示す。
【0073】
【化11】
【0074】 式中、R4、R5、およびR6は同じまたは異なり、水素、メチル、エチル、フ
ロロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ジクロロ、ジブロモ、ジフロロ、トリフロロメ
チル、ニトロ、シアノ、メトキシ、トリフロロメトキシおよびエトキシ、特に水
素、フロロ、ブロモおよびメトキシであり、R”は、例えば、アラニニル(alan
inyl)基(−NHCH(Me)COOMe)のような、置換および/またはエス
テル化されてもよいアミノ酸残基である。アラニニル(alaninyl)基の場合、C
H基に結合したメチル基は、例えば、フェニル基で置換されてもよく、メチルエ
ステル化は、C2またはC3エステル化で置換されてもよい。
【0075】 これらの化合物のうち、以下の化合物(以下、WHI−07という)が特に好
ましい。
【0076】
【化12】
【0077】 化学名:(5R,6R)-および(5S,6S)-5-ブロモ-6-メトキシ-5,6-ジヒドロ-AZT-5'-(
パラ-ブロモフェニル メトキシアラニニル ホスフェート) 米国特許出願第09/450、082号および対応する公開されたPCT出願
第PCT/US99/14774、ならびに米国特許出願第09/107,71
6号に開示された好ましい抗菌、好ましくは抗ウイルス化合物の例は、それらに
開示されているヌクレオシドのアリールリン酸塩誘導体、特にd4TおよびAZ
Tの誘導体を含む。それらに開示されている適切なヌクレオシド誘導体の例は、
以下の化学式のもの、またはその製薬上許容可能な塩を含む。
【0078】
【化13】
【0079】 式中、Yは、酸素または硫黄、好ましくは酸素であり、R1は、非置換アリー
ルまたは電子吸引基で置換されたアリールであり、R2は、以下の化学式のうち
の1つのヌクレオシドである。
【0080】
【化14】
【0081】 R6は、プリンまたはピリミジン、好ましくはピリミジンであり、R7、R8
9、R10、R11およびR12は、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロ、アジド、
−NO2、−NR1314、または−N(OR15)R16、ここで、R13、R14、R1 5 、およびR16は、独立して、水素、アシル、アルキルまたはシクロアルキルで
あり、 R3は、水素、アシル、アルキルまたはシクロアルキルであり、R4は、アミノ
酸の側鎖であり、またはR3とR4とが一緒になって、プロリンまたはヒドロキシ
プロリンの側鎖を形成してもよく、R5は、水素、アルキル、シクロアルキルま
たはアリールである。
【0082】 上記のヌクレオシドのアリールリン酸塩誘導体の定義および米国特許出願第0
9/450、082号で用いられたように、以下の用語は以下の意味を有する。
【0083】 用語「アリール」は、例えば、ナフチルのような縮合芳香族環を含むフェニル
のような芳香族ヒドロカルビルを含む。このような基は、非置換であるか、また
は、例えば、ハロ(ブロモ、クロロ、フロロ、ヨード)、NO2またはアシルの
ような電子吸引基によって芳香族環が置換されてもよい。好ましくは、電子吸引
器で置換されたアリールは、ブロモフェニル、より好ましくは、4−ブロモフェ
ニルである。
【0084】 用語「アシル」は、化学式R17C(O)−(R17は、水素、アルキルまたはシ
クロアルキル)の置換基を含む。
【0085】 用語「アルキル」は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロリル(1
−メチルエチル)、ブチル、tert−ブチル(1,1−ジメチルエチル)などのよ
うな炭素原子が1〜6個の直鎖または分岐飽和脂肪族炭化水素鎖を含む。このよ
うな基は、非置換であるか、または水素、ハロ、アジド、−NO2、−NR131 4 、または−N(OR15)R16(R13、R14、R15およびR16は、上記と同様で
ある)で置換されてもよい。
【0086】 用語「シクロアルキル」は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシルなどのような炭素原子が3〜7個の飽和脂肪族炭化水
素環を含む。このような基は、非置換であるか、または水素、ハロ、アジド、−
NO2、−NR1314、または−N(OR15)R16(R13、R14、R15およびR1 6 は、上記と同様である)で置換されてもよい。
【0087】 用語「プリン」は、アデニンおよびグアニンを含む。
【0088】 用語「ピリミジン」は、ウラシル、チミンおよびシトシンを含む。好ましくは
、ピリミジンはチミンである。
【0089】 用語「アミノ酸の側鎖」は、アミノ酸の可変的な基であり、例えば、グリシン
、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチ
ン、グルタミン酸、グルタミン、ヒドロキシリシン、イソロイシン、ロイシン、
リジン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン
、チロシン、バリンなどの側鎖を含む。アミノ酸の側鎖は、アラニンまたはトリ
プトファンの側鎖が好ましい。
【0090】 一般に、オルソ−またはパラ−置換ハロゲンまたはNO2のような電子吸引基
で置換された化合物によって、活性的阻害化合物へのより効率的な加水分解が得
られる。ハロゲン置換が好ましく、パラ−ブロモ置換およびパラ−クロロ置換が
最も好ましい。
【0091】 そこで開示されている好ましいヌクレオシド誘導体は、以下の化学式のものを
含む。
【0092】
【化15】
【0093】 式中、Xは、例えば、ハロまたはNO2のような電子吸引基であり、最も好ま
しくは、Xはブロモまたはクロロである。付加的殺精子剤を有するゲルミクロ乳濁液製剤 殺精子剤の適切な例は、ゲルミクロ乳濁液を有する製剤と相溶性がある一般に
公知のいかなる殺精子剤をも含む。このような作用剤は、ゲルミクロ乳濁液製剤
に組み込まれ、製剤の付加的な殺精子活性を提供することができる。以下に説明
する殺精子剤の多くもまた、抗ウイルス活性のような抗菌活性を有し、抗菌剤お
よび殺精子剤として製剤に組み込まれることができる。
【0094】 ゲルミクロ乳濁液製剤に組み込むための好適な殺精子剤: 殺精子剤の好ましい例は、以下の同時係属中の特許出願に開示のものを含む。
【0095】 米国特許出願第09/008,898号(本明細書中に参照により援用する)
、および対応する公開されたPCT出願第PCT/US99/01171(国際
公開番号WO99/36063)(本明細書中に参照により援用する); 米国特許出願第09/187,115号(本明細書中に参照により援用する)
; 米国特許出願第09/187,115号(本明細書中に参照により援用する)
; 米国特許出願第09/224,677号(本明細書中に参照により援用する)
【0096】 同時係属中の米国特許出願第09/008,898号および対応するPCT出
願第PCT/US99/01171に開示される好適な殺精子化合物の例は、そ
こに開示されているバナジウム(IV)化合物を含む。このようなバナジウム(
IV)化合物の例は、有機金属シクロペンタジエニルバナジウムIV錯体を含む
。このような化合物の好ましい例は、バナドセンジクロリド、ビス(メチルシク
ロペンタジエニル)バナジウムジクロリド、バナドセンジブロミド、バナドセン
ジヨージド、バナドセンジアジド、バナドセンジシアニド、バナドセンジオキシ
シアナート、バナドセンジチオシアナート、バナドセンジセレノシアナート、バ
ナドセンジトリフラート、バナドセンモノクロロオキシシアナート、バナドセン
モノクロロアセトニトリロテトラクロロフェラート、バナドセンアセチルアセト
ナート(acetonato)モノトリフラート、バナドセンビピリジノ(bipyridino)
ジトリフラート、バナドセンヘキサフロロアセチルアセトナート(acetonato)
モノトリフラート、バナドセンアセトヒドロキサメート(acethydroxamato)モ
ノトリフラート、およびバナドセンN−フェニルベンゾヒドロキサメートモノト
リフラートを含む。特に好ましい化合物は、バナドセンジセレノシアナートおよ
びバナドセンジクロリドである。
【0097】 同時係属中の米国特許出願第09/187,115号に開示されている好適な
殺精子化合物の例は、そこに開示されているオキソ−バナジウム(IV)化合物
を含む。好ましいオキソバナジウム(IV)錯体は、少なくとも1つの二座配位
子を含む。適切な二座配位子は、N,N’;N,O;およびO,O’二座配位子
を含む。適切な二座配位子の例は、ビピリジル、架橋ビピリジルおよびアセトフ
ェノンを含む。特に、好ましいオキソバナジウム化合物は、以下に示す化学式を
有するものである。
【0098】 適切なオキソバナジウム(IV)化合物は、二座配位子がビピリジルである二
座配位子を含み、オキソバナジウムIV錯体は、以下の一般式を有する。
【0099】
【化16】
【0100】 式中、RおよびR1は、同じまたは異なり、独立して、H、低級アルキル、ハ
ロゲン、低級アルコキシ、ハロゲン化アルキル、シアノ、カルボアルコキシ(例
えばC2−C6)およびニトロから選択され、XおよびX1は同じまたは異なり、独
立して一座および二座配位子から選ばれ、nは、0または1である。
【0101】 他の適切なオキソ−バナジウム(IV)化合物は、二座配位子が架橋ビピリジ
ルである二座配位子を有し、オキソバナジウムIV錯体は、以下の一般式を有す
る。
【0102】
【化17】
【0103】 式中、R2およびR3は、同じまたは異なり、H、低級アルキル、ハロゲン、低
級アルコキシ、ハロゲン化アルキル、シアノ、カルボアルコキシ(例えばC2−C 6 )およびニトロから選択され、X2およびX3は同じまたは異なり、一座および二
座配位子から選ばれ、Zは、O、CH2、CH2−CH2、およびCH=CHから
選ばれ、nは、0または1である。
【0104】 他の適切なオキソ−バナジウム(IV)化合物は、二座配位子が架橋ビピリジ
ルであり、その架橋ビピリジルがフェナントロリンである二座配位子を有し、オ
キソバナジウムIV錯体が以下の一般式を有する。
【0105】
【化18】
【0106】 式中、R4、R5およびR6は、同じまたは異なり、独立して、H、低級アルキ
ル、ハロゲン、低級アルコキシ、ハロゲン化アルキル、シアノ、カルボアルコキ
シ(例えばC2−C6)およびニトロから選択され、X4およびX5は同じまたは異な
り、独立して、一座および二座配位子から選ばれ、nは、0または1である。
【0107】 他の適切なオキソ−バナジウム(IV)化合物は、二座配位子がO,O’二座
配位子である二座配位子を有し、オキソバナジウムIV錯体が以下の一般式を有
する。
【0108】
【化19】
【0109】 式中、R7およびR9は、同じまたは異なり、独立して、H、低級アルキル、低
級アルコキシ、およびハロゲン化アルキルから選択され、R8は、H、低級アル
キル、ハロ、低級アルコキシ、およびハロゲン化アルキルから選択され、Yおよ
びY1は、同じまたは異なり、独立して一座および二座配位子からなる群から選
ばれ、nは、0または1である。
【0110】 オキソバナジウム錯体の好ましい一座配位子は、H2O、ハライド、およびカ
ルボキシレートを含む。好ましい二座配位子は、N,N’二座配位子、N,O二
座配位子、およびO,O’二座配位子を含む。適切なN,N’二座配位子は、ジ
アミンおよび他のこのような公知の適切なN,N’二座配位子を含む。ジアミン
の例は、ビピリダル(bipyridal)、ビピリダルの誘導体、フェナントロリンの
ような架橋ビピリダル、フェナントロリンの誘導体および他のこのような化合物
を含む。適切なN,O二座配位子の例は、アミノ酸およびシッフ塩基類の基を含
む。適切なO,O’二座配位子の例は、ジカルボキシレート、2−ヒドロキシア
セトフェノン、アセチルアセトン系およびカテコール系の基を含む。
【0111】 特に有用なオキソ−バナジウム(IV)錯体は以下のものである。
【0112】 (ジアクア)(2,2’−ビピリジル)オキソバナジウム(IV)サルフェー
ト; (アクア)ビス(2,2’−ビピリジル)オキソバナジウム(IV)サルフェ
ート; (ジアクア)(4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジル)オキソバナジウ
ム(IV)サルフェート; (アクア)ビス(4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジル)オキソバナジ
ウム(IV)サルフェート; (ジアクア)(1,10−フェナントロリン)オキソバナジウム(IV)サル
フェート; (アクア)ビス(1,10−フェナントロリン)オキソバナジウム(IV)サ
ルフェート; (ジアクア)(4,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン)オキソバナ
ジウム(IV)サルフェート; (アクア)ビス(4,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン)オキソバ
ナジウム(IV)サルフェート; (ジアクア)(5−クロロ−1,10−フェナントロリン)オキソバナジウム
(IV)サルフェート; (アクア)ビス(5−クロロ−1,10−フェナントロリン)オキソバナジウ
ム(IV)サルフェート;および ビス(5’−ブロモ−2’−ヒドロキシアセトフェノン)オキソバナジウム(
IV)。
【0113】 同時係属中の米国特許出願第09/224、677号に開示された好適な殺精
子化合物の例は、そこに開示されているフェネチル−5−ブロモピリジルチオ尿
素(PBT)およびジヒドロキアルコキシベンジロピリミジン(dihydroxalkoxy
benzylopyrimidine)(DABO)誘導体を含む。
【0114】 このようなPBT誘導体の例は、以下の化学式を有するものまたはその製薬上
許容可能な塩を含む。
【0115】
【化20】
【0116】 R、R1、R2、R3およびR4は、独立して、水素、F、Cl、BrまたはIで
あり、R、R1、R2、R3およびR4のうち少なくとも1つは、F、Cl、Brま
たはIである。好ましくは、上記の構造のR、R1、R2、R3およびR4のうちの
1つは、FまたはClである。本発明の適切なハロゲン置換PBT誘導体のいく
つかは以下のようなものであるが、これが、すべてではない。
【0117】 N-[2-(2-フロロフェネチル)]-N'-[2-(5-ブロモピリジル)]-チオ尿素 N-[2-(2-クロロフェネチル)]-N'-[2-(5-ブロモピリジル)]-チオ尿素 N-[2-(3-フロロフェネチル)]-N'-[2-(5-ブロモピリジル)]-チオ尿素 N-[2-(3-クロロフェネチル)]-N'-[2-(5-ブロモピリジル)]-チオ尿素 N-[2-(4-フロロフェネチル)]-N'-[2-(5-ブロモピリジル)]-チオ尿素 N-[2-(4-クロロフェネチル)]-N'-[2-(5-ブロモピリジル)]-チオ尿素 さらに好ましいPBT誘導体の1つは、以下の示す化学構造を有するN-[2-(2-フ
ロロフェネチル)]-N'-[2-(5-ブロモピリジル)]- チオ尿素(F-PBT)である。
【0118】
【化21】
【0119】 PBT誘導体は、ヴィグら(Vig et al.)、 BIOORG. MED. CHEM., 6:1789-17
97 (1998)に記載のように合成することができる。簡単に説明すると、2−アミ
ノ−5−ブロモピリジンを1,1−チオカルボニルジイミダゾールで縮合し、前
駆物質チオカルボニル誘導体にする。さらに、適切にハロゲンで置換されたフェ
ニルエチルアミンとさらに反応させ目的のハロゲン化PBT誘導体を得る。
【0120】 適切なDABO誘導体の例は、以下の化学式のものまたは製薬上許容可能な塩
を含む。
【0121】
【化22】
【0122】 式中、R1およびR2は、同様であるかまたは異なり、水素、ハロ、アルキル、
アルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、チオアルキル、チオール、ホスフィノ、
ROHまたはRNH基であり、ここでRは、アルキルである。好ましくは、R1
およびR2のうち1つ以上は、メチル(Me)、エチル(Et)またはイソプロ
ピル(i - Pr)のような1〜3個の炭素原子(C1−C3)を有するアルキルであ
る。好ましくは、R1は、アルキル、アルケニル、ROHまたはRNH2である。
2は、好ましくは、ハロ、アルキルまたはC1−C3アルコキシである。
【0123】 Yは、SまたはOであり、好ましくはSである。R3は、アルキル、アルケニ
ル、アリール、アラルキル、ROHまたはRNH基(Rはアルキル)であり、C 1 −C3アルキルが好ましい。
【0124】 好ましいDABO誘導体は、以下に示す化学構造を有する化合物またはその製
薬上許容可能な塩を含む。
【0125】
【化23】
【0126】 R1は、Me、Etまたはi−Prであり、R2はHまたはMeである。
【0127】 本発明の適切なDABO誘導体化合物のいくつかは以下の(a)から(d)の
化合物を含むが、これらが、すべてではなく、またはその製薬上許容可能な塩を
含む。 (a)5-メチル-2-[(メチルチオメチル)チオ]-6-ベンジル-ピリミジン-4-1H-オ
ン、 (b)5-エチル-2-[(メチルチオメチル)チオ]-6-ベンジル-ピリミジン-4-1H-オ
ン、 (c)5-イソプロピル-2-[(メチルチオメチル)チオ]-6-ベンジル-ピリミジン-4-
1H-オン、 (d)5-イソプロピル-2-[(メチルチオメチル)チオ]-6-(3,5-ジメチルベンジル)
-ピリミジン-4-1H-オン。
【0128】 より好ましいDABO誘導体の1つは、化合物、5-イソプロピル-2-[(メチル
チオメチル)チオ]-6-(ベンジル)-ピリミジン-4-1H-オン(S−DABO)、およ
びその製薬上許容可能な塩であり、その化学構造の例を以下に示す。
【0129】
【化24】
【0130】 DABO誘導体は、ヴィグら(Vig et al.)、 BIOORG MED CHEM LETTERS, 8:
1461-1466 (1998)に記載のように調製することができる。上記の(a)から(d
)のDABO誘導体の調製のための一般的な合成スキームは以下のとおりである
【0131】
【化25】
【0132】 簡単に説明すると、エチル-2-アルキル-4-(フェニル)-3-オキソブチラート 1
a-dを市販のフェニルアセトニトリルから得た。(−ケトエステルをナトリウムエ
トキシドの存在下でチオ尿素で縮合し、対応するチオウラシル 2a-dを得た。化
合物(1a−dおよび2a-d)を上記の方法(ダネル(Danel), K. et al., Acta Chem
ica Scandinavica, 1997, 51, 426-430; メイ(Mai), A. et al., J. Med. Che
m., 1997, 40, 1447-1454; ダネル(Danel), K. et al., J. Med. Chem., 1998
, 41, 191-198)によって生成した。
【0133】 次いで、チオウラシルをメチルクロロメチルスルフィドと炭酸カリウムの存在
下でN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中で反応させると、適度な収率で
化合物3a-dを得た。無水DMF(5ml)中でチオウラシル化合物2(1mmol)、
メチルクロロメチルスルフィド(1mmol)および炭酸カリウム(1mmol)を混合
し、一晩、室温で攪拌した。水(50ml)で処理した後、この溶液を酢酸エチ
ル(3×50ml)で抽出した。組み合わされた抽出液を飽和NaCl(2×5
0ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過して、in vacuoで縮合すると、
粗生成物3a-dを得、これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル溶
出液)によって精製した。
【0134】 治療剤の他の例は、置換または非置換のカタコレート(catacholate)配位子
を含んでいるバナジウム(IV)錯体を含む。このような化合物の例は、以下の
構造式を有する錯体またはその製薬上許容可能な塩を含む。
【0135】
【化26】
【0136】 式中、R1、R2、R3およびR4 は、同じかまたは異なり、独立して、H、ハ
ロ、OH2、 O3SCF3、N3、CN、OCN、SCN、SeCN、NO2、C1-
4アルキル、C1-C4アルコキシ、およびアリールであり;nは0または1であ
り;R5とR6は、同じかまたは異なり、一座配位子であるか、またはR5とR6
が一緒に二座配位子を含む。
【0137】 適切な一座配位子は、例えば、アリール、ハロ、H2O、O3SCF3、N3、C
OOH、CN、OCN、SCN、SeCN、NO2、C1-C4アルキル、C1-C4
アルコキシを含む。好ましい一座配位子は、1つ以上の非置換または置換芳香族
環を含む。より好ましい一座配位子は、非置換または置換シクロペンタジエニル
配位子を含む。
【0138】 適切な二座配位子は、例えば、N,N'; N,O; およびO,O'二座配位子を含
む。適切なN,N'二座配位子の例は、ジアミンおよび他のこのような公知の適切
なN,N'二座配位子を含む。ジアミンの例は、ビピリダル(bipyridal)、ビピ
リダルの誘導体、フェナントロリンのような架橋ビピリダル、フェナントロリン
の誘導体および他のこのような化合物を含む。適切なN,O二座配位子の例は、
アミノ酸およびシッフ塩基類の基を含む。適切なO,O’二座配位子の例は、ジ
カルボキシレート、2−ヒドロキシアセトフェノン、アセチルアセトン系および
カテコール系の基を含む。好ましい二座配位子は、1つ以上の芳香族環を含む。
芳香族環を含む適切な二座配位子の好ましい例は、置換または非置換ビピリジル
、架橋ビピリジルおよびアセとフェノン配位子を含む。架橋ビピリジルは、フェ
ナントロリンを含む。
【0139】 好ましいバナジウム(IV)カタコレート錯体の中には、以下の構造式を有す
る「ベントサンドイッチ」バナドセンモノカタコレート錯体、または製薬上許容
可能な塩を含む。
【0140】
【化27】
【0141】 式中、Cpは、非置換シクロペンタジエニル、または置換または非置換アリー
ル、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、ハロ、OH2、O3SCF3、N3、C
N、OCN、SCN、SeCN、NO2から選ばれる1つ以上の置換基で置換さ
れたシクロペンタジエニルである。Cpは、好ましくは、非置換シクロペンタジ
エニルである。
【0142】 R1、R2、R3 およびR4は、同じであるかまたは異なり、独立して、H、ハ
ロ、OH2、O3SCF3、N3、CN、OCN、SCN、SeCN、NO2、C1-
4アルキル、およびC1-C4 アルコキシから選ばれる。例えば、電子供与アル
キル基のような電子供与基が、R1、R2、R3および/またはR4位にカタコレー
ト環の置換基として存在することが好ましい。
【0143】 特に好ましいこのような化合物は、バナドセンカタコレート、バナドセンモノ
−第3ブチルカタコレート、およびバナドセン1,3−ジイソプロピルカタコレ
ートを含む。
【0144】 バナドセン(IV)カタコレート錯体の別の例は、二座配位子がビピリジルで
ある二座配位子を有し、以下に示す一般式を有する錯体またはその製薬上許容可
能な塩を含む。
【0145】
【化28】
【0146】 式中、R7およびR8は、同じであるかまたは異なり、独立して、H、アリール
、C1-C4アルキル、ハロ、C1-C4 アルコキシ、カルボアルコキシ(例えば、C 2 -C6)、シアノ、およびニトロから選ばれ;nは0または1であり、R1、R2
3およびR4は、同じであるかまたは異なり、独立して、H、ハロ、OH2、O3 SCF3、N3、CN、OCN、SCN、SeCN、NO2、C1-C4アルキル、お
よびC1-C4アルコキシから選ばれる。
【0147】 バナジウム(IV)カタコレート錯体の別の例は、二座配位子が架橋ビピリジ
ルである二座配位子を有し、以下に示す一般式を有する錯体またはその製薬上許
容可能な塩を含む。
【0148】
【化29】
【0149】 式中、R9およびR10は、同じであるかまたは異なり、独立して、H、アリー
ル、C1-C4アルキル、ハロゲン、C1-C4 アルコキシ、ハロゲン化アルキル、
シアノ、カルボアルコキシ(例えば、C2-C6)、およびニトロから選ばれ;Zは、
O、CH2、CH2-CH2およびCH=CHであり;nは0または1であり、および
ハロ、OH2、O3SCF3、N3、CN、OCN、SCN、SeCN、NO2、C1 -C4アルキル、およびC1-C4 アルコキシから選ばれる。
【0150】 バナジウム(IV)カタコレート錯体の別の例は、二座配位子が架橋ビピリジ
ルであり、架橋ビピリジルがフェナントロリンである二座配位子を有し、以下に
示す一般式を有する錯体またはその製薬上許容可能な塩を含む。
【0151】
【化30】
【0152】 式中、R11、R12およびR13は、同じであるかまたは異なり、独立して、H、
アリール、C1-C4アルキル、ハロゲン、低級アルコキシ、ハロゲン化アルキル
、シアノ、カルボアルコキシ(例えば、C2-C6)およびニトロから選ばれ、nは
、0または1であり、R1、R2、R3 およびR4は、同じであるかまたは異なり
、独立して、H、ハロ、OH2、O3SCF3、N3、CN、OCN、SCN、Se
CN、NO2、C1-C4アルキル、およびC1-C4 アルコキシから選ばれる。
【0153】 バナジウム(IV)カタコレート錯体の別の例は、二座配位子がO,O’二座
配位子である二座配位子を有し、以下に示す一般式VIを有する錯体またはその
製薬上許容可能な塩を含む。
【0154】
【化31】
【0155】 式中、R14およびR16は、同じであるかまたは異なり、独立して、H、アリー
ル、C1-C4アルキル、およびC1-C4アルコキシ、およびハロゲン化アルキルか
ら選ばれ、R15は、H、C1-C4アルキル、ハロ、C1-C4アルコキシおよびハロ
ゲン化アルキルから選ばれ、nは、0または1であり、R1、R2、R3およびR4 は、同じであるかまたは異なり、独立して、H,ハロ、OH2、O3SCF3、N3 、CN、OCN、SCN、SeCN、NO2、C1-C4アルキル、およびC1-C4 アリコキシから選ばれる。付加的な治療剤を含むゲルミクロ乳濁液製剤の調剤 例えば、上記の抗菌剤または殺精子剤のような付加的な治療剤を含むゲルミク
ロ乳濁液製剤は、付加的な治療薬を追加するということが唯一異なるだけで、上
記の第1のゲルミクロ乳濁液と実質的に同じ方法で製剤および調製される。追加
する付加的成分の量は、最終ゲルミクロ乳濁液製剤におけるその成分の所望の有
効量による。200から1000センチポアズの範囲の粘度およびサブミクロン
の粒度、好ましくは30〜80nmの範囲を有する分散液を提供することが依然
として望ましい。
【0156】 本発明の実施形態のゲルミクロ乳濁液製剤のベース成分の構成成分濃度範囲の
代表的な例が表3に示されている。表3において、値は、製剤の全重量に対する
成分の重量%として表されている。
【0157】
【表3】
【0158】 製剤の好適な実施形態において、製剤は、表4に示されるようなベース成分の
特定の構成成分濃度を含む、表4において、値は、製剤の全重量に対する成分の
重量%として表されている。
【0159】
【表4】
【0160】 抗菌剤または殺精子剤のような付加的な治療剤を有する製剤を製造する簡単な
製剤手順を以下に大雑把に説明する。界面活性剤、親水性成分および脂質(好ま
しくは、中等度鎖のトリグリセリド)を適切な容器に一緒に入れる。攪拌棒を用
いて成分を適度な熱で透明で均質なミクロ乳濁液が形成されるまで混合する。適
切な量の治療剤を加え、およそ10分間攪拌を続け、薬剤を確実に完全に溶解さ
せる。組成物を熱から取り出し、室温になるまで放置する。予め調製したポリマ
ー分散液2部を各1部のミクロ乳濁液に加え、混合を続ける。得られたゲルミク
ロ乳濁液は、200〜1000センチポアズの範囲の粘度およびサブミクロンの
粒度、好ましくは30〜80nmの範囲を有する分散液である。ゲルミクロ乳濁液製剤を含んでいる治療剤の使用 殺精子薬または二重機能殺精薬/抗菌組成物として用いるとき、付加的な治療
剤の追加から得られたゲルミクロ乳濁液製剤は、上記のゲルミクロ乳濁液殺精薬
の場合と大体同じように用いられることが想定されている。しかし、他の治療剤
、例えば、抗ウイルス剤を含む製剤は、非殺精子応用に用いることができること
が想定されている。
【0161】 このような応用において、製剤は、所望の治療効果を得るのに有効な量を所望
の治療活性に適切な部位に投与することが好ましい。例えば、抗菌応用において
、製剤は、所望の抗菌効果を得るのに有効な量を所望の抗菌活性に適切な部位に
投与することが好ましい。適切な量は、当業者によって決定される。このような
治療組成物は、特に哺乳類での使用が意図されているが、哺乳類以外での使用も
想定されている。本発明は、ほとんどの実用応用においてヒトによって用いられ
ると考えられる。
【0162】 本発明を以下の実施例を参照してさらに説明するが、実施例は好ましい実施形
態のいくつかを例示するにすぎず、本発明はこれに限らない。 実施例 実施例1 :ゲルミクロ乳濁液製剤の合成 材料: ABITEC社(ABITEC Corp., Janeswille, WI)からカプテックス(Captex
)300を入手し、バスフ社(BASF Corp., Mount Olive, NJ)からCremophor ELを
入手した。ホスホリポン(Phospholipon )90Gは、アメリカンレシチン社(Amer
ican Lecithin Co., Danbury, CT)から購入した。PEG-200は、ユニオンガーバ
イド社(Union Carbide Corp., Danbury, CT)から入手し、プロピレングリコー
ルは、スペクトラムクオリティプロダクト社(Spectrum Quality Products Inc.
, New Brunswick, NJ)から入手した。シースパン(Seaspan)およびビスカリン
(viscarin)カラゲナンをFMC社(FMC Corp., Newark, DE)から入手した。
N−9(IGEPAL CO-630)は、ローヌプーラン(Rhone Poulenc, Cranbury, NJ)
から寛大な寄贈を受けたものである。
【0163】 ゲルミクロ乳濁液製剤: 三元状態図の系統的マッピングによって、通常用いられる製薬賦形剤を用いて
、親油性のサブミクロン(30から80nm)粒度のミクロ乳濁液を開発した(
エクルストン(Eccleston)GM, :スワブリック(Swarbrick) J, ボイラン(Boy
lan) JC, eds. Encyclopedia of Pharmaceutical Technology, ニューヨーク:
マルセル・デッカー社(Marcel Dekker)中, 1992:375-421.; リッチェル(Rits
chel) WA, Meth Find Exp Clin Pharmacol, 1993; 13: 205-20.)。いくつかの
ミクロ乳濁液組成物を、粒度、安定性およびインビトロ殺精子活性に対する応答
によってスクリーニングした。試験した成分は、中等度鎖のトリグリセリド、精
製大豆リン脂質、プルロニック(Pluronic)F-68、エトキシ化されたヒマシ油、
プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールを含む。選ばれた成分は、
薬物可溶化剤、安定剤(カプテックス(Captex)300、クレモフォー(Cremophor
)EL、ホスホリポン(phospholipon)90 G、プロピレングリコールおよびPEG 20
0)および保存剤(安息香酸ナトリウム)を含む。望ましい粘度を有するゲルを
製造するために種々の高分子ゲルをスクリーニングした。高い増粘能力を有する
望ましい粘度および膣粘膜との相溶性を有するゲルを得るためのミクロ乳濁液ベ
ース系への添加物としてシースパン(seaspan)およびビスカリン(viscarin)
カラゲナンのポリマー懸濁液が選ばれた。
【0164】 三元状態図の系統的作成および親油性薬物可溶化研究によって、親油性薬物へ
の高い可溶能力を有する、薬理学的賦形剤、カプテックス(Captex) 300、クレ
モフォー(Cremophor) EL、ホスホリン(phospholipon)90G、プロピレングリ
コール、PEG 200および安息香酸ナトリウムを含有するサブミクロン(30から
80nm)粒度のミクロ乳濁液ベース系を同定した。GM−4の調製に用いられ
るミクロ乳濁液成分の三元状態図を図1に示す。グリッドのない領域は、単層ミ
クロ乳濁液の範囲を表す。アステリスクは、表5に挙げられたGM−4製剤に用
いられたミクロ乳濁液を表す。高い増粘能力を有する望ましい粘度およびミクロ
乳濁液との相溶性を有するゲルを得るためのミクロ乳濁液ベース系への添加物と
して、シースパン(seaspan)およびビスカリン(viscarin)カラゲナンのポリ
マー懸濁液を選んだ。これらのポリマーによって、沈殿が生じたり、ミクロ乳濁
液の粒度が変わったりすることはなかった。GM−4が周囲温度で非常に安定し
ていることがわかった。
【0165】 Nicomp Model 380 レーザダイオード源(パーティクルサイジングシステム(P
article Sizing Systems), Santa Barbara, CA)を用いて粒度の測定を行った
。ブルックフィールド(Brookfield)電子デジタル粘度計(Model DV-II+; ブル
ックフィールドエンジニアリングラボラトリーズ(Brookfield Engineering Lab
oratories), Spoughton, MA)を用いて粘度の測定を行った。
【0166】
【表5】:GM−4製剤の成分
【0167】実施例2 :ヒト精子に対する殺精子活性のためのGM−4の製薬賦形剤のスクリ
ーニング 方法および材料 コンピュータ補助殺精子アッセイ: GM−4製剤に用いられる製薬賦形剤の殺精子活性を評価するために、Enhanc
e-S-Plus細胞分離培地(コンセプションテクノロジー(Conception technologie
s), San Diego, CA)および上記の浮遊法(ドゥクルズ(D'Cruz) OJ, et al.,
Biol Reprod 1995;53:118-30.; ドゥクルズ(D'Cruz) OJ, et al., Biol Repr
od, 1998; 59:503-15.)を用いて、不連続(90から45%)勾配延伸分離によ
って、貯蔵された提供者の精子のうち運動性の高い精子部分(n=9)を準備し
た。提供者の試料は全て、インフォームドコンセントの後でパーカー・ヒューズ
研究所内検討委員会(Parker Hughes Institute Institutional Review Board)
の指針に従って得られた。HEPES(アーヴィンサイエンティフィック(Irvi
ne Scientific), Santa Ana, CA)25mMおよび0.3%BSA(fraction V
; シグマケミカル社(Sigma Chemical Co.), St. Louis, MO)を含むビッガー
・ホイッテン・ウィッティンガム培地(BWW)1mlに、被検物質の系列2倍
希釈液の存在下および不存在下で運動性の高い精子部分(_10×106/ml
)を懸濁した。評価された成分は、カプテックス(Captex) 300(1.35%か
ら10.8%)、クレモフォー(Cremophor) EL(0.95%から7.6%)、
ホスホリン(phospholipon)90G(0.637%から5.1%)、プロピレング
リコール(0.52%から4.2%)、PEG 200(0.52%から4.2%)、
シースパン(seaspan)カラゲナン(0.11%から0.9%)、ビスカリン(v
iscarin)カラゲナン(0.06%から0.5%)および安息香酸ナトリウム(
0.025%から0.2%)であった。37℃で3時間インキュベーションを行
った後、上記(ドゥクルズ(D'Cruz) OJ, et al., Biol Reprod, 1998;58:1515
-26.; ドゥクルズ(D'Cruz) OJ, et al., Mol Hum Reprod, 1998;4:683-93.; D
'Cruz OJ, et al., Biol Reprod, 1999;60:435-44.; ドゥクルズ(D'Cruz) OJ,
et al. Biol Reprod, 1999;60:1419-28.)のように、ハミルトン・ソーネリサ
ーチ社(Hamilton Thorne Research)(Danvers, MA)のインテグレーティド・
ビジュアル・オプティカル・システム(Integrated Visual Optical System)(I
VOS)、第10版計測器を用いて精子頭部重心由来精子運動能パラメータを測
定した。評価された精子の運動パラメータの属性は、運動精子(MOT)および
良好精子(PRG)の数;曲線地点移動速度(VCL);平均進行方向性速度(
VAP);直線地点移動速度(VSL);精子頭部の振幅回数(BCF);なら
びに精子頭部の振幅値(ALH)、導関数である直進性(STR)および直線性
(LIN)を含む。個々の細胞軌跡全てからのデータを記録し、解析した。サン
プルされた各アリコートについて、200を超える精子を解析した。運動能の割
合を偽処理された対照運動精子懸濁液のものと比較した。試験化合物の殺精子活
性をEC50(運動精子の割合を50%まで減少させた培地における化合物の最終
濃度)として示した。
【0168】 結果 CASAによって評価した、洗浄および濃縮された運動精子部分の運動能への
GM−4の各成分の効果を図2にまとめた。GM−4製剤に用いられる最終濃度
では、カプテックス(Captex) 300、PEG 200、シースパン(seaspan)カラゲナ
ン、ビスカリン(viscarin)カラゲナンおよび安息香酸ナトリウムは、ヒト精子
の運動能への阻害効果をほどんどまたは全く示さなかった。さらに、CASAを
用いた精子の動きの運動学によって、これらの賦形剤は、良好精子の速度、遊泳
パターンの直進性、精子の軌跡の直線性、精子頭部の振幅回数および精子頭部の
振幅値のような精子の運動パラメータを大きく変化させないことが確認された。
対照的に、クレモフォー(Cremophor) EL および phospholipon 90G は、試験
を行った濃度の全範囲にわたって殺精子作用を有し、一方、プロピレングリコー
ルは、試験を行った最も高い濃度で部分的に殺精子作用を有していた(EC50
>4.2%)。クレモフォー(Cremophor) EL および ホスホリポン(phosphol
ipon)90G による濃度依存殺精子活性は、特に曲線地点移動速度(VCL)、進
行方向性速度(VAP)および直線地点移動速度(VSL)に関して、精子運動
学における並行下降と関連付けられた。実施例3 :ヒトの精液におけるGM−4の製薬賦形剤およびGM−4製剤の殺精
子活性 方法と材料 GM−4に含有される最終濃度を得るために、0.3%BSAを含むBWW中
で精液のアリコートを同量の試験化合物と混合して8種類の製薬賦形剤のそれぞ
れの存在下でのインキュベーション時間の殺精子活性への効果を試験した。15
、30、45および60分の所定の時間間隔で5μlのサンプルを2つの20μ
mミクロセル(コンセプションテクノロジー社(Conception Technologies))
試験槽へ移し、CASAによって精子運動能を評価した。CASA解析には粘度
が高すぎるサンプル(seaspanカラゲナン、viscarinカラゲナン、クレモフォー
(Cremophor) EL および phospholipon 90G)の精子運動能は、位相差顕微鏡に
よる顕微鏡検査によって測定し、総精子数200に対して処理1回あたりの運動
精子数を数えた。3人の異なる提供者から得た精液を用いて、3回に分けて時間
経過検査を行った。
【0169】 修正サンダー−クレーマーアッセイ(Modified Sander-Cramer Assay): 実施例1で製造されたGM−4製剤の殺精子活性を、修正サンダー−クレーマ
ーアッセイ(modified Sander-Cramer assay)(サンダー(Sander) FV, et al
., Hum Fertil, 1941;6:134-7.; ドゥクルズ(D'Cruz) OJ, et al., Contracep
tion, 1999;59:319-31.)によって試験した。簡潔に説明すると、新しく液化し
た精液のアリコート(0.1ml)を新しく調製した同量のGM−4製剤とすみ
やかに混合した。5μlのサンプルを20μmのミクロセル試験槽(コンセプシ
ョンテクノロジー(Conception Technologies))に移し、CCDカメラ(日立
電子(株)、東京、日本)およびビデオモニタに接続された位相差顕微鏡(オリ
ンパス(Olympus) BX-20; オリンパス社(Olympus Corporation)、 Lake Succ
ess, NY)で直ちに調べた。精子の不動化に必要な時間を秒単位で記録した。6
人の異なる提供者から得た精液を用いて、6回に分けてこの検査を行った。
【0170】 結果: 洗浄運動精子部分を用いるのではなくヒトの精液において試験されたGM−4
の各成分の殺精子活性の結果を図3に示す。GM−4製剤の各成分のそれぞれに
よる精子運動能障害の時間経過研究によって、カプテックス(Captex) 300、ph
ospholipon 90G、クレモフォー(Cremophor) EL、プロピレングリコール、PEG
200、ビスカリン(viscarin)カラゲナン、シースパン(seaspan)カラゲナンお
よび安息香酸ナトリウムを含む試験された8成分のいずれもがヒトの精液中で殺
精子作用がないことが明らかになった(t1/2=>60分)。
【0171】 それに対して、サブミクロン粒度のGM−4製剤は、2分未満(1.2±0.
3分)でヒトの精液中の精子を完全に不動化させた。したがって、ゲルミクロ乳
濁液製剤としてのこれらの製薬賦形剤の組み合わせは、精液中で強力な殺精薬で
あった。実施例5 2%WHI−07を含むGM−4製剤の調製と特徴付け WHI−07は、強力な抗HIV活性および殺精子活性を有するブロモ−メト
キシジドブジン(WHI−07)のリン酸フェニル誘導体である。WHI−07
は、水への溶解度が非常に低い親油性ジドブジン(AZT)誘導体である。WH
I−07は、以下の化学構造を有する。
【0172】
【化32】
【0173】 化学名:(5R,6R)-および(5S,6S)-5-ブロモ-6-メトキシ-5,6-ジヒドロ-AZT-5'-
(パラ-ブロモフェニルメトキシアラニニル(alaninyl)ホスフェート) 分子量:698 以下の合成スキームを用いてWHI−07を合成した。 WHI−07の合成スキーム
【0174】
【化33】
【0175】 化学的特徴付け: 融点 : 59-60℃; Rf : 0.56 ( 10%MeOH/ 90% CHCl3 ); UV (MeOH) 209, 218, 2
21, & 261 nm; IR (Neat): 3218, 3093, 2925, 2850, 2105, 1712, 1484, 1378,
1241, 1153, 1010, 929 cm-11 H NMR (CDCl3) d 8.66 (1H, br, 3-NH), 7.43 (2H, d, J = 9.0Hz, Aryl H), 7
.14 (2H, d, J = 9.0 Hz, Aryl H), 6.01 (0.68H, t, J = 6.3 Hz, -CH at C-1'
), 5.37 (0.32H, m, -CH at C-1'), 4.87 (0.68H, s, -CH at C-6), 4.61 ( 0.3
3H, s, -CH at C-6 ), 4.35-3.96 (6H, m, -CH at C-3', 4', 5' and Ala-NH, a
-CH), 3.74 (3H, s, -COOCH3), 3.44 (3H, s, -OCH3 at C-6), 2.56-2.30 (2H,
m, -CH2 at C-2'), 1.93 (3H, s, -CH3 at C-5), 1.38 (3H, m, a-CH3 of Ala)
.; 13C NMR (CDCl3) d 173.6, 166.7, 150.1, 148.9, 132.7, 132.5, 121.9, 12
1.7, 118.1, 87.7, 85.1, 81.7, 81.5, 81.4, 65.7, 65.6, 60.0, 57.9, 57.8,
53.6, 52.7, 50.3, 50.2, 36.9, 36.7, 22.8, 22.7, 21.2, 21.1.; 31P NMR (C
DCl3) d 2.70, 2.60, 2.54, 2.32.; MS (CI, m/e) 700.6 (M+, 81Br+81Br), 698
.6 (M+, 81Br+79Br), 696.6 (M+, 79Br+79Br), 588.8 (M+ - Br-OCH3, 81Br), 5
86.9 (M+ - Br-OCH3, 79Br).; HPLC: 39.06, 40.28, 45.33, & 49.25 min (カ
ラム: LiChrospher 100 RP-18e (5 μm); 流量: 1 mL/min; Solvent: H2O (0.1%
TEA + 0.1% TFA) : CH3CN = 62:38)。 外観: 室温で白色固体;溶解性:水に対する溶解度 < 0.003%、油に可溶(中等
度鎖のトリグリセリド、4.1%)、ポリエチレングリコール300のような数種の
親水性共溶媒にかなり可溶(13.1%)。また、クロロホルム、エタノール、メタ
ノールおよびDMSOを含むいくつかの有機溶媒にも溶ける。;オクタノール/
水分配係数:Log KD = 2.05 (以下を参照)。
【0176】 WHI−07の分配係数: 51.8mg、64.6 mg、56.5 mgおよび74.5mgの4つのW
HI−07のサンプルを計量し、4本の試験管中のオクタノール5mlに溶解さ
せた。薬物がオクタノールに完全に溶解した後、各オクタノール溶液に水5ml
を加えた。混合液を10分間勢いよく手で振った後、完全な相分離が生じるまで
一晩中放置した。
【0177】 各混合液から水およびオクタノールのサンプルを取り出し、HPLCに直接注
入し、分析した。水層および対応するオクタノール層のWHI−07のピーク面
積を表6に示す。ピーク面積比が分配係数を表す。
【0178】
【表6】
【0179】 まず一連の三元状態図を構築することによって適切なミクロ乳濁液組成物を同
定した。状態図の単層ミクロ乳濁液領域の中から選ばれたいくつかのミクロ乳濁
液中のWHI−07の可溶度を測定し、可溶度の高いWHI−07を有するミク
ロ乳濁液を識別した。WHI−07の溶解度 カプテックス(Captex) 300 およびポリエチレングリコール300 中のWHI
−07の可溶性をUV−Vis分光光度計を用いて272nmで測定した。
【0180】 検量線: それぞれ濃度が4.2mg/mlおよび3.85mg/mlの2つのWHI−
07貯蔵液をエタノール中で調製した。これらの貯蔵液をエタノールで希釈して
表7に示す濃度およびA272の標準溶液を調製した。検量線図を曲線1(図6)
に示す。
【0181】
【表7】
【0182】 サンプル調製およびアッセイ 適量のWHI−07および カプテックス(Captex)300 または PEG300 を計
量し、ガラス容器に入れた。攪拌子を用いて周囲温度で2時間各サンプルを攪拌
した。次いで、各サンプルを0.45μmのフィルターでろ過し、エタノールで
希釈し、UV−Vis測定した。結果を表8に示す。
【0183】
【表8】
【0184】 粘度を増加させるためにミクロ乳濁液にポリマー懸濁液を加えた。2種類のポ
リマ、キサンタンガムおよびカラゲナンが特に好適であることがわかったが、他
の種類のポリマーもまたゲルミクロ乳濁液を製造するのに用いることができる。
一般に、十分な粘度を有するゲルミクロ乳濁液を提供するためには約0.5%か
ら3%の総ポリマー濃度が必要である。
【0185】 これらの結果に基づいて、発明者らは、WHI−07がGM−4製剤を用いて
輸送され得ると仮定した。この目的のために、まず18.7mgのWHI−07
を カプテックス(Captex) 300(中等度鎖のトリグリセリド)32.4%、精
製水4.3%ならびに クレモフォー(Cremophor)EL36%、ホスホリポン(Ph
ospholipon) 90G(精製ソーヤレシチン)24%、ポリエチレングリコール200
20%およびプロピレングリコール20%を含むWHI−07の界面活性共溶媒
混合液63.3%(全て重量%)からなるミクロ乳濁液305mgに溶解した。
混合液を70℃に加熱して、攪拌子を用いて約5分間混合すると薬物は完全に混
合液に溶解した。次いで、薬物溶液を熱から取り出した。得られた組成物は透明
なミクロ乳濁液だった。
【0186】 このWHI-07含有ミクロ乳濁液濃縮液を水で希釈し、光学粒度測定のため
に強度を300から500KHZにした。ポリマーが不存在下でのミクロ乳濁液
の粒径を、Nicomp 380サブミクロンパーティクルサイザー(Submicron Particle
Sizer)(パーティクルサイジングシステム社(Particle Sizing Systems, Inc
.), Santa Barbara, CA)を用いてレーザー光散乱によって測定した。粒度分布
および平均粒径値は、数分の作動後すぐに安定した。Nicomp 380 光子相関光散
乱粒度分析計によって、18.5±8.1nmの平均(平均値±標準偏差(SD
))粒径を測定した。WHI−07製剤中のWHI−07濃度分析 サンプルをエタノールまたはアセトニトリルに溶解することによってWHI−
07の通常の分析を行い、適切に希釈した後HPLCで分析した。しかしながら
、製剤中のポリマーが原因で、WHI−07ゲル製剤はエタノールにもアセトニ
トリルにも完全には溶けない。以下のWHI−07分析方法はゲル製剤用に開発
したものである。この方法の確度および精度は製薬的要件を満たしている。
【0187】 WHI−07検量線 WHI−07(純度96%)101.3mgを10mlガラスバイアル中で以
下の組成を有するミクロ乳濁液1.5mlに溶解した:クレモフォー(Cremopho
r) EL 36%、ホスホリポン(Phospholipon) 90G 24%、PEG 200 20%お
よびプロピレングリコール20%。薬物が完全に溶解して混合物が透明になるま
で、混合物を50℃で10分間攪拌した。バイアルを加熱板から外し、ポリマー
懸濁液3.5ml(DI水中にシースペン(Seaspen)カラゲナン1.3%、エ
クサンシュラル(Xantural)0.7%および安息香酸ナトリウム0.3%)をバ
イアルに添加した。このバイアルを1分間手で振り、1分間または混合物が均質
になるまで渦を生じさせた。ミクロ乳濁液1.2mlをポリマー懸濁液2.8m
lと混合して対照(薬物なし)ゲルミクロ乳濁液を調製した。検量線は以下のよ
うに作成した。
【0188】 種々のWHI−07含有量を有する5つの標準溶液を表9に示すように調製し
た。各バイアルを手で振り、ゲル中のポリマーを沈殿させ取り出した。次いで、
混合液を室温で10分間2000rpmで遠心分離機にかけた。遠心分離機から
バイアルを慎重に取り出し、HPLC分析のために各バイアルから上澄み0.5
mlをピペットで取り出した。
【0189】 HPLC分析(WHI−07)の条件は以下の通りであった。
【0190】 カラム:RP18e(5μm) ロット番号 L228433 溶離液:アセトニトリル/(0.1%TFAおよび0.1%TEF)=45
/55 溶離液流量:1ml/分 サンプル注入量:20μl 実行時間:30分 これらの条件下で、WHI−07の3つの異性ピークの保持時間は、20.5
分、23.2分および24.9分であった。これらのピークの面積比は、31.
9:5.7:3.3であった。保持時間が20.5分であったピークを用いて、
WHI−07濃度対ピーク面積をプロットすることにより検量線を作成した。検
量線は、WHI−07濃度が0から1.3mg/mlの範囲で相関係数が1.0
00を有する直線であった(曲線2:図7)。
【0191】
【表9】
【0192】 分析方法の精度 本方法の精度を検査するために、10個のWHI−07サンプルを以下のよう
に調製し、HPLC分析を行った。WHI−07(純度99.4%)101.3
mgを10mlガラスバイアル中で、クレモフォー(Cremophor) EL 36%、
ホスホリポン(Phospholipon)90G24%、PEG 200 20%およびプロピレング
リコール20%からなるミクロ乳濁液1.5に溶解した。薬物が溶解して混合物
が透明になるまで、混合物を50℃で10分間攪拌した。バイアルを加熱板から
外し、ポリマー懸濁液3.5ml(DI水中にシースペン(Seaspen)カラゲナ
ン1.3%、エクサンシュラル(Xantural)0.7%および安息香酸ナトリウム
0.3%)をバイアルに添加した。このバイアルを1分間手で振り、1分間また
は混合液が均質になるまで渦を生じさせた。
【0193】 ミクロ乳濁液1.2mlをポリマー懸濁液2.8mlと混合して対照ゲルを調
製した。10本のバイアルのいずれにも、WHI−07ゲル0.2ml、対照ゲ
ル0.3mlおよびアセトニトリル4mlを添加した。次いで、バイアルを1分
間手で振り、1分間渦を生じさせた。その後、混合液を室温で10分間2000
rpmで遠心分離機にかけた。遠心分離機からバイアルを慎重に取り出し、HP
LC分析のために各バイアルから上澄み0.5mlをピペットで取り出した。本
方法の精度を測定するためにデータを分析した。結果を表10に示す。本方法の
相対標準偏差は0.61%であった。これらのデータは、開発した方法が、ゲル
製剤中のWHI−07含有量の分析について良好な精度を有することを示してい
る。
【0194】
【表10】
【0195】WHI−07製剤サンプル調製の手順 10mlガラス殻バイアル中で240mgのWHI−07を計量した。ドラモ
ンド社(Drummond)の1.0mlピペットを用いてミクロ乳濁液4.0mlをバ
イアルに移した。12×4mmのマグネット攪拌子をバイアルの中に置き、この
バイアルをコーニング社(Corning)の攪拌/加熱板上に置いて混合した。攪拌
、加熱ともにダイヤルを3に設定した。薬物の結晶がなくなり混合液が透明にな
るまで、混合液を5分間加熱した。このミクロ乳濁液中のWHI-07濃度は、
60mg/mlであった。
【0196】 10mlガラス殻バイアル中で濃縮WHI−07ミクロ乳濁液2mlをポリマ
ー懸濁液4mlと混合して、2%WHI−07ゲルを調製した。濃縮WHI−0
7ミクロ乳濁液1mlをミクロ乳濁液1mlおよびポリマー懸濁液4mlと混合
して、1%WHI−07ゲルを調製した。濃縮WHI−07ミクロ乳濁液0.5
mlをミクロ乳濁液1.5mlおよびポリマー懸濁液4mlと混合して、0.5
%WHI−07ゲルを調製した。ミクロ乳濁液2mlとポリマー懸濁液4mlと
を混合して、対照ゲルを調製した。
【0197】 WHI−07製剤濃度分析: 濃度分析のために、それぞれ100μlの2つのサンプルを各調製から取り出
した。サンプルを5mlガラス殻バイアルに入れ、各サンプルバイアルにアセト
ニトリル4.2mlを添加した。バイアルを10秒間手で振って、200rpm
のシェーカーに30分間入れた。バイアルを再び10秒間手で振り、ベックマン
社(Beckman)GS−6遠心分離機で10分間2000rpmで回転させた。遠
心分離機からバイアルを慎重に取り出し、それぞれの上澄み1mlをピペットで
取り出し、HPLC分析を行った。結果を表11に示す。サンプルは全て製薬的
要件を満たしている(RSD5.0%未満)。
【0198】
【表11】
【0199】 次に発明者らは、WHI−07の貯蔵寿命/安定性を調べた。WHI−07濃
度が0.5%および2%のゲルミクロ乳濁液を調製し、1日目、4日目および8
日目にWHI−07濃度を分析した。結果を表12に示す。
【0200】
【表12】
【0201】 この結果は、8日間の観察で、ゲルミクロ乳濁液製剤中のWHI−07が室温
で安定していたことを示している。
【0202】 ゲルミクロ乳濁液の形成: 次に、この薬物含有ミクロ乳濁液をSeaspanカラゲナン1.3重量%、Viscari
nカラゲナン1.3重量%および安息香酸ナトリウム0.3重量%を含有するポ
リマー懸濁液600mgと穏やかに混合させた。得られたゲルミクロ乳濁液はp
H7.2で、以下の組成を有する半透明のゲルであった。
【0203】 重量% WHI-07 2.0 カプテックス(Captex) 300 10.7 ホスホリポン(Phospholipon) 90G 5.0 クレモフォー(Cremophor) EL 7.5 プロピレングリコール 4.2 PEG 200 4.2 シースパン(SeaSpan) カラゲナン 0.9 ビスカリン(Viscarin)カラゲナン 0.9 安息香酸ナトリウム 0.2 水 64.4 ブルックフィールド社(Brookfield)のスピンドル3(速度:10rpm)の
DV−E粘度計を用いて、WHI−07を含むおよび含まないGM−4製剤の粘
度を測定した。薬物なしのGM−4製剤は、粘度が301.9センチポアズであ
った。2%WHI−07を含有するGM−4製剤は、粘度が64.7であった。
【0204】 粘度64.7が、FIVの経膣または経直腸伝染を防ぐための2%WHI−0
7含有GM−4製剤の有用性に十分であるようであったが、異なるポリマー懸濁
液を用いることによって容易に粘度を増加させることができた。たとえば、以下
のようにしてより粘度の高い製剤を調製した。実施例の薬物含有ミクロ乳濁液を
、シースパン(Seaspan)カラゲナン1.3重量%、エクサンシュラル(Xantura
l)0.7重量%および安息香酸ナトリウム0.3重量%を含むポリマー懸濁液
600mgと穏やかに混合させた。得られたゲルミクロ乳濁液は、以下の組成を
有する半透明のゲルのような液体であった。
【0205】 重量% WHI-07 2.0 カプテックス(Captex) 300 10.7 ホスホリポン(Phospholipon) 90G 5.0 クレモフォー(Cremophor) EL 7.5 プロピレングリコール 4.2 PEG 200 4.2 シースパン(SeaSpan)カラゲナン 0.9 エクサンシュラル(Xantural) 0.5 安息香酸ナトリウム 0.2 水 64.8 この製剤の粘度は、380センチポアズであった。この製剤はまた、数ヶ月間
室温で貯蔵した場合良好なコロイド安定性を有することがわかった。実施例4 :前臨床研究方法と材料 ウサギ: 雌59匹および雄12匹の性的に成熟した(>6月齢;>7ポンド)、特定病
原体なしのニュージーランドホワイトラビットをチャールズリバーラボラトリー
ズ(Charles River Laboratories)(Wilmington, DE)から入手した。各授精試
験に雌24匹および雄12匹を用いた。いずれのウサギも金属製耳標で個体識別
した。水道水およびウサギ用食物ペレット(Teklad LM-485;ハーランテクラッ
ド社(Harlan Teklad))は無制限に与えた。雌と雄は、蛍光による光周期12
時間で、相対湿度50±20%、22±2℃に保たれた別々の部屋に保持された
。授精試験の前に、最短で4週間ウサギを隔離した。全ての手順は、パーカーヒ
ューズ研究所の動物の使用と管理に関する委員会(Parker Hughes Institute An
imal Use and Care Committee)によって承認された。全ての畜産学的作業を現
在の米国農務省ガイドラインに従って行った。
【0206】 マウス: 約6週齢の雌のB631マウス20匹をチャールズリバーラボラトリーズ(C
harles River Laboratories)(Wilmington, DE)から入手し、金属製耳標およ
び耳刻で個体識別した。水道水および実験用飼料(Teklad LM-485;ハーランテ
クラッド社(Harlan Teklad))を無制限に与えた。マウスは、蛍光による光周
期12時間で、相対湿度50±20%、22±2℃に保たれた別々の部屋で保持
された。全ての畜産学的作業をNIH1996ガイドラインに従って行った。
【0207】 ウサギモデルにおけるインビボ避妊薬効能: 各授精試験に雌24匹および雄12匹を用いた。各避妊薬試験のために雌を3
つの8匹の小群に分けた;1)対照雌群;2)GM−4群および;3)N−9群
。予め暖められた(45℃)人工膣を介して、授精能力が実証された雄(n=1
2)から使用の直前に精液を得た。雄が優良な精子を射精していることを確認す
るために、精子数および運動能を評価した。人工授精の前に、尿またはゲルが混
入していない精液サンプルを貯め、アリコート0.5ml(>30×107精子
/ml)を1mlのツベルクリン注射器に移した。GM−4製剤または市販の2
%N−9製剤(Gynol II; オーソファーマシューティカル社(Ortho Pharmaceut
ical Corp.), Raritan, NJ)2mlを、3mlの使い捨てプラスチック注射器
を用いて膣内に塗布した。被験剤2mlを塗布し、精液(0.5ml)を塗布す
る間、雌を仰臥位に保った。精液(0.5ml)は、被験剤の輸送のために約8
cmの注射器を膣に挿入することによって1〜2分以内で塗布した。人工授精の
際に、100IUのヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(シグマケミカル社(Sigma Ch
emical Co.), St. Louis, MO)を耳辺縁静脈に静脈注射して排卵を誘発した。
排卵および人工授精の後、雌の受胎を完遂させた(31±2日間)。妊娠した雌
を巣箱(16×12×6インチ)を入れたケージに移した。一腹子数、体重、胎
児長および出生時の各子の健康状態を記録した。対照群との比較によって求めら
れた妊娠減少の度合いおよびこの反応の一貫性に基づいて、GM−4製剤対2%
N−9製剤のインビボ殺精子効果を評価した。2回目の膣輸送/人工授精および
妊娠のサイクルを繰り返した。
【0208】 ウサギの膣の炎症試験: 膣の炎症研究のために、10日間連続して雌のウサギ11匹の膣内を1mlの
GM−4(7匹)または1mlのGM−4含有4%N−9(4匹)で処理した。
11日目にウサギを屍殺し、研究完了後、生殖路を肉眼および顕微鏡で調べた(
エックスタイン(Eckstein) P, et al., J Reprod Fertil, 1969;20:85-93.)
。膣組織を素早く取り出し、各膣の尾、中央、末梢部位の器官を10%緩衝ホル
マリン中に固定した。組織をパラフィンに埋め込み、4から6μmに切ってヘマ
トキシリン−エオジンで染色し、画像解析システムに接続したライカ(Leica)
光学顕微鏡(ミルトンケインズ社(Milton Keynes), Buckinghamshire, UK)を
用いて200倍および400倍の倍率で調べた。3CCDカメラ(DAGE−M
TI社(DAGE-MTI Inc.), Michigan City, KS)に接続したイメージプロプラス
(ImagePro Plus)プログラム(メディアサイバネティクス社(Media Cyberneti
cs), Silver Spring, MD)を用いて画像を取り込み、観察および解析のために
アドビフォトショップ5.5(Adobe Photoshop 5.5)ソフトウェア(アドビシ
ステム社(Adobe Systems Inc.), San Jose, CA)に送った。上皮潰瘍形成、浮
腫、白血球湿潤および血管の鬱血について膣の3つの部位をそれぞれ調べた。得
点は、以下のようにエックスタイン(Eckstein)らの採点方法(エックスタイン
(Eckstein) P, et al., J Reprod Fertil, 1969;20:85-93.)に基づいて決め
た:各部位の得点:0=炎症なし、1=最小、2=低、3=中、4=強い炎症;
総合得点:8未満 許容可能、9から10 限界、11以上 許容不可能。結果
を平均値±標準偏差(SD)値として表した。
【0209】 マウスにおける13週毒性試験: 雌のB631マウス20匹を2群に配分した。10匹のマウスからなる被験
群には、13週連続して1週あたり5日、GM−4製剤50μlを膣内から与え
た。膣内処理を施さなかったマウス10匹を対照群とした。GM−4製剤は毎週
調製し、ミクロアイソレーター中で膣内処理を行った。全てのマウスについて毒
性効果の徴候を毎日個々に観察した。曝露前(0日)、曝露中週1回および屍殺
する前に体重を量った。研究の最後に、病理学的および病理組織学的検査ならび
に血液化学の測定のためにマウスを屍殺した。対照マウス5匹および被験マウス
5匹から採取した血液から血液分析を行った。
【0210】 血液学パラメータ: マウスの血液用に規格化されたアボット(Abbot)CELL-DYN 3200 マルチパラ
メータ、自動血液分析器(アボットラボラトリーズ(Abbot Laboratories), Ab
bot Park, IL)を用いて、全血球数および微分を得た。この器具は、抗凝固処理
された全血液サンプルの血液像を提供するために流動細胞計測法を用いる:赤血
球数(RBC; 106/(l)、総白血球数および微分白血球数(リンパ球 [LYM]、好中
球 [NEU]、単球 [MONO]、好酸球 [EOS]および好塩基球 [BASO]、103/(lまたは%
として示す)、ヘモグロビン濃度(HGB; g/dl)、ヘマトクリット値(HCT; %)
、平均赤血球容積(MCV; fl)、平均赤血球ヘモグロビン含有量(MCH; pg)、平
均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC; g/dl)、赤血球分布幅(RDW; %)、血小板数
(PLT; 103/(l)および平均血小板容積(MPV; fl)。
【0211】 臨床化学プロファイル: ベックマン社(Beckman)のシンクロン(SYNCHRON)CX5CE ランダムアクセス
分析装置(ベックマンコールター社(Beckman Coulter Inc.), Fullerton, CA
)を用いて生化学的分析を行った。13週間のGM−4の膣内塗布の後、GM処
理したマウスおよび対照マウスからリチウムへパリンの入った試験管に血液を採
り、製造業者により提供された試薬および方法を用いて総蛋白(TP)、アルブミ
ン/グロブリン(ALB/G)、血液尿素窒素(BUN)、クレアチニン(CRE)、総コ
レステロール(CHO)、トリグリセリド(TG)、アスパラギン酸アミノトランス
フェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アミラーゼ(
AMY)、総ビリルビン(TBIL)、グルコース(GLU)ならびにカルシウム(Ca)、
リン(P)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)および塩素(Cl)の血清/血漿レ
ベルを測定するために浄化血漿を用いた。
【0212】 剖検および病理組織学: 完全な剖検評価のために、13週間のGM−4の膣内曝露の後、マウスを屍殺
した。剖検の際、10匹のマウス全ての胸腺、肺、心臓、肝臓、すい臓、脾臓、
腎臓、生殖器(卵巣、子宮および膣組織)および脳を計量した。臓器の重さを絶
対重量および体重の百分率で記録した。上記の臓器、骨および骨髄、大腸および
小腸、骨格筋、外皮、脊髄ならびに膀胱を10%緩衝ホルマリン溶液中に固定し
、切り出してパラフィンに埋め込み、4から6μmに切ってヘマトキシリン−エ
オジンで染色した。対照群およびGM−4群のマウスについて、全ての組織の完
全な病理組織検査を行った。
【0213】 統計的分析: 最初および最終の体重、臓器重量、血液学および臨床化学的パラメータから、
群平均値および標準偏差を計算した。被処理群平均値対対照群の統計的有意差を
一元配置分散分析によって分析した後、グラフパッド社(GraphPad)のプリズム
(Prism)ソフトウェア(San Diego, CA)を用いてダネットの多重比較検定(Du
nnett's multiple comparison test)を行った。2つの群の授精率の有意差は、
フィッシャーの正確検定(Fisher's exact test)によって分析した。p<0.
05のとき、差は統計的に有意であると考えられた。
【0214】 ネコの研究: FeT−J細胞系とは、慢性的にFIV株Bangston(FIVBang)に感染した、ネ
コのT細胞系のことである。WHI−07ゲル製剤0.4mLの挿入の1分後に
、感染培養液0.2mLに混合した7×106の感染FeT−J細胞を膣内また
は直腸内に接種することによって、ネコをにFIVで攻撃した。末梢血単核細胞
(PBMC)、リンパ節(LN)細胞および骨髄(BM)細胞中のFIV負荷を
定量ウイルス分離およびPCR解析によって上記のように測定した(レイ(Rey
) MA et al., Biochem Biophys. Res. Commun. 1984, 121:126-33; ディール(
Diehl) LJ et al., J Virol 1995, 69:2328-32; グリーン(Greene) WK et a
l., Arch Virol 1993, 133:51-62; オカダ S et al., AIDS Res Hum Retrovirus
es 1994, 10:1739-46; テリア(Tellier) MC et al., Vet Microbiol 1997, 57
:1-11)。処理したネコおよび処理していないネコの細胞(5×106細胞/培養
液)を、特定の病原体不在(SPF)ネコの5×106T細胞強化PBMCと、
25cm2フラスコ中で総容量5mlで3週間共培養した。3日間毎日、培養上
澄み液を廃棄し、新しい培地に細胞を再懸濁した。培養終了時に、培養上澄み液
中のRT活性のレベルを測定し、FIVgag特異的およびenv特異的PCR
によって細胞のプロウイルスDNAを調べることによって、ウイルスの発生を測
定した(ディール(Diehl) LJ et al., J Virol 1995, 69:2328-32; グリーン
(Greene) WK et al., Arch Virol 1993, 133:51-62; オカダ S et al., AIDS
Res Hum Retroviruses 1994, 10:1739-46)。血清サンプルもまた、FIVコア
抗原p25の存在について標準ウェスタンブロット解析によって調べた。18週
間の観察期間中に以下の基準の1つに適合したとき、ネコはFIV陽性であると
考えられた:(1)異なる2日の採血日の血清サンプルがウェスタンブロット解
析によって陽性であった;(2)PCRテストが陽性でありまたは陽性ではなく
、1回のウェスタンブロットの結果および異なる採血日の1回のウイルス分離テ
ストが陽性であった;(3)異なる2日の採血日のPBMC、リンパ節または骨
髄細胞がウイルス分離テストによって陽性であった;または、(4)異なる2日
の採血日の単核細胞が同部位の組織でのPCRによって陽性であった。結果 ウサギモデルにおけるGM−4対N−9製剤のインビボ避妊活性: GM−4製剤の迅速な殺精子活性のために、発明者らは標準ウサギモデルでG
M−4のインビボ避妊薬効能の研究を行った。比較のために、市販の2%N−9
含有避妊薬であるGynol IIを同じ方法で試験した。新しい貯蔵精液での人工授精
の直前(<2分)に、排卵したウサギにGM−4製剤またはN−9製剤を膣内塗
布し、雌の受胎を完遂させた。ウサギモデルにおける避妊のGM−4製剤対Gyno
l IIの効能を表13にまとめる。対照群において、人工授精を行った16匹中1
5匹(93.7%)のウサギが妊娠し、合計で123匹の新生子を分娩した。そ
れに対して、人工授精の前にGM−4製剤を与えられた16匹のウサギで妊娠し
たものはなかった(p<0.0001、フィッシャーの正確検定(Fisher's exa
ct test))。ところが、Gynol IIを与えられたウサギでは、16匹中5匹(3
1.2%)が妊娠し(p=0.0006)、合計34匹の新生子を分娩した。し
たがって、GM−4製剤は、膣殺精子避妊薬としてGynol IIよりはるかに有効で
あった(100%対68.7%、p<0.05、フィッシャーの正確検定(Fish
er's exact test))。
【0215】
【表13】
【0216】 ウサギモデルにおいてGM−4に起因する膣炎症なし: 10日間連続の毎日のGM−4膣内塗布後の膣組織の3つの異なる部位の組織
学的評価では、調べた7匹のウサギのいずれにも重大な膣炎症はなかった。(平
均値各0から1点;合計2点、範囲0から3点)[表14]。対照的に、4%N
−9で処理したウサギのいずれもが、エックスタインらの方法(エックスタイン
(Eckstein) P, et al., J Reprod Fertil, 1969;20:85-93.)による組織学的採
点によって数値化すると、上皮潰瘍形成、浮腫、白血球流入および炎症特有の血
管鬱血を有していた(平均値各1〜3点;合計9点、範囲7〜11点)。図4に
、GM−4処理したウサギの膣部見本を示す。これは、上皮内層の破壊および白
血球流入を伴う炎症性反応が明らかなN−9処理したウサギの膣部と比較すると
、膣上皮が無傷であることを示した。これは、先に発表されたラットにおける観
察(トライフォナス(Tryphonas) L, et al., Toxicol Lett, 1984;20:289-95.
)と一致する。
【0217】
【表14】
【0218】 マウスにおいてGM−4に起因する全身毒性なし: 雌のB631マウス(n=10)に週5日、13週間連続してGM−4の膣
内塗布処理を行った。この研究の間中、死亡したマウスはなく、GM−4の膣内
曝露に起因する臨床徴候はなかった。研究の最後の時点でマウスはすべて臨床的
に健康であった。増加体重平均値および最終体重平均値は、対照マウス(27.
4±1.6g;n=10)とGM−4製剤に曝露した被験マウス(28.0±3
.0g;n=10)とで類似していた(図5)。
【0219】 マウスの全血球数は、GM−4処理マウスと対照マウスとで生物学的に大きな
差は見られなかった。赤血球、白血球、リンパ球、血小板数およびヘモグロビン
の血液パラメータ値は通常の範囲内だった(表15)。雌のマウスの血液化学パ
ラメータの解析では、GM−4処理群と対照群との間に処理に関連する大きな差
は見られなかった(表16)。腎臓機能(BUNおよびCRE)、肝臓機能(T
BIL、AST、ALT、ALB/G、GLUおよびTG)、すい臓機能(AM
YおよびGLU)および栄養状態(TP)は、GM−4製剤への曝露の繰り返し
による悪影響を受けなかった。
【0220】
【表15】
【0221】
【表16】
【0222】 13週剖検/臓器重量および病理組織学: 表17は、13週間の研究の終わりに観察された最終体重、最終絶対および相
対臓器重量をまとめたものである。被験マウス対対照マウスの絶対および相対臓
器重量において統計的に大きな差は観察されなかった。研究を行ったマウスから
取り出した骨および骨髄、脳、腸管、心臓、腎臓、肝臓、肺、卵巣、すい臓、骨
格筋、皮膚、脊髄、脾臓、膀胱、子宮および膣見本の顕微鏡検査では、いかなる
処理関連の損傷も見られなかった(データは示さず)。GM−4処理マウスの卵
巣、子宮および膣組織において病理組織学的損傷は観察されず、このことは、親
油性殺精子GM−4製剤への膣内曝露の繰り返しに毒性がないことを示唆してい
る。
【0223】
【表17】
【0224】 WHI−07/GM−4ゲル製剤はネコの膣および直腸FIV伝染を予防する
【0225】 対照ネコ5匹およびWHI−07(2%)/GM−4膣ゲル製剤で処理したネ
コ5匹を含む合計10匹のネコを、感染培養液0.2mLに混合した7×106
のFIVBang感染FeT−J細胞の膣内接種で攻撃した。表18に示すように、W
HI−07/GM−4製剤はFIVを60%防御した。同様に、WHI−07/
GM−4はまた、FIVの経直腸伝染を予防することができた(表19)。
【0226】
【表18】
【0227】 膣内FIV攻撃後、0、3、6、9、12、15および18週後に、ネコのF
IVの状態を調べた。各アッセイについて、テスト結果が陽性であった異なる評
価回数を示す。WB:ウェスタンブロット;PCR:ポリメラーゼ連鎖反応;P
BMC:末梢血単核細胞。
【0228】
【表19】
【0229】 直腸内FIV攻撃後、0、3、6、9、12、15および18週後に、ネコの
FIVの状態を調べた。各アッセイについて、テスト結果が陽性であった異なる
評価回数を示す。WB:ウェスタンブロット;PCR:ポリメラーゼ連鎖反応;
PBMC:末梢血単核細胞。 検討: 発明者らの研究の第1の目的は、殺精子剤GM−4のインビボ避妊効能を測定
することであった。ウサギは、膣剤の避妊活性を試験するのに標準的な動物モデ
ルであるので(キャッスル(Castle) PE, et al., Biol Reprod, 1997;56:153-
9.; キャッスル(Castle) PE, et al., Contraception, 1998;58:51-60.)、発
明者らは、排卵したウサギにおいて膣内塗布したGM−4の避妊能力を試験し、
人工授精前のGM−4製剤の膣輸送がウサギの妊娠を防止することができること
を確認した。発明者らによるインビボ避妊効能の研究は、妊娠満期および結果と
して起こった妊娠の正常性の分析も含むものであった。GM−4製剤は、厳密な
ウサギモデルにおいて顕著な避妊活性を示した。2回の別々の授精試験において
、用いられたウサギの射出精液がヒトの精液より1000倍よりも多く授精させ
る用量を含有する(キャッスル(Castle) PE, et al., Biol Reprod, 1997;56:15
3-9.)という事実にも関らず、100%の避妊効果が得られた。発明者らの知る
限りでは、これらの実験は、通常用いられる製薬賦形剤から調製したGM製剤の
インビボ避妊効能を実証する最初の実験である。GM−4を用いて得られる10
0%の避妊効能は、GM−4の膣粘膜全体に迅速に行き渡る能力およびその迅速
な殺精子活性による可能性が最も高い。対照的に、N−9の避妊効果は、膣への
薬剤の輸送から性交または人工授精までの時間間隔に大きく依存することが示さ
れている。N−9ゲルがウサギの膣で分散するには数分かかる(キャッスル(Cas
tle) PE, et al., Contraception, 1998;58:51-60.)。したがって、GM−4製
剤よりもゲルが膣分泌液と混合するのが遅くなることがある。それゆえ、インビ
ボ避妊活性を達成するために大過剰のN−9(400倍の用量)が必要である(
キャッスル(Castle) PE, et al., Contraception, 1998;58:51-60.)。実際に、
店頭販売の製剤においては、クリームおよびゲルでは2〜6%、フォームでは1
2%の濃度、そしてコンドーム潤滑剤では18%もの高い濃度でN−9が用いら
れているのである。発明者らの研究においてGM−4の100%の効能と比較し
た際に観察された市販の2%N−9ゲルの部分的な(68.7%)避妊効果は、
N−9について報告されている高い避妊失敗率(トラッセル(Trussell) J, et a
l. Stud Fam Plann, 1987;18:237-83.; クリッグ(Kulig) JW, Ped Clinic North
Am, 1989;36:717-30.; レイモンド(Raymond) E, et al., Obstet Gynecol, 199
9;93:896-903.)と一致する。発明者らの研究によって、これは、精液とN−9
ゲルとの混合の不完全さまたは膣全体への薬剤の分散の不十分さによる可能性が
最も高いことが示唆された。
【0230】 これらの研究の第2の目的は、もしあれば、殺精子剤GM−4の膣内塗布の繰
り返しから生じる毒性効果を確認することであった。GM−4製剤のインビトロ
およびインビボ殺精子活性は強力であるので、特にウサギの膣炎症試験において
膣粘膜への毒性を評価することが必要であった。ウサギの膣耐薬性試験において
、10日間の毎日の塗布後、4%N−9含有GM−4製剤とは対照的にGM−4
製剤には粘膜への毒性がなかった。この結果により、GM−4は、ヒトまたはウ
サギの精液に加えると強力な殺精子剤となるという事実にも関らず、ウサギの膣
粘膜に損傷を与えるものではないということが明らかに実証された。
【0231】 GM−4製剤に用いられる殺精子成分は、種々の局所的、経口および注射可能
薬物の調製において用いられる親油性薬物用の非毒性可溶化剤である。クレモフ
ォー(Cremophor) EL(ポリエトキシ化ヒマシ油)、phospholipon 90G(精製ソ
ーヤレシチン)、PEG 200、プロピレングリコールおよび カプテックス(Captex
) 300 (中等度鎖のトリグリセリド)は、親油性薬物およびビタミン類用の非
毒性可溶化剤として広く用いられている非経口ビークルである(キャッスル(Cas
tle) PE, et al., Contraception, 1998;58:51-60.; ランドバーグ(Lundberg) B
B, J Pharm Pharmacol, 1997;49:16-21.)。クレモフォー(Cremophor) EL は
、使用量が10% w/vまでの場合は、細胞単層に対していかなる外見上の膜損傷
も引き起こさず、ヒト白血病細胞の溶菌も引き起こさなかった(ウッドコック(W
oodcock) DM, et al., Cancer Res, 1990;50:4199-203.; ネラーカー(Nerurkar)
MM, et al., Pharmaceutical Research, 1996;13:528-34.)。これらの成分は
、単独ではヒト精液中で殺精子作用がなかった。したがって、現在用いられてい
る非イオン性カチオン洗浄殺精薬とは異なって、サブミクロン粒子ベースのGM
−4製剤は、連続膣内塗布の結果として生じる有害な副作用を引き起こさないと
考えられる。
【0232】 短期毒性研究において、13週間の雌のB631マウスへの親油性殺精子剤
GM−4の膣内投与は、生存、成長、血液学、臨床化学、絶対または相対臓器重
量および病理組織学について悪影響を全く示さなかった。腎臓、肝臓およびすい
臓機能とともに栄養状態もGM−4製剤への曝露による悪影響を受けなかった。
本明細書中で報告した臨床前の結果に基づいて、発明者らは、GM−4の連続膣
内塗布には臨床の場において大きな悪性全身性副作用がないものと願っている。
長期にわたる実験動物の健康および生殖能力への、膣内塗布されたGM−4の安
全性を正式に試験するための試験は、現在進行中である。 結論 上記実施例中で発明者らは、ゲルミクロ乳濁液GMの形態での、有効成分とし
て普通の製薬賦形剤を含有する新規な製薬製剤のインビトロおよびインビボ殺精
子活性ならびに安全性について説明した。実施例のある実施形態においては、薬
物可溶化剤、たとえば クレモフォー(Cremophor) EL および ホスホリポン(P
hospholipon) 90G が運動性の高い精子部分に対して殺精子作用を有していたの
で、これらの薬剤が有効成分として考えられる。GM−4製剤の各成分だけでは
精液中で殺精子活性はないが、8種の製薬賦形剤の全てを含有するGM−4製剤
はヒトの精液中で精子を迅速に不活性化する。ヒトの精液中でのGM−4各成分
の細胞傷害性の欠如およびGM製剤におけるこれらの成分の相乗殺精子特性は、
新規で有効な膣避妊薬用の有効成分として製剤するという特異な臨床的可能性を
示している。
【0233】 ミクロ乳濁液ベースの親油性膣殺精薬、GM−4は、吸収性の向上、避妊効能
の向上および毒性の減少を含む、膣輸送のためのいくつかの利点を提供すると思
われる。記載のGM−4の用途の条件の下で、B631マウスにおけるGM−
4製剤の13週膣内塗布によって全身への毒性が生じることはなく、別の特異的
標的臓器も確認されなかった。したがって、殺精子GM−4製剤は、望まない妊
娠を防止しながらSTDの性的伝染を予防するための臨床的に有用な膣避妊薬と
なる特異な臨床的可能性を示している。安価で粘膜毒性のない強力な避妊薬剤と
して、親油性GM−4製剤は、膣殺精薬の基準を満たし、ヒトのインビボでのさ
らなる評価を保証する。
【0234】 さらに、この非毒性親油性ゲルミクロ乳濁液製剤はまた、AIDS、性器ヘル
ペス、淋病およびクラミジアのような疾患の性的伝染を予防する抗菌剤の膣内塗
布に有用であり得る。
【0235】 本明細書に記載のすべての出版物、特許および特許書類は、すべて記載されて
いると同様に、参照により本明細書に援用される。本明細書に記載の本発明は、
べつの実施形態を含むように変形してもよい。このような明らかな変形も、請求
項に示す本発明の精神および範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ミクロ乳濁液システムのある実施形態の三元状態図である。非グリ
ッド領域は、単一相ミクロ乳濁液領域を表す。アステリスクは、表5に挙げるG
M−4製剤に用いられたミクロ乳濁液を表す。
【図2】洗浄および濃縮にされた精液におけるヒト精子の運動能に対するGM
−4の個々の構成成分の効果を示す。アッセイ培地において列挙された化合物の
濃度を増加させて精子の運動性の高い部分をインキュベートし、運動精子の百分
率をCASAによって評価した。プロットは2つの代表的な測定の平均値を示す
。クレモフォー(cremophor)ELおよびホスホリポン(phospholipon)90Gは、テ
ストされたすべての濃度において殺精子性を示した。カプテックス(captex) 300
、PEG-200、プロピレングリコール、ビスカリン(viscarin)カラゲナン、およ
び安息香酸ナトリウムは、テストされた範囲の濃度でほとんどまたは全く阻害を
示さなかった。
【図3】精液におけるヒト精子の運動能に対するGM−4の個々の構成成分の
効果を示す。液体化された精液の分取を最終濃度のGM−4製剤の構成成分を含
有する等量のアッセイ培地と混合した。所定の時間間隔で、精子運動能を評価し
た。プロットは、2つの代表的な実験からの平均値を示す。GM−4製剤のすべ
ての構成成分は、テストされた時間経過の全範囲においてヒトの精液の精子運動
能の阻害をほとんどまたは全く示さなかった。
【図4】連続10日間G、M−4およびN−9(4%)−処理ウサギ膣部の光
顕微鏡像である。GM−4(左パネル、AおよびC)またはGM−4における4%
のN−9(右パネル、BおよびD)で膣内処理されたウサギの膣中央領域の代表
的なヘマトキシリン−およびエオシンで染色されたパラフィン埋め込み部分(×
200)。さらに高い拡大率(×400)では、GM−4処理ウサギ(C)での
膣上皮組織(VE)の無傷性に対する対N−9処理ウサギ(D)を示し、N−9
処理ウサギ(D)では、上皮組織細胞層破壊(矢印)および炎症に特徴的な白血
球流入を示している。
【図5】1週間に5日、連続13週間、GM−4の膣内適用をする場合および
しない場合での10匹のメスのB6C3F1マウスの平均体重を示す。
【図6】 グラフ1
【図7】 グラフ2
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年5月25日(2001.5.25)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 式中、R1は、H、N3、ハロ、CN、COOHまたはNH2であり、R2は、ハロ
であり、R3は、アルコキシであり、R’は、化合物の細胞へ導入を容易にする
基であるか、あるいはその製薬上許容可能な塩またはエステルである。
【化2】 式中、Yは、酸素または硫黄であり、R1は、非置換アリールまたは電子吸引
基で置換されたアリールであり、R2は、以下の化学式のうちの1つのヌクレオ
シドである。
【化3】 6は、プリンまたはピリミジンであり、R7、R8、R9、R10、R11およびR 12 は、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロ、アジド、−NO2、−NR1314
または−N(OR15)R16、ここで、R13、R14、R15、およびR16は、独立し
て、水素、アシル、アルキルまたはシクロアルキルであり、 R3は、水素、アシル、アルキルまたはシクロアルキルであり、R4は、アミノ
酸の側鎖であり、またはR3とR4とが一緒になって、プロリンまたはヒドロキシ
プロリンの側鎖を形成してもよく、R5は、水素、アルキル、シクロアルキルま
たはアリールである。
【化4】 式中、Xは、電子吸引基である。
【化5】 式中、R1、R2、R3およびR4 は、同じかまたは異なり、独立して、H、ハ
ロ、OH2、 O3SCF3、N3、CN、OCN、SCN、SeCN、NO2、C1-
4アルキル、C1-C4アルコキシ、およびアリールであり;nは0または1であ
り;R5とR6は、同じかまたは異なり、一座配位子であるか、またはR5とR6
が一緒に二座配位子を含む。
【化6】 式中、Cpは、非置換シクロペンタジエニル、または置換または非置換アリー
ル、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、ハロ、OH2、O3SCF3、N3、C
N、OCN、SCN、SeCN、NO2から選ばれる1つ以上の置換基で置換さ
れたシクロペンタジエニルであり、 R1、R2、R3 およびR4は、同じであるかまたは異なり、独立して、H、ハ
ロ、OH2、O3SCF3、N3、CN、OCN、SCN、SeCN、NO2、C1-
4アルキル、およびC1-C4 アルコキシから選ばれる。
【化7】 R、R1、R2、R3およびR4は、独立して、水素、F、Cl、BrまたはIで
あり、R、R1、R2、R3およびR4のうち少なくとも1つは、F、Cl、Brま
たはIである。
【化8】 式中、R1およびR2は、同様であるかまたは異なり、水素、ハロ、アルキル、
アルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、チオアルキル、チオール、ホスフィノ、
ROHまたはRNH基であり、ここでRは、アルキルであり;Yは、SまたはO
であり;R3は、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、ROHまたは
RNH基(Rはアルキル)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/675 A61K 31/675 45/00 45/00 47/10 47/10 47/14 47/14 47/24 47/24 47/30 47/30 47/34 47/34 47/46 47/46 A61P 15/16 A61P 15/16 15/18 15/18 31/04 31/04 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 リ、ミンシュウ アメリカ合衆国、55112 ミネソタ州、セ ント ポール、カントリー ロード ディ ー #234 1004 (72)発明者 ドグラッツ、オズモンド アメリカ合衆国、55127 ミネソタ州、ヴ ェイドネイズ ハイツ、クリアーブルック レイン 728 (72)発明者 ウックン、ファティ、エム. アメリカ合衆国、55110 ミネソタ州、ホ ワイト ベアー レイク、イーサン アヴ ェニュー ノース 12590 Fターム(参考) 4C076 AA22 BB30 CC17 CC31 CC35 DD01A DD38A DD41 DD46A DD63A EE01A EE23A EE53A EE58A FF43 4C084 AA19 AA27 MA02 MA05 MA23 MA55 NA14 ZA811 ZA812 ZB331 ZB332 ZB351 ZB352 4C086 AA02 BC17 BC42 DA38 HA07 MA03 MA05 MA23 MA55 NA14 ZA81 ZB33 ZB35 4C206 AA02 JB20 MA03 MA05 MA14 MA28 MA29 MA43 MA75 NA14 ZA81 ZB33 ZB35

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中油型ミクロ乳濁液およびポリマー性ハイドロゲルを含
    むゲルミクロ乳濁液を含む、殺精子薬としての使用に適合した製薬組成物。
  2. 【請求項2】 前記水中油型ミクロ乳濁液が、中等度鎖C6−C12脂肪酸
    グリセリドエステル、1つ以上の製薬上許容可能な界面活性剤、1つ以上の製薬
    上許容可能な湿潤剤および希釈剤としての水を含む請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記界面活性剤が、エトキシ化されたヒマシ油およびリン
    脂質を含む請求項2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記脂肪酸グリセリドエステルが、トリグリセリドを含む
    請求項2に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記湿潤剤が、プロピレングリコールおよびPEG−20
    0を含む請求項2に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記ハイドロゲルが、親水性天然または合成ゲル形成ポリ
    マーである請求項1に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記ゲル形成ポリマーが天然ゴムである請求項6に記載の
    組成物。
  8. 【請求項8】 前記天然ゴムが、キサンタンガム、カラゲナン、カラヤゴ
    ム、アカシアゴム、ローカストビーンガム、グアルゴムおよびそれらの混合物か
    らなる群から選択される請求項7に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記組成物が、 6〜23重量%の範囲の脂質と; 4〜17重量%の範囲の界面活性剤と; 3〜12重量%の範囲の湿潤剤と; 1〜2重量%の範囲のポリマーゲルと; 残りの重量%の水とを含む請求項1に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記脂質が、中等度鎖のトリグリセリドを含み、 前記界面活性剤が、エトキシ化されたヒマシ油およびリン脂質を含み、 前記湿潤剤が、プロピレングリコールおよびPEG−200を含み、 前記ポリマー性ゲルが、天然ポリマーゲルを含む請求項9に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 さらに保存剤を0.1〜0.2重量%の範囲で含む請求項
    9に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 前記水中油型ミクロ乳濁液が、中等度鎖C6−C12脂肪酸
    グリセリドエステル、リン脂質および希釈剤としての水を含む請求項1に記載の
    組成物。
  13. 【請求項13】 前記水中油型ミクロ乳濁液が、中等度鎖C6−C12脂肪酸
    グリセリドエステル、エトキシ化されたヒマシ油および希釈剤としての水を含む
    請求項1に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記水中油型ミクロ乳濁液が、中等度鎖C6−C12脂肪酸
    グリセリドエステル、エトキシ化されたヒマシ油、リン脂質および希釈剤として
    の水を含む請求項1に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 膣クリームという形態での請求項1に記載の組成物。
  16. 【請求項16】 前記ゲルミクロ乳濁液が付加的な治療剤の製薬ベースとし
    て作用する付加的な治療活性剤をさらに含む請求項1に記載の組成物。
  17. 【請求項17】 治療活性剤を10重量%までさらに含む請求項9に記載の
    組成物
  18. 【請求項18】 治療活性剤を1および2重量%の範囲でさらに含む請求項
    10に記載の組成物
  19. 【請求項19】 前記付加的な治療剤が、抗菌剤を含む請求項16に記載の
    組成物。
  20. 【請求項20】 前記付加的な治療剤が、AZT誘導体を含む請求項16に
    記載の組成物。
  21. 【請求項21】 前記AZT誘導体が以下の化学式の化合物である請求項2
    0に記載の組成物。 【化1】 式中、R1は、H、N3、ハロ、CN、COOHまたはNH2であり、R2は、ハロ
    であり、R3は、アルコキシであり、R’は、化合物の細胞への導入を容易にす
    る基であるか、あるいはその製薬上許容可能な塩またはエステルである。
  22. 【請求項22】 前記AZT誘導体が、5-ブロモ-6-メトキシ-5,6-ジヒドロ
    -3'-アジドチミジン-5'-(p-ブロモフェニル)−メトキシアラニニル(alaninyl
    )ホスフェートである請求項21に記載の組成物。
  23. 【請求項23】 前記治療剤が、以下の化学式のヌクレオシド誘導体または
    その製薬上許容可能な塩を含む請求項16に記載の組成物。 【化2】 式中、Yは、酸素または硫黄であり、R1は、非置換アリールまたは電子吸引
    基で置換されたアリールであり、R2は、以下の化学式のうちの1つのヌクレオ
    シドである。 【化3】 6は、プリンまたはピリミジンであり、R7、R8、R9、R10、R11およびR 12 は、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロ、アジド、−NO2、−NR1314
    または−N(OR15)R16、ここで、R13、R14、R15、およびR16は、独立し
    て、水素、アシル、アルキルまたはシクロアルキルであり、 R3は、水素、アシル、アルキルまたはシクロアルキルであり、R4は、アミノ
    酸の側鎖であり、またはR3とR4とが一緒になって、プロリンまたはヒドロキシ
    プロリンの側鎖を形成してもよく、R5は、水素、アルキル、シクロアルキルま
    たはアリールである。
  24. 【請求項24】 前記ヌクレオシド誘導体が、以下の化学式から選ばれる請
    求項23に記載の組成物。 【化4】 式中、Xは、電子吸引基である。
  25. 【請求項25】 前記Xがブロモまたはクロロである請求項24に記載の組
    成物。
  26. 【請求項26】 前記治療剤が殺精子剤である請求項16に記載の組成物。
  27. 【請求項27】 前記治療剤がバナジウム(IV)錯体またはその製薬上許
    容可能な塩を含む請求項16に記載の組成物。
  28. 【請求項28】 前記バナジウム(IV)錯体が、有機金属シクロペンタジ
    エニルバナジウム(IV)錯体またはその製薬上許容可能な塩を含む請求項27
    に記載の組成物。
  29. 【請求項29】 前記有機金属シクロペンタジエニルバナジウムIV錯体が
    、バナドセンジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)バナジウムジクロ
    リド、バナドセンジブロミド、バナドセンジヨージド、バナドセンジアジド、バ
    ナドセンジシアニド、バナドセンジオキシシアナート、バナドセンジチオシアナ
    ート、バナドセンジセレノシアナート、バナドセンジトリフラート、バナドセン
    モノクロロオキシシアナート、バナドセンモノクロロアセトニトリロテトラクロ
    ロフェラート、バナドセンアセチルアセトナート(acetonato)モノトリフラー
    ト、バナドセンビピリジノ(bipyridino)ジトリフラート、バナドセンヘキサフ
    ロロアセチルアセトナート(acetonato)モノトリフラート、バナドセンアセト
    ヒドロキサメート(acethydroxamato)モノトリフラート、およびバナドセンN
    −フェニルベンゾヒドロキサメートモノトリフラートから選ばれる請求項28に
    記載の組成物。
  30. 【請求項30】 前記バナジウム(IV)錯体が、オキソバナジウム(IV
    )錯体を含む請求項27に記載の組成物。
  31. 【請求項31】 前記オキソバナジウム(IV)錯体が、N,N’;N,O
    およびO,O’二座配位子から選ばれる少なくとも1つの二座配位子を含む請求
    項30に記載の組成物。
  32. 【請求項32】 前記バナジウム(IV)錯体が、置換または非置換カタコ
    レート配位子を含む請求項27に記載の組成物。
  33. 【請求項33】 前記バナジウム(IV)錯体が、以下の構造式を有する錯
    体を含む請求項32に記載の組成物。 【化5】 式中、R1、R2、R3およびR4 は、同じかまたは異なり、独立して、H、ハ
    ロ、OH2、 O3SCF3、N3、CN、OCN、SCN、SeCN、NO2、C1-
    4アルキル、C1-C4アルコキシ、およびアリールであり;nは0または1であ
    り;R5とR6は、同じかまたは異なり、一座配位子であるか、またはR5とR6
    が一緒に二座配位子を含む。
  34. 【請求項34】 前記バナジウム(IV)錯体が、以下の構造式を有する錯
    体を含む請求項33に記載の組成物。 【化6】 式中、Cpは、非置換シクロペンタジエニル、または置換または非置換アリー
    ル、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、ハロ、OH2、O3SCF3、N3、C
    N、OCN、SCN、SeCN、NO2から選ばれる1つ以上の置換基で置換さ
    れたシクロペンタジエニルであり、 R1、R2、R3 およびR4は、同じであるかまたは異なり、独立して、H、ハ
    ロ、OH2、O3SCF3、N3、CN、OCN、SCN、SeCN、NO2、C1-
    4アルキル、およびC1-C4 アルコキシから選ばれる。
  35. 【請求項35】 前記治療剤が、フェネチル−5−ブロモピリジルチオ尿素
    またはジヒドロキアルコキシベンジロピリミジン(dihydroxalkoxybenzylopyrimi
    dine)誘導体を含む請求項16に記載の組成物。
  36. 【請求項36】 前記治療剤が、以下の化学式のフェネチル−5−ブロモピ
    リジルチオ尿素誘導体またはその製薬上許容可能な塩を含む請求項35に記載の
    組成物。 【化7】 R、R1、R2、R3およびR4は、独立して、水素、F、Cl、BrまたはIで
    あり、R、R1、R2、R3およびR4のうち少なくとも1つは、F、Cl、Brま
    たはIである。
  37. 【請求項37】 前記フェネチル−5−ブロモピリジルチオ尿素誘導体は、 N-[2-(2-フロロフェネチル)]-N'-[2-(5-ブロモピリジル)]-チオ尿素 N-[2-(2-クロロフェネチル)]-N'-[2-(5-ブロモピリジル)]-チオ尿素 N-[2-(3-フロロフェネチル)]-N'-[2-(5-ブロモピリジル)]-チオ尿素 N-[2-(3-クロロフェネチル)]-N'-[2-(5-ブロモピリジル)]-チオ尿素 N-[2-(4-フロロフェネチル)]-N'-[2-(5-ブロモピリジル)]-チオ尿素 N-[2-(4-クロロフェネチル)]-N'-[2-(5-ブロモピリジル)]-チオ尿素、および
    その混合物から選ばれる請求項36に記載の組成物。
  38. 【請求項38】 前記治療剤が、以下の化学式のジヒドロキアルコキシベン
    ジロピリミジン誘導体または製薬上許容可能な塩を含む請求項35に記載の組成
    物。 【化8】 式中、R1およびR2は、同様であるかまたは異なり、水素、ハロ、アルキル、
    アルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、チオアルキル、チオール、ホスフィノ、
    ROHまたはRNH基であり、ここでRは、アルキルであり; Yは、SまたはOであり;R3は、アルキル、アルケニル、アリール、アラル
    キル、ROHまたはRNH基(Rはアルキル)である。
  39. 【請求項39】 前記ジヒドロキアルコキシベンジロピリミジン誘導体は、 5-メチル-2-[(メチルチオメチル)チオ]-6-ベンジル-ピリミジン-4-1H-オン、 5-エチル-2-[(メチルチオメチル)チオ]-6-ベンジル-ピリミジン-4-1H-オン、 5-イソプロピル-2-[(メチルチオメチル)チオ]-6-ベンジル-ピリミジン-4-1H-
    オン、 5-イソプロピル-2-[(メチルチオメチル)チオ]-6-(3,5-ジメチルベンジル)-ピ
    リミジン-4-1H-オン;および その混合物から選ばれる請求項38に記載の組成物。
  40. 【請求項40】 前記ゲルミクロ乳濁液が、約30〜80ナノメートルの粒
    度を有する請求項1に記載の組成物。
  41. 【請求項41】 前記ゲルミクロ乳濁液が、約200〜約1000センチポ
    アズの範囲の粘度を有する請求項1に記載の組成物。
  42. 【請求項42】 治療剤の局所輸送に適合した製薬組成物であって、前記組
    成物は、水中油型ミクロ乳濁液およびポリマー性ハイドロゲルを含むゲルミクロ
    乳濁液、ならびに有効量の治療薬を含み、前記ゲルミクロ乳濁液が、前記治療剤
    の輸送の製剤ベースとして作用する組成物。
  43. 【請求項43】 前記ゲルミクロ乳濁液が、 6〜23重量%の範囲の脂質; 4〜17重量%の範囲の界面活性剤; 3〜12重量%の範囲の湿潤剤; 1〜2重量%の範囲のポリマーゲル;および 残りの重量%の水とを含む請求項42に記載の組成物。
  44. 【請求項44】 前記脂質が、中等度鎖のトリグリセリドを含み、 前記界面活性剤が、エトキシ化されたヒマシ油およびリン脂質を含み、 前記湿潤剤がプロピレングリコールおよびPEG−200を含み、 前記ポリマー性ゲルが、天然ポリマーゲルを含む請求項43に記載の組成物。
  45. 【請求項45】 0.1〜0.2重量%の範囲の保存剤をさらに含む請求項
    43に記載の組成物。
  46. 【請求項46】 前記水中油型ミクロ乳濁液が、中等度鎖C6−C12脂肪酸
    グリセリドエステル、リン脂質および希釈剤としての水を含む請求項43に記載
    の組成物。
  47. 【請求項47】 前記水中油型ミクロ乳濁液が、中等度鎖C6−C12脂肪酸
    グリセリドエステル、エトキシ化されたヒマシ油および希釈剤としての水を含む
    請求項43に記載の組成物。
  48. 【請求項48】 前記水中油型ミクロ乳濁液が、中等度鎖C6−C12脂肪酸
    グリセリドエステル、エトキシ化されたヒマシ油、リン脂質および希釈剤として
    の水を含む請求項43に記載の組成物。
  49. 【請求項49】 水中油型ミクロ乳濁液、ポリマー性ハイドロゲルおよび有
    効量の治療活性剤を含む製薬ゲルミクロ乳濁液を形成する工程と、 前記ゲルミクロ乳濁液を患者に投与する工程とを含む治療活性剤を患者に輸送
    する方法。
  50. 【請求項50】 前記治療活性剤が抗ウイルス性作用剤である請求項49に
    記載の方法。
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