JP2002539296A - 酢酸ビニルの(コ)ポリマーの架橋方法と、動的架橋した熱可塑性を保持した無機−有機混成組成物の製造方法 - Google Patents

酢酸ビニルの(コ)ポリマーの架橋方法と、動的架橋した熱可塑性を保持した無機−有機混成組成物の製造方法

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ヴェルボワ,アニエス
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ミレジ,ダニエル
カサニョ,フィリップ
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ミュルティバズ ソシエテ アノニム
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマーと多官能性アルコラートとを触媒の存在下で80〜280℃の温度で反応させる酢酸ビニル単位を有する熱可塑性(コ)ポリマーの架橋方法。 【解決手段】 酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマーを第2の熱可塑性(コ)ポリマーの存在下で架橋することでTPV材料を製造することができる。酢酸ビニル単位を有する熱可塑性(コ)ポリマーに無機の網状構造を分散およびグラフトし、酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマーをベースとする網状構造に存在する多官能性アルコラートと過剰な多官能性アルコラートとを加水分解−縮合させて有機−無機混成材料を製造する。この分散およびグラフト化を第2の熱可塑性(コ)ポリマーの存在下で行って有機−無機混成TPV材料を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】
本発明は、酢酸ビニル単位を有する熱可塑性(コ)ポリマーを触媒の存在下で
アルコラートで架橋する方法に関するものである。 本発明はさらに、架橋後の用途で熱可塑性を維持する動的架橋(reticulee dyn
amiquement)組成物の製造に関するものである。この本発明組成物は最初に架橋
される熱可塑性相と架橋される相とを含み、この架橋される相は酢酸ビニル単位
を有する熱可塑性(コ)ポリマー(エラストマーでもよい)と、架橋剤としての
アルコラートと、触媒とで構成される。
【0002】 本発明はさらに、触媒の存在下でのアルコラートによる架橋と架橋後のこのア
ルコラートの加水分解とを組み合わせた、酢酸ビニル単位を有する熱可塑性(コ
)ポリマーに無機網状構造を分散およびグラフトする方法に関するものである。 本発明はさらに、架橋および加水分解−縮合後の後の用途で熱可塑性を維持す
る有機−無機混成組成物の製造方法に関するものである。この組成物は最初に架
橋されない熱可塑性相と酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマー(エラストマー
でもよい)と、架橋剤としてのアルコラートと、触媒とで構成される相とを含み
、アルコラートの加水分解−縮合で上記酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマー
が架橋する。
【0003】
【従来の技術】
架橋後の用途に適した熱可塑性(TPV)を維持する動的架橋(reticulee dyn
amiquement)組成物の製造方法は大きく進歩した。TPVは熱可塑性連続相中に
架橋した別の相が分散したものである。架橋相がエラストマーである場合、この
TPVはTPE−Vとよばれる。このTPE−Vは溶融状態で後の成形を可能に
する熱可塑性を有し、架橋後はエラストマーに特有な特性を有する。 エラストマー相を架橋するのに一般に用いられる架橋方法が動的架橋法である
。この動的架橋法では特定の混合条件(温度および剪断作用)下で熱可塑性樹脂
の存在下にエラストマー相を架橋して、熱可塑性マトリクス中に架橋されたエラ
ストマーの微粒子が分散した形態の最終材料を得る。 米国特許第4,116,914号には熱可塑性相がPPタイプの半結晶ポリオ
レフィンで、エラストマー相がEVAであるTPVが記載されている。 米国特許第4,348,502号にはPA−エラストマー混合物が記載され、
この混合物のエラストマー相を構成するEVAの酢酸ビニルの重量含有率は約4
0〜70%である。組成物の重量組成は15〜75%のPAに対してそれぞれ8
5〜25%のEVAである。 従来法の欠点は、PP/エラストマーまたはPA/エラストマー混合物のエラ
ストマー相の架橋に使用する架橋系が有機過酸化物を用いる点にある。すなわち
、このタイプの架橋系はラジカル反応を伴い、PPの場合には鎖を切断する二次
反応を引き起してPPが劣化し、特性が低下する。また、PEまたはPAの場合
には架橋反応によってTPVが熱硬化性になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
TPVは不連続法および連続法で製造できるが、EVA/PPタイプのTPV
を押出操作中に製造した例は見当たらない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明では、酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマーのエステル官能基とアル
コラート官能基とのエステル交換反応によって酢酸ビニル単位を有する(コ)ポ
リマーを架橋する。この反応はラジカル反応ではない。酢酸ビニル単位を有する
(コ)ポリマーのこの架橋反応は動的架橋組成物(TPV)を不連続および/ま
たは連続操作で製造することができ、得られた動的架橋組成物は架橋後の用途で
熱可塑性を維持する。触媒の存在下でのアルコラートによる酢酸ビニル単位を有
する(コ)ポリマーの架橋反応と、このアルコラートの加水分解−縮合反応とを
組み合わせることによって、有機−無機混成組成物を得ることができる。この有
機−無機混成組成物を第2の熱可塑性相の存在下で製造することによって有機−
無機混成TPVが得られる。
【0006】
【実施の形態】
本発明の第1の観点から、本発明による酢酸ビニル単位を有する熱可塑性(コ
)ポリマーの架橋方法では、酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマーと、M(O
R)xタイプの多官能性アルコラートとを触媒の存在下で製造プロセス中に80
〜280℃の温度で反応させる。 この方法で用いるエステル交換反応は反応スキーム1に従って酢酸ビニル単位
を有する熱可塑性(コ)ポリマーのエステル官能基と架橋剤のアルコラート官能
基とを触媒の存在下で交換する反応である。 これらの反応は全て溶媒が全くない状態で溶融状態で行われる。 架橋温度は110〜230℃であるのが好ましい。
【0007】 酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマーはエチレン−酢酸ビニルコポリマーの
中から選択するのが好ましい。 このコポリマーの中で、28〜60%の酢酸ビニルを有する酢酸ビニル単位を
有するコポリマー(エラストマーである)を用いるのが好ましい。しかし、酢酸ビ
ニル含有率が28%以下の酢酸ビニルとエチレンとのコポリマーも本発明の方法
で架橋することができる。 酢酸ビニル単位を有する他の(コ)ポリマー、例えばポリ酢酸ビニル、塩化ビ
ニルと酢酸ビニルとのコポリマー、スチレンと酢酸ビニルとのコポリマーおよび
エチレンと酢酸ビニルと一酸化炭素とのコポリマーも架橋することができる。
【0008】 M(OR)xタイプの多官能性アルコラートはR'−M(OR)3タイプの三官
能性アルコラートまたはR'R媒−M(OR)2タイプの二官能性アルコラートが
好ましく、極めて好ましくはM(OR)4タイプ(MはSiであるのが好ましい
)の四官能性アルコラートにすることができる。この場合には一般式がSi(O
R)4のテトラアルキルオルトシリケート(またはテトラアルコキシシラン)(
ここで、Rは1〜20個の炭素原子を含む芳香族または脂肪族の基、好ましくは
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基である)を用いる。Rは芳香族基に
することができる。MはTi[チタネート、Ti(OR)4]、Al[アルミネ
ート、Al(OR)4]またはZr[ジルコネート、Zn(OR)4]にすること
ができる。
【0009】 多官能性アルコラートのアルコラート基のモル数に対する酢酸ビニル単位を有
する(コ)ポリマーの酢酸ビニル基のモル数のモル比(AV/OR)で表される
多官能性アルコラートの初期濃度は約0.1〜30、好ましくは0.3〜10で
ある。 触媒は有機金属化合物にすることができる。スズの誘導体、特にその性能から
好ましくはアルキル錫オキサイドが選択される。Bu2SnO(ジブチル錫オキ
サイド:DBTO)が特に有利な結果をもたらす。 酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマー100部に対する重量部で表される触
媒の濃度は約0.1〜3重量部(pcr)、好ましくは0.5〜1.5重量部(
pcr)である。
【0010】
【化1】
【0011】 本発明は融通性があり、成形段階と架橋段階とを分けることができる。反応物
の組成を50〜100℃で混合できる。この温度は酢酸ビニル単位を有する(コ
)ポリマーの架橋を引き起こさない溶融温度に対応する。得られた組成物を例え
ば回転式成形し、次いで温度を上げて架橋させる。
【0012】 本発明の第2の観点から、本発明のTPVの製造方法では酢酸ビニル単位を有
する第1の熱可塑性(コ)ポリマーと、多官能性アルコラートと、触媒とを含む
反応混合物を第2の熱可塑性(コ)ポリマーの存在下で80〜280℃の温度で
動的架橋する。 この架橋反応は上記条件下で溶融状態にある多官能性アルコラートによって架
橋しない別の熱可塑性ポリマーの存在下で行われる。この第2の熱可塑性(コ)
ポリマーはポリオレフィン、オレフィンコポリマー、ポリアミド、熱可塑性ポリ
ウレタン(TPU)からなる群の中から選択することができる。好ましくはポリ
オレフィン、特にポリプロピレン(PP)およびポリエチレン(PE)を選択す
ることができる。
【0013】 本発明の第3の観点から、本発明方法では酢酸ビニル単位を有する熱可塑性(
コ)ポリマーに無機の網状構造を分散およびグラフトさせる。この方法は下記a
)およびb)の段階を含む: a)酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマーと多官能性アルコラートとを触媒の
存在下でプロセス中に80〜280℃の温度で反応させて酢酸ビニル単位を有す
る熱可塑性(コ)ポリマーを架橋して有機の網状構造を作り、 b)水の存在下で、a)段階で得られた有機の網状構造に存在する多官能アルコ
ラートおよび過剰な多官能性アルコラートを加水分解−縮合させて無機−有機混
成材料を製造する。
【0014】 無機の網状構造はMyzタイプのシリカSiO2であるのが好ましい。 特に重要なシリカ−ポリマータイプの有機−無機混成材料は、反応スキーム2
に従って主要な2つの段階で合成される。第1に、触媒の存在下でアルコキシシ
ランによってポリマーを架橋する。次いで、架橋した材料を例えば酸味水の存在
下で加水分解する。要するに、加水分解−縮合のことである。アルコキシシラン
の加水分解で生じるシラノール基を縮合してその場でシリカを生成する。シリカ
−ポリマーの相互作用によって、おそらくは加水分解されないSi−O−(ポリ
マー)の結合によって材料の凝集が確実になる。シリカSiO2の網状構造はO
R結合の加水分解−縮合によって架橋の橋にグラフトされる。無機網状構造は有
機網状構造にグラフトされる。したがって、既に架橋された熱可塑性ポリマー中
に反応物のナノメートルの分散体が得られる。
【0015】
【化2】
【0016】 律速段階はポリマー網状構造中に水が拡散する段階である。加水分解反応を促
進するために加水分解した分子をその場で混和することによって拡散の問題をな
くすことができる。しかし、材料が架橋するということは分子が水をあまり早く
解放しないということを意味し、先ず、酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマー
が触媒の存在下でアルコキシシランによって架橋し、次いで、このアルコキシシ
ランが加水分解−縮合して有機の網状構造にグラフトされたシリカ網状構造にな
る。これは実体として存在する反応基に対して化学的に不活性でなければならな
い、すなわち二次反応を引き起こしてはならない。反応を促進するために水和物
、例えばクエン酸三ナトリウムニ水和物または酸化アルミニウム三水和物等をさ
らに添加することもできる。
【0017】 本発明の第4の観点から、本発明の有機−無機混成TPV材料の製造方法は、
第2の熱可塑性(コ)ポリマーの存在下での下記a)およびb)の段階を有して
いる: a)酢酸ビニル単位を有する第1の(コ)ポリマーと、多官能性アルコラートと
を触媒の存在下でプロセス中に80〜280℃の温度で反応させて酢酸ビニル単
位を有する第1の熱可塑性(コ)ポリマーを動的架橋して有機の網状構造を作り
、 b)水の存在下で、a)段階で得られた有機の網状構造に存在する多官能アルコ
ラートおよび過剰な多官能性アルコラートを加水分解−縮合させて無機の網状構
造を製造する。
【0018】 全ての動的架橋は不連続プロセスで例えば密閉式混合機で行うか、および/ま
たは、連続プロセスで例えば押出機で行う。 本発明では、相溶化剤および/または酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマー
の可塑剤、例えばフタル酸のジエステル、例えばフタル酸ジオクチルおよびトリ
メリト酸のジエステル、および脂肪族二酸のジエステル、例えばアジピン酸メチ
ル、アジピン酸オクチルタイプを導入して各種材料の最終的な物理的性質を制御
することができる。
【0019】 一般に、熱可塑性ポリマーの各種添加物、例えば安定化剤、紫外線安定剤、着
色顔料(カーボンブラック、二酸化チタン等)、繊維、成形助剤等をさらに添加
することができる。 本発明の上記以外の利点は添付図面を参照した以下の説明からより良く理解で
きよう。
【0020】 以下に示す全ての配合物では、テトラプロピルオルトシリケートまたはテトラ
プロポキシシラン(TPOS)タイプの四官能性アルコラートの初期濃度をモル
比AV/OR(TPOSのプロポキシシラン官能基のモル数に対する酢酸ビニル
単位を有するコポリマーEVAの酢酸ビニル基のモル数)で表す。また、触媒D
BTOの初期濃度はEVA100部に対する重量部(pcr)で表す。
【0021】 EVA28%は例えばエルフアトケム(Elf−Atochem)から商品名
エバタン(Evatane、登録商標)28−03で市販されている。この樹脂の
溶融温度は約75℃で、結晶化率は約20%である。EVA40%は例えばエル
フアトケムから商品名エバタン(Evatane、登録商標)40−55か、デュ
ポン(DuPont)からエルバックス(Elvax、登録商標)40Wで市販さ
れている。この樹脂の溶融温度は約50℃で、結晶化率は10%以下である。T
POSは例えばランカスター(Lancaster)社またはロススコッチエル(
Roth−Sochiel)社から市販されている。DBTOは例えばシグマア
ルドリッチ(Sigma−Aldrich)社またはゴールドシュミット(Gol
dschmidt)から市販されている。
【0022】 本発明方法は説明のために選択した下記実施例の詳細に限定されるものではな
く、本発明の範囲を逸脱しないで変更することができ、従って、上記手段の技術
的均等物を構成する全ての手段およびそれらの組み合せは本発明に含まれる。 酢酸ビニル単位を有する熱可塑性(コ)ポリマーに対して本発明方法を適用し
て製造された生成物と、この生成物の自動車、ケーブル、耐火物、特に建物用耐
火物、家電製品の製造分野での用途も本発明に含まれる。
【0023】
【実施例】実施例1 (反応スキーム1に従って)DBTOの存在下でのTPOSによるEVAの架
橋の化学反応速度をガス相クロマトグラフィー法を用いて酢酸プロピルの発生を
モニターすることで調べた。所定時間内に発生した酢酸プロピルの量を測定する
。時間の経過とともに生成した酢酸プロピルの合計モル数を計算することによっ
て各瞬間での架橋反応の進行状態がわかる。 変換率AP/AV(AV官能基の初期モル数に対する生成した酢酸プロピルの
合計モル数)を記録する。図1はEVA28%の配合物とEVA40%の配合物
の180℃、200℃および220℃での架橋速度を示している。
【0024】 下記の配合物を作り、試験した: EVA28%+TPOS(AV/OR=10)+DBTO(0.5pcr) EVA40%+TPOS(AV/OR=10)+DBTO(0.5pcr)。 予想されたように、これらの結果からDBTOの存在下でのTPOSによるE
VAの架橋反応速度は温度因子を変えることで上げることができ、反応速度を押
出成形法のような実施プロセスの滞留時間に合わせることができるということが
確認された。
【0025】 図2はEVA28%の2種の配合物の170℃での架橋速度を示している。 下記の配合物を作り、試験した: EVA28%+TPOS(AV/OR=5)+DBTO(0.5pcr) EVA28%+TPOS(AV/OR=10)+DBTO(0.5pcr)。 予想されたように、これらの結果からDBTOの存在下でのTPOSによるE
VAの架橋反応速度は架橋剤TPOSの濃度を変えることによって上げることが
できるということが確認された。
【0026】 温度と架橋剤TPOSおよび触媒DBTOの濃度は、DBTOの存在下でのT
POSによるEVAの架橋速度をできるだけ迅速に得るために変えることができ
る要因である。従って、これらの結果から実験条件全体(温度、架橋剤TPOS
および触媒DBTOの濃度)によって架橋速度を調節することができ、各EVA
の滞留時間を不連続法(例えば密閉式混合機であるバンバリー(Banbury
)または回転式成形)および連続法(例えば押出成形)に合わせることができる
ということが理解できる。 動的機械分光計(RMS800)によって本発明で架橋された酢酸ビニル単位
を有する(コ)ポリマーの熱可塑性の特徴を調べた結果、上記材料はもはや融点
を超える流れ領域を持たないことが示された。
【0027】実施例2 反応混合物EVA/PP(TPOS+DBTO)を動的架橋し、試験した。反
応混合物としてアプリル(Appryl)社から製品番号PP Appryl(
登録商標)3120MNI(PPグレード12)で市販のPPホモポリマーを用
いた。 Rheomix600タイプの密閉式混合機を備えたプラストグラフHaak
eを用いて、PPの存在下および非存在下、DBTOの存在下でTPOSによる
EVA40%(グレード55)を架橋し、試験した。プラストグラフHaake
で製造した各混合物の運転条件は温度規定が180℃、羽根の回転速度が50回
転/分である。
【0028】 図3は下記混合物のトルクおよび材料温度の経時変化を示している: EVA40%(グレード55)+TPOS(AV/OR=10)+DBTO(
0.5pcr) 60%のEVA40%+TPOS(AV/OR=10)+DBTO(0.5p
cr)+40%のPP(グレード12)。 PPの非存在下でEVAを架橋すると、混合物EVA/(TPOS+DBTO
)の導入およびその溶融に対応する第1のピークが観察される。溶融後、一定の
時間をおいた後に、架橋によってトルクが増加して最大値を通り、その後、急速
に減少する。この急降下は機械的に脆弱化し、剪断作用で粉末状態に加工する架
橋されたEVAの粉末状態への移行に対応する。
【0029】 反応混合物EVA/PP/(TPOS+DBTO)を動的架橋すると、混合物
EVA/PP/(TPOS+DBTO)の導入および溶融に対応する第1のピー
クが観察される。その時、架橋によってトルクが増加して傾斜角の変化点(平坦
域の開始点)を通り、その後、最大値に達する。しかし、PPを用いずに架橋し
た基準EVAの混合物とは違って、反応混合物EVA/PP/(TPOS+DB
TO)はトルクがこの最大値に達した後に急降下せず、逆に、一定の値へ向かっ
て迅速に下がる。PPの存在下では密閉式混合機の出口で粉末材料が得られない
【0030】 プラストグラフHaakeの出口で回収される最終混合物の熱可塑性を評価す
るために、プレートプレス(200℃、圧力下、数分間)によって成形性を試験
した。材料の成形は満足のいくものである。動的架橋された最終材料EVA/P
Pはその後の成形に適した溶融状態での熱可塑性を有する。 EVAの溶解率および混合物の膨潤率の測定(トルエン中、40℃、数日間)
から、反応混合物EVA/PP/(TPOS+DBTO)の場合は、EVAの可
溶性画分がトルクが最大値に達するときまで混合−攪拌時間の関数として連続的
かつ徐々に減少することがわかった。最大値の後のEVAの溶解率が約20%で
ある。また、混合物の容量膨潤率はトルクの増加の開始点からトルクが達する最
大値の間で減少する。これらの結果は、混合物の膨潤率がPPの存在下でのEV
Aの動的架橋の反応進行率に応じて変化することを示しており、さらに、EVA
相の架橋がトルクの増加で開始し、トルクが最大値に達するときに終了すること
も示唆している。
【0031】 反応混合物EVA/PP/(TPOS+DBTO)の動的架橋によって溶融状
態で熱可塑性を有するEVAの非溶解率が約80%の最終材料が得られる。従っ
て、DBTOによって触媒されたTPOSとのエステル交換反応によるEVAの
架橋反応を用いてEVA/PPタイプのTPV材料を不連続法で製造することが
できる。
【0032】実施例3 反応混合物EVA/PP/(TPOS+DBTO)と下記組成物とを押出成形
した(2軸スクリュー押出機LEISTRITZ LSM 30−34): 70%のEVA40%(グレード55)+TPOS(AV/OR=10.5お
よび2.5)+DBTO(1pcr)+30%のPP(グレード12)。 混合物の運転条件: 温度 220℃ スクリュー回転速度 160および220回転/分。
【0033】 この架橋は押出機で完全に実行できることが確認されている。DBTOによっ
て触媒されたTPOSとのエステル交換反応によるEVAの架橋速度は押出機中
の約数分の滞留時間に合ったものである。 架橋系(TPOS+DBTO)によるEVAの架橋反応は押出機のような連続
法によってEVA/PPタイプのTPV材料を製造するのに用いることができる
【0034】実施例4 熱可塑性相およびエラストマー相を構成する2種のポリマーに加えて多くの添
加物を含むTPVを作る。このTPV材料は無視できない量の可塑剤を含む。反
応混合物EVA/PP/(TPOS+DBTO)の動的架橋の途中で可塑剤を試
験した。 用いた可塑剤はDOP(ジオクチルフタレート)である。
【0035】 プラストグラフHaakeを用いて、反応混合物EVA/PP/(TPOS+
DBTO)の動的架橋の途中でのDOPの導入時間のみが異なる3種の混合物を
作った。 混合物1:トルクが最大値に達した後にDOPを添加 混合物2:トルクが最大値に達した時にDOPを添加 混合物3:トルクが平坦域の開始点に達した時にDOPを添加 EVAの量に対して50重量%のDOPを添加した。 試験した混合物の組成は下記の通り: 60%のEVA40%(グレード55)+TPOS(AV/OR=10)+D
BTO(0.5pcr)+40%のPP(グレード12)。
【0036】 図4は可塑化された3種の混合物および可塑剤を用いない同等な組成物の材料
のトルクおよび温度の変化を時間の関数で示している。 可塑剤DOPをそれぞれトルクの最大値の後、間および前に導入した時に急降
下と極めて大きなトルク(混合物全体に対するDOPの潤滑作用)とが観察され
る。次いで、トルクは再び徐々に増加して一定値に達する。これは動的架橋およ
び可塑化された最終混合物FVA/PPの粘度全体を表わす。DOPの導入時に
トルクが急降下した後にこのように上がるのはほぼ架橋したEVA中に可塑剤が
拡散するためである。可塑化された混合物は可塑剤を用いずに作られた混合物に
比べて最終的な一定値に達するのが早い。
【0037】 得られるトルクの最終的な一定値は混合物1よりも混合物3の方が高い。プラ
ストグラフHaakeの出口で得られる動的架橋および可塑化されたEVA/P
P混合物は熱可塑性を有し、可塑化されていない同等な組成物の混合物に比べて
可撓性が高い均質材料である。 これらの結果から、TPV(EVA/PPタイプ)の製造途中で可塑剤を導入
することができ、混合物の組成の影響だけでなく、可塑剤の導入時に達成される
架橋結合密度によってこのTPVの最終特性を調節することができることがわか
る。換言すれば、連続した2つの操作である架橋段階と可塑剤の導入とを分ける
ことによって、不連続法でも連続法の場合と同様に可塑剤の導入を調節すること
ができる。
【0038】実施例5 FVA−シリカをベースとする有機−無機混成材料を作るために下記の組成物
を150℃で45分間プレス(約200バール)下で架橋した: EVA28%+TPOS(AV/OR=0.5)+DBTO。 45分後、膨潤率がそれ以上に下がらず、架橋はほぼ完了した。 次に、80℃の酸性の水性媒体(HCl 1M、pH=2)中でサンプルを水
と接触させて6日間、加水分解した。 架橋した材料は膨潤率によって架橋結合密度を極めて正確に特徴付けることが
できる。品質的には膨潤率が低いときに材料の架橋結合密度が大きくなる。
【0039】 容量膨潤率は下記の関係式で表される: Gv=1+(Gp−1)×(ρ1/ρ2) (ここで、Gpは重量膨潤率(膨潤した架橋物の重量/乾燥させた架橋物の重量
)、ρ1:溶媒の密度、ρ2:乾燥ポリマーの密度) 加水分解が完了時に各サンプルをトルエン(トルエンはEVA28%の溶媒)
中に入れる。サンプルを80℃で24時間膨潤した。膨潤したサンプルの重量を
得るには損失重量をモニターして時間t=0で外挿する必要がある。EVAの密
度は0.95であり、トルエンの密度は0.895である。従って、容量膨潤率
は下記の通り: Gv=1+[(膨潤したサンプルの重量/乾燥させたサンプルの重量−1)×
(0.95/0.895)]。 加水分解時間の関数としての膨潤率の変化の結果は下記の通り:
【0040】
【表1】
【0041】 加水分解後、膨潤率は架橋後とほぼ同じ率を維持している。すなわち、EVA
−シリカ混成材料は架橋状態を維持している。 加水分解の前および後に調製された架橋材料の機械特性に架橋が与える影響を
調べるために引張試験を行った。この試験は一定の引張速度で変形させた材料が
支持する力を測定することができるINSTRONダイナモメーターを用いて行
った。 この試験はT 51−034規格に従って行った。応力曲線=f(変形)の図
形によって下記特徴を測定することができる: E=σ/ε:弾性率(ヤング率) σrupture:破断応力 εrupture:破断変形(試験片の初期長さのパーセンテージで表される:公称
変形)
【0042】
【表2】
【0043】 EVAの対照として、E=31±1MPa、σr=28±1MPa、およびεr =810±30%。 加水分解後に測定した弾性率(E)は予備加熱硬化の処理時間に依存すること
がわかる。実際には、弾性率が加熱硬化時間とともに上昇するが、加水分解前は
そうではないことが観察される。さらに、加水分解に先立つ加熱硬化の時間によ
ってEVAの架橋結合密度および有機−無機混成材料の弾性率が調節される。特
に、弾性率は大幅に上昇し、EVAの弾性率より高くなる。これによって、得ら
れた材料に補強効果と良好な耐クリープ性が付与される。破断応力に関しては、
加熱硬化後の材料は大幅に上昇するが、EVAの破断応力より低いままである。
加水分解後、有機−無機混成材料は良好な破断伸び率の特性を維持している。
【0044】 EVA−シリカ混成材料の動的熱可塑性特性を動的機械分光計(RMS800
)によって評価した。図5から温度の関数としてのG'(弾性率)の変化から、
EVAの溶融温度を超えて200℃まで流れが存在しないことがわかる。従って
、これらの材料は100℃を超える熱雰囲気中で使用することができる。
【0045】実施例6 加水分解時間を短縮するために、水和物をさらに添加した。クエン酸三ナトリ
ウム二水和物(Na3657、2H2O)は160℃から水を迅速かつ量的に
発生する。この状態では温度に関して架橋段階(80〜150℃)と加水分解段
階とを分けることができる。 TPOSの加水分解段階で生成されるプロパノールはガス相クロマトグラフィ
ーで求めることができ、これによって加水分解の反応をモニターすることができ
る。図6は160℃での導入されたプロポキシシラン官能基のモル数に対するプ
ロパノールのモル数を時間の関数として示しており、これによってクエン酸三ナ
トリウム二水和物の効果がわかる。20分で加水分解率は濃度が23.7pcr
の水和物の40%に達する。 この状態では、加水分解時間は10分間隔で数時間、さらには数日間かかる。 有機−無機混成材料の膨潤率は加水分解前に架橋した材料の膨潤率とほぼ同じ
率を維持している。
【0046】実施例7 下記の成分を含む各種の反応混合物を押出成形した: 架橋可能な相のポリマー:エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー(DUPON
TのELVAX(登録商標)40W):EVA40%(グレード55)、 架橋可能でない相のポリマー:ポリプロピレンのホモポリマー(APPRYL
のAPPRYL(登録商標)3120MN1):PP(グレード12)、 多官能性アルコラート架橋剤:テトラプロピルオルトシリケート、TPOS(
ROTH−SOCHIELのDYNASIL(登録商標)P)、 触媒:ジブチル錫オキサイド、DBTO(GOLDSCHIMIDTのTEG
OKAT(登録商標)248)。
【0047】 これらの各種反応混合物(試験番号7−1、7−2、7−3)を共回転式の2
軸スクリュー押出機(CLEXTRAL BC 21)で作った。 スクリューの長さは36D(D=25mm)であった。各試験では、各反応混
合物の成分[2種のポリマー、架橋剤、触媒、必要に応じてさらに可塑化用オイ
ル、例えばジオクチルフタレート(DOP)]を供給領域の容量計量器に同時に
導入する。
【0048】 押出機に2回通した後、スリーブに沿って適切な温度範囲、適合したスクリュ
ー回転速度および適当な流量で熱可塑性最終混合物(この最終混合物はその後に
押出成形および射出成形で成形される)と、架橋率がEVAの非溶解パーセンテ
ージで表される架橋されたEVA相とを製造した。 実施した反応混合物の全ての特徴、押出条件および動的架橋で得られる熱可塑
性混合物の特徴は下記の3つの表にまとめてある。
【0049】
【表3】
【0050】 従って、各混合物は充分に架橋され、架橋後の成形、例えば押出成形または射
出成形のための熱可塑性を維持していることが確認される。
【0051】実施例8 下記の成分を含む各種の反応混合物を押出した: 架橋可能な相のポリマー:エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー(DUPON
TのELVAX(登録商標)40W)、EVA40%(グレード55):60%
、 架橋可能でない相のポリマー:ポリプロピレンのホモポリマー(APPRYL
のAPPRYL(登録商標)3120MN1)、PP(グレード12):40%
、 多官能性アルコラート架橋剤:テトラプロピルオルトシリケート、TPOS(
ROTH−SOCHIELのDYNASIL(登録商標)P)、AV/OR:5
、 触媒:ジブチル酸化錫、DBTO(GOLDSCHIMIDTのTEGOKA
T(登録商標)248):EVA相に対して1pcr、 可塑剤:ジオクチルフタレート(DOP):EVA相に対して50%。 スクリューの長さは44D(D=40mm)であった。
【0052】 2種のポリマーと触媒とを含む反応混合物の成分を供給領域の容量計量器に同
時に導入し、架橋剤TPOSをポンプで注入した。可塑剤(DOP)に関しては
、EVA相の架橋反応が充分に進んでいる押出領域に導入した(第2のポンプで
注入)。 スリーブに沿った温度範囲は約220℃であり、スクリュー回転速度は約16
0回転/分であり、押出機の出口での混合物の流量は約20kg/時であった。 反応混合物を押出機に1回だけパスした。 得られた材料は充分に架橋されていた。EVA相の架橋率はEVA非溶解率が
約80%になるようにした。 架橋後に得られた材料はその後の用途のための熱可塑性を有していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 EVA28%とEVA40%の異なる温度での架橋速度を示すグラ
フ。
【図2】 EVA28%の2種の配合物の170℃での架橋速度を示すグラフ
【図3】 PPの非存在下および存在下でのEVA40%の架橋の変化を示す
グラフ。
【図4】 可塑剤の添加および導入時間の影響を示すグラフ。
【図5】 EVA−シリカ混成材料の弾性率の温度を関数とした変化を示すグ
ラフ。
【図6】 添加した水和物の存在下および非存在下での2つの異なる濃度のE
VA−シリカ混成材料の生成速度を示すグラフ。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年3月27日(2001.3.27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
【従来の技術】 架橋後の用途に適した熱可塑性(TPV)を維持する動的架橋(reticulee dyn
amiquement)組成物の製造方法は大きく進歩した。TPVは熱可塑性連続相中に
架橋した別の相が分散したものである。架橋相がエラストマーである場合、TP
Vはその後の成形を可能にする溶融状態での熱可塑性を有し、さらに、架橋され
たエラストマーに特有な特性を有する。 エラストマー相を架橋するのに一般に用いられる架橋方法が動的架橋法である
。この動的架橋法では特定の混合条件(温度および剪断作用)下で熱可塑性樹脂
の存在下にエラストマー相を架橋して、熱可塑性マトリクス中に架橋されたエラ
ストマーの微粒子が分散した形態の最終材料を得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
【従来の技術】 米国特許第4,116,914号にはポリオレフィン樹脂とエチレン−酢酸ビ ニルゴムとを含む熱可塑性組成物、特に熱可塑性相がポリプロピレンまたはポリ エチレンタイプの結晶ポリオレフィン樹脂で、エラストマー相が架橋されたEV Aゴムであるエラストマー組成物が記載されている 。 米国特許第4,348,502号にはナイロン(Nylon、登録商標)とE VA−ゴムとの混合物を含む熱可塑性組成物が記載されてい る。この混合物のエ
ラストマー相を構成するために酢酸ビニルの重量含有率が約40〜70%である
EVA−ゴムを用いる。この重量組成は15〜75%のNylon(登録商標) に対してそれぞれ85〜25%のEVA−ゴムであるドイツ国特許第1770792号にはオレフィン−ビニルエステルコポリマー 、特にエチレン−酢酸ビニルコポリマーを多官能性アルコラートによって必要に 応じてオレフィンホモポリマーの存在下で架橋する方法が記載されている。 この架橋方法では、必要に応じてオレフィンホモポリマーおよび/または無機 充填剤と混合したオレフィン−ビニルエステルコポリマーを、必要に応じてマス ターバッチの形にした化学式Me(OR)x(ここで、Meはx価の金属を表し
、xは2〜5の値を表し、Rは脂肪族または環状脂肪族のラジカル)の架橋剤と してのアルコラートと一緒に60〜250℃の温度で加熱し、必要な場合には、 こうして生成されたエステルを架橋されたコポリマーから分離する。 この架橋方法で用いられる架橋剤は化学式Me(OR)x(ここで、Meはア
ルミニウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、チタン、ジルコニ ウム、錫 、アンチモンおよび鉄の中から選択され、ORはメチレート、エチレー
ト、ブチレート、プロピレート、イソプロピレートからなる群の中から選択され
る)のアルコラートである。 この方法では必要に応じてオレフィンホモポリマーと混合したコポリマーを先 ず最初に過酸化物によって架橋し、これと同時にまたはこの後でアルコラートに よって架橋することができる。 米国特許第3,491,075号には主鎖ポリマーに依存するエステル基を有 するエステルモノマーのポリマーの架橋方法が記載されている。この方法によれ ば、エステルモノマーのポリマーは、化学式M(OR)n(ここで、MはII、
III、IV、V、VIIおよびその下の族の鉄から選択される多価金属であり 、Rは1〜20個の炭素原子を含むアルキル基であり、nは2〜5の整数である )の多価金属のアルコラートと75〜225℃の温度で混合することによって架 橋される。この混合物は適当な固−液混合法、例えばシリンダーミルによって、 炭素−炭素結合の切断を完全に防止する、したがってポリマーの分解を完全に防 止するように選択される温度条件で製造される。 従来法の欠点は、PP/エラストマーまたはPA/エラストマー混合物のエラ
ストマー相の架橋に使用する架橋系が有機過酸化物を用いる点にある。すなわち
、このタイプの架橋系はラジカル反応を伴い、PPの場合には鎖を切断する二次
反応を引き起してPPが劣化し、特性が低下する。また、PEまたはPAの場合
には架橋反応によってTPVが熱硬化性になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 75/04 C08L 75/04 77/00 77/00 101/00 101/00 (72)発明者 ベール,ミシェル フランス国 69300 カリュイレ キュイ ル アンパッス カポ 8 (72)発明者 アンジェロ,クリストフ フランス国 42400 サン シャモン リ ュ エルネ ルナン 22 (72)発明者 ブラン,パトリス フランス国 68100 ミュルーズ リュ ドゥ シャランペ 16 (72)発明者 パージュ,グザヴィエ フランス国 30740 ル ケラール ブル ヴァール バロンセリ 15 (72)発明者 ミレジ,ダニエル フランス国 38500 ヴォワロン リュ デュ プレ−ジョリ 4 (72)発明者 カサニョ,フィリップ フランス国 69390 ミレリ(番地なし) Fターム(参考) 4F070 AA12 AA28 AA53 AA54 AC13 AC36 AC67 AE08 BA02 BA05 GB02 GB08 4J002 BB022 BB112 BF021 CK022 CL002 DE147 EG057 EZ016 FD156 FD157 GL00 GN00 GQ00

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の存在下で、酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマーと多
    官能性アルコラートとを80〜280℃の温度で反応させることを特徴とする、
    酢酸ビニル単位を有する熱可塑性(コ)ポリマーの架橋方法。
  2. 【請求項2】 酢酸ビニル単位を有する第1の熱可塑性(コ)ポリマーと、多
    官能性アルコラートと、触媒とを含む反応混合物を、第2の熱可塑性(コ)ポリ
    マーの存在下で、80〜280℃の温度で動的架橋させることを特徴とする、架
    橋後に熱可塑性を保持する動的架橋組成物(TPV)の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記a)およびb)の段階を含むことを特徴とする、酢酸ビニ
    ル単位を有する熱可塑性(コ)ポリマーに無機架橋網を分散、グラフトさせる方
    法: a)酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマーと、多官能性アルコラートとを触媒
    の存在下で80〜280℃の温度で反応させて酢酸ビニル単位を有する熱可塑性
    (コ)ポリマーを架橋させて有機網状構造を作り、 b)水の存在下で、a)段階で得られた有機網状構造に存在する多官能アルコラ
    ートおよび過剰な多官能性アルコラートを加水分解−縮合させて無機−有機混成
    材料を製造する。
  4. 【請求項4】 第2の熱可塑性(コ)ポリマーの存在下で、下記a)およびb
    )の段階を含む有機−無機混成TPVの製造方法: a)酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマーと、多官能性アルコラートとを触媒
    の存在下で80〜280℃の温度で反応させて酢酸ビニル単位を有する熱可塑性
    (コ)ポリマーを動的架橋して有機網状構造を作り、 b)水の存在下でa)段階で得られた有機網状構造に存在する多官能性アルコラ
    ートおよび過剰な多官能性アルコラートを加水分解−縮合させて無機網状構造を
    作る。
  5. 【請求項5】 水和物をさらに添加する請求項3または4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマー100部に対する重量
    部で表される水和物の濃度が約5〜75重量部である請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 第2の熱可塑性(コ)ポリマーがポリオレフィン、オレフィン
    コポリマー、熱可塑性ポリウレタンまたはポリアミドからなる群の中から選択さ
    れ、好ましくはポリプロピレンまたはポリエチレンである請求項2または4に記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 酢酸ビニル単位を有するコポリマーがエチレン−酢酸ビニルコ
    ポリマーからなる群の中から選択される請求項1〜7のいずれか一項に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 酢酸ビニル単位を有するコポリマーが28〜60%の酢酸ビニ
    ルを有するエラストマーの中から選択される請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 多官能性アルコラートがM(OR)xタイプ(ここで、Mは
    珪素、チタン、アルミニウム、ジルコニウムからなる群の中から選択され、Rは
    1〜20個の炭素原子を含む芳香族または脂肪族の基、好ましくはメチル基、エ
    チル基、プロピル基、ブチル基であり、xは2〜4である)である請求項1〜9
    のいずれか一項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 多官能性アルコラートがR'R媒−M(OR)2タイプの二官
    能性アルコラート、R'−M(OR)3タイプの三官能性アルコラート、M(OR
    4タイプの四官能性アルコラートからなる群の中から選択され請求項10に記
    載の方法。 る
  12. 【請求項12】 多官能性アルコラートがテトラアルキルオルトシリケートま
    たはテトラアルコキシシランSi(OR)4(ここで、Rは1〜20個の炭素原
    子を含む芳香族または脂肪族の基、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基
    、ブチル基である)である請求項10または11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 多官能性アルコラートのアルコラート基のモル数に対する酢
    酸ビニル単位を有する(コ)ポリマーの酢酸ビニル基のモル数のモル比で表され
    る多官能性アルコラートの初期濃度が約0.1〜30、好ましくは0.3〜10
    である請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 触媒が有機金属からなる群の中から選択され、特にスズの誘
    導体、好ましくはアルキル錫酸化物、さらに好ましくはジブチル錫オキサイドが
    選択される請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリマー100部に対する重
    量部で表される触媒の濃度が約0.1〜3重量部、好ましくは0.5〜1.5重
    量部である請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 架橋温度が110〜230℃である請求項1〜15のいずれ
    か一項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 動的架橋が不連続操作中および/または不連続に行われる請
    求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 不連続の場合には密閉式混合機で、連続の場合には押出機で
    動的架橋する請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 相溶化剤および/または酢酸ビニル単位を有する(コ)ポリ
    マーの可塑剤、好ましくはフタル酸およびトリメリト酸のジエステルおよび脂肪
    族二酸のジエステルをさらに導入する請求項1〜18のいずれか一項に記載の方
    法。
  20. 【請求項20】 酢酸ビニル単位を有する熱可塑性(コ)ポリマーに請求項1
    〜19に記載の方法を実施して得られる生成物。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の生成物の、自動車、ケーブル、耐火物、
    家電製品分野での使用。
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