JP2002536891A - 音声変成器を収容し、通路を有するハウジングを持つ装置 - Google Patents

音声変成器を収容し、通路を有するハウジングを持つ装置

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JP2002536891A
JP2002536891A JP2000596751A JP2000596751A JP2002536891A JP 2002536891 A JP2002536891 A JP 2002536891A JP 2000596751 A JP2000596751 A JP 2000596751A JP 2000596751 A JP2000596751 A JP 2000596751A JP 2002536891 A JP2002536891 A JP 2002536891A
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Abstract

(57)【要約】 ハウジングを有し、内部ハウジング空間に収容される電気音響変成器を有し、ハウジング壁を横断し、且つ内部ハウジング空間と前記変成器の背面ボリュームと一緒に周波数応答に対する音圧において降下の原因となる吸収回路共振器を形成する通路を少なくとも１つ有する装置において、周波数応答に対する音圧における降下を補償する補償手段が供給され、前記ハウジングはこの補償手段を形成するために複数のダクトを具備し、これらダクトは前記ハウジングを横断し、各々が音響摩擦を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部ハウジング空間を境界付け、音声伝達開口を具備するハウジン
グ壁を持ち、装置のオンイヤーモード(on-ear mode)で、音声伝達開口のエリア
に耳を当てられるハウジングであって、この音声伝達開口が置かれているこのハ
ウジング壁の壁部が前記モード中耳で覆われる当該ハウジングと、内部ハウジン
グ空間に収容され、音声伝達開口に隣接して配される電気音響変成器であって、
前記変成器は前面ボリューム及び背面ボリュームを有して、この前面ボリューム
を介して音声伝達開口を通り音響自由空間に放射される音を生成でき、これの背
面ボリュームは内部ハウジング壁に開かれている電気音響変成器と、ハウジング
壁を横断し、前記装置がオンイヤーモードで動作するとき、内部ハウジング空間
と内部ハウジング空間に対し開いている変成器の背面ボリュームと一緒に、周波
数応答に関する音圧に関する降下の原因となる吸収回路共振器を形成する少なく
とも１つの通路と、この周波数応答に対する音圧における降下の補償を行うため
の補償手段を有する装置に関する。
【０００２】 冒頭の段落で規定される種類の装置は、様々なバージョンで商業的に利用可能
であり、従ってよく知られている。このような装置は、例えば形式名称Ｓ６及び
Ｓ１０を持つ携帯電話の形式で商業的に利用可能である。公知の装置において、
周波数応答に対する音圧において下降を補償するための補償手段は、比較的複雑
であり、よって比較的高価なディジタル的に動作する電気補償回路によって形成
される。この装置は更に周波数応答に対する音圧において下降が起こる周波数範
囲が変化するという問題を持ち、電気補償回路によって供給される補償は、少な
くも大幅に減少するか若しくは無くなってしまう。
【０００３】 本発明の目的は、前述の問題を取り除くことであり、冒頭の段落に規定される
型式が改良された装置を提供することである。この装置において、望ましい結果
は、簡単な補償手段により達成される。
【０００４】 本発明により、冒頭の段落に規定される型式の装置における前記目的を達成す
るために、ハウジングは前記補償手段を形成するために少なくとも１つのダクト
を具備し、これら少なくとも１つのダクトは、前記ハウジングを横断し、耳で覆
われる壁部の外側で且つ前記変成器の背面ボリュームに隣接して配され、音響摩
擦(acoustic friction)を形成する。
【０００５】 本発明による手段をとることにより、スプリアスの吸収回路共振器が、装置の
オンイヤーモードにおいて周波数応答に対する音圧に関する前記吸収回路共振器
の望ましくない影響が除去されるように、又は周波数応答に対する音圧において
降下が起こらない僅かな程度まで少なくとも減少させるやり方で弱められること
が、非常に簡単なやり方で好適に達成される。更なる利点は、低い周波数信号の
訂正されて満足な再生が、前記装置の内部空間の比較的少ないボリュームで保証
されることである。少なくとも１つのダクトを介して低い周波数の信号の再生に
寄与するので、装置の外側にある音響的自由空間は、最小の外形寸法を持つ本発
明に係る装置の実現を促進するからである。実際に、本発明に係る装置は、複数
の上記ダクトを有し、これらダクトは音響摩擦を各々形成する。
【０００６】 本発明に係る装置において、音響摩擦として設けられている各ダクトは、ハウ
ジング壁を横断し、プラスチックのハウジングの場合、このハウジングの射出成
型中に形成される穴によって形成される。しかしながら、請求項２に規定される
やり方が行われた場合、これは特に有利となることが立証されている。このやり
方で、音響摩擦を形成する各ダクトは、特にハウジングがプラスチックである場
合、非常に簡単なやり方、且つ高い精度で製造される。この場合、各凹部は関連
するハウジング部分の射出成型中に形成される。
【０００７】 本発明に係る装置において、請求項３に規定されるやり方が行われた場合、有
利となることが更に立証される。このような構成は、実際には非常に有利となる
ことが立証された。
【０００８】 本発明の前述された及び他の特徴は、以下に記載され、且つ例示される実施例
から明らかであり、これら実施例を参照して説明されるであろう。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明は、例示され、本発明がこれらに限定されない２つの実施例を示す図を
参照してより詳細に説明される。
【００１０】 図１は、いわゆる携帯電話である、本発明に係る装置１を示す。
【００１１】 この装置１は、２つの貝殻形状である２つのハウジング部分３及び４を有する
ハウジング２を有する。このハウジング２は直方体形状を有し、前面主壁５、背
面主壁６及び４枚の側壁を有し、これら４枚の側壁のうち、短い側壁７及び長い
側壁８のみを図１に見ることができる。ハウジング２は内部ハウジング空間９を
境界付けている
【００１２】 前記前面主壁５は、音声伝達開口Ｓ１を有する。図１の前面主壁５は、１つの
音声伝達開口Ｓ１のみを概略的に示す。装置１のオンイヤーモード(on-ear mode
)において、前面主壁５は、この音声伝達開口Ｓ１の位置において耳に当てられ
る。このモードにおいて、音声伝達開口Ｓ１を具備し、ブラケット１０によって
図に示される壁部が耳を覆うことを可能にする。
【００１３】 既に上述したように、前記ハウジングは、結合された貝殻形状の２つのハウジ
ング部分３及び４を有する。これら２つのハウジング部分３及び４は、音響学的
には影響しない方法で、分離区域１１の２つの壁部１２及び１３（図２参照）に
おいて互いに結合する。これら２つのハウジング部分３及び４は、この分離区域
１１のエリアにおいて段差が付けられている。
【００１４】 装置１は、内部ハウジング空間９に収容され、前記音声伝達開口Ｓ１に隣接し
て配されている電気音響変成器(electroacoustic transducer)１４を含んでいる
。この変成器は、ほぼ中空な円筒状の変成器ホルダ１４Ａに取り付けられている
。この場合、電気音響変成器１４は、磁石システム１７の環状エアギャップ(ann
ular air gap)の内側に配されるボイスコイル１６に接続され、振動可能である
ダイアフラム(diaphragm)１５を有する電気力学的変成器である。この磁石シス
テム１７は、磁石１８と、リング形状の第１ヨーク１９と、リング形状部及び中
空な円筒部を持つ第２ヨーク２０とを有する。前記環状部は、第２ヨーク２０の
中空な円筒部の自由端の面とリング形状の第１ヨーク１９の内側部との間に形成
される。ボイスコイル１６は、図示されるプリント回路板２３上の対応する接触
部（図示せず）に電気的に接続される２つの接触部２１及び２２を有し、前記回
路板はとりわけ変成器１４のための電源を収容している。電気音響変成器１４は
、ダイアフラム１５の前面に置かれる前面ボリューム２４及びダイアフラム１５
の背面に置かれる背面ボリューム２５を有する。変成器１４の背面ボリューム２
５は、内部ハウジング空間９と連通している(open communication)。これは、内
部ハウジング空間９の全体のボリュームが変成器１４の背面ボリューム２５と連
通していて、この結果として、内部ハウジング空間９の全体のボリュームは、変
成器１４及び全体の装置１の音響学的行動にかなり影響することを意味する。
【００１５】 変成器１４は、前面ボリューム２４を介し、音声伝達開口Ｓ１を通って音響自
由空間２６へ伝わる音を生成可能である。この場合、放射される音波の有効な周
波数範囲は、約３００Ｈｚから３４００Ｈｚ間にあり、これら２つの値は、図３
において個々に与えられている。図３において、前面主壁５が使用者の耳に当て
られている間、装置１のオンイヤーモードにおける周波数応答に対する音圧の変
化が２７で参照される実線として示される。
【００１６】 装置１の前面主壁５は、補足的な音声伝達開口Ｓ２を有する。全ての音声伝達
開口Ｓ２は、図１の上記音声伝達開口Ｓ２のように概略的に１つだけしか表して
いない。変成器１４の背面ボリューム２５を介して放射されたこの変成器１４に
よる音声は、前記音声伝達開口Ｓ２を介して前面主壁５のエリアにおける音響自
由空間２６にも伝達可能であり、オンイヤーモードにおいて、これは耳に伝達さ
れる低い周波数の音声成分が絞られるという利点を有する。
【００１７】 音声伝達開口Ｓ１及び補足的な音声伝達開口Ｓ２に関しては、これら音声伝達
開口Ｓ１及びＳ２の全ては、布(fabric)Ｗ１及びＷ２でそれぞれ覆われ、布Ｗ１
及びＷ２の２つの布は、周波数応答に対する適切で比較的平坦な音圧を達成する
ために、望まない共鳴が減衰されるように、音響摩擦を供給することに注意すべ
きである。
【００１８】 図１に示されるように、装置１のハウジング２は、ハウジング壁６及び７の各
々壁をそれぞれ横断する２つの通路２８及び２９を有する。この通路２８は、い
わゆるベルトクリップを入れ、取り付けるために設けられている。この場合、通
路２９は、いわゆるＳＩＭカードを挿入するために設けられている。このような
通路は、アンテナを取り付けるために設けられてもよいことに注意されたい。し
かしながら、ハウジング部分を低コストで製造可能にするために、上記通路が設
けられてもよく又は鋳造技術の理由により必要とされてもよい。
【００１９】 内部ハウジング空間９と、この内部ハウジング空間９と通じている背面ボリュ
ーム２５とにより、２つの通路２８及び２９の各々は、装置１がオンイヤーモー
ドで動作する度毎に、周波数応答に対する音圧に関する降下を引き起こす吸収回
路共振器(absorption-circuit resonator)を形成する。この点において、図３に
一点鎖線として示され、参照番号３０を付けた周波数応答に対する音圧曲線に言
及する。この周波数応答に対する音圧曲線３０は、上記降下３１を示している。
装置１が周波数応答に対する音圧において、前記降下３１を補償するための補足
的な補償手段３２を具備しない場合、周波数応答に対する音圧曲線３０における
この降下３１がオンイヤー動作中に耳のエリアにおいて実際に起こり、これは明
らかに音の再生の質を低下させ、特に、標準の及び必須の承認基準に応じなくな
る。
【００２０】 特に簡単、且つ有利なやり方において、複数のダクトが補償手段３２として装
置１に供給され、これらダクトのうち４つのダクト３３，３４，３５及び３６が
図２に示されている。これらダクト３３，３４，３５及び３６は、ハウジング２
に設けられる。前記ダクト３３，３４，３５及び３６の各々は、ハウジング２を
横断し、耳で覆われ、且つ変成器１４の背面ボリューム２５に隣接する壁部１０
の外側に置かれる。各ダクト３３，３４，３５及び３６の構造、すなわちダクト
の大きさは、ダクト３３，３４，３５及び３６の各々が音響摩擦を形成するよう
になっている。
【００２１】 前記ダクト、すなわち４つものダクト３３，３４，３５及び３６を形成するた
めに、４つの溝状凹部３７，３８，３９及び４０は、壁部１３のエリアに形成さ
れ、前記凹部はこの壁部１３に向いて開いてあり、これら凹部が開いた側に他の
壁部１２によって閉じられる。これら溝状凹部３７，３８，３９及び４０は、例
えば１０ｍｍの幅Ｂと、０．３ｍｍの深さＴを各々有してもよい。代わりに、幅
Ｂが６から１８ｍｍの範囲に置かれてもよい。全てのダクトの幅Ｂの合計は、４
０ｍｍから１４０ｍｍの範囲の値を有してもよい。代わりに、深さＴが０．１か
ら０．４ｍｍの範囲に置かれてもよい。この場合、図１から分かるように、ダク
ト３３，３４，３５及び３６の長さＬは、約０．３ｍｍであり、代わりに０．２
ｍｍから０．５ｍｍの範囲に置かれてもよい。
【００２２】 図１から分かるように、ダクト３３，３４，３５及び３６は、これが実際には
非常に有利となることが立証されたので、変成器１４に隣接する側壁のエリア、
すなわち短い側壁７のエリアに設けられる。しかしながら、これらダクトは、代
わりに長い側壁のエリアに置かれてもよい。
【００２３】 ４つのダクト３３，３４，３５及び３６を補償手段３２として設けることによ
って、吸収回路共振器の望まない効果は、特に簡単なやり方で弱められ、この結
果として、装置１で実際に得られ、その曲線２７が図３に示される周波数応答に
対する音圧は、高い周波数においては降下を示さず、図３に見られるように、比
較的平坦な周波数応答に対する音圧が、３００Ｈｚから３４００Ｈｚまでの有効
な周波数範囲内に得られる。
【００２４】 図４に示される装置１も、周波数応答に対する音圧における降下を補償するた
めの補償手段３２を含んでいる。図４に示される装置１において、ハウジング３
２は、穴(bore)４１により形成されるダクトを有し、これらは音響摩擦を各々形
成し、図４に示されるダクトは、５つの上記穴４１を示し、これらは全ての穴４
１を表している。これら穴４１は例えば０．３ｍｍの直径を有し、上記穴４１が
数百個設けられてもよい。この場合、これら穴４１はハウジング２の背面主壁６
を横断する。しかしながら、このような穴４１は、短い壁部７、長い壁部８、こ
の長い壁部８に向かい合う長い壁部、又はハウジング２の前面主壁５に設けられ
てもよく、若しくは２つのハウジング壁に同時に設けられてもよい。
【００２５】 本発明は、前に述べた２つの実施例に限定されるものではない。例えば、別々
の区域のエリアに設けられた溝状凹部は、代わりに半楕円形状の断面又はＶ型形
状断面であってもよい。本発明は、携帯電話だけでなく、他の装置、例えばパー
ソナル通信器(personal communicator)にも使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 図１は、本発明の第１実施例における、本発明に係る装置の一部
を拡大した断面を示す。
【図２】 図２は、図１の線ＩＩ−ＩＩにおける断面図による図１の装置の
細部を示す。
【図３】 図３は、図１の装置における周波数応答に対する音圧の変化を表
すグラフ図である。
【図４】 図４は、本発明の第２実施例における、本発明に係る装置を、図
１と同じやり方で示す。
【符号の説明】
１ 装置 ２ ハウジング ３，４ ハウジング部分 ５ 前面主壁 ６ 背面主壁 ７ 短い壁部 ８ 長い壁部 ９ 内部ハウジング空間 １０ ブラケット １１ 分離区域 １２，１３ 壁部 １４ 電気音響変成器 １５ ダイアフラム １６ ボイスコイル １７ 磁石システム １８ 磁石 １９ 第１ヨーク ２０ 第２ヨーク ２１，２２ 接触部 ２３ プリント回路板 ２４ 前面ボリューム ２５ 背面ボリューム ２６ 音響自由空間 ２８，２９ 通路 ３２ 補償手段 ３３，３４，３５，３６ ダクト ３７，３８，３９，４０ 溝状凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 5D017 AA20 AE29 5D018 AD13 AD18 5K023 AA07 BB06 EE07 LL06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 内部ハウジング空間を境界付け、音声伝達開口を具備するハ
    ウジング壁を持ち、装置のオンイヤーモードで、前記音声伝達開口のエリアに耳
    を当てられるハウジングであって、前記音声伝達開口が置かれている前記ハウジ
    ング壁の壁部が前記モード中耳で覆われる当該ハウジングと、前記内部ハウジン
    グ空間に収容され、前記音声伝達開口に隣接して配される電気音響変成器であっ
    て、前記変成器は前面ボリューム及び背面ボリュームを有し、前記前面ボリュー
    ムを介して前記音声伝達開口を通り音響自由空間に放射される音を生成でき、前
    記背面ボリュームは前記内部ハウジング空間に開かれている当該電気音響変成器
    と、ハウジング壁を横断し、前記装置が前記オンイヤーモードで動作するとき、
    前記内部ハウジング空間と前記内部ハウジング空間に対し開いている前記変成器
    の当該背面ボリュームと一緒に、周波数応答に対する音圧に関する下降の原因と
    なる吸収回路共振器を形成する少なくとも１つの通路と、前記周波数応答に対す
    る音圧における前記下降の補償を行うための補償手段とを有する装置において、
    前記ハウジングは、前記補償手段を形成するために少なくとも１つのダクトを具
    備し、当該少なくとも１つのダクトは、前記ハウジングを横断し、耳で覆われる
    前記壁部の外側で且つ前記変成器の前記背面ボリュームに隣接して配され、音響
    摩擦を形成することを特徴とする装置。
  2. 【請求項２】 請求項１に記載の装置において、前記ハウジングは一緒に結
    合されている少なくとも２つのハウジング部分を有し、前記少なくとも２つのハ
    ウジング部分は分離区域のエリアにおいて互いに隣接し、前記分離区域のエリア
    に音響的に影響されないやり方で互いに隣接する２つの壁部を有し、少なくとも
    １つの壁部のエリアにおいて前記少なくとも１つのダクトを形成するために、当
    該壁部に開いている少なくとも１つの溝状凹部が設けられ、当該凹部は他の壁部
    により前記開いている側で閉じられることを特徴とする装置。
  3. 【請求項３】 請求項１に記載の装置において、前記ハウジングは直方体の
    形状を有し、前面主壁、背面主壁及び４枚の側壁を持ち、前記音声伝達開口は前
    記前面主壁に設けられ、前記少なくとも１つのダクトが前記変成器に隣接する側
    壁のエリアに設けられていることを特徴とする装置。
JP2000596751A 1999-01-26 1999-12-24 音声変成器を収容し、通路を有するハウジングを持つ装置 Pending JP2002536891A (ja)

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EP99890015 1999-01-26
EP99890015.3 1999-01-26
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