JP2002535730A - 映像ディスプレイのマルチプルバンドパスフィルタ用染料の組合せ - Google Patents
映像ディスプレイのマルチプルバンドパスフィルタ用染料の組合せInfo
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Abstract
Description
スフィルタを含めたフィルタに関するものである。特に、本発明は、カラー映像
(ビデオ)ディスプレイ装置用の、特定の染料の組合せを含むフィルタに関する
ものである。
品において、今日では広く用いられている。これらの多くは、概ね、電子銃から
放出された電子が蛍光スクリーンに衝突し、広い波長域、テレビやコンピュータ
ーのモニター等の一般のディスプレイ装置については通常は可視光域にわたって
電子のエネルギーを光エネルギーに変換することで画像が作られる真空管ディス
プレイ装置である陰極線管(CRT)を使用している。CRTは、モノクロ(単
色)のものもあるし、多色、典型的には赤、緑、青の三原色で画像を作るカラー
ディスプレイ装置もある。
る光であり、これが一般に見る人の目を疲れさせる。この反射光は、スクリーン
の表面(典型的にはガラス表面)で反射する周囲光と、スクリーンの裏の蛍光体
で反射する周囲光の両方からなる。この反射光をなくし、又は低減するために、
これまで幾つかの試みがなされてきた。米国特許第4,989,953号は、そ
の第2欄第13行から第3欄第22行において、これらの以前の試みのいくつか
と、それらに関連する問題を述べている。しかしながら、これらの試みの大部分
は、単色ディスプレイモニターからのギラギラした光(glare)を低減すること
に成功しただけである。
に、例えば、中性濃度フィルタの使用がある。中性濃度フィルタ、すなわち減衰
器は、波長に無関係に一定の減衰を起こすように設計されている。例えば、ジェ
フ・ヘック(Jeff Hecht)著「レーザーガイドブック(The Laser Guide Bo
ok)」第2版、マグロウヒル社、ニューヨーク(McGraw-Hill, Inc.,New York)
、1992、第79ページを参照されたい。このようなフィルタは、適当な媒体
における銀又はグラファイト粒子のコロイド懸濁系からなり、モニター表面に付
着する。このタイプのフィルタは、それを通過する光の一部を、波長に無関係に
透過する。実際、中性濃度フィルタは、他により良い手段がないため、現行のカ
ラーCRTディスプレイの生産において広く用いられている。しかしながら、こ
れらのフィルタは、画像の明るさを低減してしまうという難点を有している。
ことによる、選択的濾光を利用することである。しかしながら、これでは、各蛍
光体要素ごとに異なったカラーフィルタを用いなければならないという不利益を
被る。透過したい赤、緑、青だけを透過するために幾つかのフィルタ材料を組合
せることは、一般的に、異なるフィルタ材料をつなげるために、透過したい波長
の一部が吸収されてしまうという結果となる。これは、最終的に透過される赤、
緑、青の量を減らしてしまう。 さらにもう一つの解決法は、中性濃度フィルタと反射防止被膜の組合わせを含
むものである。これは、反射光を削減するが、同時に画像の明るさも減少させる
。
、空間的に隔てられた多数の区域を有する透明基体を含む吸収フィルタを開示し
ている。これは、異なった染料成分を含む空間的に隔てられた複数の区域を必要
とするため、このフィルタの構造はかなり複雑で、大量に生産するのは難しい。
ィルタを用いることを提唱している。例えば、マゼンタ色のカラーフィルタが緑
色蛍光体を有するCRTに用いられ、青色カラーフィルタがこはく色のCRTに
用いられている。しかしながら、この着想は、カラーディスプレイにはあまり有
効ではない、なぜならば、例えば、青色のフィルタは、そのフィルタのスペクト
ル特性に応じて、赤及び/又は緑を遮断するからである。米国特許第4,989
,953号が開示している他のすべてのカラーフィルタについても同じ問題があ
る。もしこのようなフィルタがフルカラーのディスプレイに使用されたら、結果
として生ずる表示色は激しくゆがめられてしまう。このため、米国特許第4,9
89,953号は、多色や白黒のディスプレイには、中性濃度又は灰色フィルタ
が使用されなければならないことを示唆している。しかし、この解決法は、前述
したように、ディスプレイの明るさを減少させる。中性濃度フィルタは透過した
い光のかなりの量を吸収するため、中性濃度フィルタを使用しているディスプレ
イは、強い光を出すことが可能でなければならない。これが、ディスプレイ用途
に極度に明るい蛍光体を開発する理由の一つであった。しかし、このような明る
い蛍光体はディスプレイの価格を大きく増加させる。
イパネル(PDP)だといってよい。単色表示動作の基本的な仕組みは比較的簡
単である。ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン等の不活性ガス、又はこれら
の混合物が、ガラスで囲まれた領域に密封して封入され、このガスをイオン化す
る高い電圧をかけて、プラズマを発生させる。プラズマディスプレイではカラー
表示動作も成し遂げることができる。このような動作は、プラズマの色の輝きを
直接利用するというよりは、プラズマ放電によって発生した紫外光を利用する。
従って、カラー表示動作においては、蛍光体はプラズマ放電の近くに配置される
。プラズマによって発生した紫外光が蛍光体に当たり、表示のための可視光を発
生させる。プラズマディスプレイパネルは、ガスディスプレイパネルとしても知
られており、広い視野角、自己発光による見やすいディスプレイ、薄い形状など
の特長を持っている。これらの有利な点は、高品質テレビへの、ガス放電ディス
プレイパネルの使用の増大を促進してきた。PDPの厳密な構造は本発明の主要
点ではなく、本発明のフィルタは、厳密な形状によらず、どのようなカラーPD
Pに対しても有用であると考えられる。この分野において通常の技術を有する者
であれば、本発明のフィルタをどのようなPDP装置にも使用することができる
であろう。
プラズマディスプレイは、まだ、充分に高い明るさ及び、赤、緑、及び青色の充
分に高い透過率を持っていない。従って、中性濃度フィルタは、ディスプレイの
明るさをさらに減少させてしまうため、プラズマディスプレイ用途には、色及び
コントラストの向上に効果的に使用されることはできない。その上、蛍光体の小
画素が相互に極めて接近しているため、選択されていない蛍光体領域の励起を防
止する物理的なバリアが必要である。従って、ディスプレイ装置からトゥルー(
truer)カラーで発光をするためには、円形偏光のコントラスト向上フィルタの
ような極めて高価な装置が用いられる。
ある用途を考慮して、この産業では、画像の明るさ及び解像度を著しく犠牲にす
ることなしに、総体的な色を増大し、コントラスト及び色の向上を増進するとと
もに、ディスプレイ装置からの反射光を効果的に低減する、何らかの装置又は仕
組みを持つという要求がある。
る、カラーディスプレイ用のフィルタを提供することである。 本発明の他の目的は、画像の明るさを著しく犠牲にすることなしに、カラーデ
ィスプレイモニターの画像のコントラスト及び色を向上させる特定の染料の組合
せを含むフィルタを提供することである。 本発明のさらに他の目的は、三原色、すなわち赤、緑、青に対して特に適用す
るようにスペクトル同調されたカラーディスプレイ用のマルチプルバンドパスフ
ィルタを提供することである。 本発明の他の目的及び利点は、以下の説明及び実施例から、この分野の技術を
有する者に明白にされる。
イモニター表面に付着でき、画像の明るさ及び解像度に著しい悪影響をおよぼす
ことなく、画像のコントラスト及び色を向上させる、スペクトル同調されたバン
ドパスフィルタの提供によって達成される。本発明のフィルタは、支えなしで自
立し、ディスプレイモニターの前に配置されることも可能である。また、本発明
のフィルタは、電磁波スペクトルの予め定められた原色の波長を実質的に選択的
に透過するとともに、上記予め定められた原色の波長以外を選択的に吸収するよ
うにした染料のコンビネーションからなる染料の組合せ(set)から構成される
。かかる染料は、適当な透明基体上にあって、それがさらにモニター表面に付着
されてもよいし、または、代わりに、例えばスプレーコート法等の適当な方法で
、モニター表面に直接析出させてもよい。かかる染料又は染料の組合せは、透明
な高分子マトリックス中に均一に混合されることが好ましい。
的な透過(50%以上)を言う。「透明」という言葉は、CRT、プラズマディ
スプレイなどのテレビのディスプレイ装置のような通常の場合は可視光である、
電磁スペクトルの光の70%以上の透過を言う。このような場合、原色は、赤、
緑、青である。 さらに、本発明のバンドパスフィルタは、それぞれの波長における通過窓のス
ペクトルパンドパス幅を同調し、これによってCRTやPDPにおいてより鮮明
で現実に近い色を可能とすることにより、色域を拡大することを可能とする。こ
れは、現在の視覚表示技術より大きく進歩した点である。
障をきたす、電磁誘導及び赤外線放射からPDPを遮蔽する。 さらに、要望があれば、本発明のコントラスト及び色向上フィルタの表面に、
適当な反射防止被膜を形成してもよい。この場合、反射防止被膜は、物理的、化
学的、及び光学的に、本発明のフィルタ特性に影響を及ぼさないように選択され
るべきである。好適な反射防止被膜は、例えば、米国特許第5,178,955
号に記載されている。
して原色の透過を実質的に向上させ、利用者に対して画像のコントラストと色を
改善するスペクトル同調マルチプルバンドパスフィルタ(ノッチフィルタ)を開
示する。このフィルタは、原色に対して著しい影響を及ぼすことなく原色でない
色を大幅に吸収する、特定の適当な染料の組合せを含んでいる。 ディスプレイ装置のスクリーンのコントラストは、一般的に、「コントラスト
比」という用語で定義される。コントラスト比Cは、一般的に、式(1)によっ
て定義される。
感度関数、IpとIaは、それぞれ、ディスプレイの光源強度(例えば、蛍光体の
発光強度)、及び周囲光の光源強度、そして、Rはディスプレイの蛍光体に関す
る反射係数である。ここからわかるように、Cは、与えられたディスプレイシス
テムについて、Ia及び/又はT(λ)を任意に小さくすることにより、大きく
され得る。しかし、ディスプレイが全くの暗がり(Iaが大変小さい)で見られ
る場合には、大変高いコントラストは得られるが、同じ条件を用いることなしに
2つの異なったディスプレイを比較することは非常に難しくなる。そこで、ディ
スプレイ産業では、ディスプレイ性能を比較する際に、標準化された周囲光条件
を用いる試みを行っている。同様に、Ipを大きくすることにより、Cを向上さ
せることができる。実際、ディスプレイ産業では、Ipを大きくするために懸命
に努力している。Iaと Ipはコントラスト向上装置とは無関係であるため、式
(2)及び(3)で与えられる規格化された強度関数が、一般的に、コントラス
ト向上装置の性能を比較するために定義される。
強度である。標準化されたコントラスト(C)及び良度指数(figure−of−merit
s)(η)は、それぞれ、式4及び5で定義される。
い、すなわち、η=1である。従って、これらのフィルタは、真の性能を改善す
るのではなく、ディスプレイの明るさとコントラストとの間の取引を提供するの
である。言い換えると、これらのフィルタは、画像の明るさを犠牲にして、コン
トラストの向上を提供するのである。従って、例えば、吸収率50%の中性濃度
フィルタについては、コントラストが2倍になる、すなわち、C=2、ip=0
.5、そして、ia=0.25となる。しかし、50%の吸収がある。
えると、良度指数は、画像の色コントラストと明るさという2つの変数の間の釣
り合いである。色コントラストも明るさも両方良いことが要求される。例えば、
η=1.2ということは、コントラストが明るさより約20%大きいことを意味
する。η<1ということは、コントラストがその画像においてさらに向上され得
ることを意味する。
マトリックスを介して又は介さないでCRTやPDPのモニタ−に設けられる。
また、本発明のフィルタは、モニターの前面に自立して配置可能である。適当な
染料は、所望とする波長をあまり吸収することなく、不要な波長を選択的に吸収
する。所望とする波長とは赤、青及び緑の3原色に対応する。表1は、本発明の
実施に有用な適当な染料を列挙したものである。これらのうちの多くは、いろい
ろな製造業者から商業的に入手可能な、商標登録された材料である。そのような
製造業者の一つは、アルドリッチ ケミカル カンパニー(Aldrich Chemical
Company)、ミルウォーキー、ウィスコンシンである。
特性を有していなければならい。 1.吸収特性 a)吸収ピーク(λ)が、次の波長領域のうちの1つに入る: ⇒λ < 430nm ⇒470nm < λ < 510nm ⇒550nm < λ < 610nm ⇒ λ > 650nm b)吸収パンドパス幅が30nmから80nmの範囲内である 2.安定性 a)耐光性 ⇒白色光(400nmから700nm)の85MJ/m2の露光下で、劣化 が10から20%未満である b)熱安定性 ⇒70℃、相対湿度70%、72時間という負荷条件の下で劣化が10から 20%未満である 3.溶解性 a)環境に害を及ぼさない溶剤に可溶である。 b)高品質被膜に適する、光学的に透明な高分子樹脂マトリックスに可溶であ る。
れた原色の波長を選択的に透過するとともに、予め定められた原色以外の波長を
選択的に吸収し、映像画面におけるコントラスト及び色を改善するバンドパスフ
ィルタを得る。 本発明のバンドパスフィルタに用いる好ましい染料は、LC5410、LC6
550、ローダミン101、ルクソール ファースト ブルー MBSN、モル
ダントオレンジ1、フルオレセイン アミン異性体1、フロキシンB、及びスル
フォローダミン101の組合せを含む。
0の吸光度スペクトルを示す。LC5410及びLC6550の吸光度スペクト
ルは共に、標準スペクトロフォトメータを用いて、染料をメチルアルコールに溶
解した0.1%溶液のスペクトルを計測して得た。なお、染料の光学密度の数値
、すなわち染料の吸収ピーク値は、染料の材料を定義する際に特に重要ではない
。光学密度の数値又は個々の吸収ピーク値は、試験サンプルの濃度を増せば大き
くなる。しかしながら、吸光度スペクトルの1つ又は複数のピークが発生したと
ころの波長は、特定の染料に対してユニークかつ一定である。染料を定義する1
つ又は複数の吸収ピークの位置は、染料及び溶媒のシステムが選択されると固定
される。このように、1つ又は複数の吸収ピークの位置が、染料又は染料合成物
の特徴を示す。
もまた、染料を定義又は特徴付け、識別するために用いられる。吸収ピークの位
置と同じように、nmスケールのバンドパスは、計測されたサンプルにおける染
料の濃度を無視することができる。光学密度対波長でプロットし、ピークの高さ
の半分における全幅をバンドパスとして計測する。染料LC5410及びLC6
550は、ランダクロム(Lambdachrome,登録商標)レーザ・ダイであり、米国
フロリダ州フォートローダーデール、ウェストコマーシャル ボーレバード32
01番地、郵便番号33309のランバフィズーク社(Lamdba Physik Inc.)か
ら入手することができる。なおランバフィズーク社は、米国カリフォルニア州サ
ンタクララのコーヒレント社(Coherent,Inc.)の子会社である。
担体マトリックスの重量あたり約0.01%から約10%含まれる。好ましくは
、染料は、乾燥マトリックスの重量あたり約0.04%から約4.0%以下であ
る。本発明に係る有用な染料の一般的で好ましい範囲を以下に示す。それぞれの
染料組合せにおける各染料の特定量を実施例に示しており、フィルタの吸光度ス
ペクトル全般における各染料の効果を示唆している。そのような実施例の記載は
、例示された一般的で好ましい重量の範囲において、また、例示の組合せ以外に
おいて、効果的なカラーフィルタを提供する他の有用な染料の組合せを示唆して
いる。
ンB、スルフォローダミン101、及びルクソールファーストブルー MBSN
の組合せを含む。好ましい第2の染料の組合せは、モルダントオレンジ1、フル
オレセイン アミン異性体1、フロキシンB、スルフォローダミン101、及び
ルクソール ファースト ブルー MBSNの組合せを含む。好ましい第3の染料
の組合せは、染料LC5410、LC6550、ローダミン101、及びルクソ
ールファーストブルー MBSNを含む。本発明に係るフィルタを製造するのに
有用であることが判明した前記リストの各染料の量を、以下に示す。なお、これ
らの量は、本発明の範囲で組合せをするガイドとなるものであって、本発明の乾
燥高分子マトリックスの重量あたり約0.40%から約0.60%含まれ、好ま
しくは、マトリックス重量あたり約0.45%から約0.55%である。LC6
550は、前記染料に含まれ、マトリックス重量あたり約0.20%から約0.
35%含まれ、好ましくは、マトリックス重量あたり約0.25%から約0.3
0%である。ローダミン101染料は、マトリックス重量あたり約0.05%か
ら約0.25%含まれ、好ましくは、マトリックス重量あたり約0.10%から
約0.20%である。ルクソールファーストブルー MBSNは、マトリックス
重量あたり約0.10%から約1.5%含まれ、好ましくは、マトリックス重量
あたり約0.50%から約1.25%である。フルオレセイン アミン異性体1
は、マトリックス重量あたり約0.35%から約0.60%含まれ、好ましくは
、マトリックス重量あたり約0.40%から約0.55%である。フロキシンB
は、マトリックス重量あたり約0.1%から約0.2%含まれ、好ましくは、マ
トリックス重量あたり約0.15%から約0.175%である。染料スルフォロ
ーダミン101は、マトリックス重量あたり約0.20%から約0.45%含ま
れ、好ましくは、マトリックス重量あたり約0.35%から約0.40%である
。染料モルダント オレンジ1は、マトリックス重量あたり約0.50%から約
1.0%含まれ、好ましくは、マトリックス重量あたり約0.70%から約0.
9%である。
RA850染料は、特にIRの遮蔽に効果的である。プラズマディスプレイ装置
からのIR放射は、遠隔制御ユニットの動作に干渉し、そのような電子装置の最
適性能を低下させる。染料は、米国オハイオ州ダイトン、リンデン400番地の
エキシトン社(Exciton, Inc.)から入手することができる。図9は、染料を識
別する吸光度スペクトルを示す。吸光度スペクトルは、IRA850染料の0.
05重量%サンプルを、約33重量%ジメチルフランと、ポリメチルメタクリレ
ート及びメチルエチルケトンの67重量%混合物との溶液に加えて作った。サン
プルは、標準スペクトロフォトメータで計測した。
を適当な溶媒に溶解し、モニター上に置かれたときに透過される光の不必要な波
長に対して十分な吸収が得られる濃度となるようされる。充分な吸収とは、一般
的には20%を超え、好ましくは50%を超え、模範的には80%を超える。適
当な溶媒とは、その染料/高分子マトリックスの組合せがモニター上に取り付け
る前に高分子基体上に存在するか否かにも依存するとともに、高分子マトリック
ス材料のために選ばれた溶媒と相容性であるものである。それらの一部変更や手
法はコーティングの技術の当事者には明白であろう。一般的には、低級アルコー
ル、水などの溶媒は、非腐食性で、互いに相容性である。よって、例えば、染料
が低級アルコールに溶解されて溶液Aを形成し、高分子マトリックス材料が水又
はアルコールに溶解されて溶液Bを形成し、その後この2つの溶液が十分な量で
混合されてもよい。高分子マトリックス材料は、前述した他の全ての材料と相容
性であり、また、光学的に透明なフィルムを形成する高分子である。その例とし
ては、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ酢酸ビニル(PVA)、ポリオレフィ
ン類、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレンなどのビニル重合体、及
びポリアクリレート、シクロオレフィン重合体類及び共重合体類(COC)、ポリ
カーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ
ケトン、ポリエステルアミド、ポリビニルブチラート(PVB)、等である。これ
らの高分子の多くは、例えば、熱、放射線硬化、その他の適当な手法で架橋結合
可能であってもよい。溶液AとBを混合した後、フィルムのキャスティング、フ
ィルムの乾燥、フィルムの厚さなどを容易にし、及び/又は促進するため、例え
ば、粘度調節剤、界面活性剤、揮発剤等の添加剤を随意に添加してもよい。この
ような手法は、コーティング産業においてはよく知られている。
ャスティング、押し出し、スプレーコーティング、ローラーコーティング、ディ
ップコーティング、ブラシコーティング、スピンコーティングなどの、適当な手
法によって、単一又は複数のフィルムが形成され得る。このようなフィルム形成
手法はよく知られている。あるいは、染料と高分子との混合物から単一または複
数のフィルムを形成する代わりに、高分子マトリックスが最初にフィルムとして
形成され、それから染色されても良い。この単一又は複数のフィルムはその後、
例えば接着剤の使用等の適当な方法により、モニター表面に取り付けられてもよ
い。
にスピンコートされて、単一または複数のフィルムが形成されても良い。このよ
うにコーティングされた基体はその後、例えば接着剤の使用等の適当な方法によ
り、モニター表面に取り付けられる。適当な基体としては、高分子のものはもち
ろん、ガラスも挙げられる。適当な高分子の基体としては、例えば、ポリエステ
ル類、ポリアクリレート類、ポリオレフィン類、ポリカーボネート等の、光学的
に透明な高分子が挙げられる。ポリエステル類の中では、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の高分子フィルム
が好ましい。
成形の間に、溶けた高分子マトリックスへと混合されることが可能であり、ある
いは、染料とマトリックス高分子の混合物が最初にペレットに押し出し成形され
、そしてペレットが溶解され、所望のフィルムに押し出し成形されることも可能
である。このフィルムはその後、適当な方法によってモニター表面に取り付けら
れる。このような方法は、PETやPBT等のポリエステルがマトリックスとし
て用いられる場合には、大変有用である。 さらに別の方法においては、染料/高分子混合物が、モニターへ直接スプレー
され、適当なフィルムが形成されてもよい。本発明は、このような様々な方法に
対応できるほど順応性がある。
、予め定められた赤、緑、青の原色の波長を選択的に透過するとともに、予め定
められた原色波長以外の波長を選択的に吸収する。ここにおける、映像モニター
は、CRT及びプラズマデイスプレイ パネルを含むが、それらに限定されるも
のではない。
ュータで使用されている。本発明のフィルタは、CRT画面の外側面を覆うよう
にして配置してもよい。CRT画面の内側面はカラー蛍光体を含む。代わりに、
本発明のフィルタは、支えなしで自立でき、CRT画面の前に配置してもよい。
このようなCRTスクリーンの例は、イトウ(Itou)等に与えられた米国特許第
4,977,347号、マツダ(Matsuda)等に与えられた米国特許第4,78
5,217号、ディール(Deal)等に与えられた米国特許第4,563,612
号に見出すことができ、これらの特許の開示の全体を、本明細書中に参考として
組み入れられる。
ある。プラズマディスプレイパネルは、本質的に、不活性ガスの混合物と、ガラ
スの内側面の薄膜導電性電極とを封入して、低温フリットで端部を密封した、ガ
ラスのサンドイッチである。透明導電体の平行な線が、内側表面のうちの一つに
配置され、金属電極が外側表面にある。本発明のフィルタは、外側ガラス表面の
前面に取り付けられるか、あるいは、フィルタが支えなしで自立し、外側ガラス
表面の前面の前に配置されることも可能である。適当なプラズマディスプレイパ
ネルの例は、ウシフサ(Ushifusa)等に与えられた米国特許第5,818,16
8号、ブリッツァー(Blitzer)等に与えられた米国特許第3,601,532
号であり、これらの特許の開示の全体を、本明細書中に参考として組み入れられ
る。
の範囲を制限することを意図したものではない。 実施例1 この染料の組合せは、ディスプレイ、特にプラズマディスプレイパネルの色及
びコントラストを改善する染料組合せのコンセプトを実証するために開発した。 この染料の組合せは、フルオレセイン アミン異性体1、フロキシンB、スル
フォローダミン101及びルクソールファーストブルー MBSNの十分な量を
、50%の水、30%のイソプロピルアルコール及び20%のメチルアルコール
の溶液に溶解して作成したものであり、高分子マトリックス中の染料の最終的な
乾燥重量については後述する。染料溶液は、ポリ酢酸ビニル溶液(高分子マトリ
ックス)に加えた。この混合物に界面活性剤のジェナポール(Genepol,登録商標
)及びダイノール(Dynol,登録商標)を数滴(約0.01重量%)加えた。フィ
ルムは、4mil(100ミクロン)の厚さのポリエチレンテレフタレート基体
の上に約30秒間に1000rpmでスパンコートした。このフィルムは、次い
で、オーブンにおいて約30秒間約50℃で乾燥し、約8ミクロンの全乾燥厚に
なった。乾燥高分子マトリックスに対する染料の重量は、約0.53%のフルオ
レセインアミン異性体1、約0.15%のフロキシンB、約0.38%のスルフ
ォローダミン101、約0.70%のルクソールファーストブルー MBSNで
あった。これをモニター(5インチ直径のカラーテレビジョンモニター)に装着
した。
光を実質的に吸収することを示す。表2は、染料の組合せがコントラスト向上を
改善したことを示し、例えばフィルタを用いないPDPと比較して約85%改善
した。 反射光の色現象とそのような色現象を減少させる本発明の染料の組合せの効果
を、図4のCIE標準色度図に記載した。また、図4は本発明の染料の組合せの
黒体輻射のスペクトル軌跡をCIE標準色度図に示す。図の中の十(クロス)は
、白点又は太陽光を示し、黒い点は、周囲光の点を示し、円形の点は染料の組合
せに関係する白反射光の点を示す。また、表2は実施例1の染料の組合せを用い
たフィルタによって達成された色度座標を示す。また、フィルタを用いないPD
Pの色度座標も表2に記載した。
0%のモルダント オレンジ1と、乾燥高分子マトリックス重量の約0.40%
のフルオレセイン アミン異性体1と、約0.15%のフロキシンBと、約0.
38%のスルフォローダミン101及び約1.0%のルクソールファーストブル
ー MBSNとを含んでいた。この染料パッケージを、ポリ酢酸ビニルの高分子
マトリックスに含ませた。ここでのフィルタ及び染料の組合せを作成した方法は
、実施例1に記載した方法と同じである。この染料の組合せを用いて、室内光の
下においてプラズマディスプレイの色のバランスを調整するフィルタを作った。
表2は、実施例2のフィルタが、フィルタがないPDPと比較してコントラスト
を大いに改善したことを示す。また、全3原色における改善、及び、実施例1と
比較して改善された良度指数を示す。この染料の組合せはトゥルーフルカラーの
バンドパスフィルタを示した。また、この染料の組合せはピンク色がほとんど目
立たないような許容可能なリスク(risk)色をもたらした。図5はこの染料パッ
ケージの吸光度スペクトルを示し、図6は色度図であって反射光の色現象及びそ
のような色現象を減少させる本発明の染料パッケージの効果を示す。
ックス重量の約0.50%のLC5410、図2に示す吸光度スペクトルを有す
る、高分子マトリックス重量の約0.27%のLC6550、高分子マトリック
スの約0.18%のローダミン101及び約1.2%のルクソールファーストブ
ルー MBSNを含んでいた。高分子マトリックスは、ポリ酢酸ビニルからなり
、フィルタは前述の実施例1で開示したフィルタと同じ方法で作成した。 この染料の組合せ及びフィルタは、良度指数が1より大きく、また前述した実
施例2のフィルタ及び染料の組合せと比較して、特に緑に対する色の性能の改善
が顕著であった。その結果を表2に集計し、また、図7の吸光度スペクトル及び
図8の色度図に示す。この染料パッケージは、緑の放射の改善に加え、450n
mを越える青放射分布を推進することにより青蛍光放射を改善した。従来の中性
濃度フィルタは良度指数が1であって色を改善することがないのに対して、この
染料の組合せはこの分野で顕著な改善を示す。
体1、フロキシンB、スルフォローダミン101及びルクソールファーストブル
ー MBSNの染料の組合せの吸光度対波長スペクトルを示す。
体1、フロキシンB、スルフォローダミン101及びルクソールファーストブル
ー MBSNの染料の組合せを含むフィルタの色度図である。
ルオレセイン アミン異性体1、フロキシンB、スルフォローダミン101及び
ルクソールファーストブルー MBSNの染料の組合せの吸光度対波長スペクト
ルを示す。
オレセイン アミン異性体1、フロキシンB、スルフォローダミン101及びル
クソールファーストブルー MBSNの染料の組合せからなるフィルタの色度図
である。
、ローダミン101及びルクソールファーストブルー MBSNの染料の組合せ
の光学密度対波長スペクトルを示す。
、ローダミン101及びルクソールファーストブルー MBSNの染料の組合せ
からなるフィルタの色度図である。
ケトン及びジメチルフランに溶解した染料IRA850の吸光度スペクトルを示
す。
Claims (29)
- 【請求項1】 高分子マトリックス中に均一に含まれた、図1に示す吸光度スペクトルを実質
的に有する染料と、図2に示す吸光度スペクトルを実質的に有する染料と、ロー
ダミン101と、ルクソールファーストブルー MBSNとを有することを特徴
とする映像モニターのコントラスト及び色を向上させるバンドパスフィルタ。 - 【請求項2】 前記高分子マトリックスの重量あたり、約0.40〜0.60重量%の、図1
に示す吸光度スペクトルを有する染料と、約0.20〜0.35重量%の、図2
に示す吸光度スペクトルを有する染料と、約0.05〜0.25重量%のローダ
ミン101と、約0.10〜1.5重量%のルクソールファーストブルー MB
SNとを含む、請求項1に記載のフィルタ。 - 【請求項3】 前記高分子マトリックスが、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ビニル
ポリマー類、ポリアクリレート類、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、
ポリエーテル、ポリケトン、又はポリエステルアミドである、請求項1に記載の
フィルタ。 - 【請求項4】 前記高分子マトリックスがポリ酢酸ビニルである、請求項1に記載のフィルタ
。 - 【請求項5】 前記高分子マトリックスがポリ酢酸ビニルである、請求項2に記載のフィルタ
。 - 【請求項6】 内側面と外側面とを有し該内側面が蛍光体層を含む表面板と、該表面板の外側
表面上に設けられた半透明フィルタとを有し、前記フィルタは、高分子マトリッ
クス中に均一に含まれた、図1に示す吸光度スペクトルを実質的に有する染料と
、図2に示す吸光度スペクトルを実質的に有する染料と、ローダミン101と、
ルクソールファーストブルー MBSNとを有する、ことを特徴とするカラーデ
ィスプレイ装置。 - 【請求項7】 前記フィルタが、前記高分子マトリックスの重量あたり、約0.40〜0.6
0重量%の、図1に示す吸光度スペクトルを有する染料と、約0.20〜0.3
5重量%の、図2に示す吸光度スペクトルを有する染料と、約0.05〜0.2
5重量%のローダミン101と、約0.10〜1.5重量%のルクソールファー
ストブルー MBSNとを有する、請求項6に記載のカラーディスプレイ装置。 - 【請求項8】 前記高分子マトリックスが、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ビニル
ポリマー類、ポリアクリレート類、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、
ポリエーテル、ポリケトン、又はポリエステルアミドである、請求項6に記載の
カラーディスプレイ装置。 - 【請求項9】 前記高分子マトリックスが、ポリ酢酸ビニルである、請求項6に記載のカラー
ディスプレイ装置。 - 【請求項10】 前記高分子マトリックスが、ポリ酢酸ビニルである、請求項7に記載のカラー
ディスプレイ装置。 - 【請求項11】 前記高分子マトリックス中に均一に含まれた、フルオレセイン アミン異性体
1と、フロキシンBと、スルフォローダミン101と、ルクソールファーストブ
ルー MBSNとを有することを特徴とする映像モニターの色を向上させるバン
ドパスフィルタ。 - 【請求項12】 前記フルオレセイン アミン異性体1が前記フィルタの重量あたり約0.35
%〜約0.60%含まれ、前記フロキシンBが前記フィルタの重量あたり約0.
10%〜約0.20%含まれ、スルフォローダミン101が前記フィルタの重量
あたり約0.20%〜約0.45%含まれ、ルクソールファーストブルー MB
SNが前記高分子マトリックスの重量あたり約0.50%〜約1.5%含まれる
、請求項11に記載のフィルタ。 - 【請求項13】 更に、モルダント オレンジ染料が前記高分子マトリックスに含まれる、請求
項11に記載のフィルタ。 - 【請求項14】 更に、約0.50重量%〜約1.0重量%のモルダント オレンジ1が含まれ
る、請求項12に記載のフィルタ。 - 【請求項15】 前記高分子マトリックスが、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ビニル
ポリマー類、ポリアクリレート類、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、
ポリエーテル、ポリケトン、又はポリエステルアミドである、請求項11に記載
のフィルタ。 - 【請求項16】 前記高分子マトリックスが、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ビニル
ポリマー類、ポリアクリレート類、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、
ポリエーテル、ポリケトン、又はポリエステルアミドである、請求項13に記載
のフィルタ。 - 【請求項17】 内側面と外側面とを有し該内側面が蛍光体層を含む表面板と、該表面板の外側
面を覆うように形成された半透明フィルタとを有し、前記フィルタは、高分子マ
トリックス中に均一に含まれた、フルオレセイン アミン異性体1と、フロキシ
ンBと、スルフォローダミン101と、ルクソールファーストブルー MBSN
とを有することを特徴とするカラーディスプレイ装置。 - 【請求項18】 前記フルオレセイン アミン異性体1が、前記高分子マトリックスの重量あた
り、約0.35%〜約0.60%含まれ、前記フロキシンBが前記高分子マトリ
ックスの重量あたり、約0.10%〜約0.20%含まれ、前記スルフォローダ
ミン101が前記高分子マトリックスの重量あたり、約0.20%〜約0.45
%含まれ、前記ルクソールファーストブルー MBSNが前記高分子マトリック
ス材の重量あたり約0.50%〜約1.5%含まれる、請求項17に記載のカラ
ーディスプレイ装置。 - 【請求項19】 前記フィルタの前記高分子マトリックスが、更にモルダント オレンジ1染料
が含まれる、請求項17に記載のカラーディスプレイ装置。 - 【請求項20】 更に、約0.5%〜約1.0%のモルダント オレンジ1が含まれる、請求項
18に記載のカラーディスプレイ装置。 - 【請求項21】 前記高分子マトリックスが、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ビニル
ポリマー類、ポリアクリレート類、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、
ポリエーテル、ポリケトン、又はポリエステルアミドである、請求項17に記載
のカラーディスプレイ装置。 - 【請求項22】 前記高分子マトリックスが、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ビニル
ポリマー類、ポリアクリレート類、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、
ポリエーテル、ポリケトン、又はポリエステルアミドである、請求項19に記載
のカラーディスプレイ装置。 - 【請求項23】 プラズマディスプレイ装置からなる、請求項6に記載カラーディスプレイ装置
。 - 【請求項24】 プラズマディスプレイ装置からなる、請求項17に記載のカラーディスプレイ
装置。 - 【請求項25】 溶媒と、図1に示す吸光度スペクトルを実質的に有する染料、図2に示す吸光
度スペクトルを実質的に有する染料、ローダミン101、ルクソールファースト
ブルー MBSN、又はそれらの混合物からなる染料とを、含むことを特徴とす
る染料溶液。 - 【請求項26】 前記溶媒が水、有機溶媒、又はそれらの混合物である、請求項25に記載の染
料溶液。 - 【請求項27】 前記有機溶媒が、イソプロピルアルコール、メチルアルコール、又はそれらの
混合物である、請求項26に記載の染料溶液。 - 【請求項28】 更に、ポリマーを含む、請求項25に記載の染料溶液。
- 【請求項29】 前記高分子マトリックスが、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ビニル
ポリマー類、ポリアクリレート類、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、
ポリエーテル、ポリケトン、又はポリエステルアミドである、請求項28に記載
の染料溶液。
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