JP2002535287A - 単分散性6量体のアシル化されたインスリンアナログ製剤 - Google Patents

単分散性6量体のアシル化されたインスリンアナログ製剤

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JP2002535287A JP2000594487A JP2000594487A JP2002535287A JP 2002535287 A JP2002535287 A JP 2002535287A JP 2000594487 A JP2000594487 A JP 2000594487A JP 2000594487 A JP2000594487 A JP 2000594487A JP 2002535287 A JP2002535287 A JP 2002535287A
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Abstract

(57)【要約】 本発明はpHが約7.9より大きい水溶液を含有する製剤および、該製剤の製造法について提供する。該水溶液は等張化剤、フェノール誘導体、亜鉛イオン、アシル化されたヒトインスリンアナログを含む。より具体的には、本発明は、pHが約7.9より大きく、モノアシル化されたヒトインスリンアナログ(例えば、アシル化されたデス(B30)ヒトインスリンアナログ)、あるいは場合により、天然であるかまたは改変した(場合によりA21位が改変されている)ヒトインスリンA鎖、および改変された天然のヒトインスリンB鎖(このものは場合によりB3位が改変されていたり、およびB28位が改変されていたり、またはB28位およびB29位の両方が改変されており、そしてB28位もしくはB29位のどちらかで脂肪酸残基によってアシル化されたリシン残基を含有する)アナログを含む。本発明は、高血糖症を患っている患者に本発明の医薬組成物を用いて処置する方法をも提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、アシル化されたヒトインスリンアナログに関する。より具体的には
、本発明はモノアシル化されたヒトインスリンアナログ、金属イオンおよび等張
化剤およびフェノール誘導体を含有する約7.9より大きいpHを有する医薬製
剤に関する、。
【0002】 (背景技術) 1920年代における治療的なインスリンの導入以来、糖尿病の処置を改善し
ようとする絶え間ない努力がなされてきた。インスリン代償療法の利用は、真性
糖尿病の死亡率および急性合併症の羅患率を防止してきた。しかしながら、慢性
糖尿病の合併症は、主に血糖のコントロールに乏しいことから生じ、持続的な代
謝性錯乱が原因の大きな健康上の問題として残る。DCCT(Diabetes
Cnotrol and Complications Trial)からの結果
は、HbA1c(グリコシル化ヘモグロビン)の1%の減少は、網膜症の発症率
の35%より大きい改善と相関関係があることを示している[The DCTT
Research Group、New Engl. J. Med.,32
9,977−986 (1993)]。
【0003】 正常な血糖症を得るために、療法は正常な個人の内因性インスリン分泌のパタ
ーンにできるだけ近く近似するように設計しなければいけない。インスリンに対
する毎日の生理学的な要求は変動しており、これは2つの相:(a)食事に関連
する血中グルコースの急激な変動の処理(diopose)のためにインスリンのパル
スを必要とする吸収相および(b)最適な空腹時の血中グルコースを維持するた
めに肝臓でのグルコースの産出を制御するためのインスリンの維持された量を必
要とする吸収後の相に分けることができる。従って、有効な療法は、2種類の外
因性のインスリン、すなわち速効性の食事時のインスリンおよび長期間作用性の
ベースのインスリンを組み合わせた使用を含む。
【0004】 長時間作用性の基本作用を得るために、インスリンは現在、不溶性で結晶状態
の6量体の立体配置の形成を促進する条件で製剤化されている。これら長時間作
用性の製剤は、ウルトラレンテ(Ultralente)、レンテ(Lente
)およびセミ−レンテ(semi−Lente)である。しかしながら、最新の
長時間作用性製剤の不溶性は、時間作用の予測ができないことと併せて、投与−
反応の不一致に関連する問題を生じることが示された。加えて、現在利用可能な
長時間作用性のインスリン製剤の1つであるビーフウルタラレンテは免疫原性で
ある。ビーフウルタラレンテの免疫原性から生じる抗体の存在は、速効性のイン
スリンの薬物動態学を変える。
【0005】 不溶性ウルタラレンテ製剤の時間作用は簡便な1日1回のインスリンとなるが
、多数の医師が実際には、中間的な時間作用性のインスリン、インスリン−プロ
タミン製剤(これは、一般的インスリン−NPHと呼ばれる)を使用することを
好んでいる。インスリン−NPHはベースのインスリンとして1日に2回使用さ
れるが、その理由としてはより短時間の時間作用性の薬物で最適な用量を調節す
ることが比較的より容易であるからである。結果として、中間的な時間作用性の
インスリンは、米国市場の70%、日本市場の60%、欧州市場の45%および
世界市場の総計55%と説明されている。
【0006】 しかしながら、不溶性インスリン−NPHおよび不溶性ウルタラレンテ・イン
スリンは共に懸濁液製剤である。従って、それらの製剤は可溶性製剤よりも本質
的に予測しにくく、血中グルコースの十分なコントロールに劣り、生命を脅かす
高血糖症のエピソードの羅患率が大きくなる。血中グルコースの基本的なコント
ロールを得ようとする1つの試みは、脂肪酸を用いてインスリンをアシル化し、
延長された時間、血清アルブミンによる脂肪酸の結合に頼って循環中のインスリ
ン活性を保持することである。従って、ヒトインスリンおよびヒトインスリンア
ナログのアシル化について、かなりの研究上の努力が集中されている。
【0007】 ポーク、ビーフまたはヒトのインスリンのアシル化については、ムラハシおよ
びキソによる特願平1−254,699号に開示されている。以下の化合物:B
29−Nε−パルミトイルインスリン(ε−アミノ基がアシル化されている)、
B1−Nα−パルミトイル−インスリン(B鎖のN末端αアミノ基がアシル化さ
れている)およびB1,B29−Nα,Nε−ジパルミトイルインスリン(ε−
アミノ基およびN末端α−アミノ基の両方がアシル化されている)が具体的に開
示されている。
【0008】 同様に、ハシモトらによるin Pharmaceutical Resear
ch,6,171−176(1989)では、B1−Nα−パルミトイルインス
リン(N末端α−アミノ基がアシル化されている)および、B1,B29−Nα ,Nε−ジパルミトイルインスリン(ε−アミノ基およびN末端α−アミノ基の
両方がアシル化されている)について開示している。ハシモトらは雄性ラットに
おいて極めて高用量である25U/mLの割合でのB1−Nα−パルミトイルイ
ンスリンおよびB1,B29−Nα,Nε−ジパルミトイルインスリンの高血糖
症に与える影響について研究している。これらの用量の場合は、ハシモトの図5
は、静脈投与の場合では非常に低い活性を示している。筋肉内投与の場合では、
B1−Nα−パルミトイルインスリンのほんの短時間の高血糖症ヘの効果および
B1,B29−Nα,Nε−ジパルミトイルインスリンの負の効果がハシモトの
図6に開示されている。
【0009】 ムラハシおよびキソ並びにハシモトらによるインビボでの報告に加えて、ワル
ダー(Walder)らによるPCT公開WO92/01476は、タンパク質
およびペプチドの半減期が、タンパク質を非極性基(具体的には、脂肪酸誘導体
)と化学的に結合させることによってインビボで延長できることを開示している
。該脂肪酸は、タンパク質とアルブミンの間の架橋基を与える。ワルダーらはま
た、非極性基はタンパク質のユニークな部位に限定されるのが好ましいことを開
示し、ヘモグロビンのシステイン残基の結合を例示する。それらの文献はインス
リンの脂肪酸誘導体について一般的に開示している。しかしながら、インスリン
の脂肪酸誘導体については具体的には全く開示も例示もされておらず、インスリ
ンの脂肪酸誘導体の生物学的活性が保持されるということを示すデータは全く開
示されていない。
【0010】 ベーカー(Baker)らによる米国特許第5,693,609号では、モノ
マーインスリンアナログの遊離アミノ基の選択的なアシル化により、有効なベー
スのインスリン活性を有するアシル化されたモノマーインスリンアナログを与え
、一方で非アシル化インスリンアナログは作用の急速な開始および急速な解除(
clearance)を与えることを開示している。具体的には、LysB28Pro
29ヒトインスリンのアシル化およびB28−Nε−パルミトイル−LysB2 ProB29インスリン(ε−アミノ基がアシル化されている)の製造に関す
る技術が開示されている。しかしながら、この文献ではこれら化合物の単分散性
会合体を含有する製剤または組成物については開示も示唆もされておらず、また
それら製剤または組成物を製造する方法についても示唆されていない。
【0011】 天然のヒトインスリンは亜鉛の存在下で6量体を形成することは長く知られて
いる(ブランデル(Bllundell)らによるAdv.Protein C
hem.,26,279−402(1972);およびベーカー(Baker)
らによるPhilos,Trans.R.Soc.London,B319,3
69−456(1988))。亜鉛−インスリン6量体の構造については、一連
のX線結晶構造によって十分に決定されている(ベーカーらによるPhilos
.Trans.R.Soc.London,B319,369−456(198
8);デレウェンダ(Derewenda),UらによるNature,338
,594−596(1989);サイスザック(Cizak),EらによるBi
ochemistry,33,1512−1517(1994);スミス(Sm
ith),G.D.らによるProteins:Struct.Func.Ge
net.,14.401−408(1992);スミス,G.D.らによるBi
opolymers,32,1749−1756(1992))。他の研究者達
は、6量体のヒトインスリン会合体の安定性を増大させようと試みている。例え
ば、ブランゲ(Brange)らによる米国特許第4,476,118号は、ウ
シ、ブタおよびヒトインスリンの6量体を含有する(4.2〜4.5のZn2+ /6量体を含有することが好ましい)溶液について開示している。実施例1〜8
において、ブランデらは6量体の生成がpHが7.4〜7.5の範囲の溶液中で
達成できると開示している。亜鉛の量は溶液中での6量体の複合体の安定性にお
いて重要な役割を果たしていることを見出している。
【0012】 同様に、ヒトインスリンB鎖の29位のLysのε−アミノがパルミトイル化
されているヒトインスリン(Nε−パルミトイルLysB29ヒトインスリン)
はヒトインスリンの6量体を生成するのに使用する同一の条件下でZn(II)
およびCo(II)6量体を生成することを開示している(ブレーダー(Bra
der),マーク(Mark)Lらによる「Effects of Surfa
ce Hydrophobicity on the Structural
Properties of Insulin」,Techniques in
Protein Chemistry VIII: Tenth Sympo
sium of the Protein Society, 289−297頁
、マルシャク(Marshak),D.R.編、Academic Press
,san Diego,California(1977))。
【0013】 最後に、バカイサ(Bakaysa)らによる米国特許第5,474,978
号では、非アシル化ヒトインスリンアナログが約7.5のpHで亜鉛および様々
なフェノール化合物と6量体を形成すると開示している。具体的には、非アシル
化LysB28ProB29ヒトインスリンの6量体について開示されている。
バカイサらは更に、6量体の複合体の吸収速度がインスリンの場合に観察される
速度の少なくとも2倍であることを開示している。しかしながら、6量体の複合
体が製剤化されると、化学的な分解反応に対しては等しく安定であることが報告
されている。
【0014】 上記の通り、多数の文献が、アシル化されたヒトインスリンアナログの製造に
ついて開示している。他の文献では、ヒトインスリン、アシル化されたヒトイン
スリンおよび非アシル化されたヒトインスリンアナログの6量体の会合体の製造
について開示している。該先行技術は、アシル化されたインスリンアナログの高
い安定性および溶液からの小さい沈降性という望ましい性質を有するアシル化さ
れたインスリンアナログ製剤または組成物の製造法について教示も示唆もしてい
ない。特に、該先行技術は、アシル化されたヒトインスリンアナログの単分散性
6量体の会合体を含有する医薬製剤についても、または組成物についても示唆さ
れていない。加えて、それら製剤および組成物の製造法についても、またはそれ
ら製剤および組成物を用いた高血糖症を患っている患者を処置する方法について
は開示も教示もされていない。
【0015】 その上、ヒトインスリン、アシル化されたヒトインスリンまたは非アシル化ヒ
トインスリンアナログを生成する先行技術を実施しても、目的のアシル化された
ヒトインスリンアナログの6量体を得ることができない。従って、アシル化され
たインスリンアナログの高い安定性および溶液からの小さい沈降性という望まし
い性質を有するアシル化されたインスリンアナログ製剤または組成物に対する要
求、およびそれら製剤および組成物の製造法に対する要求がある。上で説明した
通り、多数の人々が糖尿病を患っており、現在利用できる治療学的なインスリン
製剤について欠点が存在する。従って、上記の望ましい性質を有する組成物を含
有する組成物または製剤を用いた、高血糖症を患っている患者を処置する改善さ
れた方法に対する要求がある。
【0016】 (発明の概要) 従って、本発明の目的は医薬製剤を提供することであって、該製剤は等張化剤
および、単分散性6量体の会合状態のモノアシル化されたヒトインスリンアナロ
グまたはその医薬的に許容し得る塩を含有する水溶液を含む。該モノアシル化さ
れたヒトインスリンアナログは、配列番号2のポリペプチドに適当に架橋した配
列番号1のポリペプチドを含み、それらの配列において配列番号1の21位のX
aaはAsn、Asp、GlyおよびGlxからなる群から選ばれ、配列番号2
の3位のXaaはAsn、AspおよびGlxからなる群から選ばれ、配列番号
2の28位のXaaはAsp、Leu、Val、Alaおよびアシル化されたL
ysからなる群から選ばれ、配列番号2の29位のXaaはProおよびアシル
化されたLysからなる群から選ばれる。更に28位または29位はアシル化さ
れたLysであるが、28位がアシル化されたLysである場合には、29位は
アシル化されたLysでなく、29位がアシル化されたLysである場合には、
28位はアシル化されたLysでない。本発明の好ましい態様では、医薬製剤は
単分散性6量体の会合状態であるアシル化されたLysB28ProB29ヒト
インスリンまたはアシル化されたAspB28ヒトインスリンを含む。
【0017】 本発明の別の目的はpHが約7.9より大きい水溶液を含む医薬製剤を提供す
ることであって、該製剤は等張化剤、フェノール誘導体、金属イオン(1つ以上
の亜鉛イオンが好ましい)およびモノアシル化されたヒトインスリンアナログも
しくはそのアナログの医薬的に許容し得る塩を含む。該モノアシル化されたヒト
インスリンアナログは、配列番号2のポリペプチドに適当に架橋した配列番号1
のポリペプチドを含む。それらの配列において配列番号1の21位のXaaはA
sn、Asp、GlyおよびGlxからなる群から選ばれ、配列番号2の3位の
XaaはAsn、AspおよびGlxからなる群から選ばれ、配列番号2の28
位のXaaはAsp、Leu、Val、Alaおよびアシル化されたLysから
なる群から選ばれ、配列番号2の29位のXaaは、Proおよびアシル化され
たLysからなる群から選ばれる。そして、28位または29位はアシル化され
たLysであるが、28位がアシル化されたLysである場合には29位はアシ
ル化されたLysでなく、29位がアシル化されたLysである場合には28位
はアシル化されたLysでない。
【0018】 本発明の好ましい態様では、製剤のpHは約7.9〜8.0の間である。別の
好ましい態様では、フェノール誘導体は、フェノール、m−クレゾールおよびそ
れらの組み合わせからなる群から選ばれ、金属は+2の酸化状態の亜鉛であり、
該製剤はグリセリンおよび場合により、トリス、リン酸ナトリウム、グリシルグ
リシンおよびクエン酸塩からなる群から選ばれる緩衝剤を含む。他の好ましい態
様では、モノアシル化されたヒトインスリンアナログはアシル化されたLys 28 ProB29およびアシル化されたAspB28ヒトインスリンである。
【0019】 本発明の更に別の目的は、単分散性6量体の会合体であるモノアシル化された
ヒトインスリンアナログ医薬製剤の製造法を提供することであって、該製造法は
+2の酸化状態の金属をモノアシル化されたヒトインスリンアナログもしくはそ
のアナログの医薬的に許容し得る塩と接触させ、フェノール誘導体および等張化
剤を加え、そして該製剤のpHを約7.9より大きくなるように調節することを
含む。該モノアシル化されたヒトインスリンアナログは、配列番号2のポリペプ
チドに適当に架橋した配列番号1のポリペプチドを含み、それらの配列において
配列番号1の21位のXaaはAsn、Asp、GlyおよびGlxからなる群
から選ばれ、配列番号2の3位のXaaはAsn、AspおよびGlxからなる
群から選ばれ、配列番号2の28位のXaaはAsp、Leu、Val、Ala
およびアシル化されたLysからなる群から選ばれ、配列番号2の29位のXa
aはProおよびアシル化されたLysからなる群からなる群から選ばれる。そ
して、28位または29位はアシル化されたLysであるが、28位がアシル化
されたLysである場合には29位はアシル化されたLysでなく、29位がア
シル化されたLysである場合には28位はアシル化されたLysでない。
【0020】 本発明の別の目的は、単分散性6量体の会合状態である医薬製剤を提供するこ
とであって、該製剤は等張化剤およびモノアシル化されたヒトインスリンアナロ
グまたはその医薬的に許容し得る塩を含有する水溶液を含む。
【0021】 本発明の別の目的は、pHが約7.9より大きい水溶液を含有する医薬製剤を
提供することであって、該製剤は等張化剤、フェノール誘導体、金属イオン(1
つ以上の亜鉛イオンが好ましい)、およびモノアシル化されたヒトインスリンア
ナログまたはそのアナログの医薬的に許容し得る塩を含む。該モノアシル化され
たヒトインスリンアナログはアシル化されたデス(B30)ヒトインスリンを含
む。本発明の好ましい態様では、製剤のpHは約7.9〜8.0の間である。別
の好ましい態様では、フェノール誘導体はフェノール、m−クレゾールおよびそ
れらの組み合わせからなる群から選ばれ、金属は+2の酸化状態の亜鉛であり、
該製剤はグリセリンおよび場合により、トリス、リン酸ナトリウム、グリシルグ
リシンおよびクエン酸塩からなる群から選ばれる緩衝剤を含む。
【0022】 本発明の更に別の目的は、単分散性6量体の会合体であるモノアシル化された
ヒトインスリンアナログ医薬製剤の製造法を提供することであって、該製造法は
+2の酸化状態の金属とモノアシル化されたヒトインスリンアナログまたはその
アナログの医薬的に許容し得る塩とを接触させ、フェノール誘導体および等張化
剤を加え、そして金属/アナログ混合物のpHを約7.9より大きくなるように
調節する工程を含む。ここで、モノアシル化されたヒトインスリンアナログとは
アシル化されたデス(B30)ヒトインスリンである。
【0023】 本発明の更に別の目的は、高血糖症を患っている患者の処置法を提供するもの
であって、該方法は患者にモノアシル化されたインスリンアナログの単分散性6
量体の会合体溶液の有効な量を含有する医薬製剤を投与することを含む。
【0024】 本発明の更なる目的、特徴および利点については、以下の発明の詳細な記載お
よび添付する図面から明白であろう。
【0025】 (発明の詳細な記載および好ましい態様) 本明細書で使用する全てのアミノ酸の略号は、37C.F.R.1822(b)
2に記載されている通り、米国特許庁によって受容されている略号である。
【0026】 (定義) pHレベルについての用語「約」とは、±0.05pH単位であるpHの範囲
を意味する。例えば、「約8.0」のpHとは、7.95〜8.05のpHの範
囲を意味する。
【0027】 本明細書で使用する用語「組成物」とは、多数の要素または成分を混合するか
、または組み合わせた生成物を記載するのに使用する一般的な用語である。本明
細書の目的として、用語「組成物」は製剤を含む。
【0028】 本明細書で使用する用語「製剤」とは、組成物のあるタイプを意味する。本明
細書で使用する用語「医薬製剤」とは、他の典型的な医薬賦形剤の存在下で活性
化合物または活性化合物の塩を含有するあるタイプの製剤を意味する。典型的に
は、医薬製剤は減菌されており、特に非経口投与に使用するものである。
【0029】 用語「アシル化されたLys」とは、ε−アミノ基をC〜C21脂肪酸でア
シル化したLysを意味する。用語「アシル化基」とは、インスリンアナログの
ε−アミノ基に化学結合した脂肪酸を意味する。
【0030】 用語「アシル化」とは、タンパク質の遊離アミノ基へアシル基が共有結合して
いることを意味する。1つ以上の該アミノ基がアミド結合で脂肪酸の酸基と結合
している場合には、インスリンは「アシル化されている」という。
【0031】 本明細書で使用する用語「ヒトインスリン」とは、アミノ酸配列および空間構
造がよく知られているヒトインスリンを意味する。ヒトインスリンは、システイ
ン残基間のジスルフィド結合によって架橋した、アミノ酸数が21のA鎖および
アミノ酸数が30のB鎖を含む。ヒトインスリンは3個のジスルフィド架橋を含
み、1つめはA鎖の7位とB鎖の7位の間で、2つめはA鎖の20位とB鎖の1
9位の間で、3つめはA鎖内のの6位と11位の間にある[Nicol, D.S
.H.W.およびSmith, L.F.によるNature, 187, 483−
495 (1960)]。
【0032】 用語「脂肪酸]とは、飽和または不飽和のC〜C21脂肪酸を意味する。本
発明を実施するに好ましい脂肪酸は飽和脂肪酸であり、例えばミリスチン酸(C
14)、ペンタデシル酸(C15)、パルミチン酸(C16)、ヘプタデシル酸
(C17)およびステアリン酸(C18)を含む。これら脂肪酸の各々も個々に
好ましい。炭素数が6〜10であったり、炭素数が6〜9であったり、そして炭
素数が6〜8である脂肪酸も好ましい。脂肪酸はミリスチン酸、パルミチン酸、
ヘキサン酸およびオクタン酸がより好ましい。本発明の組成物および製剤は、モ
ノアシル化されたヒトインスリンアナログを含む。モノアシル化されたインスリ
ンアナログは、インスリンアナログ分子の1個につき1つのアシル基を含む。特
に、本発明のモノアシル化されたインスリンアナログは、アナログ当り1個のリ
シンのε−アミノ基がC〜C21脂肪酸でアシル化されている。本発明のヒト
インスリンアナログは、B28またはB29位のリシンのε−アミノ基がC
21脂肪酸でモノアシル化されていることが好ましい。
【0033】 用語「インスリンアナログ」とは、ヒトインスリンのそれぞれA鎖およびB鎖
と実質的には同じアミノ酸配列を有するが、インスリンアナログのインスリン活
性を損なわない1つ以上のアミノ酸の欠損、1つ以上のアミノ酸の置換および/
または1つ以上のアミノ酸の付加を有することによって、該ヒトインスリンのA
鎖とB鎖は異なる、A鎖およびB鎖を有するタンパク質を意味する。。1つのタ
イプのインスリンアナログは、「モノマーインスリンアナログ」である。別のタ
イプのヒトインスリンアナログはデス(B30)ヒトインスリンであって、この
ものはヒトインスリンのB鎖のB30位でのThrが存在しない。アシル化され
たモノマーヒトインスリンアナログおよびアシル化されたデス(B30)ヒトイ
ンスリンの両方が、本発明の医薬製剤に好ましくは含まれている。
【0034】 本明細書で使用する用語「モノマーインスリンアナログ」とは、二量化または
自己会合する傾向に乏しい、速効性のインスリンアナログを意味する。本発明の
モノマーインスリンアナログは、(1)B28位のProがAsp、Lys、L
eu、ValまたはAlaで置換されており;(2)B29位のLysがリシン
またはプロリンで置換されている、という改変を1つ以上含むヒトインスリンで
ある。これらの置換に加えて、モノマーインスリンアナログは、以下の改変を1
つ以上含んでもよい。(1)A21位のAsnはAsp、GlyまたはGlxで
置換されてもよい;(2)B3位のAsnはAspまたはGlxで置換されても
よい。当該分野の当業者は、モノマーインスリンアナログについての他の改変が
可能であり、そのことは当該分野において広く受容されていると認めるであろう
。本発明の組成物および製剤のモノアシル化されたモノマーヒトインスリンアナ
ログは、配列番号2のポリペプチドに適当に架橋した配列番号1のポリペプチド
を含む。他のモノマーインスリンアナログとしては、デス(B27)およびデス
(B28−B30)ヒトインスリンを含む。
【0035】 用語「架橋」とは、システイン残基間のジスルフィド架橋を意味する。「適当
に架橋した」ヒトインスリン、モノマーヒトインスリンアナログ、ヒトイスリン
アナログ、アシル化されたヒトインスリンアナログまたはアシル化されたモノマ
ーヒトインスリンアナログは3個のジスルフィド架橋を含む。1つのジスルフィ
ド架橋は、A鎖の7位およびB鎖の7位のシステイン残基同士を連結する。2つ
めのジスルフィド架橋は、A鎖の20位とB鎖の19位のシステイン残基同士を
連結する。3つめのジスルフィド架橋は、A鎖中の6位と11位のシステイン残
基同士を連結する。
【0036】 配列番号1は、
【化1】 のアミノ酸配列を有するヒトインスリンA鎖またはそのアナログであって、21
位のXaaはAsn、Asp、GlyまたはGlxである。
【0037】 配列番号2は、
【化2】 のアミノ酸配列を有するヒトインスリンB鎖アナログである。 該配列において、3位のXaaは、Asn、AspまたはGlxである。 28位のXaaは、Asp、Leu、Val、Alaまたはアシル化されたL
ysである。 29位のXaaは、Proまたはアシル化されたLysである。そして、 28位または29位はアシル化されたリシンであり、 28位がアシル化されたLysである場合には、29位はアシル化されたLy
sでなく、 29位がアシル化されたLysである場合には、28位はアシル化されたLy
sでない。
【0038】 本発明の好ましい態様は、アシル化されたLysB28ProB29およびア
シル化されたAspB28を含有する組成物および製剤を含む。本発明の他の好
ましい態様は、B28−Nε−パルミトイル−LysB28ProB29、B2
8−Nε−ミリストイル−LysB28ProB29、B29−Nε−パルミト
イル−AspB28ヒトインスリンおよびB29−Nε−ミリストイル−Asp B28 ヒトインスリンを含有する組成物および製剤を含む。本発明の他の好まし
い態様では、配列番号1の21位のXaaがAsnであるか、もしくは配列番号
2の3位のXaaがAsnであるか、または配列番号1の21位および配列番号
2の3位の両方がAsnである。
【0039】 モノアシル化されたモノマーヒトインスリンアナログまたはモノアシル化され
たヒトインスリンアナログの「医薬的に許容し得る塩」とは、インスリンアナロ
グの1つ以上の荷電した基のいずれかと1つ以上の医薬的に許容し得る塩、非毒
性のカチオンまたはアニオンとの間で形成する塩を意味する。有機塩および無機
塩としては、例えば塩酸、硫酸、スルホン酸、酒石酸、フマル酸、臭化水素酸、
グリコール酸、クエン酸、マレイン酸、リン酸、コハク酸、酢酸、硝酸、安息香
酸、アスコルビン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレ
ンスルホン酸、プロピオン酸および炭酸などの酸から製造した塩を含む。モノア
シル化されたモノマーインスリンアナログおよびモノアシル化されたインスリン
アナログの医薬的に許容し得る塩はカチオン(例えば、アンモニウム、ナトリウ
ム、カリウム、カルシウムまたはマグネシウムを含むが、これらに限定しない)
を含み得る。
【0040】 用語「単分散性6量体の会合体」とは、アシル化されたモノマーヒトインスリ
ンアナログまたはアシル化されたヒトインスリンアナログの製剤であって、該ア
シル化されたモノマーヒトインスリンアナログまたはアシル化されたヒトインス
リンアナログが実質的に全て6量体の会合状態であることを意味する。従って、
アシル化されたモノマーヒトインスリンアナログの単分散性6量体の会合体は、
沈降係数の分布プロフィールにおいて6量体状態であるモノアシル化されたヒト
インスリンアナログに対応する1本のはっきりとしたピークを示す(このことは
、84%以上のアシル化されたモノマーヒトインスリンアナログが6量体の会合
状態であることを示す)製剤を意味する。少なくとも85%、少なくとも90%
、少なくとも95%または少なくとも95%のアシル化されたモノマーヒトイン
スリンアナログが6量体の会合状態であることを、該沈降係数の分布プロフィー
ルが示すことがより好ましい。同様なピークの分布は、モノアシル化されたヒト
インスリンアナログの単分散性6量体の会合体の場合にも当てはまるであろう。
【0041】 用語「等張化剤」とは任意物であるが非常に好ましい薬剤であって、生理学的
に許容性であり、製剤に適当な張性を与え、水の正味の流れが細胞膜を通過する
のを防止する薬剤を意味する。化合物(例えば、グリセリン、並びにスクロース
、デキストロース、マニトールおよびトレハロースなどの他の炭水化物またはそ
れらの混合物を含むが、これらに限定されない)は通常、公知の濃度でそれらの
目的に使用される。従って、これらの化合物は個別にであったり、または混合物
として好ましい等張化剤である。例えば、グリセリン(このものはグリセロール
とも呼ばれる)は約12〜約25mg/mLの濃度では、本発明の好ましい等張
化剤である。グリセリンは、約16mg/mLの濃度で存在することが最も好ま
しい。従って、グリセリンは、約1.2〜約2.5重量%の範囲の量で存在する
ことが好ましいが、約1.6〜約1.5重量%の量で存在することがより好まし
い。炭水化物(例えば、マンニトール)は好ましい等張化剤であるが、このもの
は約10〜約60mg/mLの範囲の量で使用することが好ましく、約20〜約
40mg/mLの範囲の量で使用することがより好ましい。炭水化物は、約30
〜約38mg/mLの量で使用することがより一層好ましく、約36mg/mL
の量で使用することが最も好ましい。グリセリンまたは上記などの炭水化物は等
張化剤として個別に使用することが可能であるが、これら等張化剤の組み合わせ
を本発明の特定の好ましい医薬製剤において使用することができる。塩化ナトリ
ウムもそれ自体等張化剤として使用することができるが、他の等張化剤(例えば
、グリセリンまたはマンニトール)と組み合わせることが好ましい。塩化ナトリ
ウムが本発明の医薬製剤中に存在する場合には、そのものは150mMより少な
い量で存在することが好ましい。
【0042】 用語「フェノール誘導体」とは、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、メチルパラベン
、レゾルシノール、フェニルエタノール、フェノキシエタノールおよびそれらの
混合物を意味する。本発明の最も好ましいフェノール誘導体は、フェノールおよ
びm−クレゾールを含む。
【0043】 用語「保存剤」とは、組成物および医薬製剤に加えて抗菌剤として作用させる
化合物を意味する。保存剤の1種はフェノール誘導体である。医薬製剤において
有効であると知られる他の保存剤としては、塩化ベンザルコニウム、ベンゼトニ
ウム、クロロヘキシジン、フェノール、m−クレゾール、ベンルアルコール、メ
チルパラベン、クロロブタノール、o−クレゾール、p−クレゾール、クロロク
レゾール、レゾルシノール、フェニル水銀硝酸塩、チメロサール、安息香酸およ
びそれらの様々な混合物を含む。本発明で使用するのに特に好ましいフェノール
の混合物は、m−クレゾールとフェノールの混合物を含む。
【0044】 用語「緩衝剤」および「生理学的に許容な緩衝剤」は当該分野でよく知られて
いる。生理学的に許容な緩衝剤としては、トリス、リン酸緩衝剤(例えば、リン
酸ナトリウム)またはアルギニンが好ましい。トリスとは、トリス(ヒドロキシ
メチル)アミノメタンについて当業者によって通常使用される命名である。他の
生理学的に許容な緩衝剤としては、例えば酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム
、グルタミン酸塩、炭酸塩およびグリシルグリシンを含むが、これらに限定され
ない。これら緩衝剤の各々が本発明の製剤に使用するのが好ましい。特に好まし
い緩衝剤はトリス、リン酸ナトリウム、グリシルグリシンおよびクエン酸塩を含
む。加えて、本発明の製剤においてこれら緩衝剤の混合物を使用することが可能
であり、且つ好ましい。
【0045】 本明細書において使用する用語「処置する」とは、疾患、病状または障害と闘
う目的での患者の管理およびケアを言い、症候群もしくは合併症の発症を防止す
るためであったり、症候群もしくは合併症を軽減するためであったり、または疾
患、病状もしくは障害を排除するために本発明の製剤を投与することを含む。
【0046】 用語「有効な量」とは、治療学的にまたは予防学的に、血糖レベルを低下させ
るか、または維持するために必要な、1つ以上の本発明のアシル化されたアナロ
ーグの量を意味する。この量は典型的に、1日当り約10単位を超える量(また
はヒトインスリンのmg当り約27.5単位と仮定される約0.3〜約2mg)
にまで及んでもよい。しかしながら、実際に投与されるアシル化されたアナログ
の量は、関連する環境(例えば、処置する病気、高血糖症の原因、投与するある
インスリンアナログ、投与経路の選択、個々の患者の年齢、体重および反応、並
びに患者の症状の重度を含む)に照らして医師によって決定されるであろう。従
って、上記の投与量の範囲はいかなる意味でも本発明の範囲を限定することを意
図するものではない。個々の患者のある要求に応じるために、投与量の範囲を調
節することは当業者によく知られている。
【0047】 本発明の1つ以上の製剤を、処置が必要な患者、すなわち高血糖症を患ってい
る患者に投与する。本発明のモノアシル化されたモノマーヒトインスリンアナロ
グまたはモノアシル化されたヒトインスリンアナログの単分散性6量体の会合体
の有効な量を、高血糖症または糖尿病を患っている患者に投与する。本発明の医
薬製剤は典型的に、mL当り約100単位を含むように製剤化することができ、
またはモノアシル化されたモノマーヒトインスリンアナログもしくはモノアシル
化されたヒトインスリンアナログの単分散性6量体の会合の有効な量を含有する
ような同じ濃度を含むように製剤化することができる。従って、本発明は単位用
量形態(例えば、mL当り100単位を含有するバイアルまたはアンプル)のア
シル化されたインスリンアナログを含む。上記の通り、本発明のアシル化された
インスリンアナログの典型的な単位用量は、1日当り約10単位以上である。必
然ではないが、これらの製剤は典型的に本来は非経口製剤であり、当業者にとっ
て知られる多数の技法によって製造することができる。しかしながら、それらの
組成物は、当業者にとって知られる肺運搬法またはその他の運搬法のために製造
することもできる。
【0048】 例えば、本発明の医薬製剤は、本明細書に記載であるかまたは当該分野で公知
の吸入投与に適当な多数の装置および方法のいずれか(例えば、ネブライザーま
たはスプレーの使用)を用いて運搬することができる。該装置は、アシル化され
たヒトインスリンアナログ製剤をエアロゾル中に分配した(dispensing)ものを
投与するのに適当な製剤の使用を必要とする。該エアロゾルは溶液を含むことが
できる。ネブライザー(例えば、AERx(登録商標)Aradigm、Ult
ravent(登録商標)ネブライザー(Mallinckrodt)およびAscornI
I(登録商標)ネブライザー(Marquest Medical Products)(米国特許540
871号Aradigm、WO97/22376号)により、液剤からエアロゾ
ルを得ることができる。商業的に入手可能な吸入装置についてのこれら具体例は
、本発明の実施に適当な特別な装置を例示するものであるが、これらは本発明の
範囲を限定することを意図するものではない。
【0049】 本発明のインスリン製剤を含有するスプレー剤は、加圧下でノズルから製剤を
強く押し出すことによって製造することができる。本発明のインスリン製剤は、
ネブライザー(例えば、ジェットネブライザーまたはウルトラソニックネブライ
ザー)によっても投与することができる。肺経路によって投与する本発明のイン
スリン製剤は、例えば等張化剤、金属イオン、フェノール誘導体、緩衝剤、賦形
剤、界面活性剤およびバルクタンパク質などの成分を1つ以上含んでもよい。、
【0050】インスリンアナログの製造 本発明のモノアシル化されたインスリンアナログは、先ず分子のインスリンア
ナログ部分を合成し、次いでそのインスリンアナログをアシル化することによっ
て製造する。
【0051】 本発明のインスリンアナログは、公知の化学的方法のみで、組換えDNA法の
みで、または化学的方法および組換えDNA法の組み合わせによって製造するこ
とができる。以下のリストでは、これらインスリンアナログを製造するためのい
くつかの基本的な方法について概説する。それらのリストは限定的なものではな
く、それら基本的なスキームを変形することも可能である。
【0052】 1)組換えDNA法を用いた標準的な生合成法によるヒトインスリンA鎖アナロ
グ(配列番号1)の合成、および組換えDNA法を用いた標準的な生合成法によ
るヒトインスリンB鎖またはヒトインスリンB鎖アナログ(配列番号2)の別合
成、続く公知のジスルフィド化学を用いる鎖の架橋(Chanceらによる米国
特許第4,421,685号、これは本明細書の一部を構成する)。
【0053】 2)標準的な化学的方法によるヒトインスリンA鎖アナログ(配列番号1)の合
成、および標準的な化学的合成法によるヒトインスリンB鎖またはヒトインスリ
ンB鎖アナログ(配列番号2)の別合成、続く公知のジスルフィド化学を用いる
それらの架橋(上記を参照)。
【0054】 3)1つの鎖の化学的合成、および他方の鎖の組換えDNA法を用いた生合成法
、続く公知のジスルフィド化学を用いたそれらの架橋(上記を参照)。
【0055】 4)化学的合成法または好ましくは組換えDNA法を用いた生合成法(例えば、
トリプシン様活性を有する酵素を用いる方法)によるプロインスリン様前駆体の
切断。
【0056】化学的合成 ポリペプチドの固相化学合成の原理はよく知られており、当該分野の教科書で
知ることができる[例えば、H. Dugasおよび C.PenneyによるB
IOORGANIC CHEMISTRY,Springer−Verlag,
New York,54−92頁(1981)を参照]。それらの方法は、上記
の本発明のインスリンおよびインスリンアナログの化学的合成に使用することが
できる。従って、本発明のポリペプチドを、Applied Biosyste
ms 430A peptide synthesizer(Applied
Biosystems,Foster City Californiaから商
業的に入手可能である)および合成サイクル(Applied Biosyst
emsによって供給されている)を用いた固相方法によって合成することができ
る。保護したアミノ酸(例えば、t−ブトキシカルボニルで保護したアミノ酸)
およびそれら化学的合成において使用する他の試薬を多数の化学薬品供給社から
商業的に入手することができる。
【0057】 C−末端カルボキサミドの製造の場合には、出発物質であるp−メチルベンズ
ヒドリルアミン樹脂に、2組のカップリング(couple)プロトコルを用い
た連続t−ブトキシカルボニル化学を適用する。C−末端酸の製造の場合には、
対応するピリジン−2−アルドキシムメチオジド(methiodide)樹脂
を使用する。アスパラギン、グルタミンおよびアルギニンを予め製造したヒドロ
キシベンゾトリアゾールエステルとカップリング反応させる。以下の側鎖の保護
基を使用することができる。 Argの場合にはトシルであり、 Aspの場合にはシクロヘキシルであり、 Gluの場合にはシクロヘキシルであり、 Serの場合にはベンジルであり、 Thrの場合にはベンジルであり、 Tyrの場合には4−ブロモカルボベンゾキシである。
【0058】 t−ブトキシカルボニル部分の除去(脱保護)は、ジクロロメタン中でトリフ
ルオロ酢酸(TFA)を用いて達成することができる。合成が完結した後、該ペ
プチドを脱保護し、そのものを10%メタ−クレゾールを含有する無水フッ化水
素を用いて該樹脂から切断することができる。側鎖保護基の切断および樹脂から
のペプチドの切断は摂氏0℃以下で行なうが、−20℃で30分間行なって、続
いて0℃で30分間行なうことが好ましい。
【0059】 フッ化水素の除去後、該ペプチド/樹脂をエーテルで洗浄し、該ペプチドを氷
酢酸を用いて抽出し、次いで凍結乾燥する。精製は、限外クロマトグラフィー(
Sephadex G−10(Pharmacia)カラム、10%酢酸)によ
って行なう。
【0060】組換えDNA法を用いる合成 本発明の個々のA鎖およびB鎖、または本発明のインスリンアナログのプロイ
ンスリン様前駆体を、組換えDNAを出発として生合成を行なうことができる。
高収率を望むならば、組換え法が好ましい。いずれかの目的のDNA配列の構築
についての一般的方法は、J.BrownらによるMethods in En
zymology,68,19(1979)[J.SambrookらによるM
OLECULAR CLONING:a LABORSTORY MANUAL
,Cold Spring Harbor,New York (1989)を参
照]で提供されている。
【0061】 目的のタンパク質の組換え産生法における基本的な工程は、 a)目的のタンパク質をコードした、合成DNAまたは半合成DNAを構築す
る; b)目的のタンパク質の発現に適当な様式で、発現ベクター中にDNAを単独
でまたは融合タンパク質として組み込ませる; c)発現ベクターを用いて適当な真核生物または原核生物の宿主細胞を形質転
換する; d)目的のタンパク質を発現するような様式で、形質転換するかまたはトラン
スフェクトした宿主細胞を培養する; e)目的の組換え産生したタンパク質を回収し、且つ精製する ことである。
【0062】 一般に、本発明のベクターを構築する際のDNA配列をクローニングするのに
真核生物を使用する。真核生物は、目的のタンパク質の産生に使用することもで
きる。例えば、Escherichia coli k12菌株294 (ATC
C第31446号)は外来タンパク質の原核生物による発現に特に有用である。
使用可能な他の菌株のE.Coli(および関連する遺伝子型)は以下のものを
含む。 表1.インスリンアナログの製造に使用可能なE.Coliの遺伝子型
【表1】
【表2】
【0063】 これらの菌株は全て供給源(例えば、Bethesda Research
Laboratories,Gaithersburg,Maryland 2
0877およびStratagene Cloning Systems,La
Jolla,California 92037号)から商業的に入手可能か
、または公の供給源(例えば、American Type Culture
Collection,12031,Parklawn Drive,Rock
ville,Maryland,10852−1776)から容易に入手可能で
ある。
【0064】 特に断わらない限り、これら細菌の菌株を互換的に使用することができる。上
記の表の遺伝子型は、細菌の宿主を選択する際の多数の望ましい性質を例示する
ものであって、このものはいかなる形で本発明を限定することを意図するもので
はない。それら遺伝子型の表示は、標準的な命名法と一致する[例えば、J.S
ambrookによる上記を参照のこと]。本発明の遺伝子のクローニングおよ
び発現において使用するE.Coliの好ましい菌株はRV308であり、これ
はATCC(目録番号ATC31608)から入手可能であり、そのことについ
ては米国特許第4,551,433号(1985年11月5日に発行)によって
記載されている。
【0065】 上記のE.Coliの菌株に加えて、バチルス(例えば、枯草菌(Bacil
lus substilis))、他の腸内細菌科(例えば、ネズミチフス菌(
Salmonella typhimurium)またはレイ菌(Serrat
ia macrescans)および多数のシュードモナス種を使用することが
できる。これらグラム陰性菌に加えて、他の菌(特に、ストレプトマイセスsp
p)を本発明のタンパク質の原核生物によるクローニングおよび発現に使用する
ことができる。
【0066】 原核生物の宿主を用いて使用するのに適当なプロモーターは、β−ラクタマー
ゼ[ベクターpGX2907(ATCC39344)は、レプリコンおよびβ−ラクタ
マーゼ遺伝子を含む]およびラクトースプロモーターシステム[チャング(Ch
ang)らによるNature(London)275,615(1978);
およびゲデルらによるNature(London)、281、544(1979)]、アルカ
リ性ホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーターシステム[ベクタ
ーpATH1(ATCC37695)はtrpプロモーターのコントロール下で
trpE融合タンパク質として読み取り枠の発現を促進するように設計する]お
よびハイブリッドプロモーター(例えば、tacプロモーター(プラスミドpD
R540 ATCC37282から単離することができる)を含む。しかしなが
ら、ヌクレオチド配列が通常知られているような他の機能性バクテリアプロモー
ターは、当業者がいずれかの必要とされる制限部位を供するようなリンカーまた
はアダプターを用いて本発明のタンパク質のDNAコードとライゲートすること
ができる。バクテリアシステムでの使用のためのプロモーターも、目的のポリペ
プチドをコードしたDNAに操作可能に結合したシャイン・ダルガルノ配列を含
むであろう。これらの例は限定するよりも例示するものである。
【0067】 本発明のタンパク質は、酵素による切断であるかまたは化学的切断によって除
去することができる別のタンパク質またはペプチドとの翻訳融合物として、直接
的な発現によるか、または目的のタンパク質を含有する融合タンパク質として合
成することができる。組換えシステムにおけるあるペプチドの産生において、融
合タンパク質としての発現は寿命を延長し、目的のペプチドの収率を増加させる
か、または目的のタンパク質の精製の便利な手法を提供する。特定の位置でポリ
ペプチドを切断したり(例えば、トリプシン)、またはペプチド鎖のアミノ末端
もしくはカルボキシ末端からペプチドを消化する(例えば、ジペプチジルアミノ
ペプチダーゼ)ような多数のペプチダーゼ(例えば、トリプシン)について知ら
れている。その上、特定の化学薬品(例えば、臭化シアン)は特定の位置でポリ
ペプチド鎖を切断するであろう。当業者は、位置特異的な内部切断部位を組み込
むために、アミノ酸配列(および、組換え手法を使用する場合には、合成コード
配列または半合成コード配列である)に必要な改変を認めるであろう[例えば、
P.カーター(Carter)による「Site Specific Prot
eolysis of Fusion Proteins」,PROTEIN
PURIFICATIONの13章:FROM MOLECULAR MECH
ANISMS TO LARGE SCALE PROCESSES, 米国化学
会、Washington,D.C (1990)]。
【0068】アシル化 タンパク質(例えば、インスリンを含む)の遊離アミノ基のアシル化について
は当該分野で知られている。アシル化の一般的な方法については、Method
s of Enzymology,25,494−499(1972)に記載さ
れており、該方法は活性化エステル、酸クロリドまたは酸無水物の使用を含む。
脂肪酸の活性化エステル(特に、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)の使
用は、脂肪酸を用いた遊離アミノ酸のアシル化の特に有利な手法である。ラピド
ット(Lapidot)らは、N−ヒドキシスクシンイミドエステルの製造、並
びにN−ラウロイル−グリシン、N−ラウロイル−L−セリンおよびL−ラウロ
イル−L−グルタミン酸の製造におけるそれらの使用について記載している。
【0069】 ε−アミノ基を選択的にアシル化するために、カップリング反応の間に、α−
アミノ基をブロックするのに多数の保護基を使用することができる。適当な保護
基の選択は当業者に知られており、例えばp−メトキシベンゾイルカルボニル(
pmZ)を含む。ε−アミノ基はアミノ保護基を使用しない1段階の合成でアシ
ル化されることが好ましい。該アシル化は、塩基性条件下、極性溶媒中で、活性
化した脂肪酸エステルとタンパク質のε−アミノ基とを反応させることによって
行なう。該反応液の塩基性は、インスリンアナログの全ての遊離のアミノ基を脱
プロトン化するのに十分でなければいけない。弱塩基性条件下では、全ての遊離
アミノ基は脱プロトン化されず、N−末端またはα−アミノ基が優先的にアシル
化される。水性溶媒または共溶媒の場合では、塩基性条件とはpHが約9.0よ
り大きい時に反応を行なうことを意味する。タンパク質の分解はpHが約12.
0を超えると起こるので、反応混合物のpHは10.0〜11.5が好ましく、
10.5が最も好ましい。混合有機溶媒および水性溶媒中での反応混合物の反応
におけるpHの測定値は、混合前の水性溶媒のpHである。
【0070】 非水性溶媒の場合には、ε−アミノ基の選択的アシル化はε−アミノ基が十分
に脱プロトン化するために、水中でのpKaが10.75以上に相当する塩基性
を有する塩基の存在下で行なう。すなわち、該塩基は少なくともトリエチルアミ
ンと同じくらい強くなければいけない。該塩基はトリメチルグアニジン、ジイソ
プロピルエチルアミンまたはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい
。弱塩基を使用することにより、α−アミノ基のアシル化が生じる。
【0071】 溶媒の選択は重要ではないが、インスリンアナログおよび脂肪酸エステルの溶
解度に大きく依存する。溶媒は全て有機溶媒でなければいけない。一般的に許容
される有機溶媒はDMSO、DMFなどを含む。水性溶媒および水性溶媒と有機
溶媒との混合物もまた使用可能である。極性溶媒の選択は反応試薬の溶解度によ
ってのみ制限される。DMSO、DMF、アセトニトリルと水、アセトンと水、
エタノールと水、イソプロピルアルコールと水、イソプロピルアルコール、エタ
ノールと水、およびエタノールとプロパノールと水が好ましい溶媒である。溶媒
はアセトニトリルおよび水が好ましく、50%のアセトニトリルが最も好ましい
。当業者は他の極性溶媒も使用可能であると認めるであろう。
【0072】 一般的に、活性化脂肪酸エステルがモル過剰量であることが好ましい。反応は
、エステルの約1〜4モル当量で行ない、約1〜2モル当量であることが好まし
い。当業者は、非常に高レベルの活性化エステル、ジ−またはトリ−アシル化さ
れた生成物を有意な量で得るであろうと認めるであろう。
【0073】 反応温度は重要ではない。反応は摂氏20〜40℃で行ない、一般的に約15
分〜約24時間で完結する。
【0074】 アシル化の後、生成物を標準的な方法(例えば、逆相クロマトグラフィーまた
は疎水性クロマトグラフィー)によって精製する。その後、生成物を標準的な方
法(例えば、凍結乾燥または結晶化)によって回収する。
【0075】本発明の組成物および製剤の製造 モノアシル化されたモノマーヒトインスリンアナログおよびモノアシル化され
たヒトインスリンアナログは、+2の酸化状態の金属をモノアシル化されたヒト
インスリンアナログまたは該アナログの医薬的に許容し得る塩と接触させ、該混
合物にフェノール誘導体および場合により等張化剤を加え、そしてpHを約7.
9より大きくなるように調節することによって、単分散性6量体の会合体を含有
する組成物に変換されることを見出した。
【0076】 アシル化されたモノマーヒトインスリンアナログおよびアシル化されたヒトイ
ンスリンアナログの単分散性6量体の会合体を含有する組成物および製剤を製造
しようとする初期の試みは、失敗した。それら初期の試みにおいては、約3.6
mg/mLの濃度を得るように、アシル化されたモノマーヒトインスリンアナロ
グ溶液を、pHが2.5の酸性水溶液中にアシル化されたインスリンアナログを
溶解することによって製造しようとした。次いで、アシル化されたヒトインスリ
ンアナログの6モル当り、2.0〜2.5モルの範囲の量の酸化亜鉛を加えた。
得られた溶液のpHを、水酸化ナトリウムなどの塩基を加えることによって、約
7.5に調節した。次いで、その一部(約1.0〜2.0mL)をとりだし、そ
のものをバイアルに加え、次いで凍結乾燥して粉末を得た。次いで、pHが約7
.5の希釈液(このものは、16mg/mLの等張化剤(例えば、グリセリン)
、5mg/mLのフェノール誘導体(例えば、フェノール)および緩衝剤(例え
ば、トリス(10mM)またはリン酸水素二ナトリウム・7水和物(7mM)を
含有する))を、該凍結乾燥した粉末を含有するバイアルに加えた。沈降速度実
験を行ない、その結果は溶液が会合の観点で不均一であることを示した。言いか
えれば、単分散性6量体の会合組成物は存在しなった。従って、通常の方法では
単分散性6量体の会合組成物および製剤を得ることはできず、該結果は、アシル
化されたヒトインスリンアナログの単分散性6量体の会合体を得ることが不可能
であることを示した。驚くべきことに且つ予想しないことに、pHをシフトさせ
ることにより劇的に異なる結果が得られ、目的の単分散性6量体の会合体の組成
物および製剤を得ることを見出した。
【0077】 約7.9より大きいpHでは、アシル化されたモノマーヒトインスリンアナロ
グおよびアシル化されたヒトインスリンアナログの単分散性6量体の会合体を含
有する組成物および製剤の製造を達成することができることを発見した。本発明
の組成物および製剤にとって好ましいpHの範囲は、約7.9〜約8.3である
。より好ましいpHの範囲は約7.9〜約8.0である。別の好ましいpHの範
囲は、約7.9〜約8.4である。
【0078】 金属イオンおよびモノアシル化されたモノマーヒトインスリンアナログまたは
モノアシル化されたヒトインスリンアナログを含有する溶液は、該アナログを酸
性水溶液中に溶解し、次いでモノアシル化されたモノマーヒトインスリンアナロ
グの6モル当り、2〜2.5モルの金属を加えることによって調製する。別の好
ましい態様では、モノアシル化されたヒトインスリンアナログの6モル当り、2
.5〜3モルの金属イオンを加える。アナローグを溶解するのに使用する水溶液
のpHは、約2.0〜約3.0の範囲である。該アナローグを溶解するのに使用
する水溶液のpHは約2.5であることがより好ましい。
【0079】 金属イオン(+2の酸化状態の金属であることが好ましく、亜鉛またはコバル
トが好ましく、亜鉛が最も好ましい)を、様々な金属種の形態でモノアシル化さ
れたモノマーヒトインスリンアナログまたはモノアシル化されたヒトインスリン
アナログを溶解するのに加える。例えば、亜鉛は酸化亜鉛、硝酸亜鉛、リン酸亜
鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、フッ化亜鉛および硫酸亜鉛が
好ましい。当業者は本発明の製法において使用することができる多数の別の金属
塩が存在することを認めるであろう。しかしながら、金属種の特定の塩形態が特
に関連するわけではないが、しかしながら、使用する塩は医薬的に許容されるべ
きである。亜鉛は酸化亜鉛の形態で加えることが好ましい。金属の添加が完結す
ると、通常、塩基(例えば、水酸化ナトリウムが挙げられるが、これに限定しな
い)を加えることによって、得られた溶液のpHを約7.5に調節する。当業者
は、この開始溶液が、単分散性6量体の会合体であるモノアシル化されたモノマ
ーヒトインスリンアナログまたはモノアシル化されたヒトインスリンアナログの
生成後に有害な影響を与えない様々な他のpHを有し得ると認めるであろう。
【0080】 溶媒の除去は必要でないが、金属イオンおよびモノアシル化されたモノマーヒ
トインスリンアナログもしくはモノアシル化されたヒトインスリンアナログを含
有する溶液を凍結乾燥して粉末を得て、このものを適当な希釈溶液を用いて再構
成することが好ましい。用語「希釈溶液」とは、凍結乾燥した粉末を溶解するた
めにその凍結乾燥した粉末に加える溶液を言う。凍結乾燥した粉末を希釈剤を用
いて溶解する方法は、「再構成(reconstitution)」と呼ばれる
【0081】 希釈溶液は、様々な他の物質(例えば、等張化剤が挙げられるが、これらに限
定しない)が存在してもよいが、一般にはフェノール誘導体を含む。希釈溶液は
、フェノール誘導体、緩衝剤および等張化剤を含むことが好ましい。該希釈溶液
は、グリセリン、フェノール誘導体、および緩衝剤(このものは、トリス、リン
酸ナトリウム、グリシルグリシンおよびクエン酸塩から選ばれることが好ましい
)を含むことがより好ましい。該希釈溶液のpHはかなり広範囲に及ぶことが可
能である。塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは当業者に知
られる他の塩基)はpHを上方へ調節するのに使用することができ、また酸(例
えば、塩酸、臭化水素酸および当業者に知られる他の酸)はpHを下方に調節す
るのに加えることができるので、希釈溶液のpHは最終的な組成物または製剤の
pHと等しい必要はない。
【0082】 凍結乾燥した粉末を希釈剤を用いて再構成した後、溶液のpHを塩基または酸
(上記の通り)を加えて調節することによって、pHを約7.9より大きくする
。溶液のpHが既にモノアシル化されたモノマーヒトインスリンアナログまたは
モノアシル化されたヒトインスリンアナログの単分散性6量体の会合体を含有す
る組成物および製剤を製造するのに十分な範囲にあるならば、最終的なpHの調
節は必要ないであろう。
【0083】 本発明の組成物および製剤を別経路によって製造することが可能であることは
当業者にとって認められるであろう。例えば、酸性の水溶液に金属イオンを加え
、続いてモノアシル化されたモノマーヒトインスリンアナログまたはモノアシル
化されたヒトインスリンアナログの誘導体を加えて溶解することができる。次い
で、フェノール誘導体を該試料に加え、次いでpHを調節して約7.9より大き
い最終値を得る。その上、様々な成分の濃度を変え、且つ本発明の組成物および
製剤に更なる物質を加えることができることを当業者は認めるであろう。
【0084】 本発明の組成物および医薬製剤は、単分散性6量体の会合状態であるアシル化
されたモノマーヒトインスリンアナログまたはアシル化されたヒトインスリンア
ナログを含む。該アシル化されたモノマーヒトインスリンアナログは、配列番号
2の配列を有するポリペプチドに適当に架橋させた配列番号1の配列を有するポ
リペプチドを含む。他のアシル化されたヒトインスリンアナログ(例えば、アシ
ル化されたデス(B30)ヒトインスリン)は特に有用であり、本発明の医薬製
剤の製造において使用される。
【0085】 本発明の組成物および医薬製剤は、更にフェノール誘導体および金属イオンを
含み、そしてpHは約7.9より大きい。該組成物および製剤のpHは約7.9
〜約8.3の範囲であることが好ましいが、該pHは約7.9〜約8.0の範囲
であることが最も好ましい。加えて、pH値が約8.4である製剤がアシル化さ
れたモノマーヒトインスリンアナログおよびアシル化されたヒトインスリンアナ
ログの単分散性6量体の会合体を製造するのに有用であることも見出した。従っ
て、約7.9より大きく、約8.4以下の範囲のpHも好ましい。組成物および
医薬製剤の金属イオンは+2の酸化状態が好ましく、コバルトまたは亜鉛が好ま
しい。該金属イオンは+2の酸化状態の亜鉛が最も好ましい。
【0086】 上記の通り、本発明の組成物および医薬製剤は他の成分(例えば緩衝剤、他の
塩および炭水化物などの等張化剤を含むが、これらに限定されない)を含んでも
よい。好ましいモノアシル化されたモノマーヒトインスリンアナログおよびモノ
アシル化されたヒトインスリンアナログは、B28−Nε−パルミトイル−Ly
B28ProB29、B28−Nε−ミリストイル−LysB28ProB2 、B28−Nε−ヘキサノイル−LysB28ProB29、B28−Nε
オクタノイル−LysB28ProB29、B29−Nε−パルミトイル−As
B28ヒトインスリン、B29−Nε−ミリストイル−AspB28ヒトイン
スリン、B29−Nε−ヘキサノイル−AspB28ヒトインスリン、B29−
ε−オクタノイル−AspB28ヒトインスリン、B29−Nε−ミリストイ
ル−デス(B30)ヒトインスリン、B29−Nε−パルミトイル−デス(B3
0)ヒトインスリン、B29−Nε−オクタノイル−デス(B30)ヒトインス
リンおよびB29−Nε−ヘキサノイル−デス(B30)ヒトインスリンを含む
【0087】 本発明の医薬製剤は液体状態であることが好ましい。それらは有機溶媒(例え
ばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、i−プ
ロパノール、および他の同様な1級および2級のアルコール)を本質的に、また
は実質的に有しない水溶液であることがより好ましい。従って、好ましい製剤は
これらのアルコールを2パーセントより少なく含むことがより好ましく、または
1%よりも少なく含むことがより好ましい。該製剤は、濁りを生じたり、または
モノアシル化ヒトインスリンアナログもしくはモノアシル化されたモノマーヒト
インスリンアナログの沈殿物を生成し得るような他の溶媒を実質的に完全に含有
しないことが好ましい。本発明の製剤は沈降した物質がないことが好ましく、あ
るいは沈降したモノアシル化されたヒトインスインアナログもしくはモノアシル
化されたモノマーヒトインスリンアナログがないことがより好ましい。従って、
より好ましい組成物または製剤は、溶液から沈降したモノアシル化されたヒトイ
ンスリンアナログまたはモノアシル化されたモノマーヒトインスリンアナログを
2%より少なく有するものであり、1%より少ないことがより好ましく、最も好
ましい組成物および製剤は溶液中に全てのタンパク質を有する。したがって、本
発明に記載の好ましい組成物および製剤はアシル化されたインスリンアナログの
沈降物を生じるであろういずれの物質もない。好ましい組成物および製剤は透明
の溶液であり、外見上は濁っていないことが最も好ましい。いくつかの有機溶媒
(例えば、上記に列挙した1級および2級アルコール)を添加することにより、
濁った溶液が生じ得る。
【0088】 本発明の組成物および製剤は別の成分を含有し得ると当業者は認めるであろう
。例えば、多数の塩(例えば、塩化ナトリウムまたは塩化カリウム)を有害な影
響を与えずに、該組成物および製剤に加えることができる。上記の通り、本発明
の医薬組成物中に150mMより少ない濃度で存在する場合には、塩化ナトリウ
ムを等張化剤として使用することができる。
【0089】 以下の実施例および製造例は、本発明のアシル化されたモノマーヒトインスリ
ンアナログまたはアシル化されたヒトインスリンアナログの単分散性6量体の会
合体の組成物および製剤の製造法について更に例示する目的で単に提供するのみ
である。本発明の範囲は、単に以下の例からなるものと解釈すべきものではない
【0090】製造例および分析例 実施例1 凍結乾燥したZn/B28−Nε−ミリストイル−LysB28ProB29
ンスリンアナログの試料バイアルの調製 B28−Nε−ミリストイル−LysB28ProB29の凍結乾燥試料は、
B28−Nε−ミリストイル−LysB28ProB29をpHが約2.5の減
菌した水に溶解することによって調製し、約3.6mg/mLの濃度を得た。次
いで、モノアシル化されたモノマーインスリンアナログの6モル当り、約2〜約
2.5モルの範囲の量の酸化亜鉛を該溶解したアシル化されたモノマーインスリ
ンアナログに加えた。混合した後、水酸化ナトリウムを加えることによって、溶
液のpHを7.5に調節した。次いで、一部(2.0mL)をバイアルに注入し
、将来の使用のために凍結乾燥した。
【0091】実施例2 異なるpHのトリス緩衝剤を有する、B28−Nε−ミリストイル−LysB2 ProB29インスリンアナログ製剤の製造 B28−Nε−ミリストイル−LysB28ProB29(6.8mg)およ
びモノアシル化されたモノマーヒトインスリンアナログの6モル当り2モルのZ
2+の凍結乾燥した粉末を含有するバイアルに、トリスの希釈水溶液(10m
M、1.9mL、これは5mg/mLのフェノールおよび16mg/mLのグリ
セリンを含有する)を加えた。再構成した後、pHを調べて7.58と決定した
。次いで、塩酸を加えることによって、pHを7.52に下方調節した。その再
構成した物質の少量(0.5mL)を保存し、残りの溶液を第2のバイアルに入
れ、水酸化ナトリウムを加えてpHを7.96とした。
【0092】実施例3 リン酸緩衝剤を有するpHが7.5のB28−Nε−ミリストイル−LysB2 ProB29インスリンアナログ製剤の製造 B28−Nε−ミリストイル−LysB28ProB29(6.8mg)およ
びモノアシル化されたモノマーヒトインスリンアナログの6モル当り2モルのZ
2+の凍結乾燥した粉末を含有するバイアルに、5mg/mLのフェノールお
よび16mg/mLのグリセリンを含有するリン酸水素二ナトリウム・7水和物
の希釈水溶液(7mM、1.9mL)を加えた。再構成した後、混合物のpHを
調べて、7.5と決定した。
【0093】実施例4 リン酸緩衝剤を有するpHが7.95のB28−Nε−ミリストイル−Lys B28 ProB29インスリンアナログ製剤の製造 B28−Nε−ミリストイル−LysB28ProB29(6.8mg)およ
びモノアシル化されたモノマーヒトインスリンアナログの6モル当り2モルのZ
2+の凍結乾燥した粉末を含有するバイアルに、5mg/mLのフェノールお
よび16mg/mLのグリセリンを含有するリン酸水素二ナトリウム・7水和物
の希釈溶液(7mM、1.9mL)を加えた。再構成した後、混合物のpHを調
べて、7.85と決定した。水酸化ナトリウムを加えて、溶液のpHを7.95
とした。
【0094】B28−Nε−ミリストイル−LysB28ProB29についての沈降速度実 沈降速度実験はベックマンXLI分析用超遠心分離機を用いて行なった。。試
料および希釈液(約0.42mL)をサファイアのウィンドウ(sapphire windo
w)を備えた12mmのカラムセルにロードした。同量の試料および希釈液は、
標準の側面および試料の側面の両方のメニスカスがマッチすることを保証する。
その試料を、22℃で50,000rpmの回転速度で沈降させた。試料が沈降
するにつれて、ラジアル濃度勾配を形成した。界面の動きの速度を干渉顕微鏡に
よって追跡した。ラジアルスキャンのデータの組を1分間隔で収集した。界面全
体についてアプローチすることによって速度データについて分析し、g(s
対sのプロフィール(ここで、sは沈降係数であり、g(s)は分布関数
である)を得た。[Stafford,III,W.F.によるAnalyti
cal Biochemistry,203,295−301(1992)を参
照]。g(s)プロフィールは、分析する溶液中に存在する異なった種の水力
学的なサイズの分布を示す。理想的な単分散性系の場合は、g(s)分布は非
常によい近似でガウス分布である。従って、巨大分子の拡散係数は以下の式によ
るg(s)プロフィールの標準偏差に関連する。
【化3】 D=(σRωt)/2t ここで、Dは拡散係数(単位はcm/秒)である。 σはガウス分布に適合させることによって決定したg(s)プロフィールの
標準偏差(ピーク幅)である。 Rはメニスカスの半径(単位はcm)である。 ωは回転速度(単位はラジアン/秒)である。 tはデータを分析するのに使用する全てのスキャンの調和平均時間(単位は秒
)である。
【0095】 拡散係数を算出した後、種の分子量を以下のスベドベリ式を用いて算出した。
【化4】 ここで、sは沈降係数(ピーク位)(単位は秒)である。 Dは算出した拡散係数(単位はcm/秒)である。 Mは分子量(単位はg/モル)である。
【化5】 は、モノアシル化されたモノマーヒトインスリンアナログまたはモノアシル
化されたヒトインスリンアナログの部分比容(単位はmL/g)である(本発明
の分析の場合には、0.73mL/g)。 ρは溶媒の密度(単位はg/mL)である。(本発明の分析の場合には、密度
=1g/mLである)。 Rは気体定数(8.31×10erg/モル/K(ケルビン))である。そ
して、 Tは絶対温度(単位はケルビン)である。
【0096】 図1は、アシル化されたモノマーヒトインスリンアナログの6モル当り2モル
のZn2+、グリセリンおよびフェノールを含有するB28−Nε−ミリストイ
ル−LysB28ProB29製剤についてのベックマンXLI分析用超遠心分
離機で得られた沈降係数分布図である。該製剤をpH7.95でリン酸水素二ナ
トリウムを用いて緩衝化し(△);pH7.96でトリスを用いて緩衝化し(□
);pH7.5でリン酸水素二ナトリウムを用いて緩衝化し(◇);そしてpH
7.52でトリスを用いて緩衝化した(マーカーなし)。該図は、アシル化され
たヒトインスリンアナログの会合特性に及ぼすpHの効果を示す。pHが約7.
5の場合では、沈降速度分布は不均一な製剤を示す。直接的に対比すると、pH
が約7.9〜8.0の間では、沈降速度分布は、モノアシル化されたモノマーヒ
トインスリンアナログの単分散性6量体の会合体を示す。該図はまた、2つの異
なる緩衝系における単分散性6量体の会合状態にあるアシル化されたモノマーヒ
トインスリンアナログを含有する製剤の生成を示す。単分散性6量体の会合体製
剤についての沈降速度分布から算出した分子量を表2に示し、これは単分散性6
量体の会合体を示唆する。B28−Nε−ミリストイル−LysB28Pro 29 ヒトインスリンアナログの分子量は、6,018g/モルであり、B28−
ε−ミリストイル−LysB28ProB29ヒトインスリンアナログの6量
体の理論的な分子量は、36,108g/モルである。表2に示す算出した分子
量は、6量体の会合体と一致する。 表2 B28−Nε−ミリストイル−LysB28ProB29の単分散性6量
体の会合体製剤についての沈降速度実験から得られるデータ
【表3】
【0097】 上記の沈降速度係数実験から収集したデータをソフトウェアDCDTプラスバ
ージョン1.05(Alliance Protein Laboratori
es (Camarillo,CA)から商業的に入手可能)を用いても分析し
た。値を上記の通り手計算によって算出することができるが、ソフトウェアのア
ルゴリズムによって、より効率良く値を得ることができる。該アルゴリズムは沈
降係数分布関数を算出し、これに適合させて、濃度、沈降係数および拡散係数ま
たは分子量を得る。この分析法は典型的に拡散係数を過小評価するので、その結
果、分子量は数パーセントだけ過大評価される。DCDTプラスバージョン1.
05ソフトウェアを用いてB28−Nε−ミリストイル−LysB29ProB 29 ヒトインスリンアナログの場合の値を算出し、その値を上記の方法によって
得られた値と比較した。pHが7.5の場合には、g(s)分布関数は、大き
な沈降係数を有する不均一な凝集現象を示した。一方で、pHが8.0の場合に
は、沈降係数が3.3スベドベリであり、分散係数が8.8フィックであるか、
または分子量が34,400g/モルであるモデルを得て、このものはデータの
96%以上を示すことが分かった。同一の溶媒密度(1.0g/mL)および溶
質の部分比容(0.73g/mL)を用いて、分子量を算出した。その結果は、
上記の式を用いて手で算出した値と一致する。従って、DCDTプラスバージョ
ン1.05ソフトウェアは、他の実施例の溶液についてのデータを分析するのに
使用した。
【0098】 各実験におけるアシル化されたモノマーインスリンアナログまたはアシル化さ
れたインスリンアナログの会合状態を決定するのに使用する標準的な方法は、以
下の工程によって記載される。第1に、上記の沈降速度実験からのデータを用い
て、沈降分布関数を算出する。次いで、該沈降分布関数を1つのガウス関数に適
合させた。残りのプロットの検査(inspetion)によって決定される通り、1つ
のガウス関数がデータと十分に適合する場合には、次いで会合状態を測定した。
良く適合する場合には、該理論値の分子量は約32,000g/モル〜約40,
000g/モルであると算出され、このことは6量体が存在することを示す。該
データを1つのガウス関数に十分に適合させるには、試料は実質的に均一でなけ
ればいけない。上記の通り、単分散性6量体の会合体は沈降係数分布プロフィー
ルにおいて1本のはっきりした分布を示し、これはアシル化されたモノマーヒト
インスリンアナログまたはアシル化されたインスロンアナログの少なくとも約8
4%が単分散性6量体の会合状態であることを示している。
【0099】 1つのガウス関数を用いて得られる適合が、残りのプロットによって判断して
、良くない場合には、次いでそのデータを少なくとも2つの異なる種が溶液中に
存在すると仮定する2つのガウス関数を用いて適合させた。異なる種からの相対
的な寄与は濃度比によって示され、これは曲線下の各々の面積によって算出され
る。データが2つのガウス関数を用いて十分に適合しない場合には、系の不均一
性のレベルは溶液中に優位な種がないレベルであると決定した。1つのガウス関
数がデータに適合するが、分布が非常に広い場合には、このことは系中の別の不
均一性を示す。次いで、曲線下の面積を6量体の母集団を与える仮説的なガウス
分布と比較する。その2つの比は、存在し得る6量体のパーセンテージを示して
いる。
【0100】静的光散乱実験 B28−Nε−ミリストイル−LysB28ProB29の会合状態を静的光
散乱実験を用いて分析して、6量体の生成を確認した。B28−Nε−ミリスト
イル−LysB28ProB29製剤は、上に記載の通り製造した凍結乾燥した
バイアルを、希釈溶液(これは、7mMのリン酸水素二ナトリウム、16mg/
mLのグリセリンおよび5mg/mLのフェノールを含有する)を用いて再構成
し、次いで塩酸または水酸化ナトリウムを加えることによって、実験のための目
的レベルにまでpHを調節することによって、濃度が3.6mg/mLで製造し
た。最後に、製造した溶液を0.22ミクロンMillex−GV低タンパク質
結合フィルターを通してろ過して、実験のための試料を得た。
【0101】 静的光散乱測定は、Brookhaven装置9000ATオートコリレータ
ーおよびゴニオメーターを用いて行った。全ての実験は散乱角が6の1mmピン
ホールを用いて行い、488nmでLexelモデル3500アルゴンイオンレ
ーザーを用いて4回繰り返した。実験の間、HaakeF3温度浴を用いて温度
を25℃に保ち、散乱信号をレイリー比(Rθ)が公知の値である、0.2ミク
ロンでろ過したトルエンを用いて90°で較正した。次いで、重量平均分子量を
、当業者にとって公知の標準式を用いて算出した[カントル(Cantor),
C.R.およびシメル(Shimmel),P.R.によるBIOPHYSIC
ALCHEMISTRY,W.H.Freeman and Company,
New York,838−843(1980)を参照]。該分析において、0
.183mL/gの値(これは当業者にとって公知の数字である)は、タンパク
質の濃度の変化当りの屈折率の変化を反映するのに使用する。加えて、1.33
3の値を水の屈折率として使用する。重量平均分子量(Mw)を多数のpHレベ
ルで算出し、表3に示す。pHが8.0および8.3でのこれらの研究から得ら
れる重量平均分子量は、6量体の会合体の生成を予想した値と一致する。 表3 様々なpHレベルでのB28−Nε−ミリストイル−LysB28Pro B29 溶液についての静的光散乱実験から算出した分子量
【表4】
【0102】実施例5 リン酸緩衝剤を有するpHが7.5および8.0のB28−Nε−オクタノイル
−AspB28ヒトインスリンアナログ製剤の製造 減菌した水(80mL)を含有するバイアルに、合成グリセリン(3.2mg
)および液化したフェノール(1.13g)およびリン酸水素二ナトリウム(3
65mg)を加えた。溶解後、減菌した水を加えて混合物の最終重量を100g
とした。溶液のpHを測定すると、8.0であることが分かった。
【0103】 B29−Nε−N−オクタノイル−AspB28−ヒトインスリンアナログ(
4mg)を含有する2番目のバイアルに、0.1N塩酸(0.5mL)を加えた
。タンパク質を溶解した後、ZnOストック溶液(1mg/mL、17.3μL
)を加えた。最後に、1番目のバイアルからの溶液(0.5mL)を加えて、p
Hを1N水酸化ナトリウムを用いて調節して、最終的な値を7.5とした。
【0104】 3番目のバイアルに、pHを7.5に調節した2番目のバイアルの溶液(0.
5mL)を加えた。次いで、pHを1N水酸化ナトリウムを加えることによって
、最終的な値を8.0とした。
【0105】 2番目のバイアル中のpHが7.5の溶液(約0.45mL)の試料を遠心分
離機のセルに加えて、ベックマンXLI超遠心分離機を用いて遠心分離(60,
000rpmで22℃)を作動させた。その実験を3番目のバイアル中のpHが
8.0の溶液(約0.45mL)を用いて繰り返した。データを、DCDTプラ
スベージョン1.05によって上記の通り分析した。1つのガウス分布はデータ
と十分に適合せず、このことは系が完全に1つの均一な母集団の種からなるもの
ではないことを示す。従って、1つのガウス分布を用いるその適合結果は、系中
のある程度の不均一性を示唆している。データを2つのガウス分布関数を用いて
適合させた。pHが7.5である溶液については、沈降係数が3.0スベドベリ
であり、分子量が27,700g/モルであるモデルが、データの92%以上を
十分に示していることが分かった。算出された低分子量は、pHが7.5の溶液
中では6量体が優位な種ではないことを示す。pHが8.0の溶液については、
沈降係数が3.0スベドベリであり、分子量が33,200g/モルであるモデ
ルがデータの85%を適当に表現しており、このことは溶液中で6量体が優位な
種であることを示していることが分かった。残りの15%は6量体よりも小さい
種に相当する。従って、pHを7.5〜8.0にシフトすることによって、溶液
状態を実質的に6量体の会合状態に変換すること(すなわち少なくとも85%の
6量体であること)が可能である。
【0106】実施例6 リン酸緩衝剤を有するpHが7.4および8.0のB28−Nε−オクタノイル
−LysB28ProB29ヒトインスリンアナログ製剤の製造 減菌した水(約80mL)を含有するバイアルに、合成グリセリン(3.2g
)、液化フェノール(1.03g)およびリン酸水素二ナトリウム(約365m
g)を加えた。溶解後、減菌した水を加えて、混合物の最終的な重量を100g
とした。溶液のpHを測定して、8.0であることが分かった。
【0107】 2番目のバイアルに、B28−Nε−オクタノイル−LysB28ProB2 ヒトインスリンアナログ(8.3mg)および0.01N塩酸(1mL)を加
えた。次いで、酸化亜鉛ストック溶液(1mg/mL、35μL)を2番目のバ
イアルに加えた。次に、1番目のバイアルからの溶液(1mL)を2番目のバイ
アルに加えて、pHを測定すると約4.4であった。次いで、pHを1N水酸化
ナトリウムを用いて調節して、最終的な値を7.4とした。pHが7.4の溶液
(1mL)を3番目のバイアルにピペットとして、pHを1N水酸化ナトリウム
を加えて調節して最終的な値を8.0とした。
【0108】 2番目のバイアル中のpHが7.4の溶液(約0.45mL)試料を遠心分離
機のセルに加えて、ベックマンXLI分析用遠心分離機を用いて60,000r
pm、22℃で作動させた。該実験は、3番目のバイアル中でpHが8.0の溶
液(約0,45mL)を用いて繰り返した。該データを、上記の通り、DCDT
プラスバージョン1.05によって分析した。pHが7.4の溶液については、
残りのプロットによって判断される通り、1種または2種のモデルのどちらも該
データに十分に適合せず、信頼性のある分子量測定値を全く得ることができず、
このことは系中の有意な量の不均一性を示す。
【0109】 一方で、pHが8.0の溶液からのデータと適合させようとする試みにより、
適合パラメーターが2.9スベドベリ単位であり、そして分子量が35,300
g/モルである適合を得た。pHが8.0の溶液についてのデータの適合は、更
に精密化して沈降係数が3.0スベドベリであり、分子量が40,800g/モ
ルであるモデルを得ることができた。このことは94%以上のデータが溶液中で
6量体種が優位な種であることを示していることが分かった。pH7.4である
場合にも少量の6量体が存在し得るが、該研究はこのものがこのpHで優位な種
ではないことを示している。しかしながら、pHが8.0の場合では、溶液状態
は実質的に6量体の会合状態からなる。
【0110】実施例7 リン酸緩衝液を有するpHが7.4,7.97および8.4のB29−Nε−ミ
リストイル−デス(B30)ヒトインスリン製剤の製造 減菌した水(約80mL)を含有する1番目のバイアルに、合成グリセリン(
約3.5mg)および液化フェノール(1.13g)およびリン酸水素二ナトリ
ウム(377mg)を加えた。溶解後、減菌した水を加えてその混合物について
100gの最終的な重量を得た。溶液のpHを測定し、8.0であることが分か
った。
【0111】 B29−Nε−ミリストイル−デス(B30)ヒトインスリン(4.2mg)
を含有する2番目のバイアルに、0.1N塩酸(0.5ml)を加えた。B29
−Nε−ミリストイル−デス(B30)ヒトインスリン中のアシル化されたタン
パク質の含有量は約80重量%であり、66重量%のタンパク質が正確な位置で
アシル化されていた。タンパク質を溶解した後、ZnOストック溶液(1mg/
mL、17.3μL)を加えた。最後に、1番目のバイアルからの溶液(0.5
mL)を加え、pHを1N水酸化ナトリウムを用いて調節して最終的な値を7.
5とした。
【0112】 3番目のバイアルに、pHを7.5に調節した2番目のバイアルからの溶液(
約0.5mL)を加えた。次いで、pHを1N水酸化ナトリウムを加えることに
よって調節して最終的な値を約8.4とした。
【0113】 B29−Nε−ミリストイル−デス(B30)ヒトインスリン(1.8mg)
を1N塩酸(0.25mL)に溶解した。酸化亜鉛(1mg/mL、9μL)ス
トク溶液を該インスリン溶液に加えて、次いで希釈液(これは、14mMのリン
酸水素二ナトリウム、32mg/mLのグリセリンおよび10mg/mLのフェ
ノールを含む)(0.25mL)を加えた。次いで、pHを2N水酸化ナトリウ
ムを用いて調節して7.97の値とした。
【0114】 2番目のバイアル中のpHが7.5の溶液(約0.45mL)の試料を遠心分
離機のセルに加えて、ベックマンXLI分析用遠心分離機を用いて60,000
rpm、22℃で作動させた。該実験は、3番目のバイアル中でpHが8.4の
溶液(約0.45mL)を用いて繰り返した。該実験は、pHが7.97の溶液
(約0.45mL)を用いても繰り返した。g(s*)分布関数は、3つの異な
るpHで非常に異なる。ピークの位置は、pHがより低いとより高い値にシフト
する。加えて、分布関数はより低いpHでは非常にブロードとなり、このことは
系の不均一性の増大を示している。該データを1つのガウス分布関数に適合させ
ることにより、許容できる結果が得られ、このことは沈降分布が1つのガウス分
布を用いて十分に示されていると考えられる。該適合させたパラメーターについ
ては、以下の表および図2に示す。それらはピークが狭く、pHが7.5から増
加すると、より低い値にシフトすることを例示する。 表4 様々なpHでのB29−Nε−ミリストイル−デス(B30)ヒトインス
リン溶液についての沈降速度実験から得られたデータ
【表5】
【0115】 pHが7.5の場合のデータは、系中の均一性のまたは中間体の存在を示す。
沈降係数が約5.7スべドベリである分子が、拡散係数が22.6フィックであ
るような移動度を有することは非常にありそうもない。より高いpHにシフトす
ることにより、系の不均一性は上述のように顕著に減少する。pHを約8.0に
シフトすることによって、アシル化されたインスリンアナログの大部分(92%
以上と見積もられる)は、観察された沈降プロフィールの面積を理想の仮説の6
量体の母群分布を示す曲線と比較することによって決定して、6量体の会合状態
であった。pHを8.4にシフトすることによって、適合結果は、より多くのア
シル化されたインスリンが6量体の会合状態であり、不均一性が有意に減少する
ことを示した。
【0116】 本発明は、その精神またはその特定の特性を逸脱することなく、他のある形で
使用することができる。上記の実施態様は全ての面において単に例示するもので
あり、限定するものではないと解釈すべきである。従って、本発明の範囲は、上
記の記載によるよりもむしろ特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲
の均等物の意味およびその範囲は、本範囲内にあると許容される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、B28−Nε−ミリストイル−LysB28ProB2 ヒトインスリンアナログ製剤(このものは、亜鉛およびフェノールを含有する
)についてのベックマンXLI分析用超遠心分離機で得られた沈降係数分布プロ
フィールであって、該製剤をpH7.95で7mMのリン酸水素二ナトリウムで
緩衝化した場合(△);pH7.96で10mMのトリスで緩衝化した場合(□
);pH7.5で7mMのリン酸水素二ナトリウムで緩衝化した場合(◇);お
よびpH7.52で10mMのトリスで緩衝化した場合(マーカーなし)である
。該図は、アシル化されたヒトインスリンアナログの会合特性に及ぼすpHの影
響を示す。該図は2つの異なる緩衝剤の系中で、アシル化されたイトインスリン
アナログを含有する製剤が単分散性6量体の会合状態を形成することをも示す。
【図2】 図2は、B29−Nε−ミリストイル−デス(B30)ヒトイン
スリンアナログ製剤(このものは、亜鉛およびフェノールを含有する)について
のベックマンXLI分析用超遠心分離機で得られた沈降係数分布プロフィールで
あって、該製剤をリン酸水素二ナトリウムでpH7.5で緩衝化した場合(△)
;pH7.97で緩衝化した場合(□);およびpH8.4で緩衝化した場合(
◇)である。該図は、アシル化されたヒトインスリンアナログの会合特性に及ぼ
すpHの影響を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/26 A61K 47/42 47/42 A61P 3/10 A61P 3/10 A61K 37/26 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GM,HR,HU,ID,IL, IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,L C,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 シュン・リ アメリカ合衆国46268インディアナ州イン ディアナポリス、バンカスター・ドライブ 7620番 (72)発明者 エリック・アラン・ワッツ アメリカ合衆国46217インディアナ州イン ディアナポリス、ロックウッド・レイン 7332−エイ番 Fターム(参考) 4C076 AA12 BB11 CC21 DD23D DD26Z DD37 DD38D DD39 DD41 DD43Z DD50Z DD67D EE30D EE38D EE41Z FF14 FF61 4C084 AA02 AA03 BA01 BA18 BA19 BA23 CA18 CA59 DB34 MA05 MA17 MA66 NA14 ZC352

Claims (59)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 pHが約7.9より大きい水溶液を含有する医薬製剤であっ
    て、該水溶液は (a)等張化剤、 (b)フェノール誘導体、 (c)1つ以上の亜鉛イオン、および (d)モノアシル化されたヒトインスリンアナログまたは該モノアシル化された
    ヒトインスリンアナログの医薬的に許容し得る塩を含有し、該モノアシル化され
    たヒトインスリンアナログまたは該モノアシル化されたヒトインスリンアナログ
    の医薬的に許容し得る塩は配列番号2のポリペプチドに適当に架橋させた配列番
    号1のポリペプチドを含有し、それらの配列において 配列番号1の21位のXaaはAsn、Asp、GlyおよびGlxからなる
    群から選ばれ、 配列番号2の3位のXaaは、Asn、AspおよびGlxからなる群から選
    ばれ、 配列番号2の28位のXaaは、Asp、Leu、Val、Alaおよびアシ
    ル化されたLysからなる群から選ばれ、 配列番号2の29位のXaaは、Proおよびアシル化されたLysからなる
    群から選ばれ、更に 28位または29位はアシル化されたLysであるが、 28位がアシル化されたLysである場合には、29位はアシル化されたLy
    sでなく、そして 29位がアシル化されたLysである場合には、28位はアシル化されたLy
    sでない医薬製剤。
  2. 【請求項2】 モノアシル化されたヒトインスリンアナログの6モル当り、
    2.5〜3モルの亜鉛イオンが存在する、請求項1に記載の医薬製剤。
  3. 【請求項3】 モノアシル化されたヒトインスリンアナログの6モル当り、
    2〜3モルの亜鉛イオンが存在する、請求項1に記載の医薬製剤。
  4. 【請求項4】 配列番号2の3位のXaaがAsnである、請求項1に記載
    の医薬製剤。
  5. 【請求項5】 配列番号1の21位のXaaがAsnであり、配列番号2の
    3位のXaaがAsnである、請求項1に記載の医薬製剤。
  6. 【請求項6】 モノアシル化されたヒトインスリンアナログは、アシル化さ
    れたLysB28ProB29ヒトインスリンである、請求項1に記載の医薬製
    剤。
  7. 【請求項7】 モノアシル化されたヒトインスリンアナログは、炭素数が6
    〜21のアシル基を含むモノアシル化されたヒトインスリンアナログである、請
    求項1に記載の医薬製剤。
  8. 【請求項8】 アシル基はミリストイル基およびパルミトイル基からなる群
    から選ばれる、請求項7に記載の医薬製剤。
  9. 【請求項9】 モノアシル化されたインスリンアナログは、B28−Nε
    パルミトイル−LysB28ProB29インスリンおよびB28−Nε−ミリ
    ストイル−LysB28ProB29インスリンからなる群から選ばれる、請求
    項1に記載の医薬製剤。
  10. 【請求項10】 モノアシル化されたヒトインスリンアナログは、アシル化
    されたAspB28インスリンである、請求項1に記載の医薬製剤。
  11. 【請求項11】 モノアシル化されたヒトインスリンアナログは、B29−
    ε−パルミトイル−AspB28ヒトインスリンおよびB29−Nε−ミリス
    トイル−AspB28ヒトインスリンからなる群から選ばれる、請求項10に記
    載の医薬製剤。
  12. 【請求項12】 製剤のpHは7.95、7.96、8.0および8.3か
    らなる群から選ばれる、請求項1の記載の医薬製剤。
  13. 【請求項13】 製剤のpHは約8.0である、請求項1に記載の医薬製剤
  14. 【請求項14】 製剤はpHが約7.9よりも大きく、約8.3よりも小さ
    い、請求項1に記載の医薬製剤。
  15. 【請求項15】 水溶液のpHが約7.9よりも大きく、約8.0よりも小
    さい、請求項1に記載の医薬製剤。
  16. 【請求項16】 更に緩衝剤を含有する、請求項1に記載の医薬製剤。
  17. 【請求項17】 緩衝剤は、トリス(ヒドリキシメチル)アミノメタン、リン
    酸ナトリウム、グリシルグリシン、クエン酸塩およびそれらの組み合わせからな
    る群から選ばれる、請求項16に記載の医薬製剤。
  18. 【請求項18】 フェノール誘導体は、フェノール、m−クレゾール、o−
    クレゾール、p−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、フェニ
    ルエタノール、フェノキシエタノール、メチルパラベンおよびそれらの組み合わ
    せからなる群から選ばれる、請求項1に記載の医薬製剤。
  19. 【請求項19】 フェノール誘導体は、フェノール、m−クレゾールおよび
    それらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項18に記載の医薬製剤。
  20. 【請求項20】 等張化剤は、グリセリン、塩化ナトリウム、炭水化物およ
    びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項1に記載の医薬製剤。
  21. 【請求項21】 炭水化物は、スクロース、デキストロース、マンニトール
    、トレハロースおよびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項20
    に記載の医薬製剤。
  22. 【請求項22】 高血糖症を患っている患者の処置法であって、該患者に請
    求項1に記載の医薬製剤の有効な量を投与することを含む処置法。
  23. 【請求項23】 医薬製剤の製造法であって、該方法は、 (a)+2の酸化状態の金属をモノアシル化されたインスリンアナログもしく
    は該アナログの医薬的に許容し得る塩と接触させ、 (b)医薬製剤のpHを約7.9より大きくなるように調節し、 (c)フェノル誘導体および等張化剤を加えることを含む方法であって、 該アナログは、配列番号2のポリペプチドに適当に架橋させた配列番号1のポ
    リペプチドを含有し、それらの配列において 配列番号1の21位のXaaはAsn、Asp、GlyおよびGlxからなる
    群から選ばれ、 配列番号2の3位のXaaは、Asn、AspおよびGlxからなる群から選
    ばれ、 配列番号2の28位のXaaは、Asp、Leu、Val、Alaおよびアシ
    ル化されたLysからなる群から選ばれ、 配列番号2の29位のXaaは、Proおよびアシル化されたLysからなる
    群から選ばれ、 更に28位または29位はアシル化されたLysであるが、 28位がアシル化されたLysである場合には、29位はアシル化されたLy
    sでなく、そして 29位がアシル化されたLysである場合には、28位はアシル化されたLy
    sでない医薬製剤。
  24. 【請求項24】 配列番号1の21位のXaaはAsnである、請求項23
    に記載の方法。
  25. 【請求項25】 配列番号2の3位のXaaはAsnである、請求項23に
    記載の方法。
  26. 【請求項26】 配列番号1の21位のXaaはAsnであり、配列番号2
    の3位のXaaはAsnである、請求項23に記載の方法。
  27. 【請求項27】 金属は亜鉛である、請求項23に記載の方法。
  28. 【請求項28】 フェノール誘導体は、フェノール、m−クレゾール、o−
    クレゾール、p−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、フェニ
    ルエタノール、メチルパラベン、レゾルシノール、フェノキシエタノールおよび
    それらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項23に記載の方法。
  29. 【請求項29】 フェノール誘導体は、フェノール、m−クレゾールおよび
    それらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 製剤に緩衝剤を加えることを更に含む、請求項23に記載
    の方法。
  31. 【請求項31】 緩衝剤は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リン
    酸ナトリウム、グリシルグリシン、クエン酸塩およびそれらの組み合わせからな
    る群から選ばれる、請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 等張化剤は、グリセリン、塩化ナトリウム、炭水化物およ
    びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項23に記載の方法。
  33. 【請求項33】 炭水化物は、スクロース、デキストロース、マンニトール
    、トレハロースおよびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項32
    に記載の方法。
  34. 【請求項34】 工程(a)の金属/アナログ混合物を凍結乾燥することを
    更に含む、請求項23に記載の方法。
  35. 【請求項35】 pHを約7.9より大きくて約8.3より小さい値に調節
    する、請求項23に記載の方法。
  36. 【請求項36】 pHを約7.9より大きくて約8.0より小さい値に調節
    する、請求項23に記載の方法。
  37. 【請求項37】 pHが約7.9より大きい水溶液を含有する医薬製剤であ
    って、該製剤は (a)等張化剤、 (b)フェノール誘導体 (c)1つ以上の亜鉛イオンおよび (d)モノアシル化されたデス(B30)ヒトインスリンアナログまたは該モ
    ノアシル化されたデス(B30)ヒトインスリンアナログの医薬的に許容し得る
    塩を含有する水溶液 を含む、医薬製剤。
  38. 【請求項38】 モノアシル化されたヒトインスリンアナログの6モル当り
    、2.5〜3モルの亜鉛イオンが存在する、請求項37に記載の医薬製剤。
  39. 【請求項39】 モノアシル化されたヒトインスリンアナログの6モル当り
    、2〜3モルの亜鉛イオンが存在する、請求項37に記載の医薬製剤。
  40. 【請求項40】 水溶液のpHが約7.9〜約8.4である、請求項37に
    記載の医薬製剤。
  41. 【請求項41】 緩衝剤を更に含有する、請求項37に記載の医薬製剤。
  42. 【請求項42】 緩衝剤は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リン
    酸ナトリウム、グリシルグリシン、クエン酸塩およびそれらの組み合わせからな
    る群から選ばれる、請求項41に記載の医薬製剤。
  43. 【請求項43】 フェノール誘導体は、フェノール、m−クレゾール、o−
    クレゾール、p−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、フェニ
    ルエタノール、フェノキシエタノール、メチルパラベンおよびそれらの組み合わ
    せからなる群から選ばれる、請求項37に記載の医薬製剤。
  44. 【請求項44】 フェノール誘導体は、フェノール、m−クレゾールおよび
    それらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項43に記載の医薬製剤。
  45. 【請求項45】 等張化剤は、グリセリン、塩化ナトリウム、炭水化物およ
    びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項37に記載の医薬製剤。
  46. 【請求項46】 炭水化物は、スクロース、デキストロース、マンニトール
    およびトレハロースおよびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項
    45に記載の医薬製剤。
  47. 【請求項47】 モノアシル化されたデス(B30)ヒトインスリンアナロ
    グは炭素数が6〜21のアシル基を含む、請求項37に記載の医薬製剤。
  48. 【請求項48】 モノアシル化されたデス(B30)ヒトインスリンアナロ
    グは、B29−Nε−パルミトイル−デス(B30)ヒトインスリンおよびB2
    9−Nε−ミリストイル−デス(B30)ヒトインスリンからなる群から選ばれ
    る、請求項37に記載の医薬製剤。
  49. 【請求項49】 製剤のpHは7.97〜8.4からなる群から選ばれる、
    請求項37に記載の医薬製剤。
  50. 【請求項50】 高血糖症を患っている患者の処置法であって、該方法はそ
    の患者に請求項37に記載の医薬製剤の有効な量を投与することを含む処置法。
  51. 【請求項51】 医薬製剤の製造法であって、該方法は (a)+2の酸化状態の金属を、モノアシル化されたデス(B30)ヒトイン
    スリンアナログまたは該モノアシル化されたデス(B30)ヒトインスリンアナ
    ログの医薬的に許容し得る塩と接触させ、 (b)医薬製剤のpHを約7.9より大きく調節し、そして (c)フェノール誘導体および等張化剤を加える ことを含む製造法。
  52. 【請求項52】 金属は亜鉛である、請求項51に記載の方法。
  53. 【請求項53】 フェノール誘導体は、フェノール、m−クレゾール、o−
    クレゾール、p−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、フェニ
    ルエタノール、メチルパラベン、レゾルシノール、フェノキシエタノールおよび
    それらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項51に記載の方法。
  54. 【請求項54】 フェノール誘導体は、フェノール、m−クレゾールおよび
    それらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項53に記載の方法。
  55. 【請求項55】 製剤に緩衝剤を加えることを更に含む、請求項51に記載
    の方法。
  56. 【請求項56】 緩衝剤は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リン
    酸ナトリウム、グリシルグリシン、クエン酸塩およびそれらの組み合わせからな
    る群から選ばれる、請求項55に記載の方法。
  57. 【請求項57】 等張化剤は、グリセリン、塩化ナトリウム、炭水化物およ
    びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項51に記載の方法。
  58. 【請求項58】 炭水化物は、スクロース、デキストロース、マンニトール
    、トレハロースおよびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項57
    に記載の方法。
  59. 【請求項59】 pHを約7.9〜約8.4の値に調節する、請求項51に
    記載の方法。
JP2000594487A 1999-01-26 2000-01-26 単分散性6量体のアシル化されたインスリンアナログ製剤 Withdrawn JP2002535287A (ja)

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