JP2002534401A - Bpaプロセス廃液流からのフェノール類の回収 - Google Patents

Bpaプロセス廃液流からのフェノール類の回収

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Abstract

(57)【要約】 フェノールとケトンとの縮合反応の有用な副生物を、例えばフェノールとビスフェノールの1:1付加物を結晶化して得た母液から回収する方法が提供される。この母液は、フェノール、ビスフェノール、異性体、フェノールとケトンとの縮合反応の汚染性副生物及び酸不純物を含有する。母液を蒸留/蒸発して残ったタール残留物が、本発明の方法の供給材料となる。回収は、供給原料を触媒量の芳香族スルホン酸で接触分解し、ビスフェノールA有価物をフェノール及びアセトンとして取りだす工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明は、ビスフェノール類の合成方法に関し、さらに詳しくは、ビスフェノ
ール合成の流出液としての廃液流からのフェノール類の回収に関する。
【0002】
【発明の背景】
ビスフェノールは工業的には、酸触媒の存在下でフェノール2モルとケトン1
モルとの縮合反応により製造されている。フェノールは化学量論必要量よりもモ
ル過剰に存在する。縮合反応時、生成ビスフェノールの異性体が多数生成し、こ
れらが目的ビスフェノールの汚染物質となる。
【0003】 フェノール及びビスフェノールの副生汚染物質の中には、例えばビスフェノー
ルのo−,p−異性体、クロマンI及びクロマンIIがある。これら汚染物質は
、水、触媒に由来する痕跡量の酸性物質、未反応フェノール及び未反応ケトンと
共に、縮合反応域からの生成物流に同伴される。現在のプロセスでは、目的生成
物のビスフェノールの精製は、高コストで多段階の工程である。
【0004】 現在、ビスフェノールの合成には、二つの工業的に重要なプロセスが使用され
ている。初期のプロセスは、使用する酸性触媒である塩化水素(HCl)にちな
んで、「HCl」法と呼ばれる。簡単に説明すると、ガラス内張容器にフェノー
ル、ケトン及びこれ以前に合成した際のリサイクル副生物をバッチ/連続式に仕
込む。この混合物を、ビスフェノールの形成を促進(触媒作用)する塩化水素ガ
スの正圧下に継続して保つ。
【0005】 第2の工業的合成反応では、フェノール、ケトン及びリサイクル副生物を酸性
イオン交換樹脂(IER)触媒の固定床に通す。これは二つの方法、ケトンをほ
ぼ完全に消費する第1の方法か、「ケトンを部分的に転化」させる第2の方法の
いずれかで行うことができ、第2の方法が特に好ましい。この技術は米国特許第
5315042号(ここに先行技術として援用する)に開示されている。
【0006】 フェノールとアセトンを縮合させてビスフェノールA(本明細書ではBPAと
言うこともある)を得る上記工業的方法についてのさらに詳しい説明が、例えば
米国特許第4346247号、同第4396728号、同第4400555号、
同第4424283号、同第4584416号、同第4766254号及び同第
4847433号(すべてここに先行技術として援用する)に見られる。これら
既知の方法及びプロセスのすべてに共通する事項は、縮合反応に続く工程で生成
物ビスフェノールを精製し回収する必要があるということである。別の共通事項
が米国特許第4327229号(ここに先行技術として援用する)に開示されて
おり、これはビスフェノールA合成反応に伴う有用な生成物と副生物との回収に
関する。この米国特許第4327229号では、目的のビスフェノールAとの混
合状態で未反応フェノール、未反応アセトン、触媒の酸残分、水、タール及びビ
スフェノールAの副生異性体を含有する、製造反応流出液に関する問題が指摘さ
れている。
【0007】 上述したように、ビスフェノールを製造する工業的方法はすべて、蒸留、結晶
化、溶剤抽出、蒸発などの処置を含むコストのかかる多段階の精製工程をとって
いる。ビスフェノールを汚染物質から分離し、結晶化により精製する場合には、
(脱水後に)代表的には低沸点の反応副生物、ビスフェノール及び高沸点の反応
副生物を含有する母液が得られる。従来、この母液の一部は、製造プロセスに利
用するために縮合反応器にリサイクルされるが、目的のビスフェノールの品質を
保持し、プロセスラインに望ましくない副生物が増えるのを避けるために、少量
部分をプロセスラインから排出する。この排出した母液をさらに処理して溶剤、
フェノール、アセトン、ビスフェノール、水及び他の有用成分を抽出することが
できるが、最終的に残留タールが残り、これは通常、廃棄手段として燃焼させて
いる。しかし、前記米国特許第4327229号に記載されているように、「ビ
スフェノールAの製造プロセスから生じるタール及び液体から、相当な量のフェ
ノール及び再利用可能なビスフェノールA分を誘導できることが確認され、した
がって、ビスフェノールAプロセスの価値を高めるために、フェノールとアセト
ンの初期反応から生じるタールと残留物とを処理して、全ての有用な生成物を回
収する必要がある。」 本発明は、工業的ビスフェノールプロセスのタール残留物の利用を、この残留
物を供給原料として用いてフェノール類を回収することにより、改良するもので
ある。この方法は、タールを分解(クラッキング)してフェノール類を得る工程
を含む。本発明の好適な実施態様では、フェノール、アセトン及びリサイクル副
生物をイオン交換樹脂の固定床に通過させる、工業的な酸性イオン交換樹脂触媒
型のビスフェノールプロセスのタール残留物の利用を、残留物を供給原料として
用いてフェノール類を回収することにより、改良する。
【0008】 本発明以前に、アルミニウム化合物及びモレキュラーシーブ触媒の存在下での
熱分解により、上述のタール残留物からフェノール類を回収できることが知られ
ている。例えば、米国特許第4277628号(Carnahan)及び同第4
351966号(Flock)の記載を参照。しかし、これらの方法はフェノー
ルの回収量に対して比較的費用がかかる。本発明者らは、芳香族スルホン酸を用
いる触媒作用に基づいた、均一系接触分解プロセスを開発した。本発明の方法は
、高純度、低コストそして簡単な操作で、フェノールの定量的な回収を実現する
【0009】
【発明の概要】
本発明は、 フェノールとケトンとの縮合反応においてビスフェノールの分離後に得られる
母液を蒸留/蒸発することにより、縮合反応の高沸点副生物からなるタール状残
留物を得、 このタール状残留物を触媒量の芳香族スルホン酸で分解し、 次いで得られたフェノール類を分離する 工程を含むフェノール類の製造方法を提供する。
【0010】
【実施態様】
本発明の方法は、ビスフェノールAの製造プロセスから生じる流出液中の汚染
物質との混在物からビスフェノールA及び他の有用な残留物を回収する手段、具
体的にはビスフェノールAを元のフェノールとアセトンとに転化する改良した分
解工程を用いて、ビスフェノールA及び他の有用な残留物を回収する経済的な手
段を提供する。本発明の方法の好適な実施態様は、ビスフェノールAを製造する
酸性イオン交換樹脂触媒型プロセスから生じる流出液中の汚染物質との混在物か
らビスフェノールA及び他の有用な残留物を回収する手段、具体的にはフェノー
ルとアセトンとを反応させる反応工程へリサイクルするために、ビスフェノール
Aを元のフェノールとアセトンとに転化する改良した分解工程を用いて、ビスフ
ェノールA及び他の有用な残留物を回収する経済的な手段を提供する。
【0011】 工業的に重要なビスフェノールAの製造方法では、フェノール2モルとアセト
ン1モルとの縮合反応を、酸触媒の存在下かつ化学量論的に過剰なフェノール反
応物質の存在下で行う。例えば、上述の米国特許第4766254号及び同第4
847433号参照。
【0012】 通常、反応域からの流出液は連続的に抜き出され、目的生成物のビスフェノー
ルAを分離するシステムへ送られる。上述のように、この流出液は、目的のビス
フェノールAとの混合状態で未反応フェノール、未反応アセトン、触媒の酸残分
、水及び副生物ならびにビスフェノールAの異性体を含んでいる。対象となる異
性体は、ヒドロキシ基がp−配置以外である位置異性体である。流出液は最初に
冷却処理され、ビスフェノールAとフェノールとの結晶性1:1付加物を沈殿さ
せ、この固体付加物を分離する。この残存母液は通常、相当量の残留ビスフェノ
ールA及びその有用な異性体を含有する。本発明の方法の出発材料となるのはこ
の母液である。
【0013】 母液の少なくとも一部を約55〜95℃の温度で加熱処理し、関連する異性体
のビスフェノールAへの異性化を促進するか、又は上述した反応域にリサイクル
してプロセスラインで後続の縮合にまわすことができる。
【0014】 また、母液の一部をイオン交換樹脂で処理、ろ過、蒸留してフェノール及び溶
剤を除去することもできる。
【0015】 本発明の方法で用いる供給原料は、目的のビスフェノールを(通常、結晶化及
びろ過により)分離後、母液の一部から、これを蒸留/蒸発してケトン−フェノ
ール縮合の高沸点副生物からなるタール状残留物を残して得られる。
【0016】 本発明の1実施態様においては、母液をビスフェノールA合成ラインから系外
に取りだし、段階的(継続的)に高くなる減圧/温度条件で蒸留/蒸発し、母液
を4つの留分に分離する。第1蒸留塔は、比較的純粋なフェノール(例えば、純
度>97%)を含む塔頂留分を除去するのに適当な減圧及び昇温条件で操作する
。第1塔の塔底残液を第2蒸留塔に供給する。この第2塔は、より低い圧力、よ
り高温な条件で操作し、主にビスフェノールAの残留異性体及びクロマンからな
る着色した「軽い」留分を化学構造既知及び未知の他の副生物と一緒に除去する
。この軽い留分は、プラントから取りだし廃棄するか、又は本プロセスか他のプ
ロセスによりさらに回収にかけることができる。第2塔の残液を第3塔に供給す
る。この第3塔の塔頂留分は、用いた温度及び圧力条件によるが、典型的には純
度60〜90%のビスフェノールAを含む。第3塔の残液は「重質分」、すなわ
ちタールを含み、これを本プロセスから取りだし、本発明の供給原料として用い
る。
【0017】 別の実施態様では、母液を減圧蒸留塔で蒸留し、塔底物として取りだす。この
塔底物を、ビスフェノール反応器にリサイクルするが、流れの一部を取りだして
第2減圧蒸留塔(フェノール回収塔)に供給する。この第2蒸留塔の残液が、本
発明の方法を用いて重質物をほかならぬフェノール類に転化する転化セクション
へのタール状供給材料となる。こうして形成されたフェノールは、フェノール回
収塔にリサイクルすることにより回収する。
【0018】 一般的に記述すると、母液から取り出した流れを適切な蒸留ユニットで処理す
ると、蒸留の最終生成物の1つがタール状塔底流であり、この塔底流が本発明の
転化処理への供給原料となり、転化処理でタール状供給原料が芳香族スルホン酸
触媒で分解される。
【0019】 芳香族スルホン酸触媒は周知の一群の化合物で、その製造方法もよく知られて
いる。芳香族スルホン酸は、一般式RC64SO3H(式中のRはフェニル環の
どの位置にあってもよい)で表すことができる。好ましい一群の芳香族スルホン
酸は次の一般式で表すことができる。
【0020】
【化7】
【0021】 上式中、Rは炭素原子数1〜25のヒドロカルビル基を表す。
【0022】 本明細書で用いる用語「ヒドロカルビル」は元の炭化水素から水素原子1個を
脱離して得た一価の部分を意味する。ヒドロカルビルの具体例としては、炭素原
子数1〜25のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ウンデシル、デシル、ドデシル、
オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシ
ル、テトラコシル、ペンタコシル及びこれらの異性体、炭素原子数6〜25のア
リール基、例えばフェニル、トリル、キシリル、ナフチル、ビフェニル、テトラ
フェニルなど、炭素原子数7〜25のアラルキル基、例えばベンジル、フェネチ
ル、フェニルプロピル、フェニルブチル、フェニルへキシル、ナフトオクチルな
ど、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが
ある。
【0023】 上記式Iの化合物は、一般によく知られており、その製造方法もよく知られて
いる。化合物Iの代表的なものは、p−トルエンスルホン酸及びドデシルベンゼ
ンスルホン酸である。
【0024】 上記式Iの化合物は、上述したタール残留物の接触分解に触媒として触媒量で
用いる。触媒量は、通常タール残留物の約100〜10000ppm、好ましく
は1000〜5000ppmの範囲である。
【0025】 分解が効率よく起こる温度は、大気圧下で約100℃〜300℃であり、好ま
しくは140℃〜250℃、より好ましくは180〜200℃である。これらの
条件下で、高純度でかつ低残留触媒レベルもしくは検出できない触媒レベルでフ
ェノールが定量的に回収された。窒素ガス雰囲気のような不活性雰囲気下で加熱
を行うのが有利である。
【0026】 反応の進行は通常の分析方法により追跡できる。目的の反応が完了したら、生
成したフェノール類を、沈殿、蒸留、結晶化、ろ過などの通常の方法で分離する
ことができる。
【0027】 以下の実施例及び製造例は、本発明を実施し使用する方法と工程を具体的に示
し、この発明を実施する最良の態様を提示するが、本発明を限定するものではな
い。 製造例1 フェノール約83.3%、ビスフェノールA約9.8%、2−(4−ヒドロキ
シフェニル)2−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン(o−,p−ビスフェノ
ールA)約2.3%及び他の副生物約4.6%を含有するビスフェノールA製造
プロセスの副生物流を、スルホン化ポリスチレン樹脂(Rohm & Hass
Amberlyst 31)の床を有するジャケット付「異性化」反応器に7
4℃の温度で連続的に通す。次に、この反応流出液(フェノール82.5%、ビ
スフェノールA11.8%、2−(4−ヒドロキシフェニル)2−(2−ヒドロ
キシフェニル)プロパン1.6%及び他の副生物4.1%)の少なくとも一部を
、イオン交換樹脂であるRohm & Hass Amberlyst A−2
1弱塩基性アニオン交換樹脂を充填した容器に72℃の温度で通し、酸性種の濃
度を<2ppmに下げる。得られた流出溶液をフィルターに通して、2μmより
大きい粒子を除去する。
【0028】 次に、得られた溶液の少なくとも一部をフェノール蒸留塔に供給し、蒸留塔を
圧力30mmHg、温度218℃で操作する。これにより、フェノールを純度約
99%の無色な塔頂留分として除去する。フェノール約1%を含む塔底残液を第
2蒸留塔に連続的に供給し、第2蒸留塔を温度224℃、約1〜2mmHgで操
作する。この塔頂からの留分は、主にビスフェノールA異性体(主として、o−
,p−ビスフェノールA)、2,2,4−トリメチル−4(4−ヒドロキシフェ
ノール)、クロマン、ビスフェノールA及び他の副生物からなる。この留分は廃
棄する。塔底残液を第3蒸留塔に供給し、第3蒸留塔を温度260℃〜290℃
(500〜550°F)、圧力1〜2mmHgで操作する。この塔頂からの留分
は純度約80%以上のビスフェノールAからなり、ビスフェノールA製造プロセ
スに戻すことができる。最終塔の残液は、濃く着色したタール(ビスフェノール
A<30%、フェノールプロセスの重質副生物>70%)を含み、これが以下の
実施例の供給原料である。本発明の好適な実施態様においては、以下の実施例の
ように、分解に進む前に、このタールは約100〜200℃に保持する。 実施例1 上部攪拌装置、温度計、温度調節器、冷却器、ディーンスタークトラップ、窒
素流入口及び流出口を備えた250mlの三口フラスコに、p−トルエンスルホ
ン酸1000ppm及び上記製造例1のBPAタール60gを入れた。
【0029】 油浴を用いて、上述の装入材料を160℃に加熱した。窒素を流しながら、反
応温度を160℃に2時間保った。反応物質が溶融した後に、反応混合物の攪拌
を開始した。160℃で2時間反応させた後、反応混合物を110℃に放冷し、
水200mlを加えた。この段階で、窒素フローを止めた。
【0030】 この方法は、通常燃焼により処分されているプロセス流から、フェノール類及
び他の有用な材料を回収する、効率のよいコストの低い方法を提供する。以上、
プロセス流又は供給原料がビスフェノールAの工業的製造過程からの残留タール
である好適な実施態様に関して本発明の方法を説明したが、本発明の要旨は、フ
ェノールとケトンとの縮合反応プロセスから生じるタールからのビスフェノール
有価物の利用と回収に適用されることが、当業者に明らかである。したがって、
本発明の方法は、次式のビスフェノールの分解に用いることができる。
【0031】
【化8】
【0032】 上式中、R1、R2及びR3はアルキル基である。これらのビスフェノール(II
)は、一般に次の概略式にしたがうフェノールとケトンとの縮合により得られる
【0033】
【化9】
【0034】 上式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に前記定義の通りのヒドロカルビルを
表す。
【0035】 使用するタールは、ビスフェノール(II)の製造プロセスの結果生じるもの
が好ましい。式IIにおいて、R1及びR2はアルキル、アリール、アルカリール
、シクロアルキル、シクロアルキルアリール、ハロゲン置換アルキル又はアルコ
キシ基であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、炭素原子数1〜6のもの
が特に好ましい。R3は、水素、ハロゲン、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭
素原子数4〜6のシクロアルキル基、アリール基であるのが好ましく、水素、炭
素原子数1〜6のアルキル基又はハロゲンが特に好ましい。本発明の方法は、こ
れらのタールを分解して、出発反応物質であるフェノール及びケトンを回収する
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グラフ,ジョス・エイチ・エム オランダ、エヌエル−4671・ジーイー・デ ィンテルールド、ジェイ・フリソラーン・ 3番 Fターム(参考) 4H006 AA02 AB84 AC13 AD11 BA52 BC10 BD60 FE13 4H039 CA60 CG90

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノールとケトンとの縮合反応においてビスフェノールの分
    離後に得られる母液を蒸留/蒸発することにより、縮合反応の高沸点副生物から
    なるタール状残留物を得、 このタール状残留物を触媒量の芳香族スルホン酸で分解し、次いで 得られたフェノール類を分離する 工程を含むフェノール類の製造方法。
  2. 【請求項2】 タール状残留物を大気圧下約100℃〜300℃の温度に加熱
    する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 分離を蒸留により行う、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 芳香族スルホン酸が次式: 【化1】 (式中のRは炭素原子数1〜25のヒドロカルビル基である) で表される、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 芳香族スルホン酸がp−トルエンスルホン酸である、請求項4
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 芳香族スルホン酸がドデシルベンゼンスルホン酸である、請求
    項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 フェノールが次式: 【化2】 (式中のR3はそれぞれ独立に水素、ハロゲン、ヒドロカルビル又はアルコキシ
    基である)で表され、ケトンが次式: 【化3】 (式中のR1及びR2はそれぞれ独立にアルキル基である)で表される、請求項1
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】 (1)フェノールとケトンとの縮合反応においてビスフェノー
    ルの分離後に得られる母液を蒸留/蒸発することにより、縮合反応の高沸点副生
    物からなるタール状残留物を得、 (2)このタール状残留物を触媒量の芳香族スルホン酸で分解し、次いで (3)得られたフェノール類を分離する 工程を含む酸性イオン交換樹脂型フェノール製造方法。
  9. 【請求項9】 タール状残留物の分解を大気圧下約100℃〜300℃の温度
    で行う、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 芳香族スルホン酸が次式: 【化4】 (式中のRは炭素原子数1〜25のヒドロカルビル基である) で表される、請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 芳香族スルホン酸がp−トルエンスルホン酸である、請求項
    10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 芳香族スルホン酸がドデシルベンゼンスルホン酸である、請
    求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】 フェノールが次式: 【化5】 (式中のR3はそれぞれ独立に水素、ハロゲン、ヒドロカルビル又はアルコキシ
    基である)で表され、ケトンが次式: 【化6】 (式中のR1及びR2はそれぞれ独立にアルキル基である)で表される、請求項1
    に記載の方法。
  14. 【請求項14】 ケトンがアセトンである、請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 フェノールとアセトンとの反応生成物がビスフェノールAで
    ある、請求項1に記載の方法。
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