JP2002533346A - エポシロン誘導体およびそれらの抗腫瘍剤としての使用 - Google Patents

エポシロン誘導体およびそれらの抗腫瘍剤としての使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、抗腫瘍効力のある式(I)の化合物 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の概要 本発明は、新たな類のエポシロン誘導体、これらの化合物および新たな中間体
の調製、これらの化合物を含む医薬製剤、およびヒトなどの温血動物の処置にお
けるこれらの化合物の使用、またはヒトなどの温血動物の処置用の医薬製剤の調
製における使用に関する。
【0002】本発明の背景 エポシロンs AおよびBは、式:
【化12】 式中、Rは、水素(エポシロン A)またはメチル(エポシロン B)を意味する、 の新たな類の微小管安定化細胞障害性剤(Gerth, K. et al., J. Antibiot. 49,
560-3 (1966)参照)である。
【0003】 これらの化合物は、Taxol(登録商標)より有利性がある。Taxolは、腫瘍の処置
用として既に導入されている商標製品であり同様のメカニズムの活性を有するが
、しかし、一連の不利益、例えば水への難溶性、医薬剤の調製の大きな困難性(
現今では、このような製剤は、通常、担体材料の毒性の副作用を特徴とする)、
および一連の腫瘍に効果がない、などを有する。有利性は下記の通りである: a) より高い水溶解性を有しており、そのため製剤としてより容易に利用できる
。 b) 細胞培養実験における報告によると、P-糖タンパク質排出ポンプの活性のた
めに"多剤耐性"となり、Taxol(登録商標)を含む他の化学療法剤の処置に対して
抵抗を示す細胞の増殖に対しても、活性がある(Bolag, D. M., et al., "Epocil
ones, a new class of mi-crotubule-stabilizing agents with a Taxol-like m
echanism of action", Cancer Research 55, 2325-33 (1995)参照)。そして c) さらに、修飾β-チューブリンを有するTaxol(登録商標)耐性卵巣癌セルライ
ンに対して、インビトロで非常に効果的であることが示されている(siehe Kowal
ski, R. J., et al., J. Biol. Chem. 272(4), 2534-2541 (1997)参照)。
【0004】 エポシロン類の医薬的適用(例えば腫瘍処置に対して)は、Taxolについての記
載と同じような方法が可能である(例えばUS 5.641.803; US 5.496.804; US 5.56
5.478参照)。エポシロン類の1つの不利益は、治療上のインデックスが相対的に
劣ること、すなわち必要投与量と最大耐容量との投与範囲が非常に小さいことで
ある。 現在、一連のエポシロン誘導体が、新たな、より効果的な、そしてより用途の
広い生成物のサーチとして発表されている。 現在のところ、文献中のエポシロン類全ては、上記式のC-16にメチル基を有
している。このメチル基(C-17)は、C-16とC-18の間の共役二重結合面の外側
に複素環(エポシロンAおよびBについては、メチル-チアゾリル環)を位置させる
のに必要であると推定されており、そして効力に必要であると考えられている。
【0005】 本発明の目的は、新たな型の構造を有し、さらに、有利な生物学的および薬理
学的特性を通じて、進行する増殖性疾患(特に腫瘍など)の制御のための医療処置
として使用できる、新たな類のエポシロン誘導体を提供することである。また、
化合物は、エポシロンAおよびBと比較して改善された治療上の指標を有すること
が判明している。
【0006】発明の詳細な説明 驚くべきことに、新たな類のエポシロン誘導体は、エポシロンのC-16上にメ
チル基がないにもかかわらず、C-16/C-18二重結合の面上で複素環が得られ、
薬理学的効果が高いことが判明した。
【0007】 本発明は、この新たな類のエポシロン誘導体に関する。当該化合物は、式I
【化13】 式中、 Tは、O、NH、またはN(alkyl)であり、但しalkylはアルキル、特に低級アル
キル、であり; Aは、式Iaの基
【化14】 但し、式Iの分子の基と、矢印を示した2つの炭素原子のうちの1つ、特に下部
の炭素原子(環縮合した複素環の窒素近く、また原子Xに対してパラ位にある原
子)、で結合しており、そして式中、 Xは、S;O;NH;N(alk);但しalkは、アルキル、ヒドロキシ低級アルキ
ル、置換されていないまたは置換されたアミノ低級アルキルまたはカルバモイル
低級アルキル;N(ar)、但しarはアリール;C(Rk*)=N、N=C(Rk*)、または
C(Rk*)=C(Rk**)、但しRk*およびRk**は互いに独立しており、H、アルキ
ル(特に低級アルキル)、置換されていないまたは置換されたアミノ低級アルキル
、カルバモイル低級アルキル、または特にハロゲン低級アルキルまたはヒドロキ
シ低級アルキル、またはさらにはアミノ低級アルキルであり;そして Rkは、H、アルキル(特に低級アルキル)、置換されていないまたは置換され
たアミノ低級アルキル、カルバモイル低級アルキル、または特にハロゲン低級ア
ルキル、またはヒドロキシ低級アルキル;であり YはOHでありY*は水素であるか、または-Yと-Y*が一緒に結合を形成する(
故に、-Yおよび-Y*を有する2つの炭素原子を連結する隣接した結合と共に二
重結合を形成する)かの何れかであり; Rは、水素、低級アルキル、またはハロゲン低級アルキルであり; そして、ZはOであり、または-Z-は、2つの結合炭素原子間の結合である; 化合物、またはその塩、である。
【0008】 これらの化合物は、有利な医薬的性質を有している。例えば、多剤耐性セルラ
インおよび腫瘍に対して活性であり、および/または天然のエポシロンと比べて
改善された治療上インデックスを有する。 上文および下文で使用した一般条件は、好ましくは、本明細書の前後関係内に
おいて、特記しない限り下記の意味を有する: 接頭語"低級"は、最大7までおよびそれを含む、特に最大4までおよびそれを
含む、炭素原子を有する基を示し、当該基は分岐状でなくてもまたは単一でまた
は複数で分岐した分岐状であってもよい。 複数の形態を、化合物、塩、および同等物で使用する場合、単一の化合物、塩
、または同等物を意味するとする("a"は、冠詞または"1"の数の意味とする)。 置換基中に任意に存在する不斉炭素原子は、(R)、(S)または(R,S)立体配置、
好ましくは(R)または(S)立体配置で存在し得る。二重結合または環上の、例えば
式IのZで結合した炭素原子上の置換基は、シス-(=Z-)またはトランス-(=E-)
形態で存在し得る。従って、本発明の化合物は、異性体混合物または純粋な異性
体として、好ましくは純粋なジアステレオ異性体として存在し得る。 Tは、O、NH、またはN(alkyl)の何れか、特にOまたはNHの何れかであ
り、好ましくはOである。 基Aは、式Iの分子の基と、式Ia中に矢印を示した2つの炭素原子のうちの
1つで結合している。結合は、好ましくはXに対してパラ位である、Aのベンゼ
ン環位置の炭素原子を介している。 アルキルは、好ましくは、1ないし10炭素原子、好ましくは低級アルキル、
特にメチル、を有するアルキル基である。 低級アルキルは分岐状でないか、または単一または複数の分岐を有しており、
特にメチルまたはエチルである。 アリールは、好ましくは6ないし14の炭素原子を有する芳香族基であり、特
に、フェニル、 ナフチル、フルオレニルまたはフェナントレニルであり、但し
該基は、置換されていないか、または1またはそれ以上の置換基、好ましくは3
までの、主として1または2の置換基で置換されており、特に下記から選択され
る:アミノ;低級アルカノイルアミノ、特にアセチルアミノ;ハロゲン、特に
フッ素、塩素または臭素;低級アルキル、特にメチルまたは同様にエチルまたは
プロピル;ハロゲン低級アルキル、特にトリフルオロメチル;ヒドロキシ;低級
アルコキシ、特にメトキシ、または同様にエトキシ;フェニル低級アルコキシ、
特にベンジルオキシ;ニトロ、シアノ、C8-C12-アルコキシ、特にn-デシルオ
キシ、カルバモイル、低級アルキル-カルバモイル(N-メチル-またはN-ターシ
ャルブチルカルバモイルなど)、低級アルカノイル(アセチルなど)、フェニルオ
キシ、ハロゲン低級アルキルオキシ(トリフルオロメトキシまたは1,1,2,2-テト
ラフルオロエチルオキシなど)、低級アルコキシカルボニル(エトキシカルボニル
など)、低級アルキルメルカプト(メチルメルカプトなど)、ハロゲン低級アルキ
ルメルカプト(トリフルオロメチルメルカプトなど)、ヒドロキシ低級アルキル(
ヒドロキシメチルまたは1-ヒドロキシ-メチルなど)、低級アルカンスルホニル(
メタンスルホニルなど)、ハロゲン-低級アルカン-スルホニル(トリフルオロメタ
ンスルホニルなど)、フェニルスルホニル、ジヒドロキシボラン(-B(OH)2)、
2-メチル-ピリミジン-4-イル、オキサゾール-5-イル、2-メチル-1,3-ジオ
キソラン-2-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1-メチル-ピラゾール-3-イル
;および2つの隣接した炭素原子が結合している低級アルキレンジオキシ (メチ
レンジオキシなど)。
【0009】 ハロゲンは、特にフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素、とりわけフッ素または
塩素である。 ハロゲン低級アルキルは、とりわけハロゲン(フッ素または塩素など)によって
置換されたメチルまたはエチルであり、特に、フルオロメチルまたは同様にクロ
ロメチルである。 ヒドロキシ低級アルキルは、特に、末端でヒドロキシ置換された低級アルキル
、好ましくはヒドロキシメチルまたはヒドロキシエチル、特に2-ヒドロキシ-エ
チルである。 置換されていないまたは置換されたアミノ低級アルキルは、特に、末端でアミ
ノまたは置換アミノに置換された低級アルキル、ここで好ましくは1または2の
低級アルキル基がアミノ置換基として存在する;アミノメチル、2-アミノエチ
ル、N-メチルアミノメチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、N,N-ジメチルア
ミノメチルまたは2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルが好ましい。 カルバモイル低級アルキルは、特に末端で-C(O)NH2で置換された低級アル
キルであり、好ましくはカルバモイルメチルまたは2-カルバモイルエチルであ
る。
【0010】 これらの基が存在する場合、Rk、Rk*およびRk**の基の1つが好ましくは
水素であり、他がそれぞれ水素である;または好ましくは1つが低級アルキル(
メチルなど)、ハロゲン-低級アルキル(メチルフルオライドなど)、またはヒドロ
キシ低級アルキル(ヒドロキシ-メチルまたは-エチルなど)であり、そして他が水
素である;または1つが置換されていないまたは置換されたアミノ低級アルキル
、特にアミノエチル、2-アミノエチル、N-メチルアミノメチル、2-(N-メチ
ルアミノ)-エチル、N,N-ジメチル-アミノメチルまたは2-(N,N-ジメチルア
ミノ)エチルであり、他が水素である。 -Yおよび-Y*の両方が結合を形成し、そしてYおよびY*が保持する炭素原子
と一緒になって結合した1つの二重結合が存在する;または好ましくはYがヒド
ロキシでありY*が水素である。 存在する場合、Rk、Rk*およびRk**の基の1つが、好ましくはメチルまたは
ヒドロキシメチルであり、そして他(の2つ)が水素である;またはRk、Rk*お
よびRk**の基の1つが、2-ヒドロキシエチル、アミノ-メチル、2-アミノエチ
ル、N,N-ジメチルアミノメチルまたはカルバモイルメチルであり、そして他(
の2つ)が水素である。 Rk*およびRk**が存在しない場合は、Rkは好ましくは水素、メチルまたはヒ
ドロキシメチル、またはエチルである。 Rは、好ましくは水素、メチルまたはフルオロメチル、同様にエチルである。 Zは、Oであるか(この場合は炭素原子と結合してオキシランが形成される)、
または-Z-は結合であり、この場合、Zが結合する2つの炭素原子の間に既に存
在する結合と一緒になって、二重結合が作られる。 Zを保持する炭素原子に対する波状線の結合は、式Iの化合物の、Zおよび2
つの隣接した炭素原子によって形成されるエポキシド環または二重結合に関して
、Z-(=シス-)型またはE-(=トランス-)型で、さらにこれらの形態の混合型であ
ってもよいが、Z-型が好ましい。
【0011】 塩は、主として、式Iの化合物の薬学的に許容され得る塩である。 このような塩は、例えば、酸付加塩として、好ましくは有機酸または無機酸と
、塩基性窒素原子を有する式Iの化合物から、特に薬学的に許容され得る塩とし
て形成される。好ましい無機酸は、例えば、ハロゲン水素酸(塩酸など)、硫酸、
またはリン酸である。適切な有機酸は、例えば、カルボン酸、ホスホン酸、スル
ホン酸またはスルファミン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン
酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グル
コースモノカルボン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルカル酸、ガラクタル酸
、アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸、N-メチル-グリシン、アセチルア
ミノ酢酸、N-アセチルアスパラギンまたはN-アセチルシステインなど)、ピル
ビン酸、アセト酢酸、ホスホセリン、2-または3-グリセロリン酸、マレイン酸、
ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香
酸、サリチル酸、1-または3-ヒドロキシナフチル-2-カルボン酸、3,4,5-トリメ
トキシ安息香酸、2-フェノキシ安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、4-アミノサル
チル酸、フタル酸、フェニル酢酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、メタン-ま
たはエタン-スルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、1,5-ナフタレン-ジスル
ホン酸、N-シクロヘキシルスルファミン酸、N-メチル-、N-エチル-またはN-
プロピル-スルファミン酸、または他の有機プロトニック酸、アスコルビン酸な
ど、である。
【0012】 単離または精製の目的で、薬学的に許容され得ない塩、例えばピクリン酸塩ま
たは過塩素酸塩を使用することも可能である。薬学的に許容され得る塩または遊
離化合物(機会があれば、医薬製剤の形態で)では、治療上で使用することができ
るので好ましい。
【0013】 遊離形態およびそれらの塩形態(中間体として使用できる塩を含む)における、
新規化合物間の密接な関係を考慮して、例えば新規化合物の精製または同定にお
いて、遊離化合物に対する上文および下文の何れの文献は、対応する塩に対する
適切および好都合な指示として、理解することができる。
【0014】 式Iの化合物は、上文および下文に記載のように、価値のある薬理学的性質を
有する。 式Iの化合物の、微小管解重合インヒビターとしての効力は、下記のとおり試
験することができる: 試験化合物(10 mM)の貯蔵液をDMSO中で調製し、それから-20℃で保存する。微
小管タンパク質を、既知の2サイクルの温度依存性解重合/重合でブタの脳から
抽出する(siehe Weingarten et al., Biochemistry 1974; 13: 5529-37参照)。
微小管タンパク質の作業用貯蔵液(すなわちチューブリンおよび微小管関連タン
パク質)を、-70℃で貯蔵する。微小管タンパク質の試験化合物誘導重合の度合を
、基本的に既知方法で測定する(Lin et al., Cancer Chem. Pharm. 1996; 38:13
6-140参照)。要約すると、試験化合物の貯蔵液5μl(所望の最終濃度の20倍)を、
室温で水45μlと混ぜ、そして氷上に置く。ブタ脳の微小管タンパク質の作業用
アリコート系を素早く溶かし、それから氷冷した2xMEM 緩衝液(200ml MES、2mM
EGTA、2mM MgCl2、pH 6.7)[MES = 2-モルホリノエタンスルホン酸、EGTA=エチレ
ングリコール-ビス-2(2-アミノエチル)-テトラ酢酸] 2 mg/mlで希釈する。試験
化合物に希釈した微小管タンパク質 50μlを加えて重合反応を開始し、次いで、
室温下、水浴中で5分間サンプルをインキュベーションする。それから、反応混
合物をエッペンドルフミクロ遠心機に挿入し、そして室温で15分、さらにインキ
ュベートする。サンプルを室温で20分間、14,000rpmで遠心分離して、重合して
いない微小管タンパク質から重合した微小管タンパク質を分離する。チューブリ
ン重合の間接測定と同様に、上清のタンパク質濃度(残存の、重合していない溶
性微小管タンパク質を含む)を、Lowry方法で測定し(CDアッセイキット、Bio-Rad
Laboratories, Hercules, CA)、そして色調反応の光学濃度(OD)を、分光計(Spe
ctraMax 340, Molecular Devices, Sunny-dale, CA)を使用して750nmで測定する
。試験化合物を処置したサンプルと媒体を処置した対照とのODの相違を、25μM
epothilonB(陽性対照)を含むインキュベーションで得られたものと比較する。試
験化合物によって誘導された重合の程度を陽性対照(100%)と比較して発現させる
。幾つかの濃度の活性の比較により、EC50(最大重合が生じる50%の濃度)を測定
することができる。式Iの化合物について、EC50は、1μMないし100μMの範囲、
好ましくは1μMないし50μMの範囲、特に1μMから10μMである。
【0015】 腫瘍細胞に対する効力は、下記の方法で証明できる: 試験化合物(10mM)の貯蔵液をDMSO中で調製し、-20℃で保存する。Human KB-31
および(多剤耐性、P-gp170発現)KB-8511類表皮癌細胞は、Roswell Park Memoria
l InstituteのDr. M. Baker由来(Buffalo, NY, USA)(記述:Akiyama et al., So
mat. Cell. Mol. Genetics 11, 117-126 (1985) and Fojo A., et al., Cancer
Res. 45, 3002-3007 (1985)参照)であり、-KB-31およびKB-8511は両方共KBセル
ライン(ATCC)の誘導体であり、ヒト表皮癌細胞である。KB31細胞は、10%ウシ胎
児血清(M.A. Bio-products)、L-グルタミン(Flow)、ペニシリン(50 ユニット/ml
)およびストレプトマイシン(50μg/ml(Flow))を用い、ダルベッコ修飾イーグル
培地(D-MEM)を使用して、単層で培養することができる;複製時間約22時間で成
長し、そして相対的植付け効率は、約60%である。KB-8511はKB-31セルラインか
ら誘導した変異体であり、これはcolchichine処置サイクルを使用して得られた
ものであって、そしてKB-31細胞と比較してcolchichineに約40倍相対的抵抗性で
ある。細胞を、37℃で、5%v/v CO2 を用いるインキュベーター中で、80%相対湿
度で、リボヌクレオシドおよびデオキシリボヌクレオシド(Gibco BRL)を含むMEM
アルファ培地に、10IU ペニシリン、10μg/ml ストレプトマイシンおよび5% ウ
シ胎児血清を補充して、インキュベートする。細胞を、96-ウェルマイクロタイ
タープレート中、1.5 x 103 細胞/ウェル分量中に播種し、一晩インキュベート
する。倍地中での試験化合物の連続希釈液を1日目に加える。それからプレート
をさらに4日間インキュベートし、その後、細胞を3.3%v/vグルタルアルデヒを
用いて固定し、水で洗浄し、0.05%w/v メチレンブルーで染色する。洗浄した後
、染色物を3% HClで溶出し、SpectraMax340(Molecular Devices, Sunnyvale, CA
)を用いて、665nmで光学濃度を測定する。IC50値を、SofrPro2.0プログラム(Mol
ecular Devices, Sunnyvale, CA)、および式[(OD処置)-(OD出発)]/[(OD対照)-(O
D出発)] x 100を使用する数学的曲線を適応して測定する。IC50を、インキュベ
ーション時間の終了時の試験化合物の濃度で定義し、(細胞増殖をほぼ最大に抑
制する濃度で)対照と比較してウェル毎の細胞数を50%にさせる。式Iの化合物は
、好ましくは、0.1 x 10-9ないし500 x 10-9Mの範囲、好ましくは0.2から50nMの
間で、IC50を示す。
【0016】 他の腫瘍細胞ラインの試験も、同じような方法で行なうことができる。IC50値
の範囲(式Iの化合物測定範囲、特に好ましい式Iの化合物)は、カギ括弧中に示
されている。A459(肺;ATCC CCL 185)[好ましいIC50:0.01 x 10-9ないし500 x 1
0-9M、好ましくは0.01から100nMの間]、NCIH460(肺)[好ましいIC50:0.01 x 10- 9 ないし500 x 10-9M、好ましくは0.02から200nMの間]、HCT-15(結腸;ATCC CCL 2
25 -ATCC = American Type Culture Collection (Rockville, MD, USA))[好まし
い IC50:0.01 x 10-9 ないし500 x 10-9M、好ましくは0.05から500nMの間]、HC
T-116(結腸)[好ましいIC50:0.01 x 10-9ないし500 x 10-9M、好ましくは0.05か
ら200 nMの間]、Du145(前立腺;ATCC No. HTB 81;Cancer Res. 37, 4049-58 [197
8]参照)[好ましいIC50:0.01 x 10-9ないし500 x 10 -9M、好ましくは0.05から5
00nMの間]、PC-3M(前立腺-ホルモン-非感受性誘導体、Dr. I.J. Fidler(MD Ande
rson Cancer Center, Houston, TX, USA)から入手、PC-3から誘導、ATCCから得
られるセルライン(ATCC CRL 1435))[好ましいIC50:0.01 x 10 -9 to 500 x 10
-9 M、好ましくは0.05から500 nMの間]、MCF-7 (胸; ATCC HTB 22) [好ましいIC
50:0.01 x 10-9から500 x 10-9M、好ましくは0.02から200nMの間]、MCF-7/ADR(
胸、多剤耐性;Blobe G.C.et al., J. Biol. Chem. (1983), 658-664参照;セルラ
インは、MDR-7 "野生型"細胞と比較してドキソルビシンおよびビンカアルカロイ
ドに対して抵抗性大である(360-ないし2400-倍))[好ましいIC50:0.01 x 10-9
いし500 x 10-9M、好ましくは0.1から1000nMの間]、またはMDA231。
【0017】 インビボ効力は下記の方法で証明できる:使用したモデルは、腫瘍の異種移植
、マウスのKB-31またはKB-8511類表皮腫瘍など、である。試験化合物の抗腫瘍効
力を、雌 BLB/c nu/nu マウスについて、例えば対応する皮下移植したセルライ
ンに対して測定してもよい。このために、約25mgの腫瘍フラグメントを各マウス
の左側中へ移植する(例えば投与量毎に動物6匹)。試験化合物を、例えば移植術
後11日で、異なる投与量(例えば 0.1;0.5;1;5および10 mg/kg)で投与し、所望
によっては繰返し投与し、必要であれば数回にわたって、2日後と2週間後の間
に行なう。腫瘍の大きさを、例えば約2ないし4週間後(例えば、処置開始から
2週間後)に測定する。腫瘍の大きさを、垂直に配置された2つの軸で腫瘍直径
を測定し、公開されている方法に基づいて、計算する(Evans et al., Brit. J.
Cancer 45, 466-8 (1982)参照)。処置した動物体の腫瘍の大きさの平均増加を、
処置していない動物体(対照)の腫瘍容積の平均増加で割って、抗腫瘍効力を測定
し、そして、100を乗じてT/C%として表わす。腫瘍退縮 (%で表わす)を、処置開
始時の平均腫瘍大きさ(Vo)に対する最小平均腫瘍大きさ(Vt)で、下記式から算出
する。 %回帰 = [1-(Vt/Vo)] × 100 この場合についても、他のセルラインを使用することができ、例えば腫瘍細胞
に対する効力の証明とすることができる
【0018】 これらの性質のため、化合物は、増殖性疾患の処置、特に腫瘍疾患(転移を含
む);例えば固形腫瘍(肺腫瘍、乳房腫瘍、結腸直腸腫瘍、前立腺腫瘍、黒色腫、
脳腫瘍、膵臓腫瘍、首腫瘍、膀胱腫瘍、神経芽腫、咽頭腫瘍など)、また血球の
増殖性疾患(白血病など);さらに微小管解重合インヒビターの処置に対応する他
の疾患処置(乾癬など)、に適切である。
【0019】 式Iの化合物を、単独でまたは1またはそれ以上の他の治療成分と併用して投
与することができ、固定した組合せの形態を用いる、あるいは本発明の化合物と
1またはそれ以上の他の治療成分の投与を交互交替的に、または互いに独立して
、または固定した組合せと1またはそれ以上の他の治療成分の投与を併せた、組
合せ治療が可能である。式Iの化合物に併用してまたは加えて、腫瘍治療目的で
、化学療法、放射線治療、免疫療法、外科的介入、またはそれらの組合せを併用
して投与する。長期治療が同じように可能であり、上記の他の処置ストラテジー
と関連したアジュバント療法としてなどである。他の可能な処置は、患者の腫瘍
退縮後の状態を維持することを目的とする治療、またはさらには化学予防的治療
、例えば患者における危険性、である。
【0020】 組合せることが可能な治療成分は、特に、1またはそれ以上の抗増殖性、細胞
分裂停止性または細胞障害性化合物、例えば従来の化学治療成分、ポリアミン生
合成インヒビター、プロテインキナーゼインヒビター、特にセリン/トレオニン
プロテインキナーゼ(プロテインキナーゼCなど)のインヒビターまたはチロシン
プロテインキナーゼ(上皮成長因子レセプタータンパク質チロシンキナーゼなど)
のインヒビター、サイトカイン、陰性成長調節物質(TGF-βまたはIFN-βなど)、
アロマターゼインヒビター、および従来の細胞分裂停止を含む群から選択される
、1またはそれ以上の化学治療成分(類)である。
【0021】 本発明の化合物は(予防および好ましくは治療上の)ヒトの処置目的のみでなく
、他の温血動物類、例えば商業的に有用な動物、例えばげっ歯類(マウス, ウサ
ギまたはラットなど)、またはモルモット、の処置目的にもよい。上記の試験系
における参照標準を使用して、他の化合物と比較してもよい。
【0022】 式Iの化合物を、例えば温血動物"ホスト"(特にヒト)から得られる腫瘍に対す
る診断の目的に使用してもよく、そしてマウスにインプラントして、該化合物の
感受性の研究、および本来のホストにおける腫瘍性疾患に対する治療上可能な方
法の検出および測定の改善を目的とした、これらの化合物を処置した後の疾患の
進展を試験してもよい。
【0023】 下記の式Iの好ましい化合物の群の範囲内で、上記の一般的な定義による置換
基の説明を合理的に使用してもよく、例えば、より一般的な定義をより具体的な
定義に置換えること、または、特に、好ましいことを特徴とする定義;好ましい
ことを特徴とする定義、または例示的な("例えば(e.g.)"、"など"、"例えば(for
example)")に置換えること、が好ましい.
【0024】 好適なものは式I、 式中、 Tは、OまたはNHであり; Aは、式Iaの基であり、但し、式Iの分子の基と、矢印を示した2つの炭素原
子のうちの1つ、好ましくはXに対してp位の炭素、で結合しており、そして式
中、 Xは、S;O;NH;N(alk);但しalkはアルキル(好ましくは低級アルキル)
、ヒドロキシ低級アルキル、置換されていないまたは置換されたアミノ低級アル
キルまたはカルバモイル低級アルキル;C(Rk*)=N、N=C(Rk*)、またはC(
Rk*)=C(Rk**)、但しRk*およびRk**は互いに独立しており、H、アルキル(
特に低級アルキル)、ハロゲン低級アルキル、またはヒドロキシ低級アルキル、
あるいは置換されたまたは置換されていないアミノ低級アルキルまたはカルバモ
イル低級アルキル;であり、そして Rkは、H、低級アルキル、ハロゲン低級アルキル、またはヒドロキシ低級ア
ルキル、あるいは置換されていないまたは置換されたアミノ低級アルキルまたは
カルバモイル低級アルキルであり; YはOHでありY*は水素であるか、または-Yと-Y*が一緒に結合を形成する--
かの何れかであり; Rは、水素、低級アルキル、またはハロゲン 低級アルキルであり; そして、ZはOであり、または-Z-は、2つの結合炭素原子間の結合である; の化合物、またはその塩である。
【0025】 好適なものは式Iの化合物でも与えられる: 式中、TはOであり; Aは、式Iaの基
【化15】 但し、式Iの分子の基と、矢印を示した2つの炭素原子の1つで-結合しており
、そして式中、 Xは、S;O;NH;N(alk);但しalkはアルキルである;N(ar)、但しarは
アリールである;C(Rk*)=N、N=C(Rk*)、またはC(Rk*)=C(Rk**)、但し
Rk*およびRk**は互いに独立してり、H、アルキル(特に低級アルキル)、ハロ
ゲン低級アルキル、またはヒドロキシ低級アルキル;であり、そして Rkは、H、アルキル(特に低級アルキル)、ハロゲン低級アルキル、またはヒ
ドロキシ低級アルキルであり; YはOHでありY*は水素であるか、または-Yと-Y*が一緒に結合を形成する(
故に、-Yおよび-Y*を有する2つの炭素原子を連結する隣接した結合と共に二
重結合を形成する)かの何れかであり; Rは、水素、低級アルキル、またはハロゲン低級アルキルであり; そして、ZはOであり、または-Z-は、2つの結合炭素原子間の結合である; 化合物、またはそれらの塩。
【0026】 特別な好適なものは式Iの化合物で与えられる: 式中、 Tは、NHまたはとりわけOであり; Aは、式Iaの基であり、但し、式Iの分子の基と、矢印を示した2つの炭素原
子のうちの1つで結合しており、そして式中、 Xは、S、O、NH、N(CH3)、N(CH2CH2OH)、N(CH2CH2NH2)
、N(CH2CH2N(CH3)2)、N(CH2C(O)NH2)、C(Rk*)=NまたはCH=
C(Rk*)、但しRk*は、H、メチル、ヒドロキシメチル、(CH2CH2OH)、(
CH2CH2NH2)、(CH2CH2N(CH3)2)、(CH2C(O)NH2)、またはフル
オロメチル、であり; そして Rkは、水素、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、アミ
ノメチル、アミノエチル、ジメチルアミノメチル、カルバモイルメチルまたはフ
ルオロメチルであり; Rは、水素、メチル、エチルまたはフルオロメチルであり;そして ZはOであり、または-Z-は、2つの結合炭素原子間の結合である; ここで波状線を特徴とする結合は、式Iの化合物が、シス-またはトランス-型、
好ましくはシス-型で存在することを示す; 化合物、またはそれらの塩。
【0027】 特別な好適なものは式Iの化合物で与えられる: 式中、 TはNHまたはとりわけOであり; Aは、式Iaの基であり、但し、式Iの分子の基と、矢印を示した2つの炭素原
子のうちの1つで結合しており、そして式中、 Xは、S、O、NH、N(CH3)、またはN(CH2CH2OH)、あるいはC(R
k*)=NまたはCH=C(Rk*)であり、但しRk*は、H、メチル、またはヒドロキ
シメチル、あるいはフルオロメチルであり; そして Rkは、水素、またはヒドロキシメチル、あるいはフルオロメチルであり; Rは、水素、メチル、エチルまたはフルオロメチルであり;そして ZはOであり、または-Z-は、2つの結合炭素原子間の結合である; ここで波状線を特徴とする結合が存在し、それは式Iの化合物がシス-またはト
ランス-型、好ましくはシス-型で存在することを示す; 化合物、またはそれらの塩。
【0028】 特別な好適なものは式Iの化合物で与えられる: 式中、 Tは、NHまたはとりわけOであり; Aは式Iaの基を意味し、但し、式Iの分子の基と、矢印を示した2つの炭素原
子のうちの1つで結合しており、そして式中、 Xは、S;またはN(CH3)およびCH=CHからなる群からさらに選択される
ものであり、本発明の広汎な範囲においてOまたはN(CH2CH2OH)であり、 そして Rkは、H、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルであり、
特に2-ヒドロキシメチル、アミノメチル、アミノエチル(特に2-アミノエチル)
、またはカルバモイル、好ましくはメチルであり; Rは、水素、低級アルキルまたはハロゲン低級アルキルであり;そして Zは、O、または-Z-は2つの結合炭素原子間の結合である、 化合物またはそれらの塩。
【0029】 特別な好適なものは式Iの化合物で与えられる: 式中、 Tは、Oであり; Aは式Iaの基であり、但し、式Iの分子の基と、矢印を示した2つの炭素原
子のうちの1つで結合しており、そして式中、 Xは、S;またはO、NCH3、CH=CHおよびN(CH2CH2OH)からなる
基から選択され; および Rkは、H、メチルまたはヒドロキシメチル、またはエチル、好ましくはメチ
ルであり; Rは、水素、低級アルキルまたはハロゲン低級アルキルであり;そして ZはOであり、または-Z-は2つの結合炭素原子の間の結合である、 化合物またはそれらの塩。
【0030】 上文および下文で言及する、化合物および化合物に含まれる(好ましい)基につ
いて、以下が特に好ましい(遊離化合物は対応する塩も意味すると理解する): (a) 式Iの化合物、但しXはSである; (b) 式Iの化合物、但しXはOである; (c) 式Iの化合物、但しXはNHである; (d) 式Iの化合物、但しXはN-CH3である; (e) 式Iの化合物、但しXはCH=C(Rk*)であり、ここでRk*は、CH3または
CH2OHを意味する; (f) 式Iの化合物、但しXはC(Rk**)=Nであり、ここでRk**は、CH3または
CH2OHを意味する; (g) 式Iの化合物、但しZはOである[また、定義(a)ないし(f)の1つの範囲内
に入るのを条件とする]; (h) 式Iの化合物、但し-Z-は結合である[また、定義(a)ないし(f)の範囲内に
入るとする]; (i) 式Iの化合物、但し式Iの化合物がシス型である場合、波状線を特徴とする
結合はそのように存在する; (j) 式Iの化合物、但しYがOHでありそしてY*が水素である;同様に、さら
に (k) 式Iの化合物、但しXは(CH2CH2OH)である; (l) 式Iの化合物、但しXはN(CH2CH2NH2)である; (m) 式Iの化合物、但しXは(CH2C(O)NH2)である;さらに (n) 式Iの化合物、但しXはC(Rk*)=CHであり、ここでRk*は、CH3または
CH2OHを意味する; (o) 式Iの化合物、但しTはOである; (p) 式Iの化合物、但しTはNHである; (q) 式Iの化合物、但しXはCH=C(Rk*)であり、ここでRk*はHを意味する
;または (r) 式Iの化合物、但しXはC(Rk**)=Nであり、ここでRk**はHを意味する
【0031】 上記の定義(a)ないし(r)で示された化合物において、残りの基はそれぞれ式I
の化合物の、上文および下文で与えられた意味を有し、特に好ましい意味として
特徴を示す。定義(a)ないし(r)の範囲内に入る式Iの化合物およびそれらの塩で
、特定の好適なものは式Iaの基がXに対してパラ位で結合する (すなわち
【化16】 は式
【化17】 式中、XおよびRkの基は、式Iの化合物で与えられる意味を有する、である)。
【0032】 特に好ましいものは式Iの化合物、但しTはNHまたは特にOであり;
【化18】 は、式
【化19】 の基であり、式中、Xは硫黄であり、そしてRkはメチルであり、Zは酸素であ
りまたは-Z-は結合であり、そしてYおよびY*または-Yおよび-Y*は上記の意
味を有し、特にYがヒドロキシでありY*が水素であるか、または特に-Yと-Y*
が一緒になって結合を形成している、またはそれらの塩、である。
【0033】 特定の好適なものは式Iの化合物: 式中、TはNHまたは特にOであり;
【化20】 は、式
【化21】 の基から選択される基を意味し; Zは酸素であるかまたは-Z-は結合であり、そしてYおよびY*または-Yおよび
-Y*は上文または下文の定義であり、特にYがヒドロキシでありそしてY*は水
素であるか、または好ましくは-Yと-Y*が一緒になって結合を形成している、
またはそれらの塩、である。
【0034】 特に好ましいものは実施例に示した化合物、または塩を形成する基が存在する
場合はそれらの塩(特に薬学的に許容され得る塩)である。
【0035】 式Iの化合物は、それ自体は知られている方法で調製することができ、好まし
くは、 a)式IIの酸
【化22】 式中、T*はヒドロキシ、NH2、NH(アルキル)またはN3であり、そして(アル
キル)、A、ZおよびRは式Iの化合物で与えられる意味を有し、そしてこの中
の反応に関与し得ない官能基(特にC-3およびC-6の2つのOH基)は、必要であれ
ば保護された形態で存在する、は、T*=N3の場合に環化し、これはアジド基の
還元の後に起こり、それから必要であれば何れの保護基を除去する、 そして、所望により得られる式Iの化合物を異なる式Iの化合物に変える;得ら
れる遊離した式I化合物を塩に変える;式Iの化合物の得られる塩を他の塩また
は遊離した式Iの化合物の他の塩に変える;および/または式Iの化合物の得ら
れる異性体混合物を個々の異性体に分離する;
【0036】好ましい工程の変形の詳細な説明 以下の、詳細な工程の条件、出発生成物および反応の記載の中で、特記しない
限り、T、A、X、Y、Z、R、RkおよびRk*は、式Iの化合物で与えられた
意味を有する。工程a): 式IIの化合物は、遊離形態、または反応に関与し得ない官能基の反応を防ぐ場
合は保護し反応に関与しない官能基が保護形態で存在するような形態で、存在し
得る。 式IIの化合物中の1またはそれ以上の他の官能基、例えばヒドロキシまたはア
ミノは、それらは反応に関与すべきではなく、これらは通常、核酸誘導体および
糖と同様に、ペプチド化合物の合成、そしてセファロスポリンおよびペニシリン
の合成に使用されるので、保護されているかまたは保護する必要がある。保護基
は先駆物質から存在していてもよく、望まない2次反応(アシル化、エーテル化
、エステル化、酸化、ソルボリシス、および類似反応など)に関係する官能基を
保護する。出発物質中の官能基用(特にヒドロキシまたはアミノ基)の、成分置換
を避ける保護基は、ペプチド化合物、セファロスポリン、ペニシリンまたは核酸
誘導体および糖の合成で使用される、特に慣習的な保護基を含む。ある事例では
、保護基は、保護に加えて、反応過程で選択性(例えば立体選択性)をもたらし得
る。それ自身容易に(すなわち望まない2次反応がなく)加えること、除去するこ
と(一般的にはソルボリシス、還元、光分解で、または酵素活性で(例えば生理学
的条件に類似した条件において))ができ、そして最終生成物では存在しないこと
が保護基の特徴である。保護基が上文および下文の記載の反応に適切であること
は、専門家に知られており、または容易に確率できる。
【0037】 これらの保護基による官能基の保護で、保護基自体およびその除去反応は、例
えば標準的な参考資料の J. F. W. McOmie, "Protective Groups in Organic Ch
emistry" Plenum Press, London and New York 1991、T. W. Greene, P.G.M. Wu
ts, "Protective Groups in Organic Synthesis", 2nd edition, John Wiley &
Son Inc., 1981、"The Peptides"; Volume 3 (E. Gross and J. Meienhofer), A
cademic Press, London and New York 1981、"Methoden der organischen Chemi
e" (Methods of organic chemistry), Houben- Weyl, 4th edition, Volume 15/
I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974、H.-D. Jakubke and H. Jescheit, "
Aminosauren, Peptide, proteine" (Amino acids, peptides, proteine s), Ver
lag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach, and Basel 1982、およびJochen Lehm
ann, "Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate" (Chemistry
of carbohydrates: monosaccharides and derivatives), Georg Thieme Verlag,
Stuttgart 1974に記載されている。
【0038】 保護基は、好ましくは実施例に記載の基(特にトリ低級アルキルシリル型のヒ
ドロキシ保護基)と同様のものを使用し、そして本明細書中に記載の方法と同様
に導入し、そして必要であれば取り除く。
【0039】 環化を従来型の条件で行なってもよい。T*がヒドロキシ基であれば、環化は
大ラクトン化に相当する。T*がNH2またはNH(アルキル)であれば、それはラ
クタム形成に相当する。T*がアジド基(N3)であれば、最初に還元し、そしてそ
の後にラクタム形成がおこる。あるいは、Ph3Pのアジド酸処理で、直接、大
ラクタムを誘導してもよい。
【0040】 式IIの化合物(または保護された誘導体)からのラクトン化(式IまたはT=Oを
有する保護された誘導体のラクトンの形成)は、好ましくはカップリング媒体、
例えば式IIの遊離酸から活性化形態へ変換する化合物、例えば無水物または酸ハ
ロゲン化物、特に酸ハロゲン化物(アリールカルボニルハロゲン化物、特にアリ
ール-カルボニルクロライドなど)との反応による、存在下で行なわれ、ここでア
リールは特にフェニル基を意味し、置換されていなくてもまたは1度または数回
(好ましくは3度まで)、好ましくは塩素などのハロゲン、ニトロ、低級アルコキ
シ、低級アルコキシカルボニルおよびシアノから選択される置換基で置換されて
いてもよく、そして必要であれば塩基存在下、できれば3級窒素塩基の、トリ-
低級アルキルアミン(例えばトリエチルアミン)など、および/またはジ-低級アル
キルアミノピリジン(N,N-ジメチルアミノピリジン)で、-10ないし100℃
の好ましい温度、好ましくは0ないし75℃で行なう。反応を、まず第一に式II
の酸の活性化形態(例えば無水物)を調製し、それからこの無水物を対応するラク
トンに反応させるが、ここで両方の反応を互いに1つの中でそして同じ反応混合
物で続けることができる方法で調製してもよい。反応は、好ましくは、適切な溶
媒または溶媒混合物(エーテル、例えばテトラヒドロフラン、など、または芳香
族炭化水素、ベンゼンまたはトルエン、など)中で行なう。
【0041】 ラクタム形成(大ラクタム化)を、慣習的なカルボン酸アミド結合の結合の条件
下で行ない、ここでペプチドケミストリーで常用されているカップリング試薬(D
CC/HOBt、HBTU、TPTU、HATUなど)を使用してもよい。例えばジフェニルホスホリ
ルアジドまたはブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
を使用してもよい。 アジド基(T* = N3)の還元を既知条件下で、特にトリフェニルホスフィンま
たは水素化触媒を使用して行なう(WO 99/02514参照、既知方法が記載されている
)。
【0042】反応: 追加工程段階については所望により行ない、反応に関与しない出発化合物の官
能基を保護されていない形態で存在させても、または例えば上文の工程a)に記載
した1またはそれ以上の保護基で保護してもよい。保護基は、工程a)に記載した
方法の1つで全部または部分的に除去する。
【0043】 ZがOである式Iの化合物は、-Z-が隣接した結合と一緒になって二重結合を
形成している式Iの化合物から、従来知られている方法によるエポキシ化、例え
ば過酸化物(m-クロロ過安息香酸または好ましくは触媒量のCH3ReO3存在下
でのジメチルジオキシランH2O2、またはメチル-トリフルオロメチルジオキシラ
ン)を使用し、通常の条件下で、例えば適切な溶媒中(炭化水素、例えばベンゼン
、酢酸エチルなどのエステル、ハロゲン化炭化水素、ジクロロメタンなど、アセ
トンなどのケトン、アセトニトリルなどのニトリル、水、またはそれらの混合物
など)で反応し、所望によりエチレンジアミン四酢酸塩(例えばエチレンジアミン
四酢酸ジナトリウム)などの錯化剤および/または炭酸金属塩または炭酸水素金属
塩(例えば炭酸水素ナトリウム)などの塩基の存在下で、例えば-80ないし+10℃、
好ましくは-50から+5℃の範囲の換算温度で、調製してもよい。
【0044】 YがヒドロキシでありY*が水素である式Iの化合物を、脱水し、-Yと-Y*が
一緒になって結合し、2つの結合炭素原子間に存在する結合と一緒に二重結合を
形成する、式Iの化合物に変えてもよい。これを行なうために、遊離したOH基
(特にC-3およびC-7において)を、好ましくはギ酸および酢酸の混合無水物の援助
によってホルミル化する;次いで、ホルミル誘導体を、ジクロロエタン中DBU{1,
8-ジアザビシクロ[2.2.2]ウンデク-7-エン(1.5-5)}で処理し、ギ酸の脱離とC-2
およびC-3間の二重結合の形成に導く。最終的に、ホルミル保護基を、C-7のOH
基とさらに他のOH基から、例えばNH3/メタノールで除去する。
【0045】 TがOである式Iの化合物を、T=Oである化合物を反応させ、例えばパラジ
ウムテトラキストリフェニルホスフィンを使用してpi-アリルパラジウム錯体を
形成し、次いで対応する一級アミン[NH3またはH2N(アルキル)、またはNa
3]で処理し、工程a)に記載したその後のラクタム形成をして、TがNHまたは
N(アルキル)である対応する式Iの化合物に変えてもよい。
【0046】 塩形成基を有する式Iの化合物の塩を、従来知られている方法で調製する。式
Iの化合物の酸付加塩を、例えば、酸または適切な陰イオン交換剤で処理して得
ることができる。
【0047】 塩を、普通に、例えば適切な塩基塩基剤、例えばアルカリ金属炭酸塩、-炭酸
水素塩、または-水酸化物、代表的には炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウム、
を処理して、遊離化合物に変えてもよい。
【0048】 立体異性体混合物、例えばジアステレオ異性体混合物を、従来知られている方
法で、適切な分離方法によって、対応する異性体に分離することができる。ジア
ステレオ異性体混合物を、分別結晶化、クロマトグラフィー、溶媒分配、および
同様の手順によって、個々のジアステレオ異性体に分けてもよい。この分離は、
出発化合物の1の段階でまたは式Iの化合物自体での何れかで行なわれる。エナ
ンチオマーをジアステレオ異性体の塩の形成によって、例えばエナンチオマー-
純粋なキラル酸の塩の形成によって、またはキラルなリガンドを有するクロマト
グラフィーの基質を使用するクロマトグラフィー(例えばHPLC)によって、分離し
てもよい(エナンチオマーの分離は、通常、中間体の段階で行なわれる)。
【0049】出発物質: 出発物質は既知のものであり、知られた工程で調製し得るかまたは市販されて
おり、または以下に記載のとおり調製することができる。
【0050】 以下の中間体調製プロセスで、必要であれば保護された形態にすべき官能基を
適切な段階で保護することができ、選択的保護または脱保護も可能である。この
保護基およびそれらの導入および/または除去の方法は、工程a)に示されたもの
、特に、上記の例えば標準的な参考資料に示されたもの、または、特に、実施例
中のもの、に対応する。概して、保護基について下記の言及はされていない;下
記実施例は保護基の慣用が好ましいまたは必要であり、そしてそのため保護基を
使用する場合に関しては好ましい教示と考えることができ、そして化合物他の基
で調製してもよい。下記では、保護基について、適切な使用である場合、全部分
の言及はされていない。この慣用をすべきであるまたはしなければならない場合
は当業者に明らかである。
【0051】 例えば、T*がOHである式IIの化合物は、式
【化23】 式中、A、RおよびZは式Iの化合物で与えられた意味を有し、そしてPGは保
護されたヒドロキシ基、特にトリ低級アルキルシリルオキシ(ターシャルブチル
ジメチル-シリルオキシなど)を、リチウムジイソプロピルアミドなどの強塩基の
存在下で、エーテル(例えばテトラヒドロフラン)などの適切な溶媒中-80から25
℃の間、好ましくは-80から0℃の間の好ましい温度で、式IVのカルボン酸
【化24】 式中、OH基は保護された形態(例えばターシャルブチルジメチルシリルオキシ
エーテルなど)[必要であれば、次いでまたは反応シーケンスの後の何れかで、上
記または実施例と同様に、保護基を保護されたヒドロキシ基から除去する]、と
反応させて得られる
【0052】; 式IIIの化合物は、式Vのアルコール
【化25】 式中、A、RおよびZは式Iの化合物で与えられた意味を有し、そしてPGは式
IIIの化合物で与えられた意味を有する、を、第一級アルコールからアルデヒド
への酸化で一般的に知られている条件下、 例えば、塩化オキサリル、酢酸無水
物(acetanhydride)、トリフルオロ酢酸無水物(trifluoroacetanhydride)、ジシ
クロヘキシルカルボジイミド、好ましくは塩化オキサリルおよびジメチルスルホ
キシドを使用して、ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン)などの適切な溶
媒中、-100から0℃、好ましくは-80から-20℃の間の温度で酸化して調製しても
よい。
【0053】 式V化合物は、式VIの化合物、
【化26】 式中、R、ZおよびAは式Iの化合物で与えられた意味を有し、そして基PGは
、互いに独立して、保護されたヒドロキシを意味し、第一級OH基からの保護基
の除去で、例えば上記または実施例に記載と同様の方法である。
【0054】 式VIの化合物は、式VIIの化合物、
【化27】 (必要であれば保護されており)式中RおよびAは式Iの化合物で与えられた意
味を有し、そしてPGは保護されたヒドロキシを意味する、と、式VIIIの化合物
【化28】 式中、PGは保護されたヒドロキシ基を意味する、との反応から得てもよい。 この反応で、Cu/Zn対を、好ましくは芳香族炭化水素(例えばベンゼン)など
の適切な溶媒中、臭化エチレンおよびトリ低級アルキルシリルハロゲン化物(ト
リメチルシリルクロライドなど)の存在下、高温(例えば30から90℃の間、好まし
くは90℃)で、調製する;式VIIIの化合物を適切な溶媒(例えばジメチルアセトア
ミド/ベンゼン混合物)中に加えた後、その後にトリ低級アルキルシリルトリフラ
ート(トリメチルシリルトリフラートなど)、そして所望によりさらにジメチルア
セトアミドを、30から90℃の間、特に60から70℃の反応条件の温度で加える;そ
れからテトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウムを加え、最後に式VIIの
化合物を加え、必要であればベンゼンなどさらに溶媒を用いて、そして30から90
℃の間の好ましい温度、特に60℃、で反応を完了させ、こうして-Z-が結合であ
る式VIの化合物を得ることができる(所望により、これを、下記のエポキシ化反
応と同様の条件で、ZがOである対応する式VIの化合物に変えることができる)
【0055】 式 VIIの化合物は、式IXのアルデヒド
【化29】 (必要であれば保護されており)式中、AおよびPGは式VIの化合物で与えられた
意味を有する、を、[Ph3PCHIR]+-(ここでRは式IのRで与えられた意
味を有する)の懸濁液と反応させ、これに環状エーテル(例えばテトラヒドロフラ
ン)などの適切な溶媒中に溶かしたナトリウムヘキサメチルジシラジド(NaHM
DS)を加える;混合物を-80から-20℃の間の温度で撹拌し、そして式IXの化合
物を(好ましくは同じ溶媒、例えばテトラヒドロフランに溶かして)加え、そして
式VIIの化合物の形成とおなじ温度範囲で反応して、得てもよい。
【0056】 式IXのアルデヒドは、好ましくは、式Xの化合物
【化30】 (必要であれば保護されており)、式中Aは式Iの化合物で与えられた意味を有し
、そしてPG*はヒドロキシ基である(好ましい保護基(例えばトリ低級アルキル
シリル)をまず第一に加える場合は)かまたはPGは保護されたヒドロキシである
、を、ハロゲン化炭化水素(特にジクロロメタン)など適切な溶媒中で、水素化物
(特に水素化ジイソブチルアルミニウム)と、-20から-90℃、例えば-78から-40℃
の好ましい温度で反応させて、得られる。
【0057】 式Xの化合物は、好ましくは、式XIのアルデヒド化合物 ACHO (XI) (必要であれば保護されており)、式中、Aは式Iの化合物の意味を有する、を、
得られた試薬、特に、第一に、炭化水素(例えばヘキサン)などの適切な溶媒中で
トリ低級アルキルボラン(トリエチルボランなど)の溶液から調製したもの、と反
応させて、スルホン酸(トリフルオロメタンスルホン酸など)を加えて、10から50
℃の間の第一の温度を維持し、そして適切なハロゲン化炭化水素(ジクロロメタ
ンなど)を加えたあと、再び同じ温度範囲に維持し、そして最終的に(2R)-アセチ
ルボルナン-10,2-スルタムおよび好ましくは同じ溶媒に溶ける塩基、特に トリ
低級アルキルアミン(Huenig's塩基)と混合する;-80から0℃の温度で、そして式
XIのアルデヒドを加え、好ましくはハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン)
などの適切な溶媒中で溶かし、後記の温度範囲で反応させて、得られる。
【0058】 式IV、式VIIIの化合物、および式XIのアルデヒドは既知であり、従来知られて
いる方法で調製でき、また市販されている。
【0059】 T*がOHであり残りの基は式Iの化合物で与えられた意味を有する[特にRが
メチルを意味する場合、Protはターシャルブチルジメチルシリルを意味し、Yは
ヒドロキシ(または保護された形態のターシャルブチルジメチルシリルオキシ)で
ありおよびY*は水素である]式IIの化合物の調製(特にヒドロキシ保護化合物)の
代わりのそして好ましい工程は、以下の抽出物から始める(それぞれ言及した意
味、特に好ましい意味を有する):
【0060】 式XIIの化合物の反応により、
【化31】 式中、Protはヒドロキシ保護基(特にターシャルブチルジメチルシリル)を意味し
、そして残りの基は、(必要であれば保護されている)式Iの化合物で与えられた
意味を有し、例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル中でテトラブチルアン
モニウムフルオライドを用いて、0から50℃好ましい温度、特に室温で、第一級
ヒドロキシ保護基を除去し、対応する式IIの保護された化合物を得る。
【0061】 式XIIの化合物は、好ましくは式XII*のエステル
【化32】 式中、基は上記の意味を有し、そしてEはアルキル、特に低級アルキル(メチル
など)、あるいはアリールまたはアリール低級アルキルである、を、好ましくは
アルカリ金属水酸化物(LiOH)で、イソプロパノールなどのアルコール中で、
水の存在下、約25から75℃の温度、特に50℃で、けん化して得られる。
【0062】 式XII*の化合物は、好ましくは、式XIIIのオレフィン
【化33】 式中、Eは式XII*の化合物で与えられた意味を有し、そして残りの基は式XIIの
化合物で与えられた意味を有する、と、式XIVのハロゲン化物
【化34】 式中、Halはハロゲン(特にヨウ素)であり、Protはヒドロキシ保護基であり、
そして残りの基は式Iの化合物で与えられた意味を有する、とを、好ましくはま
ず第一にオレフィンを、9-ボラビシクロノナン(9-BBN)と、エーテル(例えば
テトラヒドロフラン)など適切な溶媒中で、0から50℃の温度、特に室温、で反応
させ、それから得られたトリアルキルボランの溶液を炭酸塩(特に炭酸セシウム)
の混合物に加え、PdCl2(dppf)2(dppf = ジフェニルホスフィニルフェロセン
)の存在下、トリフェニルアルシンおよびXIV、ジメチルホルムアミドなどの適切
な溶媒中で得られ、反応を-25から30℃、特に-10℃から室温の温度で行なって式
XII*の化合物を形成する。
【0063】 式XIVの化合物は式VIIの化合物と類似しており、(特にHal =Iである場合)同
様の方法で調製することができる。
【0064】 式XIIIの化合物は、式XVの化合物
【化35】 式中、Gは保護基(特にベンジル)であり、そしてY**は水素でありY'は保護さ
れたヒドロキシである、を、第一にジメチルアミノピリジンおよびアルコール
E-OH(Eは式XII*の化合物で与えられた意味を有し、特にメチルを意味する)
、必要であれば、1またはそれ以上のさらなる適切な溶媒(ジクロロメタンなど)
、の存在下でジシクロヘキシルカルボジイミド-30から40℃の間、特に-20から25
℃の間の温度で反応さる;得られた生成物から保護基Gを除去する、但しG=ベ
ンジルである場合、触媒(パラジウム/炭素など)の存在下、メタノールまたはエ
タノールなど適切な溶媒中、好ましくは0から50℃の温度(室温など)で、(好まし
く大気圧で)水素添加を行ない、遊離アルコールとする;これを、トリブチルホ
スフィンの存在下、0から50℃、好ましくは室温で、2-NO2PhSeCN(Ph=フ
ェニル)と反応させて、それから炭酸塩(例えば炭酸水素ナトリウム)などの塩基
を処理し、そして過酸化水素などの酸化剤を同じ温度で処理して、調製する。
【0065】 式XVの化合物は、好ましくは、式XVIの化合物
【化36】 式中、O-Protは式XIの化合物で与えられた意味を有し、残りの基は式XVの化合
物で与えられた意味を有する、を、まず第一に第一級OH上の保護基Protを除去
する;Prot=ターシャルブチルジメチルシリルである場合、例えば、安定な溶液
中、例えばメタノールなどのアルコールと塩素化炭化水素(メチレンクロライド
など)との混合物中で、-10から25℃、特に0℃の温度で、ショウノウスルホン酸
処理をする;それから得られたアルコールを、最初に、例えばトリエチルアミン
などの塩基の存在下、ジメチル-スルホキシド中(COCl)2を使用し、それから
メチレンクロライドなどの塩素化炭化水素中、好ましくは-80から-50℃の間、特
に-78℃の還元温度で、アルデヒドに酸化する;それから、得られたアルデヒド
を、NaClO2で、イソブテンの存在下、混合溶媒中(テトラヒドロフラン/タ
ーシャルブタノール/ホスフェート緩衝液(pH 7)など)、0から50℃の間、特に室
温で、酸化し、酸を形成して、調製することができる。
【0066】 -Yと-Y*が一緒に結合を形成する式XII*の化合物を所望する場合、Yが(所望
により保護された)ヒドロキシでありY*が水素を意味していれば、(必要であれ
ば保護基を除去した後に)得られた式XIIIの中間体から脱水して調製してもよい
。脱離を起こすために、Yが保護されたヒドロキシである式XIIIの化合物につい
ては、まず保護基を除去すべきである。
【0067】 式XVIの化合物は、好ましくは、式XVIIの化合物
【化37】 式中、Kは低級アルキル、特にメチル、または水素、または2つのK基が一緒に
なって結合している炭素原子と1つの5-または6員の脂環式環を形成しており
、そして残りの基は式XVIの化合物で与えられた意味を有する、を、まず第一に
この化合物を、メタノールなど適切な溶媒中、0から50℃の間の温度、特に室温
で、ピリジニウム-p-トルエンスルホネートと反応させ、そうして得られた生成
物を、例えばトリフルオロメタンスルホン酸トリアルキルシリル(トリフルオロ
メタンスルホン酸 ターシャルブチルシリルジメチルシリルなど)の保護基"Prot"
を導入して反応させて、調製する。
【0068】 式XVIIの化合物は、式XVIIIの化合物、
【化38】 式中、Gは式XVの化合物で与えられた意義を有するが特にベンジルを意味する、
を、式XIXの化合物のエノラート
【化39】 に、好ましくは-80から-50℃、特に-78℃の温度で、適切な溶媒中でLDA(LDA=リ
チウムジイソプロピルアミド)など強塩基を加え、ここで化合物Kは低級アルキ
ル、特にメチル、または水素、または2つのK基が一緒になって結合している炭
素原子と1つの5-または6員の脂環式環を形成している、そしてテトラヒドロ
フランなどの適切な溶媒中、該温度、特に-78℃で、リチウムジイソプロピルア
ミドと反応させて、調製する。
【0069】 式XIXの化合物(特にKがメチルを意味する)は知られている。例えば Chem. Eu
r. J. 2(11), 1477-1482 (1996)参照。
【0070】 式XVIIIの化合物は、好ましくは式XXのアルコールの酸化から調製される
【化40】 式中、Gはベンジルなどの保護基を意味する。
【0071】 式XXの化合物(例えばG=ベンジルを有する)は知られており、または既知のプ
ロセスで調製してもよい(Synlett 1998, 861-864参照)。
【0072】 式XIIIの化合物の調製の代わりの別の手順は、式XXVIIの化合物
【化41】 と、上記の式XIXの化合物との反応によって、式XVII*の化合物
【化42】 式中、KおよびKは式XIXの化合物で記載した定義である、が得られる。XVIIで
記載したものと同じ反応シーケンス、但しXVIIに存在する保護基Gの除去を除き
そして続くオレフィン形成反応は必要ではない、によって、式XVII*の化合物をX
IIIに変えることができる。
【0073】 T*がNHまたはN(アルキル)である式IIの化合物は、以下で調製してもよい
: 式X*の化合物から出発する
【化43】 これは式Xの化合物(上記)の調製の副生成物であり、式中、PG*はヒドロキシ基で
ありAは式Iの化合物で与えられた意味の1つを有する、をまず第一にOH基を
脱離基(例えばトシラート、メシラート、トリフラート)に変える。これを次いで
アジド源(例えばNaN3またはBu3SnN3)と反応させる。式XXIの化合物
【化44】 式中、X*は下記式の基
【化45】 であり、そしてAは式Iの化合物で与えられた意味を有する、が得られる。これ
を、その後のアミノ保護基の直接導入またはアルキル化とその後のアミノ保護基
の導入の反応で保護アミノ化合物に変え、NH-PRまたはN(アルキル)-PRの
群(ここでPRはアミノ酸保護基である);またはさらにアジド基の形成を行なう アジドのアミノ基への還元を、例えばトリフェニルホスフィンを用いてまたは
触媒水素化で行ない、その後保護基またはアルキル基PRを導入してもよい。
【0074】 式XXIIの化合物が得られる
【化46】 式中、PR*は上記定義のNH-PRまたはN(アルキル)PRであり、またはN3(
式XXIの化合物と同一)であり、そしてAは式Iの化合物で与えられた意味を有す
る。
【0075】 これらをその後反応させ、XXIIIの対応するアルデヒドを形成する。
【化47】 式中、基は式XXIIの化合物で与えられた意味(例えば水素化ジイソブチルアルミ
ニウムなど)を有する。式XXIIのアルデヒドを、(2S)-アセチルボラン-1,2-サ
ルタンとアルデヒドA-CHO(XI)の第一反応で式Xの化合物のエナンチオマーを
得て、それから化合物X*と類似する方法でXXIIIへ処理することができる。 [P
CHI-PPh3]+-を用いて、アルデヒドXXIIIを対応するビニルハライドに代
えることができる(式VII(上記)の酸素に類似する調製と同様;Rは式Iの定義と
同様である)。
【0076】 式XXIVのヨウ化物を得る、
【化48】 式中、基は式XXIIの化合物で与えられた意味を有する、を上記定義の式XIIIの化
合物(ここで基は明細書中で与えられた意味を有する)と反応させて、式XXV
【化49】 ここでPR*は式XXIIの化合物で与えられた意味を有し、そして残りの基は式XII
*の化合物で与えられた意味を有する、の化合物を得る。反応を式XIIIの化合物
と同様に行ない、式XIIの化合物を形成する(鈴木アルキルカップリング法)。
【0077】 これを次いでエステル加水分解を行ない、式XXVIの化合物
【化50】 式中、基は式XXVの化合物で与えられた意味を有する、を形成する。反応を、式X
II*の化合物の反応と同様の条件で行ない、式XIIの化合物を形成する。
【0078】 最終的に、大ラクタム化を行なう。この中で、ペプチドケミストリーで慣習的
なカップリング試薬、例えばDCC/HOBt、HBTU、TPTU、HATUなどを使用してもよい
[工程a)を参照]。 この工程で、 (i)PR*が保護されたアミノ基である場合、保護基を事前に除去しておかなけれ
ばならない(ターシャルブトキシカルボニルの場合は、例えばトリフルオロ酢酸
またはHF/ピリジンで);あるいは、N-およびO-保護基も同時に除去するのがよ
い、または (ii)PR* がN3である場合、アジド基を、大ラクタム化の前に、例えばトリフ
ェニルホスフィンまたは触媒水素化で還元しなければならない。 いずれにしても、(I)によってT*、NHまたはN(アルキル)が現われ、そして
(ii)によってNHが得られ、対応する式IIの化合物が得られる。 あるいは、高温でトリフェニルホスフィンを作用させて、アジドカルボン酸を
直接大ラクタムに変えてもよい。
【0079】 上記2つの式XIIの化合物中、Yとしてヒドロキシが存在する場合、好ましく
は、例えばProt-Oとして、特にターシャルブチルジメチルシリルオキシとして
保護する。 式IIの化合物およびそれらの先駆物質では、Zが存在する場合、-Z-は好まし
くは結合(隣接する結合と一緒になって二重結合を形成する)である。ZがOであ
る式Iの化合物は、好ましくは、-Z-が結合である、対応する式IIの化合物から
得られる。 式II、III、V、VIおよび/またはVIIの化合物において、波状線で示した結合は
、シス-またはトランス-型、またはそれらの混合物(シス-型が好ましい)が存在
し得ることを意味すると理解される。
【0080】一般的な工程条件 ここに記載した全工程ステップを、知られている反応条件下で、好ましくは特
定の記載のもとで、通常は好ましくは使用する試薬に対して不活性でありそれら
を溶解することができる溶媒また希釈剤を使用してまたは使用せずに、触媒、縮
合剤または中和剤(例えばイオン交換体(剤)など:代表的には例えばH+形態の陽
イオン交換体(剤))を使用せずにまたは使用し、反応および/または反応物の様式
によって、低温、通常、または高温で、例えば-100℃から約190℃、好ましくは
約-80℃から約150℃の範囲、例えば-80から60℃、室温で、-20から40℃または溶
媒の沸点を使用して、大気圧または密閉容器中、必要であれば加圧下でおよび/
または不活性(例えばアルゴンまたは窒素)雰囲気下で、実施することができる。 塩は、塩形成基が含まれる場合は、全出発化合物および中間体で存在してもよ
い。反応がそれによって妨げられないことを条件として、塩はこのような化合物
の反応中で存在していてもよい。
【0081】 全反応段階で、生じた異性体混合物、例えばジアステレオ異性体またはエナン
チオマー、または異性体混合物(例えばラセミ化合物またはジアステレオ異性体
混合物)を、例えば"付加的な工程段階"に記載した方法と同様に、個々の異性体
に分離することができる。 一定の事例では、代表的には脱水素化またはアルドール反応、例えば個々の異
性体の容易な回収で、立体選択的反応を行なうことができる。
【0082】 溶媒は、当該反応に適切なものを選択することができ、例えば、水、低級アル
キル-低級アルカノアート(例えば酢酸エチル)などのエステル、脂肪族エーテル(
例えばジエチルエーテル)、または環状エーテル(例えばテトラヒドロフラン)な
どのエーテル、ベンゼンまたはトルエンなどの液体芳香族炭化水素、メタノール
、エタノールあるいは1-または2-プロパノールなどのアルコール、アセトニトリ
ルなどのニトリル、メチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素、ジメチルホ
ルムアミドなどの酸アミド、ヘテロ環状窒素塩基(例えばピリジン)などの塩基類
、低級アルカンカルボン酸(例えば酢酸)などのカルボン酸、低級アルカン酸無水
物(例えば酢酸無水物)などのカルボン酸無水物、シクロヘキサン、ヘキサン、ま
たはイソペンタンなどの環状、直鎖状、または分岐状炭化水素、またはこれらの
溶媒の混合物(例えば水性溶液)、が、工程の記載で特記しない限り、含まれる。
このような溶媒混合物を後処理、例えばクロマトグラフィーまたは群分離など、
で使用してもよい。
【0083】 本発明は、ある化合物から始めて中間体として得られる段階、そして不足して
いる段階の実施、またはいずれの工程での中断、または反応条件下の出発物質の
形成、または反応性誘導体または塩の形態における該出発物質の使用、または本
発明の工程によって工程条件下で得られる化合物の調製の工程実施態様、そして
さらにその場で行なう該化合物のプロセスに関する。好ましい実施態様では、出
発物質から始めて、好ましい、さらには特に好ましい、主として好ましい、およ
び/または何よりも好ましい、として上記されている化合物にする。
【0084】 特に、本発明は、式II、III、V、VI、VII、Xの中間体生成物にも関し、そして
さらにIXとXIに関し、式XII*、XIII、XIV、XV、XVI、および特にXXVとXXVIの中
間体化合物に関する;但し基がそれぞれ上記定義であり、および特に式Iの化合
物の好ましい意味を有する;PGの代わりに、存在するのであれば、遊離のヒド
ロキシ基が存在してもよい。 好ましい実施態様では、式Iの化合物を、実施例で定義する工程および工程段
階と同様に調製する。 式Iの化合物(塩を含む)は水和物の形態でも得られ、また、結晶は例えば結晶
化で使用される溶媒(溶媒和物として存在する) を含んでもよい。
【0085】医薬製剤、方法、および使用 本発明は、有効成分として式Iの化合物を含み、そして特に上記疾患の処置で
使用することができる、医薬製剤にも関する。温血動物(特にヒト)に対する、鼻
、頬側、直腸、特に経口投与などの経腸投与用、および静脈内、筋肉内または皮
下投与などの非経腸投与用の調製が、特に好ましい。調製は、活性成分単独また
は、好ましくは一緒に薬学的に許容され得る担体を含む。有効成分の投与は、処
置する疾患とその種類、年齢、体重、および個々の状態、個々の薬物動力学デー
タ、そして投与方法に依存する。 本発明は、ヒトまたは動物体の予防または特に治療上の処置用の医薬製剤、そ
れらの調製の工程(特に腫瘍の処置用の組成物の形態)、および、特に上記した上
記疾患(主として腫瘍性疾患)の処置方法に関する。
【0086】 本発明は、また、活性成分(有効成分)として式Iの化合物を含む医薬製剤の調
製における、式Iの化合物の工程および使用に関する。
【0087】 好適なものは、微小管解重合の抑制に反応する疾患(例えば乾癬、または特に
腫瘍性疾患)を罹災する温血動物(特にヒトまたは商業的に有用な哺乳動物)の投
与に適切な医薬組成物であって、相応じる有効量の式Iの化合物、または塩を形
成する基が存在する場合は薬学的に許容され得るそれらの塩を含み、少なくとも
1つの薬学的に許容され得る担体と一緒に得られる。
【0088】 このような処置、特に該疾患を罹災する温血動物、特にヒトまたは商業的に有
用な哺乳類の、腫瘍性および他の増殖性疾患に対する予防または特に治療上の処
置用であって、有効成分として新たな式Iの化合物または薬学的に許容され得る
それらの塩を該疾患に対して予防的にまたは特に治療的に有効な量で含む医薬組
成物が、なおそのうえ好ましい.
【0089】 医薬製剤は約0.000001%から95%の有効成分を含み、ここで、単回投与容量形
態は、好ましくはおよそ0.00001%から90%を有し、そして複数投与容量形態は
、好ましくは、非経腸投与用の調製についてはおよそ0.0001から0.5%を有し、
経腸投与用の調製については1%から20%の有効成分を有する。一群の投与形態
は、例えば、被覆されたまたは被覆されていない錠剤、アンプル、水薬瓶、坐薬
またはカプセルがある。さらなる投与形態は、例えば、軟膏、クリーム、ペース
ト、フォーム、チンキ、口紅、ドロップ、噴霧、分散などがある。実施例は約0.
0002gから約1.0gの有効成分を含むカプセルである。
【0090】 本発明の医薬製剤を、例えば慣習的な混合、粒状化、被覆、溶解、または親液
工程を使って従来知られている方法によって調製することができる。
【0091】 好適なものは、有効成分の溶液、あるいは懸濁液または分散液、特に等張水性
液の使用によって得られ、分散液または懸濁液は、例えば有効成分をそれ自身ま
たは担体(例えばマンニトール)と一緒に含む凍結乾燥したものを、使用前に調製
することができる。医薬製剤を滅菌してもよくおよび/または補形薬、例えば保
存薬、安定剤、湿潤剤を含めてもよく、および/または乳化剤、可溶化剤、浸透
圧を調節する塩および/または緩衝液を、従来知られている方法(例えば慣習的な
溶解または凍結関乾燥工程を使用)で調製できる。該溶液または懸濁液に、増粘
剤、代表的にはナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、デキストラン、ポリビニルピロリドン、またはゼラチン、あるいは可溶
化剤、例えば (登録商標)Tween80 [ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレ
ート;trademark of ICI Americas, Inc, USA]を含めてもよい。
【0092】 油中懸濁液は、油成分として、慣習的な注入目的の、植物油、合成または半合
成油を含む。これに関しては、特定の言及は、酸成分として8から22、特に12か
ら22の炭素原子を有する長鎖脂肪酸を含む液体脂肪酸エステル、例えばラウリン
酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン
酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、または対応する不飽和酸、例えば
オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、またはリノール酸、所望
により酸化防止剤、例えばビタミンE、β-カロチンまたは3,5-ジ-ターシャルブ
チル-4-ヒドロキシトルエンを加える、とみてもよい。これらの脂肪酸エステル
のアルコール成分は最大6炭素原子を有し、そしてモノ-またはポリ水酸化、例え
ばモノ-、ジ-またはトリ水酸化アルコール、例えばメタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノールまたはペンタノールあるいはそれらの異性体、特にグリ
コールとグリセロールがある。そのため、脂肪酸エステルについて、以下が挙げ
られる:オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロ
ピル、"Labrafil M 2375"(オレイン酸ポリオキシエチレングリセロール、Gattef
osse, Paris)、"Labrafil M 1944 CS"(アプリコット種油の加アルコール分解に
よって得られる不飽和ポリグリコール化グリセリドであり、グリセリドとポイエ
チレングリコールエステルからなる;Gattefosse, France)、"Labrasol"(TCMの
加アルコール分解によって調製される飽和ポリグリコール化グリセリドであり、
グリセリドとポリエチレングリコールエステルからなる; Gattefosse, France)
、および/または"Miglyol 812"(of C8ないしC12の鎖長の飽和脂肪酸のトリグリ
セリド、Huels AG, Germany)、しかし特に植物油、例えばオリーブ油、綿実油、
アーモンド油、ヒマシ油、ゴマ油、ダイズ油、そしてさらにはラッカセイ油。
【0093】 注入可能物製剤の製造、充填(例えばアンプルまたは水薬瓶中へ)、そして容器
のシーリング、は、通常、滅菌状態で行なわれる。
【0094】 経口投与用の医薬組成物を、例えば有効成分と1またはそれ以上の固体担体を
併せ、必要であれば得られた混合物を粒状にし、および混合物または粒剤にし、
所望により錠剤またはタブレット・コアを形成し、必要であれば追加の補形薬を
包含させて、得ることができる。
【0095】 適切な担体は、特に、糖(例えばラクトース、ショ糖、マンニトールまたはソ
ルビトール、セルロース調製)、および/またはリン酸カルシウム(例えばリン酸
三カルシウムまたはリン酸水素カルシウム)などの賦形剤、およびデンプン(例え
ばトウモロコシ、コムギ、米またはジャガイモのデンプン)、メチルセルロース
、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロー
スなどの結合剤、および/またはポリビニルピロリドン、および/または所望によ
り崩壊薬(前述のデンプンまたはカルボキシメチルデンプン、架橋されたポリビ
ニルピロリドン、アルギン酸またはそれらの塩(アルギン酸ナトリウムなど))で
ある。付加的な補形薬は、特にフローコンディショナーおよび滑剤、例えばケイ
酸、タルク、ステアリン酸またはそれらの塩(マグネシウムまたはカルシウムス
テアレート)、および/またはポリエチレングリコール、またはそれらの誘導体で
ある。
【0096】 タブレット・コアを、適切な、必要であれば腸溶性の被覆剤、特に、アラビア
ゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または
酸化チタン(IV)を含む濃縮糖溶液、または適切な有機溶媒または溶媒混合物中の
被覆溶液、または、腸溶性被覆の調製用として、適切なセルロース調製の溶液、
例えばアセチルセルロースフタラートまたはヒドロキシプロピルメチルセルロー
スフタラート、を使用して調製してもよい。例えば同定の目的でまたは異なる用
量の有効成分であることを示すために、染料または顔料を錠剤に加えてもよい。
【0097】 経口投与できる医薬組成物は、ゼラチンからなるハードカプセル、およびゼラチ
ンおよび可塑剤(グリセロールまたはソルビトール)からなるソフト、密閉カプセ
ルを含む。ハードカプセルは、有効成分を、例えばコーンスターチなどの賦形剤
、結合剤、および/またはタルクまたはマグネシウムステアレートなどの潤滑剤(
glidant)、および必要であれば安定剤などの混合添加物と、粒剤の形態で含んで
いてもよい。ソフトカプセル中では、有効成分は、好ましくは適切な液体補形薬
(脂肪油、パラフィン油または液体ポリエチレングリコールまたはエチレンまた
はプロピレングリコールの脂肪酸エステルなど)中に溶解または懸濁しており、
さらに安定剤および界面活性剤(例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル型の)を加えてもよい。
【0098】 適切な直腸投与できる医薬製剤は、例えば、有効成分と坐薬基剤の組合せから
なる坐薬である。適切な坐薬基剤は、例えば、天然のまたは合成トリグリセリド
、パラフィン炭化水素、ポリエチレングリコールまたは高級アルカノールである
【0099】 非経腸投与に適切な製剤は、主として、有効成分が水溶性形態(例えば水溶性
塩)の水性溶液[または例えば生理学的食塩水中、ポリエチレングリコール(ポリ
エチレングリコール(PEG)300またはPEG400など)中の希釈溶液から得られる]、ま
たは増粘剤(例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールおよ
び/またはエキストリン)および適切な安定剤を含む水性注入懸濁液である。有効
成分は、必要であれば補形薬と一緒に凍結乾燥の形態にすることもでき、そして
非経腸投与の前に、適切な溶媒を加えて溶液を調製することもできる。
【0100】 このように使用する溶液は、例えば非経腸投与用では、注入溶液として使用す
ることができる。 好ましい保存剤は、例えば、酸化防止剤(アスコルビン酸など)、または殺菌剤
(ソルビン酸または安息香酸など)である。
【0101】 同様に、本発明は、上記の病理学的状態の1つの工程または処置の方法、特に
微小管解重合の抑制(特に対応する腫瘍性疾患)に応じる疾患、に関する。式Iの
化合物を、このようにしてまたは医薬組成物の形態で、予防的または治療的に、
好ましくは該疾患に対して有効量を温血動物(例えばこのような処置を必要とす
るヒト)に、投与することができ、この化合物は特に医薬組成物の形態で使用さ
れる。約70kgの体重を有する人に対して、投与する用量は、本発明の化合物のお
よそ0.1mgからおよそ1g、好ましくはおよそ0.5mgからおよそ200mgである。投与
は、好ましくは、例えば1ないし4週間毎に、例えば1週毎に、隔週に、3週毎
に、または4週ごとに行なう。
【0102】 本発明は、特に、式Iの化合物または薬学的に許容され得るそれらの塩、とり
わけ好ましい化合物として示された式Iの化合物または薬学的に許容され得るそ
れらの塩の使用に関し、それ自体あるいは少なくとも1つの医薬的条件にみあっ
た担体または上記疾患の1またはそれ以上の治療および予防処置用の医薬的製剤
を含む。
【0103】 本発明は、特に、上記疾患の1またはそれ以上の治療および予防処置用の医薬
的製剤の調製における、式Iの化合物または薬学的に許容され得るそれらの塩、
とりわけ好ましい化合物として示された式Iの化合物または薬学的に許容され得
るそれらの塩の使用に関する。 各事例で使用されている、医薬的製剤(薬剤)の好ましい投与量、組成物、およ
び調製を以下に記載する。
【0104】 下記の実施例は本発明を零次説明するものであるが、いかなる意味でも発明の
範囲を限定するものではない。 温度を摂氏温度計で測定した。特記しない限り、室温で反応を行なった。
【0105】 使用した略語:
【表1】
【表2】
【0106】実施例 1: 4,8-ジヒドロキシ-5,5,7,9,13-ペンタメチル-16-(2-メチル-ベンゾチ アゾ-5-イル)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2,6-ジオン (19)
【化51】 トリフルオロ酢酸 0.175 mlを、CH2Cl2 0.7 ml中、保護されたラクトン 18[実
施例(1k)参照] 0.041 gの溶液に-20℃で5分に渡って滴下して加え、そしてこの
溶液をその後0℃で1時間撹拌した。溶液をエバポレーションで濃縮し、それか
ら得られた残渣をCH2Cl2/メタノール 100/1→100/2でFC精製した。 0.028 gの19 を無色樹脂として得た。 ESI-MS: 502 (M+H)+. 1H-NMR (CDCl3, 300MHz), δ (ppm vs. TMS): 7.99 (s, 1
H); 7.80 (d, 1H); 7.36 (d, 1H); 5.92 (d,d, 1H); 5.15-5.26 (m, 1H); 4.21
(d,d, 1H); 3.75 (t, 1H); 3.1-3.23 (m, 1H); 2.84 (s, 3H); 1.70 (s, ~3H).
[α]D = -77.39o (c=0.115 CHCl3中).
【0107】 出発物質を下記のとおり調製した: (1a) アルデヒド 1
【化52】 N-ブロモコハク酸イミド 21.0 g を四塩化炭素 100ml中 2.5-ジメチル-ベンゾ
チアゾール(Fluka, Buchs, Switzerland) 16.07 g の溶液に加え、そしてこの懸
濁液をタングステン電球で照射し、80℃で4時間加熱した。反応混合物を室温ま
で冷却した後、溶けていない成分を濾過して取り除き、溶媒を蒸発留去した。
得られた油状物に、続けて、50%水性酢酸 200 mlとヘキサメチレンテトラミン 2
6.8 gと混合し、混合物を次いで80分間110℃で加熱し、それから水 250 mlを加
えて反応を止めた。反応混合物に酢酸エチルを加えて後処理した;併せた有機抽
出物を、飽和水性NaHCO3溶液、水および飽和水性NaCl溶液で続けて逆抽出し、最
後にNa2SO4で乾燥した。エバポレーションによる溶液の濃縮で得られたオイルを
、ヘキサン/EA 3/1でFC精製した。得られた結晶をターシャルブチルメチルエー
テル/ヘキサンで最結晶した。こうして化合物1が得られた: M.p. 98 - 100℃.
ESI-MS: 178 (M + H). 1H-NMR (CDCl3, 300MHz), δ (ppm vs. TMS): 10.11 (s,
1H); 8.39 (d, 1H); 7.95 (, 1H); 7.92 (dd, 1H); 2.88 (s, 3H).
【0108】 (1b) アルコール 2
【化53】 トリフルオロメタンスルホン酸 3.75 mlを、20℃で、ヘキサン 42.5 ml中、ト
リエチルボラン 6.2 mlの溶液に5分に渡って加え、この溶液を室温でその後30
分間、さらに40℃で15分間撹拌した。室温まで冷却した後、CH2Cl2 8.5 mlを加
え、室温で45分続けた。それから、まず第一に、CH2Cl2 12 ml中、(2R)-アセチ
ルボルナン-10,2-スルタム[Tetrahedron Lett. 33, 2439 (1992)参照]8.4 gの溶
液を、0℃で45分に渡って滴下して加え、それから-4℃から-2℃にし、CH2Cl2 7.
2 ml中 Huenig's base溶液 7.3 mlを15分に渡って滴下した。それから反応混
合物を-78℃に冷却し、それからこの温度で、CH2Cl2 30 ml中、1の溶液 8.1gを3
0分に渡って滴下して加えた。撹拌をその後-78℃で3時間行ない、そして飽和水
性NH4Cl溶液 85 mlを加えて反応を止めた。室温まで加熱した後、有機相を分離
し、それから水相をCH2Cl2で抽出し、そして併せた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し
た。エバポレーションによる溶液の濃縮で得られたオイルをCH2Cl2/エーテルでF
C精製した。その後のエーテルからの結晶化から、所望のジアステレオ異性体 2
が得られ、そして2とそのR-ジアステレオ-異性体の混合物の群も得られた。この
混合物をさらにエーテル中FCにかけ、さらなる 2が得られた。 Fp. 158 - 160℃. ESI-MS: 435 (M + H). 1H-NMR (CDCl3, 500MHz), δ (ppm vs
. TMS): 7.87 (m, 2H); 7.37 (dd, 1H); 5.23 (t, 1H); 5.10 (d, 1H); 3.79 (t
, 1H); 3.62 (d, 1H); 3.53 (d, 1H); 3.14 (dd, 1H); 2.96 (dd, 1H); 2.77 (s
, 3H); 0.91 (s, 3H); 0.87 (s, 3H).
【0109】 (1c) TBS-エーテル 3
【化54】 DMF 75 ml中、7.46 gの3の溶液を、イミダゾール 1.76 gおよびTBS-Cl 3.11 g
と混合し、それからこの混合物をまず第一に室温で30分間撹拌し、それから35℃
で22時間撹拌した。それから、さらにイミダゾール 0.6 gとTBS-Cl 1.06 gを加
え、その後さらに35℃で4時間撹拌し、イミダゾール 1.17 gとTBS-Cl 2.04 gを
加えた。さらに35℃で4時間撹拌した後、反応混合物を室温まで冷却して溶媒を
蒸発留去した。得られた油状物をCH2Cl2 300 ml中に取り出し、溶液を水で洗浄
し、Na2SO4で乾燥し、最終的にCH2Cl2 を取り除いた。得られた油状物をエーテ
ル/ヘキサン 2/1でFC精製した。こうして3を、白色結晶と油状物として得た。同
じ溶離剤系で油状物をさらなるFCにかけ、付加的な量の3を得た(同じく白色結晶
)。 M.p. 123 -126℃. ESI-MS: 549 (M + H). 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz), δ (p
pm vs. TMS): 7.88 (d, 1H); 7.72 (d, 1H); 7.40 (dd, 1H); 5.34 (t, 1H); 3.
76 (m, 1H); 3.46 (q, 1H); 3.14 (d, 2H); 2.8 (s, 3H); 0.84 (s, 3H); 0.83
(s, 9H); 0.65 (s, 3H); 0.04 (s, 3H); - 0.20 (s, 3H).
【0110】 (4) アルデヒド 4
【化55】 CH2Cl2中、DIBAL-H の1M 溶液を、CH2Cl2 100 ml中7.97 g の2の溶液に、窒素
雰囲気下、-78℃で15分に渡って滴下した。それから反応混合物を-78℃で2.5時
間撹拌し、それから2時間後に上記DIBAL-Hをさらに3 ml加え、それからメタノー
ル 6 mlを加えて反応を止めた。その後、CH2Cl2 100 mlと水 50 mlを加え、それ
からCelite(=(登録商標)Celite、珪藻土をもとにした濾過補助品、Celite Corp.
;Fluka, Buchs, Switzerlandから入手)上で濾過を行なった。有機相を分離し、
水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして溶媒を蒸発留去した。得られた油状物をヘ
キサン/エーテルで2回FC精製した。4を油状物として得た。ESI-MS: 368 (M + H
+ MeOH). 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz), δ (ppm vs. TMS): 9.80 (d, 1H); 7.90
(d, 1H); 7.77 (d, 1H); 7.33 (dd, 1H); 5.35 (m, 1H); 2.82 (s, 3H); 0.85 (
s, 9H); 0.05 (s, 3H); - 0.15 (s, 3H).
【0111】 (1e) ビニルヨウ化物 5
【化56】 THF中、1M NaHMDS溶液 6 ml を窒素雰囲気下で5分に渡って滴下して加え、[Ph 3 P-CHICH3]+- の懸濁液を-70℃まで冷却した。オレンジに色づいた懸濁液を最
初に-70℃で15分間撹拌しそれから-40℃で70分間撹拌し、橙褐色の溶液の組成物
とした。この混合物を再び-70℃まで冷却し、この温度で、THF 8 ml中、アルデ
ヒド 4の溶液を10分に渡って滴下して加えた。その後-70℃で50分間撹拌を行な
い、それから飽和水性NH4Cl 溶液を加えて反応を止めた。エーテル 100 mlと水
40 mlを加えた後、まず第一に濾過を行ない、それから有機相を分離し、水で洗
浄し、それからNa2SO4で乾燥し、その後溶媒を蒸発留去した。得られた油状物を
ヘキサン/EA 9/1でFC精製した。5を油状物として得た。 ESI-MS: 474 (M + H). 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz), δ (ppm vs. TMS): 7.89 (d,
1H); 7.75 (d, 1H); 7.35 (dd, 1H); 5.23 (t, 1H); 5.45 (t, 1H); 4.87 (t,
1H); 2.83 (s, 3H); 0.88 (s, 9H); 0.04 (s, 3H); - 0.12 (s, 3H).
【0112】 1-ヨード-エチル-ホスホニウムヨウ化物 [Phe3P-CH(I)CH3]+I- の調製を、ヘ
キサン中1.6 M n-ブチルリチウム溶液を等モル量のエチルホスホニウムヨウ化物
(Aldrich)(THF中)に-78℃で加えて行ない、それから形成した沈殿を濾過した。
ジクロロメタン/THFからの再結晶化で、空気の存在下で安定である1-ヨード-エ
チルホスホニウムヨウ化物を黄色結晶性固体を得た。(1H-NMR (DMSO-d6: δ = 8
.1-7.7 m(15H); 6.3 m (1H); 2.55 dd (3H)).
【0113】 (1f) オレフィン 12
【化57】 臭化エチレン 0.038 mlを窒素雰囲気下でベンゼン中Zn/Cu対 0.509 gの懸濁液
に加え[Organic Synthesis 41, 72 (1966)]、それから混合物を90℃で30秒間加
熱した。室温まで冷却した後、トリメチルシリルクロライド 0.0375 mlを加え、
それから室温で5分間撹拌した。アルキルヨウ化物28(下記式[Schinzer et al.,
Synlett. 1998, 861-4 ]) 1.732 g、ジメチルアセトアミド 0.8 ml、およびベン
ゼン 4.3 mlの混合物を加えた後、反応混合物を最初に60℃で2時間45分加熱し、
その後トリメチルシリルトリフラート 0.0215 mlを加え、さらにジメチルアセト
アミド 0.8 mlを加え、70℃で1時間撹拌した。室温まで冷却した後、まず第一
にテトラキス(トリフェニルホスフィン)-Pd 0.1498 gを加え、それから5分間撹
拌し、ビニルヨウ化物5 1.59 gとベンゼン 3 mlを加えた。反応混合物を60℃で
30分間加熱し、室温まで冷却した後、飽和水性NH4Cl溶液 5.5 mlを加えた。5分
間撹拌した後、ターシャルブチルメチルエーテル 32 mlを加え、有機相を分離し
、Na2SO4で乾燥した。濾過および溶媒の蒸発留去後に得られた油状物を2回(1回
目はヘキサン/ターシャルブチルメチルエーテル 95/5、2回目はヘキサン/EA 200
/3)FC精製した。12を油状物として得た。ESI-MS: 563 (M + H). 1H-NMR (CDCl3,
200 MHz), δ (ppm vs. TMS): 7.85 (d, 1H); 7.73 (d, 1H); 7.32 (dd, 1H);
5.12 (t, 1H); 4.63 (t, 1H); 3.35 (m, 2H); 2.82 (s, 3H); 2.38 (m, 2H); 1.
90 (t, 2H); 1.63 (s, 3H); 0.87 (s, 18H); 0.02 (s, 9H); - 0.27 (s, 3H).
【0114】 (1g) アルコール 13
【化58】 ショウノウスルホン酸 0.540 g をCH2Cl2/メタノール 1/1 40 ml中、12 1.304
g の溶液に0℃で加え、それからこの混合物を、まず第一に0℃で30分間、次い
で室温で100分間撹拌した。反応を飽和水性NaHCO3溶液 2 mlを加えて止め、その
後さらに5分間エバポレーションで濃縮した。得られた油状物をCH2Cl2中に移し
、それから溶液を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥しそれからエバポレーションで濃縮
した。得られた油状物をヘキサン/EA 3/1でFC精製した 13を油状物として得た。 ESI-MS: 448 (M + H). 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz), δ (ppm vs. TMS): 7.85 (d
, 1H); 7.74 (d, 1H); 7.32 (dd, 1H); 5.15 (t, 1H); 4.74 (dt, 1H); 3.40 (t
, 2H); 2.82 (s, 3H); 2.39 (q, 2H); 1.90 (dt, 2H); 1.62 (s, 3H); 0.87 (s, 9H); 0.83 (s, 9H); 0.02 (s, 3H); - 0.12 (s, 3H).
【0115】 (1h) アルデヒド 14
【化59】 DMSO 0.310 mlをCH2Cl2 5 ml中、塩化オキサリル 0.172 mの溶液に加え、-78
℃まで冷却し、それから溶液を-78℃で10分間撹拌した。その後、15分後に、CH2 Cl2 3 ml中、13 0.813 g の溶液を加え、温度が-70℃を超えないようにした。-7
8℃で30分間撹拌した後、トリエチルアミン 1.26 mlを加え、そして溶液を45分
に渡って室温まで温めた。室温に2時間おいた後、水 5 mlを加え、有機相を分離
し、水相をCH2Cl2で3回抽出した。併せた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、溶媒を
蒸発留去して得られた油状物を、ヘキサン/EA 1/19→1/4でFC精製した。14 を油
状物として得た。 ESI-MS: 446 (M+H)+. 1H-NMR (CDCl3, 200MHz), δ (ppm vs. TMS): 9.52 (s, 1
H); 7.85 (d, 1H); 7.73 (d, 1H); 7.31 (d,d, 1H); 5.18 (t, 1H); 4.74 (t, 1
H); 2.81 (s, 3H); 1.62 (s, 3H); 1.01 (d, 3H); 0.87 (s, 9H); 0.01 (s, 3H)
; -0.13 (s, 3H). [α]D = +45.76o (c=0.295 CHCl3中).
【0116】 (1I) カルボン酸 16
【化60】 THF中、1.6 M n-ブチルリチウム溶液 3.41 mlを、THF 6 ml中N,N-ジイソプロ
ピル-エチルアミン 0.771 mlの溶液に、0℃で15分に渡って滴下して加えた。溶
液を-4℃/-5℃で10分間撹拌し、それから-78℃まで冷却した。この温度で、カル
ボン酸 29 0.660 gの溶液を加え、溶液を15分間で-40℃まで温め、その後再び-7
8℃まで冷却した。その後、THF中アルデヒド 14 0.608 gの溶液 3 ml を加え、
そして溶液を-78℃で30分間撹拌した。飽和水性NH4Cl溶液 7 mlを加えて反応を
止め、室温まで加熱した後、溶液と酢酸 0.513 mlとを混合し、EAで抽出した。
併せた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、溶媒を蒸発留去し、そして残った油状残渣
をトルエン/EA 1/1のFCで精製した。こうして得られたアルドール生成物 15(下
記の式参照)をCH2Cl2 40 ml に溶かし、溶液を2,6-ルチジン 0.435 mlと混合し
た。0℃まで冷却した後、TBSトリフラート 0.720 ml を加え、混合物を0℃で2.5
時間撹拌した。20% クエン酸 8 mlを加えた後、有機相を分離し、水性溶液をCH2 Cl2で逆抽出し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を蒸発留去した。残った油状物をメタノ
ール 20 ml中に取り出し、この溶液をK2CO3 2.0 gと水 1 mlと混合し、混合物を
室温で90分間撹拌した。溶けていない成分を濾過で取り除き、濾液のpH値を、Do
wex 50Wx8 イオン交換体樹脂(活性基としてスルホン酸基を有する強酸陽イオン
交換体、架橋成分として8% DVBを有するスチレンのマトリクス、Dowex(登録商標 ) はDow Chemical Co.の商標)で4.5に調節し、樹脂をフィルター濾過し、新たな
濾液をエバポレーションで濃縮した。残渣をCH2Cl2 20 mlと飽和水性NH4Cl溶液
20 mlで分配し、有機相を分離し、水性溶液をCH2Cl2で逆抽出し、併せた有機抽
出物をNa2SO4で乾燥し、エバポレーションで濃縮した。得られた油状物をCH2Cl2 /MeOH 99/1→99/2でFC精製したが、カルボン酸 29が混合した形態でしか得るこ
とができなかった。この物質を、2度目の上記のシリル化/脱シリル化シーケン
スにかけた。最終的に、純粋な 16 を油状物として得た。 ESI-MS: 862,4 (M+H)+.
【化61】 (J. Am. Chem. Soc. 119, 7974 (1997); Synlett 1997, 824 (Corrigendum in S
ynlett 1998, 328含む)参照)
【化62】
【0117】 (1j) ヒドロキシ酸 17
【化63】 テトラブチルアンモニウムフルオライドの1M 溶液 1.85 mlを、THF 6 ml中 16 0.265 g の溶液に加え、6時間室温で撹拌した。その後、EA 8 mlと20% クエン
酸 7 ml を加え、有機相を分離し、EAで水性溶液を逆抽出した。併せた有機抽出
物をNa2SO4で乾燥し、溶媒を蒸発留去した後に得られた油状残渣を、CH2Cl2/メ
タノール 98/2→97/3でFC精製した。17を油状物として得た。 ESI-MS: 748.3 (M+H)+. 1H-NMR (CDCl3, 200MHz), δ (ppm vs. TMS): 8.23 (d,
1H); 7.76 (d, 1H); 7.40 (d,d, 1H); 5.24 (t, 1H); 4.73-4.84 (m, 1H); 4.4
5 (t, 1H); 3.67-3.74 (m, 1H); 3.10-3.22 (m, 1H); 2.82 (s, 3H); 1.75 (s,
3H); 1.14 (d, 3H); 1.08 (d, 3H); 0.80-0.95 (m, 約24H); 0.10 (s, 3H); 0.0
5 (s, 3H); 0.04 (s, 3H); 0.01 (s, 3H).
【0118】 (1k) 保護ラクトン 18
【化64】 トリエチルアミン 0.0866 ml と2,4,6-トリクロロベンゾイルクロライド(Aldr
ich, Buchs, Switzerland)0.0677 mlを、THF 3 ml中 ヒドロキシ酸 17 0.216 g
の溶液に、0℃に冷却して加え、それから0℃で1時間撹拌した。その後、この溶
液を、トルエン中 N,N-ジメチルアミノピリジン 0.354 gの溶液に、室温で5分に
渡って滴下して加え、それから室温で15時間撹拌した。懸濁液の35℃のエバポレ
ーション濃縮後に得られた固体残渣を、ヘキサン/エーテル 3/2 30 ml中に懸濁
し、濾過し、その濾過の残渣を、溶媒混合物 15 mlで2度洗浄した。全濾液を蒸
発留去して乾燥し、そして固体残渣を、トルエン/アセトン 100/1.25→100/5ま
たは100/1→100/4のFCで2度精製した。18を無色の樹脂として得た。 ESI-MS: 730 (M+H)+. 1H-NMR (CDCl3, 200MHz), δ (ppm vs. TMS): 7.97 (s, 1
H); 7.79 (d, 1H); 7.37 (d, 1H); 5.59 (d, 1H); 5.25 (t, 1H); 3.93-4.0 (m,
1H); 3.90 (d, 1H); 2.85 (s, 3H); 1.71 (s, 3H). [α]D = -60.72o (c=0.415
CHCl3中).
【0119】実施例 2: 4,8-ジヒドロキシ-5,5,7,9,13-ペンタメチル-16-(2-メチル-ベンゾチ アゾ-6-イル)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2,6-ジオン(脱保護したラクト
ン 27)
【化65】 27の調製を、26 0.144 g[実施例2(m)]から、19(実施例 1)と同様に行なった。
ESI-MS: 502 (M+H)+. 1H-NMR (CDCl3, 200MHz), δ (ppm vs. TMS): 7.92 (d, 1
H); 7.83 (d, 1H); 7.44 (d,d, 1H); 5.86 (d,d, 1H); 5.14-5.25 (m, 1H); 4.0
8 (d,d, 1H); 3.74 (t, 1H); 3.16 (m, 1H); 2.82 (s, 3H); 1.67 (s, ~3H); 1.
26 (s, 3H); 1.19 (d, 3H); 1.03 (s) and 1.01 (s, 併せて6H). [α]D = -63,7
5o (c=0.4 CHCl3中).
【0120】 出発物質を以下のように調製した:(2a) 2-ブロモ-4-メチル-チオアセトアニリド
【化66】 2-ブロモ-4-メチル-アセトアニリド(Maybridge)を、ベンゼン 250 ml中 P2S5
24.74 gの懸濁液を加え、そして還流下で3時間加熱した。室温まで冷却した後、
この混合物を濾過し、濾過の残渣をエーテルで洗浄した。併せた濾液を10%水性
Na2CO3溶液で抽出し、その後、水性抽出液を濃HClでpH 1に酸性した。得られた
沈殿を濾過し、エーテル/ヘキサンで再結晶した。2-ブロモ-4-メチル-チオアセ
トアニリドを褐色結晶として得た。ESI-MS: 244/246 (M + H). 1H-NMR (CDCl3,
200MHz), δ (ppm vs. TMS): 回転異性体混合物の割合 約3:1. 9.00 (s, 1/3x1
H); 8.63 (s, 2/3x1H); 8.15 (d, 1H); 7.49 (s, 1/3x1H); 7.42 (s, 2/3x1H);
7.18 (s, 1/3x1H); 7.12 (s, 2/3x1H); 2.77 (s, 3H); 2.40 (s, 1/3x3H); 2.23
(s, 2/3x1H).
【0121】 (2b) ベンゾチアゾール 6 (Spitulnik, M. J., Synthesis 1976, 730-1参照)
式:
【化67】 油状物中 NaHの55%分散物 3.05 gを、窒素雰囲気下で、少しづつ、N-メチル-2
-ピロリドン 72 ml中20 14.27 gの溶液に、温度が25℃を超えない様に加え、そ
の後この混合物を150℃で2時間加熱した。室温まで冷却した後、水を加え、混合
物をエーテルで抽出した。有機相の乾燥およびエバポレーション濃縮後に得られ
た油状物を、ヘキサン/エーテル 4/1でFC精製した。6を褐色油状物として得た。
ESI-MS: 164 (M + H). 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz), δ (ppm vs. TMS): 7,81 (d,
1H); 7,59 (d, 1H); 7,22 (dd, 1H); 2,79 (s, 3H); 2,46 (s, 3H).
【0122】 (2c) アルデヒド 7
【化68】 7の調製を、6 15.08 gから、1[実施例 (1a)]と同様に行なった。 M.p. 78 - 80℃. ESI-MS: 178 (M + H). 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz), δ (ppm vs
. TMS): 10.08 (s, 1H); 8.38 (d, 1H); 8.06 (d, 1H); 7.96 (dd, 1H); 2.90 (
s, 3H).
【0123】 (2d) アルコール 8
【化69】 8(油状物)の調製を、7 9.03 gから、2[実施例 (1b)]と同様に行なった。
ESI-MS: 435 (M + H). 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz), δ (ppm vs. TMS): 7.89 (m,
2H); 7.43 (dd, 1H); 5.31 (m, 1H); 5.10 (d, 1H); 3.89 (t, 1H); 3.51 (d,
1H); 3.45 (m, 2H); 3.45 (d, 1H); 3.16 (m, 2H); 2.72 (s, 3H); 1.07 (s, 3H
); 0.95 (s, 3H).
【0124】 (2e) TBS-エーテル 9
【化70】 9(油状物)の調製を、8 9.03 gから、3[実施例 (1c)]と同様に行なった。
M.p. 208 - 212℃. ESI-MS: 549 (M + H). 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz), δ (ppm
vs. TMS): 7.85 (d, 1H); 7.81 (d, 1H); 7.41 (dd, 1H); 5.21 (t, 1H); 3.77
(m, 1H); 3.37 (s, 2H); 3.13 (m, 2H); 2.81 (s, 3H); 0.83 (s, 9H); 0.82 (s
, 3H); 0.58 (s, 3H); 0.05 (s, 3H); - 0.18 (s, 3H).
【0125】 (2f) アルデヒド 10
【化71】 10(油状物)の調製を、9 9.11 gから、4[実施例 (1d)]の調製と同様に行なった
。 ESI-MS: 368 (M + H + MeOH). 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz), δ (ppm vs. TMS): 9
.80 (d,1H); 7.91 (d, 1H); 7.81 (d, 1H); 7.40 (dd, 1H); 5.32 (m, 1H); 2.8
3 (s, 3H); 0.85 (s, 9H); 0.05 (s, 3H); - 0.15 (s, 3H).
【0126】 (2g) ビニルヨウ化物 11
【化72】 11(油状物)の調製を、10 4.64 gから、5[実施例 (1e)]の調製と同様に行なっ
た。 ESI-MS: 474 (M + H). 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz), δ (ppm vs. TMS): 7.87 (d,
1H); 7.78 (d, 1H); 7.39 (dd, 1H); 5.45 (dt, 1H); 4.85 (dt, 1H); 2.82 (s
, 3H); 0.88 (s, 9H); 0.03 (s, 3H); - 0.12 (s, 3H).
【0127】 (2h) オレフィン 20
【化73】 20(油状物)の調製を、11 3.54 g、およびアルキルヨウ化物28 3.83 gから、12 [実施例 (1f)]と同様に行なった。 ESI-MS: 563 (M + H). 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz), δ (ppm vs. TMS): 7.84 (d,
1H); 7.73 (d, 1H); 7.35 (dd, 1H); 5.12 (dt, 1H); 4.70 (dt, 1H); 2.81 (s
, 3H); 1.63 (s, 3H); 0.87 (s, 18H); 0.02 (s, 3H); 0.01 (s, 6H); - 0.13 (
s, 3H).
【0128】 (2i) アルコール 21
【化74】 21(油状物)の調製を、20 3.64 gから、13[実施例 (1g)]と同様に行なった。
ESI-MS: 448 (M + H). 1H-NMR (CDCl3, 200 MHz), δ (ppm vs. TMS): 7.85 (d,
1H); 7.72 (d, 1H); 7.35 (dd, 1H); 5.14 (dt, 1H); 4.70 (t, 1H); 3.38 (t,
2H); 2.82 (s, 3H); 2.27 (q, 2H); 1.86 (dt, 2H); 1.63 (s, 3H); 0.86 (s,
9H); 0.02 (s, 3H); - 0.13 (s, 3H).
【0129】 (2j) アルデヒド 22
【化75】 22の調製を、21 2.26 gから、14[実施例 (1h)]と同様に行なった。 ESI-MS: 446 (M+H)+. 1H-NMR (CDCl3, 200MHz), δ (ppm vs. TMS): 9.54 (s, 1
H); 7.86 (d, 1H); 7.74 (d, 1H); 7.35 (d,d, 1H); 5.16 (t, 1H); 4.71 (t, 1
H); 2.81 (s, 3H); 1.63 (s, 3H); 1.02 (d, 3H); 0.88 (s, 9H); 0.01 (s, 3H)
; -0.13 (s, 3H). [α]D = -47.47o (c=0,99 CHCl3中).
【0130】 (2k) カルボン酸 24
【化76】 24の調製を、22 1.82 g およびカルボン酸29 1.98 g(アルドール生成物23経由
)から、16[実施例 (1i)]と同様に行なった。 ESI-MS: 862 (M+H)+. 1H-NMR (CDCl3, 200MHz), δ (ppm vs. TMS): 7.85 (d, 1
H); 7.73 (d, 1H); 7.36 (d,d, 1H); 5.14 (t, 1H); 4.70 (t, 1H); 4.32-4.40
(m, 1H); 3.70-3.78 (m, 1H); 3.09 (t, 1H); 2.81 (s, 3H); 1.62 (s, 3H); 0.
88 (2s, 約27H); 0.01-0.08 (m, 15H); -0.12 (s, 3H). [α]D = +58.3o (c=0,3
CHCl3中).
【化77】
【0131】 (2l) ヒドロキシ酸 25
【化78】 25の調製を、24 1.314 gから、17[実施例 (1j)]と同様に行なった。 ESI-MS: 748 (M+H)+. 1H-NMR (CDCl3, 200MHz), δ (ppm vs. TMS): 7.79 (d, 1
H); 7.73 (d, 1H); 7.41 (d,d, 1H); 5.14 (t, 1H); 4.78 (d,d, 1H); 4.37 (d.
d, 1H); 3.76 (broad d, 1H); 3.10 (t, 1H); 2.82 (s, 3H); 1.69 (s, 3H); 0.
88 (s); 0.86 (s); 0.08 (s, 3H); 0.03 (s, 9H). [α]D = -162.95o (c=0,305
CHCl3中).
【0132】 (2m) 保護ラクトン 26
【化79】 26の調製を、25 0.850 gから、18と同様に行なった。 [α]D = -41.19o (c=0.415 CHCl3中). ESI-MS: 730 (M+H)+. 1H-NMR (CDCl3, 30
0MHz), δ (ppm vs. TMS): 7.93 (d, 1H); 7.85 (s, 1H); 7.48 (d, 1H); 5.59
(d, 1H); 5.22 (t, 1H); 3.93-4.02 (m, 1H); 3.92 (d, 1H); 2.83 (s, 3H); 1.
71 (s, 3H).[α]D = -41.19o (c=0.415 CHCl3中).
【0133】 下記の例 3 および 4 は、化合物 19 および 27から、以下の工程に基づくエ
ポキシ化によって得られた: 変異体 A: ラクトン 19 (10 mg) または化合物 27 (10 mg) を、メチレンクロラ
イド 0.5 ml中に取り入れ、そして低温で(およそ -10℃) 1.1から1.2等量のメタ
クロロ過安息香酸(Fluka, degree of purity 90%)を加えた。反応混合物を-10℃
で2時間撹拌し、その後酢酸エチルで希釈し、飽和水性NaHCO3溶液で洗浄した。
有機相をMgSO4で乾燥し、エバポレーションで濃縮した後に得られた残渣(粗最終
生成物 19aまたは27a)をCH2Cl2/MeOH 100/2のFCで精製した。
【0134】 変異体 B: アセトン中ジメチルジオキシランの溶液を、ラクトン 19 または ラ
クトン 27 の溶液に、出発物質が薄層クロマトグラフィーで検出されなくなるま
で、-50℃で滴下して加えた。変異体 Aと同様の後処理をして最終生成物を得た
。 変異体 C: 反応を、化合物 72の調製の以下の記載に類似して行なった。
【0135】 例 式 遊離体
【化80】
【化81】
【0136】 化合物 19aの系統名は、7,11-ジヒドロキシ-8,8,10,12,16-ペンタメチル-3-(2
-メチル-ベンゾチアゾ-5-イル)-4,17-ジオキサ-ビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-
5,9-ジオンであり、化合物 27aは、7,11-ジヒドロキシ-8,8,10,12,16-ペンタメ
チル-3-(2-メチル-ベンゾチアゾ-6-イル)-4,17-ジオキサ-ビシクロ[14.1.0]ヘプ
タデカン-5,9-ジオンである。
【0137】実施例 1/3 他の経路:
【化82】 THF 10 ml中 96 1.001 g の溶液に、THF中 0.5M BBN溶液(Aldrich) 4.2 ml を
Ar雰囲気下で加え、この混合物を室温で4時間撹拌した(溶液 A)。別のフラスコ
で、ビニルヨウ化物 5 0.679 g を、Cs2CO3 0.934 g、Ph3As 0.117 g 、PdCl2(d
ppf) 0.140 g、および水 0.310 ml とDMF 10 mlの混合物に加えた(溶液 B)。溶
液Bを-10℃に冷却し、それから溶液Aを加えた。反応混合物を室温まで温め、室
温で21時間撹拌し、それから水 50 mlを加えた。水性溶液を、それぞれAcOEt 50
mlで3回抽出し、併せた有機抽出物を水 50 ml で1度洗浄した。Na2SO4で乾燥
し、溶媒の蒸発留去した後、残渣をヘキサン/AcOEt 9/1(2行程)のFCで精製し、3 0 を得た。 ESI-MS: 876 (M + H). 1H-NMR (CDCl3, 500MHz), δ (ppm vs. TMS): 7.86 (s,
1H); 7.73 (d, 1H); 7.32 (dd, 1H); 5.16 (t, 1H); 4.73 (t, 1H); 4.37 (dd,
1H); 3.74 (dd, 1H); 3.66 (s, 3H); 3.11 (m, 3H); 2.83 (s, 3H); 2.45-2.20
(m, 3H); 1.90 (m, 2H) ; 1.62 (s, 3H) ; 1.30 (m, 4H); 1.19 (s, 3H)
【0138】 化合物16(他の方法)
【化83】 イソプロパノール/水 4/1の化合物30 0.910 gの溶液に、LiOHxH2O 0.262 gを
加え、この混合物を50℃で5時間加熱した。反応混合物を蒸発留去して乾燥し、
水 10 mlを残渣に加え、pHを0.1N HClで約4.5にあわせた。水性溶液をそれぞれC
H2Cl2 150 mlで3回抽出し、併せた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、そして溶媒を
蒸発留去した。残渣を、ヘキサン/AcOEt 6/4(2工程)でFC精製し、16 0.768 を得
た。
【0139】化合物 18(他の方法)
【化84】 THF 25 ml中 ヒドロキシ酸17 0.709 gの溶液に、0℃で、Et3N 0.792 mlと2,4,
6-トリクロロベンゾイルクロライド 0.763 mlを加え、この混合物をこの温度で1
5分間撹拌した。それからさらにTHF 115 mlを加えて希釈し、そして、温度を75
℃に保ち、トルエン 840 ml中 ジメチルアミノ-ピリジン 1.157 gの溶液に3時間
に渡って滴下して加えた。混合物を完全に加え、室温でさらに2時間撹拌した。
それから濾過し、濾液を蒸発留去して乾燥した。残渣をAcOEt 200 ml と飽和水
性NaHCO3 150 mlとで分配し、有機層を分離した。水性層を、さらに200 mlのAcO
Etで2度で抽出し、併せた有機抽出物を水 150 mlで洗浄した。Na2SO4で乾燥し
溶媒蒸発留去した後、残渣をヘキサン/AcOEt 9/でFC精製し、18 0.425 gを得た
【0140】化合物 19(他の方法)
【化85】 THF 75 ml中 化合物18 0.487 mgの溶液に、HF-ピリジン 27 mlを0℃で加えた
。反応混合物を室温で20時間撹拌し、その後0℃に冷却し、NaHCO3飽和水溶液 30
0 mlを加えた。30分間撹拌した後、溶液をそれぞれ250 mlのAcOEtで3回抽出し、
併せた有機抽出物を250 mlの水で1度洗浄した。Na2SO4で乾燥し、溶媒を蒸発留
去した後、残渣をヘキサン/AcOEt 6/4 および7/3 (2工程)でFC精製し、19 0.276
gを得た。
【0141】化合物 19a
【化86】 CH2Cl2 5 ml中 19 0.100 gの溶液に、アセトン中ジメチルジオキシラン約0.04
4M 溶液(DMDO; Organic Synthesis 1997, 74, 91に従って調製)15 mlを、Ar雰囲
気下、-78℃で、滴下して加えた。この混合物を-50℃で2時間撹拌し、それから
さらに5 ml のDMDO溶液を同温度で加えた。最初の添加後に、さらにDMDO溶液を
、4h(10 ml)と6h(5 ml)で2度加えた。6.5h後に溶媒を-50℃、減圧下で除去し、
そして残渣を、AcOEt/ヘキサン 3/2、CH2Cl2/アセトン 8/1、およびCH2Cl2/アセ
トン 8/1(3工程)でFC精製し、立体化学的相同体19aを得た。 ESI-MS: 518.1 (M + H). 1H-NMR (CDCl3, 400MHz), δ (ppm vs. TMS): 7.6 (s,
1H); 7.83 (d, 1H); 7.3 (dd, 1H); 6.35 (m, 1H); 4.10 (m, 1H); 3.79 (m, 2
H); 3.38 (m, 1H); 2.86 (s, 3H); 2.75 (t, 1H); 1.30 (s, 3H); 1.25 (s, 3H)
; 1.19 (d, 3H) ; 1.08 (s, 3H) ; 1.04 (d, 3H).
【0142】 以下の化合物を、本開示に記載した工程、特に以下で詳しく示した工程と同様
に調整した:
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【0143】 出発物質: (1"): 下記の化合物35参照) (2") 2,6-ジメチル-ベンゾキサゾール [J. Org. Chem. 46, 3256 (1981)参照] (5") 2-メチル-(1H)-ベンゾイミダゾール-5-カルバルデヒド - 下記の化合物40
参照 (6") 1-メチル-(1H)-ベンゾイミダゾール-5-カルバルデヒド - 下記の化合物49
参照 (7") 1,2,5-トリメチル-(1H)-ベンゾイミダゾール-5-カルバルデヒド - 下記の
化合物62参照 (8") 3-メチル-(3H)-ベンゾイミダゾール-5-カルバルデヒド (9") キノリン-7-カルバルデヒド (J. Med. Chem., 36, 3308 (1993), Aldrich
参照) (10") 2,7-ジメチル-キノリン (Aldrich). (11") 4-メチル-キノリン-7-カルバルデヒド (4-メチル-キノリン-7-カルボン酸
メチルエステルのDIBAL-H 還元によって得られる(Bull. Soc. Chim. Fr., S. 7
89 (1996)). (12") キノリン-6-カルバルデヒド (Liebigs Ann. Chem., 699, 98, (1966)参照
). (13") 2,6-ジメチル- キノリン (Aldrich). (14") 2-(ターシャルブチル-ジメチルシリルオキシ)-メチル-ベンゾチアゾ-5-カ
ルバルデヒド (15") 2-フルオロメチル-ベンゾチアゾール-5-カルバルデヒド
【0144】 実施例 5/6 - 先駆物質化合物 31
【化87】 4-ヒドロキシ-3-ニトロ-ベンジル アルコール 49 gを、室温、大気圧で、EtOH
(1000 ml)中10% Pd-Cで水素化した。2時間後に触媒を濾過で取り除き、溶媒を蒸
発留去した。残渣をアセトン/ヘキサン 15/6で再結晶して、31 を非常に淡い赤
色結晶として得た。
【表10】
【0145】化合物 32
【化88】 トリエチル-オルトアセテート 19.7 ml中 化合物31 10.0 gの溶液と、MeOH 40 ml中 濃HCl 0.15 mlを加熱して3時間還流した。室温まで冷却した後、溶媒を蒸
発留去し、そして残渣を再びAcOEt 250 mlで溶かした。この溶液をそれぞれ80 m
lの1N NaOHと80 mlの水で抽出した。併せた水性抽出物を AcOEt 250 mlで再度抽
出した。併せた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、溶媒を蒸発留去した。残渣を、CH 2 Cl2/MeOH 95/5(2度)その後 CH2Cl2でFC精製し表題化合物を得た。
【表11】
【0146】化合物 33
【化89】 MeOH 700 ml中 4-ヒドロキシ-3-アミノ-安息香酸(FLUKA) 20.0 gの溶液にHCl
ガスを飽和させ、それから16時間加熱した。次いで水(200 ml)を混合物に加え、
4N NaOH 310 ml を加え、pHを約7に調節した。それから溶液をNaClで飽和させ、
3部分に分けてそれぞれ400 mlのAcOEtで抽出した。併せた有機抽出物をNa2SO4
で乾燥し、溶媒を蒸発留去した。AcOEt/ヘキサン 1/1からの残渣の再結晶で33
結晶性固体として得た。
【表12】
【0147】化合物 34
【化90】 33 7.0 g、トリエチル-オルトアセテート 11.5 ml、MeOH 13 ml、および濃塩
酸 0.103 mlの混合物を加熱して5時間還流した。反応混合物を蒸発留去して乾燥
させ、残渣をエーテル 100 mlに取り出し、この溶液をNaOH 50 ml および水 50
ml で洗浄した。併せた水性抽出物をエーテル 100 mlで再抽出した。併せた有機
抽出物をNa2SO4で乾燥し、溶媒を蒸発留去して、34を固体として得た。
【表13】
【0148】化合物 32
【化91】 THF 100 ml中 化合物33 9.0 gの溶液に、THF中 1M DIBAL-H溶液 141 mlを、-7
8℃から-68℃の温度で25分間に渡って加えた。それから溶液を-10℃から0℃の温
度で3時間撹拌し、ここでさらにDIBAL-H溶液 40 mlを加えた。さらに4時間、同
じ温度範囲で撹拌をした後、混合物を-40℃に冷却し、水 250 mlを注意深く加え
た。CH2Cl2 500 mlを加えた後、混合物を濾過し、残渣をそれぞれCH2Cl2 250 ml
で3回洗浄し、併せた濾液に水を加えた。固体NaClを加えた後、層を分離させ、
有機溶液を水 250 mlで洗浄した。併せた水性抽出物をCH2Cl2 250 mlで2度再抽
出し、併せた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、溶媒を蒸発留去した。残渣をCH2Cl2 /MeOH 95/5でFC精製し、32を油状物として得た。
【0149】化合物 35
【化92】 CH2Cl2 50 ml中 塩化オキサリル 1.87 mlの溶液に、CH2Cl2 10 ml中 DMSO 3.2
1 mlを-78℃で15分間に渡って加えた。溶液をこの温度で10分間撹拌した。それ
から、化合物32 2.69 gの溶液を、-20℃、20分以内で滴下して加え、混合物をこ
の温度で2時間撹拌した。それからEt3N 16 mlを10分に渡って滴下して加え、反
応混合物を1時間以内で室温まで温めた。水 100 mlを加え、その後にCH2Cl2 100
mlとさらに水 100 mlを加えた。この層を分離し、有機溶液を塩水 100 mlで洗
浄した。併せた水性溶液をCH2Cl2 100 mlで抽出した。併せた有機抽出物をNa2SO 4 で乾燥し、溶媒を蒸発留去した。溶離剤としてCH2Cl2/MeOH 95/5を用いるFCに
よる残渣の精製を行ない、表題化合物を油状物として得た。
【表14】
【0150】化合物 36
【化93】 化合物36を、化合物35 0.439 gと(2R)-アセチルボルナン-10,2-スルタム 0.50
0 gから、アルコール2と同じように調製した。AcOEt/ヘキサン 1/1のFCで精製を
行ない、化合物36と2-R-ジアステレオ異性体との約2/1混合物を得た。
【表15】
【0151】化合物 37
【化94】 化合物37を、化合物36 0.100 g とTBS-Cl 0.056 gから、TBS-エーテル3と同じ
ように(但し反応を45℃でずっと行なったことを除く)調製した。精製をAcOEt/ヘ
キサン 7/3およびAcOEt/ヘキサン 8/2(2工程)のFCで行ない、化合物37 0.060 g
を得た。
【表16】
【0152】 実施例13/14−先駆体化合物 38
【化95】 MeOH 600 ml中 2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-カルボン酸(ACROS) 10.4
gと濃硫酸 10 mlを加熱して12時間還流した。室温まで冷却した後、溶媒を蒸発
留去し、そして残渣に氷水 300 mlを加え、その後、残渣にさらに4N NaOH 50 ml
を加えた。得られた懸濁液(約pH 9)から生成物を濾過により単離し、水 200 ml
で洗浄し、減圧下で乾燥して38 を白色結晶性粉で得た。
【表17】
【0153】化合物 39
【化96】 THF 200 ml中 化合物38 8.00 gの溶液に、THF中 1M DIBAL-H溶液 100 mlを-78
℃で20分間に渡って加えた。溶液を4時間に渡って室温まで温め、それから室温
でさらに4時間撹拌した。その後再び-78℃まで冷却し、さらにDIBAL-H溶液 50 m
lを加え、反応混合物を再び室温まで温めた。室温で10時間撹拌した後、反応混
合物を0℃まで冷却し、MeOH 100 mlを滴下して加えた。この混合物にシリカゲル
80 gを加え、溶媒を蒸発留去した。乾燥した後、吸着された物質を有するシリ
カゲルをフラッシュカラムの最上部に置き、生成物を溶出し、溶離剤としてCH2C
l2/MeOH 4/1を使用するFC精製を行なった。この手順で表題化合物を白色結晶と
して得た。
【表18】
【0154】化合物 40
【化97】 CH2Cl290 ml中 塩化オキサリル 3.52 mlの溶液に、18 ml CH2Cl2中 DMSO 5.9
mlを-75℃で5分に渡って加えた。溶液をこの温度で10分間撹拌し、それからCH2C
l2 20 ml(滴下)、化合物39(固体) 4.9 g、およびCH2Cl2 160 ml(滴下)を加えた
。混合物を-78℃で20時間撹拌し、一様な懸濁液を形成した。それからEt3N 28.4
mlを同じ温度で10分間に渡って滴下して加え、ほぼ透明な溶液が得られた。冷
却槽を取り外し、混合物を-10℃の温度にし、それから水 150 mlを加えた。CH2C
l2 200 mlを加えた後、層を分離し、水性溶液を200 ml CH2Cl2 で4回抽出した。
併せた有機抽出物をMgSO4で乾燥し、それから溶媒を蒸発留去した。残渣を減圧
下で乾燥し、それから溶離剤としてCH2Cl2/MeOH 9/1 を使用するFC精製を行って
、化合物40を得た。
【表19】
【0155】化合物 41
【化98】 化合物41を、化合物49 4.75 g とスルタム1 4.91 gから、アルコール2と同じ
ように(49の固体の添加および追加のCH2Cl2の反応混合物への添加を除く)調製し
た。アルデヒドの添加後、反応混合物は懸濁液となり、クエンチまで残っていた
。精製を7% MeOH/CH2Cl2のFCで行ない、化合物41および2-R-ジアステレオ異性体
が約3/1で、僅かに49も含む混合物を得た。
【表20】
【0156】化合物 42
【化99】 化合物42を、化合物41 3.0 gおよびTBS-Cl 1.62 gから、TBS-エーテル3と同じ
ように(但し反応を45℃ですっと行なうことを除く)調製した。精製をCH2Cl2/ア
セトン/MeOH 70/30/2(2工程)によるFCで行ない、ジアステレオマー純度95%以上
を有する42を得た。
【表21】
【0157】
【化100】 化合物43を、化合物42 1.64 gおよびCH2Cl2中 1M DIBAL-H溶液 7.5 mlから、
アルデヒド4と同じように(反応をMeOHでなく水でクエンチし、後処理の濾過段階
をしなくてもよいことを除く)調製した。
【0158】 実施例15/16−先駆体
【化101】 EtOH 400 ml中 4-フルオロ-3-ニトロ-安息香酸(ALDRICH) 15 g、EtOH中 33%メ
チルアミン溶液 150 mlの混合物を、室温で18時間撹拌した。それから混合物を
蒸発留去して乾燥し、残渣に水 500 mlを加え、そして橙赤色溶液に2N HCl 43 m
lを加えて生成物を沈殿させた。濾過、水 400 mlでの洗浄、および減圧乾燥によ
り、44を黄色粉体として得た。
【表22】
【0159】
【化102】 化合物44(9.37 g)を、室温、常圧、EtOH/THF 1/2中、Ra-Ni上で水素添加した
。17時間後に触媒を濾過して取り除き、濾液を蒸発留去し、45を灰色粉末として
得た。
【表23】
【0160】
【化103】 EtOH 400 ml中、化合物45 12.95 gおよびトリエチル-オルトホルマート 80 ml
の溶液を加熱し、3時間還流した。室温まで冷却した後、生成物を濾過で単離し
、EtOH 100 mlで洗浄し、減圧下で乾燥した。併せた濾液のエバポレーションで
さらに46を得た
【表24】
【0161】
【化104】 MeOH 750 ml中 化合物46 13.2 gおよび濃硫酸 12.5 mlの溶液を加熱して7時間
還流した。 室温まで冷却した後、氷水 250 mlを残渣に加え、その後に4N NaOH
63 mlを加えた。水性溶液をそれぞれCH2Cl2 400 mlで2度抽出し、そして併せた
有機抽出物を水 200 mlで洗浄した。洗浄抽出物のpHを10に調整し、CH2Cl2で再
抽出した。併せた有機抽出物をMgSO4で乾燥させ、溶媒を蒸発留去し、47を暗褐
色結晶性粉体として得た。
【表25】
【0162】
【化105】 THF 25 ml中 化合物47 1.00 gの溶液に、THF中 1M DIBAL-H溶液 12.6 ml を-7
8℃で10分間に渡って加えた。この溶液を5時間に渡って室温まで温め、-30℃ま
で冷却し、それからMeOH 15 mlを加えた。この混合物にシリカゲル 10 gを加え
、溶媒を蒸発留去した。乾燥させた後、吸着された物質を有するシリカゲルをフ
ラッシュカラムの最上部に置き、生成物を溶出し、溶離剤としてCH2Cl2/MeOH 9/
1を使用するFCで精製した。この手順で表題化合物 0.678 gを淡褐色-橙色結晶と
して得た。
【表26】
【0163】
【化106】 CH2Cl2 120 ml中 塩化オキサリル 4.54 mlに、CH2Cl2 25 ml中 DMSO 7.6 ml溶
液を-75℃で5分に渡って加えた。この温度で溶液を10分間撹拌し、それから化合
48 6.32 gおよびCH2Cl2 240 mlの混合物を15分に渡って少しづつ加えた。混合
物を-78℃で4時間撹拌し、一様な黄色懸濁液が生成した。それからEt3N 36.5 ml
を同じ温度で10分に渡って滴下して加え、明るい黄色溶液が形成した。冷却槽を
取り除き、この混合物を-10℃の温度にし、それから水 150 mlを加えた。CH2Cl2 200 mlおよび水 50 mlを加えた後、層を分離させ、水性溶液をCH2Cl2 200 mlで
抽出した。併せた有機抽出物を水 100 mlで洗浄し、MgSO4で乾燥し、溶媒を蒸発
留去した。残渣を減圧下で軽く乾燥させ、それから溶離剤としてCH2Cl2/MeOH 95
/5を用いるFCで精製し、49を白色結晶として得た。
【表27】
【0164】
【化107】 化合物50を、化合物49 3.0 gおよびスルタム1 4.91 gから、アルコール2と同
じように(49を固体で加え追加のCH2Cl2を別に反応混合物に加えることを除く)調
製した。精製を、アセトン/AcOEt 1/1 → 3/2のFCで行ない、化合物50を得た(僅
かにR-ジアステレオ異性体を含む)。
【表28】
【0165】
【化108】 化合物51を、化合物50 2.31 gおよびTBS-Cl 1.24 gから、TBS-エーテル3と同
じように(反応を常に45℃で行なったことを除く)調製した。精製を、CH2Cl2/ア
セトン 7/3(2工程)のFCで行ない、51を得た。
【表29】
【0166】
【化109】 化合物52を、化合物51 1.96 gおよびCH2Cl2中 1M DIBAL-H 溶液 9 mlからのア
ルデヒド4と同じように(反応をMeOHでなく水でクエンチし、後処理の濾過段階を
しないことを除く)調製した。精製をCH2Cl2/アセトン 7/3のFCで行ない、52を黄
色油状物として得た。
【表30】
【0167】
【化110】 化合物53を、化合物52 1.12 gおよび[Ph3P-ChICH3]+I- 2.4 gから、ビニルヨ
ウ化物5と同じように(NaHMDSの[Ph3P-ChICH3]+I-の懸濁液への添加後-78℃で30
分間撹拌し、-78℃への再冷却およびアルデヒドの添加の前に温度を20分間-15℃
に上げることを除く)調製した。精製を、CH2Cl2/アセトン 4/1のFCで行ない、53 を粘調油状物として得た。
【表31】
【0168】
【化111】 化合物54を、96 0.871 gおよび化合物53 0.563 gから、化合物30と同じように
調製した。精製を、3% MeOH/CH2Cl2 および 7% アセトン/CH2Cl2 (2工程)のFCで
行ない、54を淡橙色油状物として得た。
【表32】
【0169】
【化112】 化合物55を、54 0.840 gから、化合物54と同じように調製した。精製を、5% M
eOH/CH2Cl2 (2工程)のFCで行ない、55を白色泡状として得た。
【表33】
【0170】
【化113】 化合物56を、55 0.738 gから、ヒドロキシ酸17と同じように調製した。精製を
、8% MeOH/CH2Cl2のFCで行ない、56を白色泡状として得た。
【表34】
【0171】
【化114】 化合物57を、56 0.470 g から、18(ラクトン18;"他の方法")と同じように調製
した。精製を、15% アセトン/CH2Cl2 および 2% MeOH/CH2Cl2(2工程)のFCで行な
い、57を油状物として得たが、完全に純粋ではなかった。
【表35】
【0172】
【化115】 化合物58を、57 0.084 gから、19(ラクトン19; "他の方法")と同じように調製
した。精製を、5% MeOH/CH2Cl2のFCと、その後のCH2Cl2/ヘキサンからの再結晶
で行ない、71を白色結晶性固体として得た。
【表36】
【0173】 実施例17/18-先駆体
【化116】 EtOH 100 ml中 化合物45 8.78 gおよびトリエチル-オルトアセテート 80 mlの
溶液を加熱して7時間還流した。室温まで冷却した後、生成物を濾過して単離し
、EtOH 25 mlで洗浄し、減圧下で乾燥した。併せた濾液を蒸発留去し、さらに59 を得た。
【表37】
【0174】
【化117】 MeOH 450 ml中 化合物59 8.23 gおよび濃硫酸 7.5 mlの溶液を加熱して、7時
間還流した。室温まで冷却した後、氷水 250 mlを残渣に加え、その後に2N NaOH 75 mlを加えた。得られた懸濁液(約pH 9)から、生成物を濾過して単離し、水 2
00 mlで洗浄し、減圧下で乾燥し、60を灰色粉末として得た。
【表38】
【0175】
【化118】 THF 110 ml中、化合物60 4.28 gの溶液に、THF中 1M DIBAL-H溶液 50 mlを、-
78℃で15分間に渡って加えた。溶液を一晩撹拌し、10℃の温度にした。それから
室温まで温め、0℃に冷却し、MeOH 30 mlを滴下して加えた。混合物を蒸発留去
して、乾燥し、CH2Cl2 500 mlおよび水 500 mlを残渣に加えた。1N NaOH 100 ml
を加えた後、層を分離させ、水性溶液を、それぞれ300 ml CH2Cl2 で5回抽出し
た。併せた有機抽出物をMgSO4で乾燥させ、溶媒を蒸発留去し、そして残渣を減
圧下で手短に乾燥した。精製を、溶離剤としてCH2Cl2/MeOH 9/1を用いたFCで行
ない、61を淡褐色結晶性粉末として得た。
【表39】
【0176】
【化119】 CH2Cl2 60 ml中 塩化オキサリル 2.32 mlの溶液に、CH2Cl2 12 ml中 DMSO 4 m
lの溶液を、-75℃で、5分に渡って加えた。この溶液を、この温度で10分間撹拌
し、それから化合物61 3.52 gの懸濁液を15分間に渡って少しずつ加えた。この
混合物を-78℃で2時間撹拌し、Et3N 18.8 mlを同じ温度で10分に渡って滴下して
加えた。冷却槽を取り除き、混合物を-10℃まで温め、それから水 120 mlを加え
た。CH2Cl2 150 mlおよび水 150 mlを加えた後、層を分離し、有機層を塩水 150
mlで洗浄した。併せた水性溶液をCH2Cl2 200 mlで抽出した。併せた有機抽出物
をMgSO4で乾燥させ、溶媒を蒸発留去し、そして残渣を減圧下で一時的に乾燥し
た。精製を溶離剤としてAcOEt/アセトン 1/1を用いるFCで行ない、62を白色結晶
として得た。
【表40】
【0177】
【化120】 化合物63を、化合物62 3.9 gおよびスルタム1 4.11 gから、アルコール2と同
じように(62の溶液の添加が完了した後、透明な溶液を得るために反応混合物の
温度を一時的に-60℃にしたことを除く)調製した。精製をCH2Cl2/MeOH 9/1のFC
で行ない、63を得た。
【表41】
【0178】
【化121】 化合物64を、化合物63 5.03 gおよびTBS-Cl 2.63 gから、TBS-エーテル3と同
じように(但し反応を45℃でずっと行なったことを除く)調製した。精製を、CH2C
l2/アセトン 7/3のFCで行ない、64を得た。
【表42】
【0179】
【化122】 化合物65を、化合物64 3.4 gおよびCH2Cl2中 1M DIBAL-H溶液 15 mlから、ア
ルデヒド4と同じように(反応をMeOHでなく水でクエンチし、後処理の濾過段階を
しなくてもよいことを除く)調製した。精製をCH2Cl2/アセトン 7/3のFCで行ない
65を得た。
【表43】
【0180】
【化123】 化合物66を、化合物65 1.65 gおよび[Ph3P-ChICH3]+I- d 3.41 gから、ビニル
ヨウ化物5と同じように(NaHMDSの[Ph3P-ChICH3]+I-の懸濁液への添加後-78℃で3
0分間撹拌し、-78℃への再冷却およびアルデヒドの添加の前に温度を20分間-15
℃に上げることを除く)調製した。精製をCH2Cl2/アセトン 4/1のFCで行ない、66 を得た。
【表44】
【0181】
【化124】 化合物67を、96 1.5 g および化合物66 0.620 gから、化合物30と同じように
調製した。精製を3% MeOH/CH2Cl2 および 2% MeOH/CH2Cl2(2工程)のFCで行ない
67を橙に色づいた油状物として得た。
【表45】
【0182】
【化125】 化合物68を、67 1.48 g から、化合物16と同じように調製した。精製を、3% M
eOH/CH2Cl2のFCで行ない、68を白色泡状として得た。
【表46】
【0183】
【化126】 化合物69を、68 1.23 gから、ヒドロキシ酸17と同じように調製した。精製を
、5% MeOH/CH2Cl2のFCで行ない、69を白色泡状として得た。
【表47】
【0184】
【化127】 化合物70を、69 0.730 gから、18(ラクトン18; "他の方法")と同じように調製
した。精製を、CH2Cl2/アセトン 9/1のFCで行ない、70を白色泡状として得た。
【表48】
【0185】
【化128】 化合物71を、70is 0.290 gから、19(ラクトン 19; "他の方法")と同じように
調製した。精製を、CH2Cl2/アセトン 1/1のFCで行ない、71を白色結晶性固体と
して得た。
【表49】
【0186】
【化129】 化合物72を、71 0.030 gから82と同じように調製した。精製を、4% MeOH/CH2C
l2 および 3% MeOH/CH2Cl2 (2工程)のFCで行ない、72を白色固体として得た。
【表50】
【0187】 実施例21/22-先駆体
【化130】 化合物73を、キノリン-7-カルバルデヒド(7-メチルキノリン(ACRO販売)からW.
D. Kingsburry et al., J. Med. Chem. 1993, 36, 3308 - 3320に従って調製)
5.5 gおよびスルタム1 6.43 gから、アルコール2と同じように調製した。精製を
、CH2Cl2/MeOH 9/1のFCで行ない、化合物73とそのR-ジアステレオ異性体との約5
/1混合物を得た。
【表51】
【0188】
【化131】 化合物74を、化合物73(上記のジアステレオ異性体の混合物) 8.48 gおよびTBS
-Cl 4.6 gから、TBS-エーテル3と同じように(但し反応を45℃でずっと行なった
ことを除く)調製した。精製を、AcOEt/ヘキサン 混合物(2/3 - 1/2)の反復FCで
行ない、63を単一のジアステレオ異性体として得た。
【表52】
【0189】
【化132】 化合物75を、化合物74 4.0 gおよびCH2Cl2中 1M DIBAL-H溶液 18 mlから、ア
ルデヒド4と同じように(反応をMeOHでなく水でクエンチし、後処理の濾過段階を
しなくてもよいことを除く)調製した。精製を、AcOEt/ヘキサン 1/1のFCで行な
い、75を得た。
【表53】
【0190】
【化133】 化合物76を、化合物75 1.86 gおよび[Ph3P-ChICH3]+I- 4.04 gから、ビニルヨ
ウ化物5と同じように(NaHMDSの[Ph3P-ChICH3]+I-の懸濁液への添加後-78℃で30
分間撹拌し、-78℃への再冷却およびアルデヒドの添加の前に温度を20分間-15℃
に上げることを除く)調製した。精製を、ヘキサン/エーテル 1/1のFCで行ない、 76 を得た。
【表54】
【0191】
【化134】 化合物77を、96 1.772 gおよび化合物76 1.104 gから、化合物30と同じように
調製した。精製を、ヘキサン/エーテル 3/2のFCで行ない、77を橙色づいた油状
物として得た。
【表55】
【0192】
【化135】 化合物78を、77 2.033 gから、化合物16と同じように調製した。精製を、3% M
eOH/CH2Cl2のFCで行ない、78を淡白褐色結晶性残渣として得た。
【表56】
【0193】
【化136】 化合物79を、78 1.35 gから、ヒドロキシ酸17と同じように(TBAF 3当量のみを
使用したことを除く)調製した。精製を、6% MeOH/CH2Cl2のFCで行ない、79を白
色泡として得た。
【表57】
【0194】
【化137】 化合物80を、79 0.826 gから、18(ラクトン18; "他の方法")と同じように調製
した。精製を、AcOEt/ヘキサン 1/4のFCで行ない、80 0.459 gを白色無定形粉末
として得た。
【表58】
【0195】
【化138】 化合物81を、80 0.567 gから、19(ラクトン 19; "他の方法")と同じように調
製した。精製を、2% MeOH/CH2Cl2のFCで行ない、81 0.365 gを、ピリジンを含ん
だ白色無定形粉末として得た。CH2Cl2/ヘキサンからの結晶化で、純粋な81が得
られた。
【表59】
【0196】
【化139】 CH2Cl2 0.250 ml中 化合物82 0.024 gの溶液に、水 6.84 ml、30% H2O2 0.760 ml、ピリジン 0.048 mlの混合物(溶液A) 0.075 ml、その後にメチルトリオキソ
レニウム 0.001 gを加えた。2時間後、室温で、さらに溶液A 0.075 mlとメチル
トリオキソレニウム 0.001 gを加え、室温で15時間撹拌した。MnO2 数ミリグラ
ムを加えた後、混合物を1時間撹拌し、 それから水およびCH2Cl2 それぞれ20 ml
を加えた。有機層を分離し、MgSO4で乾燥し、溶媒を蒸発留去した。CH2Cl2/アセ
トン 1/1のFCで、82が得られた。
【表60】
【0197】
【化140】 82(0.0127 g)を、室温、常圧下で、EtOH 2 ml中 Ra-Ni上で水素化した。70分
後、触媒を濾過で取り除き、濾液を蒸発留去した。CH2Cl2/アセトン 3/1のFCで
83 0.0078を白色固体として得た。
【表61】
【0198】 実施例1から34の化合物のα,β-不飽和ラクトンを、上記化合物から出発して3
段階工程で調製することができる: 1. ギ酸および酢酸の混合無水物の助けによる、C-3 および C-7位の遊離OH基
のビス-ホルミル化(存在する場合は、さらなるヒドロキシ基、21-ヒドロキシメ
チル基などの同時ホルミル化)。 2. ジクロロメタン中 ビス-ホルミル誘導体の、DBU(1,8-ジアザビシクロ[2.2.2]
ウンデク-7-エン(1,5-5))処置。ギ酸の脱離と、C-2とC-3間の二重結合形成が起
こる。 3. C-7位のOH-基からのホルミル保護基の除去、および所望によりNH3/メタノー
ルによるさらなるヒドロキシ基の除去。
【0199】 このようにして、対応する式(A)の化合物を、実施例 1, 2, 5, 7, 9, 11, 13,
15, 17, 19, 21, 23, 25, 27, 29, 31 および33の化合物から得る、
【化141】 (以下の奇数番号の実施例); または、対応する式(B)の化合物を、実施例 3, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18,
20, 22, 24, 26, 28, 30, 32 および34の化合物から得る、
【化142】 (以下の偶数番号の実施例) 但し、Aは個々に以下の意味を有する:
【表62】
【表63】 下記の実施例を、上記実施例、方法および工程と同じように調製した:
【表64】
【表65】
【表66】
【表67】
【表68】
【表69】
【0200】 実施例77から83の先駆物質:
【化143】 EtOH 435 ml中 4-フルオロ-3-ニトロ-安息香酸 14.5 gおよびエタノールアミ
ン 94 mlの溶液を室温で4時間撹拌した。この混合物を蒸発留去して乾燥させ、
水 500 mlを残渣に加え、1N HClでpHを約4に調節した。得られた沈殿を濾過で単
離し、水 200 mlで洗浄し、減圧下で乾燥して、84を黄色粉末として得た。
【表70】
【0201】
【化144】 化合物84(17.94 g)を、室温、常圧下、EtOH/THF 1/2中、Ra-Ni上で水素化した
。17時間後、触媒を濾過で取り除き、THF/EtOH 2/1(約1L)で十分に洗浄した。濾
液を蒸発留去して乾燥させ、残渣をエーテル 200 mlで30分間摩砕した。濾過し
て、85を灰色粉末として得た。
【表71】
【0202】
【化145】 EtOH 170 ml中 化合物85 14.5 gおよびトリエチル-オルトアセテート 34 mlの
溶液を加熱して4時間還流した。室温まで冷却した後、生成物を濾過して単離し
、EtOH 30 mlで洗浄し、減圧下で乾燥して、86を白色固体として得た。
【表72】
【0203】
【化146】 DMF 120 ml中 化合物86 8.5 gの溶液に、TBS-Cl 6.57 gとイミダゾール 5.78
gを加え、混合物を45℃で18時間撹拌した。ここでイミダゾール(1.73 g)とTBS-C
l(1.97 g)を加えて、同じ温度で6時間以上撹拌を続けた。さらにイミダゾール(1
.16 g)とTBS-Cl(1.31 g)を加え、18時間以上撹拌を続けた。それから、反応混合
物を減圧下で蒸発留去して乾燥させ、AcOEt 300 mlと5% KHSO4溶液 500 mlを残
渣に加えた。不溶性物質を濾過で単離し、AcOEtおよび水で洗浄し、そして減圧
下で乾燥して調製した。併せた濾液の層を分離し、水性溶液をそれぞれAcOEt 30
0 mlで2度抽出した。併せた有機抽出物を水 100mlで洗浄し、MgSO4で乾燥し、溶
媒を蒸発留去して、所望の酸とそのTBS-エステルの約4/1 混合物を得た。併せた
水性抽出物から、抽出後にさらに87の沈殿を得、濾過して単離した。酸とTBS-エ
ステルの上記混合物を、MeOH 100 mlに溶かし、K2CO3 1.38 gを加え、混合物を
、室温で3時間撹拌した。それから蒸発留去して乾燥させ、AcOEt 20 mlと水 150 mlを残渣に加えた。AcOH 2.3 mlを加え、沈殿を濾過で単離し、さらに87を白色
粉末として得た。
【表73】
【0204】 要所中間体96の調製 - 経路1
【化147】 CH2Cl2 170 ml中 塩化オキサリル 10.71 gの溶液に、CH2Cl2 15 ml中 DMSO 13
.19 gの溶液を-78℃で15分に渡って加えた。この温度で溶液を15分間撹拌し、そ
れからCH2Cl2 35 ml中 化合物 KH-1952(cf. Schinzer et al. Synlett 1998, 86
1-864)8.79 gの溶液を、15分間に渡って加えた。この混合物を-78℃で45分間撹
拌し、それからEt3N 25.62 gを同じ温度で15分に渡って加えた。冷却槽を取り除
き、混合物を室温まで温めた(懸濁状)。それから-30℃まで再冷却し、飽和NH4Cl
溶液 110 mlを加えた。その後、室温で、明確な2相の溶液が形成するまで水を
加え、そして層を分離した。有機溶液を2% KHSO4 75 ml、飽和NaHCO3 75 ml、お
よび塩水 75 mlで洗浄し、MgSO4で乾燥し、それから溶媒を蒸発留去した。残渣
を溶離剤としてAcOEt/ヘキサン 3/7のFC精製をして、107を油状物として得た。
【表74】
【0205】
【化148】
【化149】 THF 100 ml中 (i-C3H7)2NH 9.6 mlの溶液に、ヘキサン中 1.6 M n-BuLi溶液 4
2.46 mlを、-5℃から0℃で10分に渡って滴下した。黄色溶液を0℃で30分間撹拌
し、-78℃まで冷却し、そしてTHF 100 ml中 108の溶液 14.83 g(cf. Schinzer e
t al. Chem. Eur. J. 1996, 2, 1477-1481)を、同じ温度で20分以内で滴下した
。さらに1時間後、-78℃で、THF 125 ml中 107の溶液を15分に渡って滴下して加
えた。その後、混合物を-78℃で1時間撹拌し、飽和NH4Cl水溶液 150 mlを加えた
。それから混合物を室温まで温め、エーテル 600 mlを加え、その後に水を、明
確な2相の溶液が形成するまで加えた。層を分離し、水性溶液をエーテル 600 ml
で2回抽出した。併せた有機抽出物をMgSO4で乾燥させ、そして溶媒を蒸発留去
した。ヘキサン/AcOEt 3/2 (3工程)による残渣の精製で、88を単一のジアステ
レオ異性体(NMRより)として得た。
【表75】
【0206】
【化150】
【化151】 MeOH 360 ml中 化合物88 11.96 gの溶液に、ピリジニウム-p-トルエンスルホ
ネート 7.15 gを加え、そしてこの混合物を室温で24時間撹拌した。それから溶
媒を蒸発留去し、残渣をエーテルのFCで精製し、89を得た。
【表76】
【0207】
【化152】 CH2Cl2 300 ml中 化合物89 8.75 gの溶液に、2,6-ルチジン 12.3 gを加え、そ
の後にさらに、TBS-OTf 24.3 gを0℃から5℃で10分に渡って加えた。混合物を室
温で20時間撹拌し、もとの容量の約50%まで濃縮し、それからAcOEt 800 mlと飽
和NaHCO3水溶液 500 mlの混合物に注ぎ入れた。層を分離し、水性溶液をAcOEt 3
00 mlで抽出した。併せた有機抽出物を、水、5% KHSO4(2回)、塩水(2回)、およ
び水で連続的に洗浄した。MgSO4で乾燥して、溶媒を蒸発留去した後、残渣を3%
ヘキサン/エーテルのFCで精製し、表題化合物を得た。
【表77】
【0208】
【化153】 CH2Cl2/MeOH 1/1 700 ml中 化合物90 12.8 gの溶液に、ショウノウスルホン酸 4.18 gを5分に渡って0℃で1部づつ加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、それか
らEt3N 2.5 mlを加えた。CH2Cl2の容積をロータリーエバポレーションで取り除
き、残りの溶液にAcOEt 300 mlを加えた。その後にMeOHの容積をロータリーエバ
ポレーションで(加熱せずに)取り除き、その後にさらにAcOEt 200 mlを加えた。
この溶液を飽和NaHCO3水溶液および水(2回) 400 mlで抽出し、併せた水性抽出液
をCH2Cl2 300 mlで逆抽出した。CH2Cl2溶液を、水 100 ml部で数回洗浄した。そ
れから有機抽出物を併せ、MgSO4で乾燥し、溶媒を蒸発留去した。残渣のヘキサ
ン/エーテル 2/1のFC精製で91が得られた。
【表78】
【0209】
【化154】 CH2Cl2 45 ml中 塩化オキサリル 1.5に、DMSO 2.7 mlを-75℃で5分に渡って加
えた。この温度で溶液を10分間撹拌し、CH2Cl2 45 ml中 化合物91 9.25 gの溶液
を20分に渡って加えた。この混合物を-75℃で30分間撹拌し、それからEt3N 12.0
ml を同じ温度で10分に渡って滴下して加えた。混合物を-10℃まで温めて、そ
の後に水 200 mlとCH2Cl2 300 mlを加えた。層を分離し、有機溶液を塩水 300 m
lで2度洗浄した。併せた水性抽出物をCH2Cl2 200 mlで1度逆抽出した。併せた有
機抽出物のMgSO4乾燥、溶媒の蒸発留去、ヘキサン/エーテル 4/1のFCでの残渣の
精製で、92を得た。
【表79】
【0210】
【化155】 THF 40 ml中 イソブテン 約7 gの溶液に、0℃で、ターシャリーブタノール 70 ml中 92 8.5 gの溶液を15分間に渡って加え、その後に水 14 mlを同じ温度で加
えた。それからNaClO2(80%) 4.8 gとNaH2PO4xH2O 2.9 gを加え、混合物を室温で
4時間撹拌した。反応混合物を蒸発留去して乾燥させ、残渣を水とCH2Cl2(それぞ
れ500 ml)で分配し、層を分離した。1N HClで水性溶液のpHを4.5に調節し、それ
からCH2Cl2 抽出物と再び併せた。抽出後、層を再び分離し、そして水性溶液を
それぞれCH2Cl2 250 mlで2度抽出した。併せた有機抽出物を水 400 mlで洗浄し
、乾燥し、そして溶媒を蒸発留去した。溶離剤としてヘキサン/アセトン 1/1を
用いる残渣のFCの精製で、93を油状物として得た。
【表80】
【0211】
【化156】 CH2Cl2 90 ml中 93 3.27 gの溶液を-20℃まで冷却し、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド 1.2、MeOH 3.5 ml、およびジメチルアミノピリジン 0.647 mgを加え
た。この混合物を室温まで温め、4.5時間後に、CH2Cl2 400 mlで希釈した。この
溶液をそれぞれ水 200 mlで2度抽出し、併せた水性抽出物をCH2Cl2で逆抽出した
。併せた有機抽出物をMgSO4で乾燥させ、溶媒を蒸発留去し、残渣をヘキサン/エ
ーテル 9/1のFCで精製して、94を得た。
【表81】
【0212】
【化157】 94(1.25 g)を、室温、常圧下で、MeOH 50 ml中 5% Pd-C 150 mg上で水素化し
た。4時間後、触媒を濾過で取り除き、濾液を蒸発留去し、残渣をヘキサン/エー
テル 1/1中FC精製して、95を油状物として得た。
【表82】
【0213】
【化158】 THF 50 ml中 95 5.0 gおよび2-ニトロフェニルセレノシアネート 6.44 g の溶
液に、トリブチルホスフィン 7.13 mlを15分間かけ、温度が35℃を超えないよう
に滴下して加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、固体NaHCO3 23 gを加え、その
後に30% H2O2水溶液 31.2 mlを、温度が35℃を超えないように滴下して加えた。
16時間後に、室温で、5% KHSO4 185 mlを反応混合物に加え、それからエーテル
400 mlで2度抽出した。併せた有機抽出物を水 200 mlで洗浄し、MgSO4で乾燥し
、そして溶媒を蒸発留去した。ヘキサン/AcOEt 95/5のFCによる残渣の精製で、9 6 を黄色油状物として得た。
【表83】
【0214】主要な中間体96の調製 - 経路2
【化159】 THF 450 ml中 (4S, 5R)-1,4-ジメチル-5-フェニル-イミダゾリジン-2-オン(AL
DRICH) 46.70 gの溶液に、ヘキサン中 1.6 M n-BuLi溶液 162 mlを-78℃で加え
、それから混合物をこの温度で1時間撹拌した。それからプロピオニルクロライ
ド(24.99 g)を溶液に加え、混合物を室温まで一晩に渡って温めた。1N NaOH 150 mlを加えた後、層を分離して、有機溶液を1N NaOHおよび食塩水で洗浄した。Mg
SO4で乾燥させ、溶媒を蒸発留去して、粗97を得、これをAcOEtから再結晶して純
粋な97を白色結晶として得た。 M.p. 104-106℃. ESI-MS: 247.1(M+H)
【0215】
【化160】 THF 100 ml中 (i-C3H7)2NH 16.93 gの溶液に、ヘキサン中 1.6 M n-BuLi溶液
104 mlを、0℃で加えた。溶液を0℃で10分間撹拌し、-78℃に冷却し、THF 150 m
l中 97 41.36 gの溶液を同じ温度で滴下して加えた。さらに3時間後、- 78℃で
、アリルヨウ化物 28.9 gとTHF 150 mlを加えた。それから混合物を- 78℃で一
晩撹拌し、それから2N HCl 200 ml中へ注ぎ入れた。45分間撹拌した後、層を分
離し、水性溶液をエーテル 150 mlで2度抽出した。併せた有機抽出物を塩水で洗
浄し、MgSO4で乾燥し、溶媒を蒸発留去した。ヘキサン/AcOEt 1/1のフラッシュ
濾過で固体残渣を得、ヘキサンからの再結晶(2回)で、98を単一のジアステレオ
異性体(白色結晶)として得た。M.p.58-61℃. ESI-MS: 287.2(M+H).
【0216】
【化161】 THF 400 ml中 98 27.90 gの懸濁液に、LiAlH4 6.20 gを加え、混合物を0℃で1
時間撹拌した。それから加えて、固体物質を濾過で取り除き、溶媒を蒸発留去し
た。ヘキサン/エーテル 7/3のFCで、粗99(溶媒を含む;生成物の損失を避けるた
めにFC後の溶媒の蒸発留去を500ミリハ゛ールで行なった)を得た。
【表84】
【0217】
【化162】 化合物100を、粗99(上記)14.22 gから、107と同様にして得た。ペンタン/エー
テル 9/1で、粗100(約70%;溶媒を含む)を得、これをすぐに次の工程で使用した
(FC後の溶媒の蒸発留去を、生成物の損失を避けるため500ミリハ゛ールあたりの圧力下 で行なった)。
【表85】
【0218】
【化163】 化合物101を、108 14.679 gとKH-2115 3.36 gから、化合物88と同じように調
製した。精製を5% エーテル/CH2Cl2および2.5% エーテル/CH2Cl2(3工程)のFCで
行ない、101を油状物として得た。
【表86】
【0219】
【化164】 化合物102を、101 7.732 gから、化合物89と同じように調製した。精製を1% M
eOH/CH2Cl2→10% MeOH/CH2Cl2のFCで行ない、102を油状物として得た。
【表87】
【0220】
【化165】 化合物103を、102 6.373 gおよびTBS-OTf 20.8 mlから、化合物90と同じよう
に調製した。抽出後に得た粗精製物をすぐに次の工程で使用した。
【表88】
【0221】
【化166】 化合物104を、粗103 13.824 gおよびショウノウスルホン酸 5.221 gから、化
合物91と同じように調製した。精製をヘキサン/エーテル 3/1のFCで行ない、104 を淡黄色樹脂として得た。
【表89】
【0222】
【化167】 化合物105を、104 8.445 gから、化合物92と同様に得た。抽出後に得られた粗
精製物をすぐに次の工程で使用した。
【表90】
【0223】
【化168】 化合物106を、粗105 9.310 gから化合物93と同じように調製した。抽出後に得
られた粗精製物を、すぐに次の工程で使用した。 M.p.℃ ESI-MS: 178(M+H)
【0224】
【化169】 106からの化合物96の調製を、粗106 8.1 gから、93からの94の調製と同じよう
に行った。ヘキサン/エーテル 8/2のFCの精製で、96を油状物として得た。
【表91】
【0225】 実施例79および81は、実施例77から、第一ヒドロキシル基の活性化(例えば、
トシラート、メシラートまたはトリフラートとして)、そしてその後のN3-置換(
その後の還元)で得ることができた。同様に、実施例87および89を、実施例85
ら得ることができた。
【0226】 実施例97: ソフトカプセル 5000ソフトゼラチンカプセルであって、それぞれ、有効成分として上記の実施
例で示された式Iの化合物(例えば実施例1, 2, 3または4の化合物)の1つを0.05 g含むものを、下記のとおり調製した: 組成物 有効成分 250g Lauroglykol 2リットル 調製工程:微粉状の有効成分を、Lauroglykol(登録商標)(プロピレングリコール
ラウリン酸塩、Gattefosse S.A., Saint Priest, France)中で懸濁させ、そして
湿式微粉機でひいて、およそ1から3のμmの粒子を得た。それから混合物 0.419
gを含む部分を、カプセル充填機でソフトゼラチンカプセル中に充填した。
【0227】 実施例98:注入溶液 実施例1, 2, 3 または4の化合物を、ポリエチレングリコール300(PEG 300)中
濃度 1 mg/mlで溶かし、2 mlの水薬瓶に詰めた。注入用に、この溶液を、US薬局
方の0.9%生理食塩水 50から100 mlで希釈した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 A61P 35/00 C07D 405/04 C07D 405/04 413/04 413/04 491/044 491/044 493/04 111 493/04 111 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL, IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,L C,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 アンドレアス・フレルシャイマー スイス、ツェーハー−4313メーリン、エッ シェンマットシュトラーセ3番 Fターム(参考) 4C050 AA01 BB10 CC14 EE01 FF01 GG03 HH04 4C063 AA01 BB01 CC80 DD14 DD26 DD52 DD62 EE01 4C071 AA01 BB01 CC01 CC11 DD35 EE02 FF09 GG01 HH05 HH08 HH09 JJ04 LL01 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 BC28 BC33 BC39 BC70 BC84 CA03 GA02 GA06 GA09 GA10 MA01 MA04 ZB26

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I 【化1】 式中、 Tは、O、NH、またはN(alkyl)であり、但しalkylはアルキルであり; Aは、式Iaの基 【化2】 但し、式Iの分子の基と、矢印を示した2つの炭素原子のうちの1つで結合して
    おり、そして式中、 Xは、S;O;NH;N(alk);但しalkは、アルキル、ヒドロキシ低級アルキ
    ル、置換されていないまたは置換されたアミノ低級アルキルまたはカルバモイル
    低級アルキル;N(ar)、但しarはアリール;C(Rk*)=N、N=C(Rk*)、または
    C(Rk*)=C(Rk**)、但しRk*およびRk**は互いに独立しており、H、アルキ
    ル、置換されていないまたは置換されたアミノ低級アルキル、カルバモイル低級
    アルキル、または特にハロゲン低級アルキルまたはヒドロキシ低級アルキル、で
    あり;そして Rkは、H、アルキル(特に低級アルキル)、置換されていないまたは置換され
    たアミノ低級アルキル、カルバモイル低級アルキル、ハロゲン低級アルキル、ま
    たはヒドロキシ低級アルキル;であり YはOHでありY*は水素であるか、または-Yと-Y*が一緒に結合を形成する(
    故に、-Yおよび-Y*を有する2つの炭素原子を連結する隣接した結合と共に二
    重結合を形成する)かの何れかであり; Rは、水素、低級アルキル、またはハロゲン低級アルキルであり; そして、ZはOであり、または-Z-は、2つの結合炭素原子間の結合である; 化合物、またはそれらの塩。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の式I* 【化3】 式中、 Aは、式Iaの基、であり 【化4】 但し、式Iの分子の基と、矢印を示した2つの炭素原子のうちの1つで結合して
    おり、そして式中、 Xは、S;O;NH;N(alk);但しalkはアルキル;N(ar)、但しarはアリー
    ル;C(Rk*)=N、N=C(Rk*)、またはC(Rk*)=C(Rk**)、但しRk*およびR
    k**は互いに独立しており、H、アルキル、ハロゲン低級アルキル、またはヒド
    ロキシ低級アルキル;であり、そして Rkは、H、アルキル、ハロゲン低級アルキル、またはヒドロキシ低級アルキ
    ルであり; YはOHでありY*は水素であるか、または-Yと-Y*が一緒に結合を形成する(
    故に、-Yおよび-Y*を有する2つの炭素原子を連結する隣接した結合と共に二
    重結合を形成する)かの何れかであり; Rは、水素、低級アルキル、またはハロゲン 低級アルキルであり; そして、ZはOであり、または-Z-は、2つの結合炭素原子間の結合である; の化合物、またはそれらの塩。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の式I*、式中、 Aは、式Iaの基であり 但し、式Iの分子の基と、矢印を示した2つの炭素原子の1つで、好ましくはX
    に対してp-位の炭素と結合しており、 Xは、S;O;NH;N(alk);C(Rk*)=N、N=C(Rk*)、またはC(Rk*)=
    C(Rk**)、但しRk*およびRk**は互いに独立しており、H、低級アルキル、ハ
    ロゲン低級アルキル、またはヒドロキシ低級アルキル;であり、そして Rkは、H、低級アルキル、ハロゲン低級アルキル、またはヒドロキシ低級ア
    ルキルであり; YはOHでありY*は水素であるか、または-Yと-Y*が一緒に結合を形成するか
    の何れかであり; Rは、水素、低級アルキル、またはハロゲン低級アルキルであり; そして、ZはOであり、または-Z-は、2つの結合炭素原子間の結合である; 化合物、またはそれらの塩。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の式I、 式中、 Tは、OまたはNHであり; Aは、式Iaの基であり、但し、式Iの分子の基と、矢印を示した2つの炭素原
    子のうちの1つで結合しており、そして式中、 Xは、S;O;NH;N(alk);但しalkは、アルキル、ヒドロキシ低級アルキ
    ル、置換されていないまたは置換されたアミノ低級アルキル、またはカルバモイ
    ル低級アルキル;C(Rk*)=N、N=C(Rk*)、またはC(Rk*)=C(Rk**)、但し
    Rk*およびRk**は互いに独立しており、H、アルキル、ハロゲン低級アルキル
    、またはヒドロキシ低級アルキル、置換されたまたは置換されていないアミノ低
    級アルキル、またはカルバモイル低級アルキル;であり、そして Rkは、H、低級アルキル、ハロゲン低級アルキルまたはヒドロキシ低級アル
    キル、置換されていないまたは置換されたアミノ低級アルキルまたはカルバモイ
    ル低級アルキルであり; YはOHでありY*は水素であるか、または-Yと-Y*が一緒に結合を形成するか
    の何れかであり; Rは、水素、低級アルキルまたはハロゲン低級アルキルであり; そして、ZはOであり、または-Z-は、2つの結合炭素原子間の結合である; 化合物、またはそれらの塩。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の式Iであって、式中、 Tは、Oであり; Aは、式Iaの基 【化5】 但し、式Iの分子の基と、矢印を示した2つの炭素原子のうちの1つで結合して
    おり、そして式中、 Xは、S;O;NH;N(alk);但しalkはアルキル;N(ar)、但しarはアリー
    ル;C(Rk*)=N、N=C(Rk*)、またはC(Rk*)=C(Rk**)、但しRk*およびR
    k**は互いに独立しており、H、アルキル、ハロゲン低級アルキルまたはヒドロ
    キシ低級アルキル、またはアミノ低級アルキル;であり、そして Rkは、H、アルキル、ハロゲン低級アルキルまたはヒドロキシ低級アルキル
    であり; YはOHでありY*は水素であるか、または-Yと-Y*が一緒に結合を形成する(
    故に、-Yおよび-Y*を有する2つの炭素原子を連結する隣接した結合と共に二
    重結合を形成する)かの何れかであり; Rは、水素、低級アルキルまたはハロゲン低級アルキルであり; そして、ZはOであり、または-Z-は、2つの結合炭素原子間の結合である; 化合物、またはそれらの塩。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の式Iであって、式中、 Tは、NHまたはOであり; Aは、式Iaの基であり、但し、式Iの分子の基と、矢印を示した2つの炭素原
    子のうちの1つで結合しており、そして式中、 Xは、S、O、NH、N(CH3)、N(CH2CH2OH)、N(CH2CH2NH2)
    、N(CH2CH2N(CH3)2)、N(CH2C(O)NH2)、C(Rk*)=NまたはCH=
    C(Rk*)、但しRk*は、H、メチル、ヒドロキシメチル、(CH2CH2OH)、(
    CH2CH2NH2)、(CH2CH2N(CH3)2)、(CH2C(O)NH2)、またはフル
    オロメチル、であり; そして Rkは、水素、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、アミ
    ノメチル、アミノエチル、ジメチルアミノメチル、カルバモイルメチルまたはフ
    ルオロメチルであり; Rは、水素、メチル、エチルまたはフルオロメチルであり;そして ZはOであり、または-Z-は、2つの結合炭素原子間の結合である; ここで波状線を特徴とする結合は、式Iの化合物が、シス-またはトランス-型、
    好ましくはシス-型で存在することを示す; 化合物、またはそれらの塩。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の式Iであって、式中、 TはOであり; Aは、式Iaの基であり、但し、式Iの分子の基と、矢印を示した2つの炭素原
    子のうちの1つで結合しており、そして式中、 Xは、S、O、NH、N(CH3)、N(CH2CH2OH)、C(Rk*)=NまたはC
    H=C(Rk*)であり、但しRk*は、H、メチル、またはヒドロキシメチルであり
    ; そして Rkは、水素、メチル、エチルまたはヒドロキシメチルであり; Rは、水素、メチル、エチルまたはフルオロメチルであり;そして ZはOであり、または-Z-は、2つの結合炭素原子間の結合である; ここで波状線を特徴とする結合が存在し、それは式Iの化合物がシス-またはト
    ランス-型、好ましくはシス-型で存在することを示す; 化合物またはそれらの塩。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の式Iであって、式中、 Aは式Iaの基を意味し、但し、式Iの分子の基と、矢印を示した2つの炭素原
    子のうちの1つで結合しており、そして式中、 Xは、S、N(CH3)またはCH=CHであり; そして Rkは、H、メチルまたはヒドロキシメチル、好ましくはメチルであり; Rは、水素、低級アルキルまたはハロゲン低級アルキルであり;そして Zは、O、または(好ましくは)-Z-は2つの結合炭素原子間の結合である、 化合物またはそれらの塩。
  9. 【請求項9】 式Iであって、式中 【化6】 は、下式の基 【化7】 から選択される基を意味する; Rは、水素、メチルまたはエチルであり;ZはOであり、または-Z-は、2つの
    結合炭素原子間の結合であり;Yは水素であり;Y*は水素であり;そしてTは
    Oであり;そして波状線を特徴とする結合は、式Iの化合物がシス-型で存在し
    ている; 化合物、またはそれらの薬学的に許容され得る塩。
  10. 【請求項10】 式 【化8】 を特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  11. 【請求項11】 式 【化9】 を特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 式 【化10】 を特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  13. 【請求項13】 式Iの化合物、または塩を形成する基が存在する場合は請
    求項1ないし請求項12の1つに記載のそれらの塩、および1またはそれ以上の
    薬学的に許容され得る担体を含む、医薬組成物。
  14. 【請求項14】 ヒトの診断または治療上の処置で使用する、請求項1ない
    し請求項12の1つに記載の式Iの化合物。
  15. 【請求項15】 腫瘍疾患の処置用の医薬産物の調製用の、請求項1ないし
    請求項12の1つに記載の式Iの化合物の使用。
  16. 【請求項16】 a)式IIの酸 【化11】 式中、T*は、ヒドロキシ、NH2、NH(アルキル)またはN3および(アルキル)
    、A、Zであり、Rは式Iの化合物から与えられる意味を有し、そして反応に関
    係しない官能基は必要であれば保護された形態で存在する、を環化し、T*=N3
    であれば、これをアジド基の還元後に行ない、そして必要であれば何れの保護基
    を取り除き、 そして、所望により、得られ得る式Iの化合物を異なる式Iの化合物に換える;
    得られ得る式Iの遊離化合物を塩に換える;式Iの化合物の得られ得る塩を他の
    塩または式Iの遊離化合物に換える;および/または式Iの化合物類の得られ得
    る異性体の混合物を異性体に分離する; ことを特徴とする、請求項1に記載の、式Iの化合物の調製プロセス。
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