JP2002533056A - 肺癌の治療および診断のための化合物および方法 - Google Patents

肺癌の治療および診断のための化合物および方法

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スティーブン ジー. リード,
トントン ワン,
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Abstract

(57)【要約】 肺癌の処置ならびに診断のための化合物および方法が提供される。本発明の化合物は、肺腫瘍タンパク質の少なくとも一部を含むポリペプチドを含む。本発明のポリペプチドを調製するためのDNA分子と共に、そのようなポリペプチド、またはこのようなポリペプチドをコードするDNA分子を含む肺癌の免疫治療のためのワクチンおよび薬学的組成物もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、一般に、肺ガンの処置および診断のための組成物および方法に関す
る。本発明は、より具体的には、このようなヌクレオチド配列によりコードされ
るポリペプチドとともに、肺腫瘍組織中に優先的に発現されるヌクレオチド配列
に関する。本発明のヌクレオチド配列およびポリペプチドは、肺ガンの処置およ
び診断のためのワクチンおよび薬学的組成物において使用され得る。
【0002】 (発明の背景) 肺ガンは、米国における男性および女性の両方におけるガンでの死亡の主な原
因であり、1994年には172,000件の新しい症例が報告されたと見積も
られた。全ての肺ガン患者における5年生存率は、診断時における疾患の病期に
拘らず、13%のみである。これは、この疾患がなお局在される場合に検出され
る症例における46%の5年生存率と対照的である。しかし、肺ガンが拡散する
前には、その疾患の16%が発見されるのみである。
【0003】 早期発見は難しい。なぜなら、臨床症状は、しばしば、この疾患が進行した病
期に達するまでみられないからである。現在のところ、診断は、胸部X線、痰に
含まれる細胞型の分析および気管支道の光ファイバー検査の使用により補助され
る。処置の養生法は、ガンの型および病期により決定され、そしてこれは、手術
、放射線治療および/または化学療法を含む。この疾患の治療への多くの研究に
も拘らず、肺ガンは、処置が困難なままである。
【0004】 従って、当該分野において、肺ガンに対する、改良されたワクチン、処置方法
および診断技術の必要性が依然として残っている。
【0005】 (発明の要旨) 手短に述べると、本発明は、肺ガンの処置のための化合物および方法を提供す
る。第1の局面において、肺腫瘍ポリペプチド分子をコードする単離されたポリ
ヌクレオチドが提供され、このようなポリヌクレオチド分子は、以下からなる群
から選択されるヌクレオチド配列を含む:(a)配列番号1〜3、6〜8、10
〜13、15〜27、29、30、32、34〜49、51、52、54、55
、57〜59、61〜69、71、73、74、77、78、80〜82、84
、86〜96、107〜109、111、113、125、127、128、1
29、131〜133、142、144、148〜151、153、154、1
57、158、160、167、168および171において提供される配列;
において提供される配列;(b)配列番号1〜3、6〜8、10〜13、15〜
27、29、30、32、34〜49、51、52、54、55、57〜59、
61〜69、71、73、74、77、78、80〜82、84、86〜96、
107〜109、111、113、125、127、128、129、131〜
133、142、144、148〜151、153、154、157、158、
160、167、168および171において提供される配列に相補的な配列;
ならびに(c)(a)または(b)の配列に中程度のストリンジェント条件下で
ハイブリダイゼーションする配列。
【0006】 第2の局面において、肺腫瘍タンパク質またはその改変体の少なくとも免疫原
性部分を含む、単離されたポリペプチドが提供される。特定の実施態様において
、このようなポリペプチドは、以下からなる群から選択されるヌクレオチド配列
を含むポリヌクレオチド分子によりコードされるアミノ酸配列を含む:(a)配
列番号1〜3、6〜8、10〜13、15〜27、29、30、32、34〜4
9、51、52、54、55、57〜59、61〜69、71、73、74、7
7、78、80〜82、84、86〜96、107〜109、111、113、
125、127、128、129、131〜133、142、144、148〜
151、153、154、157、158、160、167、168および17
1において記載される配列;(b)配列番号1〜3、6〜8、10〜13、15
〜27、29、30、32、34〜49、51、52、54、55、57〜59
、61〜69、71、73、74、77、78、80〜82、84、86〜96
、107〜109、111、113、125、127、128、129、131
〜133、142、144、148〜151、153、154、157、158
、160、167、168および171において提供される配列に相補的な配列
;ならびに(c)(a)または(b)の配列に中程度のストリンジェントな条件
下でハイブリダイゼーションする配列。
【0007】 関連する局面において、本発明のポリヌクレオチド分子を含む発現ベクターが
、このような発現ベクターを用いて形質転換されたかまたはトランスフェクトさ
れた宿主細胞とともに提供される。好ましい実施態様において、この宿主細胞は
、E.coli、酵母および哺乳動物細胞からなる群から選択される。
【0008】 別の局面において、第1および第2の本発明のポリペプチド、あるいは本発明
のポリペプチドおよび公知の肺腫瘍抗原を含む融合タンパク質が提供される。
【0009】 本発明はさらに、上記のポリペプチド、融合タンパク質または融合ポリヌクレ
オチド分子の1つ以上、および生理的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物
を、免疫応答エンハンサーと組み合せてこのようなポリペプチド、融合タンパク
質または融合ポリヌクレオチド分子の1つ以上を含むワクチンとともに提供する
【0010】 関連する局面において、本発明は、患者における肺ガンの発達を阻害するため
の方法を提供し、この方法は、有効量の少なくとも1つの上記の薬学的組成物お
よび/またはワクチンを、患者に投与する工程を含む。
【0011】 さらに、本発明は、肺ガンの免疫診断のための方法を、そのような方法におい
て使用するためのキットとともに提供する。肺腫瘍タンパク質あるいは保存的置
換および/または改変においてのみ異なるそのタンパク質の改変体の少なくとも
免疫学的部分を含むポリペプチドが開示される。ここで、この肺腫瘍タンパク質
は、以下に示すヌクレオチド配列からなる群より選択される配列を有するポリヌ
クレオチド分子によってコードされるアミノ酸配列を含む:配列番号1〜109
、111、113、115〜151、153、154、157、158、160
、162〜164、167、168および171、ならびにその改変体。そのよ
うなポリペプチドは、肺ガンの診断およびモニタリングにおいて有用に使用され
得る。
【0012】 本発明の1つの特定の局面において、患者における肺ガンを検出するための方
法が提供され、この方法は、以下の工程を含む:(a)上記のポリペプチドの1
つに結合し得る結合薬剤と、患者から得られた生物学的サンプルを接触させる工
程;および(b)そのサンプル中の、その結合薬剤に結合するタンパク質または
ポリペプチドを検出する工程。好ましい実施態様において、この結合薬剤は、抗
体であり、最も好ましくはモノクローナル抗体である。
【0013】 関連する局面において、患者における肺ガンの進行をモニターするための方法
が提供され、この方法は、以下の工程を含む;(a)上記のポリペプチドの1つ
に結合し得る結合薬剤と、患者から得られた生物学的サンプルを接触させる工程
;(b)そのサンプル中の、その結合薬剤に結合するタンパク質またはポリペプ
チドの量を決定する工程;(c)工程(a)および(b)を繰り返す工程;なら
びに工程(b)および(c)において検出されるポリペプチドの量を比較する工
程。
【0014】 関連する局面内において、本発明は、本発明のポリペプチドに結合する、抗体
、好ましくはモノクローナル抗体、およびこのような抗体を含む診断キット、な
らびに肺ガンの進展を阻害するためにこのような抗体を使用する方法を提供する
【0015】 本発明はさらに、以下の工程を含む、肺ガンを検出するための方法を提供する
:(a)患者から生物学的サンプルを得る工程:(b)そのサンプルを、ポリメ
ラーゼ連鎖反応における第1および第2のオリゴヌクレオチドプライマー(これ
らのオリゴヌクレオチドプライマーの少なくとも1つは、上記のポリペプチドの
1つをコードするポリヌクレオチド分子に特異的である)と接触させる工程;な
らびに(c)第1および第2のオリゴヌクレオチドプライマーの存在下で増幅す
るポリヌクレオチド配列をそのサンプル中で検出する工程。好ましい実施態様に
おいて、これらのオリゴヌクレオチドプライマーの少なくとも1つは、配列番号
1〜109、111、113、115〜151、153、154、157、15
8、160、162〜164、167、168および171からなる群から選択
される配列を含むポリヌクレオチド分子の少なくとも約10個の連続するヌクレ
オチドを含む。
【0016】 さらなる局面において、本発明は、以下の工程を含む、患者における肺ガンを
検出するための方法を提供する:a)患者から生物学的サンプルを得る工程:(
b)そのサンプルを、上記のポリペプチドの1つをコードするポリヌクレオチド
分子に特異的なオリゴヌクレオチドプローブと接触させる工程;ならびに(c)
そのサンプル中の、オリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズするポリヌク
レオチド配列を検出する工程。好ましくは、このオリゴヌクレオチドプローブは
、配列番号1〜109、111、113、115〜151、153、154、1
57、158、160、162〜164、167、168および171からなる
群から選択される部分配列を有するポリヌクレオチド分子の少なくとも約15個
の連続するヌクレオチドを含む。
【0017】 関連する局面において、上記のオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマー
を含む診断キットが提供される。
【0018】 なおさらなる局面において、患者における肺ガンの処置のための方法が提供さ
れ、この方法は、その患者からPBMCを得る工程、そのPBMCを本発明のポ
リペプチド(もしくはこのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド)
とインキュベートして、インキュベートされたT細胞を提供する工程、およびこ
のインキュベートされたT細胞をその患者に投与する工程、を含む。本発明はさ
らに、抗原提示細胞を本発明のポリペプチド(もしくはこのようなポリペプチド
をコードするポリヌクレオチド)とインキュベートして、インキュベートされた
抗原提示細胞を提供する工程、およびこのインキュベートされた抗原提示細胞を
その患者に投与する工程、を包含する、肺ガンの処置のための方法を提供する。
特定の実施態様において、この抗原提示細胞は、樹状細胞およびマクロファージ
からなる群から選択される。本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドとイ
ンキュベートされたT細胞または抗原提示細胞を含む肺ガンの処置のための組成
物もまた提供される。本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な記載を参
考にすることで明らかである。本明細書中に開示された全ての参考文献は、各々
が個別に援用されるかのように、その全体において参考として援用される。
【0019】 (発明の詳細な説明) 上記のように、本発明は、概して、肺ガンの治療および診断のための組成物お
よび方法に関する。本明細書において記載される組成物は、ポリペプチド、融合
タンパク質およびポリヌクレオチドの分子を含む。本発明にはまた、本発明のポ
リペプチドに対して結合する分子(例えば、その抗体またはフラグメント)も含
まれる。このような分子を、本明細書において「結合薬剤」と称する。
【0020】 1つの局面において、本発明は、ヒト肺腫瘍タンパク質の免疫原性部分を含む
ポリペプチドを開示する。ここで、この肺腫瘍タンパク質は、以下からなる郡よ
り選択される配列を含むポリヌクレオチド分子によってコードされるアミノ酸配
列を含む:(a)配列番号1〜109、111、113、115〜151、15
3、154、157、158、160、162〜164、167、168および
171に示されるヌクレオチド配列、(b)このヌクレオチド配列の相補体、な
らびに(c)このような配列の改変体。本明細書において使用される用語「ポリ
ペプチド」は、完全長タンパク質を含む、任意の長さのアミノ酸鎖を包含する。
ここでこのアミノ酸残基は、ペプチド共有結合により連結される。従って、上記
の肺腫瘍タンパク質のうちの1つの一部を含むポリペプチドは、全くこの部分か
らなり得るか、またはこの部分は、さらなる配列を含むより大きなポリペプチド
内に存在し得る。このさらなる配列は、ネイティブのタンパク質に由来し得るか
、または異種であり得、そしてこのような配列は(そうである必要はないが)、
免疫反応性および/または抗原性であり得る。以下に詳しく述べたように、この
ようなポリペプチドは、肺腫瘍組織から単離され得るか、または合成的手段また
は組み換え手段により調製され得る。
【0021】 本明細書において用いる場合、肺腫瘍タンパク質の「免疫原性部分」は、肺ガ
ンに罹患した患者において免疫応答を誘発し得、そしてそれ自体、肺ガン患者由
来の血清中に存在する抗体と結合する一部分である。このような免疫原性の部分
は、一般的に、少なくとも約5アミノ酸残基、より好ましくは少なくとも約10
アミノ酸残基、そして最も好ましくは少なくとも約20のアミノ酸残基を含む。
本明細書において記載されるタンパク質の免疫原性の部分は、抗体結合アッセイ
において同定され得る。このようなアッセイは、一般に、当業者に公知の任意の
種々の手段を用いて(例えば、HarlowおよびLane,Antibodi
es:A Laboratory Manual,Cold Spring H
arbor Laboratory,Cold Spring Harbor,
NY,1988に記載されているように)実施され得る。例えば、ポリペプチド
は、固体支持体上で(以下に記載のように)固定され得、そして患者の血清と接
触されて、固定されたポリペプチドに対する血清中の抗体の結合が可能にされ得
る。次いで、結合しない血清は、取り除かれ、そして結合抗体は、例えば、125
I標識プロテインAを用いて検出され得る。あるいは、ポリペプチドは、肺ガン
患者の血液または他の液体中のポリペプチドの検出において用いるためのモノク
ローナル抗体およびポリクローナル抗体を産生するために用いられ得る。公知の
配列の抗原の免疫原性の部分を調製および同定するための方法は、当該分野にお
いて周知であり、そしてPaul、Fundamental Immunolo
gy、第3版、Raven Press、1993、243〜247頁に要約さ
れた方法を含む。
【0022】 本明細書において用いる場合、用語「ポリヌクレオチド」は、デオキシリボヌ
クレオチド塩基またはリボヌクレオチド塩基の一本鎖または二本鎖ポリマーを意
味し、そしてDNA分子および対応するRNA分子を含む。これは、HnRNA
分子およびmRNA分子、センス鎖およびアンチセンス鎖の両方を含み、そして
cDNA、ゲノムDNAおよび組換えDNA、ならびに全合成ポリヌクレオチド
または部分合成ポリヌクレオチドを含む。HnRNA分子は、イントロンを含み
、そして一般に1対1の様式でDNA分子に対応する。mRNA分子は、イント
ロンが切除されたHnRNA分子およびDNA分子に対応する。ポリヌクレオチ
ドは、遺伝子全体またはその任意の部分からなり得る。作動可能なアンチセンス
ポリヌクレオチドは、対応するポリヌクレオチドのフラグメントを含み得、従っ
て、「ポリヌクレオチド」の定義には、このような作動可能なアンチセンスフラ
グメントのすべてを含む。
【0023】 本発明の組成物および方法はまた、上記のポリペプチドおよびポリヌクレオチ
ドの改変体を包含する。本明細書において用いる、ポリペプチドの「改変体」は
、このポリペプチドの治療的、抗原性および/または免疫原性の特性が保持され
るような保存的な置換および/または改変でのみ、示されたポリペプチドと異な
るポリペプチドである。好ましい実施態様において、改変ポリペプチドは、同定
された配列と、5アミノ酸以下の置換、欠失または付加だけ異なる。このような
改変体は、一般に、上記のポリペプチド配列の1つの改変により、および例えば
、本明細書において記載される代表的な手順を用いて、改変されたポリペプチド
の抗原性特性を評価することにより同定され得る。ポリペプチド改変体は、好ま
しくは、同定されたポリペプチドに対して、少なくとも約70%、より好ましく
は少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95%の同一性(以
下で記載されたように決定された)を示す。
【0024】 本明細書において用いる場合、「保存的置換」は、アミノ酸が類似の特性を有
する別のアミノ酸へと置換されるものであり、この結果、ペプチド化学の当業者
は、そのポリペプチドの二次構造および疎水性親水性指標(hydropath
ic)の特徴が実質的に変化しないことを予想する。一般に、アミノ酸の以下の
群は保存的変換を表す:(1)ala、pro、gly、glu、asp、gl
n、asn、ser、thr;(2)cys、ser、tyr、thr;(3)
val、ile、leu、met、ala、phe;(4)lys、arg、h
is;および(5)phe、tyr、trp、his。
【0025】 改変体はまた(または、代わりに)、他の改変を含み得、これは、ポリペプチ
ドの抗原性特性、二次構造および疎水性親水性指標に最小限の影響を有するアミ
ノ酸の欠失または付加を含む。例えば、ポリペプチドは、タンパク質の転移を翻
訳と同時にまたは翻訳後に指向するそのタンパク質のN末端のシグナル(または
リーダー)配列に結合され得る。このポリペプチドはまた、ポリペプチド(例え
ば、ポリ−His)の合成、精製または同定を容易にするために、または固体支
持体へのポリペプチドの結合を増強するために、リンカーまたは他の配列に結合
され得る。例えば、ポリペプチドは、免疫グロブリンFc領域に結合され得る。
【0026】 ヌクレオチド「改変体」は、1つ以上のヌクレオチドの欠失、置換または付加
を有するという点で挙げられたヌクレオチド配列と異なる配列である。このよう
な改変は、標準的な変異誘発技術(例えば、Adelmanら(DNA、2:1
83、1983)に教示されるような、オリゴヌクレオチド指向性部位特異的変
異誘発を用いて容易に導入され得る。ヌクレオチド改変体は、天然に存在する対
立遺伝子改変体、または天然に存在しない改変体であり得る。改変体のヌクレオ
チド配列は、好ましくは、挙げられた配列に対して、少なくとも約70%、より
好ましくは少なくとも約80%、そして最も好ましくは少なくとも約90%の同
一性(以下で記載されたように決定された)を示す。
【0027】 本発明によって提供される抗原は、本明細書において具体的に挙げられた1つ
以上のポリヌクレオチド配列に対して実質的に相同であるポリヌクレオチド配列
によってコードされる改変体を含む。本明細書において用いる場合、「実質的な
相同性」は、中程度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るポリヌ
クレオチド配列をいう。適切である、中程度にストリンジェントな条件としては
、以下が挙げられる:5×SSC、0.5%SDS、1.0mM EDTA(p
H8.0)の溶液中での予備洗浄;50℃〜65℃、5×SSC(または、種交
叉相同性の場合は、45℃で0.5×SSC)での、一晩のハイブリダイゼーシ
ョン;続いて各々0.1%SDS含有の2×、0.5×および0.2×SSCの
それぞれを用いた20分間、65℃での2回の洗浄。このようなハイブリダイズ
するポリヌクレオチド配列はまた、本発明の範囲内である。なぜなら、ヌクレオ
チド配列はコードの縮重に起因して、ハイブリダイズするポリヌクレオチド配列
によりコードされる免疫原性ポリペプチドをコードするからである。
【0028】 2つのヌクレオチド配列またはポリペプチド配列は、その2つの配列における
ヌクレオチドまたはアミノ酸残基の配列が、以下に記載のように最大一致につい
て整列されたときに同じである場合に、「同一」であるといわれる。2つの配列
の間の比較は、代表的には、比較ウインドウにわたって配列を比較して配列類似
性の局所領域を同定および比較することにより実行され得る。本明細書において
用いる場合、「比較ウインドウ」は、少なくとも約20の連続位置、通常30〜
約75、40〜約50のセグメントをいい、ここで配列は、2つの配列が最適に
整列された後、同じ数の連続位置の参照配列と比較され得る。
【0029】 比較のための配列の最適整列は、デフォルトパラメーターを用いて、バイオイ
ンフォーマティクス(生物情報科学)のソフトウエア(DNASTAR、Inc
.,Madison,WI)のLasergene suiteにおけるMeg
alignプログラムを用いて行われ得る。このプログラムは、以下の参考文献
において記載されたいくつかの整列スキームを統合する:Dayhoff、M.
O.(1978)(A model of evolutionary cha
nge in proteins−Matrices for detecti
ng distant relationships)、Dayhoff、M.
O.(編)Atlas of Protein Sequence and S
tructure、National Biomedical Researc
h Foundation、Washington DC、第5巻、補遺3、3
45〜358頁;Hein J.(1990)Unified Approac
h to Alignment and Phylogenes 626〜64
5頁 Methods in Enzymology 183巻、Academ
ic Press、Inc.,San Diego、CA;Higgins、D
.G.およびSharp、P.M.(1989)Fast and sensi
tive multiple sequence alignments on
a microcomputer CABIOS 5:151〜153;My
ers,E.W.およびMuller W.(1988)Optimal al
ignments in linear space CABIOS 4:11
〜17;Robinson、E.D.(1971)Comb.Theor 11
:105;Santou、N.Nes、M.(1987)The neighb
or joining method.A new method for r
econstructing phylogenetic trees Mol
.Biol.Evol.4:406〜425;Sneath,P.H.A.およ
びSokal、R.R.(1973)Numerical Taxonomy−
the Principles and Practice of Numer
ical Taxonomy、Freeman Press、San Fran
cisco、CA;Wilbur、W.J.and Lipman,D.J.(
1983)Rapid similarity searches of nu
cleic acid and protein data banks Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 80:726〜730。
【0030】 好ましくは、「配列同一性のパーセンテージ」は、少なくとも20の位置の比
較ウインドウにわたって2つの最適に整列した配列を比較することにより決定さ
れる。ここで、比較ウインドウにおけるポリヌクレオチド配列の部分は、2つの
配列の最適整列について参照配列(付加または欠失を含まない)と比較した場合
、20%以下、通常、5〜15%、または10〜12%の付加または欠失(すな
わち、ギャップ)を含み得る。このパーセンテージは、適合した位置の数を算出
するために、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両方の配列に存在する位置の
数を決定すること、適合する位置の数を参照配列の位置の総数(すなわち、ウイ
ンドウのサイズ)で割ること、そして配列同一性のパーセンテージを算出するた
めに得られた結果を100倍することにより算出される。
【0031】 本発明の範囲にはまた、本明細書において示したヌクレオチド配列をコードす
る遺伝子の対立遺伝子も含まれる。本明細書において使用される場合、「対立遺
伝子」または「対立遺伝子配列」とは、その核酸配列における少なくとも1つの
変異から生じ得る遺伝子の別の形態である。対立遺伝子は、変更されたmRNA
もしくはポリペプチドを生じ得る。その構造または機能は、変化されていても、
変化されていなくてもよい。任意の所定の遺伝子は、対立遺伝子形態を有しない
かもしれず、1つまたは多くの対立遺伝子形態を有し得る。対立遺伝子を生じる
一般的な変異的変化は、一般に、天然でのヌクレオチドの欠失、付加、または置
換に帰する。これらの型の変化のおのおのは、単独で、または他の変化と組み合
せて、所定の配列内に1回以上生じ得る。
【0032】 あるいは、免疫反応性特性を有する肺腫瘍ポリペプチドについて、改変体は、
上記のポリペプチドの1つのアミノ酸配列を改変すること、およびその改変され
たポリペプチドの免疫反応性を評価することによって同定され得る。診断用結合
剤の生成について有用である肺腫瘍ポリペプチドについて、改変体は、肺ガンの
存在または非存在を検出する抗体を生成する能力について改変されたポリペプチ
ドを評価することによって同定され得る。そのような改変された配列は、例えば
、本明細書において記載された代表的な手順を用いて調製および試験され得る。
【0033】 本発明の肺腫瘍ポリペプチド、およびこのようなポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチド分子は、当該分野で周知の任意の種々の方法を用いて肺腫瘍組織
から単離され得る。本発明の肺腫瘍タンパク質の1つをコードする遺伝子(また
はその一部)に対応するポリヌクレオチド配列は、以下に詳細に記載するように
サブトラクション技術を用いて肺腫瘍cDNAライブラリーから単離され得る。
そのようなポリヌクレオチド配列の例は、配列番号1〜109、111、113
、115〜151、153、154、157、158、160、162〜164
、167、168および171、ならびにその改変体に提供される。従って、得
られた部分的ポリヌクレオチド配列を使用して、ヒトゲノムDNAライブラリー
から、または肺腫瘍cDNAライブラリーから、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR
)において、当該分野において周知の技術(例えば、Mullisら、Cold
Spring Harbor Symp.Quant.Biol.51:26
3、1987;Erlich編、PCR Technology、Stockt
on Press,NY,1989を参照のこと)を用いて、全長ポリヌクレオ
チド配列の増幅のためのオリゴヌクレオチドプライマーを設計し得る。このアプ
ローチについて、配列特異的なプライマーは、本明細書において提供されるヌク
レオチド配列に基づいて設計され得、そして購入もしくは合成され得る。
【0034】 増幅した部分を使用して、適切なライブラリー(例えば、肺腫瘍cDNAライ
ブラリー)から周知の技術を使用して全長遺伝子を単離し得る。このような技術
において、増幅に適した1以上のポリヌクレオチドプローブまたはプライマーを
使用して、ライブラリー(cDNAライブラリーまたはゲノムライブラリー)を
スクリーニングする。好ましくは、ライブラリーはより大きな分子を含むように
サイズが選択される。無作為に刺激されたライブラリー(random pri
med library)もまた、遺伝子の5’領域および上流領域の同定ため
に好ましい。ゲノムライブラリーは、イントロンを入手することおよび5’配列
を伸長させることについて好ましい。
【0035】 ハイブリダイゼーション技術に関して、部分配列は、周知の技術を使用して標
識(例えば、ニックトランスレーションまたは32Pでの末端標識)され得る。次
いで、細菌ライブラリーまたはバクテリオファージライブラリーは、標識プロー
ブと、変性した細菌コロニー(またはファージプラークを含む菌叢)を含むフィ
ルターとをハイブリダイズすることによってスクリーニングされる(Sambr
ookら,Molecular Cloning:A Laboratory
Manual,Cold Spring Harbor Laboratori
es,Cold Spring Harbor,NY,1989を参照のこと)
。ハイブリダイズするコロニーまたはプラークを選択し、そして拡大する。そし
てそのDNAをさらなる分析のために単離する。cDNAクローンを、さらなる
付加配列の量を決定するために、例えば、部分配列由来のプライマーおよびその
ベクター由来のプライマーを使用するPCRによって分析し得る。制限酵素地図
および部分配列を作成して、1以上の重複クローンを同定する。次いで、標準的
な技術(これは、一連の欠失クローンを作製することを包含する)を使用して完
全配列を決定し得る。次いで、得られた重複配列を1つの連続配列中にアセンブ
ルする。周知の技術を使用して、適切なフラグメントに連結することにより全長
cDNA分子を生成し得る。
【0036】 あるいは、部分cDNA配列由来の全長コード配列を得るための多くの増幅技
術が存在する。このような技術において、増幅は、一般的に、PCRを介して行
われる。種々の市販キットのいずれかを使用して増幅工程を行い得る。当該分野
で周知の技術を使用してプライマーを設計し得(例えば、Mullisら,Co
ld Spring Harbor Symp.Quant.Biol.51:
263,1987;Erlich編,PCR Technology,Stoc
kton Press,NY,1989を参照のこと)、そして当該分野で周知
のソフトウェアもまた使用し得る。プライマーは、好ましくは、長さが22〜3
0ヌクレオチドであり、少なくとも50%のGC含有量を有し、そして標的配列
に約68℃〜72℃の温度でアニールする。増幅した領域を上記に記載されるよ
うにして配列決定し、そして重複配列を連続する配列へと構築する。
【0037】 このような増幅技術の1つは、インバースPCRである(Trigliaら,
Nucl.Acids Res.16:8186,1988を参照のこと)。こ
の技術は、制限酵素を使用して、その遺伝子の既知の領域内のフラグメントを生
成する。次いで、このフラグメントを分子内連結により環状化し、そして既知の
領域に由来する多岐したプライマーを用いたPCRのための鋳型として使用する
。代替のアプローチにおいて、部分配列に隣接した配列を、リンカー配列に対す
るプライマーおよび既知の領域に特異的なプライマーを使用する増幅により取り
出し得る。この増幅した配列を、代表的に、同じリンカープライマーおよび既知
の領域に特異的な第2のプライマーを使用する2回目の増幅に供する。既知の配
列から反対方向に伸長を開始する2つのプライマーを使用するこの手順について
の改変は、WO 96/38591に記載される。さらなる技術としては、キャ
プチャーPCR(Langerstromら,PCR Methods App
lic.1:111−19,1991)およびウォーキングPCR(Parke
r,Nucl.Acids.Res.19:3055−60,1991)が挙げ
られる。転写媒介増幅、すなわちTMAは、DNA、rRNA、またはmRNA
の増幅のために使用され得る別の方法であり、特許第PCT/US91/031
84号に記載される。この自己触媒性でかつ等温性の、PCRに基づかない方法
は、2つのプライマーおよび2つの酵素を利用する:RNAポリメラーゼおよび
逆転写酵素。一方のプライマーは、RNAポリメラーゼのためのプロモーター配
列を含む。1回目の増幅において、このプロモーター−プライマーは、規定され
た部位で標的rRNAにハイブリダイズする。逆転写酵素は、このプロモーター
−プライマーの3’末端からの伸長により、標的rRNAのDNAコピーを作製
する。得られた複合体におけるRNAは分解され、そして第2のプライマーはD
NAコピーに結合する。逆転写酵素によりDNAの新しい鎖をこのプライマーの
末端から合成し、二本鎖DNAを作製する。RNAポリメラーゼは、DNA鋳型
内のプロモーター配列を認識しそして転写を開始する。この新たに合成されたR
NAアンプリコンの各々を、再度TMAプロセスに供し、そして新しい回の複製
のための鋳型として供給してRNAアンプリコンの指数関数的な増大を誘導する
。増幅を利用する他の方法もまた使用して、全長cDNA配列を入手する。
【0038】 特定の場合において、発現配列タグ(EST)データベース(例えば、Gen
Bankより入手可能のもの)に提供される配列の分析により、全長cDNAを
入手することが可能である。重複ESTの検索は、一般に、周知のプログラム(
例えば、NCBI BLAST検索)を使用して行われ得、そしてこのようなE
STを使用して連続した全長配列を生成し得る。
【0039】 一旦、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列が得られると、このポ
リペプチドは、このポリヌクレオチド配列を発現ベクターに挿入して、そして適
切な宿主においてこのポリペプチドを発現させることにより、組換え的に産生さ
れ得る。当業者に公知の任意の種々の発現ベクターを使用して、本発明の組換え
ポリペプチドを発現し得る。発現は、この組換えポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて形質転換またはトランスフェクトされ
た任意の適切な宿主細胞において達成され得る。適切な宿主細胞としては、原核
生物細胞、酵母細胞、昆虫細胞およびより高等な真核生物細胞が挙げられる。好
ましくは、使用される宿主細胞は、E.coli、酵母または哺乳動物の細胞株
(例えば、COS細胞またはCHO細胞)である。この様式で発現されるポリヌ
クレオチド配列は、天然に存在するポリペプチド、天然に存在するポリペプチド
の部分、またはそれらの他の改変体をコードし得る。組換えポリペプチドを分泌
する適切な宿主/ベクター系に由来する上清を、最初、市販のフィルターを使用
して濃縮し得る。次いで、この濃縮物を適切な精製マトリックス(例えば、アフ
ィニティーマトリックスまたはイオン交換樹脂)に供し得る。最後に、1回以上
の逆相HPLC工程を使用して、この組換えポリペプチドをさらに精製し得る。
【0040】 本明細書中に開示される肺腫瘍ポリぺプチドはまた、合成的な手段によって生
成され得る。特に、約100未満のアミノ酸を有する合成ポリぺプチド、および
一般に、約50より少ないアミノ酸を有する合成ポリぺプチドは、当業者に周知
の技術を使用して生成され得る。例えば、このようなポリぺプチドは、市販の固
相技術(例えば、メリフィールド固相合成方法)のいずれかを使用して合成され
得る。メリフィールド固相合成方法において、アミノ酸は、伸長しているアミノ
酸鎖に順次添加される(例えば、Merrifield,J.Am.Chem.
Soc.85:2149−2146,1963を参照のこと)。ポリぺプチドの
自動合成のための装置は供給業者(例えば、Perkin Elmer/App
lied BioSystems Division(Foster City
,CA))から市販されており、そして製造業者の取扱説明書に従って操作され
得る。
【0041】 さらに、肺腫瘍抗原は、T細胞発現クローニングによって同定され得る。腫瘍
特異的T細胞の1つの供給源は、ヒトの患者から外科的に切除された腫瘍に由来
する。腫瘍特異的T細胞を単離しそして特徴付けるための1つの方法において、
この切除した腫瘍を細かく刻み、そして数時間、酵素的に消化して、腫瘍細胞お
よび浸潤リンパ球(腫瘍浸潤T細胞、すなわちTIL)を放出させる。この細胞
をHBSS緩衝液中で洗浄し、そしてフィコール不連続勾配(100%/75%
/HBSS)を通過させて、非生存細胞から腫瘍細胞およびリンパ球を分離する
。界面から2つのバンドを採集する;75%/HBSS界面での上部バンドは主
に腫瘍細胞を含み、一方、100%/75%/HBSS界面での下部バンドは主
にリンパ球を含む。このTILを、当該分野で周知の技術により培養にて増大す
るか(好ましくは、10ng/ml IL−7および100U/ml IL−2
を補充した培養培地であるが)、あるいは抗CD3モノクローナル抗体(OKT
3)で予め吸収した組織培養プレート中で培養しそして増大する。得られたTI
L培養物をFACSにより分析して、大部分がCD8+T細胞であることを確認
する(>90%のゲートされた集団)。
【0042】 さらに、この腫瘍細胞もまた、当該分野で周知の技術を使用して培養にて増大
して、腫瘍細胞株を確立する。この細胞株は後に、免疫組織化学的な分析により
肺腫瘍細胞であることを確認する。この腫瘍細胞株を、ヒトCD80を発現する
ようにレトロウイルスベクターで形質導入する。CD80、クラスI MHC分
子およびクラスII MHC分子の強力な発現レベルを確認するために、この腫
瘍細胞株をFACSによりさらに特徴付けする。
【0043】 肺腫瘍に関するTIL株の特異性を、INF−γサイトカインおよび/または
TNF−αサイトカインの放出アッセイにより確認する。例えば、21日目の培
養物由来のTIL細胞を、自己由来の腫瘍細胞または同種異系由来の腫瘍細胞の
いずれか、EBV不死化LCL、あるいはコントロール細胞株のDaudiおよ
びK562と共に同時培養し、そしてこの培養上清をサイトカインの存在につい
てELISAによりモニターする。これらの特定のサイトカインの腫瘍細胞また
は陰性コントロール細胞の存在下での発現は、このTIL株が、自己由来のMH
C分子により提示される腫瘍抗原を特異的にかつ潜在的に認識するか否かを示す
【0044】 この特徴付けした腫瘍特異的なTIL株を、当該分野で周知の方法により増大
し得、そしてクローン化し得る。例えば、このTIL株を、照射したEBV形質
転換LCLおよびPBLフィーダー細胞を含む培養物中で、可溶性抗CD3抗体
を使用して、20U/ml IL−2存在下でT細胞発現クローニングに適した
数まで増大し得る。増大したTIL株由来のクローンを、標準的な限界希釈技術
により産生し得る。特に、TIL細胞を96ウェルU底プレートに0.5個細胞
/ウェルで播種し、そして50U/ml IL−2存在下で、CD−80形質導
入自己腫瘍細胞、EBV形質転換LCL、およびPBLフィーダー細胞で刺激す
る。これらのクローンを、51Cr微量細胞傷害性(microcytotoxi
city)およびIFN−γバイオアッセイにより、腫瘍特異性についてさらに
分析し得る。さらに、TILクローンによって認識されるMHC拘束エレメント
を、当該分野で周知の抗体ブロック研究により決定し得る。
【0045】 上記に記載したCTL株またはクローンは、腫瘍特異的抗原を同定するために
使用され得る。例えば、患者由来の自己の線維芽細胞またはLCLを、肺腫瘍c
DNAライブラリー由来のポリヌクレオチドフラグメントを用いてトランスフェ
クトまたは形質導入して、標的細胞発現腫瘍ポリペプチドを産生し得る。このM
HC関連の標的細胞発現腫瘍ポリペプチドは、CTL株またはT細胞活性化を生
じるクローンにより認識され、これを、サイトカイン認識アッセイによりモニタ
ーし得る。次いで、標的細胞により発現されそして腫瘍特異的CTLにより認識
される腫瘍遺伝子を上記に記載した技術により単離する。一般に、調製方法に拘
らず、本明細書中に開示したポリペプチドは、実質的に純粋な単離された形態で
調製される(すなわち、このポリペプチドは、アミノ酸組成分析および一次配列
分析により決定される場合、均質である)。好ましくは、このポリペプチドは、
少なくとも約90%純粋、より好ましくは少なくとも約95%純粋および最も好
ましくは少なくとも99%純粋である。特定の好ましい実施態様(以下により詳
細に記載される)において、この実質的に純粋なポリペプチドは、本明細書中に
開示される1以上の方法における使用のための薬学的組成物またはワクチンに組
み込まれる。
【0046】 関連局面において、本発明は、本発明の第1および第2のポリペプチドを含む
融合タンパク質、あるいは、本発明のポリペプチドおよび公知の肺腫瘍抗原を含
む融合タンパク質を、このような融合タンパク質の改変体と共に提供する。本発
明の融合タンパク質は、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとの間にリン
カーペプチドを(必要はないが)含み得る。
【0047】 本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、第1のポリペ
プチドおよび第2のポリペプチドをコードする別々のポリヌクレオチド配列がア
センブルするように、公知の組換えDNA技術を使用して適切な発現ベクター中
に構築される。第1のポリペプチドをコードするDNA配列の3’末端を、ペプ
チドリンカーを用いてまたはペプチドリンカー用いないで、第2のポリペプチド
をコードするDNA配列の5’末端に連結する。その結果、この配列のリーディ
ングフレームは、この2つのDNA配列のmRNAが、第1のポリペプチドおよ
び第2のポリペプチドの両方の生物学的活性を保持する単一の融合タンパク質に
翻訳されることを可能にする位相にある。
【0048】 ペプチドリンカー配列を使用して、各ポリペプチドが、その2次構造および3
次構造へと折り畳むのを確実にするのに十分な距離で第1のポリペプチドおよび
第2のポリペプチドを分離し得る。このようなペプチドリンカーは、当該分野で
周知の標準的な技術を使用して、この融合タンパク質に組み込まれる。適切なペ
プチドリンカー配列は、以下の要素に基づいて選択され得る:(1)可撓性で伸
長されるコンホメーションを採るその能力;(2)第1のポリペプチドおよび第
2のポリペプチド上の機能的エピトープと相互作用し得る2次構造を採ることが
できないこと;および(3)このポリペプチドの機能的エピトープと反応し得る
疎水性残基または荷電残基の欠失。好ましいエピトープリンカー配列は、Gly
残基、Asn残基およびSer残基を含む。ほぼ中性の他のアミノ酸(例えば、
ThrおよびAla)もまた、このリンカー配列に使用され得る。リンカーとし
て有用に使用され得るアミノ酸配列としては、Marateaら、Gene 4
0:39−46,1985;Murphyら,Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 83:8258−8262,1986;米国特許第4,935
,233号および同第4,751,180号に開示されるリンカーが挙げられる
。このリンカー配列は、長さが1〜約50のアミノ酸であり得る。第1のポリペ
プチドおよび第2のポリペプチドが、機能ドメインの分離および立体阻害の防止
のために使用され得る非必須のN末端アミノ酸領域を有する場合、ペプチド配列
は必要でない。
【0049】 この連結したポリヌクレオチド配列を、適切な転写調節エレメントまたは翻訳
調節エレメントに作動可能に連結する。ポリヌクレオチドの発現を担う調節エレ
メントは、第1のポリペプチドをコードするDNA配列の5’側にのみ位置する
。同様に、翻訳の終止に必要な終止コドンおよび転写終結シグナルは、第2のポ
リペプチドをコードするDNA配列の3’側にのみ存在する。
【0050】 本発明のポリペプチドを、非関連免疫原性タンパク質とともに含む融合タンパ
ク質もまた提供される。好ましくは、この免疫原性タンパク質は、呼び戻し(r
ecall)応答を惹起し得る。このようなタンパク質の例としては、破傷風タ
ンパク質、結核タンパク質および肝炎タンパク質が挙げられる(例えば、Sto
uteら、New Engl.J.Med.,336:86−91(1997)
を参照のこと)。
【0051】 肺腫瘍タンパク質の免疫原性部分を含むポリペプチドは、一般に、肺癌の治療
のために使用され得、ここで、このポリペプチドは、肺腫瘍細胞に対する患者自
身の免疫応答を刺激する。従って、本発明は、患者の肺癌の免疫治療のために、
本明細書中に記載される1以上の化合物(これはポリペプチド分子、ポリヌクレ
オチド分子、または融合タンパク質であり得る)を使用するための方法を提供す
る。本明細書中で使用される場合、「患者」とは、任意の温血動物、好ましくは
ヒトをいう。患者は、疾患に冒されていてもよいし、または検出可能な疾患がな
くてもよい。従って、本明細書中に開示される化合物は、肺癌を処置するため、
または肺癌の発達を阻害するために使用され得る。この化合物は、原発性腫瘍の
外科的除去ならびに/または放射線治療および従来の化学治療薬物の投与による
処置の前、または後のいずれかに投与される。
【0052】 これらの局面において、本発明のポリペプチドは、一般に、薬学的組成物また
はワクチンの中に存在する。薬学的組成物は、1以上のポリペプチドを含み得、
それらの各々は、1以上の上記の配列(またはそれらの改変体)および生理学的
に受容可能なキャリアを含み得る。ワクチンは、1以上のこのようなポリペプチ
ドおよび非特異免疫応答エンハンサーを含み得る。ここで、この非免疫応答エン
ハンサーは、外因性の抗原に対する免疫応答を誘起し得るかまたは増強し得る。
非免疫応答エンハンサーの例としては、アジュバント、生分解性微粒子(例えば
、ポリ乳酸ガラクチド(polylactic galactide)およびリ
ポソーム(このポリペプチドが組み込まれる)が挙げられる。薬学的組成物およ
びワクチンはまた、肺腫瘍抗原の他のエピトープを含み得、このエピトープは、
上記に記載されるように、融合タンパク質に組み込まれる(すなわち、複数のエ
ピトープを含む単一のポリペプチド)か、または別々のポリペプチド中に存在す
るかのいずれかである。
【0053】 あるいは、薬学的組成物またはワクチンは、1以上の上記のポリペプチドおよ
び/または融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを、このポリペプチド
がインサイチュで産生されるように含み得る。このような薬学的組成物およびワ
クチンにおいて、このポリヌクレオチドは、当業者に公知である任意の種々の送
達系(核酸発現系、細菌発現系およびウイルス発現系を含む)中に存在し得る。
適切な核酸発現系は、患者における発現に必要なポリヌクレオチド配列(例えば
、適切なプロモーター)を含む。細菌送達系は、その細胞表面上で肺細胞抗原の
エピトープを発現する細菌(例えば、Bacillus−Calmette−G
uerrin)の投与を含む。好ましい実施態様において、このポリヌクレオチ
ドは、ウイルス発現系(例えば、ワクシニアまたは他のポックスウイルス、レト
ロウイルス、あるいはアデノウイルス)を使用して導入され得、このウイルス発
現系は、非病原性(欠損)の、複製コンピテントウイルスの使用を含み得る。適
切な系は、例えば、Fischer−Hochら、PNAS 86:317−3
21、1989;Flexnerら、Ann.N.Y.Acad.Sci.56
9:86−103、1989;Flexnerら、Vaccine 8:17−
21、1990;米国特許第4,603,112号、同第4,769,330号
、および同第5,017,487号;WO 89/01973;米国特許第4,
777,127号、GB2,200,651号;EP 0,345,242;W
O 91/02805;Berkner、Biotechniques 6:6
16−627、1988;Rosenfeldら、Science 252:4
31−434、1991;Kollsら、PNAS 91:215−219、1
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、1993;Guzmanら、Circulation 88:2838−28
48、1993;ならびにGuzmanら、Cir.Res.73:1202−
1207、1993に開示される。このような発現系にポリヌクレオチドを組み
込む技術は、当業者に周知である。このポリヌクレオチドはまた、例えば、公開
されたPCT出願WO 90/11092、およびUlmerら、Scienc
e 259:1745−1749、1993に記載され、Cohen、Scie
nce 259:1691−1692、1993に評論されたように、「裸」で
あり得る。裸のポリヌクレオチドの取り込みは、細胞に効率的に輸送される、生
分解性ビーズ上にこのポリヌクレオチドをコートすることにより増大され得る。
【0054】 投与の経路および頻度、ならびに用量は、個体間により変化し、そして他の疾
患の免疫治療において現在使用されているものに類似し得る。一般に、薬学的組
成物およびワクチンは、注射により(例えば、皮内、筋肉内、静脈内または皮下
)、経鼻的に(例えば、吸入)または経口的に投与され得る。1〜10の間の用
量が、3〜24週間にわたって投与され得る。好ましくは、3ヶ月の間隔で、4
用量が投与され、そして追加投与がその後、定期的になされ得る。代替的プロト
コルが、個々の患者に適切であり得る。適切な用量は、処置される患者における
肺腫瘍細胞に対して免疫応答(細胞性および/または体液性)を惹起するのに有
効である、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの量である。適切な免疫応答は
、基底(すなわち、処置なし)レベルより少なくとも10〜50%上である。一
般に、1用量中に存在する(または1用量中のポリヌクレオチド分子によりイン
サイチュで生成される)ポリペプチドの量は、宿主1kg当たり約1pg〜約1
00mg、代表的には約10pg〜約1mg、および好ましくは、約100pg
〜約1μgの範囲である。適切な用量サイズは、患者のサイズにより変化するが
、代表的には、約0.01mL〜約5mLの範囲である。
【0055】 当業者に公知の任意の適切なキャリアが、本発明の薬学的組成物において使用
され得るが、キャリアの型は、投与の様式に依存して変化する。非経口投与(例
えば、皮下注射)のために、キャリアは、好ましくは、水、生理食塩水、アルコ
ール、脂質、ろうおよび/または緩衝液を含む。経口投与のために、上記のキャ
リアのいずれかまたは固体キャリア(例えば、マンニトール、ラクトース、デン
プン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルクム、セルロー
ス、グルコース、ショ糖、および/または炭酸マグネシウム)が使用され得る。
生分解性ミクロスフェア(例えば、ポリ乳酸グリコリド)もまた、本発明の薬学
的組成物のためのキャリアとして使用され得る。適切な生分解性ミクロスフェア
は、例えば、米国特許第4,897,268号および同第5,075,109号
に開示される。
【0056】 任意の種々の免疫応答エンハンサーが、本発明のワクチンにおいて使用され得
る。例えば、アジュバントが含まれ得る。ほとんどのアジュバントは、抗原を迅
速な異化作用から保護するように設計された物質(例えば、水酸化アルミニウム
または鉱油)、および免疫応答の非特異的刺激物(例えば、リピドA、Bord
ella pertussisまたはMycobacterium tuber
culosis)を含む。このようなアジュバントは、例えば、フロイント不完
全アジュバントおよびフロイント完全アジュバント(Difco Labora
tories、Detroit、MI)ならびにMerck Adjuvant
65(Merck and Company、Inc.、Rahway、NJ)
として市販されている。本明細書中に開示されるポリペプチドおよびポリヌクレ
オチドはまた、癌の処置のための養子免疫療法に使用され得る。養子免疫療法は
、能動免疫療法または受動免疫療法のいずれかに大きく分類され得る。能動免疫
療法において、処置は、免疫応答改変剤(immune response−m
odifying agent)(例えば、腫瘍ワクチン、細菌性アジュバント
、および/またはサイトカイン)の投与による、腫瘍に対して反応する内因性宿
主免疫系のインビボでの刺激に依存する。
【0057】 受動免疫応答において、処置は、確立された腫瘍免疫反応性を有する生物学的
試薬(例えば、エフェクター細胞または抗体)の送達を含む。この試薬は、抗腫
瘍効果を直接または間接的に媒介し得、そして、必ずしもインタクトな宿主免疫
系に依存しない。エフェクター細胞の例としては、Tリンパ球(例えば、CD8
+細胞傷害性Tリンパ球、CD4+Tヘルパー、γ/δTリンパ球、腫瘍浸潤リ
ンパ球)、キラー細胞(例えば、ナチュラルキラー細胞、リンホカイン活性化キ
ラー細胞)、B細胞、または開示される抗原を発現する抗原提示細胞(例えば、
樹状細胞およびマクロファージ)が挙げられる。本明細書中に開示されるポリペ
プチドはまた、受動免疫治療のために、抗体または抗イディオタイプ抗体(米国
特許第4,918,164号のような)を生成するために使用され得る。
【0058】 養子免疫治療のために十分な数のT細胞を獲得する有力な方法は、インビトロ
で免疫T細胞を増殖させることである。単一の抗原特異的T細胞を、インビボで
抗原認識を保持しながらその数を何十億にまで増殖させる培養条件は、当該分野
で周知である。これらのインビトロ培養条件は、代表的に、しばしばサイトカイ
ン(例えば、IL−2)の存在下で、抗原による断続刺激および分裂しないフィ
ーダー細胞を利用する。上記のように、本明細書中に記載の免疫反応性ポリペプ
チドは、免疫治療のために十分な数の細胞を生成する目的で、抗原特異的T細胞
培養物を迅速に増殖させるために使用され得る。特に、抗原提示細胞(例えば、
樹状細胞、マクロファージ、単球、線維芽細胞またはB細胞)は、当該分野で周
知の種々の標準的技術を使用して、免疫反応性ポリペプチドでパルスされ得るか
、またはポリヌクレオチド配列が、抗原提示細胞へ導入され得る。例えば、抗原
提示細胞は、ポリヌクレオチド配列でトランスフェクトされ得るか、または形質
導入され得る。ここで、上記配列は、発現を増加するのに適切なプロモーター領
域を含み、そして組換えウィルスまたは他の発現系の一部として発現され得る。
水痘ウィルス、ワクシニアウィルス、およびアデノウィルスを含むいくつかのウ
ィルスのベクターを用いて、抗原提示細胞を形質導入し得る;また、抗原提示細
胞は、遺伝子銃技術、脂質媒介送達、エレクトロポレーション、浸透圧衝撃、お
よび微粒子送達機構を含む、種々の方法によって本明細書中に開示されるポリヌ
クレオチド配列でトランスフェクトされ得る。このことは、当業者によって決定
した場合に効率的かつ許容可能な発現レベルを生じる。治療に有効な培養T細胞
に関して、培養T細胞は、インビボで広く増殖および分布し得、そして長期間生
存し得なければならない。培養T細胞が、IL−2を補充された抗原での反復刺
激により、インビボで増殖し、そして実質的な数で長期間生存するように誘導さ
れ得ることが、研究により示されている(例えば、Cheever,M.ら、「
Therapy With Cultured T Cells:Princi
ples Revisited」、Immunological Review
s、157:177、1997を参照のこと)。
【0059】 本明細書に開示されるポリペプチドはまた、腫瘍反応性T細胞を生成および/
または単離するために使用され得、このT細胞は、次いで、患者に投与され得る
。1つの技術において、抗原特異的T細胞株は、開示されたポリペプチドの免疫
原性部分に対応する短いペプチドでインビボ免疫により生成され得る。生じた抗
原特異的CD8+ CTLクローンは、患者から単離され、標準的組織培養技術
を使用して増殖され、そして患者に戻され得る。
【0060】 あるいは、ポリペプチドの免疫原性部分に対応するペプチドは、選択的なイン
ビトロ刺激および自己由来のT細胞の増殖により腫瘍反応性T細胞のサブセット
を生成し、抗原特異的T細胞を提供するために使用され得、続いて、この抗原特
異的T細胞は、例えば、Changら(Crit.Rev.Oncol.Hem
atol.、22(3)、213、1996)により記載されるように、患者に
移入され得る。T細胞のような免疫系の細胞は、CellPro Incorp
oratedの(Bothell,WA)CEPRATETMシステムのような市
販の細胞分離システムを用いて患者の末梢血から単離され得る(米国特許第5,
240,856号;米国特許第5,215,926号;WO89/06280;
WO91/16116およびWO92/07243を参照のこと)。分離された
細胞は、送達ビヒクル(例えば、マイクロスフェア)中に含まれる1つ以上の免
疫反応性ポリペプチドで刺激されて、抗原特異的T細胞を提供する。次いで、腫
瘍抗原特異的T細胞の集団は、標準技術を使用して増殖され、そしてこの細胞は
、患者に投与し戻される。
【0061】 他の実施態様において、本明細書中に開示されるポリペプチドに特異的なT細
胞および/または抗体レセプターが、クローン化され、増殖され、そして養子免
疫治療に用いるための他のベクターまたはエフェクター細胞に移入され得る。詳
細には、T細胞は、適切な遺伝子でトランスフェクトされ、腫瘍特異的モノクロ
ーナル抗体由来の可変ドメインを細胞外認識エレメントとして発現し、そしてT
細胞レセプターシグナル伝達鎖に連結され、T細胞活性化、特異的溶解、および
サイトカインの放出を生じ得る。このことは、T細胞がMHC独立様式において
その特異性を再指向することを可能にさせる。例えば、Eshhar,Z.,C
ancer Immunol Immunother,45(3−4):131
−6,1997およびHwu,P.,ら、Cancer Res,55(15)
:3369−73,1995を参照のこと。別の実施態様は、Cole,DJ,
ら、Cancer Res、55(4):748−52,1995の場合のよう
に、代替T細胞(alternate T cell)への腫瘍抗原特異的αT
細胞レセプター鎖および腫瘍抗原特異的βT細胞レセプター鎖のトランスフェク
ションを含み得る。
【0062】 さらなる実施態様において、同系すなわち自己由来の樹状細胞は、本明細中に
開示されたポリペプチドの少なくとも免疫原性部分に対応するペプチドでパルス
され得る。生じた抗原特異的樹状細胞は、患者に移入され得るか、またはT細胞
を刺激して、次に患者に投与され得る抗原特異的T細胞を提供するために使用さ
れ得るかのいずれかである。抗原特異的T細胞を生成するためのペプチドでパル
スされた樹状細胞の使用、およびマウスのモデルにおいて、腫瘍を根絶するため
のこのような抗原特異的T細胞の続く使用が、Cheeverら、Immuno
logical Reviews、157:177、1997により示されてい
る。
【0063】 さらに、開示されるポリヌクレオチドを発現するベクターが、患者から得られ
た幹細胞に導入され得、そして同じ患者へ戻す自己移植のためにインビトロでク
ローン的に増殖される。
【0064】 さらに、開示されるポリヌクレオチドを発現するベクターが、患者から得ら
れた幹細胞に導入され得、そして同じ患者へ戻す自己移植のためにインビトロで
クローン的に増殖される。本発明のポリペプチドおよび融合タンパク質はまた、
(または代わりに)転移性のヒトの肺腫瘍を検出し得る結合薬剤(例えば、抗体
、またはそのフラグメント)を生成するために使用され得る。本発明の結合薬剤
は、一般的に、当業者に公知の方法(本明細書中に記載の代表的な手順を含む)
を使用して調製され得る。結合薬剤は、本明細書中に記載の代表的アッセイを使
用して、肺癌を有する患者と肺癌を有さない患者とを区別し得る。換言すると、
肺腫瘍タンパク質またはその適切な部分に対して惹起された抗体または他の結合
薬剤は、この疾患に罹患した患者の少なくとも約20%において、原発性肺癌ま
たは転移性肺癌の存在を示すシグナルを生じ、そして原発性肺癌または転移性肺
癌を有さない個体の少なくとも約90%において、この疾患が存在しないことを
示すネガティブシグナルを生じる。このような肺腫瘍タンパク質の適切な部分は
、全長タンパク質を使用して肺癌が示される患者の実質的に全て(すなわち、少
なくとも約80%、および好ましくは、少なくとも約90%)において、原発性
肺癌または転移性肺癌の存在を示す結合薬剤であって、そして全長タンパク質を
用いて試験された場合にネガティブであるサンプルの実質的に全てにおいて、肺
癌が存在しないことを示す結合薬剤を生じ得る部分である。以下に記載の代表的
なアッセイ(例えば、2抗体(two−antibody)サンドイッチアッセ
イ)は、一般に、転移性ヒト肺腫瘍を検出する結合薬剤の能力を評価するために
使用され得る。
【0065】 本明細書中に記載されたように調製されたポリペプチドが、原発性ヒト肺腫瘍
または転移性ヒト肺腫瘍を検出し得る抗体を生成する能力は、一般に、このポリ
ペプチドに対する1つ以上の抗体を惹起し(例えば、本明細書中に記載の代表的
方法を使用して)、そしてこのような抗体が、患者においてこのような腫瘍を検
出する能力を決定することにより、評価され得る。この決定は、生成された抗体
に結合するポリペプチドの存在について、原発性肺癌または転移性肺癌を有する
患者またはこれらを有さない患者由来の生物学的サンプルをアッセイすることに
よりなされ得る。このような試験アッセイは、例えば、以下に記載の代表的な手
順を使用して実行され得る。このような手順により、原発性肺腫瘍または転移性
肺腫瘍の少なくとも20%を検出し得る抗体を生成するポリペプチドは、原発性
肺腫瘍または転移性ヒト肺腫瘍を検出するためのアッセイにおいて有用であると
考えられる。ポリペプチド特異的抗体は、単独で、または感度を改良するために
組合せて使用され得る。
【0066】 原発性ヒト肺腫瘍または転移性ヒト肺腫瘍を検出し得るポリペプチドは、肺癌
を診断するためのマーカー、または患者における疾患の進行をモニターするため
のマーカーとして使用され得る。1つの実施態様において、患者における肺癌は
、この患者から得られた生物学的サンプルを、予め決定したカットオフ値(cu
t−off value)と比較して、上記の1つ以上のポリペプチドのレベル
について評価することにより診断され得る。本明細書中で使用される場合、適切
な「生物学的サンプル」には、血液、血清、尿、および/または肺分泌物を含む
【0067】 上記の1つ以上のポリペプチドのレベルは、このポリペプチドに特異的な任意
の結合薬剤を使用して評価され得る。「結合薬剤」とは、本発明の文脈において
、上記のようなポリペプチドに結合する任意の薬剤(例えば、化合物または細胞
)である。本明細書中で使用される場合、「結合」とは、「複合体」が形成され
るような2つの別々の分子(その各々は、遊離(すなわち溶液中)であり得るか
、あるいは細胞または固体支持体の表面上に存在し得る)間の非共有結合的会合
をいう。このような複合体は、遊離していてもよいし、または支持体材料上に固
定(共有結合または非共有結合のいずれか)されていてもよい。結合する能力は
、一般に、この複合体の形成についての結合定数を決定することにより評価され
得る。結合定数は、その複合体の濃度が成分の濃度の積で除算される場合に得ら
れる値である。一般に、2つの化合物は、複合体形成についての結合定数が約1
3L/molを超える場合に、本発明の文脈において、「結合する」と言われ
る。結合定数は、当業者に周知の方法を使用して決定され得る。
【0068】 上記の要件を満足させる任意の物質が、結合薬剤であり得る。例えば、結合薬
剤は、ペプチド成分を有するリボソームまたは有さないリボソーム、RNA分子
、あるいはペプチドであり得る。好ましい実施態様において、結合パートナーは
、抗体、またはそのフラグメントである。このような抗体は、ポリクローナルま
たはモノクローナルであり得る。さらに、この抗体は、単鎖抗体、キメラ抗体、
CDR移植抗体、またはヒト化抗体であり得る。抗体は、本明細書中に記載の方
法、および当業者に周知の他の方法によって調製され得る。
【0069】 サンプルにおいてポリペプチドマーカーを検出するために結合パートナーを使
用する、当業者に公知の種々のアッセイ形式が存在する。例えば、Harlow
およびLane、Antibodies:A Laboratory Manu
al、Cold Spring Harbor Laboratory、198
8を参照のこと。好ましい実施態様において、アッセイは、残りのサンプル由来
のポリペプチドに結合してそれを除去するために、固体支持体に固定化された結
合パートナーの使用を含む。次いで、結合ポリペプチドは、レポーター基を含む
第2の結合パートナーを使用して検出され得る。適切な第2の結合パートナーは
、結合パートナー/ポリペプチド複合体に結合する抗体を含む。あるいは、競合
アッセイが、利用され得、このアッセイにおいて、ポリペプチドは、レポーター
基で標識され、そしてサンプルとの結合パートナーのインキュベーション後に、
固定化された結合パートナーに結合することを可能にする。サンプルの成分が、
結合パートナーへの標識されたポリペプチドの結合を阻害する程度は、固定化さ
れた結合パートナーとのそのサンプルの反応性を示す。
【0070】 固体支持体は、抗原が付着され得る、当業者に公知な任意の材料であり得る。
例えば、固体支持体は、マイクロタイタープレート中の試験ウェルまたはニトロ
セルロース膜もしくは他の適切な膜であり得る。あるいは、この支持体は、ガラ
ス、ファイバーガラス、ラテックスまたはプラスチック材料(例えば、ポリスチ
レンもしくはポリビニルクロリド)のようなビーズあるいはディスクであり得る
。この支持体はまた、例えば、米国特許第5,359,681号に開示されるよ
うな、磁気粒子または光ファイバーセンサーであり得る。結合薬剤は、当業者に
公知の種々の技術を使用して固体支持体上に固定化され得、これは、特許および
科学文献において詳細に記載されている。本発明の文脈において、用語「固定化
」は、吸着のような非共有結合的会合および共有結合的付着(これは、抗原と支
持体上の官能基との間の直接的結合であり得るか、または架橋剤による結合であ
り得る)の両方をいう。マイクロタイタープレートにおけるウェルまたは膜に対
する吸着による固定化が、好ましい。このような場合において、吸着は、適切な
緩衝液中で、適切な長さの時間の間、結合薬剤と固体支持体とを接触することに
よって達成され得る。接触時間は、温度とともに変化するが、代表的には約1時
間と約1日との間である。一般に、プラスチックマイクロタイタープレート(例
えば、ポリスチレンまたはポリビニルクロリド)のウェルと約10ng〜約10
μgの範囲、および好ましくは約100ng〜約1μgの範囲の量の結合薬剤と
を接触させることは、結合薬剤の適切な量を固定化するために十分である。
【0071】 固体支持体に対する結合薬剤の共有結合的付着は、一般的に、この支持体およ
び結合薬剤上の官能基(例えば、ヒドロキシル基またはアミノ基)の両方と反応
する二官能性試薬を、この支持体とまず反応させることによって達成され得る。
例えば、この結合薬剤を、ベンゾキノンを使用するか、または結合パートナーの
アミンおよび活性な水素と支持体のアルデヒド基との縮合によって、適切なポリ
マーコーティングを有する支持体に対して共有結合的に付着し得る(例えば、P
ierce Immunotechnology Catalog and H
andbook、1991、A12〜A13を参照のこと)。
【0072】 特定の実施態様において、アッセイは、2抗体サンドイッチ(two−ant
idoby sandwich)アッセイである。このアッセイを、まず、固体
支持体(一般にマイクロタイタープレートのウェル)上で固定化された抗体を、
サンプルと接触させ、その結果、サンプル内のポリペプチドを固定化された抗体
に結合させることによって実施し得る。次いで、結合していないサンプルを、固
定化されたポリペプチド−抗体複合体から除去し、そしてこのポリペプチド上で
異なる部位に結合する能力を有する第2の抗体(レポーター基を含む)を添加す
る。次いで、固体支持体に結合したままである第2の抗体の量を、特定のレポー
ター基について適切な方法を使用して決定する。
【0073】 より詳細には、一旦この抗体が上記のようにこの支持体上に固定化されると、
この支持体上の残存するタンパク質結合部位は、代表的にはブロックされる。ウ
シ血清アルブミンまたはTween20TM(Sigma Chemical C
o.、St.Louis,MO)のような任意の適切なブロック剤が、当業者に
公知である。次いで、この固定化抗体をサンプルとともにインキュベートし、そ
してポリペプチドを抗体に結合させる。このサンプルを、インキュベーションの
前に適切な希釈液(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS))で希釈し得る
。一般に、適切な接触時間(すなわち、インキュベーション時間)は、肺癌を有
する個体から入手したサンプル中のポリペプチドの存在を検出するために十分な
時間の長さである。好ましくは、この接触時間は、結合したポリペプチドと結合
していないポリペプチドとの間の平衡で達成される結合の少なくとも約95%で
ある結合レベルを達成するために十分である。当業者は、平衡に達するために必
要な時間が、一定期間にわたって起こる結合レベルをアッセイすることによって
容易に決定され得ることを理解する。室温において、約30分のインキュベーシ
ョン時間が、一般的に十分である。
【0074】 次いで、結合していないサンプルを、この固体支持体を適切な緩衝液(例えば
、0.1%Tween20TM含有PBS)を用いて洗浄することによって除去し
得る。次いで、第2の抗体(これは、レポーター基を含む)をこの固体支持体に
添加し得る。好ましいレポーター基としては、酵素(例えば、西洋ワサビペルオ
キシダーゼ)、基質、補因子、インヒビター、色素、放射性核種、発光基、蛍光
基およびビオチンが挙げられる。レポーター基に対する抗体の結合を、当業者に
公知の標準的方法を使用して達成し得る。
【0075】 次いで、この第2の抗体を、固定化された抗体−ポリペプチド複合体とともに
、結合したポリペプチドを検出するために十分な時間の長さの間、インキュベー
トする。適切な時間の長さを、一般的に、一定期間にわたって起こる結合レベル
をアッセイすることによって決定し得る。次いで、結合していない第2の抗体を
除去し、そして結合した第2の抗体をレポーター基を使用して検出する。レポー
ター基を検出するために使用される方法は、レポーター基の性質に依存する。放
射性基に関しては、シンチレーション計数法またはオートラジオグラフ法が、一
般的に適切である。分光法は、色素、発光基および蛍光基を検出するために使用
され得る。ビオチンは、異なるレポーター基(一般に、放射性基または蛍光基ま
たは酵素)に結合されるアビジンを使用して検出され得る。酵素のレポーター基
は、一般的に、基質の添加(一般的に特定の時間の間)、次いで反応生成物の分
光的分析または他の分析によって検出され得る。
【0076】 肺癌が存在するかまたは存在しないかを決定するために、固体支持体に結合さ
れたままであるレポーター基から検出されるシグナルを、一般的に、予め決定さ
れたカットオフ値に対応するシグナルと比較する。1つの好ましい実施態様にお
いて、このカットオフ値は、この固定化された抗体が肺癌を有さない患者由来の
サンプルとともにインキュベートされる場合に得られる平均シグナルである。一
般に、予め決定されたカットオフ値より3標準偏差上であるシグナルを生成する
サンプルは、肺癌について陽性であると考えられる。代替の好ましい実施態様に
おいて、このカットオフ値は、Sackettら、Clinical Epid
emiology:A Basic Science for Clinica
l Medicine、Little Brown and Co.、1985
、106〜7頁の方法に従って、レシーバーオペレーター曲線(Receive
r Operator Curve)を使用して決定される。簡潔に言えば、こ
の実施態様において、このカットオフ値は、診断試験結果について各々可能性の
あるカットオフ値に対応する、真の陽性の割合(すなわち、感度)および偽陽性
の割合(100%特異性)の対のプロットから決定され得る。上方左手の隅(す
なわち、もっとも大きな領域を囲む値)にもっとも近いこのプロット上のカット
オフ値は、もっとも正確なカットオフ値であり、そしてこの方法によって決定さ
れたカットオフ値よりも高いシグナルを生じるサンプルは、陽性であると考えら
れ得る。あるいは、このカットオフ値は、偽陽性の割合を最小化するためにプロ
ットに沿って左に移動され得、または偽陰性の割合を最小化するために右に移動
され得る。一般に、この方法によって決定されたカットオフ値よりも高いシグナ
ルを生じるサンプルは、肺癌について陽性であると考えられる。
【0077】 関連する実施態様において、このアッセイは、フロースルー(flow−th
rough)またはストリップ(strip)試験形式において実行され、ここ
で、この抗体は、膜(例えば、ニトロセルロース)上に固定化される。フロース
ルー試験において、サンプル中のポリペプチドは、サンプルが膜を通るにつれて
、固定化された抗体に結合する。次いで、第2の標識化抗体は、この第2の抗体
を含む溶液が膜を通って流れるにつれて、この抗体−ポリペプチド複合体に結合
する。次いで、結合した第2の抗体の検出を、上記のように実行し得る。ストリ
ップ試験形式において、抗体が結合する膜の一端を、このサンプルを含む溶液中
に浸す。このサンプルは、膜に沿って第2の抗体を含む領域を通って、そして固
定化された抗体の領域まで移動する。固定化された抗体の領域における第2の抗
体の濃度は、肺癌の存在を示す。代表的に、その部位における第2の抗体の濃度
は、可視的に読み取られ得るパターン(例えば、線)を生じる。このようなパタ
ーンが存在しないことは、陰性の結果を示す。一般に、膜上に固定化された抗体
の量は、生物学的サンプルが、上記で議論される形式において、2抗体サンドイ
ッチアッセイにおける陽性シグナルを生じるために十分であるポリペプチドのレ
ベルを含む場合に、可視的に分離できるパターンを生じるように選択される。好
ましくは、膜上に固定化された抗体の量は、約25ng〜約1μgの範囲であり
、そしてより好ましくは約50ng〜約500ngの範囲である。このような試
験は、代表的に、非常に少量の生物学的サンプルを用いて実行され得る。
【0078】 当然のことながら、本発明の抗原または抗体を用いた使用に適切である、他の
多数のアッセイプロトコルが存在する。上記の説明は、例示のみであることを意
図する。
【0079】 別の実施態様において、上記のポリペプチドは、肺癌の進行についてのマーカ
ーとして使用され得る。この実施態様において、肺癌の診断について上記に記載
されるようなアッセイは、経時的に実行され得、そして反応性ポリペプチドのレ
ベルの変化を評価し得る。例えば、このアッセイは、6ケ月〜1年の期間の間2
4〜72時間毎に実行され得、そしてその後、必要に応じて実行され得る。一般
に、肺癌は、結合薬剤によって検出されるこのポリペプチドのレベルが経時的に
増大する患者において進行している。対照的に、肺癌は、反応性ポリペプチドの
レベルが一定のままであるか、または時間とともに減少するかのいずれかである
場合、進行していない。
【0080】 上記の方法における使用のための抗体は、当業者に公知の任意の種々の技術に
よって調製され得る。例えば、HarlowおよびLane、Antibodi
es:A Laboratory Manual、Cold Spring H
arbor Laboratory、1988を参照のこと。1つのこのような
技術において、抗原性ポリペプチドを含む免疫原を、任意の広範な種々の哺乳動
物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジおよびヤギ)に最初に注射する。
この工程において、本発明のポリペプチドは、改変することなく、免疫原として
供給され得る。あるいは、特に比較的短いポリペプチドに関して、このポリペプ
チドがキャリアタンパク質(例えば、ウシ血清アルブミンまたはキーホールリン
ペットヘモシアニン)に連結される場合に、優れた免疫応答が誘導され得る。好
ましくは、1つ以上のブースター免疫化を組み込む予め決定された計画に従って
、この免疫原が動物の宿主内に注射され、そしてこの動物を定期的に採血する。
次いで、このポリペプチドに特異的なポリクローナル抗体は、例えば、適切な固
体支持体に結合されたポリペプチドを使用してアフィニティークロマトグラフィ
ーによって、このような抗血清から精製され得る。
【0081】 目的の抗原性ポリペプチドに特異的なモノクローナル抗体は、例えば、Koh
lerおよびMilstein、Eur.J.Immunol.6:511〜5
19、1976の技法、ならびにそれに対する改良を使用して調製され得る。簡
潔に言えば、これらの方法は、所望の特異性(すなわち、目的のポリペプチドと
の反応性)を有する抗体を産生する能力を有する不死化細胞株の調製を包含する
。このような細胞株は、例えば、上記のような免疫化された動物から得られる脾
細胞から産生され得る。ついで、この脾細胞を、例えば、ミエローマ細胞融合パ
ートナーとの融合、好ましくは、免疫化された動物と同系であるパートナーとの
融合によって不死化する。種々の融合技術を使用し得る。例えば、この脾細胞お
よびミエローマ細胞は、数分間、非イオン性界面活性剤と合わせられ、次いで、
ハイブリッド細胞の増殖を支持するがミエローマ細胞の増殖を支持しない選択培
地上に低密度で播種され得る。好ましい選択技術は、HAT(ヒポキサンチン、
アミノプテリン、チミジン)選択を使用する。十分な時間、通常は約1〜2週間
の後、ハイブリッドのコロニーが観察される。単一のコロニーを選択し、そして
このポリペプチドに対する結合活性について試験する。高い反応性および特異性
を有するハイブリドーマが、好ましい。
【0082】 モノクローナル抗体は、増殖するハイブリドーマコロニーの上清から単離され
得る。さらに、種々の技術(例えば、適切な脊椎動物宿主(例えば、マウス)の
腹膜腔へのハイブリドーマ細胞株の注射)が、収量を増大するために使用され得
る。次いで、モノクローナル抗体は、腹水または血液から採取され得る。夾雑物
は、クロマトグラフィー、ゲル濾過、沈殿、および抽出のような従来技術によっ
て抗体から除去され得る。本発明のポリペプチドは、例えば、アフィニティーク
ロマトグラフィー工程における精製プロセスにおいて使用され得る。
【0083】 本発明のモノクローナル抗体はまた、肺腫瘍を減少させるか、または除去する
ための治療用試薬として使用され得る。この抗体は、これら自身(例えば、転移
を阻害するために)で、または1つ以上の治療剤と結合されて使用され得る。こ
れに関して、適切な薬剤としては、放射性核種、分化のインデューサー、薬物、
毒素、およびそれらの誘導体が挙げられる。好ましい放射性核種としては、90
123I、125I、131I、186Re、188Re、211At、および212Biが挙げら
れる。好ましい薬物としては、メトトレキサート、ならびにピリミジンアナログ
およびプリンアナログが挙げられる。好ましい分化のインデューサーとしては、
ホルボールエステルおよび酪酸が挙げられる。好ましい毒素としては、リシン、
アブリン、ジフテリア毒素、コレラ毒素、ゲロニン(gelonin)、Pse
udomonas外毒素、Shigella毒素、およびヨウシュヤマゴボウ抗
ウイルスタンパク質が挙げられる。
【0084】 治療剤は、適切なモノクローナル抗体に対して直接的かまたは間接的(例えば
、リンカー基を介して)のいずれかで結合(例えば、共有結合)され得る。薬剤
と抗体との間の直接的な反応は、各々が他方と反応する能力を有する置換基を有
する場合に可能である。例えば、一方における求核基(例えばアミノ基またはス
ルフヒドリル基)は、他方におけるカルボニル含有基(例えば、無水物もしくは
酸ハロゲン化物)または良好な脱離基(例えば、ハロゲン化物)を含むアルキル
基と反応する能力を有し得る。
【0085】 あるいは、リンカー基を介して治療剤と抗体とを結合させることが所望され得
る。リンカー基は、結合能を妨害することを避けるために、抗体を試薬から離す
ためのスペーサーとして機能し得る。リンカー基はまた、薬剤または抗体の置換
基の化学的反応性を増大するように作用し、結合効率を増大し得る。化学的反応
性における増大はまた、この増大がなければ可能ではない薬剤、または薬剤の官
能基の使用を容易にし得る。
【0086】 種々の二官能性または多官能性試薬(ホモ−およびヘテロ−官能性の両方(例
えば、Pierce Chemical Co.、Rockford、ILのカ
タログに記載される試薬))がリンカー基として使用され得ることは、当業者に
明らかである。結合は、例えば、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基
、または酸化された糖残基を介して行われ得る。このような方法論(例えば、R
odwellらに対する米国特許第4,671,958号)を記載する、多くの
参考文献が存在する。
【0087】 本発明の免疫結合体の抗体部分を有さない治療剤がより強力である場合、細胞
への内在化の間または細胞への内在化に際して切断され得るリンカー基を使用す
ることが所望され得る。多くの異なる切断され得るリンカー基が、記載されてい
る。これらのリンカー基からの薬剤の細胞内放出に関する機構としては、ジスル
フィド結合の還元(例えば、Spitlerに対する米国特許第4,489,7
10号)、感光性結合の照射(例えば、Senterらに対する米国特許第4,
625,014号)、誘導体化されたアミノ酸側鎖の加水分解(例えば、Koh
nらに対する米国特許第4,638,045号)、血清補体媒介加水分解(例え
ば、Rodwellらに対する米国特許第4,671,958号)、および酸触
媒化加水分解(例えば、Blattlerらによる米国特許4,569,789
)による切断が挙げられる。
【0088】 抗体に1より多い薬剤を結合することが、所望され得る。1つの実施態様にお
いて、薬剤の複数分子が、1つの抗体分子に結合される。別の実施態様において
、1つより多い型の薬剤が、1つの抗体に結合され得る。特定の実施態様に関わ
らず、1つより多い薬剤を有する免疫結合体は、種々の方法において調製され得
る。例えば、1つより多い薬剤は、抗体分子、またはリンカー(これは、使用さ
れ得る付着について複数の部位を提供する)に直接結合され得る。あるいは、キ
ャリアが使用され得る。
【0089】 キャリアは、直接的かまたはリンカー基を介してのいずれかの共有結合を含む
、種々の方法において薬剤を保有し得る。適切なキャリアとしては、アルブミン
のようなタンパク質(例えば、Katoらに対する米国特許第4,507,23
4号)、ペプチドおよびアミノデキストランのようなポリサッカリド(例えば、
Shihらに対する米国特許第4,699,784号)が挙げられる。キャリア
はまた、非共有結合によってか、またはリポソーム小胞内へのような封入によっ
て薬剤を保有し得る(例えば、米国特許第4,429,008号および同第4,
873,088号)。放射性核種薬剤に特異的なキャリアとしては、放射性ハロ
ゲン化低分子およびキレート化合物が挙げられる。例えば、米国特許4,735
,792号は、代表的な放射性ハロゲン化低分子およびそれらの合成を開示する
。放射性核種のキレートは、金属、または金属酸化物、放射性核種を結合するた
めのドナー原子として窒素原子および硫黄原子を含む化合物を含む、キレート化
合物から形成され得る。例えば、Davisonらに対する米国特許第4,67
3,562号は、代表的なキレート化合物及びそれらの合成を開示する。
【0090】 抗体および免疫結合体に対する種々の投与経路が、使用され得る。代表的には
、投与は、静脈内、筋肉内、皮下または切除された腫瘍の床においてである。抗
体/免疫結合体の正確な用量が、使用される抗体、腫瘍上の抗原の密度、および
抗体のクリアランス速度に依存して変化することは明白である。
【0091】 本発明の診断試薬はまた、1つ以上の上記のポリペプチド、または1つ以上の
その一部をコードするヌクレオチド配列を含み得る。例えば、少なくとも2つの
オリゴヌクレオチドプライマーが、生物学的サンプル由来の肺腫瘍特異的cDN
Aを増幅するために、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づくアッセイにおい
て使用され得る。ここで、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーが、
本発明の肺腫瘍タンパク質をコードするポリヌクレオチド分子に特異的である。
次いで、増幅されたcDNAの存在は、ゲル電気泳動のような当該分野で周知の
技術を使用して検出される。同様に、本発明の肺腫瘍タンパク質をコードするポ
リヌクレオチド分子に特異的なオリゴヌクレオチドプローブは、生物学的サンプ
ルにおいて、本発明のポリペプチドの存在を検出するためにハイブリダイゼーシ
ョンアッセイにおいて使用され得る。
【0092】 本明細書中で使用される場合、用語「ポリヌクレオチド分子に特異的なオリゴ
ヌクレオチドプライマー/プローブ」は、問題のポリヌクレオチド分子に対して
少なくとも約60%の、好ましくは少なくとも約75%の、およびより好ましく
は少なくとも約90%の同一性を有するオリゴヌクレオチド配列を意味する。本
発明の診断方法において有用に使用され得るオリゴヌクレオチドプライマーおよ
び/またはプローブは、好ましくは、少なくとも約10〜40ヌクレオチドを有
する。好ましい実施態様において、このオリゴヌクレオチドプライマーは、配列
番号1〜109、111、113、115〜151、153、154、157、
158、160、162〜164、167、168および171から選択される
配列を含むポリヌクレオチド分子の、少なくとも約10の連続するヌクレオチド
を含む。好ましくは、本発明の診断方法における使用のためのオリゴヌクレオチ
ドプローブは、配列番号1〜109、111、113、115〜151、153
、154、157、158、160、162〜164、167、168および1
71に提供される配列を含むポリヌクレオチド分子の、少なくとも約15の連続
するオリゴヌクレオチドを含む。PCRに基づくアッセイおよびハイブリダイゼ
ーションアッセイの両方に関する技術は、当該分野で周知である(例えば、Mu
llisら、前出;Ehrlich、前出を参照のこと)。従って、プライマー
またはプローブを使用して、血液、精液、肺組織および/または肺腫瘍組織を含
む、生物学的サンプル中の肺腫瘍特異的配列を検出し得る。
【0093】 以下の実施例は、例示のために提供されるものであって、限定のためではない
【0094】 (実施例) (実施例1) (肺腫瘍ポリペプチドをコードするcDNA配列の単離および特徴付け) この実施例は、肺腫瘍cDNAライブラリーからの肺腫瘍特異的ポリペプチド
をコードするcDNA分子の単離を例示する。 A.肺扁平上皮癌ライブラリーからのcDNA配列の単離 ヒト肺扁平上皮癌cDNA発現ライブラリーを、cDNA合成およびプラスミ
ドクローニングキット用のSuperscript Plasmid Syst
em(BRL Life Technologies、Gaitherburg
、MD)を用い、製造業者のプロトコールに従って、2人の患者組織のプール由
来のポリA+RNAから構築した。詳細には、肺癌腫組織を、ポリトロン(Ki
nematica、Switzerland)でホモゲナイズし、そして総RN
Aを、Trizol試薬(BRL Life Technologies)を用
い、製造業者が指示するように抽出した。次いで、ポリA+RNAを、Samb
rookら、Molecular Cloning:A Laboratory
Manual、Cold Spring Harbor Laborator
ies、Cold Spring Harbor、NY、1989に記載のよう
に、オリゴdTセルロースカラムを用いて精製した。第1鎖cDNAは、Not
I/Oligo−dT18プライマーを用いて合成した。2本鎖cDNAを合成
し、BstXI/EcoRIアダプター(Invitrogen、San Di
ego、CA)と連結し、そしてNotIで消化した。cDNAサイズ分画カラ
ム(BRL Life Technologies)を用いたサイズ分画の後、
cDNAを、pcDNA3.1(Invitrogen)のBstXI/Not
I部位中に連結し、そしてエレクトロポーレーションにより、ElectroM
ax E.coli DH10B細胞(BRL Life Technolog
ies)中に形質転換した。
【0095】 同じ手順を用い、正常ヒト肺cDNA発現ライブラリーを、4つの組織標本の
プールから調製した。このcDNAライブラリーは、独立コロニーの数、挿入片
を保持するクローンのパーセント、平均挿入片サイズにより、および配列分析に
より特徴付けた。肺扁平上皮癌ライブラリーは、2.7×106の独立コロニー
を含み、100%のクローンが挿入片を有し、そして平均挿入片サイズは、21
00塩基対であった。正常肺cDNAライブラリーは、1.4×106の独立コ
ロニーを含み、90%のクローンが挿入片を有し、そして平均挿入片サイズは1
800塩基対であった。両方のライブラリーについて、配列分析は、大部分のク
ローンが完全長のcDNA配列を有し、そしてmRNAから合成されたことを示
した。
【0096】 cDNAライブラリーサブトラクションを、Haraら(Blood、84:
189−199、1994)により記載されるように(いくらか改変して)、上
記の肺扁平上皮癌および正常肺cDNAライブラリーを用いて実施した。より詳
細には、肺扁平上皮癌−特異的サブトラクトcDNAライブラリーを以下のよう
に生成した。正常組織cDNAライブラリー(80μg)を、BamHIおよび
XhoIで消化し、次いでDNAポリメラーゼクレノウフラグメントを用いたフ
ィルイン反応を行った。フェノール−クロロホルム抽出およびエタノール沈殿の
後、DNAを、133μlのH2O中に溶解し、熱変性し、そして133μl(
133μg)のPhotoprobeビオチン(Vector Laborat
ories、Burlingame、CA)と混合した。製造業者が推奨するよ
うに、得られる混合物を、氷上で20分間270W太陽灯で照射した。さらなる
Photoprobeビオチン(67μl)を添加し、そしてビオチン化反応を
繰り返した。ブタノールで5回抽出した後、DNAをエタノール沈殿し、そして
23μlのH2O中に溶解し、ドライバーDNAを形成した。
【0097】 トレーサーDNAを形成するため、10μgの肺扁平上皮癌cDNAライブラ
リーを、NotIおよびSpeIで消化し、フェノールクロロホルム抽出し、そ
してChroma spin−400カラム(Clontech、Palo A
lto、CA)を通過させた。代表的には、5μgのcDNAがサイジンズカラ
ム後に回収された。エタノール沈殿の後、トレーサーDNAを、5μlH2O中
に溶解した。トレーサーDNAを、15μlのドライバーDNAおよび20μl
の2×ハイブリダイゼーション緩衝液(1.5M NaCl/10mM EDT
A/50mM HEPES pH7.5/0.2%ドデシル硫酸ナトリウム)と
混合し、鉱油で重層し、そして完全に熱変性した。直ちにサンプルを、68℃の
水浴中に移し、そして20時間インキュベートした(長ハイブリダイゼーション
[LH])。次いで反応混合物を、ストレプトアビジン処理に供し、次いでフェ
ノール/クロロホルム抽出した。このプロセスはさらに3回以上繰り返した。サ
ブトラクトDNAを沈殿し、12μlH2O中に溶解し、8μlドライバーDN
Aおよび20μlの2×ハイブリダイゼーション緩衝液と混合し、そして68℃
で2時間のハイブリダイゼーションに供した(短ハイブリダイゼーション[SH
])。ビオチン化2本鎖DNAの除去の後、サブトラクトcDNAを、クロラム
フェニコール耐性pBCSK-(Stratagene、La Jolla、C
A)のNotI/SpeI部位中に連結し、そしてエレクトロポーレーションに
よりElectroMax E.coli DH10B細胞中に形質転換し、肺
扁平上皮癌特異的サブトラクトcDNAライブラリーを生成した(以後本明細書
では「肺サブトラクションI」と称する)。
【0098】 第2の肺扁平上皮癌特異的サブトラクトcDNAライブラリー(「肺サブトラ
クションII」と称する)を、肺サブトラクションIからの8つの頻繁に回収さ
れた遺伝子を、ドライバーDNA中に含めたことを除いて、肺サブトラクション
ライブラリーIと同様の方法で生成し、そして24,000の独立クローンを回
収した。
【0099】 サブトラクトcDNAライブラリーを分析するために、プラスミドDNAを、
このサブトラクト肺扁平上皮癌特異的ライブラリーからランダムに選択した32
0の独立クローンから調製した。代表的なcDNAクローンを、Perkin
Elmer/Applied Biosystems Division Au
tomated Sequencer Model 373Aおよび/またはM
odel 377(Foster City、CA)を用いたDNA配列決定に
よりさらに特徴付けた。60の単離されたクローンのcDNA配列もを配列番号
1〜60に提供する。これらの配列を、EMBLおよびGenBankデータベ
ース(リリース96)を用いて遺伝子バンク中の既知配列と比較した。配列番号
2、3、19、38および46に提供される配列に対しては顕著な相同性は見出
されなかった。配列番号1、6〜8、10〜13、15、17、18、20〜2
7、29、30、32、34〜37、39〜45、47〜49、51、52、5
4、55および57〜59の配列は、先に同定された発現配列タグ(EST)に
対して特定の相同性を示すことが見出された。配列番号9、28、31および3
3の配列は、先に同定された非ヒト遺伝子配列に対して特定の相同性を示すこと
が見出され、そして配列番号4、5、14、50、53、56および60の配列
は、先にヒトで同定された遺伝子配列に対し特定の相同性を示すことが見出され
た。
【0100】 上記のサブトラクション手順を、上記の肺扁平上皮癌cDNAライブラリーを
トレーサーDNAとして、そして上記の正常肺組織cDNAライブラリーおよび
正常肝臓および心臓からのcDNAライブラリー(上記のように各組織の1つの
サンプルのプールから構築された)、ならびに肺サブトラクションIおよびII
中で頻繁に回収された20の他のcDNAクローンをドライバーDNAとして(
肺サブトラクションIII)用いて繰り返した。正常肝臓および心臓cDNAラ
イブラリーは、1.76×106の独立コロニーを含み、その100%のクロー
ンが挿入片を有し、そして平均挿入片サイズは1600塩基対であった。10の
さらなるクローンを単離した(配列番号61−70)。これらのcDNA配列の
上記の遺伝子バンク中の配列との比較は、配列番号62および67で提供された
配列に対し有意な相同性は示さなかった。配列番号61、63〜66、68およ
び69の配列は、先に単離されたESTに対し特定の相同性を示すことが見出さ
れ、そして配列番号70に提供される配列は、先に同定されたラット遺伝子に対
し特定の相同性を示すことが見出された。 B.肺腺癌ライブラリーからのcDNA配列の単離 ヒト肺腺癌cDNA発現ライブラリーを上記のように構築した。このライブラ
リーは、3.2×106の独立コロニーを含み、100%のクローンが挿入片を
有し、そして平均挿入片サイズは1500塩基対であった。ライブラリーサブト
ラクションを、上記の正常肺および正常肝臓および心臓cDNA発現ライブラリ
ーをドライバーDNAとして用いて上記のように実施した。2600の独立クロ
ーンを回収した。
【0101】 100の独立クローンからの初期cDNA配列分析は、多くのリボソームタン
パク質遺伝子を示した。このサブトラクション中で単離された15のクローンの
cDNA配列を配列番号71〜86に提供する。これらの配列の上記の遺伝子バ
ンク中の配列との比較は、配列番号84に提供される配列に対して有意な相同性
は示さなかった。配列番号71、73、74、77、78および80〜82は、
先に単離されたESTに対して特定の相同性を示すことが見出され、そして配列
番号72、75、76、79、83および85は、先に同定されたヒト遺伝子に
対して特定の相同性を示すことが見出された。
【0102】 (実施例2) 肺腫瘍ポリペプチドの組織特異性の決定 遺伝子特異的プライマーを用い、実施例1に記載された7つの代表的肺腫瘍ポ
リペプチドのmRNA発現レベルを、RT−PCRを用いて種々の正常および腫
瘍組織中で調べた。
【0103】 簡単に述べれば、総RNAを、上記のようにTrizol試薬を用い、種々の
正常および腫瘍組織から抽出した。第1鎖合成は、2μgの総RNAをSupe
rScriptII逆転写酵素(BRL Life Technologies
)を用い、42℃で1時間実施した。次いでcDNAを、PCRにより遺伝子特
異的プライマーを用いて増幅した。RT−PCRの半定量的性質を確実にするた
めに、βアクチンを、調べた組織の各々に対する内部コントロールとして用いた
。1μlのcDNAの1:30希釈を採用し、βアクチンテンプレートの直線範
囲増幅を可能にし、そして初期コロニー数における差異を反映するに十分高感度
であった。これらの条件を用い、βアクチンレベルを、各組織からの各逆転写反
応について測定した。DNA汚染は、DNase処理により、および逆転写酵素
を添加することなく調製された第1鎖cDNAを用いる場合、ネガティブPCR
結果を保証することにより最少とした。
【0104】 mRNA発現レベルを、5つの異なるタイプの腫瘍組織(3人の患者からの肺
扁平上皮癌、肺腺癌、2人の患者からの結腸腫瘍、乳癌および前立腺癌)、およ
び13の異なる正常組織(4人のドナーからの肺、前立腺、脳、腎臓、肝臓、卵
巣、骨格筋、皮膚、小腸、胃、心筋、網膜および精巣)中で調べた。10倍量の
cDNAを用い、抗原LST−S1−90(配列番号3)が、肺扁平上皮癌中お
よび乳腫瘍中で高レベルで発現され、そして調べたその他の組織では低〜検出不
能レベルで発現されることが見出された。
【0105】 抗原LST−S2−68(配列番号15)は、肺および乳腫瘍に特異的である
ように見えたが、正常腎臓においてもまた発現が検出された。抗原LST−S1
−169(配列番号6)およびLST−S1−133(配列番号5)は、肺組織
(正常および腫瘍の両方)で非常に豊富であるように見え、これら2つの遺伝子
の発現は、試験した大部分の正常組織中では減少していた。LST−S1−16
9およびLST−S1−133の両者もまた、乳および結腸腫瘍で発現された。
抗原LST−S1−6(配列番号7)およびLST−S2−I2−5F(配列番
号47)は、腫瘍または組織特異的発現は示さず、LST−S1−28の発現は
稀であり、そして2〜3の組織で検出可能に過ぎなかった。抗原LST−S3−
7(配列番号63)は、肺および乳腫瘍特異的発現を示し、そのメッセージは、
PCRを30サイクル実施した場合に正常精巣中で検出されるに過ぎなかった。
サイクル数を35まで増加した場合、いくつかの正常組織中でより低いレベルの
発現が検出された。抗原LST−S3−13(配列番号66)は、4つの肺腫瘍
のうち3つ、1つの乳腫瘍および両方の結腸腫瘍サンプルで発現されることが見
出された。正常組織におけるその発現は、腫瘍と比較してより低く、そして4つ
の正常肺組織のうちの1つ、および腎臓、卵巣および網膜からの正常組織で検出
されたに過ぎなかった。抗原LST−S3−4(配列番号62)およびLST−
S3−14(配列番号67)の発現は稀であり、そして任意の組織または腫瘍特
異性を示さなかった。ノザンブロット分析と一致して、抗原LAT−S1−A−
10A(配列番号78)に関するRT−PCR結果は、その発現が、肺および結
腸腫瘍を含む、肺、結腸、胃および小腸組織で高いことを示唆し、その一方その
発現は、他の組織では低いか検出不能であった。
【0106】 上記の肺サブトラクションI、IIおよびIII中で単離された合計2002
のcDNAフラグメントを、コロニーPCR増幅し、そして肺腫瘍、正常肺、お
よび種々のその他の正常組織および腫瘍組織中のそれらのmRNA発現レベルを
、ミクロアレイ技術(Synteni、Palo Alto、CA)を用いて測
定した。簡単に述べれば、PCR増幅産物を、各産物がアレイ中の特有の位置を
占めるように、アレイ形式でスライド上にブロットした。mRNAを、試験され
る組織サンプルから抽出し、逆転写し、そして蛍光標識されたcDNAプローブ
を生成した。ミクロアレイを、標識cDNAプローブでプローブし、スライドを
走査し、そして蛍光強度を測定した。この強度は、ハイブリダイゼーション強度
と相関する。17の非縮重cDNAクローンは、肺扁平上皮腫瘍で過剰発現を示
し、試験された正常組織(肺、皮膚、リンパ節、結腸、肝臓、膵臓、乳、心臓、
骨髄、大腸、腎臓、胃、脳、小腸、膀胱および唾液腺)における発現は、検出不
能であるか、または肺扁平上皮腫瘍に比較して10倍より少なかった。クローン
L513Sの決定された部分cDNA配列を配列番号87および88に提供し;
L514Sのそれを配列番号89および90に提供し;L516Sのそれを配列
番号91および92に;L517Sのそれを配列番号93に;L519Sのそれ
を配列番号94に;L520Sのそれを配列番号95および96に;L521S
のそれを配列番号97および98に;L522Sのそれを配列番号99に;L5
23Sのそれを配列番号100に;L524Sのそれを配列番号101に;L5
25Sのそれを配列番号102に;L526Sのそれを配列番号103に;L5
27Sのそれを配列番号104に;L528Sのそれを配列番号105に;L5
29Sのそれを配列番号106に;ならびに、L530Sのそれを配列番号10
7および108に提供する。さらに、L503SおよびL514S(改変体1お
よび2)の完全長cDNA配列を、それぞれ配列番号151、153および15
4に提供し、対応する推定アミノ酸配列は、配列番号152、155および15
6に提供される。多形性に起因して、クローンL531Sは2つの形態を有する
ようである。第1番目に決定されたL531Sの完全長cDNA配列を配列番号
109に提供し、対応する推定アミノ酸配列は配列番号110に提供される。第
2番目に決定されたL531Sの完全長cDNA配列は配列番号111に提供さ
れ、対応する推定アミノ酸配列は配列番号112に提供される。配列番号111
の配列は、それが27bpの挿入片を含むことを除いて、配列番号109のそれ
と同じである。同様に、L514Sもまた2つのオルタナティブスプライス形態
を有し;第1番目の改変体cDNAは配列番号153として列挙され、対応する
アミノ酸配列は配列番号155である。L514S完全長cDNAの第2番目の
改変体形態は、配列番号154として言及され、その対応するアミノ酸配列は配
列番号156である。
【0107】 L524S(配列番号101)についての全長クローニングは、それぞれ対応
する推定アミノ酸配列(配列番号165および166)を有する2つの改変体(
配列番号163および164)を生じた。両方の改変体は、副甲状腺ホルモン関
連ペプチドをコードすることが示された。
【0108】 上記の、L514SおよびL531S(それぞれ、配列番号87および88、
89および90、ならびに109)の配列とジーンバンク中の配列との比較は、
公知の配列に対する有意な相同性を示さなかった。L513S、L516S、L
517S、L519S、L520SおよびL530Sの配列(それぞれ、配列番
号87および88、91および92、93,94、95および96、107およ
び108)は、以前に同定されたESTに対して幾分の相同性を示すことが見出
された。L521S、L522S、L523S、L524S、L525S、L5
26S、L527S、L528SおよびL529S(それぞれ、配列番号97お
よび98、99、99、101、102、103、104、105および106
)は、公知の遺伝子を表すことが見出された。L520Sについて決定された全
長cDNA配列を配列番号113に提供し、対応する推定アミノ酸配列を配列番
号114に提供する。引き続いてのマイクロアレイ分析は、L520Sが、肺扁
平上皮腫瘍に加えて乳房腫瘍において過剰発現されることを示した。
【0109】 さらなる分析によって、L529S(配列番号106および115)、L52
5S(配列番号102および120)、およびL527S(配列番号104)が
、細胞骨格成分であり、そして潜在的に扁平上皮細胞特異的タンパク質であるこ
とが実証された。L529Sは、コネキシン26(ギャップ結合タンパク質)で
ある。L529Sは、肺扁平上皮腫瘍9688Tにおいて高度に発現され、そし
て2つの他のものにおいては中程度に過剰発現される。しかし、コネキシン26
のより低いレベルの発現もまた、正常な皮膚、結腸、肝臓、および胃において検
出可能である。いくつかの乳房腫瘍におけるコネキシン26の過剰発現が報告さ
れており、そしてL529Sの変異形態は、肺腫瘍における過剰発現を生じ得る
。L525Sは、プラコフィリン1(plakophilin1)(皮膚の斑保
有接着結合において見出されるデスモソームタンパク質)である。L525S
mRNAについての発現レベルは、試験された4つの肺扁平上皮腫瘍のうちの3
つおよび正常な皮膚において高度に上昇される。L527Sは、ケラチン6イソ
型、II型58kdケラチン、およびサイトケラチン13として同定され、そし
て扁平上皮腫瘍における過剰発現、ならびに正常な皮膚組織、乳房組織および結
腸組織における低い発現を示す。特に、ケラチンおよびケラチン関連遺伝子は、
CYFRA2.1を含む肺癌についての潜在的なマーカーとして広く実証されて
いる(Pastor,A.ら、Eur.Respir.J.、10:603〜6
09、1997)。L513S(配列番号87および88)は、試験されたいく
つかの腫瘍組織における中程度の過剰発現を示し、そして尋常性天疱瘡抗原とし
て最初に単離されたタンパク質をコードする。
【0110】 L520S(配列番号95および96)およびL521S(配列番号97およ
び98)は肺扁平上皮腫瘍において高度に発現され、そしてL520Sは正常な
唾液腺においてアップレギュレートされ、そしてL521Sは正常な皮膚におい
て過剰発現される。両方とも、小さなプロリンリッチタンパク質のファミリーに
属し、そして十分に分化された扁平上皮細胞についてのマーカーを表す。L52
1Sは、肺扁平上皮腫瘍についての特定のマーカーとして記載されている(Hu
,R.ら、Lung Cancer、20:25〜30、1998)。L515
S(配列番号162)は、IGF−β2をコードし、そしてL516Sはアルド
ースレダクターゼホモログであり、そして両方とも、肺扁平上皮腫瘍および正常
な結腸において中程度に発現される。特に、L516S(配列番号91および9
2)は、転移性腫瘍においてアップレギュレートされるが、原発性肺腺癌におい
てはアップレギュレートされず、転移におけるその潜在的な役割の指標および潜
在的な予後マーカーである。L522S(配列番号99)は、肺扁平上皮腫瘍に
おいて中程度に過剰発現され、正常な組織においては最小の発現である。L52
2Sは、クラスIVアルコールデヒドロゲナーゼADH7に属することが示され
、そしてその発現プロフィールは、それが扁平上皮細胞特異的抗原であることを
示唆する。L523S(配列番号100)は、肺扁平上皮腫瘍、ヒト膵臓癌細胞
株、および膵臓癌組織において中程度に過剰発現され、このことは、この遺伝子
が、膵臓細胞癌(と肺扁平上皮細胞癌との間に共有される抗原であり得ることを
示唆する。
【0111】 L524S(配列番号101)は、試験される扁平上皮腫瘍の大部分において
過剰発現され、そして白血病、前立腺癌および乳癌のような悪性腫瘍と関連する
体液性高カルシウム血症(humoral hypercalcaemia)を
引き起こすことが最も知られている副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP
)と相同である。PTHrPは、肺の扁平上皮癌と最も一般に関連し、そして肺
腺腫とまれに関連するともまた考えられている(Davidson,L.A.ら
、J.Pathol.、178:398〜401、1996)。L528S(配
列番号105)は、2つの肺扁平上皮腫瘍において高度に過剰発現され、2つの
他の扁平上皮腫瘍、1つの肺腺腫およびいくつかの正常な組織(皮膚、リンパ節
、心臓、胃および肺を含む)において中程度に発現される。L528Sは、メラ
ノサイト特異的遺伝子Pmel17(これは、低い転移能の黒色腫細胞株におい
て優先的に発現されることが報告されている)の前駆体に類似しているNMB遺
伝子をコードする。このことは、L528Sが、黒色腫および肺扁平上皮(aq
uamous)細胞癌の両方において共有される抗原であり得ることを示唆する
。L526S(配列番号103)は、試験されるすべての肺扁平上皮細胞腫瘍組
織において過剰発現され、そして変異が毛細血管拡張性運動失調(他の症状の中
でもとりわけ、癌への傾向を生じるヒトにおける遺伝子障害)を生じる遺伝子(
ATM)との相同性を共有することが示されている。ATMは、p53分子の直
接的な結合およびリン酸化を介してp53媒介細胞周期チェックポイントを活性
化するタンパク質をコードする。肺癌の約40%は、p53変異と関連し、そし
てATMの過剰発現が、p53機能の欠失の補償の結果であると推測されるが、
過剰発現が肺扁平上皮細胞癌の結果の原因であるか否かは知られていない。さら
に、L526S(ATM)の発現はまた、転移性のものにおいては検出されるが
、肺腺癌においては検出されず、このことは、転移における役割を示唆する。
【0112】 (実施例3 PCRに基づく差し引きによる肺腫瘍ポリペプチドの単離および
特徴付け) 肺、PBMC、脳、心臓、腎臓、肝臓、膵臓および皮膚を含む、8つの正常な
ヒト組織cDNAから差し引き(subtracted)した2つのヒト肺扁平
上皮腫瘍のプール由来のcDNAを含む、cDNAサブトラクションライブラリ
ー(Clontech,Palo Alto,CA)由来の857クローンを誘
導し、そして第1回のPCR増幅に供した。このライブラリーを、製造業者のプ
ロトコルに従って、第2回のPCR増幅に供した。得られたcDNAフラグメン
トを、ベクターP7−Advベクター(Clontech,Palo Alto
,CA)にサブクローニングし、そしてDH5α E.coli(Gibco、
BRL)に形質転換した。DNAを、個々のクローンから単離し、そしてPer
kin Elmer/Applied Biosystems Divisio
n Automated Sequencer Model 373Aを用いて
配列決定した。
【0113】 162の陽性クローンを配列決定した。上記のとおり、EMBLおよびGen
Bankデータベースを使用する、ジーンバンク中の配列とこれらのクローンの
DNA配列との比較は、これらのクローンのうちの13(本明細書中以後、コン
ティグ13、16、17、19、22、24、29、47、49、56〜59と
呼ぶ)に対して有意な相同性を示さなかった。これらのクローンについて決定さ
れたcDNA配列を、それぞれ配列番号125、127〜129、131〜13
3、142、144、148〜150および157で提供する。コンティグ1、
3〜5、7〜10、12、11、15、20、31、33、38、39、41、
43、44、45、48、50、53、54(それぞれ、配列番号115〜12
4、126、130、134〜141、143、145〜147)は、以前に同
定されたDNA配列に対して幾分の程度の相同性を示すことが見出された。コン
ティグ57(配列番号149)は、米国特許出願番号第09/123,912号
(1998年7月27日出願)に開示されるクローンL519S(配列番号94
)を表すことが見出された。発明者の知る限り、これらの配列のいずれも、肺腫
瘍において示差的に過剰発現されることは以前に示されていない。
【0114】 肺腫瘍組織、正常な肺組織(n=4)、休止PBMC、唾液腺、心臓、胃、リ
ンパ節、骨格筋、軟口蓋、小腸、大腸、気管支、膀胱、扁桃、腎臓、食道、骨髄
、結腸、副腎、膵臓、および皮膚(すべて、ヒト由来)における代表的なクロー
ンについてのmRNA発現レベルを、上記のようにRT−PCRによって決定し
た。上記のようなマイクロアレイ技術を使用する発現レベルを、他に示さない限
り各組織型の1つのサンプルにおいて試験した。
【0115】 コンティグ3(配列番号116)は、試験されたすべての頭部および頸部の扁
平上皮細胞腫瘍において高度に発現され(17/17)、そして肺扁平上皮腫瘍
の大部分(8/12)において発現される(7/12において高度な発現、2/
12において中程度、2/12において低い程度)ことが見出されたが、2/4
の正常な肺組織については陰性発現、そして残りの2つのサンプルにおいては低
い発現を示す。コンティグ3は、皮膚および軟口蓋において中程度の発現、そし
て休止PBMC、大腸、唾液腺、扁桃、膵臓、食道、および結腸において減少し
た発現レベルを示した。コンティグ11(配列番号124)は、試験されたすべ
ての頭部および頸部扁平上皮細胞腫瘍(17/17)において発現され;14/
17において高度に発現され、そして3/17において中程度に発現されること
が見出された。さらに、肺扁平上皮腫瘍における発現は、3/12において高度
の発現、および4/12において中程度の発現を示した。コンティグ11は、3
/4の正常な肺サンプルについて陰性であったが、残りのサンプルは、低い程度
の発現のみを有した。コンティグ11は、唾液腺、軟口蓋、膀胱、扁桃、皮膚、
食道、および大腸に対して、低い程度〜中程度の反応性を示した。コンティグ1
3(配列番号125)は、試験されたすべての頭部および頸部扁平上皮細胞腫瘍
(17/17)において発現され;12/17において高度に発現され、そして
5/17において中程度に発現されることが見出された。コンティグ13は、7
/12の肺扁平上皮腫瘍において発現され、4/12において高度な発現、3つ
のサンプルにおいて中程度の発現であった。正常な肺サンプルの分析は、2/4
について陰性発現を示し、残りの2つのサンプルにおいて低い程度〜中程度の発
現を示した。コンティグ13は、休止PBMC、唾液腺、膀胱、膵臓、扁桃、皮
膚、食道、および大腸に対して低い程度〜中程度の反応性、ならびに軟口蓋にお
いて高度の発現を示した。コンティグ16(配列番号127)は、いくつかの頭
部および頸部扁平上皮細胞腫瘍(6/17)および1つの肺扁平上皮腫瘍におい
て中程度に発現されることが見出されたが;試験されたいかなる正常な肺サンプ
ルにおいても発現を示さなかった。コンティグ16は、休止PBMC、大腸、皮
膚、唾液腺、および軟口蓋に対して低い程度の反応性を示した。コンティグ17
(配列番号128)は、試験されたすべての頭部および頸部扁平上皮細胞腫瘍(
17/17)において発現され;5/17において高度に発現され、そして12
/17において中程度に発現されることが示された。肺扁平上皮腫瘍における発
現レベルは、高度の発現を有する1つの腫瘍サンプル、および中程度のレベルを
有する3/12を示した。コンティグ17は、2/4の正常な肺サンプルについ
て陰性であり、残りのサンプルは、低い程度の発現のみを有した。さらに、低い
レベルの発現は、食道および軟口蓋において見出された。コンティグ19(配列
番号129)は、試験されたほとんどの頭部および頸部扁平上皮細胞腫瘍におい
て発現され(11/17);2つのサンプルは高いレベルを有し、6/17は中
程度の発現を示し、そして低い発現が3/17において見られることが見出され
た。肺扁平上皮腫瘍における試験は、3/12サンプルにおいて中程度の発現の
みを示した。正常な肺サンプルの2/4における発現レベルは、陰性であり、他
の2つのサンプルは低い発現のみを有した。コンティグ19は、食道、休止PB
MC、唾液腺、膀胱、軟口蓋、および膵臓において低い発現レベルを示した。
【0116】 コンティグ22(配列番号131)は、試験された頭部および頸部の扁平上皮
細胞腫瘍のほとんど(13/17)において発現され、これらのサンプルのうち
の4つにおいては高度の発現、6/17においては中程度の発現、そして3/1
7においては低い発現であることが示された。肺扁平上皮腫瘍における発現レベ
ルは、試験された組織の3/12について中程度〜高度であり、2つの正常な肺
サンプルにおいて陰性発現であり、そして2つの他のサンプルにおいて低い発現
であることが見出された(n=4)。コンティグ22は、皮膚、唾液腺、および
軟口蓋において低い発現を示した。同様に、コンティグ24(配列番号132)
は、試験された頭部および頸部の扁平上皮細胞腫瘍のほとんど(13/17)に
おいて発現され、これらのサンプルのうちの3つにおいては高度の発現、6/1
7においては中程度の発現、そして4/17においては低い発現であることが見
出された。肺扁平上皮腫瘍における発現レベルは、試験された組織の3/12に
ついて中程度〜高度であり、3つの正常な肺サンプルにおいて陰性発現であり、
そして1つのサンプルにおいて低い発現であることが見出された(n=4)。コ
ンティグ24は、皮膚、唾液腺、および軟口蓋において低い発現を示した。コン
ティグ29(配列番号133)は、試験された頭部および頸部扁平上皮細胞腫瘍
のほぼすべて(16/17)において発現され;4/17において高度に発現さ
れ、11/17において中程度に発現され、1つのサンプルにおいて低い発現で
あった。また、コンティグ29は、3/12の肺扁平上皮腫瘍において中程度に
発現されたが、2/4の正常な肺サンプルについては陰性であった。コンティグ
29は、大腸、皮膚、唾液腺、膵臓、扁桃、心臓および軟口蓋において低い〜中
程度の発現を示した。コンティグ47(配列番号142)は、試験された頭部お
よび頸部扁平上皮細胞腫瘍のほとんど(12/17)において発現され;10/
17において中程度の発現、2つのサンプルにおいて低い発現であった。肺扁平
上皮腫瘍において、コンティグ47は、1つのサンプルにおいて高度に発現され
、そして2つの他のサンプルにおいて中程度に発現された(n=13)。コンテ
ィグ47は、2/4の正常な肺サンプルについて陰性であったが、残りの2つの
サンプルは中程度の発現を有した。また、コンティグ47は、大腸および膵臓に
おいて中程度の発現、そして皮膚、唾液腺、軟口蓋、胃、膀胱、休止PBMCお
よび扁桃において低い発現を示した。
【0117】 コンティグ48(配列番号143)は、試験された頭部および頸部扁平上皮細
胞腫瘍のすべて(17/17)において発現され;8/17において高度に発現
され、そして7/17において中程度に発現され、2つのサンプルにおいて低い
発現であった。肺扁平上皮腫瘍における発現レベルは、3つのサンプルにおいて
高度〜中程度であった(n=13)。コンティグ48は、4つの正常な肺サンプ
ルの中の1つについて陰性であったが、残りのサンプルは低い程度または中程度
の発現を示した。コンティグ48は、軟口蓋、大腸、膵臓および膀胱において中
程度の発現、そして食道、唾液腺、休止PBMCおよび心臓において低い発現を
示した。コンティグ49(配列番号144)は、試験された頭部および頸部扁平
上皮腫瘍の6/17において、低い〜中程度のレベルで発現された。肺扁平上皮
腫瘍における発現レベルは、3つのサンプルにおいて中程度であった(n=13
)。コンティグ49は、2/4の正常な肺サンプルについて陰性であったが、残
りのサンプルは低い発現を示した。皮膚、唾液腺、大腸、膵臓、膀胱および休止
PBMCにおいて中程度の発現レベル、ならびに軟口蓋、リンパ節および扁桃に
おいて低い発現が示された。コンティグ56(配列番号148)は、試験された
頭部および頸部扁平上皮腫瘍の3/17、および肺扁平上皮腫瘍において低い〜
中程度のレベルで発現され、13のサンプルのうちの3つにおいて低い〜中程度
のレベルを示した。特に、1つの腺癌肺腫瘍サンプルにおいて、低い発現レベル
が検出された(n=2)。コンティグ56は、3/4の正常な肺サンプルについ
て陰性であり、そして大腸においてのみ中程度の発現レベル、そして唾液腺、軟
口蓋、膵臓、膀胱および休止PBMCにおいて低い発現を示した。コンティグ5
8(L769Pとしてもまた知られる)(配列番号150)は、試験された頭部
および頸部扁平上皮細胞腫瘍の11/17において中程度のレベルで発現され、
1つのさらなるサンプルにおいて低い発現であった。肺扁平上皮腫瘍における発
現は、13のサンプルのうちの3つにおいて低い〜中程度のレベルを示した。コ
ンティグ58は、3/4の正常な肺サンプルについて陰性であり、1つのサンプ
ルは低い発現を有した。皮膚、大腸および休止PBMCにおける中程度の発現レ
ベル、ならびに唾液腺、軟口蓋、膵臓および膀胱における低い発現が実証された
。コンティグ59(配列番号157)は、いくつかの頭部、頸部、および肺扁平
上皮腫瘍において発現された。コンティグ59の低いレベルの発現もまた、唾液
腺および大腸において検出された。
【0118】 さらに、コンティグ22(L763Pと呼ばれる)についての全長cDNA配
列を、配列番号158に提供し、対応する推定アミノ酸配列を配列番号159に
提供する。また、コンティグ17、19および24(L762Pという)を組み
込む全長cDNA配列を配列番号160に提供し、対応する推定アミノ酸配列を
配列番号161に提供する.L762Pのさらなる分析によって、L762Pが
I型膜タンパク質であると決定され、そして2つのさらなる改変体を配列決定し
た。改変体1(配列番号167および配列番号169(対応するアミノ酸配列)
)は、配列番号160の選択的スプライシング形態であり、503ヌクレオチド
の欠失、ならびに発現されるタンパク質の短いセグメントの欠失を生じる。改変
体2(配列番号168および配列番号170(対応するアミノ酸配列))は、配
列番号160と比較して3’コード領域に2つのヌクレオチド欠失を有し、発現
されるタンパク質の分泌形態を生じる。
【0119】 コンティグ56(配列番号148)(L773Pと呼ぶ)についての全長cD
NA配列を、配列番号171に、推定アミノ酸配列を配列番号172に提供する
。L773Pの引き続いてのノーザンブロット分析によって、この転写物が、扁
平上皮腫瘍において示差的に過剰発現され、そして原発性肺腫瘍組織において約
1.6Kb、そして原発性頭部および頸部腫瘍組織において約1.3Kbで検出
されることが実証される。
【0120】 引き続いてのマイクロアレイ分析によって、コンティグ58(L769Sとも
呼ぶ)(配列番号150)が、肺扁平上皮腫瘍に加えて乳房腫瘍において過剰発
現されることが示された。
【0121】 (実施例4 ポリペプチドの合成) ポリペプチドは、HPTU(O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−
テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(tetramethyl
uronium hexafluorophosphate))活性化とともに
FMOC化学を使用する、Perkin Elmer/Applied Bio
systems Division 430Aペプチド合成機で合成され得る。
Gly−Cys−Gly配列をペプチドのアミノ末端に結合し、ペプチドの結合
体化、固定化表面へのペプチドの結合、またはペプチドの標識化の方法を提供し
得る。固体支持体からのペプチドの切断を、以下の切断混合物を使用して行い得
る:トリフルオロ酢酸:エタンジチオール:チオアニソール:水:フェノール(
40:1:2:2:3)。2時間の切断後に、ペプチドを、冷メチル−t−ブチ
ル−エーテル中に沈降し得る。次いで、ペプチドペレットを、0.1%のトリフ
ルオロ酢酸(TFA)を含む水中に溶解し、そしてC18逆相HPLCによる精
製前に凍結乾燥し得る。水(0.1%TFAを含む)中での0%から60%のア
セトニトリル(0.1%TFAを含む)の勾配を使用して、ペプチドを溶出し得
る。純粋な画分の凍結乾燥後に、このペプチドを、電気スプレー(electr
ospray)または他の型の質量分析法を用いて、そしてアミノ酸分析によっ
て特徴付けし得る。
【0122】 前述から、本発明の特定の実施態様が例示の目的のために記載されているが、
種々の改変が、本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得ることが
理解される。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/00 A61P 35/00 4C085 39/39 C07K 14/47 4C086 48/00 16/18 4C087 A61P 35/00 C12N 1/21 4H045 C07K 14/47 C12Q 1/68 A 16/18 G01N 33/53 D C12N 1/21 33/574 A 5/10 C12P 21/02 C C12Q 1/68 21/08 G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/574 A61K 37/02 // C12P 21/02 37/04 21/08 C12N 5/00 B (31)優先権主張番号 09/123,912 (32)優先日 平成10年7月27日(1998.7.27) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/123,933 (32)優先日 平成10年7月27日(1998.7.27) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH,G M,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 BA31 BA41 CA01 CA07 DA02 DA06 DA12 FA06 HA12 HA15 4B063 QA19 QQ02 QQ53 QQ79 QQ96 QR32 QR48 QR55 QR72 QR82 QS25 QS33 QS34 QX02 4B064 AG01 AG27 CA02 CA06 CA10 CA19 CC24 DA01 DA14 4B065 AA26X AA72X AA90X AA93X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA25 CA45 CA46 4C084 AA01 AA07 AA13 BA41 ZB092 ZB262 4C085 AA03 BB01 EE06 FF24 GG02 GG03 GG04 GG05 4C086 AA01 AA02 MA01 MA04 ZB09 ZB26 4C087 AA01 AA02 AA03 BB37 BB64 NA10 ZB09 ZB26 4H045 AA10 AA30 BA10 CA41 EA28 EA51 FA74

Claims (58)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単離されたポリヌクレオチド分子であって、以下: (a)配列番号1〜3、6〜8、10〜13、15〜27、29、30、32
    、34〜49、51、52、54、55、57〜59、61〜69、71、73
    、74、77、78、80〜82、84、86〜96、107〜109、111
    、113、125、127、128、129、131〜133、142、144
    、148〜151、153、154、157、158、160、167、168
    および171に提供される配列; (b)配列番号1〜3、6〜8、10〜13、15〜27、29、30、32
    、34〜49、51、52、54、55、57〜59、61〜69、71、73
    、74、77、78、80〜82、84、86〜96、107〜109、111
    、113、125、127、128、129、131〜133、142、144
    、148〜151、153、154、157、158、160、167、168
    および171に提供される配列の相補体;ならびに (c)中程度にストリンジェントな条件下で、(a)または(b)の配列にハ
    イブリダイズする配列、 からなる群から選択される、ヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオ
    チド分子。
  2. 【請求項2】 肺腫瘍タンパク質またはその改変体の免疫原性部分を含む単
    離されたポリペプチドであって、該タンパク質が請求項1に記載のポリヌクレオ
    チド分子によりコードされるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配
    列を含む、単離されたポリヌクレオチド分子。
  4. 【請求項4】 請求項1または3に記載の単離されたポリヌクレオチド分子
    を含む、発現ベクター。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の発現ベクターで形質転換された、宿主細胞
  6. 【請求項6】 前記宿主細胞が、E.coli、酵母および哺乳動物細胞株
    からなる群から選択される、請求項5に記載の宿主細胞。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載のポリペプチドおよび生理的に受容可能なキ
    ャリアを含む、薬学的組成物。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載のポリペプチドおよび非特異的免疫応答エン
    ハンサーを含む、ワクチン。
  9. 【請求項9】 前記非特異的免疫応答エンハンサーがアジュバントである、
    請求項8に記載のワクチン。
  10. 【請求項10】 請求項1または3に記載の単離されたポリヌクレオチド分
    子および非特異的免疫応答エンハンサーを含む、ワクチン。
  11. 【請求項11】 前記非特異的免疫応答エンハンサーがアジュバントである
    、請求項10に記載のワクチン。
  12. 【請求項12】 ポリペプチドおよび生理的に受容可能なキャリアを含む肺
    癌の処置のための薬学的組成物であって、該ポリペプチドが、肺タンパク質また
    はその改変体の免疫原性部分を含み、ここで該タンパク質が、以下: (a)配列番号4、5、9、14、28、31、33、50、53、56、6
    0、70、72、75、76、79、83、85、97〜106、115〜12
    4、126、130、134〜141、143、145〜147および162〜
    164に示される配列; (b)配列番号4、5、9、14、28、31、33、50、53、56、6
    0、70、72、75、76、79、83、85、97〜106、115〜12
    4、126、130、134〜141、143、145〜147および162〜
    164の配列に相補的な配列;ならびに (c)中程度にストリンジェントな条件下で、(a)または(b)の配列にハ
    イブリダイズする配列、 からなる群から選択される配列を含むポリヌクレオチド分子によりコードされる
    アミノ酸配列を包含する、薬学的組成物。
  13. 【請求項13】 ポリペプチドおよび非特異的免疫応答エンハンサー含む肺
    癌の処置のためのワクチンであって、該ポリペプチドが、肺タンパク質またはそ
    の改変体の免疫原性部分を含み、ここで該タンパク質が、以下: (a)配列番号4、5、9、14、28、31、33、50、53、56、6
    0、70、72、75、76、79、83、85、97〜106、115〜12
    4、126、130、134〜141、143、145〜147および162〜
    164に示される配列; (b)配列番号4、5、9、14、28、31、33、50、53、56、6
    0、70、72、75、76、79、83、85、97〜106、115〜12
    4、126、130、134〜141、143、145〜147および162〜
    164の配列に相補的な配列;ならびに (c)中程度にストリンジェントな条件下で、(a)または(b)の配列にハ
    イブリダイズする配列、 からなる群から選択される配列を含むポリヌクレオチド分子によりコードされる
    アミノ酸配列を包含する、ワクチン。
  14. 【請求項14】 DNA分子および非特異的免疫応答エンハンサーを含む肺
    癌の処置のためのワクチンであって、前記ポリヌクレオチド分子が、以下: (a)配列番号4、5、9、14、28、31、33、50、53、56、6
    0、70、72、75、76、79、83、85、97〜106、115〜12
    4、126、130、134〜141、143、145〜147および162〜
    164に示される配列; (b)配列番号4、5、9、14、28、31、33、50、53、56、6
    0、70、72、75、76、79、83、85、97〜106、115〜12
    4、126、130、134〜141、143、145〜147および162〜
    164の配列に相補的な配列;ならびに (c)中程度にストリンジェントな条件下で、(a)または(b)の配列にハ
    イブリダイズする配列、 からなる群から選択される配列を含む、ワクチン。
  15. 【請求項15】 患者における肺癌の発達を阻害するための方法であって、
    請求項7または12に記載の薬学的組成物の有効量を該患者に投与する工程を包
    含する、方法。
  16. 【請求項16】 患者における肺癌の発達を阻害するための方法であって、
    請求項8、10、13または14のいずれか1項に記載のワクチンの有効量を該
    患者に投与する工程を包含する、方法。
  17. 【請求項17】 少なくとも1つの請求項2に記載のポリペプチドを含む、
    融合タンパク質。
  18. 【請求項18】 請求項2に記載のポリペプチドおよび公知の肺腫瘍抗原を
    含む、融合タンパク質。
  19. 【請求項19】 請求項17〜18のいずれか1項に記載の融合タンパク質
    および生理的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
  20. 【請求項20】 請求項17〜18のいずれか1項に記載の融合タンパク質
    および非特異的免疫応答エンハンサーを含む、ワクチン。
  21. 【請求項21】 前記非特異的免疫応答エンハンサーがアジュバントである
    、請求項20に記載のワクチン。
  22. 【請求項22】 患者における肺癌の発達を阻害するための方法であって、
    請求項19に記載の薬学的組成物の有効量を該患者に投与する工程を包含する、
    方法。
  23. 【請求項23】 患者における肺癌の発達を阻害するための方法であって、
    請求項20に記載のワクチンの有効量を該患者に投与する工程を包含する、方法
  24. 【請求項24】 患者における肺癌を検出するための方法であって、以下: (a)該患者から得られた生物学的サンプルを、ポリペプチドに結合し得る結
    合剤と接触させる工程であって、該ポリペプチドが肺タンパク質またはその改変
    体の免疫原性部分を含み、ここで該タンパク質が、配列番号1〜109、111
    、113、115〜151、153、154、157、158、160、162
    〜164、167、168および171に示されるヌクレオチド配列、該ヌクレ
    オチド配列の相補体、ならびに中程度にストリンジェントな条件下で、配列番号
    1〜109、111、113、115〜151、153、154、157、15
    8、160、162〜164、167、168および171の配列にハイブリダ
    イズする配列からなる群から選択される配列を含むポリヌクレオチド分子により
    コードされるアミノ酸配列を含む、工程;ならびに (b)該結合剤に結合するタンパク質またはポリペプチドを該サンプルにおい
    て検出することによって、該患者の肺癌を検出する工程、 を包含する、方法。
  25. 【請求項25】 前記結合剤がモノクローナル抗体である、請求項24に記
    載の方法。
  26. 【請求項26】 前記結合剤がポリクローナル抗体である、請求項25に記
    載の方法。
  27. 【請求項27】 患者における肺癌の進行をモニターするための方法であっ
    て、以下: (a)該患者から得られた生物学的サンプルをポリペプチドに結合し得る結合
    剤に接触させる工程であって、該ポリペプチドが肺タンパク質またはその改変体
    の免疫原性部分を含み、ここで該タンパク質が、配列番号1〜109、111、
    113、115〜151、153、154、157、158、160、162〜
    164、167、168および171に示されるヌクレオチド配列、該ヌクレオ
    チド配列の相補体、ならびに中程度にストリンジェントな条件下で、配列番号1
    〜109、111、113、115〜151、153、154、157、158
    、160、162〜164、167、168および171のヌクレオチド配列に
    ハイブリダイズする配列からなる群から選択される配列を含むポリヌクレオチド
    分子によりコードされるアミノ酸配列を含む、工程; (b)該サンプルにおいて、該結合剤に結合するタンパク質またはポリペプチ
    ドの量を決定する工程; (c)工程(a)および(b)を繰り返す工程;ならびに (d)工程(b)および(c)において検出されるポリペプチドの量を比較し
    て、該患者における肺癌の進行をモニターする工程、 を包含する、方法。
  28. 【請求項28】 肺タンパク質またはその改変体の免疫原性部分を含むポリ
    ペプチドに結合するモノクローナル抗体であって、ここで該タンパク質が、以下
    :配列番号1〜3、6〜8、10〜13、15〜27、29、30、32、34
    〜49、51、52、54、55、57〜59、61〜69、71、73、74
    、77、78、80〜82、84、86〜96、107〜109、111、11
    3、125、127、128、129、131〜133、142、144、14
    8〜151、153、154、157、158、160、167、168および
    171に示されるヌクレオチド配列;該ヌクレオチド配列の相補体;ならびに中
    程度にストリンジェントな条件下で、配列番号1〜3、6〜8、10〜13、1
    5〜27、29、30、32、34〜49、51、52、54、55、57〜5
    9、61〜69、71、73、74、77、78、80〜82、84、86〜9
    6、107〜109、111、113、125、127、128、129、13
    1〜133、142、144、148〜151、153、154、157、15
    8、160、167、168または171のヌクレオチド配列にハイブリダイズ
    する配列からなる群から選択される配列を含むポリヌクレオチド分子によりコー
    ドされるアミノ酸配列を含む、モノクローナル抗体。
  29. 【請求項29】 患者における肺癌の発達を阻害するための方法であって、
    請求項28に記載のモノクローナル抗体の治療的有効量を該患者に投与する抗体
    を包含する、方法。
  30. 【請求項30】 前記モノクローナル抗体が治療剤と結合体化されている、
    請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 患者における肺癌を検出するための方法であって、以下: (a)該患者から生物学的サンプルを得る工程; (b)ポリメラーゼ連鎖反応において、該サンプルと少なくとも2つのオリゴ
    ヌクレオチドプライマーとを接触させる工程であって、ここで該オリゴヌクレオ
    チドの少なくとも1つが肺タンパク質またはその改変体の免疫原性部分を含むポ
    リペプチドをコードするポリヌクレオチド分子に特異的であり、該タンパク質は
    、配列番号1〜109、111、113、115〜151、153、154、1
    57、158、160、162〜164、167、168および171に示され
    るヌクレオチド配列、該ヌクレオチド配列の相補体、ならびに中程度にストリン
    ジェントな条件下で、配列番号1〜109、111、113、115〜151、
    153、154、157、158、160、162〜164、167、168ま
    たは171の配列にハイブリダイズする配列からなる群から選択される配列を含
    むポリヌクレオチド分子によりコードされるアミノ酸配列を含む、工程;ならび
    に (c)サンプルにおいて、該オリゴヌクレオチドプライマーの存在下で増幅す
    るポリヌクレオチド配列を検出し、それによって肺癌を検出する工程、 を包含する、方法。
  32. 【請求項32】 請求項31に記載の方法であって、前記オリゴヌクレオチ
    ドプライマーの少なくとも1つが、配列番号1〜109、111、113、11
    5〜151、153、154、157、158、160、162〜164、16
    7、168および171から選択される配列を含むポリヌクレオチド分子の少な
    くとも約10個の連続するヌクレオチドを含む、方法。
  33. 【請求項33】 診断キットであって、以下: (a)請求項28に記載の1以上のモノクローナル抗体;および (b)検出試薬、 を含む、キット。
  34. 【請求項34】 診断キットであって、以下: (a)配列番号4、5、9、14、28、31、33、50、53、56、6
    0、70、72、75、76、79、83、85、97〜106、115〜12
    4、126、130、134〜141、143、145〜147および162〜
    164、該配列の相補体、ならびに中程度にストリンジェントな条件下で、配列
    番号4、5、9、14、28、31、33、50、53、56、60、70、7
    2、75、76、79、83、85、97〜106、115〜124、126、
    130、134〜141、143、145〜147または162〜164の配列
    にハイブリダイズする配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含むポ
    リヌクレオチド分子によりコードされるポリペプチドに結合する1以上のモノク
    ローナル抗体;ならびに (b)検出試薬、 を含む、キット。
  35. 【請求項35】 前記モノクローナル抗体が固体支持体上に固定されている
    、請求項33または34に記載のキット。
  36. 【請求項36】 前記固体支持体がニトロセルロース、ラテックスまたはプ
    ラスチック材料を含む、請求項35に記載のキット。
  37. 【請求項37】 前記検出キットが結合剤に結合体化されたレポーター基を
    含む、請求項33または34に記載のキット。
  38. 【請求項38】 前記結合剤が抗イムノグロブリン、プロテインG、プロテ
    インA、およびレクチンからなる群から選択される、請求項37に記載のキット
  39. 【請求項39】 前記レポーター基が放射性同位体、蛍光基、発光基、酵素
    、ビオチンおよび色素粒子からなる群から選択される、請求項37に記載のキッ
    ト。
  40. 【請求項40】 少なくとも2つのオリゴヌクレオチドプライマーを含む診
    断キットであって、該オリゴヌクレオチドプライマーの少なくとも1つが、肺タ
    ンパク質またはその改変体の免疫原性部分を含むポリペプチドをコードするポリ
    ヌクレオチド分子に特異的であり、該タンパク質は、配列番号1〜109、11
    1、113、115〜151、153、154、157、158、160、16
    2〜164、167、168および171に示されるヌクレオチド配列、該ヌク
    レオチド配列の相補体、ならびに中程度にストリンジェントな条件下で、配列番
    号1〜109、111、113、115〜151、153、154、157、1
    58、160、162〜164、167、168または171にハイブリダイズ
    する配列からなる群から選択される配列を含むポリヌクレオチド分子によりコー
    ドされるアミノ酸配列を含む、キット。
  41. 【請求項41】 請求項40に記載の診断キットであって、ここで少なくと
    も1つのオリゴヌクレオチドプライマーが、配列番号1〜109、111、11
    3、115〜151、153、154、157、158、160、162〜16
    4、167、168および171から選択される配列を含むポリヌクレオチド分
    子の少なくとも約10個の連続するヌクレオチドを含む、キット。
  42. 【請求項42】 患者における肺癌を検出するための方法であって、 (a)該患者から生物学的サンプルを得る工程 (b)該生物学的サンプルと、肺タンパク質またはその改変体の免疫原性部分
    を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子に特異的なオリゴヌクレ
    オチドプローブとを接触させる工程であって、該タンパク質が、配列番号1〜1
    09、111、113、115〜151、153、154、157、158、1
    60、162〜164、167、168および171に示されるヌクレオチド配
    列、該ヌクレオチド配列の相補体、ならびに中程度にストリンジェントな条件下
    で、配列番号1〜109、111、113、115〜151、153、154、
    157、158、160、162〜164、167、168または171の配列
    にハイブリダイズする配列からなる群から選択される配列を含むポリヌクレオチ
    ド分子によりコードされるアミノ酸配列を含む、工程;ならびに (c)該サンプル中において、該オリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイ
    ズするポリヌクレオチド配列を検出し、それによって患者における肺癌を検出す
    る工程、 を包含する、方法。
  43. 【請求項43】 請求項42に記載の方法であって、ここで前記オリゴヌク
    レオチドプローブが、配列番号1〜109、111、113、115〜151、
    153、154、157、158、160、162〜164、167、168お
    よび171からなる群から選択される配列を含むポリヌクレオチド分子の少なく
    とも約15個の連続するヌクレオチドを含む、方法
  44. 【請求項44】 肺タンパク質またはその改変体の免疫原性部分を含むポリ
    ペプチドをコードするポリヌクレオチド分子に特異的なオリゴヌクレオチドプロ
    ーブを含む診断キットであって、該タンパク質は、以下:配列番号1〜109、
    111、113、115〜151、153、154、157、158、160、
    162〜164、167、168および171に示されるヌクレオチド配列;該
    ヌクレオチド配列の相補体;ならびに中程度にストリンジェントな条件下で、配
    列番号1〜109、111、113、115〜151、153、154、157
    、158、160、162〜164、167、168または171の配列にハイ
    ブリダイズする配列、からなる群から選択される配列を含むポリヌクレオチド分
    子によりコードされるアミノ酸配列を含む、キット。
  45. 【請求項45】 請求項44に記載の診断キットであって、ここで前記オリ
    ゴヌクレオチドプローブが、配列番号1〜109、111、113、115〜1
    51、153、154、157、158、160、162〜164、167、1
    68および171からなる群から選択される配列を含むポリヌクレオチド分子の
    少なくとも約15個の連続するヌクレオチドを含む、キット。
  46. 【請求項46】 患者における肺癌を処置するための方法であって、以下: (a)該患者から末梢血細胞を得る工程 (b)請求項2に記載の少なくとも1つのポリペプチドの存在下で該細胞をイ
    ンキュベートし、その結果T細胞が増殖する、工程;ならびに (c)該患者に該増殖したT細胞を投与する工程、 を包含する、方法。
  47. 【請求項47】 患者における肺癌を処置するための方法であって、以下: (a)該患者から末梢血細胞を得る工程 (b)請求項1に記載の少なくとも1つのポリヌクレオチドの存在下で該細胞
    をインキュベートし、その結果T細胞が増殖する、工程;ならびに (c)該患者に該増殖したT細胞を投与する工程、 を包含する、方法。
  48. 【請求項48】 前記T細胞をインキュベートする前記工程が1回以上繰り
    返される、請求項46および47のいずれか1項に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記工程(a)が前記末梢血細胞からT細胞を分離するこ
    とをさらに包含し、そして前記工程(b)においてインキュベートされる前記細
    胞がT細胞である、請求項46および47のいずれか1項に記載の方法。
  50. 【請求項50】 前記工程(a)が、前記末梢血細胞からCD4+細胞また
    はCD8+細胞を分離することをさらに包含し、そして前記工程(b)において
    増殖した前記細胞がCD4+T細胞またはCD8+T細胞である、請求項46ま
    たは47のいずれか1項に記載の方法。
  51. 【請求項51】 前記工程(b)が、前記ポリペプチドの存在下で、増殖し
    た1以上のT細胞をクローニングする工程をさらに包含する、請求項46または
    47のいずれか1項に記載の方法。
  52. 【請求項52】 薬学的に受容可能なキャリアとの組合せで、請求項2のポ
    リペプチドの存在下で増殖したT細胞を含む、患者における肺癌の処置のための
    組成物。
  53. 【請求項53】 薬学的に受容可能なキャリアとの組合せで、請求項1のポ
    リヌクレオチドの存在下で増殖したT細胞を含む、患者における肺癌の処置のた
    めの組成物。
  54. 【請求項54】 患者における肺癌の処置を処置するための方法であって、
    以下の工程: (a)請求項2に記載の少なくとも1つのポリヌクレオチドの存在下で、抗原
    提示細胞をインキュベートする工程; (b)該インキュベートされた抗原提示細胞を該患者に投与する工程、 を包含する、方法。
  55. 【請求項55】 患者における肺癌の処置を処置するための方法であって、
    以下の工程: (a)請求項1に記載の少なくとも1つのポリヌクレオチドの存在下で、抗原
    提示細胞をインキュベートする工程; (b)該インキュベートされた抗原提示細胞を該患者に投与する工程、 を包含する、方法。
  56. 【請求項56】 前記抗原提示細胞が樹状細胞およびマクロファージ細胞か
    らなる群から選択される、請求項54または55に記載の方法。
  57. 【請求項57】 薬学的に受容可能なキャリアとの組合せで、請求項2のポ
    リペプチドの存在下でインキュベートされた抗原提示細胞を含む、患者における
    肺癌の処置のための組成物。
  58. 【請求項58】 薬学的に受容可能なキャリアとの組合せで、請求項1のポ
    リペプチドの存在下でインキュベートされた抗原提示細胞を含む、患者における
    肺癌の処置のための組成物。
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