JP2002532116A - 改良された組換えb型肝炎表面抗原 - Google Patents

改良された組換えb型肝炎表面抗原

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、当技術分野において従前公知のrHBsAgより高い抗原性および免疫原性を示す改良されたrHBsAgを提供する。該改良rHBsAgの製造方法も提供する。該改良HBsAgは、より少量の有効成分を含有するワクチン、より高い免疫原性を有するワクチン、ならびにB型肝炎ウイルスおよび他の感染因子による感染に対する防御免疫を付与する混合ワクチンを提供するために使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、組換えB型肝炎表面抗原(rHBsAg)、HBsAgを含有する予防用および
治療用ワクチン、ならびにHBsAgおよびワクチンの製造方法に関する。
【0002】 (発明の背景) B型肝炎ウイルスの主要表面抗原は25kDaのタンパク質(HBsAg)である。該タ
ンパク質は、preS1、preS2およびSの3つの形態のものが公知である。preS1およ
びpreS2形態は、226アミノ酸のS形態を与えるようにインビボでそれらのN末端か
ら切断される14および39アミノ酸を含む(Valenzuela P.ら (1979) Nature, 280
:815; Valenzuela P.ら, Synthesis and assembly of hepatitis B virus surfa
ce antigen particles in yeast. Nature. (1982) 298:347-350. Miyanohara A.
ら, Expression of hepatitis B surface antigen gene in yeast. PNAS USA (1
983) 80(1):1-5)。
【0003】 過去20年間に、酵母細胞内でS形態として発現された組換えB型肝炎表面抗原(
rHBsAg)が、B型肝炎感染に対するワクチンとして、血漿由来の抗原にとって代
わった(Valenzuelaら, 1982; McAleerら, 1984)。感染動物の血漿中では、該
表面抗原タンパク質は、脂質とHBsAgとを含む22nmの粒子に集合する。しかしな
がら、これらのウイルス様粒子への酵母産生rHBsAgの集合については、依然とし
て、十分には理解されていない。
【0004】 HBsAg内のジスルフィド結合の還元が、その抗原性および免疫原性の両方の特
性を破綻または著しく減弱させることが確認されている(Tiollaisら, 1981, Gu
esserら, 1988; Mishiroら, 1980; Chenら, 1996; Hauserら, 1988に概説されて
いる)。例えば、B型肝炎ウイルスの3つの異なる型のSタンパク質(すなわち、
ヒト、ウッドチャックおよびジリスのウイルスのHBsAg)においては、合計14個
中11個のシステイン残基が保存されている。しかしながら、これらの3つの型のS
タンパク質は、中等度ないしは低度の全配列相同性を共有しているにすぎない(
Stirkら, 1992)。興味深いことに、「a」決定基ループ(推定ヘリックスBとヘ
リックスCとの間の62 aa)中の全8個のシステイン残基が完全に保存されている
。これは、ジスルフィド結合が、抗原決定基またはエピトープの構造的完全性の
維持において重要な役割を果たしている可能性があることを示している(Stirk
ら, 1992)。
【0005】 タンパク質の機能的および構造的完全性に対するジスルフィド結合の存在の重
要性は、特にリボヌクレアーゼAに関して、文献に詳細に記載されている(Ubuka
T., (1996) Protein disulfide isomerase-catalyzed renaturation of ribonu
clease A modified by S-thiolation with glutathione and cysteine. Biochem
Mol Biol Int. 38(6):1103-10; Fahey, R.C., (1977) Biologically important
thiol-disulfide reactions and the role of cyst(e)ine in proteins: an ev
olutionary perspective. Adv Exp Med Biol. 86A:1-30; Lyles MMら, (1991) C
atalysis of the oxidative folding of ribonuclease A by protein disulfide
isomerase: dependence of the rate on the composition of the redox buffe
r. Biochemistry. 22;30(3):613-9)。
【0006】 rHBsAgの場合には、正しいジスルフィド結合対形成が、重要な抗原性決定因子
となる。なぜなら、それらは、十中八九、主要エピトープの完全性および安定性
に要求されるからである(Wamplerら, 1985)。酵母細胞内での過剰発現に際し
て、該HBsAg分子は、血漿由来の22nmの脂質/タンパク質粒子において認められ
る膜包埋構造にフォールディングするためには脂質環境を見出す必要があると考
えられる。しかしながら、過剰発現中は、感染細胞内での該ウイルスの増殖とは
異なり、細胞酸化還元環境の制御が存在しないため、およびrHBsAgの精製および
製剤化中の最適とはいえない条件のため、該組換えタンパク質は、誤ったジスル
フィド結合対形成の結果として、或る最適とはいえないコンホメーションをとる
と予想される。
【0007】 システインに富むいくつかのタンパク質またはペプチドは、酸化的リフォール
ディング中に正しいジスルフィド結合対形成を形成する傾向が強いと報告されて
いるが(Moroderら, 1996; Mosiolら, 1994)、生産的(productive)フォール
ディングは、常に、非生産的フォールディングと競合する。これらの後者の経路
は、誤ったジスルフィド結合対形成またはポリペプチドの凝集につながる。
【0008】 小さな還元型ポリペプチドの酸化的再生の速度および収率は、低分子量ジスル
フィド/チオール化合物の比率に影響されると報告されている。還元型RNアーゼ
Aをモデルタンパク質として使用して報告されているとおり、そのような関係は
多少複雑であり、該系の酸化還元電位に対応していない(Wetlauferら, 1987)
【0009】 両方の形態のグルタチオン(すなわちGSSG/GSH混合物)を含有する酸化還元緩
衝液は、正しい対形成を促進し誤った対形成を解除することにより、コンホメー
ション探索(conformational searching)を促進しうると報告されている。しか
しながら、GSSG/GSH混合物の使用は、いくつかの小さなタンパク質およびペプチ
ドに関して示されているにすぎない(Moroderら, 1996)。
【0010】 HBVに感染した自然の細胞系においては、初期HBsAg分子は、該タンパク質の天
然コンホメーションへの適切なフォールディングをもたらす特定の分子内および
/または分子間ジスルフィド結合を形成するためには、脂質環境を見出す必要が
あると考えられる。こうした自然の系においては、この過程は、脂質膜と会合し
た主にHBsAgタンパク質から構成される約22nm径の粒子の形成をもたらす。同様
に、酵母細胞または他の発現宿主内での発現の場合には、該初期rHBsAgは、膜包
埋構造への自発的フォールディングの前に脂質環境を見出す必要があると考えら
れる。
【0011】 しかしながら、組換え法においては、該rHBsAgは、宿主細胞を使用する非天然
系において過剰発現される。昆虫、酵母およびCHO細胞が一般に使用されるが、
他の細胞型も使用されうる。そのような系において過剰産生された場合、該rHBs
Agは、誤ったジスルフィド結合対形成による非天然コンホメーションおよび寄集
め形態の凝集集合体となる。過剰発現のこれらの人工生成物は、低い抗原性のコ
ンホメーションに固定された分子を与える。したがって、一旦産生されたら、該
過剰発現rHBsAgは、典型的には、過剰発現の望ましくないアーティファクトのい
くつかを排除するように細胞環境の外部において加工される。
【0012】 当技術分野で現在用いられている方法においては、過剰発現rHBsAgを宿主細胞
から単離したら、該抗原を酸化工程においてチオシアナートで処理して、コンホ
メーション探索を誘導し、形態III(Form III)として公知のrHBsAgの形態を得
る(Wamplerら, 1985)(図1を参照されたい)。次いでホルマリン処理を用いて
、該チオシアナート処理のカオトロピック部分変性条件下で該rHBsAgがとってい
るあらゆるコンホメーションに該rHBsAgを固定する。最後に、該rHBsAgをアジュ
バントで沈殿させる。
【0013】 これまでの研究は、高温でのインキュベーションによりrHBsAgの抗原性の増強
が達成されうること、およびその過程に対するホルマリンの抑制効果を報告して
いる。さらに、生成している異なるジスルフィド(すなわち、分子内および分子
間)の役割についても記載されている(Wamplerら, (1985))。これらの研究に
おいては、熱力学的に最も安定な形態のrHBsAgに関するコンホメーション探索が
自発的に生じた。したがって、それらの方法によっては、最適な割合の正しい三
次元構造のrHBsAgを得ることはできなかった。最も重要なのは、報告されている
方法が、効力および一貫性にばらつきのある生成物を与えることである。これは
おそらく、プロセスおよび製剤化中の、十分には制御されていない酸化還元条件
、残留金属および表面接触によるものであろう。したがって、これまでに報告さ
れている方法により製造されたrHBsAgを含むワクチンは、ワクチン接種された対
象において防御応答を誘導するのに必要なタンパク質の量において相当なばらつ
きがある。
【0014】 (発明の概要) 本発明は、従前公知のrHBsAgより高い特異的抗原性を有する改良された組換え
B型肝炎表面抗原rHBsAg(改良rHBsAg)を提供する。本発明はまた、予防用およ
び治療用ワクチンにおける及び混合ワクチンにおける、この改良rHBsAgの使用を
提供する。
【0015】 (図面の簡単な記載) 図1は、rHBsAgに適用されるコンホメーション探索の理論の概要を示す。 図2A.37℃でのrHBsAgのグルタチオン媒介コンホメーション探索/成熟。GSH
およびGSSGの相乗効果。安定なrHBsAg調製物に関して表面プラズモン共鳴により
測定し、任意単位を用いてグラフ化したもの。 図2B.37℃におけるrHBsAgのグルタチオン媒介コンホメーション探索/成熟。
より高濃度のGSHにより、より抗原性のHBsAgコンホメーションが得られうる。安
定なrHBsAg調製物に関して表面プラズモン共鳴により測定し、任意単位を用いて
グラフ化したもの。
【0016】 図3.マウスモノクローナル抗体A1.2の可変領域のヌクレオチドおよびタンパ
ク質配列(Lohmanら, 1993の図1および2から)。 図4.ELISAの実施を示すフローチャート。 図5.ELISAにより測定したrHBsAgの抗原性と、マウス効力ED50により測定した
免疫原性との相関性のグラフ。 図6.酸化還元緩衝液を加えて及び加えないでコンホメーション探索工程を用
いて製造されたrHBsAgのELISA抗原性を比較するグラフ。 図7.表面プラズモン共鳴により測定した相対抗原性に対するインビトロ相対
効力(IVRP)のグラフ。
【0017】 (発明の詳細な記載) 本発明は、従前公知のrHBsAgより高い抗原性を示す改良された組換えB型肝炎
表面抗原タンパク質「rHBsAg」、および該改良rHBsAgの製造方法を提供する。本
発明はまた、予防用および治療用ワクチンにおける並びに混合ワクチンにおける
該改良rHBsAgの使用を提供する。
【0018】 簡単に説明すると、本発明は、rHBsAgをリフォールディングする最適化された
方法を用いて、従来のrHBsAg生成物より高いレベルの免疫原性を有する生成物を
得ることができるという知見を用いるものである。モデルマウス系において免疫
応答を誘導するのに必要なrHBsAgの量を測定することにより、該免疫原性を測定
する。最適化された方法は、好ましくは、該改良rHBsAgを製造するための酸化還
元緩衝化工程を含む。酸化還元緩衝液中のrHBsAgの酸化的リフォールディングは
、当技術分野において従前公知のものより高い抗原性のrHBsAg生成物を与えるこ
とが見出されている。
【0019】 本明細書で用いるrHBsAgの抗原性とは、インビトロの試験または系におけるrH
BsAgの反応性を意味する。rHBsAgの免疫原性は、インビボモデル動物において又
は臨床場面の患者において免疫反応を誘導するrHBsAgの能力を意味する。
【0020】 いずれの特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、酸化還元緩衝
液の使用は、より長期間にわたり、より制御された様態で該rHBsAgポリペプチド
がコンホメーション探索を受けることを可能にすると考えられる。したがって、
この方法により製造されるrHBsAgの、より高い免疫原性は、より高いパーセンテ
ージの正しいジスルフィド結合対形成を有するポリペプチドの製造によるもので
あるかもしれない。しかしながら、該rHBsAgタンパク質は、14個のシステインと
複雑な膜包埋三次元構造とを有する大きなポリペプチドであるため、これらの仮
想的説明は、本明細書に記載のrHBsAg生成物の改善された免疫原性を与える因子
の完全な説明にならないかもしれない。また、rHBsAgの粒子内のポリペプチド間
の相互作用が重要な役割を果たしている可能性がある。
【0021】 1つの粒子内には約100個のrHBsAgポリペプチドが存在する。これらのポリペプ
チドは、分子間ジスルフィド結合により二量体または三量体を形成しうる。本明
細書に記載のrHBsAgの製造方法は、より多数の又は適切にフォールディングした
ポリペプチド多量体を含有する粒子を与えうる。例えば、本明細書に記載のとお
りに製造される改良rHBsAgは、より免疫原性のコンホメーションを与える該粒子
内のポリペプチドの改善された二量体形成によるものである可能性がある。した
がって、理論的には、本明細書に記載のrHBsAgの改善された免疫原性は、より適
切な分子内結合、分子間結合またはそれらの両方によるものである可能性がある
【0022】 rHBsAgのフォールディングにおける酸化還元緩衝液 改良rHBsAgの製造方法において使用する酸化還元緩衝液を調製するためには、
種々のチオール含有化合物を使用することができる。基本的要件は、該化合物の
チオールがrHBsAg内のシステインと相互作用しうること、および該化合物が、該
化合物の2分子間のジチオール結合よりなる酸化型形態で存在しうることである
。還元および酸化状態で調製されうるチオール化合物の具体例としては、システ
イン、2-メルカプトエタノール、チオトレイトール、ジチオトレイトール(「DT
T」)、グルタチオン(「GSH」)およびジグルタチオン(酸化型グルタチオン「
GSSG」)が挙げられる。GSHおよびGSSGが酸化還元調節のためにすべての哺乳類
細胞内に豊富に存在することから、本発明者らの最も好ましい酸化還元緩衝液は
GSHとGSSGとの混合物から構成される。該還元および酸化型化合物(例えば、GSH
/GSSG)を約30:1から約1:1のモル比、好ましくは約25:1、20:1、10:1、10:4、5:
1、2:1または1:1の比、最も好ましくは約5:1の比で加えることが好ましい。該化
合物の最終濃度は、約0.05〜5.00nM、好ましくは約0.20〜約3.0mM、より好まし
くは約0.5〜約1.5mM、最も好ましくは約1.0mMであるはずである。
【0023】 本明細書中で比および濃度に言及する場合の「約」なる語は、本発明が、複雑
な生化学系に試薬を適用することを含むことを認めるものとして用いられている
。本明細書に明示的に列挙されている絶対的な時間、濃度または比を厳密に厳守
することは、しばしば要求されるものではない。さらに、当業者は、ある特定の
チオール化合物を該コンホメーション探索工程において使用する場合には、該方
法により製造された生成物の質を判定するために、本明細書に明示的に記載され
ている数値の10%、20%、25%または更には50%以上に収まる比および濃度の通
常の実験的試験を用いることができる。同様に、インキュベーションに必要な時
間は、本明細書に明示的に記載されているものと異なるものであってもよい。
【0024】 これらの変法のいずれかの妥当性は、該変法が、本明細書中に明示的に列挙さ
れている条件および試薬を用いた場合に得られる改善された抗原性を有する生成
物を与えるか否かを判定するために該rHBsAg生成物を試験することにより(例え
ば、標準的なマウス効力アッセイを用いることにより)、常套的に判定すること
ができる。簡単に説明すると、酸化還元緩衝液の存在下でコンホメーション探索
工程を用いることにより改良rHBsAgを実際に産生させることができることが、本
明細書に開示されている。したがって、当業者は、改良rHBsAgを得るための種々
の条件下で種々の特定の酸化還元緩衝液を使用するのに適したパラメーターを決
定するために、その開示を用いることができる。
【0025】 該酸化還元緩衝液は、特に、温かい生理的条件下で、より長時間のコンホメー
ション探索であると考えられるものを誘導するために使用される。コンホメーシ
ョン探索の概念(すなわち、最適な経路を介した、完全に官能基化した又は成熟
したものへの潜在的エピトープの進化)、および該rHBsAgポリペプチド鎖の化学
的架橋を、図1に示す。酸化還元緩衝液を用いて、該rHBsAg分子を、それらが熱
力学的に最も安定なコンホメーションを探索するにつれてコンホメーションフラ
ックス(conformational flux)の状態で成熟させる。該酸化還元緩衝液は、コ
ンホメーションの未成熟固定を、および望ましくない凝集と共役する共有ジスル
フィド結合を妨げると考えられる。また、該酸化還元緩衝液の還元力は、誤った
又は乱れたジスルフィド結合を解除すると考えられる。これらのジスルフィド結
合は、正しいジスルフィド対形成よりはるかに還元されやすい。図2Aおよび2Bは
、rHBsAgの抗原性の増強に対する両形態のグルタチオンの劇的な効果、特に、シ
ステインに富むこのタンパク質のリフォールディングにおけるそれらの相乗効果
を示している。
【0026】 したがって、該酸化還元工程の最も有利な使用は、該酸化還元緩衝化合物の存
在が、より不安定な誤って対形成したジスルフィドを破壊するのには十分な影響
力を有するが誤って及び正しく対形成したジスルフィド結合を絶えず破壊するほ
どの影響力は有さない条件下での使用であると考えられる。本明細書に記載の好
ましい及び最も好ましい条件は、GSH/GSSGを使用する場合に適している。しかし
ながら、他のチオール化合物の使用に適した条件は、単に、産生されたrHBsAgの
抗原性および免疫原性のモニターと共役する条件を実験的に試験することにより
決定することができる。
【0027】 該タンパク質が、それが産生された細胞発現系から精製された時点で、rHBsAg
の既存の製造方法に、該酸化還元緩衝工程を加える。例えば、Wamplerら, 1985
の方法を用いて、滅菌濾過生成物、すなわちSFPが得られる時点までは、記載さ
れているとおりに該rHBsAgを加工する。該SFPは、該酸化還元工程において使用
するまでは4℃で維持すべきである。該SFPを、ガラスで裏打ちされたタンクなど
の適当な容器内に配置する。該タンクの内容物を混合する手段が設けられるべき
である。適宜、複数のSFPバッチを一緒にすることができる。この場合、酸化還
元工程において、処理するすべてのバッチを一緒にし、該酸化還元緩衝液の添加
前にそれらを穏やかに且つ手短に混合することが好ましい。
【0028】 該酸化還元工程は、種々の温度で行なうことができる。該工程は、4℃〜55℃
で行なうべきである。しかしながら、ある点を考慮すると、該工程は18℃〜45℃
で行なうことになる。該rHBsAgポリペプチドが脂質膜内に包埋されることに注目
すべきであり、該膜の流動性を考慮すべきである。例えば、該工程を4℃〜10℃
の低温で行なうように選択してもよいが、該工程が完了するのに莫大な時間を要
する程に該熱力学過程が遅いため、それは好ましくない。その範囲の上限におい
ては、それより高い温度は、該rHBsAgポリペプチドにおける、より高い柔軟性、
および該脂質内の流動性をもたらす。それは、より迅速な探索をもたらしうるが
、それはまた、正しいジスルフィド結合が、緩衝剤成分または他のシステインか
らの攻撃により、より容易に破壊される状況を招きうる。さらに、該タンパク質
は高温で変性することがある。該温度は、該膜内の該ポリペプチドの運動が可能
になる程度に十分に高くすべきである。したがって、合理的な時間内に結果をも
たらすのには十分に高いが、正しく対形成したシステインにおけるタンパク質変
性の不安定化を招くほどには高くない温度を用いるのが好ましい。本発明者らが
好ましいとする温度範囲は、20℃〜45℃、より好ましくは30℃〜40℃、最も好ま
しくは34℃〜38℃である。温度は、ジャケット付き容器の使用を含む種々の手段
により制御することができる。
【0029】 該工程の開始時に該酸化還元緩衝液を該バッチ全体に分布させるのに必要とさ
れる以上に混合することなく該酸化還元工程を行なうことが好ましい。該酸化還
元緩衝液を該バッチ全体に分布させるのに十分な程度に穏やかに且つ手短に攪拌
しながら、浸漬チューブ、または該酸化還元緩衝液を加えるための他の適当な手
段を用いることができる。ついで該バッチを一定時間放置する。
【0030】 GSH/GSSGの最適な比、それらの濃度およびインキュベーションの継続時間を予
想するのは難しいが、通常の経験的実験は、以下の条件が好ましいことを示して
いる。5:1の比のGSH/GSSGならびに1.0mM GSHおよび0.2mM GSSGの最終濃度の酸化
還元緩衝液と、本発明者らが好ましいとする温度範囲の34℃〜38とを用いる場合
には、該混合物を約20〜140時間、より好ましくは約80〜120時間、最も好ましく
は約100時間インキュベートすることが好ましい。このインキュベーションは、
該加熱工程の開始時から該酸化還元緩衝液のインキュベーション工程の終了時ま
でで、かつ、望まれうるいずれのホルマリン処理より前の時間を意味する。
【0031】 三次元構造と効力との関連性 血漿由来のHBsAgはジスルフィド結合により完全に架橋されることが公知であ
る(E. Guesserら, Model for the protein arrangement in HBsAg Particles b
ased on physical and chemical studies. 1988. “Viral Hepatitis and liver
Disease” pp.606-613 (A. J. Zuckerman編). Alan R. Liss, Inc., New York
)。組換えHBsAg粒子は後続の精製後にジスルフィド架橋されると文献に報告さ
れている(Wamplerら, 1985. Multiple chemical forms of hepatitis B surfac
e antigen. Proc. Nat. Acad. Sci. 82:6830-6834)。2つの24kDaの単量体サブ
ユニットを49kDaの二量体に連結するジスルフィド結合にHBsAgのマウス免疫原性
が存在するという証拠が、文献に記載されている(S. Mishiroら 1980. A 49,00
0-Dalton Polypeptide bearing all antigenic determinants and full immunog
enicity of 22-nm Hepatitis B surface antigen particles. J. Immunology, 1
24:1589)。さらに、ウイルス感染後にチンパンジーを防御することが示されて
いる中和モノクローナル抗体MAb RF1は、ウエスタンブロットにおいて、ジスル
フィドにより連結されたオリゴマー形態とのみ反応し、24kDaの単量体サブユニ
ットとは反応しないとする報告がある(P. Hauserら 1988. Induction of neutr
alizing antibodies in chimpanzees and in humans by a recombinant yeast-d
erived hepatits B surface antigen particle. “Viral Hepatitis and Liver
Disease” pp.1031-1037 (A. J. Zuckerman編). Alan R. Liss, Inc., New York
)。最後に、Chenら (1966)は、コンホメーション性(conformational)である
と考えられるエピトープに結合するモノクローナル抗体を報告している。
【0032】 これらの報告は、分子間ジスルフィドが抗原性および免疫原性に決定的に重要
であるという見解を支持している。しかしながら、分子内ジスルフィドも、生成
物の抗原性に寄与しうる。例えば、モノクローナル抗体H166に認識されるエピト
ープは直鎖状であると報告されている(Chenら, 1966. Discontinuous epitopes
of hepatitis B surface antigen derived from a filamentous phage peptide
library PNAS 93:1997-2001)。しかしながら、H166(Cys[121]-Cys[124])に
より結合した4つの残基は、分子内ジスルフィドにより連結された2つのαヘリッ
クス領域間のβターンモチーフに相当すると考えられる(Chenら 1996)。実際
のところ、配列Cys-X-Y-Cysはオキシドレダクターゼの活性部位内に含有され、
それらの酸化還元電位は、このビス-システイニルモチーフがジスルフィドルー
プを形成する傾向を反映している(H-J. Musiolら 1994 Redox-active bis-cyst
einyl peptides. I. Synthesis of cyclic cysteinyl peptides by conventiona
l methods in solution and on solid supports. Biopolymers, 34:1553-1562;
L. Moroderら, 1996. Oxidative folding of cysteine-rich peptides vs. Regi
oseletive cysteine pairing strategies. Biopolymers, 40:207-234)。
【0033】 rHBsAg中のCys[121]-Cys[124]の存在 血漿由来のHBsAgは、この分子内ループ(Cys[121]-Cys[124])が2-メルカプト
エタノールで還元された後にはじめてLys[122]のカルボキシル末端においてトリ
プシンにより切断されることが公知である。したがって、該タンパク質の適切な
コンホメーションの尺度として、KSCNおよび製剤化工程の前および後に、トリプ
シンに対するrHBsAg生成物の感受性を試験した。該実験の原理は、この分子内ジ
スルフィドループが、形態IIIへの変換前に該生成物中に存在するのか、あるい
は形態IIIへの変換中に生成されるのかを判定するというものであった。異なる
工程の生成物のSDS-PAGE分析は、分子内ジスルフィドCys[121]-Cys[124]が、該
変換の大部分が生じる前に既に該生成物中に存在することを示した。
【0034】 rHBsAgの抗原性の生成 変換の前および後のrHBsAg生成物のELISA応答に関しては、それは、該分子のC
ys[121]-Cys[124]領域に対する応答の成分として示すことができるであろう。該
rHBsAg生成物が変換された後、分子間ジスルフィド(そしておそらくは分子内ジ
スルフィドも)の生成により追加的なエピトープが形成され、ついで、三次およ
び四次構造配置から生じたこれらのコンホメーションエピトープは、真のコンホ
メーションエピトープに対する抗体(例えば、モノクローナルH35)により容易
に検出されるはずである
【0035】 分子間ジスルフィドの生成(変換の度合)と効力の増加との間には真の直線関
係が存在しないため、滅菌濾過生成物を与える最後の加工工程(すなわち、KSCN
処理による形態IIIへの変換(Wampler, 1985))中に、異なる抗原マクロ構造を
与える潜在的に異なる分子間および分子内ジスルフィド結合により、ある一連の
コンホメーションが獲得されると考えられる。ついで、個々のp24タンパク質サ
ブユニットの最適なオリゴマー化により、高いELISA値に到達しうる。このオリ
ゴマー化は、(1)脂質流動性により促進される該サブユニットの接近、(2)分
子間および分子内ジスルフィドの形成、(3)ジスルフィド交換または再編成(r
e-shuffling)、および(4)該三次および四次構造の最終的な安定化を含むいく
つかの分子事象を含むと考えられる。しかしながら、より一層高いインビトロ相
対効力値を有するrHBsAgが、該rHBsAgが形態IIIに変換された後に最適化フォー
ルディング工程を行なった場合に製造されうることが、本発明において明らかに
された。
【0036】 rHBsAgの抗原性および免疫原性の測定 当技術分野で現在用いられているインビボ法を用いる種々の方法において、該
rHBsAg生成物の免疫原性を測定することができる。ここでは、それらの技術の全
般については説明しない。しかし、それらを用いて、本明細書に開示されている
方法により製造されたサンプルを試験することができる。該rHBsAg生成物の抗原
性は、多数のインビトロ技術により評価することができる。本明細書中に明示的
に開示されている条件とは異なる条件の有効性を判定し、特定の施設設備に適合
化された該方法の進行をモニターまたは追跡するために、これらの試験の結果を
分析することができる。それらの結果はまた、該抗原成熟過程の異なるエフェク
ターおよびインヒビターを理解するための根拠を与える。該rHBsAg生成物の抗原
性/免疫原性の発生を研究するために用いる異なる用途の方法論および具体例に
ついては、後記で説明する。
【0037】 インビボモデル動物およびインビトロELISAアッセイは、方法がいかに行われ
たかの記録と結果とを相関させるのに有用であるが、酸化還元緩衝工程における
コンホメーション探索の進行を、可能な限りリアルタイムでモニターするのが好
ましいかもしれない。また、該rHBsAgのコンホメーション状態を分析することも
好ましい。なぜなら、それは該生成物の免疫原性に関連しているからである。し
たがって、コンホメーション状態をリアルタイムでモニターするための方法が用
いられており、その分析の結果が標準的免疫原性試験に相互に関連づけられてい
る。該リアルタイム法は、表面プラズモン共鳴検出器(BIAcore 2000ユニット(U
psala, Sweden))の使用に基づく。BIAcoreにより製造された検出器が好ましい
が、適宜、その他のものも製造または購入されうる。本発明者らは、広く受け入
れられており商業的に入手可能なインビトロELISAアッセイとの比較により、該r
HBsAgのコンホメーション状態の表面プラズモン共鳴分析を相関させた。表面プ
ラズモン共鳴およびELISAアッセイの方法については、後記で説明する。マウス
効力アッセイについては、実施例で説明する。
【0038】 rHBsAg生成物の分析のための標準的ELISAアッセイ rHBsAg生成物の構造特性が免疫原性応答にどのような影響を及ぼすかを示すた
めには、イムノアッセイを用いる。該アッセイの使用を説明するために、異なる
B型肝炎ワクチンからの種々のアッセイ値の具体例を用いることとする。標準的E
LISAアッセイにおいては、約2日の所要時間および複数のサンプル操作を要する
。この分析方法は、抗原成熟を評価するための方法に有用である。該方法は、ア
ルミニウムアジュバント上で製剤化されたrHBsAg上で有利に行なわれる。
【0039】 rHBsAgに対するいくつかのモノクローナル抗体に認識されるエピトープに関す
る洞察が、最近の科学文献に記載されている(Quiら, 1996. J Immunol. 156:33
350; Chenら, 1996)。モノクローナルH166は捕捉に有用であろう。なぜなら、
それはIgM性を有し(1分子当たり複数個のFab結合部位を与える)、それは該rHB
sAgの直鎖状または連続的エピトープ(Cys[121]-Lys-Thr-Cys[124])を認識する
からである(Chenら)。
【0040】 モノクローナルH35は、真のコンホメーションエピトープを認識すると考えら
れる。なぜなら、それは、rHBsAg分子の2つの不連続領域(Cys[121]---Leu[175]
)上に位置する13個の残基に結合するからである(Chenら 1996)。したがって
、この抗体は、HRPと結合されることが可能であり、コンホメーションエピトー
プの形成をモニターするためのレポーター抗体として使用されることが可能であ
ろう。
【0041】 これらのエピトープのアミノ酸配列は、線維状ファージ提示ペプチドライブラ
リーを使用するアフィニティー富化実験(「バイオパンニング(biopanning)」
として公知である)から導かれた(Chenら 1996)。H166結合の部位は、バイオ
パンニングに加えて、環状ペプチド競合によっても決定された(L. Mimmsら1989
. Second generation assays for the detection of antibody to HBsAg using
recombinant DNA-derived HBsAg. J. Viral. Methods 25:211-232)。直鎖状「H
166エピトープ」の存在は、H166がウエスタンブロットにおいて単量体p24に結合
するという観察によっても支持されている(L. Mimmsら1989)。
【0042】 該改良rHBsAgを評価するためには、当技術分野において公知のエンザイムイム
ノアッセイを用いることができる。Abbott Laboratoriesから商業的に入手可能
なAUZYMEモノクローナルエンザイムイムノアッセイが好ましい。AUZYMEアッセイ
を用いるには、2工程の操作に関して該製造業者の説明書に従うことができる。
このアッセイは定量的であることが本発明者らの研究で判明している。簡単に説
明すると、B型肝炎表面抗原に対するマウスモノクローナル抗体でコートされた
ビーズを、rHBsAg生成物サンプルと共に、ついでマウスモノクローナル抗HBsAg
ペルオキシダーゼ結合体(抗HBsAg:HRPO)と共にインキュベートする。未結合物
質を洗い落とし、過酸化水素を含有するO-フェニレンジアミン(OPD)溶液を加
えることにより発色させる。黄-オレンジの発色は抗原濃度に比例する。
【0043】 該方法は、図4に、より詳細に記載されている。優れた試験実験技術を各工程
で用いることが重要である。1N硫酸の添加後、OD492において分光光度計で該チ
ューブの吸光度を読取る。
【0044】 得られたデータがグラフ化により分析されうるよう、また、該曲線の中点でサ
ンプルが比較されうるよう、各サンプルにつき少なくとも5レベルの系列希釈を
行なうのが好ましい。例えば、該rHBsAgサンプルが5mcg/mlの場合、該サンプル
は1:10、1:100、1:500、1:1000、1:2000、1:4000および1:8000に希釈されるべき
である。1:500から1:8000のサンプルを調製し、少なくとも二重または三重に試
験する。10mcg/mlのサンプルでは、該サンプルを更に1:16000まで希釈し、1:100
から1:16000で試験する。20mcg/ml、30mcg/mlおよび40mcg/mlのサンプルは、そ
れぞれ1:32000、1:48000および1:64000まで希釈し、試験のための適当な希釈度
で二重または三重の希釈液を調製する。これらの希釈度は代表例であり、当業者
であれば、他の適当な希釈度を使用することが可能である。
【0045】 AUZYMEキットに備えられた陽性および陰性対照と共に、希釈対照を使用すべき
である。該陰性対照に関する3つのOD492吸光度値の平均は-0.006〜0.001の範囲
内であるべきである。ついで、該陽性対照に関してOD492吸光度値の2つを平均し
、その値から該陰性対照を差し引くべきである。得られた値が0.400より大きい
又はそれに等しい場合、該対照は妥当とみなされる。該希釈対照は、OD492で0+/
-0.02の範囲内であるべきである。OPD基質対照を使用し、その測定値はOD492で0
.006および-0.100未満であるべきである。
【0046】 各希釈系列に関するデータから導かれた線の絶対平行性(absolute paralleli
sm)を試験することができる。あるサンプルに関する試験が妥当であるとみなさ
れるためには、そのサンプルに関する絶対平行性における相違が0.17未満である
ことが好ましい。異なる日に試験したサンプルでは、過剰変動性(extravariabi
lity)に関して試験することができる。ある与えられた日に関する試験結果が妥
当とみなされるためには、異なる日に試験した同一サンプルが1.33以内の相違で
あることが好ましい。
【0047】 本発明においては、rHBsAgの調製物の免疫原性に関する測定単位は、マウス効
力アッセイにおいてタンパク質1マイクログラム当たりで測定したED50に基づい
ている。しかしながら、そのアッセイは、結果を得るまでに約2ヵ月を要する。
したがって、本明細書に開示されているELISAアッセイを用い、そのアッセイの
結果をマウス効力アッセイと相関させることが好ましい。該相関性は、該対照の
ED50が既知であるELISAの各実施により、対照としてのrHBsAgの参照調製物をア
ッセイすることによりモニターする。以下のとおりに該相関性を確立した。
【0048】 初期rHBsAg参照物質をインビボマウス効力モデルにおいて試験し、それはタン
パク質0.26mcgのED50値を与えた。該インビトロELISAにおけるこの物質のOD492
に1.0の任意インビトロ効力値を割り当てることにした。ついでELISAおよびマウ
ス効力モデルの両方におけるrHBsAgの種々のバッチに関して、多数の試験を行な
った。該ELISAのそれぞれを、元の参照rHBsAgのELISA結果と相関するELISA結果
を有する対照rHBsAgサンプルと平行して実施した。該対照rHBsAgの予想OD492
果が実験から判明したため、すべてのELISA試験結果は、元の参照rHBsAgにより
確立された尺度と相関させることができた。それらの値は、インビトロELISAに
おける元の参照rHBsAgの効力に関連しているため、インビトロ相対効力(「IVRP
」)値と称される。
【0049】 インビボマウス効力(ED50)に対するインビトロ相対効力のグラフを図5に示
す。各データ点は、モデルマウスおよびELISAの両方において試験されたrHBsAg
のサンプルを表す。これらのデータ点を使用して、ELISAにより得られた相対効
力値に該マウス効力値を関連づける方程式を得た。このようにしてED50およびEL
ISA結果の尺度の相関性を確立したら、ELISA試験を行ない、そして回帰方程式: Log(ED50)=-1.3-(0.92×Log(RP)) (式中、Logは自然対数であり、RPは、前記のとおりにELISAにより得られた相対
効力である)の結果と符合したED50値が判明すると予想することができる。
【0050】 他のB型肝炎ワクチンのELISA応答 血漿由来のデイン粒子を該ELISAアッセイにおいて試験した。この方法により
、デイン粒子は、約5.0の、より高い応答を示した。したがって、本方法により
産生されたrHBsAg生成物に関する高い値(すなわち、2.5より大きな値)は、該r
HBsAg粒子が、B型肝炎ウイルス感染の天然産物(デーン粒子)のものに近い免疫
原性レベルに近づいていることを示している。しかしながら、デーン粒子とは異
なり、組換え法により産生されたHbsAgの粒子は肝炎DNAを含有しない。
【0051】 BIAcore検出器を使用する表面プラズモン共鳴アッセイ 前記のELISAアッセイと同様に、BIAcoreアッセイは、多数の因子、例えばとり
わけ、タンパク質濃度、温度および「接触」時間(注入容積および流速に関連す
るもの)がサンプルおよび参照に関して同一に維持され制御された条件下、rHBs
Agの相対免疫原性の定量的推定値を与える。この技術は、HBsAgのエピトープマ
ッピングに首尾よく用いられている(J-S Tungら 1998. Characterization of R
ecombinant Hepatitis B Surface Antigen Using Surface Plasmon Resonance.
J. Pharmaceutical Sciences, 87:76-80)。
【0052】 該アッセイは以下の形態で行なう。生体分子間相互作用アッセイ(BIA)は、
生体分子の結合をリアルタイムでモニターするためのBIAcore, Inc.により開発
された技術である。それは、表面プラズモン共鳴(SPR)に基づく非侵襲的光学
検出原理を用いる。SPR応答は、分子が結合または解離するにつれて生じる誘導
体化金属(金)センサー表面におけるマスデポジション(mass deposition)の
結果としての屈折率の変化を反映している。分子は該表面に移され、未結合分子
はマイクロ流路送液系により洗い落とされるため、測定される相互作用は実際に
は結合速度論となる。相互作用成分の標識が不要であり、該技術は広範な実験場
面に適用可能である。
【0053】 あらゆるイムノアッセイの場合と同様、該方法の応答および性能発揮のために
は、適切な試薬が重要となる。該改良HBsAgの適切なコンホメーションの形成を
モニターするためにBIAcore技術を用いる場合には、コンホメーションエピトー
プを認識する抗体を使用することが最も有用である。また、侵入B型肝炎ウイル
スの中和に関連したエピトープに抗体が結合することが好ましい。そのような抗
体の一例としては、MAb A1.2と称されるモノクローナル抗体が挙げられる。また
、Chenら 1996のH35モノクローナル抗体が適当であると考えられる。
【0054】 MAb A1.2モノクローナル抗体の可変領域のアミノ酸およびDNA配列は、Lohman
ら, 1993. Molecular Characterization and Structural Modeling of Immunogl
obin Variable Regions from Murine Monoclonal Antibodies Specific for Hep
atitis B Virus Surface Antigen. Molecular Immunol. 30:1295-1306に公開さ
れており、図Cに示されている。これらの配列を使用して、表面プラズモン共鳴
アッセイにおいて使用するための適当な抗体を構築することができる。あるいは
、本明細書に記載の説明から得られるアッセイの実施の知見から、モノクローナ
ル抗体をスクリーニングして、該アッセイにおいて適切に機能する適当なエピト
ープ特異性を有するものを見出すことができる。
【0055】 HBsAg抗原性における変化を分析する場合、その方法は、大まかに以下のとお
りに説明される以下の工程を含む:(1)センサーチップ上へのラット抗マウスF
Cガンマの化学的固定化、(2)ラット抗マウス抗体により捕捉されるMAb A1.2抗
HBsAgの添加、および(3)MAb A1.2により最終的に捕捉される抗原生成物の注入
、(4)該rHBsAg粒子に関する抗原性を、結合rHBsAgの量と結合MAb A1.2の量と
の比として表す。比較サンプルにおける正規化されたタンパク質濃度に関しては
、測定された結合における相違は、該rHBsAgのコンホメーションによるHBsAg抗
原性の相違を表す。したがって、表面プラズモン共鳴アッセイにおいて結合した
rHBsAgの量の増加を追跡することにより、抗原に関連したコンホメーションを有
するrHBsAgの蓄積をモニターすることができる。したがって、与えられたrHBsAg
バッチが、改善された抗原性にいつ到達したかを判定するために、インキュベー
ション工程をモニターすることができる。該抗原性または該rHBsAgを表すために
用いる単位は任意のものであり、個々のアッセイに関する対照実施のみに関連し
ている。
【0056】 マウス効力モデル、ELISAおよび表面プラズモン共鳴アッセイにおいて該改良r
HBsAg生成物の応答を測定するために平行して一連のアッセイを行なうことがで
きる。rHBsAgの多数の調製物の種々の濃度に関する各アッセイにおける一連のデ
ータ点を集めることにより、ELISA、表面プラズモン共鳴アッセイおよびマウス
効力アッセイから得られた応答を相関させるのに有用なデータセットを得ること
ができる。これらのアッセイにおける十分な経験が得られたら、該rHBsAg生成物
の抗原性の全般的なモニターのために主にELISAに依存することができる。また
、該生成物を製造しながらフォールディング工程の進行をモニターするために、
および高レベルのコンホメーション依存性抗原性を該生成物がいつ獲得している
のかを判定するために、表面プラズモン共鳴アッセイに依存することができる。
【0057】 ワクチンにおける改良rHBsAg 血漿由来のHBsAgおよび種々の宿主細胞(例えば、昆虫、酵母、CHO細胞を含む
哺乳類細胞)内で発現されたrHBsAgを含むワクチンが、当技術分野において一般
に使用されている。本発明の改良rHBsAgは、種々の宿主細胞からrHBsAgを製造す
るのに用いられる既存方法に酸化還元工程を加えることにより製造することがで
きる。ついで、本発明で製造されたrHBsAgが使用される任意のワクチンを製造す
るために、その改良されたrHBsAgを使用することができる。これらのワクチンお
よびそれらの製剤は当技術分野で公知であるため、ここでは、それらの以下の名
称を挙げること以上の説明はしない:RECOMBIVAX HB、ENERGIX、COMVAX、PRIMIA
VAX、PENTAVAXおよびTWINRIX。
【0058】 また、該改良rHBsAgを含む医薬上有用な組成物は、公知方法(例えば、医薬上
許容される担体の混合によるもの)に従い製剤化されうると当業者に認識される
であろう。Remington's Pharmaceutical Sciencesを含む実施マニュアルおよび
テキストに例示されている薬学分野の通常の方法を用いて、該改良rHBsAgをアジ
ュバント化し、製剤化することができる。有効な投与に適した医薬上許容される
組成物を形成させるためには、そのような組成物は、該改良rHBsAgの有効量を含
有するであろう。
【0059】 該改良rHBsAgをアジュバント化することにより、特定の組成物を製造すること
ができる。多数のアジュバントが当技術分野において公知である。アルミニウム
アジュバントは、ヒト患者における使用に関して既に承認されているため、頻繁
に使用されている。アルミニウムアジュバントは、アモルファスまたは結晶形態
として提供されうる。一般的なアルミニウムアジュバントには、リン酸アルミニ
ウム、水酸化アルミニウムおよびアルミニウムヒドロキシホスファートが含まれ
る。これらのすべては、該改良rHBsAgと共に使用することができる。
【0060】 当技術分野で用いられているアジュバント化の一般的な方法を該改良rHBsAgに
適用することが可能であり、そのような方法には、アジュバントとrHBsAgとの共
沈殿、および該アジュバント上への該rHBsAgの吸着が含まれる。他のアジュバン
トを使用することも可能であり、それらには、サポニン、脂質(カチオン性脂質
を含む)、CpGモチーフを有するオリゴヌクレオチド、ムラミルジペプチドおよ
びDNAワクチンが含まれる(Donnelly, J.J., Friedman, A., Deck, R.R., DeWit
t, C.M., Caulfield, M.J., Liu, M.A.およびUlmer, J.B. 1997. Adjuvant effe
cts of DNA vaccines. Vaccines 97. F. Brown, F. Burton, P. Doherty, J. Me
kalanosおよびE. Norrby編, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spri
ng Harbor, NY., p.105-111)。
【0061】 本発明の治療用または予防用ワクチンは該改良rHBsAgを含み、肝炎ウイルスに
よる感染に関連した障害を治療または予防するのに十分な量で個体に投与される
。好ましくは、本発明のワクチンを1回量で投与するが、熟練した医師により有
効と判断されるとおりに一定期間にわたり合計用量を2回または3回以上の分割量
で投与することができる。投与回数は、該rHBsAg含有ワクチンが患者に予防用に
投与されるのか治療用に投与されるのかに左右されるであろう。
【0062】 本発明の改良rHBsAgを含むワクチンを用いた場合の投与量および治療計画は、
患者のタイプ、種、年齢、体重、性別および医学的状態;治療すべき状態の重症
度;投与経路;患者の腎臓、肝臓および心臓血管の機能;および使用する個々の
ワクチンを含む種々の要因に従い選択される。通常の技量を有する医師または獣
医は、状態の進行を予防、阻止または抑制するのに必要な薬物の有効量を容易に
決定し、処方することができ、適当な投与計画を決定することができる。
【0063】 2以上の活性免疫原が使用され該活性免疫原が別々の投与製剤中に存在しうる
混合ワクチンの場合には、それらを同時に投与することが可能であり、あるいは
それらのそれぞれを、別々にずらした時点で投与することが可能である。同時投
与の場合には、改良rHBsAgを他の活性免疫原と共に混合ワクチン中に製剤化する
ことができる。例えば、該改良rHBsAgは、例えば以下の免疫原(それらに限定さ
れるものではない)と共に製剤化することができる:髄膜炎菌(Neiserria meni
ngitis)の外膜タンパク質複合体などのタンパク質またはトキソイドに共役した
ヘモフィルス・インフルエンザ(Hemophilus influenza)ポリリビトールホスフ
ァート;麻疹、流行性耳下腺炎および風疹の免疫原;ジフテリアトキソイド;破
傷風トキソイド;全細胞または細胞性のいずれかの百日咳 [細胞性は以下の百日
咳免疫原の少なくとも1つを意味する:百日咳トキソイド(リンパ球増多症促進
因子とも称される)、線維状赤血球凝集素、69kdタンパク質(ペルタクチン(Pe
rtactin)とも称される)、凝集原2および凝集原3];不活化または弱毒化生水痘
帯状疱疹ウイルス(Varicella zoster);髄膜炎菌(Neiserria meningitis)外
膜タンパク質複合体タンパク質またはトキソイドに結合した肺炎球菌(Streptoc
occus pneumonia)莢膜多糖;不活化または弱毒化ポリオウイルス;不活化また
は弱毒化狂犬病ウイルス;ライム病免疫原;および不活化、弱毒化または弱毒化
および不活化されたA型肝炎ウイルス。最後に、免疫原をコードするDNAワクチン
の単体またはそれと他の前記免疫原との組合せと共に、該rHBsAgを製剤化するこ
とができる。
【0064】 該改良rHBsAgで製剤化したワクチンの利点は、より少量の免疫原を使用して、
当技術分野で現在使用されているワクチンと同じ効力を得ることができることで
ある。追加的な利点は、既存の製剤で用いられる量と等しい量の改良rHBsAgを含
む、より強力な応答を患者において与えるワクチンを製剤化しうることである。
【0065】 以下の実施例は例示として記載されており、当業者には他の種々の実施形態が
明らかであるため、以下の実施例は本発明の範囲を限定すると解釈されるべきで
はない。
【0066】 実施例1 改良組換えB型肝炎表面抗原の製造方法 該方法のこの実施形態は、実験室規模のものについて記載されている。しかし
ながら、該方法の規模は、適宜、それに応じた割合で増減されうると当業者に理
解されるであろう。
【0067】 リン酸緩衝食塩水(6mMリン酸塩, 0.15M NaCl)中の滅菌濾過生成物(SFP)を
、当技術分野で公知のとおりに製造し(Wampler 1985)、4℃で保存した。つい
でPyrexガラスボトル中の200mLのSFPの溶液に、グルタチオン(GSH)および酸化
グルタチオン(GSSG)を、それぞれ1.0mMおよび0.2mMの最終濃度になるまで導入
した。混合を完了したら、バッチ温度をインキュベーター中で37℃まで上げた。
【0068】 その温度に達したら、該バッチを44時間インキュベートした。該バッチ重量の
0.01倍と同等量の300mMホルムアルデヒド溶液を導入して、3mMホルムアルデヒド
の最終濃度とした。該ホルマリンを加えた後、該バッチを穏やかに約5分間混合
して、該ホルマリンを分散させた。
【0069】 該攪拌を終了させた後、該バッチを更に60時間インキュベートした。該加熱工
程の開始からこのインキュベーションの終了までの合計時間は100〜105時間とな
ることが好ましい。その時間の終了時に、該バッチを、混合することなく2〜8℃
に冷却する。
【0070】 バッチ温度が2〜8℃に達したら、攪拌を開始し、(5.44%)硫酸アルミニウム
カリウム溶液を該rHBsAg水溶液に加えた。該アジュバント化生成物を、1N NaOH
を加えることにより沈殿させた。沈殿/デカント洗浄(0.15M NaClによるもの、
6回)により該生成物を洗浄した。1.4%ホウ酸ナトリウムを加えて、該rHBsAgを
、開始時と同じ濃度にまで再懸濁させた。この生成物をバルクミョウバン生成物
(BAP)と称することとする。BAPをインビトロ相対効力アッセイにおいて試験し
た。
【0071】 3.0を超えるインビトロ相対効力値が得られうる。インビトロ相対効力値は、
約2.5〜約4.0、通常は約2.75〜約3.5または3.75、一般には約2.75または3.0〜約
3.25または3.5の範囲になると予想されうる。また、該ホルマリン工程を省略し
た場合には、より高い値が得られうる。その場合、前記のとおりに値は4.25、4.
5、4.75、5.0、5.25、5.5、5.75または6.0までの範囲となりうる。
【0072】 この実施例におけるGSH/GSSGの存在下でのインキュベーションは44時間行なっ
たが、該インキュベーションは、前記のとおり、より長時間行ないうることに注
目すべきである。40時間のインキュベーションより約100時間のインキュベーシ
ョンが好ましいかもしれない。しかし、40時間未満のインキュベーションが可能
であるが、少なくとも40時間が好ましい。
【0073】 実施例2 インビボにおける組換えB型肝炎表面抗原の抗原性の測定 動物における適当な免疫応答を招くrHBsAgの免疫原性の、受け入れられている
尺度は、生きたモデルマウスにおけるrHBsAgの効力である。該アッセイを行なっ
て、該動物において免疫応答を得るのに有効なrHBsAgの製剤の用量を測定する。
当技術分野においては、この試験はマウス効力試験と称されることもある。
【0074】 マウス効力(MP)試験は、アジュバント溶液(抗原を含有する1×ミョウバン;
他の成分はrHBsAg製剤と同じである)を使用してrHBsAg生成物の一連の2倍希釈
液を調製し、成体Balb/Cマウスに注射することにより行なう。適当な形式は、8
匹のマウスの5群を用いるものである。rHBsAgの5つの濃度の1つ(例えば、1.0mc
g/mL〜0.0625mcg/mL)で各群を試験する。該アッセイについての経験が得られる
につれて、推定ED50が該試験範囲のほぼ中央部となるように希釈液を得るのが好
ましい。注射後、該マウスを6週間維持し、採血し、「AUSAB-EIA」診断キット(
Abbott Lab)を製造業者の説明書に従い使用して個々の血清を抗HBsAgに関して
試験して、全抗HBsAg B抗体の測定により免疫応答を測定する。該rHBsAgの効力
は、該マウスの50%において抗体応答を惹起する用量(ED50)として記載されて
いる。
【0075】 実施例3 自発的リフォールディングと酸化還元緩衝液介助リフォールディングとの比較 改良rHBsAgを製造するための酸化還元緩衝液の使用に無関係なプロセスパラメ
ーターを制御するために、該酸化還元緩衝液の添加を行なって又は行なわないで
平行して滅菌濾過生成物を加工する3つの実験を行なった。用いる方法は実施例1
に記載のとおりであった。酸化還元緩衝液の存在下および不存在下でのインキュ
ベーションを36℃で40時間行なった。ついで該rHBsAg生成物をインビトロ相対効
力ELISAアッセイにおいて試験した。該データを以下の表に記載し、図6にグラフ
化する。
【0076】
【表1】
【0077】 (+)アームにおいて37℃のインキュベーション中に1.0mM GSHおよび0.2mM GS
SGが含まれた以外は、すべての実験は同一条件下で行なった。同一群(A、Bまた
はC)におけるすべてのサンプルを、同一条件下並行して試験した。
【0078】 実施例4 水溶液中のMAb A1.2アフィニティーと最終液(FAP)および製剤化生成物(BAP )のIVRPとの相関性 バルクミョウバン製剤化rHBsAgのインビトロ相対効力、インビボマウス効力お
よび臨床的作用は、本明細書に開示されているとおりに又は当技術分野で実施さ
れているとおりに、適当な試験によりモニターすることができる。しかしながら
、該rHBsAgを製造するために該方法を実施する場合には、有意な測定の報告のた
めにELISAまたはインビボ方法で要する数日間または数週間を費やさなくてもす
むように、液体非アジュバント化サンプル中のコンホメーション的に活性なrHBs
Agの産生の進行を測定するための手段を用いることが好ましい。
【0079】 BIAcore装置において具体化されている表面プラズモン共鳴(SPR)技術は、コ
ンホメーション的に適当なrHBsAgのリアルタイム成熟をモニターするのに有用で
ある。本実施例においては、加工工程中に採取した液体サンプルのSPR測定をrHB
sAgの参照標準に相関させることによる該技術の使用方法を記載する。
【0080】 該SPR検出器の結合表面は、誘導体化金属、好ましくは金から構成される。本
実施例においては、ラット抗マウスFCガンマをアミンカップリングにより該誘導
体化金表面に共有結合させる。ついで、コンホメーションエピトープに結合する
マウス抗rHBsAgモノクローナル抗体を該検出器と接触させ、該ラット抗マウス抗
体により該表面に結合させる。ついで該検出器表面を、該マウスモノクローナル
抗体による該rHBsAgの結合に適したバッファーで洗浄する。
【0081】 コンホメーションエピトープに結合する抗体を使用することが重要である。抗
体のコンホメーションエピトープに対する結合を試験するための技術が公知であ
る。rHBsAgのコンホメーションエピトープに結合するいくつかの抗体が公知であ
り、それらにはH35(Chenら, 1996)およびMAb A1.2(Lohmanら, 1993)が含ま
れる。MAb A1.2抗体が、好ましい抗体である。
【0082】 該検出器は、ミョウバン上に製剤化された生成物のインビトロ相対効力が既知
であるrHBsAgの参照標準の結合により校正する。SPR技術は、液系内の非アジュ
バント化物質を測定するために用いられるため、参照rHBsAg物質は非アジュバン
ト化形態(好ましくは、滅菌濾過生成物)として維持される必要がある。
【0083】 該検出器は、rHBsAgの参照標準の結合により校正する。SPR技術は、液系内の
非アジュバント化物質を測定するために用いられるため、参照rHBsAg物質は非ア
ジュバント化形態(好ましくは、最終的水性生成物)として維持される必要があ
る。FAP(最終的水性生成物)の参照標準は4℃で2年以上保存されうることが判
明している。該参照体は、少なくとも6ヵ月間(好ましくは2年以上)熟成させる
べきである。該技術は、製造業者の説明書に従い又は文献(Tungら (1998) J. P
harm. Sci. 87, 76-80 (1998); (Biacore AB, Sweden, BIACORE(登録商標) 2000
Instrument HandbookおよびBIA applications Handbook, 1996)に記載されて
いるとおりに実施する。エタノールアミン-HCl、NHS(N-ヒドロキシスクシンイ
ミド)およびEDC(N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩
酸塩)試薬を製造業者(BIAcore)から入手し、説明書に従い使用した。サンプ
ルおよび校正標準を11μg/mlに希釈し(0.15mM NaCl、6mMリン酸塩中で調製)、
TWEEN 20を0.05%まで加える。
【0084】 1)共役抗体:10mM酢酸ナトリウムバッファー(pH4.8)中のラット抗マウスFcg
(BIAcore, Inc.)50μg/mLを、エタノールアミン-HCl試薬を使用するアミンカ
ップリングにより、センサーチップの表面上に固定化する。 2)ついで結合モノクローナル抗体(例えば、アッセイの前に、1.0mg/mlで精製
され、HBSバッファー(濾過され脱気された10mM HEPES, 0.15mM NaCl, 3mM EDTA
, 0.005% TWEEN 20, pH7.4)(Biacore)を使用して50μg/mlに20倍希釈された
Mab A1.2)を注入し、固定化する。 3)抗原の結合:溶液中のrHBsAgを注入すると、特異的抗原-抗体相互作用により
一定量の抗原が固定化されるであろう。 4)再生:該検出器の表面を短時間、酸(例えば、20mM HCl/10mMアスパラギン酸
/1% TWEEN 20)にさらして、共有結合により固定化されていないモノクローナ
ル抗体および抗原を除去して、次のアッセイサイクルのために表面を再生させる
。 5)抗原とモノクローナル抗体との量比を用いて、rHBsAgの被検水性製剤の抗原
性を表す。
【0085】 数ヶ月間で68個のデータ点を蓄積した。11μg/mlの最終的水性生成物の相対抗
原性を、同じ濃度の参照標準に対して測定した。rHBsAgへのMab A1.2の結合を、
6mMリン酸カリウムおよび0.15M NaCl中、20℃で行なった。しかしながら、該ア
ッセイ中、サンプリングブロックを約10℃に冷却した。アッセイサイクルの合間
に、該検出器表面を短時間、酸にさらして、共有結合により固定化されていない
モノクローナル抗体および抗原を除去して、次のアッセイサイクルのために表面
を再生させる。該抗原性を、rHBsAgの量とセンサーチップ表面に結合したMab A1
.2の量との比として表す。ついでこの比を、該校正標準に関する比に対して正規
化した。アジュバントによる製剤化の後、対応するバルクミョウバン生成物上で
ELISAを行ない、IVRP値を導き出した。図7に示すとおり、SPRによるrHBsAgのMab
A1.2結合と通常のELISAによるIVRPとの間で良好な相関性が得られた。
【0086】 本実施例においては、合計68個のデータ点を集めた。各データ点は、ミョウバ
ン製剤化rHBsAg生成物のインビトロ相対効力が測定され液体非アジュバント化rH
BsAg生成物の表面プラズモン共鳴測定と比較されたサンプルを表す。これらのデ
ータ点から、直線のあてはめにより、図7に示す理論的直線およびパラメーター
が得られた。この図は、ミョウバン上で製剤化された生成物のIVRPと最終水性形
態中のrHBsAgの相対抗原性(SPRにより測定された参照標準に対する割合(%)
として表されたもの)との間の直線関係を示している。
【0087】 rHBsAg生成物の液体形態のSPR測定値は、rHBsAg生成物をミョウバンでアジュ
バント化した後で得られたインビトロ相対効力値と良く相関した。したがって、
SPR技術は、該rHBsAg生成物中の存在がインビトロでの抗原性およびインビボで
の免疫原性をもたらすコンホメーションエピトープのリアルタイム形成をモニタ
ーするのに用いることができる。
【0088】 実施例5 チオール化合物を含む酸化還元緩衝液を使用するコンホメーション成熟 還元型および酸化型チオール化合物の種々の濃度および比を酸化還元緩衝フォ
ールディング工程において用いることができる。グルタチオン(GSH)および酸
化型グルタチオン(GSSG)の使用が好ましい。本実施例においては、実施例1の
方法で種々のレベルのGSHおよびGSSHを試験した。
【0089】 すべての工程は、例えばWamplerら (1985)の方法により製造した液体滅菌濾過
rHBsAg生成物を供給することにより開始した。該チオール化合物を加え、該液体
を手短に混合し、約34℃〜約38℃、通常は約36℃に加温した。該液体を、攪拌す
ることなく維持した。サンプルを種々の時点で採取し、表面プラズモン共鳴測定
により参照rHBsAg標準と比較した。
【0090】 当技術分野において認識されているとおり、所望により、残留酸化還元緩衝剤
を該rHBsAgから除去するために、該インキュベーション後にダイアフィルトレー
ション工程を加えることができる。
【0091】 図2Aは、酸化還元緩衝液中でGSHとGSSGとを組合せた場合に相乗効果が生じる
ことを示している。図2Bは、専らGSHの量が増加するにつれて、重要なコンホメ
ーションエピトープを含有するrHBsAgの量の増加が生じることを示している。
【0092】 実施例6 ホルマリンの存在下および不存在下での実験 3個の実験室規模のrHBsAgバッチを、実施例1の方法に従い調製した。バッチA
においては該ホルマリン工程を加え、一方、バッチBおよびCにおいてはホルマリ
ンを加えなかった。該酸化還元インキュベーションは、バッチAおよびBについて
はガラスタンク内で、バッチCについてはステンレス鋼タンク内で行なった。対
照バッチは、該酸化還元緩衝液非存在下、ホルマリン存在下で調製し、ガラスタ
ンク内で実施した。該インキュベーション工程の長さは、該バッチのいずれに関
しても最適化しなかった。
【0093】
【表2】
【0094】 ELISAに基づくIVRPおよびマウスED50の結果は、本発明の方法により製造したr
HBsAgが非常に高い抗原性および免疫原性を有することを示している。前記デー
タを、図5に示す先行技術方法により製造されたrHBsAgに関する従来データと比
較すると、本発明のデータは該従来データの下方かつ右側にプロットされている
【図面の簡単な説明】
【図1A】 rHBsAgに適用されるコンホメーション探索の理論の概要を示す。
【図1B】 rHBsAgに適用されるコンホメーション探索の理論の概要を示す。
【図2A】 37℃でのrHBsAgのグルタチオン媒介コンホメーション探索/成熟。GSHおよびG
SSGの相乗効果。安定なrHBsAg調製物に関して表面プラズモン共鳴により測定し
、任意単位を用いてグラフ化したもの。
【図2B】 37℃におけるrHBsAgのグルタチオン媒介コンホメーション探索/成熟。より高
濃度のGSHにより、より抗原性のHBsAgコンホメーションが得られうる。安定なrH
BsAg調製物に関して表面プラズモン共鳴により測定し、任意単位を用いてグラフ
化したもの。
【図3A】 マウスモノクローナル抗体A1.2の可変領域のヌクレオチドおよびタンパク質配
列(Lohmanら, 1993の図1および2から)。
【図3B】 マウスモノクローナル抗体A1.2の可変領域のヌクレオチドおよびタンパク質配
列(Lohmanら, 1993の図1および2から)。
【図4】 ELISAの実施を示すフローチャート。
【図5】 ELISAにより測定したrHBsAgの抗原性と、マウス効力ED50により測定した免疫
原性との相関性のグラフ。
【図6】 酸化還元緩衝液を加えて及び加えないでコンホメーション探索工程を用いて製
造されたrHBsAgのELISA抗原性を比較するグラフ。
【図7】 表面プラズモン共鳴により測定した相対抗原性に対するインビトロ相対効力(
IVRP)のグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/10 A61K 39/13 39/13 39/25 39/25 39/29 39/29 C07K 14/02 C07K 14/02 C12P 21/02 C C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KR,KZ,L C,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 シツトリン,ロバート アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065−0907、ローウエイ、イースト・リ ンカーン・アベニユー・126 (72)発明者 エイブラハム,デイツキー・ジー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065−0907、ローウエイ、イースト・リ ンカーン・アベニユー・126 (72)発明者 ガーベス,デイビツド・ピー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065−0907、ローウエイ、イースト・リ ンカーン・アベニユー・126 (72)発明者 ギミネス,ジユアン アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065−0907、ローウエイ、イースト・リ ンカーン・アベニユー・126 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA33 DA02 DA06 DA12 HA15 4B064 AG33 CA19 CC24 CD13 CE03 4C085 AA03 AA04 BA10 BA12 BA14 BA16 BA17 BA53 BA79 BA88 BA90 DD03 DD25 DD41 DD53 DD86 EE06 FF02 4H045 AA11 BA10 CA02 DA86 EA31 FA50 FA74 GA05

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2.5のインビトロ相対効力を有する組換えB型肝炎
    表面抗原(rHBsAg)。
  2. 【請求項2】 該インビトロ相対効力が少なくとも3.0である、請求項1に
    記載のrHBsAg。
  3. 【請求項3】 該インビトロ相対効力が少なくとも3.5である、請求項1に
    記載のrHBsAg。
  4. 【請求項4】 該インビトロ相対効力が少なくとも4.0である、請求項1に
    記載のrHBsAg。
  5. 【請求項5】 タンパク質が、酵母、大腸菌(E. coli)、昆虫および哺乳
    類宿主細胞よりなる群から選ばれる宿主内で発現される、請求項1に記載のrHBs
    Ag。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のrHBsAgの治療的に有効な量を含んでなるワ
    クチン。
  7. 【請求項7】 A型肝炎ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス(Varicella zoste
    r)、髄膜炎菌(Neiserria meningitis)外膜タンパク質、肺炎球菌(Streptoco
    ccus pneumonia)莢膜多糖、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、ポリリ
    ビトールホスファート、全細胞百日咳、細胞性百日咳およびポリオよりなる群か
    ら選ばれる少なくとも1つの抗原の治療的に有効な量を更に含む、請求項6に記
    載のワクチン。
  8. 【請求項8】 組換えB型肝炎表面抗原(rHBsAg)の製造方法であって、 a)細胞培養から精製され滅菌濾過されたrHBsAgを準備すること、 b)該rHBsAgに酸化還元緩衝液を加えること、 c)温度を約34℃〜約38℃に調節すること、 d)該rHBsAgを約34℃〜約38℃で約40〜約240時間インキュベートすることを含
    んでなる製造方法。
  9. 【請求項9】 工程cを工程bの前に行なう、請求項8に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 該酸化還元緩衝液が、約1000Da未満の分子量を有するチオ
    ール化合物および対応するジスルフィド化合物よりなる群から選ばれるチオール
    化合物を含む、請求項8に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 該酸化還元緩衝液が、少なくとも1つのチオール化合物と
    少なくとも1つのジスルフィド化合物との混合物である、請求項10に記載の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 チオール化合物のジスルフィド化合物に対する比が約30:1
    から約1:1である、請求項11に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 チオール化合物の濃度が約0.05mM〜約5.00mMである、請求
    項12に記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 グルタチオンの酸化型グルタチオンに対する比が、約20:1
    、約10:1、約10:4、約5:1、約2:1および約1:1よりなる群から選ばれる、請求項
    13に記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 チオール化合物がグルタチオンであり、ジスルフィド化合
    物が酸化型グルタチオンである、請求項13に記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 グルタチオンの濃度が約1.0mMであり、酸化型グルタチオ
    ンの濃度が約0.2mMである、請求項15に記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 e)アルミニウムアジュバントを加え、 f)rHBsAgと該アジュバントとを共沈させる工程 を更に含む、請求項8に記載の製造方法。
  18. 【請求項18】 e)最終濃度約0.01%のホルマリンを加え、 f)rHBsAgを約34℃〜約38℃で約40〜約72時間インキュベートする工程 を更に含み、 工程dのインキュベーションが約40〜約190時間である、請求項8に記載の製造方
    法。
  19. 【請求項19】 g)アルミニウムアジュバントを加え、 h)rHBsAgと該アジュバントとを共沈させる工程 を更に含む、請求項17に記載の製造方法。
  20. 【請求項20】 工程dのインキュベーションが約60時間であり、工程fのイ
    ンキュベーションが約40時間である、請求項17に記載の製造方法。
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