JP2002530114A - 宿主細胞において抗菌カチオン性ペプチドを産生するための効率的な方法 - Google Patents

宿主細胞において抗菌カチオン性ペプチドを産生するための効率的な方法

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Abstract

(57)【要約】 内因性に産生されたカチオン性抗菌ペプチドは、哺乳動物、鳥類、両生類、昆虫、および植物における宿主防御の偏在性成分である。カチオン性ペプチドはまた、治療剤として投与された場合に効果的である。しかし、カチオン性ペプチド療法の実際的な欠点は、薬剤を産生する費用である。本明細書中で記載される方法は、カチオン性ペプチドを組換え宿主細胞から効率的に産生する手段を提供する。これらの組換え的に産生されたカチオン性ペプチドは、宿主細胞タンパク質から陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して迅速に精製され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、一般に、組換えペプチドおよびタンパク質を宿主細胞から得る方法
に関する。詳細には、本発明は、ペプチドが高収率で発現されかつ容易に回収さ
れるカチオン性ペプチドを、組換え宿主細胞から産生および精製する、改善され
たプロセスに関する。
【0002】 (発明の背景) 抗菌性ペプチド、特にカチオン性ペプチドは、その広い抗菌活性のスペクトル
および多剤耐性病原性微生物の急速な発生のため、新規な薬学的物質として注目
が高まっている。内因性ペプチド抗生物質は、哺乳類、鳥類、両生類、昆虫、お
よび植物における宿主防御の遍在的成分である。これらの内因性抗菌性ペプチド
は通常カチオン性両親媒性分子であり、10個から45個のアミノ酸残基および
過剰のリジンおよびアルギニン残基を含む。(概説については、Broekae
rtら、Plant Physiol.108:1353、1995;Ganz
およびLeher,Pharmacol.Ther.66:191,1995;
Martinら,J.Leukoc.Biol.58:128,1995;Ha
ncockおよびLehrer,TIBTECH 16:82,1998参照)
。カチオン性ペプチドの例としては、ウサギのデフェンシン、カニのタキプレシ
ン(tachyplesin)、ウシのバクテネシン(bactenecin)
、カイコガのセクロピン(cecropin)A、カエルのマガイニン、および
ウシのインドリシジン(indolicidin)が挙げられる。ペプチドの作
用の主要な部位は、細菌および他の微生物の細胞膜である。このペプチドは、そ
の両親媒性の性質のため、膜を破壊し、カリウムイオンの損失、膜の脱分極、お
よび細胞質ATPの減少を引き起こす。
【0003】 その新たな合成または貯蔵部位からの放出が迅速に誘導され得るので、カチオ
ン性ペプチドは、微生物の侵入に対する抵抗の初期相において特に重要である。
カチオン性ペプチドはまた、治療薬として投与される場合にも有効である。局所
感染の処置において、例えば、αヘリックスのマガイニン改変体ペプチドは、糖
尿病における複数の微生物による(polymicrobic)足の潰瘍感染に
有効であることが示されており、そしてプロテグリン由来のペプチドは、癌患者
における複数の微生物による口腔の潰瘍の処置に有用であることが見いだされた
(HancockおよびLehrer,TIBTECH 16:82,1998
)。全身性感染に対する効力は、Pseudomonas aeruginos
a腹膜感染の処置に用いられるαヘリックスペプチド、メチシリン耐性Stap
hylococcus aureusおよびバンコマイシン耐性Enteroc
occus faecalisに対するβシートプロテグリン、ならびにAsp
ergillus真菌感染に対する伸長ヘリックスインドリシジンで示されてい
る(Goughら、Infect.Immun.64:4922,1996;S
teinbergら、Antimicrob.Agents Chemothe
r.41:1738,1997;およびAhmadら、Biochim.Bio
phys.Acta 1237:109,1995)。従って、天然に存在する
カチオン性ペプチド、およびその合成改変体は価値のある抗菌性治療薬である。
【0004】 カチオン性ペプチドによる治療の実際的な欠点は、費用効率の良い薬剤の大量
産生方法がないことである。典型的には、カチオン性ペプチドの天然源からの単
離は費用効率が悪く、そして高い効力を有し得る操作されたカチオン性ペプチド
改変体の産生には適用されない。化学的ペプチド合成は天然かまたは操作された
かのいずれかのカチオン性ペプチドの製造に用いられ得るが、このアプローチは
非常に費用がかかる。
【0005】 従って、組換えDNA法を用いた宿主細胞中でのインビボ合成のような、代替
のより経済的かつ効率的な合成方法が必要とされる。研究者らは、カチオン性ペ
プチドの組換え産生のための種々の方法を試みた。例えば、カチオン性ペプチド
は、E.coliまたはStaphylococcus aureusのような
細菌、酵母、昆虫細胞、およびトランスジェニック哺乳類中で産生された(Pi
ersら、Gene 134:7,1993,Reichhartら,Inve
rtebrate Reprod.Develop.21:15,1992,H
ellersら、Eur.J.Biochem.199:435,1991,お
よびSharmaら,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 91
:9337,1994)。
【0006】 E.coliでの産生に多くの注目が集まった。なぜなら、当業者は、E.c
oliにおいて組換えDNA技術を用いると高い生産性が得られるという事実を
熟知しているからである。しかし、小さいペプチドについては、より大きな融合
タンパク質の一部としてそれらを産生することがしばしば必要とされる。この技
術においては、そのペプチドの遺伝子をより大きなキャリアタンパク質の遺伝子
と連結し、そしてその融合体を単一のより大きなタンパク質として発現させる。
合成の後、ペプチドを融合パートナーから切断しなければならない。タンパク質
融合、特に遺伝子発現宿主E.coliにおける多数の文献が存在する。例えば
、多くの組換えタンパク質(例えば、インスリンAおよびB鎖、カルシトニン、
βグロブリン、ミオグロビン、ならびにヒト成長ホルモン)が、E.coli中
で融合タンパク質として産生されている(UhlenおよびMoks、「Gen
e Fusions for Purposes of Expression
,An Introduction」、Methods in Enzymol
ogy 185:129−143 Academic Press,Inc.1
990)。それにもかかわらず、宿主細胞からの組換え遺伝子発現は、特に、特
定のタンパク質を大量に産生することが所望される場合、多くの技術的問題を提
示している。例えば、タンパク質がカチオン性ペプチドの場合、そのようなペプ
チドは、おそらくはその小さいサイズのため、あるいは高度に規則的な三次構造
を欠くために、タンパク質分解を非常に受けやすい。この問題を解決するための
1つのアプローチは、プロテアーゼ欠損E.coli宿主細胞株中で組換えカチ
オン性タンパク質を産生することである(例えば、Williamsら、米国特
許第5,589,364号およびWO96/04373参照)。どのプロテアー
ゼ欠損株が特定の組換えタンパク質に対して有効であるかを予想する一般的な方
法は、まだ存在しない。
【0007】 原則として、組換えDNA技術は簡単(straight forward)
である。しかし、複製、または細菌に対して毒性の産物(例えば、溶解性カチオ
ン性ペプチド)の産生を通じて細菌の増殖を妨害する任意の配列は、クローニン
グすることが困難である。不安定または毒性の外来ペプチド遺伝子産物(例えば
、カチオン性ペプチド)はまた、そのペプチドを宿主細胞タンパク質を含む融合
タンパク質の一部として発現させることによって安定化され得る。例えば、Ca
llawayら、Antimicrob.Agents Chemother. 37:1614,1993は、セクロピンAをE.coli中でL−リブロキ
ナーゼ遺伝子産物の短縮部分との融合ペプチドとして発現させた。Piersら
、Gene 134:7、1993は、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ
およびデフェンシン(HNP−1)または合成セクロピン−メリチンハイブリッ
ドのいずれかを含む融合タンパク質をE.coli中で発現させた。他方、Ha
raら、Biochem.Biophys.Res.Commun.220:6
64,1996は、カイコのモリシン(moricin)をE.coli中でβ
−ガラクトシダーゼまたはマルトース結合タンパク質部分との融合タンパク質と
して発現させた。
【0008】 高効率産生において宿主細菌細胞に対する細菌溶解性ペプチドの毒性の効果を
回避するため、およびペプチドのタンパク質溶解性分解を回避するための、より
良い選択肢の1つは、異種タンパク質を変性した不溶形態として封入体中に駆動
するという細菌宿主に本来そなわっている機構を利用することである。
【0009】 上記に概略を示したアプローチには、小さい単一ペプチド(およそ10%)を
大きい融合タンパク質の中で用いることによって課される、全体としての生産性
に対する固有の限界がある。
【0010】 従って、カチオン性ペプチドを組換え宿主細胞から効率的に産生する手段に対
する必要性が存在する。
【0011】 (発明の要旨) 本発明は、選択されたポリペプチドを大量に発現させるための組成物および方
法を提供する。本発明の1つの局面では、大量の選択されたポリペプチドは、不
溶性タンパク質として発現される核酸分子に作動可能に連結されたプロモーター
を含むマルチドメイン融合タンパク質発現カセットを利用して発現され得、ここ
で核酸分子は、構造(カチオン性ペプチド)−[(切断部位)−(カチオン性ペ
プチド)]nを含むポリペプチドをコードし、ここでnは1から100の間の値
を有する整数である。特定の実施形態において、切断部位が、上記構造(例えば
、(切断部位)−(カチオン性ペプチド)−[(切断部位)−(カチオン性ペプ
チド)]n(切断部位)、ここでnは1から100の間の値を有する整数である
)のいずれの側にも挿入され得る。
【0012】 特定の実施形態では、本明細書に記載の方法を利用して、規定した数の発現さ
れるべきカチオン性配列を特異的に付加するために、ユニット:−(切断部位)
−(カチオン性ペプチド)−が、上記発現カセットに付加され得る。種々の実施
形態において、nは下限で2、3、5、10、または、20、そして上限で10
、15、20、30、40、50、75、または80の値を有する整数である(
例えば、nは約2から30、2から40など、5から30、6または7から40
などの間、10または20まで、から40,50、70または80までの整数で
あり得る)。一例として、1つの実施形態において、nは5から40の間、また
は10から40までの間の値を有する。
【0013】 特定の実施形態において、核酸分子はさらにキャリアタンパク質を含み得る。
種々の実施形態において、キャリアタンパク質が発現カセットによって発現され
る限りにおいて、このキャリアタンパク質は、融合タンパク質のN末端またはC
末端のいずれかに位置し得る。広範な範囲のキャリアタンパク質が利用され得、
例えば、セルロース結合ドメイン(CBD)、またはCBDの断片が挙げられる
。種々の実施形態において、キャリアタンパク質は100アミノ酸長よりも大き
いか、等しいか、あるいはそれ未満であり得る。
【0014】 さらなる実施形態において、発現カセット内の切断部位は、例えば、低pHに
よって、あるいは臭化シアン、2−(2−ニトロフェニルスルフェニル)−3−
メチル−3’−ブロモインドレニン(bromoindolenine)、ヒド
ロキシルアミン、o−ヨードソ安息香酸、Xa因子、トロンビン、エンテロキナ
ーゼ、コラゲナーゼ、Staphylococcus aureus V8プロ
テアーゼ、エンドプロテイナーゼArg−C、またはトリプシンなどの試薬によ
って切断され得る。
【0015】 別の実施形態において、発現カセットは、より詳細には、(a)キャリアタン
パク質、(b)構造(切断部位)−(アニオン性スペーサーペプチド)を有する
少なくとも1つのペプチドを有するアニオン性スペーサーペプチド成分、および
(c)構造(切断部位)−(カチオン性ペプチド)を有する少なくとも1つのペ
プチドを有するカチオン性ペプチド成分から構成され得、ここでこの切断部位は
アニオン性スペーサーペプチドまたはカチオン性ペプチドのいずれの側にでも存
在し得、そしてエレメント(a)、(b)、および(c)は任意の順番および/
または数であり得る。さらなる関連の実施形態において、発現カセットは、(a
)構造(切断部位)−(アニオン性スペーサーペプチド)を有する少なくとも1
つのペプチドを有するアニオン性スペーサーペプチド成分、および(b)構造(
切断部位)−(カチオン性ペプチド)を有する少なくとも1つのペプチドを有す
るカチオン性ペプチド成分から構成され得、ここで上記アニオン性スペーサーペ
プチド成分の累積電荷が上記カチオン性ペプチド成分の累積電荷を減少させる。
【0016】 アニオン性スペーサーが含まれる程度において、このようなスペーサーは、0
、1、2またはそれ以上のシステイン残基を有し得る。特定の実施形態において
、カチオン性ペプチドより多い、同数、または少ないアニオン性スペーサーが融
合構築物中に存在し得る。特定の実施形態において、アニオン性スペーサーはカ
チオン性ペプチドよりもサイズが小さい。
【0017】 広範な範囲の切断部位が利用され得、例えば、メチオニン残基が挙げられる。
加えて、広範な範囲のプロモーターが利用され得、例えば、lacPプロモータ
ー、tacPプロモーター、trcPプロモーター、srpPプロモーター、S
P6プロモーター、T7プロモーター、araPプロモーター、trpPプロモ
ーター、およびλプロモーターが挙げられる。
【0018】 本発明はまた、上記発現カセットを利用して、融合タンパク質を産生する方法
を提供する。1つの実施形態において、このような方法は、概して、発現カセッ
トを含む組換え宿主細胞を、融合タンパク質を産生するに十分な条件下および時
間で培養する工程を包含する。適切な宿主細胞の代表例としては、酵母細胞、真
菌細胞、細菌細胞(例えばE.coli)、昆虫細胞、および植物細胞が挙げら
れる。
【0019】 一旦融合タンパク質を産生すると、これをさらに精製および単離し得る。さら
に、融合タンパク質を切断して、各々の成分とし得る(例えば、低pHを用いて
、あるいは臭化シアン、2−(2−ニトロフェニルスルフェニル)−3−メチル
−3’−ブロモインドレニン、ヒドロキシルアミン、o−ヨードソ安息香酸、X
a因子、トロンビン、エンテロキナーゼ、コラゲナーゼ、Staphyloco
ccus aureus V8プロテアーゼ、エンドプロテイナーゼArg−C
、またはトリプシンなどの試薬によって)。
【0020】 さらに、融合タンパク質または切断されたカチオン性ペプチドは、クロマトグ
ラフィー法を用いて精製され得る(例えば、陰イオンクロマトグラフィーカラム
または樹脂)。特定の実施形態において、カラムは、カラムに上記カチオン性ペ
プチドを付する前に、塩基によって荷電され、そして水で洗浄され得る。種々の
実施形態において、カラムは、水および約8Mまでの尿素で平衡化され得る。さ
らに、カチオン性ペプチドは、約8Mまでの尿素を含む溶液中に可溶化される。
さらなる実施形態において、カチオン性ペプチドは、温和な有機溶媒(例えば、
アセトニトリル、あるいはメタノールまたはエタノールのようなアルコール)を
含む溶液中に可溶化される。
【0021】 本発明のこれらおよび他の局面は以下の詳細な説明および添付の図面を参照す
ることで明らかになる。加えて、種々の参照文献が以下に示され、そしてその全
体が本明細書中に参考として援用される。
【0022】 (発明の詳細な説明) (1.概論) 上記のように、固有に不安定または毒性の外来ペプチド遺伝子産物を安定化す
るための首尾のよいアプローチは、これらを関連の宿主細胞中で安定性を示すタ
ンパク質に融合させて発現させることである。しかし、小さいカチオン性ペプチ
ドの場合、融合タンパク質の産生は、所望のペプチドの小さな部分および明白な
低収率を生じる。生産性およびそれゆえプロセスの経済性における主たる利益は
、融合タンパク質における所望のペプチドの割合が実質的に大きい場合に達成さ
れ得る。この概念に対する好適な経路(route)は、リンカー配列により分
離されたペプチドの連続的な配列のコピーを含む融合タンパク質(コンカトマー
(concatomer)またはマルチドメインタンパク質)の発現に関係する
。リンカーは、コンカトマー(マルチドメインタンパク質)が切断されて、所望
のペプチドのモノマーを与える位置であり、この所望のペプチドは切断プロセス
の結果として、改変されたC末端を有する可能性が高い。
【0023】 他方で、1つの融合タンパク質当たりのカチオン性ペプチドのコピーの数の増
加は、このタンパク質を、ますます塩基性のタンパク質とし、このことは、融合
タンパク質の発現に影響し得、および/または宿主細胞に対するその毒性を増大
させ得る。
【0024】 組換え産生されるマルチドメインカチオン性タンパク質の高い塩基性を克服し
、そしてまたその毒性を低減させる1つのアプローチは、小さな酸性ペプチド配
列を、カチオン性ペプチドの正電荷を中和するリンカー配列中に含めることであ
る。マルチドメインタンパク質中のカチオン性ペプチドを高い割合にするという
経済的概念を保つために、酸性ペプチドはできる限り小さく、好ましくはカチオ
ン性ペプチドよりも小さく設計することが重要である。カチオン性ペプチドおよ
びアニオン性スペーサーからなるマルチペプチド前駆体構造の天然現象が、記述
されている(Casteels−Jossonら(1993)EMBO J.、
12巻、1569−1578)。この刊行物におい.て、著者らは、抗菌性カチ
オン性ペプチドであるアピダエシン(apidaecin)の、ミツバチ(Ap
is mellifera)などの昆虫中での天然の産生を記載している。アピ
ダエシンは、複数の繰り返し前駆体単位を含む単一の遺伝子として生成され、各
々がアピダエシンペプチド遺伝子(18アミノ酸)とそれに先立つ酸性スペーサ
ー領域(6−8アミノ酸)からなる。さらなる実施形態において、Leeら、P
rotein Exp. Purif 12:53(1998)は、E.col
iにおいて、1融合タンパク質当たり6コピーのカチオン性ペプチド、ブフォリ
ン(buforin)IIを発現した。これはまた、酸性ペプチドとしてカチオ
ン性ペプチド配列と交互に改変されたマガイニン介在配列を含んでいた。マガイ
ニン介在配列は、この配列が隣接するシステイン残基を含むことで「改変」され
ていた。Leeら「酸性ペプチド中のシステイン残基の存在は、融合ペプチドマ
ルチマーの高レベル発現のために重要であった」による。
【0025】 初期の研究において、本発明者らは、異なるサイズのキャリアタンパク質を用
いてカチオン性ペプチドのモノマー形態およびポリマー形態を発現させた。これ
らの研究の試験キャリアタンパク質は、Clostridium cellul
ovorans cellulose binding protein A由
来の同じもののCBDおよびその断片であった。選択したキャリアタンパク質は
、E.coli中で不溶形態としての高発現および蓄積の要件を満たしていた。
このアプローチは、カチオン性融合ペプチド遺伝子の数が3コピーを超える場合
に発現における有意な減少によって制限された。4コピーを超えるペプチド遺伝
子を含むベクターからは実質的に発現しなかった。新たな手順が設計され、これ
は、負に荷電したペプチドをコードする特定のアニオン性スペーサー配列を用い
て関連のカチオン性ペプチド遺伝子の増倍を可能とした。これらの研究において
、アニオン性スペーサーペプチドは、11アミノ酸から構成された。カチオン性
ペプチド−アニオン性スペーサーペプチドマルチドメインタンパク質をコードす
る種々の遺伝子を構築し、そしてキャリアタンパク質に融合させた。30コピー
を超える関連のカチオン性ペプチド遺伝子を含む全ての構築物について高レベル
の発現が、達成された。次の研究において、カチオン性ペプチド遺伝子とアニオ
ン性スペーサーのポリマーをキャリアから放出させ、そして直接発現させた。こ
れらの構築物は、高レベルの発現、およびキャリアを含まないマルチドメインタ
ンパク質中での標的カチオン性ペプチドの高いパーセンテージを達成した。
【0026】 (2.定義) 以下の説明において、多数の用語が、広範に用いられる。以下の定義は、本発
明の理解を容易にするために提供される。
【0027】 「構造遺伝子」はメッセンジャーRNA(mRNA)に転写されるヌクレオチ
ド配列であり、次いでこれは、特定のポリペプチドに特有なアミノ酸の配列に翻
訳される。
【0028】 本明細書において「核酸」または「核酸分子」は、デオキシリボ核酸(DNA
)、リボ核酸(RNA)、オリゴヌクレオチド、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR
)によって生成される断片、ならびにライゲーション、切断、エンドヌクレアー
ゼ作用、およびエキソヌクレアーゼ作用のいずれかによって生成される断片のい
ずれをも意味する。核酸は、モノマーから構成され得、このモノマーは天然に存
在するヌクレオチド(例えば、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチ
ド)、または天然に存在するヌクレオチドのアナログ(例えば、天然に存在する
ヌクレオチドのα−エナンチオマー形態)、あるいは両方の組合せである。「単
離された核酸分子」は、生物のゲノムDNAとして組み込まれていない核酸分子
である。例えば、細胞のゲノムDNAから分離されたカチオン性ペプチドをコー
ドするDNA分子は、単離されたDNA分子である。単離された核酸分子の別の
例は、生物のゲノムに組み込まれていない化学的に合成された核酸分子である。
【0029】 「単離されたポリペプチドまたはタンパク質」は、炭水化物、脂質、核酸(D
NAまたはRNA)のような混入細胞成分、あるいは性質上このポリペプチドに
付随する他のタンパク質性不純物を本質的に含まないポリペプチドである。好ま
しくは、単離されたポリペプチドは、所望の用量での臨床的注射のために十分純
粋である。特定のカチオン性ポリペプチド調製物が単離されたカチオン性ポリペ
プチドを含むか否かは、尿素/酢酸ポリアクリルアミドゲル電気泳動およびこの
ゲルのクーマシーブリリアントブルー染色、逆相高速液体クロマトグラフィー、
キャピラリー電気泳動、核酸検出アッセイ、およびリムルスアメーバ様細胞溶解
物試験(Limulus Amebocyte Lysate test)のよ
うな方法を用いて決定され得る。このような方法の利用することによって、単離
されたポリペプチド調製物は少なくとも約95%の純粋なポリペプチドである。
【0030】 「不溶性ポリペプチド」は、細胞を破砕して開き、細胞細片を遠心分離(例え
ば、10,000gから15,000g)で沈殿させた場合に、SDSポリアク
リルアミドゲルとクーマシーブルー染色で決定されるように可溶性成分を実質的
に生成しないポリペプチドをいう。
【0031】 「プロモーター」は、構造遺伝子の転写を指向するヌクレオチド配列である。
典型的には、プロモーターは、構造遺伝子の転写開始部位に近接する遺伝子の5
’領域に位置する。プロモーターが誘導性プロモーターの場合、転写速度は、誘
導因子に応じて増大する。対照的に、プロモーターが構成性プロモーターである
場合、転写速度は、誘導因子によって調節されない。
【0032】 用語「発現」は、遺伝子産物の生合成をいう。例えば、構造遺伝子の場合、発
現は、構造遺伝子のmRNAへの転写およびmRNAの1つ以上のポリペプチド
への翻訳を含む。
【0033】 「クローニングベクター」は、プラスミド、コスミド、またはバクテリオファ
ージのような核酸分子であり、これは宿主細胞中で自律的に複製する能力を有す
る。クローニングベクターは、典型的には、1つまたは少数の制限エンドヌクレ
アーゼ認識部位を含み、ここに外来のヌクレオチド配列が、ベクターの必須な生
物学的機能を損なうことなく、決定可能な様式で挿入され、同様に、マーカー遺
伝子をコードするヌクレオチド配列が挿入され得る。ここでこのマーカー遺伝子
は、クローニングベクターによって形質転換された細胞の同定および選択におけ
る使用に適する。マーカー遺伝子は、典型的には、抗生物質耐性を提供する遺伝
子を含む。
【0034】 「発現ベクター」は、宿主細胞中で発現する遺伝子をコードする核酸分子(プ
ラスミド、コスミド、またはバクテリオファージ)である。典型的には、遺伝子
の発現は、プロモーターの制御下に置かれ、そして必要に応じて、少なくとも1
つの調節エレメントの制御下に置かれる。このような遺伝子は、プロモーターに
「作動可能に連結した(された)」といわれる。同様に、調節エレメントおよび
プロモーターは、その調節エレメントがプロモーターの活性を調節する場合、作
動可能に連結されている。
【0035】 「組換え宿主」は、クローニングベクターまたは発現ベクターのいずれかを含
む任意の原核生物または真核生物細胞であり得る。この用語はまた、遺伝子操作
されて宿主細胞の染色体またはゲノム中にクローニング遺伝子を含む原核生物ま
たは真核生物細胞も包含する。
【0036】 本明細書において使用される「カチオン性ペプチド」は、9以上の等電点(p
I)を有するペプチドをいう。カチオン性ペプチドは、少なくとも5アミノ酸長
であり、そして少なくとも1つの塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン、リジン
、ヒスチジン)を有する。カチオン性ペプチドは、通常50アミノ酸より多くを
有さず、そして典型的には10から35アミノ酸残基を含む。
【0037】 「キャリアタンパク質」は、宿主細胞中で独立して発現され得るアミノ酸配列
であり、そして所望のペプチドまたはポリペプチドに対して組換え融合されるこ
とによってキャリアとして働き得、所望のペプチドの宿主細胞中での発現を可能
にする。
【0038】 「アニオン性スペーサーペプチドドメイン」は、会合したカチオン性ペプチド
の正電荷を低減させるに十分にアニオン性のペプチド配列である。すなわち、カ
チオン性ペプチドとアニオン性スペーサーペプチドとの組合せは、本質的にわず
かに正、負または中性の正味電荷を有する。アニオン性スペーサードメインのサ
イズは、カチオン性ペプチドドメインのサイズと同様であるが、好ましくはそれ
より小さい。
【0039】 本明細書において使用される「融合タンパク質」は、少なくとも2つの遺伝子
のヌクレオチド配列を含む核酸分子によって発現されるハイブリッドタンパク質
である。「マルチドメインタンパク質」は、カチオン性ペプチドを残りのマルチ
ドメインタンパク質から分離するための適切な切断部位を有する、好ましくは1
つより多くの「カチオン性ペプチドドメイン」とそれと同数、少ないあるいは多
い数の「アニオン性スペーサーペプチドドメイン」との組合せを含む。マルチド
メインタンパク質は、より高い発現および/または安定性を達成するために、キ
ャリアタンパク質に融合し得る。マルチドメインタンパク質の安定性および発現
レベルが十分である場合、キャリアタンパク質を用いる必要はない。「アニオン
性スペーサーペプチド成分」は、切断部位を有する少なくとも1つのアニオン性
スペーサーペプチドを含む。カチオン性ペプチド成分の「累積電荷」は、カチオ
ン性ペプチド成分を含む全てのカチオン性ペプチドの総電荷をいう。同様に、ア
ニオン性スペーサーペプチド成分の「累積電荷」は、アニオン性スペーサーペプ
チド成分を含む全てのアニオン性スペーサーペプチド総電荷をいう。
【0040】 本明細書において使用される「抗菌活性」は、微生物を殺滅するか、またはそ
の増殖を防ぐ能力、あるいは微生物感染細胞を殺滅するか、またはその増殖を防
ぐ能力をいう。用語「微生物」は、細菌、真菌、酵母、藻類、原生動物、および
ウイルスを包含する。この用語は、これらのカチオン性ペプチドの生物学的活性
の全ての解釈的説明を含むがこれらに限定されない。
【0041】 (3.カチオン性ペプチド遺伝子を含むベクターの構築および発現) (a.カチオン性ペプチド発現ベクター) 本発明は、上記で定義した用語のような「カチオン性ペプチド」の産生を意図
する。例えば、適切なカチオン性ペプチドとしては、限定されないが、天然に存
在するカチオン性ペプチドおよびそのアナログ、セクロピン(通常、鱗翅目(S
teinerら、Nature 292:246,1981)および双翅目(M
errifieldら、Ciba Found.Symp.186:5,199
4)、ブタ腸によって(Leeら、Proc.Nat’l Acad. Sci
.USA 86:9159、1989)、海の原索動物(protochord
ate)の血液細胞(Zhaoら、FEBS Lett.412:144,19
97)によって作られる)、セクロピンAの合成アナログ、メリチン、およびセ
クロピン−メリチンキメラペプチド(Wadaら、Int.J.Pept.Pr
otein Res.40:429,1992)、セクロピンBアナログ(Ja
ynesら、Plant Sci.89:43,1993)、キメラセクロピン
A/Bハイブリッド(During、Mol.Breed.2:297,199
6)、マガイニン(Zasloff,Proc.Nat’l Acad.Sci
USA 84:5449,1987)、ヒト、ウシ、ブタ、マウス、ウサギ、
およびヒツジの白血球由来のカテリン関連抗菌性ペプチド(Zanettiら、
FEBS Lett.374:1,1995)、脊椎動物デフェンシン(例えば
、ヒト好中球デフェンシン[HNP1−4]、マウスおよびヒトの小腸のパネー
ト細胞デフェンシン(OuletteおよびSelsted,FASEB J.
10:1280,1996;Porterら,Infect.Immun.65
:2396,1997))、脊椎動物β−デフェンシン(例えば、ヒト上皮細胞
のHBD−1(Zhaoら、FEBS Lett.368:331,1995)
)、炎症を起こしたヒトの皮膚のHBD−2(Harderら、Nature
387:861,1997)、ウシβ−デフェンシン(Russellら、In
fect.Immun.64:1565,1996)、植物デフェンシン(例え
ば、ラディッシュ種子のRs−AFP1(Fehlbaumら、J.Biol.
Chem.269:33159,1994))、α−およびβ−チオニン(St
uartら、Cereal Chem.19:288,1942;Bohlma
nnおよびApel.Annu.Rev.Physiol.Plant Mol
.Biol.42:227,1991)、γ−チオニン(Broekaertら
、Plant Physiol.108:1353、1995)、抗真菌ドロソ
マイシン(drosomycin)(Fehlbaumら、J.Biol.Ch
em.269:33159,1994)、アピダエシン(ミツバチ、マルハナバ
チ、ハナダカバチモドキ、スズメバチ(hornet)、スズメバチ(yell
ow jacket)、およびスズメバチ(wasp)によって産生される)(
Casteelら、J.Biol.Chem.269:26107,1994;
Levashinaら、Eur.J.Biochem.233:694,199
5)、カテリシジン(cathelicidin)(例えば、ウシ好中球由来の
インドリシジン(indolicidin)(Fallaら、J.Biol.C
hem.277:19298,1996))、バクテリオシン(bacteri
ocin)(例えば、ナイシン(nisin)(Delves−Brought
onら、Antonie van Leeuwenhoek J.Microb
iol.69:193,1996))、ならびにプロテグリン(protegr
in)およびタキプレシン(tachyplesin)(これは抗真菌、抗菌お
よび抗ウイルス活性を有する)(Tamamuraら、Biochim.Bio
phys.Acta 1163:209、1993;Aumelasら、Eur
.J.Biochem.237:575、1996;Iwangaら、Ciba
Found. Symp. 186:160,1994)が挙げられる。例示
的なカチロン性ペプチドを、表1に列挙する。
【0042】 表1 例示のカチオン性ペプチド**
【0043】
【表1】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】 カチオン性ペプチドをコードする核酸分子は、天然源から単離され得、あるい
はまた核酸分子の自動合成によって、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で
カチオン性ペプチドの既知のヌクレオチド配列に基づくヌクレオチド配列を有す
るオリゴヌクレオチドプライマーを用いて得られ得る。後者のアプローチでは、
カチオン性ペプチド遺伝子は、相互にプライミングした長いオリゴヌクレオチド
を用いて合成される(例えば、Ausbelら(編)、Short Proto
cols in Molecular Biology,第3版、8−8から8
−9頁(John Wiley & Sons 1995)、「Ausubel
(1995)」参照)。ポリメラーゼ連鎖反応を用いた確立された技術は、少な
くとも長さ2キロ塩基のDNA分子を合成する能力を提供する(Adangら、
Plant Molec. Biol.21:1131,1993;Bambo
tら、PCR Method and Applications 2:266
,1993;Dillonら、「Use of the Polymerase
Chain Reaction for the Rapid Constr
uction of Synthetic Genes」、Method in
Molecular Biology,第15巻:PCR Protocol
s:Current Methods and Applications,W
hite(編)、263−268頁(Humana Press,Inc.19
93);Holowachukら、PCR Methods Appl.4:2
99,1995)。
【0051】 上記のように、天然のカチオン性ペプチドのアナログはまた、現在記載した方
法によって組換え的に産生され得る。コドンの存在は、発現に対して有害な効果
を有し得、従って、所望のカチオン性ペプチドをコードするDNA配列は、特定
の宿主系、この場合はE.coliに対して至適化される。新規カチオン性ペプ
チドのアミノ酸配列は、例えば、Fallaら、WO97/08199によって
、およびFraserら、WO98/07745によって開示される。
【0052】 カチオン性ペプチドアナログの1つの型は、天然に存在するカチオン性ペプチ
ドのアミノ酸配列と比べて1つ以上の保存的アミノ酸置換を有するペプチドであ
る。例えば、既知のカチオン性ペプチド配列の1つ以上のアミノ酸置換を含むカ
チオン性ペプチドアナログが案出され得、ここで天然アミノ酸配列のアルキルア
ミノ酸をアルキルアミノ酸に置換し、天然アミノ酸配列の芳香族アミノ酸を芳香
族アミノ酸に置換し、天然アミノ酸配列の硫黄含有アミノ酸を硫黄含有アミノ酸
に置換し、天然アミノ酸配列のヒドロキシ含有アミノ酸をヒドロキシ含有アミノ
酸に置換し、天然アミノ酸配列の酸性アミノ酸配列を酸性アミノ酸に置換し、天
然アミノ酸配列の塩基性アミノ酸を塩基性アミノ酸配列に置換し、あるいは天然
アミノ酸配列の二塩基性モノカルボキシル化アミノ酸(dibasic mon
ocarboxylic amino acid)を二塩基性モノカルボキシル
化アミノ酸に置換する。
【0053】 一般的なアミノ酸のなかでも、例えば、「保存的アミノ酸置換」は、以下の各
群中のアミノ酸内での置換によって例示される:(1)グリシン、アラニン、バ
リン、ロイシン、およびイソロイシン、(2)フェニルアラニン、チロシン、お
よびトリプトファン、(3)セリンおよびトレオニン、(4)アスパラギン酸お
よびグルタミン酸、(5)グルタミンおよびアスパラギン、および(6)リジン
、アルギニンおよびヒスチジン。
【0054】 このような「保存的アミノ酸」アナログをコードするヌクレオチド配列は、例
えば、オリゴヌクレオチド指向性変異誘発、リンカー−スキャニング変異誘発、
ポリメラーゼ連鎖反応を用いる変異誘発などによって得られ得る(Ausbel
(1995)、8−10〜8−22頁;およびMcPherson(編)、Di
rected Mutagenesis:A Practical Appro
ach(IRL Press 1991)を参照のこと)。このようなアナログ
の抗菌活性は、本明細書に記載のアッセイのような標準的方法を用いて決定され
得る。あるいは、カチオン性ペプチドアナログは、抗カチオン性ペプチド抗体を
特異的に結合する能力によって同定され得る。典型的には、カチオン性ペプチド
アナログは、対応の天然に存在するカチオン性ペプチドの活性の少なくとも50
%、および好ましくは70、80または90%を超える活性を示すべきである。
【0055】 カチオン性ペプチド改変体を構築する1つの目的は、その活性を向上させるこ
とであり得るが、天然に存在するカチオン性ペプチドのアミノ酸配列を変化させ
て組換え宿主細胞中でのその産生を増強することもまた所望され得る。例えば、
ラディッシュのカチオン性ペプチドをコードするヌクレオチド配列は、ラディッ
シュ中で一般に見いだされるが、E.coliでは稀なコドンを含み得る。稀な
コドンの存在は、ラディッシュカチオン性ペプチドを組換えE.coli中で発
現させる場合に、タンパク質レベルに対して有害な効果を有し得る。ヌクレオチ
ド配列を変更して、コドン使用の問題を軽減する方法は、当業者に周知である(
例えば、Kane,Curr.Opin.Biotechnol.6:494,
1995,Makrides,Microbiol.Rev.60:512,1
996,およびBrown(編)、Molecular Biology La
bFax(BIOS Scientific Publishers,Ltd.
1991)(これは245−253頁にコドン使用の表を提供する)を参照のこ
と)。
【0056】 本発明は、上記で定義した用語の「アニオン性スペーサーペプチド」の使用を
意図する。下記のように、例示のアニオン性スペーサーペプチドは、アミノ酸配
列HEAEPEAEPIMを有し、ここでメチオニン残基が切断部位として用い
られ得る。同様の天然に存在するアニオン性スペーサーペプチドの例は、EAE
PEAEP,EAKPEAEP,EAEPKAEP,EAESEAEP,EAE
LEAEP,EPEAEPおよびEAEPを包含する(Casteels−Jo
ssonら、EMBO J.,12:1569−1579,1993)。上記例
示のものの二重または他の組合せのようなさらなるアニオン性スペーサーペプチ
ドは、カチオン性ペプチドの産生での使用に適している。マルチドメインタンパ
ク質の概念における特定のカチオン性ペプチドの発現のためにアニオン性スペー
サーペプチドを設計する場合、以下の基準を心に留めておくべきできである:ア
ニオン性スペーサーペプチドの負電荷は、マルチドメイン融合タンパク質のカチ
オン性ペプチドの正電荷を実質的に低減するべきであり、切断点は、マルチドメ
インタンパク質が切断されて所望のペプチドのモノマーを与える場所に存在しな
ければならず、そしてアニオン性スペーサーペプチドは、好ましくは、カチオン
性ペプチドよりも小さい。このような融合タンパク質は、カチオン性ペプチドお
よびアニオン性スペーサーペプチドの単位を変更して設計され得る。しかし、こ
のような立体配置は、必要とされない。カチオン性ペプチドおよびアニオン性ス
ペーサーペプチドの任意の配列は、マルチドメインタンパク質中のコンカトマー
の累積電荷が宿主細胞中での発現に影響しない限り、許容可能である。
【0057】 本明細書に記載の実施例において、セルロース結合ドメイン(CBD)キャリ
アタンパク質は、カチオン性ペプチドを産生するための方法を例示するように用
いられる。キャリアタンパク質のさらなる適切な例としては、限定されないが、
グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、Staphylococc
us aureus プロテインA、プロテインAの2つの合成IgG結合ドメ
イン(ZZ)、外膜プロテインF、β−ガラクトシダーゼ(lacZ)、および
バクテリオファージλおよびバクテリオファージT7の種々の産物が挙げられる
。本明細書で提供される教示から、他の多くのタンパク質が、キャリアとして用
いられることが明らかである。CBD断片の使用で示されるように、宿主細胞中
で高度に発現される限り、キャリアタンパク質全体を使用する必要はない。単純
性かつ経済性のために、適切なキャリアタンパク質は、できる限り小さく(10
0程度のアミノ酸残基、あるいは好ましくはそれより小さく)あるべきである。
いくつかの場合では、システイン残基を欠くキャリアタンパク質、あるいは1つ
を超えないシステイン残基を含むキャリアタンパク質のいずれかの使用が所望さ
れる。また、CNBr試薬が、連結したペプチドを放出するために使用される場
合、切断部位以外ではメチオニン残基を避けることが望ましい。
【0058】 カチオン性ペプチド配列の単離を容易にするために、切断されやすいアミノ酸
を用いて、マルチドメインタンパク質中のキャリアタンパク質、カチオン性ペプ
チド部分、およびアニオン性スペーサーペプチド部分を架橋し得る。切断部位の
アミノ酸配列の決定および設計は、切断のストラテジーおよびカチオン性ペプチ
ド、アニオン性スペーサーペプチド、およびキャリアタンパク質のアミノ酸配列
に大きく依存する。カチオン性ペプチドの除去は、ペプチド結合に特異的な任意
の既知の化学的または酵素的切断を通じて達成され得る。化学的切断としては(
R.A.Jue&R.F.Doolittle,Biochemistry,(
1985)24:162−170;R.L.Lundblad、Chemica
l Reagents for Protein Modification(
CRC Press、Boca Raton,FL;1991)5章)、限定さ
れないが、メチオニンでの臭化シアン切断(Met↓)、トリプトファンでのN
−クロロスクシンイミドまたはo−ヨードソ安息香酸(Trp↓)、アスパラギ
ニル−グリシン結合でのヒドロキシルアミン(Asn↓Gly)、あるいはアス
パルチル−プロリン結合での低いpH(Asp↓Pro)によって処理されるも
のが挙げられる。あるいは、文献に記載された多数のプロテアーゼがあるが、大
部分は切断部位に対しての特異性がほとんどない。行われ得る酵素的切断として
は、限定されないが、Xa因子、XIIa因子、トロンビン、エンテロキナーゼ
、コラゲナーゼ、Staphylococcus aureus V8プロテア
ーゼ(エンドプロテイナーゼGlu−C)、エンドプロテイナーゼArg−C、
エンドプロテイナーゼLys−C、キモトリプシンまたはトリプシンによって触
媒されるものが挙げられる。
【0059】 カチオン性ペプチド遺伝子を発現させるために、このペプチドをコードする核
酸分子は、発現ベクター中で転写および翻訳(発現)を制御する調節配列に作動
可能に連結されなければならず、そして次に宿主細胞中に導入される。加えて、
発現ベクターは、発現ベクターを保有する細胞の選択に適したマーカー遺伝子を
含み得る。
【0060】 本発明の発現ベクターは、カチオン性ペプチド遺伝子の1つを超えるコピーを
有するマルチドメイン融合タンパク質をコードする核酸分子を含む。理解される
ように、キャリアタンパク質ドメイン、アニオン性スペーサーペプチド成分、お
よびカチオン性ペプチド成分を有するマルチドメイン融合タンパク質は、カチオ
ン性ペプチド遺伝子の2個から30個を超えるコピーを含み得る。アニオンスペ
ーサーペプチド成分を欠くが、キャリアタンパク質ドメインおよびカチオン性ペ
プチド成分を含むマルチドメイン融合タンパク質は、2個から4個のカチオン性
ペプチド遺伝子のコピーを含む。さらに、キャリアタンパク質ドメインを欠くが
、アニオン性スペーサーペプチドおよびカチオン性ペプチド成分の両方を含むマ
ルチドメイン融合タンパク質は、5個から20個を超えるカチオン性ペプチド遺
伝子のコピーを含み得る。
【0061】 好ましくは、カチオン性ペプチドは、原核生物宿主細胞中で産生される。原核
生物宿主中でポリペプチドを発現させるために用いられ得る適切なプロモーター
は当業者に周知であり、そして例えば、特定のファージRNAポリメラーゼによ
り認識されるT4、T3、SP6およびT7プロモーター、バクテリオファージ
λのint、PRおよびPLプロモーター、E.coliのtrp、recA、熱
ショック、lacUV5、tac、lpp−lacSpr、phoA、lacP
、tacP、trcP、srpP、araP、およびlacZプロモーター、B
.subtilisのプロモーター、Bacillusのバクテリオファージの
プロモーター、Streptomycesプロモーター、catプロモーターの
blaプロモーターが挙げられる。原核生物プロモーターは、Glick、J.
Ind.Microbiol.1:277,1987,Watsonら、Mol
ecular Biology of the Gene、第4版(Benja
min Cummins 1987)によって、およびAusbelら(199
5)によって総説されている。
【0062】 好適な原核生物宿主としては、E.coli、Bacillus subti
lus、およびStaphylococcus aureusが挙げられる。適
切なE.coliの株としてはBL21(DE3)、BL(DE3)pLysS
、BL21(DE3)pLysE、DH1、DH4I、DH5、DH5I、DH
5IF’、DH5IMCR、DH10B、DH10B/p3、DH11S、C6
00、HB101、JM101、JM105、JM109、JM110、K38
、RR1、Y1088、Y1089、CSH18、ER1451、およびER1
647(例えば、Brown(編)、Molecular Biology L
abfax(Academic Press 1991)参照)が挙げられる。
適切なBacillus subtilusの株としては、BR151,YB8
86、MI119,MI120、およびB170(例えば、Hardy「Bac
illus Cloning Method」、DNA Cloning:A
Practical Approach,Glover(編)(IRL Pre
ss 1985)参照)が挙げられる。Staphylococcus aur
eusの例示的な株はRN4220である(Kreiswirthら、Natu
re 305:709、1983)。本発明はプロテアーゼ欠損の細菌株を使用
することを必要としない。
【0063】 発現ベクターは、リン酸カリウムトランスフェクション、微粒子銃仲介送達(
microprojectile−mediated delivery)、エ
レクトロポレーションなどを包含する種々の標準的技術を用いて、宿主細胞中に
導入され得る。発現ベクターを細菌細胞中に導入する方法は、Ausubel(
195)によって提供される。原核生物宿主中でタンパク質を発現するための方
法は、当業者に周知である(例えば、Williamsら「Expressio
n of foreign proteins in E.coli usin
g plasmid vectors and purification o
f specific polyclonal antibodies」、DN
A Cloning 2:Ecpression Systems,第2版、G
loverら(編)、15頁(Oxford University Pres
s 1995);およびGeorgious、「Expression of
Proteins in Bacteria」、Protein Engine
ering:Principles and Practice、Clelan
dら(編)、101頁(John Wiley & Sons,Inc.199
6)参照)。
【0064】 カチオン性ペプチドはまた組換え酵母細胞中で発現され得る。酵母中での発現
のためのプロモーターとしては、GALI(ガラクトース)、PGK(ホスホグ
リセレートキナーゼ)、ADH(アルコールデヒドロゲナーゼ)、AOXI(ア
ルコールオキシダーゼ)、HIS4(ヒスチジノールデヒドロゲナーゼ)などが
挙げられる。多くの酵母クローニングベクターが設計されており、容易に入手可
能である。これらのベクターとしてはYIpベースのベクター(例えばYIp5
)、YRpベクター(例えばYRp17)、YEpベクター(例えばYEp13
)およびYCpベクター(例えばYCp19)が挙げられる。酵母細胞中での発
現に適した多様なベクターがあることが当業者には理解される。
【0065】 バキュロウイルス系はカチオン性ペプチド遺伝子を昆虫細胞中で発現するため
の効率的な手段を提供する。適切な発発現ベクターはAutographa C
alifornica核多角体病ウイルス(AcMNPV)に基づき、そしてD
rosophila熱ショックタンパク質(hsp)70プロモーター、Aut
ographa Californica核多角体病ウイルス前初期遺伝子プロ
モーター(ie−1)および後初期39Kプロモーター、バキュロウイルスp1
0プロモーター、およびDrosophilaメタロチオネインプロモーターの
ような周知のプロモーターを含む。適切な昆虫宿主細胞としては、IPLB−S
f−21、Spodoptera frugiperda蛹卵巣細胞株(例えば
Sf9(ATCC CRL 1711)、Sf21AE、およびSf21(In
vitorogen Corporation;San Diego、CA))
、ならびにDrosophila Schneider−2細胞が挙げられる。
組換えタンパク質をバキュロウイルス系中で産生するための確立された技術は、
Baileyら、「Manipulation of Baculovirus
Vectors」、Methods in Molecular Biolo
gy、第7巻:Gene Transfer and Expression
Protocols;Murray(編)、147−168頁(The Hum
ana Press,Inc.1991)、Patelら、「Baculovi
rus expression System」、DNA Cloning 2
:Expression Systems、第2版、Gloverら(編)、2
05−244頁(Oxford University Press 1995
)、Ausubel(1995)、16−37から16−57頁、Richar
dson(編)、Baculovirus Expression Proto
cols(The Humana Press,Inc.1995)、およびL
ucknow、「Insect Cell Expression Techn
ology」、Protein Engineering:Principle
s and Practice、Clelandら(編)、183−218(J
ohn Wiley & Sons,Inc.1996)によって提供される。
組換えタンパク質をバキュロウイルス系から単離するための確立された方法は、
Richardson(編)、Baculovirus Expression
Protocols(The Humana Press,Inc.1995
)に記載されている。
【0066】 組換え宿主細胞は、当該分野で公知の手段に従って培養され、至適な細胞増殖
を達成する。組換え細菌宿主、好ましくはE.coliの場合、増殖の必要条件
を満たす栄養材料を含む適切な培養培地に細菌を導入する。播種の後、細菌は分
裂し続け、そして濃度が飽和密度に達するまで増殖する。例えば、振盪フラスコ
発酵はこの時点に達するまで30℃で15〜17時間必要であり得る。次に細菌
を新鮮な培地中で1:3に希釈し、そして中期または後期の対数増殖期まで増殖
させ、この時点でカチオン性ペプチドの合成を誘導する。細菌が関連の組換えタ
ンパク質を合成するように誘導するいくつかの方法がある。適切な誘導条件はE
.coliの株およびそれが含むプラスミドによって異なる。例えば、温度依存
性誘導の場合、誘導は温度を42℃まで上昇させ、そしてこれを約1時間から約
5時間まで好適なpH範囲である6.5−7.2で維持することによって得られ
る。所望の遺伝子の発現が至適レベルに達したとき、細菌を収穫し、そして細胞
を凍結するか、あるいは回収プロセスを続ける。
【0067】 (b.キャリアタンパク質−カチオン性ペプチドをコードするヌクレオチド配
列を有する例示ベクター) 実施例で詳細に記載するように、例示のキャリアタンパク質遺伝子を含むプラ
スミドを構築した。簡単に述べると、T7発現プラスミドであるプラスミドベク
ターpET21a(+)(Novagen Corporation,USA)
を最初の研究のためのコアプラスミドとして用いた(図1A)。プラスミドpE
T−CBD180(Shpigelら、Biotech.Bioeng.65:
17−23,1999参照)をセルロース結合ドメイン(CBD)キャリアタン
パク質をコードする遺伝子の供給源として用いた(図1B)。PCR反応を、C
BD180遺伝子を含むフラグメントをpET−CBD180から646bpフ
ラグメントとして増幅するように設計した(図1C)。BamHI制限部位(G
GATCC)を、CBD180PCRフラグメントの3’末端に組み込んだ。p
ET−CBD180のBglIIまたはXbaI部位およびBamHIを用いて
PCRフラグメントを切り出し、そして2つのフラグメントを別々にpET21
a(+)に連結して、2つのプラスミドpET21CBD−BおよびpET21
CBD−Xをそれぞれ得た(図1D)。プラスミドpET21CBD−XはpE
T21a(+)由来のlacOを含み、これはT7発現系の調節を向上させる。
両プラスミドは終止コドンをBamHIの顆粒に含み、CBD180タンパク質
の発現を可能にする。T7発現系は、E.coliMC4100中でpGP1−
2に基づいて調製され、これはT7 RNAポリメラーゼ遺伝子を、cI857
熱感受性リプレッサーによって制御されるλRプロモーターの下で担う。CBD
180タンパク質は両系で高レベルで発現された。プラスミドpET21CBD
−Xを次の研究のために用いた。
【0068】 インドリシジンは天然の13アミノ酸抗菌性カチオン性ペプチドであり、ウシ
好中球の細胞質顆粒中に存在し、そして39%のトリプトファンおよび23%プ
ロリンから構成される独特の組成を有する。最初の研究は、インドリシジンの修
飾から誘導される2つのカチオン性ペプチド、MBI−11ペプチド(ILKK
WPWWPWRRK)およびMBI−11B7ペプチド(ILRWPWWPWR
RK)をFellaら、WO97/08199、およびFraserら、WO9
7/07745に記載のように、用いた。インドリシジン型カチオン性ペプチド
MBI−11をコードする遺伝子を、BamHIおよびHindIIIクローニ
ング部位で合成し、CBD180キャリアタンパク質に融合し、発現させた。発
現のレベルは高く、CBD180単独の場合と等しかった。次に、2つのMBI
−11遺伝子の直列(2×11)をCBD180に融合すると、再び高発現が達
成された。カチオンペプチドのキャリアタンパク質に対する比率を増大させるた
めに、CBD180の177アミノ酸を短縮して96アミノ酸とし、そしてこの
バージョンのキャリアタンパク質(CBD96と称する)を新しいキャリアタン
パク質として用いた。CBD96を保有するDNAフラグメントを、pET−C
BD180を鋳型として用いて、PCRによって調製し、そしてpET21a(
+)中にクローニングしてプラスミドpET21CBD96を得た。MBI−1
1遺伝子の単一または二重コピーの両方をCBD96に融合し、そして高レベル
で発現させた。次に10個までのMBI−11ユニットを含むポリ遺伝子を調製
した。しかし、4個のMBI−11遺伝子を直列で含む融合タンパク質での発現
が達成されたのみであった。遺伝子数が3個を越えると発現の劇的な減少に直面
した(図2および3)。
【0069】 (c.キャリアタンパク質−カチオン性ペプチドとアニオン性スペーサーをコ
ードするヌクレオチド配列を有する例示のベクター) 他のアプローチにおいて、カチオン性ペプチドドメインの間にアニオン性ペプ
チドスペーサーを有するマルチドメイン融合タンパク質を含むベクターを、構築
した。このマルチドメイン遺伝子の構築方法は、任意のカチオン性ペプチド遺伝
子をアミノ酸配列を変化させることなく重合することを可能にした。最初の研究
では、MBI−11B7カチオン性ペプチドを用いた。
【0070】 MBI−11B7カチオン性ペプチド遺伝子および負に荷電したペプチドスペ
ーサーを特定する3つの別個のDNAカセットを合成し:11B7−ポリ、アニオ
ン性スペーサー、および2×11B7−ラスト(last)(図4)、そして適
切なプラスミドベクター中にクローニングした。11B7−ポリのカセットおよ
びスペーサーのカセットを互いに連結して、11B7ポリ−スペーサーカセット
を得た。アニオン性スペーサーペプチドおよびカチオン性ペプチド遺伝子をMe
tに関するコドンによって隔て、臭化シアン(CNBr)による切断のための部
位を創製した。Alaおよび終止コドンを特定する2つのコドンをラスト2×1
1B7遺伝子に連結した。2×11B7−ラストカセットを、次にCBD96を
コードする遺伝子の下流に、pET21CBD96中にクローニングし(図5)
、プラスミドpET21CBD96−2×11B7を得た。このプラスミドを後
でいくつかの融合マルチドメイン遺伝子の構築に用いた。11B7ポリ−スペー
サーカセットを連続的クローニング手順で用い、これは11B7遺伝子を、pE
T21CBD96発現系中でマルチドメイン誘導CBd96−スペーサー−ポリ
11B7タンパク質に重合することを可能にする(図6)。nコピー(ここでn
=3から30)のMBI−11B7遺伝子および(n−2)スペーサーを含む全
てのマルチドメイン構築物が高レベルで発現した。発現の例を図7に示す。連続
的クローニング手順を加速するために、5個の11B7ドメインおよび5個のア
ニオン性スペーサードメインを含む重合カセットを調製し、そして15個を越え
る(すなわち、20コピー、25コピー、30コピーなど)11B7ドメインを
含むマルチドメイン遺伝子の構築に用いた。このカセットは末端にアニオン性ス
ペーサーペプチドを有し、次に終止コドンを有する。このカセットの使用により
、同数の11B7およびスペーサードメインを含むCBD96ベースのマルチド
メイン系の構築が可能となった。
【0071】 (d.カチオン性ペプチドとアニオン性スペーサーをコードするヌクレオチド
配列を有するが、キャリアタンパク質を欠く例示のベクター) マルチドメインタンパク質の1つの系列は、n×MBI−11B7ペプチドお
よびn−2のアニオン性スペーサーペプチドを含む。n=5の場合、マルチドメ
インタンパク質の分子量は13.46kDaに等しく、これはE.coli中で
の発現に十分な大きさであるはずである。およそこのサイズのマルチドメイン遺
伝子を含むDNAフラグメントを、関連のプラスミドから制限エンドヌクレアー
ゼNdeIおよびHindIIIを用いて切り出し、そして特別に設計されたリ
ーダー11B7ドメインを含むプラスミド中に融合した。E.coli中で、全
てのタンパク質中の最初のメチオニンはホルミル−メチオニンとして翻訳され、
これはCNBrによって切断できない。従って、キャリアを含まないマルチドメ
インタンパク質は、第1のドメインがM−T−Mアミノ酸で開始するような方法
で修飾され、これによりCNBrが第1のペプチドを二番目のメチオニンで切断
し、真正のペプチドを遊離することが可能となった。プラスミドpET21−3
S−5×11B7およびpET21−5S−7×11B7の関連部分を図8に示
す。5から14コピーのMBI−11B7遺伝子を含むキャリアを含まないマル
チドメイン構築物全てが、図7で示されるように、高レベルで発現した。同じ方
法で、同数の11B7とアニオン性スペーサードメインとを含み、スペーサー配
列が末端にある構築物を調製した。これらもまた高レベルで発現した。実験的に
得られたマルチドメインタンパク質内のMBI−11B7ペプチドの理論的収率
は表2に見ることができる。
【0072】 本発明はまた、他の抗菌性カチオン性ペプチド(MBI−26)のさらなる例
を提供し、これは上記ペプチド(MBI−11B7)の2倍のサイズであり、2
6個のアミノ酸を含み、ここでこれらの内の7個が塩基性アミノ酸である。この
ペプチドは天然の抗菌性カチオン性ペプチドであるセクロピンおよびメリチンの
選択された配列間の融合によって人工的に設計された。本発明において、カルボ
キシ末端の最後のアミノ酸であるセリンをメチオニン残基で置き換え、これをマ
ルチドメインタンパク質からのペプチドの遊離のために用いた。このペプチドの
産生は、MBI−11B7について上記したように、マルチドメインタンパク質
法を用いて、宿主細胞中での組換え合成によって得られた。詳細は実施例8で提
供する。
【0073】 表2 発現に成功した構築物*およびそのマルチドメインタンパク質中のMBI−1
1B7カチオン性ペプチドの理論的割合のまとめ(キャリアタンパク質有りまた
は無し)
【0074】
【表2】
【0075】* 発現の例は図7に見ることができる。
【0076】 (4.組換え宿主細胞によって産生されるカチオン性ペプチドの精製およびア
ッセイ) 組換え宿主細胞によって産生されるタンパク質の回収のための一般的な技術は
、例えば、Grisshammerら、「Purification of o
verproduced proteins from E. coli ce
lls」、DNA Cloning 2:Expression system
s、第2版、Gloverら(編)、59−92頁(Oxford Unive
rsity Press 1995)、Georgiou、「Expressi
on of Proteins in Bacteria」、Protein
Engineering:Principles and Practice、
Clelandら(編)、101頁(John Wiley & Sons,I
nc.1996)、Richardson(編)、Baculovirus E
xpression Protocols(The Humana Press
,Inc.1995)、およびEtcheverry、「Expression
of Engineered Proteins in Mammalian
Cell Culture」、Protein Engineering:P
rinciples and Practice、Clelandら(編)、1
63頁(Wiley−Liss,Inc.1996)で提供される。カチオン性
ペプチドの単離および精製におけるバリエーションは当業者によって考案され得
、例えば、アフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー
、イオン交換クロマトグラフィー、HPLCなどが挙げられる(例えば、Sel
sted「HPLC Methods for Purification o
f Antimicrobial Peptides」、Antibacter
ial Peptide Protocols、Shafer(編)(Huma
na Press,Inc.1997))。特定の精製方法を以下に記載する。
【0077】 本発明は、宿主細胞中のカチオン性ペプチドの組換え産生のための、新規な、
スケールアップ可能な、費用効率的な精製プロセスを提供する。マルチドメイン
融合ポリペプチドはE.coli中で不溶性の複合体を形成し、これは封入体と
呼ばれる。細菌を機械的に破砕した後に、これらの封入体を当該分野で公知の手
段(例えば、濾過または沈殿)に従って細胞の可溶性成分から分離し得る。宿主
の不純物は、界面活性剤(TritonX−100)のような溶媒、酵素(リゾ
チーム、DNAse)および塩を用いて除去され得る。
【0078】 カチオン性ペプチドはアニオン性スペーサーペプチドおよびキャリアタンパク
質(短縮型CBDなど)から標準的な技術を用いて遊離され得る。メチオニン残
基が所望の切断点に含められている場合、例えば、臭化シアン(CNBr)試薬
による酸性環境中での化学的切断が用いられ得る。反応は、70%ギ酸または7
0%ギ酸と0.1N HClまたは70%TFA(トリフルオロ酢酸)中で行わ
れ得る。反応の最後に(反応は4〜15時間持続し得る)、反応混合物を水中で
、好ましくは反応混合物の15倍の容量で希釈し、そして次に乾燥する。この段
階で、カチオン性ペプチドのカルボキシル末端はホモセリンラクトンとして存在
する。
【0079】 ポリカチオン性ペプチドの等電点は非常に高く(10.5−12.5)、これ
により、普通でない条件下でアニオン交換クロマトグラフィー間カラムを用いて
、非常に独特の精製プロセスの開発が可能になる。弱いまたは強いカチオンリガ
ンドとカップリングされたほとんど全てのアニオン交換樹脂、特に工業的目的で
タンパク質、ペプチド、炭水化物および核酸を精製する目的で使用されるものは
、以下のカチオン性ペプチドのための精製プロセスにおいて用いられ得る。この
手順は95%精製を得るためにわずか1回のクロマトグラフィー工程を必要とす
るのみである。このクロマトグラフィーの利点は、短時間で、迅速に、高圧装置
を必要とせず、そして有機溶媒なしで行えることである。好ましい手順は、乾燥
した切断物質を7〜8Mの尿素(あるいは、50%エタノールまたは水)に溶解
し、そしてこれをアニオン交換カラムにロードすることによる。この段階で、ロ
ードした試料のpHは酸性(pH2〜3)である。カラムは予め、2カラム容量
の0.5〜1MのNaOHで洗浄し、そして1度、水で短時間洗浄して、カラム
の出口で測定して10mS未満、好ましくは1mS未満の伝導率とする。所望の
切断物質が8M尿素に溶解された場合、ロードする前に8M尿素で1度、カラム
を洗浄することが好ましい。不純物とは対照的に、カチオン性ペプチドはカラム
を通過するのに対して、不純物は樹脂に吸着し、それにより分離される(図9)
。この段階で、カチオン性ペプチドのカルボキシ末端は転換され、そしてホモセ
リンとして現れる。さらに、カチオン性ペプチド試料のpHを酸性から塩基性(
pH11より高く)に変化させる。
【0080】 アニオン交換カラムにロードされる乾燥した切断物質が7〜8M尿素の存在下
である場合、フロースルーする精製ペプチドは尿素溶液中にあり、これは高スル
ープットの逆相クロマトグラフィーによって、灌流支持体Poros20または
50 R−2樹脂(PerSeptive Biosystems Inc.)
を用いて、分離およびさらに精製され得る。大量生産のためにはPoros50
の方が、より良好なフローと、高圧装置の使用が避けられるという事実のため、
好ましい。
【0081】 他のより一般的ではあるが、より高価な手順は、当該分野で公知の手段、例え
ば逆相クロマトグラフィーに従って行われ得、ここで乾燥した切断物質は水また
は0.1%TFA中に溶解され、そしてC8またはC18カラム上に、RP−H
PLC技術を用いてロードされ得る。しかし、この方法は高圧装置および有機溶
媒を必要とし、そしてC末端ホモセリンラクトンを有するカチオン性ペプチドを
もたらす。
【0082】 上記の研究において、組換えカチオン性ペプチドMBI−11B7は、マルチ
ドメイン構築物から得られた。その結果、CNBr切断はホモセリンラクトン残
基の形成をカルボキシ末端で引き起こし、これはpHを上昇させると容易にホモ
セリンに転化する。このカルボキシ末端は、殺菌剤のアミド化化学合成MBI−
11B7CNとは異なる。それゆえ、抗菌活性を化学的および組換えで合成した
カチオン性ペプチド間で比較した。
【0083】 カチオン性ペプチドの活性を決定するための多くのインビトロ法があり、これ
には、アガロース希釈MICアッセイ、ブロス希釈、時間−死滅(time−k
ill)アッセイ、または等価法が挙げられる(例えば、Shafer(編)、
Antibacterial Peptide Protocols(Huma
na Press,Inc.1997)参照)。抗生物質活性は、代表的には、
微生物または微生物感染細胞の増殖の阻害または死滅として測定される。
【0084】 例えば、カチオン性ペプチドを、最初に、カルシウムおよびマグネシウムを補
充したMueller Hintonブロスに溶解し、そして次に、この溶液を
融解アガロースと混合する。他のブロスおよび寒天は、ペプチドがその媒体を通
って自由に拡散できる限りにおいて、使用され得る。アガロースをペトリ皿また
はウェルに注いで固化させ、そして試験株をアガロースプレートに適用する。試
験株を、部分的にペプチドの意図された適用に基づいて、選択する。プレートを
終夜インキュベートし、そして細菌の増殖に関して目視検査する。カチオン性ペ
プチドの最小阻止濃度(MIC)は、生物体の増殖を完全に阻害するペプチドの
最小濃度である。試験株、あるいは株のグループに対して許容できる活性を示す
ペプチド(代表的には16μg/ml以下のMICを有する)をさらなる試験に
供し得る。
【0085】 あるいは、時間−死滅曲線を用いて、設定した時間(代表的には24時間)に
わたるコロニー数の違いを決定し得る。簡単に述べると、既知濃度の生物体の懸
濁液を調製し、そしてカチオン性ペプチドを添加する。懸濁液のアリコートを設
定時間毎に取り出し、希釈し、培地にプレートし、インキュベートし、そして計
数する。MICは生物体の増殖を完全に阻止するペプチドの最小濃度として測定
される。
【0086】 カチオン性ペプチドはまた、正常な哺乳動物細胞に対するその毒性についても
試験され得る。アッセイの一例は、赤血球(RBC)(赤血球(etythro
cyte))溶血アッセイである。簡単に述べると、このアッセイにおいて、赤
血球を代表的には遠心分離で全血から単離し、そして血漿成分を含まないように
洗浄する。等張性食塩水中の5%(v/v)の赤血球の懸濁液を、異なる濃度の
カチオン性ペプチドと共にインキュベートする。37℃で約1時間のインキュベ
ーションの後、細胞を遠心分離し、そして上清の吸光度を540nmで測定する
。溶解の相対的測定値は、NH4Clまたは等価物を用いた赤血球の完全溶解後
の吸光度(100%値を確立)と比べることにより決定される。100g/ml
で10%未満の溶解のペプチドが適切である。好ましくは、カチオン性ペプチド
は100g/mlで5%未満の溶解を誘導する。溶解性ではないカチオン性ペプ
チド、あるいはわずかに穏やかな溶解性のものが望ましく、そしてさらなるスク
リーニングに適している。インビトロ毒性はまた、培養した哺乳動物細胞に対す
る毒性の測定によっても評価し得る。
【0087】 さらなるインビトロアッセイが、カチオン性ペプチドの治療的可能性を評価す
るために行われ得る。このようなアッセイとしては、処方物中へのペプチドの可
溶性、血液または血漿中での薬理学、血清タンパク質結合、二次構造の分析(例
えば円偏光二色性法による)、リポソームの透過性、および細菌内膜の透過性が
挙げられる。
【0088】 本発明の場合、MBI−11B7CN、MBI−11B7HSL(ホモセリン
ラクトン形態)およびMBI−11B7HS(ホモセリン形態)の抗菌活性を、
種々のグラム陰性およびグラム陽性株(抗生物質耐性株を含む)に対して試験し
た。アッセイは「Methods for Dilution Antimic
robial Susceptibility Tests for Bact
eria That Grow Aerobically−Fourth Ed
ition;Approved Standard」NCCLS文書M7−A4
(ISBN 1−56238−309−4)第17巻、第2号(1977)に記
載のようにして行った。ペプチドの最小阻止濃度(MIC)の測定は、MBI−
11B7HSLおよびMBI−11B7HSペプチドが、アミド化MBI−11
B7CNペプチドと同様の抗菌活性を維持することを示した。実施例13の表3
参照。
【0089】 カチオン性ペプチドはまた、インビボで、効力、毒性などについて試験され得
る。選択されたペプチドの抗生物質活性は、インビボで、種々の動物モデルを用
いて、微生物感染を軽減するその能力について評価され得る。カチオン性ペプチ
ドは、微生物の増殖の阻害がベヒクル単体による阻害と比べて統計的に有意であ
るならば、治療的に有用であると考えられる。この測定は、体液または部位から
単離された培養物から直接的に行われ得、あるいは感染動物の生存率の評価によ
って間接的に行われ得る。抗菌活性の評価のために、いくつかの動物モデルが利
用可能であり、例えば、(a)致死量の微生物を受容した正常マウス、(b)致
死量の微生物を受容した好中球減少(neutropenic)マウス、または
(c)心臓に接種を受けたウサギを含む急性感染モデル、および慢性感染モデル
である。選択されるモデルはカチオン性ペプチドの意図される臨床的適応症に一
部は依存する。
【0090】 例として、正常マウスモデルにおいて、マウスにipまたはivで致死量の細
菌を接種する。代表的には、用量は90−100%の動物が2日以内に死亡する
量である。このアッセイのための微生物株の選択は、一部は、カチオン性ペプチ
ドの意図される適用に依存する。簡単に述べると、接種の直前または直後(通常
60分以内)に、カチオン性ペプチドを適切な処方緩衝液中で注射する。カチオ
ン性ペプチドの複数回の注射が投与され得る。動物を感染後、最高で8日間観察
し、そして動物の生存率を記録した。成功した処置は動物を死亡から救うか、ま
たは、非処置対照動物と比べて、統計的に有意なレベルで死亡を遅らせるかのい
ずれかである。
【0091】 ペプチドのインビボ毒性は、ある範囲の用量で、意図される臨床的使用によっ
て一部は規定される経路で、動物(典型的にはマウスに)投与することによって
測定され得る。動物の生存率を記録し、そしてLD50、LD90-100、および最大
許容用量(MTD)を計算して、カチオン性ペプチドの比較を可能とし得る。
【0092】 カチオン性ペプチドの低い免疫原性もまた、インビボでの使用のために好まし
い特性である。免疫原性を測定するために、ペプチドを正常な動物(通常ウサギ
)に注射する。単回または複数回の注射の後の種々の時間で、血清を得て、ペプ
チドアナログに対する抗体反応性について試験する。ペプチドに対する抗体はE
LISA、免疫沈殿アッセイ、ウェスタンブロット、および他の方法によって同
定され得る(一般に、HarlowおよびLane、Antibodies:A
Laboratory Manual,(Cold Spring Harb
or Laboratory Press,1988)を参照のこと)。
【0093】 本明細書に記載のマルチドメイン融合タンパク質を含む発現ベクターを用いて
、組換え宿主細胞の総タンパク質の25%より多くを表すマルチドメイン融合タ
ンパク質を産生し得る。マルチドメイン融合タンパク質はカチオン性ペプチド遺
伝子の複数のコピーを含むので、融合タンパク質のカチオン性ペプチド成分は実
質的に融合タンパク質の50%を越えて獲得され得る。
【0094】 本発明は、このように一般的に記載したが、以下の実施例を参照すると、さら
に容易に理解されるであろう。これらの実施例は、例示のために提供され、本発
明の限定を意図しない。
【0095】 (実施例1) (プラスミドpET21CBD−X(B)およびpET21CBD96の構築
) T7発現プラスミドであるプラスミドベクターpET21a(+)(Nova
gen Coroporation,USA)を、全ての発現系に対してコアプ
ラスミドとして用いた(図1Aおよび10)。Clostridium cel
lulovorans由来のセルロース結合ドメイン(CBD)を、抗菌性カチ
オン性ペプチドの発現のためのキャリアタンパク質として選択した。プラスミド
pET−CBD180(Shpigelら、前出)を出発物質として用いた(図
1Bおよび10)。VspIおよびNsiI(Promega Corpora
tion,USA)を除く制限酵素、T4 DNAリガーゼおよびTaqポリメ
ラーゼをPharmacia Biotechから購入した。CBDの関連部分
(pET−CBD180のT7プロモーターを含む)をPCRによって、各25
pmolの各々のプライマーGCGT CCGG CGTA GAGG ATC
G(配列番号1)およびCCGG GATC CAAT GTTG CAGA
AGT AG(配列番号2)、2UのTagDNAポリメラーゼ、対応する反応
緩衝液(10×PCR反応緩衝液:500mMのKCl、15mMのMgCl2
、100mMのTris−HCl、pH9)、0.2mMのdNTP(dATP
、dGTP、dTTPおよびdCTP、Pharmacia Biotech)
および20ngの熱変性pET−CBD180を用いて増幅した。PCRはMJ
−Research PTC−100熱サイクラー中で、50μlの反応容量で
、94℃、30秒;55℃、30秒、および72℃、30秒で30サイクル行っ
た。BamHI制限部位(GGATCC)をcbd遺伝子の3’末端に取り入れ
て、これがpET21a(+)中にクローニングされるようにした。すでにpE
T−CBD180上に存在するBglII(AGATCT)またはXbaI(T
CTAGA)部位を用いて,PCRフラグメントの5’末端を切断した。1μg
のPCR産物を、1.5×OPA(Pharmacia Biotechアッセ
イ緩衝液One−Phor−Allを10×濃度で補充:100mMのTris
−酢酸、pH7.5;100mMの酢酸マグネシウムおよび500mMの酢酸カ
リウム)ならびに10UのBamHIおよび10UのHindIIIを含む10
0μlの反応中で消化した。プラスミドpET21a(+)を同じ方法で、各々
0.25μgのプラスミドDNA、1.5×OPAおよび2UのBamHIおよ
びHindIIIを各々含む2×50μlの反応中で消化した。反応をフェノー
ル/CHCl3抽出およびエタノール沈殿で停止した。得られた、消化されたp
ET21a(+)ならびに関連のcbdおよびdbd96挿入物のDNAペレッ
トを、8μlの水に溶解し、そして次いで2μlの10mM ATP、2μlの
10×OPAおよび2UのT4 DNAリガーゼを加え、そして反応を10℃で
1時間インキュベートした。2μlの各ライゲーション混合物を用いて、40μ
lのE.coli XL1 Blue(Promega Corporatio
n)を、滅菌したGene Pulserキュベット(0.2cm電極ギャップ
)および2.5kV、200オームおよび250μFにセットした、Gene
Pulserエレクトロポレーション装置(Bio−Rad Laborato
ries)を用いてエレクトロポレーションした。エレクトロポレーションパル
ス後、1mlのTB培地(Maniatisら、Molecular Clon
ing: A Laboratory Manual、第2版(Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press 1989)を細
胞懸濁液に加え、そして細菌を1時間37℃で激しく振盪しながらインキュベー
トした。次いで、10、50および100μlの細胞懸濁液をMacKonke
y寒天(BBL、Becton Dickinson and Company
,USA)プレート上に100μg/mlのアンピシリンと共に播種し、37℃
で一晩インキュベートした。次の日、いくつかのコロニーを2mlのTBに移し
、37℃で激しく振盪しながら一晩培養した。次いでプラスミドDNAを単離し
、そして当業者に公知の方法によるDNA配列決定を含めて分析した。ポジティ
ブクローンはプラスミドpET21CBD−BまたはpET21CBD−Xを各
々含んでいた(図10)。プラスミドpET21CBD−XはlacOを含み、
これはT7発現系の調節を向上させる。両プラスミドが、BamHIの下流に終
止コドンを含み、CBD180他の発現を可能とする。T7発現系は、E.co
liMC4100F(株MC4100FはE.coli XL 1 Blueお
よびE.coli MC4100の交配によって調製した;ATCC番号356
95)中で、pET変異体およびpGP1−2に基づいて調製され、これはT7
RNAポリメラーゼ遺伝子をcI857熱感受性リプレッサーで制御されるλ
Rプロモーターの下に保有する(TaborおよびRichardson,Bi
ochemistry 82:1074,1985)。CBD180タンパク質
は、両方の系中で高レベルで発現した。プラスミドpET21CBD−Xを次の
作業に用いた。
【0096】 プラスミドpET21CBD96(図5)を同じPCR条件およびクローニン
グ手順を用いて調製した。この実験において、キャリアタンパク質CBD180
は約96アミノ酸に短縮した。従って、PCRプライマーGCGT CCGG、
CGTA GAGG ATCG(配列番号3)およびATAT GGAT CC
AG ATAT GTAT CATA GGTT GATG TTGG GC(
配列番号4)のペアを用いて、cbd96をコードする関連のDNAフラグメン
トを調製し(図5)、これを次にpET21a(+)中にクローニングした。次
いで、再びT7発現系を、E.coliMC4100F中でプラスミドpET2
1CBD96およびpGP1−2に基づいて調製し、タンパク質CBD96を高
レベルで発現した。pET21CBD96をこの後の作業の大部分に用いた。
【0097】 (実施例2) (CBD−MB−11融合の構築および発現) 全てのカチオン性ペプチドをコードする配列を、天然の抗菌性ペプチドである
改変インドリシジンから設計した。プラスミドpET21CBD−XおよびpE
T21CBD96(各0.25μg)を、1.5×OPA中の2UのBamHI
および2UのHindIIIで、50μlの反応において、37℃で1時間で消
化した。同じ方法で、MBI−11をコードするフラグメントを約1μgのDN
Aおよび25UのBamHIおよびHindIII各々を用いて、100μlの
反応中で消化した(図4)。両方の反応をフェノール/CHCl3(Sigma
−Aldrich Canada Ltd.)抽出およびエタノール沈殿で停止
した。得られた各ベクターのDNAおよびMBI−11挿入物を8μlの水に溶
解および混合し、次いで2μlの10mM ATP、2μlの10×OPAおよ
び2UのT4 DNAリガーゼを加え、そしてライゲーション反応物を10℃で
1時間インキュベートした。次いで2μlの各ライゲーション混合物を用いて、
40μlのE.coli XL1 Blueを滅菌Gene Pulserキュ
ベット(0.2cm電極ギャップ)および2.5kV、200オームおよび25
0μFに設定したGene Pulserエレクトロポレーター装置を用いてエ
レクトロポレーションした。エレクトロポレーションパルスの後、1mlのTB
培地を細胞懸濁液に加え、そして細菌を1時間37℃で、激しく振盪しながらイ
ンキュベートした。次いで、10、50および100μlの細胞懸濁液をMac
Konkey寒天プレート上に100μg/mlのアンピシリン(Sigma−
Aldrich Canada Ltd.)と共に播種し、37℃で一晩インキ
ュベートした。次の日、いくつかのコロニーを2mlのTBに移し、37℃で激
しく振盪しながら一晩培養した。次にプラスミドDNAを単離し、そして当業者
に公知の方法によるDNA配列決定を含めて分析した。ポジティブクローンはC
BD180およびCBD96に融合したMBI−11を含んでいた。プラスミド
pGP1−2およびpET21CBD−11またはpET21CBD96−11
を各々有するE.coli MC4100Fの発現株がエレクトロポレーション
で調製された。最後の株を2ml TB中、30℃で激しく振盪しながら一晩イ
ンキュベートし、そして次の日に1mlの細胞懸濁液を等容量の新鮮なTBで希
釈し、そして培養温度を最少で2時間かけて42℃まで上昇させた。予備誘導お
よび誘導した細胞の試料をSDS−PAGEで分析した。MBI−11または2
×MBI−11遺伝子を保有する融合タンパク質の発現レベルは高く、CBD1
80またはCBD96単独の発現に等しかった。
【0098】 (実施例3) (CBD融合ポリカチオン性ペプチド直列ドメインの発現) この実験は、いくつのペプチド遺伝子が、直列でキャリアタンパク質に融合し
て発現され得るかを試験するように設計された。MBI−11をコードする2つ
のDNAフラグメントを作製する必要があり、1つはDNAクローニングによる
重合のためであり、もう一方は直列の最後の遺伝子であった。従って、直列の最
後の遺伝子を作製するため、COOH末端を有するMBI−11ペプチドをコー
ドする、本来のDNAフラグメントを改変し(実施例4)、そして新規遺伝子を
特定のクローニング手順のために設計した。これはCBD180またはCBD9
6キャリアタンパク質遺伝子に融合する複数の直列ペプチド遺伝子の構築を可能
とした(実施例4)。このクローニング手順の結果、余分のイソロイシンのMB
I−11直列配列に付加を生じた。従って、同一のペプチド分子を産生するため
には、イソロイシンコドンもまた最後の遺伝子配列に付加した。ペプチドを融合
タンパク質から切断するためにCNBrが用いられ、これはペプチド分子が末端
にホモセリンラクトンを有することを意味する。従って、最後のペプチド遺伝子
はまた、等しいペプチド産物を産生するために、CNBr切断のために、末端に
メチオニン、次いで2つのチロシンを有するように改変された。
【0099】 CBD180およびCBD96が融合した、直列で10単位までのペプチドポ
リ遺伝子を調製した。しかし、良好な発現は、2または3個のMBI−11ドメ
インを含む融合でのみ達成され、ペプチド遺伝子の数が4を越えると実質的に停
止した。DNA合成およびMBI−11ポリマーを含むプラスミドの構築は実施
例4に記載される。
【0100】 (実施例4) (カチオン性ペプチドをコードするDNAフラグメントの合成および改変) 所望の配列は、通常、オリゴヌクレオチド合成のホスホルアミダイト法によっ
て、Applied Biosystems Model 391 DNA合成
機を用いて、関連する化学およびプロトコルで合成された。所望のオリゴヌクレ
オチドをPCR反応で鋳型として用いて、DNAクローニングに適した二本鎖D
NAを産生した。
【0101】 (A.MBI−11DNAドメインの合成) オリゴヌクレオチドTTTA ACGG GGAT CCGT CTCA T
ATG ATCC TGAA AAAA TGG(配列番号5)CCGT GG
TG GCCG TGGC GTCG TAAA TAAG CTTG ATA
T CTTG GTAC CTGC G(配列番号6)を合成し、そしてPCR
の鋳型として用い、プライマーTTTA ACGG GGAT CCG TCT
C ATAT G(配列番号7)およびTAAG CTTG ATAT CTT
G GTAC CTGC G(配列番号8)を用いた。PCRはMJ−Resa
rch PTC−100熱サイクラーで、50μlの反応容量で、94℃、30
秒;50℃、30秒;および72℃、30秒で30サイクルで、2UのTaq
DNAポリメラーゼ、対応の反応緩衝液(10×PCR反応緩衝液:500mM
KCl、15mM MgCl2、100mM Tris−HCl pH9)、
0.2mM dNTP(dATP、dGTP、dTTPおよびdCTP)、25
molの各プライマーおよび50pmolの鋳型オリゴヌクレオチドで行い、そ
の結果88bpのdsDNA MBI−11フラグメントが得られた。DNAを
実施例2に記載のクローニング手順に用いた。
【0102】 (B.直列の最後のドメインとしてのMBI−11ドメインの改変) PCRを用いてMBI−11をコードする本来のDNAフラグメントを、直列
ポリペプチド遺伝子の最後の遺伝子として用いるために改変した。本来のオリゴ
ヌクレオチド(A)を鋳型として用いた。センスプライマーTTTA ACGG
GGAT CCGT CTCA TATG(配列番号9)は合成PCR反応で
用いたものと同一であるが、新規なアンチセンスプライマーCGCG AAGC
TTAA TAAT ACAT AATT TTAC GACG CCAC
GGCC ACCA CGGC(配列番号10)を、MBI−11遺伝子の末端
を改変するために設計した(説明については、実施例3を参照のこと)。PCR
はMJ−Resarch PTC−100熱サイクラーで、50μlの反応容量
で、94℃、30秒;51℃、30秒;および72℃、30秒で30サイクルで
、2UのTaq DNAポリメラーゼ、対応する反応緩衝液(10×PCR反応
緩衝液:500mM KCl、15mM MgCl2、100mM Tris−
HCl pH9)、0.2mM dNTP(dATP、dGTP、dTTPおよ
びdCTP)、25molの各プライマーおよび50pmolの鋳型オリゴヌク
レオチドで行った。PCR産物を次いでBamHI−HindIIIフラグメン
トとしてpBCKS(+)(Stratagene、USA)中にクローニング
して、プラスミドpBCKS−11を得た。改変をDNA配列決定で確認した。
【0103】 (C.重合(polymerization)クローニング手順のために設計
されたMBI−11フラグメントの合成) オリゴヌクレオチドCGCC AGGG TTTT CCCA GTCA C
GAC GGAT CCGT CTCA TATG ATCC TGAA AA
AA TGGC CGTG GTGG CCGT GGCG TCGT AAA
A TTAA TTGA ATTC GTCA TAGC TGTT TCCT
GTGT GA(配列番号11)を合成し、そしてPCRの鋳型として用いて
、プライマーCGCC AGGG TTTT CCCA GTCA CGAC(
配列番号12)およびTCAC ACAG GAAA CAGC TATG A
C(配列番号13)を用いた。PCRを、MJ−Resarch PTC−10
0熱サイクラーで、50μlの反応容量で、94℃、30秒;51℃、30秒;
および72℃、30秒で30サイクルで、2UのTaq DNAポリメラーゼ、
対応する反応緩衝液(10×PCR反応緩衝液:500mM KCl、15mM
MgCl2、100mM Tris−HCl pH9)、0.2mM dNT
P(dATP、dGTP、dTTPおよびdCTP)、25molの各プライマ
ーおよび50pmolの鋳型オリゴヌクレオチドで行い、114bpのdsDN
A MBI−11−BEフラグメントを得た。このフラグメントを、BamHI
−EcoRI挿入物としてpBCKS(+)中にクローニングし、pBCKS−
11BEを得た。
【0104】 (D.重合クローニング手順) 重合クローニング手順のために設計されたMBI−11のコピーをpET21
CBD96−11にクローニングし、pET21CBD96−2×11を得た。
pBCKS−11BEを、2×OPA中の2UのBamHIおよびVspIを用
いて、50μlの反応中、37℃で1時間、消化し、pET21CBD96−1
1を、2×OPA中の2UのBamHIおよびNdeIを用いて、50μlの反
応中、37℃で1時間、消化した。反応をフェノール/CHCl3抽出およびエ
タノール沈殿で停止した。得られたDNAペレットを、8μlの水に各々溶解お
よび混合し、次いで2μlの10mM ATP、2μlの10×OPAおよび2
UのT4 DNAリガーゼを加え、そして反応を10℃で1時間インキュベート
した。次いで2μlのライゲーション混合物を用いて、40μlのE.coli
XL1 BlueをGene Pulser キュベット(0.2cm電極ギ
ャップ)および2.5kV、200オームおよび250μFに設定したGene
Pulse(Bio−Rad Laboratories)を用いてエレクト
ロポレーションした。エレクトロポレーションパルスの後、1mlのTB培地を
細胞懸濁液に加え、そして細菌を37℃で1時間、激しく振盪しながらインキュ
ベートした。次いで、10、50および100μlの細胞懸濁液を、MacKo
nkey寒天プレート上に100μg/mlのアンピシリンと共に播種し、37
℃で一晩インキュベートした。次の日、いくつかのコロニーを2mlのTBに移
し、37℃で激しく振盪しながら一晩培養した。次いで、プラスミドDNAを単
離し、そして当業者に公知の方法によるDNA配列決定を含めて分析した。ポジ
ティブクローンは、pET21CBD96−2×11を含んでいた。親和性のV
spIおよびNdeIの凝集末端のライゲーションの結果、両方の制限部位が除
かれる。同時に、mbi−11beカセットの挿入は、新規なNdeI部位を導
入し、これがクローニング手順の繰り返しと、別のmbi−11beの挿入を可
能にする。この手順は、理論的には無制限に繰り返すことができる。この特定の
場合では、連続的クローニングを9回繰り返し、そしてpET21CBD96−
10×11までの構築物を調製した。
【0105】 (実施例5) (融合および非融合マルチドメイン発現系の構築のためのDNAカセットの合
成) (A.MBI2×11B7ラスト(last)カセットの合成) オリゴヌクレオチドCGCC AGGG TTTT CCCA GTCA C
GAC GGAT CCGT CTCA TATG ATTC TGCG TT
GG CCGT GGTG GCCG TGGC GTCG CAAA ATG
A TTCT GCGT TGGC CGTG GTGG CCGT GGCG
TCGC AAAA TGGC GGCC TAAG CTTC GATC
CTCT ACGC CGGA CGC(配列番号14)を合成し、そしてPC
Rのための鋳型として用いて、プライマーCGCC AGGG TTTT CC
CA GTCA CGAC(配列番号15)およびGCGT CCGG CGT
A GAGG ATCG(配列番号16)を用いた。PCRはMJ−Resar
ch PTC−100熱サイクラーで、50μlの反応容量で、94℃、30秒
;55℃、30秒;および72℃、30秒で30サイクルで、2UのTaq D
NAポリメラーゼ、対応する反応緩衝液(10×PCR反応緩衝液:500mM
KCl、15mM MgCl2、100mM Tris−HCl pH9)、
0.2mM dNTP(dATP、dGTP、dTTPおよびdCTP)、25
pmolの各プライマーおよび50pmolの鋳型オリゴヌクレオチドで行い、
その結果、151bpのdsDNA MBI−11フラグメントを得た。PCR
産物をフェノール/CHCl3抽出およびエタノール沈殿で精製した。得られた
DNAを100μl×OPA、20UのBamHIおよび20μlのHindI
IIに溶解し、そして反応を37℃で2時間インキュベートした。ベクターpB
CKS(+)(0.25μg)を同じ方法で消化した。両反応をフェノール/C
HCl3抽出およびエタノール沈殿で停止させた。得られた各ベクターのDNA
およびMBI−11挿入物を、8μlの水に溶解および混合し、次いで2μlの
10mM ATP、2μlの10×OPAおよび2UのT4 DNAリガーゼを
加え、そしてライゲーション反応物を10℃で1時間インキュベートした。次い
で2μlの各ライゲーション混合物を用いて、40μlのE.coli XL1
Blueを滅菌Gene Pulser キュベット(0.2cm電極ギャッ
プ)および2.5kV、200オームおよび250μFに設定したGene P
ulserエレクトロポレーター装置を用いてエレクトロポレーションした。エ
レクトロポレーションパルスの後、1mlのTB培地を細胞懸濁液に加え、そし
て細菌を1時間37℃で激しく振盪しながらインキュベートした。次いで、10
、50および100μlの細胞懸濁液をMacKonkey寒天プレート上に1
00μg/mlのアンピシリンと共に播種し、37℃で一晩インキュベートした
。次の日、いくつかのコロニーを2mlのTBに移し、37℃で激しく振盪しな
がら一晩培養した。次いで、プラスミドDNAを単離し、そして当業者に公知の
方法によるDNA配列決定を含む分析をした。得られたプラスミドは、pBCK
S−2×11B7であった。挿入物は後で、pBCKS−Vに再度クローニング
し、pBCKS−V−2×11B7を得た。
【0106】 (B.MBI−11B7−ポリカセットの合成) オリゴヌクレオチドCGCC AGGG TTTT CCCA GTCA C
GAC GGAT CCGT CTCA TATG ATTC TGCG TT
GG CCGT GGTG GCCG TGGC GTCG CAAA ATG
C ATAA GCTT CGAT CCTC TACG CCGG ACGC
(配列番号17)を合成し、そしてPCRのための鋳型として用い、プライマー
CGCC AGGG TTTT CCCA GTCA CGAC(配列番号18
)およびGCGT CCGG CGTA GAGG ATCG(配列番号19)
をプライマーとして用いた。PCRはMJ−Resarch PTC−100熱
サイクラーで、50μlの反応容量で、94℃、30秒;55℃、30秒;およ
び72℃、30秒で30サイクルで、2UのTaq DNAポリメラーゼ、対応
する反応緩衝液(10×PCR反応緩衝液:500mM KCl、15mM M
gCl2、100mM Tris−HCl pH9)、0.2mM dNTP(
dATP、dGTP、dTTPおよびdCTP)、25pmolの各プライマー
および50pmolの鋳型オリゴヌクレオチドで行い、その結果、112bpの
dsDNA MBI−11フラグメントを得た。得られたDNA産物をpTA1
8R(Pharmacia Biotech)中にBamHI−HindIII
フラグメントとして(A)節に記載のようにクローニングし、プラスミドpTZ
18R−11B7ポリを得た。
【0107】 (C.アニオン性スペーサーカセットの合成) オリゴヌクレオチドCGCC AGGG TTTT CCCA GTCA C
GAC GGAT CCGT CTAT GCAT GAAG CGGA AC
CG GAAG CGGA ACCG ATTA ATTA AGCT TCG
A TCCT CTAC GCCG GACG C(配列番号20)を合成し、
そしてPCRのための鋳型として用い、プライマーCGCC AGGG TTT
T CCCA GTCA CGAC(配列番号21)およびGCGT CCGG
CGTA GAGG ATCG(配列番号22)を用いた。PCRは、MJ−
Resarch PTC−100熱サイクラーで、50μlの反応容量で、94
℃、30秒;55℃、30秒;および72℃、30秒で30サイクルで、2Uの
Taq DNAポリメラーゼ、対応する反応緩衝液(10×PCR反応緩衝液:
500mM KCl、15mM MgCl2、100mM Tris−HCl
pH9)、0.2mM dNTP(dATP、dGTP、dTTPおよびdCT
P)、25molの各プライマーおよび50pmolの鋳型オリゴヌクレオチド
で行い、その結果、97bpのdsDNA MBI−11フラグメントを得た。
得られたDNAフラグメントを、pBCKS−V中にBamHI−HindII
Iフラグメントとして(A)節に記載のようにクローニングし、プラスミドpB
CKS−V−Sを得た。
【0108】 (D.MBI−11−B7第1カセットの合成) オリゴヌクレオチドCGCC AGGG TTTT CCCA GTCA C
GAC GGAT CCGT CTCA TATG ACTA TGAT TC
TG CGTT GGCC GTGG TGGC CGTG GCGT CGC
A AAAT GCAT AAGC TTCG ATCC TCTA CGCC
GGAC GC(配列番号23)を合成し、そしてPCRのための鋳型として
用い、プライマーCGCC AGGG TT TT CCCA GTCA CG
AC(配列番号24)およびGCGT CCGG CGTA GAGG ATC
G(配列番号25)を用いた。PCRは、MJ−Resarch PTC−10
0熱サイクラーで、50μlの反応容量で、94℃、30秒;55℃、30秒;
および72℃、30秒で30サイクルで、2UのTaq DNAポリメラーゼ、
対応する反応緩衝液(10×PCR反応緩衝液:500mM KCl、15mM
MgCl2、100mM Tris−HCl pH9)、0.2mM dNT
P(dATP、dGTP、dTTPおよびdCTP)、25molの各プライマ
ーおよび50pmolの鋳型オリゴヌクレオチドで行い、その結果、114bp
のdsDNA MBI−11フラグメントを得た。得られたDNAフラグメント
をpBCKS−V−S中にBamHI−NsiIフラグメントとして、基本的に
(A)節に記載のようにしてクローニングし、プラスミドpBCKS−V−11
B7S−Fを得た。唯一の違いは2×OPAを制限酵素消化反応のために用いた
ことであった。
【0109】 (E.プラスミドpBCKS−Vの構築) プラスミドpBCKS−VはpBCKS(+)から調製された。この目的は本
来のプラスミドから全てのVsp1制限部位を除去することであり、そして得ら
れたプラスミドをいくつかのDNAカセットのクローニングのために用いること
であった。
【0110】 約1μgのpBCKS(+)を、VspI(Promega)を用いて、50
μlの1×OPAを使用する反応中で消化した。反応を、フェノール/CHCl 3 抽出およびエタノール沈殿で停止させた。得られたDNAを、50μlの1×
OPA、0.2mMのdNTPおよび1UのKlenowポリメラーゼに溶解し
た。反応を30℃で30分間インキュベートし、次いで、フェノール/CHCl 3 抽出およびエタノール沈殿で停止させた。次いで、DNAを、50μlの1×
OPA、0.5mMのATPおよび15UのT4 DNAリガーゼに溶解し、そ
して反応を10℃でインキュベートし、そして4時間後、65℃で30分間イン
キュベートすることによって停止させた。次に20UのVspIを反応に加えて
、残余のpBCKS(+)分子を消化し、そして37℃で3時間のインキュベー
ションの後、2μlのライゲーション混合物を用いて、40μlのE.coli
MC4100Fを滅菌Gene Pulserキュベット(0.2cm電極ギ
ャップ)、および2.5kV、200オームおよび250μFに設定したGen
e Pulserエレクトロポレーター装置を用いてエレクトロポレーションし
た。エレクトロポレーションパルスの後、1mlのTB培地を細胞懸濁液に加え
、そして細菌を1時間37℃で、激しく振盪しながらインキュベートした。次い
で、10、50および100μlの細胞懸濁液を、MacKonkey寒天プレ
ート上に25μg/mlのクロラムフェニコールと共に播種し、37℃で一晩イ
ンキュベートした。次の日、いくつかのコロニーを2mlのTBに移し、37℃
で激しく振盪しながら一晩培養した。次いで、プラスミドDNAを単離し、そし
てVspI制限分析によって分析した。全てのプラスミドはVspI部位を欠き
、そしてそのサイズはpBCKS−Vの計算されたサイズに対応した。
【0111】 (実施例6) (融合マルチドメイン発現系の構築) (A.pET21CBD96−2×11B7の構築) プラスミドpET21CBD96(0.25μg)およびpBCKS−2×1
1B7(2.5μg)を、BamHIおよびHindIIIを入れた1.5×O
PAで、50μlの反応中、37℃で1時間、2Uの各制限酵素および20Uの
各酵素をそれぞれ用いて、消化した。両反応を、フェノール/CHCl3抽出お
よびエタノール沈殿で停止させた。得られたDNAを、8μlの水に溶解および
混合し、次に2μlの10mM ATP、2μlの10×OPAおよび2UのT
4 DNAリガーゼを加え、そしてライゲーション反応を、10℃で1時間イン
キュベートした。次に、2μlのライゲーション混合物を用いて、40μlのE
.coli XL1 Blueを、滅菌Gene Pulserキュベット(0
.2cm電極ギャップ)、ならびに2.5kV、200オームおよび250μF
に設定したGene Pulserエレクトロポレーター装置を用いて、エレク
トロポレーションした。エレクトロポレーションパルスの後、1mlのTB培地
を細胞懸濁液に加え、そして細菌を、1時間37℃で、激しく振盪しながらイン
キュベートした。次に、10、50および100μlの細胞懸濁液を、100μ
g/mlのアンピシリンを含むMacKonkey寒天プレート上にプレーティ
ングし、37℃で終夜インキュベートした。次の日、いくつかのコロニーを、2
mlのTBに移し、37℃で激しく振盪しながら終夜培養した。次にプラスミド
DNAを単離し、そして当業者に公知の方法によるDNA配列決定を含めて分析
した。ポジティブクローンpET21CBD96−2×11B7は、cbd96
に融合した直列MBI−11遺伝子を含んでいた。
【0112】 (B.融合マルチドメインプラスミドの構築のための連続的クローニング手順
の使用) 連続的クローニング手順のアイディアは、pET21CBD96−2×11B
7のBamHI−NdeI部位およびそれに続くマルチドメインクローンのBa
mHI−NdeI部位への、BamHI−MBI−11B7−P−VspIカセ
ットの挿入は常に、オリジナルのNdeI部位をNdeI/VspIライゲーシ
ョンによって除去し、そして新規なNdeI部位が各挿入で導入され、これがB
amHIと共に次のクローニングのサイクルで使用されるということである。
【0113】 プラスミドpET21CBD96−2×11B7(0.25μg)を、2Uの
BamHIおよびNdeIを入れた2×OPAで、50μlの反応中、37℃で
1時間消化した。プラスミドpBCKS−V−11B7S(2.5μg)を、1
00μl反応中で、20UのBamHIおよびVspIを入れた2×OPA中、
37℃で1時間消化した。両方の反応を、フェノール/CHCl3抽出およびエ
タノール沈殿で停止させた。得られたDNAを、8μlの水に溶解および混合し
、次に、2μlの10mM ATP、2μlの10×OPAおよび2UのT4 D
NAリガーゼを加え、そしてライゲーション反応を、10℃で1時間インキュベ
ートした。次に、2μlのライゲーション混合物を用いて、40μlのE.co
li XL1 Blueを、滅菌Gene Pulserキュベット(0.2c
m電極ギャップ)、ならびに2.5kV、200オームおよび250μFに設定
したGene Pulserエレクトロポレーター装置を用いて、エレクトロポ
レーションした。エレクトロポレーションパルスの後、1mlのTB培地を細胞
懸濁液に加え、そして細菌を1時間37℃で、激しく振盪しながらインキュベー
トした。次に、10、50および100μlの細胞懸濁液を、100μg/ml
のアンピシリンを含むMacKonkey寒天プレート上にプレーティングし、
37℃で終夜インキュベートした。次の日、いくつかのコロニーを、2mlのT
Bに移し、37℃で激しく振盪しながら終夜培養した。次に、プラスミドDNA
を単離し、そして当業者に公知の方法によるDNA配列決定を含めて分析した。
ポジティブクローンpET21CBD96−1s−3×11B7は、cbd96
に融合した1つのスペーサーを有する3つのMBI−11単位を含んでいた。こ
れが、連続的クローニングの第1のサイクルであった。次のサイクルにおいて、
pET21CBD96−1s−3×11B7およびpBCKS−V−11B7S
を用い、そしてクリーニングを繰り返して、pET21CBD96−2s−4×
11B7を得た。次に、pET21CBD96−2s−4×11B7およびpB
CKS−V−11B7Sを次のクローニングに用いて、その結果、pET21C
BD96−3s−5×11B7を得、以下同様にした。
【0114】 連続的クローニング手順を加速するために、プラスミドpBCKS−V−5×
11B7Sを調製した。そして各クローニングサイクルは、5つの11B7Sド
メインを付加する。pBCKS−V−11B7Sの第1の11B7S挿入物を、
pTZ18R中に再度クローニングして、pTZ18R−11B7Sが得られた
。次に、このプラスミドを、BamHI−NdeI/VspIストラテジーを用
いたpBCKS−V−11B7S中への連続的クローニングのための11B7S
ドメインのドナーとして、用いた。連続的クローニング手順を4回繰り返すと、
pBCKS−V−5S−5×11B7Sが得られた。5S−5×11B7カセッ
トを、次に、15個を越える11B7ドメインを含むCBD96融合系の構築、
ならびに同数の11B7とアニオン性スペーサードメインを有するCBD96融
合マルチドメイン系の構築のために使用した(表2)。
【0115】 pBCKS−V−5S−5×11B7のカセット5S−5×11B7とその末
端のアニオン性スペーサードメインを、BamHIおよびKpnI制限酵素を用
いてpET21CBD96中にクローニングし、pET21CBD96−5S−
5×11B7を得た。第2のクローニングサイクルにおいて、同じカセットをp
BCKS−V−5×11B7SのBamHI−VspI断片として、pET21
CBD96−5S−5×11B7のBamHI−NdeI部位中にライゲーショ
ンし、pET21CBD96−10S−10×11B7を得た。これを数回繰り
返して、15、20、25等の個数の11B7ドメインと同数のアニオン性スペ
ーサードメインとを有する、構築物が得られ得る。制限酵素、ライゲーション、
エレクトロポレーションおよび組換えプラスミドの分析の条件は、上記の通りで
ある。
【0116】 (実施例7) (非融合マルチドメイン発現系の構築) E.coliにおいて、全てのタンパク質の最初のアミノ酸は、f−メチオニ
ンである。しかし、このアミノ酸は、CNBrで切断されない。これは、マルチ
ドメインタンパク質から遊離する1つのペプチドドメインがf−メチオニンから
始まることを、意味する。この解決法は、f−メチオニンおよびメチオニンを直
列でペプチドの最初にコードする修飾MBI−11カセットを創製することであ
り、そうすると、第2のメチオニンが、CNBrで切断されることになる。その
結果は、マルチドメイン遺伝子中に特別の第1ドメインである、カセットMBI
−11B7Fを合成することであり、これは、最初にMTMアミノ酸をコードす
る。このドメインを、pBCKS−V−S中のスペーサードメインに融合して、
プラスミドpBCKS−V−11B7S−Fを得た。
【0117】 プラスミドpBCKS−V−11B7S−Fおよび関連のpET21CBD9
6−マルチドメイン−11B7プラスミドを、非融合マルチドメインMBI−1
1B7遺伝子の構築に用いた。マルチドメイン遺伝子を、cbd96からNde
I−XhoI消化によって遊離させ、そしてpBCKS−V−11B7S−Fの
VspI−XhoI部位中に、11B7S挿入物の下流にクローン化した。これ
は非融合マルチドメイン11B7遺伝子のラインを、プラスミドpBCKS−V
中に創製した。これらの遺伝子を、次に、NdeI−XhoI断片としてpET
21a(+)中に再度クローニングし、その結果、一連のpETプラスミドが得
られ、これは、T7プロモーター系を用いたマルチドメインタンパク質の発現が
可能である。
【0118】 プラスミドpBCKS−V−11B7S−F(0.25μg)を、2UのNd
eIおよびXhoIを入れた2×OPAで、いくつかの50μl反応中、37℃
で1時間消化した。関連のプラスミドpET21CBD96−マルチドメイン−
11B7(2.5μg)を、100μlの反応中で20UのNdeIおよびXh
oIを入れた2×OPAで、37℃で1時間消化した。全ての反応を、フェノー
ル/CHCl3抽出およびエタノール沈殿で停止させた。得られたベクターおよ
び挿入物DNAを、8μlの水に溶解および混合し、次に2μlの10mM A
TP、2μlの10×OPAおよび2UのT4 DNAリガーゼを加え、そして
ライゲーション反応を、10℃で1時間インキュベートした。次に、2μlの各
ライゲーション混合物を用いて、40μlのE.coli XL1 Blueを
滅菌Gene Pulserキュベット(0.2cm電極ギャップ)、ならびに
2.5kV、200オームおよび250μFに設定したGene Pulser
エレクトロポレーター装置を用いて、エレクトロポレーションした。エレクトロ
ポレーションパルスの後、1mlのTB培地を細胞懸濁液に加え、そして細菌を
1時間37℃で、激しく振盪しながらインキュベートした。次に、10、50お
よび100μlの細胞懸濁液を、100μg/mlのアンピシリンを含むMac
Konkey寒天プレート上にプレーティングし、37℃で終夜インキュベート
した。次の日、いくつかのコロニーを2mlのTBに移し、37℃で激しく振盪
しながら終夜培養した。次に、プラスミドDNAを単離し、そして当業者に公知
の方法によるDNA配列決定を含めて分析した。ポジティブクローンは、5、6
、7、8、9、10、11、12、13,14、15、16および21個のMB
I−11B7ドメインを含む、pET21−マルチドメイン−11B7プラスミ
ドを含んでいた。
【0119】 同じ方法で、同数の11B7とアニオン性スペーサードメインとを含む構築物
を調製した。例として:pET21CBD96−5S−5×11B7をBamH
IおよびXhoI(またはHindIII)で消化し、そして断片5S−5×1
1B7をpBCKS−V−11B7S−FのBamHI−XhoI(またはHi
ndIII)中にライゲーションして、pBCKS−V−6S−6×11B7を
得た。pBCKS−V−6S−6×11B7のBamHI−6S−6×11B7
−XhoIカセットを、次に、pET21a(+)のBamHI−XhoI中に
再度クローニングして、pET21−6S−6×11B7を得た。全てのクロー
ニング手順およびクローン分析は上記の通りである。
【0120】 (実施例8) (融合マルチドメインMBI26発現系の構築) 本発明者らの以前の研究で、本発明者らは、マルチドメインカチオン性ペプチ
ド発現系の構築に関連する主要な問題すべてを解決した。この実施例は、本発明
者らが、プロセス、特に複数の特定のDNAカセットを合成する必要性を単純化
できたことを、実証する。わずか1つのmbi26カセットを調製し、そして連
続的クローニング手順の場合と同様に、最初および最後の位置に用いた。プラス
ミドpET21CBD96−1s−26およびpET21CBD96−2s−2
×26を調製した。本発明者らは、mbi26およびmbi11B7ドメインの
組合せの発現を試験した。本発明者らは、2つのクローニングサイクルを行い、
mbi26SカセットをpET21CBD96−1S−3×11B7中に挿入し
、その結果、pET21CBD96−26S−3×11B7およびpET21C
BD96−2×26S−3×11B7を得た。両構築物とも、組合せたmbi2
6−11B7マルチドメインタンパク質を良好なレベルで発現した。
【0121】 (A.ユニバーサルMBI26ドメインの合成) オリゴヌクレオチドCGCC AGGG TTTT CCCA GTCA C
GAC GGAT CCGT CTCA TATG ACCA TGAA AT
GG AAAT CTTT CATC AAAA AACT GACC TCT
G CTGC TAAA AAAG TTGT TACC ACCG CTAA
ACCG CTGA TCTC TATG CATG CTTA AGCT
TCGA TCCT CTAC GCCG GACG C(配列番号26)を合
成し、そしてPCRのための鋳型として、プライマーCGCC AGGG TT
TT CCCA GTCA CGAC(配列番号18)およびGCGT CCG
G CGTA GAGG ATCG(配列番号19)を用いて使用した。PCR
はMJ−Research PTC−100熱サイクラーで、50μlの反応容
量で、94℃、30秒;55℃、30秒;および72℃、30秒で30サイクル
で、2UのTaq DNAポリメラーゼ、対応の反応緩衝液(10×PCR反応
緩衝液:500mM KCl、15mM MgCl2、100mM Tris−
HCl pH9)、0.2mM dNTP(dATP、dGTP、dTTPおよ
びdCTP)、25pmolの各プライマーおよび50pmolの鋳型オリゴヌ
クレオチドで行い、その結果、112bpのdsDNA MBI26断片を得た
。得られたDNA断片をpTZ18R中にBamHI−HindIII断片とし
て、実施例2、段落(A)に記載のようにクローニングして、プラスミドpTZ
18R−26GTを得た。DNA配列の確認の後、BamHI−HindIII
mbi26断片をpBCKS(+)中に再度クローニングし、pBCKS−2
6GTを得た。
【0122】 (B.MBI26融合マルチドメイン系の構築) 構築の第1ステップは、mbi26カセットをpET21CBD96中のcb
d96に直接融合することであった。プラスミドpET21CBD96(0.2
5μg)およびpBCKS−26GT(2.5μg)をBamHIおよびHin
dIIIを入れた1.5×OPA(50μl反応容量)で37℃で1時間、2U
の各制限酵素および20Uの各酵素をそれぞれ用いて、消化した。両反応を、フ
ェノール/CHCl3抽出およびエタノール沈殿で停止させた。得られた各DN
Aを8μlの水に溶解し、これら2つを、2μlの10mM ATP、2μlの
10×OPAおよび2UのT4 DNAリガーゼと共に混合し、そしてこのライ
ゲーション反応を、10℃で1時間インキュベートした。2μlのライゲーショ
ン混合物を用いて、40μlのE.coli XL1 Blueを、滅菌Gen
e Pulser キュベット(0.2cm電極ギャップ)、ならびに2.5k
V、200オームおよび250μFに設定したGene Pulserエレクト
ロポレーター装置を用いて、エレクトロポレーションした。エレクトロポレーシ
ョンパルスの後、1mlのTB培地を細胞懸濁液に加え、そして細菌を、1時間
37℃で激しく振盪しながらインキュベートした。次に、10、50および10
0μlの細胞懸濁液を、100μg/mlのアンピシリンを含むMacKonk
ey寒天プレート上にプレーティングし、37℃で終夜インキュベートした。次
の日、いくつかのコロニーを2mlのTBに移し、37℃で激しく振盪しながら
終夜培養した。次に、プラスミドDNAを単離し、そして当業者に公知の方法に
よるDNA配列決定を含めて分析した。ポジティブクローンpET21CBD9
6−26は、cbd96に融合したMBI−26遺伝子を含んでいた。
【0123】 第2のステップは、連続的クローニング手順のためのカセットの調製であった
。pTZ18R−26GTのmbi26断片をpBCKS−V−S中にBamH
I−NsiI断片として、基本的に実施例5(A)に記載されたのと同様にクロ
ーニングし、その結果、mbi26ドメインがアニオン性スペーサーをコードす
る配列に融合したプラスミドpBCKS−V−26Sを得た。唯一の違いは、2
×OPAを制限酵素消化反応に用いたことであった。次に、挿入物をpTZ18
R中にクローニングし、その結果、pTZ18R−26Sを得た。これは、Ba
mHI−26S−VspI挿入物をpBCKS−V−26SのBamHI−Nd
eI部位にクローニングすることを可能とし、その結果、pBCKS−V−2S
−2×26が得られた。
【0124】 第3のステップは、実際の連続的クローニング手順(詳細は実施例6B参照)
であった。簡単に述べると、pBCKS−V−26Sを、BamHIおよびVs
pIで消化して、断片BamHI−26S−VspIを得、これを、BamHI
およびNdeIで消化したプラスミドpET21CBD96−26GT中にライ
ゲーションした。ポジティブクローンpET21CBD96−1s−2×26は
、2つのMBI−26単位を含んでおり、1つのスペーサーがcbd96に融合
していた。これが、連続的クローニングの第1のサイクルであった。次のサイク
ルにおいて、pET21CBD96−1s−2×26およびpBCKS−V−2
6Sを用いて、pET21CBD96−2s−3×26が調製され得、以下同様
であった。
【0125】 (C.組み合わされたMBI26−MBI11B87マルチドメイン遺伝子の
構築および発現) プラスミドpET21CBD96−1S−3×11B7を、pBCKS−V−
26Sのmbi26Sドメインの連続的クローニングのためのベクターとして用
いた。簡単に述べると、pBCKS−V−26Sを、BamHIおよびVspI
制限エンドヌクレアーゼで消化して、断片BamHI−26S−VspIを得、
これを、BamHIおよびNdeIで消化したプラスミドpET21CBD96
−1S−3×11B7中にライゲーションした。ポジティブクローンpET21
CBD96−2S−26−3×11B7は、MBI−26単位を含み、1つのス
ペーサーが、1つのスペーサーを有する3つの11B7単位に融合していた。こ
れは、連続的クローニングの第1のサイクルであった。次のサイクルにおいて、
pET21CBD96−2S−26−3×11B7およびpBCKS−V−26
Sを用いて、pET21CBD96−3S−2×26−3×11B7を調製した
【0126】 T7発現系を、E.coli MC4100F中でプラスミドpET21CB
D96−2S−26−3×11B7またはpET21CBD96−3S−2×2
6−3×11B7、およびpGP1−2に基づいて調製した。タンパク質CBD
96−2S−26−3×11B7およびCBD96−3S−2×26−3×11
B7は、温度誘導の後、良好なレベルで発現した。
【0127】 (実施例9) (短縮型CBDに融合したマルチドメインカチオン性ペプチドまたは非融合系
の振盪フラスコ発酵の生成) 異なるpET21CBD96−(n−2)S−n×11B7、pET21CB
D96−nS−n×11B7、pET21−(n−2)S−n×11B7および
pET21−nS−n×11B7F構築物(ここでn=コピー数、Sはアニオン
性スペーサーを示し、そして11B7または11B7Fはカチオン性MBI−1
1B7ペプチドを表す)の各々を、E.coli株MC4100F中で発現した
【0128】 全ての発酵は、TBブロス中で行った。これは以下のように調製される:12
gのトリプチカーゼペプトン(Trypticase Peptone)(BB
L)、24gの酵母抽出物(BBL)および4mlのグリセロール(Fishe
r)を900mlのMilli−Q水に加える。材料を溶解させ、そして100
mlの0.17M KH2PO4(BDH)、0.72MのK2HPO4(Fish
er)を加える。このブロスを121℃のオートクレーブに20分間かける。得
られるpHは7.4である。
【0129】 1リットルのエルレンマイヤーフラスコに、100μg/mlのアンピシリン
(Sigma−Aldrich Corp.)および30μg/mlのカナマイ
シンA(Sigma−Aldrich Corp.)を含む170mlの培地を
入れたものに、関連の0.5ml凍結ストックを接種し、そして300rpmで
、振盪インキュベーター(モデル4628、Lab Line Instrum
ent Inc.)中、30℃で16時間振盪した。
【0130】 次に、培養物を、330mlの新鮮なTB培地(抗生物質無し)を入れた2.
0Lフラスコに移し、30℃で予備インキュベートした。希釈後、培養温度を4
2℃まで上昇させることによってタンパク質発現を誘導し、そして300rpm
でさらに5〜7時間振盪した。pHを、30%水酸化アンモニウムを用いて、6
.7と7.1との間に維持した。細菌に、誘導の間に少なくとも2回、1フラス
コ当たり0.5gのグルコースを供給した。細胞を、15,000×gで15分
間遠心分離(Sorvall(登録商標)RC−5B)して採取し、そして細胞
ペレットを−70℃で細胞溶解の前に貯蔵した。
【0131】 (実施例10) (粗分画および封入体の単離) 細菌は、マルチドメインタンパク質を不溶性の封入体として産生する。封入体
を遊離および単離するために、採取した細胞を200mlの緩衝液(50mM
Tris−HCl、10mM EDTA、pH8.0)中に懸濁し、そして超音
波(Vibra−CellTM、Sonic and Material Inc
.)で5回、45秒間、氷の上で処理して溶解し、次に21,875×gで15
分間、4℃で遠心分離(Sorvall(登録商標)RC−5B)した。ペレッ
トを160mlの溶解緩衝液(20mM Tris−HCl、100μg/ml
リゾチーム、pH8.0)中でホモジナイズ(PolyScience,Nil
es、IL USA)し、そして室温で45分間インキュベートした。次に、T
riton X−100を加え(1%v/v)、そして混合物を完全にホモジナ
イズし、そして21,875×gで15分間、4℃で遠心分離した。封入体ペレ
ットを、200mlの0.1M NaCl中に再懸濁し、ホモジナイズし、そし
て、上記のように遠心分離で沈殿させ、次に、200mlの水中に再懸濁させ、
そして再び、遠心分離で沈殿させた。この段階で、封入体は70%を越える融合
タンパク質を含んでいた。
【0132】 (実施例11) (化学的切断によるカチオン性ペプチドの遊離) 単離された封入体を、70%ギ酸(1ml当たり100mg湿潤重量IB)に
溶解し、次に、CNBrを加えて、最終濃度を0.1Mから0.15Mとした。
カチオン性ペプチドを融合タンパク質およびスペーサーから遊離させる、切断反
応を、暗中で4時間、窒素下で攪拌しながら行った。次に、反応混合物を、15
容量のMilli−Q水で希釈し、そしてロータリーエバポレーター(roto
vap)装置(Rotovapore,R−124VP,BUCHI Swit
zerland)中で乾燥した。次に、乾燥したペレットを10mlの7〜8M
の尿素に溶解し、そして不溶性物質を21,875×gで15分間の遠心分離に
より分離した。
【0133】 この段階で、酸性pH(2〜3.3)および低伝導度(1〜5mS)の可溶性
物質は、カチオン性ペプチドのホモセリンラクトン体を含む。この物質を、クロ
マトグラフィー手順を用いてさらに精製した。
【0134】 (実施例12) (遊離カチオン性ペプチドの精製) ホモセリン体のMBI−11B7ペプチドの精製を、BioSysTM2000
クロマトグラフィーワークステーション(Beckman Instrumen
ts,Inc.)で、XKカラム(1.6×11cm)に充填したFast F
low Q−Sepharoseアニオン交換樹脂(Pharmacia Bi
otech AB)を用いて行った。カラムを、2カラム容量(CV)の1M
NaOHで流速9ml/分で平衡化し、次いで、水で洗浄した。伝導度、pHお
よび280nmでの吸光度をモニターした。伝導度が5mSより下に下がったら
、乾燥した切断物質を7〜8Mの尿素に溶かしたものをカラムにローディングし
、そして4Mの尿素で洗浄した。非結合の純粋なカチオン性ペプチドがカラムを
通って流れ、リーディングピークとしてモニターされた。吸光度がベースライン
よりも下がったら、結合物質(すなわち不純物)を、1M NaOHでカラムか
ら洗い流した。これが、第2のピークとして現れた(図9)。
【0135】 フロースルーピークを採取してプールし、そしてpHを、0.2NのHClで
7.0〜7.5に調節した。試料の純度について、C8カラム(4.6×10、
Nova−Pak,Waters)を用いた逆相HPLC(図11)、および酸
−尿素ゲル電気泳動(West and Bonner,Biochemist
ry 19:3238,1980)で分析した。MBI−11B7ペプチドの正
体を、質量分析法によって確認して、このフロースルーピークが、MBI−11
B7ペプチドのホモセリン体を表すことを示した。
【0136】 (実施例13) (尿素の分離およびさらなる精製) 精製したペプチドからの尿素の分離は、高スループット逆相クロマトグラフィ
ー技術を利用し、BioCADTM(PerSeptive Biosystem
s Inc.)灌流クロマトグラフィーワークステーションおよびPros(登
録商標)R−II20カラム、4.6×100mm(PerSeptive B
iosystems Inc.)を用いた。約10mgのペプチドを、カラムに
5ml/分で付し、次いで、0.1%TFAでカラムを平衡化した。ペプチドを
カラムから、0から50%まで10分間かけてアセトニトリルを増やすグラジエ
ントで、流速5ml/分で溶出した。さらに、精製されて尿素を含まないペプチ
ドのピークを採取し、凍結乾燥した。
【0137】 (実施例14) (MBI−11B7CNペプチドおよびそのホモセリン/ホモセリンラクトン
アイソフォームの殺菌活性) 化学合成したカチオン性ペプチドと組換え合成したカチオン性ペプチドとの間
の抗菌活性の比較を行った。
【0138】 化学合成したMBI−11B7CNペプチドおよび組換えDNA合成したMB
I−11B7HSL(ホモセリンラクトン体)およびMBI−11B7HS(ホ
モセリン体)ペプチドの抗菌活性を、抗生物質耐性株を含む種々のグラム陰性お
よび陽性細菌の株に対して試験した。アガロース希釈アッセイは「Method
s for Dilution Antimicrobial Suscept
ibility Tests for Bacteria That Grow
Aerobically−Fourth Edition;Approved
Standard」NCCLS文書M7−A4(ISBN 1−56238−
309−4)第17巻、第2号(1977)に記載のようにして行った。
【0139】 アガロース希釈アッセイは、ペプチドおよびペプチドアナログの抗菌活性を測
定し、これはペプチドの最少阻害濃度(MIC)として表される。
【0140】 インビボでの状態を模倣するために、カルシウムおよびマグネシウムを補充し
たMueller Hintonブロスを低EEOアガロースと組み合わせて、
細菌増殖培地として用いる。寒天ではなくアガロースを用いる、なぜなら寒天中
の荷電した基が、培地を通じてのペプチドの拡散を妨げるからである。培地をオ
ートクレーブにかけ、次に50℃〜55℃に水浴中で冷却し、その後、抗菌性溶
液を無菌状態で添加する。同じ容量の異なる濃度のペプチド溶液を冷却した溶融
アガロースに添加し、次にこれを3〜4mmの深さまで注ぐ。
【0141】 細菌の接種物を、0.5 McFarland濁度標準(PML Micro
biological)に調整し、そして次に、アガロースプレート上に適用す
る前に1:10に希釈する。アガロースに適用した最終接種物は、5〜8mm直
径のスポット中約104CFUである。アガロースプレートを、35℃〜37℃
で16〜20時間インキュベートする。
【0142】 MICを目視で決定して、ペプチドが生物の増殖を完全に阻害する最低の濃度
として記録する。種々の細菌株に対するカチオン性ペプチドについての代表的な
MICを、表3に示す。
【0143】 表3 (MBI−11B7CN(カルボキシ−アミダイト化)ペプチド、MBI−1
1B7HSL(ホモセリンラクトン体)ペプチドおよびMBI−11B7HS(
ホモセリン体)ペプチドの、種々のグラム陰性細菌株およびグラム陽性細菌株に
対する最少阻害濃度(MIC)値)
【0144】
【表3】
【0145】 以上は、特に好適な実施形態について述べたが、本発明はこのように限定され
ないことが、理解される。種々の改変が開示の実施形態に対してなされ得ること
、そしてこのような改変は本発明の範囲内であることが意図され、この本発明の
範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定されることが、当業者にはわかるで
あろう。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1は、(A)プラスミドpET21(+)、(B)プラスミドpET−CB
D180、(C)cbd180を含むPCR断片、ならびに(D)プラスミドp
ET21CBD180−BおよびpET21CBD180−Xの地図である。
【図1B】 図1は、(A)プラスミドpET21(+)、(B)プラスミドpET−CB
D180、(C)cbd180を含むPCR断片、ならびに(D)プラスミドp
ET21CBD180−BおよびpET21CBD180−Xの地図である。
【図1C】 図1は、(A)プラスミドpET21(+)、(B)プラスミドpET−CB
D180、(C)cbd180を含むPCR断片、ならびに(D)プラスミドp
ET21CBD180−BおよびpET21CBD180−Xの地図である。
【図1D】 図1は、(A)プラスミドpET21(+)、(B)プラスミドpET−CB
D180、(C)cbd180を含むPCR断片、ならびに(D)プラスミドp
ET21CBD180−BおよびpET21CBD180−Xの地図である。
【図2】 図2は、融合ポリカチオン性ペプチド遺伝子の地図を示す。
【図3】 図3は、異なるCBD−ポリ−MBI−11融合タンパク質の発現を示すSD
S−PAGE分析である。カラムST:分子量マーカー:14.4、21.5、
31、45、66.2および97.4kDa;カラム1:30℃で培養されたE
.coli MC4100(pGP1−2)の全細胞溶解物;カラム2:30℃
で培養されたE.coli MC4100(pGP1−2、pET21CBD9
6−11)の全細胞溶解物;カラム3:42℃で誘導されたE.coli MC
4100(pGP1−2、pET21CBD96−11)の全細胞溶解物;カラ
ム4:30℃で培養されたE.coli MC4100(pGP1−2、pET
21CBD96−2×11)の全細胞溶解物;カラム5:42℃で誘導されたE
.coli MC4100(pGP1−2、pET21CBD96−2×11)
の全細胞溶解物;カラム6:30℃で培養されたE.coli MC4100(
pGP1−2)の全細胞溶解物;カラム7:30℃で培養されたE.coli
MC4100(pGP1−2、pET21CBD96−3×11)の全細胞溶解
物;カラム8:42℃で誘導されたE.coli MC4100(pGP1−2
、pET21CBD96−3×11)の全細胞溶解物;カラム9:30℃で培養
されたE.coli MC4100(pGP1−2、pET21CBD96−4
×11)の全細胞溶解物;カラム10:42℃で誘導されたE.coli MC
4100(pGP1−2、pET21CBD96−4×11)の全細胞溶解物;
【図4】 図4は、マルチドメインタンパク質の遺伝子の構築に用いられるカセットの地
図を示す。
【図5】 図5は、プラスミドpET21CBD96およびその挿入物の1つの地図を提
示する。
【図6A】 図6Aは、融合マルチドメインタンパク質遺伝子の地図を示す。
【図6B】 図6Bは、融合マルチドメインタンパク質遺伝子の地図を示す。
【図6C】 図6Cは、融合マルチドメインタンパク質遺伝子の地図を示す。
【図7】 図7は、5つ以上のMBI−11B7コピーを有するマルチドメインクローン
の発酵の結果を示すSDS−PAGE分析である。上のパネルはCBDキャリア
に融合したマルチドメインクローンを表す。下のパネルは、キャリアを含まない
マルチドメインクローンを示す。左のパネルは全細胞溶解物を示し、右側のパネ
ルは封入体分割工程を示す。各レーンの主バンドは関連のマルチドメインタンパ
ク質を表し、そして各レーンの下に記載された「x」数はMBI−ペプチドコピ
ーの数を示す。ゲルの左端に記載された数は、分子量標準物(kD)を表す。
【図8】 図8は、プラスミドpET21−3s−5×11B7およびpET21−5s
−7×11B7の一部の地図を示す。
【図9】 図9は、カチオン性ペプチド精製のためのQ−セファロースクロマトグラフィ
ー工程のクロマトグラムであり、これは280nmでのUV吸収および伝導度を
モニターしている。
【図10A】 図10Aは、プラスミドpET21CBD−XおよびpET21CBD−Bの
構築を表す模式図である。
【図10B】 図10Bは、プラスミドpET21CBD−XおよびpET21CBD−Bの
構築を表す模式図である。
【図11】 図11は、Q−セファロースクロマトグラフィーリーディングピーク(純粋な
カチオン性ペプチドを表す)の逆相分析の結果を示すグラフである。この研究に
おいて、C8カラム(4.6×10、Nova−Pak、Waters)を0.
1%TFAを含む水で、1ml/分の流速で平衡化した。次に50μlのQ−セ
ファロースクロマトグラフィーリーディングピーク材料を50μlの平衡化溶液
で希釈したものをカラムに付した。溶出は、溶液B(0.1%TFA、99.9
%アセトニトリル)の0−45%勾配で、1分ごとにBを1%増加させて行い、
次に100%Bのステップで行った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/02 C C12P 21/02 (C12P 21/02 C //(C12P 21/02 C12R 1:19) C12R 1:19) C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 3650 Wesbrook Mall,Va ncouver,British Col umbia V6S 2L2 CANAD A (72)発明者 バートフェルド, ダニエル カナダ国 ブリティッシュ コロンビア ブイ6エル 2シー8, バンクーバー, マクベイン アベニュー 2636 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA07 DA06 EA04 FA02 GA11 HA01 HA03 4B064 AG01 CA02 CA19 CC24 DA02 4B065 AA26X AB01 BA01 CA34 CA44 4H045 AA20 AA30 BA10 CA11 EA29 FA16 FA74

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マルチドメイン融合タンパク質発現カセットであって、不溶
    性タンパク質として発現される核酸分子に作動可能に連結したプロモーターを包
    含し、ここで該核酸分子は、構造(カチオン性ペプチド)−[(切断部位)−(
    カチオン性ペプチド)]nを含むポリペプチドをコードし、ここでnは、1と1
    00との間の値を有する整数であり、そして該カチオン性ペプチドは抗菌活性を
    有する、発現カセット。
  2. 【請求項2】 前記核酸分子がまた、キャリアタンパク質をコードする、請
    求項1に記載の発現カセット。
  3. 【請求項3】 前記nが5と40との間の値を有する、請求項1に記載の発
    現カセット。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の発現カセットであって、ここで前記切断部
    位は、低いpHまたは臭化シアン、2−(2−ニトロフェニルスルフェニル)−
    3−メチル−3’−ブロモインドレニン、ヒドロキシルアミン、o−ヨードソ安
    息香酸、Xa因子、トロンビン、エンテロキナーゼ、コラゲナーゼ、Staph
    ylococcus aureus V8プロテアーゼ、エンドプロテイナーゼ
    Arg−Cおよびトリプシンからなる群より選択される試薬によって切断され得
    る、発現カセット。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の発現カセットであって、ここで前記核酸分
    子は、(a)キャリアタンパク質、(b)構造(切断部位)−(アニオン性スペ
    ーサペプチド)を有する少なくとも1つのペプチドを有するアニオン性スペーサ
    ペプチド成分、および(c)構造(切断部位)−(カチオン性ペプチド)を有す
    るペプチドを少なくとも1つのペプチドを有するカチオン性ペプチド成分を含む
    融合タンパク質をコードし、ここで該切断部位は該アニオン性スペーサペプチド
    または該カチオン性ペプチドのいずれかの側であり得、そしてエレメント(a)
    、(b)、および(c)は、任意の順序または数においてであり得る、発現カセ
    ット。
  6. 【請求項6】 前記キャリアタンパク質が、前記融合タンパク質のN末端に
    位置する、請求項5に記載のマルチドメイン融合タンパク質発現カセット。
  7. 【請求項7】 前記アニオン性スペーサが、システイン残基を欠く、請求項
    5に記載の発現カセット。
  8. 【請求項8】 前記融合タンパク質が、2〜40のカチオン性ペプチドを含
    む、請求項1に記載の発現カセット。
  9. 【請求項9】 前記融合タンパク質が、3〜15のカチオン性ペプチドを含
    む、請求項8に記載の発現カセット。
  10. 【請求項10】 前記アニオン性スペーサペプチドの数が、前記カチオン性
    ペプチドの数よりも大きいかまたは同じである、請求項5に記載の発現カセット
  11. 【請求項11】 前記アニオン性スペーサペプチドの数が、前記カチオン性
    ペプチドの数よりも少ない、請求項5に記載の発現カセット。
  12. 【請求項12】 前記キャリアタンパク質が、100アミノ酸残基未満の長
    さである、請求項2に記載の発現カセット。
  13. 【請求項13】 前記キャリアタンパク質が、100アミノ酸未満の短縮セ
    ルロース結合ドメインである、請求項2に記載の発現カセット。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の発現カセットであって、ここで前記核酸
    分子は、(a)構造(切断部位)−(アニオン性スペーサペプチド)を有する少
    なくとも1つのペプチドを有するアニオン性スペーサペプチド成分、および(b
    )構造(切断部位)−(カチオン性ペプチド)を有するペプチドを少なくとも有
    するカチオン性ペプチド成分を含む融合タンパク質をコードし、ここで該アニオ
    ン性スペーサペプチド成分の累積的な電荷が、該カチオン性ペプチド成分の累積
    的な電荷を減少させる、発現カセット。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の発現カセットであって、ここで前記プロ
    モーターが、lacPプロモーター、tacPプロモーター、trcPプロモー
    ター、srpPプロモーター、SP6プロモーター、T7プロモーター、ara
    Pプロモーター、trpPプロモーター、およびλプロモーターからなる群より
    選択される、発現カセット。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載の発現カセットを含む、組換え宿主細胞。
  17. 【請求項17】 前記宿主細胞が、酵母細胞、真菌細胞、細菌細胞または植
    物細胞である、請求項16に記載の組換え宿主細胞。
  18. 【請求項18】 前記細菌宿主細胞が、Escherichia coil
    である、請求項17に記載の組換え宿主細胞。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載の発現カセットによってコードされる、ポ
    リペプチド。
  20. 【請求項20】 カチオン性ペプチドを含む融合タンパク質を産生する方法
    であって:(a)請求項15に記載の組換え宿主細胞を、該融合タンパク質を産
    生する条件下およびそれに十分な時間培養する、方法。
  21. 【請求項21】 前記融合タンパク質を単離する工程をさらに包含する、請
    求項19に記載の方法。
  22. 【請求項22】 請求項20に記載の方法であって、前記融合タンパク質を
    、低いpHでまたは臭化シアン、2−(2−ニトロフェニルスルフェニル)−3
    −メチル−3’−ブロモインドレニン、ヒドロキシルアミン、o−ヨードソ安息
    香酸、Xa因子、トロンビン、エンテロキナーゼ、コラゲナーゼ、Staphy
    lococcus aureus V8プロテアーゼ、エンドプロテイナーゼA
    rg−Cおよびトリプシンからなる群より選択される試薬で処理することによっ
    て前記ポリペプチドを切断する工程をさらに包含する、方法。
  23. 【請求項23】 請求項21に記載の方法であって、前記切断されたポリペ
    プチドを陰イオン交換クロマトグラフィー樹脂に適用することによって前記カチ
    オン性ペプチドを精製する工程をさらに包含する、方法。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の方法であって、ここで前記陰イオン交
    換カラムが、塩基で荷電され、そして前記カチオン性ペプチドをカラムに充填す
    る前に水で洗浄する、方法。
  25. 【請求項25】 前記カラムが、水および約8Mまでの尿素で平衡化される
    、請求項23に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記カチオン性ペプチドが、約8Mまでの尿素を含む溶液
    中で可溶化される、請求項23に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記カチオン性ペプチドが、温和な有機溶媒を含む溶液中
    で可溶化される、請求項23に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記温和な有機溶媒が、メタノール、エタノール、または
    アセトニトリルである、請求項27に記載の方法。
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