JP2002529750A - 核抵抗セル及びその製造方法 - Google Patents

核抵抗セル及びその製造方法

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JP2002529750A JP2000581654A JP2000581654A JP2002529750A JP 2002529750 A JP2002529750 A JP 2002529750A JP 2000581654 A JP2000581654 A JP 2000581654A JP 2000581654 A JP2000581654 A JP 2000581654A JP 2002529750 A JP2002529750 A JP 2002529750A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、核放射線及び高温の双方に抵抗する遮蔽物質であり、特に放射性廃棄物質を封じ込め不動にするために適している。この物質は、二つ以上の有機ポリマーから成り、含有された充填剤がポリマー及び共重合体のフェニル側の鎖内で架橋結合されている。他の充填剤は、放射性遮蔽を提供し、架橋結合されたマトリクスに含まれていてもよい。物質は、放射線遮蔽物質の粒子が埋め込まれたタフマトリクスを含み、熱伝導性物質であり、全体的にセラミック状又はセラモメタリックな特性を持つ。物質は熱硬化性であり、非常に硬い物質、例えば20,000psiの剪断強さの物質を提供できる。物質は、加硫ゴム及び/又はゴム様のポリマーと、様々な放射線遮蔽含有物と、ポリイミド樹脂と、フェノールホルムアルデヒド樹脂との混合物から成る。正確な割合で混合された後、物質は高められた温度(例えば260℃)で設定される。最終的な物質は、放射線抵抗含有物の割合及び種類に基づき、1立方フット辺り8から50ポンドの密度を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [技術分野] 本発明は放射性物質を遮蔽し封じ込める材料及び組成物に関し、特に放射性材
料に関する。
【0002】 [背景技術] 近年、特にチェルノブイリ発電所の反応炉が「メルトダウン」に近い状態にな
った時以降、核エネルギーに対し、少なからぬ国際的な反感又は率直な敵意が存
在する。これは、化石燃料の燃焼による大気圏への影響の結果である地球規模の
環境変化の恐れが明らかであり深刻化しているにも関わらず存在する。核エネル
ギーへの主な反対は、現存の核反応炉が生成し長期にわたって存在する放射性廃
棄物の結果である打ち勝ちがたく見える危険性や環境へのダメージに起因する。
それにもかかわらず、核廃棄物の潜在的な環境へのダメージは、化石燃料を使い
続けることによる確実な環境へのダメージとなんとかして比較する必要がある。
【0003】 産業革命以前の経済に戻る以外の、地球温暖化による環境の大変動を回避する
唯一の方法は、従来の電力源を核分裂に基づくものに置換えることであると思わ
れる。将来的には、この「汚れた」核分裂に基づく電力源は、よりきれいな核融
合に基づくシステムに置換えられるかもしれないが、現時点では、核分裂が唯一
の選択肢と思われる。現状では、核廃棄物を除去する方法が知られていないので
、この廃棄物を安全に取り扱い封じ込めることが目標となる。現在の核燃料サイ
クルは、潜在的に環境に悪影響を及ぼすいくつかの作業を含む。これらの作業は
、核燃料の発掘及び製造、これらの燃料の核分裂及び反応炉の運転による危険性
、使用済燃料のその場での保存、これらの燃料の運搬及び再利用又は処分などを
含む。
【0004】 安全な反応炉は現在の技術で可能だと思われる。本当の環境的な問題は、使用
済核燃料の再利用及び処分に起因する。使用済燃料が再処理され更に核分裂可能
な物質を産する(長期のエネルギー需要の観点からすると最も効率的な選択肢)
にしても、使用済燃料が単純に直接処分されるにしても、相当量の高放射性物質
を環境から隔離する必要がある。現在認められている方法は、人間の仲介を必要
とせずに放射性物質が無害なレベルに崩壊できる、深い累層に放射性物質を収容
することである。理想的には、これらの「埋葬された」廃棄物が、監視又は人間
の管理無しに環境的に隔離され続ける必要がある。さもなければ、人間の文明に
混乱が生じた時に、放射性物質が漏れ、大災害につながる場合もある。すなわち
、廃棄物を単純に穴に捨てるということではない。これらの物質は、絶えず熱を
発生させている。更に、潜在的に爆発性のガス、主に水素もまた発生している。
放射された放射線は、多くの物質を変化させ弱める。現在における最良の方法と
して、廃棄物を還元し溶媒を除去する方法がある。還元された廃棄物は次に、環
境的な移動を防止するために、ガラス化されまたはそうでなければ安定した形に
変換される。それにも関わらず、通常放射性廃棄物に伴う放射線及び熱及び化学
的条件に対する著しい抵抗を示す特殊な物質を生成するという重要な仕事が残る
。理想的には、そのような物質は、放射線遮蔽特性を持ち、還元された廃棄物を
遮蔽しおおうために使うことができる。このような物質のもう一つの重要な使用
方法として、廃炉又は傷ついた核施設の封印があげられる。
【0005】 このような物質の、最も容易で粗雑なものはおそらく、コンクリートであろう
。単純なポートランドセメントに基づく物質又はそれと同様の物質に鉱物を追加
の遮蔽物質(例えば重金属の粒子)として含むため、これらの物質は、核放射線
の遮蔽を提供する。しかしながら、単純なコンクリートは、いくつかの核廃棄物
による厳しい化学条件下においては、長時間耐えられない場合もある。液体核廃
棄物のコンクリートタンクの有効寿命は、15年以下である。コンクリートは、
還元されガラス化された廃棄物に対しては、より効果的ではあるが理想からはほ
ど遠い。また、より容易に適用でき、優秀な遮蔽及び/又は物理的な特性を持つ
、新しい遮蔽及び封じ込め物質による実験もいくつか行われている。しかしなが
ら、現在に至るまで、これらの物質の実験はそれほど成功していない。
【0006】 [発明の開示] 本発明は核放射線及び高温に対して抵抗する遮蔽物質であり、特に放射性排気
物質を覆い、不動にするために適している。物質は、二つ以上の有機ポリマーか
ら成る混合物であり、この有機ポリマーに含まれる充填剤がポリマー及び共重合
体のフェニル側の鎖内で架橋結合している。他の充填剤は放射性遮蔽を提供し、
架橋結合したマトリクス内に含まれていてもよい。物質は、放射線遮蔽物質の粒
子が埋め込まれたタフマトリクス(tough matrix)と、全体的にセ
ラミック状又はセラモメタリック(ceramometallic)特性を持つ
熱伝導性物質を含む。物質は熱硬化性であり、非常に硬い物質、例えば20,0
00psiの剪断強さを持つ物質を提供できる。物質は、加硫ゴム及び/又はゴ
ム状のポリマーと、様々な放射線遮蔽含有物と、ポリイミド樹脂及びフェノール
ホルムアルデヒド樹脂との混合物から成る。正確な割合で混合された後、物質は
、高められた温度(260℃)で設定される。最終的な物質は、割合及び放射線
抵抗含有物の種類により、1立方フット当たり8から50ポンドの密度を持つ。
【0007】 [発明を実施するための最良の形態] これに続く説明は、当業者が本発明を実施し利用できる様に提供され、発明者
が本発明を実施するために最良と思われる方法を示す。しかしながら、本発明の
主要目的が、適用が容易で様々な化学及び物理的な難題に抵抗する核遮蔽物質を
提供するものとここに特に定義されているので、様々な変形が当業者には明らか
であろう。
【0008】 本発明は、コンクリートよりも優秀な遮蔽及び物理特性を持つ、放射性廃棄物
の遮蔽及び収容のための新しい物質を提供する。この物質は、放射線遮蔽物質の
粒子が埋め込まれたタフマトリクス及びセラミック様の特性を持つ熱伝導性表面
を含むため、非細胞性である。この疑似セラミック又はセラモメタリック構造は
、物質の全体重量を減らし、同時にその有利な物理的特徴を追加する。物質は、
核への抵抗を提供するためのものであるので、ここでは、NRC(核抵抗細胞物
質)(Nuclear Resistance Cellular materi
al)と呼ぶ。
【0009】 NRCは、二つ以上の有機ポリマーからなり、含有された充填剤が、ポリマー
及び共重合体のフェニル側の鎖内で架橋結合されている。他の充填剤は、放射性
遮蔽を提供し、橋かけ結合されたマトリクスに含まれていてもよい。NRCは熱
硬化性であり、一旦完全にポリマー化されると、広い範囲の化学薬品に不浸透性
の非常に硬い物質(ロックウェルRc92−20,000psiの剪断強さ)を
提供できる。非常に高い温度(2,200℃)へ長時間にわたりさらすことによ
り、最終的に有機マトリクスの分解を招くこともある。しかしながら、NRC全
体の特性が比較的一定になるように、様々な充填剤及び含有物がセラミック様の
マトリクスを形成する。すなわち、非常に高い温度にさらされた時でも、物質の
遮蔽能力はそれほど影響を受けず、セラモメタリック構造は、有効な物理的な強
度を保つ。
【0010】 NRCは、重さがほぼ同じ量の化合物1と化合物2とを混合し加熱することに
より生成される。各化合物は、最終的な物質の架橋結合及び遮蔽システムの一部
を含む。基礎として使われる熱硬化性樹脂システムは、加硫及び塩化ゴム(ゴム
)と、ポリイミド樹脂と、フェノールホルムアルデヒドとを含む。様々な放射線
遮蔽及び他の物質が、強度及び有利な放射線特性を付与するために含有される。
発明者はこれらの様々な物質を、「A」、「B」、「C」、「D」によって表さ
れる四つの異なる成分グループ物質をあらわすと考える。下に説明するように、
各成分グループには、数々の代用の物質が存在する。化合物1は、成分グループ
A及びCの物質から成り、好適には成分グループCの物質が、成分グループAの
物質の7.5%から17.5%の重さで存在する。化合物2は、成分グループB
と成分グループDの物質の混合物を含み、成分グループBの物質の重さが化合物
1の成分グループAの物質の重さを上回らず、成分グループDの物質が同じ化合
物2内の成分グループBの物質の0.5%から7.5%の重さで存在する。下に
示す指標に従い、与えられた化合物2の組成に対して与えられた化合物1の組成
が一致するものであれば、明らかに、化合物1及び化合物2としては広い範囲の
組成が可能である。
【0011】 成分グループAは、マトリックスのエラストマー部分を組成する。イソプレン
構造を含有する多数のゴム状化合物を、成分グループAの物質として使用できる
。好ましい物質は、半合成の加硫化および塩素化ポリマーである。すなわち、ポ
リマー鎖を形成する炭素原子に、硫黄および塩素原子が共有結合しているもので
ある。他のハロゲン置換分の適用も可能である。この系の化合物で市販のものに
は、ブチルゴム、並びに、商品名ネオプレン(NEOPRENE)、チオコル(
THIOKOL)、クラトン(KRATON)、およびクロロプレン(CHLO
ROPREN)(それぞれ登録商標)として流通しているポリマーなどが挙げら
れる。その他に成分グループAの要素として使用できる類似のゴム状ポリマーは
、通常の技術を有する当業者には周知である。現在までに生成されたNRC物質
は一般的に、成分グループA物質を一種類しか含まないが、特定の性質を達成す
るために数種のこれらの物質の混合物を使用できない理由はない。たとえば、よ
り高度にハロゲン化された数種の物質を使用することで、特定の化学物質、特に
有機溶剤に対する全体的耐性が向上できる。NRCが有機溶剤に接触する可能性
のある利用状況では、より高度にハロゲン化された成分グループAの物質の使用
が有益になり得る。
【0012】 成分グループB材料は、一般的構造CO−NR−COを有するポリマーイミド
結合を含有するポリミド(polymide)またはポリイミド樹脂のいずれか
を含む。ここで、「C」は炭素原子、「O」は酸素原子、「N」は窒素原子、そ
して「R」は有機基を表す。「R」に適用可能な無数にあるが、簡単に入手可能
なポリイミド樹脂では、メチル−2−ピロリドンなどのRグループが用いられて
いる。成分グループB材料であって入手可能な樹脂には、商品名P−84および
エンヴェックス(ENVEX)(共に登録商標)で販売されている材料が含まれ
る。また、成分グループB材料の一部または全体が、ビニルポリジメチル樹脂で
組成されてもよい。
【0013】 成分グループC材料は主に、NRCの核放射線遮蔽性および耐性を向上させる
ために添加する。成分グループC材料の多くは、バリウム化合物、および/また
は、周期表でバリウムと同じ族に属する元素の化合物である。非核および核関連
の両応用において、1種類以上の以下の粉末(平均粒度が直径約10μm以下で
あるべきで、直径約5μm未満であることが好ましい)を用いることが有用であ
る:酸化アルミニウム(特定の化合物1に使用された成分グループA材料の約5
〜15重量%であり、好ましくは約10重量%);硫酸バリウム(BaSO4
、炭酸バリウム(BaCO3)、バリウムフェライト(BaFe1219)、硝酸
バリウム(Ba(NO32)、メタホウ酸バリウム(BaB24・H2O)、酸
化バリウム(BaO)、バリウムシリケート(BaSiO3)、バリウムジルコ
ネート(BaZrO3)、バリウムアクリレート、バリウムメタクリレート、バ
リウムアルコキシド、バリウムイソプロポキシド、および/またはバリウム鉄イ
ソプロポキシドなどのバリウム化合物(最高で約35重量%まで);炭酸鉛(II
)((PbCO32・Pb(OH)2)、クロム酸鉛(II)(PbCrO4)、酸
化モリブデン鉛(PbMoO4)、硝酸鉛(II)(Pb(NO32)、オルトリ
ン酸鉛(Pb3(PO42)、酸化鉛(II)(PbO)、酸化鉛(II,III)(P
34)、ステアリン酸鉛(II)(Pb(C183522)、鉛アクリレート、
および/または鉛メタクリレートなどの鉛化合物(最高で成分グループA材料の
約35重量%まで)。特に核関連の応用においては、炭化タングステン、炭化チ
タン、酸化鉛、重金属化合物、並びにヨウ素(ヨウ化物および有機ヨウ素化合物
を含む)の粉末をさらに添加してもよいが、これらの5つの追加材料の総重量は
、成分グループA材料の重量の約10%を超過しないことが好ましい。さらに、
上記に列挙したすべての粉末の総量は、成分グループA材料の約7.5〜17.
5重量%を構成すべきである。核関連の応用においては、上記すべての成分グル
ープC材料の総量は、成分グループA材料の約12.5〜17.5重量%である
ことが好ましい。
【0014】 成分グループD材料は、2つの別々のサブグループから成る。成分グループD
ポリマー材料は、NRCに熱硬化性を付与する。これらの材料は、成分グループ
AおよびBの材料と反応しそれらの材料を架橋結合することが意図される。「原
型的な」成分グループDポリマー材料は、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(
成分グループB材料の約5重量%まで)である。幅広い種類のフェノール−ホル
ムアルデヒド樹脂が、本発明において適用可能且つ有用である。また、ホルムア
ルデヒド(好ましくはパラホルムアルデヒド)を直接に添加してもよい。その場
合は、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂の代わりにフェノール樹脂を添加する
ことが好適になり得る(フェノール−ホルムアルデヒド樹脂がインシトゥで生成
される)。あるいは、ポリホルムアルデヒド化合物をプラチナビニルポリマー(
有機プラチナ)で置換することによって、さらなる放射線耐性が得られる。フェ
ノール−ホルムアルデヒドおよび/またはプラチナビニルポリマーは、NRC組
成の重要な構成要素である。さらに他の材料を、成分グループD添加材料として
使用できる。ポリホルムアルデヒドまたはプラチナビニルへの添加物には、フュ
ーム(fume)シリカゲルおよびアラビアゴム(結合剤として作用する)が含
まれる。成分グループD添加材料はさらに以下を含んでもよい:酸化マグネシウ
ム(成分グループD材料の総量の約1〜8重量%、好ましくは約3重量%);酸
化ジルコニウム(成分グループD材料の総量の約1〜5%、好ましくは約2%)
;二酸化ケイ素(成分グループD材料の総量の約1〜10%、好ましくは約5%
);酸化ケイ素(成分グループD材料の総量の約1〜5%);ジルコニウムシリ
ケート(成分グループD材料の総量の約2〜10%、好ましくは約4%);およ
び炭素。またさらに、酸化鉄、および/または、リン酸鉄(FePO2)、ケイ
化鉄(FeSi)、および/または硫酸鉄(III)(Fe2(SO43)などの他
の鉄化合物も使用できるが、成分グループD材料の総重量の2%以下を構成すべ
きである。酸化ジルコニウム、ジルコニウムシリケート、および酸化鉄は、核関
連の応用においてのみ使用することが望ましい。酸化チタン(最高で成分グルー
プD材料の重量の約1%まで)および酸化ベリリウム(最高で成分グループD材
料の重量の約1%まで)も使用可能である。ホルムアルデヒド樹脂への添加物を
使用せずにNRCを生成することもできるが、それによって得られるNRCは一
般的に、添加物を用いたNRCに比べて効果が劣る。しかしながら本発明者は、
ホルムアルデヒド樹脂への添加物を使用しないNRCの生成をも企図している。
【0015】 上記段落で説明した成分グループC材料がNRCの好適な原材料であるが、そ
のいくつかは省略でき、使用する成分グループC材料の総重量を成分グループA
材料の重量の7.5%未満にしてもよい。たとえば本発明者は、酸化アルミニウ
ムのみをホルムアルデヒドと共に使用することで、重量を削減し且つ熱伝導性を
向上させたNRCを作成することを企図している。また、上記に挙げたバリウム
化合物、上記の鉛化合物、リン酸鉄、ケイ化鉄、および/または硫化鉄を用いて
、核生成の低減を図ることも可能である。
【0016】 酸化鉄、酸化チタン、ジルコニウムシリケート、酸化ジルコニウム、および酸
化ベリリウムを含むNRCは、あらゆる利用状況において使用できるが、核汚染
領域で使用することが好ましい。遊離炭素を含むNRCは、特に遊離酸素の存在
下での火災を考慮し、核関連の応用には用いないことが好ましい。ただし、遊離
炭素を含むNRCは軽量且つ安価であるため、非核関連の応用に用いてもよい。
遊離炭素を含むNRCは、難燃材としても作用するが、燃焼時には一酸化炭素を
発生させる。
【0017】 NRCは、成分グループA、B、C、およびDの材料によって構成される2つ
の基本化合物「1」および「2」を混合することによって生成される。ここで、
材料Bはポリイミドまたはポリイミド樹脂(材料Aの100重量%にまで相当す
る)である。化合物2は、フェノール性/熱硬化性および/またはプラチナビニ
ルポリマーの多様な組み合わせから成る。NRCは、化合物1および2を混合し
共に加熱することで生成される。
【0018】 化合物1=[成分グループA材料+成分グループC材料(成分グループA材料
の7.5〜17.5重量%)] 化合物2=[成分グループB材料(成分グループA材料の重量を超過しない)
+成分グループD材料(成分グループB材料の0.5〜7.5重量%)] NRC=化合物1+化合物2 化合物1は、材料Cが材料Aの7.5〜17.5重量%になるように、成分グ
ループC材料が予め混合された成分グループA材料である。化合物2は、材料D
が材料Bの1〜15重量%になるように、成分グループD材料が予め混合された
成分グループB材料である。もしくは化合物2は、ポリホルムアルデヒドの代わ
りにプラチナビニルポリマー(化合物2の約1〜15重量%)を成分グループB
材料中に混合して調製してもよい。続いて、材料Aおよび材料Bのプレ混合以前
の元の重量が好ましくは同等になるように、2つのプレ混合した化合物を混合す
る。
【0019】 本発明者はさらに、成分グループB材料がプラチナフェニリル樹脂および/ま
たはプラチナビニル樹脂である場合も考慮している。成分グループB材料にプラ
チナフェノール性樹脂を使用すると、より高密度タイプのNRCが生成される。
高密度タイプは核環境での応用に好適であり、より低密度タイプのNRCは非核
環境での応用に好適である。
【0020】 2つの化合物の混合は、好ましくは高圧(少なくとも約2400psi)の静
的ミキサ(static mixer)内で実施すべきである。あるいは混合は
、手作業、標準的ミキサ、超音波ミキサ、または超音波装置に取り付けられた静
的ミキサによって実施できる。ただし、超音波ミキサがより実用的である。化合
物1を超音波ミキサの一つの回転ノズルから射出し、化合物2を他の回転ノズル
から射出する。これらの2つの化合物は、ミキサの端部の立方体状ヘッド内にて
中空で混合される。得られた混合物を、好ましくはアルミニウム製の型内に注入
するか、あるいは表面にスプレーする。その状態で、最終的なNRCが硬化およ
びポリマー化し始める。核関連の応用のためのNRCは、非核関連の応用の場合
と比べて、重量/体積比を約30〜60%、好ましくは約50%高めて調製すべ
きである。次に、混合したNRCを上昇した温度で硬化する(約260℃で約4
5分)。化合物2と混合する直前に化合物1を120℃まで加熱した場合は、得
られたNRCは約25分間のみで硬化し得る。NRCは、1立方フット当たり約
8〜50ポンド(lb/ft3)の範囲の密度を有し、上昇した温度および圧力
下で硬化した後には、20,000psiの剪断強さを伴う極めて硬い固体構造
を有する。
【0021】 図1は、硬化したNRC中のさまざまな成分グループ材料の相互作用を表す図
式である。成分グループAのエラストマー材料は、成分グループD材料の結合剤
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂に連結し、その連結には成分グループDの結
合剤/添加物が含まれる。同時に、成分グループAおよびDの両成分グループの
材料は、成分グループB材料であるイミドポリマーに架橋結合する。この架橋構
造全体はさらに、成分グループCの核生成阻害剤を含む。熱硬化によって形成さ
れる主要バックボーンのポリマー構造は、図2に示すイミド化および芳香族化構
造体であると考えられ、好ましい組成ではRがメチル−2−ピロリドンである。
さまざまな添加物によってセラモメタリック特性が付与され、材料が極めて高い
温度にさらされた場合にその性質が強化され支配的になる傾向がある。
【0022】 請求項に記載の要素の同等物に加え、当業界で通常の知識を有する者にとって
現在または今後において周知の明白な置換物は、定義した要素の範囲内であると
規定される。したがって請求の範囲は、上記で具体的に例証および説明した事項
、それと概念的に同等な事項、明らかに代替できる事項、および本発明の本質的
な概念を実質的に組み入れた事項を含むと理解される。当業者は、本発明の範囲
および精神から逸れることなく、上述の好適な実施形態においてさまざまな変更
や修正を構成できると認識するであろう。例証した実施形態は、例を示すことの
みを目的に記載したものであり、本発明を制限するものではない。したがって本
発明は、添付の請求の範囲内であれば、本明細書で具体的に説明した以外の手法
でも実施できると理解すべきである。
【0023】 新規と思われる本発明の目的及び特徴は、付随する請求項に特に示す。本発明
の組成及びその運用の方法は、更なる目的及び利点と共に、付随する図面と関連
してこれに続く説明を参照することより、よりよく理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の核抵抗物質の組成を示す線図である。
【図2】 本発明の物質のポリマーバックボーンを成すと考えられるイミド
化された芳香性ポリイミドの化学図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU ,ZA,ZW

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線に抵抗する熱硬化性組成物であって、 熱加硫された、第一及び第二の組成物の混合物を含み、 前記第一の組成物は、グループAの材料とグループCの材料との混合物を有し
    、前記グループCの材料は、前記グループAの材料の5%から20%の重さで存
    在し、前記グループAの材料は、イソプレン構造を含むエラストマー化合物を含
    み、前記グループCの材料は、核放射線遮蔽化合物を含み、 前記第二の組成物は、グループBの材料とグループDのポリマー材料との混合
    物を有し、前記グループDの材料は、前記グループBの材料の0.5%から10
    %の重さで存在し、前記グループBの材料は、ポリミド樹脂、ポリイミド樹脂、
    白金フェノール樹脂、及び白金ビニール樹脂の少なくとも一つを含み、前記グル
    ープBの材料は、前記第一の組成物の前記グループAの材料の重さを上回らず、
    前記グループDの材料は、フェノールホルムアルデヒド樹脂を含むことを特徴と
    する放射線に抵抗する熱硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の放射線抵抗熱硬化性組成物であって、前記
    グループCの材料は、硫酸バリウム、炭酸バリウム、バリウムフェライト、硝酸
    バリウム、バリウムメタホウ酸、酸化バリウム、珪酸バリウム、ジルコン酸バリ
    ウム、アクリル酸バリウム、バリウムアルコキシド、バリウムイソプロポキシド
    、バリウム鉄イソプロポキシド、炭酸鉛、クロム酸鉛、酸化モリブデン鉛、硝酸
    鉛、オルト燐酸鉛、酸化鉛、ステアリン酸鉛、アクリル酸鉛、メタクリル酸鉛、
    炭化タングステン、及びヨウ素からなるリストから選択されたものであることを
    特徴とする放射線抵抗熱硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の放射線抵抗熱硬化性組成物であって、 前記グループDのポリマー材料は、更に白金ビニールポリマーを含むことを特
    徴とする放射線抵抗熱硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の放射線抵抗熱硬化性組成物であって、 前記グループDのポリマー材料は、更にグループD添加剤を含むことを特徴と
    する放射線抵抗熱硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の放射線抵抗熱硬化性組成物であって、 前記グループD添加剤は、フュームシリカゲル、アラビアゴム、酸化マグネシ
    ウム、酸化ジルコニウム、二酸化珪素、酸化珪素、珪酸ジルコニウム、炭素、酸
    化鉄、燐酸鉄、珪化鉄、硫酸鉄、酸化チタン、及び酸化ベリリウムから成るグル
    ープから選択されることを特徴とする放射線抵抗熱硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の放射線抵抗熱硬化性組成物であって、 前記第一の組成物の重さ及び前記第二の組成物の重さは、前記第一の組成物内
    のグループAの材料の重さと、前記第二の組成物内のグループBの材料の重さと
    が等しくなるように選択されることを特徴とする放射線抵抗熱硬化性組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の放射線抵抗熱硬化性組成物であって、 前記グループBの材料は、白金フェノール樹脂及び/又は白金ビニール樹脂を
    含むことを特徴とする放射線抵抗熱硬化性組成物。
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