JP2002529090A - ケモカインβ−7 - Google Patents

ケモカインβ−7

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JP2002529090A
JP2002529090A JP2000581202A JP2000581202A JP2002529090A JP 2002529090 A JP2002529090 A JP 2002529090A JP 2000581202 A JP2000581202 A JP 2000581202A JP 2000581202 A JP2000581202 A JP 2000581202A JP 2002529090 A JP2002529090 A JP 2002529090A
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テオドラ ダブリュー. サルセド,
ビクラム パテル,
ロバート ジョン ベンジャミン ニッブス,
ジェラルド ジョン グラハム,
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒトケモカインβ−7(Ckβ−7)の欠失変異体ポリペプチドおよび置換変異体ポリペプチド、ならびにこれらのポリぺプチドをコードする核酸分子、および組換え技術を使用してこのようなポリペプチドを生成する手順に関する。一つの局面において、本発明はまた、医学的処置養生法における、全長かつ成熟形態のCkβ−7ならびに欠失変異体および置換変異体の使用に関する。特に、本明細書中に記載されるCkβ−7ポリペプチドは、リウマチ様関節炎、炎症、呼吸器疾患、アレルギー、およびIgE媒介性のアレルギー反応を含む様々な状態を処置するために使用され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (発明の分野) 本発明は、ヒトケモカインβ−7(Ckβ−7)の欠失変異体ポリペプチド、
および置換変異体ポリペプチド、ならびにこのようなポリペプチドをコードする
核酸分子、そして組換え技術を用いてこのようなポリペプチドを生成するプロセ
スに関する。1つの局面において、本発明はまた、医療用処置レジメンにおける
、全長および成熟形態のCkβ−7、ならびに欠失変異体および置換変異体の使
用に関する。特に、本明細書中において記載されるCkβ−7ポリペプチドは、
種々の状態(慢性関節リウマチ、炎症、呼吸疾患、アレルギー、IgE媒介アレ
ルギー反応、腎臓疾患を含む)を処置するために利用され得、そして移植治療に
利用され得る。ケモカインβ−7はまた、MIP−4、PARC、AMAC1お
よびDCCK1として公知である。
【0002】 (関連技術) ケモカインは、インタークライン(intercrine)サイトカインとも
呼ばれ、構造的かつ機能的に関連するサイトカインのサブファミリーである。こ
れらの分子は、サイズが8〜14kdである。一般に、ケモカインは、アミノ酸
レベルで20%〜75%の相同性を示し、そして2つのジスルフィド結合を形成
する4つの保存されたシステイン残基により特徴づけられる。最初の2つのシス
テイン残基の配列に基づき、ケモカインは2つの主要なサブファミリー(αおよ
びβ)に分類されている。αサブファミリーにおいて、最初の2つのシステイン
は、1つのアミノ酸により分離されており、従って「C−X−C」サブファミリ
ーと呼ばれる。βサブファミリーにおいて、この2つのシステインは、隣接する
位置にあり、従って−C−C−サブファミリーと呼ばれる。これまで、このファ
ミリーの少なくとも8つの異なるメンバーが、ヒトにおいて同定されている。よ
り最近には、2つのさらなるケモカインファミリー、すなわちCファミリーおよ
びCX3Cファミリーが記載されている。
【0003】 インタークラインサイトカインは、広範な種々の機能を示す。顕著な特徴は、
別個の細胞型(単球、好中球、Tリンパ球、好酸球、好塩基球および線維芽細胞
を含む)の化学走性移動を導くというその能力である。多くのケモカインは、前
炎症性活性を有し、そして炎症反応の間の多数の段階に関与する。これらの活性
は,ヒスタミン放出の刺激、リソソーム酵素放出およびロイコトリエン放出、内
皮細胞への標的免疫細胞の付着増大、補体タンパク質の結合増強、顆粒球接着分
子および補体レセプターの発現誘導、ならびに呼吸バーストを含む。炎症におけ
るケモカインの関連に加えて、特定のケモカインは、他の活性を示すことが示さ
れている。例えば、マクロファージ炎症タンパク質1(MIP−1)は造血幹細
胞増殖を抑制し得、血小板第4因子(PF−4)は内皮細胞増殖の強力なインヒ
ビターであり、インターロイキン8(IL−8)はケラチノサイトの増殖を促進
し、そしてGROは黒色腫細胞に関するオートクライン増殖因子である。
【0004】 多様な生物学的活性を考えると、ケモカインが多数の生理学的状態および疾患
状態(リンパ球の輸送、創傷治癒、造血調節および免疫学的障害(例えば、アレ
ルギー、喘息および関節炎)を含む)に関連していることは、驚くことではない
。造血系列調節因子の一例は、MIP−1である。MIP−1は、本来は、マク
ロファージから産生される、エンドトキシン誘導性前炎症性サイトカインとして
同定された。引き続く研究は、MIP−1が、異なるけれども関連する2つのタ
ンパク質、MIP−1αおよびMIP−1βから構成されることを示した。MI
P−1αおよびMIP−1βの両方が、マクロファージ、単球、およびTリンパ
球に対する化学誘因物質である。興味深いことに、多分化能幹細胞インヒビター
(SCI)の生化学的精製および引き続く配列分析は、SCIがMIP−1βに
同一であることを明らかにした。さらに、MIP−1βは、MIP−1αが造血
幹細胞の増殖を抑制する能力を相殺し得ることが示されている。この知見は、M
IP−1の主要な生理学的役割は骨髄中で造血を調節することであるという仮説
、および提唱された炎症性の機能が二次的であるという仮説を導く。幹細胞イン
ヒビターとしてのMIP−1αの作用の様式は、G2S間期で、細胞周期を遮断
する能力に関する。さらに、MIP−1αの阻害効果は、未成熟な前駆体細胞に
制限されるようであり、そして、実際に、顆粒球マクロファージコロニー刺激因
子(GM−CSF)の存在下で、後期前駆体に対して刺激性である。
【0005】 マウスMIP−1は、リポ多糖類刺激性RAW264.7(マウスマクロファ
ージ腫瘍細胞株)由来の、主要な分泌タンパク質である。これは精製され、そし
て2つの関連タンパク質MIP−1αおよびMIP−1βからなることが見出さ
れている。
【0006】 いくつかのグループが、MIP−1αおよびMIP−1βのヒトのホモログで
ありそうなものをクローニングしている。すべての場合において、cDNAは、
活性化されたT細胞RNAに対して調製されたライブラリーから単離された。
【0007】 MIP−1タンパク質は、初期創傷炎症細胞において検出され得、そして創傷
線維芽細胞から、IL−1およびIL−6の産生を誘導することを示している。
さらに、精製されたネイティブMIP−1(MIP−1ポリペプチド、MIP−
1αポリペプチドおよびMIP−1βポリペプチドを含む)は、マウスのフット
パッド(footpad)への皮下注射、またはウサギの脳脊髄液への槽内注射
のいずれかの場合に、急性炎症を引き起こす(WolpeおよびCerami、
FASEB J.3:2565−73(1989))。MIP−1のこれらの前
炎症性性質(直接または間接であり得る)に加えて、MIP−1は、滅菌創傷チ
ャンバを利用した実験マウスモデルにおいて、創傷治癒の初期炎症期の間に、回
復されている(Faheyら、Cytokine 2:92(1990))。例
えば、Chiron Corporationにより出願された、国際特許出願
番号PCT/US92/05198は、酵母における哺乳動物のマクロファージ
炎症タンパク質(MIP)の産生のための鋳型として活性なDNA分子を開示す
る。
【0008】 マウスのMIP−1αおよびMIP−1βは異なるが、サイトカインに密接に
関連する。2つのタンパク質の部分精製混合物は、好中球機能に影響を与え、そ
して局所的な炎症および発熱を引き起こす。MIP−1αは、酵母細胞中で発現
され、そして精製し均質化された。構造分析は、MIP−1αが、血小板第4因
子(PF−4)およびインターロイキン8(IL−8)に対して非常に類似した
二次構造および三次構造を有し、限定された配列相同性を共有することを確証し
ている。マウス幹細胞を、トリチウム化チミジンによる、引き続くインビトロで
の殺傷から保護するために、MIP−1αが、インビボで活性であることもまた
実証されている。MIP−1αはまた、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子
に応答して、より傾倒した(committed)前駆体顆粒球マクロファージ
コロニー形成細胞の増殖を高めることを示した(Clemens,J.M.ら、
Cytokine 4:76−82(1992))。
【0009】 単球化学走性タンパク質の4つの形態、すなわち、MCP−1、MCP−2、
MCP−3およびMCP−4が存在する。すべてのこれらのタンパク質は、構造
的かつ機能的に特徴づけられており、そしてまた、クローニングおよび発現され
ている。MCP−1およびMCP−2は、白血球(単球および白血球)を誘引す
る能力を有し、一方、MCP−3はまた、好酸球およびTリンパ球を誘引する(
Dahinderi.E.ら、J.Exp.Med.179:751−756(
1994))。MCP−4は、好酸球および単球を誘引する(Garcia−Z
apeda.E.A.ら、J.Immunol.157:5613(1996)
;Uguccioni.M.ら、J.Exp.Med.183:2379(19
96);Forssmann.U.ら、J.Exp.Med.185:2171
(1997))。
【0010】 ヒトMCP−1は、推定分子量8,700ダルトンを有する、76アミノ酸の
塩基性ペプチドである。MCP−1は、主に、単球、内皮細胞および線維芽細胞
において誘導性に発現する。Leonard,E.J.およびYoshimur
a,T.、Immunol.Today 11:97−101(1990)。こ
の発現を誘導する因子は、IL−1処置、TNF処置またはリポ多糖類処置であ
る。
【0011】 MCP−1の他の性質は、百日咳毒素感受性様式において、成熟ヒト好塩基球
を強力に活性化する能力を含む。MCP−1は、好塩基球によるヒスタミン放出
を直接的に誘導し得るサイトカインである(Bischoff,S.C.ら、J
.Exp.Med.175:1271−1275(1992))。さらに、MC
P−1は、インターロイキン3、インターロイキン5または顆粒球/マクロファ
ージコロニー刺激因子を用いた好塩基球前処置により、ロイコトリエンC4の形
成を促進する。MCP−1誘導性好塩基球媒介物放出は、アレルギー炎症および
MCP−1を発現する他の病理において、重要な役割を果たし得る。
【0012】 ヒトの単球化学走性および活性化因子(MCAF)をコードするヌクレオチド
配列を有するクローンは、23アミノ酸残基の推定シグナルペプチド配列および
76アミノ酸残基の成熟MCAF配列から構成されるべきMCAFポリペプチド
の一次構造を明らかにする。Furutani,Y.H.ら、Biochem.
Biophys.Res.Commu.159:249−55(1989)。ヒ
トの神経膠腫由来単球化学走性因子(GDCF−2)の完全なアミノ酸配列もま
た、決定されている。このペプチドは、ヒトの単球を誘引するが、好中球を誘引
しない。GDCF−2が、76アミノ酸残基を含むことが確証された。このペプ
チド鎖は、11位、12位、36位および52位で、4つのハーフシステイン(
half−cystein)を含み、これらのシステインは、ジスルフィド架橋
でクラスター形成される一対のループを形成する。さらに、MCP−1遺伝子は
、ヒト第17染色体に示されている。Mehrabian,M.R.ら、Gen
omics 9:200−3(1991)。
【0013】 特定のデータは、MCP−1の潜在的な役割が、動脈壁の単球の浸潤を媒介す
ることであることを示唆する。単球は、泡沫細胞の前駆体としても、成長因子媒
介内膜過形成の潜在的な原因としても、じゅく腫発生に対して中心的であるよう
である。Nelken,N.A.ら、J.Clin.Invest.88:11
21−7(1991)。MCP−1の滑液産生は、慢性関節リウマチに関連した
炎症の間に、単核食細胞の補充に重要な役割を果たし得ること、および、滑液組
織マクロファージが、このサイトカインの優勢な源であることもまた、見出され
ている。MCP−1レベルは、変形性関節症患者または他の関節炎の患者由来の
滑液と比較して、慢性関節リウマチ患者由来の滑液において、有意により高いこ
とが見出された。Koch,A.E.ら、J.Clin.Invest.90:
772−9(1992)。
【0014】 MCP−2およびMCP−3は、前炎症性タンパク質のサブファミリーに分類
され、そしてMCP−2およびMCP−3は、好中球ではなく単球を特異的に誘
引するため、機能的にMCP−1と関連する。Van Damme,J.ら、J
.Exp.Med.176:59−65(1992)。MCP−3は、MCP−
1およびMCP−2に対して、それぞれ71%および58%のアミノ酸相同性を
示す。MCP−3は、マクロファージ機能を調節する炎症性サイトカインである
【0015】 血液リンパ幹細胞の移植は、癌および血液学的障害の処置において提唱されて
いる。多くの研究が、末梢血液から収集された造血幹細胞の移植が、骨髄由来の
幹細胞の移植を超える利点を有することを実証する。少数の循環化幹細胞に起因
して、末梢血液への多能性骨髄幹細胞の動員の誘導の必要性がある。適切な量の
幹細胞を得るために、プロセスされるべき血液量の減少が、自家移植手順の使用
を増加し、そして同種移植に関連した対宿主性移植片反応(graph ver
sus host reaction)の危険性を排除する。現在、骨髄CD3
+幹細胞の血液動員は、薬剤(抗分芽性薬物を含む)とG−CSFまたはGM
−CSFとを組み合わせたものの注射によって獲得される。幹細胞動員を可能に
する薬物としては、IL−1、IL−7、IL−8およびNIP−1aが挙げら
れる。IL−1とIL−8の両方は、良好な移植にとって危険であり得る前炎症
性活性を示す。IL−7は、長期間にわたって高用量で投与されねばならず、そ
してMIP−1aは、単一の薬剤としては全く活性ではなく、そしてG−CSF
と組み合わせた場合に、最善の活性を示す。
【0016】 (発明の要旨) 1つの局面において、本発明は、ヒトケモカインCkβ−7の欠失変異体およ
び置換変異体、ならびに生物学的に活性なその誘導体および診断的または治療的
に有用なその誘導体を提供する。
【0017】 本発明の別の局面に従って、本発明のポリペプチドをコードする単離された核
酸分子が提供され、これは、mRNA、DNA、cDNA、ゲノムDNAならび
にアナログ、ならびに生物学的に活性なそのフラグメント、アナログおよび誘導
体、ならびに診断的または治療的に有用なそのフラグメント、アナログおよび誘
導体を含む。
【0018】 本発明は、図1(配列番号2)に示されるアミノ酸配列または1994年2月
9日に、ATCC受託番号75675として細菌宿主において寄託されたcDN
Aクローンによってコードされるアミノ酸配列を有するCkβ−7ポリペプチド
の変異体をコードするポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子をさらに提
供する。寄託されたCkβ−7クローンの配列決定によって決定されたヌクレオ
チド配列(図1(配列番号1)に示される)は、89アミノ酸残基のポリペプチ
ドをコードするオープンリーディングフレームを含み、約20アミノ酸残基のリ
ーダー配列、ならびに非グリコシル化形態においては、推定分子量約8kDa、
およびグリコシル化形態においては、約8−14kDa(これはグリコシル化の
程度に依存する)を有する。Ckβ−7タンパク質の全長形態および成熟形態の
アミノ酸配列はまた、図1(配列番号2)に示される。
【0019】 従って、本発明の1つの局面は、以下からなる群より選択されるヌクレオチド
配列を有するポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する:(a)図
1(配列番号2)の完全アミノ酸配列を有するCkβ−7ポリペプチドのN末端
欠失変異体をコードするヌクレオチド配列であり、ここで、この欠失変異体は、
N末端に1つ以上の欠失を有する;(b)図1(配列番号2)の完全アミノ酸配
列を有するCkβ−7ポリペプチドのC末端欠失変異体をコードするヌクレオチ
ド配列であり、ここで、この欠失変異体は、C末端に1つ以上の欠失を有する;
(c)図1(配列番号2)の完全アミノ酸配列を有するCkβ−7ポリペプチド
の欠失変異体をコードするヌクレオチド配列であり、ここで、この欠失変異体は
、N末端およびC末端に1つ以上の欠失を有する;(d)ATCC受託番号75
675に含まれるcDNAクローンによってコードされるCkβ−7ポリペプチ
ドのN末端欠失変異体をコードするヌクレオチド配列であり、ここで、この欠失
変異体は、N末端に1つ以上の欠失を有する;(e)ATCC受託番号7567
5に含まれるcDNAクローンによってコードされるCkβ−7ポリペプチドの
C末端欠失変異体をコードするヌクレオチド配列であり、ここで、この欠失変異
体は、C末端に1つ以上の欠失を有する;(f)ATCC受託番号75675に
含まれるcDNAクローンによってコードされるCkβ−7ポリペプチドの欠失
変異体をコードするヌクレオチド配列であり、ここで、この欠失変異体は、N末
端およびC末端に、1つ以上の欠失を有する;および(g)上記の(a)、(b
)、(c)、(d)、(e)または(f)の任意のヌクレオチド配列に相補的な
ヌクレオチド配列。
【0020】 本発明のさらなる実施形態には、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、(
e)、(f)または(g)の任意のヌクレオチド配列に、少なくとも90%相同
または同一、およびより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%
または99%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、あるいは上記
の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)または(g)のポリヌクレ
オチドにストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズす
るポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子が含まれる。これらのハイブリ
ダイズするポリヌクレオチドは、A残基のみまたはT残基のみからなるヌクレオ
チド配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイブリダイゼーシ
ョン条件下でハイブリダイズしない。
【0021】 上記の核酸分子の各々によってコードされるCkβ−7欠失変異体ポリペプチ
ドは、N末端メチオニン残基を有し得る。
【0022】 本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含む組換えベクター、およびこ
の組換えベクターを含む宿主細胞、ならびにこのようなベクターおよび宿主細胞
を作製する方法に関する。
【0023】 本発明のよりさらなる局面に従って、このタンパク質の発現および引き続くこ
のタンパク質の回収を促進する条件下で、組換え原核生物宿主細胞および/また
は真核生物宿主細胞(本発明のポリペプチドをコードする核酸配列を含む)を培
養する工程を包含する組換え技術により、このようなポリペプチドを産生するプ
ロセスを提供する。
【0024】 本発明はさらに、以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、単離
されたCkβ−7ポリペプチドを提供する:(a)図1(配列番号2)の完全ア
ミノ酸配列を有するCkβ−7ポリペプチドのN末端欠失変異体のアミノ酸配列
であり、ここで、この欠失変異体は、N末端に1つ以上の欠失を有する;(b)
図1(配列番号2)の完全アミノ酸配列を有するCkβ−7ポリペプチドのC末
端欠失変異体のアミノ酸配列であり、ここで、この欠失変異体は、C末端に1つ
以上の欠失を有する;(c)図1(配列番号2)の完全アミノ酸配列を有するC
kβ−7ポリペプチドの欠失変異体のアミノ酸配列であり、ここで、この欠失変
異体は、N末端およびC末端に1つ以上の欠失を有する;(d)ATCC受託番
号75675に含まれるcDNAクローンによってコードされるCkβ−7ポリ
ペプチドのN末端欠失変異体のアミノ酸配列であり、ここで、この欠失変異体は
、N末端に1つ以上の欠失を有する;(e)ATCC受託番号75675に含ま
れるcDNAクローンによってコードされるCkβ−7ポリペプチドのC末端欠
失変異体のアミノ酸配列であり、ここで、この欠失変異体は、C末端に1つ以上
の欠失を有する;および(f)ATCC受託番号75675に含まれるcDNA
クローンによってコードされるCkβ−7ポリペプチドのアミノ酸配列であり、
ここで、この欠失変異体は、N末端およびC末端に、1つ以上の欠失を有する。
【0025】 本発明のポリペプチドはまた、相同ポリペプチドおよび置換変異体(上記の(
a)、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)に記載されるアミノ酸配列
に対して少なくとも90%同一、そしてより好ましくは少なくとも95%同一な
アミノ酸配列を有する)ならびにポリペプチド(上記のアミノ酸配列に対して少
なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも90%同一、そしてさらにより
好ましくは、95%、96%、97%、98%または99%同一なアミノ酸配列
を有する)を含む。
【0026】 本発明のこの局面のさらなる実施形態は、ペプチドまたはポリペプチド(上記
の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)に記載されるアミノ酸
配列を有するCkβ−7ポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を有
する)に関する。
【0027】 本発明のさらなる核酸の実施形態は、ポリヌクレオチド(上記の(a)、(b
)、(c)、(d)、(e)または(f)のアミノ酸配列を有するCkβ−7ポ
リペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列をコードする)を含む、単離さ
れた核酸分子に関する。
【0028】 さらに、上記のCkβ−7ポリペプチド欠失変異体の各々は、N末端メチオニ
ン(配列番号1において示されるヌクレオチド配列によってコードされ得るかま
たはされ得ない)を有し得る。
【0029】 本発明はまた、別の局面において、薬学的組成物(Ckβ−7ポリヌクレオチ
ド、プローブ、ベクター、宿主細胞、ポリペプチド、フラグメント、改変体、誘
導体、エピトープ保有部分、抗体、アンタゴニストまたはアゴニストを含む)を
提供する。
【0030】 本発明のよりさらなる局面に従って、治療目的のために(例えば、慢性関節リ
ウマチ、炎症、呼吸疾患、アレルギーおよびIgE媒介アレルギー反応、腎臓疾
患の処置のために)このようなポリペプチドまたはこのようなポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチドを利用するプロセスが提供され、そして移植治療のた
めに利用され得る。
【0031】 本発明のさらなる局面は、体内のCkβ−7活性の増加したレベルを必要とす
る個体に、治療的に有効な量の単離されたCkβ−7ポリペプチドを含む組成物
を投与する工程を包含する、このような個体を処置するための方法に関する。
【0032】 本発明のよりさらなる局面は、体内のCkβ−7活性の減少したレベルを必要
とする個体に、治療的に有効な量の本発明のCkβ−7アンタゴニストを含む組
成物を投与する工程を包含する、このような個体を処置するための方法に関する
。このようなアンタゴニストとしては、図1(配列番号2)に示される全長Ck
β−7ポリペプチドおよび成熟Ckβ−7ポリペプチド、ならびにCkβ−7フ
ラグメント(例えば、配列番号2においてアミノ酸22〜89を有するCkβ−
7フラグメント)が挙げられる。
【0033】 本発明のよりさらなる局面に従って、Ckβ−7ポリペプチドに対する抗体が
提供される。別の実施形態において、本発明は、上記の(a)、(b)、(c)
、(d)、(e)または(f)に記載されるアミノ酸配列を有するCkβ−7ポ
リペプチドに特異的に結合する、単離された抗体を提供する。
【0034】 本発明はさらに、本明細書中で記載される通りのアミノ酸配列を有するCkβ
−7ポリペプチドに特異的に結合する抗体を単離するための方法を提供する。
【0035】 本発明の別の局面に従って、Ckβ−7ポリペプチド活性のアゴニスト(本発
明のポリペプチドを模倣し、そして従って、1つ以上のCkβ−7ポリペプチド
活性を有する)が提供される。
【0036】 本発明のさらに別の局面に従って、ケモカインアンタゴニストが提供される。
これらのケモカインアンタゴニストは、例えば、慢性関節リウマチ、炎症、呼吸
疾患、アレルギーおよびIgE媒介アレルギー反応、腎臓疾患の処置において、
ケモカインの作用を阻害するために用いられ得、そして移植治療に利用され得る
【0037】 本発明のよりさらなる局面に従って、本発明の核酸配列に特異的にハイブリダ
イズするに十分な長さの核酸分子を含む核酸プローブもまた提供される。
【0038】 本発明はまた、ケモカインポリペプチドによって誘導される細胞性応答を増強
または阻害し得る化合物を同定するためのスクリーニング方法を提供する。この
方法は、ケモカインポリペプチドが結合するレセプターを発現する細胞を候補化
合物と接触させる工程、このケモカインポリペプチドによって誘導される細胞性
応答をアッセイする工程、およびこの細胞性応答を標準の細胞性応答と比較する
工程(この標準は、接触がこの候補化合物の非存在下で行なわれる場合にアッセ
イされる)を包含する。これによって、この標準を超える増加した細胞性応答は
、この化合物がアゴニストであることを示し、そしてこの標準を超える減少した
細胞性応答は、この化合物がアンタゴニストであることを示す。上記の参照され
たレセプターは、一般的に、Ckβ−7以外のケモカインを結合するものであり
、ここで、この他のケモカインによって誘導される活性は、この候補化合物によ
って阻害される。この候補化合物は、しばしば、Ckβ−7ポリペプチドである
【0039】 本発明のこれらのおよび他の局面は、本明細書における教示から、当業者に明
らかなはずである。
【0040】 (好ましい実施形態の詳細な説明) 本発明は、Ckβ−7ポリペプチドをコードする、単離されたポリヌクレオチ
ド分子、またはCkβ−7ポリペプチド自体を利用する診断または治療的な組成
物および方法、ならびにベクター、宿主細胞および、そのような組成物を生成す
るための組換えまたは合成方法を提供する。Ckβ−7の他の名称は、MIP−
4、PARC、AMAC1およびDCCK1である。
【0041】 (核酸) 本発明の一つの局面に従うと、図1(配列番号2)の推定アミノ酸配列を有す
るCkβ−7ポリペプチド、またはAmerican Type Cultur
e Collection,10801 University Blvd.,
Manassas,VA 20110−2209,USAにATCC受託番号
75675として、1994年2月9日に受託されたクローンのcDNAによっ
てコードされたCkβ−7ポリペプチドのいずれかの欠失および置換変異体をコ
ードする、単離された核酸(ポリヌクレオチド)が提供される。
【0042】 本明細書中で言及された受託物とは、特許手続上の微生物の受託の国際的承認
に関するブダペスト条約によって維持される。受託物は、単に当業者への便宜と
して提供されるものであって、そして米国特許法112条の下で受託が要求され
ることを承認するわけではない。受託物に含まれるポリヌクレオチドの配列、お
よびその配列によりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列は、参考として本
明細書中に援用され、そして本明細書中における配列のいかなる記載とも何らか
の矛盾がある場合には、支配的である。受託物を製造、使用、または販売するた
めに許諾が必要とされ得るが、本明細書中によって、そのような許諾は認められ
ない。
【0043】 Ckβ−7(配列番号1)をコードするポリヌクレオチドは、ヒト成人肺cD
NAライブラリーに由来したものであり、そして89アミノ酸残基(配列番号2
)のポリペプチド(多数のケモカインと有意な相同性を示す)をコードするオー
プンリーディングフレームを含む。ヒト扁桃リンパ球LD78ベータタンパク質
(配列番号3)に最も一致し、60%の同一性および89%の類似性を示す(図
2)。さらに、特徴的なモチーフですべてのケモカインに存在する4つのシステ
イン残基が、両者のクローンにおいて保存されている。遺伝子におけるはじめの
2つのシステイン残基が隣接する位置にあるという事実は、これらをケモカイン
の「C−C」またはβサブファミリーに分類する。別のサブファミリー、「CX
C」またはαサブファミリーにおいては、はじめの2つのシステイン残基は、一
つのアミノ酸によって分離される。
【0044】 別に示されない場合、本明細書において示される各ヌクレオチド配列は、デオ
キシリボヌクレオチド(A、G、CおよびTと省略される)の配列として示され
る。しかし、核酸分子またはポリヌクレオチドのヌクレオチド配列によって、D
NA分子またはポリヌクレオチドについては、デオキシリボヌクレオチドの配列
が意図され、そしてRNA分子またはポリヌクレオチドについては、リボヌクレ
オチド(A、G、CおよびU)の対応する配列(ここで、記載のデオキシリボヌ
クレオチド配列における各チミジンデオキシリボヌクレオチド(T)がリボヌク
レオチド、ウリジン(U)に置換される)が意図される。例えば、デオキシリボ
ヌクレオチド略語を使用して示される配列番号1の配列を有するRNA分子への
言及は、配列番号1の各デオキシリボヌクレオチドA、G、またはCが、対応す
るリボヌクレオチドA、G、またはCに置換され、そして各デオキシリボヌクレ
オチドTがリボヌクレオチドUに置換された配列を有するRNA分子を示すこと
を意図する。
【0045】 本発明はさらに、30位の位置にあるシステイン残基までの配列番号2に示す
アミノ酸配列のアミノ末端から1つ以上の残基が欠失したCkβ−7ポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチド、およびそのようなポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドを提供する。特に、本発明は、配列番号2の残基n〜89のア
ミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供し、ここで
nは1〜75の範囲の整数であり、そして好ましくはnは15〜30の範囲であ
り、ここでCys−30は、レセプター結合活性に必要であると考えられる、C
kβ−7ポリペプチド(配列番号2に示される)のN末端の最初の残基の位置で
ある。さらに、nは、22〜30、23〜30、24〜30、25〜30、26
〜30、27〜30、28〜30、または29〜30の範囲内にあり得る。
【0046】 さらに特には、本発明は、配列番号2に示したアミノ酸配列を以下の残基とし
て含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する:
【0047】
【化1】 特に好ましいのは、配列番号2に示したアミノ酸配列を以下の残基として含むポ
リペプチドをコードするポリヌクレオチドである:15〜89、16〜89、1
7〜89、18〜89、19〜89、20〜89、21〜89、22〜89、2
3〜89、24〜89、25〜89、26〜89、27〜89、28〜89、2
9〜89、または30〜89。
【0048】 本発明はさらに、配列番号2の70位の位置にあるシステイン残基までのCk
β−7ポリペプチドのアミノ酸配列カルボキシ末端から1つ以上の残基が欠失し
たポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。特に、本発明は、配
列番号2のアミノ酸配列の残基1〜mのアミノ酸配列を有するポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチドを提供し、ここでmは15〜89の範囲の任意の整数
であり、好ましくは残基20〜mを含むポリペプチドは70〜89の範囲内にあ
る。なぜなら残基Cys−70は、レセプターの結合および標的細胞調節活性に
必要であると考えられる完全な、Ckβ−7ポリペプチド(配列番号2に示され
る)のC末端からの最初の残基であるからである。さらに、mは、71〜89、
72〜89、73〜89、74〜89、75〜89、76〜89、77〜89、
78〜89、79〜89、80〜89、81〜89、82〜89、83〜89、
84〜89、85〜89、86〜89、87〜89、または88〜89の範囲内
にあり得る。
【0049】 さらに特には、本発明は、配列番号2に示したアミノ酸配列を以下の残基とし
て含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する:
【0050】
【化2】 特に好ましいのは、配列番号2に示したアミノ酸配列を以下の残基として含むポ
リペプチドをコードするポリヌクレオチドである:20〜70、20〜71、2
0〜72、20〜73、20〜74、20〜75、20〜76、20〜77、2
0〜78、20〜79、20〜80、20〜81、20〜82、20〜83、2
0〜84、20〜85、20〜86、20〜87、20〜88、または20〜8
9。
【0051】 本発明はまた、全長ポリペプチドのアミノ末端およびカルボキシ末端の両方よ
り1つ以上のアミノ酸が欠失したCkβ−7ポリペプチド(一般的に、配列番号
2の残基n〜mを有すると記載され得、ここでnおよびmは、上記の整数である
)をコードするポリヌクレオチドを提供する。
【0052】 特に好ましいのは、以下のアミノ酸残基を含むポリペプチドを含む、N末端お
よびC末端の欠失を有するCkβ−7ポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
ドである:
【0053】
【化3】
【0054】 また特に好ましいのは、以下のアミノ酸残基を含むCkβ−7ポリペプチドを
コードするポリヌクレオチドである:
【0055】
【化4】
【0056】 ATCC受託番号75675に含まれるcDNAクローンによりコードされる
完全なCkβ−7アミノ酸配列の一部分をコードするポリヌクレオチドもまた含
まれ、そこでこの一部分は、ATCC受託番号75675に含まれるクローン中
のヒトcDNAによりコードされる完全なポリペプチドのアミノ末端より1から
約29までのアミノ酸を含まないか、またはATCC受託番号75675に含ま
れるクローン中のヒトcDNAによりコードされる全長ポリペプチドのカルボキ
シ末端より1から約19までのアミノ酸を含まないか、または上記のアミノ末端
およびカルボキシ末端の欠失の任意の組み合わせである。
【0057】 特に最も好ましいのは、例えば、Met−22〜89として本明細書に示した
、そのアミノ末端にN末端メチオニンが付加された、上に列挙したN末端および
C末端Ckβ−7欠失変異体のいずれかをコードするポリヌクレオチドである。
【0058】 したがって、用語「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」は、ポリペ
プチドについてのコード配列のみを含むポリヌクレオチド、およびさらなるコー
ド配列および/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを包含する。
【0059】 他に示されない限り、本明細書中のDNA分子を配列決定することによって決
定されたすべてのヌクレオチド配列は、自動化DNA配列決定機(例えば、Ap
plied Biosystems,Inc.,からのModel 373)を
用いて決定され、そして本明細書中で決定されたDNA分子によってコードされ
るポリペプチドのすべてのアミノ酸配列は、上記のように決定されたDNA配列
の翻訳によって推定された。従って、この自動化アプローチによって決定された
任意のDNA配列について当該分野で公知のように、本明細書中で決定される任
意のヌクレオチド配列はいくつかの誤差を含み得る。自動化によって決定された
ヌクレオチド配列は、配列決定されたDNA分子の実際のヌクレオチド配列に対
して、代表的には少なくとも約90%同一、より代表的には少なくとも約95%
から少なくとも約99.9%同一である。実際の配列は、当該分野において周知
の手動DNA配列決定方法を含む他のアプローチによってさらに正確に決定され
得る。当該分野においてまた公知のように、実際の配列と比較した、決定された
ヌクレオチド配列における単一の挿入または欠失は、決定されたヌクレオチド配
列によってコードされる推定アミノ酸配列が、配列決定されたDNA分子によっ
て実際にコードされるアミノ酸配列とは完全に異なるような、このような挿入ま
たは欠失の点にて始まるヌクレオチド配列の翻訳におけるフレームシフトを引き
起こす。
【0060】 本明細書中に提供される情報、例えば、図1におけるヌクレオチド配列を使用
して、Ckβ−7ポリペプチドをコードする核酸分子は、標準的クローニングお
よびスクリーニング手順(例えば、出発物質としてmRNAを使用してcDNA
をクローニングする手順)を使用して得られ得る。さらに、本明細書中に提供さ
れる情報および標準的技術を使用して、本発明の欠失変異体Ckβ−7ポリペプ
チドをコードする核酸分子もまた得られ得る。
【0061】 従って、本発明は、本明細書中の上記のポリヌクレオチドの改変体に関する。
それらの改変体は、図1(配列番号2)の推定アミノ酸配列を有するポリペプチ
ドまたは受託されたクローンのcDNAによりコードされるポリペプチドのフラ
グメント、アナログおよび誘導体をコードする。ポリヌクレオチドの改変体は、
ポリヌクレオチドの天然に生じる対立遺伝子改変体、またはポリヌクレオチドの
非天然に生じる改変体であり得る。
【0062】 本発明はさらに、欠失改変体、置換改変体、および付加または挿入改変体をコ
ードするポリヌクレオチドを含む。しかし、これらの改変体は、概して、天然に
生じるCkβ−7ポリペプチドに通常存在する、N末端およびC末端に付加され
たアミノ酸を含む改変体(例えば、配列番号2のアミノ酸22〜89をコードし
、アラニンをコードするヌクレオチド配列が5’末端に付加されたヌクレオチド
改変体)を含まない。
【0063】 本発明はまた、Ckβ−7ポリペプチドについてのコード配列が、宿主細胞か
らのポリペプチドの発現および分泌を補助するポリヌクレオチド配列(例えば、
細胞からのポリペプチドの輸送を制御するための分泌配列として機能するリーダ
ー配列)に対して同じリーディングフレームで融合され得るポリヌクレオチドを
含む。リーダー配列を有するポリペプチドは、プレタンパク質であり、そしてポ
リペプチドの成熟形態を形成するために、宿主細胞によって切断されるリーダー
配列を有し得る。ポリヌクレオチドはまた、プロタンパク質(成熟タンパク質に
さらなる5’アミノ酸残基を付加した)をコードし得る。プロ配列(prose
quece)を有する成熟タンパク質は、プロタンパク質であり、そしてタンパ
ク質の不活性な形態である。一旦、プロ配列が切断されると、活性な成熟タンパ
ク質が残る。
【0064】 本発明のポリヌクレオチドはまた、本発明のポリペプチドの精製を可能にする
マーカー配列とインフレームで融合されたコード配列を有し得る。マーカー配列
は、細菌宿主の場合、マーカーと融合された成熟ポリペプチドの精製を提供する
ためにpQE−9ベクターにより供給されるヘキサヒスチジンタグであり得、ま
たは、マーカー配列は、例えば哺乳動物宿主(例えばCOS−7細胞)が使用さ
れる場合、赤血球凝集素(HA)タグであり得る。HAタグは、インフルエンザ
赤血球凝集素タンパク質由来のエピトープに対応する(Wilson,Iら、C
ell 37:767(1984))。
【0065】 用語「遺伝子」とは、ポリペプチド鎖の生成に関与するDNAのセグメントを
意味する;それはコード領域の前および後の領域(リーダーおよびトレイラー)
、および個々のコードセグメント(エキソン)の間に介在する配列(イントロン
)を含む。
【0066】 示されたように、本発明の核酸分子は、mRNAのようなRNAの形態、また
は、例えばクローニングにより得られた、もしくは合成で生成されたcDNAお
よびゲノムDNAを含むDNAの形態であり得る。DNAは、二本鎖または一本
鎖であり得る。一本鎖DNAまたはRNAは、コード鎖(センス鎖としても知ら
れる)であり得るか、または、これは非コード鎖(アンチセンス鎖ともいわれる
)であり得る。
【0067】 用語「単離された」とは、物質がそれの元々の環境(例えば、天然に生じる場
合、その天然の環境)から取り出されていることを意味する。例えば、生存動物
中に存在する天然に生じるポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、単離されて
いないが、天然系において共存する物質のいくつかまたはすべてより分離した同
じポリヌクレオチドもしくはDNAまたはポリペプチドは、単離されている。そ
のようなポリヌクレオチドは、ベクターの一部であり得、そして/またはそのよ
うなポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、組成物の一部であり得、そして、
そのようなベクターまたは組成物が、それらの天然の環境の一部ではないという
点でなお単離され得る。単離されたRNA分子は、本発明のDNA分子のインビ
ボまたはインビトロRNA転写物を含む。本発明によると、単離された核酸分子
はさらに、合成で生成されたそのような分子を含む。
【0068】 本発明の単離された核酸分子は、本発明の欠失変異体Ckβ−7ポリペプチド
をコードするcDNAのオープンリーディングフレーム(ORF)を含むDNA
分子、およびこの配列とは実質的に異なる配列を含むが、遺伝暗号の縮重のため
に、なお本発明のポリペプチドをコードするDNA分子を含む。もちろん、遺伝
暗号は、当該分野において周知である。従って、当業者が上記の縮重改変体を生
成することは、慣用的である。
【0069】 本発明はさらに、その配列間で少なくとも70%同一性、好ましくは少なくと
も90%同一性、より好ましくは95%同一性が存在する場合、本明細書中で上
記した配列にハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本発明は特に、ス
トリンジェントな条件下で本明細書中で上記に記載のポリヌクレオチドにハイブ
リダイズするポリヌクレオチドに関する。本明細書中で使用される場合、用語「
ストリンジェントな条件」は、配列間で少なくとも95%同一性および好ましく
は少なくとも97%同一性が存在する場合のみ、起こるハイブリダイゼーション
を意味する。好ましい実施形態において、本明細書中で上記したポリヌクレオチ
ドにハイブリダイズするポリヌクレオチドは、そのポリペプチドと実質的に同じ
生物学的機能または活性のいずれも保持するポリペプチドをコードする。
【0070】 あるいは、このポリヌクレオチドは、本発明のポリヌクレオチドにハイブリダ
イズし、かつ上記のようにそれと同一性を有し、そして活性を保持してもよい、
または保持しなくてもよい、少なくとも20塩基、好ましくは30塩基、および
より好ましくは少なくとも50塩基を有し得る。例えば、このようなポリヌクレ
オチドは、配列番号1のこのポリヌクレオチドのためのプローブとして、例えば
、このポリヌクレオチドの回収のため、または診断プローブとして、あるいはP
CRプライマーとして、使用され得る。
【0071】 別の局面において、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条
件下で、上記の本発明の核酸分子中のポリヌクレオチドの一部に対してハイブリ
ダイズするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子(例えば、ATCC受託
番号75675に含まれるcDNAクローンの、本発明のポリペプチドをコード
する部分)を提供する。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」と
は、以下:50%ホルムアミド、5×SSC(750mM NaCl、75mM
クエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デン
ハート溶液、10%硫酸デキストラン、および20μg/mlの変性剪断サケ精
子DNAを含む溶液中での42℃での一晩のインキュベーション、引き続いて約
65℃での0.1×SSC中でのフィルターの洗浄を意図する。
【0072】 ポリヌクレオチドの「部分(一部)」にハイブリダイズするポリヌクレオチド
とは、参照ポリヌクレオチドの少なくとも約15ヌクレオチド(nt)、そして
より好ましくは少なくとも約20nt、さらにより好ましくは少なくとも約30
nt、そしてなおより好ましくは約30〜70ntにハイブリダイズするポリヌ
クレオチド(DNAまたはRNAのいずれか)を意図する。これらは、上記で、
そして以下でより詳細に議論されるように、診断用プローブおよびプライマーと
して有用である。
【0073】 もちろん、参照ポリヌクレオチドの大部分とハイブリダイズするポリヌクレオ
チド(例えば、寄託したcDNAクローンの本発明のポリペプチドをコードする
部分)(例えば、この参照ポリヌクレオチドの50、100、150、200ま
たは250nt長部分、もしくは全長までさえ)もまた、本発明によりプローブ
として有用である。例えば、「少なくとも20nt長」のポリヌクレオチドの部
分(一部)とは、参照ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列からの20個以上連
続するヌクレオチドを意図する。示されたように、このような部分は、例えば、
Molecular Cloning,A Laboratory Manua
l,第2版、Sambrook,J.,Fritsch.E.F.およびMan
iatis.T.,編.,Cold Spring Harbor Labor
atory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(
1989)(その開示全体が、本明細書中に参考として援用される)に記載され
るような、慣用的なDNAハイブリダイゼーション技術よるプローブ、またはポ
リメラーゼ連鎖反応(PCR)による目的配列の増幅のためのプライマーのいず
れかとして診断上有用である。
【0074】 Ckβ−7 cDNAクローンは、寄託され、それの決定されたヌクレオチド
配列が提供されたので、このCkβ−7 cDNA分子の部分にハイブリダイズ
するポリヌクレオチドを生成することは、当業者のために慣用的である。例えば
、Ckβ−7 cDNAクローンの制限エンドヌクレアーゼ切断またはソニケー
ションによる剪断は、Ckβ−7 cDNA分子の部分にそれぞれハイブリダイ
ズするポリヌクレオチドである、種々の大きさのDNA部分を生成するために容
易に利用され得る。
【0075】 あるいは、本発明のこのハイブリダイズするポリヌクレオチドは、公知の技術
により合成的に産生され得る。もちろん、ポリA配列(例えば、cDNAの3’
末端ポリ(A)トラクト)に、またはT(もしくはU)残基の相補的なストレッ
チにのみハイブリダイズするポリヌクレオチドは、本発明の核酸の一部にハイブ
リダイズするために使用される本発明のポリヌクレオチドに含まれない。なぜな
ら、このようなポリヌクレオチドは、ポリ(A)ストレッチを含む任意の核酸分
子またはその相補体(例えば、ほとんどすべて二本鎖cDNAクローン)にハイ
ブリダイズするからである。
【0076】 本発明のCKβ−7ポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は、それ自体
でこのポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸分子;このポリペプチドお
よび付加配列についてのコード配列(例えば、異種のリーダー配列または分泌配
列(例えばプレタンパク質配列、またはプロタンパク質配列、またはプレプロタ
ンパク質配列)をコードするもの)、付加的非コード配列(例えば、イントロン
および非コード5’および3’配列(例えば、転写、mRNAプロセッシング、
リボソーム結合およびmRNAの安定性において役割を果す転写されるが翻訳さ
れない配列(例えば、スプライシングシグナルおよびポリアデニル化シグナルを
含む)を含むがこれらに限定されないもの)、付加的アミノ酸をコードする付加
的なコード配列(例えば付加的な機能性を提供するもの)とともに、上記の付加
コード配列を有するか、または有さない、このポリペプチドのコード配列を含み
得るがこれらに限定されない。従って、このポリペプチドをコードする配列は、
マーカー配列(例えば、融合ポリペプチドの精製を容易にするペプチドをコード
する配列)と融合され得る。本発明のこの局面の特定の好ましい実施形態におい
て、このマーカーアミノ酸配列は、ヘキサヒスチジンペプチドであり、(例えば
、とりわけpQEベクター(QIAGEN,Inc.)に提供されるタグ)その
多くは市販されている。Gentzら、Proc.Natl.Acad.Sci
.(USA)86:821−824(1989)に記述されるように、例えば、
ヘキサヒスチジンは、融合タンパク質の簡便な精製のために提供される。「HA
」タグは、Wilsonら、Cell 37:767(1984)に記載される
、インフルエンザ血球凝集素タンパク質に由来するエピトープと対応する、精製
に有用な別のペプチドである。以下に議論するように、他のこのような融合タン
パク質は、NまたはC末端でFcに融合したCKβ−7ポリペプチド、CKβ−
7フラグメント、またはCKβ−7置換改変体を含む。
【0077】 本発明はさらに、本発明の核酸分子の改変体に関し、これはCKβ−7ポリペ
プチドの一部、アナログまたは誘導体をコードする。改変体は、天然の対立遺伝
子改変体のように天然に存在し得る。「対立遺伝子改変体」とは、生物の染色体
上の所定の遺伝子座を占有する遺伝子のいくつかの代替的な形態のひとつを意図
する。Genes V,Lewin,B.編、Oxford Universi
ty Press,New York(1994)。天然に存在しない改変体は
、当該分野において公知の変異誘発技術を使用して産生され得る。
【0078】 そのような改変体は、ヌクレオチドの置換、欠失または付加により産生される
改変体を含む。この置換、欠失または付加は、1つ以上のヌクレオチドを含み得
る。この改変体は、コード領域、非コード領域またはその両方で変更され得る。
コード領域での変化は、保存的または非保存的な、アミノ酸の置換、欠失または
付加を産生し得る。これらの中で特に好ましいものは、サイレントな置換、付加
および欠失であり、これは対象CKβ−7欠失変異体ポリペプチドの特性および
活性を変化させない。この点について、また特に好ましいものは、保存的置換で
ある。最も高度に好ましいものは、上記した特定のCkβ−7欠失変異体ポリペ
プチドをコードする核酸分子である。
【0079】 本発明のCkβ−7欠失変異体の改変体は一般に、図1(配列番号2)に示さ
れたヌクレオチド配列を有する核酸分子によりコードされるかまたはATCC受
託番号75675に含まれるcDNAクローンによりコードされる付加アミノ酸
を有しない。従って、多くの場合に、アミノ酸が本発明の欠失変異体のN−末端
改変体および/またはC−末端改変体のいずれかに付加する場合、付加されるそ
のアミノ酸は、図1(配列番号2)に示されたヌクレオチド配列を有する核酸分
子によりコードされないし、またはATCC受託番号75675に含まれるcD
NAクローンによりコードされない。結果として、本発明は一般に、例えば、ア
ラニン残基をコードするヌクレオチド配列が、5’末端に付加された配列番号2
中のアミノ酸22〜89をコードする核酸分子を含まない。
【0080】 本発明はさらに、本発明の欠失変異体をコードするポリヌクレオチドならびに
そのフラグメント(このフラグメントは少なくとも30塩基そして好ましくは少
なくとも50塩基を有する)およびこのようなポリヌクレオチドによりコードさ
れるポリペプチドに対して、少なくとも70%同一性、好ましくは90%同一性
そしてより好ましくは少なくとも95%同一性を有するポリヌクレオチドに関す
る。
【0081】 本発明のさらなる実施形態は、本明細書中に記載したN末端欠失変異体および
C末端欠失変異体に少なくとも90%同一、そしてより好ましくは少なくとも9
5%、96%、97%、98%または99%同一のヌクレオチド配列を有するポ
リヌクレオチドを含む、単離した核酸分子を含む。
【0082】 例えば、Ckβ−7ポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列に少なく
とも95%「同一」のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドとは、そのポ
リヌクレオチドのヌクレオチド配列が、そのポリペプチドをコードする参照ヌク
レオチド配列の各100ヌクレオチドあたり5つまでの点変異を含み得ることを
除いて、参照配列に同一であることを意図する。換言すれば、参照ヌクレオチド
配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド
を得るためには、参照配列のヌクレオチド5%までが、欠失され得るか、または
別のヌクレオチドで置換され得るか、あるいは、参照配列の総ヌクレオチドの5
%までの数のヌクレオチドが、参照配列に挿入され得る。参照配列のこれらの変
異は、参照ヌクレオチド配列の5’末端位置もしくは3’末端位置で、またはこ
れらの末端位置の間のどこかで、参照配列中のヌクレオチドの間に個々に散在し
てか、または参照配列内で1つ以上連続する群として散在してかのいずれかで、
起こり得る。
【0083】 実際問題としては、任意の特定の核酸分子が、例えば、図1に示すヌクレオチ
ド配列に対してか、または寄託されたcDNAクローンのヌクレオチド配列に対
して、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同
一であるか否かは、Bestfit program(Wisconsin S
equence Analysis Package,Version 8 f
or UnixTM,Genetics Computer Group,Un
iversity Research Park,575 Science D
rive,Madison,WI 53711)のような公知のコンピュータプ
ログラムを使用して従来的に決定され得る。Bestfitは、Smithおよ
びWaterman,Advances in Applied Mathem
atics 2:482−489(1981)の局在性相同性アルゴリズムを使
用し、2つの配列間の相同性の最善のセグメントを見出す。特定の配列が、本発
明による参照配列と、例えば、95%同一であるか否かを決定するためにBes
tfitまたは任意の他の配列アラインメントプログラムを使用する場合、当然
、パラメータは、同一性のパーセンテージが、参照ヌクレオチド配列の全長にわ
たって算定されるように、そして参照配列におけるヌクレオチドの総数の5%ま
でのギャップを相同性中に許容するように、設定される。
【0084】 特定の実施形態において、参照(照会)配列(本発明の配列)および対象配列
間の同一性はまた、Brutlagら、Comp.App.Biosci.6:
237−245(1990)のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュータ
ープログラムを使用して決定され、全体配列整列とも呼ばれる。同一性パーセン
トを計算するためにDNA配列のFASTDB整列において使用する好ましいパ
ラメーターは、Matrix=Unitary、k−tuple=4、Mism
atch Penalty=1、Joining Penalty=30、Ra
ndomization Group Length=0、Cutoff Sc
ore=1、Gap Penalty=5、Gap Size Penalty
=0.05、Window Size=500または対象ヌクレオチド配列の長
さ(どちらかより短い方)である。この実施形態に従い、対象配列が、5’また
は3’欠失が理由で(内部欠失が理由ではなく)、照会配列より短い場合、手動
の補正が結果に対してなされなけらばならない。これは、同一性パーセントを計
算する場合に、FASTDBプログラムが対象配列の5’および3’短縮を説明
しないという事実を考慮するためである。照会配列に対して、5’末端または3
’末端で短縮化された対象配列については、同一性パーセントは、照会配列の総
塩基のパーセントとして、整合/整列されない対象配列の5’および3’である
照会配列の塩基の数を計算することによって補正される。ヌクレオチドが整合/
整列されるか否かの決定は、FASTDB配列整列の結果によって決定される。
次いで、このパーセントは、特定のパラメーターを用いて上記のFASTDBプ
ログラムによって算定された同一性パーセントから差し引かれ、最終的な同一性
パーセントのスコアに到達する。この補正されたスコアが、本実施形態の目的に
使用されるものである。FASTDB整列によって示される場合、照会配列と整
合/整列されいていない、対象配列の5’および3’塩基の外側の塩基のみが、
同一性パーセントのスコアを手動で調整する目的で算定される。例えば、90塩
基の対象配列が、同一性パーセントを決定するために100塩基の照会配列に対
して整列される。その欠失は対象配列の5’末端で生じ、従って、FASTDB
整列は、5’末端で最初の10塩基の整合/整列を示さない。10個の不対合塩
基は、この配列の10%((整合していない5’および3’末端の塩基の数)/
(照会配列の塩基の総数))を表し、そのため10%が、FASTDBプログラ
ムによって算定される同一性パーセントのスコアから差し引かれる。残りの90
塩基が完全に整合する場合は、最終的な同一性パーセントは90%である。別の
例において、90塩基の対象配列が、100塩基の照会配列と比較される。この
場合、この欠失は内部欠失であり、その結果、照会配列と整合/整列しない対象
配列の5’または3’に塩基が存在しない。この場合、FASTDBによって算
定される同一性パーセントは手動で補正されない。再度、照会配列と整合/整列
しない対象配列の5’および3’の塩基のみが手動で補正される。他の手動の補
正は、本実施形態の目的のためにはなされない。
【0085】 単離した核酸分子、特にDNA分子は、染色体とのインサイチュハイブリダイ
ゼーションによる遺伝子マッピングのため、および例えば、ノーザンブロット分
析によるヒト組織におけるCkβ−7の発現を検出するために、プローブとして
有用である。本発明はさらに、本明細書中に記載した単離した核酸分子のフラグ
メントに関する。寄託したCkβ−7 cDNAのヌクレオチド配列または図1
(配列番号1)に示されたヌクレオチド配列を有する、単離された核酸分子のフ
ラグメントは、本明細書中に議論したような診断プローブおよびプライマーとし
て有用である、少なくとも約15nt、そしてより好ましくは少なくとも約20
nt、さらにより好ましくは少なくとも約30nt、そしてなおより好ましくは
、少なくとも約40nt長のフラグメントを意図する。もちろん、図1(配列番
号1)に示されたようなヌクレオチド配列のより大きいフラグメント50、10
0、150、200、および250ntもまた、本発明により有用である。例え
ば、少なくとも20nt長のフラグメントにより、寄託したcDNAのヌクレオ
チド配列または図1(配列番号1)に示されたようなヌクレオチド配列からの2
0個以上連続した塩基を含むフラグメントを意図する。
【0086】 本発明のCkβ−7ポリヌクレオチドフラグメントの代表的な例は、例えば、
配列番号1、もしくはそれの相補鎖、または寄託したクローン中に含まれるcD
NAの配列、ヌクレオチドおよそ1〜50、26〜75、63〜100、76〜
125、101〜150、126〜175、151〜200、176〜225、
201〜250および226〜270を含むかあるいは、これらからなる、フラ
グメントを含む。この文脈において、「およそ」は、どちらかの末端または両方
の末端でいくつか(5、4、3、2、または1)のヌクレオチド分大きいかまた
は小さい、特に言及される範囲を含む。
【0087】 本発明の全長の遺伝子のフラグメントは、cDNAライブラリーのためのハイ
ブリダイズプローブとして使用されて全長cDNAを単離し得、そしてその遺伝
子と高い配列類似性または類似の生物学的活性を有する他のcDNAを単離し得
る。好ましくは、この型のプローブは少なくとも30塩基を有し、そして例えば
、50以上の塩基を含み得る。スクリーニングの例は、オリゴヌクレオチドプロ
ーブを合成するための公知のDNA配列を使用することにより遺伝子のコード領
域を単離することを含む。本発明の遺伝子の配列に相補的な配列を有する標識オ
リゴヌクレオチドは、ヒトcDNA、ゲノムDNAまたはmRNAのライブラリ
ーをスクリーニングするために使用され、そのプローブがハイブリダイズするラ
イブラリーのメンバーを決定する。
【0088】 (ポリペプチドフラグメントおよびポリヌクレオチドフラグメント) 本発明はさらに、単離したポリペプチドに関連し、それは、図1(配列番号2
)に示されるか、または寄託されたATCC受託番号75675のクローンのc
DNAによりコードされているかのいずれかである、本明細書中に記載されたC
kβ−7ポリペプチドの欠失変異体の1つの推定アミノ酸配列を有する。用語「
ペプチド」および「オリゴヌクレオチド」は、(一般に認識されているように)
同義とみなされ、そして各々の用語は、文脈がペプチド結合により結合した少な
くとも2つのアミノ酸の鎖を示すことが必要である場合に、互換可能に使用され
得る。用語「ポリペプチド」は、10個より多いアミノ酸残基を含む鎖について
、本明細書中で使用される。本明細書中の全てのオリゴヌクレオチドおよびポリ
ペプチドの式または配列は、アミノ末端からカルボキシ末端の方向に左から右に
書かれる。
【0089】 膜結合タンパク質の細胞外ドメインまたは分泌タンパク質の成熟型を含む多く
のタンパク質について、生物学的な機能の実質的な損失なしにN末端またはC末
端から1つ以上のアミノ酸を欠失させ得ることが、当該分野において公知である
。例えば、Ronら(J.Biol.Chem.268:2984−2988(
1993))は、3、8、または27個のアミノ末端アミノ酸残基が欠失した場
合でさえ、ヘパリン結合活性を有した改変KGFタンパク質を報告した。今回の
場合、Ckβ−7がケモカインポリペプチドファミリーのメンバーであるので、
ジスルフィド架橋の形成に必要とされる最初の「Cys」(図1の30位のCy
s)までのN末端アミノ酸の欠失は、レセプター結合または標的細胞活性の調節
のようないくらかの生物学的活性を保持し得る。図1(配列番号2)の30位の
システイン残基を含むさらなるN末端欠失を有するCkβ−7ポリペプチドは、
このような生物学的活性を保持することは期待されない。なぜなら、ケモカイン
関連ペプチドにおけるこの残基は、レセプター結合およびシグナル伝達に必要と
される構造安定性を提供するジスルフィド架橋を形成することに必要とされるこ
とが、公知であるからである。
【0090】 しかし、たとえタンパク質のN末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失が、その
タンパク質の1つ以上の生物学的機能の損失の改変を生じるとしても、他の生物
学的活性はなお保持され得る。従って、短縮化されたタンパク質が、そのタンパ
ク質の完全な形態または成熟形態を認識する抗体を誘導する能力および/または
その抗体に結合する能力は、完全タンパク質または成熟タンパク質の残基の大部
分より少ない残基がN末端から除去された場合には、一般的に保持される。完全
なタンパク質のN末端残基を欠く特定のポリペプチドがこのような免疫学的活性
を保持するか否かは、本明細書中に記載される慣用的な方法、およびそうでなけ
れば当該分野において公知の慣用的な方法によって、容易に決定され得る。
【0091】 従って、本発明はさらに、配列番号2に示されるアミノ酸配列のアミノ末端か
ら30位のシステイン残基まで1つ以上の欠失した残基を有するCkβ−7ポリ
ペプチド、およびこのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供
する。特に、特に本発明は、配列番号2の残基n〜89のアミノ酸配列を含むポ
リペプチドを提供し、ここでnは1〜75の範囲の整数であり、好ましくはnは
15〜30の範囲である。ここでシステイン30は、レセプター結合活性のため
に必要であると考えられているCKβ−7ポリペプチド(配列番号2に示される
)のN末端からの最初の残基の位置である。
【0092】 より詳細には、本発明は、残基1〜89、2〜89、3〜89、4〜89、5
〜89、6〜89、7〜89、8〜89、9〜89、10〜89、11〜89、
12〜89、13〜89、14〜89、15〜89、16〜89、17〜89、
18〜89、19〜89、20〜89、21〜89、22〜89、23〜89、
24〜89、25〜89、26〜89、27〜89、28〜89、29〜89、
30〜89、31〜89、32〜89、33〜89、34〜89、35〜89、
36〜89、37〜89、38〜89、39〜89、40〜89、41〜89、
42〜89、43〜89、44〜89、45〜89、46〜89、47〜89、
48〜89、49〜89、50〜89、51〜89、52〜89、53〜89、
54〜89、55〜89、56〜89、57〜89、58〜89、59〜89、
60〜89、61〜89、62〜89、63〜89、64〜89、65〜89、
66〜89、67〜89、68〜89、69〜89、70〜89、71〜89、
72〜89、73〜89、74〜89、または75〜89として配列番号2に示
されたアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。残基15〜89、16〜8
9、17〜89、18〜89、19〜89、20〜89、21〜89、22〜8
9、23〜89、24〜89、25〜89、26〜89、27〜89、28〜8
9、29〜89、30〜89として配列番号2に示されたアミノ酸配列を含むポ
リペプチドは特に好ましい。上記のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
もまた提供される。
【0093】 同様に、生物学的に機能的なC末端欠失ムテインの多くの例が公知である。例
えば、インターフェロンγは、タンパク質のそのカルボキシ末端から8〜10ア
ミノ酸残基を欠失することにより10倍まで高い活性を示す(Dsbeliら、
J. Biotechnology 7:199−216;(1988))。こ
の場合、このCkβ−7タンパク質がケモカインポリペプチドファミリーのメン
バーであるので、配列番号2の70位のシステインまでのC末端アミノ酸の欠失
は、レセプター結合または標的細胞活性の調節のようないくらかの生物学的活性
を保持し得る。図1(配列番号2)の70位のシステイン残基を含むさらなるC
末端欠失を有するポリペプチドは、このような生物学的活性を保持することは期
待されない。なぜなら、ケモカイン関連ポリペプチドにおけるこの残基が、レセ
プター結合およびシグナル伝達に必要とされる構造安定性を提供するジスルフィ
ド架橋を形成するのに必要であることが公知であるからである。
【0094】 しかしたとえ、タンパク質のC末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失が、その
タンパク質の1つ以上の生物学的機能の損失の改変を生じるとしても、他の生物
学的活性はなお保持され得る。従って、短縮化されたタンパク質が、そのタンパ
ク質の完全な形態または成熟形態を認識する抗体を誘導する能力および/または
その抗体に結合する能力は、完全タンパク質または成熟タンパク質の残基の大部
分より少ない残基がC末端から除去される場合、一般的に保持される。完全なタ
ンパク質のC末端残基を欠く特定のポリペプチドが、このような免疫学的活性を
保持するか否かは、本明細書中に記載される慣用的な方法およびそうでなければ
当該分野において公知の方法によって、容易に決定され得る。
【0095】 従って、本発明はさらに、配列番号2のCkβ−7ポリペプチドのアミノ酸配
列のカルボキシ末端から1つ以上の欠失した残基(70位のシステイン残基まで
)を有するポリペプチド、およびこのようなポリペプチドをコードするポリヌク
レオチドを提供する。特に本発明は、配列番号2のアミノ酸配列の残基1〜mの
アミノ酸配列を有するポリペプチドを提供し、ここでmは15〜89の範囲の任
意の整数であり、システイン−70残基は、レセプター結合および標的細胞調節
活性に必要とされると考えられる、完全CKβ−7ポリペプチド(配列番号2に
示される)のC末端からの最初の残基の位置であるので、好ましくは、残基20
〜mを含むポリペプチドは70〜89の範囲内である。これらのポリペプチドを
コードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0096】 より詳細には、本発明は、残基1〜15、1〜16、1〜17、1〜18、1
〜19、1〜20、1〜21、1〜22、1〜23、1〜24、1〜25、1〜
26、1〜27、1〜28、1〜29、1〜30、1〜31、1〜32、1〜3
3、1〜34、1〜35、1〜36、1〜37、1〜38、1〜39、1〜40
、1〜41、1〜42、1〜43、1〜44、1〜45、1〜46、1〜47、
1〜48、1〜49、1〜50、1〜51、1〜51、1〜52、1〜53、1
〜54、1〜55、1〜56、1〜57、1〜58、1〜59、1〜60、1〜
61、1〜62、1〜63、1〜64、1〜65、1〜66、1〜67、1〜6
8、1〜69、1〜70、1〜71、1〜72、1〜73、1〜74、1〜75
、1〜76、1〜77、1〜78、1〜79、1〜80、1〜81、1〜82、
1〜83、1〜84、1〜85、1〜86、1〜87、1〜88または1〜89
として配列番号2に示されたアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。残基
20〜70、20〜71、20〜72、20〜73、20〜74、20〜75、
20〜76、20〜77、20〜78、20〜79、20〜80、20〜81、
20〜82、20〜83、20〜84、20〜85、20〜86、20〜87、
20〜88または20〜89として配列番号2に示されたアミノ酸配列を含むポ
リペプチドは特に好ましい。すでに上記したように、上記で列挙したポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0097】 本発明はまた、全長ポリペプチドのアミノ末端およびカルボキシ末端の両方か
ら1つ以上の欠失したアミノ酸を有するCkβ−7ポリペプチドを提供し、これ
は配列番号2の残基n〜mを有するものとして一般的に記載され得る。ここでn
およびmは上記したような整数である。N末端およびC末端の欠失を有する特に
好ましいCkβ−7ポリペプチドは、アミノ酸残基21〜89、22〜89、2
3〜89、24〜89、25〜89、26〜89、27〜89、28〜89、2
9〜89、30〜89、21〜88、22〜88、23〜88、24〜88、2
5〜88、26〜88、27〜88、28〜88、29〜88、30〜88、2
1〜87、22〜87、23〜87、24〜87、25〜87、26〜87、2
7〜87、28〜87、29〜87、30〜87、21〜86、22〜86、2
3〜86、24〜86、25〜86、26〜86、27〜86、28〜86、2
9〜86、30〜86、21〜85、22〜85、23〜85、24〜85、2
5〜85、26〜85、27〜85、28〜85、29〜85、30〜85、2
1〜84、22〜84、23〜84、24〜84、25〜84、26〜84、2
7〜84、28〜84、29〜84、30〜84、21〜83、22〜83、2
3〜83、24〜83、25〜83、26〜83、27〜83、28〜83、2
9〜83、30〜83、21〜82、22〜82、23〜82、24〜82、2
5〜82、26〜82、27〜82、28〜82、29〜82、30〜82、2
1〜81、22〜81、23〜81、24〜81、25〜81、26〜81、2
7〜81、28〜81、29〜81、30〜81、21〜80、22〜80、2
3〜80、24〜80、25〜80、26〜80、27〜80、28〜80、2
9〜80、30〜80、21〜79、22〜79、23〜79、24〜79、2
5〜79、26〜79、27〜79、28〜79、29〜79、30〜79、2
1〜78、22〜78、23〜78、24〜78、25〜78、26〜78、2
7〜78、28〜78、29〜78、30〜78、21〜77、22〜77、2
3〜77、24〜77、25〜77、26〜77、27〜77、28〜77、2
9〜77、30〜77、21〜76、22〜76、23〜76、24〜76、2
5〜76、26〜76、27〜76、28〜76、29〜76、30〜76、2
1〜75、22〜75、23〜75、24〜75、25〜75、26〜75、2
7〜75、28〜75、29〜75、30〜75、21〜74、22〜74、2
3〜74、24〜74、25〜74、26〜74、27〜74、28〜74、2
9〜74、30〜74、21〜73、22〜73、23〜73、24〜73、2
5〜73、26〜73、27〜73、28〜73、29〜73、30〜73、2
1〜72、22〜72、23〜72、24〜72、25〜72、26〜72、2
7〜72、28〜72、29〜72、30〜72、21〜71、22〜71、2
3〜71、24〜71、25〜71、26〜71、27〜71、28〜71、2
9〜71、30〜71、21〜70、22〜70、23〜70、24〜70、2
5〜70、26〜70、27〜70、28〜70、29〜70または30〜70
を含むポリペプチドを含む。上記のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
もまた、提供される。
【0098】 N末端およびC末端の欠失を有する好ましいCkβ−7ポリペプチドはまた、
アミノ酸残基16〜89、17〜89、18〜89、19〜89、16〜88、
17〜88、18〜88、19〜88、16〜87、17〜87、18〜87、
19〜87、16〜86、17〜86、18〜86、19〜86、16〜85、
17〜85、18〜85、19〜85、16〜84、17〜84、18〜84、
19〜84、16〜83、17〜83、18〜83、19〜83、16〜82、
17〜82、18〜82、19〜82、16〜81、17〜81、18〜81、
19〜81、16〜80、17〜80、18〜80、19〜80、16〜79、
17〜79、18〜79、19〜79、16〜78、17〜78、18〜78、
19〜78、16〜77、17〜77、18〜77、19〜77、16〜76、
17〜76、18〜76、19〜76、16〜75、17〜75、18〜75、
19〜75、16〜74、17〜74、18〜74、19〜74、16〜73、
17〜73、18〜73、19〜73、16〜72、17〜72、18〜72、
19〜72、16〜71、17〜71、18〜71、19〜71、16〜70、
17〜70、18〜70または19〜70を含むポリペプチドを含む。
【0099】 ATCC受託番号75675に含まれるcDNAクローンによりコードされる
完全なCkβ−7のアミノ酸配列の一部分もまた含み、ここで、この部分は、A
TCC受託番号75675に含まれるクローン中のヒトcDNAによりコードさ
れる完全ポリペプチドのアミノ末端から1〜約29アミノ酸、あるいはATCC
受託番号75675に含まれるクローン中のヒトcDNAによりコードされる全
長ポリペプチドのカルボキシ末端から1〜約19アミノ酸、または上記のアミノ
末端およびカルボキシ末端欠失の任意の組み合わせを除外する。上記の欠失変異
体ポリペプチド形態の全てをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0100】 本明細書中で示されたそのアミノ末端に加えられたN末端メチオニン(例えば
、メチオニン22〜89)を有する上記に列挙したN末端およびC末端Ckβ−
7欠失変異体のいずれも、特に最も好ましい。
【0101】 上記の欠失変異体の1つの少なくとも1つの生物学的活性を保持するさらなる
Ckβ−7欠失変異体は、本発明の範囲内にさらに含まれる。これらのCkβ−
7欠失変異体の置換変異体もまた、含まれる。
【0102】 「生物学的活性」によって、特定の生物学的アッセイで測定されるように、上
記のCkβ−7欠失変異体のうちの一つと同一である必要はないが、類似の活性
を提示するポリペプチドとして意図される。Ckβ−7欠失変異体活性は、実施
例3に示されるアッセイにより測定され得る。
【0103】 活性の程度は、参照のCkβ−7欠失変異体ポリペプチドの程度と同一である
必要はないが、好ましくは、Ckβ−7欠失変異体活性を有するポリペプチドは
、参照Ckβ−7欠失変異体ポリぺプチドと比較する場合、実質的に類似した活
性を提示する(すなわち、候補ポリペプチドは、参照ポリペプチドと比較して、
より高い活性、または約20分の1未満でない活性および好ましくは、約10分
の1未満でない活性を提示する)。
【0104】 図1(配列番号2)のポリペプチドあるいは寄託されたcDNAによりコード
されるポリペプチドのフラグメント、誘導体またはアナログは(i)その1つ以
上のアミノ酸残基が、保存的アミノ酸残基または非保存的アミノ酸残基(好まし
くは保存的アミノ酸残基)で置換され、そしてそのような置換アミノ酸残基は、
遺伝コードによってコードされるアミノ酸残基であってもよく、またはそうでな
くてもよい、あるいは(ii)その1つ以上のアミノ酸残基が置換基を有する、
あるいは(iii)その成熟ポリペプチドが他の化合物(例えば、ポリペプチド
の半減期を増加させる化合物(例えば、ポリエチレングリコール))と融合され
る、または(iv)IgG Fc融合領域ペプチド、またはリーダーもしくは分
泌配列、またはCkβ−7ポリペプチドの精製に利用される配列、またはプロタ
ンパク質配列のような、付加的アミノ酸が全長ポリペプチドと融合される、フラ
グメント、誘導体、またはアナログであり得る。このようなフラグメント、誘導
体およびアナログは、本明細書中の教示から、当業者の範囲内であるとみなされ
る。
【0105】 本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、好ましくは、単離された形
で提供され、そして好ましくは均質に精製される。
【0106】 本発明のポリペプチドは、上記Ckβ−7欠失変異体と、少なくとも70%の
同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、そしてさらにより好ましく
は少なくとも95%の同一性を有するポリペプチドを含む。少なくとも30アミ
ノ酸、そしてより好ましくは少なくとも50アミノ酸を含む上記Ckβ−7欠失
変異体の部分と同一のポリペプチドもまた含まれる。
【0107】 Ckβ−7ポリペプチドの参照アミノ酸配列に、少なくとも、例えば、95%
「同一」であるアミノ酸配列を有するポリぺプチドにより、ポリぺプチドのアミ
ノ酸配列が、そのポリぺプチド配列がCKβ−7レセプターの参照アミノ酸の各
100アミノ酸あたり5アミノ酸の変化までを含み得ることを除いて、その参照
配列に同一であることが意図される。換言すれば、参照アミノ酸配列に少なくと
も95%同一であるアミノ酸配列を有するポリぺプチドを得るためには、参照配
列のアミノ酸残基の5%までが、欠失され得るか、または別のアミノ酸で置換さ
れ得るか、あるいは、参照配列の総アミノ酸残基の5%までの数のアミノ酸が、
参照配列に挿入され得る。参照配列のこれらの改変は、参照アミノ酸配列のアミ
ノ末端位置もしくはカルボキシ末端位置で、またはこれらの末端位置の間のどこ
かで、参照配列中の残基の間に個々に散在してか、または参照配列内で1つ以上
の連続する群の中に散在してかのいずれかで、起こり得る。
【0108】 実際に、任意の特定のポリぺプチドが、例えば、図1(配列番号2)に示され
るアミノ酸配列、寄託されたcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配
列、またはそれらのフラグメントに対して少なくとも90%、95%、96%、
97%、98%、もしくは99%同一であるか否かは、Bestfitプログラ
ム(Wisconsin Sequence Analysis Packag
e,Version 8 for UnixTM,Genetics Comp
uter Group,University Research Park,
575 Science Drive,Madison,WI 53711)の
ような公知のコンピュータプログラムを使用して従来的に決定され得る。特定の
配列が、例えば、本発明に対する参照配列と、95%の同一性があるか否かを決
定するためにBestfitまたは任意の他の配列整列化プログラムを使用する
場合、当然、パラメータは、同一性のパーセンテージが、参照アミノ酸配列の全
長にわたって算定されるように、そして相同性中のギャップが参照配列における
アミノ酸残基の総数の5%まで許容されるように、設定される。
【0109】 特定の実施形態において、参照(問い合わせ)配列(本発明の配列)と対象の
配列との間の同一性は、全体的な配列整列化としてもまた参照される。これは、
Brutlagら、Comp.App.Biosci.6:237−245(1
990)のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュータープログラムを使用
して決定される。FASTDBアミノ酸整列において使用される好ましいパラメ
ーターは、:Matrix=PAM 0、k−tuple=2、Mismatc
h Penalty=1、Joining Penalty=20、Rando
mization Group Length=0、Cutoff Score
=1、Window Size=sequence length、Gap P
enalty=5、Gap Size Penalty=0.05、Windo
w Size=500または対象アミノ酸配列の長さ(どちらかより短い方)で
ある。この実施形態に従って、対象配列が、N末端またはC末端欠失のために(
内部欠失のためではなく)問い合わせ配列より短い場合、FASTDBプログラ
ムが同一性の全体的な割合を計算する場合に、対象配列のN末端およびC末端切
断を考慮しないという事実を考慮して、手動の補正が結果に対してなされなけれ
ばならない。N末端末端またはC末端末端で切断される対象配列について、問い
合わせ配列に対して、同一性パーセントは、問い合わせ配列の総塩基のパーセン
トとして、対応する対象残基と一致/整列されない対象配列のN末端およびC末
端である問い合わせ配列の残基の数を計算することによって補正される。残基が
一致/整列されるか否かの決定は、FASTDB配列整列の結果によって決定さ
れる。次いで、このパーセントは、同一性パーセントから差し引かれ、特定のパ
ラメーターを用いて上記のFASTDBプログラムによって算定され、最終的な
同一性パーセントのスコアに到達する。この最終的なパーセント同一性スコアが
、本実施形態の目的に使用されるものである。問い合わせ配列と一致/整列され
ない、対象配列のN末端およびC末端側の残基のみが、同一性パーセントのスコ
アを手動で調整する目的で考慮される。つまり、対象配列の最も遠位のN末端お
よびC末端残基の外側の問い合わせ残基の位置である。例えば、90アミノ酸残
基の対象配列は、同一性パーセントを決定するために100残基の問い合わせ配
列に整列される。欠失は、対象配列のN末端で生じ、従って、FASTDB整列
は、N末端の最初の10残基で一致/整列を示さない。10個の不対合残基は、
配列の10%(一致していないN末端およびC末端での残基の数/問い合わせ配
列の残基の総数)を表し、その結果、10%は、FASTDBプログラムによっ
て算定される同一性パーセントのスコアから差し引かれる。残りの90残基が完
全に一致する場合は、最終的な同一性パーセントは90%である。別の例では、
90残基の対象配列が、100残基の問い合わせ配列と比較される。この場合、
欠失は、内部欠失であり、その結果、問い合わせと一致/整列しない対象配列の
N末端またはC末端に残基が存在しない。この場合、FASTDBによって算定
される同一性パーセントは手動で補正されない。再び、FASTDB整列におい
て提示されるように、問い合わせ配列と一致/整列しない対象配列のN末端また
はC末端の外側の残基のみが手動で補正される。他の手動の補正は、本実施形態
の目的のためにはなされない。
【0110】 当然、遺伝子コードの縮重により、当業者は、本発明のCKβ−7欠失変異体
をコードする核酸配列と、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%
または99%同一の配列を有する多くの核酸分子が、CKβ−7欠失変異体活性
を有するポリペプチドをコードすることを直ちに認識する。実際、これらヌクレ
オチド配列の縮重改変体は全て同じポリペプチドをコードするので、これは上記
の比較アッセイを行わずとも当業者には明らかである。以下で議論するように、
縮重改変体でないこのような核酸分子についても、妥当な数がCKβ−7欠失変
異体活性を有するポリペプチドをコードすることが、当該分野においてさらに認
識される。
【0111】 すでに記述したように、本発明のポリペプチドはまた、改変された開始メチオ
ニン残基を含み得る。さらに、MPIF−1ポリペプチドはまた、いくつかの場
合、宿主媒介プロセスの結果として、改変された開始メチオニン残基を含み得る
。従って、翻訳開始コドンによってコードされているN末端メチオニンは、一般
的に、すべての真核生物細胞において翻訳後に任意のタンパク質から高い効率で
除去されることが当該分野において周知である。大部分の原核生物においても、
大部分のタンパク質上のN末端メチオニンはまた、効率的に除去されるが、いく
つかのタンパク質では、この原核生物の除去プロセスは、N末端メチオニンが共
有結合しているアミノ酸の性質に依存して、非効率的である。
【0112】 さらに、多くの場合に、さもなければアミノ末端メチオニンを欠失する本発明
のN末端切断型のCkβ−7ポリペプチドにN末端メチオニンを付加して、例え
ば、細菌(例えば、E.coli)における組換え技術による、効率的な発現を
達成することが有益であり得るということが当業者により認識される。
【0113】 ポリペプチドは、融合タンパク質のような改変された形態で発現され得、そし
て分泌シグナルだけでなく、さらなる異種機能性領域もまた含み得る。例えば、
さらなるアミノ酸(特に荷電アミノ酸)の領域は、精製の間、または連続した操
作および保存の間に、宿主細胞における安定性および持続性を改善するために、
ポリペプチドのN末端に付加され得る。また、精製を容易にするためにペプチド
部分がポリペプチドに付加され得る。そのような領域は、ポリペプチドの最終調
製の前に除去され得る。とりわけ、分泌または排出を生じるため、安定性を改善
するため、および精製を容易にするためのペプチド部分のポリペプチドへの付加
は、当該分野で公知であり、そして慣用的な技術である。好ましい融合タンパク
質は、水溶性タンパク質に有用な免疫グロブリン由来の異種領域を含む。例えば
、EP−A−O 464 533(カナダ対応出願第2045869号)は、別
のヒトタンパク質、またはその一部とともに免疫グロブリン分子の定常領域の種
々の部分を含む融合タンパク質を開示する。多くの場合、融合タンパク質中のF
c部分は、治療および診断における使用に十分に有利であり、従って、例えば改
善された薬物動態学的特性を生じる(EP−A 0232 262)。一方、い
くつかの使用について、融合タンパク質が、記載される有利な様式で、発現され
、検出され、そして精製された後に、Fc部分を欠失し得ることが望ましい。こ
れは、Fc部分が、治療および診断における使用に対して障害となると判明する
場合(例えば、融合タンパク質が免疫のための抗原として使用されるべき場合)
である。薬物探索において、例えば、hIL5−レセプターのようなヒトタンパ
ク質は、hIL−5のアンタゴニストを同定するための高処理能力スクリーニン
グアッセイの目的で、Fc部分と融合されている。Bennett,D.ら、
Journal of Molecular Recognition 8:5
2−58(1995);およびJohanson,Kら、 J. Biol.
Chem. 270(16):9459−9471(1995)を参照のこと。
【0114】 本発明のCkβ−7ポリペプチドは、硫酸アンモニウム沈澱またはエタノール
沈澱、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロ
ースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティー
クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチ
ンクロマトグラフィーを含む周知の方法によって組換え細胞培養物から回収され
、そして精製され得る。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HP
LC」)が精製のために用いられる。本発明のポリペプチドは以下を含む:天然
の精製産物;化学合成手順の産物;および原核生物宿主または真核生物宿主(例
えば、細菌細胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を含
む)から組換え技術によって産生された産物。組換え産生手順において用いられ
る宿主に依存して、本発明のポリペプチドは、グリコシル化されていてもよく、
またはグリコシル化されていなくてもよい。さらに、本発明のポリペプチドはま
た、いくつかの場合、宿主媒介プロセスの結果として、改変された開始メチオニ
ン残基を含み得る。
【0115】 本発明のCkβ−7ポリペプチドのいくつかのアミノ酸配列は、タンパク質の
構造または機能に有意な影響を及ぼさずに改変し得ることが、当該分野において
認識される。配列におけるそのような相違が考慮される場合、活性を決定するタ
ンパク質上の重要な領域が存在することを覚えておくべきである。一般的に、類
似の機能を果す残基が使用される限り、三次構造を形成する残基を置換すること
は可能である。他の例において、タンパク質の非重要な領域で変化が生じる場合
、残基の型は、完全に重要でないかもしれない。
【0116】 従って、本発明はさらに、実質的にCkβ−7欠失変異体活性を示す本発明の
Ckβ−7ポリぺプチドの変化を含む。そのような変異体は、欠失、挿入、反転
、反復、および型置換(例えば、ある親水性残基の別のものへの置換(しかし、
概して、強い親水性から強い疎水性への置換でない))を含む。低荷電アミノ酸
または、そのような「中性」アミノ酸の置換は一般的に活性に対してほとんど影
響を与えない。
【0117】 代表的に、以下のものが、保存的置換とみなされる;脂肪族アミノ酸Ala,
Val、LeuおよびIle間のあるものから別のものへの置換:ヒドロキシル
残基SerおよびThrの交換、酸性残基AspおよびGluの交換、アミド残
基AsnおよびGln間での置換、塩基性残基LysおよびArgの交換、なら
びに芳香族残基Phe、Tyr間の置換。
【0118】 荷電アミノ酸の、別の荷電アミノ酸または中性アミノ酸での置換もまた、さら
に特に興味深い。これは、改善された特徴(例えば、より少ない凝集)を有する
タンパク質を生じ得る。凝集の防止は、非常に望ましい。タンパク質の凝集は、
凝集物が免疫原性であり得るため、活性を低下させるだけでなく、薬学的処方物
を調製する場合にもまた問題ともなり得る。(Pinckardら、Clin.
Exp.Immunol.2:331−340(1967);Robbinsら
、Diabetes 36:838−845(1987);Clelandら、
Crit.Rev.Therapeutic Drug Carrier Sy
stems 10:307−377(1993))。
【0119】 アミノ酸の置換はまた、細胞表面レセプターに対するリガンドの結合の選択性
を変化させ得る。例えば、Ostadeら、Nature 361:266−2
68(1993)は2つの公知のタイプのTNFレセプターの1つのみへのTN
F−αの選択的な結合を生じる特定の変異を記載する。リガンド−レセプター結
合について決定的である部位はまた、構造解析(例えば、結晶化、核磁気共鳴法
または光親和性標識)により決定され得る(Smithら、J.Mol.Bio
l.224:899−904(1992)およびde Vosら、Scienc
e 255:306−312(1992))。TNF−αの選択的な結合は、は
2つの公知のTNFレセプターの1つのみへの結合である。
【0120】 上記で詳細に示したように、表現型的にサイレント(すなわち、機能的に有意
に有害な影響を有するようでない)であるようなアミノ酸変化に関連したさらな
るガイダンスは、Bowie,J.U.ら「Deciphering the
Message in Protein Sequence:Toleranc
e to Amino Acid Substitutions」Scienc
e 247:1306−1310(1990)(表1を参照のこと)に見出され
得る。
【0121】 示されるように、変化は、好ましくは、マイナーな性質のものであり、例えば
タンパク質のフォールディングまたは活性に有意に影響を与えない保存的アミノ
酸置換である(表1を参照のこと)。
【0122】
【表1】 当然、当業者が作製するアミノ酸置換の数は、上記に記載したものを含む多く
の因子に依存する。一般的に言うと、本発明の任意の所定のCkβ−7ポリペプ
チドに対する置換の数は、50、40、30、25、20、15、10、5、ま
たは3より多くない。従って本発明のCkβ−7ポリペプチドが1以上の上記の
置換を含み得るということが、当業者により認識される。
【0123】 当業者に公知の組換えDNA技術は、新規のタンパク質を作製するために使用
され得る。ムテインおよび欠失タンパク質または融合タンパク質は、例えば、活
性の上昇または安定性の増加を示し得る。さらに、それらは高い収率で精製され
、そして少なくとも特定の精製および保存条件下において、より優れた溶解性を
示し得る。以下に列挙するのは、構築され得る変異体のさらなる例である。
【0124】 特に興味深いのは、化学的に改変されたCkβ−7ポリペプチドである。例え
ば、Simmonsら(Science 276:276−279(1997)
)は、ケモカインRANTESのアミノ末端の改変が、レセプターからのシグナ
ル伝達を生じることなくCCR5レセプター部位を占有し、そしてHIV−I感
染をブロックし得るタンパク質を生じるということを示した。これら改変された
ケモカインは、炎症のような所望されない副作用のシグナル伝達を回避すると考
えられる。
【0125】 好ましいCkβ−7N末端改変としては、以下が挙げられる:
【0126】
【化5】 このような本明細書中に記載されたCkβ−7ポリペプチドのN末端の化学的
改変は、Science 276:276−279(1997)(その全てが、
本明細書中に参考として援用される)に記載されるプロトコルに従って作製され
得る。その全ては、本明細書中に参考として援用される。
【0127】 好ましくは、本発明のポリペプチドは、単離された形態で提供され、そして好
ましくは、実質的に精製される。Ckβ−7ポリペプチドの組換え的に産生され
たバージョン(version)は、SmithおよびJohnson、Gen
e 67:31〜40(1988)に記載される1工程の方法により実質的に精
製され得る。
【0128】 本発明のポリぺプチドは、当業者に周知の方法を使用してSDS−PAGEゲ
ル上でまたは分子ふるいゲルろ過カラム上で分子量マーカーとして、使用され得
る。
【0129】 以下に詳細に記載されるように、本発明のポリぺプチドはまた、以下に記載さ
れるCkβ−7タンパク質発現を検出するためのアッセイにおいて、またはCk
β−7タンパク質機能を増強もしくは阻害し得るアゴニストおよびアンタゴニス
トとして有用である、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を惹起する
ために使用され得る。さらに、このようなポリぺプチドは、酵母ツーハイブリッ
ド系において、本発明による候補アゴニストおよびアンタゴニストでもあるCk
β−7タンパク質結合タンパク質を「捕捉」するために使用され得る。酵母ツー
ハイブリッド系は、FieldsおよびSong(Nature 340:24
5−246(1989))に記載される。
【0130】 別の局面において、本発明は、本発明のポリペプチドのエピトープ保有部分を
含むペプチドまたはポリペプチドを提供する。このポリペプチド部分のエピトー
プは、本発明のポリペプチドの免疫原性または抗原性エピトープである。「免疫
原性エピトープ」とは、タンパク質全体が免疫原である場合、抗体応答を誘発す
るタンパク質の一部として定義される。これら免疫原性エピトープは、少数の分
子の座位上で制限されると考えられる。一方で、抗体が結合し得るタンパク質分
子の領域は、「抗原性エピトープ」と定義される。タンパク質の免疫原性エピト
ープの数は、一般的に抗原性エピトープの数よりも少ない。例えば、Geyse
nら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3998−40
02(1983)を参照のこと。
【0131】 抗原性エピトープを保有する(すなわち、抗体が結合し得るタンパク質分子の
領域を含む)ペプチドまたはポリペプチドの選択に関して、タンパク質配列の一
部を模倣する比較的短い合成ペプチドが、部分的に模倣されたタンパク質と反応
する抗血清を慣用的に誘発し得ることが当該分野で周知である。例えば、Sut
cliffe,J.G.らScience 219:660−666を参照のこ
と。
【0132】 タンパク質反応性血清を誘発し得るペプチドは、タンパク質の一次配列で頻繁
に示され、一連の単純な化学的法則により特徴付けられ得、そしてインタクトな
タンパク質の免疫優性領域(すなわち、免疫原性エピトープ)にも、アミノ末端
またはカルボキシル末端にも、制限されない。極端に疎水性で、かつ6個または
それ以下の残基であるペプチドは、一般的に、模倣タンパク質に結合する抗体の
誘導において非効率的であり;特にプロリン残基を含む、より長いペプチドは通
常、効率的である。Sutcliffeら(前出)661頁を参照のこと。例え
ば、これらガイドラインに従って設計された20ペプチドのうちの18のペプチ
ドは、インフルエンザウイルスの赤血球凝集素HAIポリペプチド鎖の配列の7
5%にわたる8〜39残基を含み、HAIタンパク質またはインタクトなウイル
スに反応する抗体を誘導し:そして、MuLVポリメラーゼ由来の12/12の
ペプチド、および狂犬病糖タンパク質由来の18/18のペプチドは、それぞれ
のタンパク質を沈殿させる抗体を誘導した。
【0133】 従って、本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、本発
明のポリペプチドに特異的に結合する抗体(モノクローナル抗体を含む)を惹起
するのに有用である。従って、抗原性エピトープ保有ペプチドにより免疫化した
ドナー由来の脾臓細胞の融合によって得られる高い割合のハイブリドーマが、一
般的にネイティブのタンパク質に反応して抗体を分泌する。Sutcliffe
ら(前出)663頁を参照のこと。抗原性エピトープ保有ペプチドまたはポリペ
プチドにより惹起されるこの抗体は、模倣タンパク質を検出するのに有用であり
、そして異なるペプチドに対する抗体は、翻訳後プロセッシングを受けるタンパ
ク質前駆体の種々の領域の運命を追跡するために使用され得る。ペプチド抗体お
よび抗ペプチド抗体は、模倣タンパク質についての様々な定性的アッセイまたは
定量的アッセイ(例えば、競合アッセイ)において使用され得る。なぜなら、短
いペプチド(例えば、約9アミノ酸)でさえ、免疫沈降アッセイにおいてより大
きなペプチドと結合および置換し得ることが示されたからである。例えば、Wi
lsonら、Cell 37:767−778(1984)の777頁を参照の
こと。本発明の抗ペプチド抗体はまた、模倣タンパク質の精製(例えば、当該分
野で周知の方法を使用する吸着クロマトグラフィーによる)において有用である
【0134】 上記ガイドラインに従って設計された、本発明の抗原性エピトープ保有ペプチ
ドおよびポリペプチドは、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列内に含まれる、
好ましくは少なくとも7個、より好ましくは少なくとも9個、そして最も好まし
くは約15〜約30個の間のアミノ酸の配列を含む。しかし、本発明のポリペプ
チドのアミノ酸配列のより大きな部分(約30から約50のアミノ酸を含み、ま
たは任意の長さまで、および本発明のポリペプチドの全てのアミノ酸配列を含む
)を含むペプチドまたはポリペプチドはまた、本発明のエピトープ保有ペプチド
またはポリペプチドであるとみなされ、そして模倣タンパク質に反応する抗体を
誘導するのに有用である。好ましくは、エピトープ保有ペプチドのアミノ酸配列
は、水性溶媒中における実質的な溶解度を提供するために選択され(すなわち、
比較的疎水性の残基および高い疎水性の配列を含む配列は、好ましくは避けられ
る);そしてプロリン残基を含む配列は特に好ましい。
【0135】 本発明のエピトープ保有ペプチドおよびエピトープ保有ポリペプチドは、本発
明の核酸分子を使用する組換え手段を含む、ペプチドまたはポリペプチドを作製
するための任意の従来の手段によって産生され得る。例えば、短いエピトープ保
有アミノ酸配列は、組換え産生および精製の間、および抗ペプチド抗体を産生す
るための免疫化の間にキャリアとして作用するより大きなポリペプチドと融合さ
れ得る。エピトープ保有ペプチドはまた、化学的合成の公知の方法を使用して合
成され得る。例えば、Houghtenは大量のペプチドを合成する単純な方法
(例えば、HA1ポリペプチドのセグメントの単一アミノ酸の改変体を示す、1
0〜20mgの248個の異なる13残基のペプチドが、4週間未満で調製およ
び特徴付けられた(ELISA型結合研究による))を記載した。Hought
en R.A.「General method for the rapid
solid−phase synthesis of large numb
ers of peputides:specificity of anti
gen−antibody interaction at the leve
l of individual amino acids」、Proc.Na
tl.Acad.Sci.(USA) 82:5131−5135(1985)
。この「Simultaneous Multiple Peptide Sy
nthesis(SMPS)」プロセスは、Houghtenら(1986)の
米国特許第4,631,211号にさらに記載されている。この手順において、
種々のペプチドの固相合成のための個々の樹脂は、分離溶媒浸透性小胞に含まれ
、固相方法に含まれる多くの同一の反復工程の最適な使用を可能にしている。完
全なマニュアルの手順は、50〜1000以上の合成を同時に行うことを可能に
する。Houghtenら(前出)5134頁。
【0136】 本発明の好ましい核酸フラグメントは、本発明のCkβ−7ポリペプチドのエ
ピトープ保有領域をコードする核酸分子を含む。
【0137】 本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリぺプチドは、当該分野で周知の方
法に従って抗体を誘導するために使用される。例えば、Sutcliffeら、
前出;Wilsonら、前出;Chow,M.ら、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 82:910−914;およびBittle,F.J.ら
、J.Gen.Virol.66:2347−2354(1985)を参照のこ
と。一般的に、動物は、遊離のペプチドで免疫化され得る。しかし、抗ペプチド
抗体力価は高分子キャリア(例えば、キーホールリンペットへモシニアン(KL
H)または破傷風トキソイド)への結合によってブーストされ得る。例えば、シ
ステインを含むペプチドは、リンカー(例えば、m−マレイミドベンゾイル−N
−ヒドロキシスクシンイミドエステル(m−maleimidobenzoyl
−N−hydroxysuccinimide ester))(MBS)を使
用してキャリアに結合され得るが、他のペプチドはより一般的な結合剤(例えば
、グルタルアルデヒド)を使用してキャリアに結合され得る。動物(例えば、ウ
サギ、ラットおよびマウス)は、遊離のペプチドまたはキャリア結合ペプチドの
いずれかで、例えば、約100μgペプチドまたはキャリアタンパクおよびフロ
イントアジュバントを含むエマルジョンの腹腔内注射および/または経皮注射に
よって免疫される。様々なブースター注射は、例えば、約2週間間隔で、抗ペプ
チド抗体の有用な力価を提供するために必要であり得、この力価は、例えば、固
体表面に吸着した遊離ペプチドを使用するELISAアッセイによって検出され
得る。免疫化した動物由来の血清中における抗ペプチド抗体の力価は、抗ペプチ
ド抗体の選択により増加し得る(例えば、当該分野で周知の方法に従う固体支持
体上のペプチドへの吸着および選択された抗体の溶出によって)。
【0138】 本発明の免疫原性エピトープ保有ペプチド、すなわち全タンパク質が免疫原の
場合に抗体応答を誘発するタンパク質の一部は、当該分野で公知の方法によって
同定される。例えば、Geysenら、前出は、酵素結合免疫吸着アッセイにお
いて反応するために十分な純度である何百というペプチドの固相支持体上におけ
る迅速で同時的な合成についての手順を開示する。次いで、合成したペプチドと
抗体との相互作用は、それらを支持体から取り除くことなく容易に検出される。
このように、所望されるタンパク質の免疫原性エピトープを保有するペプチドは
、慣用的に当業者によって同定され得る。例えば、口蹄疫ウイルスのコートタン
パク質中の免疫学的に重要なエピトープは、Geysenらによって、そのタン
パク質の全213アミノ酸配列をカバーする全208の可能なヘキサペプチドの
重複セットの合成による7アミノ酸の分解能で位置付けられた。次いで、全20
アミノ酸がエピトープ中の全ての位置において順番に置換される、ペプチドの完
全な置換のセットが合成されそして、抗体との反応について特異性を付与する特
定のアミノ酸が決定された。従って、本発明のエピトープ保有ペプチドのペプチ
ドアナログは、この方法によって慣用的に作製され得る。Geysenに対する
米国特許番号第4,708,781号(1987)は、所望するタンパク質の免
疫原性エピトープを保有するペプチドを同定するこの方法をさらに記載する。
【0139】 さらになお、Geysenに対する米国特許番号第5,194,392号(1
990)は、エピトープの位相幾何学的な等価物(すなわち、「ミモトープ(m
imotope)」であるモノマー(アミノ酸または他の化合物)の配列検出ま
たは配列決定の一般的な方法を記載し、このエピトープは、目的の抗体の特定の
パラト−プ(抗原結合部位)に対し相補的である。より一般的には、Geyse
nに対する米国特許番号第4,433,092号(1989)は、目的の特定の
レセプターのリガンド結合部位に対し相補的なリガンドの組織分布的な等価物で
あるモノマーの配列検出または配列決定の方法を記載する。同様に、過アルキル
化オリゴペプチド混合物(Peralkylated Oligopeptid
e Mixture)についてのHoughten,R.A.ら(1996)に
対する米国特許番号第5,480,971号は、直鎖C1−C7−アルキル 過
アルキル化オリゴペプチドおよびこのようなペプチドのセットおよびライブラリ
ーを開示し、ならびにそのようなオリゴペプチドセットおよびライブラリーを、
目的のアクセプター分子に好ましくは結合する過アルキル化オリゴペプチドの配
列を決定するために使用するための方法を開示する。従って、本発明のエピトー
プ保有ペプチドの非ペプチドアナログはまた、これらの方法によって慣用的に作
製され得る。
【0140】 本節において「ポリペプチドおよびポリペプチドフラグメント」と引用される
各文書の全開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0141】 当業者が理解するように、上記に記載される本発明のCkβ−7ポリペプチド
およびそのエピトープ保有フラグメントは、免疫グロブリン(IgG)の定常ド
メインの一部と合わせられ得、キメラポリペプチドを生じる。これらの融合タン
パク質は、精製を容易にし、そしてインビボにおける半減期の増加を示す。これ
は、例えば、ヒトCD−4ポリペプチドの最初の2つのドメインおよび哺乳動物
免疫グロブリンの重鎖または軽鎖の定常領域の種々のドメインからなるキメラタ
ンパク質について示されてきた(EPA 394,827:Traunecke
rら、Nature 331:84−86(1988))。IgG部分のために
ジスルフィド連結ダイマー構造を有する融合タンパク質はまた、他の分子の結合
および中和において、モノマーCkβ−7欠失変異ポリペプチド単独よりもより
効果的であり得る(Fountoulakisら、J.Biochem.270
:3958−3964(1995))。
【0142】 (ベクターおよび宿主細胞) 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、本発明のベクター
を用いて遺伝子操作される宿主細胞、および組換え技術による本発明のポリペプ
チドの産生に関する。
【0143】 宿主細胞は、例えば、クローニングベクターまたは発現ベクターであり得る本
発明のベクターを用いて遺伝子操作(形質導入(transduce)または形
質転換(transform)またはトランスフェクト)される。ベクターは、
例えばプラスミド、ウイルス粒子、ファージなどの形状であり得る。操作された
宿主細胞は、プロモーターの活性化、形質転換体の選択または本発明の遺伝子の
増幅に対して適切なように改変された通常の栄養培地で培養され得る。培養条件
(例えば、温度、pHなど)は、発現に対して選択された宿主細胞とともに以前
に使用された条件であり、そして当業者に対して明白である。
【0144】 本発明のポリヌクレオチドは、組換え技術によるポリペプチドの産生に使用さ
れ得る。従って、例えば、ポリヌクレオチドは、ポリペプチドを発現する種々の
発現ベクターの中の任意の1つに含まれ得る。そのようなベクターには、染色体
、非染色体および合成DNA配列、例えば、SV40の誘導体;細菌性プラスミ
ド;ファージDNA;バキュロウイルス;酵母プラスミド;プラスミドおよびフ
ァージDNAの組み合わせ由来のベクター、ウイルスDNA(例えば、ワクシニ
ア、アデノウイルス、鶏痘ウイルスおよび仮性狂犬病)が挙げられる。しかし、
宿主の中で複製可能および生存可能である限り、他の任意のベクターが使用され
得る。
【0145】 適切なDNA配列は、種々の手順によってベクター中に挿入され得る。一般的
に、DNA配列は、当該分野で公知の手順によって、適切な制限エンドヌクレア
ーゼ部位の中に挿入される。そのような手順および他の手順は、当業者の範囲内
であると考えられる。
【0146】 Ckβ−7ポリヌクレオチド挿入物は、適切なプロモーター(2、3例を挙げ
ると、例えば、ファージλPLプロモーター、E.coliのlacプロモータ
ー、trpプロモーター、phoAプロモーターおよびtacプロモーター、S
V40初期プロモーターおよびSV40後期プロモーター、あるいはレトロウイ
ルスLTRのプロモーター)に作動可能に連結されるべきである。他の適切なプ
ロモーターは、当業者に公知である。発現構築物は、さらに、転写開始のための
部位、転写終結のための部位、および、転写領域中に翻訳のためのリボゾーム結
合部位を含む。構築物によって発現される転写物のコード部分は、好ましくは、
翻訳されるべきポリペプチドの始めに翻訳開始コドンを含み、そしてこのポリペ
プチドの終わりに適切に位置される終止コドン(UAA、UGA、またはUAG
)を含む。
【0147】 発現ベクターのDNA配列は、mRNA合成を指示するために、適切な発現制
御配列(プロモーター)に作動可能に連結される。このようなプロモーターの代
表的な例として、以下が言及され得る;LTRまたはSV40プロモーター、E
.coli lacまたはtrp、ファージλPLプロモーター、および原核生
物細胞または真核生物細胞またはそれらのウイルスにおける遺伝子の発現制御を
することが知られている他のプロモーター。発現ベクターはまた、翻訳開始のた
めのリボソーム結合部位および転写ターミネーターを含む。ベクターはまた、発
現を増幅させるための適切な配列を含み得る。
【0148】 さらに、発現ベクターは、好ましくは形質転換した宿主細胞の選択に表現形の
形質を与える1以上の選択マーカー遺伝子(真核生物細胞培養については、例え
ば、ジヒドロ葉酸レダクターゼまたはネオマイシン耐性、あるいはE.coli
においては、例えば、テトラサイクリン耐性またはアンピシリン耐性)を含む。
【0149】 本明細書中上記の、適切なDNA配列および適切なプロモーターまたは制御配
列を含むベクターは、適切な宿主を形質転換するために使用されて、宿主がタン
パク質を発現することを可能にし得る。
【0150】 適切な宿主の代表的な例としては、細菌細胞(例えば、E.coli細胞、S
treptomyces細胞、Salmonella typhimurium
細胞);真菌細胞(例えば酵母);昆虫細胞(例えば、Drosophila
S2およびSpodoptera Sf9);動物細胞(例えば、CHO、CO
S、またはBowes黒色腫);アデノウイルス;植物細胞などが言及され得る
。適切な宿主の選択は、本明細書中の教示から当業者の範囲内であるとみなされ
る。
【0151】 本発明の実行における発現ベクターの使用に加えて、本発明は、目的のタンパ
ク質をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結されたオペレーターエレメ
ントおよびプロモーターエレメントを含む新規の発現ベクターをさらに含む。こ
のようなベクターの1つの例はpHE4aであり、以下に詳細を記載する。
【0152】 図7および図8に要約されるように、pHE4aベクター(配列番号4)の構
成要素は以下を包含する:1)選択マーカーとしてのネオマイシンホスホトラン
スフェラーゼ遺伝子、2)E.coli複製起点、3)T5ファージプロモータ
ー配列、4)2つのlacオペレーター配列、5)シャイン−ダルガルノ配列、
6)ラクトースオペロンリプレッサー遺伝子(lacIq)および7)多重クロ
ーニング部位リンカー領域。複製起点(oriC)は、pUC19(LTI、G
aithersburg、MD)に由来する。プロモーター配列およびオペレー
ター配列は合成的に作製された。核酸配列の合成的産生は、当該分野において周
知である。CLONTECH 95/96カタログ、215−216頁、CLO
NTECH、1020 East Meadow Circle、Palo A
lto、CA 94303。pHE4aベクターは、1998年2月25日にA
TCCに寄託され、そして受託番号は209645が与えられた。
【0153】 Ckβ−7をコードするヌクレオチド配列は、ベクターをNdeIおよびXb
aI、BamHI、XhoIまたはAsp718のいずれかで制限処理し、そし
てゲル上でより大きいフラグメント(多重クローニング部位領域は約310ヌク
レオチド)を単離することによって、pHE4aのプロモーターおよびオペレー
ターに作動可能に連結される。適切な制限部位を有する所望のCkβ−7をコー
ドするヌクレオチド配列は、例えば、NdeI(5’プライマーとして)および
XbaI、BamHI、XhoIまたはAsp718のいずれか(3’プライマ
ーとして)の制限部位を有するPCRプライマーを使用する、実施例1に記載さ
れるPCRプロトコールによって産生される。PCR挿入物はゲル精製され、そ
して適合性のある酵素によって制限処理される。挿入物およびベクターは、標準
的なプロトコールに従って連結される。
【0154】 上記のように、pHE4aベクターはlacIq遺伝子を含む。lacIqは
、lacオペレーターの堅固な調節を与えるlacI遺伝子の対立遺伝子である
。Amann,Eら、Gene 69:301−315(1988);Star
k,M.、Gene 51:255−267(1987)。lacIq遺伝子は
、lacオペレーター配列に結合し、そして下流(すなわち、3’)配列の転写
をブロックするリプレッサータンパク質をコードする。しかし、lacIq遺伝
子産物は、ラクトースまたは特定のラクトースアナログ(例えば、イソプロピル
B−D−チオガラクトピラノシド(IPTG))のいずれかの存在下で、la
cオペレーターから分離する。したがって、Ckβ−7タンパク質は、pHE4
aベクターを含む非誘導宿主細胞において、かなりの量では産生されない。しか
し、IPTGのような薬剤の添加によるこれらの宿主細胞の誘導は、結果として
Ckβ−7コード配列の発現を生じる。
【0155】 pHE4aベクターのプロモーター/オペレーター配列(配列番号5)は、T
5ファージプロモーターおよび2つのlacオペレーター配列を含む。1つのオ
ペレーターは、転写開始部位に対応して5’に位置し、そして他方は同じ部位に
対して3’に位置する。これらのオペレーターは、lacIq遺伝子産物と組み
合わせて存在する場合、lacオペロン誘導物質(例えば、IPTG)の非存在
下で下流配列の堅固な抑制を与える。lacオペレーターから下流に位置する作
動可能に連結された配列の発現は、lacオペロン誘導物質(例えば、IPTG
)の添加によって誘導され得る。lacI誘導物質のlacIqタンパク質に対
する結合は、lacオペレーター配列からのlacIqの放出および作動可能に
連結された配列の転写の開始を生じる。遺伝子発現のlacオペロン調節は、D
evlin,T.、TEXTBOOK OF BIOCHEMISTRY WI
TH CLINICAL CORRELATIONS、第4版(1997)、8
02−807頁に概説される。
【0156】 pHE4シリーズのベクターは、Ckβ−7コード配列以外のpHE4aベク
ターの構成要素の全てを含む。pHE4aベクターの特徴は、最適化された合成
T5ファージプロモーター、lacオペレーター、およびシャイン−ダルガルノ
配列を含む。さらに、これらの配列はまた、挿入遺伝子の発現が、堅固に調節さ
れ得、そして誘導において生じる発現が高いレベルであるように、最適に間隔を
空けられる。
【0157】 本発明のタンパク質の産生における使用に対して適切な公知の細菌プロモータ
ーの中には、E.coli lacIおよびlacZプロモーター、T3および
T7プロモーター、gptプロモーター、λPRおよびPLプロモーターおよび
trpプロモーターが挙げられる。適切な真核生物のプロモーターには、CMV
最初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、初期SV40プロ
モーターおよび後期SV40プロモーター、レトロウイルスLTR(例えば、ラ
ウス肉腫ウイルス(RSV)のプロモーター)、およびメタロチオネインプロモ
ーター(例えば、マウスメタロチオネインIプロモーター)が挙げられる。
【0158】 pHE4aベクターはまた、シャイン−ダルガルノ配列をAUG開始コドンに
対して5’に含む。シャイン−ダルガルノ配列は短い配列であり、一般的に、A
UG開始コドンから約10ヌクレオチド上流(すなわち、5’)に位置する。こ
れらの配列は、本質的に、真核生物リボソームをAUG開始コドンに指向する。
【0159】 従って、本発明はまた、本発明のタンパク質の産生に対し有用な発現ベクター
に関する。本発明のこの局面は、pHE4aベクター(配列番号4)によって例
証される。
【0160】 さらに、本発明はまた、上記に広く記載されるような1つ以上の配列を含む組
換え構築物を含む。この構築物は、本発明の配列が順方向または逆方向に挿入さ
れたプラスミドまたはウイルスベクターのようなベクターを含む。本実施形態の
好ましい局面において、この構築物は、例えば、配列に作動可能に連結されたプ
ロモーターを含む調節配列をさらに含む。多くの適切なベクターおよびプロモー
ターは当業者に公知であり、そして市販されている。以下のベクターを例示とし
て挙げる;細菌:pQE70、pQE60、pQE−9(Qiagen)、pB
S、pD10、phagescript、psiX174、pbluescri
pt SK、pbsks、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH4
6A(Stratagene);ptrc99a、pKK223−3、pKK2
33−3、pDR540、pRIT5(Pharmacia);真核生物:pW
LNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG(Stratage
ne)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL(Pharmacica)
。しかし、宿主の中で複製可能かつ生存可能である限り、他の任意のプラスミド
またはベクターが使用され得る。
【0161】 プロモーター領域は、CAT(クロラムフェニコールトランスフェラーゼ)ベ
クターまたは選択マーカーを有する他のベクターを用いる任意の所望の遺伝子か
ら選択され得る。2つの適切なベクターは、pKK232−8およびpCM7で
ある。特に挙げられる細菌プロモーターとしては、lacI、lacZ、T3、
T7、gtp、λPR、PLおよびtrpが挙げられる。真核細胞プロモーターは
、CMV最初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、初期SV
40および後期SV40、レトロウイルス由来のLTR、およびマウスメタロチ
オネインIプロモーターが挙げられる。適切なベクターおよびプロモーターの選
択は、十分に当業者のレベルの中にある。
【0162】 さらなる実施形態において、本発明は、上記に記載の構築物を含む宿主細胞に
関する。宿主細胞は、高等真核細胞(例えば、哺乳動物細胞)、もしくは下等真
核細胞(例えば、酵母細胞)であり得るか、または宿主細胞は、原核生物細胞(
例えば、細菌細胞)であり得る。宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウ
ムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、
または、エレクトロポレーション(Davis,L.ら、Basic Meth
ods In Molecular Biology(1986))によっても
たらされ得る。
【0163】 宿主細胞における構築物は、組換え配列によってコードされる遺伝子産物を産
生する従来の方式で使用され得る。あるいは、本発明のポリペプチドは、従来の
ペプチド合成装置によって合成的に産生され得る。
【0164】 成熟タンパク質は、哺乳動物細胞、酵母、細菌、または適切なプロモーターの
制御下にある他の細胞において発現され得る。無細胞翻訳系はまた、本発明のD
NA構築物に由来するRNAを用いるようなタンパク質を産生するために使用さ
れ得る。原核生物および真核生物宿主を用いる使用に対する適切なクローニング
ベクターおよび発現ベクターは、Sambrookら、Molecular C
loning:A Laboratory Manual、第2版;Cold
Spring Harbor,N.Y.(1989)によって記載され、この開
示は、本明細書によって参考として援用される。
【0165】 高等真核生物による本発明のポリヌクレオチドをコードするDNAの転写物は
、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによって増加される。エンハン
サーは、シス作用性のDNAエレメントであり、通常約10〜300bpであり
、その転写を増加させるためにプロモーターに作用する。例としては、100〜
270bpの複製起点の後半側のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス
初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後半部位のポリオーマエンハンサー
、およびアデノウイルスエンハンサーが挙げられる。
【0166】 一般的に、組換え発現ベクターは、複製起点および宿主細胞の形質転換を可能
にする選択マーカー(例えば、E.coliのアンピシリン耐性遺伝子およびS
.cerevisiae TRP1遺伝子)、および下流の構造配列の転写を指
示する高発現遺伝子に由来するプロモーターを含む。このようなプロモーターは
、解糖系の酵素(例えば、とりわけ、3−ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK
)、α因子、酸性ホスファターゼ因子、または熱ショックタンパク質)をコード
するオペロンに由来し得る。異種構造配列は、翻訳開始配列および翻訳終結配列
、および好ましくは細胞膜周辺腔または細胞外培地中へ翻訳タンパク質の分泌を
指示し得るリーダー配列と共に適切な段階で構築される。必要に応じて、異種配
列は、所望の特徴(例えば、発現した組換え産生の安定化または精製の単純化)
を与えるN末端認識ペプチドを含む融合タンパク質をコードし得る。
【0167】 細菌の使用に対する有用な発現ベクターは、所望のタンパク質をコードする構
造的DNA配列を、機能的プロモーターと共に作動可能なリーディング相におい
て、適切な転写開始シグナルおよび転写終結シグナルを一緒に挿入することによ
り構築される。ベクターは、ベクターの維持を確実にするため、および所望であ
れば、宿主中の増幅を与えるための1つ以上の表現型の選択マーカーおよび複製
起点を含む。形質転換に対する適切な原核生物宿主は、E.coli、Baci
llus subtilis、Salmonella typhimurium
ならびにPseudomonas属、Streptomyces属およびSta
phylococcus属の様々な種を含むが、しかし他の宿主もまた、選択の
問題として使用され得る。
【0168】 代表的であるが非制限的な例示として、細菌の使用のための有用な発現ベクタ
ーは、選択マーカーおよび周知のクローニングベクターpBR332(ATCC
37017)の遺伝エレメントを含む市販のプラスミドに由来する細菌複製起点
を含み得る。このような市販のベクターは、例えば、pKK223−3(Pha
rmacia Fine Chemicals Uppsala Sweden
)およびGEMI(Promega Biotec、Madison、WI、U
SA)を含む。これらのpBR322「バックボーン」区分は、適切なプロモー
ターおよび発現される構造的配列と合わされる。
【0169】 宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DE
AE−デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフ
ェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染または他の方法によって
もたらされ得る。このような方法は、Davisら、Basic Method
s In Molecular Biology(1986)のような多くの標
準的実験室マニュアルに記載されている。Ckβ7ポリペプチドは、組換えベク
ターを欠損する宿主細胞によっても実際は発現され得ることが特に意図される。
【0170】 以下の適切な宿主株の形質転換および適切な細胞密度に対する宿主株の増殖に
よって、選択されたプロモーターは適切な手段(例えば、温度シフトまたは化学
誘発)によって誘導され、そして細胞はさらなる期間培養される。
【0171】 細胞は、代表的に、遠心分離によって収集され、物理的または化学的手段によ
って破壊され、そして生じた粗抽出物はさらなる精製のために保持される。
【0172】 タンパク質の発現に使用された微生物の細胞は、凍結融解サイクル、超音波処
理、機械的破壊、または細胞溶解剤の使用(当業者に周知のような方法)を含む
任意の簡便な方法によって破壊され得る。
【0173】 種々の哺乳動物細胞培養系はまた、組換えタンパク質を発現するためにも使用
され得る。哺乳動物発現系の例示としては、サル腎臓線維芽細胞のCOS−7株
(Gluzman、Cell 23:175(1981)によって記載される)
、および適合性を持つベクターの発現が可能な、他の細胞株(例えば、C127
、3T3、CHO、HeLa、およびBHK細胞株)が挙げられる。哺乳動物発
現ベクターは、複製起点、適切なプロモーターおよびエンハンサー、そしてまた
任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライシングドナー
部位およびスプライシングアクセプター部位、転写終結配列、および5’フラン
キング非転写配列を含む。SV40スプライシング部位およびポリアデニル化部
位に由来するDNA配列は、必要とされる非転写遺伝的エレメントを与えるため
に使用され得る。
【0174】 (ポリペプチド精製および単離) ポリペプチドは、硫安沈澱またはエタノール沈澱、酸抽出、陰イオンまたは陽
イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性
相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシ
アパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィーを含む方法
によって組換え細胞培養物から回収され、そして精製され得る。タンパク質再折
り畳み工程は、必要であれば、成熟タンパク質の立体配置の完成において使用さ
れ得る。最後に、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が最終精製工程
のために用いられ得る。E.coli中で発現したCkβ−7ポリペプチドを精
製するための特定の方法は、以下の実施例1に記載される。
【0175】 本発明のポリペプチドは、天然の精製産物、または化学合成手順の産物、また
は原核生物宿主または真核生物宿主(例えば、培養中の、細菌細胞、酵母細胞、
高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞によって)から組換え技術によっ
て産生された産物であり得る。組換え産生手順において用いられる宿主に依存し
て、本発明のポリペプチドは、グリコシル化されてもよいし、またはグリコシル
化されなくてもよい。本発明のポリペプチドはまた、開始メチオニンアミノ酸残
基を含み得る。
【0176】 本発明のポリペプチドは、天然の供給源から精製された産物(直接単離される
かもしくは培養されるかにかかわらず、体液、組織、細胞を含む);化学合成手
順の産物;または原核生物宿主もしくは真核生物宿主(例えば、細菌細胞、酵母
細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を含む)から組換え技術に
よって産生された産物から回収され得る。組換え産生手順において用いられる宿
主に依存して、Ckβ7ポリペプチドは、グリコシル化されてもよいし、または
グリコシル化されなくてもよい。さらに、Ckβ7ポリペプチドはまた、いくつ
かの場合、宿主媒介プロセスの結果として、改変された開始メチオニン残基を含
み得る。従って、翻訳開始コドンによってコードされるN末端のメチオニンが、
通常全ての真核生物細胞において翻訳後任意のタンパク質から高い効率で除去さ
れることは、当該分野で周知である。ほとんどの原核生物細胞においてもまた、
ほとんどのタンパク質のN末端メチオニンは効果的に除去されるが、いくつかの
タンパク質については、この原核細胞除去プロセスは効率的ではなく、これはN
末端メチオニンが共有結合したアミノ酸の性質に依存する。
【0177】 本明細書中で議論されるベクター構築物を含む宿主細胞の包含に加えて、本発
明はまた、脊椎細胞起源(特に哺乳動物起源)の初代、二次、および不死化され
た宿主細胞を含み、これは、内因性遺伝的物質(例えば、Ckβ7コード配列)
を欠失または置換するため、および/または本発明のCkβ7ポリヌクレオチド
と作動可能に連結した遺伝的物質(例えば、異種ポリヌクレオチド配列)を含む
ために操作され、そして本発明は、内因性Ckβ7ポリヌクレオチドを活性化し
、変化させ、そして/または増幅する。例えば、当該分野で公知の技術は、異種
制御領域(例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサー)と内因性Ckβ
7ポリヌクレオチド配列を、相同組換えを経由して作動可能に連結するために使
用され得る(例えば、米国特許第5,641,670号(1997年6月24日
公布);国際公開番号WO96/29411(1996年9月26日公開);国
際公開番号WO94/12650(1994年8月4日公開);Kollerら
、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:8932−8935
(1989);およびZijlstraら、Nature 342:435−4
38(1989)を参照のこと、これらの各開示は、これらの全体において参照
として援用される)。
【0178】 さらに、本発明のポリペプチドは、当該分野で公知の技術(例えば、Crei
ghton、1983、Proteins:Structures and M
olecular Principles、W.H.Freeman&Co.,
N.Y.およびHunkapillerら、Nature 310:105−1
11(1984))を用いて化学的に合成され得る。例えば,Ckβ7ポリペプ
チドのフラグメントに対応するポリペプチドは、ペプチド合成装置の使用によっ
て合成され得る。さらに、所望であれば,非古典的アミノ酸または化学アミノ酸
アナログは、Ckβ7ポリペプチド配列中への置換または付加として導入され得
る。非古典的アミノ酸は、以下を含むがこれらに限定されない:標準アミノ酸の
D−アイソマー、2,4−ジアミノ酪酸、a−アミノイソ酪酸、4−アミノ酪酸
、Abu、2−アミノ酪酸、gAbu、eAhx、6−アミノヘキサン酸、Ai
b、2−アミノイソ酪酸、3−アミノプロピオン酸、オルチニン、ノルロイシン
、ノルバリン、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、ホモシトルリン
、システイック酸(cysteic acid)、t−ブチルグリシン、t−ブ
チルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、b−アラニン、フ
ルオロ−アミノ酸、設計されたアミノ酸(例えば、b−メチルアミノ酸、Ca−
メチルアミノ酸、Na−メチルアミノ酸、)、および一般なアミノ酸アナログ。
さらに、アミノ酸はD(右旋性)またはL(左旋性)であり得る。
【0179】 本発明は、翻訳の間または翻訳の後に差示的に改変される(例えば、グリコシ
ル化,アセチル化、リン酸化、アミド化、公知の保護/ブロッキング基による誘
導体化、タンパク質分解的切断、抗体分子または他の細胞性リガンドに対する連
結など)Ckβ7ポリペプチドを含む。多くの任意の化学的改変が、以下を含む
がこれらに限定されない公知の技術によって行なわれ得る:臭化シアン、トリプ
シン、キモトリプシン、パパイン、V8プロテアーゼ、NaBH4による特異的
化学切断;アセチル化、ホルミル化、酸化、還元;ツニカマイシン存在下におけ
る代謝的合成;など。
【0180】 本発明によって含まれるさらなる翻訳後改変は、例えば、N結合型糖鎖または
O結合型糖鎖(N末端およびC末端のプロセシング)、アミノ酸バックボーンに
対する化学的部分の付着、N連結糖鎖またはO連結糖鎖の化学的改変、および原
核宿主細胞の発現の結果としてN末端メチオニン残基の付加または欠失を含む。
ポリペプチドはまた、タンパク質の検出および単離を可能にする、酵素的、蛍光
的、同位体的または親和性標識のような検出可能な標識を用いて改変され得る。
【0181】 本発明によってまた与えられるのは、化学的に改変された本発明のポリペプチ
ドの誘導体であり、これは、ポリペプチドの可溶性、安定性および循環時間の増
加または免疫原性の減少のようなさらなる利点を与え得る(米国特許第4,17
9,337号を参照のこと)。誘導体化のための化学的成分は、例えば、ポリエ
チレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコールコポリマー、カ
ルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコールなどのような
、水溶性ポリマーから選択され得る。ポリペプチドは、分子中のランダムな部位
、または分子中の予め決定された部位を改変され得、そして1、2、3以上の付
加した化学的成分を含み得る。
【0182】 ポリマーは任意の分子量であり得、そして分岐され得るかまたは分岐されなく
てもよい。ポリエチレングリコールについて、好ましい分子量は、取り扱いおよ
び製造の容易さのために、約1kDaと約100kDa(用語「約」は、ポリエ
チレングリコールの調製において、いくつかの分子は規定された分子量よりもよ
り多く、いくつかは少ないことを示す)との間である。他のサイズも使用され得
、これは、望ましい治療的プロフィールに依存する(例えば、所望の徐放性の期
間、生物学的活性に対する効果(もしあれば)、取り扱いの容易さ、抗原性の度
合いまたは抗原性の欠如、およびポリエチレングリコールの治療的タンパク質ま
たはアナログに対する他の公知の効果)。
【0183】 ポリエチレングリコール分子(または他の化学的部分)は、このタンパク質の
機能的ドメインまたは抗原性ドメインに対する効果を考慮してタンパク質に結合
されるべきである。当業者に利用可能な多数の結合方法が存在する(例えば、本
明細書中に参考として援用される、EP 0 401 384(GCSFにPE
Gを結合する)、Malikら,Exp.Hematol.20:102810
35(1992)(塩化トレシルを用いたGMCSFのペグ化(pegylat
ion)を報告する)もまた参照のこと)。例えば、ポリエチレングリコールは
、反応性基(例えば、遊離のアミノ基またはカルボキシル基)によってアミノ酸
残基を介して共有結合され得る。反応性基は、活性化ポリエチレングリコール分
子が結合し得る基である。遊離のアミノ基を有するアミノ酸残基としては、リジ
ン残基およびN末端アミノ酸残基が挙げられ得る;遊離のカルボキシル基を有す
るアミノ酸残基としては、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基およびC末端
アミノ酸残基が挙げられ得る。スルフヒドリル残基もまた、ポリエチレングリコ
ール分子を結合するための反応性基として用いられ得る。治療目的のために好ま
しいのは、アミノ基での結合、例えば、N末端またはリジン基での結合である。
【0184】 N末端で化学改変されたタンパク質が特に所望され得る。ポリエチレングリコ
ールを本発明の組成物の例示として用いて、種々のポリエチレングリコール分子
から(分子量、分枝などによって)、反応混合物中でのポリエチレングリコール
分子のタンパク質(ポリペプチド)分子に対する割合、行われるべきペグ化反応
の型、および選択されたN末端ペグ化タンパク質の獲得方法を選択し得る。N末
端ペグ化調製物の獲得方法(すなわち、必要な場合、この部分を他のモノペグ化
部分から分離すること)は、ペグ化タンパク質分子の集団からの、N末端ペグ化
物質の精製によってであり得る。N末端改変で化学改変された選択的タンパク質
は、特定のタンパク質における誘導体化に利用可能な異なる型の第1級アミノ基
(リジン対N末端)の示差的反応性を利用する還元的アルキル化によって達成さ
れ得る。適切な反応条件下では、カルボニル基含有ポリマーを用いた、N末端で
のタンパク質の実質的に選択的な誘導体化が達成される。
【0185】 本発明のCkβ7ポリペプチドは、モノマーまたはマルチマー(すなわち、ダ
イマー、トリマー、テトラマー、およびより高度なマルチマー)であり得る。従
って、本発明は、本発明のCkβ7ポリペプチドのモノマーおよびマルチマー、
それらの調製、ならびにそれらを含む組成物(好ましくは治療剤)に関する。特
定の実施形態において、本発明のポリペプチドは、モノマー、ダイマー、トリマ
ー、またはテトラマーである。さらなる実施形態において、本発明のマルチマー
は、少なくともダイマー、少なくともトリマー、または少なくともテトラマーで
ある。
【0186】 本発明によって含まれるマルチマーは、ホモマーまたはヘテロマーであり得る
。本明細書中で使用される場合、用語ホモマーは、配列番号2のアミノ酸配列に
対応するか、または寄託されたクローンに含まれるcDNAによってコードされ
るポリペプチド(本明細書中に記載されるポリペプチドに対応する、フラグメン
ト、改変体、スプライシング改変体、および融合タンパク質を含む)のみを含む
マルチマーをいう。これらのホモマーは、同一のまたは異なるアミノ酸配列を有
するCkβ7ポリペプチドを含み得る。特定の実施形態において、本発明のホモ
マーは、同一のアミノ酸配列を有するCkβ7ポリペプチドのみを含むマルチマ
ーである。別の特定の実施形態において、本発明のホモマーは、異なるアミノ酸
配列を有するCkβ7ポリペプチドを含むマルチマーである。特定の実施形態に
おいて、本発明のマルチマーは、ホモダイマー(例えば、同一のまたは異なるア
ミノ酸配列を有するCkβ7ポリペプチドを含む)あるいはホモトリマー(例え
ば、同一の、および/または異なるアミノ酸配列を有するCkβ7ポリペプチド
を含む)である。さらなる実施形態において、本発明のホモマー性マルチマーは
、少なくともホモダイマー、少なくともホモトリマー、または少なくともホモテ
トラマーである。
【0187】 本明細書中で使用される場合、用語ヘテロマーは、本発明のCkβ7ポリペプ
チドに加えて、1つ以上の異種ポリペプチド(すなわち、異なるタンパク質のポ
リペプチド)を含むマルチマーをいう。特定の実施形態において、本発明のマル
チマーは、ヘテロダイマー、ヘテロトリマー、またはヘテロテトラマーである。
さらなる実施形態において、本発明のヘテロマー性マルチマーは、少なくともヘ
テロダイマー、少なくともヘテロトリマー、または少なくともヘテロテトラマー
である。
【0188】 本発明のマルチマーは、疎水性結合、親水性結合、イオン結合、および/また
は共有結合の結果であり得、そして/あるいは例えば、リポソーム形成によって
間接的に結合され得る。従って、1つの実施形態において、例えば、ホモダイマ
ーまたはホモトリマーのような本発明のマルチマーは、本発明のポリペプチドが
、溶液中で互いに接触する場合に形成される。別の実施形態において、例えば、
ヘテロトリマーまたはヘテロテトラマーのような本発明のヘテロマルチマーは、
本発明のポリペプチドが、溶液中で本発明のポリペプチドに対する抗体(本発明
の融合タンパク質における異種ポリペプチド配列に対する抗体を含む)と接触す
る場合に形成される。他の実施形態において、本発明のマルチマーは、本発明の
Ckβ7ポリペプチドとの共有結合、および/または本発明のCkβ7ポリペプ
チド間の共有結合によって形成される。このような共有結合は、ポリペプチド配
列(例えば、配列番号2に記載されるか、またはクローンによってコードされる
ポリペプチドに含まれるポリペプチド配列)に含まれる1つ以上のアミノ酸残基
を含み得る。1つの例において、共有結合は、ネイティブな(すなわち、天然に
存在する)ポリペプチドにおいて相互作用するポリペプチド配列中に位置するシ
ステイン残基間の架橋である。別の例において、共有結合は、化学的または組換
え操作の結果である。あるいは、このような共有結合は、Ckβ7融合タンパク
質中の異種ポリペプチド配列に含まれる1つ以上のアミノ酸残基を含み得る。1
つの例において、共有結合は、本発明の融合タンパク質に含まれる異種配列間で
ある(例えば、米国特許第5,478,925号を参照のこと)。特定の例にお
いて、共有結合は、(本明細書中に記載されるように)本発明のCkβ7−Fc
融合タンパク質中に含まれる異種配列間である。別の特定の例において、本発明
の融合タンパク質の共有結合は、別のタンパク質からの異種ポリペプチド配列間
であり、この別のタンパク質(例えば、オセテオプロテゲリン(oseteop
rotegerin)など)(例えば、国際公開番号WO98/49305を参
照のこと、この内容は本明細書中でその全体が参考として援用される)は共有結
合マルチマーの形成を可能とする。別の実施形態において、本発明の2つ以上の
ポリペプチドがペプチドリンカーを通して結合される。例としては、米国特許第
5,073,627号(本明細書中で参考として援用される)に記載されたこれ
らのペプチドリンカーが挙げられる。ペプチドリンカーによって分けられた本発
明の複数のポリペプチドを含むタンパク質は、通常の組換えDNA技術を用いて
産生され得る。
【0189】 本発明のマルチマーポリペプチドを調製する別の方法は、ロイシンジッパーま
たはイソロイシンジッパーのポリペプチド配列に融合した本発明のポリペプチド
の使用を含む。ロイシンジッパードメインおよびイソロイシンジッパードメイン
は、発見されたタンパク質のマルチマー化を促進するポリペプチドである。ロイ
シンジッパーは、本来、いくつかのDNA結合タンパク質(Landschul
zら、Science 240:1759(1988))において同定され、そ
してそれ以来種々の異なるタンパク質から見出されている。公知のロイシンジッ
パーは、共通して天然に存在するペプチド、およびダイマー化またはトリマー化
するそれらの誘導体である。本発明の可溶性マルチマータンパク質を産生するた
めの適切なロイシンジッパードメインの例は、PCT出願WO94/10308
(本明細書中で参考として援用される)に記載されるロイシンジッパードメイン
である。溶液中でダイマー化またはトリマー化するポリペプチド配列と融合した
、本発明のポリペプチドを含む組換え融合タンパク質は、適切な宿主細胞におい
て発現され、そして得られる可溶性マルチマー融合タンパク質は、当該分野で公
知の技術を使用して、培養上清から回収される。
【0190】 本発明のトリマーポリペプチドは、増大した生物学的活性の利点を提供し得る
。好ましいロイシンジッパー部分およびイソロイシン部分は、優先的にトリマー
を形成するものである。1つの例は、Hoppeら、FEBS Letters 344:191,(1994)および米国特許出願第08/446,922号
(本明細書中で参考として援用される)に記載されるような、肺表面活性タンパ
ク質D(SPD)から誘導されるロイシンジッパーである。天然に存在するトリ
マータンパク質から誘導される他のペプチドは、本発明のトリマーポリペプチド
の調製において使用され得る。
【0191】 別の例において、本発明のタンパク質は、Flag(登録商標)ポリペプチド
配列を含む本発明の融合タンパク質に含まれるFlag(登録商標)ポリペプチ
ド配列間の相互作用によって結合される。さらなる実施形態において、本発明の
結合タンパク質は、本発明のFlag(登録商標)融合タンパク質および抗Fl
ag(登録商標)抗体に含まれる異種ポリペプチド配列間の相互作用によって結
合される。
【0192】 本発明のマルチマーは、当該分野で公知の化学技術を用いて生成され得る。例
えば、本発明のマルチマー中に含まれることが所望されるポリペプチドは、当該
分野で公知のリンカー分子およびリンカー分子長最適化技術を用いて化学的に架
橋され得る(例えば、米国特許第5,478,925号を参照のこと、これは、
本明細書中でその全体が参考として援用される)。さらに、本発明のマルチマー
は、マルチマー中に含まれることが所望されるポリペプチドの配列中に位置する
システイン残基間に1つ以上の分子間架橋を形成するために、当該分野で公知の
技術を用いて生成され得る(例えば、米国特許第5,478,925号を参照の
こと、これは、本明細書中でその全体が参考として援用される)。さらに、本発
明のポリペプチドは、そのポリペプチドのC末端またはN末端へのシステインま
たはビオチンの付加によって慣用的に改変され得、そして当該分野で公知の技術
が、1つ以上のこれらの改変したポリペプチドを含むマルチマーを生成するため
に適用され得る(例えば、米国特許第5,478,925号を参照のこと、これ
は、本明細書中でその全体が参考として援用される)。さらに、当該分野で公知
の技術は、本発明のマルチマーに含まれることが所望されるポリペプチド成分を
含むリポソームを生成するように適用され得る(例えば、米国特許第5,478
,925号を参照のこと、これは、本明細書中でその全体が参考として援用され
る)。
【0193】 あるいは、本発明のマルチマーは、当該分野で公知の遺伝子工学技術を用いて
生成され得る。1つの実施形態において、本発明のマルチマー中に含まれるポリ
ペプチドは、本明細書中に記載されるかまたはさもなくば当該分野で公知の融合
タンパク質技術を用いて組換え的に産生される(例えば、米国特許第5,478
,925号を参照のこと、これは、本明細書中でその全体が参考として援用され
る)。特定の実施形態において、本発明のホモダイマーをコードするポリヌクレ
オチドは、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を、リンカ
ーポリペプチドをコードする配列に連結し、次いで、もともとのC末端からN末
端(リーダー配列を欠く)へと逆方向でポリペプチドの翻訳産物をコードする合
成ポリヌクレオチドに、さらに連結することによって生成される(例えば、米国
特許第5,478,925号を参照のこと、これは、本明細書中でその全体が参
考として援用される)。別の実施形態において、本明細書中に記載されるかまた
はさもなくば当該分野で公知の組換え技術が適用されて、膜貫通ドメイン(ある
いは疎水性(hyrophobic)またはシグナルタンパク質)を含む本発明
の組換えポリペプチドを生成し、そしてこれは、膜再構成技術によってリポソー
ムに取り込まれ得る(例えば、米国特許第5,478,925号を参照のこと、
これは、本明細書中でその全体が参考として援用される)。
【0194】 上記のように、本発明のポリペプチドは、例えば、アミノ末端へのAOP−ま
たはN−ノナノイル−(NNY)の付加によって化学的に改変され得る。そのよ
うな類似体または誘導体は、組み合わされた組換え体または化学的手段(Sim
mons.G.ら、Science 276:276(1997)によってか、
または化学的な全合成(Hoover.J.ら、Chem.Biol.6:43
(1999);Mosier.D.E.ら、J.Virol.73:3544(
1999))によって産生され得る。
【0195】 (治療剤) 本発明のポリペプチドは、種々の免疫調節性および炎症性の機能において、そ
して多くの疾患状態の処置においてもまた使用され得る。
【0196】 アレルギー性反応は、活性化された好酸球、Th2リンパ球および好塩基球に
よる組織の浸潤によって特徴付けられる。リガンドであるエオタキシン(eot
axin)、エオタキシン−2、MCP3、MCP4およびRANTESを認識
するβ−ケモカインレセプターCCR3は、本プロセスの中心的役割を果たし、
そしてこのレセプターへのアンタゴニストが、アレルギーの処置における潜在的
な治療用途を有し得る。本発明者らは、Met−Ckβ7が強力であること、そ
してこのレセプターを通じるシグナル伝達を妨げる特定のCCR3アンタゴニス
トを発見した。InM程度の低い濃度にて、Met−Ckβ7は、最も強力なC
CR3リガンドによって誘導される好酸球走化作用をブロックし得る。さらに、
Met−Ckβ7は、Met−およびAOP−RANTESよりさらに強力なC
CR3アンタゴニストであり、そしてこれらのタンパク質とは異なる。それは部
分的なアゴニスト活性を示さず、そしてCCR3に非常に特異的である。従って
このアンタゴニストは、アレルギー性炎症に関連する白血球浸潤の改善において
有用である。Met−Ckβ7は、β−ケモカインMIP4(あるいは、PAR
C、AMAC1またはDCCK1とよばれる)の改変された形態である。驚いた
ことに、T細胞化学誘引物質として作用することが公知の未改変MIP4タンパ
ク質もまた、このCCR3アンタゴニスト活性を示し、Met−Ckβ7よりも
程度が低いにもかかわらず、生理的に関連するレベルである。従ってMIP4は
、インビボの白血球の運動を制御するためにケモカインレセプターアゴニスト作
用およびアンタゴニスト作用を使用する。Met−Ckβ7の増大した活性は、
一番端のN末端残基をアラニンからメチオニンに改変することによる(実施例4
および図21〜33を参照のこと)。
【0197】 いくつかのCkβ−7の調製物(人工的にコードされたN末端メチオニンを有
する、配列番号2のアミノ酸22〜89を含むMet−Ckβ−7(すなわちM
et−22−89)、ならびに人工的にコードされたN末端メチオニンおよびC
末端での改変を有する、配列番号2のアミノ酸22〜87を含むMet−Ckβ
−7*(Met−22−87−Met−Pro−Glu−Ala)(実施例4を
参照のこと)が挙げられる)は、好酸球におけるカルシウムの流動または走化性
活性を誘導しないことが発見された。逆に、図5〜7および10〜12に示され
る様に、種々のケモカインレセプター−3(CCR3)アゴニストと予め混合さ
れる場合、Met−Ckβ−7*は、アゴニストに対する好酸球カルシウム応答
を阻害する。このMet−Ckβ−7*のCCR3アンタゴニスト活性は、CC
R3アゴニストエオタキシン(MPIF−1としても公知)、エオタキシン−2
(Ckβ−6としても公知)、および単球走化性タンパク質−4(MCP−4(
Ckβ−10としても公知))のそれぞれ単独またはその組み合わせに対してア
ッセイする場合に用量依存的である。Met−Ckβ−7*は、十分に高濃度に
おいてそのようなアゴニストを完全に阻害する。RANTESおよびMCP−3
(他の2つのCCR3アゴニスト)へのカルシウム応答のいくつかの阻害もまた
観測されたが、完全な阻害は見出せず(図9を参照のこと)、このことは、これ
らの2つのリガンドが依然としてCCR1レセプターを通してシグナル伝達し得
ることを示唆する。またMet−Ckβ−7*は、好酸球上におけるエオタキシ
ンおよびMCP−4の走化性活性を阻害することが示された(図13〜20を参
照のこと)。Met−Ckβ−7*およびMet−Ckβ−7は、同等のアンタ
ゴニスト活性を有する(実施例4および図33を参照のこと)。
【0198】 さらに、Ckβ7−Fc融合物はアンタゴニスト活性を保持する(図34を参
照のこと)。
【0199】 従って、Ckβ−7ポリペプチド、およびその欠失変異体は、好酸球または好
塩基球の創傷または外傷の部位への誘引を妨げることによって、炎症を処置する
ため、そして正常な肺のマクロファージ集合を調節するために使用され得る。な
ぜなら、急性および慢性の炎症性肺疾患は、肺における単核食細胞の隔離と関連
するからである。それらはまた、慢性関節リウマチの処置にも使用され得る。M
CPのレベルが慢性関節リウマチ患者由来の滑液において、有意に増大したこと
が見出されたからである。このことは、MCPの滑液産生が、流入および活性化
が変性関節症および炎症性関節症の両方の病原において重要である好酸球または
好塩基球を誘引することを示唆する。
【0200】 Ckβ7ポリペプチド、およびその欠失変異体は、移植の間および腎臓疾患の
処置において使用され得る。
【0201】 Ckβ−7ポリペプチドは、アレルギーの処置においても使用され得る。なぜ
なら、MCPが好塩基球によってヒスタミンの放出を直接誘導することが示され
たからである。遅延相アレルギー性反応、慢性じんま疹、およびアトピー性皮膚
炎を含む関連した免疫学的障害は、ケモカインにより誘導される、肥満細胞およ
び好塩基球の脱顆粒ならびにヒスタミンの放出を効果的に阻害するCkβ−7ポ
リペプチドによって処置され得る。喘息、鼻炎、乾癬、強皮症、湿疹、ならびに
他の炎症性の皮膚疾患(例えば、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性の接
触性皮膚炎、じんま疹、および血管炎(例えば、壊死性の、皮膚の、および過敏
性の血管炎))のようなIgE媒介アレルギー性反応もまた処置され得る。Ck
β−7ポリペプチドはまた、成人呼吸促進症候群ならびに気道炎症の処置のため
に使用され得る。Ckβ−7ポリペプチドによって処置し得る他の呼吸性疾患と
しては、アレルギー性鼻炎、過敏性肺疾患、過敏性肺炎、好酸球性肺炎(例えば
、Loeffler症候群、慢性の好酸球性肺炎)、および間質性肺疾患(IL
D)(例えば、特発性肺繊維症、または慢性関節リウマチ、全身性エリテマトー
デス、強直性の脊椎炎、全身性硬化症、シェーケレン症候群、多発性筋炎および
皮膚筋炎に関連するILD)が挙げられる。
【0202】 Ckβ−7ポリペプチドはまた、全身性アナフィラキシーまたは過敏性応答、
薬物アレルギー(例えば、ペニシリン、セファロスポリンに対して)、昆虫刺傷
アレルギー、炎症性腸疾患(例えば、クローン疾患および潰瘍性大腸炎)、なら
びに脊椎関節症を処置するために使用され得る。
【0203】 Ckβ−7ポリペプチドはまた、好酸球の産生および移動を妨げることにより
、特発性過剰好酸球性症候群、好酸球性筋炎、および好酸球性筋膜炎を処置する
ために使用され得る。内毒素性ショックもまた、マクロファージの移動およびそ
れらのケモカイン(アゴニスト)ポリペプチドの産生を防ぐことで、Ckβ−7
ポリペプチドによって処置され得る。
【0204】 Ckβ−7ポリペプチドは、IL−1およびTNFへ主に寄与する有害なカス
ケードを妨害するために使用され得、これは、他の炎症性サイトカインの生合成
を予防する。このようにして、このCkβ−7ポリペプチドは、ケモカインによ
って誘発されるプロスタグランジン非依存性の発熱を阻害するために使用され得
る。
【0205】 また、このCkβ−7ポリペプチドは、骨髄不全(例えば、再生不良性貧血お
よび骨髄形成異常症候群)を処置するために使用され得る。また、このCkβ−
7ポリペプチドは、喘息肺の顕著な特徴である上皮下基底膜線維症を処置するた
めに使用され得る。
【0206】 また、Ckβ−7ポリペプチドは、Met−RANTESおよびAOP−RA
NTESのようなRANTESレセプターアンタゴニストが、多くの免疫細胞型
においてHIV−1の感染力を阻害することが示されたように、HIV−1の感
染力を阻害するために使用され得る。Simmonsら、Science 27
6:276(1997)を参照のこと。
【0207】 Ckβ7のフラグメント、欠失変異体、置換変異体、類似体または誘導体もま
た、これらのCkβ7ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドがされ得るの
と同様に、上記の疾患、疾患状態、および症候群を処置するために使用され得る
【0208】 Ckβ−7ポリペプチドは、例えば本明細書に記載されているような薬学的に
受容可能なキャリアを有する組成物において使用され得る。
【0209】 (レセプター) 本発明は、Ckβ7に対するレセプターの同定のための方法を提供する。この
レセプターをコードする遺伝子は、当業者に公知の多くの方法(例えば、リガン
ドパンニングおよびFACSソーティング(Coliganら、Current
Protocols in Immun.,1(2),第5章、(1991)
)によって同定され得る。好ましくは、発現クローニングを使用し、ここで、ポ
リアデニル化されたRNAをCkβ−7に応答する細胞から調製し、そしてこの
RNAから作製したcDNAライブラリーをプールに分割し、そしてCOS細胞
またはCkβ−7に応答しない他の細胞をトランスフェクトするために使用する
。ガラススライド上で増殖するトランスフェクトされた細胞を、本発明の標識し
た1つ以上のCkβ−7欠失変異体ポリペプチドに曝す。本発明のCkβ−7ポ
リペプチドを、部位特異的タンパク質キナーゼについての認識部位のヨウ素化ま
たは封入を含む、種々の手段によって標識し得る。固定およびインキュベーショ
ンに続いて、スライドをオートラジオグラフィー分析に供する。陽性のプールを
同定し、そしてサブプールを調製し、そして反復サブプール化および再スクリー
ニングプロセスを用いて再度トランスフェクトし、最終的に推定のレセプターを
コードする単一のクローンを生じる。レセプター同定のための代替的なアプロー
チとして、標識されたリガンドは、細胞膜に光親和的に結合され得るか、または
レセプター分子を発現する調製物を抽出する。架橋した材料をPAGEによって
分離し、そしてX線フィルムに曝す。リガンドレセプターを含有する標識した複
合体を切り出し、ペプチドフラグメントに分解し、そしてタンパク質微量配列決
定に供し得る。微量配列決定から得られたアミノ酸配列を使用して、縮重オリゴ
ヌクレオチドプローブのセットを設計し、cDNAライブラリーをスクリーニン
グして推定のレセプターをコードする遺伝子を同定する。
【0210】 (薬学的組成物) 本発明のCkβ−7薬学的組成物は、有効量の、個体における所望の生物学的
効果(例えば、Ckβ−7活性レベルの減少、非Ckβ−7ケモカインの活性の
阻害、またはHIVウイルス粒子の白血球への進入の阻害)を有するに効果的な
、1つ以上の単離されたCkβ−7ポリペプチドを含む。このような組成物は処
方され得、そして個々の患者の臨床状態(特に、Ckβ−7ポリペプチドの単独
での処置における副作用)、ポリペプチド組成物の送達部位、投与の方法、投与
の計画、および他の開業医に公知の要因を考慮に入れて、良好な医療の実施(g
ood medical practice)と一致する様式において投薬され
得る。従って、本明細書の目的のための有効量のCkβ−7ポリペプチドは、こ
のような考慮によって決定される。
【0211】 本発明のポリペプチドは、適切な薬学的キャリアとあわせて使用され得る。こ
のような組成物は、治療的に有効量のポリペプチドまたはアゴニストもしくはア
ンタゴニスト、および薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤を含む。このよ
うなキャリアには、生理食塩水、緩衝生理食塩水、デキストロース、水、グリセ
ロール、エタノール、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定
されない。この処方物は、投与の形態に適すべきである。
【0212】 「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性固体、半固体、または液体充填
剤、希釈剤、カプセル化材料、または任意の型の処方補助剤を意味する。本明細
書で使用される場合、用語「非経口(的)」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸
骨内(intrasternal)、皮下、および関節内の注射および注入を包
含する、投与様式をいう。
【0213】 Ckβ−7ポリペプチドもまた、徐放性システムによって適切に投与される。
徐放性組成物の適切な例は、成型製品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセ
ル)の形態における半透過性のポリマーマトリクスを含む。徐放性マトリクスは
、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号、EP58,481号)、L
−グルタミン酸およびγ−エチル−L−グルタミン酸のコポリマー(Sidma
n、U.ら、Biopolymers 22:547−556(1983))、
ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(R.Langerら、J.Bi
omed.Mater.Res.15:167−277(1981)、およびR
.Langer、Chem.Tech.12:98−105(1982))、エ
チレン酢酸ビニル(R.Langerら、同書)またはポリ−D−(−)−3−
ヒドロキシ酪酸(EP133,988)を含む。徐放性Ckβ−7ポリペプチド
組成物はまた、リポソームに捕捉されたCkβ−7ポリペプチドを含む。Ckβ
−7ポリペプチドを含むリポソームは、それ自体が公知の方法によって調製され
る:DE3,218,121;Epsteinら、Proc.Natl.Aca
d.Sci.(USA)82:3688−3692(1985);Hwangら
、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)77:4030−403
4(1980);EP52,322;EP36,676;EP88,046;E
P143,949;EP142,641;日本国特許出願83−118008;
米国特許第4,485,045号、および同第4,544,545号;およびE
P102,324を参照のこと。通常、リポソームは、小さな(約200〜80
0Å)単層型であり、ここで脂質含量は、約30モル%コレステロールより多く
、選択された部分は、最適なCkβ−7ポリペプチド治療について調整される。
【0214】 非経口投与について、1つの実施形態において、Ckβ−7ポリペプチドは、
一般には、所望の程度の純度で、単位投薬量の注入可能な形態(溶液、懸濁液ま
たは乳濁液)で、このポリペプチドを、薬学的に受容可能なキャリア(すなわち
、使用された投薬量および濃度においてレシピエントに対して非毒性であり、そ
して処方物の他の成分と適合性であるもの)と混合することによって処方される
。例えば、この処方物は、好ましくは、酸化剤およびポリペプチドに有害である
ことが公知である他の化合物を含まない。
【0215】 一般に、処方物は、Ckβ−7ポリペプチドを、液体キャリアまたは細かく粉
砕した固体キャリアまたは両方と、均一にかつしっかりと接触させることによっ
て調製される。次いで、必要である場合、産物は、所望の処方物へと成型される
。好ましくは、このキャリアは、非経口キャリアであり、より好ましくは、レシ
ピエントの血液と等張である溶液である。このようなキャリアビヒクルの例は、
水、生理食塩水、リンゲル液、およびデキストロース溶液を含む。非水性ビヒク
ル(例えば、不揮発油およびオレイン酸エチル)ならびにリポソームもまた、本
明細書において有用である。
【0216】 キャリアは、等張性および化学的安定性を増強する物質のような微量の添加物
を適切に含む。このような材料は、使用された投薬量および濃度においてレシピ
エントに対して非毒性であり、そしてリン酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、およ
び他の有機酸またはそれらの塩のような緩衝剤;アスコルビン酸のような抗酸化
剤;低分子量(約10残基未満の)ポリペプチド(例えば、ポリアルギニンまた
はトリペプチド);タンパク質(例えば、血清アルブミン、ゼラチン、またはイ
ムノグロブリン);親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン);アミノ
酸(例えば、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、またはアルギニン);
単糖、二糖および他の炭水化物(セルロースまたはその誘導体、グルコース、マ
ンノース、またはデキストリンを含む);キレート剤(例えば、EDTA);糖
アルコール(例えば、マンニトールまたはソルビトール);対イオン(例えば、
ナトリウム);および/あるいは非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベー
ト、ポロキサマー、またはPEG)を含む。
【0217】 Ckβ−7ポリペプチドは、代表的に、このようなビヒクル中で約0.1mg
/ml〜100mg/mlの濃度で、好ましくは1〜10mg/mlの濃度で、
pH約3〜8で処方される。上記の特定の賦形剤、キャリア、または安定化剤の
使用は、Ckβ−7ポリペプチド塩の形成をもたらすことが理解される。
【0218】 治療的な投与について使用されるCkβ−7ポリペプチドは、滅菌されなけれ
ばならない。滅菌性は、滅菌濾過メンブレン(例えば、0.2ミクロンメンブレ
ン)を通しての濾過により容易に達成される。治療的Ckβ−7ポリペプチド組
成物は、一般に、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下注射針によっ
て穿孔可能なストッパーを有する静脈溶液バッグまたはバイアルへ配置される。
【0219】 Ckβ−7ポリペプチドは、通常、単位用量または多用量容器、例えば、密封
アンプルまたはバイアルにおいて、水溶液または再構成のための凍結乾燥処方物
として貯蔵される。凍結乾燥処方物の例として、10mlバイアルに、5mlの
滅菌濾過1%(w/v)水性Ckβ−7ポリペプチド溶液を満たし、そして得ら
れた混合物を凍結乾燥する。注入溶液を、静菌注射用水を用いて凍結乾燥したC
kβ−7ポリペプチドを再構成することによって調製する。
【0220】 本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1以上の成分を満たした1以上の容器
を含む薬学的パックまたはキットを提供する。薬学的産物または生物学的産物の
製造、使用または販売を規制する政府当局によって規定される形式の通知が、こ
のような容器に付随し得る。この通知は、ヒトへの投与のための製造、使用また
は販売の当局による承認を反映する。さらに、本発明のポリペプチドまたはアゴ
ニストおよびアンタゴニストは、他の治療化合物とともに使用され得る。
【0221】 Ckβ7は、単独またはアジュバントと組み合わせて投与され得る。Ckβ7
と共に投与され得るアジュバントは、ミョウバン、ミョウバン+デオキシコレー
ト(ImmunoAg)、MTP−PE(Biocine Corp.)、QS
21(Genentech,Inc.)、BCG、およびMPLが挙げられるが
これらに限定されない。特定の実施形態において、Ckβ7は、ミョウバンと組
み合せて投与される。別の特定の実施形態では、Ckβ7は、QS−21と組み
合わせて投与される。さらにCkβ7と共に投与され得るアジュバントは、モノ
ホスホリルリピト、免疫モジュレーター、AdjuVax 100a、QS−2
1、QS−18、CRL1005、アルミニウム塩、MF−59、およびウィロ
ソーマルアジュバント技術(virosomal adjuvant tech
nology)が挙げられるがこれらに限定されない。Ckβ7と共に投与され
得るワクチンは、MMR(麻疹、おたふくかぜ、風疹)、ポリオ、水痘、破傷風
/ジフテリア、A型肝炎、B型肝炎、B型インフルエンザ菌、百日咳(whoo
ping cough)、肺炎、インフルエンザ、ライム病、ロタウイルス、コ
レラ、黄熱病、日本脳炎、ポリオ、狂犬病、腸チフス、および百日咳(pert
ussis)に対する防御に対して指向されたワクチンが挙げられるがこれらに
は限定されない。組み合わせは、例えば混合物として付随して、別々であるが同
時または先に;あるいは連続して、のいずれかで投与され得る。これは、組み合
わせた薬剤が治療的混合物として一緒に投与される提示および、例えば、同じ個
体に別々の静脈ラインを通じてのような、組み合わされた薬剤が別々であるが同
時に投与される手順もまた含む。「組み合わせにおける」投与は、第一に与えら
れる化合物または薬剤のうちの一つの別々の投与、続く第二の投与をさらに含む
【0222】 Ckβ7は、単独または他の治療的薬剤との組み合わせで投与され得る。Ck
β7との組み合わせで投与され得る治療的薬剤は、TNFファミリーの他のメン
バー、化学的治療剤、抗生物質、ステロイドおよび非ステロイド抗炎症剤(an
ti−inflammatory)、従来の免疫治療剤、サイトカインおよび/
または成長因子が挙げられるがこれらに限定されない。組み合わせは、例えば混
合物として付随して、別々であるが同時または先に;あるいは連続して、のいず
れかで投与され得る。これは、組み合わせた薬剤が治療的混合物として一緒に投
与される提示および、例えば、同じ個体に別々の静脈ラインを通じてのような、
組み合わされた薬剤が別々であるが同時に投与される手順もまた含む。「組み合
わせにおける」投与は、第一に与えられる化合物または薬剤のうちの一つの別々
の投与、続く第二の投与をさらに含む。
【0223】 特定の実施形態において、Ckβ7は、抗レトロウイルス薬剤、ヌクレオシド
逆転写酵素インヒビター、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、および/ま
たはプロテアーゼインヒビターとの組み合わせで投与される。Ckβ7との組み
合わせで投与され得るヌクレオシド逆転写酵素インヒビターは、RETROVI
TM(ジドブジン/AZT)、VIDEXTM(ジダノシン/ddl)、HIVI
TM(ザルシタビン/ddC)、ZERITTM(スタブジン(stavudin
e)/d4T)、EPIVIRTM(ラミブジン(lamivudine)/3T
C)、およびCOMBIVIRTM(ジドブジン/ラミブジン)が挙げられるがこ
れらに限定されない。Ckβ7との組み合わせで投与され得る非ヌクレオシド逆
転写酵素インヒビターは、VIRAMUNETM(ネビラピン(nevirapi
ne))、RESCRIPTORTM(デラビジン(delavirdine))
、およびSUSTIVATM(エファビレン(efavirenz))が挙げられ
るがこれらに限定されない。Ckβ7との組み合わせで投与され得るプロテアー
ゼインヒビターは、CRIXIVANTM(インディナビル(indinavir
))、NORVIRTM(リトナビル(ritonavir))、INVIRAS
TM(サキナビル(saquinavir))、およびVIRACEPTTM(ネ
ルフィナビル(nelfinavir))が挙げられるがこれらに限定されない
。特定の実施形態において、抗レトロウイルス薬剤、ヌクレオシド逆転写酵素イ
ンヒビター、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、および/またはプロテア
ーゼインヒビターは、AIDSの処置、および/またはHIV感染を予防または
処置するために、Ckβ7との任意の組み合わせにおいて使用され得る。
【0224】 他の実施形態において、Ckβ7は、抗日和見感染薬剤と組み合わせて投与さ
れ得る。Ckβ7と組み合わせて投与され得る抗日和見感染薬剤は、TRIME
THOPRIM−SULFAMETHOXAZOLETM、DAPSONETM、P
ENTAMIDINETM、ATOVAQUONETM、ISONIAZIDTM、R
IFAMPINTM、PYRAZINAMIDETM、ETHAMBUTOLTM、R
IFABUTINTM、CLARITHROMYCINTM、AZITHROMYC
INTM、GANCICLOVIRTM、FOSCARNETTM、CIDOFOVI
TM、FLUCONAZOLETM、ITRACONAZOLETM、KETOCO
NAZOLETM、ACYCLOVIRTM、FAMCICOLVIRTM、PYRI
METHAMINETM、LEUCOVORINTM、NEUPOGENTM(フィル
グラスチン(filgrastim)/G−CSF)、およびLEUKINETM (サルグラモスチン(sargramostim)/GM−CSF)が挙げられ
るがこれらに限定されない。特定の実施形態において、Ckβ7は、日和見性の
ニューモシスティス肺炎感染を予防的に処置または予防するために、TRIME
THOPRIM−SULFAMETHOXAZOLETM、DAPSONETM、P
ENTAMIDINETM、および/またはATOVAQUONETMとの任意の組
み合わせで使用される。別の特定の実施形態では、Ckβ−7は、日和見性のト
リ菌感染を予防的に処置または予防するために、ISONIAZIDTM、RIF
AMPINTM、PYRAZINAMIDETM、および/またはETHAMBUT
OLTMとの任意の組み合わせで使用される。別の特定の実施形態では、日和見性
の結核菌感染を予防的に処置または予防するために、Ckβ7は、RIFABT
INTM、CLARITHROMYCINTM、および/またはAZITHROMY
CINTMとの任意の組み合わせで使用される。別の特定の実施形態において、C
kβ7は、日和見性のサイトメガロウイルス感染を予防的に処置または予防する
ために、GANCICLOVIRTM、FOSCARNETTM、および/またはC
IDOFOVIRTMとの任意の組み合わせで使用される。別の特定の実施形態に
おいて、Ckβ7は、日和見性の真菌症感染を予防的に処置または予防するため
に、FLUCONAZOLETM、ITRACONAZOLETM、および/または
KETOCONAZOLETMとの任意の組み合わせで使用される。別の特定の実
施形態において、Ckβ7は、日和見性の単純性疱疹ウイルスI型および/また
はII型感染を予防的に処置または予防するために、ACYCLOVIRTMおよ
び/またはFAMCICOLVIRTMとの任意の組み合わせで使用される。別の
特定の実施形態において、Ckβ7は、日和見性のToxoplasma go
ndii感染を予防的に処置または予防するために、PYRIMETHAMIN
TMおよび/またはLEUCOVORINTMとの任意の組み合わせで使用される
。別の特定の実施形態において、Ckβ7は、日和見性の細菌感染を予防的に処
置または予防するために、LEUCOVORINTMおよび/またはNEUPOG
ENTMとの任意の組み合わせで使用される。
【0225】 さらなる実施形態において、Ckβ7は、抗ウイルス薬剤と組み合わせて投与
される。Ckβ7と共に投与され得る抗ウイルス薬剤は、アシクロビル、リバビ
リン、アマンタジン、およびリマンタジンが挙げられるがこれらに限定されない
【0226】 さらなる実施形態において、Ckβ7は、抗生物質薬剤と組み合わせて投与さ
れる。Ckβ7と共に投与され得る抗生物質薬剤は、アモキシリン、β−ラクタ
マーゼ、アミノグリコシド、β−ラクタム(グリコペプチド)、β−ラクタマー
ゼ、クリンダマイシン、クロラムフェニコール、セファロスポリン、シプロフロ
キサシン、シプロフロキサシン、エリスロマイシン、フルオロキノロン、マクロ
ライド、メトロニダゾル、ペニシリン、キノロン、リファンピン、ストレプトマ
イシン、スルホンアミド、テトラサイクリン、トリムトプリム、トリムトプリム
−スルファメトキサゾールおよびバンコマイシンが挙げられるがこれらに限定さ
れない。
【0227】 Ckβ7と組み合わせて投与され得る従来の非特異的免疫抑制剤としては、ス
テロイド、シクロスポリン、シクロスポリン類似体、シクロホスファミド、メチ
ルプレドニゾン、プレドニゾン、アザチオプリン、FK−506、15−デオキ
シスパガリン、およびT細胞に応答する機能を抑制することによって作用する他
の免疫抑制剤が挙げられるがこれらに限定されない。
【0228】 特定の実施形態において、Ckβ7は、免疫抑制薬と組み合わせて投与される
。Ckβ7と共に投与され得る免疫抑制剤調製物は、ORTHOCLONETM
OKT3)、SANDIMMUNETM/NEORALTM/SANGDYATM(シ
クロスポリン)、PROGRAFTM(タクロリムス)、CELLCEPTTM(マ
イコフェノラート)、アザチオプリン、グルコミコステロイド(glucomi
costeroid)、およびRAPAMUNETM(シロリムス(siroli
mus))が挙げられるがこれらに限定されない。特定の実施形態において、免
疫抑制薬が、器官の拒絶または骨髄移植の拒絶を予防するために使用され得る。
【0229】 さらなる実施形態において、Ckβ7は、単独または1つ以上の経静脈免疫グ
ロブリン調製物と組み合わせて投与される。Ckβ7と共に投与され得る経静脈
免疫グロブリン調製物は、GAMMARTM、JVEEGAMTM、SANDOGL
OBULINTM、GAMMAGARD S/DTM、およびGAMIMUNETM
挙げられるがこれらに限定されない。特定の実施形態において、Ckβ7は、移
植治療(例えば骨髄移植)において経静脈免疫グロブリン製剤と組み合わせて投
与される。
【0230】 さらなる実施形態において、Ckβ7は、単独でまたは抗炎症薬剤と組み合わ
せて投与される。Ckβ7と共に投与され得る抗炎症薬剤は、グルココルチコイ
ドおよび非ステロイド抗炎症剤、アミノアリールカルボン酸誘導体、アリール酢
酸誘導体、アリール酪酸誘導体、アリール炭酸、アリールプロピオン酸誘導体、
ピラゾール、ピラゾロン、サリチル酸誘導体、チアジンカルボキシアミド(th
iazinecarboxamide)、e−アセトアミドカプロン酸、S−ア
デノシルメチオニン、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、アミキセトリン(am
ixetrine)、ベンダザック、ベンジダミン、ブコロン(bucolom
e)、ジフェンピラマイド(difenpiramide)、ジタゾール(di
tazol)、エモルファゾン(emorfazone)、グアイアズレン、ナ
ブメトン(nabumetone)、ニメスライド(nimesulide)、
オルゴテイン(orgotein)、オキサセプロール(oxaceprol)
、パラニリン(paranyline)、ペリソキサル(perisoxal)
、ピフォキシン(pifoxime)、プロクアゾン(proquazone)
、プロキサゾール(proxazole)、およびテニダップ(tenidap
)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0231】 さらなる実施形態において、Ckβ7は、サイトカインと組み合わせて投与さ
れる。Ckβ7と共に投与され得るサイトカインは、IL2、IL3、IL4、
IL5、IL6、IL7、IL10、IL12、IL13、IL15、抗CD4
0、CD40L、IFN−γおよびTNF−αが挙げられるがこれらに限定され
ない。別の実施形態において、Ckβ7は、任意のインターロイキン(IL−1
α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−
7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、
IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−19、
IL−20、およびIL−21が挙げられるがこれらに限定されない)とともに
投与され得る。
【0232】 さらに、本発明は、ワクチン組成物を含む。この組成物は、実質的に単離され
たポリペプチド抗原および/またはポリヌクレオチド抗原を包含し、ここで抗原
は、特に、少なくともエピトープに特異的な抗体と免疫反応性であるエピトープ
を含む。このペプチド抗原および/またはポリヌクレオチド抗原は、当該分野で
公知の方法(組換え発現または化学的合成を含む)に従って産生され得る。ペプ
チド抗原は、好ましくは、薬学的に受容可能なキャリアにおいて薬理学的に効果
的な用量で存在する。
【0233】 (投与様式) 個体におけるCkβ7活性の標準レベルまたは正常レベルにおける減少により
引き起こされる状態が、本発明のCkβ−7ポリペプチドの投与により処置され
得ることが理解される。従って、本発明はさらに、Ckβ7活性の増大したレベ
ルを必要とする個体を処置する方法を提供し、このような個体におけるCkβ−
7の活性レベルを増大するのに有効な量の本発明の単離されたCkβ−7ポリペ
プチド(特に、Ckβ−7の全長および成熟形態の機能的活性を保持するCkβ
−7ポリペプチド)を含む薬学的組成物をそのような個体に投与する工程を含む
【0234】 個体におけるCkβ−7の活性の標準レベルまたは正常レベルにおける増大に
より引き起こされる状態が、本発明のCkβ−7ポリペプチドの投与により処置
され得ることもまた理解される。従って、本発明はさらに、Ckβ−7の活性の
減少したレベルを必要とする個体を処置する方法を提供し、この方法は、このよ
うな個体におけるCkβ−7の活性レベルを減少するのに有効な量の本発明の単
離されたCkβ−7のポリペプチド(特に、Ckβ−7の全長および成熟形態の
機能的活性を阻害するCkβ−7ポリペプチド)を含む薬学的組成物をそのよう
な個体に投与する工程を含む。
【0235】 個体における1つ以上の非Ckβ−7ケモカイン(例えば、Eotaxin、
Eotaxin−2、MCP−3、MCP−4、RANTES)の活性における
増大の標準レベルまたは正常レベルにおける増大により引き起こされる状態が、
本発明のCkβ−7ポリペプチドの投与によってもまた処置され得ることがさら
に理解される。従って、本発明はさらに、非Ckβ−7ケモカインの活性の減少
したレベルを必要とする個体を処置する方法を提供し、この方法は、このような
個体における1つ以上の非Ckβ−7ケモカインの活性レベルを減少するのに有
効な量の本発明の単離されたCkβ−7ポリペプチドを含む薬学的組成物をその
ような個体に投与する工程を含む。
【0236】 被験体に投与されるCkβ−7の量および投薬レジメは、多くの因子(例えば
、投与様式、処置される状態の性質および主治医の判断)に依存する。薬理学的
組成物は、特定の兆候の処置および/または予防のために有効な量で投与される
。一般的に、そのポリペプチドは、体重あたり少なくとも約10μg/kgの量
で投与され、そしてほとんどの場合体重あたり約10mg/kg/日を越えない
量で投与され、そして好ましくは、投薬量は、投与経路、症状などを考慮して、
毎日体重あたり約10μg/kgからである。
【0237】 一般的提案として、1用量あたりで非経口投与されるCkβ−7ポリペプチド
の総薬学的有効量は、より好ましくは患者の体重の約1μg/kg/日〜10m
g/kg/日の範囲であるが、上記のように、これは治療的自由裁量に供される
。さらにより好ましくは、この用量は、少なくとも0.01mg/kg/日、そ
して最も好ましくはヒトについて、約0.01mg/kg/日と1mg/kg/
日との間である。連続的に与えられる場合、Ckβ−7ポリペプチドは、代表的
には、約1μg/kg/時間〜約50μg/kg/時間の用量速度で、1日あた
り1〜4回の注射、または例えば、ミニポンプを用いる連続的皮下注入のいずれ
かにより投与される。静脈内バック溶液もまた用いられ得る。変化を観察するの
に必要な処置の長さ、および応答が生じるための処置の後の間隔は、所望の効果
に応じて変動するようである。
【0238】 この薬学的組成物は、簡便な様式(例えば、経口、局所的、非経口、静脈内、
腹腔内、筋肉内、皮下、鼻腔内または皮内経路によって)で投与され得る。
【0239】 (遺伝子治療) 本発明のポリペプチドは、「遺伝子治療」における使用のためにインビボで発
現され得る。例えば、患者由来の細胞は、エキソビボでポリペプチドをコードす
るポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)で操作され得、次いで、操作された
細胞はポリペプチドを用いて処置される患者に提供される。このような方法は、
当該分野において周知であり、そして本明細書中の教示から明らかである。例え
ば、細胞は、本発明のポリペプチドをコードするRNAを含むレトロウイルスプ
ラスミドベクターの使用によって操作され得る。
【0240】 同様に、細胞は、例えば当該分野で公知の手順によって、インビボでのポリペ
プチドの発現のためにインビボで操作され得る。例えば、パッケージング細胞が
、本発明のポリペプチドをコードするRNAを含有するレトロウイルスプラスミ
ドベクターで形質導入され、その結果、パッケージング細胞はここで目的の遺伝
子を含有する感染性ウイルス粒子を産生する。これらのプロデューサー細胞は、
インビボで細胞を操作し、そしてインビボでのポリペプチドの発現のために患者
に投与され得る。このような方法によって本発明のポリペプチドを投与するこれ
らのおよび他の方法は、本発明の教示から当業者に明らかであるはずである。
【0241】 上記の本明細書中のレトロウイルスプラスミドベクターが由来し得るレトロウ
イルスとしては、モロニーマウス白血病ウイルス、脾臓壊死(spleen n
ecrosis)ウイルス、レトロウイルス(例えば、ラウス肉腫ウイルス、ハ
ーベイ肉腫(Harvey Sarcoma)ウイルス、トリ白血症ウイルス、
テナガザルアペ白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、アデノウイルス、骨髄
増殖性肉腫ウイルス、および哺乳動物腫瘍ウイルスが挙げられるがこれらに限定
されない。1つの実施形態において、レトロウイルスプラスミドベクターは、モ
ロニーマウス白血病ウイルスに由来する。
【0242】 好ましい実施形態において、レトロウイルス発現ベクターpMV−7が、モロ
ニーマウス肉腫ウイルスの長末端反復(LTR)に隣接して配置され、そして単
純疱疹ウイルス(HSV)チミジンキナーゼ(tk)プロモーターの調節下で、
選択的薬物耐性遺伝子を含む。固有のEcoRIおよびHindIII部位は、
コード配列の導入を容易にする(Kirschmeier P.T.ら、DNA
7:219−25(1988))。
【0243】 このベクターは、1つ以上のプロモーターを含む。用いられ得る適切なプロモ
ーターとしては、レトロウイルスLTR;SV40プロモーター;およびヒトサ
イトメガロウイルス(CMV)プロモーター(Millerら、Biotech
niques 7(9):980−990(1989)に記載)、または任意の
他のプロモーター(例えば、細胞プロモーター(例えば、ヒストン、pol I
II、およびβ−アクチンプロモーターが挙げられるがこれらには限定されない
真核生物細胞プロモーター))が挙げられるがこれらに限定されない。利用され
得る他のウイルスプロモーターとしては、アデノウイルスプロモーター、チミジ
ンキナーゼ(TK)プロモーター、およびB19パルボウイルスプロモーターが
挙げられるがこれらに限定されない。適切なプロモーターの選択は、本明細書中
に含まれる教示から当業者に明らかである。
【0244】 本発明のポリペプチドをコードする核酸配列は、適切なプロモーターの制御下
にある。用いられ得る適切なプロモーターとしては、アデノウイルス主要後期プ
ロモーター(adenoviral major late promoter
)のようなアデノウイルスプロモーター;またはサイトメガロウイルス(CMV
)プロモーターのような異種プロモーター;RSウイルス(RSV)プロモータ
ー;MMTプロモーター、メタロチオネインプロモーターのような誘導性プロモ
ーター;ヒートショックプロモーター;アルブミンプロモーター、ApoAIプ
ロモーター;ヒトグロビンプロモーター;単純性疱疹チミジンキナーゼプロモー
ターのようなウイルスチミジンキナーゼプロモーター;レトロウイルスLTRs
(本明細書中で上記の改変レトロウイルスLTRを含む);b−アクチンプロモ
ーター;およびヒト成長ホルモンプロモーターが挙げられるがこれらに限定され
ない。このプロモーターもまた、ポリぺプチドをコードする遺伝子を制御するネ
イティブプロモーターであり得る。
【0245】 レトロウイルスプラスミドベクターが、プロデューサー細胞株を形成するため
にパッケージング細胞株を形質導入するのに用いられる。トランスフェクトされ
得るパッケージング細胞の例は、PE501、PA317、y−2、y−AM、
PA12、T19−14X、VT−19−17−H2、yCRE、yCRIP、
GP+E−86、GP+envAm12、およびDAN細胞株(Miller、
Human Gene Therapy、第1巻(1990)、5〜14頁に記
載され、その全体が本明細書中に参考として援用される)が挙げられるがこれら
に限定されない。このベクターは、当該分野において公知の任意の方法を通じて
パッケージング細胞を形質導入し得る。このような方法は、エレクトロポレーシ
ョン、リポソームの使用、およびCaPO4沈降が挙げられるがこれらに限定さ
れない。1つの代替において、レトロウイルスプラスミドベクターは、リポソー
ムに包まれ得るか、脂質に連結され得、そして次いで、宿主に投与され得る。
【0246】 プロデューサー細胞株が、このポリペプチドをコードする核酸配列を含む感染
性レトロウイルスベクター粒子を産生する。次いで、このようなレトロウイルス
ベクター粒子が、インビトロまたはインビボのいずれかで真核生物細胞を形質導
入するために用いられ得る。この形質導入される真核生物細胞は、このポリペプ
チドをコードする核酸配列を発現する。形質転換され得る真核生物細胞は、胚性
幹細胞、胚性ガン細胞ならびに造血幹細胞、肝細胞、線維芽細胞、筋芽細胞、ケ
ラチノサイト、内皮細胞、および気管支上皮細胞が挙げられるがこれらに限定さ
れない。
【0247】 本発明の別の局面は、障害、疾患および状態を処置するための遺伝子治療の方
法に関する。この遺伝子治療の方法は、本発明のCkβ−7ポリペプチドの発現
を達成するために、核酸(DNA、RNAおよびアンチセンスDNAまたはアン
チセンスRNA)配列を動物に誘導することに関する。この方法は、プロモータ
ーに作動可能に連結されたCkβ7ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
および標的組織によるポリペプチドの発現に必要な任意の他の遺伝的エレメント
を必要とする。このような遺伝子治療および送達技術は、当該分野において公知
であり、例えばWO90/11092(本明細書中に参考として援用される)を
参照のこと。
【0248】 従って、例えば、患者由来の細胞は、エキソビボでCkβ7ポリペプチドに作
動可能に連結したプロモーターを含むポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)
で操作され得、次いで、その操作された細胞は、ポリペプチドを用いて処置され
るために、患者内に提供される。このような方法は、当該分野において周知であ
る。例えば、Belldegrun.A.ら、J.Natl.Cancer I
nst.85:207−216(1993);Ferrantini,M.ら、
Cancer Research 53:1107−1112(1993):F
errantini.M.ら、J.Immunology 153:4604−
4615(1994);Kaido,T.ら、Int.J.Cancer 60
:221−229(1995);Ogura,H.ら、Cancer Rese
arch 50:5102−5106(1990);Santodonato,
L.ら、Human Gene Therapy 7:1−10(1996);
Santodonato,L.ら、Gene Therapy 4:1246−
1255(1997);およびZhang,J.−F.ら、Cancer Ge
ne Therapy 3:31−38(1996)(これらは、本明細書中に
参考として援用される)を参照のこと。1つの実施形態において、操作される細
胞は、動脈細胞である。この動脈細胞は、動脈、動脈の周囲の組織への直接注入
によるか、またはカテーテル注入を通じて患者に再導入され得る。
【0249】 より詳細には以下に議論されるように、Ckβ7ポリヌクレオチド構築物は、
注入物質を動物の細胞に送達する任意の方法(例えば、組織(心臓、筋肉、皮膚
、肺、肝臓など)の間隙の空間への注入)によって送達され得る。Ckβ7ポリ
ヌクレオチド構築物は、薬学的に受容可能な液体または水性キャリアにおいて送
達され得る。
【0250】 1つの実施形態において、Ckβ7ポリヌクレオチドは、裸のポリヌクレオチ
ドとして送達される。この用語「裸の」ポリヌクレオチド、DNAまたはRNA
は、細胞への進入を助けるか、促進するか、または容易にするために作用する任
意の送達ビヒクルを含まない配列(ウイルス配列、ウイルス粒子、リポソーム処
方物、リポフェクチン薬剤または沈殿薬剤などを含む)をいう。しかし、Ckβ
−7ポリヌクレオチドもまた、リポソーム処方物において送達され得、そしてリ
ポフェクチン処方物などは、当業者に周知である方法によって調製され得る。こ
のような方法は、例えば、米国特許第5,593,972号、同第5,589,
466号、および同第5,580,859号に記載され、これらは本明細書中に
参考として援用される。
【0251】 遺伝子治療の方法において使用されるCkβ−7ポリヌクレオチドベクター構
築物は、好ましくは宿主ゲノムに統合されず複製を可能にする配列を含まない構
築物である。適切なベクターとしては、Stratageneから入手可能なp
WLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1およびpSG;Pharm
aciaから入手可能なpSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVL;およ
びInvitrogenから入手可能なpEFl/V5、pcDNA3.l.お
よびpRc/CMV2が挙げられる。他の適切なベクターは、当業者に容易に明
らかである。
【0252】 当業者に公知の任意の強力なプロモーターが、Ckβ−7ポリヌクレオチド配
列の発現を駆動するために使用され得る。適切なプロモーターとして、アデノウ
イルス主要後期プロモーターのようなアデノウイルスプロモーター;またはサイ
トメガロウイルス(CMV)プロモーターのような異種プロモーター;呼吸器系
合胞体ウイルス(RSV)プロモーター;MMTプロモーター、メタロチオネイ
ンプロモーターのような誘導プロモーター;ヒートショックプロモーター;アル
ブミンプロモーター;ApoAIプロモーター;ヒトグロブリンプロモーター;
単純疱疹チミジンキナーゼプロモーターのようなウイルスチミジンキナーゼプロ
モーター:レトロウイルスLTR;b−アクチンプロモーター;およびヒト成長
ホルモンプロモーターが挙げられる。このプロモーターもまた、Ckβ−7のネ
イティブプロモーターであり得る。
【0253】 他の遺伝子治療技術と異なり、裸の核酸配列を標的細胞に導入する1つの主要
な利点は、細胞中におけるポリヌクレオチド合成の一時的な性質である。研究で
は、非反復DNA配列が、6ヶ月までの間に所望のポリペプチドの産生を提供す
るために、細胞に導入され得ることを示した。
【0254】 Ckβ−7ポリヌクレオチド構築物は、動物内の組織(筋肉、皮膚、脳、肺、
肝臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、
胃、腸、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、目、腺、および結合組織を含む)の
間質の空間(interstitial space)に送達され得る。この組
織の間隙空間は、器官組織の細網線維の間の細胞間マトリックス、液体マトリッ
クス、ムコ多糖類マトリックス、管または室の壁における弾性線維、線維組織の
コラーゲン線維、または筋肉細胞を覆う結合組織内または骨の裂孔における前述
のマトリックスを含む。同様に、血漿の循環およびリンパ管のリンパ液によって
占められる空間である。筋肉組織の間隙空間への送達は、以下で議論される理由
のために好ましい。それらは、これらの細胞を含む組織への注入によって簡便に
送達され得る。それらは、好ましくは、分化する永続型非分裂細胞(persi
stent nondividing cell)に送達され、そして発現する
が、送達および発現は、非分化、または完全には分化していない細胞(例えば、
血液線維芽細胞または皮膚線維芽細胞の幹細胞)において達成され得る。インビ
ボの筋肉細胞は、ポリヌクレオチドを利用しそして発現する能力において特にコ
ンピテントである。
【0255】 裸の核酸配列の注入のために、DNAまたはRNAの有効な投薬量は、約0.
05mg/kg体重〜約50mg/kg体重の範囲である。好ましくは、投薬量
は、約0.005mg/kg〜約20mg/kg、そしてより好ましくは約0.
05mg/kg〜約5mg/kgである。もちろん、当業者が理解するように、
この投薬量は、注入する組織部位に従って変更する。核酸配列の適切かつ有効的
な投薬量は、当業者によって容易に決定され得、そして処置される状態および投
与経路に依存し得る。
【0256】 好ましい投与経路は、組織の間隙空間に注入する非経口経路による。しかし、
他の非経口経路もまた使用され得る(特に肺または気管支組織、咽喉または鼻の
粘膜への送達のためのエーロゾル調合物の呼吸薬のような)。さらに、裸のCk
β−7DNA構築物は、その手順において使用されるカテーテルによって、血管
形成の間、動脈に送達され得る。
【0257】 裸のポリヌクレオチドは、当該分野において公知の任意の方法(送達部位に直
接針で注入、静脈内注射、局所的投与、カテーテル注入、およびいわゆる「遺伝
子ガン」が挙げられるがこれらに限定されない)によって、送達される。これら
の送達方法は、当該分野において公知である。
【0258】 この構築物もまた、送達ビヒクル(例えば、ウイルス配列、ウイルス粒子、リ
ポソーム処方物、リポフェクチン、沈降薬剤(precipitating a
gent)など)を用いて送達され得る。このような送達の方法が、当該分野に
おいて公知である。
【0259】 特定の実施形態において、Ckβ7ポリヌクレオチド構築物は、リポソーム調
製物中に複合体化される。本発明における用途のためのリポソーム調製物として
は、カチオン性(正に荷電した)、アニオン性(負に荷電した)、および中性の
調製物が挙げられる。しかし、カチオン性リポソームが特に好ましい。なぜなら
、堅固な荷電複合体が、カチオン性リポソームとポリアニオン性核酸との間に形
成され得るからである。カチオン性リポソームは、機能的な形態で、以下の細胞
内送達を媒介することが示されている:プラスミドDNA(Felgnerら、
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−7416(
1987);これは、本明細書中で参考として援用される);mRNA(Mal
oneら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:6077−
6081(1989);これは、本明細書中で参考として援用される);および
精製された転写因子(Debsら、J.Biol.Chem.265:1018
9−10192(1990);これは、本明細書中で参考として援用される)。
【0260】 カチオン性リポソームは容易に入手可能である。例えば、N[(2,3−ジオ
レイルオキシ)−プロピル]−N,N,N−トリエチルアンモニウム(DOTM
A)リポソームは特に有用であり、そしてGIBCO BRL、Grand I
sland、N.Y.から商標リポフェクチン(Lipofectin)のもと
で入手可能である(Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci
.USA 84:7413−7416(1987)もまた参照のこと;これは、
本明細書中で参考として援用される)。他の市販されているリポソームとしては
、トランスフェクテース(transfectace)(DDAB/DOPE)
およびDOTAP/DOPE(Boehringer)が挙げられる。
【0261】 他のカチオン性リポソームは、当該分野で周知の技術を使用して、容易に利用
可能な物質から調製され得る。例えば、DOTAP(1,2−ビス(オレオイル
オキシ)−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン)リポソームの合成の説明に
ついては、PCT公開番号WO90/11092(これは、本明細書中で参考と
して援用される)を参照のこと。DOTMAリポソームの調製は、文献において
説明されている。例えば、P.Felgnerら、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 84:7413−7417(これは、本明細書中で参考と
して援用される)を参照のこと。類似の方法が、他のカチオン性脂質物質からリ
ポソームを調製するために使用され得る。
【0262】 同様に、アニオン性リポソームおよび中性リポソームは、例えば、Avant
i Polar Lipids(Birmingham,Ala.)から容易に
入手可能であるか、または容易に入手可能な物質を使用して容易に調製され得る
。このような物質としては、とりわけ、ホスファチジルコリン、コレステロール
、ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルコリン(DO
PC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジオレオイル
ホスファチジルエタノールアミン(DOPE)が挙げられる。これらの物質はま
た、適切な比率でDOTMAおよびDOTAP出発物質と混合され得る。これら
の物質を使用してリポソームを作製する方法は、当該分野で周知である。
【0263】 例えば、商業的に利用可能な、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC
)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、およびジオレオイ
ルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)は、コレステロールの添加を伴
ってかまたは伴わずに、従来リポソームを作製するために種々の組み合わせで使
用され得る。従って、例えば、DOPG/DOPC小胞は、窒素ガス流の下で各
々50mgのDOPGおよびDOPCを乾燥させることによって超音波処理バイ
アル内へ調製され得る。サンプルを、減圧ポンプの下に一晩置き、そして翌日に
脱イオン水で水和する。次いで、サンプルを、インバート型カップ(inver
ted cup)(浴槽型)探針を備えたHeat Systems mode
l 350超音波処理器を、浴槽を15ECにて循環させながら最大設定で用い
て、蓋をしたバイアル中で2時間超音波処理する。あるいは、負に荷電した小胞
は、多重膜小胞を生成するために超音波処理なしで調製され得るか、または不連
続の大きさの単一膜小胞を生成するために核孔(nucleopore)膜を通
して押し出すことによって調製され得る。他の方法は当業者に公知であり、そし
て利用可能である。
【0264】 このリポソームは、多重膜の小胞(MLV)、小さな単一膜小胞(SUV)、
または大きな単一膜の小胞(LUV)を含み得る。SUVが好ましい。種々のリ
ポソーム−核酸複合体は、当該分野で周知の方法を使用して調製される。例えば
、Straubingerら、Methods of Immunology
101:512−527(1983)(これは、本明細書中で参考として援用さ
れる)を参照のこと。例えば、核酸を含有するMLVは、ガラス管壁上にリン脂
質の薄膜を沈着させ、引き続いてカプセル化されるべき物質の溶液と水和させる
ことによって調製され得る。SUVは、均質な単一膜リポソームの集団を生成す
るためにMLVの超音波処理を延長することによって調製される。捕捉されるべ
き物質を、予め形成されたMLVの懸濁液に添加し、次いで超音波処理する。カ
チオン性脂質を含有するリポソームを使用する場合、乾燥脂質膜を適切な溶液(
例えば、滅菌水または等張緩衝溶液(例えば、10mMのTris/NaCl)
)中に再懸濁し、超音波処理し、次いで予め形成されたリポソームをDNAと直
接混合する。リポソームおよびDNAは、正に荷電したリポソームのカチオン性
DNAへの結合に起因して、非常に安定な複合体を形成する。SUVは、小さな
核酸フラグメントを用いる用途が見出される。LUVは、当該分野において周知
の多くの方法によって調製される。一般に使用される方法としては、Ca2+−E
DTAキレート化(Papahadjopoulosら、Biochim.Bi
ophys.Acta 394:483(1975);Wilsonら、Cel
l 17:77(1979);エーテル注射(Deamer,D.およびBan
gham,A.、Biochim.Biophys.Acta 443:629
(1976);Ostroら、Biochem.Biophys.Res.Co
mmun.76:836(1977);Fraleyら、Proc.Natl.
Acad.Sci.USA 76:3348(1979));界面活性剤透析(
Enoch,H.およびStrittmatter,P.、Proc.Natl
.Acad.Sci.USA 76:145(1979));および逆相エバポ
レーション(REV)(Fraleyら、J.Biol.Chem.255:1
0431(1980);Szoka,F.およびPapahadjopoulo
s,D.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:145(1
978);Schaefer−Ridderら、Science 215:16
6(1982))(これらは、本明細書中で参考として援用される)が挙げられ
る。
【0265】 一般的に、DNA対リポソームの比率は約10:1〜約1:10である。好ま
しくはこの比率は約5:1〜約1:5である。より好ましくは、この比率は約3
:1〜約1:3である。さらにより好ましくは、この比率は約1:1である。
【0266】 米国特許第5,676,954号(これは、本明細書中で参考として援用され
る)は、カチオン性リポソームキャリアと複合体化された遺伝物質のマウス中へ
の注射を報告する。米国特許第4,897,355号;同第4,946,787
号;同第5,049,386号;同第5,459,127号;同第5,589,
466号;同第5,693,622号;同第5,580,859号;同第5,7
03,055号、および国際公開番号WO94/9469(これらは、本明細書
中で参考として援用される)は、細胞および哺乳動物中にDNAをトランスフェ
クトする際の使用のためのカチオン性脂質を提供する。米国特許第5,589,
466号;同第5,693,622号;同第5,580,859号;同第5,7
03,055号および国際公開番号第WO94/9469(これらは、本明細書
中で参考として援用される)は、哺乳動物へDNA−カチオン性脂質複合体を送
達するための方法を提供する。
【0267】 特定の実施形態において、細胞は、エキソビボまたはインビボで、Ckβ7を
コードする配列を含むRNAを含有するレトロウイルス粒子を用いて操作される
。レトロウイルスプラスミドベクターが由来し得るレトロウイルスとしては、以
下が挙げられるが、これらに限定されない:モロニーマウス白血病ウイルス;脾
壊死ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、ハーベイ肉腫ウイルス、ニワトリ白血病ウ
イルス、テナガザル白血病ウイルス、ヒト免疫不全症ウイルス、骨髄増殖性肉腫
ウイルス(Myeloproliferative Sarcoma Viru
s)、および乳癌ウイルス。
【0268】 レトロウイルスプラスミドベクターが使用されて、プロデューサー細胞株を形
成するためにパッケージング細胞株を形質導入する。トランスフェクトされ得る
パッケージング細胞の例としては以下が挙げられるが、これらに限定されない;
Miller、Human Gene Therapy 1:5−14(199
0)(これは、その全体が本明細書中で参考として援用される)に記載されるよ
うな、PE501、PA317、R−2、R−AM、PA12、T19−14X
、VT−19−17−H2、RCRE、RCRIP、GP+E−86、GP+e
nvAm12、およびDAN細胞株。ベクターは、当該分野において公知の任意
の手段を通してパッケージング細胞を形質導入し得る。このような手段としては
以下が挙げられるが、これらに限定されない:エレクトロポレーション、リポソ
ームの使用、およびCaPO4沈降。1つの代替法において、レトロウイルスプ
ラスミドベクターは、リポソーム内にカプセル化され得るか、または脂質とカッ
プリングされ得、次いで宿主に投与され得る。
【0269】 プロデューサー細胞株は、Ckβ7をコードするポリヌクレオチドを含む感染
性レトロウイルスベクター粒子を産生する。次いで、このようなレトロウイルス
ベクター粒子が使用されて、インビトロまたはインビボのいずれかで真核生物細
胞を形質導入し得る。形質導入された真核生物細胞は、Ckβ7を発現する。
【0270】 特定の他の実施形態において、細胞は、アデノウイルスベクター中に含まれた
Ckβ7ポリヌクレオチドを用いて、エキソビボまたはインビボで操作される。
アデノウイルスは、Ckβ7をコードし、そしてそれを発現するように操作され
得、同時に、正常な溶菌性ウイルス生活環において複製するその能力に関して不
活化される。アデノウイルスの発現は、ウイルスDNAを宿主細胞染色体中に組
みこむことなく達成され、それによって挿入性変異誘発に関する懸念を軽減させ
る。さらに、アデノウイルスは、優れて安全なプロフィールを伴って長い間、生
腸ワクチンとして使用されてきた(Schwartz,A.R.ら、Am.Re
v.Respir.Dis.109:233−238(1974))。最終的に
、アデノウイルス媒介性遺伝子移入は、コトンラットの肺へのα1抗トリプシン
およびCFTRの移入を含む多くの例において実証されている(Rosenfe
ld,M.A.ら、Science 252:431−434(1991);R
osenfeldら、Cell 68:143−155(1992))。さらに
、ヒト癌における原因因子としてアデノウイルスを確立しようと試みる広範な研
究は、一様に否定的であった(Green,M.ら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 76:6606(1979))。
【0271】 本発明において有用な適切なアデノウイルスベクターは、例えば、Kozar
skyおよびWilson、Curr.Opin.Genet.Devel.3
:499−503(1993);Rosenfeldら、Cell 68:14
3−155(1992);Engelhardtら、Human Genet.
Ther.4:759−769(1993);Yangら、Nature Ge
net.7:362−369(1994);Wilsonら、Nature 3
65:691−692(1993);および米国特許第5,652,224号(
これらは、本明細書中で参考として援用される)に記載される。例えば、アデノ
ウイルスベクターAd2が有用であり、そしてヒト293細胞において増殖され
得る。これらの細胞は、アデノウイルスのE1領域を含み、そしてE1aおよび
E1b(これらは、このベクターから欠失された遺伝子の産物を提供することに
よって、欠損アデノウイルスを補完する)を構成的に発現する。Ad2に加えて
、他の種々のアデノウイルス(例えば、Ad3、Ad5、およびAd7)もまた
、本発明において有用である。
【0272】 好ましくは、本発明において使用されるアデノウイルスは、複製欠損である。
複製欠損アデノウイルスは、感染性粒子を形成するために、ヘルパーウイルスお
よび/またはパッケージング細胞株の補助を必要とする。得られるウイルスは細
胞に感染し得、そしてプロモーターに作動可能に連結されている目的のポリヌク
レオチドを発現し得るが、大部分の細胞で複製することができない。複製欠損ア
デノウイルスは、1つ以上の以下の遺伝子の全てまたは一部分を欠失し得る:E
1a、E1b、E3、E4、E2a、またはL1〜L5。
【0273】 特定の他の実施形態において、アデノ随伴ウイルス(AAV)を使用してエキ
ソビボまたはインビボで細胞が操作される。AAVは、感染性粒子を生成するた
めにヘルパーウイルスを必要とする天然に存在する欠損ウイルスである(Muz
yczka,N.,Curr.Topics in Microbiol.Im
munol.158:97(1992))。これはまた、非分裂細胞にそのDN
Aを組み込み得る少数のウイルスのうちの1つである。AAVの300程度の少
ない塩基対を含むベクターが、パッケージングされて組み込まれ得るが、外因性
DNAのための空間は、約4.5kbに制限される。このようなAAVを生成し
、そして使用する方法は、当該分野で公知である。例えば、米国特許第5,13
9,941号、同第5,173,414号、同第5,354,678号、同第5
,436,146号、同第5,474,935号、同第5,478,745号、
ならびに同第5,589,377号を参照のこと。
【0274】 例えば、本発明における使用のために適切なAAVベクターは、DNA複製、
キャプシド化、および宿主細胞組み込みに必要な配列の全てを含む。Ckβ7ポ
リヌクレオチド構築物は、標準的なクローニング方法(例えば、Sambroo
kら、Molecular Cloning:A Laboratory Ma
nual、Cold Spring Harbor Press(1989)に
見出される方法)を使用してAAVベクターに挿入される。次いで、組換えAA
Vベクターは、任意の標準的技術(リポフェクション、エレクトロポレーション
、リン酸カルシウム沈澱などを含む)を用いて、ヘルパーウイルスに感染される
パッケージング細胞にトランスフェクトされる。適切なヘルパーウイルスとして
は、アデノウイルス、サイトメガロウイルス、ワクシニアウイルス、またはヘル
ペスウイルスが挙げられる。一旦パッケージング細胞がトランスフェクトされ、
そして感染されると、それらは、Ckβ7ポリヌクレオチド構築物を含む感染性
AAVウイルス粒子を生成する。次いで、これらのウイルス粒子を使用して、エ
キソビボまたはインビボのいずれかで真核生物細胞を形質導入する。形質導入さ
れた細胞は、そのゲノムに組み込まれたCkβ7ポリヌクレオチド構築物を含み
、そしてCkβ7を発現する。
【0275】 遺伝子治療の別の方法は、相同組換え(例えば、米国特許第5,641,67
0号(1997年6月24日発行);国際公開番号WO96/29411(19
96年9月26日公開);国際公開番号WO94/12650(1994年8月
4日公開);Kollerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
86:8932−8935(1989);およびZijlstraら、Nat
ure 342:435−438(1989)を参照のこと)を介して異種制御
領域および内因性ポリヌクレオチド配列(例えば、Ckβ7をコードする)を作
動可能に連結することを含む。この方法は、標的細胞に存在するが、この細胞に
おいて通常は発現されないか、または所望されるよりも低いレベルで発現される
遺伝子の活性化を含む。
【0276】 プロモーターに隣接する標的化配列とともにプロモーターを含むポリヌクレオ
チド構築物は、当該分野で公知の標準的な技術を用いて作製される。適切なプロ
モーターは、本明細書中に記載される。標的化配列は、プロモーター−標的化配
列と内因性配列との相同組換えを可能にするために内因性配列に十分相同である
。標的化配列は、所望の内因性ポリヌクレオチド配列であるCkβ7の5’末端
に十分近いので、このプロモーターは、相同組換えの際にこの内因性配列に作動
可能に連結する。
【0277】 プロモーターおよび標的化配列は、PCRを用いて増幅され得る。好ましくは
、増幅されたプロモーターは、5’末端および3’末端において異なる制限酵素
部位を含む。好ましくは、第1の標的化配列の3’末端は、増幅されたプロモー
ターの5’末端と同じ制限酵素部位を含み、そして第2の標的化配列の5’末端
は、増幅されたプロモーターの3’末端と同じ制限部位を含む。増幅されたプロ
モーターおよび標的化配列は、消化され、そしてともに連結される。
【0278】 プロモーター−標的化配列の構築物は、裸のポリヌクレオチドとして、または
上記により詳述されたトランスフェクション促進剤(例えば、リポソーム、ウイ
ルス配列、ウイルス粒子、ウイルス全体、リポフェクション、沈殿剤など)とと
もにのいずれかで、細胞に送達される。Pプロモーター−標的化配列は、任意の
方法により送達され得、この方法としては、直接針注射、静脈内注射、局所的投
与、カテーテル注入、粒子加速器などが挙げられ得る。この方法は、以下にさら
に詳述される。
【0279】 プロモーター標的化配列構築物は、細胞により取り込まれる。構築物と内因性
配列との間の相同組換えが生じ、その結果、内因性Ckβ7配列は、プロモータ
ーの制御下に配置される。次いで、このプロモーターは、内因性Ckβ7配列の
発現を駆動する。
【0280】 Ckβ7をコードするポリヌクレオチドは、脈管形成タンパク質をコードする
他のポリヌクレオチドとともに投与され得る。脈管形成タンパク質の例としては
、酸性および塩基性の線維芽細胞増殖因子、VEGF−1、VEGF−2、VE
GF−3、上皮増殖因子αおよびβ、血小板由来内皮細胞増殖因子、血小板由来
増殖因子、腫瘍壊死因子α、肝細胞増殖因子、インスリン様増殖因子、コロニー
刺激因子、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球/マクロファージコロニー
刺激因子、ならびに一酸化窒素シンターゼが挙げられるが、これらに限定されな
い。
【0281】 好ましくは、Ckβ7をコードするポリヌクレオチドは、タンパク質の分泌を
容易にする分泌シグナル配列を含む。代表的には、このシグナル配列は、発現さ
れるべきポリヌクレオチドのコード領域に、このコード領域の5’末端の近くに
、またはその5’末端に配置される。このシグナル配列は、目的のポリヌクレオ
チドに対して同種でも異種でもよく、そしてトランスフェクトされるべき細胞に
対して同種でも異種でもよい。さらにシグナル配列は、当該分野で公知の方法を
用いて化学的に合成され得る。
【0282】 上記の任意のポリヌクレオチド構築物の投与の任意の形態は、この形態が治療
的効果を提供するに十分な量で1つ以上の分子の発現を生じる限り、使用され得
る。これには、直接針注射、全身注射、カテーテル注入、微粒子注射器(bio
listic injector)、粒子加速器(すなわち、「遺伝子銃」)、
ゲルフォームスポンジデポー、他の市販のデポー物質、浸透圧ポンプ(例えば、
Alzaミニポンプ)、経口または坐剤固体(錠剤または丸剤)薬学的処方物、
および手術中の傾瀉適用または局所的適用が挙げられる。例えば、リン酸カルシ
ウム沈澱した裸のプラスミドをラット肝臓およびラット脾臓へ、またはタンパク
質コーティングしたプラスミドを門脈へ直接注射することにより、ラット肝臓で
の外来遺伝子の遺伝子発現が生じた(Kanedaら、Science 243
:375(1989))。
【0283】 局所的投与の好ましい方法は、直接注射によるものである。好ましくは、送達
ビヒクルと複合体化された本発明の組換え分子は、動脈の領域へ直接注射される
か、またはその領域内に局所的に投与される。動脈の領域内に組成物を局所的投
与することは、動脈内の数センチメートルおよび好ましくは数ミリメートルで組
成物を注射することをいう。
【0284】 局所的投与の別の方法は、外科的創傷にまたはその周辺に、本発明のポリヌク
レオチド構築物を接触させることである。例えば、患者は、手術を受け得、そし
てこのポリヌクレオチド構築物が、創傷内部の組織の表面にコーティングされ得
るか、またはこの構築物が創傷内部の組織の領域に注射され得る。
【0285】 全身投与において有用な治療的組成物は、本発明の標的化された送達ビヒクル
に複合体化された、本発明の組換え分子を含む。全身的投与での使用のために適
切な送達ビヒクルは、特定の部位にこのビヒクルを標的化するためのリガンドを
含むリポソームを含む。
【0286】 全身的投与の好ましい方法としては、静脈内注射、エアロゾル、経口送達およ
び経皮(局所的)送達が挙げられる。静脈内注射は、当該分野で標準的な方法を
用いて行われ得る。エアロゾル送達もまた、当該分野で標準的な方法を用いて行
われ得る(例えば、Striblingら、Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 189:11277−11281(1992)(これは、本明細
書中に参考として援用される)を参照のこと)。経口送達は、動物の腸中の消化
酵素による分解に抵抗し得るキャリアに、本発明のポリヌクレオチド構築物を複
合体化することにより行われ得る。このようなキャリアの例としては、プラスチ
ック性のカプセル剤または錠剤(例えば、当該分野で公知のもの)が挙げられる
。局所的送達は、皮膚内へ透過し得る親油性試薬(例えば、DMSO)と、本発
明のポリヌクレオチド構築物とを混合することにより行われ得る。
【0287】 送達されるべき物質の有効量を決定することは、多くの因子に依存し得、これ
らの因子としては、例えば、その物質の化学的構造および生物学的活性、動物の
年齢および体重、処置を必要とする正確な状態およびその重篤度、ならびに投与
経路が挙げられる。処置の頻度は、多くの因子(例えば、1用量あたりで投与さ
れるポリヌクレオチド構築物の量、ならびに被験体の健康状態および病歴)に依
存する。用量の正確な量、回数および投薬のタイミングは、主治医または獣医師
により決定される。
【0288】 (病気の診断および予後) 特定の疾患または障害は、下記に記載されるような対応する「標準」哺乳動物
(すなわち、その疾患または障害を持たない同種の哺乳動物)と比較した場合の
、Ckβ7タンパク質およびCkβ7タンパク質をコードするmRNAのレベル
の変化(増加または減少)と関連し得る。さらに、Ckβ7タンパク質のレベル
の変化は、疾患または障害を持たない同種の哺乳動物からの血清と比較した場合
に、疾患または障害を持った哺乳動物からの特定の体液(例えば、血清、血漿、
尿および髄液)中に検出され得ると考えられる。従って本発明は診断方法を提供
し、この診断方法は、哺乳動物の細胞または体液中のCkβ7タンパク質をコー
ドする遺伝子の発現レベルをアッセイすること、および遺伝子発現レベルを標準
Ckβ7遺伝子発現レベルと比較し、それによって標準と比較した遺伝子発現レ
ベルにおける変化は特定の疾患または障害を示すことを含む。
【0289】 疾患または障害の診断が既に従来の方法に従って行われている場合、本発明は
、予後の指標として有用であり、それにより、変化したCkβ7遺伝子発現を示
す患者は正常により近いレベルでこの遺伝子を発現する患者と比較して、より悪
い臨床結果を経験する。
【0290】 「Ckβ7タンパク質をコードする遺伝子の発現レベルをアッセイすること」
により、最初の生物学的サンプルにおけるCkβ7タンパク質レベルまたはCk
β7タンパク質をコードするmRNAのレベルを、直接的(例えば、絶対的タン
パク質レベルまたはmRNAレベルの決定または推定により)または相対的(例
えば、2番目の生物学的サンプルとの相対的Ckβ7タンパク質レベルまたはm
RNAレベルの比較により)のいずれかによって定性的または定量的に測定また
は推定することが意図される。
【0291】 好ましくは、1番目の生物的サンプル中のCkβ7タンパク質レベルまたはm
RNAレベルは測定または推定され、そして標準のCkβ7タンパク質レベルま
たはmRNAレベルと比較される(標準は、この疾患または障害を持たない個体
から得られる2番目の生物学的サンプルから採取される)。当該分野で認められ
ているように、一旦標準のCkβ7タンパク質レベルまたはmRNAレベルが公
知となれば、それが比較のための標準として繰り返し使用され得る。
【0292】 「生物学的サンプル」により、Ckβ7タンパク質またはmRNAを含む、個
体、細胞株、組織培養物、または他の供給源から得られる任意の生物学的サンプ
ルが意図される。生物学的サンプルとしては、分泌された成熟Ckβ7タンパク
質を含む哺乳動物の体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液および髄液)および造
血組織が挙げられる。哺乳動物から組織生検および体液を得るための方法は当該
分野で周知である。生物学的サンプルがmRNAを含む場合、組織生検が好まし
い供給源である。
【0293】 本発明は哺乳動物における疾患の検出に有用である。特に本発明は、哺乳動物
における好ましくはヒトにおける種々の免疫系関連障害の診断または処置の間に
有用であり、このために有用である。このような障害としては、腫瘍、ガンおよ
び免疫細胞機能の任意の調節不全(自己免疫、関節炎、免疫抑制、敗血症、創傷
治癒、急性および慢性の感染、細胞媒介免疫、体液性免疫、炎症性腸疾患、喘息
などが挙げられるがこれらに限定されない)が挙げられる。好ましい哺乳動物と
しては、有尾猿(monkey)、無尾猿(ape)、ネコ、イヌ、ウシ、ブタ
、ウマ、ウサギおよびヒトが挙げられる。特に好ましいのはヒトである。
【0294】 総細胞RNAは、ChomczynskiおよびSacchi,Anal.B
iochem.162:156−159(1987)に記載される1工程グアニ
ジニウム−チオシアネート フェノール−クロロホルム法の様な任意の適切な技
術を用いて、生物学的サンプルから単離され得る。次いで、Ckβ7タンパク質
をコードするmRNAレベルは任意の適切な方法を用いてアッセイされる。この
方法として、ノーザンブロット分析、S1ヌクレアーゼマッピング、ポリメラー
ゼ連鎖反応(PCR)、ポリメラーゼ連鎖反応と組み合せた逆転写(RT−PC
R)およびリガーゼ連鎖反応と組み合せた逆転写(RT−LCR)が挙げられる
【0295】 ノーザンブロット分析は、Haradaら,Cell 63:303−312
(1990)に記載されるように行われ得る。手短に述べると、総RNAは上記
に記載されたような生物学的サンプルから調製される。ノーザンブロットでは、
RNAは適切な緩衝液(例えば、グリオキサール/ジメチルスルホキシド/リン
酸ナトリウム緩衝液)中で変性され、アガロースゲル電気泳動に供され、そして
ニトロセルロースフィルターに転写される。RNAをUVリンカーによりこのフ
ィルターに結合させた後で、このフィルターは、ホルムアミド、SSC、デンハ
ルト溶液、変性させたサケ精子、SDSおよびリン酸ナトリウム緩衝液を含む溶
液中でプレハイブリダイズされる。任意の適切な方法(例えば、32P−マルチ
プライムDNA標識システム(Amersham))に従って標識されたCkβ
7タンパク質cDNAはプローブとして用いられる。一晩のハイブリダイゼーシ
ョンの後、このフィルターは洗浄され、そしてX線フィルムに曝される。本発明
に従ってプローブとして用いられるcDNAは、上記の節に記載され、そして好
ましくは少なくとも15bpの長さである。
【0296】 S1マッピングは、Fujitaら、Cell 49:357−367(19
87)に記載されるように行われ得る。S1マッピングに用いるためのプローブ
DNAを調製するために、上記のcDNAのセンス鎖は、標識されたアンチセン
スDNAを合成するためのテンプレートとして用いられる。次いで、アンチセン
スDNAは適切な制限エンドヌクレアーゼを用いて消化されて、望ましい長さの
さらなるDNAプローブを生成する。このようなアンチセンスプローブは、標的
mRNA(すなわち、Ckβ7タンパク質をコードするmRNA)に対応する保
護されたバンドを、可視化するために有用である。ノーザンブロット分析は、上
記に記載されるように行われ得る。
【0297】 好ましくは、Ckβ7タンパク質をコードするmRNAレベルは、Makin
oら、Technique 2:295−301(1990)に記載されるRT
−PCR法を用いてアッセイされる。
【0298】 逆転写された標的mRNAを増幅させるオリゴヌクレオチドプライマーの任意
のセットが用いられ得、そして上記の節に記載されたように設計され得る。
【0299】 生物学的サンプル中のCkβ7タンパク質レベルをアッセイすることは、当該
分野で公知の任意の方法を用いて行われ得る。生物学的サンプル中のCkβ7タ
ンパク質レベルをアッセイするために好ましいのは、抗体に基づく技術である。
例えば、組織中のCkβ7タンパク質発現は古典的免疫組織学的方法により研究
され得る。これらの中で、特異的認識が一次抗体(ポリクローナルまたはモノク
ローナル)により提供されるが、二次検出システムは蛍光、酵素または他の結合
体化した二次抗体を利用し得る。結果として、病理学検査のための組織切片の免
疫組織学的染色が得られる。組織はまた、ウェスタンブロットまたはドット/ス
ロットアッセイのためのCkβ7タンパク質の遊離のために例えば、尿素および
中性界面活性剤を用いて抽出され得る(Jalkanen,M.ら、J.Cel
l.Biol.101:976−985(1985):Jalkanen,M.
ら、J.Cell.Biol.105:3087−3096(1987))。カ
チオン性固相の使用に基づく本技術において、Ckβ7タンパク質の定量は、単
離されたCkβ7タンパク質を標準として用いて行われ得る。本技術はまた体液
にも適用され得る。これらのサンプルと共に、1モル濃度のCkβ7タンパク質
は、異なる体液(血清、血漿、尿、髄液などのような)についてCkβ7タンパ
ク質含量の標準値を設定するのを助ける。次いで正常なみかけのCkβ7タンパ
ク質量は、健康な個人からの値を用いて設定され得、これは、試験披験体から得
られるものと比較され得る。
【0300】 Ckβ7タンパク質遺伝子発現の検出に有用である抗体に基づく他の方法とし
ては免疫アッセイ(例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)および放
射免疫アッセイ(RIA))が挙げられる。例えば、Ckβ7タンパク質特異的
モノクローナル抗体は、Ckβ7タンパク質を検出および定量するための免疫吸
着剤として、および酵素標識プローブの両方として用いられ得る。サンプル中に
存在するCkβ7タンパク質の量は、線型回帰コンピューターアルゴリズムを用
いて標準調製物に存在する量を参照して計算され得る。別のELISAアッセイ
において、体液中のCkβ7タンパク質を検出するために、2つの異なる特異的
モノクローナル抗体が用いられ得る。このアッセイにおいて、これらの抗体の一
方は、免疫吸着剤として用いられ、そして他方は酵素標識プローブとして用いら
れる。
【0301】 上記の技術は本質的に「1工程」または「2工程」アッセイとして行われ得る
。「1工程」アッセイは固定化された抗体にCkβ7タンパク質を接触させるこ
とおよび洗浄無しで、標識された抗体に混合物を接触させることを含む。「2工
程」アッセイは、混合物を標識抗体と接触させる前に洗浄することを含む。他の
従来法もまた適切な場合は用いられ得る。アッセイシステムの1つの成分を支持
体に固定化し、それにより、そのシステムの他の成分をその成分と接触させ、そ
してそのサンプルから容易に除去するのを可能にすることが通常望ましい。
【0302】 適切な酵素標識としては、例えば、基質と反応することにより過酸化水素の生
成を触媒するオキシダーゼ群由来のものが挙げられる。グルコースオキシダーゼ
は、良好な安定性を有し、そしてその基質(グルコース)が容易に入手可能であ
るため、特に好ましい。オキシダーゼ標識の活性は、酵素標識化抗体/基質反応
により形成される過酸化水素の濃度を測定することによりアッセイされ得る。酵
素に加え、他の適切な標識としては、放射性同位体(例えば、ヨウ素(125I、1 21 I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(112
n)、およびテクネチウム(99mTc))、および蛍光標識(例えば、フルオレ
セインおよびローダミン)、ならびにビオチンが挙げられる。
【0303】 本発明のポリペプチド、およびこのようなポリペプチドをコードするポリヌク
レオチドは、科学的研究、DNAの合成およびDNAベクターの製造に関するイ
ンビトロの目的のため、ならびにヒトの疾患の処置のための治療法および診断法
を開発するための研究試薬として使用され得る。例えば、Ckβ−7は、それら
の分化を一時的に妨げることによる、未熟な造血前駆細胞(例えば、顆粒球、マ
クロファージ、または単球)の拡大のために使用され得る。これらの骨髄細胞は
、インビトロで培養され得る。
【0304】 全長Ckβ−7遺伝子のフラグメントは、全長遺伝子を単離し、そしてこの遺
伝子と高い配列類似性または類似の生物学的活性を有する他の遺伝子を単離する
ための、cDNAライブラリーに対するハイブリダイゼーションプローブとして
使用され得る。
【0305】 本発明はまた、診断としての本発明の遺伝子の使用に関する。この遺伝子の変
異形態の検出は、Ckβ−7の発現不全に起因する疾患または疾患に対する感受
性の診断を可能にする。
【0306】 本発明の遺伝子において変異を保有する個体は、DNAレベルで種々の技術に
より検出され得る。診断のための核酸は、被験体の細胞(血液、尿、唾液、組織
生検、および剖検材料を含むが、限定されない)より得られ得る。ゲノムDNA
は、検出のために直接用いられ得るか、または分析の前にPCR(Saikiら
、Nature 324:163−166(1986))を用いることにより酵
素的に増幅され得る。RNAまたはcDNAはまた、同様の目的のために用いら
れ得る。例として、Ckβ−7をコードする核酸と相補的なPCRプライマーは
、変異を同定および分析するために用いられ得る。例えば、欠失および挿入は、
通常の遺伝子型と比較して、変化した増幅産物のサイズにより検出され得る。点
変異は、増幅したDNAを放射線標識RNAまたは代替の放射線標識アンチセン
スDNA配列にハイブリダイズさせることにより同定され得る。完全にマッチし
た配列は、RNase A消化によって、または融解温度の差異によって、ミス
マッチ二重鎖から区別され得る。
【0307】 参照遺伝子と変異を有する遺伝子との間の配列差異は、直接的なDNA配列決
定方法により明らかにされ得る。さらに、クローンDNAセグメントは、特異的
なDNAセグメントを検出するためのプローブとして使用され得る。この方法の
感度は、PCRと組み合わされる場合に非常に増強される。例えば、配列決定プ
ライマーは、二本鎖PCR生成物または改変PCRにより産生される一本鎖テン
プレート分子と共に用いられる。配列決定は、放射線標識ヌクレオチドを用いる
従来の手順により、または蛍光タグを用いる自動配列決定手順により行われる。
【0308】 DNA配列差異に基づく遺伝子検査は、ゲル(変性剤ありまたはなし)におけ
るDNAフラグメントの電気泳動移動度における変化の検出により達成され得る
。小さい配列欠失および挿入は、高分解能のゲル電気泳動により視覚化され得る
。異なる配列のDNAフラグメントは、異なるDNAフラグメントの移動度が、
それらの特異的な溶融温度または部分的な溶融温度に基づき、異なる位置でゲル
において遅延する、変性ホルムアミド勾配ゲル上で区別され得る(例えば、My
ersら、Science 230:1242(1985)を参照のこと)。
【0309】 特定の位置での配列変化はまた、ヌクレアーゼ保護アッセイ(例えば、RNa
seおよびS1保護)または化学切断方法によって明らかにされ得る(例えば、
Cottonら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)85:4
397−4401(1985))。
【0310】 本発明はまた、様々な組織における本発明のポリペプチドの変化したレベルを
検出するための診断アッセイに関し、それは、通常のコントロール組織サンプル
と比較したタンパク質の過剰発現は、疾患または疾患に対する感受性(例えば、
腫瘍)の存在を検出し得るからである。宿主に由来するサンプルにおける本発明
のポリペプチドのレベルを検出するために用いられるアッセイは、当業者に周知
であり、そしてこれらのアッセイとしては、放射免疫アッセイ、競合的結合アッ
セイ、ウェスタンブロット分析、ELISAアッセイおよびサンドイッチアッセ
イが挙げられる。例えば、本明細書中で参考として援用する、Coliganら
、Current Protocols in Immunology 1(2
),第6章,(1991)を参照のこと。
【0311】 本発明は、ケモカインポリペプチドに対するレセプターの同定のための方法を
提供する。このレセプターをコードする遺伝子は、当業者に公知の多数の方法(
例えば、リガンドパニングおよびFACSソーティング)により同定され得る。
例えば、本明細書中で参考として援用する、Coliganら、Current
Protocols in Immunology 1(2),第5章,(1
991)を参照のこと。
【0312】 (染色体アッセイ) 本発明の核酸分子はまた、染色体同定に有用である。この配列は、個々のヒト
染色体上の特定の位置に特異的に標的化され、そしてその位置とハイブリダイズ
し得る。さらに、染色体における特定の部位を同定することへの必要性が現在存
在する。実際の配列データ(反復多型性)に基づく染色体マーキング試薬は現在
、染色体位置をマークするのにはほとんど利用可能ではない。本発明に従う染色
体へのDNAのマッピングは、それらの配列を、疾患に関連した遺伝子と相関づ
けることにおいて重要な第一段階である。
【0313】 この点における特定の好ましい実施形態において、本明細書中で開示されるc
DNAは、Ckβ−7タンパク質遺伝子のゲノムDNAをクローニングするため
に用いられる。これは、一般的に市販されている、種々の周知の技術およびライ
ブラリーを用いて達成され得る。この目的のための周知の技術を用いて、インサ
イチュ染色体マッピングのためにゲノムDNAが用られる。典型的には、染色体
マッピングのための慣用的手順に従って、良好なインサイチュハイブリダイゼー
ションシグナルを与えるゲノムプローブを同定するために、いくつかの試行錯誤
が必要とされ得る。
【0314】 手短には、配列は、cDNAからPCRプライマー(好ましくは、15〜25
bp)を調製することにより、染色体にマッピングされ得る。遺伝子の3’非翻
訳領域のコンピューター分析を用いて、ゲノムDNAにおいて1より多いエキソ
ンにまたがらず、従って、増幅プロセスを複雑化しないプライマーを迅速に選択
する。次いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含有する体細胞ハイ
ブリッドのPCRスクリーニングのために用いられる。このプライマーに対応す
るヒト遺伝子を含有するこれらのハイブリッドのみが増幅フラグメントを産生す
る。
【0315】 体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは特定のDNAを特定の染色体に対応
させるための迅速な手順である。同様のオリゴヌクレオチドプライマーを用いる
本発明を使用し、準局在化(sublocalization)は、特定の染色
体由来のフラグメントのパネルまたは同類の手法における大きいゲノムクローン
のプールで達成され得る。その染色体にマッピングするために同様に用いられ得
る他のマッピングストラテジーは、インサイチュハイブリダイゼーション、標識
フローソート(labeled flow−sorted)染色体でのプレスク
リーニング、および染色体特異的cDNAライブラリーを構築するためのハイブ
リダイゼーションによる前選択を含む。
【0316】 中期染色体スプレッド(spread)に対するcDNAクローンの蛍光イン
サイチュハイブリダイゼーション(FISH)を用いて、一工程で、正確な染色
体位置を提供し得る。この技術は、少なくとも50または60塩基を有するcD
NAと共に用いられ得る。(この技術の概説については、Vermaら、Hum
an Chromosomes:a Manual of Basic Tec
hniques, Pergamon Press, New York(19
88)を参照のこと)。
【0317】 一旦、配列が正確な染色体位置にマッピングされると、染色体上の配列の物理
的な位置は、遺伝子マップデータと相関づけられ得る。このようなデータは、例
えば、V. McKusick, Mendelian Inheritanc
e in Man(Johns Hopkins University We
lch Medical Libraryからオンラインで入手可能である)に
見出される。次いで、同じ染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾患との間の
関係が、連鎖解析(物理的に隣接した遺伝子の同時遺伝)によって同定される。
【0318】 次に、罹患個体と非罹患個体との間でのcDNAまたはゲノム配列における差
異を決定することが必要である。変異がいくつかまたは全ての罹患個体において
認められるが、いずれの正常個体にも認められない場合、その変異は、疾患の原
因因子である可能性が高い。
【0319】 物理的マッピングおよび遺伝子マッピング技術の現在の解像度であれば、疾患
と関連する染色体領域に正確に位置決めされるcDNAは、50〜500の潜在
的な原因遺伝子の1つであり得る(これは、1メガベースマッピング解像度およ
び20kbあたり1遺伝子と仮定する)。
【0320】 罹患個体と非罹患個体との比較は、一般的に、まず染色体における構造的変化
(例えば、欠失または転座)を探すことを含み、これは、染色体スプレッドによ
り可視であるか、またはそのcDNA配列に基づくPCRを用いて検出可能であ
る。究極的には、いくつかの個体由来の遺伝子の完全な配列決定は、変異の存在
を確認し、そして変異を多型性と区別するために必要とされる。
【0321】 (抗体) 本発明における使用のためのCkβ−7タンパク質特異的抗体は、インタクト
なCkβ−7タンパク質またはその抗原性ポリぺプチドフラグメントに対して惹
起され得、これは、アルブミンのようなキャリアタンパク質とともに、またはそ
れが十分に長ければ(少なくとも約25アミノ酸)、キャリアなしに、動物系(
例えば、ウサギまたはマウス)に対して提示され得る。
【0322】 本明細書中で使用される場合、用語「抗体」(Ab)または「モノクローナル
抗体」(Mab)は、インタクトな分子、ならびにCkβ−7タンパク質に特異
的に結合し得る抗体フラグメント(例えば、FabおよびF(ab’)2フラグ
メント)を含むことが意味される。FabおよびF(ab’)2フラグメントは
、インタクトな抗体のFcフラグメントを欠失し、循環からより迅速に除去され
、そしてインタクトな抗体のより非特異的でない組織結合を有し得る(Wahl
ら、J.Nucl.Med.24:316−325(1983))。従って、こ
れらのフラグメントが好ましい。
【0323】 ポリペプチド、それらのフラグメントもしくは他の誘導体、またはそれらのア
ナログ、あるいはそれらを発現する細胞は、それらに対する抗体を産生する免疫
原として用いられ得る。これらの抗体は、例えば、ポリクロナール抗体またはモ
ノクロナール抗体であり得る。本発明はまた、キメラ抗体、単鎖抗体、およびヒ
ト化抗体、ならびにFabフラグメントまたはFab発現ライブラリーの産物を
含む。このような抗体およびフラグメントの産生のために、当該分野において公
知の種々の手順が用いられ得る。
【0324】 本発明の配列に対応するポリペプチドに対して産生される抗体は、このポリペ
プチドを動物へ直接注射することにより、またはこのポリペプチドを動物(好ま
しくは非ヒト)に投与することにより得られ得る。このようにして得られる抗体
は、次いでポリペプチド自身と結合する。この様式においては、このポリペプチ
ドのフラグメントのみをコードする配列でさえも、天然のポリペプチド全体と結
合する抗体を産生するために用いられ得る。次いで、このような抗体は、このポ
リペプチドを発現する組織からこのポリペプチドを単離するために用いられ得る
【0325】 モノクローナル抗体の調製のためには、連続した細胞株培養によって産生され
る抗体を提供する任意の技術が使用され得る。例としては、ハイブリドーマ技術
(KohlerおよびMilstein、Nature 256:495−49
7(1975))、トリオーマ(trioma)技術、ヒトB細胞ハイブリドー
マ技術(Kozborら、Immunology Today 4:72(19
83))、およびヒトモノクロナール抗体を産生するEBV−ハイブリドーマ技
術(Coleら、Monoclonal Antibodies and Ca
ncer Therapy,Alan R.Liss.Inc.(1985)、
77−96頁)が挙げられる。
【0326】 単鎖抗体の産生ために記載された技術(米国特許第4,946,778号)は
、本発明の免疫原性ポリペプチド産物に対する単鎖抗体を産生するために適応さ
れ得る。また、トランスジェニックマウスは、本発明の免疫原性ポリペプチド産
物に対するヒト化抗原を発現するために用いられ得る。
【0327】 本発明の抗体は、任意の種々の方法によって調製され得る。例えば、Ckβ−
7タンパク質またはその抗原性フラグメントを発現する細胞は、ポリクローナル
抗体を含有する血清の産生を誘導するために動物に投与され得る。好ましい方法
において、Ckβ−7タンパク質の調製物が、天然の夾雑物を実質的に含まない
ようにするために調製および精製される。次いで、このような調製物は、より比
活性の大きいポリクローナル抗血清を産生するために動物に導入される。
【0328】 本発明においては、抗原性エピトープは、好ましくは、少なくとも4、少なく
とも5、少なくとも6、少なくとも7アミノ酸配列を含み、より好ましくは、少
なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20
、少なくとも25アミノ酸配列を含み、そして最も好ましくは約15と約30と
の間のアミノ酸配列を含む。免疫原性または抗原性エピトープを含有する好まし
いポリペプチドは、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、4
5、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または10
0アミノ酸残基の長さである。抗原性エピトープは、例えば、このエピトープと
特異的に結合する抗体(モノクロナール抗体を含む)を惹起するために有用であ
る(例えば、Wilsonら、Cell 37:767−778(1984);
Sutcliffeら、Science 219:660−666(1983)
を参照のこと)。
【0329】 同様に、例えば、当該分野において周知の方法に従って抗体を誘導するために
免疫原性エピトープが用いられ得る(例えば、Sutcliffeら、前出;W
ilsonら、前出;Chowら、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 82:910−914;およびBittleら、J.Gen.Virol
.66:2347−2354(1985)を参照のこと)。好ましい免疫原性エ
ピトープとしては、分泌タンパク質が挙げられる。この免疫原性エピトープは、
アルブミンのようなキャリアタンパク質とともに、またはそれが十分に長ければ
(少なくとも約25アミノ酸)、キャリアなしに、動物系(例えば、ウサギまた
はマウス)に対して提示され得る。しかし、わずか8〜10アミノ酸を含む免疫
原性エピトープは、少なくとも変性ポリペプチドにおける直鎖状エピトープと結
合可能である抗体を惹起させるのに十分であることが示された(例えば、ウエス
タンブロッティングにおいて)。
【0330】 本発明のポリペプチドを保有するエピトープは、当該分野において周知の方法
に従って抗体を誘導するために用いられ得、この方法としては、限定されないが
、インビボ免疫化、インビトロ免疫化、およびファージディスプレイ方法が挙げ
られる。例えば、Sutcliffeら、前出;Wilsonら、前出、および
Bittleら、J.Gen.Virol.66:2347−2354(198
5)を参照のこと。インビボ免疫化が用いられる場合、動物は遊離のペプチドで
免疫化され得る:しかし、抗ペプチド抗体力価は、ペプチドの高分子キャリア(
例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)または破傷風トキソイド
)との結合により追加免疫され得る。例えば、システイン残基を含有するペプチ
ドは、マレイミドベンゾイル N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS
)などのリンカーを用いてキャリアと結合され得、一方、他のペプチドは、グル
タルアルデヒドなどのより一般的な架橋剤を用いてキャリアと結合され得る。ウ
サギ、ラットおよびマウスなどの動物は、遊離ペプチドまたはキャリアと結合し
たペプチドのいずれかを用いて、例えば、約100μgのペプチドまたはキャリ
アタンパク質およびFreund’sアジュバントを含有するエマルジョンの腹
腔内および/または皮内注射により免疫化される。例えば、約2週間の間隔で、
例えば、固体表面に吸着された遊離ペプチドを用いるELISAアッセイにより
検出され得る抗ペプチド抗体の有用な力価を提供するために、いくつかの追加免
疫注射が必要とされ得る。免疫化された動物由来の血清中の抗ペプチド抗体の力
価は、抗ペプチド抗体の選択(例えば、当該分野において周知の方法に従う、ペ
プチドの固体支持体上への吸着および選択された抗体の溶出)により増加し得る
【0331】 当業者が理解し、そして上記で検討されるように、免疫原性または抗原性エピ
トープを含有する本発明のポリペプチドは、異種ポリペプチド配列と融合し得る
。例えば、本発明のポリペプチドは、免疫グロブリン(IgA、IgE、IgG
、IgM)の定常ドメイン、またはそれらの部分(CH1、CH2、CH3、ドメ
イン全体およびそれらの部分の両方を含む、それらの任意の組み合わせ)と融合
され得、キメラポリペプチドを生じる。これらの融合タンパク質は、精製を容易
にし、そしてインビボで半減期の増加を示す。これは、例えば、ヒトCD4ポリ
ペプチドの最初の2つのドメインおよび哺乳動物免疫グロブリンの重鎖または軽
鎖の定常領域の種々のドメインからなるキメラタンパク質について示されている
。例えば、EP A 0,394,827号;Trauneckerら、Nat
ure 331:8486(1988)を参照のこと。IgG部分によるジスル
フィド結合二量体構造を有する融合タンパク質はまた、単量体ポリペプチドまた
はそれらのフラグメント単独よりも、他の分子の結合および中和においてより効
果的であり得る。例えば、Fountoulakisら、J.Biochem.
270:3958−3964(1995)を参照のこと。上記のエピトープをコ
ードする核酸はまた、エピトープタグとして目的の遺伝子と組換えられて、発現
されたポリペプチドの検出および精製を補助し得る。
【0332】 最も好ましい方法において、本発明の抗体は、モノクローナル抗体(またはそ
のCkβ−7タンパク質結合フラグメント)である。このようなモノクローナル
抗体は、ハイブリドーマ技術(Kohlerら、Nature 256:495
(1975);Kohlerら、Eur.J.Immunol.6:511(1
976);Kohlerら、Eur.J.Immunol.6:292(197
6);Hammerlingら、Monoclonal Antibodies
and T−Cell Hybridomas,Elsevier,N.Y.
(1981)、563〜681頁)を使用して調製され得る。
【0333】 あるいは、Ckβ−7タンパク質抗原に結合し得るさらなる抗体を、抗イディ
オタイプ抗体の使用を介して2工程手順において産生し得る。このような方法は
、抗体がそれ自身抗原であり、そしてそれゆえ二次抗体に結合する抗体を得るこ
とが可能であるという事実を利用する。この方法に従って、Ckβ−7タンパク
質特異的抗体を、動物(好ましくはマウス)を免疫するために使用する。次いで
、このような動物の脾細胞を、ハイブリドーマ細胞を産生するために使用し、そ
してそのハイブリドーマ細胞を、Ckβ−7タンパク質特異的抗体に結合する抗
体能力がCkβ−7タンパク質抗原によってブロックされ得る抗体を産生するク
ローンを同定するためにスクリーニングする。このような抗体は、Ckβ−7タ
ンパク質特異的抗体に対する抗イディオタイプ抗体を含み、そして動物を免疫し
てさらなるCkβ−7タンパク質特異的抗体の形成を誘導するために使用され得
る。
【0334】 本発明の抗体のFabおよびF(ab’)2ならびに他のフラグメントは、本
明細書中で開示される方法に従って使用され得ることが理解される。このような
フラグメントを、代表的には、パパイン(Fabフラグメントを生成するために
)またはペプシン(F(ab’)2フラグメントを生成するために)のような酵
素を用いる、タンパク質分解的切断によって生成する。あるいは、Ckβ−7タ
ンパク質結合フラグメントを、組換えDNA技術を適用することによって、また
は合成化学によって産生し得る。
【0335】 「ヒト化」キメラモノクローナル抗体を使用することが好適であり得る。この
ような抗体は、上記のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞に由来
する遺伝子構築物を使用して産生され得る。キメラ抗体を産生する方法は、当該
分野で公知である。総説について、Morrison、Science 229
:1202(1985);Oiら、BioTechniques 4:214(
1986);Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Tanig
uchiら、EP 171496;Morrisonら、EP 173494;
Neubergerら、WO 8601533;Robinsonら,WO 8
702671;Boulianneら、Nature 312:643(198
4);Neubergerら、Nature 314:268(1985)を参
照のこと。
【0336】 本発明はさらに、抗体、および本発明のポリペプチドと特異的に結合するT細
胞抗原レセプター(TCR)に関する。本発明の抗体としては、IgG(IgG 1 、IgG2、IgG3、およびIgG4を含む)、IgA(IgA1およびIgA2 を含む)、IgD、IgE、IgM、およびIgYが挙げられる。本明細書中で
用いられる場合、用語「抗体」(Ab)は、単鎖全抗体(single−cha
in whole antibody)、およびそれらの抗原結合フラグメント
を含む、全抗体を含むことが意味される。最も好ましくは、この抗体は、本発明
のヒト抗原結合抗体フラグメントであり、Fab、Fab’およびF(ab’) 2 、Fd、単鎖Fv(scFv)、単鎖抗体、ジスルフィド結合Fv(sdFv
)およびVLまたはVHドメインのいずれかを含有するフラグメントが挙げられる
(しかし、限定されない)。この抗体は、鳥類および哺乳動物を含む任意の動物
起源に由来し得る。好ましくは、この抗体は、ヒト、マウス、ウサギ、ヤギ、モ
ルモット、ラクダ、ウマまたはニワトリである。
【0337】 単鎖抗体を含む、抗原結合抗体フラグメントは、可変領域を単独または以下の
全体または一部との組み合わせにおいて含有し得る:ヒンジ領域、CH1、CH2 、およびCH3ドメイン。可変領域とヒンジ領域、CH1、CH2、およびCH3
メインとの任意の組み合わせもまた、本発明に含まれる。本発明は、本発明のポ
リペプチドと特異的に結合する、モノクロナール、ポリクロナール、キメラ、ヒ
ト化、ならびにヒトモノクロナールおよびヒトポリクロナール抗体をさらに含む
。本発明は、本発明の抗体に対して抗イディオタイプの抗体をさらに含む。
【0338】 本発明の抗体は、単一特異的、二特異的、三特異的またはさらに多特異的であ
り得る。多特異的抗体は、本発明のポリペプチドの異なるエピトープに対して特
異的であり得るか、または本発明のポリペプチドおよび異種組成物(例えば、異
種ポリペプチドまたは固体支持材料)の両方に対して特異的であり得る。例えば
、WO93/17715;WO92/08802;WO91/00360;WO
92/05793;Tuttら、J.Immunol.147:60−69(1
991);米国特許第5,573,920号、同第4,474,893号、同第
5,601,819号、同第4,714,681号、同第4,925,648号
;Kostelnyら、J.Immunol.148:1547−1553(1
992)を参照のこと。
【0339】 本発明の抗体は、この抗体により認識されるかまたは特異的に結合される本発
明のポリペプチドのエピトープまたは部分の点で記載または特定され得る。この
エピトープまたはポリペプチド部分は、本明細書に記載されるように(例えば、
N末端部位およびC末端部位により、隣接するアミノ酸残基のサイズにより)、
または表および図面に列挙されるように、特定され得る。任意の本発明のエピト
ープまたはポリペプチドと特異的に結合する抗体はまた、排除され得る。従って
、本発明は、本発明のポリペプチドと特異的に結合する抗体を含み、そして同様
のものの排除を可能にする。
【0340】 本発明の抗体はまた、これらの交差反応性の点で記載または特定され得る。本
発明のポリペプチドのいかなる他のアナログ、オルソログ(ortholog)
、またはホモログとも結合しない抗体が含まれる。本発明のポリペプチドと95
%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65
%未満、60%未満、55%未満、および50%未満の同一性(当該分野におい
て公知の方法および本明細書中に記載される方法を用いて計算される場合)を有
するポリペプチドと結合しない抗体はまた、本発明に含まれる。本発明には、ス
トリンジェントなハイブリダイゼーション条件下(本明細書中に記載される)で
本発明のポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコード
されるポリペプチドとのみ結合する抗体が、さらに含まれる。本発明の抗体はま
た、これらの結合親和性の点で記載または特定され得る。好ましい結合親和性と
しては、5×10-6M、10-6M、5×10-7M、10-7M、5×10-8M、1
-8M、5×10-9M、10-9M、5×10-10M、10-10M、5×10-11
、10-11M、5×10-12M、10-12M、5×10-13M、10-13M、5×1
-14M、10-14M、5×10-15Mおよび10-15M未満の解離定数すなわちK
dを伴う結合親和性が挙げられる。
【0341】 本発明の抗体は、本発明のポリペプチドを精製し、検出し、そして標的にする
ための当該分野において公知の方法を含む(しかし、限定されない)使用を有し
、これは、インビトロおよびインビボの両方における診断および治療方法を含む
。例えば、この抗体は、生物学的サンプル中の本発明のポリペプチドのレベルを
定性的および定量的に測定するためのイムノアッセイにおける使用を有する。例
えば、Harlowら、Antibodies:a Laboratory M
anual.(Cold Spring Harbor Laboratory
Press.第2版、1988)を参照のこと(その全体を参考として援用す
る)。
【0342】 本発明の抗体は、単独または他の組成物との組み合わせのいずれかで使用され
得る。この抗体はさらに、そのN末端もしくはC末端で異種ポリペプチドと組換
え的に融合され得るか、またはポリペプチドまたは他の組成物と化学的に結合さ
れ得る(共有結合および非共有結合を含む)。例えば、本発明の抗体は、検出ア
ッセイにおける標識として有用な分子およびエフェクター分子(例えば、異種ポ
リペプチド、薬物、または毒素)と組換え的に融合または結合され得る。例えば
、WO92/08495;WO91/14438;WO89/12624;米国
特許第5,314,995;およびEP 0396387を参照のこと。
【0343】 本発明の抗体は、当該分野において公知の任意の適切な方法により調製され得
る。例えば、本発明のポリペプチドまたはそれらの抗原性フラグメントは、ポリ
クロナール抗体を含む血清の産生を誘導するために、動物に投与され得る。用語
「モノクロナール抗体」は、ハイブリドーマ技術によって産生される抗体に限定
されない(nota limited to)。用語「モノクロナール抗体」は
、任意の真核生物、原核生物、またはファージクローンを含む単一のクローンに
由来する抗体を言及し、そしてそれを産生する方法には言及されない。モノクロ
ナール抗体は、ハイブリドーマ技術、組換え技術、およびファージディスプレイ
技術の使用を含む当該分野において公知の広範な種々の技術を用いて調製され得
る。
【0344】 ハイブリドーマ技術は、当該分野において公知の技術およびHarlowら、
Antibodies:a Laboratory Manual.(Cold
Spring Harbor Laboratory Press.第2版、
1988);Hammerlingら、Monoclonal Antibod
ies and T cell Hybridomas 563681(Els
evier,N.Y.,1981)(これらの参照文献は、参考としてそれら全
体を援用する)において教示される技術を含む。FabおよびF(ab’)2フ
ラグメントは、パパイン(Fabフラグメントを生成するため)またはペプシン
(F(ab’)2フラグメントを生成するため)などの酵素を用いて、タンパク
質分解性切断により生成され得る。
【0345】 あるいは、本発明の抗体は、組換えDNAおよびファージディスプレイ技術の
適用によって、または当該分野において公知の方法を用いる合成化学によって産
生され得る。例えば、本発明の抗体は、当該分野において公知の種々のファージ
ディスプレイ技術を用いて調製され得る。ファージディスプレイ方法においては
、機能的抗体ドメインは、それらをコードするポリヌクレオチド配列を保有する
ファージ粒子の表面にディスプレイされる。所望の結合特性を有するファージは
、抗原(典型的には固体表面またはビーズに結合または捕捉された抗原)を用い
て直接的に選択することにより、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライ
ブラリー(例えば、ヒトまたはマウスの)から選択される。これらの方法に使用
されるファージは代表的に、ファージ遺伝子IIIまたは遺伝子VIIIタンパ
ク質のいずれかと組換え的に融合される、Fab、Fvまたはジスルフィド安定
化Fv抗体ドメインを有する、fdおよびM13を含む、繊維状ファージである
。本発明の抗体を作製するために用いられ得るファージディスプレイ方法の例と
しては、以下に開示されるものが挙げられる:Brinkmanら、J.Imm
unol.Methods 182:41−50(1995);Amesら、J
.Immunol.Methods 184:177−186(1995);K
ettleboroughら、Eur.J.Immunol.24:952−9
58(1994);Persicら、Gene 187:9−18(1997)
;Burtonら、Advances in Immunology 57:1
91−280(1994);PCT/GB91/01134;WO90/028
09;WO91/10737;WO92/01047;WO92/18619;
WO93/11236;WO95/15982;WO95/20401;ならび
に米国特許第5,698,426号、同第5,223,409号、同第5,40
3,484号、同第5,580,717号、同第5,427,908号、同第5
,750,753号、同第5,821,047号、同第5,571,698号、
同第5,427,908号、同第5,516,637号、同第5,780,22
5号、同第5,658,727号および同第5,733,743号(これらの参
考文献は、参考としてそれら全体が援用される)。
【0346】 上記参考文献に記載されるように、ファージ選択後、そのファージ由来の抗体
コード領域は、単離され得、そして全体の抗体(ヒト抗体、またはフラグメント
に結合する任意の他の所望の抗原を含む)を産生するために用いられ得、そして
任意の所望の宿主(哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母および細菌を含む
)において発現された。例えば、Fab、Fab’およびF(ab’)2フラグ
メントを組換え的に(recombinantly)産生するための技術はまた
、当該分野において公知である方法(例えば、WO92/22324:Mull
inaxら、BioTechniques 12(6):864−869(19
92);およびSawaiら、AJRI 34:26−34(1995);およ
びBetterら、Science 240:1041−1043(1988)
(上記参考文献は、その全体が参考として援用される)において開示された方法
)を用いて利用され得る。
【0347】 一本鎖Fvsおよび抗体を産生するために使用され得る技術の例は、米国特許
第4,946,778号および同第5,258,498号、Hustonら、M
ethods in Enzumology 203:46−88(1991)
;Shu,Lら、PNAS 90:7995−7999(1993);およびS
kerraら、Science 240:1038−1040(1988)に記
載される技術を含む。ヒトにおける抗体のインビボの使用およびインビトロの検
出アッセイを含むいくつかの用途のために、キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒト
抗体を使用することは、好ましくあり得る。キメラ抗体を産生するための方法は
、当該分野において公知である。例えば、Morrison、Science
229:1202(1985);Oiら、BioTechniques 4:2
14(1986);Gilliesら、J.Immunol. Methods
125:191−202(1989);および米国特許第5,807,715
号を参照のこと。抗体は、種々の技術(CDR移植片化(EP 0 239 4
00;WO 91/09967、米国特許第5,530,101号;および同第
5,585,089号)、化粧張り(veneering)または最表面形成(
resurfacing)(EP 0 592 106;EP 0 519 5
96;Padlan E.A.、Molecular Immunology
28(4/5):489−498(1991);Studnickaら、Pro
tein Engineering 7(6):805−814(1994);
Roguska.ら、PNAS91:969−973(1994))、および鎖
のシャッフリング(chain shuffling)(米国特許第5,565
,332号)を含む)を使用してヒト化され得る。ヒト抗体は、当該分野におい
て公知である種々の方法(上に記載されるファージディスプレー方法を含む)に
よって作製され得る。米国特許第4,444,887号、同第4,716,11
1号、同第5,545,806号および同第5,814,318号;ならびにW
O98/46645、WO98/50433、WO98/24893、WO98
/16654、WO96/34096、WO96/33735およびWO91/
10741(上記参考文献は、その全体が参考として援用される)をもまた参照
のこと。
【0348】 本発明は、さらに、本発明のポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニスト
として作用する抗体に関連する。例えば、本発明は、レセプター/リガンド相互
作用を、部分的にまたは全体的にのどちらかで、本発明のポリペプチドで中断す
る抗体を含む。レセプター特異的抗体およびリガンド特異的抗体の両方が含まれ
る。リガンドの結合を妨げないが、レセプターの活性化を妨げるレセプター特異
的抗体が含まれる。レセプター活性化(すなわち、シグナリング)は、本明細書
中に記載されるか、そうでなければ当該分野において公知である技術により決定
され得る。リガンド結合およびレセプターの活性化の両方を妨げるレセプター特
異的抗体もまた、含まれる。同様に、リガンドに結合し、そしてレセプターに対
するリガンドの結合を妨げる中和抗体、ならびにリガンドに結合し、これにより
、レセプター活性化を妨げるが、リガンドがレセプターに結合するのを妨げない
抗体が含まれる。さらに、レセプターを活性化する抗体が含まれる。これらの抗
体は、リガンド調節レセプター活性化により影響される、全てのまたは全て以下
のどちらかの生物学的活性に対するアゴニストとして、作用し得る。この抗体は
、本明細書中に開示される特異的活性を含む生物学的活性に対するアゴニストま
たはアンタゴニストとして、特定され得る。この上記抗体アゴニストは当該分野
において公知である方法を用いて作成され得る。例えば、WO 96/4028
1;米国特許第5,811,097;Dengら、Blood 92(6):1
981−1988(1998);Chenら、Cancer Res.58(1
6):3668−3678(1998);Harropら、J.Immunol
.161(4):1786−1794(1998);Zhuら、Cancer
Res.58(15):3209−3214(1998);Yoonら、J.I
mmunol.160(7):3170−3179(1998);Pratら、
J.Cell.Sci.111(Pt2):237−247(1998);Pi
tardら、J.Immunol.Methods 205(2):177−1
90(1997);Liautardら、Cytokine9(4):233−
241(1997);Carlsonら、J.Biol.Chem.272(1
7):11295−11301(1997);Tarymanら、Neuron
14(4):755−762(1995);Mullerら、Structu
re 6(9):1153−1167(1998);Bartunekら、Cy
tokine 8(1):14−20(1996)(上記参考文献は、その全体
が参考として援用される)を参照のこと。
【0349】 上に議論されるように、本発明のポリペプチドに対する抗体は、次いで、当業
者に周知である技術を用いて、本発明のポリペプチドを「模倣」する抗イディオ
タイプ抗体を生成するために、利用され得る(例えば、Greenspan &
Bona、FASEB J.7(5):437−444;(1989)および
Nissinoff.J.Immunol.147(8):2429−2438
(1991)を参照のこと)。例えば、リガンドに結合し、そしてポリペプチド
の多量体化および/またはリガンドに対する本発明のポリペプチドの結合を競合
的に阻害する抗体は、ポリペプチドの多量体化および/または結合ドメインを「
模倣」する抗イディオタイプを生成するために用いられ得、そして結果として、
ポリペプチドおよび/またはそのリガンドに結合し、それらを中和する。このよ
うな中和抗イディオタイプまたはこのような抗イディオタイプのFabフラグメ
ントは、ポリペプチドリガンドを中和するための治療療法において使用され得る
。例えば、このような抗イディオタイプ抗体は、本発明のポリペプチドに結合す
るため、および/またはそのリガンド/レセプターに結合し、そしてそれにより
、その生物学的活性をブロックするために使用され得る。
【0350】 さらなる実施形態において、本発明は、本発明のポリペプチドの抗原を含む血
清のスクリーニングにおける使用のための診断キットを含む。その診断キットは
、実質的に単離された、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド抗原に対して特異
的に免疫反応性である抗体、およびその抗体に対するポリヌクレオチドまたはポ
リペプチド抗原の結合を検出するための手段を含む。1つの実施形態において、
その抗体は固体支持体に付加される。具体的な実施形態では、その抗体はモノク
ローナル抗体であり得る。そのキットの検出手段は、第二の標識化モノクローナ
ル抗体を含み得る。あるいは、またはさらに、検出手段は、標識化競合抗原を含
み得る。
【0351】 さらに具体的な実施形態では、上記のキットのその検出手段は、上記ポリペプ
チド抗原が付加された固体支持体を含む。このようなキットは非付加レポーター
標識化抗ヒト抗体をもまた、含み得る。この実施形態において、ポリペプチド抗
原への抗体の結合は、上記レポーター標識化抗体の結合によって検出され得る。
【0352】 1つの診断上の構成において、試験血清は、本発明の方法によって得られる表
面結合抗原を有する固相試薬と反応する。その試薬に特異的な抗原抗体と結合し
、そして洗浄により非結合の血清成分を除いた後、その試薬は、レポーター標識
化抗ヒト抗体と反応し、固体支持体上の結合した抗抗原抗体の量に比例して、試
薬に対してレポーターに結合する。その試薬は、非結合の標識化抗体を除くため
、再び洗浄され、そして試薬に関連する多くのレポーターが決定される。代表的
に、レポーターは、適切な蛍光定量的または比色定量的な基質(Sigma.S
t.Louis.MO)の存在下で固相をインキュベートすることにより検出さ
れる酵素である。
【0353】 上記アッセイにおける固体表面試薬は、高分子ビーズ、ディップスティック(
dip stick)、96ウェルプレートまたはフィルター物質のような固体
支持物質にタンパク質物質を付加するための公知の技術により調製される。一般
的に、これらの付加方法は、支持体へのタンパク質の非特異的吸着または活性化
されたカルボキシル基、ヒドロキシル基、またはアルデヒド基のような固体支持
体上の化学反応基への、代表的には遊離アミン基を介するタンパク質の共有的付
加を含む。あるいは、ストレプトアビジンでコートしたプレートはビオチニル化
抗原と共に用いられ得る。
【0354】 従って、本発明は、この診断方法を実行するためのアッセイ系またはキットを
供給する。このキットは一般に、表面結合した組換え抗原を有する支持体および
表面結合した抗抗原抗体を検出するためのレポーター標識化抗ヒト抗体を含む。
【0355】 本発明のCkβ−7タンパク質特異的抗体のためのさらに適切な標識は、以下
に提供される。適切な酵素標識の例は、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌
ヌクレアーゼ、δ−5−ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナ
ーゼ、α−グリセロールリン酸デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラー
ゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、アスパラギギナーゼ、グル
コースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、
カタラーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼ、お
よびアセチルコリンエステラーゼを含む。
【0356】 適切な放射性同位体の標識の例は、3H、111In、125I、131I、32P、35
14C、51Cr、57To、58Co、59Fe、75Se、152Eu、90Y、67Cu、2 17 Ci、211At、212Pb、47Sc、109Pdなど含む。111Inは、肝臓による
125Iまたは131I標識化モノクローナル抗体の脱ハロゲン化の問題を回避する
ので、それは、インビボの画像化が用いられる場所で好ましい同位体である。加
えて、この放射性ヌクレオチドは、画像化のためのより有利なガンマ放射エネル
ギーを有する(Perkinsら、Eur.J.Nucl.Med.10:29
6−301(1985);Carasquilloら、J.Nucl.Med.
28:281−287(1987))。
【0357】 適切な非放射活性同位体の標識の例は、157Gd、55Mn、162Dy、52Trお
よび56Feを含む。
【0358】 適切な蛍光標識の例は、152Eu標識、フルオレセイン標識、イソチオシアネ
ート標識、ローダミン標識、フィコエリトリン標識、フィコシアニン標識、アロ
フィコシアニン標識、o−フタルデヒド標識、およびフルオレサミン標識を含む
【0359】 適切な毒素標識の例は、ジフテリア毒素、リシン、およびコレラ毒素を含む。
【0360】 化学発光標識の例は、ルミナール(luminal)標識、イソルミナール(
isoluminal)標識、芳香族アクリジニウムエステル標識、イミダゾー
ル標識、アクリジニウム塩標識、シュウ酸エステル標識、ルシフェリン標識、ル
シフェラーゼ標識、およびエクオリン標識を含む。
【0361】 核磁気共鳴対照因子の例は、Gd、Mnおよび鉄のような重金属原子核を含む
【0362】 抗体に上記の標識を結合するための代表的な技術は、Kennedyら、Cl
in.Chim.Acta 70:1−31(1976);およびSchurs
ら、Clin.Chim.Acta 81:1−40(1977)によって提供
される。この後者の中で言及された結合技術方法は、グルタルアルデヒド方法、
過ヨウ素酸方法、ジマレイミド方法、m−マレイミドベンジル−N−ヒドロキシ
−スクシンイミドエステル方法(全ての方法は、本明細書中に参考として援用さ
れる)である。
【0363】 (融合タンパク質) 当業者が理解し、上で議論されたように、免疫遺伝的または抗原的エピトープ
を含む本発明のポリペプチドは、異種ポリペプチド配列と融合し得る。
【0364】 図34に示されるように、Ckβ7−Fc融合は、好酸球カルシウム移動アッ
セイにおいてアンタゴニスト活性を維持する。
【0365】 従って、例えば、本発明のポリペプチドは免疫グロブリン(IgA、IgE、
IgG、IgM)の定常ドメイン、またはそれらの一部分(CH1、CH2、CH 3 、ドメイン全体領域およびそれらの一部分の両方を含む、それらの任意の組合
せ)と融合し得、キメラポリペプチドを生じる。これらの融合タンパク質は、精
製を容易にし、そしてインビボにおいて増加した半減期を示す。このことは、例
えばヒトCD4ポリペプチドの第一の2つのドメインおよび哺乳類免疫グロブリ
ンの重鎖または軽鎖の定常領域の種々のドメインからなるキメラタンパク質に対
して示されている。例えば、EPA 0,394,827;Traunecke
rら、Nature 331:8486(1988)を参照のこと。IgG部分
に起因するジスルフィド結合した二量体の構造を有する融合タンパク質は、他の
分子への結合および中和において、単量体ポリペプチドまたはそれらの単一フラ
グメントよりも、より効果的でもあり得る。例えば、Fountoulakis
ら、J.Biochm. 270:39583964(1995)を参照のこと
。上記のエピトープをコードする核酸はまた、発現されたポリペプチドの検出お
よび精製において援助するためのエピトープタグとして、目的の遺伝子と結合さ
れ得る。
【0366】 同様に、EP−A−O 464 533(カナダの2045869に相当)は
、別のヒトパンパク質またはその部分と共に、免疫グロブリン分子の定常領域の
種々の部分を含む融合タンパク質を開示する。多くの場合、融合タンパク質のF
c部分は、治療および診断において有用であり、そして従って、例えば、改良さ
れた薬物動態学的特性を生じ得る(EP−A 0232 262)。あるいは、
融合タンパク質が発現され、検出され、そして精製された後のFC部を欠失する
ことが所望され得る。例えば、融合タンパク質が免疫化のための抗原として用い
られる場合、Fc部分は、治療および診断を妨げ得る。例えば、薬物開発におい
て、hIL−5のようなヒトタンパク質は、hIL−5のアンタゴニストを同定
する高処理能力スクリーニングアッセイを目的としてFc部分と融合された。(
D.Bennettら、J.Molecular Recognition 8
:52−58(1995);K.Johansonら、J.Biol.Chem
.270:9459−9471(1995)を参照のこと) 本発明のさらなる融合タンパク質は、遺伝子シャッフリング、モチーフシャッ
フリング、エキソンシャッフリング、およびまたはコドンシャッフリング(総称
的に「DNAシャッフリング」といわれる)の技術を介して生成され得る。DN
Aシャッフリングは、配列番号2に対応するポリペプチドの活性を調節するため
に用いられ得、これにより、このポリペプチドのアゴニストおよびアンタゴニス
トを効率的に生成している。一般的に、米国特許第5,605,793号、同第
5,811,238号、同第5,830,721号、同第5,834,252号
、および同第5,837,458号、ならびにPatten.P.A.ら、Cu
rr.Opinion Biotechnol.8:724−33(1997)
;Harayama S、Trends Biolechnol.16(2):
76−82(1998);Hasson L.O.ら、J.Mol.Biol.
287:265−76(1999);およびLorenzo.M.M.and
Blasco R、Biotechniques 24(2):308−13(
1998)(これら特許および刊行物のそれぞれは本明細書により参考として援
用される)を参照のこと。1つの実施形態において、配列番号1に対応し、そし
てポリペプチドに対応するポリヌクレオチドの改変は、DNAシャッフリングに
より達成され得る。DNAシャッフリングは、相同的または部位特異的な組換え
により、本発明の配列番号1のポリヌクレオチドに対応する所望の分子に、2以
上のDNAセグメントの集合体を関連させる。別の実施形態では、配列番号1に
対応するポリヌクレオチドおよび対応するポリペプチドは、組換え前の、間違い
がちなPCRの無作為なヌクレオチド挿入または他の方法による無作為な突然変
異誘発を受けることにより、改変され得る。別の実施形態においては、配列番号
1に対応するコードポリヌクレオチドまたはこれによりコードされるポリペプチ
ドの、1以上の構成要素、モチーフ、断片、部分、ドメイン、フラグメントなど
は、1以上の相同分子の1以上の構成要素、モチーフ、断片、部分、ドメイン、
フラグメントなどと組換えられ得る。
【0367】 任意のCkβ7ポリペプチドは、遺伝子融合タンパク質を産生するために用い
られ得る。例えば、第二のタンパク質に融合された場合、Ckβ7ポリペプチド
は抗原タグとして用いられ得る。Ckβ7ポリペプチドに対して生じた抗体は、
第二のタンパク質をCkβ7に結合することにより間接的に検出するために用い
られ得る。さらに、分泌タンパク質標的細胞の位置は輸送シグナルに基づくので
、このCkβ7ポリペプチドは、一旦、他のタンパク質に融合した標的分子とし
て用いられ得る。
【0368】 Ckβ7ポリペプチドに融合され得るドメインの例は、異種シグナル配列のみ
ならず、他の異種機能的領域をも含む。この融合は、必ずしも直接である必要は
ないが、リンカー配列を介して起こり得る。
【0369】 特定の好ましい実施形態においては、本発明のCkβ7タンパク質は融合タン
パク質を含み、ここではCkβ7ポリペプチドは、上にm〜nとして記載される
ポリペプチドである。好ましい実施形態において、この特許出願は、本明細書中
に記載された特異的なN末端およびC末端のアミノ酸配列の失欠を有するポリペ
プチドをコードしている核酸配列と、少なくとも90%、95%、96%、97
%、98%、または99%が同一である核酸分子に関する。これらのポリペプチ
ドをコードしているポリヌクレオチドもまた、本発明により包含される。
【0370】 さらに、融合タンパク質もまた、Ckβ7ポリペプチドの特性を改良するよう
に設計され得る。例えば、付加的なアミノ酸の領域、特に荷電したアミノ酸は、
宿主細胞からの精製中、またはその後の取り扱いおよび貯蔵中の安定性および持
続性を改良するためにCkβ7ポリペプチドのN末端に付加され得る。ペプチド
部分もまた、精製を容易にするためにCkβ7ポリペプチドに付加され得る。こ
のような領域はCkβ7ポリペプチドの最終調整の前に除去され得る。ポリペプ
チドの取扱いを容易にするためのペプチド部分の付加は、当該分野において、精
通され、そして慣用的な技術である。
【0371】 さらに、本発明のポリペプチドに組換え的に融合または化学的に結合体化(共
有結合および非共有結合の両方を含む)された抗体が、本発明に含まれる。この
抗体は、本発明のポリペプチド以外の抗原に対して特異的であり得る。例えば、
その抗体は、インビトロまたはインビボのいずれかにおいて、特定の細胞表面レ
セプターに特異的な抗体に、本発明のポリペプチドを融合または結合体化するこ
とによって、特定の細胞型に本発明のポリペプチドに標的化するために用いられ
得る。本発明のポリペプチドに融合または結合した抗体は、当該分野において公
知である方法を用いたインビトロの免疫アッセイおよび精製方法において用いら
れ得る。例えば、Harborら、前出、およびWO 93/21232、EP
0 439 095、Naramuraら、Immunol.Lett.39
:91−99(1994);米国特許第5,474,981;Gilliesら
、PNAS 89:1428−1432(1992);Fellら、J.Imm
unol.146:2446−2452(1991)(上記の参考文献は、その
全体が参考として援用される)を参照のこと。
【0372】 本発明は、可変領域とは異なる抗体ドメインに融合または結合した本発明のポ
リペプチドを含む組成物をさらに含む。例えば、本発明のポリペプチドは、抗体
のFc領域またはそれらの部分に、融合または結合し得る。本発明のポリペプチ
ドに融合した抗体部分は、ヒンジ領域、CH1ドメイン、CH2ドメインおよびC
3ドメイン、または全ドメインまたはそれらの部分の任意の組合せを含み得る
。本発明のこのポリペプチドは、インビボにおけるポリペプチドの半減期を増加
するため、または当該分野で公知の方法を用いたイムノアッセイにおける使用の
ために、上記抗体部分に融合または結合され得る。このポリペプチドはまた、多
量体を形成するために上記抗体部分に融合または結合され得る。例えば、本発明
のポリペプチドに融合したFc部分は、Fc部分間でジスルフィド結合を介して
二量体を形成し得る。さらに高い多量体態様はIgAおよびIgMの部分にポリ
ペプチドを融合することにより作成され得る。本発明のポリペプチドを抗体部分
に融合または結合するための方法は、当該分野において公知である。例えば、米
国特許第5,336,603号、同第5,622,929号、同第5,359,
046号、同第5,349,053号、同第5,447,851号、同第5,1
12,946号:EP 0 307 434,EP 0 367 166;WO
96/04388,WO 91/06570,Ashkenaziら、PNA
S 88:10535−10539(1991);Zhengら、J.Immu
nol.154:5590−5600(1995);およびVilら、PNAS
89:11337−11341(1992)(上記参考文献は、その全体が参
考として援用される)を参照のこと。
【0373】 さらに、Ckβ7ポリペプチドは、Ckβ7の精製を容易にするペプチドのよ
うなマーカー配列に融合され得る。好ましい実施形態において、マーカーアミノ
酸配列は、市販で入手可能な多くのものでもとりわけ、pQEベクター(QIA
GEN.Inc.,9259 Eton Avenue.Chatsworth
.CA.91311)において供給されるタグのようなヘキサヒスチジンペプチ
ドである。例えば、Gentzら、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 86:821−824(1989)に記載されるように、ヘキサヒスチジ
ンは、融合タンパク質の簡便な精製を供給する。精製に有用である別のペプチド
タグである「HA」タグは、インフルエンザヘマグルチンタンパク質(Wils
onら、Cell 37:767(1984))由来のエピトープに対応する。
【0374】 上に記載されるように、本発明のポリペプチドは、免疫グロブリンまたはその
部分に融合し得る。ケモカイン融合タンパク質は、インビボにおける増加された
半減期および胎盤を通過する能力のような望ましい特性を有する。他の異種タン
パク質を有するケモカイン−Ig融合物およびケモカイン融合物は、結合し、そ
して活性化する能力、またはケモカインレセプターの活性化を阻害する能力を維
持し得る(Challita−Eid.P.M.ら、AIDS Res.Hum
.Retroviruses 14:1617(1998);Challita
−Eid.P.M.ら、J.Immunol.161:3729(1998)、
Biragyn.A.ら、Nature.Biotech.17:253(19
99))。
【0375】 ケモカイン−異種タンパク質融合は、(Ser−Gly43(Challit
a−Eid.P.M.ら、J.Immunol.161:3729(1998)
)またはNDAQAPKS(Biragyn Aら、Nature Biote
ch.17:253(1999))のようなリンカー配列またはスペーサー配列
に指示され得るか、またはそれらに介され得る。当該分野において周知であるよ
うに、Ig可変領域および/または定常領域の部分は、(Gly3Ser)3Gl
ySer(Biragyn Aら、Nature Biotech.17:25
3(1999))のような配列によってもまた、連結され得る。
【0376】 融合タンパク質のCkβ7活性は、上記および本実施例に記載されるように、
または本章の参考文献に記載されるように、分析され得る。
【0377】 従って、任意の上記融合物は、Ckβ7ポリヌクレオチドまたはポリペプチド
を用いて設計され得る。
【0378】 本発明は、以下の実施例に参考文献とともに、さらに記載される。しかし、本
発明がこのような実施例に限定されないことが、理解されるべきである。
【0379】 (実施例) (実施例1) (細菌発現およびCkβ−7ポリペプチドの精製) 初めに、Ckβ−7 ATCC番号75675をコードするDNA配列を、処
理されたCkβ−7タンパク質(マイナスシグナルペプチド配列)の5’配列に
対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅した。BamHIお
よびXbaIに対応する付加的なヌクレオチドを5’配列および3’配列それぞ
れに付加した。5’オリゴヌクレオチドプライマーは配列:
【0380】
【化6】 (配列番号6)を有し、これは、処理されたタンパク質コドンの推定される末端
アミノ酸から始まる配列をコードするCkβ−7の18ヌクレオチドを伴うBa
mHI制限酵素部位を含む。3’配列:
【0381】
【化7】 (配列番号7)はXbaI部位と相補的配列を含む。
【0382】 以下の特異的Ckβ−7N末端失欠変異体をコードする核酸分子は以下の5’
プライマーを用いてもまた増幅され、それぞれは、Ckβ−7コード配列の18
ヌクレオチドを伴うBamHI制限酵素サイトを含む。 配列番号2のアミノ酸22〜89
【0383】
【化8】 (配列番号8) 配列番号2のアミノ酸23〜89
【0384】
【化9】 (配列番号9) 配列番号2のアミノ酸24〜89
【0385】
【化10】 (配列番号10) この制限酵素部位は、細菌発現ベクターpQE−9(Qiagen.Inc.
,Chatsworth,CA)上の制限酵素部位に対応する。pQE−9は、
抗生物質耐性(Ampr)、細菌の複製起点(ori)、IPTG調節プロモー
ターオペレーター(P/O)、リボソーム結合部位(RBS)、6−Hisタグ
および制限酵素部位をコードする。次いで、BamHIおよびXbaIを用いて
pQE−9を消化した。増幅した配列をpQE−9中へ結合し、そしてヒスチジ
ンタグおよびRBSをコードしている配列とインフレームに挿入した。次いで、
連結混合物をQiagenから入手可能なE.coli株(15/rep4)を
形質転換するために用いた。M15/rep4はlacIリプレッサー発現し、
そしてカナマイシン耐性(Kanr)をもまた、与えるプラスミド(pREP4
)の複数のコピーを含む。LBプレート上で増殖する能力により、形質転換体を
同定し、アンピシリン/カナマイシン耐性のコロニーを選択した。プラスミドD
NAを単離し、制限分析により確認した。形質転換体をLBプレート上でのその
増殖能力により同定し、そしてアンピシリン/カナマイシン耐性コロニーを選択
した。プラスミドDNAを単離し、制限分析により確認した。所望の構築物を含
むクローンは、Amp(100μg/ml)およびKan(25μ/ml)の両
方を、補充されたLB培地における液体培養で一晩(O/N)増殖させた。O/
N後の培養物を用い、1:100〜1:250の割合で大量培養に播種した。細
胞は、0.4と0.6との間の光学濃度600(O.D.600)まで増殖した。
次いで、IPTG(「イソプロピル−B−D−チオガラクトピラノシド」)を最
終濃度1mMまで加えた。IPTGは、lacIリプレッサーを不活性化するこ
とにより、P/Oの除去を引き起こし、増加された遺伝子発現を誘導する。細胞
は、3〜4時間余分に増殖された。次いで、細胞を、遠心分離によって収集した
。細胞ペレットは、カオトロピック剤6MグアニジンHCl中で可溶化した。清
澄後、6−Hisタグを含むタンパク質によりタイトな結合を可能にする条件下
でのニッケルキレート(Nickel−Chelate)カラムのクロマトグラ
フィーにより、この溶液から可溶化Ckβ−7を精製した。Hochuli.E
ら、J.Chromatography 411:177−184(1984)
は、Ckβ−7(純度95%)を6.0MグアニジンHCl(pH 5.0)で
カラムから溶出し、そして復元の目的で、3.0MグアニジンHCl、100m
Mリン酸ナトリウム、10mMグルタチオン(還元型)、および2mMグルタチ
オン(酸化型)に調製した。この溶液中での12時間インキュベーション後、こ
のタンパク質は、10mMリン酸ナトリウムで透析した。
【0386】 (実施例2) (哺乳動物細胞におけるCkβ−7の発現) 哺乳動物細胞における、Ckβ−7タンパク質の一過的発現に使用されるベク
ターのほとんどは、SV40複製起点を有するはずである。このことは、ウイル
スDNA合成の開始に必要なT抗原を発現する細胞(例えば、COS細胞)にお
いて、高コピー数のベクターの複製を可能にする。任意の他の哺乳動物細胞株も
また、この目的に利用し得る。
【0387】 代表的な哺乳動物発現ベクターは、プロモーターエレメント(mRNAの転写
の開始を媒介する)、タンパク質コード配列、および転写の終結および転写物の
ポリアデニル化に必要なシグナルを含む。さらなるエレメントとしては、エンハ
ンサー、ドナーに隣接するKozak配列および介在配列、ならびにRNAスプ
ライシングのためのアクセプター部位が挙げられる。SV40由来の初期および
後期プロモーター、レトロウイルス(例えば、RSV、HTLVI、HIVI)
由来の長末端反復(LTR)ならびにサイトメガロウイルス(CMV)の初期プ
ロモーターで非常に有効な転写を達成し得る。しかし、細胞シグナルもまた使用
され得る(例えば、ヒトアクチンプロモーター)。本発明の実施における使用に
適切な発現ベクターとしては、例えば、pSVLおよびpMSG(Pharma
cia、Uppsala、Sweden)、pRSVcat(ATCC 371
52)、pSV2dhfr(ATCC 37146)、ならびにpBC12MI
(ATCC 67109)のようなベクターが挙げられる。使用し得る哺乳動物
宿主細胞としては、ヒトHeLa、283、H9およびJurkart細胞、マ
ウスNIH3T3およびC127細胞、Cos1、Cos7およびCV1、アフ
リカミドリザル細胞、ウズラQC1−3細胞、マウスL細胞、ならびにチャイニ
ーズハムスター卵巣細胞が挙げられる。
【0388】 あるいは、遺伝子は、染色体に取り込まれるその遺伝子を含む安定な細胞株に
おいて発現され得る。選択マーカー(例えば、dhfr、gpt、ネオマイシン
、ハイグロマイシン)との同時トランスフェクションは、トランスフェクト細胞
の同定および単離を可能にする。
【0389】 トランスフェクトされた遺伝子はまた、増殖されて大量のコードされるタンパ
ク質を発現し得る。DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼ)は、目的の遺伝子の
数百または数千ものコピーを有する細胞株を開発するのに有用なマーカーである
。別の有用な選択マーカーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Mu
rphyら、Biochem.J.227:277−279(1991);Be
bbingtonら、Bio/Technology 10:169−175(
1992))。これらのマーカーを使用して、哺乳動物細胞を選択培地において
増殖させ、そして最も高い耐性を有する細胞を選択する。これらの細胞株は染色
体に取り込まれる増幅遺伝子(単数または複数)を含む。チャイニーズハムスタ
ー卵巣(CHO)細胞は、タンパク質の産生にしばしば使用される。
【0390】 発現ベクターpC1およびpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモータ
ー(LTR)(Cullenら、Molecular and Cellula
r Biology,438−447(1985年3月))およびCMVエンハ
ンサーのフラグメント(Boshartら、Cell 41:521−530(
1985))を含む。複数のクローニング部位(例えば、制限酵素切断部位Ba
mHI、XbaI、およびAsp718を有する)は、目的の遺伝子のクローニ
ングを容易にする。ベクターはさらに、ラットプレプロインシュリン遺伝子の3
’イントロン、ポリアデニル化シグナル、および終結シグナルを含む。
【0391】 (COS細胞中の組換えCkβ−7の発現) プラスミドCMV−Ckβ−7 HAの発現は、ベクターpcDNAI/Am
p(Invitrogen)に由来し、このベクターは、1)SV40複製起点
、2)アンピリシン耐性遺伝子、3)E.coli複製起点、4)CMVプロモ
ーター続いてポリリンカー領域、SV40イントロンおよびポリアデニル化部位
、を含む。Ckβ−7前駆体の全体およびその3’末端へインフレームで融合さ
れたHAタグをコードするDNAフラグメントは、このベクターのポリリンカー
領域へクローン化され、従って、この組換えタンパク質発現は、CMVプロモー
ターの下で、指向される。エピトープに対応するHAタグは、以前に記載された
(Wilson,Hら、Cell 37:767(1984))ようにインフル
エンザ赤血球凝集素タンパク質に由来する。標的タンパク質へのHAタグの注入
は、HAエピトープを認識する抗体を用いる組換えタンパク質の容易な検出を可
能にする。
【0392】 プラスミド構築方法は以下に記載される: Ckβ−7をコードするDNA配列ATCC番号75675は、2つのプライ
マーを使用してPCRにより構築される:5’プライマー: 5’−GGAAAGCTTATGAAGGGCCTTGCAGCTGCC−3’
(配列番号11) は、開始コドンから始まる、HindIII部位、続いてCkβ−7コード配列
の22のヌクレオチドを含む:3’配列: 5’−CGCTCTAGATCAAGCGTAGTCTGGGACGTCGTA
TGGGTAGGCATTCAGCTTCAGGTC−3’(配列番号12) は、XbaI部位、翻訳終結コドン、HAタグおよびCkβ−7コード配列(停
止コドンは含まない)の最後の19のヌクレオチドに対して相補的な配列を含む
。従って、PCR産物は、HindIII部位、Ckβー7コード配列、続いて
、フレームで融合したHAタグ、HAタグの次の翻訳終結コドンおよびXbal
部位を含む。PCR増幅したDNAフラグメントおよびベクターであるpcDN
AI/Ampは、HindIIIおよびXbaI制限酵素を用いて消化、および
連結される。この連結混合物は、E.coli株SURE(Stratagen
e Cloning System,La Jolla,CA、から入手可能)
へ形質転換され、この形質転換された培養は、アンピシリン培地プレートに置か
れ、そして耐性コロニーが、選択される。プラスミドDNAを、形質転換体から
単離し、そして正確なフラグメントの存在について制限分析により試験する。組
換えCkβ−7の発現のために、COS細胞を、DEAE−DEXTRAN法(
J.Sambrook、E.Fritsch,T.Maniatis,Mole
cular Cloning:A Laboratory Manual,Co
ld Spring Laboratory Press,(1989))によ
り、発現ベクターを用いてトランスフェクトする。Ckβ−7−HAタンパク質
の発現を、放射標識および免疫沈降法(E.Harlow,D.Lane,An
tibodies:A Laboratory Manual,Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press,(1988))
により、検出する。細胞を、トランスフェクションの2日後、35S−システイン
を用いて8時間標識する。次いで、培養培地を収集し、そして細胞を界面活性剤
(RIPA緩衝液(150mM NaCl、1% NP−40、0.1% SD
S、1% NP−40、0.5% DOC、50mM Tris、pH7.5)
)で溶解する(Wilson,H.ら、Cell 37:767(1984))
。細胞溶解物および培養培地の両方を、HA特異的モノクローナル抗体を用いて
、沈殿させる。沈殿したタンパク質を、15%のSDS−PAGEゲル上で分析
する。
【0393】 (CHO細胞におけるクローニングおよび発現) ベクターpC1を、CKβ−7タンパク質の発現のために使用する。プラスミ
ドpC1は、プラスミドpSV2−dhfr(ATCC受託番号37146)の
誘導体である。両方のプラスミドは、SV40初期プロモーターの制御下で、マ
ウスDHFR遺伝子を含む。これらのプラスミドでトランスフェクトされている
ジヒドロ葉酸活性を欠如するチャイニーズハムスター卵巣細胞または他の細胞は
、化学療法剤メトトレキサートを補充した選択培地(αマイナスMEM、Lif
e Technologies)中で細胞を増殖させることによって選択され得
る。メトトレキサート(MTX)に耐性である細胞におけるDHFR遺伝子の増
幅は、十分に考証されている(例えば、Alt,F.W.、Kellems,R
.M.、Bertino,J.R.、およびSchimke,R.T.、197
8,J.Biol.Chem.253:1357−1370、Hamlin,J
.L.およびMa,C.1990,Biochem.et Biophys.A
cta,1097:107−143;Page,M.J.およびSydenha
m,M.A.1991,Biotechnology 第9巻:64−68を参
照のこと)。漸増濃度のMTXにおいて増殖した細胞は、DHFR遺伝子の増幅
の結果として、標的酵素DHFRを過剰産生することによって薬物に対する耐性
を生じる。第2の遺伝子がDHFR遺伝子と連結される場合、通常、同時増幅さ
れ、そして過剰発現される。この遺伝子の1,000を超えるコピーを保有する
細胞株を生ずることは、最新技術である。続いて、メトトレキサートが取り除か
れる場合、細胞株は染色体に組み込まれた増幅遺伝子を含む。
【0394】 プラスミドpC1は、目的の遺伝子の発現のために、ラウス肉腫ウイルスの長
末端反復(LTR)の強力なプロモーター(Cullenら、Molecula
r and Cellular Biology,1985 3月:438−4
470)、およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)(Boshartら、C
ell 41:521−530 1985)の前初期遺伝子のエンハンサーから
単離されたフラグメントを含む。プロモーターの下流は、遺伝子の組み込みを可
能にする以下の単一の制限酵素切断部位である:BamHI、続いて3’イント
ロンおよびラットプレプロインシュリン遺伝子のポリアデニル化部位。他の高効
率プロモーター(例えば、ヒトβアクチンプロモーター、SV40初期もしくは
後期プロモーター、または他のレトロウイルス(例えば、HIVおよびHTLV
I)由来の長末端反復もまた、発現のために使用され得る。mRNAのポリアデ
ニル化のために、他のシグナル(例えば、ヒト成長ホルモンまたはグロビン遺伝
子由来)も、同様に使用され得る。
【0395】 染色体に組み込まれた目的の遺伝子を保有する安定な細胞株もまた、選択可能
なマーカー(例えば、gpt、G418、またはハイグロマイシン)との同時ト
ランスフェクションの際に選択され得る。最初は、1つより多い選択可能なマー
カー(例えば、G418およびメトトレキサート)を使用することが、有利であ
る。
【0396】 プラスミドpC1を、制限酵素BamHIで消化し、次いで仔ウシ腸ホスファ
ターゼを用いて、当該分野で公知の手順によって脱リン酸化する。次いで、ベク
ターを、1%アガロースゲルから単離する。
【0397】 CKβ−7(ATCC番号75675)をコードするDNA配列を、遺伝子の
5’および3’配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増
幅する。
【0398】 5’プライマーは以下の配列:
【0399】
【化11】 (配列番号13)を有し、この配列は、下線を付したBamHI制限酵素部位お
よび図1のCkβ―7タンパク質をコードする配列(配列番号1)の一部を含む
。以下に記載のように、発現ベクターの中へ挿入されると、ヒトCkβ―7をコ
ードする増幅されたフラグメントの5’末端は、有効なシグナルペプチドを提供
する。Kozak,M.,J.Mol.Biol,196:947−950(1
987)に記載されるように、真核生物細胞における翻訳の開始のための有効シ
グナルは、構築物のベクター部分に適切に配置される。
【0400】 この3’プライマーは、以下の配列:
【0401】
【化12】 配列番号14を有し、この配列は、Asp718制限部位に続いて、図1(配列
番号1)に示される、停止コドンを含む、CKβ―7コード配列の一部に相補的
なヌクレオチドを含む。
【0402】 増幅したフラグメントを、上記のように、1%アガロースゲルから単離し、次
いでエンドヌクレアーゼであるBamHIおよびAsp718で消化し、次いで
1%アガロースゲル上で再度精製する。
【0403】 次いで、単離したフラグメントおよび脱リン酸化ベクターを、T4 DNAリ
ガーゼで連結する。次いで、E.coli HB101細胞を形質転換し、そし
て制限酵素BamHIを用いて正確な配向に挿入されたプラスミドpC1を含む
細菌を同定する。挿入された遺伝子の配列を、DNA配列決定により確認する。
【0404】 (CHO−DHFR−細胞のトランスフェクション) 活性なDHFR酵素を欠失するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、トランス
フェクションのために使用する。5μgの発現プラスミドC1を、リポフェクチ
ン法(Felgnerら、前出)を用いて、0.5μgのプラスミドpSVne
oとともに同時トランスフェクトする。プラスミドpSV2−neoは、優性選
択マーカー(G418を含む一群の抗生物質に対する耐性を与える酵素をコード
するTn5由来のneo遺伝子)を含む。細胞を、1mg/mlのG418を補
充したαマイナスMEMに播種する。2日後、細胞をトリプシン処理し、そして
ハイブリドーマクローニングプレート(Greiner, Germany)中
に播種し、10〜14日培養する。この期間の後、単一のクローンをトリプシン
処理し、次いで異なる濃度のメトトレキサート(25nM、50nM、100n
M、200nM、400nM)を用いて、6ウェルペトリ皿に播種する。次いで
、最高濃度のメトトレキサートで増殖するクローンを、さらに高濃度のメトトレ
キサート(500nM、1μM、2μM、5μM)を含む新たな6ウェルプレー
トに移す。同じ手順を、クローンが100μMの濃度に増殖するまで繰り返す。
【0405】 所望の遺伝子産物の発現を、ウェスタンブロット分析およびSDS−PAGE
によって分析する。
【0406】 (実施例3) (Ck−β欠失変異体の機能的活性のアッセイ) Ck−β欠失変異体ポリペプチドは、種々の方法を用いて、機能的活性につい
てのアッセイであり得る。これらの方法のいくつかは、以下に示される。
【0407】 (カルシウムフラックスアッセイ) 本発明のCkβ−7ポリペプチドを、以下のアッセイによるさまざまな細胞型
における、Ca++フラックスを誘導するそれらの能力について、試験し得る。
【0408】 単球、リンパ球および好中球を、ドナー血液軟膜から単離する。好酸球および
好塩基球を健康なボランティアの新鮮な静脈血から精製する。
【0409】 サイトゾルを含まないCa++濃度(「Ca++」i)の変化、および酵素の放出を
、フラ−2アセトキシメチルエステルを有する細胞(106細胞あたり0.2n
mol)を、136mM NaCl、4.8mM KCl、1mM CaCl2
、5mM グルコース、および20mM Hepes、pH7.4、ならびに1
〜1000nMのCkβ−7ポリペプチド単独を含む培地中で、20分間、37
℃でのインキュベーションによるローディングの後に、モニターするか、または
MCP−3、MCP−4、RANTES、Eotaxin、Eotaxin−2
もしくはMIP−1αと比較する。ロードした細胞を洗浄し、そして同じ培地(
106細胞/ml)に再懸濁し、そして [Ca++]i関連した蛍光の変化を観察す
る。レセプターの除感作を、連続ケモカイン刺激の後の[Ca++]i変化をモニタ
リングすることにより、試験する。
【0410】 細胞内カルシウム濃度を測定するための類似の方法は、Nibbsら、J.B
io.Chem.272:12495−12504に開示され、これは本明細書
中でその全体が参考として援用される。
【0411】 (インビトロ走化性アッセイ) 細胞を洗浄し、そしてカルセイン(calcein)−AMで標識し、そして
ポリカーボネートフィルター(5〜8mの細孔サイズ:PVPを含まない)によ
り分離した96ウェル使い捨て走化性プレート(NeuroProbe,Cab
in John,MD)の上部チャンバへと分配する。リンパ球を90分間(好
酸球では3時間)遊走させ、次いで、遊走した細胞(フィルターへの付着および
チャンバの底の付着の両方)の数を、Cytofluor II蛍光プレートリ
ーダー(Perspective Biosystem)を用いて計数する。走
化性アッセイの値とは、使用された種々の因子を用いて観測されたバックグラウ
ンドを超える倍力した誘導(foldinduction)のことをいう、走化
性指標として報告される。
【0412】 (他のCCR3アッセイ) 国際特許出願第PCT/US97/17103号
は、CCR3レセプターとそのリガンドとの間の相互作用を決定するための多く
のアッセイを開示する。このようなアッセイは、代表的な最先端技術である。こ
のようなアッセイは、本明細書中において、CKβ−7ポリペプチドの生物学的
活性を決定するための使用を見出す。従って、PCT/US97/117103
は本明細書中でその全体が参照として援用される。
【0413】 (実施例4) (β−ケモカインMIP4によるCCR3拮抗作用、アミノ末端アラニン−メ
チオニン交換により強力に増強された特性) 白血球の血液から組織への移動および組織を通しての移動は、微生物および他
の病原体による侵襲から体を保護するそれらの機能を実行するために、これらの
細胞にとって不可欠である。このプロセスは、付着分子と走化性因子との間の複
雑な相互作用を要求し、そして感染または損傷の検出の際に迅速に応答し得る(
Springer,T.A.,Cell 76:301(1994))。このプ
ロセスにおける異常性は、組織内での不適当な流入および白血球の活性化により
特徴付けられる、多くの疾患(例えば、自己免疫、慢性炎症性疾患、およびアレ
ルギー)の病状と関連する。
【0414】 多くの分子が白血球の走化性を刺激し得るが、ケモカインは、炎症の確立およ
び免疫応答の両方の間に、ならびに免疫サーベイランスおよび血液系の発達の間
にも、造血細胞の移動を調節することにおいて中心的な役割を果たすことが明か
となった(Rollins.B.J.,Blood 90:909(1997)
;Baggiolini,M.,Nature 392:565(1998);
Nagasawa.T.ら、Nature 382:635(1996))。近
年、これらのタンパク質はまた、他の細胞型(例えば、造血基幹細胞、ミクログ
リア、ニューロンおよび内皮細胞)の生物学(Graham,G.J.ら、Na
ture 344:422(1990);Harrison,J.K.ら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 95:10896(1998);
Tachibana.K.ら、Nature 393:591(1998);Z
ou,Y.−R.ら、Nature 393:595(1998))に関連して
いる。ケモカインは、成熟したタンパク質の第1の2つのシステイン残基の位置
を基準として、4つのサブファミリーへ分割される。従って、CCまたはβケモ
カインにおいて、これらの2つの残基は、並列しているが、CXC(またはα)
およびCX3Cケモカインは、1つおよび3つのアミノ酸をこれらの2つのシス
テインの間にそれぞれ有する。Cサブファミリーは、この位置で単一のシステイ
ンのみを有する。
【0415】 これらのタンパク質の生物学的効果は、標的細胞上に存在するレセプターに結
合された7らせん状のG−タンパク質と細胞表面のファミリーとの相互作用によ
り媒介される(Murphy,P.M.,Cytokine and Grow
th Factor Reviews 7:47(1996);Premack
,B.A.および Schall,T.J.Nature Med.2:117
4(1996))。これらのレセプターは、しばしば非常に乱交雑であり、多く
のケモカインリガンドと相互作用し、通常同じケモカインサブファミリーに由来
する。これは、認識されるリガンドファミリーに依存して、CCR、CXCR、
CX3CRまたはXCRと名づけられるレセプターを誘導する。(Murphy
,P.M.,Cytokine and Growth Factor Rev
iews 7:47(1996);Premack,B.A.および Scha
ll,T.J.,Nature Med,2:1174(1996);Imai
,T.ら、Cell 91:521(1997);Yoshida,T.ら、J
.Biol.Chem.273:16551(1998))。これらのタンパク
質における関心は、最近2、3年で深まっており、多くのケモカインレセプター
は、特にCXCR4およびCCR5において、およびより小さい程度でCCR3
において、その標的細胞の中へのHIVの侵入のための補助レセプターとして作
用し、これらのレセプターについてのリガンドは、ウィルスの侵入に干渉するこ
との実証(Clapham,P.R.,Trends Cell Biol.
7:264(1997);Cairns,J.S.および D’Souza,M
.P.,Nature Med.4:563(1998))を伴う。
【0416】 寄生生物およびアレルゲン誘導性炎症は、好酸球、Th2型のTリンパ球およ
び時折、好塩基球が組織内へ浸透することにより、特徴付けられる(Welle
r,P.F.,N.Engl.J.Med.324:1110(1991);T
eixeira,M.M.ら、Trends in Pharm.Sci.16
:418(1995))。CCケモカインレセプター,またはβケモカインレセ
プターCCR3は、これらの細胞型上で特異的に発現され、そしてそれらの浸透
において中心的役割を果たす(Uguccioni,M.ら、J.Clin.I
nvest.100:1137(1997);Sallusto,F.ら、Sc
ience 277:2005(1997);Sallusto,F.ら、J.
Exp.Med.187:875(1998);Gerber,B.O.ら、C
urr.Biol.7:836(1997);Bonecchi.R.ら、J.
Exp.Med.187:129(1998))。CCR3リガンドエオタキシ
ン、エオタキシン−2、MCP3、MCP4またはRANTESの局所生産に応
答して、これらの細胞は、血液導管内皮へ付着し得、そして血液導管内皮を通っ
て、移動し得る(Ponath,P.D.ら、J.Exp.Med.183:2
437(1996);Daugherty,B.L.ら、J.Exp.Med.
183:2349(1996);Garcia−Zapeda,E.A.ら、J
.Immunol.157:5613(1996);Uguccioni,M.
ら、J.Exp.Med.183:2379(1996);Forssmann
,U.ら、J.Exp.Med.185:2171(1997);Kitaya
ma,J.ら、J.Clin.Invest.101:2017(1998))
。好酸球および好塩基球による引き続く顆粒放出は、組織構造および完全性にお
いて変化をもたらし、しばしば、不可逆的な損傷を引き起こす(Weller,
P.F.,N.Engl.J.Med.324:1110(1991))。細胞
の補充をブロックする治療法は、アレルギー性の疾患(例えば、喘息および接触
皮膚炎)において有用であり、そしてCCR3レセプターの特異的標的化は、ス
テロイドのような白血球の走化性を無差別に阻害する薬剤を越える考慮すべき利
点を有し得る。実際に、相同組換えによるエオタキシンの欠失、この配位子に対
する抗体を中和の使用、またはケモカインレセプターアンタゴンスト、Met−
RANTESの注入は、種々の動物モデルにおいて、アレルギー炎症を改善する
ことを実証している(Rothenberg,M.E.ら、J.Exp.Med
.185:785(1997);Teixeira,M.M.ら、J.Clin
.Invest.100:1657(1997);Matthews,A,N.
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:6273(199
8);Gonzalo,J.−A.ら、J.Exp.Med.188:157(
1998);Elsner,J.ら、Eur.J.Immunol.27:28
92(1997))。
【0417】 本発明者は、Met−Ckβ7と呼ばれる強力なCCRアンダコニスト、本明
細書中でMIP4として言及されるβ−ケモカインの改変された形態、あるいは
PARK、DCCKl、またはAMAClと呼ばれる、強力なCCR3アンダコ
ニスト(Adema,G.J.ら、Nature 387:713(1997)
;Hieshima,K.ら、J.Immunol.159:1140(199
7);Wells,T.N.C.およびPeitsch,M.C.,J.Leu
kocyte Biol.61:545(1997);Kodelja,V.ら
、J.Immunol.160:1411(1998))を生成した。Met−
Ckβ7は、Met−RANTESまたはアミノオキシペンタン(AOP)−R
ANTESよりもCCR3アンダコニストとして有意により強力であり(Els
ner,J.ら、Eur.J.Immunol.27:2892(1997);
Proudfoot,A.E.I.ら、J.Biol.Chem.271:25
99(1996);Simmons,G.ら、Science 276:276
(1997);Mack,M.ら、J.Exp.Med.187:1215(1
998))、そしてこれらのタンパク質と違って、Met−Ckβ7は、検出可
能な部分的アゴニスト活性を示さない。さらに、Met−Ckβ7は、CCR3
に対して非常に特異的である。この新規のアゴニストは、1nMと同程度に低い
濃度で完全に好酸球走化性を阻止し得る。驚いたことに、非改変型のMIP4タ
ンパク質(現在同定されてないレセプターを介して作用するネイティブのT細胞
化学誘引物質として作用することが報告されている)はまた、本出願人らのアッ
セイにおいてCCR3のアンダコニスト活性を示すが、Met−Ckβ7よりも
かなり低い影響を及ぼす。従って、Met−Ckβ7における改変、および最終
的なアミノ終端でのアラニンの代わりにメチオニンの特異的な導入は、非改変型
タンパク質中に存在する特質を増強する。興味深いことに、MIP4はCCR3
で媒介された好酸球走化性を、生理学的に関連する濃度で阻害し得る。MIP4
の生物学的機能に関する、この観測の有意性を、議論する。
【0418】 (材料および方法) (Met−Ckβ産生および他のケモカイン) Ckβ7のコード配列は、プライマーを用いて、成人のヒト肺cDNAライブ
ラリーから増幅して、シグナルペプチドを除去し、そして成熟タンパク質におい
て見られるN−末端アラニンをメチオニンと置換した。C−終端をコードするヌ
クレオチドは、LKLMPEA(Met−Ckβ7*)またはLKLNA(Me
t−Ckβ7)のいずれかをコードするように改変され、そして両方のcDNA
は、pQE7発現ベクターへクローン化された。生じたプラスミドは、アンピシ
リンおよびカナマイシンならびに0.2mMのIPTGで3時間のインキュベー
ションにより誘導されたタンパク質を含むLB中、37℃で増殖されたE.co
li M15Rep4宿主細胞へ形質転換された。細胞を収集し、ET緩衝液(
75mM EDTA、50mM Tris pH7.5)中に再懸濁し、そして
6000〜8000psiで、マイクロフルイダイザー(microfluid
izer)(Microfluidics,Newton,MA)を2回通過さ
せることにより溶解させた。NaClを0.5Mまで加え、そしてこの試料を1
5分間7000gで遠心分離した。このペレットをETおよび0.5M NaC
lで洗浄し、そして15分間7000gで再び遠心分離した。これらの部分的に
精製された封入体を、1.5M グアニジン塩酸、50mM Tris(pH7
.4)で再懸濁し、4℃で一晩インキュベートし、次いで30000gで遠心分
離した。上清を20容量の150mM NaCl、2mM EDTA、50mM
酢酸ナトリウム(pH4.5)中で、4℃で30分間激しく混合し、そして4
℃、60時間放置した。この溶液を0.16μm立体フィルター(Filtro
n,Pall Corporation,NY)を用いて清澄化し、そして6カ
ラム容量の、250mM NaCl、40mM 酢酸ナトリウム(pH5.5)
で予洗した強カチオン交換カラム(Poros HS−50、Perspect
ive Biosystems,Framingham,MA)を通してクロマ
トグラフした。結合したタンパク質を40mMの酢酸ナトリウム(pH5.5)
中で、3〜5カラム容量0.5M、1M、1.5MのNaClの段階的勾配を用
いて、溶出した。陽性画分をプールし、40mM 酢酸ナトリウム(pH5.5
)を用いて3倍に希釈し、そして150mM NaCl、40mM 酢酸ナトリ
ウム(pH5.5)を用いて予じめ洗浄した、直列型の一組の強アニオン(Po
ros HQ−50)交換カラムおよび弱カチオン(Poros CM−20)
交換カラムへアプライした。CM−20カラムを10〜20カラム容量の、直線
的勾配の0.15〜1.25M NaClを用いて溶出し、画分を、SDS−P
AGEを通して分析し、そして陽性の画分を組み合わせた。このタンパク質は、
SDS−PAGE分析および逆相HPLC分析により95%の純度より大きかっ
た。ペプチド配列は、予想したアミノ−末端のMQVGTNKELを示した。
【0419】 Met−RANTESおよびアミノオキシペンタン(AOP)−RANTES
を、以前に記載されたように生成した(Proudfoot,A.E.ら、J.
Biol.Chem.271:2599(1996):Simmons,G.ら
、Science 276:276(1997))。MIP4を含む、すべての
他のケモカインを、Peprotech,London,UKまたはR&D S
ystems,Abingdon,UK.から購入した。
【0420】 (細胞培養および調製) ヒトCCR3を安定に発現するHOS細胞は、Dr.Nathaniel L
andau(Salk Institute,La Jolla,CA)の惜し
みなく与えられた贈り物であり、そしてこの細胞を10%の胎仔ウシ血清抗生物
質ならびに1μg/mlのピューロマイシン(Sigma,Poole,Dor
set,UK)を加えたDMEM中で維持した。ヒトCCR1、CCR2、CC
R3、およびCCR5を安定に発現するHEK293細胞を、製造者のプロトコ
ルに従って、トランスフェクタム(Promega,Southampton,
UK)を用いる、トランスフェクションおよび0.8mg/mlのG418にお
ける選択によって生成した。ヒトD6を発現するCHO細胞を他の箇所に記載す
る(Nibbs,R.J.B.ら、J.Biol.Chem.272:3207
8(1997))。
【0421】 好酸球を、以前に記載した(Hansel,T.T.ら、J.Immunol
.Methods 145:105(1991))ように、または抹消血から顆
粒球を精製すること、およびMACS技術(Militenyi Biotec
.Bergisch.Germany)を用いてCD16ネガティブであるそれ
らの細胞を選択することにより、単一ドナー白血球(leucopaks)(A
merican Red Cross.Baltimore.MD)から精製し
た。好酸球は、染色された細胞スパン(cytospun)調製物上で評価され
た場合、90%の純度より大きかった。
【0422】 単球を、末梢血のサンプル(Western Infirmary,Glas
row)から精製した。少なくとも100U/mlの保存剤を含まないヘパリン
を含む血液は、0.6%のACD(Acid Citrate Dextros
e.Sigma)を含むPBSを用いて1:4に溶出した。これを、3:1の比
にFicoll(1.077の密度)に渡って重層し、そして22℃で30分間
、400gで遠心分離した。単球を界面から除去し、そしてPBS/0.6%A
CD中で3回洗浄した。
【0423】 T細胞を精製しそして活性化するために、ヘパリン処理した血液は、健康なド
ナーから収量され、フィコール−ハイパークで分離され、そしてPBS中で4回
洗浄した。次いで、これらの細胞は、RPMI/10%FCS中で37℃で2時
間プラスチックへ付着させ、そして非付着細胞は、次いで、4μg/mlのコン
カナバリンA(Sigma)中で5日間刺激した。次いで、細胞を上記のように
フィコール−ハイパークで再精製し、そして7〜14日間、20U/mlのIL
2(Peprotech)中、106細胞/mlで刺激した。CD3+細胞およ
びCD45RA+細胞を、各々抗CD3抗体および抗RA抗体をそれぞれ用いて
、ならびにMACS技術を用いて(上記のように単離された)PBMCから陽性
な選択により精製した。純度は、FACS分析により決定した場合、95%より
大きかった。
【0424】 (Ca2+フラックスアッセイ) HOS−hCCR3細胞を、トリプシン処理によって収集し、SR緩衝液(1
36mM NaCl、4.8mM KCl、5mM グルコース、1mM Ca
Cl2、0.025%のBSA、25mM HEPES(pH7.6))で洗浄
し、次いで、37℃1時間、10μMのFura−2−AM(Sigma)を用
いてSR中でインキュベートした。細胞を、次いで、SR中で洗浄し、SR中で
約2×106細胞/mlまで再懸濁し、そして2mlをPerkin−Elme
r LS50 Spectrometer中の、連続撹拌キュベットにおいて3
7℃でインキュベートした。2分後に、蛍光発光を、20〜40秒の間、100
ミリ秒毎に記録し(340nm(λex):500nm(λem))、アゴニストま
たはアンタゴニストを規定された濃度まで加え、そしてさらに80〜120秒間
100ミリ秒毎に蛍光を記録した。アゴニストの容量応答実験に関して、日々の
実験の変動を避けるために、すべてのリガンドをヒトのエオタキシンを用いて行
った完全な容量応答と比較した。末梢血単核細胞およびリンパ球をまた、ロード
し、そしてこの手順を用いて分析した。
【0425】 好酸球を、修正されたSR緩衝液(125mM NaCl、5mM KCl、
0.5mM グルコース、1mM MgCl2、1mM CaCl2、0.025
%のBSA、20mM HEPES(pH7.4))中で、2μM Fura−
2−AMを用いて、室温で、30分間ロードし、洗浄し、そして106細胞/m
lに再懸濁した。2mlのサンプルからの細胞内Ca2+濃度の変化は、37℃
で経時的に蛍光発光をモニタリングすることにより、F2000分光器(Hit
achi Instruments Inc.,San Jose.CA)にお
いて測定した(340nmおよび380nM(λex):510nm(λem))。
【0426】 すべての実験において、ベースライン発光からフラックスの最高点までの距離
を計算し、そして各実験において、誘導された最大フラックスの割合へと変換し
た。
【0427】 (好酸球走化性アッセイ) 精製した好酸球をHBSS/BSA(ハンクス平衡塩類溶液 0.1%BSA
を有する)で洗浄し、そして1μM カルセイン−AM(Molecular
Probes Eugene,OR)を有するこの培地に5×106細胞/ml
で、再懸濁した。37℃で30分後、細胞をHBSS/BSA中で洗浄し、5×
106細胞/mlに再懸濁し、そしてこの懸濁物の20μlを96ウェル走化性
プレートフィルター(Neuro Probe. Cabin John. M
D)の各々の上部のチャンバに分配した。異なる濃度のアゴニストを、下部チャ
ンバへ添加し、そしてアンタゴニストを下部チャンバ、上部チャンバおよび下部
のチャンバのいずれかへ添加するか、またはいずれのチャンバへも添加しない。
細胞を2つのチャンバの間のポリカーボネートフィルター(8μM 細孔:ポリ
ビニルピロリドンを含まない)を通して3時間遊走させ、そして下部チャンバ中
における遊走した細胞の数を蛍光プレートリーダー(Cytofluor Pe
rSeptive Biosystems)を用いて、定量した。アゴニストの
存在下で遊走した細胞の数と緩衝液単独中で遊走した細胞の数との間の比を走化
性指標として規定する。
【0428】 (Met−Ckβ7*の放射性ヨウ素化)5μgのMet−Ckβ7*を、1
00μgのIODO−GEN(Pierce、Rockford、IL)および
ImCiNa125I(DuPontNEN)を含む、50μlのPBS中で、1
5分間氷上でインキュベートした。次いでこの反応物を、D−塩エクセルロース
脱塩カラム(D−Salt Excellulose Desalting C
olumn)(40〜100ミクロン)に流し込み、そして0.5mlずつのフ
ラクションを、PBSとともに取った。このフラクションの2μlのアリコート
を、Beckman Gamma5500B計数管でカウントし、そして陽性の
フラクションを合わせた。
【0429】 (好酸球125I−ケモカイン結合アッセイ)2×105の精製された好酸球を、
結合緩衝液(1mMのCaCl2、5mMのMgCl2、0.5%のBSA、0.
05%のアジ化ナトリウム、50mMのHepe(pH7.5))中で、96ウ
ェルプレートのそれぞれのウェルに配置した。ヨウ素化ケモカイン(最終濃度0
. 1nMの125I−エオタキシン(eotaxine)または125I−MCP4、特
異的活性2200Ci/mmol(NEN、Boston、MA))を、非標識
ケモカインの非存在下または存在下で加え、最終体積を100μlにした。この
結合反応を、60分間室温でインキュベートし、次いで細胞を、0.1%のポリ
エチレンイミンで前処理された濾過プレート(loprodyne膜(Nalg
e Nunc、Rochester、NY)を有するSilent Scree
n)に移し、そして0.5M NaClを含む結合緩衝液で3回洗浄した。この
プレートを、乾燥し、そして50μlの液体シンチラント(scintilla
nt)を各ウェルに加えた後、カウントした。各々の点を3回ずつカウントし、
標準誤差とともにこれらの結果の平均として表す。125I−Met−Ckβ7*
用いる実験については、2×105の好酸球を、DMEMを加えた10%ウシ胎
児血清、0.4%アジ化ナトリウムおよび45nMの125I−Met−Ckβ7* を含む20mMのHepe(pH7.6)中で、そして競合物として500nM
の非標識ケモカインとともにまたは伴わずに、2時間室温でインキュベートした
。次いで細胞を氷冷PBSで2回洗浄し、そしてBeckman Gamma5
500B計数管でカウントした。各々の点を3回ずつカウントし、標準誤差とと
もにこれらの結果の平均として表す。
【0430】 (結果) (Met−Ckβ7*生産)本発明者らは、以前cDNAクローン、Ckβ7
またはMIP4を、成人ヒト肺cDNAライブラリーから増幅した(米国特許第
5,504,003号を参照のこと。)。QVGT−もまた生産され得るが、予
測アルゴリズムは、推定シグナルペプチドが、このタンパク質から切断され、A
QVGT−で始まるアミノ末端を残すということを示唆する。TNKEL−また
はNKEL−で開始する可変性の量の短縮型変異体もまた、本発明者らの研究に
おいて見出されたが、昆虫細胞での産生は、N−末端にAQVGTNKEL−を
有するタンパク質を生成した。この同質なN−末端を有するタンパク質をインビ
トロで産生するために、cDNA構築物、Met−Ckβ7*を、生成した。こ
こでシグナル配列をコードする領域を除去し、そして成熟タンパク質の推定N−
末端でアラニン残基をコードするヌクレオチドを、メチオニンをコードするAT
Gと置換した。このcDNAを、細菌および精製されたタンパク質(材料および
方法を参照のこと)に形質転換した。配列決定は、MQVGT−という予想され
たN−末端を明らかにした。
【0431】 Met−Ckβ7*クローンによってコードされるC−末端は、Ckβ7/M
IP4クローンによってコードされるC−末端と異なる。Met−Ckβ7*
予測されるC−末端は−LKLMPEAで終わるが、Ckβ7/MIP4C−末
端は−LKLNAで終わる。Ckβ7/MIP4と同一のMet−Ckβ7*
配列の産生および分析の間に、予測されたアミノ酸配列は、他の人々によって記
載され、そしてPARC、DCCK1およびAMAC1と名付けられた(Ade
ma.G.J.ら、Nature 387:713(1997);Hieshi
ma.K.ら、J.Immunol. 159:1140(1997);Wel
ls.T.N.C.およびPeitsch.M.C.、J.Leukocyte
Biol. 61:545(1997);Kodelja.V.ら、J.Im
munol. 160:1411(1998))。Met−Ckβ7*とCkβ
7/MIP4/PARC/DCCK1/AMAC1(以後「Ckβ7」とする)
との間のC−末端の差異は、増幅およびクローニングの間に導入される対立遺伝
子バリエーションまたはフレームシフト変異によるものであり得る。予想される
N−末端を考慮すると、二つの刊行物は、成熟タンパク質が、COS細胞または
昆虫細胞で発現する場合、AQVGT−で始まるということを報告しており(A
dema.G.J.ら、Nature 387:713(1997);Hies
hima.K.ら、J.Immunol. 159:1140(1997))、
本発明者らの観察結果と一致する。
【0432】 C−末端配列のバリエーションの影響を評価するために、本発明者らは、第一
のN−末端のアラニンの場所にメチオニンを含むが、Met−Ckβ7*のC−
末端(−LKLMPEA)よりはむしろ、Ckβ7のC−末端(−LKLNA)
を有するように操作されたタンパク質、Met−Ckβ7を作製した。Met−
Ckβ7*のように、このタンパク質は細菌発現システムにおいて産出された。
【0433】 重要なことは、試験された全てのアッセイにおいて、Met−Ckβ7および
Met−Ckβ7*は、同一の活性を示し、C−末端の差異が記載された特性に
全く影響を及ぼさないということを示す(データは示されていない)。この実施
例において示されたデータは、LKLMPEAというC−末端を有するタンパク
質を使用し、そして今後それは、Ckβ7/MIP4/PARC/DCCK1/
AMAC1と区別されるC−末端配列を含むことを意味する「*」とともに、M
et−Ckβ7*と示される。
【0434】 (ケモカインレセプターにおけるMet−Ckβ7*の活性) このタンパク
質を、異種細胞において発現されるケモカインレセプターCCR1、2、3およ
び5を介するCa2+流動を誘導する能力について試験した。1μMまでの濃度で
は、これらのレセプターを介する検出可能なシグナル伝達は無いが、既知のリガ
ンドは効果的にシグナルを伝達した(データは示されていない)。また、700
nMのMet−Ckβ7*は、このレセプターを発現するCHO細胞での結合ア
ッセイにおいて、乱雑D6ケモカインレセプター(Nibbs.R.J.B.ら
、J.Biol.Chem. 272:32078(1997))から125I−
MIP1αを全く置換することができなかった(示されていない)。しかし、ヒ
トCCR3(HOS−CCR3細胞)で安定にトランスフェクトされるHOS細
胞では、500nMのMet−Ckβ7*での前処理は、既知のCCR3アゴニ
ストで誘導されるその後のCa2+流動を妨げる(図21A〜21D)。CCR3
リガンドMCP4(これはまたCCR2を介してシグナルを伝達する)、または
RANTES(これはまたCCR1および5を介してシグナルを伝達する)が、
アゴニストとして使用された場合でさえ、この活性は、CCR1、2または5で
は見られなかった(示されていない)。このアンタゴニストの特異性をさらに評
価するために、単核細胞およびCD3+T−リンパ球を、ヒト末梢血液から単離
し、そしてまた、ConA/IL−2活性化T細胞を調製し(材料および方法を
参照のこと)、そしてMet−Ckβ7*を、ある範囲のケモカインで誘導され
るCa2+流動を阻害し得るか否かについて試験した。これらの種々の細胞の型(
MGSA、IL8、SDFI、RANTES、MIP1α、MIP1β、MCP
1、fractalkine、MIP3α、MIP3β、SLC、IP−10)
においてCa2+流動を与えるヒトケモカインのうちどれも500nMのMet−
Ckβ7*によって拮抗されなかった(示されていない)。さらに、アゴニスト
活性は、これらのアッセイにおけるMet−Ckβ7*にあっては全く検出され
なかった。末梢血液単核細胞、およびヒトMIP1αをアゴニストとして使用す
るこれらの実験の1つの実施例が、図21Eに示される。非改変MIP4が、試
験された細胞の型のいずれにおいても検出可能なCa2+流動を与えないというこ
とは、注目すべきである(示されていない)。
【0435】 (Met−Ckβ7*は強力なCCR3アンタゴニストである。) 次に、本
発明者らは、このCCR3アンタゴニストの有効性を規定した。いくつかのケモ
カインが、CCR3アゴニストとして作用することが知られており、そしてMe
t−Ckβ7*は異なる効果をこれらのリガンドに及ぼし得る。従って、これら
の既知のCCR3アゴニストの有効性を、リガンドの種々の濃度で、HOS−C
CR3細胞へのCa2+流動を調べる用量応答実験によって比較した。図22に示
されるように、エオタキシン、エオタキシン−2およびMCP4は、低いナノモ
ーラーの範囲およびそれより高い濃度において、CCR3を介して強いシグナル
を誘導し、1nMでわずかなCa2+流動がまだ検出可能だった。RANTESは
よりなおさら強力ではなく、そしてMCP3は、100nMにおいてさえかろう
じて検出可能なシグナルを与えた。HOS−CCR3上のCCR3レセプターの
数は少なく(示されていない)、そしてこのことは、これらのアッセイにおける
RANTESおよびMCP3の相対的な無効性を説明し得る。次いで用量応答実
験を、ある範囲の濃度のMet−Ckβ7*を使用して行い、強いシグナルを与
えることが知られているCCR3アゴニストの、ある濃度で誘導されるその後の
Ca2+流動に対する効果を調べた。図23Aに示されるように、25nMのエオ
タキシンもしくはMCP4、または50nMのエオタキシン−2で誘導されたC
2+流動の最大値の半分の阻害は、約25nMのMet−Ckβ7*で見られた
。100nMのRANTESでは、これはHOS−CCR3細胞に弱いシグナル
を産生するのみであり、50%阻害は、わずかに低い濃度のMet−Ckβ7*
(約10nM)で観測された(示されていない)。
【0436】 HOS−CCR3シグナル伝達アッセイはまた、二つの既知のRANTESレ
セプターアンタゴニスト、Met−RANTESおよびAOP−RANTES(
Proudtoot.A.E.I.ら、J.Biol.Chem. 271:2
599(1996);Simmons,G.ら、Science 276:27
6(1997))の活性を調べるために、Met−Ckβ7*と比較して、使用
した。100nMで使用されたMet−RANTESは、わずかしか25nMエ
オタキシン誘導流動を減少しなかったが、100nMのAOP−RANTESは
、より強力であり、この流動を約35%まで減少した(図24)。対照的に、1
00nMのMet−Ckβ7*は、25nMエオタキシン誘導流動を約85%ま
で減少した(図24D)。Met−RANTESおよびAOP−RANTESは
、CCR1およびCCR5を介した穏やかなCa2+流動を誘導し得、そしてAO
P−RANTESは、実際これらのアッセイにおいてCCR5に対して完全に活
性である(Mack.M.ら、J.Exp.Med. 187:1215(19
98))、ということは注目すべきである。この活性は、RANTESによって
誘導される活性の50%を越えることは決してなかったが、AOP−RANTE
S(100nM)およびより少ない程度のMet−RANTESが、CH−CC
R3およびL12−CCR3トランスフェクト体における弱いCa2+流動活性を
有する、ということが示された。おそらくこれらの細胞における低いレセプター
レベルのために、Met−RANTESもAOP−RANTES(100nMで
)も、HOS−CCR3トランスフェクト体においては、カルシウムを流動させ
ないが(図24)、高濃度(250nM)でのAOP−RANTESは、非常に
弱いが検出可能なCa2+流動をこれらの細胞に誘導する(データは示されていな
い)。反対に、Met−Ckβ7*は、1μMにおいてさえCCR3トランスフ
ェクト体または好酸球を用いるCa2+流動アッセイにおいて、CCR3シグナル
伝達潜在性を示さない。
【0437】 (Met−Ckβ7*は、CCR3アゴニストによって誘導される好酸球Ca2 + 流動を妨げ得る。) 次にMet−Ckβ7*を、好酸球に対するCCR3アゴ
ニストの機能を拮抗する能力について調べた。これらの細胞に検出可能なCa2+ 流動を誘導するのに必要なCCR3アゴニストの濃度は、上記で使用されたCC
R3トランスフェクトHOS細胞に必要な濃度よりもかなり低く、これは、好酸
球上の高いレセプターレベルのためである。Met−Ckβ7*は、1nMのエ
オタキシンまたはMCP4によって誘導される好酸球へのCa2+流動を、50n
Mまたは10nMのMet−Ckβ7*で、それぞれ完全にブロックする(図2
3B)。10nMのRANTESまたはMCP3をアゴニストとして使用した場
合、低濃度のMet−Ckβ7*(1nM)が、Ca2+流動の規模において甚大
な減少を生じさせたが、完全な拮抗作用は、100nMのMet−Ckβ7*
さえ達成されなかった。このことは、RANTESおよびMCP3に対するレセ
プターとして作用する、これらの細胞上のCCR1の存在によって説明され、さ
らにMet−Ckβ7*が、このレセプターを介したシグナル伝達を排除しない
ことを実証する。
【0438】 (放射性ヨウ素化リガンドを使用する分析は、Met−Ckβ7*とCCR3
との間の直接的な相互作用を示唆する。) 本発明者らは、次に非標識Met−
Ckβ7*の、非標識エオタキシンおよびMCP4との比較において、放射性ヨ
ウ素化MCP4またはエオタキシンをCCR3から置換する能力を調べた。トラ
ンスフェクトされたHOS−CCR3細胞上の低いレベルのCCR3の発現は、
これらのアッセイにおける好酸球の使用を必要とした。図25Aは、Met−C
kβ7*が、非標識エオタキシン(IC50約10nM)またはMCP4(IC50
約60nM)より効果的に(IC50約6nM)これらの細胞から125I−エオタ
キシンを置換したということを示す。エオタキシンおよびMet−Ckβ7*
、同様に振る舞い(IC50約5nM)、そして125I−MCP4を置換する際、
非標識MCP4(IC50約25nM)よりも効果的であった(図25B)。従っ
て、Met−Ckβ7*は、CCR3への結合について既知のCCR3アゴニス
トに競合する。このことは、アンタゴニストとレセプターとの間の直接的な相互
作用のためである。本発明者らは、このことを、非標識MIP−1αによってで
はなく、Met−Ckβ7*を放射性標識すること、および非標識Met−Ck
β7*およびエオタキシンによって競合され得る好酸球への結合を示すことによ
って、直接的に実証した(図25C)。興味深いことに、非標識MIP4はまた
、いくつかの標識されたMet−Ckβ7*を、好酸球の表面から置換し得、こ
のレセプターとの相互作用が弱すぎるということを示している(図25Cおよび
以下を参照のこと)。放射性標識エオタキシンを用いる次の実験はまた、MIP
4リガンドが、Met−Ckβ7*よりもかなり効果的でないが、MIP4によ
る異種置換を証明した(データは示されていない)。
【0439】 (Met−Ckβ7*は、CCR3リガンドによって誘導される好酸球の走化
性を妨げる。) 好酸性機能に対するこのアンタゴニストの効力をさらに試験す
るために、走化性アッセイを、精製したヒト好酸球を用いて行った。3人のドナ
ーからの結果は、図26および図27に示される。達成される最大の走化性指標
は、ドナー間でかなり変化するが、1nMまたは10nMのケモカインが下方ウ
ェルに存在すると、エオタキシンおよびMCP4は、最も効果的に好酸球の走化
性を誘導した。これらの濃度は、CCR3を介してHOS−CCR3細胞または
好酸球に最大のCa2+流動を誘導するために必要な濃度よりもかなり低く(図2
3Aおよび示されていない)、低いレセプター占有率が走化性誘導のために最適
であるということを示している。Met−Ckβ7*は、試験された濃度に渡っ
て走化性を刺激し得なかったが、エオタキシン−媒介走化性およびMCP4−媒
介走化性を効果的にブロックし得た。このアンタゴニストの効力は、これらのア
ッセイにおいてドナー間でわずかに変化した:従って、1nMは、ドナーAに由
来するの好酸球の、エオタキシンおよびMCP4に誘導された走化性を阻害する
ために十分であったが、Met−Ckβ7*を、アッセイチャンバーの頂部ウェ
ルおよび底部ウェルに添加しない場合、この1nMは、ドナーBの好酸球のエオ
タキシンに誘導された走化性を妨げるためには十分ではなかった。ドナーCでは
、このウェルの底部の区画へのMet−Ckβ7*の添加のみが、エオタキシン
およびMCP4に応じた好酸球走化性を減少したが、上部チャンバーおよび下部
チャンバーの両方へのアンタゴニストの添加は、走化性をベースラインレベルま
で減少した(考察を参照のこと)。しかし、これらのデータは、Met−Ckβ
*は、CCR3リガンドによって誘導される好酸球走化性の強力な阻害剤であ
って、低いナノモーラー濃度は、細胞移動を完全に排除するために十分であるこ
とを実証する。
【0440】 (非改変MIP4もまた、CCR3を介するシグナル伝達を拮抗する)放射性
ヨウ素化されたリガンドを使用する上記のデータは、非改変MIP4もまたヒト
CCR3からのリガンドを置換するということを示唆した。従って、本発明者ら
は、市販で入手可能なMIP4タンパク質(N−末端にアラニン残基を有し、C
−末端にLKLNAを有する)が、CCR3シグナル伝達に影響を及ぼし得るか
否かを試験した。250nMまでのMIP4で、CCR3媒介Ca2+流動は検出
不可能であったが、驚くべきことに、このタンパク質は、Fura−2負荷HO
S−CCR3細胞(図28)または好酸球(図29)を用いたCa2+流動アッセ
イにおいて、CCR3拮抗作用活性を示した。しかし、このタンパク質はMet
−Ckβ7*ほど強力ではなく(約5〜10倍低い活性)、Met−Ckβ7*
おけるアミノ酸配列の差異が、天然タンパク質に存在する特性を増幅させるとい
うことを示している。従って、10nMのMet−Ckβ7*は、1nMのMC
P4によって好酸球に誘導されるCa2+流動を完全に排除するが、この濃度での
MIP4では、50%の阻害のみ見られる(図29B)。しかし、より高い濃度
(100nM)では、MIP4は、1nMのMCP4で誘導されたシグナル伝達
を完全に排除し得る。類似の結果が1nMのエオタキシンのシグナル伝達の排除
とともに得られた(図29A);完全な阻害が、50nMのMet−Ckβ7*
で観測されたが、100nMのMIP4存在下では、約10%のシグナルが残っ
た。
【0441】 (MIP4による走化性阻害)これらの観察結果を拡張するために、本発明者
らは、好酸球走化性を阻害する際のMIP4の効力を、MCP4またはエオタキ
シン(この研究における二つのもっとも強力なCCR3リガンド)をアゴニスト
として使用して、決定した。上記のように、これらのアゴニストを用いた最大の
走化性を、試験された両方のドナーについて1nMと10nMとの間に観測した
(図30)。10nMのMIP4を、走化性アッセイプレートの頂部および底部
チャンバーに添加した場合、1nMのMCP4またはエオタキシンによって誘導
された好酸球走化性は、ベースラインレベルまで減少され、そして10nMのア
ゴニストによって誘導された走化性は有意に減少された。MIP4は、下方ウェ
ルに0.1から100nMの濃度範囲で存在する場合、走化性を誘導し得なかっ
た(データは示されていない)。これらの結果は、Ca2+流動シグナル伝達アッ
セイにおいて得られた観察を確証し、そしてMIP4が、CCR3の機能を阻害
するが、Met−Ckβ7*より強力でないということを示している。この観察
の生理学的関連性は、MIP4の生物学的機能に関して、以下に考察される。
【0442】 (考察) 本発明者らは、Met−Ckβ7*(β−ケモカインCkβ7/MIP4(P
ARC/DCCK1/AMAC1)の改変化形態)が、強力かつ特異的なCCR
3のアンタゴニストであるということを示した。Met−Ckβ7*は、1nM
ほどの低い濃度で、最も強力なCCR3アゴニスト、エオタキシンおよびMCP
4によって誘導される好酸球走化性を完全に阻害し得る。このアンタゴニストは
、CCR3を介するシグナル伝達を阻害する際には、Met−またはAOP−R
ANTESよりも有効である。これらのRANTESの改変化形態と異なり、M
et−Ckβ7*は、1μMまでの濃度でアゴニスト活性を示さない。この特異
性および効力は、Met−Ckβ7*を、アレルゲン誘導好酸球増加症のような
疾患および状態の処置のためのインビボのCCR3アンタゴニストとして、高度
に有用にする。さらに、AOP−RANTESについてMet−RANTES(
Simmons G.ら、Science 276:276(1997);Ma
ck M.ら、J.Exp.Med.、187:1215(1998))と比較
して、CCR3およびその他のRANTESレセプターの両方で、観測された高
い活性を心に留めて、アミノ末端がアミノオキシペンタン基またはいくつかの類
似の部分を輸送するように改変されるMIP4の形態は、おそらく、さらにより
増強したCCR3アンタゴニスト効力を示す。
【0443】 精製されたPBMCもしくはリンパ球、または外因性ケモカインレセプターを
安定に発現する細胞を用いる研究は、Met−Ckβ7*がCCR3について高
度に特異的であることを示す。対照的に、CCR1、2および5〜7、CXCR
1〜4、CX3CR1ならびにD6は、このタンパク質との明白な相互作用を全
く示さない。しかし、Met−Ckβ7*は、他のレセプターを拮抗し得る。特
に、他のところで報告されていた(Adema G.J.ら、Nature 3
87:713(1997);Hieshima K.ら、J.Immunol. 159:1140(1997))MIP4によるT細胞の走化性の誘導の実証
不能という理由で、本発明者らは、現在のところ特徴付けられていないMIP4
レセプターに対するこのタンパク質の活性を試験し得なかった。いくつかのドナ
ーに由来する末梢血液T細胞から分類されたCD3+もしくはCD45RA+、
またはConA/IL−2を使用することは、T細胞を活性化した。MIP4(
バキュロウイルスに感染した昆虫細胞中もしくは市販の細菌中のいずれかで産生
された)またはMet−Ckβ7*は、10μg/mlから0.1ng/mlの
範囲の濃度で検出可能な走化性またはCa2+シグナル伝達を刺激し得なかった(
データは示されていない)。MIP3βのようなケモカインの制御は、強いCa 2+ シグナルを産生し、そしてこれらの細胞の有効な化学誘引物質であった。MI
P4T細胞走化性活性における差異は、MIP4供給源に特異的であり得る。
【0444】 放射性ヨウ素化エオタキシン、MCP4およびMet−Ckβ7*を用いる実
験は、Met−Ckβ7*が、CCR3に結合し、そして立体的にCCR3アゴ
ニストによる活性化を妨げることによって、そのアンタゴニスト活性を発揮する
ということを実証する。このデータは、Met−Ckβ7*が、エオタキシン−
およびMCP4−に誘導された好酸球走化性を阻害し得るということを示してい
る。Met−Ckβ7*による阻害の程度においてバリエーションが存在する(
図26および図27)。従って、ドナーAに由来する好酸球走化性は、アッセイ
プレートのフィルターの下で、1nMのMet−Ckβ7*で有効に阻害される
が、ドナーCについては、この濃度のアンタゴニストが、完全な阻害のためにフ
ィルターの頂部および底部に添加されなければならない。実際、10nMのMe
t−Ckβ7*でさえ、フィルターの下のみに存在する場合には、走化性を減少
するが、完全には阻害しない。これらの結果は、Met−Ckβ7*が、ドナー
Aに由来する好酸球よりも、ドナーCに由来する好酸球の走化性を阻害する際に
、明らかに強力でなく、ドナーBではその中間である、ということを示している
。このことは、立体障害のみを含むMet−Ckβ7*拮抗作用のモデルを用い
て説明するのは難しい。従って、いくつかの場合においては、細胞内シグナルま
たはCCR3タンパク質の内在化のような、個々の間で変化する、Met−Ck
β7*/CCR3相互作用のその他の結果が、好酸球走化性を阻害するために必
要とされる。他のN−末端改変ケモカインでの証拠は、レセプターの内在化が、
それらのレセプター機能の増強された阻害において重要な要素であることを示す
(Mack,M.ら、J.Exp.Med. 187:1215(1998);
Yang,O.O.ら、J.Virol. 73:4582(1999))。さ
らに、異なるCCR3リガンドは、この過程において異なる効果を示す(Zim
mermann,N.ら、J.Biol.Chem. 274:12611(1
999))。
【0445】 幾分驚くべきことに、非改変MIP4タンパク質はまた、Met−Ckβ7*
よりも低い効力を示したが、この研究で使用されたシグナル伝達および走化性ア
ッセイにおいて、CCR3アンタゴニスト活性を有する。従って、Met−Ck
β7*におけるN−末端およびC−末端の差異は、非改変タンパク質に存在する
特性を高める。結果で述べたように、本発明者らはまた、タンパク質Met−C
kβ7を生成し、そのカルボキシ−末端は、この実施例において使用された市販
で入手可能なMIP4と同一であり、Met−Ckβ7は、N−末端の先端のア
ラニンの代りにメチオニンを保持する。このタンパク質は、試験された全てのア
ッセイにおいてMet−Ckβ7*と同じ活性を示し(データは示されていない
)、CCR3アンタゴニスト活性を増幅する際の、この単一のアミノ酸変化(A
laからMet)の重要性を実証する。
【0446】 機械的に、MIP4とCCR3リガンドRANTESとの間の強い相同性(N
−末端を除くタンパク質の大部分にわたって見られる)は、MIP4タンパク質
に見られるCCR3活性の弱い阻害の原因であり得、このN−末端での差異につ
て、レセプターが、Ca2+流動と連結し得、そして走化性を誘導し得るか否を決
定する。ケモカイン/ケモカインレセプター相互作用についての2つの部位のモ
デルは、多数のβ−ケモカインについて提唱されており、そして多くの研究が、
アミノ末端における小さな改変が、リガンド結合親和性に劇的に影響を及ぼし、
いくつかの例では、以前アゴニストとして作用したタンパク質にアンタゴニスト
活性を導入し得るということが実証されてきた(Proudfoot,A.E.
I.ら、J.Biol.Chem.271:2599(1996);Simmo
ns,G.ら、Science276:276(1997);Proost,P
.ら、J.Biol.Chem.273:7222(1998);Proost
,P.ら、J.Immunol.160:4034(1998);Weber,
M.ら、J.Exp.Med.183:681(1996);Gong,J.H
.ら、J.Biol.Chem.271:10521(1996):Struy
f.S.ら、Eur.J.Immunol.28:1262(1998))。M
IP4のN−末端アラニンをメチオニン残基で置換することは、アゴニスト活性
を導入することなしに、CCR3との相互作用を高める。Met−Ckβ7のM
et−RANTESとの比較は、CCR3のMIP4との相互作用についての代
替の説明を強調する。Met−RANTES(N−末端で1つのアミノ酸(メチ
オニン)によって伸長されているRANTESの改変体)は、RANTESレセ
プターのアンタゴニストである(Proudfoot,A.E.I.ら、J.B
iol.Chem. 271:2599(1996);Mack.M.ら、J.
Exp.Med. 187:1215(1998))。Met−Ckβ7が類似
の様式で作用すれば、最初のアミノ酸を欠いてQVGTで始まるMIP4の−1
改変体は、CCR3アゴニストとして作用する。興味深いことに、MIP4タン
パク質のシグナルペプチド切断部位の予測アルゴリズムは、おそらくこのケモカ
インの−1型が、アミノ末端にアラニンを有する「全長」のタンパク質と同様に
、タンパク質分泌の間に産生されることを示唆する。COS7および昆虫細胞に
おける産生は、一貫してAQVGTで始まるタンパク質を生成するが(結果およ
びAdema.G.J.ら、Nature387:713(1997):Hie
shima,K.ら、Immunol.159:1440(1997))、MI
P4の−1改変体は、産生され得、そしてCCR3アゴニストとして作用し得る
【0447】 非改変MIP4のCCR3アンタゴニスト活性は、このタンパク質のインビボ
機能に関して特に興味深い。走化性アッセイにおいては、10nMという低いM
IP4の濃度は、最も強力な既知のCCR3アゴニスト(すなわちエオタキシン
およびMCP4)によって誘導される好酸球走化性を有意に減少し得た。細胞外
マトリックス成分上の固定によって引き起こされる、ケモカイン濃度における局
所的な増加を特に考慮して、MIP4タンパク質のこのレベルは、インビボで達
成される可能性がある。従って、CCR3アンタゴニスト作用は、このケモカイ
ンの生物学において重要であるMIP4の特性を反映し、白血球細胞の移動を制
御するためのアゴニスト作用およびアンタゴニスト作用の両方を使用することを
可能にする。
【0448】 MIP4は、樹状細胞および第二リンパ組織におけるマクロファージによって
産生されると報告されており、抗原を提示細胞に対するナイーブ(naive)
T細胞の選択的誘引において役割を果たすということが仮説として取り上げられ
てきた(Adema.G.J.ら、Nature 387:713(1997)
)。この実施例におけるデータは、このタンパク質がまた、好塩基球、好酸球お
よびTh2リンパ球のようなCCR3−陽性細胞を、この特異的な微小環境から
、選択的かつ積極的に排除するということを示している。興味深いことに、CC
R3リガンドエオタキシンおよびMCP4は、CXCR3についてアンタゴニス
トとして作用することが実証され、このCXCR3は、Th1リンパ球上に特異
的に発現し、そしてβ−ケモカインSLC(マウスにおいてのみ)、ならびにα
−ケモカインIP−10およびMigによって活性化されるレセプターである(
Sallusto,F.ら、J.Exp.Med.187:875(1998)
;Bonecchi,R.ら、J.Exp.Med.187:129(1998
);Weng,Y.ら、J.Biol.Chem.273:18288(199
8);Soto,H.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA95
:8205(1998);Jenh,C.−H.ら、J.Immunol.16
2:3765(1999))。エオタキシンおよびMCP4とのCXCR3相互
作用は、CCR3上のMIP4について見られたものと類似して、かなり弱いこ
とが示されたが、さらにその相互作用は、生理学的関連性が有り得、そしてTh
2細胞流入によって特徴付けられる部位へのTh1T細胞の阻害において役割を
果たし得る(Weng,Y.ら、J.Biol.Chem. 273:1828
8(1998))。従って、レセプターアンタゴニスト作用の使用は、炎症およ
び免疫の間の白血球の移動の調節における新生のテーマである。CCR4(既知
のリガンドはTARCおよびMDCである)およびTh2細胞上に選択的に見出
されるCCR8(既知のリガンドはI−309、TARCおよびMIP−1βで
ある)のような、白血球サブセットの誘引において特異的に含まれるケモカイン
レセプターとともに、この現象のその他の例が現れるか否かを調べることは、興
味深い(Sallusto,F.ら、J.Exp.Med.187:875(1
998);Zingoni,A.ら、J.Immunol.161:547(1
998);Bernadini,G.ら、Eur.J.Immumol.28:
582(1998))。また、エオタキシンおよびMCR4のようなCCR3リ
ガンドが、現在のところ特徴付けられていないMIP4レセプターの相互アンタ
ゴニスト作用を示し得るか否かを調べることは、価値がある。
【0449】 (実施例5) (タンパク質バッチの情報) 図中のタンパク質バッチについての、供給源、名称、発現系、ならびにN−お
よびC−末端配列の情報の要旨は、表2に示される。
【0450】 本発明は前述の詳細な説明および実施例に特に記載されたものとは他の方法で
実施され得ることが明らかである。
【0451】 本発明の多数の改変および変更は、上述の教示に照らして可能であり、それゆ
え添付の請求の範囲の範囲内である。
【0452】 本明細書中に引用した全ての刊行物(特許、特許出願、雑誌論文、実験室マニ
ュアル、本、または他の文書を含む)の全ての開示は、本明細書中に参考として
援用される。
【0453】
【表2】
【0454】
【表3】 (オーストラリア) 出願人はここにおいて、微生物のサンプルの供与は、特許の付与前において、
あるいは出願の放棄(lapsing)、拒絶または取り下げ前において、本発
明に対し利害関係を有さない当業者である対象者(skilled addre
ssee)に対し、行われるのみである旨を、告知するものである(オーストラ
リア国特許法第3.25(3)号規定)。
【0455】 (カナダ) 出願人はここにおいて、出願に基づきカナダ国特許が発行されるか、あるいは
同出願が拒絶または放棄されて回復され得なくなるかもしくは取り下げられるま
では、本出願において言及された寄託済みの生物学的材料のサンプルの供与が、
特許庁長官(Commissioner of Patents)により指名さ
れた独立の専門家に対して行われるのみである旨を、請求する。
【0456】 (デンマーク) 出願人はここにおいて、出願が(デンマーク特許庁により)公開に付されるか
あるいは公開に付されることなくデンマーク特許庁による最終的な決定を受ける
までは、サンプルの供与は当該分野の専門家に対して行われるのみである旨を、
請求する。この旨の請求は、デンマーク特許法第22条および第33条(3)に
基づいて出願が公に利用可能にされる時点以前に、出願人によりデンマーク特許
庁に対してなされるものとする。そのような請求が出願人によりなされた場合は
、第三者によるサンプルの供与のいかなる請求も、利用される専門家を表示する
ものとする。専門家は、デンマーク特許庁により作成された公認専門家のリスト
(list of recognized experts)に記載された任意
の者か、あるいは、個々の場合において出願人により承認された任意の者であり
得る。
【0457】 (フィンランド) 出願人はここにおいて、出願が(国立特許および統制委員会(Nationa
l Board of Patents and Regulations))
により公開に付されるかあるいは公開に付されることなく国立特許および統制委
員会による最終的な決定を受けるまでは、サンプルの供与は当該分野の専門家に
対して行われるのみである旨を、請求する。この旨の請求は、優先日から16ヶ
月の期限切れより前に、出願人により国際事務局(International
Bureau)に対してなされるものとする(好ましくは、PCT Appl
icant’s GuideのVolumeIのannexZに記載された書式
PCT/RO/134による)。そのような請求が出願人によりなされた場合は
、第三者によるサンプルの供与のいかなる請求も、利用される専門家を表示する
ものとする。専門家は、国立特許および統制委員会により作成された公認専門家
のリスト(list of recognized experts)に記載さ
れた任意の者か、あるいは、個々の場合において出願人により承認された任意の
者であり得る。
【0458】 (アイスランド) 出願人はここにおいて、出願が(アイスランド特許庁により)公開に付される
かあるいは公開に付されることなくアイスランド特許庁による最終的な決定を受
けるまでは、サンプルの供与は当該分野の専門家に対して行われるのみである旨
を、請求する。
【0459】 (オランダ) 出願人はここにおいて、オランダ特許の発行日まで、あるいは出願が拒絶、取
り下げあるいは放棄(lapsed)される日までは、特許法31F(1)の規
定に基づき、微生物は専門家へのサンプル供与でのみ利用可能にされる旨を、請
求する。この旨の請求は、オランダ王国特許法の第22C条または第25条に基
づき出願が公に利用可能にされる日のうちいずれか早い方の日付よりも前に、出
願人によりオランダ工業所有権局に対して提出されるものとする。
【0460】 (ノルウェー) 出願人はここにおいて、出願が(ノルウェー特許庁により)公開に付されるか
あるいは公開に付されることなくノルウェー特許庁による最終的な決定を受ける
までは、サンプルの供与は当該分野の専門家に対して行われるのみである旨を、
請求する。この旨の請求は、ノルウェー特許法第22条および第33条(3)に
基づき出願が公に利用可能にされる時点以前に、出願人によりノルウェー特許庁
に対してなされるものとする。そのような請求が出願人によりなされた場合は、
第三者によるサンプルの供与のいかなる請求においても、利用される専門家を表
示するものとする。専門家は、ノルウェー特許庁により作成された公認専門家の
リスト(list of recognized experts)に記載され
た任意の者か、あるいは、個々の場合において出願人により承認された任意の者
であり得る。
【0461】 (シンガポール) 出願人はここにおいて、微生物のサンプルの供与は専門家に対して利用可能に
されるのみである旨を、請求する。この旨の請求は、出願の国際公表のための規
則上の準備が完了する前に、出願人により国際事務局に対してなされなければな
らない。
【0462】 (スウェーデン) 出願人はここにおいて、出願が(スウェーデン特許庁により)公開に付される
かあるいは公開に付されることなくスウェーデン特許庁による最終的な決定を受
けるまでは、サンプルの供与は当該分野の専門家に対して行われるのみである旨
を、請求する。この旨の請求は、優先日から16ヶ月が経過するよりも前に、出
願人により国際事務局に対してなされるものとする(好ましくはPCT App
licant’s GuideのVolumeIのannexZに記載された書
式PCT/RO/134による)。そのような請求が出願人によりなされた場合
は、第三者によるサンプルの供与のいかなる請求においても、利用される専門家
を表示するものとする。専門家は、スウェーデン特許庁により作成された公認専
門家のリスト(list of recognized experts)に記
載された任意の者か、あるいは、個々の場合において出願人により承認された任
意の者であり得る。
【0463】 (英国) 出願人はここにおいて、微生物のサンプルの供与は専門家に対して利用可能に
されるのみである旨を、請求する。この旨の請求は、出願の国際公表のための規
則上の準備が完了する前に、出願人により国際事務局に対してなされなければな
らない。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
以下の図面は、本発明の実施形態の例示であり、そして特許請求の範囲によっ
て含まれるような本発明の範囲を限定することを意味するものではない。
【図1】 図1は、cDNA配列(配列番号1)およびCkβ−7の対応する決定された
アミノ酸配列(配列番号2)を示す。示される89アミノ酸配列は、全長タンパ
ク質であり、およそ最初の20アミノ酸はリーダー配列(下線)を表し、その結
果、このタンパク質の成熟形態は、69アミノ酸長である。アミノ酸についての
標準的な一文字略語を使用する。
【図2】 図2は、2つのアミノ酸配列を示し、ここで上の配列は、ヒトCkβ−7アミ
ノ酸配列(配列番号2)であり、そして下の配列は、ヒトMIP−1α(ヒト扁
桃腺リンパ球LD78βタンパク質前駆体)(配列番号3)である。
【図3】 図3は、pHE4a発現ベクター(配列番号4)の概略図を示す。多くの制限
エンドヌクレアーゼ切断部位、カナマイシン耐性マーカー遺伝子およびlacI
qコード配列の位置を示す。
【図4】 図4は、pHE4aプロモーター(配列番号5)の調節エレメントのヌクレオ
チド配列を示す。2つのlacオペレーター配列、シャイン・ダルガーノ配列(
S/D)ならびに末端HindIII制限部位およびNdeI制限部位(イタリ
ック体)を示す。
【図5】 図5A〜5Fは、Met−Ckβ−7*の存在下(図5C〜5F)および非存
在下(図5A〜5B)における様々なエオタキシン(Eotaxin)濃度での
好酸球におけるエオタキシン誘導性カルシウムフラックスを示す。図5C〜5F
に示される実験結果は、Met−Ckβ−7*がエオタキシン刺激と共に(パネ
ルCおよびD)、またはエオタキシン刺激の前(パネルEおよびF)のいずれか
に投与される場合に、好酸球が、エオタキシン誘導性カルシウムフラックスに対
して脱感作となることを示唆する。さらに、交差脱感作の程度は、用いられるC
kβ−7およびエオタキシンの比に依存する。
【図6】 図6A〜6Eは、様々なMCP−4濃度、ならびにMet−Ckβ−7*の存
在下(図6C〜6E)および非存在下(図6A〜6B)での好酸球におけるMC
P−4誘導性カルシウムフラックスを示す。エオタキシンを用いる上記のように
、図6C〜6Eに示される実験結果は、Met−Ckβ−7*がMCP−4と共
に(パネルCおよびD)、またはMCP−4の前(パネルE)のいずれかに投与
される場合に、好酸球が、MCP−4誘導性カルシウムフラックスに対して脱感
作となることを示唆する。
【図7】 図7A〜7Eは、様々なCkβ−6濃度、ならびにMet−Ckβ−7*の存
在下(図7C〜7E)および非存在下(図7A〜7B)での好酸球におけるCk
β−6誘導性カルシウムフラックスを示す。この結果は、エオタキシン(図5に
おいてみられる)およびMCP−4(図6においてみられる)での結果と類似す
る。
【図8】 図8は、好酸球におけるエオタキシンおよびMCP−4(CCR3アゴニスト
)誘導性カルシウムフラックスのMet−Ckβ−7*阻害の用量応答プロファ
イルを示す。これらのデータは、Met−Ckβ−7*の増加した濃度が、好酸
球におけるエオタキシンおよびMCP−4誘導性カルシウムフラックスの増大さ
れた阻害を導くことを実証する。さらに、エオタキシンおよびMCP−4の両方
を用いて、高濃度のMet−Ckβ−7*は、カルシウムフラックスの完全な阻
害を生じる。
【図9】 図9は、好酸球におけるRANTESおよびMCP−3(CCR3アゴニスト
)誘導性カルシウムフラックスのMet−Ckβ−7*阻害の用量応答プロファ
イルを示す。これらのデータは、Met−Ckβ−7*の増加した濃度が、好酸
球におけるRANTESおよびMCP−3誘導性カルシウムフラックスの増大さ
れた阻害を導くことを実証する。しかし、RANTESおよびMCP−3の両方
を用いて、比較的高濃度のMet−Ckβ−7*は、カルシウムフラックスの完
全な阻害を生じない。これらのデータは、RANTESおよびMCP−3の公知
のレセプター特異性(あるドナー好酸球に対しては、CCR1が含まれる)と一
致する。
【図10】 図10は、エオタキシンおよび組成物(いくつかの異なるCkβ−7欠失改変
体の混合物を含む)の存在下でのカルシウム動員アッセイの結果を示す。図10
Aは、この実験パネルのコントロールであり、そして10ng/mlのエオタキ
シンの存在下での、好酸球におけるカルシウムフラックスを示す。図10Bは、
10ng/mlのエオタキシンならびに1μg/mlのCkβ−7(配列番号2
におけるアミノ酸21〜89を有するCkβ−7フラグメントの形態で40%お
よび配列番号2におけるアミノ酸25〜89を有するCkβ−7フラグメントの
形態で60%)の存在下での、好酸球におけるカルシウムフラックスを示す。図
10Cは、10ng/mlのエオタキシンならびに1μg/mlのCkβ−7(
配列番号2におけるアミノ酸21〜89を有するCkβ−7フラグメントの形態
で85%および配列番号2におけるアミノ酸26〜89を有するCkβ−7フラ
グメントの形態で10%)の存在下での、好酸球におけるカルシウムフラックス
を示す。図10Dは、10ng/mlのエオタキシンならびに1μg/mlのC
kβ−7(配列番号2におけるアミノ酸21〜89を有するCkβ−7フラグメ
ントの形態で80%および配列番号2におけるアミノ酸26〜89を有するCk
β−7フラグメントの形態で15%)の存在下での、好酸球におけるカルシウム
フラックスを示す。図10Eは、10ng/mlのエオタキシンならびに1μg
/mlのCkβ−7(配列番号2におけるアミノ酸22〜89およびN末端のメ
チオニン残基(Met−22〜89)を有するCkβ−7フラグメントの形態で
95%ならびに配列番号2におけるアミノ酸26〜89を有するCkβ−7フラ
グメントの形態で2%)の存在下での、好酸球におけるカルシウムフラックスを
示す。図10Eにおいて用いられるCkβ−7組成物は、最も高い活性を有し、
図10Dにおいて用いられる組成物、10Cにおいて用いられる組成物および1
0Bにおいて用いられる組成物が続く(データは、単一のドナー由来の好酸球を
用いて得られた)。
【図11】 図11A〜図11Dは、種々のCkβ−7欠失改変体の混合物の存在下におけ
る好酸球カルシウム流動シグナルの交差脱感作を示す。Ckβ−7混合物(その
混合物中の40%が、配列番号2のアミノ酸21〜89を有するCkβ−7フラ
グメントの形態であり、そして60%が、配列番号2のアミノ酸25〜89を有
するCkβ−7フラグメントの形態である)を含むCkβ−7組成物が、図11
Bにおいて使用された。Ckβ−7混合物(その混合物中の80%が、配列番号
2のアミノ酸21〜89を有するCkβ−7フラグメントの形態であり、そして
15%が、配列番号2のアミノ酸26〜89を有するCkβ−7フラグメントの
形態である)を含むCkβ−7組成物が、図11Cにおいて使用された。Ckβ
−7混合物(その混合物中の85%が、配列番号2のアミノ酸21〜89を有す
るCkβ−7フラグメントの形態であり、そして10%が、配列番号2のアミノ
酸26〜89を有するCkβ−7フラグメントの形態である)を含むCkβ−7
組成物が、図11Dにおいて使用された。
【図12】 図12A〜図12Eは、エオタキシン(Eotaxin)により誘導される好
酸球カルシウム流動に対する、種々のCkβ−7欠失改変体の種々の濃度の効果
を示す。Ckβ−7混合物(その混合物中の80%が、配列番号2のアミノ酸2
1〜89を有するCkβ−7フラグメントの形態であり、そして15%が、配列
番号2のアミノ酸26〜89を有するCkβ−7フラグメントの形態である)を
含むCkβ−7組成物が、図12Bおよび図12Cにおいて使用された。Ckβ
−7混合物(その混合物中の85%が、配列番号2のアミノ酸21〜89を有す
るCkβ−7フラグメントの形態であり、そして10%が、配列番号2のアミノ
酸26〜89を有するCkβ−7フラグメントの形態である)を含むCkβ−7
組成物が、図12Dおよび図12Eにおいて使用された。100ng/mlのC
kβ−7濃度が、図12Cおよび図12Eにおいて使用された。1μg/mlの
Ckβ−7濃度が、図12Bおよび図12Dにおいて使用された。
【図13】 図13は、単一のドナー(ドナー1)より得た好酸球を使用し、エオタキシン
により誘導される好酸球走化性のMet−Ckβ−7*阻害を示す。好酸球走化
性を、エオタキシン単独、Met−Ckβ−7*単独、および異なる濃度のMe
t−Ckβ−7*を有するエオタキシンの存在下で測定した。さらに、Met−
Ckβ−7*を、異なる濃度で、走化性チャンバーの底面ウェル、または底面お
よび一番上のウェルの両方のいずれかに置いた。
【図14】 図14は、単一のドナー(ドナー1)より得た好酸球を使用し、MCP−4に
より誘導される好酸球走化性のMet−Ckβ−7*阻害を示す。好酸球走化性
を、MCP−4単独、Met−Ckβ−7*単独、およびの異なる濃度のMet
−Ckβ−7*を有するMCP−4の存在下で測定した。さらに、Met−Ck
β−7*を、異なる濃度で、走化性チャンバーの底面ウェル、または底面および
一番上のウェルの両方のいずれかに置いた。
【図15】 図15は、単一のドナー(ドナー2)より得た好酸球を使用し、エオタキシン
により誘導される好酸球走化性のMet−Ckβ−7*阻害を示す。好酸球走化
性を、図13に記載したように測定した。
【図16】 図16は、単一のドナー(ドナー2)より得た好酸球を使用し、MCP−4に
より誘導される好酸球走化性のMet−Ckβ−7*阻害を示す。好酸球走化性
を、図14に記載したように測定した。
【図17】 図17は、単一のドナー(ドナー3)より得た好酸球を使用し、エオタキシン
により誘導される好酸球走化性のMet−Ckβ−7*阻害を示す。好酸球走化
性を、図13に記載したように測定した。高いレベルでの走化性の阻害は、ドナ
ー3由来の好酸球において、Met−Ckβ−7*が底面および一番上の両ウェ
ルに置かれた場合においてのみ見られた。
【図18】 図18は、単一のドナー(ドナー3)より得た好酸球を使用し、MCP−4に
より誘導される好酸球走化性のMet−Ckβ−7*阻害を示す。好酸球走化性
を、図14に記載したように測定した。高いレベルでの走化性の阻害は、ドナー
3由来の好酸球において、Met−Ckβ−7*が底面および一番上の両ウェル
に置かれた場合においてのみ見られた。
【図19】 図19は、単一のドナー(ドナー4)より得た好酸球を使用し、エオタキシン
により誘導される好酸球走化性のMet−Ckβ−7*阻害を示す。好酸球走化
性を、図13に記載したように測定した。高いレベルでの走化性の阻害は、ドナ
ー4由来の好酸球において、Met−Ckβ−7*が底面および一番上の両ウェ
ルに置かれた場合においてのみ見られた。
【図20】 図20は、単一のドナー(ドナー4)より得た好酸球を使用し、MCP−4に
より誘導される好酸球走化性のMet−Ckβ−7*阻害を示す。好酸球走化性
を、図14に記載したように測定した。高いレベルでの走化性の阻害は、ドナー
4由来の好酸球において、Met−Ckβ−7*が底面および一番上の両ウェル
に置かれた場合においてのみ見られた。
【図21A】 図21Aは、Met−Ckβ7*がエオタキシン、MCP4、RANTESお
よびエオタキシン2により誘導されるCCR3を介したシグナル伝達を妨げるこ
とを示す。Fura−2付加HOS−CCR3細胞(パネルA〜D)または末梢
血単核細胞(パネルE)を、37℃で500nM Met−Ckβ−7*の非存
在(左パネル)または存在(右パネル)下でアゴニストにより刺激する。蛍光発
光を、0.1秒毎に100秒間記録する(340nm(λex);500nm(λ em ))。
【図21B】 図21Bは、Met−Ckβ7*がエオタキシン、MCP4、RANTESお
よびエオタキシン2により誘導されるCCR3を介したシグナル伝達を妨げるこ
とを示す。Fura−2付加HOS−CCR3細胞(パネルA〜D)または末梢
血単核細胞(パネルE)を、37℃で500nM Met−Ckβ−7*の非存
在(左パネル)または存在(右パネル)下でアゴニストにより刺激する。蛍光発
光を、0.1秒毎に100秒間記録する(340nm(λex);500nm(λ em ))。
【図21C】 図21Cは、Met−Ckβ7*がエオタキシン、MCP4、RANTESお
よびエオタキシン2により誘導されるCCR3を介したシグナル伝達を妨げるこ
とを示す。Fura−2付加HOS−CCR3細胞(パネルA〜D)または末梢
血単核細胞(パネルE)を、37℃で500nM Met−Ckβ−7*の非存
在(左パネル)または存在(右パネル)下でアゴニストにより刺激する。蛍光発
光を、0.1秒毎に100秒間記録する(340nm(λex);500nm(λ em ))。
【図21D】 図21Dは、Met−Ckβ7*がエオタキシン、MCP4、RANTESお
よびエオタキシン2により誘導されるCCR3を介したシグナル伝達を妨げるこ
とを示す。Fura−2付加HOS−CCR3細胞(パネルA〜D)または末梢
血単核細胞(パネルE)を、37℃で500nM Met−Ckβ−7*の非存
在(左パネル)または存在(右パネル)下でアゴニストにより刺激する。蛍光発
光を、0.1秒毎に100秒間記録する(340nm(λex);500nm(λ em ))。
【図21E】 図21Eは、Met−Ckβ7*がエオタキシン、MCP4、RANTESお
よびエオタキシン2により誘導されるCCR3を介したシグナル伝達を妨げるこ
とを示す。Fura−2付加HOS−CCR3細胞(パネルA〜D)または末梢
血単核細胞(パネルE)を、37℃で500nM Met−Ckβ−7*の非存
在(左パネル)または存在(右パネル)下でアゴニストにより刺激する。蛍光発
光を、0.1秒毎に100秒間記録する(340nm(λex);500nm(λ em ))。
【図22】 図22は、CCR3リガンドは、HOS−CCR3細胞に異なる効力で伝達す
ることを示す。ヒトCCR3を発現するFura−2付加HOS細胞へのリガン
ド誘導カルシウムイオン流動についての用量応答曲線。各流動を、100nM
MCP4で誘導された流動として定義される最大と比較した。
【図23】 図23A〜図23Bは、Met−Ckβ−7*が、CCR3を介したHOS−
CCR3細胞または好酸球へのシグナル伝達の強力なアンタゴニストであること
を示す。ある範囲のMet−Ckβ−7*濃度の存在下で設定量のアゴニストに
より誘導されるカルシウムイオン流動(Fura2蛍光により検出される)のピ
ークを、Met−Ckβ−7*非存在で誘導された流動の割合として表す。(A
)HOS−CCR3細胞。(B)精製ヒト好酸球。矢印はCA2+流動が検出され
得なかったところを示す。
【図24】 図24A〜図24Dは、Met−Ckβ−7*が、Met−RANTESまた
はAOP−RANTESよりも、CCR3媒介Ca2+流動をより有効に阻害する
ことを示す。Fura−2付加HOS−CCR3細胞を、37℃で25nMエオ
タキシンにより(パネルA)、または100nM Met−RANTESの存在
下で25nMエオタキシンにより(パネルB)、100nM AOP−RANT
ESの存在下で25nMエオタキシンにより(パネルC)、または100nM
Met−Ckβ7*の存在下で25nMエオタキシンにより(パネルD)刺激す
る。蛍光放出を、0.1秒毎に100秒間記録する(340nm(λex)500
nm(λem))。
【図25】 図25A〜図25Cは、好酸球からの125I標識したエオタキシン、MCP4
またはMet−Ckβ7*の置換を示す。(AおよびB)2×105の精製好酸球
を、一連の濃度範囲の非標識のケモカイン、Met−Ckβ7*(黒四角)、M
CP4(十字記号)またはエオタキシン(白丸)のいずれかを加えた0.1nM 125 I−エオタキシン(パネルA)または0.1nM125I−MCP4(パネルB
)とともに、アジ化物を含む結合緩衝液中で、60分、室温でインキュベートし
た。0.5M NaClを含む結合緩衝液で洗浄後、結合している放射性ヨウ素
化されたリガンドの割合を、非標識のケモカインを添加しなかったアッセイと比
較して算出した。各点は、3つの同じインキュベーションの平均であり、そして
標準誤差を含める。(C)2×105の精製好酸球を、グラフの下側に示した5
00nMの種々の非標識ケモカインを加えた45nM125I−Met−Ckβ7* とともにアジ化物を含む結合緩衝液中で、2時間室温でインキュベートした。細
胞を、PBSで2度洗浄し、そして結合した残る125I−Met−Ckβ7*を計
数した。結果は、競合物質の非存在下で見られる結合の割合として示された3つ
の同じインキュベーションの平均であり、そして標準誤差を含める。
【図26A】 図26Aは、Met−Ckβ7*が、3人のドナー由来のヒト好酸球のエオタ
キシン誘導走化性を阻害することを示す。走化性アッセイを、3時間、一連のエ
オタキシン(またはMet−Ckβ7*)濃度で行った。いくつかの実験におい
て、Met−Ckβ7*を、キーに示したように、走化性ウェルの底部チャンバ
ー、または頂部および底部チャンバーに1nMまたは10nMで添加した。走化
性指標は、緩衝液単独中で移動した細胞と比較した試験サンプル中で移動した細
胞の比として算出する。(A)ドナーA。(B)ドナーB。(C)ドナーC。
【図26B】 図26Bは、Met−Ckβ7*が、3人のドナー由来のヒト好酸球のエオタ
キシン誘導走化性を阻害することを示す。走化性アッセイを、3時間、一連のエ
オタキシン(またはMet−Ckβ7*)濃度で行った。いくつかの実験におい
て、Met−Ckβ7*を、キーに示されたように走化性ウェルの底部チャンバ
ー、または頂部および底部チャンバーに1nMまたは10nMで添加した。走化
性指標は、緩衝液単独中で移動した細胞と比較した試験試料中で移動した細胞の
比として算出する。(A)ドナーA。(B)ドナーB。(C)ドナーC。
【図26C】 図26Cは、Met−Ckβ7*が、3人のドナー由来のヒト好酸球のエオタ
キシン誘導走化性を阻害することを示す。走化性アッセイを、3時間、一連のエ
オタキシン(またはMet−Ckβ7*)濃度で行った。いくつかの実験におい
て、Met−Ckβ7*を、キーに示されたように走化性ウェルの底部チャンバ
ー、または頂部および底部チャンバーに1nMまたは10nMで添加した。走化
性指標は、緩衝液単独中で移動した細胞と比較した試験試料中で移動した細胞の
比として算出する。(A)ドナーA。(B)ドナーB。(C)ドナーC。
【図27A】 図27Aは、Met−Ckβ7*が、3人のドナー由来のヒト好酸球のMCP
4誘導走化性を阻害することを示す。走化性アッセイを、3時間、一連のMCP
4(またはMet−Ckβ7*)濃度で行った。いくつかの実験において、Me
t−Ckβ7*を、キーに示されたように走化性ウェルの底部チャンバー、また
は頂部および底部チャンバーに1nMまたは10nMで添加した。走化性指標は
、緩衝液単独中で移動した細胞と比較した試験サンプル中で移動した細胞の比と
して算出する。(A)ドナーA。(B)ドナーB。(C)ドナーC。
【図27B】 図27Bは、Met−Ckβ7*が、3人のドナー由来のヒト好酸球のMCP4
誘導走化性を阻害することを示す。走化性アッセイを、3時間、一連のMCP4
(またはMet−Ckβ7*)濃度で行った。いくつかの実験において、Met
−Ckβ7*を、キーに示されたように走化性ウェルの底部チャンバー、または
頂部および底部チャンバーに1nMまたは10nMで添加した。走化性指標は、
緩衝液単独中で移動した細胞と比較した試験試料中で移動した細胞の比として算
出する。(A)ドナーA。(B)ドナーB。(C)ドナーC。
【図27C】 図27Cは、Met−Ckβ7*が、3人のドナー由来のヒト好酸球のMCP
4誘導走化性を阻害することを示す。走化性アッセイを、3時間、一連のMCP
4(またはMet−Ckβ7*)濃度で行った。いくつかの実験において、Me
t−Ckβ7*を、キーに示されたように走化性ウェルの底部チャンバー、また
は頂部および底部チャンバーに1nMまたは10nMで添加した。走化性指標は
、緩衝液単独中で移動した細胞と比較した試験試料中で移動した細胞の比として
算出する。(A)ドナーA。(B)ドナーB。(C)ドナーC。
【図28】 図28A〜図28Bは、非改変MIP4が、CCR3を介したエオタキシン誘
導のシグナル伝達を阻害することを示す。Fura−2付加HOS−hCCR3
細胞を、37℃において250nM MIP4の非存在(A)または存在(B)
下で25nMエオタキシンにより刺激する。蛍光放出を、0.1秒毎に100秒
間記録する(340nm(λex);500nm(λem))。
【図29】 図29A〜図29Bは、MIP4が、好酸球へのCCR3シグナル伝達の、M
et−Ckβ7*より強力ではないアンタゴニストであることを示す。ある範囲
のMIP4またはMet−Ckβ7*濃度の存在下で設定量のアゴニストにより
誘導される、ヒト好酸球へのカルシウムイオン流動(Fura−2蛍光により検
出される)のピークを、アンタゴニストの非存在で誘導された流動の割合として
表す。矢印はCA2+流動が検出され得なかったところを示す。使用されたアゴニ
ストは、キーに示したように(A)1nMエオタキシン、または(B)1nM
MCP4である。
【図30】 図30A〜図30Bは、MIP4が、MCP4またはエオタキシンにより誘導
される好酸球走化性を阻害することを示す。走化性アッセイは、2人のドナー(
AおよびB)由来の好酸球を用いて、3時間、一連のMCP4またはエオタキシ
ン濃度で行った。いくつかの実験において、MIP4を、キーに示されたように
走化性ウェルの頂部および底部のチャンバーに10nMで添加した。走化性指標
を、緩衝液単独中で移動した細胞と比較した試験サンプル中の移動した細胞の比
として算出する。
【図31A】 図31Aは、好酸球におけるエオタキシン誘導カルシウム流動のMet−Ck
β7*阻害の用量応答プロフィールを示す。使用したMet−Ckβ7*は、N末
端にメチオニン残基およびC末端に改変を有する、配列番号2のアミノ酸22〜
87を有するCkβ7フラグメントの形態であった(Met−22−87−Me
t−Pro−Glu−Ala)。同じドナーの好酸球を、図31、32および3
3に示した実験において使用した。
【図31B】 図31Bは、好酸球におけるエオタキシン誘導カルシウム流動のMet−Ck
β7*阻害の用量応答プロフィールを示す。使用したMet−Ckβ7*は、N末
端にメチオニン残基およびC末端に改変を有する、配列番号2のアミノ酸22〜
87を有するCkβ7フラグメントの形態であった(Met−22−87−Me
t−Pro−Glu−Ala)。同じドナーの好酸球を、図31、32および3
3に示した実験において使用した。
【図31C】 図31Cは、好酸球におけるエオタキシン誘導カルシウム流動のMet−Ck
β7*阻害の用量応答プロフィールを示す。使用したMet−Ckβ7*は、N末
端にメチオニン残基およびC末端に改変を有する、配列番号2のアミノ酸22〜
87を有するCkβ7フラグメントの形態であった(Met−22−87−Me
t−Pro−Glu−Ala)。同じドナーの好酸球を、図31、32および3
3に示した実験において使用した。
【図31D】 図31Dは、好酸球におけるエオタキシン誘導カルシウム流動のMet−Ck
β7*阻害の用量応答プロフィールを示す。使用したMet−Ckβ7*は、N末
端にメチオニン残基およびC末端に改変を有する、配列番号2のアミノ酸22〜
87を有するCkβ7フラグメントの形態であった(Met−22−87−Me
t−Pro−Glu−Ala)。同じドナーの好酸球を、図31、32および3
3に示した実験において使用した。
【図31E】 図31Eは、好酸球におけるエオタキシン誘導カルシウム流動のMet−Ck
β7*阻害の用量応答プロフィールを示す。使用したMet−Ckβ7*は、N末
端にメチオニン残基およびC末端に改変を有する、配列番号2のアミノ酸22〜
87を有するCkβ7フラグメントの形態であった(Met−22−87−Me
t−Pro−Glu−Ala)。同じドナーの好酸球を、図31、32および3
3に示した実験において使用した。
【図31F】 図31Fは、好酸球におけるエオタキシン誘導カルシウム流動のMet−Ck
β7*阻害の用量応答プロフィールを示す。使用したMet−Ckβ7*は、N末
端にメチオニン残基およびC末端に改変を有する、配列番号2のアミノ酸22〜
87を有するCkβ7フラグメントの形態であった(Met−22−87−Me
t−Pro−Glu−Ala)。同じドナーの好酸球を、図31、32および3
3に示した実験において使用した。
【図31G】 図31Gは、好酸球におけるエオタキシン誘導カルシウム流動のMet−Ck
β7*阻害の用量応答プロフィールを示す。使用したMet−Ckβ7*は、N末
端にメチオニン残基およびC末端に改変を有する、配列番号2のアミノ酸22〜
87を有するCkβ7フラグメントの形態であった(Met−22−87−Me
t−Pro−Glu−Ala)。同じドナーの好酸球を、図31、32および3
3に示した実験において使用した。
【図32A】 図32Aは、好酸球におけるエオタキシン誘導カルシウム流動のMet−Ck
β7阻害の用量応答プロフィールを示す。使用したCkβ7は、配列番号2のア
ミノ酸22〜89、およびN末端にメチオニン残基を有するCkβ7フラグメン
トの形態であった(Met−22−89)。同じドナーの好酸球を、図31、3
2および33に示した実験において使用した。
【図32B】 図32Bは、好酸球におけるエオタキシン誘導カルシウム流動のMet−Ck
β7阻害の用量応答プロフィールを示す。使用したCkβ7は、配列番号2のア
ミノ酸22〜89、およびN末端にメチオニン残基を有するCkβ7フラグメン
トの形態であった(Met−22−89)。同じドナーの好酸球を、図31、3
2および33に示した実験において使用した。
【図32C】 図32Cは、好酸球におけるエオタキシン誘導カルシウム流動のMet−Ck
β7阻害の用量応答プロフィールを示す。使用したCkβ7は、配列番号2のア
ミノ酸22〜89、およびN末端にメチオニン残基を有するCkβ7フラグメン
トの形態であった(Met−22−89)。同じドナーの好酸球を、図31、3
2および33に示した実験において使用した。
【図32D】 図32Dは、好酸球におけるエオタキシン誘導カルシウム流動のMet−Ck
β7阻害の用量応答プロフィールを示す。使用したCkβ7は、配列番号2のア
ミノ酸22〜89、およびN末端にメチオニン残基を有するCkβ7フラグメン
トの形態であった(Met−22−89)。同じドナーの好酸球を、図31、3
2および33に示した実験において使用した。
【図32E】 図32Eは、好酸球におけるエオタキシン誘導カルシウム流動のMet−Ck
β7阻害の用量応答プロフィールを示す。使用したCkβ7は、配列番号2のア
ミノ酸22〜89、およびN末端にメチオニン残基を有するCkβ7フラグメン
トの形態であった(Met−22−89)。同じドナーの好酸球を、図31、3
2および33に示した実験において使用した。
【図32F】 図32Fは、好酸球におけるエオタキシン誘導カルシウム流動のMet−Ck
β7阻害の用量応答プロフィールを示す。使用したCkβ7は、配列番号2のア
ミノ酸22〜89、およびN末端にメチオニン残基を有するCkβ7フラグメン
トの形態であった(Met−22−89)。同じドナーの好酸球を、図31、3
2および33に示した実験において使用した。
【図32G】 図32Gは、好酸球におけるエオタキシン誘導カルシウム流動のMet−Ck
β7阻害の用量応答プロフィールを示す。使用したCkβ7は、配列番号2のア
ミノ酸22〜89、およびN末端にメチオニン残基を有するCkβ7フラグメン
トの形態であった(Met−22−89)。同じドナーの好酸球を、図31、3
2および33に示した実験において使用した。
【図33】 図33は、図31におけるMet−Ckβ7*形態および図32におけるMe
t−Ckβ7形態の比較を示し、そしてこれら2つの形態が等価なアンタゴニス
ト活性を有することを示す。
【図34】 図34は、Met−Ckβ7およびMet−Ckβ7 Fc改変体による、好
酸球におけるエオタキシン誘導カルシウム流動化の阻害の用量応答プロフィール
を示す。使用されたCkβ7(融合形態において、および非融合形態において)
は、配列番号2のアミノ酸22〜89、およびN末端にメチオニン残基を有する
Ckβ7フラグメントであった(Met−22−89(配列番号2のアミノ酸2
1〜89))。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/00 A61P 19/02 17/04 21/00 19/02 29/00 21/00 31/00 29/00 37/08 31/00 C07K 14/52 37/08 C12N 1/15 C07K 14/52 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A C12P 21/02 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 9410 Key West Avenue, Rockville, Marylan d 20850, United State s of America (71)出願人 ビートソン インスティテュート フォー キャンサー リサーチ イギリス国, ジー61 1ビーディー グ ラスゴー, ベアースデン, スウィッチ バック ロード, ガースキューブ エス テート (72)発明者 サルセド, テオドラ ダブリュー. アメリカ合衆国 メリーランド 20886, ガイサースバーグ, フェザーツリー テラス 9810 (72)発明者 パテル, ビクラム アメリカ合衆国 メリーランド 20876, ジャーマンタウン, セプター リッジ テラス 11117 (72)発明者 ニッブス, ロバート ジョン ベンジャ ミン イギリス国 ジー12 9ティーエス グラ スゴー, ヒンドランド, エアリー ス トリート, 33, フラット 1/アール アイ1アール (72)発明者 グラハム, ジェラルド ジョン イギリス国 ジー41 3キューユー グラ スゴー, ショウランズ, ミッドロシア ン ドライブ 34 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA21 CA04 DA02 DA05 DA11 EA02 EA03 EA04 GA11 HA01 HA03 4B064 AG02 CA02 CA05 CA10 CA19 CC24 DA01 4B065 AA01X AA57X AA87X AA93Y AB01 BA02 CA24 CA44 4C084 AA02 AA07 BA01 NA14 ZA34 ZA59 ZA89 ZA94 ZA96 ZB11 ZB13 ZB15 ZB31 ZC54 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 CA40 DA01 EA22 FA72 FA74

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下からなる群から選択された、単離されたケモカインβ−
    7N末端欠失変異体: (a)配列番号2の22−89、23−89、24−89、25−89、26
    −89、27−89、28−89、29−89および30−89からなる群から
    選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド; (b)N末端に(a)のアミノ酸配列およびメチオニン残基を有するポリペプ
    チド; (c)一つ以上のアミノ酸置換を除いて(a)のアミノ酸配列を有する置換改
    変体であって;ここで、該改変体のアミノ酸配列は、(a)のアミノ酸配列と少
    なくとも90%同一であり、該改変体はケモカイン誘導の好酸球中のカルシウム
    流動を阻害する、置換改変体;ならびに (d)一つ以上のアミノ酸置換を除いて(b)のアミノ酸配列を有する置換改
    変体であって;ここで、該改変体のアミノ酸配列は、(b)のアミノ酸配列と少
    なくとも90%同一であり、該改変体はケモカイン誘導の好酸球中のカルシウム
    流動を阻害する、置換改変体。
  2. 【請求項2】 (a)である、請求項1に記載の欠失変異体。
  3. 【請求項3】 (b)である、請求項1に記載の欠失変異体。
  4. 【請求項4】 (c)である、請求項1に記載の欠失変異体。
  5. 【請求項5】 (d)である、請求項1に記載の欠失変異体。
  6. 【請求項6】 以下からなる群から選択される、単離されたケモカインβ−
    7C末端欠失変異体: (a)配列番号2の1−70、1−71、1−72、1−73、1−74、1
    −75、1−76、1−77、1−78、1−79、1−80、1−81、1−
    82、1−83、1−84、1−85、1−86、1−87および1−88から
    なる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド; (b)配列番号2の21−70、21−71、21−72、21−73、21
    −74、21−75、21−76、21−77、21−78、21−79、21
    −80、21−81、21−82、21−83、21−84、21−85、21
    −86、21−87および21−88からなる群から選択されるアミノ酸配列を
    有するポリペプチド; (c)N末端に(a)のアミノ酸配列およびメチオニン残基を有するポリペプ
    チド; (d)N末端に(b)のアミノ酸配列およびメチオニン残基を有するポリペプ
    チド; (e)一つ以上のアミノ酸置換を除いて(a)のアミノ酸配列を有する置換改
    変体であって;ここで、該改変体のアミノ酸配列は、(a)のアミノ酸配列と少
    なくとも90%同一であり、該改変体はケモカイン誘導の好酸球中のカルシウム
    流動を阻害する、置換改変体; (f)一つ以上のアミノ酸置換を除いて(b)のアミノ酸配列を有する置換改
    変体であって;ここで、該改変体のアミノ酸配列は、(b)のアミノ酸配列と少
    なくとも90%同一であり、該改変体はケモカイン誘導の好酸球中のカルシウム
    流動を阻害する、置換改変体; (g)一つ以上のアミノ酸置換を除いて(c)のアミノ酸配列を有する置換改
    変体であって;ここで、該改変体のアミノ酸配列は、(c)のアミノ酸配列と少
    なくとも90%同一であり、該改変体はケモカイン誘導の好酸球中のカルシウム
    流動を阻害する、置換改変体;ならびに (h)一つ以上のアミノ酸置換を除いて(d)のアミノ酸配列を有する置換改
    変体であって;ここで、該改変体のアミノ酸配列は、(d)のアミノ酸配列と少
    なくとも90%同一であり、該改変体はケモカイン誘導の好酸球中のカルシウム
    流動を阻害する、置換改変体。
  7. 【請求項7】 (a)である、請求項6に記載の欠失変異体。
  8. 【請求項8】 (b)である、請求項6に記載の欠失変異体。
  9. 【請求項9】 (c)である、請求項6に記載の欠失変異体。
  10. 【請求項10】 (d)である、請求項6に記載の欠失変異体。
  11. 【請求項11】 (e)である、請求項6に記載の欠失変異体。
  12. 【請求項12】 (f)である、請求項6に記載の欠失変異体。
  13. 【請求項13】 (g)である、請求項6に記載の欠失変異体。
  14. 【請求項14】 (h)である、請求項6に記載の欠失変異体。
  15. 【請求項15】 以下からなる群から選択された、単離されたケモカインβ
    −7N末端およびC末端欠失変異体: (a)配列番号2の21−88、22−88、23−88、24−88、25
    −88、26−88、27−88、28−88、29−88、30−88、21
    −87、22−87、23−87、24−87、25−87、26−87、27
    −87、28−87、29−87、30−87、21−86、22−86、23
    −86、24−86、25−86、26−86、27−86、28−86、29
    −86、30−86、21−85、22−85、23−85、24−85、25
    −85、26−85、27−85、28−85、29−85、30−85、21
    −84、22−84、23−84、24−84、25−84、26−84、27
    −84、28−84、29−84、30−84、21−83、22−83、23
    −83、24−83、25−83、26−83、27−83、28−83、29
    −83、30−83、21−82、22−82、23−82、24−82、25
    −82、26−82、27−82、28−82、29−82、30−82、21
    −81、22−81、23−81、24−81、25−81、26−81、27
    −81、28−81、29−81、30−81、21−80、22−80、23
    −80、24−80、25−80、26−80、27−80、28−80、29
    −80、30−80、21−79、22−79、23−79、24−79、25
    −79、26−79、27−79、28−79、29−79、30−79、21
    −78、22−78、23−78、24−78、25−78、26−78、27
    −78、28−78、29−78、30−78、21−77、22−77、23
    −77、24−77、25−77、26−77、27−77、28−77、29
    −77、30−77、21−76、22−76、23−76、24−76、25
    −76、26−76、27−76、28−76、29−76、30−76、21
    −75、22−75、23−75、24−75、25−75、26−75、27
    −75、28−75、29−75、30−75、21−74、22−74、23
    −74、24−74、25−74、26−74、27−74、28−74、29
    −74、30−74、21−73、22−73、23−73、24−73、25
    −73、26−73、27−73、28−73、29−73、30−73、21
    −72、22−72、23−72、24−72、25−72、26−72、27
    −72、28−72、29−72、30−72、21−71、22−71、23
    −71、24−71、25−71、26−71、27−71、28−71、29
    −71、30−71、21−70、22−70、23−70、24−70、25
    −70、26−70、27−70、28−70、29−70および30−70か
    らなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド; (b)N末端に(a)のアミノ酸配列およびメチオニン残基を有するポリペプ
    チド; (c)一つ以上のアミノ酸置換を除いて(a)のアミノ酸配列を有する置換改
    変体であって;ここで、該改変体のアミノ酸配列は、(a)のアミノ酸配列と少
    なくとも90%同一であり、該改変体はケモカイン誘導の好酸球中のカルシウム
    流動を阻害する、置換改変体;ならびに (d)一つ以上のアミノ酸置換を除いて(b)のアミノ酸配列を有する置換改
    変体であって;ここで、該改変体のアミノ酸配列は、(b)のアミノ酸配列と少
    なくとも90%同一であり、該改変体はケモカイン誘導の好酸球中のカルシウム
    流動を阻害する、置換改変体。
  16. 【請求項16】 (a)である、請求項15に記載の欠失変異体。
  17. 【請求項17】 (b)である、請求項15に記載の欠失変異体。
  18. 【請求項18】 (c)である、請求項15に記載の欠失変異体。
  19. 【請求項19】 (d)である、請求項15に記載の欠失変異体。
  20. 【請求項20】 請求項1に記載のポリペプチドをコードする、単離された
    核酸分子。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の核酸分子を、ベクターに挿入する工程
    を包含する、組換えベクターを作製するための方法。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の方法により生産された、組換えベクタ
    ー。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の組換えベクターを宿主細胞に導入する
    工程を包含する、組換え宿主細胞を作製する方法。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の方法により生産された、組換え宿主細
    胞。
  25. 【請求項25】 ポリペプチドを生産するための方法であって、該ポリペプ
    チドが発現されるような条件下で、請求項24に記載の宿主細胞を培養する工程
    、および該ポリペプチドを回収する工程、を包含する、方法。
  26. 【請求項26】 個体におけるケモカイン誘導の好酸球中のカルシウム流動
    を阻害するための方法であって、該方法は、以下からなる群から選択されたケモ
    カインβ−7ポリペプチドの有効な量を該個体に投与する工程を包含し、ここで
    、該ケモカインβ−7ポリペプチドは、薬学的に受容可能なキャリアとの混合で
    投与される方法: (a)配列番号2のアミノ酸30〜70を有するポリペプチド; (b)N末端に該(a)のアミノ酸配列およびメチオニン残基を有するポリペ
    プチド; (c)一つ以上のアミノ酸置換を除いて(a)のアミノ酸配列を有する置換改
    変体であって、ここで、該改変体のアミノ酸配列は、(a)のアミノ酸配列と少
    なくとも90%同一である、置換改変体;ならびに (d)一つ以上のアミノ酸置換を除いて(b)のアミノ酸配列を有する置換改
    変体であって;ここで、該改変体のアミノ酸配列は、(b)のアミノ酸配列と少
    なくとも90%同一である、置換改変体。
  27. 【請求項27】 前記ケモカインβ−7ポリペプチドが(a)である、請求
    項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記ケモカインβ−7ポリペプチドが(b)である、請求
    項26に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記ケモカインβ−7ポリペプチドが(c)である、請求
    項26に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記ケモカインβ−7ポリペプチドが(d)である、請求
    項26に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記ケモカインβ−7ポリペプチドが好酸球の走化性を阻
    害する、請求項26に記載の方法。
  32. 【請求項32】 請求項26に記載の方法であって、前記ケモカインβ−7
    ポリペプチドが、炎症、リウマチ様関節炎、アレルギー反応、皮膚炎、慢性蕁麻
    疹、成人呼吸窮迫症候群、喘息、特発的過剰好酸球性症候群、好酸球性筋炎、好
    酸球性筋膜炎、鼻炎および感染性疾患からなる群から選択される病気および障害
    を治療するために投与される、方法。
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