JP2002528552A - 置換ベンゾイルフェロセン系のアニオン光開始剤 - Google Patents

置換ベンゾイルフェロセン系のアニオン光開始剤

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クタール、チャールズ、アール
佳一 山口
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ユニバーシティ・オブ・ジョージア・リサーチ・ファウンデイション・インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、構造(1)を有するアニオン光開始剤化合物、それら化合物を含有する組成物、およびそれら化合物を使用する方法に関する。但し、構造(1)において、XおよびYは、独立に、直接単結合および−C(=O)−より成る群から選ばれ、ここでXおよびYの少なくとも一方は−C(=O)−であり;R1およびR2は、独立に、Hおよび置換フェニル基より成る群から選ばれ、ここでR1およびR2は同時にHであることはなく;そして−X-R1も−Y-R2もどちらも−C(=O)Hではない。このアニオン光開始剤は、重合性または架橋性のモノマー種、オリゴマー種または架橋性ポリマー種と一緒に貯蔵したときでも感光性を失うことがなく、改善された貯蔵安定性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
(発明の背景)
【0001】 1.発明の分野 本発明は、一般的には、アニオン光重合、アニオン光開始法、およびアニオン
光開始剤に関する。さらに具体的には、本発明は、モノマー、オリゴマーまたは
ポリマーを重合または架橋するためのアニオン光開始剤として有用な置換ベンゾ
イルフェロセン化合物に関し、モノマー、オリゴマーまたはポリマーと上記光開
始剤とを含有する光重合性または光架橋性組成物を含む、上記化合物を含有する
貯蔵安定性を有する組成物に関し、上記化合物および組成物を使用してアニオン
光重合を開始する方法に関し、そしてそれら自体のアニオン光重合法に関する。
【0002】 2.関連技術の説明 モノマーまたはオリゴマーの重合およびポリマーの架橋が、幾つかの異なる機
構で進行し得ることは公知である。これらの機構は、大まかに言うと、ラジカル
重合およびイオン重合として分類できる。ラジカル重合では、重合開始種、即ち
、化学結合の開裂により生成する不対電子を有する遊離ラジカルが形成される。
予想されるように、遊離ラジカルの形成にはエネルギーの投入が必要とされる。
しかし、一旦十分な数の開始ラジカルが形成されると、それらはモノマー種、オ
リゴマー種またはポリマー種と反応して他の遊離ラジカルを生成させる(即ち、
それら開始ラジカルは、モノマー種、オリゴマー種またはポリマー種をその種の
中の化学結合を切断することにより、遊離ラジカル自体に転化させる)。得られ
た遊離ラジカルは、次に他のモノマー分子、オリゴマー分子またはポリマー分子
と反応して追加の遊離ラジカルを形成し、同時に、ポリマーを構築し、またはポ
リマーを架橋する。全体の結果は連鎖反応であって、それにより、重合の場合は
、連続生成する遊離ラジカル種と追加のモノマー、オリゴマーまたはポリマーと
の間の反応により長い鎖状分子が形成され、そしてその反応は、2つの遊離ラジ
カル種が反応したとき、または生成ポリマーの反応性部分がある種の他の連鎖停
止基と出会ったときに停止する。
【0003】 イオン重合は、カチオン性またはアニオン性の開始種が形成され、それらがま
たモノマー、オリゴマーまたはポリマーと反応して他のイオン種を生成させ、こ
れらイオン種が、再び、反応部分が連鎖停止基と出会い、反応するまで生長を続
ける長鎖分子を生成させる連鎖反応を引き起こすことによって進行する。イオン
重合は、ある分子から電子を取り除きまたは分子に付加して、正味の陰電荷また
は陽電荷を持つ種を生成させることによって進行する。カチオン性反応性部分の
形成により進行するイオン重合がカチオン重合と呼ばれ、アニオン性反応性部分
の形成により進行するイオン重合がアニオン重合と称されている。
【0004】 ラジカル重合とイオン重合の両重合において、その開始種はモノマー種、オリ
ゴマー種またはポリマー種自体から形成することもできるし、或いは、所望とさ
れるラジカルまたはイオンをさらに容易に形成する、開始剤と呼ばれるある種の
他の種から形成することもできる。電磁エネルギーを吸収すると活性な開始種を
生成する開始剤が光開始剤と称され、この光開始剤により開始される重合または
架橋反応が光重合または光架橋反応と呼ばれる。カチオン重合とラジカル重合の
両重合についての機構は、S.パッパス(S. Pappas)著・Encyclopedia of Pol
ymer Science and Engineering、第二版(マーク[Mark]等の編集)、11:1
86−204(1988)に示されている。
【0005】 アンモニアまたは有機アミンのようなルイス塩基も、重合または架橋反応を開
始させることができる。このタイプの方法では、そのルイス塩基をモノマー、オ
リゴマーまたはポリマーに加えて、カチオン経路、アニオン経路または(カチオ
ンおよびアニオンの)混成経路で重合または架橋を開始させ得る両性イオン(構
造中の異なる位置に陽電荷と陰電荷を含んでいる種)を生成させる。
【0006】 光重合は、光画像形成技術並びに被覆およびインキ技術を利用する工業分野を
含む、多様な異なる工業分野で広く適用可能な、重要な商業プロセスの基礎であ
る。官能化されたモノマー、オリゴマーおよびポリマーの光誘発反応は、色々な
技術分野で著しく大きな役割を果たし、それは世界経済に年250億ドルの寄与
をしていると見積もられている。重要な商業用途として、塗料およびインキの紫
外線硬化、半導体チップおよび印刷回路基板の光画像形成、並びに視覚情報の光
駆動記憶と出力がある。後者の例としては、光ポリマーをベースとする印刷版(
例えば、フレキソグラフ印刷版、凸版印刷版またはレリーフ印刷版;これらにお
いては光重合が材料の溶解性を変え、画像は溶媒洗浄により形成される)、オフ
セット印刷機の色再現校正刷り(印刷機で作られた画像をシミュレートするもの
で、この場合光重合が材料の溶解性、粘着性、接着性および凝集性を変えるか、
または材料の導電率を変え、画像は洗浄、調色、層間剥離、または帯電、調色、
および転写により形成される)、およびホログラフィーによる記録(この場合は
、光重合が材料の屈折率を変えたときに画像が形成される)が挙げられる。S.
パッパス著・放射線硬化(Radiation curing):Science and Technology、プレ
ナム・プレス社(Plenum Press)、1992年、426〜435頁を参照された
い。
【0007】 光画像形成は、光重合性の系をマスクまたはパターンを用いて電磁エネルギー
に曝露することを含む。この場合、電磁エネルギーは、電磁エネルギーがその重
合性の系に到達する前に、そのマスクまたはパターンを通過しなければならない
。そのとき、マスクの潜像が光重合性の系に付与される。潜像は、次いで、未光
重合材料を溶解するか、または他の方法で除去することによって現像することが
できる。残った光重合層は、続いて行われる下にある基材の化学的または物理的
操作中において、保護領域のパターンを形成する。例えば、光重合は、エッチン
グおよび/またはイオン注入のための半導体のパターン化に、さらにまた、例え
ば銅含有印刷回路板のエッチングや、印刷版のエッチング等のために用いられる
フォトリソグラフィ工程において非常に重要なものである。許容できる処理量を
維持するために、電磁エネルギーに対する感度が非常に高い光重合性材料がこの
材料をパターン化するのに用いらる。比較的短い波長の電磁線に対して感度の高
い光重合材料の使用が、例えば半導体ディバイスで必要とされる十分に小さいパ
ターン特性を得るのに望ましい。
【0008】 光開始される、特に紫外線で開始される塗料および印刷インキの硬化は、ラジ
カル重合またはカチオン重合に基づくことができる。アクリレート樹脂の硬化に
は、制御可能な硬度、可撓性、並びに耐磨耗性および耐溶剤性を持つ塗膜を与え
るために、光開始重合が商業的に重要である。紫外線硬化は急速な網状構造の形
成を実現し、そして(被覆または印刷されるべき)熱に弱い基材の使用を可能に
するが、この両者は共に熱硬化より有利である。紫外線硬化性インキは、リソグ
ラフィック印刷、スクリーン印刷、フレキソグラフ印刷および凸版印刷に使用す
ることができる。紫外線硬化性塗料は、オーバープリント用ワニス、パーティク
ルボード用仕上げ剤、金属装飾用塗料として、またビニルフローリングを製造す
るのに使用することができる。光硬化性塗料は、誘電被覆、電子部品用保護被覆
、導電性被覆および光ファイバー用被覆の製造において有用である。
【0009】 光重合は、モノマー、オリゴマーおよびポリマーの重合、並びにオリゴマーお
よびポリマーの架橋を引き起こすために、(光を含めて)電磁エネルギーの使用
を伴う。光化学的反応または光開始される反応は、反応混合物を光または他の電
磁線に曝露したときに反応性種が生成せしめられる場合に起こる。このタイプの
プロセスの最も単純な機構は、反応体(モノマー、オリゴマー、ポリマーまたは
それらの混合物)の最終生成物への直接光化学的転化を含む(式1)。反応体が
入射電磁線を吸収しないか、または電磁線に曝露したときに反応性中間体を生成
させない場合は、光開始剤(P)と称される第二の化合物を加えることができる
。光開始剤は入射電磁線を強力に吸収して光化学的変化を受け、1種または2種
以上の反応性種Iを生成させる(式2)。Iと反応体との相互作用により、生成
物が形成される(式3)。
【化12】
【0010】 光開始剤と反応体とは異なる機能を果たすから、一方の性質を他方の望ましい
特徴に影響を及ぼすことなく最適化することが可能である。式2および3に示さ
れるタイプの2成分系における、この固有の自在性は、放射線感受性材料の設計
を著しく単純化し、そしてより広い範囲の重合性または架橋性反応体、例えば電
磁線を吸収する適切な発色団を欠く、或いは光に対して本来的に不活性な反応体
に関しても光重合を効果的に利用できるようにする。入射放射線を強力に吸収し
、そして光化学的転位を受けて1種または2種以上の反応性種Iを生成させる光
開始剤の使用は、かくして、光重合のより広い、そしてより自在な使用を可能に
する。
【0011】 反応性種Iは、反応の結果としていかなる永久的な構造変化または組成変化も
受けない、反応の真の触媒として機能する。また、反応性種Iを反応体の連鎖反
応を開始させながら消費してもよい。更に、反応性種Iを十分に高い局在化濃度
で存在させ、コモノマーとして効果的に機能させることも可能であるが、但し、
通常は、そのようなことは行わない。いずれにしても、一個の光子の作用によっ
て生成する反応性種Iは、反応体分子を生成物に転化させることができ、その際
1より大きい量子効率(即ち、吸収される光子1個当たりの生成物形成反応の発
生回数)を与える。実際は、これは、初期の光化学反応における化学増幅をもた
らし、高い放射線感度を持つ光重合性材料の設計手段を与える。
【0012】 商業的に重要な光開始剤の非常に多くの部分を占めるものは、照射時にラジカ
ルおよび/または強酸を生成させる非金属系の化合物である。これらの光開始剤
は、重合反応をラジカル機構および/またはカチオン機構で進行させる。よく研
究された例に、ベンゾインおよびベンゾインエーテル類、ベンジルケタール類、
ベンゾフェノン類及び水素原子供与体、チオール−エン系、並びにアリールジア
ゾニウム類、トリアリールスルホニウム類およびジアリールイオジウム類に属す
るオニウム塩がある。現在まで報告されている比較的少数の遷移金属含有光開始
剤のうち大部分は、一酸化炭素、オレフィンおよび炭素環式環のような光に不安
定な配位子を有する有機金属錯体である。これらの系における開始機構の詳細は
完全には分かっていないが、配位結合的に不飽和となっている金属中心の光誘発
形成に中心的な特徴があると考えられる。D.ヤング(D. Yang)およびC.ク
タール(C. Kutal)著、Inorganic and Organometallic Photoinitiators in Ra
diation Curing:Science and Technology、S.パッパス編、プレナム・プレス
社、1992年、21〜55頁を参照されたい。
【0013】 古典的なアミン錯体の光開始剤として機能する能力は、クタール等によって報
告されている。クタールおよびウィルソン(Willson)は、Journal of Electroc
hemical Society、34(9)、2280(1987)において、グリシジルメタクリレート
とエチルアクリレートとのコポリマーと遷移金属配位錯体である[Co(NH3)5Br](C
lO4)2とを共に含んでいる溶液をスピンコートしたフィルムは、254nmで照射
し、続いて70℃で加熱すると、架橋するということを報告した。その架橋機構
は、2つの別個の段階、即ち(1)そのコバルト錯体の酸化還元分解を含む主た
る光化学的プロセス、および(2)その分解生成物と上記コポリマーの側鎖にあ
るエポキシ基との間の1つまたは2つ以上の熱活性化反応で進行することが確認
された。[Co(NH3)5Br](ClO4)2による光誘発架橋の原因となる反応性種は、この
研究では解明されなかったが、それは放出されたアンモニア分子(中性塩基触媒
)か、またはカチオン性コバルト(II)錯体(カチオン触媒)のどちらかであ
ると仮定された。
【0014】 クタール、ウェート(Weit)、マクドナルド(MacDonald)およびウィルソン
は、Journal of Coatings Technology、1990年7月号において、Co(NH2R)5X n+ 錯体(但し、Rはメチルまたはn−プロピルであり、そしてXはCl-またはBr- である)は、グリシジルメタクリレートとエチルアクリレートとのコポリマーの
フィルム中で254nmにおいて架橋反応を光開始させることを報告した。そのコ
バルト錯体のこの波長における照射は、その錯体を、配位子対金属の電荷移動励
起状態から、数当量の遊離アルキルアミンの放出を伴いながら、効率的に光酸化
還元分解させる。このアルキルアミンコバルト錯体の分解量子収率は、酸素の存
在下でさえも、そのアンモニアコバルト錯体について報告された量子収率よりも
一様に高い。また、Co(NH2Me)5X2+は上記架橋反応においてCo(NH3)5X2+よりも大
きな感光性を示すことも観察されたが、これはその開始種がその置換アミンまた
同アンモニア(中性塩基触媒)であること、およびその感度はそのアミンの塩基
度の関数であることを示唆するものである。Advances in Resist Technology an
d Processing VIII、第1446巻、362〜367頁(1991年)も参照さ
れたい。
【0015】 ある種のラジカル光開始剤は、特に反応性種が全てその光開始剤組成物から除
かれない場合、貯蔵安定性が問題となっている。さらに、カチオン光開始剤は多
くのモノマー組成物に溶解し難い。ラジカル重合は酸素(O2)の存在により、と
きには強く阻害されることが多いが、このことは空気下でのラジカル重合を困難
または不可能にする。アニオン重合は、一般的には、この重合禁止を受けにくい
。最後に、ある種のモノマー(例えば、α−シアノアクリレート、α−トリフル
オロメチルアクリレート)およびオリゴマーは、ラジカル開始剤またはカチオン
性開始剤に対して感度が低く、従ってその重合はアニオン機構でのみ効果的に行
われる。これらの困難性は、ラジカル重合およびカチオン重合の適用性と有用性
を制限する。
【0016】 上記のおよび他の点を考慮する結果、アニオン性開始種を光化学的に放出させ
る光開始剤は、広範囲のモノマー、オリゴマーおよびポリマーの光触媒重合また
は光触媒架橋の誘発に対して非常に価値が大きい。例えば、アルデヒド類および
ケトン類、並びにエチレン、1,3−ジエン類、スチレンおよびα−メチルスチ
レン、アクリレート類およびメタクリレート類、アクリロニトリル、メタアクリ
ロニトリル、アクリルアミドおよびメタアクリルアミドを含む、ある種特定のエ
チレン性不飽和モノマーは、アニオン重合またはアニオン架橋が可能である。N
−カルボキシ−α−アミノ無水物、環状アミド、環状エステル、エポキシドおよ
びシロキサンを含むある種特定のモノマーも、アニオン開環重合またはアニオン
架橋反応が可能である。
【0017】 そのようなアニオン光開始剤は、比較的最近まで、市販光開始剤のカタログで
はほとんど存在していなかった。クタールは、米国特許第5,691,113号
明細書おいて(ここに全内容を引用、参照することによりそれらが本明細書に含
まれるものとされる)、アニオン光開始剤として有用なトランス-[Cr(NH3)2(NCS
)4]-(ライネケート[Reineckate]アニオン)およびトランス-Cr(en)2(NCS)2 +
(但し、enはエチレンジアミンである)を含む、無機遷移金属錯体を開示した。
クタールは、米国特許第5,652,280号および米国特許出願第08/90
0,815号明細書において(ここに各々の全内容を引用、参照することにより
それらが本明細書に含まれるものとされる)、Pt(acac)2(但し、acacはアセチ
ルアセトネートである)、場合によっては置換フェロセン類、また場合によって
は置換ルテノセン類のようなアニオン光開始剤として有用な有機遷移金属錯体を
開示した。
【0018】 特開平9−249708号公報には、第VIII族遷移金属およびπ−アレー
ニル(arenyl)基、インデニル基、または所望によって置換されていてもよいη
−シクロペンタジエニル基のような芳香族配位子を有するメタロセン類を含有す
る光硬化性樹脂組成物が開示されている。その硬化反応はアニオン重合で進行す
ることが開示されている。
【0019】 色々なアニオン光開始剤についてのこれらの開示にもかかわらず、光重合を利
用する技術分野および工業分野には、貯蔵安定性と保存寿命に優れたアニオン光
開始剤の開発の必要性が残っている。特に、熱安定性と良好な感光性の両性質を
有するアニオン光開始剤が必要とされている。
【0020】 従って、本発明の1つの目的は、アニオン光開始剤として適しているが、良好
な感光性を維持しつつ、現在知られているアニオン光開始剤以上に熱および貯蔵
安定性に優れた新規な化合物を提供することである。
【0021】 本発明のもう1つの目的は、上記の向上した貯蔵安定性を有する光重合性組成
物を含む、それらアニオン光開始剤を含有する組成物を提供することである。
【0022】 本発明のさらにもう1つの目的は、本発明の化合物および組成物を用いて光重
合を開始する方法を提供することである。
【0023】 本発明のさらにまたもう1つの目的は、本発明のアニオン光開始性化合物およ
び同組成物を用いて、モノマーおよび/またはオリゴマーを光重合する方法、お
よび/またはオリゴマーおよび/またはポリマーを光架橋する方法を提供するこ
とである。
【0024】 (発明の概要) 上記のおよび他の目的並びに利点は、モノ−またはジベンゾイルフェロセン化
合物であって、そのベンゾイル基がさらに置換されているような本発明による化
合物によって達成される。これら化合物の1種または2種以上を含有するアニオ
ン光開始剤は、置換されていないフェロセンおよびベンゾイルフェロセン化合物
と比較すると、アニオン架橋またはアニオン重合反応を開始させる化合物の能力
に実質的な、または有意の低下を伴うことなく、貯蔵安定性および保存寿命に予
想外の改善をもたらす。
【0025】 さらに詳しくは、本発明、式:
【化13】
【0026】 を有するアニオン光開始剤化合物に関する。但し、上記の式において、
【0027】 XおよびYは、独立に、単結合および−C(=O)−より成る群から選ばれ、ここで
XおよびYの少なくとも一方は−C(=O)−であり;
【0028】 R1およびR2は、独立に、Hおよび置換フェニルより成る群から選ばれ、ここで
1およびR2は同時にHであることはなく;そして
【0029】 −X-R1も−Y-R2もどちらも−C(=O)Hではない。当業者であれば理解し得るように
、フェロセンのシクロペンタジエニル環は自由に回転できる。本発明のジ置換フ
ェロセンは、嵩高いベンゾイル置換基間の立体的な相互作用の結果として、完全
に自由には回転できないが、それらはある程度回転することができる。ここで使
用されているこれらの記載は、本発明による化合物の構造を例示説明するのに都
合のよいもので、この記載をシクロペンタジエニル環上の異なる位置においてモ
ノ−またはジ置換されているフェロセンを除外するものと解すべきではない。
【0030】 さらに詳しくは、上記置換フェニル部分は、式:
【化14】
【0031】 を有する。但し、上記の式において、各R3は、独立に、アルキル、パーフルオ
ロアルキル、ハロゲン、NR4 3 +、NHR4 2 +、NH2R4+、SR4 2 +、NH3 +、NO2、SO2R4、CN
、SO2Ar、COOH、OAr、COOR4、SH、SR4およびOHより成る群から選ばれ、ここでR 4 はアルキルであり、Arはアリールであり、そしてaは1〜5の整数である。さ
らにまた特定の態様においては、aが1であるとき、R3はm−メチル、p−ク
ロロまたはo−クロロではない。
【0032】 本発明による光開始剤化合物の特定の種類は、aが1であるとき、R3がエチ
ル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、パーフルオロアルキル
、ブロモ、フルオロ、ヨード、NR4 3 +、NHR4 2 +、NH2R4+、SR4 2 +、NH3 +、NO2、SO2 R4、CN、SO2Ar、COOH、OAr、COOR4、SH、SR4およびOHより成る群から選ばれ、R 4 はアルキルであり、Arはアリールであるものを含む。
【0033】 R3は、aの値にかかわらず、7〜20個の炭素原子を有するアルキルである
ことができる。
【0034】 本発明のさらにもう1つの特定の態様においては、前記置換フェニル部分はX
またはYに対して少なくとも1つのオルト−位で置換されており、そしてaが2
〜5であるとき、その置換フェニル部分は、両方ともオルト−位において置換さ
れていることが望ましい。少なくとも1つのR3がo−メチル、o−クロロまた
はo−フルオロから選ばれるのが望ましい。
【0035】 本発明のさらにもう1つの特定の態様においては、XおよびYが共に−C(=O)
−であり、そしてR1およびR2が共に置換フェニルである。
【0036】 本発明は、また、上記のアニオン光開始剤化合物、および、例えば、エチレン
、1,3−ジエン、スチレン、α−メチルスチレン、アクリレートエステル、メ
タクリレートエステル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルア
ミド、メタアクリルアミド、アルデヒド、ケトン、N−カルボキシ−α−アミノ
無水物、環状アミド、環状エステル、エポキシドおよびシロキサンのような光重
合性または光架橋性のモノマー、オリゴマーまたはポリマーを含有する光重合性
または光架橋性組成物を包含する。
【0037】 これらの組成物は、一定の期間(顕著な粘度変化が観察される前の、室温、暗
所での貯蔵経過時間と定義される)、典型的には約16〜約90日間、とりわけ
約23〜約90日間、さらにとりわけ約32〜約86日間において貯蔵安定性を
有する。加えて、これらの組成物は、約3秒〜約10分、とりわけ約3秒〜約3
分の光重合時間(1cmの矩形セル中に含まれる2mLの液体試料が非常に粘稠にな
って、25%に設定されたフィッシャー・サイエンティフィック磁気攪拌器(Fi
sher Scientific magnetic stirrer)、115V、0.2Aの影響下で、8mm攪
拌子の回転が止まるのに要する照射時間と定義される)を有する。
【0038】 これらの組成物は、UV−硬化性被覆組成物、印刷インキ組成物、フォトリソグ
ラフィ組成物、接着剤または歯科用複合材料とすることができる。本発明の光開
始剤組成物に加えて、これらの特定の組成物は、それぞれの組成物が関係するそ
れぞれの技術分野で知られているような、その組成物に一般的に使用される成分
を含んでいてもよい。例えば、印刷インキ組成物は、この技術分野で知られてい
る顔料または着色剤をさらに含んでいることになろう。
【0039】 本発明は、また、アニオン光開始反応によりモノマーを重合し、またはオリゴ
マーを架橋若しくは重合し、或いはポリマーを架橋する方法であって、そのモノ
マー、オリゴマーまたはポリマーと、前記アニオン光開始剤化合物との混合物に
、アニオン光開始剤が陰イオンとして帯電している求核剤を放出するように反応
し、そしてその陰イオン帯電求核剤が上記モノマーのアニオン重合、上記オリゴ
マーのアニオン架橋若しくは同重合反応、または上記ポリマーのアニオン架橋反
応を開始させるような照射条件で照射する工程を含む、上記の方法も包含する。
これらの方法は、硬化性の被覆組成物、フォトリソグラフィ組成物、接着剤、シ
ーラント、印刷インキ、歯科用複合材料の重合または架橋の光開始、並びに印刷
版およびホログラフ記録媒体の製造を包含する。
【0040】 これらの方法は、一般的な意味で、光重合性モノマー若しくは同オリゴマー、
または光架橋性オリゴマー若しくは同ポリマーおよび本発明による光開始剤化合
物を含有する光重合性組成物の層を被覆されるべき基材に適用し、そしてその層
をUVまたは可視スペクトル内の電磁線に十分な時間(通常は、数秒〜数分)曝露
してその層を硬化させ、樹脂コーティングとなす工程を含む。フォトリソグラフ
ィ、および印刷版またはホログラフ記録媒体の製造への適用においては、電磁線
への曝露は、マスクを通して、またはレーザー、イオン若しくは電子線によりな
される。このようにして、上記層の一部分だけがコーティングへと重合されて潜
像を形成する。この潜像は、上述のように、未重合材料を除去することにより、
または重合材料と未重合材料との異なる性質を利用することにより現像すること
ができる。
【0041】 本発明は、上記のように、その概要が説明されたが、本発明は、単に例示説明
として与えられ、いかなる意味でも本発明の範囲の限定を意図するものではない
。付随する詳細な説明および実施例を参照することにより、本発明はさらに容易
に理解されるだろう。
【0042】 (特定の態様の詳しい説明) 本発明による化合物は、式:
【化15】
【0043】 を有するものである。但し、上記の式において、
【0044】 XおよびYは、独立に、単結合および−C(=O)−より成る群から選ばれ、ここで
XおよびYの少なくとも一方は−C(=O)−であり;
【0045】 R1およびR2は、独立に、Hおよび置換フェニルより成る群から選ばれ、ここで
1およびR2は同時にHであることはなく;そして
【0046】 −X-R1も−Y-R2もどちらも−C(=O)Hではない。
【0047】 言い換えると、本発明の化合物は、モノベンゾイル−またはジベンゾイル−置
換フェロセンであって、そのベンゾイル置換基はフェロセン部分の1および/ま
たは1’位にあるのが望ましい。これらのベンゾイル置換基は、化合物に貯蔵安
定性を付与する基または部分で、望ましくは1つ若しくは2つ以上のアルキル基
(特に、1〜20個、とりわけ1〜7個の炭素原子を有する低級アルキル基)で
、1つ若しくは2つ以上の電子吸引性の基で、またはそれらのある種の組み合わ
せでさらに置換されている。例えば、CF3、CF2CF3、(CF2)2CF3等々のようなパー
フルオロアルキル、ハロゲン、NR4 3 +、NHR4 2 +、NH2R4+、SR4 2 +、NH3 +、NO2、SO2 R4、CN、SO2Ar、COOH、OAr、COOR4、SH、SR4およびOHを含む、多種多様な異なる
電子吸引性基を用いることができる。但し、上記の式において、R4は1〜20
個の炭素原子、とりわけ1〜7個の炭素原子を有するアルキルのようなアルキル
基であり、またArはフェニル、ナフチル、アントラセニル等のようなアリール基
である。メチル、エチル、プロピルおよびブチル、とりわけクロロ、フルオロお
よびメチルのようなハロゲンおよびアルキル部分が特に適していることが見いだ
された。ベンゾイル基のフェニル環の一方または両方における一方または両方の
オルト位のアルキル基および/または電子吸引性基の置換で、特に良好な貯蔵安
定性と光開始感受性がもたらされることが見いだされた。
【0048】 上記のアルキルまたは電子吸引性置換基を有するジベンゾイル置換フェロセン
類が、未置換ベンゾイルフェロセン類と比較して、更にまた本発明の置換モノベ
ンゾイルフェロセン類に比較して、特に良好な貯蔵安定性と光開始感受性を与え
ることが見いだされた。
【0049】 本発明の範囲をいかなる意味でも限定しようとするものではないが、本発明に
よる特定の置換モノ−およびジベンゾイル置換フェロセン類としては、下記のも
のが例示され、それらは次のもの含む:
【化16】
【化17】
【0050】 本発明による化合物は、公知のフリーデル−クラフツアシル化法を利用するが
、AlCl3のようなルイス酸触媒の存在下で、所望置換ベンゾイル部分に相当する
アシル化剤としての安息香酸クロリドを用い、アシル化の対象としてのフェロセ
ンにその方法を適用して、合成することができる。その酸クロリドは、一般に、
塩化メチレンのような適当な溶媒に溶解され、そしてAlCl3が加えられる。フェ
ロセンは、一般に、例えば昇華により精製され、そして上記酸クロリド/触媒混
合物への導入に先立って溶媒に溶解される。フリーデル−クラフツアシル化反応
は、一般に、還流下で、適度の温度(例えば、室温よりほんの少し高い温度)に
、ある一定期間、典型的には数時間から数日の期間加熱することにより行われる
。以下の実施例では、粗生成物は薄層クロマトグラフィーで分析され、次いで苛
性アルカリと水による洗浄、濾過、加熱したヘキサンからの再結晶化および真空
乾燥により精製された。
【0051】 得られる置換ベンゾイルフェロセンをモノ置換するか、ジ置換するかどうかの
制御は、主として、酸クロリド対フェロセンの比を制御することにより行われる
。約1:1の比でモノ置換化合物が主としてもたらされ、一方2:1より大の比
ではジ置換化合物が主としてもたらされる。第一シクロペンタジエニル環の最初
のアシル化が、それに続く求電子性アシル化を他方のシクロペンタジエニル環に
導くと考えられる。
【0052】 合成実施例 実施例1 1,1’−ビス(o−フルオロベンゾイル)フェロセンの合成 250mLの二つ口丸底フラスコに30mLのCH2Cl2と1.59g(10ミリモル
)のo−フルオロベンゾイルクロリド(ランカスター社[Lancaster])を加え
た。このフラスコを氷浴に入れ、その内容物を磁気攪拌子で攪拌した。1.33
g(10ミリモル)のAlCl3を加えると直ちに橙色になった。20分後に、0.
78g(4.25ミリモル)のフェロセン(アルドリッチ社[Aldrich];昇華
により精製)を10mLのCH2Cl2に溶かしシリンジで加えた。得られた青紫色の溶
液を2時間攪拌し、それからそのフラスコを氷浴から取り出し、30℃に加熱し
、その内容物を2日間還流させた。
【0053】 反応混合物をシリカゲルでの薄層クロマトグラフィー(TLC)により分析する
と、溶離剤としてのCH2Cl2/n−ヘキサンの2:1(体積比)混合溶剤で0.7
0のRf値により特徴付けられる、単一生成物としての1,1’−ビス(o−フル
オロベンゾイル)フェロセンであることが明らかになった。フェロセンと比べる
と、フェロセンは同様の条件下でRf0.97で溶離する。
【0054】 この生成物を単離するために、上記フラスコに約50グラムの氷を加え、その
内容物を500mLの蒸留水が入っている1Lの分液漏斗に注加した。十分な量の
25%NaOH水を加えて酸を中和し、そしてその水性層を捨てた。そのCH2Cl2層を
蒸留水で3回洗浄し、ビーカーに移し、そして8グラムの無水Na2SO4と共に20
分間攪拌した。この乾燥された溶液を濾紙で濾過し、溶媒を真空蒸留で除去して
1.14g(62%)の赤みがかった橙色の固体を得た。この粗製物質を加熱し
たヘキサン(約45℃)から再結晶化し、そして一晩真空乾燥した。
【0055】 元素分析:C24H16F2O2Feの計算値:C,67.00;H,3.75。測定値:
C,66.77;H,3.73。m.p.:152−153.5℃。1H-NMR(300MHz
,CDCl3):δ7.00−7.70(m,4H,芳香族)、δ4.84(t,2
H,Cp)、δ4.63(t,2H,Cp)。
【0056】実施例2 1,1’−ビス(o−クロロベンゾイル)フェロセンの合成 o−フルオロベンゾイルクロリドに代えてo−クロロベンゾイルクロリド(ラ
ンカスター社)を用い、実施例1の方法と同様の方法に従って合成を行った。得
られた結果を下記に示す。
【0057】 TLC(CH2Cl2):フェロセン:Rf=0.94;粗生成物:Rf=0.89。粗収
率:54%。加熱したn−ヘキサンから再結晶化。元素分析:C24H16Cl2O2Feの
計算値:C,62.24;H,3.48。測定値:C,62.32;H,3.6
6。m.p.:163−164℃。1H-NMR(300MHz,CDCl3):δ7.10−7.6
0(m,4H,芳香族)、δ4.82(t,2H,Cp)、δ4.71(t,2H
,Cp)。
【0058】実施例3 1,1’−ビス(o−メチルベンゾイル)フェロセンの合成 o−フルオロベンゾイルクロリドに代えてo−メチルベンゾイルクロリド(ラ
ンカスター社)を用い、実施例1の方法と同様の方法に従って合成を行った。得
られた結果を下記に示す。
【0059】 TLC(CH2Cl2):フェロセン:Rf=0.98;粗生成物:Rf=0.85。粗収
率:47%。加熱したn−ヘキサンから再結晶化。元素分析:C26H22O2Feの計算
値:C,73.95;H,5.25。測定値:C,73.92;H,5.30。
m.p.:95−96℃。1H-NMR(300MHz,CDCl3):δ7.10−7.70(m,
4H,芳香族)、δ4.80(t,2H,Cp)、δ4.63(t,2H,Cp)、
δ2.30(s,3H,CH3)。
【0060】実施例4 1,1’−ビス(m−メチルベンゾイル)フェロセンの合成 o−フルオロベンゾイルクロリドに代えてm−メチルベンゾイルクロリド(ラ
ンカスター社)を用い、実施例1の方法と同様の方法に従って合成を行った。得
られた結果を下記に示す。
【0061】 TLC(CH2Cl2):フェロセン:Rf=0.97;粗生成物:Rf=0.73。粗収
率:70%。加熱したn−ヘキサンから再結晶化。元素分析:C26H22O2Feの計算
値:C,73.95;H,5.25。測定値:C,73.94;H,5.31。
m.p.:130.5−131.5℃。1H-NMR(300MHz,CDCl3):δ7.10−7
.70(m,4H,芳香族)、δ4.91(t,2H,Cp)、δ4.57(t,
2H,Cp)、δ2.41(s,3H,CH3)。
【0062】実施例5 1,1’−ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェロセン の合成 o−フルオロベンゾイルクロリドに代えて2,4,6−トリメチルベンゾイル
クロリド(ランカスター社)を用い、実施例1の方法と同様の方法に従って合成
を行った。得られた結果を下記に示す。
【0063】 TLC(CH2Cl2):フェロセン:Rf=0.97;粗生成物:Rf=0.90。粗収
率:45%。加熱したn−ヘキサンから再結晶化。元素分析:C30H30O2Feの計算
値:C,75.32;H,6.32。測定値:C,75.20;H,6.38。
m.p.:224−226℃。1H-NMR(300MHz,CDCl3):δ6.83(s,2H,
芳香族)、δ4.50−4.80(m,4H,Cp)、δ2.00−2.50(m
,9H,CH3)。
【0064】実施例6 o−クロロベンゾイルフェロセンの合成 250mLの二つ口丸底フラスコに20mLのCH2Cl2と0.88g(5ミリモル)
のo−クロロベンゾイルクロリド(ランカスター社)を加えた。このフラスコを
氷浴に入れ、その内容物を磁気攪拌子で攪拌した。0.67g(5ミリモル)の
AlCl3を加えると直ちに赤紫色になった。20分後に、5mLのCH2Cl2に溶かした
0.96g(5.2ミリモル)のフェロセン(アルドリッチ社;昇華により精製
)をシリンジで加えた。得られた青紫色の溶液を3時間攪拌し、それからそのフ
ラスコを氷浴から取り出し、その内容物を23℃で1日間攪拌した。
【0065】 反応混合物をシリカゲルでのTLCにより分析すると、溶離剤としてのCH2Cl2
n−ヘキサンの2:1(体積比)混合溶剤で0.86のRf値により特徴付けられ
る、単一生成物としてのo−クロロベンゾイルフェロセンであることが明らかに
なった。この橙色の生成物を実施例1で前記した方法で単離、精製した。
【0066】 元素分析:C17H13ClOFeの計算値:C,62.91;H,4.04。測定値:
C,62.93;H,4.10。m.p.:98.5−99.5℃。1H-NMR(300MHz
,CDCl3):δ7.30−7.55(m,4H,芳香族)、δ4.74(t,2
H,Cp)、δ4.59(t,2H,Cp)、δ4.27(s,5H,Cp)。
【0067】実施例7 2,4,6−トリメチルベンゾイルフェロセンの合成 o−クロロベンゾイルクロリドに代えて2,4,6−トリメチルベンゾイルク
ロリド(ランカスター社)を用い、実施例6の方法と同様の方法に従って合成を
行った。得られた結果を下記に示す。
【0068】 TLC(CH2Cl2):フェロセン:Rf=0.97;粗生成物:Rf=0.95。粗収
率:68%。加熱したn−ヘキサンから再結晶化。元素分析:C20H20OFeの計算
値:C,72.31;H,6.07。測定値:C,72.26;H,6.08。
m.p.:105−108℃。1H-NMR(300MHz,CDCl3):δ6.85(s,2H,
芳香族)、δ4.50−4.70(m,4H,Cp)、δ4.25(s,5H,Cp
)、δ2.10−2.50(m,9H,CH3)。
【0069】 当業者であれば、上記の一般的合成法を、例えば異なる酸クロリドを用い、ま
た極く普通の方法に過ぎない実験法を用いて反応条件、溶媒等を変えることによ
って、本発明の範囲内の他のモノ−およびジベンゾイル置換フェロセン化合物を
製造するように、容易に変更することができるであろう。
【0070】 本発明により製造される化合物は、これを、適当な溶媒またはキャリアーをさ
らに含有するか、或いは光重合性のモノマー若しくはオリゴマーと、または光架
橋性のオリゴマー若しくはポリマーと混合された組成物に添加して光重合性組成
物を形成することができる。これらの組成物も感光性をあまり失わずに貯蔵安定
性を有している。
【0071】 本発明の化合物は広範囲の有機溶媒に溶解するが、しかしこれらは必ずしもア
ニオン光開始での使用に適しているわけではない。本発明の開始剤を用いると、
この光開始剤をモノマー(ニート)に溶解するか、またはモノマーと溶媒との溶
液に溶解するかのいずれかによって、アニオン光開始およびアニオン重合を行う
ことができる。共溶媒を用いる場合、この共溶媒は、重合を開始し、生長させる
際に活性なアニオン性種を捕捉する経路を提供するので、プロトン移動平衡を受
けないだろう。水と酸水溶液がプロトン移動平衡を受ける溶媒の古典的な例であ
る。水は活性な連鎖移動剤であるので、アニオン重合に特にマイナスの影響を及
ぼす。好ましい溶媒の例は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよびアク
リロニトリルである。錯体は共溶媒中で少なくとも1×10-4Mの溶解度を有す
るのが一般的には望ましいが、その溶解度は必要条件ではない。
【0072】 本発明の光開始剤は、紫外線および可視光の波長領域で強く吸収する。本発明
の置換ベンゾイルフェロセンを含む、各種フェロセン化合物のUV−可視光吸収ス
ペクトルを図1に例として示す。このグラフにおいて、各化合物の吸収スペクト
ルは次のものとして示されている:I,フェロセン;II,ベンゾイルフェロセ
ン;III,1,1’−ジベンゾイルフェロセン;IV,2,4,6−トリメチ
ルベンゾイルフェロセン;V,o−クロロベンゾイルフェロセン;VI,1,1
’−ビス(o−メチルベンゾイル)フェロセン;VII,1,1’−ビス(m−
メチルベンゾイル)フェロセン;VIII,1,1’−ビス(2,4,6−トリ
メチルベンゾイル)フェロセン;IX,1,1’−ビス(o−クロロベンゾイル
)フェロセン;およびX,1,1’−ビス(o−フルオロベンゾイル)フェロセ
ン。
【0073】 本明細書で指摘されているとおり、本発明の光開始剤は、重合性または架橋性
のモノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーを含む光重合性組成物として貯
蔵されるときでも、卓越した貯蔵安定性を示す。
【0074】 本発明の化合物は、重合反応および架橋反応の、特にエチルα−シアノアクリ
レートの重合に対して卓越した光開始剤として機能することが見いだされた。本
発明の置換ベンゾイルフェロセンは、米国特許第5,652,280号および米
国特許出願第08/900,815号明細書に記載される未置換ベンゾイルフェ
ロセンに比べて、熱および貯蔵安定性、重合または架橋反応に対する光開始能の
いずれにおいても優れているということが、一般的に、そして予想外にも、見い
だされた。さらに、本発明の化合物の中でも、1,1’−ジ置換ベンゾイルフェ
ロセンはモノ置換ベンゾイルフェロセンより一般に優れている。モノ−およびジ
−置換された両ベンゾイルフェロセンに関し、そのベンゾイル部分のフェニル環
上のオルト位に置換基を有する化合物が、他の位置に置換基を有するものよりも
一般に優れていることが見いだされた。特に、モノ−またはジベンゾイルフェロ
セン、特にジベンゾイルフェロセンのフェニル環(1個または複数個)の、1つ
または2つ以上のオルト位にある電子吸引性置換基は、安定で速いアニオン光開
始剤として特に適していることが見いだされた。特に、これらの化合物は、予想
外にも、エチルα−シアノアクリレートにおいて優れた熱安定性と光開始能を有
することが見いだされた。
【0075】 いかなる理論によっても拘束されることを望まないが、ベンゾイル置換フェロ
センの溶液光化学を調べることで、本発明者等は、これらの化合物がアニオン重
合を開始する機構は、主たる光化学工程として金属−環結合の開裂を伴い、ベン
ゾイル−置換シクロペンタジエニド、即ちC5H4C(O)C6H5-aR3 a -を生成させると考
えるに至った。この反応を以下に示す(Sは溶媒分子を示す)。このカルバニオ
ンが重合を開始させると考えられる。
【化18】
【0076】 本発明の化合物は、重合性または架橋性混合物に重合直前に加えることもでき
るし、或いは適切なモノマー、オリゴマーまたはポリマーと、場合によっては適
切な溶媒の存在下において、適切な量で混合することにより光重合性または光架
橋性組成物として調製することもできる。得られる、モノマー、オリゴマーまた
はポリマーと光開始剤との混合物を、次に、適切な波長の光を、重合および/ま
たは架橋を行うのに十分な適切な時間照射する。本発明の範囲をいかなる意味で
も限定しようとするものではないが、次の例示実施例は本発明の化合物の光開始
剤としての使用に関してさらに詳細な説明を与えるものである。
【0077】 光開始の実施例 フェロセン(アルドリッチ社)の試料は昇華によって精製された。ベンゾイル
フェロセン(アルドリッチ社)とジベンゾイルフェロセン(シグマ社[Sigma]
)の試料は、それぞれ、昇華およびn−ヘキサンからの再結晶化によってさらに
精製された。実施例1〜7で合成された化合物をアニオン光開始剤として使用し
た。高純度のエチルα−シアノアクリレート(純度99.9%;ロクタイト社[
Loctite Corp.]から入手)は、入手したものをそのまま使用した。この無色の
液体モノマーは付随しているラジカルおよび塩基性不純物の捕捉剤として、それ
ぞれヒドロキノンおよびメタンスルホン酸を含んでいた。これら化合物の電子吸
収スペクトルを、室温(典型的には、21±1℃)において、バリアン(Varian
)社製DMS分光光度計で測定した。
【0078】 以下の表2および3で得られた結果を生じさせるに際して行われた重合法を、
ここで説明する。秤量された量のエチルα−シアノアクリレートと光開始剤とを
光化学的実験の直前に高密度ポリエチレン製ビンの中で混合した。この溶液の2
mL試料に、それを透明プラスチック(メタクリレート)製の、1cmの矩形セル中
で室温(23℃)において攪拌しながら、放射線照射した。200Wの高圧水銀
灯の出力光をパイレックス(登録商標)(Pyrex)ガラスを通過させることによ り、約290nmより大きい励起波長を得た。光分解中に試料から空気を排除する ことは行わなかった。熱安定性の評価は、パラフィルム(Parafilm)でしっかり 巻かれ、かつ遮光されているポリエチレン製のビン中に室温で貯蔵された試料に 対して行われた。これら実験の結果を下記の表1〜3に示す。
【0079】 表1は、本発明の化合物、並びにフェロセン、ベンゾイルフェロセンおよび1
,1’−ジベンゾイルフェロセンを含めて、幾つかのフェロセン化合物の電子吸
収スペクトルデーター(その吸収スペクトルが図1に与えられる)をまとめて示
すものである。親化合物のフェロセンとは違って、モノ−およびジベンゾイルフ
ェロセンを含むその置換誘導体は、全て、紫外線および可視光の波長領域中の電
磁放射線を強く吸収する。さらに、これらモノ−およびジベンゾイルフェロセン
は非常によく似ているスペクトルを示す。これらの似たスペクトルに基づいて、
これらのベンゾイル置換フェロセンは光開始剤として同様の性質を有すると予想
するかもしれない。しかし、本明細書で指摘されるように、本発明者は、これは
、驚くべきことに、同様ではないことを示した。
【0080】
【表1】
【0081】1 メタノール溶媒中で測定されたスペクトル。
【0082】 表2は、エチルα−シアノアクリレートの重合速度に及ぼす捕捉剤の影響を調
べるために行われた実験の結果を与えるものである。ラジカル捕捉剤であるヒド
ロキノン(「HQ」)の濃度を上げても、重合速度には影響がなく(重合は上記の
一般的方法に従って行われる)、それによって開始反応プロセスで光化学的に生
成した(photogenerated)活性種のいかなる機能も低下することはない。これと
は対照的に、メタンスルホン酸(「MSA」)は重合を強く禁止する。本発明者等
は、アニオン重合プロセスを示しているその強ブレンステッド酸によるこの禁止
を、光化学的に生成したアニオンおよび/または生長しているポリマー鎖上のア
ニオン部位を捕捉することができるプロトンの能力にその原因があると考える。
【0083】
【表2】
【0084】1 >290nmで励起。
【0085】 表3は、エチルα−シアノアクリレート中における、本発明による幾つかの光
開始剤化合物の光開始活性と熱安定性に関する調査から得られる結果をまとめて
示すものである。このデーターは、1,1’−ジ置換フェロセン類により達成さ
れる光開始が対応するモノ置換同族体により得られる光開始よりもはるかに速い
ことを示している。この挙動は、前者の化合物群では光化学的なアニオン形成の
量子効率がより高いということを反映するものである。例えば、ジベンゾイルフ
ェロセンはメタノール中で0.45の量子収率でシクロペンタジエニドイオンを
光化学的に放出するが、これに対してベンゾイルフェロセンはこのプロセスをた
った0.083の量子収率で行う。
【0086】 表3のデーターは、また、ベンゼン環のオルト位に電子吸引性基を含んでいる
1,1’−ジ置換フェロセン類の増大した熱安定性を示している。
【0087】
【表3】
【0088】1 励起波長;546nmにおける光の強さは1.0×10-7アインシュタイン/秒
であった。
【0089】2 試料が非常に粘稠になって、フィッシャー・サイエンティフィック115V、
0.2A磁気攪拌器により最大速度の25%において加えられた力の下で、8mm
攪拌子の回転が止まるのに要する放射線照射時間。
【0090】3 室温、暗所で貯蔵された試料が著しい粘度変化を起こすのに要する時間。4 放射線照射前に暗所で64日間貯蔵された試料について測定。5 64日後も粘度に変化がないことは明らかであった。
【0091】 本発明者等は、初めに、ベンゾイル置換光開始剤を含有するエチルα−シアノ
アクリレートの遅い熱重合は、そのカルボニル基の酸触媒による加水分解と、そ
れに続く金属−環開裂の結果であると理論付けた。これが事実であるとすれば、
オルト置換基を導入することでそのカルボニル基に対する接近が妨害されること
は、このプロセスを遅らせ、それによってこの光開始剤の熱安定性が向上すると
予想されることになる。1,1’−ジベンゾイルフェロセンおよび1,1’−ビ
ス(o−メチルベンゾイル)フェロセンの結果において見られるように、1個の
o−メチル基の追加は得られる光開始剤の保存寿命を約50%だけ向上させた。
しかし、驚くべきことに、1,1’−ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル
)フェロセンにおけるように、2つのオルト位にメチル基を入れることによって
更なる安定化は生じない。
【0092】 その結果、本発明者等は、驚くべきことに、置換基の立体効果だけで熱安定性
の観察された傾向は説明できないことを示している。この置換基の電子効果は、
1,1’−ビス(o−クロロベンゾイル)フェロセンおよび1,1’−ビス(o
−フルオロベンゾイル)フェロセン中に塩素およびフッ素のような強い電子吸引
性の基がそれぞれ存在することに由来する保存寿命の顕著な向上で証明されるよ
うに、同等に、そして多分同等以上に重要なものであろう。いかなる理論によっ
ても拘束されたくないが、この高度に電子吸引性の基は、カルボニル基の加水分
解に伴われる中間体を不安定にし、それによって光開始剤の分解を遅らせている
と考えられる。
【0093】 本発明による光開始剤化合物、それらを含有する組成物およびそれら光開始剤
化合物を含有する光重合性組成物は、他の光重合性組成物について使用されるの
と同じようにして、そしてこの技術分野で知られているのと同じようにして使用
することができる。
【0094】 例えば、塗料の光誘発硬化では、モノマー、オリゴマーまたは架橋性ポリマー
、例えばアクリレート類、メタクリレート類、アクリロニトリル、エポキシド類
若しくはエピスルフィド類またはそれらの混合物と、典型的には約100〜約3
0,000ppm、とりわけ約400〜約1000ppmの濃度(これは試料の厚さ、
励起波長および光の強さのような因子に依存する)の、1種または2種以上の本
発明のアニオン光開始剤とを、前記したような場合によって加えられる溶媒、顔
料、潜−または活性−光安定剤、導電性材料、そして場合によって加えられるそ
の他の適当な添加剤と共に含む混合物を、金属、ポリマー、ガラス、木材、セラ
ミックまたは他の材料である被覆されるべき反応性の表面に塗布する。この塗料
混合物を、次に、紫外線または他の適当な電磁線、例えば電子線硬化に、ポリマ
ー樹脂の光硬化に関する技術分野で知られている十分な条件下で十分な時間照射
する。
【0095】 フォトリソグラフィに使用される場合は、モノマー、オリゴマーまたはポリマ
ーの組成物を本発明の光開始剤と混合して、半導体材料または印刷回路基板にパ
ターンを形成する際に使用するのに適したフォトレジスト組成物を形成する。こ
こで、これら半導体材料または印刷回路基板は、そのパターン形成に続いてエッ
チング、および/または、半導体の場合はイオン注入が行われる。本発明の光開
始剤の高い量子効率は、半導体ディバイスを短時間に大量に製造するのを可能に
する。さらに、この活性なイオン性開始種を生成させるために使用できる比較的
短波長の励起エネルギーは、必要なミクロンおよびサブミクロンのパターン寸法
(feature size)を達成するために、現在の半導体材料のフォトリソグラフィに
おいて必要となる高解像度を可能にする。
【0096】 一般的に言えば、この電磁線吸収プロセスは、電子を、結合特性または非結合
特性を持つ分子軌道から、鉄−アニオン結合に関して反結合特性を持つ分子軌道
へと移動させる。典型的なケースでは、フェロセン化合物は、特定波長の光が照
射されるとき、配位子場転移または電荷移動転移を行う。本発明で記載されるフ
ェロセン化合物では、吸収は紫外線および可視光の波長領域(200〜600nm
)で起こる。表3に示されるとおり、これら化合物の多色(>290nm)光また
は単色(546nm)光による励起が、アクリレートモノマーの重合を開始させる
。特定の系と用途ための最適励起波長は、当業者が適宜選択することができるも
のである。
【0097】 以上の説明に基づくと、当業者にとって、一般的且つ特定の態様、変更態様、
修正態様、その他特定の態様およびそれらの均等態様に関して記載されている本
発明は、明白なものとなるであろう。これらも、前記特許請求の範囲の範囲内に
、またはそれらに均等なものの範囲内に包含されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、メタノールに溶解された本発明による各種化合物のUV−可視スペクト
ルを示しているグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 163/00 C09D 163/00 4J039 183/04 183/04 4J040 C09J 4/00 C09J 4/00 11/06 11/06 163/00 163/00 183/04 183/04 G03F 7/00 501 G03F 7/00 501 7/029 7/029 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2H025 AB01 AB03 AB15 AB16 AB20 AC01 AC06 AD01 BC13 BC17 BC32 BD03 BD04 BD10 CA39 2H096 AA01 AA02 AA06 AA25 AA26 AA30 BA05 BA20 EA02 EA06 4H050 AA01 AA03 AB40 AB99 4J011 AA01 DA02 FA01 FB01 QA07 QA08 QA09 SA86 UA01 VA05 WA01 WA02 WA05 WA10 4J038 DB001 DL031 FA021 FA031 FA041 FA121 FA161 JC38 KA03 NA26 PA17 4J039 AD21 AE05 AE11 BA37 BC05 BC12 BC16 BC19 BC33 BC44 BC47 BC54 BC59 BE27 EA05 EA44 4J040 EC001 EK031 FA021 FA031 FA041 FA101 FA111 FA141 HD41 JB08 KA13 LA05 PA32

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 を有する化合物〔上記の式において、 XおよびYは、独立に、単結合および−C(=O)−より成る群から選ばれ、ここ
    でXおよびYの少なくとも一方は−C(=O)−であり; R1およびR2は、独立に、Hおよび式: 【化2】 (式中、各R3は、独立に、アルキル、パーフルオロアルキル、ハロゲン、NR4 3 + 、NHR4 2 +、NH2R4+、SR4 2 +、NH3 +、NO2、SO2R4、CN、SO2Ar、COOH、OAr、COOR4
    SH、SR4およびOHより成る群から選ばれ、ここでR4はアルキルであり、Arはアリ
    ールであり、そしてaは1〜5の整数であり、但しaが1であるとき、R3はm
    −メチル、p−クロロまたはo−クロロではない。) を有する置換フェニル基より成る群から選ばれ、ここでR1およびR2は同時にH
    であることはなく;そして −X-R1も−Y-R2もどちらも−C(=O)Hではない。〕。
  2. 【請求項2】 XおよびYがそれぞれ1,1’位の位置にあり、そしてaが
    1であるとき、R3はエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
    ル、パーフルオロアルキル、ブロモ、フルオロ、ヨード、NR4 3 +、NHR4 2 +、NH2R4 + 、SR4 2 +、NH3 +、NO2、SO2R4、CN、SO2Ar、COOH、OAr、COOR4、SH、SR4およびOH
    より成る群から選ばれ、R4はアルキルであり、Arはアリールである、請求項1
    記載の化合物。
  3. 【請求項3】 前記アルキルが7〜20個の炭素原子を有するアルキルであ
    る、請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】 前記ハロゲンがフルオロ、ブロモまたはヨードである、請求
    項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】 前記置換フェニルがXまたはYに対して少なくとも1つのオ
    ルト−位で置換されている、請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】 aが2〜5であり、そして前記置換フェニルがXまたはYに
    対して両オルト−位で置換されている、請求項1記載の化合物。
  7. 【請求項7】 XおよびYが共に−C(=O)−であり、そしてR1およびR2
    共に置換フェニルである、請求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】 少なくとも1つのR3がo−メチル、o−クロロおよびo−
    フルオロより成る群から選ばれる、請求項1記載の化合物。
  9. 【請求項9】 式: 【化3】 を有する、請求項8記載の化合物。
  10. 【請求項10】 式: 【化4】 を有する、請求項8記載の化合物。
  11. 【請求項11】 式: 【化5】 を有する、請求項8記載の化合物。
  12. 【請求項12】 式: 【化6】 を有する、請求項8記載の化合物。
  13. 【請求項13】 有効量の、式: 【化7】 を有する光開始剤化合物を含み、放射線照射によりアニオン光重合またはアニオ
    ン光架橋を開始させるのに適した光開始剤組成物〔上記の式において、 XおよびYは、独立に、単結合および−C(=O)−より成る群から選ばれ、ここ
    でXおよびYの少なくとも一方は−C(=O)−であり; R1およびR2は、独立に、Hおよび置換フェニルより成る群から選ばれ、ここ
    でR1およびR2は同時にHであることはなく;そして −X-R1も−Y-R2もどちらも−C(=O)Hではない。〕。
  14. 【請求項14】 XおよびYがそれぞれ1,1’位の位置にあり、そして前
    記置換フェニルが、式: 【化8】 (式中、各R3はアルキル、パーフルオロアルキル、ハロゲン、NR4 3 +、NHR4 2 +
    NH2R4+、SR4 2 +、NH3 +、NO2、SO2R4、CN、SO2Ar、COOH、OAr、COOR4、SH、SR4
    よびOHより成る群から選ばれ、R4はアルキルであり、Arはアリールであり、そ
    してaは1〜5の整数である。) を有する、請求項13記載の光開始剤組成物。
  15. 【請求項15】 光重合性モノマー、光重合性オリゴマーまたは光架橋性ポ
    リマーをさらに含む、請求項13記載の光開始剤組成物。
  16. 【請求項16】 前記光重合性モノマー、光重合性オリゴマーまたは前記光
    架橋性ポリマーが、エチレン、1,3−ジエン、スチレン、α−メチルスチレン
    、アクリレートエステル、メタクリレートエステル、アクリロニトリル、メタア
    クリロニトリル、アクリルアミド、メタアクリルアミド、アルデヒド、ケトン、
    N−カルボキシ−α−アミノ無水物、環状アミド、環状エステル、エポキシドお
    よびシロキサンより成る群から選ばれる、請求項15記載の光開始剤組成物。
  17. 【請求項17】 約16〜約90日の保存寿命を有する、請求項15記載の
    光開始剤組成物。
  18. 【請求項18】 前記光開始剤化合物が、式: 【化9】 を有する、請求項14記載の光開始剤組成物。
  19. 【請求項19】 前記光開始剤化合物が、式: 【化10】 を有する、請求項14記載の光開始剤組成物。
  20. 【請求項20】 前記光開始剤化合物が、式: 【化11】 を有する、請求項14記載の光開始剤組成物。
  21. 【請求項21】 請求項15記載の光開始剤組成物を含む、UV硬化性被覆組
    成物。
  22. 【請求項22】 請求項15記載の光開始剤組成物を含む、印刷インキ組成
    物。
  23. 【請求項23】 請求項15記載の光開始剤組成物を含む、フォトリソグラ
    フィ組成物。
  24. 【請求項24】 請求項15記載の光開始剤組成物を含む、接着剤組成物。
  25. 【請求項25】 請求項15記載の光開始剤組成物を含む、歯科用複合材料
    組成物。
  26. 【請求項26】 アニオン光開始反応によりモノマーを重合し、オリゴマー
    を架橋若しくは重合し、またはポリマーを架橋する方法であって、該モノマー、
    オリゴマーまたはポリマーと請求項13記載の光開始剤組成物との混合物に、該
    光開始剤組成物の光開始剤化合物が陰イオンとして帯電している求核剤を放出す
    るように反応し、そして該陰イオン帯電求核剤が該モノマーのアニオン重合、該
    オリゴマーのアニオン架橋若しくはアニオン重合反応、または該ポリマーのアニ
    オン架橋反応を開始させるような照射条件で照射する工程を含む、上記の方法。
  27. 【請求項27】 前記ポリマーが基材上に保護コーティングを形成する、請
    求項26記載の方法。
  28. 【請求項28】 半導電性または導電性の基材上にフォトリソグラフィック
    コーティングを形成する工程をさらに含み、ここで、該フォトリソグラフィック
    コーティングは、重合性または架橋性のモノマー、オリゴマーまたはポリマーの
    層を適用し、該層をマスクにより形成された電磁線パターンに曝露し、そして該
    層の未重合若しくは未架橋部分を除去することによって、重合または架橋で形成
    されたポリマーを含んでいる、請求項26記載の方法。
  29. 【請求項29】 印刷版用基板に光重合性または光架橋性のモノマー、オリ
    ゴマーまたはポリマーの層を適用し、そしてこの層をマスクにより形成された電
    磁線パターンに曝露することにより印刷版を製造する工程をさらに含む、請求項
    26記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記未重合部分を溶媒による洗浄によって除去する工程を
    さらに含む、請求項26記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記光重合性組成物に顔料または他の着色剤を加えて印刷
    インキを形成し、該印刷インキを印刷可能な基材に適用し、そして該印刷インキ
    を電磁線に曝露する工程をさらに含む、請求項26記載の方法。
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